WO2022070263A1 - 非燃焼式吸引器の電源ユニット、非燃焼式吸引器 - Google Patents

Abstract

電源ユニットは、エアロゾル源を含む筒状のカートリッジ３を挿抜可能なカートリッジ収容部１０を有するケース体２ｂを備え、カートリッジ収容部１０には、カートリッジ３に設けられた凹部２６ｉと係合してカートリッジの位置決めを行う凸部１０ｈが設けられ、カートリッジ収容部１０は、カートリッジ３を収容した状態において、カートリッジ３の側面をケース体２ｂの外表面側に向けて部分的に露出させる露出領域５を有する。

Description

非燃焼式吸引器の電源ユニット、非燃焼式吸引器

　本発明は、非燃焼式吸引器の電源ユニットとこれを備える非燃焼式吸引器に関する。

　特許文献１には、エアロゾル形成基体と、電気的に動作する気化器と、気化器に接続された第一の電気接点とを含むカートリッジと、カートリッジを受けるためのくぼみを画定する本体と、電力電源と、電力電源に接続された第二の電気接点と、マウスピース部分とを含む装置と、を有するエアロゾル発生システムが記載されている。このエアロゾル発生システムでは、マウスピース部分が閉位置にある時に、カートリッジにある第一の電気接点を装置にある第二の電気接点と接触した状態に保つ構成となっている。

日本国特表２０１７－５０６８９０号公報

　特許文献１に記載のエアロゾル発生システムでは、装置にカートリッジを装着する際に、カートリッジの装着状態が正規の位置からずれていると、マウスピース部分がカートリッジの挿抜方向に浮きあがった状態となる。したがって、この状態に気づかずにマウスピース部分を閉じようとすると、マウスピース部分を閉位置に保持できなくなる。このような状況になって初めてカートリッジの位置ずれをユーザが気づくことになり、操作性に難がある。

　本発明の目的は、カートリッジを収容する際に、カートリッジの位置ずれを容易に認識することのできる非燃焼式吸引器の電源ユニットとこれを備える非燃焼式吸引器を提供することにある。

　本発明の一態様の非燃焼式吸引器の電源ユニットは、エアロゾル源を含む筒状のカートリッジを挿抜可能なカートリッジ収容部を有するケース体を備え、前記カートリッジ収容部には、前記カートリッジに設けられた凸部又は凹部と係合して前記カートリッジの位置決めを行う凹部又は凸部が設けられ、前記カートリッジ収容部は、前記カートリッジを収容した状態において、前記カートリッジの側面を前記ケース体の外表面側に向けて部分的に露出させる露出領域を有する、ものである。

　本発明の一態様の非燃焼式吸引器は、前記電源ユニットと、前記カートリッジと、前記電源ユニットに着脱可能且つ前記カートリッジで生成されたエアロゾルに香味を付加する香味源を収容する香味源容器と、を備える、ものである。

　本発明によれば、カートリッジの位置ずれを容易に認識することができる。

非燃焼式吸引器１の外観斜視図である。 図１に示す非燃焼式吸引器１の右側面図である。 図１に示す非燃焼式吸引器１の分解斜視図である。 図１に示す非燃焼式吸引器１のカートリッジ収容部１０付近の拡大斜視図である。 図４のＣ－Ｃ線の断面矢視図である。 図４のＤ－Ｄ線の断面矢視図である。 図６に示すカートリッジ収容部の底部の部分破断斜視図である。 図１のＡ－Ａ線の断面矢視図である。 図２のＢ－Ｂ線の断面矢視図である。 非燃焼式吸引器１におけるカートリッジ３の装着初期の状態を示す概略説明図である。 非燃焼式吸引器１におけるカートリッジ３の装着中段の状態を示す概略説明図である。 非燃焼式吸引器１におけるカートリッジ３の装着終段の状態を示す概略説明図である。 図１に示す非燃焼式吸引器１の蓋部材２ａの動作を示すための概略側面図である。 非燃焼式吸引器１の変形例におけるカートリッジ３の装着途中の状態を示す概略説明図である。 図１４に示す変形例の概略説明図である。

　以下、本発明の非燃焼式吸引器の一実施形態である非燃焼式吸引器１を、図１～図１３に基づいて説明する。なお、図面は符号の向きに見るものとし、図示において、ＸＹＺ直交座標系を設定し、ＸＹＺ直交座標系を参照しつつ各部材の位置関係について適宜説明する。Ｘ軸方向は、非燃焼式吸引器１の左右方向（厚み方向ともいう）である。Ｙ軸方向は、非燃焼式吸引器１の前後方向（幅方向ともいう）である。図２において、Ｙ軸方向の右から左に向かう方向を前方向と記載し、前方向の逆方向を後方向と記載する。Ｚ軸方向は、非燃焼式吸引器１の上下方向（高さ方向ともいう）である。図２において、Ｚ軸方向の下から上に向かう方向を上方向と記載し、上方向の逆方向を下方向と記載する。
　カートリッジ収容部１０の主軸ＣＬを基準に各部材の位置関係について説明する場合もある。主軸ＣＬは、後述の底壁部１０ｂ（図４参照）の中心を通るカートリッジ収容部１０の中心軸である。主軸ＣＬが延びる方向を主軸方向（Ｚ軸方向）と言い、主軸ＣＬと直交する方向を径方向と言い、主軸ＣＬを周回する方向を周方向と言う。

　＜吸引器の全体構成＞
　図１は、非燃焼式吸引器１の外観斜視図である。図２は、非燃焼式吸引器１の右側面図である。図１に示す非燃焼式吸引器１は、液体のエアロゾル源を加熱により霧化してエアロゾルを生成し、生成したエアロゾルを香味源に通すことで、香味の付加されたエアロゾルを吸引可能とするものである。

　図１及び図２に示すように、非燃焼式吸引器１は、全体的に丸みを帯びた扁平の箱状に形成された外観に構成されている。非燃焼式吸引器１は、外側を外装ケース１２にて覆われた蓋部材２ａ及びケース体２ｂからなる本体部２と、本体部２内部に前後方向（Ｙ軸方向）において前側に偏心して設けられたカートリッジ収容部１０、に収容される有底筒状のカートリッジ３と、蓋部材２ａの吸口部１１に取り付け可能に構成された筒状の香味源容器４と、を備える。本体部２は、後述するように電源を内蔵しており、非燃焼式吸引器１の電源ユニットを構成している。

　図３は、非燃焼式吸引器１の分解斜視図である。ケース体２ｂは、前方側（カートリッジ収容部１０が配置された側）が上方に大きく開くように構成されている。図３に示すように、ケース体２ｂと蓋部材２ａとは、ヒンジ６を介して開閉自在に構成されている。ケース体２ｂには、その前方側において、カートリッジ３を収容可能な略円筒形状の空間のカートリッジ収容部１０が設けられている。ケース体２ｂの後方側には、蓋部材２ａを開閉可能に支持するヒンジ６が設けられている。

　蓋部材２ａは、カートリッジ収容部１０に対応する位置に香味源容器４を保持する貫通孔９ｈが設けられている。この貫通孔９ｈは、上方側（図３においては右斜め上方向）に向かって貫通している。また、貫通孔９ｈの下端部には、カートリッジ３の頂部２１ａ（図８参照）に当接するカートリッジ当接部９が設けられている。蓋部材２ａの下端面２ａｄには、カートリッジ当接部９に接近する位置に一対の磁着部７が設けられている。蓋部材２ａは、その前方側がケース体２ｂの下方側）に向かって延出された蓋部８を備えている。

　蓋部材２ａを支持するヒンジ６は、例えば、蓋部材２ａ側に取り付けられた回動部６ａと、ケース体２ｂに取り付けられた支持部６ｂとを含む構成である。このヒンジ６においては、例えば、回動部６ａは支持部６ｂに対して回転するだけでなく、蓋部材２ａをケース体２ｂに対して離間する方向（主軸ＣＬの方向）に移動することができる構造を備えている。なお、蓋部材２ａを主軸ＣＬの方向に移動させる形態については、回動部６ａをその回動と同時に移動させる構造、或いは、回動部６ａの回動とは独立して、支持部６ｂが移動する構造のいずれの構造でもよい。

　本体部２には、非燃焼式吸引器１の使用に便利なディスプレイやそれを覆うディスプレイカバー（不図示）、カートリッジ収容部１０に収容されたカートリッジ３のエアロゾル源の残量を確認可能な窓部等が設けられてもよい。本体部２の例えば底面には、外気を非燃焼式吸引器１の内部に取り入れる図示省略の空気孔が設けられる。

　ケース体２ｂ内には、詳細についてはここでは記載しないが、例えば、入力デバイス、回路基板、表示デバイス、各種センサ、バイブレータ、及び電源など、各種の部材が設けられている。なお、電源にはリチウムイオン電池等の二次電池が用いられる。ケース体２ｂの外面底部には、この電源の充電を行うための充電端子２０が設けられている。

　＜カートリッジ収容部１０の構成＞
　図４は、非燃焼式吸引器１のカートリッジ収容部１０付近の拡大斜視図である。図５は、図４のＣ－Ｃ線の断面矢視図である。図６は、図４のＤ－Ｄ線の断面矢視図である。図７は、図６に示すカートリッジ収容部１０の底部の部分破断斜視図である。

　図４に示すように、カートリッジ収容部１０は、収容されたカートリッジ３の先端面と対面する例えば真円形状の底壁部１０ｂと、側壁部１０ｗと、により構成される。カートリッジ収容部１０は、底壁部１０ｂの外縁を、底壁部１０ｂの位置からケース体２ｂの上端面２ｂｕの位置まで移動させた際のその外縁の軌跡によって構成される空間である。カートリッジ収容部１０のうち、ケース体２ｂの上端面２ｂｕ側の端部のことを、カートリッジ挿抜口１０ａと記載する。

　側壁部１０ｗは、底壁部１０ｂの外縁から上方向に垂直に延びる円筒状の第一側壁部１０ｗｓ１と、第一側壁部１０ｗｓ１からケース体２ｂの上端面２ｂｕまで延びる第二側壁部１０ｗｓ２と、により構成される。第二側壁部１０ｗｓ２の形状は、円筒状の部材を、その軸方向一端側から軸方向他端側に向かい且つ径方向外側に向かって切り欠いた構成に等しい。

　ケース体２ｂの前方側端部には、ケース体２ｂの上端面２ｂｕ側（カートリッジ挿抜口１０ａ側）から下方且つ前方に向かって大きく切り欠かれた切欠き部５ｋが設けられている。上述した第二側壁部１０ｗｓ２は、この切欠き部５ｋによって形成された部分である。

　この切欠き部５ｋの存在により、カートリッジ収容部１０は、カートリッジ３を収容しかつ蓋部材２ａを閉じる前の状態において、カートリッジ３の側面（軸方向の両端面を除く周面）をケース体２ｂの外表面側（前方側）に向けて部分的に露出させる露出領域５を有する構成となっている。露出領域５の左右方向（Ｘ軸方向）の幅Ｗ１は、カートリッジ３の左右方向の幅よりも大きく構成されている。本明細書においてカートリッジ３がカートリッジ収容部１０に収容された状態とは、カートリッジ３の一端が第一側壁部１０ｗｓ１で覆われる空間に存在し、カートリッジ３の一端面が底壁部１０ｂに接触している状態を言う。

　カートリッジ収容部１０に収容されて位置決めされた状態のカートリッジ３は、底壁部１０ｂ側の端部においては、側面の全周が第一側壁部１０ｗｓ１によって覆われる。また、カートリッジ収容部１０に収容されて位置決めされた状態のカートリッジ３は、カートリッジ挿抜口１０ａ側（底壁部１０ｂ側と反対側）の端部においては、側面の一部のみが第二側壁部１０ｗｓ２によって覆われ、その側面の残りの部分が露出領域５から露出する。

　なお、ここでいう露出とは、カートリッジ３を収容しかつ蓋部材２ａを閉じる前の状態において、カートリッジ３の側面が直接視認できる（物体を介在せずに見ることができる）状態をいうものである。

　図４に示すように、ケース体２ｂの上端面２ｂｕには、カートリッジ挿抜口１０ａに接近した位置に、蓋部材２ａ側の磁着部７と対応する一対の磁着部７が設けられている。

　図５に示すように、カートリッジ収容部１０の切欠き部５ｋの上下方向の長さＬ２は、カートリッジ３がカートリッジ収容部１０に収容されて位置決めがなされなかったときに、カートリッジ３が露出領域５から外側に倒れることができるように構成されている。具体的には、切欠き部５ｋの長さＬ２は、カートリッジ３の軸方向の長さＬ１（図３参照）の半分よりも大きく構成されている。換言すると、カートリッジ収容部１０の第一側壁部１０ｗｓ１の高さＬ３は、カートリッジ３の長さＬ１の半分かそれ以下となっている。カートリッジ収容部１０の前面壁部１０ｗｆ及び後面壁部１０ｗｒは、それぞれ、図５に示すように、底壁部１０ｂから垂直（Ｚ軸方向）に延びており、カートリッジ３が収容された状態において、カートリッジ３の外周壁２１ｄ（図３参照）に対面する。

　図６及び図７に示すように、カートリッジ収容部１０の底壁部１０ｂには、主軸ＣＬを挟んでＹ軸方向に離間して配置された２つの挿入孔１０ｃが設けられている。２つの挿入孔１０ｃは、底壁部１０ｂを主軸ＣＬ方向（Ｚ軸方向）に貫通している。そして、カートリッジ収容部１０の内部に２つの突電極５０が貫通した状態で設けられている。この突電極５０は、ケース体２ｂ内部の電源（不図示）に接続された第二電気接点を構成している。突電極５０は、主軸ＣＬの方向に弾性移動可能に設けられている。

　底壁部１０ｂには、第一側壁部１０ｗｓ１から底壁部１０ｂの中心に向かって適宜寸法Ｄ３を有して突出すると共に底壁部１０ｂから上方に向かって突出する係合凸部１０ｈが設けられている。係合凸部１０ｈは、底壁部１０ｂの上面側に突出していることで、カートリッジ３の軸方向先端に設けられた係合凹部２６ｉ（図３参照）に係合することができる。カートリッジ３の係合凹部２６ｉとカートリッジ収容部１０の係合凸部１０ｈは、カートリッジ収容部１０内において、カートリッジ３を周方向及び径方向において位置決めする機構を構成している。係合凸部１０ｈは、周方向に等間隔（周方向に１２０°間隔）で３つ形成されている。なお、係合凸部１０ｈの数は、係合凹部２６ｉの同数に限られない。係合凸部１０ｈの数は、係合凹部２６ｉと同数以下であっても構わない。

　図６に示すように、カートリッジ収容部１０の内部に収容されるカートリッジ３の外径Ｄ２は、カートリッジ収容部１０の第一側壁部１０ｗｓ１にて形成される内径Ｄ１よりも小さい。カートリッジ収容部１０の内径Ｄ１とカートリッジ３の外径Ｄ２との間で生じる隙間は、カートリッジ収容部１０の内径Ｄ１の２．６％より大きいとよい。これにより、カートリッジ収容部１０とカートリッジ３とのクリアランスを適切に確保でき、カートリッジ３の収容時に、係合凸部１０ｈを係合凹部２６ｉに誘い込みやすくなる。ここで言うカートリッジ収容部１０とカートリッジ３との間で生じる隙間は、カートリッジ収容部１０の内径Ｄ１とカートリッジ３の外径Ｄ２の差分により算出される。例えば、内径Ｄ１が１１．８ｍｍ、外径Ｄ２が１１．５ｍｍの場合、隙間は０．３ｍｍである。この隙間は、内径Ｄ１の２．５４％に相当し、この場合は上記条件から除外される。

　図７に示すように、係合凸部１０ｈは、主軸方向上側に突出した曲面形状を有する。つまり、係合凸部１０ｈは、周方向における幅が、主軸方向上側に向かうに従って小さくなっている。

　係合凸部１０ｈの寸法Ｄ３は、カートリッジ収容部１０とカートリッジ３との間で生じる隙間よりも大きい。つまり、係合凸部１０ｈは、径方向において、カートリッジ収容部１０の第一側壁部１０ｗｓ１からカートリッジ収容部１０の内側に向かって、カートリッジ収容部１０の内径Ｄ１の２．６％より大きい寸法Ｄ３で延在している。これにより、係合凸部１０ｈと、カートリッジ３の係合凹部２６ｉとが係合して位置決めが機能する。

＜カートリッジの構成＞
　先ず、図３を参照して説明すると、カートリッジ３は、円柱状に形成され、前掲のカートリッジ挿抜口１０ａからカートリッジ収容部１０の内部に挿抜可能に収容される。カートリッジ３は、液体のエアロゾル源を貯留するとともに、エアロゾル源を霧化する電熱線２５ｂ（図８参照）からなる霧化器を備えている。エアロゾル源は、グリセリン、プロピレングリコール、及び水などの液体を含む。エアロゾル源に、後述の香味源と同等の成分が添加されていてもよい。

　図８は、カートリッジ３が収容された非燃焼式吸引器１における図１のＡ－Ａ線の断面矢視図である。図８に示すように、カートリッジ３は、タンク２１と、ガスケット２２と、メッシュ体２３と、霧化容器２４と、加熱部２５と、ヒーターホルダー２６と、を備えている。タンク２１は、エアロゾル源を貯留している。タンク２１は、透光性を有し、エアロゾル源の残量を確認することができる。

　ここでいう「透光性」とは、光が通過する物質の性質において、透過率が極めて高く、物質を通してその向こう側が透けて見える「透明」、及び、「透明」と同様に光が透過する性質を有しているが、透過する光が拡散されるため、または透過率が低いために、「透明」と違ってその材質を通して向こう側の形状等を明確には認識できない状態を含む。つまり、磨りガラスや乳白色プラスティック等であっても、透光性を有する。

　タンク２１は、有頂筒状に形成されている。タンク２１の頂部２１ａには、貫通孔９ｈが接触している。頂部２１ａには、貫通孔９ｈに接続される流路管２１ｃが垂設されている。流路管２１ｃは、霧化されたエアロゾルの流路となる。流路管２１ｃは、タンク２１の外周壁２１ｄと複数のリブ２１ｅを介して接続されている。リブ２１ｅは、主軸方向からみて放射状となるように、周方向に等間隔で配置されている。

　タンク２１の外周壁２１ｄは、流路管２１ｃの下端よりも下側に延在している。外周壁２１ｄの下端部近傍には、係合孔２１ｆ（図３参照）が２つ形成されている。２つの係合孔２１ｆは、タンク２１にヒーターホルダー２６を固定するためのものである。２つの係合孔２１ｆは、主軸ＣＬを挟んで、外周壁２１ｄの両側に対向配置されている。なお、カートリッジ３がカートリッジ収容部１０に収容され位置決めされた状態において、カートリッジ３の中心軸は、カートリッジ収容部１０の主軸ＣＬと一致する。

　ガスケット２２は、タンク２１の外周壁２１ｄと流路管２１ｃとの間に形成された環状空間である液体収容室２１ｇの底部を覆う環状の板部材である。ガスケット２２は、メッシュ体２３の位置決めを行うとともに、メッシュ体２３の姿勢を保持する。ガスケット２２には、開口部２２ａが複数形成されている。開口部２２ａは、周方向に等間隔で配置されている。メッシュ体２３は、このガスケット２２の開口部２２ａを介して液体収容室２１ｇに接し、湿潤している。

　メッシュ体２３は、多孔状で吸液性を有する部材である。メッシュ体２３は、例えばコットン系繊維材やガラス系繊維などにより形成されている。メッシュ体２３もガスケット２２とほぼ同一の環状に形成されている。すなわち、メッシュ体２３の径方向中央には、流路管２１ｃが挿入されている。メッシュ体２３によって、ガスケット２２の開口部２２ａが閉塞され、タンク２１の内部に液体収容室２１ｇが形成される。液体収容室２１ｇには、液体のエアロゾル源が貯留されている。

　霧化容器２４は、弾性を有する部材、例えばシリコーン樹脂等の樹脂材料により形成されている。霧化容器２４は、有底筒状に形成されている。霧化容器２４の周壁２４ａの上端開口縁は、主軸方向でメッシュ体２３の外周縁に接している。つまり、メッシュ体２３は、ガスケット２２と霧化容器２４との間に挟まれている。霧化容器２４の周壁２４ａの外面には、タンク２１の外周壁２１ｄの内面に嵌合する嵌合部２４ｂが形成されている。

　霧化容器２４の周壁２４ａの内側には、霧化室２４ｃが形成されている。霧化室２４ｃは、タンク２１の流路管２１ｃに連通している。霧化容器２４の底壁２４ｄには、開口部２４ｅが形成されている。霧化室２４ｃには、加熱部２５が配置されている。加熱部２５は、液体のエアロゾル源を霧化するためのものである。加熱部２５は、メッシュ体２３に接続されたウィック２５ａと、ウィック２５ａを加熱する電熱線２５ｂと、を備えている。

　ウィック２５ａは、多孔状で吸液性を有する略円柱状の部材である。ウィック２５ａは、略Ｕ字状に湾曲変形している。より詳しくは、ウィック２５ａは、主軸方向に延びる２つの主軸方向延出部と、２つの主軸方向延出部同士を接続する径方向延出部と、を有する。２つの主軸方向延出部は、Ｘ軸方向（図８において紙面前後方向）に重なって配置され、それぞれがメッシュ体２３に接続されている。これにより、メッシュ体２３に吸収されたエアロゾル源がウィック２５ａに吸い上げられる。

　電熱線２５ｂは、エアロゾル源を加熱することのできる発熱素子であり、発熱抵抗体、セラミックヒータ、及び誘導加熱式のヒータ等で構成される。電熱線２５ｂは、ウィック２５ａの径方向延出部の周囲に螺旋状に巻かれている。電熱線２５ｂの両端部は、主軸ＣＬの方向に沿ってヒーターホルダー２６側に向かって延出されている。電熱線２５ｂの両端部は、ヒーターホルダー２６の底壁２６ｄの下面に設けられた第一電気接点である２つの平面電極２６ｈ（図３参照）とそれぞれ電気的に接続されている。２つの平面電極２６ｈは、カートリッジ収容部１０の突電極５０と電気的に接続される。２つの平面電極２６ｈを介して電熱線２５ｂが通電すると、ウィック２５ａが加熱される。ウィック２５ａが加熱されると、ウィック２５ａに吸収されたエアロゾル源が霧化される。

　ヒーターホルダー２６は、有底筒状に形成されている。ヒーターホルダー２６の周壁２６ａは、霧化容器２４の周壁２４ａの外側且つタンク２１の外周壁２１ｄの内側に挿入される。周壁２６ａの上端開口縁は、霧化容器２４の嵌合部２４ｂに主軸方向で当接する。周壁２６ａの上端には、タンク２１の外周壁２１ｄの２つの係合孔２１ｆに係合する、２つの係合片２６ｂが形成されている。タンク２１とヒーターホルダー２６との間には、主軸方向において、ガスケット２２、メッシュ体２３、及び、霧化容器２４がこの順に組み込まれている。

　ヒーターホルダー２６の周壁２６ａの下側は、タンク２１から露出している。この周壁２６ａの下側は、タンク２１の外周壁２１ｄとほぼ同じ外径を有する。また、この周壁２６ａの下側には、径方向に貫通する２つの吸気孔２６ｃ（図３参照）が形成されている。２つの吸気孔２６ｃは、主軸ＣＬを挟んで、周壁２６ａの両側に対向配置されている。２つの吸気孔２６ｃは、カートリッジ３の外部（カートリッジ収容部１０の内部）と霧化室２４ｃとを連通させる。なお、ヒーターホルダー２６の底壁２６ｄにも、主軸方向に貫通する吸気孔２６ｅが形成されているが無くても構わない。吸気孔２６ｅも、カートリッジ３の外部（カートリッジ収容部１０の内部）と霧化室２４ｃとを連通させる。

　ヒーターホルダー２６の底壁２６ｄには、板状の隔離壁２６ｆが主軸ＣＬ方向に立設している。また、隔離壁２６ｆは、径方向に延在しており、その両端部は周壁２６ａの内面に接続されている。底壁２６ｄには、主軸ＣＬ方向に貫通する２つのスリット２６ｇが形成されている。２つのスリット２６ｇは、隔離壁２６ｆを挟んで配置されている。２つのスリット２６ｇには、２つの平面電極２６ｈの折り曲げ部分が挿し込まれている。隔離壁２６ｆは、２つの平面電極２６ｈ及び２つの平面電極２６ｈに接続された電熱線２５ｂの両端部の短絡を防止する。

　図３に戻り、ヒーターホルダー２６の底壁２６ｄには、３つの係合凹部２６ｉが形成されている。３つの係合凹部２６ｉは、周方向に等間隔（周方向に１２０°間隔）で配置されている。係合凹部２６ｉは、径方向外側と主軸方向下側が開口するように形成されている。係合凹部２６ｉは、径方向からみて等脚台形状（図１０参照）に形成され、主軸方向下側に向かうに従って周方向の幅が漸次広がるテーパ状の脚（斜面）を有する。

　＜香味源容器＞
　図９は、図２のＢ－Ｂ線の断面矢視図である。香味源容器４は、蓋部材２ａの吸口部１１に、着脱可能に装着されている。香味源容器４は、香味源収容室２７ｃに香味源を収容しており、カートリッジ３で生成されたエアロゾルに香味を付加する。香味源を構成する原料片としては、刻みたばこ、たばこ原料を粒状に形成した成形体を用いることができる。また、香味源は、たばこ以外の植物（例えば、ミント、漢方、ハーブ等）によって構成されてもよい。また、香味源には、メントールなどの香料が付与されていてもよい。さらに、香味源は、植物由来の担持体（セルロース等）やその他の担持体（無機物の担持体を含む）に、香料を担持させたものであっても構わない。

　香味源容器４は、有底筒状の容器本体２７と、容器本体２７の開口部を覆うフィルター２８と、を備えている。容器本体２７の周壁２７ａは、吸口部１１の周壁１１ｗの内側に挿入される。容器本体２７の周壁２７ａの上側の周壁上部２７ａｕは、吸口部１１の周壁１１ｗから露出している。この周壁上部２７ａｕは、吸口部１１の周壁１１ｗとほぼ同じ外径を有する。周壁上部２７ａｕには、吸口部１１の周壁１１ｗの上端開口縁に当接する段差２７ｂが形成されている。

　蓋部材２ａにおいて、香味源容器４の下側には、カートリッジ当接部９が設けられている。カートリッジ当接部９は、蓋部材２ａの下端面２ａｄから突出しており、蓋部材２ａが閉じられたときに、カートリッジ３の頂部２１ａ（図８参照）に当接し、カートリッジ３の流路管２１ｃと連通する貫通孔９ｈを有する。このカートリッジ当接部９は、例えば、シリコーン樹脂等の樹脂材料により形成された弾性体である。カートリッジ当接部９は、その先端部に環状リング部９ｒを備えており、カートリッジ３と当接したときに、カートリッジ３の頂部２１ａに対して密着し密閉性を確保できる構成となっている。

　容器本体２７の周壁２７ａの内側には、香味源収容室２７ｃが形成されている。容器本体２７の底壁２７ｄは、主軸方向に貫通する微細孔が多数形成されたメッシュ状の構造となっている。

　フィルター２８は、例えば不織布から形成されている。フィルター２８は、容器本体２７の周壁２７ａの内側に配置されている。フィルター２８によって、容器本体２７の開口部が閉塞され、香味源容器４の内部に香味源収容室２７ｃが形成される。香味源収容室２７ｃには、上述した香味源が収容されている。

　前述したように、蓋部材２ａの下端面２ａｄには、一対の磁着部７（図３参照）が設けられている。この磁着部７は、蓋部材２ａ側とケース体２ｂ側の両方に対面する位置に設けれ、蓋部材２ａを閉じたときに磁力によって蓋部材２ａを閉じる方向に引き寄せ、閉じ状態を維持する。この磁着部７は、磁石或いは磁性体にて構成されており、対面する少なくとも一方のものが磁石であれば良い。

　＜吸引器の操作方法＞
　図１０は、非燃焼式吸引器１におけるカートリッジ３の装着初期の状態を示す概略説明図である。図１１は、非燃焼式吸引器１におけるカートリッジ３の装着中段の状態を示す概略説明図である。図１２は、非燃焼式吸引器１におけるカートリッジ３の装着終段の状態を示す概略説明図である。

　図１０に示すように、非燃焼式吸引器１を組み立てるにあたっては、先ず、蓋部材２ａを開いた状態で、ケース体２ｂのカートリッジ収容部１０にカートリッジ３を収容する。この収容に際しては、カートリッジ３の平面電極２６ｈをケース体２ｂ側に向けた状態で、カートリッジ３を、カートリッジ収容部１０のカートリッジ挿抜口１０ａから挿入する。

　カートリッジ３は、カートリッジ収容部１０への挿入時に自由落下する。このとき、カートリッジ収容部１０の係合凸部１０ｈとカートリッジ３の係合凹部２６ｉとが係合して、カートリッジ３が正規位置に収容されることがほとんどである。しかし、図１０に示すように、係合凸部１０ｈと係合凹部２６ｉとが位置ずれした状態（カートリッジ収容部１０の係合凸部１０ｈと、カートリッジ３の係合凹部２６ｉとの周方向位置が一致しない状態）となる場合が稀にある。

　ここで、係合凸部１０ｈと係合凹部２６ｉとが位置ずれした状態では、図１１に示すように、カートリッジ３は不安定な状態であることから、側壁部１０ｗがない切欠き部５ｋ側に倒れる。この倒れた状態は、ユーザにあっては、カートリッジ３が正しく挿入されていないことが極めて容易に認識できる。

　したがって、ユーザは、カートリッジ３を適当な方向に回転させる。この操作により、図１２に示すように、カートリッジ３は、係合凸部１０ｈと係合凹部２６ｉとの位置ずれ状態が解消されて嵌合し正規の位置に位置決めされる。このときの回転操作は、カートリッジ３に少し触れるような操作だけで、係合凹部２６ｉが係合凸部１０ｈに嵌まり込むことができる。係合凸部１０ｈが前掲の如く上方に向かって幅が狭くなるような湾曲面に構成され、更に、係合凹部２６ｉにおいても誘い込みの傾斜面を有しているので、係合凸部１０ｈが係合凹部２６ｉに極めて容易に嵌合できる。カートリッジ３が正規の位置に組み付けられることで、カートリッジ３の平面電極２６ｈが突電極５０に接触する。

　また、本実施形態では、カートリッジ収容部１０の内径Ｄ１とカートリッジ３の外径Ｄ２との間で生じる隙間は、カートリッジ収容部１０の内径の２．６％より大きくなっている。このように、カートリッジ収容部１０とカートリッジ３とのクリアランスが適切に確保されるため、係合凸部１０ｈを係合凹部２６ｉに誘い込みやすい。

　カートリッジ３が正規の位置に組み付けられた状態で、蓋部材２ａを閉じる。この閉じ状態では、カートリッジ当接部９がカートリッジ３に当接し、カートリッジ当接部９が主軸ＣＬ方向に圧縮される。また、磁着部７によって、この主軸ＣＬ方向の圧縮状態は維持される。これにより、カートリッジ３の位置決め、さらにはカートリッジ３とケース体２ｂとの電気的導通が行なわれる。加えて、カートリッジ当接部９が主軸ＣＬ方向に圧縮されることで、カートリッジ３と吸口部１１との隙間がシールされる。

　前掲の操作の場合、切欠き部５ｋからはみ出たカートリッジ３を正規位置に入るように手指にて直接操作したが、他の操作方法もある。例えば、カートリッジ３が乗り上げ状態（係合凸部１０ｈと係合凹部２６ｉとの位置ずれ状態）のままで、蓋部材２ａを閉じる操作をすることもできる。この場合、蓋部材２ａを閉じるとき、切欠き部５ｋから外側に倒れているカートリッジ３は、蓋部材２ａの蓋部８の内壁面によって押される。このときの衝撃によって、カートリッジ３が振動して移動し、係合凹部２６ｉが係合凸部１０ｈに嵌合して正規位置に移動する。

　次に、蓋部材２ａを開ける場合について説明する。図１３は、蓋部材２ａの動作を示すための概略側面図である。蓋部材２ａを開ける場合、蓋部材２ａとケース体２ｂとの分割部分の後方側を支点にするようにして蓋部材２ａを回動するように操作する。これにより、蓋部材２ａは、磁着部７の磁力に抗してヒンジ６を支点にして開かれる。このとき、蓋部材２ａは、図１３に示すように、ケース体２ｂから離間する方向（上方向）への移動と共に回動する。これによって、カートリッジ収容部１０が大きく開かれ、カートリッジ３の取出し、挿入等が容易にできる。

　＜吸引器の使用方法＞
　非燃焼式吸引器１を使用する際、ユーザは、先ず、所定の操作をして非燃焼式吸引器１を起動させる。続いて、ユーザは、吸口部１１または香味源容器４を咥えた状態で吸引する。すると、カートリッジ収容部１０の内部の空気が流動し、図示しないセンサがパフ（吸引）を検知する。すると、カートリッジ３の電熱線２５ｂに対する通電が行われ、電熱線２５ｂが発熱する。電熱線２５ｂが発熱すると、ウィック２５ａに含浸された液体のエアロゾル源が加熱されて霧化する。霧化したエアロゾルは、吸引により取り込まれた空気（外気）と共に吸い上げられる。

　空気（外気）は、ケース体２ｂの空気孔（不図示）から取り込まれ、カートリッジ収容部１０の内部に流入する。カートリッジ収容部１０の内部に流入した空気は、図８に示すように、カートリッジ３の吸気孔２６ｃ、開口部２４ｅを介して霧化室２４ｃに流入する。

　霧化されたエアロゾルは、霧化室２４ｃに充満しており、霧化室２４ｃに流入した空気と共に、流路管２１ｃ、貫通孔９ｈを介して、吸口部１１側に吸い上げられる。その後、霧化されたエアロゾルと空気との混合気体は、吸口部１１に装着された香味源容器４を通じてユーザの口内に進入する。これにより、ユーザは、香味を味わうことができる。

　非燃焼式吸引器１によれば、カートリッジ収容部１０がカートリッジ３側面をケース体２ｂの外側に露出させる露出領域５を有している。そして、この露出領域５が、位置決めされない状態のカートリッジ３の倒れを可能とする。この結果、カートリッジ３のカートリッジ収容部１０への収まり状態を目視にて容易に確認できる。

　非燃焼式吸引器１によれば、露出領域５のカートリッジ３の軸方向の長さＬ２が、カートリッジ３の長さＬ１の半分よりも大きい。このため、カートリッジ３が正しく位置決めされなかった場合に、カートリッジ３が切欠き部５ｋから前方向にはみ出す量を大きくできる。これにより、正しく位置決めがなされていないことをユーザにより認識させやすくなる。また、切欠き部５ｋが大きく切り込まれた構成であると、カートリッジ３内の残液量の確認用の開口部分としても利用しやすい。

　非燃焼式吸引器１によれば、蓋部材２ａには、露出領域５を覆う蓋部８が設けられているので、カートリッジ収容部１０を閉鎖空間にできる。また、蓋部材２ａには、エアロゾルの通過可能な貫通孔９ｈが設けられているので、閉鎖空間内で生成されるエアロゾルを、蓋部材２ａを介して吸引可能である。

　非燃焼式吸引器１によれば、カートリッジ収容部１０の内径Ｄ１とカートリッジ３の外径Ｄ２との間で生じる隙間が、カートリッジ収容部１０の内径Ｄ１の２．６％より大きくされていることで、カートリッジ収容部１０とカートリッジ３とのクリアランスが大きくなる。この結果、カートリッジ３の装着時に係合凸部１０ｈを係合凹部２６ｉに誘い込みやすくでき、操作性をよくできる。

　非燃焼式吸引器１によれば、カートリッジ収容部１０にカートリッジ３が位置決めされ、蓋部材２ａが露出領域５を覆う状態で閉じられたときに、電熱線２５ｂに電気的に接続された平面電極２６ｈに対して、電源と電気的に接続された突電極５０が確実に接触する。このように、蓋部材２ａが閉じられることで、カートリッジ３と電源との電気的接続が確実に行われるため、エアロゾルの吸引が可能な状態を安定して保持できる。

　非燃焼式吸引器１によれば、ケース体２ｂに対して蓋部材２ａがヒンジ６にて回動自在に設けられているので、蓋部材２ａの開閉が容易である。また、蓋部材２ａがケース体２ｂにヒンジ６を介して繋がっていることで、蓋部材２ａの紛失を防止できる。

　非燃焼式吸引器１によれば、ヒンジ６は、カートリッジ３の軸方向に蓋部材２ａを移動できるよう構成されている。このため、蓋部材２ａを開くときに、単に回動するだけでなく、カートリッジ収容部１０を大きく開く方向にスライド移動させることができる。この結果、カートリッジ３の出し入れをし易くできる。

　非燃焼式吸引器１によれば、蓋部材２ａは、磁力によって、露出領域５を覆う状態を保持可能に構成される。このため、蓋部材２ａの閉じ状態においてカートリッジ収容部１０を確実に密閉することができる。また、この磁力によって、カートリッジ３と電源との電気的接続を強固に保持でき、吸引中に電気的接続が解除されるといった事態を防ぐことができる。

　非燃焼式吸引器１によれば、カートリッジ３及びカートリッジ収容部１０に設けられた位置決め構造（係合凸部１０ｈ及び係合凹部２６ｉ）が、カートリッジ３の周方向に沿って複数形成されている。このため、カートリッジ３の周方向の位置決めができると共に、位置決めに際して回転の移動量を少なくすることができる。

　非燃焼式吸引器１によれば、香味源容器４を本体部２に着脱可能に設けているので、生成されるエアロゾルに対して好みの香味を付加することができる。

　以下、非燃焼式吸引器１の変形例について、図１４及び図１５を参照して説明する。図１４は、非燃焼式吸引器１の変形例におけるカートリッジ３の装着途中の状態を示す概略説明図である。図１５は、図１４に示す変形例の概略説明図である。

　図１４及び図１５に示す変形例においては、カートリッジ収容部１０におけるカートリッジ３の側面全周を覆う第一側壁部１０ｗｓ１の内径が、カートリッジ収容部１０の底壁部１０ｂから露出領域５（第二側壁部１０ｗｓ２）側に向かって大きくなっている。換言すると、カートリッジ収容部１０の前面壁部１０ｗｆが、上方に向かうにしたがって前方側に傾いた傾斜面に構成されている。

　このように、前面壁部１０ｗｆが傾斜面に構成されていることで、カートリッジ３が位置決めされずにカートリッジ収容部１０に収容された状態において、図５に示した場合よりもカートリッジ３がより傾きやすくなる。カートリッジ３が傾いた場合、その傾き方は、図５に示した場合よりも切欠き部５ｋの外側に向かって、図１４において距離Ｍにて示す分だけ大きくなる。したがって、カートリッジ３が正規の位置からずれていることをユーザにより認識させやすくすることができる。

　この変形例では、図１５に示すように、前面壁部１０ｗｆは前方側に傾斜している。このため、カートリッジ３が正規位置に収まった状態では、位置規制をする機能はそれほどない。しかし、カートリッジ３の側面の軸方向一端から他端までを覆う後面壁部１０ｗｒは、図５に示した構成と同様に、カートリッジ３の側面視（図１４）において、底壁部１０ｂから垂直に延びている。また、後面壁部１０ｗｒは、露出領域５（切欠き部５ｋ）とは反対側に広がる内面が底壁部１０ｂから垂直に延びる略半円形内面を構成している。このため、この後面壁部１０ｗｒの構造によって、カートリッジ３を底壁部１０ｂに対して垂直に保持可能となり、カートリッジ３を確実に位置規制することができる。

　以上、本発明の実施形態を説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、適宜、変形、改良、等が可能である。例えば、上記実施形態においては、カートリッジ３に係合凹部２６ｉを設けた構成とし、カートリッジ収容部１０に係合凸部１０ｈを設けた構成としたが、カートリッジ３に係合凸部を設け、カートリッジ収容部１０に係合凹部を設けた構成であっても良い。また、カートリッジ３の側面のうち、第一側壁部１０ｗｓ１によって覆われる部分に係合凸部又は係合凹部を設け、第一側壁部１０ｗｓ１の内面に、カートリッジ３の係合凸部又は係合凹部と係合する凹部又は凸部を設ける構成としてもよい。

　また、係合凸部１０ｈは、周方向における幅が、主軸方向上側に向かうに従って小さくなっていれば、係合凹部２６ｉと同様の等脚台形状、あるいは二等辺三角形などの形状であっても良い。

　また、上記実施形態においては、係合凸部１０ｈと係合凹部２６ｉの組を３つとしたが、１つ以上であればよく、３つに限定されない。

　また、上記実施形態においては、電熱線２５ｂによってエアロゾル源を加熱することでエアロゾルを生成する構成としたが、これに限らない。電熱線２５ｂの代わりに、超音波などによってエアロゾル源を加熱することなく霧化することのできる素子を用いてもよい。

　また、非燃焼式吸引器１は、エアロゾルに付加する香味成分量を安定させるために、香味源容器４を加熱できる構成としてもよい。この場合、香味源容器４を加熱するヒータを、例えば、蓋部２ａの吸口部１１内部において香味源容器４を取り囲むように配置する構成が考えられる。また、蓋部２ａには、通知のための発光素子や操作のためのボタンを設けてもよい。
　このように、ヒータ、発光素子、又はボタン等の素子を蓋部２ａに設ける形態においては、ヒンジ６内部に設けられたフレキシブル基板によって該素子と電源との電気的接続を行う構成や、蓋部２ａの磁着部７の近傍に電気接点を設け且つケース体２ｂのこの電気接点に対向する位置（磁着部７の近傍）に、電源と接続された電気接点を設ける構成等を採用すればよい。

　また、上記実施形態においては、香味源容器４を非燃焼式吸引器１に着脱可能に構成しているが、香味源容器４は必須ではなく省略してもよい。例えば、エアロゾル源に香味成分を付加しておくことで、吸口部１１から香味の付加されたエアロゾルを吸引することも可能である。

　以上説明してきたように、本明細書には少なくとも以下の事項が記載されている。なお、括弧内には、上記した実施形態において対応する構成要素等を示しているが、これに限定されるものではない。

（１）
　エアロゾル源を含む筒状のカートリッジ（カートリッジ３）を挿抜可能なカートリッジ収容部（カートリッジ収容部１０）を有するケース体（ケース体２ｂ）を備え、
　前記カートリッジ収容部には、前記カートリッジに設けられた凸部又は凹部（係合凹部２６ｉ）と係合して前記カートリッジの位置決めを行う凹部又は凸部（係合凸部１０ｈ）が設けられ、
　前記カートリッジ収容部は、前記カートリッジを収容した状態において、前記カートリッジの側面を前記ケース体の外表面側に向けて部分的に露出させる露出領域（露出領域５）を有する、
非燃焼式吸引器（非燃焼式吸引器１）の電源ユニット（本体部２）。

　（１）によれば、露出領域が収容途中の位置決めされない状態のカートリッジの倒れを可能とする。この結果、カートリッジのカートリッジ収容部への収まり状態を目視にて容易に確認できる極めて使い勝手の良い非燃焼式吸引器を提供できる。

（２）
　（１）記載の非燃焼式吸引器の電源ユニットであって、
　前記露出領域は、前記ケース体の端部且つ前記カートリッジ収容部の入口（カートリッジ挿抜口１０ａ）側に形成された切欠き部（切欠き部５ｋ）により構成されている、
非燃焼式吸引器の電源ユニット。

　（２）によれば、カートリッジは、その収容途中において、正しく位置決めされなかったときに、切欠き部からケース体外側にはみ出すように倒れることができる。

（３）
　（１）又は（２）記載の非燃焼式吸引器の電源ユニットであって、
　前記カートリッジの軸方向における前記露出領域の長さ（長さＬ２）は、前記カートリッジの軸方向の長さの半分よりも大きい、
非燃焼式吸引器の電源ユニット。

　（３）によれば、カートリッジが正しく位置決めされなかったときに、カートリッジの露出領域からのはみ出し量を大きくできる。この結果、カートリッジの収容状態をユーザに認識させやすくなる。

（４）
　（１）から（３）のいずれか１つに記載の非燃焼式吸引器の電源ユニットであって、
　前記露出領域を覆う蓋部材（蓋部材２ａ）を備え、
　前記蓋部材には、前記カートリッジ収容部に位置決めされた前記カートリッジから生成されるエアロゾルが通過可能な貫通孔（貫通孔９ｈ）が設けられる、
非燃焼式吸引器の電源ユニット。

　（４）によれば、露出領域を覆う蓋部材を備えているので、カートリッジ収容部を閉鎖空間にできる。また、蓋部材にはエアロゾルの通過可能な貫通孔が設けられているので、カートリッジ収容部内で生成されるエアロゾルを、蓋部材を介して吸引可能となる。

（５）
　（１）から（４）のいずれか１つに記載の非燃焼式吸引器の電源ユニットであって、
　前記カートリッジ収容部の内径と前記カートリッジの外径との間で生じる隙間は、前記カートリッジ収容部の内径の２．６％より大きい、
非燃焼式吸引器の電源ユニット。

　（５）によれば、カートリッジ収容部とカートリッジとのクリアランスが適度に大きくなっているため、カートリッジの収容時に凸部を凹部に誘い込みやすくでき、操作性をよくできる。

（６）
　（４）記載の非燃焼式吸引器の電源ユニットであって、
　前記カートリッジには、電力を消費することで前記カートリッジ内のエアロゾル源を霧化可能な霧化器（電熱線２５ｂ）と、前記霧化器に接続された第一電気接点（平面電極２６ｈ）が含まれており、
　前記ケース体には、電源と、前記電源に接続された第二電気接点（突電極５０）とが設けられ、
　前記カートリッジ収容部に前記カートリッジが位置決めされ、且つ、前記蓋部材が前記露出領域を覆う状態において、前記カートリッジの前記第一電気接点と前記第二電気接点とが接触する、
非燃焼式吸引器の電源ユニット。

　（６）によれば、蓋部材が閉じられることで、第一電気接点と第二電気接点の接触を強固に行うことができ、エアロゾルの生成が可能な状態を安定して保持できる。

（７）
　（４）記載の非燃焼式吸引器の電源ユニットであって、
　前記ケース体は、前記蓋部材を回動自在に支持するヒンジ（ヒンジ６）を含む、
非燃焼式吸引器の電源ユニット。

　（７）によれば、蓋部材の開閉が容易となる。また、蓋部材がケース体にヒンジを介して繋がっているので、蓋部材の紛失が防止され、使い勝手が良い。

（８）
　（７）記載の非燃焼式吸引器の電源ユニットであって、
　前記ヒンジは、更に、前記蓋部材を前記カートリッジの軸方向に移動自在に支持する、
非燃焼式吸引器の電源ユニット。

　（８）によれば、蓋部材が開くときに、蓋部材が単に回動するだけでなくカートリッジ収容部を大きく開く方向にスライド移動できる。このため、カートリッジの出し入れをし易くすることができる。

（９）
　（６）から（８）のいずれか１つに記載の非燃焼式吸引器の電源ユニットであって、
　前記蓋部材は、磁力によって、前記露出領域を覆う状態を保持可能に構成される、
非燃焼式吸引器の電源ユニット。

　（９）によれば、蓋部材の閉じ状態においてカートリッジ収容部を強固に密閉することができる。また、カートリッジとの電気的接続を強固に保持できる。

（１０）
　（１）から（９）のいずれか１つに記載の非燃焼式吸引器の電源ユニットであって、
　前記カートリッジの前記凸部又は前記凹部は、前記カートリッジの周方向に沿って複数形成されており、
　前記カートリッジ収容部の前記凹部又は前記凸部は、前記カートリッジ収容部の周方向に沿って複数形成されている、
非燃焼式吸引器の電源ユニット。

　（１０）によれば、カートリッジ及びカートリッジ収容部に設けられて相補に嵌合可能な凸部又は凹部が、カートリッジの周方向に沿って複数形成されている。このため、カートリッジの周方向の位置決めができると共に、位置決めに際して回転の移動量を少なくすることができる。

（１１）
　（１）から（１０）のいずれか１つに記載の非燃焼式吸引器の電源ユニットであって、
　前記カートリッジ収容部における前記カートリッジを覆う側壁部（第一側壁部１０ｗｓ１）の内径は、前記カートリッジ収容部の底壁部（底壁部１０ｂ）から前記露出領域に向かって大きくなっている、
非燃焼式吸引器の電源ユニット。

　（１１）によれば、カートリッジ収容部の側壁部を傾斜面に構成することができる。これにより、位置決めされていない状態のカートリッジを露出領域からケース体外側に向かって倒れやすくできる。

（１２）
　（１１）記載の非燃焼式吸引器の電源ユニットであって、
　前記側壁部は、前記カートリッジの側面視において、前記露出領域とは反対側が前記底壁部から垂直に延びている、
非燃焼式吸引器の電源ユニット。

　（１２）によれば、カートリッジ収容部内のカートリッジを底壁部に対して垂直に保持できるため、位置決めされた状態を十分に維持できる。

（１３）
　（１）から（１２）のいずれかに１つに記載の電源ユニットと、
　前記カートリッジと、
　前記電源ユニットに着脱可能且つ前記カートリッジで生成されたエアロゾルに香味を付加する香味源を収容する香味源容器と、を備える非燃焼式吸引器。

　（１３）によれば、カートリッジで生成されたエアロゾルに香味を付加する香味源を収容する香味源容器を電源ユニットに着脱可能に設けているので、生成されるエアロゾルに対して好みの香味を付加することができる。

（１４）
　エアロゾル源を含むカートリッジ（カートリッジ３）を挿抜可能なカートリッジ収容部（カートリッジ収容部１０）を有するケース体（ケース体２ｂ）を備え、
　前記カートリッジ収容部には、前記カートリッジに設けられた凸部又は凹部（係合凹部２６ｉ）と係合して前記カートリッジの位置決めを行う凹部又は凸部（係合凸部１０ｈ）が設けられ、
　前記カートリッジ収容部は、前記カートリッジを収容した状態において、前記カートリッジの側面を前記ケース体の外表面側に向けて部分的に露出させる露出領域（露出領域５）を有する、
非燃焼式吸引器（非燃焼式吸引器１）の電源ユニット（本体部２）

１　　　　非燃焼式吸引器
２　　　　本体部（電源ユニット）
２ａ　　　蓋部材
２ｂ　　　ケース体
３　　　　カートリッジ
４　　　　香味源容器
５　　　　露出領域
５ｋ　　　切欠き
６　　　　ヒンジ
９ｈ　　　貫通孔
１０　　　カートリッジ収容部
１０ｈ　　係合凸部
１０ｂ　　底壁部
１０ｗ　　側壁部
２６ｈ　　平面電極
２６ｉ　　係合凹部
５０　　　突電極
ＣＬ　　　主軸

Claims (13)

1. 　エアロゾル源を含む筒状のカートリッジを挿抜可能なカートリッジ収容部を有するケース体を備え、
   　前記カートリッジ収容部には、前記カートリッジに設けられた凸部又は凹部と係合して前記カートリッジの位置決めを行う凹部又は凸部が設けられ、
   　前記カートリッジ収容部は、前記カートリッジを収容した状態において、前記カートリッジの側面を前記ケース体の外表面側に向けて部分的に露出させる露出領域を有する、
   非燃焼式吸引器の電源ユニット。
2. 　請求項１記載の非燃焼式吸引器の電源ユニットであって、
   　前記露出領域は、前記ケース体の端部且つ前記カートリッジ収容部の入口側に形成された切欠き部により構成されている、
   非燃焼式吸引器の電源ユニット。
3. 　請求項１又は２記載の非燃焼式吸引器の電源ユニットであって、
   　前記カートリッジの軸方向における前記露出領域の長さは、前記カートリッジの軸方向の長さの半分よりも大きい、
   非燃焼式吸引器の電源ユニット。
4. 　請求項１から３のいずれか１項記載の非燃焼式吸引器の電源ユニットであって、
   　前記露出領域を覆う蓋部材を備え、
   　前記蓋部材には、前記カートリッジ収容部に位置決めされた前記カートリッジから生成されるエアロゾルが通過可能な貫通孔が設けられる、
   非燃焼式吸引器の電源ユニット。
5. 　請求項１から４のいずれか１項記載の非燃焼式吸引器の電源ユニットであって、
   　前記カートリッジ収容部の内径と前記カートリッジの外径との間で生じる隙間は、前記カートリッジ収容部の内径の２．６％より大きい、
   非燃焼式吸引器の電源ユニット。
6. 　請求項４記載の非燃焼式吸引器の電源ユニットであって、
   　前記カートリッジには、電力を消費することで前記カートリッジ内のエアロゾル源を霧化可能な霧化器と、前記霧化器に接続された第一電気接点が含まれており、
   　前記ケース体には、電源と、前記電源に接続された第二電気接点とが設けられ、
   　前記カートリッジ収容部に前記カートリッジが位置決めされ、且つ、前記蓋部材が前記露出領域を覆う状態において、前記カートリッジの前記第一電気接点と前記第二電気接点とが接触する、
   非燃焼式吸引器の電源ユニット。
7. 　請求項４記載の非燃焼式吸引器の電源ユニットであって、
   　前記ケース体は、前記蓋部材を回動自在に支持するヒンジを含む、
   非燃焼式吸引器の電源ユニット。
8. 　請求項７記載の非燃焼式吸引器の電源ユニットであって、
   　前記ヒンジは、更に、前記蓋部材を前記カートリッジの軸方向に移動自在に支持する、
   非燃焼式吸引器の電源ユニット。
9. 　請求項６から８のいずれか１項記載の非燃焼式吸引器の電源ユニットであって、
   　前記蓋部材は、磁力によって、前記露出領域を覆う状態を保持可能に構成される、
   非燃焼式吸引器の電源ユニット。
10. 　請求項１から９のいずれか１項記載の非燃焼式吸引器の電源ユニットであって、
    　前記カートリッジの前記凸部又は前記凹部は、前記カートリッジの周方向に沿って複数形成されており、
    　前記カートリッジ収容部の前記凹部又は前記凸部は、前記カートリッジ収容部の周方向に沿って複数形成されている、
    非燃焼式吸引器の電源ユニット。
11. 　請求項１から１０のいずれか１項記載の非燃焼式吸引器の電源ユニットであって、
    　前記カートリッジ収容部における前記カートリッジを覆う側壁部の内径は、前記カートリッジ収容部の底壁部から前記露出領域に向かって大きくなっている、
    非燃焼式吸引器の電源ユニット。
12. 　請求項１１記載の非燃焼式吸引器の電源ユニットであって、
    　前記側壁部は、前記カートリッジの側面視において、前記露出領域とは反対側が前記底壁部から垂直に延びている、
    非燃焼式吸引器の電源ユニット。
13. 　請求項１から１２のいずれか１項に記載の電源ユニットと、
    　前記カートリッジと、
    　前記電源ユニットに着脱可能且つ前記カートリッジで生成されたエアロゾルに香味を付加する香味源を収容する香味源容器と、を備える非燃焼式吸引器。

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