WO2022123964A1 - 弁部材および搾乳器 - Google Patents

Abstract

洗浄し易い弁部材（４１）および搾乳器（１）が提供される。弁部材（４１）は、搾乳器（１）が負圧状態のとき乳汁を内部通路（２３）に一時貯留可能とし、搾乳器（１）が常圧状態のとき、内部通路（２３）に貯留されている乳汁を流出可能とする。弁部材（４１）は、搾乳器（１）に取り付けられるキャップ（４２）を備える。キャップ（４２）は、乳汁の流入側の第１空間（４６）と乳汁の流出側の第２空間（４７）とを仕切る仕切壁（４５）を備える。貫通孔（５３）は、仕切壁（４５）において第１空間（４６）と第２空間（４７）とを繋ぐ。第２空間（４７）に配置される弁体（４３）は、負圧状態が形成されたとき貫通孔（５３）を閉じ、常圧状態となったとき貫通孔（５３）を開く。

Description

弁部材および搾乳器

　本開示は、弁部材と、弁部材を備えた搾乳器とに関する。

　例えば特許文献１に示すように、手動の搾乳器が備える本体には、乳房にあてがわれるフードと、乳汁を貯留するボトルとが取り付けられる。搾乳器はさらに、フードが区画する搾乳口をボトルに接続する内部通路に負圧を発生させるダイヤフラムと、手動操作によってダイヤフラムを変位させるハンドルとを備えている。搾乳器では、ハンドルが操作されることでダイヤフラムが引き上げられるように変位することによって、内部通路の容積が拡大する。よって、内部通路に負圧が発生する。すると、負圧が発生しているとき、乳首から吐出された乳汁は、内部通路に貯留される。内部通路が負圧状態から常圧状態に戻ると、内部通路の弁が開き、乳汁はボトルに流出する。

　内部通路の下端には、ボトルに流出させる乳汁を、内部通路に一時的に貯留させるための弁部材が取り付けられている。弁部材は、シリコーンゴムなどの弾性を有する合成樹脂の成形体である。弁部材は、内部通路の下端に取り付けられるための基部と、基部の下端から延びる２枚の面状可動部とを備えている。２枚の面状可動部は、先端に向かうにつれて徐々に両者間の距離が減少するように設けられている。２枚の面状可動部の先端同士の突き合わせ部分には、スリットが形成されている。面状可動部の弾性の作用で自ずとスリットが閉じるように、弁部材は構成されている。

特開２０１５－１５２１４４号公報

　ところで、このような搾乳器における、内部通路に貯留された乳汁をボトルに流出させるための弁部材には、搾乳器の清潔性を維持するためにも洗い易さが求められる。しかし、前記文献に記載された弁部材の基部は筒形状であり、弁部材の弁体の部分の断面は三角形形状をしている。したがって、弁部材の内面は、洗浄しにくい形状となっている。

　なお、手動の搾乳器だけでなく、電動の搾乳器にも清潔性が求められている。電動の搾乳器に用いられる弁部材にも、洗浄のし易さが求められる。

　本開示の一側面によって提供される弁部材は、搾乳器用の弁部材である。弁部材は、搾乳器が負圧状態のとき乳汁を内部通路に一時貯留可能とし、前記搾乳器が常圧状態のとき、前記内部通路に貯留されている前記乳汁を流出可能とするように構成されている。弁部材は、前記搾乳器に取り付けられるキャップを備えている。キャップは仕切壁と貫通孔とを備えている。仕切壁は、前記乳汁の流入側の第１空間と、前記乳汁の流出側の第２空間とを仕切る。貫通孔は、前記仕切壁において前記第１空間と前記第２空間とを繋ぐ。弁部材は、前記第２空間に配置される弁体を備えている。弁体は、前記負圧状態が形成されたとき前記貫通孔を閉じ、前記常圧状態となったとき前記貫通孔を開くように構成されている。

　上記構成によれば、搾乳時において、内部通路が負圧状態となることによって、第２空間に配置されている弁体は、第１空間の方向に引き上げられ仕切壁に密着することで、貫通孔を塞ぐ。これにより、乳汁が第１空間に一時的に貯留される。内部通路が常圧状態になると、弁体が仕切壁から離れ、貫通孔を通じて第１空間の乳汁が第２空間へ流出する。このような弁部材は、キャップから弁体を取り外すことで、容易に洗浄できる。

　上記弁部材において、前記弁体は、前記貫通孔を塞ぐための板状部と、前記板状部から突出する取付突起とを備えてもよい。前記仕切壁は、前記取付突起が係合される取付孔を備える構成とされてもよい。上記構成によれば、キャップに対する弁体の取外作業や取付作業が、取付孔に対して接続突起を着脱するだけで良く容易である。

　上記弁部材において、前記キャップは外周壁を備え、前記外周壁のうちの前記第２空間を区画する部分は、第１厚さを有しつつ内側に向かって膨らむ肉厚部と、前記肉厚部よりも薄い第２厚さを有する肉薄部とを備える構成とされてもよい。上記構成によれば、貫通孔から第２空間へ流出した乳汁は、弁体の板状部で受けられてから外周壁の方向に流れる。弁体の外周端と外周壁の内側との間隔は、肉厚部の部分より肉薄部の部分の方が広くなる。したがって、板状部で受けられた乳汁は、肉薄部の部分において収容容器へ流れ易くなる。乳汁の一部は、弁体の外周端から肉厚部および肉薄部へ伝わり、外周壁の先端から収容容器へ流れる。このように、乳汁の一部は、整流されて、外周壁のうちの第２空間を区画する部分の先端から収容容器へ流れる。よって、例えば乳汁が飛散してボトルに滴下する場合と比べ、乳汁の滴下音を小さくできる。

　上記弁部材において、前記外周壁のうちの前記第２空間を区画する部分は、前記仕切壁からの高さとして第１高さを有する高部と、前記仕切壁からの高さとして前記第１高さより低い第２高さを有する低部とを備える。前記低部には前記肉厚部が構成され、前記高部には前記肉薄部が構成されるようにしてもよい。上記構成によれば、乳汁の一部は、肉厚部の低部から肉薄部の高部へと導かれ、高部の先端から収容容器に対して流れる。

　上記弁部材において、前記貫通孔は、前記仕切壁に周回方向に並べられた複数の貫通孔のうちの一つである。前記仕切壁は、前記複数の貫通孔よりも内側の中央領域と、前記複数の貫通孔よりも径方向外方の外周領域と、隣り合う前記貫通孔同士の間において前記中央領域を前記外周領域に繋ぐ複数の連結部とを備える。前記外周壁のうちの前記第２空間を区画する部分において、前記肉厚部は、前記連結部に対応する位置に構成され、前記肉薄部は、前記貫通孔に対応する位置に構成されているようにしてもよい。

　上記構成によれば、貫通孔から第２空間へ流出した乳汁は、弁体の面で受けられてから外周壁の方向に流れるに際して、特定の方向に偏ることなく全方向に亘って同じように流れることができる。貫通孔に対応する位置に構成された肉薄部の部分には、連結部に対応する位置に構成された肉厚部の部分よりも広い空間が存在する。したがって、貫通孔から流出した乳汁の一部は、肉薄部の部分において流れ易くなる。そして、乳汁の一部は、弁体の外周端から肉厚部および肉薄部へ伝わり、外周壁の先端から収容容器へ流れる。

　上記弁部材において、前記弁体は、弾性を有する合成樹脂材料の成形品とされてもよい。上記構成によれば、一時貯留部の負圧状態によって、弁体が仕切壁に密着することで貫通孔をしっかりと塞ぐことができる。

　上記弁部材において、前記弁体は、前記貫通孔を塞ぐための板状部を備え、前記仕切壁に向かう前記板状部の対向面は、フロスト加工が施された構成とされてもよい。上記構成によれば、仕切壁に向かう対向面が、仕切壁に対して貼り付くことを抑えることができる。

　上記開示の別の側面によって提供される搾乳器は、乳汁を貯留する収容容器と、乳房にあてがわれるフードと、搾乳された乳汁を一時貯留する内部通路であって、前記フードが区画する搾乳口を前記収容容器に接続するように構成されている前記内部通路と、前記内部通路に一時貯留された前記乳汁を前記収容容器に流出させるための弁部材とを備える。弁部材は、上述のような構成を備える。搾乳器はさらに、前記内部通路に負圧状態と常圧状態とを交互に形成する負圧発生機構を備える。上記搾乳器において、前記弁部材は、前記搾乳器が前記負圧状態のとき前記フードからの乳汁を前記内部通路に一時貯留可能とし、前記搾乳器が前記常圧状態のとき、前記内部通路に貯留されている前記乳汁を前記収容容器に流出可能とするように構成されている。

　本開示は、弁部材を洗浄し易くすることができる。

搾乳器の斜視図。 図１に示す搾乳器の分解斜視図。 図２に示す弁部材の分解斜視図。 図３に示すキャップの底面図。 図４の５－５線断面図。 図３に示す弁体の断面図。 図１に示す搾乳器の内部通路が、常圧状態のときの搾乳器の断面図。 図７に示す搾乳器の内部通路が、常圧状態のときの弁部材の断面図。 図７に示す搾乳器の内部通路が、負圧状態のときの弁部材の断面図。 乳汁の流れを示す、図８に示すキャップの底面図。

　以下、図１～図１０を参照して、搾乳器について説明する。
　図１に示すように、搾乳器１は、使用者が片手で操作可能な大きさを有した手動の搾乳器である。搾乳器１は、本体１１と、ボトル１２と、フード１３と、ダイヤフラム１４（図２参照）と、ハンドル１５と、ハンドルベース１６と、引き上げプレート１７とを備えている。

　本体１１には、乳汁を貯留する収容容器としてのボトル１２が接続される。本体１１は、乳房にあてがわれるフード１３が取り付けられる部材である。本体１１は、軽量でかつ硬質な合成樹脂材料の成形品である。具体的には、本体１１は、ポリプロピレン、ポリカーボネートなどの合成樹脂材料で形成されている。

　図２に示すように、本体１１は、ボトル取付部２１と、フード取付部２２と、内部通路２３とを備えている。ボトル取付部２１は、フード取付部２２に対して下側に位置している。ボトル１２は、乳汁を貯留する容器である。ボトル１２は、ボトル取付部２１に接続されるボトル開口部１２ａを備えている。ボトル開口部１２ａは、本体１１に代わって人工乳首を取り付けることができる。これにより、ボトル１２は、哺乳瓶の容器としても使用可能である。ボトル取付部２１がボトル開口部１２ａを閉塞するべく、ボトル取付部２１の内面に設けられたネジ部には、ボトル開口部１２ａを区画する周壁の外面に設けられたネジ部がネジ作用により螺合して締め付けられることが可能である。

　フード取付部２２は筒状に形成されており、フード取付部２２は、内部通路２３に繋がる流入路２５を備えている。フード１３は、乳房の形状に対応するドーム形状もしくはラッパ形状を有して乳房にあてがわれる拡径部１３ａと、拡径部１３ａの頂部に設けられる筒部１３ｂとを備えている。拡径部１３ａは、内側に搾乳口１３ｃを有している。拡径部１３ａの開口端である外縁には、弾性パッドなどが装着されて、拡径部１３ａの開口端は乳房に対して密着し易くなっている。筒部１３ｂは、フード取付部２２に挿入され嵌合される。

　内部通路２３は、本体１１の内部に設けられている。内部通路２３は、ボトル取付部２１の内側に位置する下端２６ａと、ダイヤフラム１４が取り付けられる取付端２４との間を延びることで、下端２６ａと取付端２４との間を繋いでいる。また、内部通路２３は、内部通路２３の取付端２４と、ボトル取付部２１の内側に位置する内部通路２３の下端２６ａとの間に、流入路２５の出口を備えている。内部通路２３のうち、流入路２５の出口と、ボトル取付部２１の内側に位置する下端２６ａとの間の通路は、フード１３から流入した乳汁を一時的に貯留する一時貯留部２６として機能する。また、内部通路２３のうち、取付端２４から流入路２５に至るまでの通路は、負圧が形成される負圧生成路２７として機能する。負圧生成路２７の上端は、ダイヤフラム１４が取り付けられる取付端２４である。取付端２４は、外側に広がったフランジ形状を有しているので、内部通路２３の開口面積を大きくしている。

　ダイヤフラム１４は、内部通路２３に負圧を生成する負圧生成部材として機能する。ダイヤフラム１４は、可撓性、弾性などを有するシリコーンゴムなどの合成樹脂材料の成形品である。ダイヤフラム１４は、取付端２４を塞ぐように係止される。一時貯留部２６の下端２６ａと、搾乳口１３ｃとは、流入路２５および内部通路２３によって繋がっている。フード１３が乳房にあてがわれ搾乳口１３ｃが乳房によって塞がれたとき、内部通路２３および流入路２５は、弁部材４１とダイヤフラム１４とによって塞がれていると、ほぼ密閉された空間となる。ダイヤフラム１４の内側には、ハンドル１５に接続するための接続部としての引き上げプレート１７が配置される。

　引き上げプレート１７は、ダイヤフラム１４より硬い合成樹脂材料の成形体であり、例えばポリカーボネートなどの弾性を有する合成樹脂材料の成形品である。引き上げプレート１７は、ハンドル１５との接続部である。引き上げプレート１７は、プレート部３１と、接続突起３２とを備えている。プレート部３１は、ダイヤフラム１４の内面（図２において下面）に配置される。接続突起３２は、プレート部３１のうちダイヤフラム１４に対向する面のほぼ中央部から、突設されている。ダイヤフラム１４の中央部は挿通孔１４ａを備えており、接続突起３２は、挿通孔１４ａを通じてダイヤフラム１４の外方（図２において上方）に突出する。

　プレート部３１には、筒状の挿入部材３０が取り付けられる。挿入部材３０は、内部通路２３のうちの負圧生成路２７の部分に挿入される挿入部３０ａを備えている。挿入部３０ａは、内部通路２３の一部である負圧生成路２７の容積を減らす。挿入部３０ａの突出形状は、内部通路２３における負圧生成路２７の内部形状に対応した形状を有している。すなわち、挿入部３０ａは、負圧生成路２７の内周面に沿って、負圧生成路２７の内方に挿入される筒状である。挿入部３０ａは、負圧生成路２７の内部空間の径を減少させることで、負圧生成路２７の容積を減らすことができる。挿入部３０ａは、ダイヤフラム１４が引き上げられた状態において、一時貯留部２６に繋がる流入路２５の出口を塞いでしまわない程度の長さを有している。よって、一時貯留部２６での負圧発生時、流入路２５から一時貯留部２６へ乳汁を流入可能である。

　ハンドル１５は、ハンドルベース１６によって、本体１１に対して回動可能に支持されている。ハンドルベース１６は、取付端２４の筒状形状を有した根本部に、回動可能に取り付けられる。ハンドルベース１６は、取付部３４と、回動支持片３５とを備えている。取付部３４はＣ型形状を有し、取付端２４の根本部に取付部３４が嵌合されることで、ハンドルベース１６は取付端２４に対して周回方向に回動可能に取り付けられる。回動支持片３５は取付部３４から上方に延長する湾曲形状を有した延長片であり、回動支持片３５の先端部は、ダイヤフラム１４の上方に位置するように設けられている。回動支持片３５の先端部は、ハンドル１５を回動支持する回動軸部となる支軸部３６を備えている。

　ハンドル１５は、ポリカーボネートなどの合成樹脂材料で形成されている。ハンドル１５は、リフト部３７と、レバー部３８とを備えている。リフト部３７は、引き上げプレート１７を介してダイヤフラム１４を引き上げる部分である。リフト部３７には、引き上げプレート１７の接続突起３２が係合される。これにより、ハンドル１５は、ダイヤフラム１４を引き上げ可能な状態となる。

　レバー部３８は、取っ手としての機能を有する。レバー部３８は、リフト部３７から、ボトル１２が配置される下方に向かって延びている。ハンドル１５は、レバー部３８とリフト部３７との境界付近の内側に、支軸部３６が係合される軸受部３９を備えている。軸受部３９に対して支軸部３６が回動可能な状態で係合されることによって、ハンドル１５は、本体１１に対して回動可能に支持される。ハンドル１５は、軸受部３９を回動支点として往復動する。ハンドル１５は、手からの入力によって、本体１１およびボトル１２に近づく回動操作方向である矢印Ｄ１方向（図１参照）に回動し、ダイヤフラム１４の弾性復帰力によって、本体１１およびボトル１２から遠ざかる復帰方向である矢印Ｄ２方向に回動する（図１参照）。

　図１に示すように、本体１１のうち、ハンドル１５に対向するフード取付部２２の下部には、窪み部４０が設けられている。窪み部４０は、使用者の親指の付け根部が係合される。すなわち、搾乳器１では、レバー部３８に使用者の親指以外の指が添えられ、窪み部４０に親指の付け根部が係合され、使用者が掌で搾乳器１を握るような動作をすることで、支軸部３６を支点としたハンドル１５の回動操作が可能となる。

　図２に示すように、内部通路２３の下端２６ａは、すなわち一時貯留部２６の下端２６ａは、ボトル１２がボトル取付部２１に取り付けられている状態において、ボトル開口部１２ａに臨む。図２および図３に示すように、内部通路２３の下端２６ａには、搾乳器１用の弁部材４１が取り付けられている。弁部材４１は、ボトル開口部１２ａ内に位置している。弁部材４１は、逆流防止弁である。すなわち弁部材４１は、ボトル１２内の乳汁や空気が、本体１１の方に逆流することを抑制する。かつ弁部材４１は、内部通路２３と、ボトル１２の内部空間とを仕切ることで、内部通路２３に負圧状態を形成することができる。ダイヤフラム１４、ハンドル１５、および、引き上げプレート１７は、内部通路２３に負圧状態と常圧状態を交互に形成する負圧発生機構を構成する。

　図３に示すように、弁部材４１は、内部通路２３の下端２６ａすなわち一時貯留部２６の下端２６ａに取り付けられるキャップ４２と、キャップ４２内に配置される弁体４３とを備えている。キャップ４２および弁体４３は、シリコーンゴムなどの弾性を有する合成樹脂材料の成形品である。図３に示すように、キャップ４２は、筒形状を有した外周壁４４と、外周壁４４から内側に延びる仕切壁４５とを備えている。仕切壁４５は、外周壁４４の高さ方向（図２および図３において上下方向）において、外周壁４４の内部空間を上方空間と下方空間との２つに仕切る。仕切壁４５は、一時貯留部２６側に上方空間としての第１空間４６を区画し、ボトル１２側に下方空間としての第２空間４７を区画する。第１空間４６は、内部通路２３に繋がっている。仕切壁４５は、キャップ４２の内部空間を、乳汁の流入側の第１空間４６と、乳汁の流出側の第２空間４７とに仕切る。外周壁４４は第１外周壁７１と第２外周壁７２とを備えており、第１外周壁７１は、外周壁４４のうちの第１空間４６を区画する部分である。第２外周壁７２は、外周壁４４のうちの第２空間４７を区画する部分である。

　図３に示すように、第１空間４６を区画する第１外周壁７１の内径は、内部通路２３の下端２６ａを区画する筒部に対して外周壁４４を外嵌可能な大きさを有している。図５に示すように、第２空間４７を区画する第２外周壁７２は、第１空間４６よりも大きな内径を有しており、第１空間４６を区画する第１外周壁７１よりも膨らんだ形状を有している。図４に示すように、第２空間４７を区画する第２外周壁７２は、第１厚さＴ１を有する複数の肉厚部４８と、第１厚さＴ１さよりも薄い第２厚さＴ２を有する複数の肉薄部４９とを備えている。肉厚部４８と肉薄部４９は、第２空間４７における第２外周壁７２の内周面に臨みつつ、周回方向に交互に３つずつ設けられている。肉厚部４８は、第２空間４７を区画する第２外周壁７２の内周面において、肉薄部４９に対して径方向内方に相対的に膨出した部分となり、肉薄部４９は、肉厚部４８に対して相対的に凹んだ部分となる。第２空間４７を区画する第２外周壁７２の内周面において、肉薄部４９のうちの最薄部から肉厚部４８のうちの最厚部にかけて、および、肉厚部４８の最厚部から肉薄部４９の最薄部にかけては、なだらかな曲面で繋がっている。

　図５に示すように、第２空間４７を区画する第２外周壁７２の下端は、仕切壁４５からの距離（高さ）が第１高さＨ１の高部５１と、第１高さＨ１さよりも低い第２高さＨ２の低部５２とを交互に備えている。高部５１および低部５２は、周回方向に交互に３つずつ設けられている。また、高部５１の最高部（図５における外周壁４４の下端のうちの最下部）と低部５２の最低部（図５における外周壁４４の下端のうちの最上部）とは、なだらかな曲線で繋がっている。すなわち、第２空間４７を区画する第２外周壁７２の先端（下端）は、最高部および最低部の２つの高さを有した波形状を有している。高部５１は、肉薄部４９の位置に設けられ、低部５２は、肉厚部４８の位置に設けられている。第１高さＨ１は、仕切壁４５のうちの第２空間４７を区画する面から、高部５１における最高部（図５における外周壁４４の下端のうちの最下部）までの高さ（上下方向寸法）であり、第２高さＨ２は、仕切壁４５のうちの第２空間４７を区画する面から、高部５１における最低部（図５における外周壁４４の下端のうちの最上部）までの高さである。

　高部５１のうちの第２空間４７を区画する内面（径方向内方に向かう面）は、低部５２の内面より面積が広い。そこで、高部５１の内面には、取付方向表示部５０が形成されている。取付方向表示部５０は、弁部材４１の一時貯留部２６の下端２６ａへ第１空間４６を外嵌させるための取付方向を示すとともに、および、弁体４３を仕切壁４５に取り付けるための取付方向を示す。一例として、取付方向表示部５０は、矢印によって構成され、高部５１の内面から突出する突状の線によって設けられている。

　図４に示すように、仕切壁４５は、中心と、外周壁４４の内周面（仕切壁４５の外縁）との間に、複数の貫通孔５３を備えている。ここでは、貫通孔５３の数は３つであり、これら貫通孔５３は等間隔に設けられている。すなわち複数の貫通孔５３は、仕切壁４５に周回方向に並べられている。各貫通孔５３は、周回方向に延びる円弧形状を有した長孔である。仕切壁４５は、第２空間４７側（下方）から見て、貫通孔５３の内側（径方向内方）の中央領域５４と、貫通孔５３の外側の外周領域５５とを備えている。外周領域５５は、各貫通孔５３と、外周壁４４の内周面との間の領域である。仕切壁４５はさらに、互いに隣接する貫通孔５３同士の間に位置する複数の連結部５６を備えている。各連結部５６は、中央領域５４を外周領域５５に繋ぐ。そして、肉厚部４８の最厚部および低部５２の最低部は、連結部５６に対応する位置に設けられ、肉薄部４９の最薄部および高部５１の最高部は、貫通孔５３に対応する位置に設けられている。なお、高部５１の最高部および肉薄部４９の最薄部は、貫通孔５３の長手方向の両端のそれぞれを、仕切壁４５の中心に繋ぐ径方向に延びる一対の線同士の間に位置する。また、中央領域５４の中央、すなわち仕切壁４５の中心は、弁体４３を取り付けるための取付孔５９を備えている。

　図６に示すように、弁体４３は、貫通孔５３を塞ぐための板状部５７と、板状部５７から突出する取付突起５８とを備えている。板状部５７は、仕切壁４５に対向する第１面５７ａと、第１面５７ａとは反対側で第２空間４７に臨む第２面５７ｂとを備えている。板状部５７は、第２空間４７を区画する第２外周壁７２に配置可能な大きさを有し、また、ここでは円形板形状を有している。図８に示すように、板状部５７の外周端と、第２空間４７を区画する第２外周壁７２の内面（内周面）７３との間には、若干の隙間５７ｃ（図８参照）が区画されるように、板状部５７の大きさは設定されている。この隙間５７ｃは、乳汁が流れる隙間である。

　図６に示すように、第１面５７ａは、平坦な面形状を有し、第２面５７ｂは、複数の貫通孔５３に対応する位置を繋ぐように環状突部６０（図３参照）を備えている。環状突部６０は板状部５７の厚みを増やすことで、板状部５７の変形を抑える。第１面５７ａは、仕切壁４５に向かう対向面である。第１面５７ａには、フロスト加工が施されており、第１面５７ａの表面には微細凹凸が形成されている。第１面５７ａは、フロスト加工によって、仕切壁４５に対する貼り付きが抑えられている。

　第１面５７ａの中央は、取付突起５８を備えている。取付突起５８は、先端に環状の膨出部５８ａを備えることで、膨出部５８ａの根元に係止溝５８ｂを備えている。取付突起５８が第２空間４７において第２空間４７から第１空間４６に向かって圧入されると、取付孔５９の周縁が係止溝５８ｂに係止される。

　板状部５７は、第２空間４７において、仕切壁４５に対して近接しつつ離間するように配置されている。弁体４３がキャップ４２に取り付けられると、第２空間４７において、板状部５７の外周端と、第２空間４７を区画する第２外周壁７２の内面（内周面）７３との間には、肉厚部４８の位置よりも肉薄部４９の位置の方がより広い空間が区画される。すなわち、板状部５７の外周端と、第２空間４７を区画する第２外周壁７２の内面（内周面）７３との間には、連結部５６に対応する位置よりも貫通孔５３に対応する位置の方がより広い空間が区画される。

　以上のように構成された搾乳器１の作用について説明する。
　分解状態にある搾乳器１は、次のように組み立てられる。
　まず、弁部材４１は、キャップ４２と弁体４３とが互いに分離した状態にある。弁部材４１を組み立てるには、取付方向表示部５０を見ながら、キャップ４２における第２空間４７に対して、取付突起５８を仕切壁４５に向けて、弁体４３が挿入される。すなわち、ユーザが誤って、第１空間４６にキャップ４２を挿入してしまうことを防ぐことができる。そして、取付突起５８は取付孔５９に挿入されることで、係止溝５８ｂに、仕切壁４５のうちの取付孔５９の周縁が係止される。これにより、弁部材４１のキャップ４２は、弁体４３と一体化される。この後、キャップ４２の第１空間４６は、一時貯留部２６の下端２６ａに外嵌される。キャップ４２は、弾性を有する合成樹脂材料の成形品であるので、下端２６ａに対して密着される。この際、ユーザは、取付方向表示部５０を確認することで、下端２６ａへの弁部材４１の取付方向を容易に確認できる。

　また、引き上げプレート１７と挿入部材３０とが一体化されるとともに、挿入部３０ａが負圧生成路２７に挿入される。その後、ダイヤフラム１４の挿通孔１４ａに接続突起３２が挿通されるとともに、ダイヤフラム１４は取付端２４に取り付けられる。また、本体１１には、ハンドルベース１６が取り付けられる。そして、接続突起３２は、ハンドル１５のリフト部３７に係合される。これと共に、ハンドルベース１６の支軸部３６は、ハンドル１５の軸受部３９に係合される。さらに、本体１１のボトル取付部２１に対して、ボトル１２が取り付けられるとともに、フード取付部２２に対してフード１３が取り付けられる。

　図７に示すように、搾乳を行うとき、搾乳器１は、使用者よって持たれ、フード１３が、搾乳口１３ｃを塞ぐように使用者の乳房にあてがわれる。これにより、内部通路２３には、ほぼ密閉された空間が区画される。

　レバー部３８がボトル１２の側面に近接する矢印Ｄ１方向に、ハンドル１５が手動で回動操作されると、引き上げプレート１７を介してダイヤフラム１４が引き上げられる。このとき、ダイヤフラム１４の引き上げによって、挿入部３０ａは、負圧生成路２７内を上昇する。すると、内部通路２３は負圧状態となるので、搾乳された乳汁が、流入路２５から一時貯留部２６に流入する。一時貯留部２６が負圧状態のとき、弁部材４１は一時貯留部２６の底部を閉じているので、流入路２５から流入した乳汁は、一時貯留部２６に貯留される。つまり弁部材４１は、搾乳器１が負圧状態のとき、乳汁を搾乳器１の内部通路２３に一時貯留可能である。

　弁体４３の動作を具体的に説明すると、ハンドル１５が矢印Ｄ１方向に回動されていないとき、内部通路２３は常圧状態にあり、図８に示すように、弁部材４１における板状部５７は、第２空間４７において、仕切壁４５に対して近接しつつ離間するように配置されている。すなわち、仕切壁４５と第１面５７ａの間には、隙間６１が形成される状態である。

　ハンドル１５が矢印Ｄ１方向に回動されて内部通路２３が負圧状態になると、図９に示すように、板状部５７は撓み、貫通孔５３には第２空間４７から第１空間４６の方向に板状部５７の一部が入り込むこれにより、貫通孔５３は、確実に閉塞される。この際、弁体４３は貫通孔５３に対応する位置に環状突部６０を備えることで、弁体４３の強度が高められているので、第１空間４６の方向に撓み過ぎることが抑えられる。そして、一時貯留部２６には、流入路２５から流入した乳汁が貯留される。仕切壁４５および板状部５７は、共に弾性を有する合成樹脂材料の成形品であるので、内部通路２３が負圧状態になると、互いに密着される。したがって、一時貯留部２６に貯留されている乳汁は、貫通孔５３から漏れにくい状態となる。

　使用者がハンドル１５の把持力を緩めると、ダイヤフラム１４が弾性復帰する作用によって、ハンドル１５は、矢印Ｄ２方向に回動し、内部通路２３は常圧に戻る。これにより、図８に示すように、弁部材４１の弁体４３は、仕切壁４５に対して緩むので、再び、仕切壁４５に対して近接しつつ離間するように配置された状態となる。すると、図１０に示すように、一時貯留部２６に貯留されている乳汁は、貫通孔５３を通じて流下し、板状部５７で受けられ、仕切壁４５と、板状部５７の第１面５７ａとの間の隙間６１に流れ込み、さらに、第１面５７ａの径方向外方に向かって流れる（矢印Ｄ３方向）。すなわち弁部材４１は、搾乳器１が常圧状態のとき、内部通路２３に貯留されている乳汁を、流出可能とするように構成されている。詳細には、内部通路２３は、フード１３が区画する搾乳口１３ｃをボトル１２に接続するように構成されている。弁部材４１は、搾乳器１が負圧発生機構による負圧状態のとき、フード１３からの乳汁を内部通路２３に一時貯留可能とする。弁部材４１はさらに、搾乳器１が常圧状態のとき、内部通路２３に貯留されている乳汁をボトル１２に流出可能とするように構成されている。

　ここで、板状部５７の外周端と、第２空間４７を区画する第２外周壁７２の内面７３との間の隙間５７ｃには、肉厚部４８の位置よりも肉薄部４９の位置の方により広い空間が構成される。すなわち、板状部５７の外周端と、第２空間４７を区画する第２外周壁７２の内面７３との間の隙間５７ｃには、連結部５６に対応する位置よりも貫通孔５３に対応する位置の方がより広い空間が構成される。したがって、貫通孔５３から流下し板状部５７によって受けられている乳汁の一部は、貫通孔５３の位置において、肉薄部４９の方向に円滑に流れる。また、乳汁の残りは、肉厚部４８の方向に流れる。そして、肉薄部４９を伝う乳汁は、高部５１の先端部（下端）に向かって流れる。また、肉厚部４８を伝う乳汁は、肉厚部４８から肉薄部４９の方向に流れる。そして、多くの乳汁は、肉薄部４９が位置する高部５１の先端部（下端）から、ボトル１２へ滴下する。なお、一部の乳汁は、板状部５７の外周端から、直接ボトル１２に滴下する。

　搾乳は、ハンドル１５を繰り返し往復動させることにより行われ、ハンドル１５の往復動に合わせて、挿入部３０ａも負圧生成路２７内を往復動する。これにより、内部通路２３には、常圧状態と負圧状態とが繰り返し形成されることになる。よって、順次、一時貯留部２６に乳汁が貯留されるとともに、一時貯留部２６に貯留された乳汁がボトル１２に滴下される。

　使用後の搾乳器１は、洗浄のため、図２のように分解される。すなわち、本体１１からは、ボトル１２と、フード１３と、ハンドル１５と、ハンドルベース１６と、ダイヤフラム１４と、および、挿入部３０ａが付設された引き上げプレート１７とが取り外される。そして、本体１１からは、弁部材４１も取り外される。弁部材４１のキャップ４２からは、弁体４３が分離される。かくして、搾乳器１は、組立および分解を容易に行うことができ、指やブラシを使って容易に洗浄することができる。弁部材４１でも、キャップ４２と弁体４３とを互いに分離することで、指やブラシを使って弁部材４１の各部材を容易に洗浄することができる。キャップ４２には、小さな貫通孔や深い孔などの細かな窪みもないので、第１空間４６、第２空間４７および貫通孔５３を容易に洗浄することができる。弁体４３にも細かな窪みがないので、弁体４３も容易に洗浄することができる。洗浄後、搾乳器１は、上述のように組み立てられる。

　以上のような搾乳器１によれば、以下に列挙する効果が得られる。
　（１）弁部材４１のキャップ４２から弁体４３を取り外すことで、弁部材４１を容易に洗浄できる。したがって、搾乳器１を清潔に維持できる。

　（２）キャップ４２に対する弁体４３の取外作業や取付作業は、取付孔５９に対して取付突起５８を着脱するだけで済むので、容易である。
　（３）貫通孔５３から第２空間４７へ流出した乳汁は、弁部材４１の板状部５７で受けられてから外周壁４４の方向に流れる。貫通孔５３に続く外周壁４４の内側の空間は、肉厚部４８の部分より肉薄部４９の部分の方が広い。したがって、貫通孔５３から流出して板状部５７で受けられた乳汁は、肉薄部４９の部分において外周壁４４へ流れ易くなる。乳汁の一部は、弁体４３の外周端から、肉厚部４８および肉薄部４９へ伝わり、外周壁４４の先端からボトル１２へ流れる。このように、乳汁の一部は、整流されて、第２空間４７を区画する第２外周壁７２の先端（下端）からボトル１２へ流れる。よって、例えば乳汁が飛散してボトルに滴下する場合と比べて、滴下音を小さくできる。

　（４）貫通孔５３から流出して板状部５７で受けられて外周壁４４へ流れた乳汁の一部は、肉厚部４８の低部５２から、肉薄部４９の高部５１へと導かれる。そして、高部５１の先端部から、ボトル１２に対して流れ易くなる。高部５１からボトル１２内の液面までの距離の方が、低部５２からボトル１２内の液面までの距離よりも短いので、高部５１から滴下される乳汁が多くなるほど、滴下音を小さくできる。

　（５）外周壁４４のうち第２空間４７を区画する部分には、第２高さＨ２の低部５２が設けられた。したがって、例えば第１高さＨ１に揃えて均一の高さの高部５１に外周壁を構成する場合よりも、第２高さＨ２の低部５２を設けることで、外周壁４４における弾性を有する合成樹脂材料の使用量を削減できる。

　（６）外周壁４４の内面７３と弁体４３との間のうち、貫通孔５３に対応する位置に構成された肉薄部４９の部分には、連結部５６に対応する位置に構成された肉厚部４８の部分よりも広い空間が存在する。したがって、貫通孔５３から流出した乳汁の一部は、肉薄部４９の部分において流れ易くなる。そして、乳汁の一部は、弁体４３の外周端から肉厚部４８および肉薄部４９へ伝わり、多くの乳汁は、外周壁４４の先端部からボトル１２へ流れる。

　（７）一時貯留部２６の負圧状態によって、弁体４３が仕切壁４５に密着することで、貫通孔５３をしっかりと塞ぐことができる。
　（８）仕切壁４５との対向面である第１面５７ａは、フロスト加工が施されることで、仕切壁４５に対する貼り付きを抑えることができる。

　なお、上記実施形態は、以下のように変更してもよい。
　・板状部５７の第１面５７ａにおいて、フロスト加工は、仕切壁４５に対する第１面５７ａの貼り付きを抑える。フロスト加工は、取付突起５８の表面には必ずしも設けられている必要はない。フロスト加工は、第１面５７ａのうち、少なくとも仕切壁４５の連結部５６に対向する位置に設けられていればよい。

　・弁部材４１において、弁体４３は、弾性を有する合成樹脂材料の成形品であればよい。弁体４３は、キャップ４２と同じ弾性を有する合成樹脂材料に限定されない。また、キャップ４２は、弁体４３に対して剛性を有する合成樹脂材料の成形品であってもよい。弁体４３は、貫通孔５３を塞ぐことができればよいからである。

　・貫通孔５３の数は、１つでもよいし、２つでもよいし、４つ以上であってもよい。一例として、真円の一部または楕円形状の一部としての貫通孔５３が、多数、取付孔５９の周囲に散点状に設けられていてもよい。また、貫通孔の形状も、円弧形状を有した長孔に限定されるものではない。貫通孔５３は、一例として放射方向に延びる直線形状の長孔であってもよい。

　・貫通孔５３の位置に肉厚部４８を設けてもよいし、連結部５６の位置に肉薄部４９を設けるようにしてもよい。
　・第２空間４７を区画する第２外周壁７２において、高部５１と低部５２との両方を備えていなくてもよい。一例として、仕切壁４５からの第２外周壁７２の高さを、高部５１の高さである第１高さＨ１に均一に揃えてもよい。これにより、滴下音を小さくできる。これとは逆に、仕切壁４５からの第２外周壁７２の高さを、低部５２の第２高さＨ２に揃えてもよい。これにより、使用する合成樹脂材料を少なくできる。第２空間４７を区画する第２外周壁７２の高さを揃えることで、外周壁４４の構造を簡素化できる。

　・外周壁４４は、肉厚部４８と肉薄部４９とを備えず、同じ厚さで構成されていてもよい。例えば、外周壁４４としての強度を確保できるのであれば、外周壁４４の厚さを肉薄部４９の第２厚さＴ２で揃えてもよい。これにより、使用する合成樹脂材料を少なくできる。これとは逆に、外周壁４４の厚さを肉厚部４８の第１厚さＴ１で揃えてもよい。

　・キャップ４２への弁体４３の取付構造は、上述の例に限定されるものではない。一例として、弁体４３の中心に取付孔を設け、仕切壁４５の第２空間４７に向かう面の中心に、取付突起５８を設けるようにしてもよい。また、仕切壁４５の第２空間４７に向かう面の外周部分に、取付突起５８および取付孔５９のうちの一方の複数を、等間隔に設ける。弁体４３に、取付突起５８および取付孔５９のうちの他方の複数を、仕切壁４５に対する相手側となるように設けてもよい。

　・引き上げプレート１７と挿入部材３０とは、部品点数削減のため一体成形された１部品で構成してもよい。また、ダイヤフラム１４を用いる負圧発生機構を確保した上で、挿入部材３０を省略してもよい。また、引き上げプレート１７を省略するとともに、ハンドル１５のリフト部３７に接続する接続部としての接続突起３２を、ダイヤフラム１４の外面に設けるようにしてもよい。

　・ハンドル１５は、ハンドルベース１６を介してではなく、直接、本体１１に回動支持されてもよい。この場合、回動支持片３５や支軸部３６が本体１１に一体的に設けられる。

　・ボトル取付部２１に対してボトル１２は着脱可能でなく、ボトル取付部２１に対してボトル１２は一体であってもよい。また、フード取付部２２に対してフード１３は着脱可能でなく、フード取付部２２に対してフード１３は一体であってもよい。収容容器は、ボトル１２の代わりに、可撓性を有する袋体で構成されていてもよい。

　・弁部材４１が適用される搾乳器１は、上記のような手動の構成に限らない。電動の搾乳器にも、弁部材４１を使用することができる。
　本明細書における記述「Ａ及びＢの少なくとも一つ」は、「Ａのみ」または「Ｂのみ」または「ＡとＢの両方」を意味するものとして理解されたい。

Claims (9)

1. 　搾乳器用の弁部材であって、前記弁部材は、前記搾乳器が負圧状態のとき乳汁を内部通路に一時貯留可能とし、前記搾乳器が常圧状態のとき、前記内部通路に貯留されている前記乳汁を流出可能とするように構成されており、前記弁部材は、
   　前記搾乳器に取り付けられるキャップであって、前記キャップは、前記乳汁の流入側の第１空間と前記乳汁の流出側の第２空間とを仕切る仕切壁と、前記仕切壁において前記第１空間と前記第２空間とを繋ぐ貫通孔とを備える、前記キャップと、
   　前記第２空間に配置される弁体であって、前記弁体は、前記負圧状態が形成されたとき前記貫通孔を閉じ、前記常圧状態となったとき前記貫通孔を開くように構成されている、前記弁体とを備える、
   　弁部材。
2. 　前記弁体は、前記貫通孔を塞ぐための板状部と、前記板状部から突出する取付突起とを備え、
   　前記仕切壁は、前記取付突起が係合される取付孔を備える、
   　請求項１に記載の弁部材。
3. 　前記キャップは外周壁を備え、
   　前記外周壁のうちの前記第２空間を区画する部分は、第１厚さを有しつつ内側に向かって膨らむ肉厚部と、前記肉厚部よりも薄い第２厚さを有する肉薄部とを備える、
   　請求項１または２に記載の弁部材。
4. 　前記外周壁のうちの前記第２空間を区画する部分は、前記仕切壁からの高さとして第１高さを有する高部と、前記仕切壁からの高さとして前記第１高さより低い第２高さを有する低部とを備え、
   　前記低部には前記肉厚部が構成され、前記高部には前記肉薄部が構成される、
   　請求項３に記載の弁部材。
5. 　前記貫通孔は、前記仕切壁に周回方向に並べられた複数の貫通孔のうちの一つであり、
   　前記仕切壁は、前記複数の貫通孔よりも内側の中央領域と、前記複数の貫通孔よりも径方向外方の外周領域と、隣り合う前記貫通孔同士の間において前記中央領域と前記外周領域とを繋ぐ複数の連結部とを備え、
   　前記外周壁のうちの前記第２空間を区画する部分において、前記肉厚部は、前記連結部に対応する位置に構成され、前記肉薄部は、前記貫通孔に対応する位置に構成されている、
   　請求項３または４に記載の弁部材。
6. 　前記弁体は、弾性を有する合成樹脂材料の成形品である、
   　請求項１ないし５のうち何れか１項に記載の弁部材。
7. 　前記弁体は、前記貫通孔を塞ぐための板状部を備え、
   　前記仕切壁に向かう前記板状部の対向面には、フロスト加工が施されている、
   　請求項１ないし６のうち何れか１項に記載の弁部材。
8. 　乳汁を貯留する収容容器と、
   　乳房にあてがわれるフードと、
   　搾乳された乳汁を一時貯留する内部通路であって、前記フードが区画する搾乳口を前記収容容器に接続するように構成されている前記内部通路と、
   　前記内部通路に一時貯留された前記乳汁を前記収容容器に流出させるための弁部材と、
   　前記内部通路に負圧状態と常圧状態を交互に形成する負圧発生機構と、
   を備える搾乳器であって、
   　前記弁部材は、請求項１ないし７のうち何れか１項に記載の構成を備えており、
   　前記弁部材は、前記搾乳器が前記負圧状態のとき前記フードからの乳汁を前記内部通路に一時貯留可能とし、前記搾乳器が前記常圧状態のとき、前記内部通路に貯留されている前記乳汁を前記収容容器に流出可能とするように構成されている、
   　搾乳器。
9. 　乳汁を貯留する収容容器と、
   　乳房にあてがわれるフードと、
   　搾乳された乳汁を一時貯留する内部通路であって、前記フードが区画する搾乳口を前記収容容器に接続するように構成されている前記内部通路と、
   　前記内部通路に一時貯留された前記乳汁を前記収容容器に流出させるための弁部材と、
   　前記内部通路に負圧状態と常圧状態を交互に形成する負圧発生機構と
   を備える搾乳器であって、
   　前記弁部材は、前記搾乳器が前記負圧状態のとき前記フードからの乳汁を前記内部通路に一時貯留可能とし、前記搾乳器が前記常圧状態のとき、前記内部通路に貯留されている前記乳汁を前記収容容器に流出可能とするように構成されており、前記弁部材は、
   　前記搾乳器に取り付けられるキャップであって、前記キャップは、前記乳汁の流入側の第１空間と前記乳汁の流出側の第２空間とを仕切る仕切壁と、前記仕切壁において前記第１空間と前記第２空間とを繋ぐ貫通孔とを備える、前記キャップと、
   　前記第２空間に配置される弁体であって、前記弁体は、前記負圧状態が形成されたとき前記貫通孔を閉じ、前記常圧状態となったとき前記貫通孔を開くように構成されている、前記弁体とを備える、
   　搾乳器。

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