WO2021176654A1

WO2021176654A1 - 内視鏡用処置具

Info

Publication number: WO2021176654A1
Application number: PCT/JP2020/009450
Authority: WO
Inventors: 咲森田
Original assignee: オリンパス株式会社
Priority date: 2020-03-05
Filing date: 2020-03-05
Publication date: 2021-09-10
Also published as: US20220354344A1

Abstract

内視鏡のチャンネル内に挿入可能な内視鏡用処置具（１）であって、可撓性を有する長尺の挿入部（２）と、挿入部（２）の先端に、挿入部（２）の長手軸回りに回転可能に支持された処置部（３）とを備え、挿入部（２）が、挿入部（２）の先端側において処置部（３）に接触可能かつ挿入部（２）の長手軸方向に移動可能な管状の外装部材（５）と、外装部材（５）の内部に挿通され、長手軸回りの回転を処置部（３）に伝達可能な操作部材と、挿入部（２）の内部に挿通され、先端が外装部材（５）に固定されているワイヤとを備える内視鏡用処置具（１）である。

Description

内視鏡用処置具

　本発明は、内視鏡用処置具に関するものである。

　経内視鏡的に体腔内に挿入され、体腔内の組織に対して処置を施す内視鏡用処置具が知られている。（例えば、特許文献１参照。）。この内視鏡用処置具は、内視鏡のチャンネル内に挿通される管状の挿入部と、挿入部内に軸方向に進退可能に挿入された操作ワイヤと、操作ワイヤの先端に設けられた処置部とを備えている。

　挿入部の先端には、ばね等の弾性部材が設けられており、弾性部材が処置部を先端側に付勢することによって挿入部と処置部との相対回転をロックしている。

特願２００７－９６０３７号公報

　しかしながら、操作ワイヤに張力を加えることによって回転を解除するため、操作ワイヤを構成する部材がトルクチューブ等の捻じりをためやすい部材である場合に、相対回転のロックを解除しようと操作ワイヤを牽引した際に、操作ワイヤにたまった捻じりが開放されて、処置部先端側が意図せず回転してしまう場合がある。
　本発明は、操作ワイヤに触ることなく挿入部と操作ワイヤとの相対回転のロックを解除しつつ、挿入部と操作ワイヤとの相対回転のロックを解除した際に処置部の先端側の意図しない回転を抑制することができる内視鏡用処置具を提供することを目的としている。

　本発明の一態様は、内視鏡のチャンネル内に挿入可能な内視鏡用処置具であって、可撓性を有する挿入部と、前記挿入部の先端に、前記挿入部の長手軸回りに回転可能に支持された処置部とを備え、前記挿入部が、前記挿入部の先端側において前記処置部に接触可能かつ前記挿入部の前記長手軸方向に移動可能な管状の外装部材と、前記外装部材の内部に挿通され、前記長手軸回りの回転を前記処置部に伝達可能な操作部材と、前記挿入部の内部に挿通され、先端が前記外装部材に固定されているワイヤとを備える内視鏡用処置具である。

　本態様によれば、体腔内に挿入された内視鏡のチャンネル内に内視鏡用処置具を挿入して、内視鏡の先端から処置部を突出させることにより、体外において処置部を操作して、経内視鏡的に体腔内の組織に処置を行うことができる。挿入部に対して処置部を長手軸回りに回転させたいときには、外装部材を挿入部の軸方向に移動させることによって処置部と外装部材とを離間させる。これにより、操作部材に加えた長手軸回りの回転力を処置部に伝達し、挿入部に対して処置部を長手軸回りに回転させることができる。

　一方、挿入部に対する処置部の長手軸回りの回転を規制したいときには、外装部材を挿入部の軸方向に移動させることによって処置部と外装部材とを接触させる。これにより、接触によって生じる摩擦力によって、挿入部に対する長手軸回りの回転が規制され、処置部の意図しない回転を抑制することができる。
　すなわち、操作ワイヤに触ることなく可動部と処置部との相対回転のロックを解除しつつ、可動部と処置部との相対回転のロックを解除した際に処置部の先端側の意図しない回転を抑制することができる。

　本発明によれば、操作ワイヤに触ることなく挿入部と処置部との相対回転のロックを解除しつつ、挿入部と処置部との相対回転のロックを解除した際に先端側の意図しない回転を抑制することができるという効果を奏する。

本発明の一実施形態に係る内視鏡用処置具を示す縦断面図である。図１の内視鏡用処置具の先端部分を示す拡大縦断面図である。図１の内視鏡用処置具の処置部を閉じた状態を示す縦断面図である。図１の内視鏡用処置具の処置部を長手軸回りに回転させた状態を示す縦断面図である。図１の内視鏡用処置具の可動部とベース部とを切り離した状態を示す図である。図１の内視鏡用処置具の可動部とベース部とを連結した状態を示す図である。図１の内視鏡用処置具の第１の変形例において可動部とベース部とを連結した状態を示す図である。図１の内視鏡用処置具の第１の変形例において可動部とベース部とを切り離した状態を示す図である。図１の内視鏡用処置具の第２の変形例において可動部とベース部とを連結した状態を示す図である。図１の内視鏡用処置具の第２の変形例において可動部とベース部とを切り離した状態を示す図である。図１の内視鏡用処置具の第３の変形例において可動部とベース部とを連結した状態を示す図である。図１の内視鏡用処置具の第３の変形例において可動部とベース部とを切り離した状態を示す図である。図１の内視鏡用処置具の第４の変形例において可動部とベース部とを連結した状態を示す拡大図である。図１の内視鏡用処置具の第５の変形例において可動部とベース部とを連結した状態を示す拡大図である。図１の内視鏡用処置具の第６の変形例を示す側面図である。図１の内視鏡用処置具の第７の変形例を示す側面図である。

　本発明の一実施形態に係る内視鏡用処置具１について、図面を参照して以下に説明する。
　本実施形態に係る内視鏡用処置具１は、内視鏡のチャンネル内に挿入可能であり、図１に示されるように、長尺の挿入部２と、挿入部２の先端に長手軸回りに回転可能に支持された処置部３と、挿入部２の後述する外装部材５の基端に配置された操作部４とを備えている。

　挿入部２は、可撓性を有している。挿入部２は、図２に示されるように、管状の外装部材５と、挿入部２の内部に挿通された第１ワイヤ（ワイヤ）１１と、外装部材５の内部に挿通された長尺の操作部材６とを備えている。
　外装部材５は、管状の本体部７（例えば、シース）と、本体部７の先端に配置された金属製のリングである可動部８と、本体部７と可動部８との間に配置され、本体部７に対して可動部８を本体部７の長手軸方向前方に付勢するコイルスプリング（付勢部材）９とを備えている。

　また、本体部７には、周方向に等間隔をあけた４か所に、長手軸方向に貫通するルーメン１０が設けられている。各ルーメン１０には、第１ワイヤ１１が長手方向に移動可能に挿通されている。第１ワイヤ１１の先端はルーメン１０の先端開口から前方に突出し、可動部８に固定されている。可動部８は中央孔１２を有するリング板状に形成されている。

　操作部材６は、管状のトルクチューブ（回転伝達部材）１３と、トルクチューブ１３内に長手方向に移動可能に挿通された第２ワイヤ（他のワイヤ）１４とを備えている。トルクチューブ１３の先端は処置部３に固定されている。第２ワイヤ１４の先端は、トルクチューブ１３の先端開口から突出し、処置部３に接続している。

　処置部３は、ベース部１５と、ベース部１５に長手軸に直交する軸線回りに揺動可能に支持された一対の把持片１６ａ，１６ｂと、これらの把持片１６ａ，１６ｂと第２ワイヤ１４とを接続するリンク１７とを備えている。ベース部１５は、可動部８の中央孔１２を貫通し、トルクチューブ１３の先端に固定される筒状部１８と、筒状部１８よりも先端において径方向外方に延びる当接面（基端面）３ａとを備えている。

　ベース部１５の筒状部１８を中央孔１２に貫通させることにより、可動部８が、筒状部１８をガイドとして長手軸方向に移動可能に支持されている。また、当接面３ａは、可動部８の先端面５ａに対向して配置されている。これにより、コイルスプリング９の弾発力によって、可動部８の先端面５ａが当接面３ａに押し付けられる。

　操作部４は、図１に示されるように、外装部材５の基端が固定された円筒状の操作部本体１９と、操作部本体１９の基端側に長手軸方向に延びるガイド２０に沿って操作部本体１９に対して移動可能に配置されたスライダ２１とを備えている。また、操作部４は、操作部本体１９の長手軸方向の途中位置において、操作部本体１９に対して長手軸回りに回転可能に支持された円板状のダイヤル２２と、ダイヤル２２よりも先端側に配置され、操作部本体１９に対して長手軸方向に移動可能に支持されたトリガー２３とを備えている。

　スライダ２１には第２ワイヤ１４の基端が固定されている。
　ダイヤル２２には、トルクチューブ１３の基端が固定されている。
　トリガー２３には４本の第１ワイヤ１１の基端が固定されている。

　挿入部２の基端に配置される操作部４において、図３に示されるように、操作部本体１９に対してスライダ２１を基端側に移動させることにより、第２ワイヤ１４に張力を発生させ、挿入部２の先端において、一対の把持片１６ａ，１６ｂを閉じる方向に動作させることができる。
　また、操作部４において、図４に示されるように、操作部本体１９に対してダイヤル２２を長手軸回りに回転させることにより、トルクチューブ１３に長手軸回りの回転力を付与して、挿入部２の先端において、処置部３を長手軸回りに回転させることができる。

　また、図５に示されるように、操作部４において、操作部本体１９に対してトリガー２３を基端側に移動させることにより、第１ワイヤ１１に張力を発生させ、コイルスプリング９の弾発力に抗して可動部８を基端側に移動させることができる。可動部８を基端側に移動させることにより、処置部３のベース部１５の当接面３ａから可動部８の先端面５ａを離間させることができる。

　一方、トリガー２３に加えた力を解放することにより、図６に示されるように、コイルスプリング９の弾性復元力によって可動部８を先端側に移動させ、ベース部１５の当接面３ａに可動部８の先端面５ａを密着させた状態に維持することができる。

　このように構成された本実施形態に係る内視鏡用処置具１の作用について、以下に説明する。
　本実施形態に係る内視鏡用処置具１を用いて、患者の体腔内の処置を行うには、体腔内に挿入された内視鏡のチャンネルに内視鏡用処置具１を挿入し、チャンネルの先端開口から処置部３を突出させる。内視鏡により取得された画像内において処置部３を移動させ、対象部位の近傍に配置する。

　この状態で、挿入部２の長手軸回りの処置部３の向きを変更したい場合には、図５に示されるように、操作部本体１９に対してトリガー２３を基端側に牽引する。これにより、トリガー２３に接続された４本の第１ワイヤ１１に張力が付与され、第１ワイヤ１１の先端が固定されている可動部８が基端側に移動する。その結果、可動部８の先端面５ａが、処置部３のベース部１５の当接面３ａから離間する。

　この状態で、操作部本体１９に対してダイヤル２２を回転させる。これにより、ダイヤル２２に固定されたトルクチューブ１３にねじり力が作用し、トルクチューブ１３によって伝達されたねじり力によって、トルクチューブ１３の先端に固定されている処置部３が、挿入部２の長手軸回りに回転させられる。

　したがって、ダイヤル２２の位置調整によって、処置部３の向きを所望の向きに調整することができる。そして、向きの調整を終えた後には、図６に示されるように、トリガー２３から手を離すことにより、トリガー２３に加えていた牽引力を解放する。これにより、コイルスプリング９の弾性復元力により、可動部８の先端面５ａが処置部３のベース部１５の当接面３ａに押し付けられ、両者間の摩擦力によって、外装部材５の先端面５ａに対して処置部３の長手軸回りの角度（回転量）が維持される。

　そして、この状態で、図１に示されるように、操作部本体１９に対してスライダ２１を先端側に移動させて、一対の把持片１６ａ，１６ｂを開き、間に組織を配置する。この状態で、図３に示されるように、操作部本体１９に対してスライダ２１を基端側に移動させることにより、一対の把持片１６ａ，１６ｂを閉じて、把持片１６ａ，１６ｂ間に組織を把持することができる。

　このように、本実施形態に係る内視鏡用処置具１によれば、第１ワイヤ１１に張力を付与することによって、可動部８とベース部１５との接続を切り離す。一方、第１ワイヤ１１に付与していた張力を解除することにより、コイルスプリング９の弾性復元力によって可動部８とベース部１５とを連結する。したがって、回転伝達部材であるトルクチューブ１３に張力を加えて処置部３の先端の回転のロックを解除する場合と比較して、より確実に、第１ワイヤ１１に張力を加え、回転伝達部材１３に触ることなく可動部８とベース部１５との相対回転のロックを解除しつつ、可動部８とベース部１５との相対回転のロックを解除した際に先端側の意図しない回転を抑制することができるという利点がある。

　そして、トリガー２３に加えていた力を解除するだけで、コイルスプリング９の弾性復元力によって、挿入部２に対する処置部３の長手軸回りの回転が規制された状態に維持される。この状態で、外部から処置部３に、処置部３を長手軸回りに回転させようとするトルクが作用しても、処置部３が挿入部２に対して意図せず回転してしまうことを効果的に防止することができる。

　すなわち、ベース部１５の当接面３ａに対して可動部８が離間している状態では、処置部３を支持しているのはトルクチューブ１３のみとなる。トルクチューブ１３は、一般には撚り線構造あるいはコイル構造になっているため、一定の捻じりが作用していない状態では捻じり剛性が低いため、外力によるトルクが処置部３に作用すると処置部３は容易に回転してしまう。本実施形態によれば、当接面３ａに可動部８を押し付けることにより、処置部３をトルクチューブ１３よりも剛性の高い外装部材５に支持させるので、より確実に回転を規制することができる。

　なお、本実施形態においては、外装部材５が本体部７と可動部８とを備え、可動部８を本体部７に対して長手軸方向に移動させることにより、処置部３の長手軸回りの回転の許容と規制とを切り替えた。これに代えて、図７および図８に示されるように、外装部材５全体を移動させてもよい。

　この場合、外装部材５は、本体部７を備えており、本体部７の先端側に第１ワイヤ１１の先端が固定されている。
　図７に示されるように、操作部４において、操作部本体１９に対してトリガー２３を先端側に移動させることにより、第１ワイヤ１１に張力を発生させて、処置部３に対して外装部材５全体を長手軸方向先端側に移動させ、外装部材５の先端面５ａが処置部３の当接面３ａに押し付けられる。これにより、平面状の先端面５ａと平面状の当接面３ａとが密着させられ、両者間の摩擦によって外装部材５の先端面５ａに対して処置部３の長手軸回りの角度（回転量）が維持される。

　そして、図８に示されるように、操作部４において、操作部本体１９に対してトリガー２３を基端側に移動させることにより、第１ワイヤ１１に張力を発生させて、処置部３に対して外装部材５全体を長手軸方向基端側に移動させ、処置部３の当接面３ａから外装部材５の先端面５ａを離間させることができる。

　また、可動部８を本体部７に対して長手軸方向に移動させることに代えて、図９および図１０に示されるように、外装部材５を固定し、処置部３を長手軸方向に移動させてもよい。
　この場合、外装部材５は、本体部７を備えており、処置部３のベース部１５に第１ワイヤ１１の先端が固定されている。

　図９に示されるように、操作部４において、操作部本体１９に対してトリガー２３を基端側に移動させることにより、第１ワイヤ１１に張力を発生させて、外装部材５に対して処置部３を長手軸方向基端側に移動させ、処置部３の当接面３ａが外装部材５の先端面５ａに押し付けられる。これにより、平面状の先端面５ａと平面状の当接面３ａとが密着させられ、両者間の摩擦によって外装部材５の先端面５ａに対して処置部３の長手軸回りの角度（回転量）が維持される。

　そして、図１０に示されるように、操作部４において、操作部本体１９に対してトリガー２３を先端側に移動させることにより、第１ワイヤ１１に張力を発生させて、外装部材５に対して処置部３を長手軸方向先端側に移動させ、外装部材５の先端面５ａから処置部３の当接面３ａを離間させることができる。

　また、本実施形態においては、可動部８の平面状の先端面５ａと平面状の当接面３ａとを密着させることにより、両者間の摩擦によって処置部３の回転を規制したが、これに代えて、先端面５ａと当接面３ａとが密着していなくとも、先端面５ａと当接面３ａとが接触して摩擦力が発生していればよい。

　また、処置部３の回転を規制するために、可動部８の平面状の先端面５ａと平面状の当接面３ａとを密着させるものを例示したが、図１１および図１２に示されるように、可動部８と処置部３のベース部１５とが凹凸２４ａ，２４ｂによって相互に噛み合うものを採用してもよい。

　この場合、ベース部１５が、筒状部１８よりも先端において径方向外方に延び、三角波状の凹凸２４ａを備えている。また、可動部８が、ベース部１５の凹凸２４ａに相補的な三角波状の凹凸２４ｂを備えている。
　そして、操作部４において、操作部本体１９に対してトリガー２３を基端側に移動させて第１ワイヤ１１に張力を付与することにより、図１２に示されるように、ベース部１５の凹凸２４ａから可動部８の凹凸２４ｂを離間させることができる。

　一方、トリガー２３を開放して第１ワイヤ１１に付与していた張力を解除することにより、図１１に示されるように、コイルスプリング９の弾性復元力によって相補的な三角波状である可動部８の凹凸２４ｂとベース部１５の凹凸２４ａとを近接させて、少なくとも凹凸２４ａ，２４ｂの先端側どうしが噛み合わせられる。これにより、凹凸２４ａ，２４ｂを噛み合わせた位置において摩擦力が発生するため、処置部３の回転を規制することができる。また、凹凸２４ａ，２４ｂどうしを密着させて噛み合わせることが好ましい。

　また、凹凸２４ａ，２４ｂとしては、相補的な三角波状のものに代えて、図１３に示されるような矩形波状のものを採用してもよい。
　これにより、可動部８およびベース部１５の凹凸２４ａ，２４ｂどうしを噛み合わせた際に、凹凸２４ａ，２４ｂが三角波状の場合よりも長手軸回りの回転力を伝達することができる。

　あるいは、凹凸２４ａ，２４ｂとして、図１４に示されるように、一方向の回転を許容するノコギリ歯状のものを採用してもよい。
　ノコギリ歯状にすることにより、長手軸回りにおける他方向の回転を規制しつつ、処置部３に過大なトルクが作用した場合に、一方向に回転を許容してトルクを逃がし、挿入部２が過度に捻じられることを防止することができる。

　また、可動部８の平坦な先端面５ａおよび当接面３ａに表面粗度を増大させる等の摩擦係数増大処理を施してもよい。
　また、付勢部材としてコイルスプリング９を例示したが、他の弾性部材あるいは磁石等を採用してもよい。また、コイルスプリング９の材質も任意でよい。

　また、処置部３として、一対の把持片１６ａ，１６ｂを揺動させる鉗子を例示したが、これに代えて、１つの固定された把持片１６ａに対して揺動可能な他の１つの把持片１６ｂを有する鉗子を採用してもよい。また、処置に際して、外力による長手軸回りのトルクを受ける処置具であれば、任意の処置具（例えば、フック、ハサミ、ナイフ等）に適用してもよい。

　また、処置部３が関節を備えていてもよい。関節を湾曲させることにより、外力による長手軸回りのトルクを受け易くなるからである。関節としては、リンク方式、コマ方式あるいはマルチルーメンチューブ等任意の形式のものを採用してよい。

　また、図１５に示されるように、可動部８、当接面３ａおよびコイルスプリング９の径方向外方を覆うカバー２５を備えていてもよい。これにより、可動部８と当接面３ａとの間、あるいはコイルスプリング９に、周辺組織が巻き込まれることを防止することができる。カバー２５は外装部材５に固定されていてもよいし、ベース部１５に固定されていてもよい。

　また、本実施形態においては、操作部４の操作によって手動で駆動される内視鏡用処置具１を例示したが、これに代えて、図１６に示されるように、電動の駆動部３２によって駆動されるマスタスレーブ方式の内視鏡用処置具１に適用してもよい。操作者により操作される操作部３３の操作量に基づいて、制御部３１が駆動部３２を制御することにより、可動部８の移動、処置部３の回転および処置部３の駆動を行うことができる。

　また、本実施形態においては、本体部７として、周方向に等間隔をあけた４か所に、長手軸方向に貫通するルーメン１０が設けられているものを例示したが、これに限られるものではなく、少なくとも１か所に、長手軸方向に貫通するルーメン１０が設けられていればよい。

　１　内視鏡用処置具
　２　挿入部
　３　処置部
　３ａ　当接面（基端面）
　５　外装部材
　５ａ　先端面
　６　操作部材
　７　本体部
　８　可動部
　９　コイルスプリング（付勢部材）
　１１　第１ワイヤ（ワイヤ）
　１３　トルクチューブ（回転伝達部材）
　１４　第２ワイヤ（他のワイヤ）
　２４ａ，２４ｂ　凹凸

Claims

　内視鏡のチャンネル内に挿入可能な内視鏡用処置具であって、
　可撓性を有する挿入部と、
　前記挿入部の先端に、前記挿入部の長手軸回りに回転可能に支持された処置部とを備え、
　前記挿入部が、前記挿入部の先端側において前記処置部に接触可能かつ前記挿入部の前記長手軸方向に移動可能な管状の外装部材と、前記外装部材の内部に挿通され、前記長手軸回りの回転を前記処置部に伝達可能な操作部材と、前記挿入部の内部に挿通され、先端が前記外装部材に固定されているワイヤとを備える内視鏡用処置具。
　前記ワイヤを基端側に牽引して張力を加えることによって、前記処置部の基端面と前記外装部材の先端面とが、前記長手軸方向に相対移動可能に設けられている請求項１に記載の内視鏡用処置具。
　前記処置部の前記基端面と前記外装部材の前記先端面との間に発生する摩擦によって、前記外装部材の前記先端面に対して前記処置部の前記長手軸回りの回転量を維持する請求項２に記載の内視鏡用処置具。
　前記外装部材が、本体部と、前記本体部の前方に前記長手軸方向に移動可能に支持され前記ワイヤが固定されている可動部と、前記可動部を前記本体部に対して、より前方に押し出す方向に付勢する付勢部材とを備える請求項３に記載の内視鏡用処置具。
　前記処置部の前記基端面および前記外装部材の前記先端面に、密着したときに相互に噛み合う凹凸が設けられている請求項４に記載の内視鏡用処置具。
　前記操作部材が、先端に前記処置部を固定した管状の回転伝達部材と、前記回転伝達部材内に前記長手軸方向に移動可能に挿通され前記処置部を駆動する他のワイヤとを備える請求項５に記載の内視鏡用処置具。
　前記回転伝達部材がトルクチューブである請求項６に記載の内視鏡用処置具。