WO2021193532A1 - 距離画像取得装置 - Google Patents

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Abstract

距離画像取得装置1は、パルス光LPを発生させる光源11と、光源11を制御する光源制御部12aと、入射パルス光LRに対応する電荷を生成する複数の画素回路13を含む画素アレイ14と、画素アレイ14の動作を制御する制御パルスG1~G4,GD及び論理パルスESR(j)の反転信号及び論理パルスESR(j)を画素アレイ14に提供する周辺回路31と、を備える。光源制御部12aは、画素アレイ14における有感ピクセル領域AEにパルス光LPに基づく入射パルス光LRが入射するようにパルス光LPを発生させる動作を、有感ピクセル領域AEを移動させながら繰り返し行う。周辺回路31は、有感ピクセル領域AEに含まれない不感ピクセル領域ANを構成する画素回路13に対して、光電変換領域21で発生した電荷を電荷排出領域23に移動させるように画素回路13を動作させる。

Description

距離画像取得装置
 本発明は、画素ごとに距離情報を含む距離画像を取得する距離画像取得装置に関する。
 従来から、光の飛行時間を用いて距離情報を含む画像信号を生成するセンサ装置が用いられている。光の飛行時間を利用して距離情報を得る方式は、いわゆるTOF(Time Of Flight)方式と呼ばれている。特許文献1には、TOF法に基づくセンサ装置が開示されている。このセンサ装置は、電荷振り分け方式と称される方式を採用する。電荷振り分け方式は、光の入射に応じて発生した電荷をゲートのオン/オフによって2つの電荷蓄積部に振り分ける。そして、それぞれの電荷蓄積部に蓄積された電荷の比率に基づいて、対象物までの距離を得る。
特開2002-39716号公報
 距離画像取得装置は、露光動作と、読出動作と、を繰り返す。露光動作は、対象物に光を照射すると共に対象物からの戻り光に起因する電荷を蓄積する。読出動作は、蓄積された電荷に対応する電圧を読み出す。ここで、露光動作から次の露光動作までの時間間隔が長くなると、露光動作によって得られる測定対象物の状態と、測定対象物の実際の状態との間にずれが生じる。測定対象物の状態とは、測定対象物までの距離である。特に、測定対象物が高速移動するときに、このずれが顕著になる。
 そこで、本発明は、測定対象物の状態を良好に計測可能な距離画像取得装置を提供する。
 本発明の一形態である距離画像取得装置は、パルス光を発生させる光源と、パルス光を、周期的なフレーム期間内で繰り返し発生させるように光源を制御する光源制御部と、N行M列(N及びMは2以上の整数)に配置され、受けた光に対応する電荷を生成する複数の画素回路部を含む画素アレイと、画素アレイの周辺に配置されて、画素アレイの動作を制御する制御信号を画素アレイに提供する周辺回路と、を備える。画素回路部は、光を電荷に変換する光電変換領域、光電変換領域に近接して互いに離間して設けられた第1~第X(Xは2以上の整数)の電荷読出領域、光電変換領域で発生した電荷を排出するための電荷排出領域、光電変換領域と第1~第Xの電荷読出領域とに対応してそれぞれ設けられ、光電変換領域と第1~第Xの電荷読出領域との間における電荷転送のための転送制御パルスを印加するための第1~第Xの制御電極、及び光電変換領域と電荷排出領域との間における電荷転送のための転送制御パルスを印加するための第X+1の制御電極を有し、光源制御部は、画素アレイにおける有感領域にパルス光に基づく戻り光が入射するようにパルス光を発生させる動作を、有感領域を移動させながら繰り返し行い、周辺回路は、有感領域に含まれない不感領域を構成する画素回路部の第X+1の制御電極に対して、光電変換領域から電荷排出領域への電荷の移動を許可する転送制御パルスが印加されるように、制御信号を画素アレイに提供する。
 この距離画像取得装置は、光源制御部が有感領域に戻り光が入射するようにパルス光を発生させたとき、不感領域には光電変換領域で発生した電荷を電荷排出領域に移動させる転送制御パルスを提供する。この動作によれば、戻り光が入射しない不感領域において、ノイズとなり得る電荷の蓄積が抑制される。その結果、不感領域が有感領域に切り替わるとき、戻り光に基づく電荷の蓄積の準備が整った状態が形成されている。つまり、不感領域から有感領域に素早く切り替えることができる。従って、パルス光を照射すると共に当該パルス光に起因する戻り光を受光する動作を、有感領域を移動させながら高速に繰り返すことが可能になる。照射動作及び受光動作の高速化及び繰り返しは、換言すると、いわゆる距離測定におけるフレーム期間内の光電荷の時間的オーバーサンプリング及び積算と同義である。従って、オーバーサンプリング及び積算によるローパスフィルタ効果によって、測定対象物が高速移動する場合であってもエリアシングの影響を受けることなく、良好な計測結果を得ることができる。
 一形態の距離画像取得装置において、光源制御部は、第j行目(jは1以上N以下の整数)に含まれるすべての画素回路部の有感領域を露光するように、光源からパルス光を出射させる動作を行い、周辺回路は、第j行目に含まれるすべての画素回路部の第1~第Xの制御電極に対して、光電変換領域から電荷読出領域への電荷の移動を許可する転送制御パルスが印加されるように、制御信号を画素アレイに提供する動作と、不感領域に含まれるすべての画素回路部の第X+1の制御電極に対して、光電変換領域から電荷排出領域への電荷の移動を許可する転送制御パルスが印加されるように、制御信号を画素アレイに提供する動作と、を行ってもよい。この動作によれば、第j行目に含まれる画素回路部を一括して、光電変換領域から電荷読出領域への電荷の移動を許可する状態に設定することが可能になる。さらに、第j行目に含まれない画素回路部を一括して、光電変換領域から電荷排出領域への電荷の移動を許可する状態に設定することができる。
 一形態の距離画像取得装置において、光源制御部は、第j行目(jは1以上N以下の整数)に含まれる一部の画素回路部の有感領域を露光するように、光源からパルス光を出射させる動作を行い、周辺回路は、第j行目に含まれる画素回路部の一部に含まれる第1~第Xの制御電極に対して、光電変換領域から電荷読出領域への電荷の移動を許可する転送制御パルスが印加されるように、制御信号を画素アレイに提供する動作と、不感領域に含まれる画素回路部の第X+1の制御電極のすべてに対して、光電変換領域から電荷排出領域への電荷の移動を許可する転送制御パルスが印加されるように、制御信号を画素アレイに提供する動作と、を行ってもよい。この動作によれば、画素アレイに含まれる所望の領域を有感領域とすることが可能になる。従って、画素アレイにおける有感領域をより緻密に設定することができる。
 一形態の距離画像取得装置は、転送制御パルスが、有感領域を構成する画素回路部において光電変換領域で発生した電荷を電荷読出領域に移動させると共に、不感領域を構成する画素回路部において光電変換領域で発生した電荷を電荷排出領域に移動させ、周辺回路及び光源制御部は、複数の有感領域に対する露光動作を複数回行った後に、電荷読出領域に蓄積された電荷に基づく電圧を出力させる読出動作を行ってもよい。この動作によれば、画素アレイの全体において複数回の露光動作を行った後に、画素アレイの全体から信号を読み出すことができる。
 一形態の距離画像取得装置は、転送制御パルスが、有感領域を構成する画素回路部において光電変換領域で発生した電荷を電荷読出領域に移動させると共に、不感領域を構成する画素回路部において光電変換領域で発生した電荷を電荷排出領域に移動させ、周辺回路及び光源制御部は、選択された有感領域に対する露光動作と、選択された有感領域を構成する画素回路部に対して電荷読出領域に蓄積された電荷に基づく電圧を出力させる読出動作と、を選択する有感領域を変更しながら繰り返し行ってもよい。この動作によれば、選択された有感領域ごとに露光動作と読出動作とを交互に行うことができる。
 一形態の距離画像取得装置は、転送制御パルスが、有感領域を構成する画素回路部において光電変換領域で発生した電荷を電荷読出領域に移動させると共に、不感領域を構成する画素回路部において光電変換領域で発生した電荷を電荷排出領域に移動させ、周辺回路及び光源制御部は、有感領域に対する露光動作と、電荷読出領域に蓄積された電荷に基づく電圧を出力させる読出動作と、を並行して行ってもよい。この動作によれば、ある領域における露光動作と別の領域における読出動作とが並行して行われる。従って、距離画像センサの動作をさらに高速化させることができる。
 一形態の距離画像取得装置の露光動作では、光源制御部が有感領域に対してパルス光を1回だけ発生させてもよい。この動作によっても、距離画像センサの動作をさらに高速化させることができる。
 一形態の距離画像取得装置の露光動作では、光源制御部が有感領域に対してパルス光を複数回発生させてもよい。この動作によっても、距離画像センサの動作をさらに高速化させることができる。
 一形態の距離画像取得装置の画素回路部は、入射パルス光を電荷に変換する機能を有する光電変換領域と、光電変換領域から電荷を受けて、電荷に基づく電圧を出力する読出回路と、を有してもよい。画素回路部は、複数のn型MOSトランジスタを含んで構成され、画素回路部は、p型MOSトランジスタは含まない。
 一形態の距離画像取得装置の光源制御部は、画素アレイを複数の領域に分割した分割画素アレイ領域において、第j行目(jは1以上N/R以下の整数(Rは行方向のアレイ分割数))に含まれる一部の画素回路部の有感領域を露光するように、光源からパルス光を出射させる動作を行ってもよい。光源は、全ての分割画素アレイ領域に含まれる有感領域を同時に露光するように照射が分割されてもよい。周辺回路は、全ての分割画素アレイ領域の第j行目に含まれる画素回路部の一部に含まれる第1~第Xの制御電極に対して、光電変換領域から電荷読出領域への電荷の移動を許可する転送制御パルスが印加されるように、制御信号を画素アレイに提供する動作と、全ての分割画素アレイ領域の不感領域に含まれる画素回路部の第X+1の制御電極のすべてに対して、光電変換領域から電荷排出領域への電荷の移動を許可する転送制御パルスが印加されるように、制御信号を画素アレイに提供する動作と、を行ってもよい。
 本発明によれば、測定対象物の状態を良好に計測可能な距離画像取得装置が提供される。
図1は、光源の照射領域を説明するための図である。 図2は、画素アレイと周辺回路との接続構成を示す図である。 図3は、第1実施形態にかかる距離画像センサ10の概略構成を示すブロック図である。 図4は、図1の距離画像センサ10を用いた距離計算の原理を説明するためのタイミングチャートである。 図5は、図1の距離画像センサ10の詳細構成を示すブロック図である。 図6は、図5のNOR型ドライバ回路41の詳細な回路構成を示す図である。 図7は、図5のNOR型ドライバ回路41,41,41,41及びNAND型ドライバ回路41と画素回路13の合成キャパシタンスCとの接続状態を示す回路図である。 図8は、読出回路を示す回路図である。 図9は、光源の動作と画素アレイの動作とを示すタイミングチャートである。 図10は、光源の動作と画素アレイの動作とを説明するための図である。 図11は、第2実施形態にかかる距離画像センサの詳細構成を示すブロック図である。 図12は、距離画像センサ10Aにおいて生成される制御パルスG1p,G1nの反転信号の波形及びNOR型ドライバ回路41の出力信号G1outの波形を示す図である。 図13は、一般的なCMOSインバータ回路を用いた場合の入力制御パルスVINに対する貫通電流Iの時間波形を示す図である。 図14は、一般的なCMOSインバータ回路における入力制御パルスVINと貫通電流Iとの関係を示すグラフである。 図15は、第3実施形態にかかる距離画像センサの詳細構成を示すブロック図である。 図16は、距離画像センサ10Bにより生成される転送制御パルスG1out,G2outの波形の一例を示す図である。 図17は、画素回路13の信号電荷処理領域17における各領域の配置例を示す平面図である。 図18は、画素回路13の信号電荷処理領域17における電位分布を示す図である。 図19は、第4実施形態にかかる距離画像センサの詳細構成を示すブロック図である。 図20は、第5実施形態にかかる距離画像センサの詳細構成を示すブロック図である。 図21は、第6実施形態にかかる距離画像センサの詳細構成を示すブロック図である。 図22は、第7実施形態の光源の照射領域を説明するための図である。 図23は、第7実施形態の画素アレイと周辺回路との接続構成を示す図である。 図24は、第7実施形態にかかる距離画像センサの詳細構成を示すブロック図である。 図25は、第8実施形態にかかる距離画像センサの概略構成を示すブロック図である。 図26は、第8実施形態にかかる距離画像センサの詳細構成を示すブロック図である。 図27は、第8実施形態にかかる距離画像センサが有する駆動回路の詳細構成を示す回路図である。 図28は、行スキャンパターン発生回路の詳細構成を示す回路図である。 図29は、図28に示す行スキャンパターン発生回路に関するタイミングチャートである。 図30は、第8実施形態にかかる距離画像センサが有する画素回路の詳細構成を示す図である。 図31は、図30の画素回路に関する電位分布を示す図である。 図32は、第9実施形態にかかる距離画像センサの詳細構成を示すブロック図である。 図33は、第9実施形態の距離画像センサが有する画素切替回路の詳細構成を示す回路図である。 図34は、第9実施形態にかかる距離画像センサが有する画素回路の詳細構成を示す図である。 図35は、第10実施形態にかかる距離画像センサの詳細構成を示すブロック図である。 図36は、第10実施形態にかかる距離画像センサが有する駆動回路の詳細構成を示す回路図である。 図37は、第10実施形態にかかる距離画像センサが有する画素回路の詳細構成を示す図である。 図38は、第1変形例としての光源の動作と画素アレイの動作とを示すタイミングチャートである。 図39は、第2変形例としての光源の動作と画素アレイの動作とを示すタイミングチャートである。 図40は、第3変形例としての光源の動作と画素アレイの動作とを示すタイミングチャートである。 図41は、第4変形例としての光源の動作と画素アレイの動作とを示すタイミングチャートである。 図42は、第5変形例にかかる距離画像センサが有する画素回路の詳細構成を示す図である。 図43は、図42の画素回路に関する電位分布を示す図である。 図44(a)は、第6変形例にかかるNOR型ドライバ回路を示す図である。図44(b)は、第7変形例にかかるNOR型ドライバ回路を示す図である。 図45(a)は、第8変形例にかかるNOR型ドライバ回路を示す図である。図45(b)は、第9変形例にかかるNOR型ドライバ回路を示す図である。 図46(a)は、第10変形例にかかるNAND型ドライバ回路を示す図である。図46(b)は、第11変形例にかかるNAND型ドライバ回路を示す図である。 図47(a)は、第12変形例にかかるNAND型ドライバ回路を示す図である。図47(b)は、第13変形例にかかるNAND型ドライバ回路を示す図である。 図48は、第14変形例の距離画像取得装置が備える画素回路を示す図である。 図49は、画素回路13に入力される制御パルスを示す図である。 図50は、第14変形例の距離画像取得装置が備える別の画素回路を示す図である。 図51は、第15変形例の距離画像取得装置が備える画素回路を示す図である。 図52は、第15変形例の距離画像取得装置が備える別の画素回路を示す図である。 図53は、第15変形例の距離画像取得装置の動作を示すタイミングチャートである。 図54(a)は、第11実施形態の第1の動作態様における有感ピクセル領域と不感ピクセル領域とを示す図である。図54(b)は、第2の動作態様における有感ピクセル領域と不感ピクセル領域とを示す図である。図54(c)は、第3の動作態様における有感ピクセル領域と不感ピクセル領域とを示す図である。 図55は、第11実施形態の光源の動作と画素アレイの動作とを示すタイミングチャートである。 図56は、第16変形例の画素アレイと周辺回路との接続構成を示す図である。
 以下、添付図面を参照しながら本発明を実施するための形態を詳細に説明する。図面の説明において同一の要素には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。
[第1実施形態]
 まず、図1を参照して、第1実施形態にかかる距離画像取得装置1の機能及び構成の概略を説明する。距離画像取得装置1は、ラインスキャン光源を有し、有感/不感ピクセルスキャン機能を奏する。これらの構成要素と機能とによって、距離画像取得装置1は、飛行時間法に基づく距離画像を生成する。距離画像は、画素(ピクセル)毎に距離情報を含む。
 距離画像取得装置1は、光源11と、距離画像センサ10と、を有する。
 光源11は、飛行時間(TOF:Time Of Flight)方式による距離計測を行うために、対象物Sに照射するパルス光Lを発生させる装置である。光源11は、例えば、発光ダイオードあるいはレーザダイオード等の半導体発光素子とその半導体発光素子を駆動する駆動回路とによって構成される。光源11としては、近赤外領域、可視光領域等の波長領域の光を発生させる素子を用いることができる。
 光源11は、ラインスキャン光源である。光源11は、周期性を有すると共にライン(線状)または幅を有する帯状のパルス光Lを測定対象領域Aに投影する。パルス光Lは、照射領域Rの延びる方向(X方向)と交差する方向(Y方向)に沿って、測定対象領域Aを一次元的に走査する。
 より詳細には、光源11は、対象物Sを含む測定対象領域Aに向けてパルス光Lを照射する。光源11が出射するパルス光Lは、二次元状の広がりを有する。しかし、その縦横比は比較的大きい。例えば、照射領域Rの縦(Y方向)対して、照射領域Rの横(X方向)が極めて大きい。つまり、光源11は、実質的に一次元(線状)の光を照射するライン光源であってもよい。そうすると、パルス光Lは、測定対象領域Aの一部に照射されることになる。そこで、光源11は、測定対象領域Aにおいてパルス光Lの照射位置を時間ごとに変更する。このように、照射位置を変更しながらパルス光Lを照射する動作を、スキャンまたは走査と称する。パルス光Lは、対象物Sにおいて反射する。反射した光は、距離画像センサ10に入射する。つまり、反射した光は、入射パルス光L(戻り光)である。
 図2に示すように、距離画像センサ10は、測定対象領域Aからの反射光を受ける二次元の画素アレイ14を有するイメージセンサである。画素アレイ14は、当該入射パルス光Lを受ける二次元状に配置された複数の画素回路13を有する。画素回路13の詳細な構成は、のちの段落において詳細に説明する。
 つまり、距離画像センサ10は、複数の画素回路(複数の画素回路部)13を備える。複数の画素回路13は、二次元方向(例えば、列方向および行方向)に二次元アレイ状に配列されてイメージセンサを構成し、対象物Sによってパルス光Lが反射されて生じた入射パルス光Lを光電変換することにより検出信号を生成する。また、この距離画像センサ10は、距離画像の生成のために、光源11と演算回路12とともに使用される。
 なお、以下の説明において、個々の構成要素を区別する必要がある場合に、「画素回路13,13,13,13,13」等の添え字を付した参照番号を用いる。一方、個々の構成要素を区別する必要がない場合には、「画素回路13」との添え字を付さない参照番号を用いる。
 距離画像センサ10は、光源11からのパルス光Lの走査に同期して、パルス光Lに起因する入射パルス光Lが入射する画素領域の走査を行う。この動作は、演算回路12及び周辺回路31から提供される制御パルスによって制御される。
 演算回路12は、CPU、RAM、ROM、及び入出力装置等を含むワンチップマイクロコンピュータ等の専用の集積回路によって構成されてもよいし、パーソナルコンピュータ等の汎用コンピュータによって構成されてもよい。
 演算回路12は、距離画像センサ10及び光源11に電気的に接続され、複数の画素回路13によって生成された検出信号を用いて、対象物Sに関する距離情報を画素ごとに演算し、画素ごとの距離情報が反映された二次元画像情報を含む距離画像を生成及び出力する。この機能は、演算回路12の信号処理部12cによって行われる。また、演算回路12は、光源11によるパルス光Lの照射タイミングを制御する光源制御部12aも有する。さらに、演算回路12は、画素回路13を駆動するための画素制御部12bも有する。
 演算回路12は、周辺回路31に接続される。演算回路12は、周辺回路31に対して制御信号を与える。
 周辺回路31は、制御信号を画素アレイ14に提供する。制御信号は、制御パルスG~G、G、論理パルスESR(j)、これらの反転信号の少なくとも一つを含む。さらに、制御信号は、制御パルスG~G、G、論理パルスESR(j)、これらの反転信号から選択されるパルスによって生成される転送制御パルスG1out~G4out,GDoutを含む。周辺回路31は、分配回路33と、画素切替回路34と、読出制御回路27と、を有する。分配回路33及び画素切替回路34は、画素回路13の感度を複数の行の単位(一行以上)で有感/不感に設定する。読出制御回路27は、数行の単位(一行以上)で、信号を読み出す走査回路である。なお、「画素の感度」、「画素を有感にする」、「画素を不感にする」の意味は、のちの説明において詳細に説明する。
 分配回路33は、画素アレイ14に電気的に接続され、複数の画素回路13に対して制御パルスG~G、Gを提供する。画素切替回路34は、画素アレイ14に電気的に接続され、複数の画素回路13に対して論理パルスを提供する。分配回路33及び画素切替回路34は、画素回路13の感度を1行以上の複数の行単位で有感または不感に設定する。つまり、分配回路33及び画素切替回路34は、ピクセルの有感・不感走査回路である。分配回路33及び画素切替回路34は、光源制御部12aと協働して、照射領域Rと、有感ピクセル領域AE(有感領域)及び不感ピクセル領域AN(不感領域)と、を位置的及び時間的に同期させる。この制御は、1回のフレーム内において複数回実行する。
 読出制御回路27は、画素アレイ14に電気的に接続され、複数の画素回路13に対して読出動作のための制御パルスを提供する。読出制御回路27は、後述する有感ピクセル領域AEの範囲に等しい1行以上の行単位で画素回路13から信号を読み出すための制御パルスを提供する。つまり、読出制御回路27は、読出走査回路である。
 以下、画素回路13及び演算回路12の構成について、図3を参照しながら詳細に説明する。
 まず、画素回路13の構成について説明する。画素回路13は、半導体素子によって構成され、入射パルス光Lを電荷に変換する機能を有する光電変換領域21と、光電変換領域21に近接し、かつ互いに離間して設けられた第1~第4の電荷読出領域22~22及び電荷排出領域23と、第1~第4の電荷読出領域22~22及び電荷排出領域23のそれぞれに対応して設けられ、光電変換領域21からそれぞれの領域との間における電荷転送のための転送制御パルスを印加するための第1~第4の制御電極25~25及び第5の制御電極25と、第1~第4の電荷読出領域22~22のそれぞれから検出信号を読み出すための電圧検出手段26~26と、を含む。電圧検出手段26~26は、例えば、ソースフォロワアンプを含む増幅器である。電圧検出手段26~26は、演算回路12からの制御によって、選択的にそれぞれの電荷読出領域22~22の基準電位を基準にした電圧を検出及び増幅する。電圧検出手段26~26は、増幅した電圧を検出信号として演算回路12に出力する。
 ここで、画素回路13は、画素の感度を無くすことによって画素回路13を光に対して不感にする構成を有する。ここでいう光とは、パルス光Lに起因する入射パルス光Lやパルス光Lに起因しない背景光などを含む。「画素の感度を無くす」及び「入射パルス光Lに対して不感」とは、光電変換領域21において生じた電荷が電荷読出領域22~22に読み出されることがない状態をいう。換言すると、「画素の感度を無くす」及び「入射パルス光Lに対して不感」とは、光電変換領域21において生じた電荷を電荷排出領域23に移動させる状態をいう。そして、「画素の感度を無くす」構成及び「入射パルス光Lに対して不感」にする構成とは、ドレインである電荷排出領域23及びドレインゲートである制御電極25である。
 画素回路13は、例えば、シリコン基板等のp型半導体基板上に形成される。すなわち、光電変換領域21は、p型半導体基板上に順に形成された、p型の半導体からなる活性領域形成層、n型の表面埋込領域、p型のピニング層、及び絶縁膜からなる画素形成領域の中央部に設けられる。そして、光電変換領域21に近接するように互いに離間した位置に活性領域形成層よりも高不純物濃度のn型の電荷読出領域22~22及び電荷排出領域23が形成される。絶縁膜上の光電変換領域21から電荷読出領域22~22及び電荷排出領域23のそれぞれに至る電荷移動経路上のそれぞれには、制御電極25~25,25が設けられる。ここで、制御電極25~25,25は、それぞれ、電荷移動経路上に設けられてもよい。制御電極25~25,25は、電荷移動経路を両側から挟むように複数の電極部に分離して設けられてもよい。
 上記構成の画素回路13においては、後述する演算回路12から制御電極25~25,25に対して、互いに位相の異なる転送制御パルスが印加される。これにより、表面埋込領域の空乏化電位が順次変化する。その結果、電荷移動経路のいずれかに電荷が輸送されるような電位勾配が順次形成される。その結果、光電変換領域21の表面埋込領域で発生した多数キャリア(電荷)は、電荷読出領域22~22及び電荷排出領域23のいずれかに移動する。
 次に、演算回路12の機能構成について説明する。
 演算回路12は、光源11によるパルス光Lの発光タイミング、パルス光Lの強度、及びパルス光Lのパルス幅を制御する。具体的には、所定の持続時間Tのパルス光Lを、あらかじめ設定された距離計算の繰り返し期間である1フレームの期間内で繰り返し発生させるように制御する(光源制御部12a)。また、演算回路12は、制御電極25~25,25のそれぞれに、異なる位相の転送制御パルスを印加する機能を有する(画素制御部12b)。すなわち、1フレーム期間内のパルス光Lのそれぞれの発生タイミングに対応して、距離画像センサ10の周辺回路31を経由して、制御電極25~25に順次位相をずらした転送制御パルスを印加する。さらに演算回路12は、距離画像センサ10の周辺回路31を経由して、これらの転送制御パルスの印加タイミングの前において、光電変換領域21で発生した電荷を電荷排出領域23に排出させるための転送制御パルスを制御電極25に印加する。
 演算回路12の光源制御部12aは、光源11を制御して、測定対象領域Aの一部に対してパルス光Lを照射させる。つまり、パルス光Lは、測定対象領域Aの全領域に対して一括して照射されない。本実施形態において、パルス光Lの照射領域Rは、測定対象領域Aの幅方向Xに延びる矩形形状の領域である。照射領域Rの幅は、測定対象領域Aの幅と一致してよい。そして、照射領域Rは、測定対象領域Aの高さ方向(Y方向)に並ぶように設定される。
 演算回路12は、光源11から出射するパルス光Lの照射領域Rの位置を制御する。演算回路12は、光源11を制御して、ある領域を照射領域Rとして設定し、当該領域にパルス光Lを照射する。演算回路12は、照射領域Rが下方に順次移動するように、光源11を制御してパルス光Lを照射する。
 パルス光Lを照射する順番は、上記の態様に限定されない。上記のように、上から下に順に照射する態様に代えて、下から上に順に照射する順番でもよい。また、上から下に照射する態様において、ひとつおきに照射する態様でもよい。
 演算回路12は、画素回路13ごとの距離の計算を複数のフレームごとに繰り返し実行し、その結果得られた距離情報を含む距離画像を繰り返し生成する(信号処理部12c)。すなわち、演算回路12は、画素回路13の電圧検出手段26~26から出力された検出信号を基に、距離情報を算出する。そして、演算回路12は、各画素回路13に対応する距離情報を含む距離画像を生成して外部装置に出力する。出力先の外部装置としては、例えば、表示装置、通信インターフェース装置等の出力デバイスが挙げられる。
 図4は、演算回路12による距離計算の原理を説明するためのタイミングチャートである。図4には、演算回路12によって制御される各種信号のタイミング及び画素回路13の各領域に電荷が蓄積されるタイミングを示す。図4は上から順番に、パルス光Lの発光タイミング、制御電極25~25,25に印加される転送制御パルスの印加タイミング、第1~第4の電荷読出領域22~22における電荷蓄積タイミングを示す。このように、パルス光Lの持続時間Tの発光タイミングに対応して、制御電極25~25,25に互いに重ならないように続けて持続時間Tの転送制御パルスが印加される。
 このような機能により、入射パルス光Lが光電変換されることにより光電変換領域21で発生した電荷が、入射パルス光Lのパルス光Lに対する遅れ時間Tに対応した比率で、2つの電荷読出領域22,22、あるいは2つの電荷読出領域22,22に分配される。ここでは、パルス光Lの持続時間Tの発光タイミングと、制御電極25の転送制御パルスの印加タイミングとの関係を設定する。その結果、電荷読出領域22には、制御電極25の転送制御パルスで規定される時間ウィンドウで背景光及び暗電流等のノイズに起因する電荷量Nの電荷のみが輸送される。これに対して、入射パルス光Lの到達タイミングが制御電極25,25の2つの転送制御パルスで規定される2つの時間ウィンドウにまたがった場合には、電荷読出領域22には電荷量Nに遅れ時間Tに対応して分配された電荷量Nsm1が加算された電荷が輸送される。一方、電荷読出領域22には、電荷量Nに遅れ時間Tに対応して分配された電荷量Nsm2が加算された電荷が輸送される。その一方で、入射パルス光Lの到達タイミングが制御電極25,25の2つの転送制御パルスで規定される2つの時間ウィンドウにまたがった場合には、電荷読出領域22には電荷量Nに遅れ時間Tに対応して分配された電荷量Nsm1が加算された電荷が輸送される。一方、電荷読出領域22には、電荷量Nに遅れ時間Tに対応して分配された電荷量Nsm2が加算された電荷が輸送される。
 上記のような現象を利用して、演算回路12においては、複数のフレームに対応して、電荷量Nを除いた電荷量Nsm1の蓄積量と電荷量Nを除いた電荷量Nsm2の蓄積量との比率を計算する。その結果、遅れ時間Tに対応した対象物Sの距離を計算することができる。
 以下、距離画像センサ10の構成の詳細についてさらに説明する。
 図5は、距離画像センサ10の詳細構成を示すブロック図である。なお、図5においては、距離画像センサ10の一部の画素回路13を示しており、要部についてはその回路構成を図示している。距離画像センサ10は、二次元アレイ状に配列された複数の画素回路13に加え、それらの画素回路13の周辺部に配置された周辺回路31を含む。この周辺回路31は、画素回路13と同一の半導体基板上の複数の画素回路13の配置エリアの周辺部に設けられる。
 周辺回路31は、演算回路12から印加された制御電極25,25,25,25,25用の制御パルスG,G,G,G,Gを分配する分配回路33と、分配回路33から出力されたそれぞれの制御パルスG,G,G,G,Gを反転及び整形して出力するインバータ回路35,35,35,35,35と、を含む。インバータ回路35,35,35,35,35は、インバータ回路ユニット38を構成する。1組のインバータ回路35,35,35,35,35は、それぞれ、各画素回路13に含まれる制御電極25,25,25,25,25の個数に対応する個数で行方向(図5の横方向)に隣接する画素回路13を含む画素回路群15ごとに、行方向に繰り返し設けられる。そして、制御電極25,25,25,25,25の個数に対応する個数のインバータ回路35,35,35,35,35は、それぞれ、画素回路群15における隣接する別々の2つの画素回路13の間の周辺部に位置するように、行方向(X方向)に並んで配置される。
 これらのインバータ回路35,35,35,35,35は、それぞれ、相補的に動作するトランジスタ対であるp型MOS(Metal Oxide Semiconductor)トランジスタ(p型MOSトランジスタ)37とn型MOSトランジスタ(n型MOSトランジスタ)39とが直列に接続されて構成されるCMOS(Complementary MOS)インバータ回路である。詳細には、p型MOSトランジスタ37のドレインとn型MOSトランジスタ39のドレインとが互いに接続される。p型MOSトランジスタ37のソースがハイ電位線VDHに接続される。n型MOSトランジスタ39のソースがロー電位線VDLに接続される。p型MOSトランジスタ37のゲートとn型MOSトランジスタ39のゲートとが入力端子として、分配回路33の制御パルスG,G,G,G,Gのそれぞれの出力に共通に接続される。そして、p型MOSトランジスタ37のドレインとn型MOSトランジスタ39のドレインとの接続点が、それぞれのインバータ回路35,35,35,35,35の出力端子として、画素回路群15に接続される。これにより、それぞれのインバータ回路35,35,35,35,35から画素回路群15に制御パルスG,G,G,G,Gの反転信号が出力される。
 さらに、周辺回路31は、画素切替回路34を含む。画素切替回路34は、画素回路13の有感及び不感を相互に切り替える。ここで、画素回路13が有感であるとは、電荷読出領域22~22に電荷を蓄積可能な状態をいう。より詳細には、有感とは、光電変換領域21から電荷読出領域22~22のいずれかに電荷を転送可能な状態である。換言すると、有感とは、光電変換領域21からドレインである電荷排出領域23に電荷を転送しない状態である。画素回路13が不感であるとは、電荷読出領域22~22に電荷を蓄積しない状態をいう。より詳細には、不感とは、光電変換領域21から電荷読出領域22のいずれにも電荷を転送しない状態である。換言すると、不感とは、光電変換領域21からドレインである電荷排出領域23に電荷を転送する状態である。
 画素切替回路34は、論理パルスESR(j)と、論理パルスESR(j)の反転信号と、を出力する。論理パルスESR(j)の反転信号は、光電変換領域21から電荷読出領域22~22のいずれかへの電荷転送の許可/禁止を切り替える。論理パルスESR(j)は、光電変換領域21から電荷排出領域23への電荷転送の許可/禁止を切り替える。以下、光電変換領域21から電荷読出領域22~22のいずれかへの電荷転送を許可する論理パルスESR(j)の反転信号を、論理パルスESR(j)の反転信号<H>として記す。光電変換領域21から電荷読出領域22~22への電荷転送を禁止する論理パルスESR(j)の反転信号を、論理パルスESR(j)の反転信号<L>として記す。同様に、光電変換領域21から電荷排出領域23への電荷転送を許可する論理パルスESR(j)を、論理パルスESR(j)<H>として記す。光電変換領域21から電荷排出領域23への電荷転送を禁止する論理パルスESR(j)を、論理パルスESR(j)<L>として記す。なお、かっこ内に記す「H」及び「L」との文字は、単に説明の便宜上のものである。
 画素切替回路34は、ピクセル駆動パルスである論理パルスESR(j)の反転信号及び論理パルスESR(j)を水平方向(X方向)から画素回路13に与える。つまり、画素切替回路34は、論理パルスESR(j)の反転信号及び論理パルスESR(j)を水平方向に延びる配線48,48を介して画素回路13に与える。その結果、画素切替回路34は、行ごとに画素回路13を一括して有感に設定する。また、画素切替回路34は、行ごとに画素回路13を一括して不感に設定する。より詳細には、所定の行に含まれる画素回路13を一括して有感に設定するとき、画素切替回路34は、配線48に論理パルスESR(j)の反転信号<H>を出力すると共に配線48に論理パルスESR(j)<L>を出力する。また、所定の行に含まれる画素回路13を一括して不感に設定するとき、画素切替回路34は、配線48に論理パルスESR(j)の反転信号<L>を出力すると共に配線48に論理パルスESR(j)<H>を出力する。
 いま、画素アレイ14は、N行M列に二次元配置された複数の画素回路13を有する。例えば、画素切替回路34は、第j行及び第j+1行に含まれるすべての画素回路13を有感に設定する。有感に設定される画素回路13を有する領域を、有感ピクセル領域AEと呼ぶ。つまり、有感ピクセル領域AEは、戻り光である入射パルス光Lを受ける有感領域である。上記の制御と並行して、画素切替回路34は、第1~(j-1)行及び第(j+2)~第N行に含まれるすべての画素回路13を不感に設定する。不感に設定される画素回路13を有する領域を、不感ピクセル領域ANと呼ぶ。つまり、不感ピクセル領域ANは、入射する光に応じた電荷を蓄積しない不感領域である。画素切替回路34は、互いに隣接する2行に含まれる画素回路13を有感に設定すると共に、その他の行に含まれる画素回路13を不感に設定する。有感ピクセル領域AEを構成する行の数は、2に限定されない。有感ピクセル領域AEを構成する行の数は、1であってもよいし、3以上であってもよい。
 有感ピクセル領域AEは、照射領域Rと対応する。演算回路12がある照射領域Rにパルス光Lを照射するとき、演算回路12は当該照射領域Rにあらかじめ関連付けられた画素アレイ14における領域を有感ピクセル領域AEに設定する。
 画素回路群15を構成する各画素回路13は、光電変換領域21と、電荷読出領域22~22と、電荷排出領域23と、電圧検出手段26~26と、制御電極25~25,25(図5)を含む信号電荷処理領域17と、その信号電荷処理領域17の近傍に配置されたNOR型ドライバ回路41,41,41,41と、NAND型ドライバ回路41と、をそれぞれ含む。1つの画素回路群15を構成する別々の画素回路13に含まれるNOR型ドライバ回路41,41,41,41は、各画素回路13に含まれる制御電極25,25,25,25の個数に対応する個数で、画素回路群15ごとに行方向に繰り返し設けられる。言い換えれば、制御電極25,25,25,25,25の個数に対応する個数のNOR型ドライバ回路41,41,41,41は、それぞれ、周辺回路31のインバータ回路35,35,35,35に対応して、行方向に並んで配置される。同様に、1つの画素回路群15を構成する別々の画素回路13に含まれるNAND型ドライバ回路41は、各画素回路13に含まれる制御電極25の個数に対応する個数で、画素回路群15ごとに行方向に繰り返し設けられる。言い換えれば、制御電極25の個数に対応する個数のNAND型ドライバ回路41は、それぞれ、周辺回路31のインバータ回路35に対応して配置される。
 NOR型ドライバ回路41,41,41,41及びNAND型ドライバ回路41は、CMOSドライバ回路である。画素回路13~13は、それぞれNOR型ドライバ回路41~41を有する。NOR型ドライバ回路41~41は、それぞれ、p型MOSトランジスタ43,43,43,43とp型MOSトランジスタ,44,44,44とn型MOSトランジスタ45,45,45,45とを有する。画素回路13は、NAND型ドライバ回路41を有する。NAND型ドライバ回路41は、p型MOSトランジスタ43とn型MOSトランジスタ46とn型MOSトランジスタ45とを有する。つまり、NAND型ドライバ回路41は、p型MOSトランジスタ44等に代えて、n型MOSトランジスタ46を有する点でNOR型ドライバ回路41~41と相違する。
 詳細には、NOR型ドライバ回路41~41は、以下の構成を有する。
 p型MOSトランジスタ43~43のソースは、ハイ電位線VDHに接続される。p型MOSトランジスタ43~43のゲートは、入力端子である。p型MOSトランジスタ43~43のゲートは、インバータ回路35~35の出力に配線47~47を介して接続される。p型MOSトランジスタ43~43のドレインは、p型MOSトランジスタ44~44のソースに接続される。
 p型MOSトランジスタ44~44のソースは、p型MOSトランジスタ43~43のドレインに接続される。p型MOSトランジスタ44~44のゲートは、入力端子である。p型MOSトランジスタ44~44のゲートは、配線48を介して画素切替回路34に接続される。p型MOSトランジスタ44~44のドレインとn型MOSトランジスタ45~45のドレインとが互いに接続される。さらに、p型MOSトランジスタ44~44のドレイン及びn型MOSトランジスタ45~45のドレインは、制御電極25~25に接続される。n型MOSトランジスタ45~45のソースは、p型MOSトランジスタ44~44のドレインに接続される。n型MOSトランジスタ45~45のゲートは、入力端子である。n型MOSトランジスタ45~45のゲートは、インバータ回路35~35の出力に配線47~47を介して接続される。つまり、p型MOSトランジスタ43~43のゲートとn型MOSトランジスタ45~45のゲートとは互いに共通である。n型MOSトランジスタ45~45のソースは、ロー電位線VDLに接続される。
 さらに、NAND型ドライバ回路41は、以下の構成を有する。
 p型MOSトランジスタ43のソースは、ハイ電位線VDHに接続される。p型MOSトランジスタ43のゲートは、入力端子である。p型MOSトランジスタ43のゲートは、インバータ回路35の出力に配線47を介して接続される。p型MOSトランジスタ43のドレインとn型MOSトランジスタ46のドレインとが互いに接続される。n型MOSトランジスタ46のソースは、p型MOSトランジスタ43のドレインに接続される。n型MOSトランジスタ46のゲートは、入力端子である。n型MOSトランジスタ46のゲートは、配線48を介して画素切替回路34に接続される。n型MOSトランジスタ46のソースは、n型MOSトランジスタ45のドレインに接続される。n型MOSトランジスタ45のソースは、n型MOSトランジスタ46のドレインに接続される。n型MOSトランジスタ45のゲートは、入力端子である。n型MOSトランジスタ45のゲートは、インバータ回路35の出力に配線47を介して接続される。つまり、p型MOSトランジスタ43のゲートとn型MOSトランジスタ45のゲートとは互いに共通である。n型MOSトランジスタ45のソースは、ロー電位線VDLに接続される。
 上記の接続構成より、それぞれのNOR型ドライバ回路41,41,41,41及びNAND型ドライバ回路41から制御電極25,25,25,25,25に転送制御パルスG1out~G4out,GDoutが出力可能とされる。転送制御パルスG1out,G2out,G3out,G4out,GDoutは、論理パルスESR(j)の反転信号及び論理パルスESR(j)によって画素回路13を有感とする信号と不感とする信号とに制御される。
 周辺回路31と画素回路13との接続構成を詳細に説明する。画素回路群15に含まれるNOR型ドライバ回路41,41,41,41及びNAND型ドライバ回路41の入力端子と、インバータ回路35,35,35,35,35の出力端子と、は、画素回路群15内の隣接する2つの画素回路13間で画素回路13に近接して伸びる配線47,47,47,47,47を経由して接続される。すなわち、NOR型ドライバ回路41,41,41,41及びNAND型ドライバ回路41の入力と、インバータ回路35,35,35,35,35の出力と、を接続する配線47,47,47,47,47は、画素回路群15の互いに隣接する2つの画素回路13間の間隙部において1本ずつ設けられる。さらに、画素回路群15ごとに設けられるNOR型ドライバ回路41の出力端子は、その画素回路群15に含まれるすべての画素回路13の制御電極25に、そのNOR型ドライバ回路41が設けられる画素回路13内の配線49と、画素回路群15に含まれるすべての画素回路13に跨って延びる配線51とを経由して、接続される。同様に、NOR型ドライバ回路41,41,41及びNAND型ドライバ回路41の出力端子のそれぞれは、画素回路群15に含まれるすべての画素回路13のそれぞれの制御電極25,25,25,25に、2つの配線を経由して接続される。
 上記構成のインバータ回路35とNOR型ドライバ回路41とにより、画素回路群15を構成する画素回路13の制御電極25に転送制御パルスG1outを印加する第1の制御電極ドライバ回路が構成される。同様に、インバータ回路35,35,35,35とNOR型ドライバ回路41,41,41及びNAND型ドライバ回路41とのそれぞれにより、画素回路群15を構成する画素回路13の制御電極25,25,25,25に転送制御パルスG2out,G3out,G4out,GDoutを印加する第2~第5の制御電極ドライバ回路が構成される。
 さらに、周辺回路31の画素切替回路34には、配線48、48が接続される。配線48、48は、行方向に延びる。図5において、行方向とは紙面に対して横方向をいう。換言すると、配線48、48は、画素回路13~13が並ぶ方向に沿って延びる。そして、配線48は、行方向に配置された画素回路13~13に接続される。また、配線48は、画素回路13に接続される。
 図6には、NOR型ドライバ回路41の詳細な回路構成を示している。NOR型ドライバ回路41は、p型MOSトランジスタ43のソースとn型MOSトランジスタ45のソースとの間に形成されたキャパシタンス成分53を含む。このキャパシタンス成分53は、例えば、画素回路13と同一の半導体基板に形成するMOSトランジスタによって実現することができる。キャパシタンス成分53は、その一端がロー電位である基板電位に接続され、他端がハイ電位に接続される。このキャパシタンス成分53は、NOR型ドライバ回路41の出力に接続される画素回路13の制御電極25の合成キャパシタンスC以上のキャパシタンスを有する。キャパシタンス成分53は、好ましくは4倍以上のキャパシタンスを有する。同様に、NOR型ドライバ回路41,41,41及びNAND型ドライバ回路41もキャパシタンス成分53を含む。これらのNOR型ドライバ回路41,41,41及びNAND型ドライバ回路41のキャパシタンス成分53は、NOR型ドライバ回路41,41,41及びNAND型ドライバ回路41の出力に接続される画素回路13のそれぞれの制御電極25,25,25,25の合成キャパシタンスC以上のキャパシタンスを有する。キャパシタンス成分53のキャパシタンスは、好ましくは合成キャパシタンスCの4倍以上である。
 図7には、NOR型ドライバ回路41,41,41,41の動作時のNOR型ドライバ回路41,41,41,41と画素回路13の合成キャパシタンスCとの接続状態を示す。(a)部は、転送制御パルスG1out,G2out,G3out,G4outのオン(ハイ電位)時の接続状態を示す。(b)部は、転送制御パルスG1out,G2out,G3out,G4outのオフ(ロー電位)時の接続状態を示す。NAND型ドライバ回路41に対しても同様である。このように、転送制御パルスG1out,G2out,G3out,G4out,GDoutのオン時には、キャパシタンス成分53が合成キャパシタンスCの両端に接続される。その結果、転送制御パルスG1out,G2out,G3out,G4out,GDoutのオフ時にキャパシタンス成分53にチャージされていた電荷が制御電極25,25,25,25,25に向けて供給される。従って、制御電極25,25,25,25,25の電位を素早く立ち上げることができる。特に、キャパシタンス成分53のキャパシタンスを合成キャパシタンスC以上とすることで、転送制御パルスG1out,G2out,G3out,G4out,GDoutのハイ電位に立ち上げるのに必要な50%の電荷をキャパシタンス成分53から供給することができる。その結果、電源に負担をかけることなく高速な駆動が可能となる。さらに、キャパシタンス成分53のキャパシタンスを合成キャパシタンスCの4倍以上とすれば、転送制御パルスG1out,G2out,G3out,G4out,GoutDのハイ電位に立ち上げるのに必要な80%の電荷をキャパシタンス成分53から供給することができる。その結果、電源に負担をかけることなくさらなる高速な駆動が可能となる。一方、転送制御パルスG1out,G2out,G3out,G4out,GDoutのオフ時には、合成キャパシタンスCの両端が短絡される。その結果、制御電極25,25,25,25,25の電位を素早く立ち下げることができる。
 図8は、画素回路13が有する読出回路80,80,80,80の構成を示す。
 読出回路80~80は、キャパシタンス成分81~81と、MOSトランジスタ82~82と、増幅回路83~83と、を有する。読出回路80~80の入力は、それぞれ光電変換領域21に接続される。読出回路80~80の出力は、配線28を介して演算回路12に接続される。
 キャパシタンス成分81~81は、光電変換領域21が発生した電荷を蓄積する。キャパシタンス成分81~81は、図3に示す電荷読出領域22~22に対応する。キャパシタンス成分81~81の一端は、制御電極25~25、MOSトランジスタ82~82及び増幅回路83~83に接続される。キャパシタンス成分81~81の他端は、基準電位に接続される。
 MOSトランジスタ82~82は、キャパシタンス成分81~81に残る電荷を排出する。MOSトランジスタ82~82のソースは、キャパシタンス成分81~81の一端に接続される。MOSトランジスタ82~82のゲートは、読出制御回路27に接続され、読出制御回路27からリセットパルスRTを受ける。MOSトランジスタ82~82のドレインは、リセット電位線VDRに接続される。
 増幅回路83~83は、キャパシタンス成分81~81に蓄積された電荷に応じた電圧VO1~VO4を発生させ、当該電圧VO1~VO4を配線28に出力する。増幅回路83~83は、図3に示す電圧検出手段26~26に対応する。増幅回路83~83の入力は、キャパシタンス成分81~81の一端に接続される。増幅回路83~83の出力は、配線28に接続される。さらに、増幅回路83~83は、読出制御回路27に接続され、読出制御回路27から読出制御パルスSLを受ける。増幅回路83~83が出力した電圧VO1~VO4は、配線28を介して演算回路12に提供される。
[第1実施形態/動作]
 次に、距離画像センサ10の動作について説明する。距離画像センサ10は、画素回路13の内部にドライバ回路(NOR型ドライバ回路41~41及びNAND型ドライバ回路41)を有する。距離画像センサ10は、制御パルスG~G,Gを垂直方向から与える。距離画像センサ10は、有感/不感を切り替える論理パルスESR(j)の反転信号及び論理パルスESR(j)を水平方向から与える。距離画像センサ10は、画素回路13の内部において制御パルスGと論理パルスESR(j)との論理演算を行い、転送制御パルスGDoutを生成する。そして、距離画像センサ10は、転送制御パルスGDoutを用いてドレインゲートである制御電極25のゲーティングを行う。
 以下、光源11の動作と、画素回路13の有感動作/不感動作との関係について詳細に述べる。
 図9は、光源11の動作を示すタイミングチャートと論理パルスESR(j)のタイミングチャートとを示す。また、図10は、アレイ分割領域L,L,Lと、有感ピクセル領域AEと、不感ピクセル領域ANと、を模式的に示す。アレイ分割領域L~Lとは、入射パルス光Lが入射すると予想される領域である。有感ピクセル領域AEとは、入射パルス光Lに応じて生じた電荷を電荷読出領域22~22のいずれかに蓄積可能な領域である。不感ピクセル領域ANとは、入射パルス光Lに応じて生じた電荷を電荷排出領域23に排出する領域である。つまり、不感ピクセル領域ANに入射した光は、出力として得られない。
 図10に示すように、第1実施形態では、画素アレイ14を縦方向に3個の領域に分割する。いま、画素アレイ14がN行であるとする。そうすると、第1のアレイ分割領域Lは、第1行目から第(N/3)行目までである。第2のアレイ分割領域Lは、第(N/3+1)行目から第(2N/3)行目までである。第3のアレイ分割領域Lは、第(2N/3+1)行目から第N行目までである。
 例えば、図10の(a)部において、複数の正方形は、ひとつの画素回路13を示す。細いハッチングを付した領域は、有感ピクセル領域AEであることを示す。白抜きの領域は、不感ピクセル領域ANであることを示す。一点鎖線で囲まれた3個の領域は、それぞれアレイ分割領域L~Lを示す。一点鎖線で囲まれた領域において荒いハッチングが付された領域は、当該領域に測定対象領域Aから入射パルス光Lが入射されていることを示す。
 このように照射領域Rを測定対象領域Aの一部とすることにより、距離画像センサ10は、背景光に対するノイズ耐性を高めることができる。いま、光源11が照射するパルス光Lの光量(p)が一定であると仮定する。そうすると、パルス光Lを測定対象領域Aの一部である照射領域Rに限定して照射すると、単位面積あたりの光量が見かけ上高まる。例えば、図10のように測定対象領域Aを3分割した場合には、照射領域Rにおける光量は、測定対象領域Aの全面に照射した場合の光量に対して3倍になる(図9の符号3p参照)。その結果、背景光の光量に対してパルス光Lの光量を大きくすることができる。従って、距離画像センサ10は、背景光に対するノイズ耐性を高めることができる。
 なお、光源11から測定対象領域Aへ向けたパルス光Lの出射方向と、測定対象領域Aから戻る入射パルス光Lが入射する領域との関係は、任意の手法によって関連付けてよい。例えば、測定対象領域Aを縦方向に3分割したときにおいて、最も上の領域に光源11がパルス光Lを照射した場合には、画素アレイ14のアレイ分割領域Lに入射パルス光Lが入射するとしてよい。
 距離画像センサ10は、ひとつのフレームである期間PFにおいて、1回の露光期間である期間PEと、1回の読出期間である期間PRを有する。また、距離画像センサ10は、ひとつのフレームの期間PFにおいて、複数回の露光動作を行う。さらに、距離画像センサ10は、1つの有感期間中に1回の露光動作を行う。距離画像センサ10の動作は、上記の動作に限定されない。その他の動作例については、変形例1~5として後述する。
 露光期間(期間PE)において、複数回の露光動作を繰り返す。
 まず、期間PEにおいて、画素切替回路34は、以下のような論理パルスESR(j)を出力する。
  論理パルスESR(1)~ESR(N/3):HIGH。
  論理パルスESR(N/3+1)~ESR(2N/3):LOW。
  論理パルスESR(2N/3+1)~ESR(N):LOW。
 期間PEは、期間P1aと、期間P1aの後である期間P1bと、を有する。期間P1a(図10の(a)部参照)において、光源11は、アレイ分割領域Lに入射パルス光Lが入射するようにパルス光Lを照射する。例えば、パルス光Lのデューティー比は、50%以下としてもよい。その後、期間P1b(図10の(b)部参照)において、光源11はパルス光Lの照射を停止する。
 次に、期間PEにおいて、画素切替回路34は、以下のような論理パルスESR(j)を出力する。
  論理パルスESR(1)~ESR(N/3):LOW。
  論理パルスESR(N/3+1)~ESR(2N/3):HIGH。
  論理パルスESR(2N/3+1)~ESR(N):LOW。
 期間PEは、期間P2aと、期間P2aの後である期間P2bと、を有する。期間P2a(図10の(c)部参照)において、光源11は、アレイ分割領域Lに入射パルス光Lが入射するようにパルス光Lを照射する。その後、期間P2b(図10の(d)部参照)において、光源11はパルス光Lの照射を停止する。
 次に、期間PEにおいて、画素切替回路34は、以下のような論理パルスESR(j)を出力する。
  論理パルスESR(1)~ESR(N/3):LOW。
  論理パルスESR(N/3+1)~ESR(2N/3):LOW。
  論理パルスESR(2N/3+1)~ESR(N):HIGH。
 期間PEは、期間P3aと、期間P3aの後である期間P3bと、を有する。期間PEa(図10の(e)部参照)において、光源11は、アレイ分割領域Lに入射パルス光Lが入射するようにパルス光Lを照射する。その後、期間P3b(図10の(f)部参照)において、光源11はパルス光Lの照射を停止する。
 以下、期間PE~PEの動作をあらかじめ定めた回数だけ繰り返す。この期間PE~PEの動作を繰り返す期間は、露光期間としての期間PEである。そして、期間PEの後に読出期間としての期間PRが設定される。これらの期間PE及び期間PRは、ひとつのフレーム(あるいはサブフレーム)を構成する。この期間PRにおいて、すべての行から信号が読み出される。期間PRでは、光源11からパルス光Lは照射されない。また、期間PRにおいて、画素切替回路34は、以下のような論理パルスESR(j)を出力する。
  論理パルスESR(1)~ESR(N/3):LOW。
  論理パルスESR(N/3+1)~ESR(2N/3):LOW。
  論理パルスESR(2N/3+1)~ESR(N):LOW。
[第1実施形態/作用効果]
 距離画像センサ10は、以下に説明するいくつかの作用効果により、背景光に対する強い耐性と、撮像対象の動きに起因するアーティファクトに対する強い耐性と、を有する。
 距離画像センサ10は、光源制御部12aが有感ピクセル領域AEに入射パルス光Lが入射するようにパルス光Lを発生させたとき、不感ピクセル領域ANには光電変換領域21で発生した電荷を電荷排出領域23に移動させる論理パルスESR(j)を提供する。この動作によれば、入射パルス光Lが入射しない不感ピクセル領域ANにおいて、光電変換領域21におけるノイズとなり得る電荷の蓄積が抑制される。その結果、不感ピクセル領域ANが有感ピクセル領域AEに切り替わるとき、入射パルス光Lに基づく電荷の生成の準備が整った状態が形成されている。つまり、不感ピクセル領域ANから有感ピクセル領域AEに素早く切り替えることができる。従って、パルス光Lを照射すると共に当該パルス光Lに起因する入射パルス光Lを受光する動作を、有感ピクセル領域AEを移動させながら高速に繰り返すことが可能になる。照射動作及び受光動作の高速化及び繰り返しは、換言すると、いわゆる距離測定におけるフレーム期間内の光電荷の時間的オーバーサンプリング及び積算と同義である。従って、オーバーサンプリング及び積算によるローパスフィルタ効果によって、測定対象物が高速移動する場合であっても良好な計測結果を得ることができる。
 つまり、距離画像センサ10は、光源11から出射される線状のパルス光Lの走査と、当該走査に対応するように位置及び時間を同期させた露光動作及び読出動作を行う。
 第1実施形態の距離画像センサ10において、光源制御部12aは、第j行目に含まれる画素回路13のすべてが有感ピクセル領域AEに含まれるように、光源11からパルス光Lを出射させる動作を行う。周辺回路31は、第j行目に含まれる画素回路13のすべてに対して、光電変換領域21から電荷読出領域22~22への電荷の移動を許可するように画素回路13を動作させる制御パルスG~G,G、論理パルスESR(j)の反転信号及び論理パルスESR(j)を画素アレイ14に提供する動作と、有感ピクセル領域AEに含まれない画素回路13のすべてに対して、光電変換領域21から電荷排出領域23への電荷の移動を許可するように画素回路13を動作させる制御パルスG~G,G、論理パルスESR(j)の反転信号及び論理パルスESR(j)を画素アレイ14に提供する動作と、を行う。この動作によれば、第j行目に含まれる画素回路13を一括して、光電変換領域21から電荷読出領域22~22への電荷の移動を許可する状態(有感状態)に設定することが可能になる。さらに、第j行目に含まれない画素回路13を一括して、光電変換領域21から電荷排出領域23への電荷の移動を許可する状態(不感状態)に設定することができる。従って、オーバーサンプリング及び積算動作をさせることができる。
 第1実施形態の距離画像センサ10は、周辺回路31が、制御パルスG~G,G、論理パルスESR(j)の反転信号及び論理パルスESR(j)を画素アレイ14に出力した状態で、光源制御部12aがパルス光Lを発生させる露光動作と、周辺回路31が、光電変換領域21で発生した電荷に基づく電圧を出力させる読出動作と、を行う。制御パルスG~G,G、論理パルスESR(j)の反転信号及び論理パルスESR(j)は、有感ピクセル領域AEを構成する画素回路13において光電変換領域21で発生した電荷を電荷読出領域22~22に移動させると共に、不感ピクセル領域ANを構成する画素回路13において光電変換領域21で発生した電荷を電荷排出領域23に移動させる。周辺回路31及び光源制御部12aは、複数の有感ピクセル領域AEに対する露光動作を複数回行った後に、読出動作を行う。つまり、すべての画素回路13に対する露光動作の後に、すべての画素回路13から一括して信号を読み出す。この動作によれば、画素アレイ14の全体において複数回の露光動作の後に、画素アレイ14の全体から信号を読み出すことができる。
 第1実施形態の距離画像センサ10の露光動作では、周辺回路31が制御パルスG~G,G及び論理パルスESR(j)を提供した状態で、光源制御部12aがパルス光Lを1回だけ発生させる。この動作によっても、距離画像センサ10の動作をさらに高速化させることができる。
 さらに、距離画像センサ10によれば、周辺回路31に設けられた分配回路33によって制御パルスG,G,G,G,Gが分配される。その制御パルスG,G,G,G,Gに基づく転送制御パルスは、画素回路群15のうちの1つの画素回路13内に設けられたNOR型ドライバ回路41,41,41,41及びNAND型ドライバ回路41によって構成される第1~第5の制御電極ドライバ回路によって、画素回路群15を構成するすべての画素回路13の制御電極25,25,25,25,25に印加される。これにより、各画素回路13において、光電変換領域21と電荷読出領域22,22,22,22及び電荷排出領域23との間の電荷転送のタイミングが制御される。このような第1~第5の制御電極ドライバ回路により制御パルスG,G,G,G,Gが中継される構成により、ピクセル数が多くなっても転送制御パルスの波形のなまりを低減でき、ピクセルを高速に駆動して距離分解能の高い距離画像の生成が可能とされる。それとともに、第1~第5の制御電極ドライバ回路のそれぞれを、制御電極の数と同一数の画素回路13を含む画素回路群15で共用する構成により、ピクセルサイズを小さく保ちつつ転送制御パルスの波形のなまりを低減できる。
 特に、本実施形態では、NOR型ドライバ回路41,41,41,41及びNAND型ドライバ回路41が画素回路群15の別々の画素回路13内に設けられる。分配回路33とNOR型ドライバ回路41,41,41,41及びNAND型ドライバ回路41とは、それぞれ、別々の2つの画素回路13間の間隙部に伸びる配線47~47を介して接続される。このような構成により、分配回路33と第1~第5の制御電極ドライバ回路とのそれぞれを電気的に接続する複数の配線47~47を分離することができる。その結果、異なる制御パルスG,G,G,G,Gの間のクロストークを防止して安定したピクセルの駆動が実現できる。結果として距離分解能の高い距離画像の生成が可能となる。
 つまり、画素回路13は、その内部にドライバ回路を有している。したがって、有感/不感のためのゲーティングは、画素回路13内の論理演算により行われる。
 また、本実施形態では、NOR型ドライバ回路41,41,41,41及びNAND型ドライバ回路41のそれぞれは、キャパシタンス成分53を含む。このような構成により、ピクセルの高速な駆動が実現される。キャパシタンス成分53の存在により、画素回路13を駆動する際の制御電極25,25,25,25,25のキャパシタンス成分の充放電に伴って電源に生じる電流を低減できる。その結果、電源電圧が瞬時的にドロップする事態も防止でき、ピクセル(画素回路13)の高速な駆動が可能となる。
[第2実施形態]
 次に、第2実施形態にかかる距離画像取得装置1Aを構成する距離画像センサ10Aの構成について、第1実施形態との相違点を中心に説明する。
 図11は、距離画像センサ10Aの概略構成を示すブロック図である。図11に示す距離画像センサ10Aは、第1実施形態にかかる距離画像センサ10と比較して、分配回路33Aの機能と、周辺回路31Aにおけるインバータ回路の構成と、周辺回路31Aと画素回路13Aとの間の接続構成が異なる。
 周辺回路31Aは、分配回路33Aとインバータ回路ユニット38Aと画素切替回路34Aとを有する。画素切替回路34Aは、第1実施形態の画素切替回路34と同様の構成と機能とを奏するため、説明は省略する。
 すなわち、分配回路33Aは、制御パルスGを、それぞれ、2つの制御パルスG1p,G1nに分配して行方向に繰り返し生成する。同様に、分配回路33Aは、制御パルスG,G,G,Gを分配することにより、2つの制御パルスG2p,G2nと、2つの制御パルスG3p,G3nと、2つの制御パルスG4p,G4nと、2つの制御パルスGDp,GDnと、を繰り返し生成する。これらの2つの制御パルスG1p,G1nは、制御パルスGのオンオフに同期して、互いのオン期間が一致しないように生成される。具体的には、制御パルスG1pのオン期間が制御パルスG1nのオン期間内に収まるように生成される。同じように、2つの制御パルスG2p,G2n、2つの制御パルスG3p,G3n、2つの制御パルスG4p,G4n、及び2つの制御パルスGDp,GDnは、制御パルスG,G,G,Gのオンオフに同期して、互いのオン期間が一致しないように生成される。
 周辺回路31Aには、第1実施形態におけるインバータ回路35,35,35,35,35と同様な構成のインバータ回路61,61,61,61,61、及びインバータ回路63,63,63,63,63が含まれている。これらインバータ回路61,61,61,61,61、及びインバータ回路63,63,63,63,63は、インバータ回路ユニット38Aを構成する。1組のインバータ回路61,61,61,61,61、及び1組のインバータ回路63,63,63,63,63は、それぞれ、制御電極25,25,25,25,25の個数に対応する個数で画素回路群15Aごとに繰り返し設けられる。そして、2つのインバータ回路61,63は、画素回路13A内のNOR型ドライバ回路41Aに対応して、画素回路群15Aにおける隣接する2つの画素回路13A間の周辺部に配置される。同様に、2つのインバータ回路61,63、2つのインバータ回路61,63、2つのインバータ回路61,63、2つのインバータ回路61,63のそれぞれは、画素回路13A,13A,13A,13A内のNOR型ドライバ回路41A,41A,41A及びNAND型ドライバ回路41Aに対応して、隣接する2つの画素回路13A間の周辺部に配置される。これらのインバータ回路61,61,61,61,61のそれぞれの入力端子には、分配回路33Aから制御パルスG1p,G2p,G3p,G4p,GDpが入力される。これらのインバータ回路63,63,63,63,63のそれぞれの入力端子には、分配回路33Aから制御パルスG1n,G2n,G3n,G4n,GDnが入力される。
 周辺回路31Aと画素回路13Aとの接続構成を詳細に説明すると、NOR型ドライバ回路41A,41A,41A,41A及びNAND型ドライバ回路41Aのp型MOSトランジスタ43~43のゲート(制御端子)とインバータ回路61,61,61,61,61の出力端子とは、隣接する2つの画素回路13A間に伸びる配線47a~47aを経由して接続される。また、NOR型ドライバ回路41A,41A,41A,41A及びNAND型ドライバ回路41Aのn型MOSトランジスタ45~45のゲート(制御端子)とインバータ回路63,63,63,63,63の出力端子とは、隣接する2つの画素回路13A間に伸びる配線47b~47bを経由して接続される。つまり、周辺回路31Aと画素回路13Aとの間を接続する配線は、画素回路群15Aに含まれる2つの画素回路13A間の間隙部において2本ずつ設けられる。このような接続構成により、NOR型ドライバ回路41A,41A,41A,41A及びNAND型ドライバ回路41Aの2つのゲートには、別々の配線47a~47a,47b~47bを経由して、制御パルスG1p,G2p,G3p,G4p,GDpの反転信号、あるいは、制御パルスG1n,G2n,G3n,G4n,GDnの反転信号が供給される。
 上記構成のインバータ回路61,63とNOR型ドライバ回路41Aにより、画素回路群15Aを構成する画素回路13Aの制御電極25に転送制御パルスG1outを印加する第1の制御電極ドライバ回路が構成される。同様に、インバータ回路61~61,63~63と、NOR型ドライバ回路41A~41A及びNAND型ドライバ回路41Aと、より、画素回路13Aの制御電極25~25,25に転送制御パルスG2out~G4out,GDoutを印加する第2~第5の制御電極ドライバ回路が構成される。
 図12には、本実施形態の距離画像センサ10Aにおいて生成される制御パルスG1p,G1nの反転信号の波形及びNOR型ドライバ回路41Aの転送制御パルスG1outの波形の一例を示す。このように、分配回路33Aの働きにより、インバータ回路61から出力される制御パルスG1pの反転信号のロー電位の期間、すなわち、p型MOSトランジスタ43のオン期間TPONが、インバータ回路63から出力される制御パルスG1nの反転信号のハイ電位の期間、すなわち、n型MOSトランジスタ45のオン期間TNONと重複しないように、制御パルスG1p及び制御パルスG1nが生成される。そして、NOR型ドライバ回路41Aにより、制御パルスG1pの反転信号がオフされたタイミングでハイ電位に遷移し、制御パルスG1nの反転信号がオンされたタイミングでロー電位に遷移する転送制御パルスG1outが生成される。同様にして、各画素回路13Aに設けられたNOR型ドライバ回路41A~41A及びNAND型ドライバ回路41Aにおいても、p型MOSトランジスタ43のオン期間がn型MOSトランジスタ45のオン期間と重複しないように、制御パルスG2p~G4p及び制御パルスG2n~G4nが生成される。
[第2実施形態/作用効果]
 第2実施形態の距離画像取得装置1Aも、第1実施形態の距離画像取得装置1と同様の効果を奏することができる。つまり、距離画像取得装置1Aは、オーバーサンプリング及び積算によって、測定対象物が高速移動する場合であっても良好な計測結果を得ることができる。
 第2実施形態の距離画像取得装置1Aは、第1実施形態の距離画像取得装置1と同様に、所定の行に含まれる画素回路13A~13Aを一括して有感ピクセル領域AEに設定することが可能である。さらに、距離画像取得装置1Aは、所定の行に含まれない画素回路13A~13Aを一括して、不感ピクセル領域ANに設定することが可能である。従って、第2実施形態の距離画像取得装置1Aも、オーバーサンプリング及び積算動作をさせることができる。
 第2実施形態の距離画像取得装置1Aも、第1実施形態の距離画像取得装置1と同様に、第1~第5の制御電極ドライバ回路により制御パルスG1p~G4p,G1n~G4n,GDp,GDnが中継される構成と、第1~第5の制御電極ドライバ回路のそれぞれを、制御電極25~25,25の数と同一数の画素回路13A~13Aを有する画素回路群15Aで共用する構成と、により、ピクセルサイズを小さく保ちつつ転送制御パルスG1out~G4out,GDoutの波形のなまりを低減できる。
 第2実施形態の距離画像取得装置1Aも、第1実施形態の距離画像取得装置1と同様に、分配回路33Aと第1~第5の制御電極ドライバ回路とのそれぞれを電気的に接続する複数の配線47a~47a,47b~47bを分離して配置する。その結果、異なる制御パルスG1p~G4p,G1n~G4n,GDp,GDnの間のクロストークを防止して安定したピクセルの駆動が実現でき、結果として距離分解能の高い距離画像の生成が可能となる。
 さらに、第2実施形態の距離画像センサ10Aは、第1実施形態の距離画像センサ10とは異なる以下のような効果を奏することもできる。
 本実施形態の距離画像センサ10Aにおいては、NOR型ドライバ回路41A~41A及びNAND型ドライバ回路41A内の2つのトランジスタ43~43,45~45のゲートに別々の配線47a~47a,47b~47bを経由して制御パルスG1p~G4p,G1n~G4n,GDp,GDnの反転信号が供給される。このような構成により、画素回路13A~13Aに供給される制御パルスG1p~G4p,G1n~G4n,GDp,GDnの反転信号になまりが生じた場合であってもNOR型ドライバ回路41A~41A及びNAND型ドライバ回路41Aを流れる貫通電流の発生を防止できる。NOR型ドライバ回路41A~41A及びNAND型ドライバ回路41Aでの貫通電流の発生は、ピクセル数が多くなった場合に距離画像センサ10Aに接続される電源を流れる電流の増加を招く。従って、電源電圧の瞬時的なドロップを引き起こす場合がある。その結果、画素回路13A~13A内の制御電極ドライバ回路が正常に動作せず、制御電極ドライバ回路の応答速度が遅くなる結果、高速なピクセルの駆動が困難となる。
 図13は、一般的なCMOSインバータ回路における入力制御パルスVINと貫通電流Iとの関係を示すグラフである。図14は、一般的なCMOSインバータ回路を用いた場合の入力制御パルスVINに対する貫通電流Iの時間波形を示す図である。このように、一般的なCMOSインバータでは、入力制御パルスVINがハイ電位(VDD)とロー電位(0V)の間の中間電位において貫通電流Iが急激に増加する。そのため、理想的な矩形波の波形WF1を入力制御パルスとして入力した場合には入力制御パルスのレベルの遷移タイミングで一瞬だけ貫通電流Iが生じる。一方、矩形波がなまった波形WF2を入力制御パルスとして入力した場合には、中間電位の期間が長くなるために貫通電流Iがより長期間にわたって継続的に生じる。そのため、一般的なCMOSインバータ回路を制御電極ドライバ回路として用いた場合は、入力制御パルスのなまりが大きくなるに従って制御電極ドライバ回路を流れる貫通電流の積分値が次第に増加する。一方、距離画像センサ10Aによれば、制御電極ドライバ回路における貫通電流が十分に低減でき、高速なピクセルの駆動が可能となる。その結果、距離分解能の高い距離画像の生成が可能となる。
 特に、本実施形態では、分配回路33Aが、各NOR型ドライバ回路41A~41A及びNAND型ドライバ回路41Aを構成する2つのトランジスタ43~43,45~45のゲートに互いにオン期間が重複しないような制御パルスG1p~G4p,G1n~G4n,GDp,GDnの反転信号を供給するように機能している。これにより、NOR型ドライバ回路41A~41A及びNAND型ドライバ回路41Aを含む第1~第5の制御電極ドライバ回路における貫通電流が確実に防止でき、高速なピクセルの駆動が可能となる。
[第3実施形態]
 次に、第3実施形態にかかる距離画像取得装置1Bが有する距離画像センサ10Bの構成について、第2実施形態の距離画像センサ10Aに対する相違点を中心に説明する。
 図15は、距離画像センサ10Bの概略構成を示すブロック図である。図15に示す距離画像センサ10Bは、第2実施形態にかかる距離画像センサ10Aと比較して、分配回路33Bの機能と、周辺回路31B及び画素回路13Bにおけるインバータ回路及びドライバ回路の構成が異なる。
 周辺回路31Bは、分配回路33Bとインバータ回路ユニット38Bと画素切替回路34Bとを有する。画素切替回路34Bは、第1実施形態の画素切替回路34と同様の構成と機能とを奏するため、説明は省略する。
 分配回路33Bは、制御パルスG,G,G,G,Gを分配することにより、制御パルスG1p~G4p,GDpの反転信号と、制御パルスG1n~G4n,GDnと、を行方向に沿って繰り返し生成する。
 また、周辺回路31Bのインバータ回路ユニット38Bは、インバータ回路63,63,63,63,63と、p型MOSトランジスタ71~71と、を有する。つまり、インバータ回路ユニット38Bは、インバータ回路61~61に代えて、p型MOSトランジスタ71~71を有する。p型MOSトランジスタ71~71のゲートのそれぞれには分配回路33Bから制御パルスG1p~G4p,GDpの反転信号が入力される。p型MOSトランジスタ71~71のソースがハイ電位線VDHに接続される。
 画素回路群15Bを構成する各画素回路13B内には、NOR型ドライバ回路41~41及びNAND型ドライバ回路41に代えて、NOR型ドライバ回路41B~41B及びNAND型ドライバ回路41Bがそれぞれ設けられる。NOR型ドライバ回路41B~41B及びNAND型ドライバ回路41Bは、CMOSドライバ回路である。詳細には、NOR型ドライバ回路41B~41Bは、p型MOSトランジスタ44~44とn型MOSトランジスタ45~45とを有する。一方、NAND型ドライバ回路41Bは、n型MOSトランジスタ46とn型MOSトランジスタ45とを有する。つまり、NAND型ドライバ回路41Bは、p型MOSトランジスタ44に代えてn型MOSトランジスタ46を有する点で、NOR型ドライバ回路41Bと相違する。
 詳細には、NOR型ドライバ回路41B~41Bは、以下の構成を有する。
 p型MOSトランジスタ44~44のソースは、配線47a~47aを介してp型MOSトランジスタ71~71のドレインに接続される。p型MOSトランジスタ44~44のソースには、制御パルスG1p~G4pの反転信号が入力される。p型MOSトランジスタ44~44のゲートは、配線48を介して画素切替回路34Bに接続される。p型MOSトランジスタ44~44のゲートは、論理パルスESR(j)の反転信号を受ける。p型MOSトランジスタ44~44のドレインとn型MOSトランジスタ45~45のドレインとが互いに接続される。n型MOSトランジスタ45~45のゲートは、配線47b~47bを介してインバータ回路63~63の出力端に接続される。n型MOSトランジスタ45~45のゲートには、制御パルスG1n~G4nの反転信号が入力される。n型MOSトランジスタ45~45のソースは、ロー電位線VDLに接続される。
 詳細には、NAND型ドライバ回路41Bは、以下の構成を有する。n型MOSトランジスタ46のドレインは、配線47aを介してp型MOSトランジスタ71のドレインに接続される。n型MOSトランジスタ46のドレインには、制御パルスGDpの反転信号が入力される。n型MOSトランジスタ46のゲートは、配線48を介して画素切替回路34Bに接続される。n型MOSトランジスタ46のゲートには、論理パルスESR(j)が入力される。n型MOSトランジスタ46のソースは、n型MOSトランジスタ45のドレインに接続される。n型MOSトランジスタ45のゲートは、配線47bを介してインバータ回路63の出力に接続される。n型MOSトランジスタ45のゲートには、制御パルスGDnの反転信号が入力される。n型MOSトランジスタ45のソースは、ロー電位線VDLに接続される。
 上記のように、p型MOSトランジスタ71~71とp型MOSトランジスタ44~44とが直列に接続された構成により、画素回路群15Bに含まれる画素回路13B~13Bの制御電極25~25に印加する転送制御パルスを生成するNOR型ドライバ回路(制御電極ドライバ回路)が構成される。また、p型MOSトランジスタ71とn型MOSトランジスタ46とが直列に接続された構成により、画素回路群15B内の制御電極25に印加する転送制御パルスを生成するNAND型ドライバ回路(制御電極ドライバ回路)が構成される。
[第3実施形態/作用効果]
 第3実施形態の距離画像取得装置1Bも、第2実施形態の距離画像取得装置1Aと同様の効果を奏することができる。つまり、距離画像取得装置1Bは、オーバーサンプリング及び積算によって、測定対象物が高速移動する場合であっても良好な計測結果を得ることができる。
 第3実施形態の距離画像取得装置1Bは、第2実施形態の距離画像取得装置1Aと同様に、所定の行に含まれる画素回路13B~13Bを一括して有感ピクセル領域AEに設定することが可能である。さらに、所定の行に含まれない画素回路13B~13Bを一括して、不感ピクセル領域ANに設定することが可能である。従って、第3実施形態の距離画像取得装置1Bも、オーバーサンプリング及び積算動作をさせることができる。
 第3実施形態の距離画像取得装置1Bも、第2実施形態の距離画像取得装置1Aと同様に、第1~第5の制御電極ドライバ回路により制御パルスG1p~G4p,G1n~G4n,GDp,SDnが中継される構成と、第1~第5の制御電極ドライバ回路のそれぞれを、制御電極25~25,25の数と同一数の画素回路13B~13Bを有する画素回路群15Bで共用する構成と、により、ピクセルサイズを小さく保ちつつ転送制御パルスG1out~G4out,GDoutの波形のなまりを低減できる。
 第3実施形態の距離画像取得装置1Bも、第2実施形態の距離画像取得装置1Aと同様に、分配回路33Bと第1~第5の制御電極ドライバ回路とのそれぞれを電気的に接続する複数の配線47a~47a,47b~47bを分離して配置する構成により、異なる制御パルスG1p~G4p,G1n~G4n,GDp,GDnの間のクロストークを防止して安定したピクセルの駆動が実現できる。その結果として、距離分解能の高い距離画像の生成が可能となる。
 第3実施形態の距離画像取得装置1Bも、第2実施形態の距離画像取得装置1Aと同様に、各NOR型ドライバ回路41B~41B及びNAND型ドライバ回路41Bに互いにオン期間が重複しないような制御パルスを供給する回路構成を有する。つまり、配線47a~47a,47b~47bを有する。この構成によれば、NOR型ドライバ回路41B~41B及びNAND型ドライバ回路41Bを有する第1~第5の制御電極ドライバ回路における貫通電流が確実に防止でき、高速なピクセルの駆動が可能となる。
 さらに、第3実施形態の距離画像センサ10Bは、第2実施形態の距離画像センサ10Aとは異なる以下のような効果を奏することもできる。
 本実施形態の制御電極ドライバ回路の構成により、NOR型ドライバ回路を構成する一方のトランジスタであるp型MOSトランジスタ71~71のドレインは配線47a~47aを介してp型MOSトランジスタ44~44のソースに接続され、さらにp型MOSトランジスタ44~44のソース-ドレイン間のpチャネルを介してp型MOSトランジスタ44~44のドレインが制御電極25~25に接続される。一方で、NOR型ドライバ回路を構成する他方のトランジスタであるn型MOSトランジスタ45~45のドレインは各画素回路13B内で制御電極25~25に接続される。そのため、制御電極25~25に印加される転送制御パルスG1out~G4outにおいて、立ち上がりはなだらかな状態であるが、立ち下がりは急峻な状態を生じさせることができる。
 図16は、本実施形態の距離画像センサ10Bにより生成される転送制御パルスG1out,G2outの波形の一例を示す。図17は、画素回路13Bの信号電荷処理領域17Bにおける各領域の配置例を示す平面図である。図18は、画素回路13Bの信号電荷処理領域17Bにおける電位分布を示す図である。図18は、図17に示す一点鎖線CLに沿った電位分布を示している。
 図17に示す信号電荷処理領域17Bにおいては、中央に光電変換領域21が設けられ、光電変換領域21の周りの信号電荷処理領域17Bの四隅に電荷読出領域22~22が配置され、電荷読出領域22~22のうちの2つの領域間に電荷排出領域23が配置される。さらに、光電変換領域21とそれぞれの電荷読出領域22~22との間の電荷移動経路を両側から挟むように制御電極25~25が設けられ、光電変換領域21と電荷排出領域23との間の電荷移動経路を両側から挟むように制御電極25が設けられる。図18には、制御電極25にロー電位を印加し、制御電極25にハイ電位を印加した場合の電荷移動経路における電位分布を実線で示す。また、制御電極25にハイ電位を印加し、制御電極25にロー電位を印加した場合の電荷移動経路における電位分布を点線で示している。このような電位形成特性により、図16に示すように転送制御パルスG1outを急峻に立ち下げることにより、電荷読出領域22への電荷の移動を瞬時に止めることができ、その後に転送制御パルスG2outを緩やかに立ち上げても転送制御パルスG2outを立ち下げるまでの期間において光電変換領域21で発生した電荷を漏れなく電荷読出領域22へ移動させることができる。
 本実施形態の距離画像センサ10Bによれば、周辺回路31Bにインバータ回路を構成する一方のp型MOSトランジスタが備えられ、画素回路13B内にNOR型ドライバ回路あるいはNAND型ドライバ回路を構成する他方のn型MOSトランジスタが備えられている。このような構成により、画素回路13B内のトランジスタ数を低減することによりピクセルサイズを小さく保つことができる。さらに、高速なピクセルの駆動が可能となる。
 特に、本実施形態では、画素回路13Bにn型MOSトランジスタを備えることにより、制御電極25~25,25に印加される転送制御パルスG1out~G4out,GDoutの立ち下がりを急峻にすることができ、転送制御パルスG1out~G4out,GDoutのパルス幅を短くしても安定して電荷読出領域22~22への電荷の移動が可能となる。その結果、高速なピクセルの駆動が実現できる。
[第4実施形態]
 次に、第4実施形態にかかる距離画像取得装置1Cが有する距離画像センサ10Cの構成について、第1実施形態との相違点を中心に説明する。
 図19は、距離画像センサ10Cの概略構成を示すブロック図である。図19に示す距離画像センサ10Cは、第1実施形態にかかる距離画像センサ10と比較して、画素回路13Cが有するインバータ回路41C~41Cの構成が異なる。
 周辺回路31Cは、分配回路33Cとインバータ回路ユニット38Cと画素切替回路34Cとを有する。分配回路33Cの構成及び機能は、第1実施形態の分配回路33の構成及び機能と同じである。同様にインバータ回路ユニット38Cの構成及び機能は、第1実施形態のインバータ回路ユニット38の構成及び機能と同じである。一方、画素切替回路34Cは、論理パルスESR(j)のみを出力し、論理パルスESR(j)の反転信号を出力しない点で、第1実施形態の画素切替回路34と相違する。
 画素回路群15Cを構成する各画素回路13C内には、NOR型ドライバ回路41~41に代えて、インバータ回路41C~41Cがそれぞれ設けられる。インバータ回路41C~41Cは、CMOSインバータ回路である。詳細には、インバータ回路41C~41Cは、p型MOSトランジスタ43~43とn型MOSトランジスタ45~45とを有する。一方、NAND型ドライバ回路41Cは、p型MOSトランジスタ43と、n型MOSトランジスタ46Aとn型MOSトランジスタ45とを有する。つまり、NAND型ドライバ回路41Cは、n型MOSトランジスタ46Aを有する点で、インバータ回路41Cと相違する。
 詳細には、インバータ回路41C~41Cは、以下の構成を有する。
p型MOSトランジスタ43~43のソースは、ハイ電位線VDHに接続される。p型MOSトランジスタ43~43のゲートは、配線47~47を介してインバータ回路35~35の出力に接続される。また、p型MOSトランジスタ43~43のゲートは、n型MOSトランジスタ45~45のゲートにも接続される。p型MOSトランジスタ43~43のゲートには、制御パルスG~Gの反転信号が入力される。p型MOSトランジスタ43~43のドレインとn型MOSトランジスタ45~45のドレインとが互いに接続される。n型MOSトランジスタ45~45のゲートは、配線47~47を介してインバータ回路35~35の出力に接続される。n型MOSトランジスタ45~45のゲートには、制御パルスG~Gの反転信号が入力される。n型MOSトランジスタ45~45のソースは、ロー電位線VDLに接続される。
 さらに、NAND型ドライバ回路41Cは、以下の構成を有する。
 p型MOSトランジスタ43のソースは、ハイ電位線VDHに接続される。p型MOSトランジスタ43のゲートは、入力端子である。p型MOSトランジスタ43のゲートは、インバータ回路35の出力に配線47を介して接続される。p型MOSトランジスタ43のドレインとn型MOSトランジスタ46Aのドレインとが互いに接続される。n型MOSトランジスタ46Aのゲートは、入力端子である。n型MOSトランジスタ46Aのゲートは、配線48を介して画素切替回路34Cに接続される。n型MOSトランジスタ46Aのソースは、n型MOSトランジスタ45のドレインに接続される。n型MOSトランジスタ45のソースは、n型MOSトランジスタ46のドレインに接続される。n型MOSトランジスタ45のゲートは、入力端子である。n型MOSトランジスタ45のゲートは、インバータ回路35の出力に配線47を介して接続される。n型MOSトランジスタ45のソースは、ロー電位線VDLに接続される。
[第4実施形態/作用効果]
 第4実施形態の距離画像取得装置1Cも、第1実施形態の距離画像取得装置1と同様の効果を奏することができる。つまり、距離画像取得装置1Cは、オーバーサンプリング及び積算によって、測定対象物が高速移動する場合であっても良好な計測結果を得ることができる。
 第4実施形態の距離画像取得装置1Cは、第1実施形態の距離画像取得装置1と同様に、所定の行に含まれる画素回路13C~13Cを一括して有感ピクセル領域AEに設定することが可能である。さらに、所定の行に含まれない画素回路13C~13Cを一括して、不感ピクセル領域ANに設定することが可能である。従って、第4実施形態の距離画像取得装置1Cも、オーバーサンプリング及び積算動作をさせることができる。
 第4実施形態の距離画像取得装置1Cも、第1実施形態の距離画像取得装置1と同様に、第1~第5の制御電極ドライバ回路により制御パルスG~G,Gが中継される構成と、第1~第5の制御電極ドライバ回路のそれぞれを、制御電極25~25,25の数と同一数の画素回路13C~13Cを有する画素回路群15Cで共用する構成と、により、ピクセルサイズを小さく保ちつつ転送制御パルスG1out~G4out,GDoutの波形のなまりを低減できる。
 第4実施形態の距離画像取得装置1Cも、第1実施形態の距離画像取得装置1と同様に、分配回路33Cと第1~第5の制御電極ドライバ回路とのそれぞれを電気的に接続する複数の配線47~47を分離して配置する構成により、異なる制御パルスG~G,Gの反転信号間のクロストークを防止して安定したピクセルの駆動が実現できる。結果として距離分解能の高い距離画像の生成が可能となる。
 さらに、第4実施形態の距離画像取得装置1Cは、第1実施形態の距離画像取得装置1とは異なる以下のような効果を奏することもできる。
 距離画像センサ10Cは、電荷排出領域23を有効または無効に制御する論理パルスESR(j)のための配線48を有する。つまり、第1実施形態の距離画像センサ10のように、電荷読出領域22~22を有効または無効に制御する論理パルスESR(j)の反転信号のための配線を有しない。従って、回路構成を簡易にすることができる。
[第5実施形態]
 次に、第5実施形態にかかる距離画像取得装置1Dが有する距離画像センサ10Dの構成について、第2実施形態との相違点を中心に説明する。
 図20は、距離画像センサ10Dの概略構成を示すブロック図である。図20に示す距離画像センサ10Dは、第2実施形態にかかる距離画像センサ10Aと比較して、画素回路13Dが有するインバータ回路41D~41Dの構成が異なる。
 周辺回路31Dは、分配回路33Dとインバータ回路ユニット38Dと画素切替回路34Dとを有する。分配回路33Dの構成及び機能は、第2実施形態の分配回路33Aの構成及び機能と同じである。同様に、インバータ回路ユニット38Dの構成及び機能は、第2実施形態のインバータ回路ユニット38Aの構成及び機能と同じである。一方、画素切替回路34Dは、論理パルスESR(j)のみを出力し、論理パルスESR(j)の反転信号を出力しない点で、第2実施形態の画素切替回路34Aと相違する。
 画素回路群15Dを構成する各画素回路13D~13D内には、NOR型ドライバ回路41A~41Aに代えて、インバータ回路41D~41Dがそれぞれ設けられる。インバータ回路41D~41Dの構成及び機能は、第4実施形態のインバータ回路41C~41Cと同様である。一方、インバータ回路41D~41Dは、インバータ回路41D~41Dを構成するp型MOSトランジスタ43~43及びn型MOSトランジスタ45~45のそれぞれのゲートの接続構成が第4実施形態のインバータ回路41C~41Cと相違する。
 詳細には、p型MOSトランジスタ43~43のゲートは、配線47a~47aを介してインバータ回路61~61の出力に接続される。p型MOSトランジスタ43~43のゲートには、制御パルスG1p~G4p,GDpの反転信号が入力される。n型MOSトランジスタ45~45のゲートは、配線47b~47bを介してインバータ回路63~63の出力に接続される。n型MOSトランジスタ45~45のゲートには、制御パルスG1n~G4n,GDnの反転信号が入力される。
[第5実施形態/作用効果]
 第5施形態の距離画像取得装置1Dも、第2実施形態の距離画像取得装置1Aと同様の効果を奏することができる。つまり、距離画像取得装置1Dは、オーバーサンプリング及び積算によって、測定対象物が高速移動する場合であっても良好な計測結果を得ることができる。
 第5実施形態の距離画像取得装置1Dは、第2実施形態の距離画像取得装置1Aと同様に、所定の行に含まれる画素回路13D~13Dを一括して有感ピクセル領域AEに設定することが可能である。さらに、所定の行に含まれない画素回路13D~13Dを一括して、不感ピクセル領域ANに設定することが可能である。従って、第5実施形態の距離画像取得装置1Dも、オーバーサンプリング及び積算動作をさせることができる。
 第5実施形態の距離画像取得装置1Dも、第2実施形態の距離画像取得装置1Aと同様に、第1~第5の制御電極ドライバ回路により制御パルスG1p~G4p,G1n~G4n,GDp,GDnが中継される構成と、第1~第5の制御電極ドライバ回路のそれぞれを、制御電極25~25,25の数と同一数の画素回路13D~13Dを有する画素回路群15Dで共用する構成と、により、ピクセルサイズを小さく保ちつつ転送制御パルスG1out~G4out,GDoutの波形のなまりを低減できる。
 第5実施形態の距離画像取得装置1Dも、第2実施形態の距離画像取得装置1Aと同様に、分配回路33Dと第1~第5の制御電極ドライバ回路とのそれぞれを電気的に接続する複数の配線47a~47a,47b~47bを分離して配置する構成により、異なる制御パルスG1p~G4p,G1n~G4n,GDp,GDnの間のクロストークを防止して安定したピクセルの駆動が実現できる。結果として距離分解能の高い距離画像の生成が可能となる。
 第5実施形態の距離画像取得装置1Dも、第2実施形態の距離画像取得装置1Aと同様に、各インバータ回路41D~41D及びNAND型ドライバ回路41Dを構成する2つのトランジスタ43~43,45~45のゲートに互いにオン期間が重複しないような制御パルスを供給する回路構成を有する。つまり、距離画像取得装置1Dは、配線47a~47a,47b~47bを有する。この構成によれば、インバータ回路41D~41D及びNAND型ドライバ回路41Dを有する第1~第5の制御電極ドライバ回路における貫通電流が確実に防止できる。その結果、高速なピクセルの駆動が可能となる。
 さらに、第5実施形態の距離画像取得装置1Dは、第2実施形態の距離画像取得装置1Aとは異なる以下のような効果を奏することもできる。
 第5実施形態の距離画像取得装置1Dは、第2実施形態の距離画像取得装置1Aと同様に、制御電極ドライバ回路における貫通電流が十分に低減でき、高速なピクセルの駆動が可能となる。その結果、距離分解能の高い距離画像の生成が可能となる。
 距離画像取得装置1Dは、電荷排出領域23を有効または無効に制御する論理パルスESR(j)のための配線48を有する。つまり、第2実施形態の距離画像取得装置1Aのように、電荷読出領域22~22を制御する論理パルスESR(j)の反転信号のための配線を有しない。従って、回路構成を簡易にすることができる。
[第6実施形態]
 次に、第6実施形態にかかる距離画像取得装置1Eが有する距離画像センサ10Eの構成について、第3実施形態との相違点を中心に説明する。
 図21は、距離画像センサ10Eの概略構成を示すブロック図である。距離画像センサ10Eは、いわゆる貫通電流を低減するための素子構造を有する。図21に示す距離画像センサ10Eは、第3実施形態にかかる距離画像センサ10Bと比較して、画素回路13Eが有する制御回路の構成が異なる。
 周辺回路31Eは、分配回路33Eとインバータ回路ユニット38Eと画素切替回路34Eとを有する。分配回路33Eの構成及び機能は、第3実施形態の分配回路33Bの構成及び機能と同じである。同様に、インバータ回路ユニット38Eの構成及び機能は、第3実施形態のインバータ回路ユニット38Bの構成及び機能と同じである。一方、画素切替回路34Eは、論理パルスESR(j)のみを出力し、論理パルスESR(j)の反転信号を出力しない点で、第3実施形態の画素切替回路34Bと相違する。
 画素回路群15Eを構成する各画素回路13E~13E内には、NAND型ドライバ回路41B~41Bに代えて、NAND型ドライバ回路41E~41Eが設けられる。NAND型ドライバ回路41E~41Eは、それぞれn型MOSトランジスタ45~45を含む。つまり、画素回路13E~13Eに設けられる制御回路は、p型MOSトランジスタ43~43が設けられていない点で、NAND型ドライバ回路41B~41Bと相違する。一方、画素回路13Eに設けられるNAND型ドライバ回路41Eの構成及び機能は、NAND型ドライバ回路41Bの構成及び機能と同じである。
[第6実施形態/作用効果]
 第6実施形態の距離画像取得装置1Eも、第3実施形態の距離画像取得装置1Bと同様の効果を奏することができる。つまり、距離画像センサ10Eは、オーバーサンプリング及び積算によって、測定対象物が高速移動する場合であっても良好な計測結果を得ることができる。
 第6実施形態の距離画像取得装置1Eは、第3実施形態の距離画像取得装置1Bと同様に、所定の行に含まれる画素回路13E~13Eを一括して有感ピクセル領域AEに設定することが可能である。さらに、所定の行に含まれない画素回路13E~13Eを一括して、不感ピクセル領域ANに設定することが可能である。従って、第6実施形態の距離画像取得装置1Eも、オーバーサンプリング及び積算動作をさせることができる。
 第6実施形態の距離画像取得装置1Eも、第3実施形態の距離画像取得装置1Bと同様に、第1~第5の制御電極ドライバ回路により制御パルスG1p~G4p,G1n~G4n,GDp,GDnが中継される構成と、第1~第5の制御電極ドライバ回路のそれぞれを、制御電極25~25,25の数と同一数の画素回路13E~13Eを有する画素回路群15Eで共用する構成と、により、ピクセルサイズを小さく保ちつつ転送制御パルスG1out~G4out,GDoutの波形のなまりを低減できる。
 第6実施形態の距離画像取得装置1Eも、第3実施形態の距離画像取得装置1Bと同様に、分配回路33Eと第1~第5の制御電極ドライバ回路とのそれぞれを電気的に接続する複数の配線47a~47a,47b~47bを分離して配置する構成により、異なる制御パルスG1p~G4p,G1n~G4n,GDp,GDnの間のクロストークを防止して安定したピクセルの駆動が実現できる。結果として距離分解能の高い距離画像の生成が可能となる。
 第6実施形態の距離画像取得装置1Eも、第2実施形態の距離画像取得装置1Aと同様に、各インバータ回路41E~41E及びNAND型ドライバ回路41Eをオン期間が重複しないような制御パルスを供給する回路構成を有する。つまり、配線47a~47a,47b~47bを有する。インバータ回路41E~41E及びNAND型ドライバ回路41Eを有する第1~第5の制御電極ドライバ回路における貫通電流が確実に防止でき、高速なピクセルの駆動が可能となる。
 さらに、第6実施形態の距離画像取得装置1Eは、第2実施形態の距離画像取得装置1Aとは異なる以下のような効果を奏することもできる。
 第6実施形態の距離画像取得装置1Eによれば、第3実施形態の距離画像取得装置1Bと同様の効果を奏することができる。要するに、第6実施形態の距離画像取得装置1Eは、周辺回路31Eにインバータ回路あるいはNAND型ドライバ回路を構成する一方のp型MOSトランジスタを有する。さらに、距離画像取得装置1Eは、画素回路13E~13E内にインバータ回路あるいはNAND型ドライバ回路を構成する他方のn型MOSトランジスタを有する。このような構成により、画素回路13E内のトランジスタ数を低減される。その結果、ピクセルサイズを小さく保つことができると共に、高速なピクセルの駆動が可能となる。
[第7実施形態]
 次に、第7実施形態の距離画像取得装置1Fについて説明する。第1実施形態の距離画像取得装置1は、測定対象領域Aの全幅をカバーするようにパルス光Lを照射した。一方、図22に示すように第7実施形態の距離画像取得装置1Fは、測定対象領域Aの幅方向における一部にパルス光Lを照射する。
 上述した第1実施形態の距離画像取得装置1は、図10等に示すように行ごとに有感ピクセル領域AEと不感ピクセル領域ANとを切り替えた。第7実施形態の距離画像取得装置1Fは、行ごとに画素回路13Fの動作を有感又は不感に設定する動作に加えて、さらに、列ブロックごとに有感又は不感に設定する動作を行う。これらの動作によると、図23に示すように、画素アレイ14Fにおいて特定の領域を有感ピクセル領域AEに設定し、その他の領域を不感ピクセル領域ANに設定することができる。そして、有感ピクセル領域AEは、図23における左から右に順に列ブロックごとに移動したのちに、次の行へ移動する。
 距離画像センサ10Fは、画素アレイ14Fと、演算回路12と、周辺回路31Fと、を有する。周辺回路31Fは、分配回路33Fと、画素切替回路(列)54Fと、論理演算回路55Fと、画素切替回路(行)56Fと、を有する。
 図24は、距離画像センサ10Fの具体的な回路構成を示す図である。距離画像センサ10Fは、4個の電荷読出領域22~22を有する画素回路13Fを有し、画素回路13Fの有感/不感を切り替える周辺回路31Fを有する。特に周辺回路31Fは、行ごとではなく、ブロック単位で画素回路13Fの有感/不感を切り替える。
 分配回路33Fは、第1実施形態の分配回路33と同様の構成と機能とを有する。分配回路33Fは、演算回路12から制御パルスG~G4,を受ける。分配回路33Fは、論理演算回路55Fの論理演算ユニット57Fごとに制御パルスG~G4,を提供する。
 画素切替回路(列)54Fの入力は、演算回路12に接続されている。画素切替回路(列)54Fは、演算回路12から制御パルスSPIN,SLCK,SENB,SDENBを受ける。画素切替回路(列)54Fの出力は、論理演算回路55Fに接続されている。画素切替回路(列)54Fは、論理演算回路55Fに論理パルス(列)ESC(i-4:i)を提供する。
 論理演算回路55Fの入力は、分配回路33F及び画素切替回路(列)54Fに接続されている。論理演算回路55Fは、分配回路33Fから論理演算ユニット57Fごとに制御パルスG~G,Gを受ける。論理演算回路55Fは、画素切替回路(列)54Fから論理演算ユニット57Fごとに論理パルス(列)ESC(i-4:i)を受ける。ある論理演算回路55Fは、例えば、制御パルスG~G,G及び論理パルス(列)ESC(i-4:i)の論理演算を行う。その論理演算の結果、論理演算回路55Fは、制御パルス(列)G1(i-4:i)~G4(i-4:i),GD(i-4:i)の反転信号を出力する。論理演算回路55Fの出力は、画素アレイ14Fに接続されている。論理演算回路55Fは、画素アレイ14Fの列ごとに制御パルスG1(i-4:i)~G4(i-4:i),GD(i-4:i)の反転信号を提供する。
 論理演算回路55Fの回路構成についてさらに詳細に説明する。
 論理演算回路55Fは、インバータ回路35~35と、ANDゲート58~58と、インバータ回路59と、ORゲート58と、を有する。5個のインバータ回路35~35、4個のANDゲート58~58、1個のインバータ回路59及び1個のORゲート58は、一組の論理演算ユニット57Fを構成する。ひとつの論理演算ユニット57Fは、ひとつの画素回路群15Fに対応する。
 ANDゲート58~58の入力は、分配回路33Fと画素切替回路(列)54Fとに接続される。ANDゲート58~58の第1の入力は、分配回路33Fから制御パルスG~Gを受ける。ANDゲート58~58の第2の入力は、画素切替回路(列)54Fから論理パルス(列)ESC(i-4:i)を受ける。つまり、ANDゲート58~58の第2の入力は、互いに接続されている。ANDゲート58~58の出力は、インバータ回路35~35に接続される。ANDゲート58~58は、インバータ回路35~35に制御パルスG1(i-4:i)~G4(i-4:i)を提供する。
 インバータ回路59の入力は、画素切替回路(列)54Fに接続される。つまり、インバータ回路59の入力は、ANDゲート58~58の第2の入力と共通である。インバータ回路59は画素切替回路(列)54Fから論理パルス(列)ESC(i-4:i)を受ける。インバータ回路59の出力は、ORゲート58に接続されている。インバータ回路59は、ORゲート58に論理パルス(列)ESC(i-4:i)の反転信号を提供する。
 ORゲート58の入力は、分配回路33Fとインバータ回路59とに接続される。ORゲート58の第1の入力は、分配回路33Fから制御パルスGを受ける。ORゲート58の第2の入力は、インバータ回路59から論理パルス(列)ESC(i-4:i)の反転信号を受ける。ORゲート58の出力は、インバータ回路35に接続される。ORゲート58は、制御パルスGと論理パルス(列)ESC(i-4:i)の反転信号との論理和信号である制御パルスGD(i-4:i)をインバータ回路35に提供する。
 上記の分配回路33F、画素切替回路(列)54F及び論理演算回路55Fによれば、論理演算ユニット57Fごとに互いに異なる論理パルスESC(i-4:i)を提供することができる。
 画素切替回路(行)56Fの入力は、演算回路12に接続される。画素切替回路(行)56Fは、演算回路12から制御パルスSPIN,SLCK,SENB,SDENBを受ける。画素切替回路(行)56Fは、制御パルスSPIN,SLCK,SENB,SDENBを利用して論理パルス(行)ESR(j)を生成する。画素切替回路(行)56Fの出力は、画素アレイ14Fに接続される。画素切替回路(行)56Fは、画素アレイ14Fの第j行に論理パルス(行)ESR(j)を提供する。
 上記の画素切替回路(行)56Fによれば、ひとつの行ごと、または複数の行ごとに互いに異なる論理パルス(行)ESR(j)を提供することができる。
 その結果、画素回路13Fの有感/不感は、基本的に画素切替回路(行)56Fの論理パルス(行)ESR(j)によって切り替えられる。例えば、ある画素回路13Fに、画素回路13Fを有感とする制御パルスG1(i-4:i)が入力されても、画素回路13Fを不感とする論理パルス(行)ESR(j)入力されれば、その画素回路13Fは不感である。この関係によれば、図23に示すように画素アレイ14Fの一部の領域だけ有感ピクセル領域AEとし、その他の領域を不感ピクセル領域ANとすることができる。つまり、画素回路13Fを有感とする制御パルスG1(i-4:i)~G4(i-4:i)(つまり論理パルス(列)ESC(i-4:i))と、画素回路13Fを有感とする論理パルス(行)ESR(j)と、が入力された画素回路13Fのみが有感となる。
[第7実施形態/作用効果]
 第7実施形態の距離画像取得装置1Fも、第1実施形態の距離画像取得装置1と同様の効果を奏することができる。つまり、距離画像取得装置1Fは、オーバーサンプリング及び積算によって、測定対象物が高速移動する場合であっても良好な計測結果を得ることができる。
 第7実施形態の距離画像取得装置1Fは、第1実施形態の距離画像取得装置1と同様に、所定の行に含まれる画素回路13Fを一括して有感ピクセル領域AEに設定することが可能である。さらに、所定の行に含まれない画素回路13Fを一括して、不感ピクセル領域ANに設定することが可能である。従って、第7実施形態の距離画像取得装置1Fも、オーバーサンプリング及び積算動作をさせることができる。
 第7実施形態の距離画像取得装置1Fも、第1実施形態の距離画像取得装置1と同様に、第1~第5の制御電極ドライバ回路により制御パルスG~G,Gが中継される構成と、第1~第5の制御電極ドライバ回路のそれぞれを、制御電極25~25,25の数と同一数の画素回路13Fを有する画素回路群15Fで共用する構成と、により、ピクセルサイズを小さく保ちつつ転送制御パルスG1out(i-4:i)~G4out(i-4:i),GDout(i-4:i)の反転信号の波形のなまりを低減できる。
 さらに、第7実施形態の距離画像取得装置1Fは、第1実施形態の距離画像取得装置1とは異なる以下のような効果を奏することもできる。
 第7実施形態の距離画像取得装置1Fにおいて、光源制御部12aは、第j行目に含まれる画素回路13Fの一部が有感ピクセル領域AEに含まれるように、光源11からパルス光Lを出射させる動作と、第j行目に含まれる画素回路13Fの一部に対して、光電変換領域21から電荷読出領域22~22への電荷の移動を許可するように画素回路13Fを動作させる制御パルスを画素アレイ14Fに提供する動作と、有感ピクセル領域AEに含まれない不感ピクセル領域ANに含まれる画素回路13Fのすべてに対して光電変換領域21から電荷排出領域23への電荷の移動を許可するように画素回路13Fを動作させる制御パルスを画素アレイ14Fに提供する動作と、を行う。この動作によれば、画素アレイ14Fに含まれる所望の領域を有感ピクセル領域AEとすることが可能になる。従って、画素アレイ14Fにおける有感ピクセル領域AEをより緻密に設定することができる。
[第8実施形態]
 次に、第8実施形態の距離画像取得装置1Gが有する距離画像センサ10Gの構成について、第1実施形態との相違点を中心に説明する。距離画像センサ10Gは、ドレインの制御によって画素回路13Gの有感/不感を制御する画素構成と画素制御を採用する。距離画像センサ10Gは、転送制御パルスG1out(j)~G3out(j),GDout(j)を水平方向から提供する方式を採用する。距離画像センサ10Gは、周辺に配置された行選択部が行う有感/不感を操作するための信号に基づくゲーティングによって、動作する。
 図25は、距離画像センサ10Gの概略構成を示すブロック図である。距離画像センサ10Gは、第1実施形態にかかる距離画像センサ10と比較して、周辺回路31Gの構成が異なる。また、距離画像センサ10Gは、距離画像センサ10と比較して、画素回路13Gの素子構成及び回路構成が異なる。例えば、画素回路13は、4個の制御電極25~25と、4個の電荷読出領域22~22を有していた。つまり、画素回路13は、いわゆる4タップ型の構成であった。一方、画素回路13Gは、3個の制御電極25~25と、3個の電荷読出領域22T~22Tと、有する。つまり、画素回路13Gは、いわゆる3タップ型の構成である。
 画素回路13Gは、光電変換領域21と、電荷読出領域22T~22Tと、電荷排出領域23Tと、電圧検出手段26T~26Tと、制御電極25~25,25と、を有する。
 図26は、画素回路13Gと周辺回路31Gとの接続構成を示す図である。距離画像センサ10Gは、複数の画素回路13Gと、周辺回路31Gと、配線部74Gと、を有する。画素回路13Gは、信号電荷処理領域17Tを有する。画素回路13Gは、画素回路13が有するNOR型ドライバ回路41~41に相当する構成を有しない。また、画素回路13Gは、画素回路13が有するNAND型ドライバ回路41に相当する構成要素も有しない。
 配線部74Gは、周辺回路31Gを画素回路13Gに接続する。配線部74Gは、横方向に延びる複数の配線74~74を有する。配線74は、周辺回路31Gを画素回路13Gの制御電極25に接続する。配線74は、周辺回路31Gを画素回路13Gの制御電極25に接続する。配線74は、周辺回路31Gを画素回路13Gの制御電極25に接続する。配線74は、周辺回路31Gを画素回路13Gの制御電極25に接続する。
 配線74~74は、画素アレイ14Gの幅全体にわたって延びている。配線74~74のそれぞれには、複数の支線が接続される。例えば、画素アレイ14Gが幅方向においてY個の画素回路13Gを有する場合には、配線74にはY本の支線が接続される。これらの支線の一端は、配線74~74に接続される。支線の他端は、制御電極25~25,25に接続される。
 この構成によれば、第j行に含まれる画素回路13Gのすべてを一括して制御することができる。ここでいう制御とは、画素回路13Gの有感及び不感を切り替える制御である。例えば、第j行の画素回路13Gのすべてを有感に設定する場合には、配線74を介して制御電極25に転送制御パルスGDout(j)<L>を提供する。また、第j行の画素回路13Gのすべてを不感に設定する場合には、配線74を介して制御電極25に転送制御パルスGDout(j)<H>を提供する。
 図27は、周辺回路31Gの回路構成を示す図である。周辺回路31Gは、駆動回路34Gを含む。駆動回路34Gの入力は、演算回路12に接続される。駆動回路34Gの入力は、演算回路12から制御パルスSPIN,SLCK,SENB,SDENB及び制御パルスG,G,G,Gを受ける。駆動回路34Gは、制御パルスSPIN,SLCK,SENB,SDENB及び制御パルスG,G,G,Gに基づいて、転送制御パルスG1out(j)~G3out(j),GDout(j)を生成する。駆動回路34Gの出力は、配線部74Gを介して画素回路13Gに接続される。駆動回路34Gの出力は、画素回路13Gに転送制御パルスG1out(j)~G3out(j)と転送制御パルスGDout(j)を提供する。
 駆動回路34Gは、行スキャンパターン発生回路42Gと、論理演算回路44Gと、を有する。行スキャンパターン発生回路42Gは、配線部72Gを介して演算回路12に接続される。行スキャンパターン発生回路42Gは、演算回路12から制御パルスSPIN,SLCK,SENB,SDENBを受ける。行スキャンパターン発生回路42Gは、制御パルスSPIN,SLCK,SENB,SDENBに基づいて、論理パルスESR(j)を生成する。
 図28は、行スキャンパターン発生回路42Gの回路図である。行スキャンパターン発生回路42Gは、制御パルスSPIN,SLCK,SENB,SDENBに基づいて論理パルスEを生成する。行スキャンパターン発生回路42Gは、論理パルスESR(1)~ESR(N)を生成可能な回路構成であればよく、図28に示す回路構成に限定されない。
 行スキャンパターン発生回路42Gは、複数のDフリップフロップ88~88,89~89と、ORゲート90~90と、を有する。Dフリップフロップ88の入力(D)は、演算回路12に接続される。Dフリップフロップ88の入力(D)は、制御パルスSPINを受ける。Dフリップフロップ88~88の入力(D)は、Dフリップフロップ88~88N-1の出力(Q)に接続される。Dフリップフロップ88~88の別の入力は、制御パルスSLCKを受ける。Dフリップフロップ88~88の出力(Q)は、制御パルスQ~Qを出力する。Dフリップフロップ88~88N-1の出力(Q)は、Dフリップフロップ88~88の入力(D)に接続される。また、Dフリップフロップ88~88の出力(Q)は、Dフリップフロップ89~89の入力(D)に接続される。Dフリップフロップ89~89の入力(D)は、Dフリップフロップ88~88の出力(Q)に接続される。Dフリップフロップ89~89の入力(D)は、制御パルスQ~Qを受ける。Dフリップフロップ89~89の入力(CK)は、制御パルスSENBを受ける。Dフリップフロップ89~89の出力(Q)は、ORゲート90~90の入力に接続される。ORゲート90~90の入力は、制御パルスQ~Q,SDENBを受ける。ORゲート90~90の出力は、論理パルスESR(1)~ESR(N)を出力する。
 図29は、行スキャンパターン発生回路42Gの動作例を示すタイミングチャートである。図29に示すタイミングチャートは、行スキャンパターン発生回路42Gの動作の一例を示すものである。図29に示すタイミングチャートは、2行づつ走査する論理パルスESR(j)出力する。図29では、6行目までの画素アレイ14Gに対応するチャートを示す。
 まず、タイミングTにおいて、Dフリップフロップ88は、制御パルスSPIN<H>を受ける。
 次に、タイミングT2において、Dフリップフロップ88~88は、制御パルスSLCK<H>を受ける。その結果、Dフリップフロップ88は、制御パルスQ<H>を出力する。Dフリップフロップ88~88は、制御パルスQ<L>~Q<L>を出力する。その後、Dフリップフロップ88~88は、制御パルスSLCK<L>を受ける。
 次に、タイミングT3において、Dフリップフロップ88は、制御パルスSPIN<L>を受ける。また、Dフリップフロップ88~88は、再び、制御パルスSLCK<H>を受ける。その結果、Dフリップフロップ88,88は、制御パルスQ<H>,Q<H>を出力する。Dフリップフロップ88~88は、制御パルスQ<L>~Q<L>を出力する。所定期間の経過後、Dフリップフロップ88~88は、制御パルスSLCK<L>を受ける。
 次に、タイミングT4において、Dフリップフロップ89~89は、制御パルスSENB<H>を受ける。その結果、ORゲート90,90は、論理パルスESR(1)<H>,ESR(2)<H>を出力する。ORゲート90~90は、論理パルスESR(3)<L>~ESR(N)<L>を出力する。これらの論理パルスESR(1)~ESR(N)が出力されるとき、1行目(j=1)と2行目(j=2)の画素回路13Gは、有感状態である。一方、その他の行(j=3~N)の画素回路13Gは、不感状態である。所定期間の後に、Dフリップフロップ89~89は、制御パルスSENB<L>を受ける。
 次に、タイミングT5において、Dフリップフロップ88~88は、制御パルスSENB<L>を受ける。Dフリップフロップ88,88は、制御パルスQ<H>,Q<H>を出力し続ける。一方、Dフリップフロップ88~88は、制御パルスQ<L>~Q<L>を出力し続ける。
 次に、タイミングT6において、Dフリップフロップ88~88は、再び、制御パルスSLCK<H>を受ける。その結果、Dフリップフロップ88,88は、制御パルスQ<H>,Q<H>を出力する。一方、Dフリップフロップ88,88~88は、制御パルスQ<L>,Q<L>~Q<L>を出力する。所定期間の経過後、Dフリップフロップ88~88は、制御パルスSLCK<L>を受ける。
 次に、タイミングT7において、Dフリップフロップ88~88は、再び、制御パルスSLCK<H>を受ける。その結果、Dフリップフロップ88,88は、制御パルスQ<H>,Q<H>を出力する。一方、Dフリップフロップ88,88,88~88は、制御パルスQ<L>,Q<L>,Q<L>~Q<L>を出力する。所定期間の経過後、Dフリップフロップ88~88は、制御パルスSLCK<L>を受ける。
 次に、タイミングT8において、Dフリップフロップ89~89は、制御パルスSENB<H>を受ける。その結果、ORゲート90,90は、論理パルスESR(3)<H>,ESR(4)<H>を出力する。ORゲート90,90,90~90は、論理パルスESR(1)<L>,ESR(2)<L>,ESR(5)<L>~ESR(N)<L>を出力する。これらの論理パルスESR(1)~ESR(N)が出力されるとき、1行目(j=1)と2行目(j=2)の画素回路13Gは、有感状態から不感状態に切り替わる。3行目(j=3)と4行目(j=4)の画素回路13Gは、不感状態から有感状態に切り替わる。その他の行(j=1,2,5~N)の画素回路13Gは、不感状態を継続する。所定期間の後に、Dフリップフロップ89~89は、制御パルスSENB<L>を受ける。
 以下、同様の動作を繰り返す。そうすると、行スキャンパターン発生回路42Gは、j行及びj+1行に含まれる画素回路13Gを有感とする論理パルスESR(j)<H>,ESR(j+1)<H>を出力する。また、行スキャンパターン発生回路42Gは、その他の行(1~j-1,j+2~N)を不感とする論理パルスESR(1)~ESR(j-1),SR(j+2)~ESR(N)を出力する。
 上記のタイミングチャートは、2行づつ走査する場合の例示であった。行スキャンパターン発生回路42Gは、制御パルスSPIN,SLCK,SENBを変更することにより、所望の行数ごとに走査する論理パルスESR(j)を出力可能である。具体的には、n行づつ走査する場合には、n個のクロックパルスを有する制御パルスSLCKと、n個のクロック分のパルス幅を有する制御パルスSPINを行スキャンパターン発生回路42Gに入力すればよい。
 再び図27を参照する。論理演算回路44Gの入力は、配線部73Gを介して演算回路12に接続される。論理演算回路44Gの別の入力は、行スキャンパターン発生回路42Gにも接続される。論理演算回路44Gの出力は、配線部74Gを介して複数の画素回路13Gに接続される。論理演算回路44Gは、演算回路12から制御パルスG~G,Gを受けると共に、行スキャンパターン発生回路42Gから論理パルスESR(j)を受ける。論理演算回路44Gは、制御パルスG~G,G及び論理パルスESR(j)に基づいて、転送制御パルスG1out(j)~G3out(j),GDout(j)を生成する。論理演算回路44Gは、画素回路13Gに転送制御パルスG1out(j)~G3out(j),GDout(j)を提供する。
 論理演算回路44Gは、制御パルスG~G,Gと論理パルスESR(j)との論理演算を行う。論理演算の結果、転送制御パルスG1out(j)~G3out(j),GDout(j)が生成される。
 論理演算回路44Gは、ANDゲート84~84と、バッファ回路85~85,85と、インバータ回路86と、ORゲート87と、を有する。バッファ回路85~85,85は、第j行目に含まれる画素回路13Gに提供する転送制御パルスG1out(j)~G3out(j),GDout(j)を出力する。論理演算回路44Gは、ANDゲート84~84,84、バッファ回路85~85,85、インバータ回路86及びORゲート87の組を画素回路13Gの行の数だけ有する。
 ANDゲート84~84の入力には、演算回路12及び行スキャンパターン発生回路42Gが接続される。ANDゲート84~84は、配線部73Gから制御パルスG~Gを受けると共に、行スキャンパターン発生回路42Gから論理パルスESR(j)を受ける。
 ANDゲート84~84の出力は、バッファ回路85~85に接続される。ANDゲート84~84は、制御パルスG~G及び論理パルスESR(j)に基づいて生成した制御パルスG1(j)~G3(j)を出力する。
 バッファ回路85~85の入力は、ANDゲート84~84の出力に接続される。バッファ回路85~85の出力は、配線74~74に接続される。バッファ回路85~85は、制御パルスG1(j)~G3(j)を整形して転送制御パルスG1out(i)~G3out(i)として配線74~74に出力する。
 インバータ回路86の入力は、行スキャンパターン発生回路42Gに接続される。インバータ回路86は、行スキャンパターン発生回路42Gから論理パルスESR(j)を受ける。インバータ回路86の出力は、ORゲート87の入力に接続される。インバータ回路86は、ORゲート87の入力に論理パルスESR(j)の反転信号を提供する。ORゲート87の入力には、インバータ回路86の出力と、配線73Gとが接続される。ORゲート87は、インバータ回路86から論理パルスESR(j)の反転信号を受けると共に配線73Gから制御パルスGを受ける。ORゲート87の出力には、バッファ回路85が接続される。
 ORゲート87は、バッファ回路85に制御パルスGD(j)を提供する。バッファ回路85の入力には、ORゲート87の出力が接続される。バッファ回路85は、ORゲート87から制御パルスGD(j)を受ける。バッファ回路85の出力は、配線74に接続される。バッファ回路85は、制御パルスGD(j)を整形して転送制御パルスGDout(i)として配線74に出力する。
[第8実施形態/素子構成]
 図30は、画素回路13Gの構成を示す。画素回路13Gは、光電変換領域21と、読出回路80T~80Tと、を有する。光電変換領域21は、光を受けて電荷を発生させる。読出回路80T~80Tは、配線部75を介して当該電荷に対応する電圧VO1~VO3を演算回路12に出力する。
 光電変換領域21は、フォトダイオードPDと、電荷転送部52Tと、を有する。光電変換領域21は、本件発明者らが開発したラテラル電界制御電荷変調素子(LEFM : Lateral Electric Field control charge Modulator)の原理に基づく構造を有する。ラテラル電界制御電荷変調素子は、電荷輸送路の電界制御を、その側面に設けた複数のゲートによる横方向電界により行い、高速な電子の輸送制御を行う。
 フォトダイオードPDは、開口部APを介して受けた光に応じた電荷を発生させる。当該電荷は、電荷転送部52Tに提供される。フォトダイオードPDは、例えば870ナノメートルの波長を有する光に応じて電荷を生成する。なお、フォトダイオードPDは、検出の対象となる波長の光に対応して電荷を生成できればよい。
 電荷転送部52Tは、フォトダイオードPDから提供された電荷を受ける。電荷転送部52Tは、読出回路80T~80Tのいずれかひとつに選択的に電荷を提供する。電荷転送部52Tは、半導体領域65a,65b,65cと、電荷排出領域23Tと、電荷読出領域22T~22Tと、制御電極25~25,25Da,25Dbと、を有する。
 半導体領域65a,65b,65cは、フォトダイオードPDにおいて生じた電荷を収集する。半導体領域65a,65b,65cは、電荷排出領域23T及び電荷読出領域22T~22Tのいずれかに電荷を輸送する電荷移動経路101を構成する。
 電荷排出領域23Tは、光電変換領域21から電荷読出領域22T~22Tへ向かう電荷の電荷移動経路101に配置される。電荷排出領域23Tは、制御電極25Da及び電荷排出領域23Tと、制御電極25Db及び電荷排出領域23Tと、を有する。一対の制御電極25Da,25Dbは、電荷移動経路101を挟むように配置される。換言すると、制御電極25Daと、制御電極25Dbとの間には、電荷移動経路101が存在する。電荷排出領域23Tは、制御電極25Daに接するように配置される。電荷排出領域23Tは、制御電極25Dbに接するように配置される。このような制御電極25Da,25Dbの配置によれば、制御電極25Da,25Dbに与える電圧(転送制御パルスGDout(j))に応じて、電荷移動経路101における電位分布を制御できる。
 図31は、図30に示す電荷移動経路101を含む一点鎖線CL31における電位分布を示す。縦軸は電荷移動経路101上の位置を示す。横軸は、電位を示す。さらに、グラフC31aは、図30におけるフォトダイオードPDの領域に対応する。グラフC31b,C31cは、図30における制御電極25Da,25Dbに挟まれた領域と、その下流側の領域とに対応する。グラフC31dは、制御電極25及び電荷読出領域22Tに対応する。
 図30に示すように、電荷が発生するフォトダイオードPDから電荷読出領域22T~22Tに至る電荷の移動経路上には、ドレイン領域(制御電極25Da,25Db)に挟まれた領域が存在する。そして、ドレイン領域に挟まれた領域における電位は、制御電極25Da,25Dbに提供される転送制御パルスGDout(j)によって制御される。
 例えば、制御電極25Da,25Dbに転送制御パルスGDout(j)<H>が提供されたとき、電位はグラフC31bに示すものとなる。この場合には、電荷は、フォトダイオードPD(グラフC31a)から電荷読出領域22T~22Tに向かって移動する途中で、ドレイン領域に挟まれた領域(グラフC31b)に捉えられ、さらに、電荷排出領域23T,23Tに排出される。つまり、電荷は、フォトダイオードPDから電荷読出領域22T~22Tに到達できない。グラフC33bに示す電位の分布を、電位の窪みと呼ぶこともある。画素回路13Gがこのような電位分布を有するとき、画素回路13Gは不感である。
 これに対して、制御電極25Da,25Dbに転送制御パルスGDout(j)<L>が提供されたとき、電位はグラフC31cに示すものとなる。この場合には、電荷は、フォトダイオードPD(グラフC31a)から電荷読出領域22T~22Tに向かって移動する途中で、ドレイン領域に挟まれた領域(グラフC31b)に捉えられることがない。つまり、電荷は、フォトダイオードPDから電荷読出領域22T~22Tに到達できる。画素回路13Gがこのような電位分布を有するとき、画素回路13Gは有感であるといえる。
 つまり、画素回路13Gの有感/不感は、制御電極25~25に提供される転送制御パルスG1out(j)~G3out(j)によって制御されない。画素回路13Gの有感/不感は、制御電極25Da,25Dbに提供される転送制御パルスGDout(j)によって決まる。例えば、制御電極25に電荷を転送させる転送制御パルスG1out(j)<H>が提供されていても、制御電極25Da,25Dbに電荷を転送させる転送制御パルスGDout(j)<H>が提供されている場合には、その画素回路13Gは不感である。なぜならば、電荷排出領域23Tが光電変換領域21と電荷読出領域22Tとの間に設けられているからである。これらの配置によれば、制御電極25Da,25Dbに電荷を転送させる転送制御パルスGDout(j)<H>が提供されている場合には、光電変換領域21において生成した電荷は、電荷読出領域22Tに到達する前に、電荷排出領域23Tに捉えられる。
 制御電極25Da,25Dbには、配線74が接続される。制御電極25Da,25Dbは、配線74から転送制御パルスGDout(j)を受ける。制御電極25Da,25Dbは、転送制御パルスGDout(j)に応じて、半導体領域65b,65cから電荷排出領域23Tへの電荷の許可と禁止とを切り替える。制御電極25Da,25Dbが転送制御パルスGDout(j)<H>を受けたとき、半導体領域65b,65cから電荷排出領域23T,23Tへの電荷の転送が許可される。制御電極25Da,25Dbが転送制御パルスGDout(j)<L>を受けたとき、半導体領域65b,65cから電荷排出領域23T,23Tへの電荷の転送が禁止される。
 電荷排出領域23Tは、ハイ電位線VDHに接続される。フォトダイオードPDが光を受けている期間は、電荷が発生し続ける。一方、電荷読出領域22T~22Tにおいて、電荷に対する所定の処理が行われている間には、電荷読出領域22T~22Tへの電荷の転送が禁止される。そこで、電荷読出領域22T~22Tへの電荷の転送が禁止される期間に発生した電荷を、電荷排出領域23Tが受け入れる。換言すると、電荷排出領域23Tが電荷を受け入れている期間は、電荷読出領域22T~22Tに電荷が蓄積されない。
 電荷読出領域22T~22Tは、制御電極25~25を介して半導体領域65cに接続される。制御電極25~25は、配線74~74にそれぞれ接続される。制御電極25~25は、配線74~74から転送制御パルスG1out(j)~G3out(j)を受ける。制御電極25~25は、転送制御パルスG1out(j)~G3out(j)に応じて、半導体領域65cから電荷読出領域22T~22Tのいずれかひとつへ電荷を転送する。
 例えば、制御電極25が転送制御パルスG1out(j)<H>を受けると共に、制御電極25,25が転送制御パルスG2out(j)<L>,G3out(j)<L>を受けたとき、半導体領域65cから電荷読出領域22Tへ電荷が転送される。制御電極25が転送制御パルスG2out(j)<H>を受けると共に、制御電極25,25が転送制御パルスG1out(j)<L>,G3out(j)<L>を受けたとき、半導体領域65cから電荷読出領域22Tへ電荷が転送される。制御電極25が転送制御パルスG3out(j)<H>を受けると共に、制御電極25,25が転送制御パルスG1out(j)<L>,G2out(j)<L>を受けたとき、半導体領域65cから電荷読出領域22Tへ電荷が転送される。
 電荷読出領域22T~22Tは、読出回路80T~80Tにそれぞれ接続される。読出回路80T~80Tの入力は、電荷読出領域22T~22Tにそれぞれ接続される。読出回路80T~80Tの出力は、配線75~75にそれぞれ接続される。一方、読出回路80T~80Tの回路構成は、互いに共通である。以下、読出回路80Tの回路構成について詳細に説明し、読出回路80T,80Tの説明は省略する。
 読出回路80Tは、キャパシタ91と、MOSトランジスタ92と、電圧検出手段26Tと、を有する。
 キャパシタ91の一端は、電荷読出領域22Tに接続される。キャパシタ91の他端は、基準電位線に接続される。
 MOSトランジスタ92は、読出動作後に電荷読出領域22Tに残留する電荷を排出する。MOSトランジスタ92は、いわゆる電荷読出領域22Tをリセットするためのものである。MOSトランジスタ92のソースは、電荷読出領域22Tに接続される。MOSトランジスタ92のゲートは、図示しない配線を介してリセットパルスRTを受ける。MOSトランジスタ92のドレインは、リセット電位線VDRに接続される。
 電圧検出手段26Tは、MOSトランジスタ93,94を有する。MOSトランジスタ93,94は、いわゆるソースフォロワアンプを構成する。MOSトランジスタ93は、電荷読出領域22Tに蓄積された電荷に対応する電圧を出力する。MOSトランジスタ93のソースは、MOSトランジスタ94のドレインに接続される。MOSトランジスタ93のゲートは、電荷読出領域22Tに接続される。MOSトランジスタ93のドレインは、リセット電位線VDRに接続される。MOSトランジスタ94は、配線75へのMOS電圧の提供と停止と読出制御パルスSLに応じて切り替える。MOSトランジスタ94のソースは、配線75に接続される。MOSトランジスタ94のゲートは、図示しない配線を介して読出制御パルスSLを受ける。MOSトランジスタ94のドレインは、MOSトランジスタ93のソースに接続される。
[第8実施形態/作用効果]
 第8実施形態の距離画像取得装置1Gも、第1実施形態の距離画像取得装置1と同様の効果を奏することができる。つまり、距離画像取得装置1Gは、オーバーサンプリング及び積算によって、測定対象物が高速移動する場合であっても良好な計測結果を得ることができる。
 第8実施形態の距離画像取得装置1Gは、第1実施形態の距離画像取得装置1と同様に、所定の行に含まれる画素回路13Gを一括して有感ピクセル領域AEに設定することが可能である。さらに、所定の行に含まれない画素回路13Gを一括して、不感ピクセル領域ANに設定することが可能である。従って、第8実施形態の距離画像取得装置1Gも、オーバーサンプリング及び積算動作をさせることができる。
[第9実施形態]
 次に、第9実施形態の距離画像取得装置1H(図32参照)が有する距離画像センサ10Hの構成について、第1実施形態との相違点を中心に説明する。距離画像センサ10Hも、第8実施形態の距離画像センサ10Gと同様に、ドレインの制御によって画素回路13Hの有感/不感を制御する画素構成と画素制御を採用する。つまり、距離画像センサ10Hは、ドレインゲート(制御電極25Da,25Db)の駆動のみによって有感/不感を制御できる。また、距離画像センサ10Hは、画素回路13Hの内部にドライバ回路を含まない。しかし、距離画像センサ10Hは、距離画像センサ10Gとは異なる画素構成を採用する。距離画像センサ10Hは、転送制御パルスGDout(j)のみを水平方向から与える。
 図32は、画素回路13Hと周辺回路31Hとの接続構成を示す図である。距離画像センサ10Hは、第1実施形態にかかる距離画像センサ10と比較して、周辺回路31Hの構成が異なる。また、距離画像センサ10Hは、距離画像センサ10と比較して、画素回路13Hの素子構成及び回路構成が異なる。画素回路13Hは、第8実施形態の画素回路13Gと同様のいわゆる3タップ型の構成である。
 距離画像センサ10Hは、複数の画素回路13Hと、周辺回路31Hと、配線74と、を有する。画素回路13Hは、信号電荷処理領域17Tを有する。画素回路13Hは、画素回路13Gと同様に、画素回路13が有するNOR型ドライバ回路41~41に相当する構成要素を有しない。また、画素回路13Hは、画素回路13が有するNAND型ドライバ回路41に相当する構成要素を有しない。配線74は、周辺回路31Hを画素回路13Hの制御電極25に接続する。
 周辺回路31Hは、分配回路33Hと、インバータ回路ユニット38Hと、画素切替回路34Hと、を有する。
 分配回路33Hの入力は、配線部73Hを介して演算回路12に接続される。分配回路33Hは、演算回路12から制御パルスG,G,Gを受ける。分配回路33Hの出力は、インバータ回路ユニット38Hに接続される。分配回路33Hは、分配された制御パルスG,G,Gの反転信号をインバータ回路ユニット38Hへ提供する。
 インバータ回路ユニット38Hは、第1実施形態のインバータ回路ユニット38と同様の回路構成と機能とを有する。つまり、インバータ回路ユニット38Hは、分配回路33Hから制御パルスG,G,Gの反転信号を受け、画素回路13Hへ反転及び成形された転送制御パルスG1out,G2out,G3outを提供する。
 インバータ回路ユニット38Hと画素アレイ14Hとの接続構成は、第1実施形態のインバータ回路ユニット38と画素アレイ14との接続構成と同じである。つまり、画素アレイ14Hは、横方向に並ぶ3個の画素回路13H~13Hをひとつの組として扱われる。
 画素回路13H~13Hにおける制御電極25は、配線76によって相互に接続される。そして、配線76には、インバータ回路ユニット38Hから延びる配線47が接続される。配線47は、画素回路13Hと画素回路13Hとの間に設けられる。配線47と配線76との接続点は、行ごとに設けられる。同様に、画素回路13H~13Hの制御電極25は、配線76によって相互に接続される。画素回路13H~13Hの制御電極25は、配線76によって相互に接続される。配線76,76には、インバータ回路ユニット38Hから延びる配線47,47が接続される。配線47は、画素回路13Hと画素回路13Hとの間に設けられる。配線47は、画素回路13Hと画素回路13Hとの間に設けられる。
 制御電極25に転送制御パルスGDout(j)を提供する回路構成は、第8実施形態と同様である。つまり、横方向に延びる配線74に複数の支線が接続される。支線のそれぞれは、j行に含まれる画素回路13H~13Hのそれぞれに接続される。従って、第9実施形態の距離画像センサ10Hも、第8実施形態の距離画像センサ10Gと同様に、行全体の画素回路13H~13Hを一括して有感から不感に切り替えることができる。また、距離画像センサ10Hは、行全体の画素回路13H~13Hを一括して不感から有感に切り替えることができる。
 画素切替回路34Hの入力は、配線部72Hを介して演算回路12に接続される。画素切替回路34Hは、演算回路12から制御パルスSPIN,SLCK,SENB,SDENB及び制御パルスGを受ける。画素切替回路34Hは、制御パルスSPIN,SLCK,SENB,SDENB及び制御パルスGに基づいて、転送制御パルスGDout(j)を生成する。そして、画素切替回路34Hは、配線74を介して画素回路13Hに接続される。画素切替回路34Hは、画素回路13Hに転送制御パルスGDout(j)を提供する。
 つまり、画素切替回路34Hは、転送制御パルスGDout(j)のみを出力し、転送制御パルスG1out(j)~G3out(j)を出力しない点で、第8実施形態の駆動回路34Gと相違する。
 図33に示すように、画素切替回路34Hは、行スキャンパターン発生回路42Hと、論理演算回路44Hと、を有する。行スキャンパターン発生回路42Hの構成及び機能は、第8実施形態の行スキャンパターン発生回路42Gと同様である。従って、行スキャンパターン発生回路42Hの詳細な説明は省略する。
 論理演算回路44Hの入力は、演算回路12及び行スキャンパターン発生回路42Hに接続される。また、論理演算回路44Hの出力は、配線74を介して複数の画素回路13Hに接続される。論理演算回路44Hは、演算回路12から制御パルスGを受けると共に、行スキャンパターン発生回路42Hから論理パルスESR(j)を受ける。論理演算回路44Hは、制御パルスGと論理パルスESR(j)との論理演算を行う。論理演算の結果、論理演算回路44Hは、転送制御パルスGDout(j)を生成する。論理演算回路44Hは、転送制御パルスGDout(j)を画素回路13Hに提供する。
 論理演算回路44Hは、バッファ回路85と、インバータ回路86と、ORゲート87と、を有する。バッファ回路85、インバータ回路86及びORゲート87の接続構成は、第8実施形態と同様である。また、バッファ回路85、インバータ回路86及びORゲート87の動作も、第8実施形態と同様である。
[第9実施形態/素子構成]
 図34は、画素回路13Hの構成を示す。画素回路13Hの構成は、画素回路13Gとおおむね同じである。画素回路13Gは、転送制御パルスG1out(j)~G3out(j)を受ける。一方、画素回路13Hは、転送制御パルスG1out~G3outを受ける。さらに、画素回路13Gは、制御電極25~25が駆動回路34Gから転送制御パルスG1out(j)~G3out(j)を受ける。一方、画素回路13Hは、制御電極25~25がインバータ回路ユニット38Hから転送制御パルスG1out~G3outを受ける。つまり、画素回路13Hは、制御電極25~25が縦方向に延びる配線47~47から転送制御パルスG1out~G3outを受ける。また、画素回路13Hは、制御電極25Da,25Dbが横方向に延びる配線74から転送制御パルスGDout(j)を受ける。
 上記の接続構成を除き、画素回路13Hが有する光電変換領域21及び読出回路80T~80Tの構成及び機能は、画素回路13Gと同じである。
[第9実施形態/作用効果]
 第9実施形態の距離画像取得装置1Hも、第1実施形態の距離画像取得装置1と同様の効果を奏することができる。つまり、距離画像センサ10Hは、オーバーサンプリング及び積算によって、測定対象物が高速移動する場合であっても良好な計測結果を得ることができる。
 第9実施形態の距離画像取得装置1Hは、第1実施形態の距離画像取得装置1と同様に、所定の行に含まれる画素回路13Hを一括して有感ピクセル領域AEに設定することが可能である。さらに、所定の行に含まれない画素回路13Hを一括して、不感ピクセル領域ANに設定することが可能である。従って、第9実施形態の距離画像取得装置1Hも、オーバーサンプリング及び積算動作をさせることができる。
 第9実施形態の距離画像取得装置1Hも、第1実施形態の距離画像取得装置1と同様に、分配回路33Hと画素回路13Hとを電気的に接続する複数の配線47~47を分離して配置する構成により、異なる転送制御パルスG1out~G3outの間のクロストークを防止して安定したピクセルの駆動が実現でき、結果として距離分解能の高い距離画像の生成が可能となる。
[第10実施形態]
 次に、第10実施形態の距離画像取得装置1J(図35参照)が有する距離画像センサ10Jの構成について、第1実施形態との相違点を中心に説明する。距離画像センサ10Jも、第8実施形態の距離画像センサ10Gと同様に、ドレインの制御によって画素回路13Jの有感/不感を制御する画素構成と画素制御を採用する。しかし、距離画像センサ10Jは、距離画像センサ10Gとは異なる画素構成を採用する。具体的には、距離画像センサ10Jの画素回路13Jは、画素内に制御電極25Da,25Dbのためのドライバ(NAND型ドライバ回路41)を有する。
 図35は、画素回路13J~13Jと周辺回路31Jとの接続構成を示す図である。距離画像センサ10Jは、第1実施形態にかかる距離画像センサ10と比較して、周辺回路31Jの構成が異なる。また、距離画像センサ10Jは、距離画像センサ10と比較して、画素回路13J~13Jの素子構成及び回路構成が異なる。画素回路13J~13Jは、第8実施形態の画素回路13Gと同様のいわゆる3タップ型の構成である。
 距離画像センサ10Jは、複数の画素回路13J~13Jと、周辺回路31Jと、配線74と、を有する。画素回路13J~13Jは、信号電荷処理領域17Tを有する。画素回路13J,13Jは、画素回路13Gと同様に、画素回路13が有するNOR型ドライバ回路41,41に相当する構成要素を有しない。一方、画素回路13Jは、NAND型ドライバ回路41を有する。NAND型ドライバ回路41は、第1実施形態の画素回路13が有するNAND型ドライバ回路41と同じ構成と機能とを有する。換言すると、第10実施形態の画素回路13Jは、第8実施形態の画素回路13Gと比較して、NAND型ドライバ回路41を有する点で相違する。
 周辺回路31Jは、分配回路33Jと、インバータ回路ユニット38Jと、画素切替回路34Jと、を有する。
 分配回路33Jの入力は、配線部73Jを介して演算回路12に接続される。分配回路33Jは、演算回路12から制御パルスG~G,Gを受ける。分配回路33Jの出力は、インバータ回路ユニット38Jに接続される。分配回路33Jは、分配された制御パルスG~Gの反転信号と制御パルスGをインバータ回路ユニット38Jへ提供する。
 インバータ回路ユニット38Jは、第9実施形態のインバータ回路ユニット38Hが有するインバータ回路35~35に加えて、さらに、インバータ回路35を有する。つまり、インバータ回路ユニット38Jは、分配回路33Jから制御パルスG~Gの反転信号及び制御パルスGを受ける。そして、インバータ回路ユニット38Jは、画素回路13J~13Jへ成形された転送制御パルスG1out~G3out及び制御パルスGの反転信号を提供する。
 インバータ回路ユニット38Jと画素アレイ14Jとの接続構成は、第9実施形態のインバータ回路ユニット38Hと画素アレイ14Hとの接続構成と同じである。一方、制御電極25に転送制御パルスGDout(j)を提供する回路構成は、第8実施形態及び第9実施形態と異なる。具体的には、画素回路13Jに設けられるNAND型ドライバ回路41は、制御パルスGの反転信号と論理パルスESR(j)とを受ける。そして、NAND型ドライバ回路41は、転送制御パルスGDout(j)を出力する。
 画素回路13J~13Jにおける制御電極25は、配線76によって相互に接続される。配線76には、NAND型ドライバ回路41の出力が接続される。従って、1個のNAND型ドライバ回路41からは、3個の画素回路13J~13Jに転送制御パルスGDout(j)が提供される。NAND型ドライバ回路41の入力には、配線47に接続されている支線と、配線74に接続されている支線と、が接続される。配線47は、画素回路13Jと画素回路13Jとの間に設けられる。配線74は、第j行目の画素回路13J~13Jと、第j+1行目の画素回路13J~13Jと、の間に設けられる。NAND型ドライバ回路41は、配線47から制御パルスGの反転信号を受ける。NAND型ドライバ回路41は、配線74から論理パルスESR(j)を受ける。
 この接続構成によれば、配線47から提供された制御パルスGの反転信号を制御電極25に提供するか否かを論理パルスESR(j)によって制御することができる。つまり、制御電極25への転送制御パルスの提供と停止とは、横方向から与えられる論理パルスESR(j)によって制御される。その結果、第10実施形態の距離画像センサ10Jも、第8実施形態の距離画像センサ10Gと同様に、論理パルスESR(j)によって行全体の画素回路13J~13Jを一括して有感から不感に切り替えることができる。また、距離画像センサ10Jは、論理パルスESR(j)によって行全体の画素回路13J~13Jを一括して不感から有感に切り替えることができる。
 画素切替回路34Jは、配線部72Jを介して演算回路12に接続される。画素切替回路34Jは、演算回路12から制御パルスSPIN,SLCK,SENB,SDENBを受ける。画素切替回路34Jは、制御パルスSPIN,SLCK,SENB,SDENBに基づいて、論理パルスESR(j)を生成する。そして、画素切替回路34Jは、配線74を介して画素回路13J~13Jに接続される。画素切替回路34Jは、画素回路13J~13Jに論理パルスESR(j)を提供する。
 つまり、画素切替回路34Jは、論理パルスESR(j)のみを出力し、転送制御パルスG1out(j)~G3out(j),GDout(j)を出力しない点で、第8実施形態の駆動回路34Gと相違する。また、画素切替回路34Jは、転送制御パルスGDout(j)ではなく、論理パルスESR(j)を出力する点で、第9実施形態の画素切替回路34Hと相違する。
 図36に示すように、画素切替回路34Jは、行スキャンパターン発生回路42Jと、論理演算回路44Jと、を有する。行スキャンパターン発生回路42Jの構成及び機能は、第8実施形態の行スキャンパターン発生回路42Gと同様である。従って、行スキャンパターン発生回路42Jの詳細な説明は省略する。
 論理演算回路44Jは、バッファ回路95を有する。論理演算回路44Jは、行スキャンパターン発生回路42Gから受けた論理パルスESR(j)を配線74に提供する。
[第10実施形態/素子構成]
 画素回路13J~13Jの回路構成を説明する。ここでは、画素回路13Jを詳細に説明し、画素回路13J,13Jの詳細な説明を省略する。図37は、画素回路13Jの構成を示す。画素回路13Jは、NAND型ドライバ回路41を有する点で、第8実施形態の画素回路13Gと相違する。従って、画素回路13Jは、横方向から提供される論理パルスESR(j)に基づいて、制御電極25Da,25Dbへ提供される転送制御パルスGDout(j)が制御される。画素回路13Jのその他の回路構成は、第8実施形態の画素回路13Gと同じである。
[第10実施形態/作用効果]
 第10実施形態の距離画像取得装置1Jも、第1実施形態の距離画像取得装置1と同様の効果を奏することができる。つまり、距離画像センサ10Jは、オーバーサンプリング及び積算によって、測定対象物が高速移動する場合であっても良好な計測結果を得ることができる。
 第10実施形態の距離画像取得装置1Jは、第1実施形態の距離画像取得装置1と同様に、所定の行に含まれる画素回路13J~13Jを一括して有感ピクセル領域AEに設定することが可能である。さらに、所定の行に含まれない画素回路13J~13Jを一括して、不感ピクセル領域ANに設定することが可能である。従って、第10実施形態の距離画像取得装置1Jも、オーバーサンプリング及び積算動作をさせることができる。
 第10実施形態の距離画像取得装置1Jも、第1実施形態の距離画像取得装置1と同様に、分配回路33Jと画素回路13Jとを電気的に接続する複数の配線47~47,47を分離して配置する構成により、異なる転送制御パルスG1out~G3out及び制御パルスGの反転信号間のクロストークを防止して安定したピクセルの駆動が実現でき、結果として距離分解能の高い距離画像の生成が可能となる。
 なお、本発明は、上述した実施形態の態様に限定されるものではない。
 距離画像取得装置の動作の変形例について、以下のように4つの例を説明する。図38~41に示すタイミングチャートは、上述した第1実施形態から第10実施形態のいずれの距離画像センサ10~10Jにも適用することができる。また、第1実施形態の動作と、以下の第1~第4変形例の動作では、画素アレイ14を3つの領域に分割する動作を例示した。この分割数は、3つに限定されない。例えば、分割数は、2であってもよいし、4以上であってもよい。
[第1変形例]
 図38は、第1変形例の光源11の動作を示すタイミングチャートと論理パルスESR(j)のタイミングチャートとを示す。第1実施形態の動作は、1つの期間PF中に1回の期間PEと1回の期間PRとを含んでいた。また、期間PEと期間PRとは互いに時間的に重複することなく、期間PEと期間PRとが交互に実行された。第1変形例の動作も、上記の点において、第1実施形態の動作と同じである。一方、第1実施形態では、光源11は、1回の有感動作中に1回だけ光を照射した。第1変形例では、光源11は、1回の有感動作中に複数回の光照射を行う。
 まず、期間PEにおいて、画素切替回路34は、以下のような論理パルスESR(j)を出力する。
  論理パルスESR(1)~ESR(N/3):HIGH。
  論理パルスESR(N/3+1)~ESR(2N/3):LOW。
  論理パルスESR(2N/3+1)~ESR(N):LOW。
 期間PEは、期間PEよりも短い期間P1cを有する。期間P1cにおいて、光源11は、アレイ分割領域Lに入射パルス光Lが入射するようにパルス光Lを複数回照射する。第1変形例では、光源11は、期間P1c中に4回のパルス光Lの照射を行う。
 次に、期間PEにおいて、画素切替回路34は、以下のような論理パルスESR(j)を出力する。
  論理パルスESR(1)~ESR(N/3):LOW。
  論理パルスESR(N/3+1)~ESR(2N/3):HIGH。
  論理パルスESR(2N/3+1)~ESR(N):LOW。
 期間PEは、期間PEよりも短い期間P2cを有する。期間P2cにおいて、光源11は、アレイ分割領域Lに入射パルス光Lが入射するようにパルス光Lを複数回照射する。第1変形例では、光源11は、期間P2c中に4回のパルス光Lの照射を行う。
 次に、期間PEにおいて、画素切替回路34は、以下のような論理パルスESR(j)を出力する。
  論理パルスESR(1)~ESR(N/3):LOW。
  論理パルスESR(N/3+1)~ESR(2N/3):LOW。
  論理パルスESR(2N/3+1)~ESR(N):HIGH。
 期間PEは、期間PEよりも短い期間P3cを有する。期間P3cにおいて、光源11は、アレイ分割領域Lに入射パルス光Lが入射するようにパルス光Lを複数回照射する。第1変形例では、光源11は、期間P3c中に4回のパルス光Lの照射を行う。
 以下、期間PE~PEの動作をあらかじめ定めた回数だけ繰り返す。この期間PE~PEの動作を繰り返す期間は、期間PEである。そして、期間PEの後に期間PRが設定される。期間PRにおいて、画素切替回路34は、以下のような論理パルスESR(j)を出力する。
  論理パルスESR(1)~ESR(N/3):LOW。
  論理パルスESR(N/3+1)~ESR(2N/3):LOW。
  論理パルスESR(2N/3+1)~ESR(N):LOW。
 第1変形例の動作によれば、第1実施形態の動作と同様に、画素アレイ14の全体において複数回の露光動作の後に、画素アレイ14の全体から信号を読み出すことができる。
 第1変形例の動作では、周辺回路31の画素切替回路34が有感状態に設定する論理パルスESR(j)を画素アレイ14に提供した状態で、光源制御部12aがパルス光Lを複数回発生させる。つまり、第1変形例の動作では、ひとつのフレームにおいて、複数回の露光動作を行う。また、第1実施形態では、1つの有感期間中に複数回の露光動作を行う。この動作によっても、距離画像センサ10の動作をさらに高速化させることができる。
[第2変形例]
 図39は、第2変形例の光源11の動作を示すタイミングチャートと論理パルスESR(j)のタイミングチャートとを示す。第1実施形態の動作は、期間PEと期間PRとは互いに重複することなく、期間PEと期間PRとが交互に実行された。第2変形例の動作も、上記の点において、第1実施形態の動作と同じである。一方、第1実施形態の動作は、1つの期間PF中に1回の期間PEと1回の期間PRとを含んでいた。これに対して、第2変形例の動作は、1つの期間PF中に複数回の期間PE~PEと複数回の期間PR~PRとを有する。
 まず、期間PEにおいて、画素切替回路34は、以下のような論理パルスESR(j)を出力する。
  論理パルスESR(1)~ESR(N/3):HIGH。
  論理パルスESR(N/3+1)~ESR(2N/3):LOW。
  論理パルスESR(2N/3+1)~ESR(N):LOW。
 期間PEは、期間PEよりも短い期間P1cを有する。期間P1cにおいて、光源11は、アレイ分割領域Lに入射パルス光Lが入射するようにパルス光Lを複数回照射する。第2変形例では、光源11は、期間P1c中に4回のパルス光Lの照射を行う。その結果、画素アレイ14における第1行目から第N/3行目までに含まれる画素回路13において電荷の蓄積が生じる。
 次に、期間PRにおいて、画素切替回路34は、すべての画素回路13を不感に設定する論理パルスESR(j)を出力する。そして、画素アレイ14における第1行目から第N/3行目までに含まれる画素回路13から信号を読み出す。なお、期間PRは、次の期間PEの一部に重複してもよい。具体的には、期間PRは、期間PEにおいて、論理パルスESR(j)が出力された後であって、光源11からの光照射が開始されるまでの期間であれば重複が許される。
 次に、期間PEにおいて、画素切替回路34は、以下のような論理パルスESR(j)を出力する。
  論理パルスESR(1)~ESR(N/3):LOW。
  論理パルスESR(N/3+1)~ESR(2N/3):HIGH。
  論理パルスESR(2N/3+1)~ESR(N):LOW。
 期間PEは、期間PEよりも短い期間P2cを有する。期間P2cにおいて、光源11は、アレイ分割領域Lに入射パルス光Lが入射するようにパルス光Lを複数回照射する。第2変形例では、光源11は、期間P2c中に4回のパルス光Lの照射を行う。その結果、画素アレイ14における第N/3+1行目から第2N/3行目までに含まれる画素回路13において電荷の蓄積が生じる。
 次に、期間PRにおいて、画素切替回路34は、すべての画素回路13を不感に設定する論理パルスESR(j)を出力する。そして、画素アレイ14における第N/3+1行目から第2N/3行目までに含まれる画素回路13から信号を読み出す。
 次に、期間PEにおいて、画素切替回路34は、以下のような論理パルスESR(j)を出力する。
  論理パルスESR(1)~ESR(N/3):LOW。
  論理パルスESR(N/3+1)~ESR(2N/3):LOW。
  論理パルスESR(2N/3+1)~ESR(N):HIGH。
 期間PEは、期間PEよりも短い期間P3cを有する。期間P3cにおいて、光源11は、アレイ分割領域Lに入射パルス光Lが入射するようにパルス光Lを複数回照射する。第2変形例では、光源11は、期間P3c中に4回のパルス光Lの照射を行う。その結果、画素アレイ14における第2N/3+1行目から第N行目までに含まれる画素回路13において電荷の蓄積が生じる。
 次に、期間PRにおいて、画素切替回路34は、すべての画素回路13を不感に設定する論理パルスESR(j)を出力する。そして、画素アレイ14における第2N/3+1行目から第N行目までに含まれる画素回路13から信号を読み出す。
 以上の期間PE~PE及び期間PR~PRは、ひとつの期間PFを構成する。そして、次のフレームである期間PFが行われる。
 第2変形例の動作では、周辺回路31が、制御パルスG~G,G及び論理パルスESR(j)を画素アレイ14に出力した状態で、光源制御部12aがパルス光Lを発生させる露光動作と、周辺回路31が、光電変換領域21で発生した電荷に基づく電圧を出力させる読出動作と、を行う。制御パルスG~G,G及び論理パルスESR(j)は、有感ピクセル領域AEを構成する画素回路13において光電変換領域21で発生した電荷を電荷読出領域22~22に移動させると共に、不感ピクセル領域ANを構成する画素回路13において光電変換領域21で発生した電荷を電荷排出領域23に移動させる。周辺回路31及び光源制御部12aは、選択された有感ピクセル領域AEに対する露光動作と、選択された有感ピクセル領域AEを構成した画素回路13に対する読出動作と、を選択する有感ピクセル領域AEを変更しながら繰り返し行う。この動作によれば、選択された有感ピクセル領域AEごとに露光動作と読出動作とを交互に行うことができる。
 つまり、第2変形例の動作では、第1変形例の動作とは異なり、ひとつのフレームにおいて、露光動作と読出動作とを交互に行う。換言すると、第2変形例の動作では、1行以上の領域に対する露光動作の後に、露光動作を行った行に対して読出動作を行う。続いて、別の1行以上の領域に移行して、同様に露光動作と読出動作とを繰り返す。
 なお、読出動作では、パルス光Lの周期のうち、画素回路13のゲーティングを行っていない期間を利用して、少なくとも1行に含まれる画素回路13に対して読出動作を行ってもよい。より詳細には、パルス光Lのデューティー比が小さい場合において、その一周期のうち、画素回路13のゲーティングを行っていない期間を利用して、一行又は複数の行に含まれる画素回路13から信号を読み出してもよい。あるいは、複数のパルス光Lの投影のサイクルを利用して、1行に含まれる画素回路13から信号を読み出してもよい。つまり、露光動作のバックグラウンドにおいて、露光動作を行っていない画素回路13から信号を読み出してもよい。
[第3変形例]
 図40は、第3変形例の光源11の動作を示すタイミングチャートと論理パルスESR(j)のタイミングチャートとを示す。第1実施形態の動作は、期間PEと期間PRとは互いに時間的に重複することなく、期間PEと期間PRとが交互に実行された。これに対して、第3変形例の動作は、期間PEと期間PRとが互いに時間的に重複する。
 まず、期間PEにおいて露光動作を行う。この露光動作は、第2変形例の期間PEにおける露光動作と同様である。露光動作の結果、画素アレイ14における第1行目から第N/3行目までに含まれる画素回路13において電荷の蓄積が生じる。
 次に、期間PEにおいて露光動作を行う。この露光動作は、第2変形例の期間PEにおける露光動作と同様である。露光動作の結果、画素アレイ14における第N/3+1行目から第2N/3行目までに含まれる画素回路13において電荷の蓄積が生じる。
 この期間PEと重複するように、期間PRが設定される。期間PRでは、画素アレイ14における第1行目から第N/3行目までに含まれる画素回路13から信号を読み出す。期間PRが開始されるタイミングは、期間PEが開始されるタイミングと同じであってよい。つまり、期間PRが開始されるタイミングは、期間PEに関する論理パルスESR(j)の出力が開始されるタイミングと同時であってもよい。また、期間PRが開始されるタイミングは、アレイ分割領域Lに入射パルス光Lが入射する位置への光照射が開始されるタイミングと同時であってもよい。一方、期間PRが終了するタイミングは、期間PEが終了するタイミングよりも前である。換言すると、期間PRは、期間PEよりも短い。
 次に、期間PEにおいて露光動作を行う。この露光動作は、第2変形例の期間PEにおける露光動作と同様である。露光動作の結果、画素アレイ14における第2N/3+1行目から第N行目までに含まれる画素回路13において電荷の蓄積が生じる。
 この期間PEと重複するように、期間PRが設定される。期間PRでは、画素アレイ14における第N/3+1行目から第2N/3行目までに含まれる画素回路13から信号を読み出す。
 以上のように、期間PE,PE,PEを含む期間PFは、ひとつのフレームまたはサブフレームを構成する。
 そして、再び期間PEにおいて露光動作を行う。この期間PEと重複するように、期間PRが設定される。期間PRでは、画素アレイ14における第2N/3+1行目から第N行目までに含まれる画素回路13から信号を読み出す。
 第3変形例の動作において、周辺回路31及び光源制御部12aは、有感ピクセル領域AEに対する露光動作と、不感ピクセル領域ANに対する読出動作と、を並行して行う。この動作によれば、ある領域における露光動作と別の領域における読出動作とが並行して行われる。従って、距離画像センサ10の動作をさらに高速化させることができる。
[第4変形例]
 図41は、第4変形例の光源11の動作を示すタイミングチャートと論理パルスESR(j)のタイミングチャートとを示す。第4変形例の動作は、第3変形例と同様に期間PEと期間PRとが互いに重複する。一方、第3変形例の動作では、期間PE~PEの長さに比べて、期間PR~PRの長さが短かった。これに対して、第4変形例の動作では、期間PE~PEの長さに比べて、期間PR~PRの長さが長い点で相違する。
 まず、期間PEにおいて露光動作を行う。この露光動作は、第2変形例の期間PEにおける露光動作と同様である。露光動作の結果、画素アレイ14における第1行目から第N/3行目までに含まれる画素回路13において電荷の蓄積が生じる。
 次に、待機期間PWにおいて待機動作を行う。この待機動作において、画素切替回路34は、すべての画素回路13を不感に設定するための論理パルスESR(j)を提供する。さらに、待機期間PWにおいて光源11は、パルス光Lの照射を行わない。
 次に、期間PEにおいて露光動作を行う。この露光動作は、第2変形例の期間PEにおける露光動作と同様である。露光動作の結果、画素アレイ14における第N/3+1行目から第2N/3行目までに含まれる画素回路13において電荷の蓄積が生じる。
 次に、待機期間PWにおいて待機動作を行う。この期間PE及び待機期間PWと重複するように、期間PRが設定される。期間PRでは、画素アレイ14における第1行目から第N/3行目までに含まれる画素回路13から信号を読み出す。期間PRが開始されるタイミングは、期間PEが開始されるタイミングと同じであってよい。一方、期間PRが終了するタイミングは、期間PEが終了するタイミングよりも後である。換言すると、期間PRは、期間PEよりも長い。
 期間PEが終了するタイミングから期間PRが終了するまでのタイミングまでの期間は、待機期間PWとして設定される。つまり、第4変形例の動作では、期間PE~PEと待機期間PW~PWとが交互に設定される。そして、例えば、ひとつの期間PEとひとつの待機期間PWとを合わせた長さは、期間PRの長さと同じである。
 次に、期間PEにおいて露光動作を行う。この露光動作は、第2変形例の期間PEにおける露光動作と同様である。露光動作の結果、画素アレイ14における第2N/3+1行目から第N行目までに含まれる画素回路13において電荷の蓄積が生じる。
 次に、待機期間PWにおいて待機動作を行う。この期間PE及び待機期間PWと重複するように、期間PRが設定される。期間PRでは、画素アレイ14における第N/3+1行目から第2N/3行目までに含まれる画素回路13から信号を読み出す。
 以上のように、期間PE,PW,PE,PW,PE,PWを含む期間PFは、ひとつのフレームまたはサブフレームを構成する。
 次に、再び期間PEにおいて露光動作を行う。露光動作の結果、画素アレイ14における第1行目から第N/3行目までに含まれる画素回路13において電荷の蓄積が生じる。
 次に、待機期間PWにおいて待機動作を行う。この期間PE及び待機期間PWと重複するように、期間PRが設定される。期間PRでは、画素アレイ14における第2N/3+1行目から第N行目までに含まれる画素回路13から信号を読み出す。
 変形例4の動作によっても、変形例3と同様の効果を得ることができる。つまり、変形例4の動作によれば、ある領域における露光動作と別の領域における読出動作とが並行して行われる。従って、距離画像センサ10の動作をさらに高速化させることができる。
[第5変形例]
 第8実施形態の画素回路13Gでは、ラテラル電界制御電荷変調の素子構造を採用した。距離画像センサに採用する素子構造は、この素子構造に限定されない。図42に示す第5変形例の画素回路13Kは、MOS型の転送ゲートの素子構造を採用する。このような素子構造の画素回路13Kは、例えば、第9実施形態の距離画像センサ10Hに好適に採用できる。
 第5変形例の距離画像センサ10Kは、画素回路13Kを有する。第5変形例の画素回路13Kは、第8実施形態の画素回路13Gに対して、ドレイン制御のための制御電極25DSの構造が相違する。画素回路13Gの制御電極25Da,25Dbは、電荷移動経路101を挟むように配置されていた。第5変形例の画素回路13Kの制御電極25DSは、電荷移動経路101を跨ぐように配置されている。換言すると、画素回路13Gの制御電極25Da,25Dbは、電荷移動経路101の直上には配置されておらず、これらの制御電極25Da,25Dbから横方向に漏れる電界によって電荷移動経路101における電位を制御した。一方、第5変形例の画素回路13Kの制御電極25DSは、電荷移動経路101の直上に配置されている。つまり、制御電極25DSは、制御電極25~25のように電荷移動経路101における電位を制御電極25DSがその真下に発生させる電界によって直接に制御する。
 画素回路13Kは、フォトダイオードPD、電荷転送部52S、電荷読出領域22S,23S,23S及び半導体領域66a,66b,66c,66dを有する。半導体領域66aは、開口部APと重複する領域に設けられ、フォトダイオードPDを構成する。半導体領域66bは、フォトダイオードPDを構成する部分と電荷転送部52Sを構成する部分とを有する。また、半導体領域65bは、制御電極25DSの直下に形成されている。半導体領域66cは、電荷転送部52Sを構成する部分を有する。半導体領域66cは、半導体領域65bに重複すると共に制御電極25DSに重複する部分と、電荷排出領域23Sa,23Sbに重複する部分と、を有する。半導体領域66dは、電荷転送部52Sを構成する部分を有する。半導体領域66dは、半導体領域66cに重複する部分と、制御電極25~25に重複する部分と、電荷読出領域22S,22S,22Sに重複する部分と、を有する。
 図43は、図42に示す電荷移動経路101を含む一点鎖線CL43における電位分布を示す。縦軸は電荷移動経路101上の位置を示す。横軸は、電位を示す。さらに、グラフC43aは、図42におけるフォトダイオードPDの領域に対応する。グラフC43b,C43cは、図42における制御電極25DSが配置された領域に対応する。グラフC43dは、制御電極25に対応する。
 第8実施形態の画素回路13Gは、制御電極25Da,25Dbに提供される転送制御パルスGDout(j)が横方向(例えば制御電極25Daから制御電極25Dbへ向かう方向)に染み出すことによって、電位の分布が変化する。これに対して、第5変形例の画素回路13Kは、制御電極25DSに提供される転送制御パルスGDout(j)が、横方向への染み出しによらず、直接に電位を変化させる。その結果、図43に示す第5変形例の画素回路13Kの電位分布は、図31に示す第8実施形態の画素回路13Kの電位分布と比較すると、電位の窪み(グラフC43b)における電位の落ち込みが急峻である。また、図43に示す電位分布は、図31に示す電位分布と比較すると、電位の窪み(グラフC43b)の深さがより深い。このような電位分布によれば、不感状態としたときに、フォトダイオードPDから電荷読出領域22S~22Sへの電荷の移動をより確実に抑制することができる。
[第6変形例]
 図5に示すNOR型ドライバ回路41~41は、図5とは異なる記載によって示してもよい。図44(a)に示すNOR型ドライバ回路41Fは、NOR型ドライバ回路41の別の記載例である。p型MOSトランジスタ43、p型MOSトランジスタ44及びn型MOSトランジスタ45は、図44(a)に示すように論理回路201によって示してもよい。論理回路201は、3つの入力と1つの出力とを有する。第1の入力は、配線47に接続されている。第1の入力は、制御パルスGの反転信号を受ける。第2の入力は、配線48に接続されている。第2の入力は、論理パルスESR(j)の反転信号を受ける。第3の入力は、配線47に接続されている。第3の入力は、制御パルスGの反転信号を受ける。出力は、制御電極25に接続されている。NOR型ドライバ回路41Fの動作は、NOR型ドライバ回路41の動作と同様である。
[第7変形例]
 図11に示すNOR型ドライバ回路41A~41Aは、図11とは異なる記載によって示してもよい。図44(b)に示すNOR型ドライバ回路41Gは、NOR型ドライバ回路41Aの別の記載例である。論理回路201の第1の入力は、配線47aに接続されている。第1の入力は、制御パルスG1pの反転信号を受ける。第2の入力は、配線48に接続されている。第2の入力は、論理パルスESR(j)の反転信号を受ける。第3の入力は、配線47bに接続されている。第3の入力は、制御パルスG1nの反転信号を受ける。出力は、制御電極25に接続されている。NOR型ドライバ回路41Gの動作は、NOR型ドライバ回路41Aの動作と同様である。
[第8変形例]
 図5に示すNOR型ドライバ回路41~41は、付加的な要素を含んでもよい。図45(a)は、NOR型ドライバ回路41の変形例であるNOR型ドライバ回路41Hを示す。NOR型ドライバ回路41Hは、p型MOSトランジスタ43、p型MOSトランジスタ44及びn型MOSトランジスタ45に加えて、さらに、n型MOSトランジスタ202を含む。n型MOSトランジスタ202は、p型MOSトランジスタ44~44のドレイン及びn型MOSトランジスタ45~45のドレインの接続点73と、制御電極25との間に接続される。より詳細には、n型MOSトランジスタ202のドレインは、接続点73と、制御電極25との間に接続される。n型MOSトランジスタ202のゲートは、配線48を介して画素切替回路34に接続される。n型MOSトランジスタ202のゲートは、論理パルスESR(j)の反転信号を受ける。n型MOSトランジスタ202のソースは、ロー電位線VDLに接続される。NOR型ドライバ回路41Hによれば、制御電極25のフローティングを抑制できる。
[第9変形例]
 図11に示すNOR型ドライバ回路41A~41Aも、第8変形例と同様に、フローティングを抑制するための回路構成を採用してよい。つまり、図45(b)は、NOR型ドライバ回路41Aの変形例であるNOR型ドライバ回路41Kを示す。NOR型ドライバ回路41Kは、p型MOSトランジスタ43、p型MOSトランジスタ44及びn型MOSトランジスタ45に加えて、さらに、n型MOSトランジスタ202を含む。
[第10変形例]
 図5に示すNAND型ドライバ回路41は、図5とは異なる記載によって示してもよい。図46(a)に示すNAND型ドライバ回路41Fは、NAND型ドライバ回路41の別の記載例である。p型MOSトランジスタ43、n型MOSトランジスタ46及びn型MOSトランジスタ45は、図46(a)に示すように論理回路204によって示してもよい。論理回路204は、3つの入力と1つの出力とを有する。第1の入力は、配線47に接続されている。第1の入力は、制御パルスGの反転信号を受ける。第2の入力は、配線48に接続されている。第2の入力は、論理パルスESR(j)を受ける。第3の入力は、配線47に接続されている。第3の入力は、制御パルスGの反転信号を受ける。出力は、制御電極25に接続されている。NAND型ドライバ回路41Fの動作は、NAND型ドライバ回路41の動作と同様である。
[第11変形例]
 図11に示すNAND型ドライバ回路41Aは、図11とは異なる記載によって示してもよい。図46(b)に示すNAND型ドライバ回路41Gは、NAND型ドライバ回路41Aの別の記載例である。論理回路204の第1の入力は、配線47aに接続されている。第1の入力は、制御パルスGDpの反転信号を受ける。第2の入力は、配線48に接続されている。第2の入力は、論理パルスESR(j)を受ける。第3の入力は、配線47bに接続されている。第3の入力は、制御パルスGDnの反転信号を受ける。出力は、制御電極25に接続されている。NAND型ドライバ回路41Gの動作は、NAND型ドライバ回路41Aの動作と同様である。
[第12変形例]
 図5に示すNOR型ドライバ回路41は、付加的な要素を含んでもよい。図47(a)は、NAND型ドライバ回路41の変形例であるNAND型ドライバ回路41Hを示す。NAND型ドライバ回路41Hは、p型MOSトランジスタ43、n型MOSトランジスタ46及びn型MOSトランジスタ45に加えて、さらに、p型MOSトランジスタ205を含む。p型MOSトランジスタ205は、p型MOSトランジスタ43のドレイン及びn型MOSトランジスタ46のドレインの接続点206と、制御電極25との間に接続される。より詳細には、p型MOSトランジスタ205のドレインは、接続点206と、制御電極25との間に接続される。p型MOSトランジスタ205のゲートは、配線48を介して画素切替回路34に接続される。p型MOSトランジスタ205のゲートは、論理パルスESR(j)を受ける。p型MOSトランジスタ205のソースは、ハイ電位線VDHに接続される。NAND型ドライバ回路41Hによれば、制御電極25のフローティングを抑制できる。
[第13変形例]
 図11に示すNAND型ドライバ回路41Aも、第12変形例と同様に、フローティングを抑制するための回路構成を採用してよい。つまり、図47(b)は、NAND型ドライバ回路41Aの変形例であるNAND型ドライバ回路41Kを示す。NAND型ドライバ回路41Kは、p型MOSトランジスタ43、n型MOSトランジスタ46及びn型MOSトランジスタ45に加えて、さらに、p型MOSトランジスタ205を含む。
[第14変形例]
 図48は、第14変形例の距離画像取得装置が備える画素回路13を示す。また、図49は、画素回路13に入力される制御パルスG1D,G1U,G1OUTを示す。図48では、画素回路13のみを抽出し、画素回路13が有する読出回路80,80,80,80及びNOR型ドライバ回路41の構成を示している。
 読出回路80~80は、キャパシタンス成分81~81と、MOSトランジスタ82~82,93~93,94~94と、を有する。読出回路80~80の入力は、それぞれ光電変換領域21に接続される。読出回路80~80の出力は、配線28を介して演算回路12に接続される。
 キャパシタンス成分81~81は、光電変換領域21が発生した電荷を蓄積する。キャパシタンス成分81~81は、図3に示す電荷読出領域22~22に対応する。キャパシタンス成分81~81の一端は、制御電極25~25、MOSトランジスタ82~82,93~93に接続される。キャパシタンス成分81~81の他端は、基準電位に接続される。
 MOSトランジスタ82~82は、電荷読出領域22~22をリセットするためのものである。MOSトランジスタ82~82のソースは、キャパシタンス成分81~81の一端に接続される。MOSトランジスタ82~82のゲートは、読出制御回路27に接続されている。MOSトランジスタ82,82のゲートは、共通のリセットパルスRT2を受ける。MOSトランジスタ82,82のゲートは、共通のリセットパルスRT1を受ける。MOSトランジスタ82~82のドレインは、リセット電位線VDRに接続される。
 MOSトランジスタ93~93,94~94は、いわゆるソースフォロワアンプを構成する。MOSトランジスタ93~93,94~94は、図3に示す電圧検出手段26~26に対応する。MOSトランジスタ93~93,94~94は、キャパシタンス成分81~81に蓄積された電荷に応じた電圧VO1,VO2を発生させ、当該電圧VO1,VO2を配線28に出力する。
 MOSトランジスタ93~93のソースは、MOSトランジスタ94~94のドレインに接続される。MOSトランジスタ93~93のゲートは、電荷読出領域22~22であるキャパシタンス成分81~81に接続される。MOSトランジスタ93~93のドレインは、リセット電位線VDRに接続される。MOSトランジスタ94,94は、配線28へのMOS電圧の提供と停止を読出制御パルスSL2に応じて切り替える。また、MOSトランジスタ94,94は、配線28へのMOS電圧の提供と停止を読出制御パルスSL1に応じて切り替える。MOSトランジスタ94~94のドレインは、配線28に接続される。MOSトランジスタ94~94のゲートは、読出制御回路27に接続される。MOSトランジスタ94,94のゲートは、読出制御パルスSL2を受ける。MOSトランジスタ94,94のゲートは、読出制御パルスSL1を受ける。MOSトランジスタ94~94のドレインは、MOSトランジスタ93~93のソースに接続される。
 このようなMOSトランジスタ93~93,94~94によれば、読出制御パルスSL1に応じて読出回路80,80が選択される。選択された読出回路80は、配線28を介して電圧VO1を出力する。また、選択された読出回路80は、配線28を介して電圧VO2を出力する。さらに、MOSトランジスタ93~93,94~94によれば、読出制御パルスSL2に応じて読出回路80,80が選択される。選択された読出回路80は、配線28を介して電圧VO1を出力する。また、選択された読出回路80は、配線28を介して電圧VO2を出力する。
 NOR型ドライバ回路41は、キャパシタンス成分53と、MOSトランジスタ96,97,98,99と、を有する。キャパシタンス成分53の一端は、ハイ電位線VDHに接続される。キャパシタンス成分53の他端は、ロー電位線VDL及びMOSトランジスタ98,99に接続される。
MOSトランジスタ96,97,98,99は、いずれもn型MOSトランジスタである。さらに、読出回路80~80が含むMOSトランジスタ81~81,82~82,93~93,94~94のいずれもn型MOSトランジスタである。つまり、図48に示す画素回路13を構成するMOSトランジスタは、すべてn型である。このような構成によると、画素回路13にn型の不純物が注入されたいわゆるエヌウェル(n-well)を設ける必要がない。これにより、光電変換領域で生じた電荷の一部がn-wellに流れ込んで失われ、信号電荷として検出される電荷を減少させることがなくなる。
 MOSトランジスタ96のドレインは、ハイ電位線VDHに接続される。MOSトランジスタ96のゲートは、画素切替回路34に接続されて、画素切替回路34から論理パルスESR(j)を受ける。MOSトランジスタ96のソースは、MOSトランジスタ97に接続される。
 MOSトランジスタ97のドレインは、MOSトランジスタ96のソースに接続される。MOSトランジスタ97のゲートは、分配回路33に接続されて、分配回路33から制御パルスG1Uを受ける。MOSトランジスタ97のソースは、MOSトランジスタ98,99及び制御電極25に接続される。
 MOSトランジスタ98のドレインは、MOSトランジスタ97のソース、MOSトランジスタ99のドレイン及び制御電極25に接続される。MOSトランジスタ98のゲートは、分配回路33に接続されて、分配回路33から制御パルスG1Dを受ける。MOSトランジスタ98のソースは、ロー電位線VDL、MOSトランジスタ99のソース及びキャパシタンス成分53に接続される。
 MOSトランジスタ99のドレインは、MOSトランジスタ97のソース、MOSトランジスタ98のドレイン及び制御電極25に接続される。MOSトランジスタ99のゲートは、画素切替回路34に接続されて、画素切替回路34から論理パルスESR(j)の反転信号を受ける。MOSトランジスタ99のソースは、ロー電位線VDL、MOSトランジスタ98のソース及びキャパシタンス成分53に接続される。
 図50は、第14変形例の距離画像取得装置が備える画素回路13を示す。画素回路13が有する読出回路80,80,80,80及びNAND型ドライバ回路41の構成を示す。読出回路80,80,80,80は、図48に示す読出回路80,80,80,80と同じであるから、詳細な説明は省略する。
 NOR型ドライバ回路41は、キャパシタンス成分53と、MOSトランジスタ96,97,98,99と、を有する。キャパシタンス成分53の一端は、ハイ電位線VDHに接続される。キャパシタンス成分53の他端は、ロー電位線VDL及びMOSトランジスタ98に接続される。
 MOSトランジスタ96,97,98,99は、いずれもn型MOSトランジスタである。さらに、読出回路80~80が含むMOSトランジスタ81~81,82~82,93~93,94~94のいずれもn型MOSトランジスタである。つまり、図50に示す画素回路13を構成するMOSトランジスタは、すべてn型である。
 MOSトランジスタ96のドレインは、ハイ電位線VDH及びMOSトランジスタ99のドレインに接続される。MOSトランジスタ96のゲートは、分配回路33に接続されて、分配回路33から制御パルスGDUを受ける。MOSトランジスタ96のソースは、MOSトランジスタ97のドレイン、MOSトランジスタ99のソース及び制御電極25に接続される。
 MOSトランジスタ97のドレインは、MOSトランジスタ96のソース、MOSトランジスタ99のソース及び制御電極25に接続される。MOSトランジスタ97のゲートは、分配回路33に接続されて、分配回路33から制御パルスGDDを受ける。MOSトランジスタ97のソースは、MOSトランジスタ98に接続される。
 MOSトランジスタ98のドレインは、MOSトランジスタ97のソースに接続される。MOSトランジスタ98のゲートは、画素切替回路34に接続されて、画素切替回路34から論理パルスESR(j)を受ける。MOSトランジスタ98のソースは、ロー電位線VDL及びキャパシタンス成分53に接続される。
 MOSトランジスタ99のドレインは、ハイ電位線VDH及びMOSトランジスタ96のドレインに接続される。MOSトランジスタ99のゲートは、画素切替回路34に接続されて、画素切替回路34から論理パルスESR(j)の反転信号を受ける。MOSトランジスタ99のソースは、MOSトランジスタ96のソース、MOSトランジスタ97のドレイン及び制御電極53に接続される。
[第15変形例]
 図51は、第15変形例の距離画像取得装置が備える画素回路13を示す。第15変形例の距離画像取得装置の画素回路13は、ドライバ回路41を備えない。図51に示す画素回路13の制御電極25は、分配回路33からデプレッション型MOSスイッチのみを介して、転送制御パルスG1OUTを受ける。画素回路13~13についても同様の構成を有する。
 以下、図51及び図52に示す画素回路13,13について説明する。なお、図51及び図52に示す画素回路13,13において、読出回路80~80は、図48に示す画素回路13の読出回路80~80と同じである。従って、読出回路80~80の詳細な説明は省略する。
 図51に示すように、画素回路13は、NOR型ドライバ回路41に代えて、スイッチ回路120を有する。スイッチ回路120は、キャパシタンス成分121と、MOSトランジスタ122と、を有する。キャパシタンス成分121の一端は、ハイ電位線VDHに接続される。キャパシタンス成分121の他端は、ロー電位線VDLに接続される。MOSトランジスタ122のドレインは、分配回路33に接続されて、分配回路33から転送制御パルスGを受ける。MOSトランジスタ122のゲートは、画素切替回路34に接続されて、画素切替回路34から論理パルスESR(j)を受ける。MOSトランジスタ122のソースは、制御電極25のゲートに接続される。
 図51に示す画素回路13によれば、転送制御パルスGの印加に対応する回路構成として、画素回路13は、1個のMOSトランジスタ122及び1個のキャパシタンス成分121のみを有する。その結果、画素回路13の回路面積を縮小することができる。
 図52は、第15変形例の距離画像取得装置が備える画素回路13を示す。図52に示すように、画素回路13は、NANDドライバ回路41を備えていない。画素回路13の制御電極25は、分配回路33から直接に転送制御パルスGを受ける。画素回路135は、キャパシタンス成分121を有する。キャパシタンス成分121の一端は、ハイ電位線VDHに接続される。キャパシタンス成分121の他端は、ロー電位線VDLに接続される。
 第15変形例の距離画像取得装置は、図53に示すタイミングチャートに従って動作する。画素回路13~13は、一連の連続制御パルスG~Gのうち最後の制御パルスGと、次の一連の連続制御パルスG~Gの先頭の制御パルスGと、の間に、制御電極25に制御パルスGを印加する。その結果、不感ピクセル領域ANの制御電極25~25に転送制御パルスG1OUT~G4OUTが印加されなければ、不感ピクセル領域ANの光電荷は、ドレインに排出される。従って、制御電極25に対して、画素切替回路34からの論理パルスESR(j)は必要ない。
[第11実施形態]
 次に、第11実施形態の距離画像取得装置について説明する。第1実施形態の距離画像取得装置1は、図2に示すように測定対象領域Aの全幅をカバーするように高さ方向の一部にパルス光Lを照射した。一方、第11実施形態の距離画像取得装置は、測定対象領域を高さ方向に分割する。さらに、第11実施形態の距離画像取得装置は、DOE(Diffractive Optical Element)などを用いて、分割した全ての測定対象領域の高さ方向の一部に対応するようにパルス光Lを測定対象領域の分割数に応じて分割する。そして、第11実施形態の距離画像取得装置は、分割した全ての測定対象領域の高さ方向の一部にパルス光Lを同時に照射する。以下の説明では、測定対象領域を縦方向(高さ方向)のみに分割する動作を例に説明する。しかし、距離画像取得装置は、測定対象領域を横方向(幅方向)のみに分割する動作も当然に実施可能である。さらに、距離画像取得装置は、測定対象領域を高さ方向及び横方向の両方で分割する動作も実施可能である。
 図54は、画素アレイ14Lを縦方向に3つに分割した測定対象領域に対応した分割画素アレイ領域と、分割した全ての分割画素アレイ領域におけるアレイ分割領域L,L,Lと、有感ピクセル領域AEと、不感ピクセル領域ANと、を模式的に示す。アレイ分割領域L~Lとは、入射パルス光Lが分割されて同時に入射すると予想される領域である。
 図54(a)は、第1の動作態様における有感ピクセル領域と不感ピクセル領域とを示す図である。図54(b)は、第2の動作態様における有感ピクセル領域と不感ピクセル領域とを示す図である。図54(c)は、第3の動作態様における有感ピクセル領域と不感ピクセル領域とを示す図である。図55は、第11実施形態の距離画像取得装置が備える光源11の動作を示すタイミングチャートと制御電極25,25,25,25,25に印加する転送制御パルスG1out~G4out,GDout、および、論理パルスESR(j)のタイミングチャートとを示す。転送制御パルスG1out,G2out,G3out,G4out,GDoutは、論理パルスESR(j)及び/或いは論理パルスESR(j)の反転信号によって画素回路を有感とする信号と不感とする信号とに制御される。
 L(1)、L(2)、L(3)、L(1)、L(2)、L(3)、L(1)、L(2)、L(3)の(1)、(2)、(3)は、3つに分割した測定対象領域に対応した分割画素アレイ領域を示す。L、L、Lは、縦方向に3つに分割した分割画素アレイ領域の中の3つのアレイ分割領域(行ブロック)L、L、Lを示している。L(1)、L(2)、L(3)は、分割された入射パルス光Lが、第1の動作態様においてアレイ分割領域(行ブロック)L(1)、L(2)、L(3)に同時に入射することを示す。光源11は、次に、第2の動作態様において入射パルス光Lをアレイ分割領域(行ブロック)L(1)、L(2)、L(3)に同時に入射させる。さらに、光源11は、その次に第3の動作態様において入射パルス光Lをアレイ分割領域(行ブロック)L(1)、L(2)、L(3)に同時に入射させる。
[第16変形例]
 次に、第11実施形態の第16変形例の距離画像取得装置1Mについて説明する。
 第7実施形態の距離画像取得装置1Fは、行ブロックごとに画素回路13Fの動作を有感又は不感に設定する動作に加えて、さらに、列ブロックごとに有感又は不感に設定する動作を行った。これらの動作によると、図23に示すように、画素アレイ14Fにおいて特定の領域を有感ピクセル領域AEに設定し、その他の領域を不感ピクセル領域ANに設定することができる。有感ピクセル領域AEは、図23における左から右に順に列ブロックごとに移動したのちに、次の行ブロックへ移動することができる。
 これに対し、第16変形例の距離画像取得装置1Mは、図56に示すように、画素アレイ14Mを、測定対象領域の高さ方向と幅方向に相当する縦方向と横方向に3×4の領域に分割する。これらの領域は、分割した測定対象領域に対応した分割画素アレイ領域である。距離画像取得装置1Mは、全ての分割画素アレイ領域において、行ブロックごとに画素回路13Mの動作を有感又は不感に設定する動作と、列ブロックごとに有感又は不感に設定する動作と、を行う。これらの動作によると、図56に示すように、画素アレイ14Mの分割画素アレイ領域の全てにおいて特定の領域を有感ピクセル領域AEに設定し、その他の領域を不感ピクセル領域ANに設定することができる。有感ピクセル領域AEは、全ての分割画素アレイ領域において図56における左から右に順に列ブロックごとに移動したのちに、次の行ブロックへ移動することができる。図56では、全ての分割画素アレイ領域は、縦方向に3つの行ブロック、横方向に2つの列ブロックを有する。
 距離画像センサ10Mは、画素アレイ14Mと、演算回路12Mと、周辺回路31Mと、を有する。周辺回路31Mは、読出制御回路27Mと、分配回路33Mと、画素切替回路(列)54Mと、論理演算回路55Mと、画素切替回路(行)56Mと、を有する。
 広い面を照射する光源の場合、ある微小な測定点に対し、多くの場所からのマルチパス光が入射する。その結果、マルチパス光の影響で距離測定の精度が制限されてしまう。DOEと狭い照射領域の走査ができる光源と、光源に同期して有感制御及び不感制御ができる距離画像取得装置1Mを用いることにより、測定点だけの反射光と離れた狭い照射領域からの微小なマルチパス成分のみの影響で、精度の高い距離測定を行うことができる。
1…距離画像取得装置、11…光源、31…周辺回路、12a…光源制御部、13…画素回路(画素回路部)、14…画素アレイ、21…光電変換領域、22…電荷読出領域、23…電荷排出領域、27…読出制御回路、33…分配回路、34…画素切替回路、A…測定対象領域、AE…有感ピクセル領域、AN…不感ピクセル領域、25~25,25…制御電極、L…パルス光,L…入射パルス光、R…照射領域、S…対象物。

Claims (10)

  1.  パルス光を発生させる光源と、
     前記パルス光を、周期的なフレーム期間内で繰り返し発生させるように前記光源を制御する光源制御部と、
     N行M列(N及びMは2以上の整数)に配置され、受けた光に対応する電荷を生成する複数の画素回路部を含む画素アレイと、
     前記画素アレイの周辺に配置されて、前記画素アレイの動作を制御する制御信号を前記画素アレイに提供する周辺回路と、を備え、
     前記画素回路部は、
     光を電荷に変換する光電変換領域、前記光電変換領域に近接して互いに離間して設けられた第1~第X(Xは2以上の整数)の電荷読出領域、前記光電変換領域で発生した前記電荷を排出するための電荷排出領域、前記光電変換領域と前記第1~第Xの電荷読出領域とに対応してそれぞれ設けられ、前記光電変換領域と前記第1~第Xの電荷読出領域との間における電荷転送のための転送制御パルスを印加するための第1~第Xの制御電極、及び前記光電変換領域と前記電荷排出領域との間における電荷転送のための前記転送制御パルスを印加するための第X+1の制御電極を有し、
     前記光源制御部は、前記画素アレイにおける有感領域に前記パルス光に基づく戻り光が入射するように前記パルス光を発生させる動作を、前記有感領域を移動させながら繰り返し行い、
     前記周辺回路は、前記有感領域に含まれない不感領域を構成する前記画素回路部の前記第X+1の制御電極に対して、前記光電変換領域から前記電荷排出領域への前記電荷の移動を許可する前記転送制御パルスが印加されるように、前記制御信号を前記画素アレイに提供する、距離画像取得装置。
  2.  前記光源制御部は、
      第j行目(jは1以上N以下の整数)に含まれるすべての前記画素回路部の前記有感領域を露光するように、前記光源から前記パルス光を出射させる動作を行い、
     前記周辺回路は、
      第j行目に含まれるすべての前記画素回路部の前記第1~第Xの制御電極に対して、前記光電変換領域から前記電荷読出領域への前記電荷の移動を許可する前記転送制御パルスが印加されるように、前記制御信号を前記画素アレイに提供する動作と、
      前記不感領域に含まれるすべての前記画素回路部の前記第X+1の制御電極に対して、前記光電変換領域から前記電荷排出領域への前記電荷の移動を許可する前記転送制御パルスが印加されるように、前記制御信号を前記画素アレイに提供する動作と、を行う、請求項1に記載の距離画像取得装置。
  3.  前記光源制御部は、
      第j行目(jは1以上N以下の整数)に含まれる一部の前記画素回路部の前記有感領域を露光するように、前記光源から前記パルス光を出射させる動作を行い、
     前記周辺回路は、
      第j行目に含まれる前記画素回路部の一部に含まれる前記第1~第Xの制御電極に対して、前記光電変換領域から前記電荷読出領域への前記電荷の移動を許可する前記転送制御パルスが印加されるように、前記制御信号を前記画素アレイに提供する動作と、
      前記不感領域に含まれる前記画素回路部の前記第X+1の制御電極のすべてに対して、前記光電変換領域から前記電荷排出領域への前記電荷の移動を許可する前記転送制御パルスが印加されるように、前記制御信号を前記画素アレイに提供する動作と、を行う、請求項1に記載の距離画像取得装置。
  4.  前記転送制御パルスが、前記有感領域を構成する前記画素回路部において前記光電変換領域で発生した電荷を前記電荷読出領域に移動させると共に、前記不感領域を構成する前記画素回路部において前記光電変換領域で発生した電荷を前記電荷排出領域に移動させ、
     前記周辺回路及び前記光源制御部は、複数の前記有感領域に対する露光動作を複数回行った後に、前記電荷読出領域に蓄積された前記電荷に基づく電圧を出力させる読出動作を行う、請求項1~3の何れか一項に記載の距離画像取得装置。
  5.  前記転送制御パルスが、前記有感領域を構成する前記画素回路部において前記光電変換領域で発生した電荷を前記電荷読出領域に移動させると共に、前記不感領域を構成する前記画素回路部において前記光電変換領域で発生した電荷を前記電荷排出領域に移動させ、
     前記周辺回路及び前記光源制御部は、選択された前記有感領域に対する露光動作と、選択された前記有感領域を構成する前記画素回路部に対して前記電荷読出領域に蓄積された前記電荷に基づく電圧を出力させる読出動作と、を選択する前記有感領域を変更しながら繰り返し行う、請求項1~3の何れか一項に記載の距離画像取得装置。
  6.  前記転送制御パルスが、前記有感領域を構成する前記画素回路部において前記光電変換領域で発生した電荷を前記電荷読出領域に移動させると共に、前記不感領域を構成する前記画素回路部において前記光電変換領域で発生した電荷を前記電荷排出領域に移動させ、
     前記周辺回路及び前記光源制御部は、前記有感領域に対する露光動作と、前記電荷読出領域に蓄積された前記電荷に基づく電圧を出力させる読出動作と、を並行して行う、請求項1~3の何れか一項に記載の距離画像取得装置。
  7.  前記露光動作では、前記光源制御部が前記有感領域に対して前記パルス光を1回だけ発生させる、請求項4~6のいずれか一項に記載の距離画像取得装置。
  8.  前記露光動作では、前記光源制御部が前記有感領域に対して前記パルス光を複数回発生させる、請求項4~6のいずれか一項に記載の距離画像取得装置。
  9.  前記画素回路部は、
     入射パルス光を電荷に変換する機能を有する光電変換領域と、
     前記光電変換領域から前記電荷を受けて、前記電荷に基づく電圧を出力する読出回路と、を有し、
     前記画素回路部は、複数のn型MOSトランジスタを含んで構成され、
     前記画素回路部は、p型MOSトランジスタは含まない、請求項1~8の何れか一項に記載の距離画像取得装置。
  10.  前記光源制御部は、
      画素アレイを複数の領域に分割した分割画素アレイ領域において、
      第j行目(jは1以上N/R以下の整数(Rは行方向のアレイ分割数))に含まれる一部の前記画素回路部の前記有感領域を露光するように、前記光源から前記パルス光を出射させる動作を行い、
     前記光源は、全ての前記分割画素アレイ領域に含まれる前記有感領域を同時に露光するように照射が分割され、
     前記周辺回路は、
      全ての前記分割画素アレイ領域の第j行目に含まれる前記画素回路部の一部に含まれる前記第1~第Xの制御電極に対して、前記光電変換領域から前記電荷読出領域への前記電荷の移動を許可する前記転送制御パルスが印加されるように、前記制御信号を前記画素アレイに提供する動作と、
      全ての前記分割画素アレイ領域の前記不感領域に含まれる前記画素回路部の前記第X+1の制御電極のすべてに対して、前記光電変換領域から前記電荷排出領域への前記電荷の移動を許可する前記転送制御パルスが印加されるように、前記制御信号を前記画素アレイに提供する動作と、を行う、請求項3に記載の距離画像取得装置。
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