WO2022049943A1

WO2022049943A1 - 位置検出装置

Info

Publication number: WO2022049943A1
Application number: PCT/JP2021/028229
Authority: WO
Inventors: 毓珮洪; ヘンリーウォン; 晃幸掛; 築石丸
Original assignee: 株式会社ワコム
Priority date: 2020-09-04
Filing date: 2021-07-30
Publication date: 2022-03-10
Also published as: US20230214031A1; JPWO2022049943A1

Abstract

位置検出装置についての種々の処理を、ボタン操作を必要とせずに行うことができるようにする。　指示体による指示入力を受ける指示入力面に対応する位置検出領域を備える位置検出センサと、位置検出センサと指示体とのインタクラクションに基づき位置検出センサの位置検出領域内での指示位置を少なくとも検出する位置検出回路と、複数個のモーションセンサとを備える。位置検出センサは、使用者の操作により指示入力面と共に変形可能とされるためのフレキシブル変位可能部分を備え、複数個のモーションセンサは、互いの間に前記フレキシブル変位可能部分が存在するモーションセンサを含む。

Description

位置検出装置

　この発明は、位置検出センサを備える位置検出装置に関する。

　位置検出センサを備える位置検出装置として、携帯機器の構成とされているものが良く知られている。例えば、スマートフォンと呼ばれる高機能携帯電話端末や、モバイルＰＣ（ＰＣはパーソナルコンピュータの略）などの携帯機器は、位置検出センサが搭載されており、指や電子ペンなどの指示体による指示位置が検出されて、その検出結果により、種々の入力ができるように構成されている。

　最近のこの種の携帯機器においては、ジャイロセンサや加速度センサなどのモーションセンサを備え、このモーションセンサにより、当該携帯機器の状態変位として、例えば縦向き（縦型使用）や横向き（横型使用）などの携帯機器の向きが検出され、その検出結果に基づいて、表示画面に表示する表示画像を、携帯機器の向きに合わせて回転させて表示することができるようにされている。

　また、近年、用紙にとって代わることが可能なドキュメント閲覧のための媒体として、用紙のように柔軟かつ薄型で、画像を無電源状態で表示保持することができる電子ペーパーが賞用されるようになっている。

　そして、この種の電子ペーパーとして、ボタン操作を必要とせずに、使用者が、電子ペーパーを回したり、裏返したりする回転変位や、定められた場所への移動変位などの電子ペーパーの状態変位を検出することに応答して表示画像に対して消去指示、ページめくり処理などを行えるようにするものが提案されている（例えば特許文献１（特開２００５－２６６２２６号公報）参照）。

　この特許文献１においては、電子ペーパーの筐体に、センサとして、傾き検出センサ、回転検出センサ、曲げ検出センサ、重なり検出センサなどの内の一つを設け、このセンサで検出した電子ペーパーの状態変化を検出したことに応じて、情報画像の表示部からの消去、表示保持する情報画像の切り替え（ページめくり）、あるいは情報画像のページ揃えや複写等のいずれか一つの動作を行えるようにしている。

特開２００５－２６６２２６号公報

　以上のように、従来から、携帯機器の状態変位を検出し、その検出結果を当該携帯機器の処理に用いることが行われている。

　しかしながら、上述した表示画面付きの従来の携帯機器においては、ジャイロセンサや加速度センサなどのモーションセンサは、主として、表示画面の表示画像を回転させるためにのみ用いられているだけであり、その他の用途には
用いられるようには構成されていなかった。

　この点、特許文献１の電子ペーパーにおいては、表示画像の回転だけでなく、電子ペーパーの状態変化の検出結果に基づいて、表示画像の消去、ページめくり、などの動作を行わせることができて、便利である。

　しかしながら、特許文献１では、電子ペーパーで行えるようにする動作に対応する電子ペーパーの筐体の一つの状態変化を定め、その状態変化を検出するためのセンサを電子ペーパーの筐体にそれぞれ設ける必要がある。そのため、複数の動作を電子ペーパーにさせるようにするには、互いに異なる状態変化を検出するために、傾き検出センサ、回転検出センサ、曲げ検出センサ、重なり検出センサなどの複数種のセンサを電子ペーパーに設ける必要があり、構成が複雑になるという問題があった。

　この発明は、以上の問題点を解決することができるようにした位置指示器を提供することを目的とする。

　上記の課題を解決するために、
　指示体による指示入力を受ける指示入力面に対応する位置検出領域を備える位置検出センサと、
　前記位置検出センサと前記指示体とのインタクラクションに基づき、前記位置検出センサの前記位置検出領域内での前記指示位置を少なくとも検出する位置検出回路と、
　複数個のモーションセンサと、
　前記位置検出回路からの出力データと、前記第１、第２のモーションセンサからの出力データとを、関連付け可能な状態で保持する保持回路と、
　を備え、
　前記位置検出センサは、使用者の操作により前記指示入力面と共に変形可能とされるためのフレキシブル変位可能部分を備え、
　前記複数個のモーションセンサは、互いの間に前記フレキシブル変位可能部分が存在するモーションセンサを含む
　ことを特徴とする位置検出装置を提供する。

　上述の構成の位置検出装置においては、フレキシブル変位可能部分を介して配置されているモーションセンサは、フレキシブル変位可能部分の存在により、状態変位をすることが可能となる。このため、それらのモーションセンサで検出された動きに基づいて、位置検出装置について、複数種の処理を容易に対応付けることが可能となり、位置検出装置についての種々の処理を、ボタン操作を必要とせずに、行うことができるようになると共に、位置検出装置の動きを検出することができ、例えば所定の時刻における位置検出装置の状態を特定することができるようになる。

この発明による位置検出装置の第１の実施形態である携帯機器の一例を説明するための図である。この発明による位置検出装置の第１の実施形態である携帯機器の一例の要部の構成例を説明するための分解斜視図である。この発明による位置検出装置の第１の実施形態である携帯機器の一例の電子回路部の構成例を示すブロック図である。この発明による位置検出装置の第１の実施形態である携帯機器の一例における要部の動作を説明するために用いる図である。この発明による位置検出装置の第１の実施形態である携帯機器の一例における要部の動作を説明するために用いる図である。この発明による位置検出装置の第１の実施形態である携帯機器の一例における要部の動作の流れを説明するためのフローチャートの一部を示す図である。この発明による位置検出装置の第１の実施形態である携帯機器の一例における要部の動作の流れを説明するためのフローチャートの一部を示す図である。この発明による位置検出装置の第１の実施形態である携帯機器の一例における要部の動作の流れを説明するためのフローチャートの一部を示す図である。この発明による位置検出装置の第１の実施形態である携帯機器の一例における要部の動作の流れを説明するためのフローチャートの一部を示す図である。この発明による位置検出装置の第２の実施形態の一例を説明するための図である。この発明による位置検出装置の第２の実施形態の一例の要部の構成例を説明するための分解斜視図である。この発明による位置検出装置の第２の実施形態の一例の電子回路部の構成例を示すブロック図である。この発明による位置検出装置の第２の実施形態の一例における要部の動作を説明するために用いる図である。この発明による位置検出装置の他の実施形態の一例における要部の動作を説明するために用いる図である。

　以下、この発明による位置検出装置の幾つかの実施形態を、図を参照しながら説明する。

　［第１の実施形態］
　図１は、この発明による位置検出装置の第１の実施形態を構成する携帯機器の一例を示すものであり、折り曲げ可能に構成された筐体を用いて折り畳み式の構成とされた携帯機器の場合の例である。

　図１は、この実施形態の位置検出装置としての携帯機器の構成の概要を説明するための図である。この例の携帯機器１は、フレキシブルディスプレイ素子３を備えると共に、折り畳み可能な電磁誘導結合方式の位置検出センサを用いた構成を備えるものである。なお、この図１の例の携帯機器１は、フレキシブルディスプレイ素子３の表示画面側に折り畳むこと（谷折り）が可能とされている。

　図１（Ａ）は、この例の携帯機器１を全開にした状態を、また、図１（Ｂ）は折り畳んだ状態を、それぞれ示している。そして、図１（Ｃ）は、この例の携帯機器１を折り畳み可能な構成とするためのヒンジ構造の例を示している。この例の携帯機器１では、図１（Ａ）に示すように開いた状態では、フレキシブルディスプレイ素子３の表示画面３Ｐが露呈される。この表示画面３Ｐ上において、電磁誘導結合方式の電子ペン１０による位置指示がなされると、その下部（裏側）に設けられる電磁誘導結合方式の位置検出センサ４により、当該電子ペン１０による指示位置が検出される。

　この実施形態では、表示画面３Ｐの表示領域と位置検出センサ４の位置検出領域とはほぼ同一とされ、表示画面３Ｐが、電子ペン１０による位置指示のための入力面とされ、その全域における電子ペン１０の指示位置が位置検出センサ４で検出される。

　この例の携帯機器１の外筐（筐体）２は、図１（Ａ），（Ｂ）及び（Ｃ）に示すように、第１のフレーム部材２１と、第２のフレーム部材２２とが、ヒンジ部２３，２４において、折り畳み可能に連結された構造を有している。したがって、外筐２は、ヒンジ部２３とヒンジ部２４とを結ぶ帯状部分をフレキシブル変位可能部分として備える構成を有している。

　第１のフレーム部材２１と第２のフレーム部材２２とは、図１に示すように、フレキシブルディスプレイ素子３、位置検出センサ４及びそれらと接続される電子回路部（図１では図示せず）が収納される扁平凹部を形成するように、底部２１ａ，２２ａの周囲に壁部２１ｂ，２２ｂが形成されている。ただし、第１のフレーム部材２１及び第２のフレーム部材２２の底部２１ａ及び２２ａの、ヒンジ部２３，２４側で対向する辺には、壁部２１ｂは形成されない。

　このため、図１（Ｂ）の折り畳み状態においては、そのままでは、当該ヒンジ部２３とヒンジ部２４との間の部分が開口となってしまい、塵埃の混入の恐れが生じてしまうので、この実施形態では、当該ヒンジ部２３とヒンジ部２４との間の部分に保護板２５（図１（Ｃ）参照が配設される。

　この例の携帯機器１のヒンジ部２３，２４では、第１のフレーム部材２１及び第２のフレーム部材２２は、それぞれ別の回転軸位置で回動することが可能な２軸ヒンジの構造とされている。ヒンジ部２３とヒンジ部２４とは同様の構成を備えるので、ここでは、ヒンジ部２３の構造のみを説明して、ヒンジ部２４についての説明は省略する。

　すなわち、第１のフレーム部材２１の壁部２１ｂのヒンジ部２３における端部には、図１（Ｃ）に示すように、回動支軸を嵌合させるための貫通孔２１ｃが形成されている。また、同様に、第２のフレーム部材２２の壁部２２ｂのヒンジ部２３における端部には、図１（Ｃ）に示すように、回動支軸を嵌合させるための貫通孔２２ｃが形成されている。

　そして、貫通孔２１ｃ及び貫通孔２２ｃに挿通されるピン２３１ａ及びピン２３１ｂが形成されているヒンジ構成板２３１が用意される。この場合に、ピン２３１ａ及びピン２３１ｂの径は、貫通孔２１ｃ及び貫通孔２２ｃの径よりも小さくされている。そして、ヒンジ構成板２３１のピン２３１ａ及びピン２３１ｂが、第１のフレーム部材２１の壁部２１ｂの貫通孔２１ｃ及び第２のフレーム部材２２の壁部２２ｂの貫通孔２２ｃにそれぞれ挿通されることで、ヒンジ構成板２３１により、第１のフレーム部材２１と第２のフレーム部材２２とが、ヒンジ部２３において回動可能に連結される。この場合に、図示は省略するが、貫通孔２１ｃ及び貫通孔２２ｃに挿通されたピン２３１ａ及びピン２３１ｂの先端側には、抜け防止部材が嵌合されて、ヒンジ構成板２３１が離脱しないように構成される。

　ヒンジ部２４側においても同様に構成され、ヒンジ構成板２４１が取り付けられて、第１のフレーム部材２１と第２のフレーム部材２２とが、ヒンジ部２４において回動可能に連結される。

　以上のようにして、この実施形態の携帯機器１においては、ヒンジ部２３及びヒンジ部２４において、第１のフレーム部材２１と第２のフレーム部材２２とが回動可能に連結されることで、外筐２が、図１（Ｂ）に示すような折り畳み状態から、図１（Ａ）に示すような全開の状態にまで状態変位させることが可能に構成されている。なお、図１（Ａ）において点線で示した位置３Ｆは、表示画面３の折れ曲がり位置を示している。

　そして、この実施形態の携帯機器１においては、上述したように、外筐２の第１のフレーム部材２１及び第２のフレーム部材２２とは、ヒンジ部２３，２４において、それぞれ別の回転軸位置で回動することが可能な構成とされている。第１のフレーム部材２１と第２のフレーム部材２２とは、それぞれ別々に回動することが可能であり、第１のフレーム部材２１を回動させたときには、携帯機器１では、表示画面３Ｐの左側部分３ＰＬ（点線で示した位置３Ｆより左側の部分）が回動する状態変位を生じ、また、第２のフレーム部材２２を回動させたときには、表示画面３Ｐの右側部分３ＰＲ（点線で示した位置３Ｆより右側の部分）が回動する状態変位を生じる。

　［携帯機器１の外筐２内の構成例］
　上述したように、外筐２内には、フレキシブルディスプレイ素子３、位置検出センサ４及びそれらと接続される電子回路部が収納される。図２は、それらを説明するための分解構成図である。

　フレキシブルディスプレイ素子３は、例えば有機ＥＬディスプレイ（organic electro luminescence display）素子やＬＣＤ（Liquid Crystal Display）などで構成されており、表示画素が、Ｘ軸方向（横方向）及びＹ軸方向（縦方向）に多数個配列された表示画面３Ｐを備えている。

　このフレキシブルディスプレイ素子３の下方（表示画面３Ｐとは反対側）には、電磁誘導結合方式の位置検出センサ４が、フレキシブルディスプレイ素子３と重畳する状態で配設されている。

　位置検出センサ４は、フレキシブル基板４１上に、当該基板４１の面に平行な横方向をＸ軸方向、縦方向をＹ軸方向としたときに、Ｘ軸方向の複数個のループコイルからなるＸ軸方向ループコイル群４２Ｘ及びＹ軸方向の複数個のループコイルからなるＹ軸方向ループコイル群４２Ｙが配設されて構成されている。図２の例では、フレキシブル基板４１の表面側にＹ軸方向ループコイル群４２Ｙが配設され、裏面側にＸ軸方向ループコイル群４２Ｘが配設されている。そして、この位置検出センサ４は、フレキシブルディスプレイ素子３の表示画面３Ｐとは反対側の面に例えば被着されて配設される。

　この例においては、フレキシブルディスプレイ素子３の表示画面３Ｐの表示領域と、位置検出センサ４の位置検出領域とは、ほぼ同一サイズであることは前述した通りである。そして、位置検出センサ４は、フレキシブルディスプレイ素子３の表示画面３Ｐを、電子ペン１０による位置指示の入力面として、当該電子ペン１０による入力面における指示位置を検出するようにする。

　なお、位置検出センサ４において、図２において点線で示す位置４Ｆは、フレキシブルディスプレイ素子３の折れ曲がり位置３Ｆに対応する位置検出センサ４の折れ曲がり位置である。

　位置検出センサ４のフレキシブルディスプレイ素子３との被着面側（入力面側）とは反対側の面側には、回路基板５が配設されている。回路基板５は、フレキシブル基板５１上に電子回路部（図示は省略）が形成されて構成されている。電子回路部には、位置検出センサ４に接続されて、電子ペン１０による指示位置を検出する位置検出回路や、表示画面３Ｐに表示する表示画像を生成する表示制御回路のほか、後述するような外筐２の状態変位に応じた制御処理を行う処理制御回路を含む。

　この実施形態では、フレキシブルディスプレイ素子３と位置検出センサ４と回路基板５とが重ねられた状態で外筐２内に収納され、第１のフレーム部材２１と第２のフレーム部材２２の回動により、これら重ねられているフレキシブルディスプレイ素子３と位置検出センサ４と回路基板５とが折れ曲げられることが可能である。図２において点線で示す位置５Ｆは、フレキシブルディスプレイ素子３の折れ曲がり位置３Ｆ及び位置検出センサ４の折れ曲がり位置４Ｆに対応する折れ曲がり位置である。

　そして、この実施形態では、回路基板５には、外筐２の動き（モーション）をそれぞれ検出するためのモーションセンサの例としてのジャイロセンサ６Ｌ及び６Ｒが設けられている。この場合に、２個のジャイロセンサ６Ｌ及び６Ｒは、互いの間に、回動変位が可能であるフレキシブルな部分、すなわち、ヒンジ部２３とヒンジ部２４とを結ぶ帯状部分が存在する状態で配設される。

　この実施形態では、図２に示すように、ジャイロセンサ６Ｌは、少なくとも、第１のフレーム部材２１の回動による外筐２の左側の部分の動きを検出するために、回路基板５の折れ曲がり位置５Ｆよりも左側部分５Ｌの所定の位置、この例では、ほぼ中央に配設される。また、ジャイロセンサ６Ｒは、少なくとも、第２のフレーム部材２２の回動による外筐２の左側の部分の動きを検出するために、回路基板５の折れ曲がり位置５Ｆよりも右側部分５Ｒの所定の位置、この例では、ほぼ中央に配設される。

　そして、ジャイロセンサ６Ｌ及び６Ｒは、この例では、３軸センサとされており、少なくとも、その１つの軸方向が、図２において、一点鎖線で示すように、ヒンジ部２３とヒンジ部２４とを結ぶ帯状部分に平行な方向（外筐２の縦方向）であるＹ軸方向に平行な方向となる状態で配設されている。そして、ジャイロセンサ６Ｌ及び６Ｒの他の２つの軸方向は、その１つの軸方向が外筐２の横方向であるＸ軸方向に平行となり、他の１つの軸方向がＺ軸方向（位置検出センサ４の基板４１の面に対して直交する方向）に平行な方向となる状態で配設されている。ジャイロセンサ６Ｌ，６Ｒは、それぞれの軸方向を回動中心とする回動変位を検出することができる。

　なお、回路基板５は、外筐２の第１のフレーム部材２１側に収納される部分と、第２のフレーム部材２２側に収納される部分とが硬質な基板で構成されたものを、ヒンジ部２３と２４とを結ぶ帯状部分をフレキシブル基板により連結するようにして、当該連結部のフレキシブル基板部分で折れ曲げ可能とされるように構成してもよい。

　以上のように、第１の実施形態の携帯機器１においては、２個のジャイロセンサ６Ｌ，６Ｒは、少なくとも、互いの間に、柔軟に変位可能であるフレキシブルな部分が存在する状態で配設されることになるので、このフレキシブルな部分の存在を利用して外筐２を複数種の異なる状態変位にさせたときに、そのそれぞれの状態変位を２個のジャイロセンサ６Ｌ，６Ｒで検出することができる。

　そして、この実施形態では、この２個のジャイロセンサ６Ｌ，６Ｒで検出される携帯機器１の外筐２の状態変位を、携帯機器１における電源のオン、オフ指示、表示画像としてのページめくり指示、作業中のページへの入力の完了指示など、種々の処理機能の開始指示と対応させておくことで、ボタン操作をすることなく、電源のオン・オフ、ページめくり、などを携帯機器１において行うことができるようにしている。

　［携帯機器１の電子回路構成例］
　図３は、この実施形態の携帯機器１の電子回路構成例を示す図である。回路基板５には、位置検出回路１００と、操作情報処理回路２００と、電源回路３００とが設けられている。図３に示すように、位置検出回路１００に対して位置検出センサ４が接続されている。そして、位置検出回路１００の出力が操作情報処理回路２００に供給される。この例の携帯機器１の電源回路３００は、電源として、例えば充電式バッテリーを備え、各部に電源電圧を供給する。

　操作情報処理回路２００は、電源回路３００のオン・オフを制御すると共に、電子ペン１０による位置指示入力に基づく筆記入力データを保存し、さらにこの例では、筆記入力データの表示画像情報を生成して、フレキシブルディスプレイ素子３に供給し、その表示画面３Ｐに表示させる。なお、この例の携帯機器１では、電源オフの状態であっても、電源回路３００は、ジャイロセンサ６Ｌ，６Ｒや、操作情報処理回路２００の一部には、電源電圧を供給して、それらが動作可能の状態となるように構成されている。

　位置検出センサ４は、図３に示すように、この例では、図２に示したように、フレキシブル基板４１の表面及び裏面の両面上にＸ軸方向ループコイル群４２Ｘと、Ｙ軸方向ループコイル群４２Ｙとが構成される。Ｘ軸ループコイル群４２Ｘの各ループコイルＸ₁～Ｘ_nと、Ｙ軸ループコイル群４２Ｙの各ループコイルＹ₁～Ｙ_mのそれぞれは、１ターンの場合もあれば、２ターン以上の複数ターンの場合もある。また、各ループコイル群４２Ｘ、４２Ｙのループコイルの数ｎ，ｍも位置検出センサ４のサイズに応じて適宜のものとすることができる。

　位置検出回路１００は、発振器１０１と、電流ドライバ１０２と、選択回路１０３と、切り替え接続回路１０４と、受信アンプ１０５と、位置検出処理回路１０６とからなる。位置検出センサ４の各ループコイル群４２Ｘ、４２Ｙのループコイルは、選択回路１０３に接続される。

　位置検出処理回路１０６は、選択回路１０３における位置検出センサ４のループコイルの選択、切り替え接続回路１０４の切り替えを制御すると共に、電子ペン１０による指示位置の検出及び電子ペン１０のペン先に印加される圧力（筆圧）の検出の処理タイミングを制御する機能を備えている。

　位置検出センサ４のＸ軸方向ループコイル群４２Ｘ及びＹ軸方向ループコイル群４２Ｙが選択回路１０３に接続されている。選択回路１０３は、２つのループコイル群４２Ｘ，４２Ｙのうちの一のループコイルを順次選択する。発振器１０１は、周波数ｆ０の交流信号を発生する。発振器１０１は、発生した交流信号を、電流ドライバ１０２に供給する。電流ドライバ１０２は、発振器１０１から供給された交流信号を電流に変換して切り替え接続回路１０４へ送出する。

　切り替え接続回路１０４は、位置検出処理回路１０６からの制御により選択回路１０３で選択されたループコイルが接続される接続先（送信側端子Ｔ、受信側端子Ｒ）を切り替える。この接続先のうち、送信側端子Ｔには電流ドライバ１０２が、受信側端子Ｒには受信アンプ１０５が、それぞれ接続されている。そして、位置検出センサ４から信号を送信する場合には、切り替え接続回路１０４は端子Ｔ側に切り替えられ、逆に、位置検出センサ４が外部からの信号を受信する場合には、切り替え接続回路１０４は端子Ｒ側に切り替えられる。

　そして、切り替え接続回路１０４が、端子Ｔ側に切り替えられている場合には、選択回路１０３により選択されたループコイルに、電流ドライバ１０２からの電流が供給される。これにより、当該ループコイルにおいて磁界が発生し、位置検出センサ４の入力面上の電子ペン１０の共振回路に作用させるための信号（電波）を送信する。電子ペン１０の共振回路は、発振器１０１から発生する交流信号の周波数ｆ０に等しい共振周波数を有するように構成されている。

　図３の左上に、電子ペン１０の電子回路の構成例を示す。この例の電子ペン１０は、位置指示コイル１０Ｌとコンデンサ１０Ｃとからなる共振回路ＲＣを備える。そして、この例では、電子ペン１０は、ペン先に印加される筆圧を静電容量の変化として筆圧検出部で構成される可変容量コンデンサ１１Ｃが、共振回路ＲＣに対して並列に接続されている。共振回路ＲＣの共振周波数は、可変容量コンデンサ１１Ｃの筆圧に応じた静電容量により変化するものとなる。

　電子ペン１０の共振回路ＲＣは、位置検出センサ４からの周波数ｆ０の交流信号を電磁誘導結合により受信すると、位置検出センサ４が受信状態になったときに、その受信した信号を位置検出センサ４に帰還させる。このとき、共振回路ＲＣからの帰還信号の周波数は、筆圧検出部からなる可変容量コンデンサ１１Ｃが検出した筆圧に応じた静電容量に応じて変位する。

　位置検出処理回路１０６は、切り替え接続回路１０４を端子Ｔに接続して電子ペン１０の共振回路ＲＣに周波数ｆ０の交流信号を電磁誘導結合により送信した後、切り替え接続回路１０４を端子Ｒ側に切り替える。

　すると、電子ペン１０の共振回路ＲＣからの帰還信号により位置検出センサ４のループコイルに発生する誘導電圧は、選択回路１０３及び切り替え接続回路１０４を介して受信アンプ１０５に送られる。受信アンプ１０５は、ループコイルから供給された誘導電圧を増幅し、受信信号として位置検出処理回路１０６へ送出する。

　位置検出処理回路１０６は、受信アンプ１０５からの受信信号がいずれのループコイルを選択したときに得られたかを検出することで、当該受信信号の送信元の電子ペン１０による指示位置の位置検出センサ４上における座標を検出する。

　また、位置検出処理回路１０６は、発振器１０１からの発信信号により受信信号を同期検波して、それらの間の周波数変位（位相差）を検出することで、電子ペン１０のペン先に印加されている筆圧を検出する。位置検出処理回路１０６は、検出した電子ペン１０による指示位置の座標データと、検出した筆圧データを、操作情報処理回路２００に供給する。

　操作情報処理回路２００は、図３に示すように、処理制御回路２０１と、メモリ２０２と、表示画像生成回路２０３とを備えている。この操作情報処理回路２００は、メモリ２０２を外付けとして、マイクロプロセッサユニットの構成とすることができる。

　操作情報処理回路２００の処理制御回路２０１は、位置検出処理回路１０６から受け取った座標データ及び筆圧データに、それらを受け取った時間のデータを付与して、その時間の流れに沿った時系列データとして筆記入力データを生成する。なお、位置検出処理回路１０６は、周知の方法により、電子ペン１０の入力面に対する傾き角を検出することも可能である。その場合には、検出された傾き角の情報も、筆記入力データに含められる。

　この実施形態では、処理制御回路２０１は、表示画面３Ｐの１画面分の筆記入力データを一時記憶するページバッファ２０１１を備え、生成した筆記入力データを当該ページバッファ２０１１に格納する。そして、処理制御回路２０１は、ページバッファ２０１１に格納している筆記入力データを表示画像生成回路２０３に供給する。

　表示画像生成回路２０３は、入力された筆記入力データから表示画像（筆記跡画像）情報を生成し、生成した表示画像情報をフレキシブルディスプレイ素子３に供給し、表示画像（筆記跡画像）を、その表示画面３Ｐに表示させるようにする。

　また、処理制御回路２０１は、ジャイロセンサ６Ｌ，６Ｒの検出出力を、それを受け取った時間のデータを付与して、ページバッファ２０１１に記憶する。すなわち、この実施形態では、ページバッファ２０１１には、筆記入力データと共に、外筐２の動きの情報が記憶される。この場合に、時間のデータにより、筆記入力データとジャイロセンサ６Ｌ，６Ｒの検出出力とは互いに関連付けることができる。時間のデータに関連付けられる筆記入力データとジャイロセンサ６Ｌ，６Ｒの検出出力とを、ひと塊のデータとしてページバッファ２０１１に記憶するようにしてもよい。このページバッファ２０１１の記憶データは、１ページ分のデータとして、メモリ２０２に記憶される。

　処理制御回路２０１は、また、状態変位検出回路２０１２を備えている。この状態変位検出回路２０１２は、２個のジャイロセンサ６Ｌ，６Ｒの検出出力を解析することで、携帯機器１の外筐２の状態変位を検出する。処理制御回路２０１は、この実施形態では、この状態変位検出回路２０１２の解析結果に基づいて、使用者による携帯機器１への筆記入力操作時の、携帯機器１の姿勢や動きなどの操作状況を判断すると共に、予め定められている携帯機器１についての制御指示に対応する状態変位を検出するようにする。

　すなわち、処理制御回路２０１は、状態変位検出回路２０１２の解析結果に基づいて、例えば、使用者が携帯機器１を手に持って電子ペン１０による筆記入力操作をしている操作状況か、机の上に載置した状態で電子ペン１０による筆記入力操作をしている操作状況か、歩いて移動しながら携帯機器１を手に持って電子ペン１０による筆記入力操作をしている操作状況か、仰向けに寝ながら、上空に携帯機器を持って筆記入力操作をしている操作状況か、などの操作状況を判断する。そして、この実施形態では、処理制御回路２０１は、この操作状況の判断結果を表示画像生成回路２０３に供給し、判断結果の操作状況を示す画像情報を表示画面３Ｐに表示させるようにする。

　また、この実施形態の携帯機器１においては、携帯機器１についての制御指示に対応する外筐２の状態変位が予め定められており、処理制御回路２０１は、状態変位検出回路２０１２で検出された状態変位に応じた制御指示を判別し、その制御指示に応じた処理を実行する。

　状態変位検出回路２０１２で検出する状態変位及び対応する制御指示並びに処理制御回路２０１が実行する処理については、後で詳述するが、制御指示には、電源回路３００のオン・オフ制御指示、筆記入力データのページ単位記憶指示、ページめくり指示などが含まれる。

　すなわち、上述した処理制御回路２０１が電源回路３００をオン・オフ制御する処理は、処理制御回路２０１が状態変位に応じて行う処理の一つとされている。また、処理制御回路２０１は、後述するように、状態変位検出回路２０１２の検出出力に応じて、ページバッファ２０１１に格納している筆記入力データにページ番号を付与して、ページ単位として、その筆記入力データをメモリ２０２に記憶するようにする。また、ページめくり指示に基づいて、メモリ２０２に記憶されている筆記入力データを読み出して、処理制御回路２０１のページバッファ２０１１に格納する処理をするようにする。

　［状態変位検出回路２０１２で検出する状態変位及び対応する制御指示の例］
　＜電源のオン・オフ指示＞
　この実施形態の携帯機器１においては、図１（Ｂ）に示すように、外筐２０が折り畳まれた状態においては電源オフとされ、図１（Ａ）に示すように、外筐２０が全開の状態では電源オンとされる。

　そして、この実施形態の携帯機器１においては、第１のフレーム部材２１及び第２のフレーム部材２２のヒンジ部２３，２４位置を回動中心とした回動に基づく携帯機器１（外筐２）の状態変位を検出し、その状態変位の検出結果を電源のオン指示、オフ指示として判別し、携帯機器１への電源のオン・オフを自動的に制御するように構成している。

　すなわち、図４（Ａ）に示す、外筐２０が、折り畳まれていて電源がオフの状態から、図４（Ｂ）に示す、全開の状態に状態変位させられたたときには、その状態変位を電源オン指示として検出し、携帯機器１は電源オンとされる。このときに、折り畳み状態から全開状態にする状態変位としては、第１のフレーム部材２１のみを反時計回りに１８０度回動させる状態変位、第２のフレーム部材２２のみを時計回り方向に１８０度回動させる状態変位、第１のフレーム部材２１を反時計回り方向に回動させると共に、第２のフレーム部材２２を時計回りに回動させる状態変位、の３つの状態変位の態様がある。

　このとき、第１のフレーム部材２１の反時計回り方向の回動変位（回動角）は、ジャイロセンサ６ＬのＹ軸周りの反時計回り方向の回動変位（回動角）として検出され、また、第２のフレーム部材２２の時計回り方向の回動変位（回動角）は、ジャイロセンサ６ＲのＹ軸周りの時計回り方向の回動変位（回動角）として検出される。そして、上記の３つの状態変位は、この実施形態では、ジャイロセンサ６Ｌで検出されるＹ軸周りの反時計回りの回動角と、ジャイロセンサ６Ｒで検出されるＹ軸周りの時計回りの回動角との合計が１８０度となったか否かにより、検出するようにする。

　なお、上述の説明では、外筐２が折り畳み状態から全開の状態になった時に、電源オンにするようにしたが、外筐２が折り畳み状態から、９０度以上開かれたときに、その状態変位を電源オン指示として検出するようにしてもよい。その場合には、ジャイロセンサ６Ｌで検出されるＹ軸周りの反時計回りの回動角と、ジャイロセンサ６Ｒで検出されるＹ軸周りの時計回りの回動角との合計が９０度以上となったときに、電源オンとするように制御する。

　また、図４（Ｃ）に示す、外筐２０が全開の状態で電源がオンの状態から、図４（Ｄ）に示す、外筐２０が折り畳まれる状態に状態変位させられたときには、その状態変位を電源オフ指示として検出し、携帯機器１は電源オフとされる。このときに、全開状態から折り畳み状態にする状態変位としては、第１のフレーム部材２１のみを時計回りに１８０度回動させる状態変位、第２のフレーム部材２２のみを反時計回り方向に１８０度回動させる状態変位、第１のフレーム部材２１を時計回り方向に回動させると共に、第２のフレーム部材２２を反時計回りに回動させる状態変位、の３つの状態変位の態様がある。

　この場合に、第１のフレーム部材２１の時計回り方向の回動変位（回動角）は、ジャイロセンサ６ＬのＹ軸周りの時計回り方向の回動変位（回動角）として検出され、また、第２のフレーム部材２２の反時計回り方向の回動変位（回動角）は、ジャイロセンサ６ＲのＹ軸周りの反時計回り方向の回動変位（回動角）として検出される。そして、上記の３つの状態変位は、ジャイロセンサ６Ｌで検出されるＹ軸周りの時計回りの回動角と、ジャイロセンサ６Ｒで検出されるＹ軸周りの反時計回りの回動角との合計が１８０度となったか否かにより、検出可能である。

　なお、上述の説明では、外筐２が全開の状態から完全に折り畳み状態になった時に、電源オフにするようにしたが、外筐２が折り畳み状態から、９０度以上閉じられたときに、その状態変位を電源オフ指示として検出するようにしてもよい。その場合には、ジャイロセンサ６Ｌで検出されるＹ軸周りの時計回りの回動角と、ジャイロセンサ６Ｒで検出されるＹ軸周りの反時計回りの回動角との合計が９０度以上となったときに、電源オンとするように制御する。

　＜表示されている筆記跡画像のクリア（ページクリア）指示＞
　携帯機器１において、電子ペン１０により、文字入力をしたり、絵を描画したりする筆記入力モードのときに、操作情報処理回路２００の処理制御回路２０１のページバッファ２０１１に格納されて表示画面３Ｐに表示されている、それまでにされた筆記跡画像をクリア（以下ページクリアという）して、新たに入力し直したいことがある。その場合に、既入力の筆記跡部分をなぞるように消去するのではなく、表示画面３Ｐに表示されている筆記跡を一度に消去することができれば、便利である。

　この実施形態の携帯機器１においては、図４（Ｅ）に示すように、外筐２が全開とされて電源がオンとされていて、かつ、筆記入力モードが選択されている状態において、使用者が、携帯機器１の外筐２を、表示画面３Ｐの面に平行な方向に振るシェイク動作をしたときには、その外筐２の状態変位を、ページクリア指示として検出する。

　操作情報処理回路２００の処理制御回路２０１は、状態変位検出回路２０１２でこのページクリア指示であるシェイク動作の状態変位を検出したときには、それまでに入力されてページバッファ２０１１に格納されていた筆記入力データを消去してクリアするようにする。この場合に、シェイク動作としては、外筐２を表示画面３Ｐの面に平行な方向に１回振る動作でもよいが、２回以上の複数回振る動作を割り当てるようにして、誤検出を減らすようにしてもよい。

　このとき、このシェイク動作の状態変位は、２個のジャイロセンサ６Ｌ及び６ＲのＺ軸周りの同方向の回動変位（図４（Ｅ）のＺＬ，ＺＲ参照）として検出される。すなわち、外筐２を全開の状態としてシェイク動作をすると、２個のジャイロセンサ６Ｌ及び６Ｒとは、Ｚ軸周りの同方向の回動変位（回転角）を検出するので、これにより、シェイク動作を検出することができる。

　なお、図４（Ｆ）に示すように、携帯機器１が折り畳まれた状態でシェイク動作されたときには、２個のジャイロセンサ６Ｌ及び６ＲのＺ軸周りの回動変位は、互いに逆方向となる（図４（Ｆ）のＺＬ，ＺＲ参照）となる。したがって、外筐２が全開の状態でシェイク動作されたときの状態変位は、２個のジャイロセンサ６Ｌ及び６ＲのＺ軸周りの回動方向を検出し、両者の回動方向が同方向であるときの回動変位（回動角）を、クリア指示として、外筐２が折り畳まれた状態でのシェイク動作による状態変位と区別して検出することができる。

　なお、この実施形態では、図４（Ｆ）に示す、外筐２が折り畳まれた状態では電源がオフとなっているので、シェイク動作のときのジャイロセンサ６Ｌ及び６ＲのＺ軸周りの回転方向を検出しなくても、電源がオンであるときのシェイク動作の状態変位をクリア指示として検出するようにしてもよい。

　この場合のシェイク動作の際の回動角は、所定の大きさの回動角以上、例えば３０度以上の回動角とされる。所定の大きさ以下の小さい回動角の回動変位を誤ってクリア指示として検出しないようにするためである。

　なお、このシェイク動作によるクリア指示に際しては、シェイク動作の状態変位のみによりページクリアを実行するようにしてもよいが、シェイク動作の状態変位を検出したときに、表示画面３Ｐに、「ページクリアを実行しますか？」という問い合わせメッセージを表示すると共に、「ＹＥＳ」、「ＮＯ」の２個のアイコンボタンを表示し、「ＹＥＳ」のアイコンボタンが電子ペン１０により指示されたときに、クリアを実行し、「ＮＯ」のアイコンボタンが電子ペン１０により指示されたときには、クリア処理を中止するように構成してもよい。

　＜ページめくり（次ページ）指示：新たなページへの変更を含む＞
　この実施形態の携帯機器１においては、図５（Ａ）に示すように、外筐２が全開とされて電源がオンとされていて、かつ、筆記入力モードが選択されている状態において、使用者が、図５（Ａ）において一点鎖線で示すように、外筐２の第１のフレーム部材２１のみを所定の回動角以上、回動させた後、回動を停止あるいは戻したときには、その外筐２の状態変位を、ページめくり（次ページ）の指示として検出する。

　操作情報処理回路２００の処理制御回路２０１は、状態変位検出回路２０１２でこのページめくり（次ページ）の状態変位を検出したときには、それまでページバッファ２０１１に格納されていて現在表示されているページの筆記入力データをメモリ２０２に書き込んで退避した後、現在表示されているページの次ページの筆記入力データをメモリ２０２から読み出して、ページバッファ２０１１に格納するようにする。そして、その後、処理制御回路２０１は、電子ペン１０による筆記入力を受け付けて、当該ページの筆記入力データをページバッファ２０１１に書き込むようにする。

　状態変位検出回路２０１２では、このページめくり（次ページ）の状態変位を、ジャイロセンサ６ＬのＹ軸周りの時計回り方向の、所定の回動角以上の回動変位及び当該回動角後の停止あるいは戻りの回動変位を検出することで検出する。この場合に、所定の回動角としては、例えば３０度とされる。

　なお、携帯機器１の操作情報処理回路２００のメモリ２０２に、表示画面３Ｐに表示されているページの次ページが記憶されていないときには、現在表示中のページバッファ２０１１の筆記入力データを、ページ番号が付与されていない場合にはページ番号を付与した上で、メモリ２０２に記憶した後、ページバッファ２０１１の記憶データを消去して、新たなページ（未入力のページ）とする。

　＜ページめくり（前ページ）指示＞
　この実施形態の携帯機器１においては、図５（Ｂ）に示すように、外筐２が全開とされて電源がオンとされていて、かつ、筆記入力モードが選択されている状態において、使用者が、図５（Ｂ）において一点鎖線で示すように、外筐２の第２のフレーム部材２２のみを所定の回動角以上、回動させた後、回動を停止あるいは戻したときには、その外筐２の状態変位を、ページめくり（前ページ）の指示として検出する。

　操作情報処理回路２００の処理制御回路２０１は、状態変位検出回路２０１２でこのページめくり（前ページ）の状態変位を検出したときには、現在表示されているページバッファ２０１１の筆記入力データをメモリ２０２に書き込んで退避した後、現在表示されているページの前ページの筆記入力データをメモリ２０２から読み出して、ページバッファ２０１１に格納するようにする。そして、その後、処理制御回路２０１は、電子ペン１０による筆記入力を受け付けてページバッファ２０１１に格納し、当該ページの筆記入力データの更新を行うようにする。

　状態変位検出回路２０１２では、このページめくり（前ページ）の状態変位を、ジャイロセンサ６ＲのＹ軸周りの反時計回り方向の、所定の回動角以上の回動変位及び当該回動角後の停止あるいは戻りの回動変位を検出することで検出する。この場合に、所定の回動角としては、例えば３０度とされる。

　なお、携帯機器１の操作情報処理回路２００のメモリ２０２に、表示画面３Ｐに表示されているページの前ページが記憶されていないときには、処理制御回路２０１は、「前ページは存在しない」旨のメッセージを表示画像生成回路２０３で生成させ、表示画面３Ｐに表示して、使用者に注意喚起するようにする。

　＜ページ単位記憶指示＞
　この実施形態の携帯機器１においては、図５（Ｃ）に示すように、外筐２が全開とされて電源がオンとされていて、かつ、筆記入力モードが選択されている状態において、使用者が、図５（Ｃ）において一点鎖線で示すように、外筐２の第１のフレーム部材２１及び第２のフレーム部材２２の両方を同時に所定の回動角以上、例えば３０度以上、回動させた後、回動を停止あるいは戻したときには、その外筐２の状態変位を、ページ単位記憶指示として検出する。

　操作情報処理回路２００の処理制御回路２０１は、状態変位検出回路２０１２でこのページ単位記憶指示の状態変位を検出したときには、それまでにページバッファ２０１１に格納されていた筆記入力データを、ページ番号が付与されていなければページ番号を付与して、ページ番号が付与されているときには、同じページの筆記入力データに重ね書きの状態で、メモリ２０２に記憶するようにする。この時、ページバッファに記憶されている筆記入力データはそのまま保持される。

　すなわち、このページ単位記憶指示の状態変位は、使用者が、表示画面３Ｐに表示されている筆記跡画像の筆記入力データをメモリ２０２に保存したいと希望するときになされる。そして、このページ単位記憶指示がなされることで、当該ページ（表示中のページ）について、その時までに筆記入力された筆記入力データが、適宜、そのページの筆記入力データとして、メモリ２０２に記憶されることになる。

　［操作情報処理回路２００の処理制御回路２０１の動作例］
　次に、操作情報処理回路２００の処理制御回路２０１の動作例について、図６～図９のフローチャートを参照しながら説明する。

　この実施形態の携帯機器１では、外筐２が折り畳まれた状態であって電源オフの状態において、図６のスタートから動作が開始される。なお、前述もしたように、電源がオフの状態であっても、操作情報処理回路２００の処理制御回路２０１には、電源電圧が供給されていて、処理制御回路２０１は動作状態となっている。図６～図９のフローチャートにおける各ステップの動作は、処理制御回路２０１が実行するものとして説明する。

　処理制御回路２０１は、ジャイロセンサ６Ｌ及び６Ｒの検出出力を監視し（ステップＳ１０１）、外筐２の動きが検出されたか否か判別する（ステップＳ１０２）。このステップＳ１０２で、外筐２の動きが検出されていないと判別したときには、処理制御回路２０１は、処理をステップＳ１０１に戻して、このステップＳ１０１以降の処理を繰り返す。

　ステップＳ１０２で、外筐２の動きが検出されたと判別したときには、処理制御回路２０１は、検出されたのはＹ軸周りの回動であるか否か判別する（ステップＳ１０３）。このステップＳ１０３で、検出されたのはＹ軸周りの回動ではないと判別したときには、処理制御回路２０１は、処理をステップＳ１０１に戻し、このステップＳ１０１以降の処理を繰り返す。

　ステップＳ１０３で、検出されたのはＹ軸周りの回動であると判別したときには、処理制御回路２０１は、ジャイロセンサ６Ｌ及び６Ｒで検出されたＹ軸周りの回動角の合計が１８０度であるか否か判別する（ステップＳ１０４）。このステップＳ１０４で、検出されたＹ軸周りの回動角の合計が１８０度ではないと判別したときには、処理制御回路２０１は、処理をステップＳ１０１に戻し、このステップＳ１０１以降の処理を繰り返す。

　ステップＳ１０４で、検出されたＹ軸周りの回動角の合計が１８０度であると判別したときには、処理制御回路２０１は、外筐２は、折り畳み状態から全開状態に状態変位して電源オン指示がなされたと判断して、電源回路３００を制御して電源オフの状態から電源オンの状態に変更する（ステップＳ１０５）。

　次に、処理制御回路２０１は、携帯機器１は、電子ペン１０による筆記入力モードとなっているか否か判別する（ステップＳ１０６）。このステップＳ１０６で、筆記入力モードとなっていないと判別したときには、処理制御回路２０１は、その他の処理を行なうための処理ルーチンに移行する（ステップＳ１０７）。なお、このステップＳ１０７のその他の処理の処理ルーチンにおいても、後述する電源オフ指示についての処理は、同様に行われるものである。

　ステップＳ１０６で、筆記入力モードとなっていると判別したときには、処理制御回路２０１は、電子ペン１０による筆記入力を受け付けて、受け付けた筆記入力データをページバッファ２０１１に書き込み、当該筆記入力データに基づく筆記跡画像を表示画面３Ｐに表示させるように制御する（ステップＳ１０８）。

　次に、処理制御回路２０１は、ジャイロセンサ６Ｌ及び６Ｒの検出出力を監視して、外筐２の動きを検出したか否かを判別し（ステップＳ１０９）、動きを検出していないと判別したときには、処理をステップＳ１０８に戻し、このステップＳ１０８以降の処理を繰り返す。

　ステップＳ１０９で、動きを検出したと判別したときには、処理制御回路２０１は、検出されたのはＹ軸周りの回動であるか否か判別する（ステップＳ１１０）。

　ステップＳ１１０で、検出されたのはＹ軸周りの回動であると判別したときには、処理制御回路２０１は、Ｙ軸周りの回動は、ジャイロセンサ６Ｌ及び６Ｒの両方から検出されたか否か判別する（図７のステップＳ１１１）。

　ステップＳ１１１で、Ｙ軸周りの回動は、ジャイロセンサ６Ｌ及び６Ｒの両方から検出されたのではないと判別したときには、処理制御回路２０１は、Ｙ軸周りの回動は、ジャイロセンサ６Ｌのみで検出されたか否か判別する（ステップＳ１１２）。

　ステップＳ１１２で、Ｙ軸周りの回動は、ジャイロセンサ６Ｌで検出されたのではなく、ジャイロセンサ６Ｒで検出されたと判別したときには、処理制御回路２０１は、検出された回動角は１８０度であるか否か判別する（ステップＳ１１３）。

　このステップＳ１１３で、ジャイロセンサ６Ｒで検出された回動角は１８０度であると判別したときには、処理制御回路２０１は、外筐２が全開の状態から折り畳まれた状態に状態変位されたと判断して、電源回路３００を制御して、電源オンの状態から電源オフの状態に変化させる（ステップＳ１１４）。そして、この処理ルーチンを終了する。

　また、ステップＳ１１３で、ジャイロセンサ６Ｒで検出された回動角は１８０度ではないと判別したときには、処理制御回路２０１は、この実施形態の携帯機器１の外筐２は、１８０度までしか回動できない構造であることから、検出された回動角は１８０度以下であると判断し、その回動角は、所定の回動角、例えば３０度以上であるか否か判別する（ステップＳ１１５）。

　ステップＳ１１５で、ジャイロセンサ６Ｒで検出された回動角が所定の回動角である３０度以上、１８０度以下であると判別したときには、処理制御回路２０１は、外筐２の第２のフレーム部材２２が図５（Ｂ）に示したように回動されて外筐２が状態変位を生じ、ページめくり（前ページ）指示がなされたと判断して、ページめくり（前ページ）指示に応じた制御処理を行う（ステップＳ１１６）。すなわち、このステップＳ１１６においては、処理制御回路２０１は、ページバッファ２０１１に記憶されていた表示中のページの筆記入力データを、ページ番号が付与されていないときには、ページ番号を付与した上でメモリ２０２に退避させた後、当該メモリ２０２から、前ページの筆記入力データを読み出してページバッファ２０１１に書き込み、その筆記入力データによる筆記跡画像を表示画面３Ｐに表示するように制御する。

　このステップＳ１１６の次には、処理制御回路２０１は、処理をステップＳ１０８に戻し、このステップＳ１０８以降の処理を繰り返す。また、ステップＳ１１５で、ジャイロセンサ６Ｒで検出された回動角が所定の回動角である３０度よりも小さいと判別したときには、処理制御回路２０１は、第２のフレーム部材２２の回動は無視して、処理をステップＳ１０８に戻し、このステップＳ１０８以降の処理を繰り返す。

　また、ステップＳ１１２で、Ｙ軸周りの回動は、ジャイロセンサ６Ｌで検出されたと判別したときには、処理制御回路２０１は、当該ジャイロセンサ６Ｌで検出されたＹ軸周りの回動角を算出し（図８のステップＳ１３１）、算出された回動角は１８０度であるか否か判別する（ステップＳ１３２）。

　このステップＳ１３２で、ジャイロセンサ６Ｌで検出された回動角は１８０度であると判別したときには、処理制御回路２０１は、外筐２が全開の状態から折り畳まれた状態に状態変位されたと判断して、電源回路３００を制御して、電源オンの状態から電源オフの状態に変化させる（ステップＳ１３３）。そして、この処理ルーチンを終了する。

　また、ステップＳ１３２で、ジャイロセンサ６Ｌで検出された回動角は１８０度ではないと判別したときには、処理制御回路２０１は、検出された回動角は１８０度以下であると判断し、その回動角は、所定の回動角、例えば３０度以上であるか否か判別する（ステップＳ１３４）。

　ステップＳ１３４で、ジャイロセンサ６Ｌで検出された回動角が所定の回動角である３０度以上、１８０度以下であると判別したときには、処理制御回路２０１は、外筐２の第１のフレーム部材２１が図５（Ａ）に示したように回動されて外筐２が状態変位を生じ、ページめくり（次ページ）指示がなされたと判断して、ページめくり（次ページ）指示に応じた制御処理を行う。

　すなわち、処理制御回路２０１は、メモリ２０２に、表示中のページの次ページの筆記入力データが格納されているか否か判別し（ステップＳ１３５）、メモリ２０２に次ページの筆記入力データが格納されていると判別したときには、ページバッファ２０１１に記憶されていた表示中のページの筆記入力データをメモリ２０２に退避させた後、当該メモリ２０２から、次ページの筆記入力データを読み出してページバッファ２０１１に書き込み、その筆記入力データによる筆記跡画像を表示画面３Ｐに表示するように制御する（ステップＳ１３６）。

　また、ステップＳ１３５で、メモリ２０２に次ページの筆記入力データが格納されていないと判別したときには、処理制御回路２０１は、ページバッファ２０１１に記憶されていた表示中のページの筆記入力データを、ページ番号が付与されていないときにはページ番号を付与した上でメモリ２０２に退避させた後、ページバッファの筆記入力データをクリアすると共に、表示画面３Ｐに表示していた筆記跡画像をもクリアして、新たなページに変更するように制御する（ステップＳ１３７）。

　そして、ステップＳ１３６又はステップＳ１３７の次には、処理制御回路２０１は、処理をステップＳ１０８に戻し、このステップＳ１０８以降の処理を繰り返す。また、ステップＳ１３４で、ジャイロセンサ６Ｌで検出された回動角が所定の回動角である３０度よりも小さいと判別したときには、処理制御回路２０１は、第１のフレーム部材２１の回動は無視して、処理をステップＳ１０８に戻し、このステップＳ１０８以降の処理を繰り返す。

　また、図７のステップＳ１１１で、Ｙ軸周りの回動は、ジャイロセンサ６Ｌ及び６Ｒの両方から検出されたと判別したときには、処理制御回路２０１は、２個のジャイロセンサ６Ｌ及び６Ｒで検出されたＹ軸周りの回動角の合計は１８０度であるか否か判別する（ステップＳ１１７）。

　ステップＳ１１７で、２個のジャイロセンサ６Ｌ及び６Ｒで検出されたＹ軸周りの回動角の合計は１８０度であると判別したときには、処理制御回路２０１は、外筐２が全開の状態から折り畳まれた状態に状態変位されたと判断して、処理をステップＳ１１４に進め、電源回路３００を制御して、電源オンの状態から電源オフの状態に変化させる。

　ステップＳ１１７で、２個のジャイロセンサ６Ｌ及び６Ｒで検出されたＹ軸周りの回動角の合計は１８０度ではなく、１８０度より小さいと判別したときには、処理制御回路２０１は、２個のジャイロセンサ６Ｌ及び６Ｒで検出されたＹ軸周りの回動角は、両方とも所定の回動角、この例では３０度以上であるか否か判別する（ステップＳ１１８）。

　ステップＳ１１８で、２個のジャイロセンサ６Ｌ及び６Ｒで検出されたＹ軸周りの回動角の両方ともは、所定の回動角、この例では３０度以上とはなっていないと判別したときには、処理制御回路２０１は、ジャイロセンサ６Ｒで検出された回動角のみが所定の回動角、この例では３０度以上になっているか否か判別する（ステップＳ１１９）。

　このステップＳ１１９で、ジャイロセンサ６Ｒで検出された回動角のみが所定の回動角、この例では３０度以上になっていると判別したときには、処理制御回路２０１は、外筐２の第２のフレーム部材２２が図５（Ｂ）に示したように回動されて外筐２が状態変位を生じ、ページめくり（前ページ）指示がなされたと判断して、処理をステップＳ１１６に進め、このステップＳ１１６以降の処理を実行する。

　ステップＳ１１９で、ジャイロセンサ６Ｒで検出された回動角が所定の回動角、この例では３０度以上になってはいないと判別したときには、処理制御回路２０１は、ジャイロセンサ６Ｌで検出された回動角のみが所定の回動角、この例では３０度以上になっているか否か判別する（ステップＳ１２０）。

　このステップＳ１２０で、ジャイロセンサ６Ｌで検出された回動角のみが所定の回動角、この例では３０度以上になっていると判別したときには、処理制御回路２０１は、外筐２の第１のフレーム部材２１が図５（Ａ）に示したように回動されて外筐２が状態変位を生じ、ページめくり（次ページ）指示がなされたと判断して、処理を図８のステップＳ１３５に進め、このステップＳ１３５以降の処理を実行する。

　ステップＳ１２０で、ジャイロセンサ６Ｌで検出された回動角が所定の回動角、この例では３０度以上になってはいないと判別したときには、処理制御回路２０１は、ジャイロセンサ６Ｌ及び６Ｒで検出された動きを無視して、処理を図６のステップＳ１０８に戻し、このステップＳ１０８以降の処理を繰り返す。

　また、ステップＳ１１８で、２個のジャイロセンサ６Ｌ及び６Ｒで検出されたＹ軸周りの回動角の両方とも、所定の回動角、この例では３０度以上となっていると判別したときには、処理制御回路２０１は、図５（Ｃ）に示したように、外筐２を、全開の状態から、第１のフレーム部材２１及び第２のフレーム部材２２の両方を同時に所定の回動角以上、この例では３０度以上、回動させた状態変位が生じ、ページ単位記憶指示がなされたと判断して、当該ページ単位記憶指示に対応する制御処理を実行する（ステップＳ１２１）。

　すなわち、ステップＳ１２１では、処理制御回路２０１は、それまでにページバッファ２０１１に格納されていた筆記入力データを、ページ番号が付与されていなければページ番号を付与して、ページ番号が付与されているときには、同じページの筆記入力データに重ね書きの状態で、メモリ２０２に記憶するようにする。そして、この時、ページバッファ２０１１に記憶されている筆記入力データはそのまま保持し、表示画面３Ｐの表示画像もそのままの状態とされる。そして、ステップＳ１２１の次には、処理制御回路２０１は、処理をステップＳ１０８に戻し、このステップＳ１０８以降の処理を繰り返す。

　また、図６のステップＳ１１０で、検出されたのはＹ軸周りの回動ではなく、Ｚ軸周りの回動であると判別したときには、処理制御回路２０１は、Ｚ軸周りの回動角が所定の回動角、この例では３０度以上であるシェイク動作であるか否か判別する（図９のステップＳ１４１）。

　このステップＳ１４１で、シェイク動作であると判別したときには、処理制御回路２０１は、２個のジャイロセンサ６Ｌ及び６Ｒで検出されたＺ軸周りの回動方向は一致しているか否か判別する（ステップＳ１４２）。ステップＳ１４２で、２個のジャイロセンサ６Ｌ及び６Ｒで検出されたＺ軸周りの回動方向は一致していると判別したときには、処理制御回路２０１は、判別されたシェイク動作の状態変位はページ単位記憶指示であると判断して、そのページ単位記憶指示に対応する制御処理を行う（ステップＳ１４３）。

　このステップＳ１４３では、処理制御回路２０１は、それまでに入力されてページバッファ２０１１に格納されていた筆記入力データを消去してクリアする。この時、ページバッファ２０１１の記憶データが無くなるので、表示画面３Ｐに表示されていた筆記跡画像も消える。

　そして、ステップＳ１４３の次には、処理制御回路２０１は、処理をステップＳ１０８に戻し、このステップＳ１０８以降の処理を繰り返す。また、ステップＳ１４１で、シェイク動作ではないと判別したとき、また、ステップＳ１４２で、２個のジャイロセンサ６Ｌ及び６Ｒで検出されたＺ軸周りの回動方向は互いに逆向きで不一致であると判別したときにも、処理制御回路２０１は、処理をステップＳ１０８に戻し、このステップＳ１０８以降の処理を繰り返す。

　以上のようにして、上述の実施形態の携帯機器１は、ヒンジ部２３とヒンジ部２４とを結ぶ帯状部分をフレキシブル変位可能部分として、外筐２を折り畳み式の構造とし、そのフレキシブル変位可能部分を挟んだ位置に２個のジャイロセンサ６Ｌ及び６Ｒを設け、それら２個のジャイロセンサ６Ｌ及び６Ｒの一方及び両方の検出出力を用いることで、外筐２の種々の状態変位を検出することができる。

　そして、上述の実施形態の携帯機器１では、２個のジャイロセンサ６Ｌ及び６Ｒの一方及び両方の検出出力を用いることで検出可能な外筐２の種々の状態変位のそれぞれに、携帯機器１における制御指示を対応付けて割り当てることで、ボタン操作を必要とせずに、携帯機器１についての種々の処理を行わせるように構成することができる。

　上述の実施形態の携帯機器１においては、筆記入力データとジャイロセンサ６Ｌ、６Ｒの検出出力とを時間により対応付けてメモリ２０２に記憶するようにしているので、筆記入力と外筐に対する状態変位とを対応付けすることができるようになる。

　また、外筐に対する状態変位のみではなく、ジャイロセンサ６Ｌ及び６Ｒの動き検出出力からは、筆記入力操作時の携帯機器１の状況である操作状況を判断することができるという効果がある。

　すなわち、例えば携帯機器１を所定の速度で歩きながら使用している操作状況や、仰向けに寝ながら携帯機器１を上空に保持して使用している姿勢の操作状況などの判断し、その操作状況を筆記入力データと対応付けることができる。よって、使用者がどのような姿勢や操作状況下で、筆記入力をしたかを、判断することが可能になる。

　［第１の実施形態の変形例］
　２個のジャイロセンサ６Ｌ及び６Ｒは、外筐２の第１のフレーム部材２１及び第２のフレーム部材２２のそれぞれのほぼ中央位置に配設するようにしたが、中央位置にすることは必須ではない。ジャイロセンサ６Ｌ及び６Ｒは、例えば第１のフレーム部材２１及び第２のフレーム部材２２の角部（隅部）や周縁部に設けてもよい。要は、フレキシブル変位可能部分であるヒンジ部２３とヒンジ部２４とを結ぶ帯状部分を挟むような２つの位置のそれぞれに２個のジャイロセンサ６Ｌ及び６Ｒを配設するようにすればよい。

　また、ジャイロセンサ６Ｌ及び６Ｒは、上述の実施形態では、３軸センサとしたが、少なくとも１軸の方向がＹ軸方向に平行であれば、３軸以上の多軸センサとしてもよい。また、ジャイロセンサ６Ｌ及び６Ｒは、１軸の方向がＹ軸方向に平行である１軸センサでもよいし、２軸センサであってもよい。

　また、上述の実施形態では、ジャイロセンサは、第１のフレーム部材２１及び第２のフレーム部材２２のそれぞれに１個ずつを配設するようにしたが、それぞれ複数個ずつを配設するようにしてもよい。

　［第２の実施形態］
　上述の第１の実施形態では、フレキシブル変位が可能な部材で構成されたディスプレイ素子３、位置検出センサ４及び回路基板５は、保護のために硬質の外筐２に収納され、当該外筐２が、第１のフレーム部材２１と第２のフレーム部材２２とで構成され、折り畳み可能の構成されていた。しかし、外筐が硬質の部材ではなく、フレキシブル変位が可能な保護部材で構成されていれば、位置検出装置は、任意の位置でフレキシブル変位をさせることが可能であるので、複数個のモーションセンサの配置位置の自由度は大きくなる。

　また、上述の第１の実施形態は、位置検出装置が単独の装置として処理を完結させることができる携帯機器の場合の例であったが、位置検出装置が、パーソナルコンピュータなどの情報処理装置の入力装置として使用される態様も存在する。

　第２の実施形態の位置検出装置１Ａは、いわゆるタブレット端末の構成とされ、図１０に示すように、パーソナルコンピュータ（以下ＰＣと略称する）４００と無線接続されて、当該ＰＣ４００の入力装置として構成される。第２の実施形態の位置検出装置１Ａは、第１の実施形態と同様の電磁誘導方式の位置検出センサを備えるが、表示画面を備える表示素子は備えない。なお、第２の実施形態の位置検出装置１Ａについての説明において、上述した第１の実施形態の携帯機器１と同一の構成部分については、同一参照符号を付して、その詳細な説明は省略する。

　図１１は、第２の実施形態の位置検出装置１Ａの構成例を説明するための分解斜視図である。この図１１に示すように、第２の実施形態の位置検出装置１Ａは、電磁誘導方式の位置検出センサ４と、回路基板５Ａとを備える。前述したように、位置検出センサ４は、矩形のフレキシブル基板４１にＸ軸方向ループコイル群４２Ｘ及びＹ軸方向ループコイル群４２Ｙが形成されて構成されたものであり、全体としてフレキシブルな変位が可能である。

　また、回路基板５Ａは、上述の第１の実施形態と同様に、位置検出センサ４の入力面側とは反対側の面側に配設されており、位置検出センサ４と丁度重ね合わさることができる形状の矩形のフレキシブル基板上に、図１１では図示を省略する位置検出回路１００及び後述する出力データの送信のための回路を含む電子回路部が形成されて構成されている。したがって、回路基板５Ａも、全体としてフレキシブルな変位が可能である。

　そして、この第２の実施形態の位置検出装置１Ａでは、位置検出センサ４の入力面側は、フレキシブルな部材で構成される表面側保護シート７により覆われている。また、回路基板５Ａの位置検出センサ４側とは反対側の面側は、フレキシブルな部材で構成される裏面側保護シート８により覆われている。使用者は、表面側保護シート７の表面を入力面として、電子ペン１０により、筆記入力を行うようにする。

　この第２の実施形態の位置検出装置１Ａは、以上のような構成であるので、当該位置検出装置１Ａが全体として、フレキシブルな変位が可能な構成となっている。

　そして、この第２の実施形態の位置検出装置１Ａでは、図１１に示すように、矩形の回路基板５Ａの４個のコーナー部（４隅）に、モーションセンサの例であるジャイロセンサ６１，６２，６３，６４が配設されている。したがって、ジャイロセンサ６１，６２，６３，６４は、互いの間に、回動変位が可能であるフレキシブルな部分が存在する状態で配設されている。この例では、ジャイロセンサ６１，６２，６３，６４は、Ｘ軸方向（位置検出センサ４の入力面の横方向）、Ｙ軸方向（位置検出センサ４の入力面の縦方向）及びＺ軸方向（位置検出センサ４の入力面に直交する方向）の３軸センサとされている。

　したがって、使用者は、位置検出装置１Ａを自由に屈曲させたり、折り曲げたりすることができ、ジャイロセンサ６１～６４のそれぞれは、その際の位置検出装置１Ａの状態変位に応じた検出出力をそれぞれ出力する。換言すれば、ジャイロセンサ６１～６４の検出出力から、位置検出装置１Ａがどのような状態変位を呈しているかを判別することが可能となる。

　この第２の実施形態の位置検出装置１Ａは、第１の実施形態の携帯機器１とは異なり、複数ページ分の筆記入力データを記憶するメモリや状態変位検出回路を有する処理制御回路及び表示制御回路は備えず、電子ペン１０による位置指示入力に基づく筆記入力データと、ジャイロセンサ６１～６４の検出出力とを、ＰＣ４００に無線送信する機能のみを備えている。

　そして、この第２の実施形態においては、位置検出装置１Ａからの無線送信される情報を受信するＰＣ４００が、複数ページ分の筆記入力データを記憶するメモリや状態変位検出回路を有する処理制御回路の機能部を備えると共に、当該ＰＣ４００が備えるディスプレイ４１０の表示画面に、筆記入力データに基づく筆記跡画像の表示するための表示画像生成回路の機能部を備える。

　［位置検出装置１Ａ及びＰＣ４００の要部の電子回路構成例］
　図１２は、第２の実施形態の位置検出装置１Ａの電子回路部の構成例及びＰＣ４００の要部の構成例を説明するための図である。この図１２においても、第１の実施形態の携帯機器１と同様の構成部分には同一参照符号を付して、その詳細な説明は省略する。図１２に示したＰＣ４００の構成例は、この第２の実施形態の位置検出装置１Ａ用のプログラムが、予め、当該ＰＣ４００にインストールされており、そのプログラムの機能を機構ブロックとして示したものである。

　すなわち、第２の実施形態の位置検出装置１Ａにおいては、表面側保護シート７の表面上における電子ペン１０による指示位置は、上述したようにして、位置検出センサ４を通じて位置検出処理回路１０６で検出される。また、位置検出処理回路１０６は、電子ペン１０のペン先に印加された筆圧、また、電子ペン１０の入力面に対する傾き角を検出する。位置検出処理回路１０６は、この第２の実施形態では、検出した電子ペンによる指示位置の座標データと、筆圧データと、傾き角のデータとを、送信データ生成回路２１０に供給する。

　この送信データ生成回路２１０には、また、４個のジャイロセンサ６１～６４の検出出力のそれぞれが供給される。

　送信データ生成回路２１０では、位置検出処理回路１０６から受け取った座標データ（ｘ、ｙ）と、筆圧データｐと、傾き角のデータｓとに、受け取った時間のデータｔを付与して、一塊の位置検出出力データ（ｘ、ｙ、ｐ、ｓ、ｔ）とすると共に、４個のジャイロセンサ６１，６２，６３，６４のそれぞれのＸ軸周り、Ｙ軸周り、Ｚ軸周りの各検出出力（Ｇ１ｘ、Ｇ１ｙ、Ｇ１ｚ）、（Ｇ２ｘ、Ｇ２ｙ、Ｇ２ｚ）、（Ｇ３ｘ、Ｇ３ｙ、Ｇ３ｚ）、（Ｇ４ｘ、Ｇ４ｙ、Ｇ４ｚ）に、それら検出出力を受け取った時間のデータｔを付与して、一塊の動き検出出力データ（Ｇ１ｘ、Ｇ１ｙ、Ｇ１ｚ、Ｇ２ｘ、Ｇ２ｙ、Ｇ２ｚ、Ｇ３ｘ、Ｇ３ｙ、Ｇ３ｚ、Ｇ４ｘ、Ｇ４ｙ、Ｇ４ｚ、ｔ）とする。

　そして、送信データ生成回路２１０は、位置検出出力データと、動き検出出力データとを、時間データｔが同じもの同士を合成して、次のようなフォーマットの送信データを生成し、無線通信部２２０を通じてＰＣ４００に無線送信する。

　すなわち、送信データのフォーマットは、
（ｘ、ｙ、ｐ、ｓ、Ｇ１ｘ、Ｇ１ｙ、Ｇ１ｚ、Ｇ２ｘ、Ｇ２ｙ、Ｇ２ｚ、Ｇ３ｘ、Ｇ３ｙ、Ｇ３ｚ、Ｇ４ｘ、Ｇ４ｙ、Ｇ４ｚ、ｔ）
となる。

　所定時間ｔにおいて、電子ペンによる筆記データ、すなわち位置検出出力データ（ｘ、ｙ、ｐ、ｓ、ｔ）と、ジャイロセンサの動き検出出力データが、別々に検出されることから、操作者により筆記された描画について情報だけでなく、筆記入力がなされている位置検出装置（キャンパス）の状態の情報を記録することができる。位置検出装置１Ａに電子ペンで描画する際、位置検出装置１Ａを立てて描画しているのか、上下を回転させながら描画しているのかも記録することが可能となる。描画しているときの環境まで記録されるので、描画データを再生する際に、操作者の電子ペンによる筆記入力の際の微妙な動きに関して、再現することが可能となる。

　なお、電子ペンによる筆記データとジャイロセンサの動き検出出力データとは、別々に記録されていても良い。描画時のジャイロセンサの動き検出出力データ（環境データ）を除いて、筆記データだけ必要な場合があるからである。

　なお、上記の位置検出出力データは、（ｘ、ｙ、ｐ、ｓ、ｔ）に限るものではなく、例えば、電子ペンのペン先と、筆記入力面との間の高さｈのデータが含まれるようにしても良い。

　ＰＣ４００では、位置検出装置１Ａの無線通信部２２０からの送信データを無線通信部４０１で受ける。この例では、無線通信部２２０及び無線通信部４０１は、ブルートゥース（登録商標）規格の近距離無線通信を行うもので構成されている。

　そして、ＰＣ４００は、機能部として、図１２に示すように、状態変位検出回路４０２１を備える処理制御回路４０２と、筆記入力データ及び動き検出出力データを、ページ単位で記憶するメモリ４０３と、ディスプレイ４１０の表示画面に表示する表示画像情報を生成する表示画像生成回路４０４とを備える。なお、図１２では、図示を省略したが、処理制御回路４０２はページバッファを備える。

　処理制御回路４０２は、メモリ４０３に対する書き込み及び読み出しを制御する。また、表示画像生成回路４０４は、処理制御回路４０２の制御の下に、ページバッファに記憶されている筆記入力データに基づく筆記跡画像をディスプレイ４１０の表示画面に表示するようにする。

　処理制御回路４０２の状態変位検出回路４０２１は、無線通信部４０１を通じて受信した位置検出装置１Ａからの送信データのうちの動き検出出力データから位置検出装置１Ａの状態変位を検出する。この第２の実施形態では、位置検出装置１Ａ用のプログラムには、この位置検出装置１Ａの種々の状態変位に対応する制御指示が定義されている。処理制御回路４０２は、状態変位検出回路４０２１で検出された位置検出装置１Ａの状態変位に応じた制御指示を判断して、その制御指示に対応する制御処理を実行する。

　位置検出装置１Ａの種々の状態変位及びその状態変位に対応する制御指示の例を図１３を参照して説明する。

　［位置検出装置１Ａの状態変位と、その状態変位に対応する制御指示の例］
　図１３においては、複数のページがＰＣ４００のメモリ４０３に記憶されている場合において、操作者が、ＰＣ４００のディスプレイ４１０を見ながら、位置検出装置１Ａに状態変位を生じさせるようにする場合を想定している。なお、位置検出装置１Ａがフレキシブルな表示素子を備えるように構成してもよい。

　＜ページめくり（次ページ）指示：新たなページへの変更を含む＞
　図１３（Ａ）で一点鎖線で示すように、この例では、位置検出装置１Ａの横方向の左側の短辺が入力面側に、例えば回動角が３０度以上となるように、折り曲げられた状態変位は、ページめくり（次ページ）指示とされる。状態変位検出回路４０２１では、この図１３（Ａ）に示す状態変位は、位置検出装置１Ａの左上隅のジャイロセンサ６１及び左下隅のジャイロセンサ６２のＹ軸周りの動き検出出力Ｇ１ｙ及びＧ２ｙに基づいて、それぞれのＹ軸周りの回動角が３０度以上になったか否かを判別することにより検出する。

　処理制御回路４０２は、状態変位検出回路４０２１でこのページめくり（次ページ）の状態変位を検出したときには、現在ディスプレイ４１０に表示されているページバッファの筆記入力データは、メモリ４０３に書き込んで退避した後、現在表示されているページの次ページの筆記入力データをメモリ４０３から読み出して、ページバッファに格納するようにする。その後は、ページバッファには、位置検出装置１Ａから受信した送信データを、当該ページのデータとして格納するようにする。

　なお、メモリ４０３に、ディスプレイ４１０に表示されているページの次ページが記憶されていないときには、現在表示中のページバッファの筆記入力データを、ページ番号が付与されていないときには、ページ番号を付与した上で、メモリ４０３に記憶した後、ページバッファの記憶データを消去して、新たなページ（未入力のページ）とする。

　なお、ページめくり（次ページ）指示の別な例としては、図１３（Ｃ）で一点鎖線で示すように、位置検出装置１Ａの左上隅が折り曲げられる状態変位であっても良い。

　＜ページめくり（前ページ）指示＞
　図１３（Ｂ）で一点鎖線で示すように、この例では、位置検出装置１Ａの横方向の右側の短辺が入力面側に、例えば回動角が３０度以上となるように、折り曲げられた状態変位は、ページめくり（前ページ）指示とされる。状態変位検出回路４０２１では、この図１３（Ｂ）に示す状態変位は、位置検出装置１Ａの右上隅のジャイロセンサ６３及び右下隅のジャイロセンサ６４のＹ軸周りの動き検出出力Ｇ３ｙ及びＧ４ｙに基づいて、それぞれのＹ軸周りの回動角が３０度以上になったか否かを判別することにより検出する。

　処理制御回路４０２は、状態変位検出回路４０２１でこのページめくり（前ページ）の状態変位を検出したときには、現在ディスプレイ４１０に表示されているページバッファの筆記入力データは、メモリ４０３に書き込んで退避した後、現在表示されているページの前ページの筆記入力データをメモリ４０３から読み出して、ページバッファに格納するようにする。その後は、ページバッファには、位置検出装置１Ａから受信した送信データを、当該ページのデータとして格納するようにする。

　なお、ページめくり（前ページ）指示の別な例としては、図１３（Ｄ）で一点鎖線で示すように、位置検出装置１Ａの右上隅が折り曲げられる状態変位であっても良い。

　＜ページ単位記憶指示＞
　この第２の実施形態においては、図示は省略するが、図１３（Ａ）に示した、位置検出装置１Ａの横方向の左側の短辺が入力面側に、例えば回動角が３０度以上となると同時に、図１３（Ｂ）に示した、位置検出装置１Ａの横方向の右側の短辺が入力面側に、例えば回動角が３０度以上となる状態変位は、ページ単位記憶指示と対応付けられている。

　処理制御回路４０２は、状態変位検出回路４０２１でこのページ単位記憶指示の状態変位を検出したときには、それまでにページバッファに格納されていた筆記入力データを、ページ番号が付与されていなければページ番号を付与して、ページ番号が付与されているときには、同じページの筆記入力データに重ね書きの状態で、メモリ４０３に記憶するようにする。この時、処理制御回路４０２のページバッファに記憶されている筆記入力データはそのまま保持される。

　＜ページの登録（ブックマーク）＞
　図１３（Ｃ）及び（Ｄ）で一点鎖線で示すように、この第２の実施形態では、位置検出装置１Ａの左上隅と、右上隅とが折り曲げられる状態変位はブックマーク（しおりとしてマーク）とされる。ブックマークは、一度登録しておくと、見たいページに素早くアクセスすることができる。この第２の実施形態では、後で筆記の追加をしたい場所を記録することで、素早くアクセス可能とすることができる。

　すなわち、図１３（Ｃ）に示すように、位置検出装置１Ａの左上隅が入力面側に、例えば回動角が３０度以上となるように、折り曲げられた状態変位は、左側ページの登録（ブックマーク）とされる。また、図１３（Ｄ）に示すように、位置検出装置１Ａの右上隅が入力面側に、例えば回動角が３０度以上となるように、折り曲げられた状態変位は、右側ページの登録（ブックマーク）とされる。

　ＰＣ４００の処理制御回路４０２の状態変位検出回路４０２１では、この図１３（Ｃ）に示す状態変位は、位置検出装置１Ａの左上隅のジャイロセンサ６１のＹ軸周りの動き検出出力Ｇ１ｙ及びＸ軸周りの動き検出出力Ｇ１ｘに基づいて、位置検出装置１Ａの左上隅が折り曲げられて、その回動角が所定の角度以上、この例では３０度以上になったか否かを判別することにより検出する。

　また、ＰＣ４００の処理制御回路４０２の状態変位検出回路４０２１では、この図１３（Ｄ）に示す状態変位は、位置検出装置１Ａの右上隅のジャイロセンサ６３のＹ軸周りの動き検出出力Ｇ３ｙ及びＸ軸周りの動き検出出力Ｇ３ｘに基づいて、位置検出装置１Ａの右上隅が折り曲げられて、その回動角が所定の角度以上、この例では３０度以上になったか否かを判別することにより検出する。

　ＰＣ４００の処理制御回路４０２では、この図１３（Ｃ）に示す位置検出装置１Ａの左上隅の状態変位を状態変位検出回路４０２１で検出すると、表示画像生成回路４０４を通じて、ディスプレイ４１０の表示画面に、「左〇〇ページを登録しました」というメッセージを表示する。登録されたページ番号がディスプレイ４１０上または、表示素子３の上に表示される。また、図１３（Ｄ）に示す位置検出装置１Ａの右上隅の状態変位を状態変位検出回路４０２１で検出すると、表示画像生成回路４０４を通じて、ディスプレイ４１０の表示画面に、「右〇〇ページを登録しました」というメッセージを表示する。登録されたページ番号がディスプレイ４１０上または、表示素子の上に表示される。

　＜登録（ブックマーク）されたページへのアクセス＞
　次に、登録されたページにアクセスする場合としては、図１３（Ｅ）または（Ｆ）で一点鎖線で示すように、この例では、位置検出装置１Ａの左下隅と、右下隅とが折り曲げられる状態変位とされる。

　すなわち、図１３（Ｅ）または（F）に示すように、位置検出装置１Ａの左下隅が入力面側に、例えば回動角が３０度以上となるように、折り曲げられた状態変位は、登録ページへの移動指示とされる。この例では、右下隅、左下隅どちらも同じ動作をする。

　以上のようにして、上述の第２の実施形態の位置検出装置１Ａは、位置検出装置１Ａの全体をフレキシブル変位可能部分として、その矩形の外形の４隅に、ジャイロセンサ６１～６４を設け、それら４個のジャイロセンサ６１～６４の検出出力を用いることで、位置検出装置１Ａの種々の状態変位を検出することができる。

　そして、上述の第２の実施形態の位置検出装置１Ａでは、４個のジャイロセンサ６１～６４の検出出力を用いることで検出可能な種々の状態変位のそれぞれに、位置検出装置１Ａにおける制御指示を対応付けて割り当てることで、位置検出装置１Ａを、パーソナルコンピュータの入力装置として構成するシステムにおいて、種々の制御処理を行わせるように構成することができる。

　上述の第２の実施形態においては、筆記入力データとジャイロセンサ６１～６４の検出出力とを時間により対応付けて合体した所定の送信フォーマットで、位置検出装置１Ａからパーソナルコンピュータ４００に送信するようにしているので、筆記入力と位置検出装置１Ａの動きや状態変位とを対応付けすることができる。したがって、筆記入力操作時の位置検出装置１Ａの状況を判断することができるという効果がある。

　［第２の実施形態の変形例］
　上述の第２の実施形態では、矩形の位置検出装置１Ａの４隅の全てにジャイロセンサを配設するようにしたが、４隅の内の種々の２隅以上の位置に配設してもよい。

　上述の実施形態では、位置検出装置１Ａは、電子ペン１０による指示位置入力の軌跡を表示する表示素子は備えなかったが、第１の実施形態と同様に、フレキブル変位が可能な部材で構成された、例えば有機ＥＬ素子や、電子ペーパーで構成された表示素子を備えるようにしてもよい。

　例えば電子ペーパーとしては、磁気誘導方式、電気泳動方式、その他のフレキブル変位が可能な部材で構成したものであれば、どのようなものでも使用可能である。

　［その他の実施形態又は変形例］
　なお、モーションセンサは、上述の例のようなジャイロセンサに限られる訳ではなく、加速度センサなど、その他のモーションセンサを利用することができることは言うまでもない。

　また、以上の実施形態では、位置検出装置の状態変位を、位置検出装置の所定の処理の制御指示と対応付けるようにしたが、制御指示ではなく、筆記入力データの修飾あるいは変容または筆記入力データについての属性の付与に対応付けるようにしてもよい。

　例えば、全体がフレキシブルな変位が可能なように構成された第２の実施形態の位置検出装置１Ａを、例えば、キャンバスとして、図１４（Ａ）に示すように、電子ペンによりインクを滴下する入力をしてインク溜まり跡ＰＩを形成した後に、使用者が位置検出装置１Ａを、図１４（Ｂ）に示すように、波打たせるように状態変位をさせたときには、この状態変位に応じて、インク溜まり跡ＰＩからインクが垂れるような画像ＰＩａに変形させるように筆記入力データを修飾あるいは変容させるようにしてもよい。

　また、位置検出装置１Ａ（表示素子付きでもよい）全面に描かれた筆記入力データを、位置検出装置１Ａの上側長辺を上に、下側長辺を下に向けることで、描画データを上から下へと垂れるように表現することができる。また、傾きを変えることで、移動する速さ（垂れる速さ）を表現することもできる。さらに、右側短辺を上下に動かしたり、左側短辺を上下に動かししたりすることで、描画された対象物を位置検出装置（キャンパス）の動きに応じて変形させることも可能である。

　なお、上述の実施形態の位置検出装置は、電磁誘導方式の位置検出センサを用いた構成としたが、静電容量方式（アクティブ静電結合方式を含む）の位置検出センサを用いた構成としてもよい。

　なお、電子ペンが使用できる位置検出装置に限らず、静電容量方式で指タッチを検出するタッチパネルであっても、ジャイロセンサ等のモーションセンサを設けることによって、位置検出装置の動きを検出することができ、上述と同様の動作と効果を再現することができる。

　なお、第１の実施形態の位置検出装置においては、外筐を折り畳んだ閉じた状態から、第１のフレーム部材と第２のフレーム部材とが１８０度の角度を成すように開いた状態とすることで、平面の表示画面３Ｐを形成するようにしたが、外筐を折り畳んで閉じた状態でも表示画面を露出させるように構成すると共に、１８０度開いた状態で、平面の表示画面３Ｐを形成するようにしてもよい。また、第１のフレーム部材と第２のフレーム部材との成す角度が０度で表示画面が露出しないように閉じた折り畳み状態から、第１のフレーム部材と第２のフレーム部材との成す角度を３６０度で表示画面を露出したままとするよう構成しても良い。

　なお、上述の第１の実施形態及び第２の実施形態においては、回路基板は、センサ基板と同じ大きさとしたが、回路基板は、センサ基板の一部分の大きさでも良く、また、帯状であってもよく、ジャイロセンサ等のモーションセンサが配置されている部分まで延びていれば良い。また、モーションセンサは、回路基板と電気的に接続されていれば、回路基板上に配設されていなくてもよい。

　１…携帯機器、２…外筐、３…フレキシブルディスプレイ素子、４…位置検出センサ、５…回路基板、６Ｌ，６Ｒ…ジャイロセンサ、１０…電子ペン、２１…第１のフレーム部材、２２…第２のフレーム部材、２３，２４…ヒンジ部材、６１～６４…ジャイロセンサ、１００…位置検出センサ、２００…操作情報処理回路、２０１…処理制御回路、２０２…メモリ、２２０…無線通信部、２０１２…状態変位検出回路、４００…ＰＣ

Claims

　指示体による指示入力を受ける指示入力面に対応する位置検出領域を備える位置検出センサと、
　前記位置検出センサと前記指示体とのインタクラクションに基づき、前記位置検出センサの前記位置検出領域内での前記指示位置を少なくとも検出する位置検出回路と、
　複数個のモーションセンサと、
　を備え、
　前記位置検出センサは、使用者の操作により前記指示入力面と共に変形可能とされるためのフレキシブル変位可能部分を備え、
　前記複数個のモーションセンサは、互いの間に前記フレキシブル変位可能部分が存在するモーションセンサを含む
　ことを特徴とする位置検出装置。
　前記モーションセンサは、少なくとも１軸周りの角速度を測定可能なジャイロセンサである
　ことを特徴とする請求項１に記載の位置検出装置。
　前記フレキシブル変位可能部分は、前記指示入力面を折り畳むことができるように、前記指示入力面を２つの領域に分断する位置に帯状に設けられている
　ことを特徴とする請求項１に記載の位置検出装置。
　前記モーションセンサは、前記フレキシブル変位可能部分により分断された２つの領域のそれぞれに、少なくとも１個ずつが設けられている
　ことを特徴とする請求項３に記載の位置検出装置。
　前記フレキシブル変位可能部分により分断された２つの領域のそれぞれに設けられる前記少なくとも１個の前記モーションセンサは、前記帯状の前記フレキシブル変位可能部分に沿った方向を軸方向とする１軸周りの角速度を少なくとも測定可能なジャイロセンサである
　ことを特徴とする請求項４に記載の位置検出装置。
　前記フレキシブル変位可能部分により分断された２つの領域のそれぞれに設けられる前記少なくとも１個の前記モーションセンサは、前記帯状の前記フレキシブル変位可能部分に沿った方向を軸方向とする１軸を含む２軸以上の多軸周りの角速度を測定可能なジャイロセンサである
　ことを特徴とする請求項４に記載の位置検出装置。
　前記モーションセンサは、前記分断された２つの領域の中央部分に設けられる
　ことを特徴とする請求項３に記載の位置検出装置。
　前記モーションセンサは、前記分断された２つの領域の隅部に設けられる
　ことを特徴とする請求項３に記載の位置検出装置。
　前記指示入力面の全領域が前記フレキシブル変位可能部分で構成されている
　ことを特徴とする請求項１に記載の位置検出装置。
　前記指示入力面は、矩形形状であり、
　前記モーションセンサは、前記指示入力面の４隅の少なくとも２隅に配設されている
　ことを特徴とする請求項９に記載の位置検出装置。
　前記指示入力面は、矩形形状であり、
　前記指示入力面の４隅の内、少なくとも２個が前記フレキシブル変位可能部分で構成され、前記フレキシブル変位可能部分に前記モーションセンサが配設されている
　ことを特徴とする請求項１に記載の位置検出装置。
　前記位置検出回路からの出力データと、前記複数個のモーションセンサからの出力データとを、関連付け可能な状態で保持する保持回路を備え、
　前記保持回路は、前記位置検出回路の出力データには前記指示位置を検出した時間を含めて保持し、前記複数個のモーションセンサの出力データにはモーションを検出した時間を含めて保持し、前記位置検出回路の出力データと前記複数個のモーションセンサの出力データとは前記時間により関連付けられる
　ことを特徴とする請求項１に記載の位置検出装置。
　前記保持回路は、前記指示位置を検出した時間を含めた前記位置検出回路の出力データと、前モーションを検出した時間を含めた前記複数個のモーションセンサの出力データとを、前記時間により関連付けて合体したデータとして保持する
　ことを特徴とする請求項１２に記載の位置検出装置。
　前記保持回路に保持された前記位置検出回路の出力データ及び前記複数個のモーションセンサの出力データを、外部に送信する通信回路を備える
　ことを特徴とする請求項１２に記載の位置検出装置。
　前記位置検出センサの前記位置検出領域に重畳して、前記指示体による前記指示入力面での指示位置の軌跡を表示するための軌跡表示部を備え、
　前記軌跡表示部は、少なくとも前記フレキシブル変位可能部分と重なる部分は前記指示入力面と共に変形可能とされるフレキシブル変位可能部分とされている
　ことを特徴とする請求項１に記載の位置検出装置。
　前記軌跡表示部は、用紙で構成されている
　ことを特徴とする請求項１５に記載の位置検出装置。
　前記軌跡表示部は、前記指示位置の軌跡を表示画像として表示する電子ペーパー、液晶ディスプレイ又は有機ＥＬディスプレイからなる表示素子で構成されている
　ことを特徴とする請求項１５に記載の位置検出装置。
　前記複数個のモーションセンサの出力データに基づいて、検出されるモーションの態様を判断する判断回路を備えると共に、
　前記位置検出回路の出力データに基づいて、前記指示位置の軌跡の表示画像を生成すると共に、前記判断回路の判断結果に基づいて、前記表示素子の表示画像を変更する表示画像生成回路を備える
　ことを特徴とする請求項１７に記載の位置検出装置。
　前記位置検出回路の出力データを、複数ページ分保持するメモリを備えており、
　前記判断回路の前記判断結果に基づいて、前記表示素子の表示画像を、ページをめくった画像に変更する
　ことを特徴とする請求項１８に記載の位置検出装置。
　前記複数個のモーションセンサの出力データに基づいて、検出されるモーションの態様を判断する判断回路を備えると共に、電源回路を備え、
　前記判断回路の前記判断結果に基づいて、前記電源回路のオン、オフを制御する
　ことを特徴とする請求項１に記載の位置検出装置。