WO2021157295A1

WO2021157295A1 - 静電容量方式の電子ペン及び静電容量方式の電子ペンカートリッジ並びに電子ペン用の充電トレー及び電子ペンカートリッジ用の充電トレー

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Publication number: WO2021157295A1
Application number: PCT/JP2021/000740
Authority: WO
Inventors: 利彦堀江
Original assignee: 株式会社ワコム
Priority date: 2020-02-06
Filing date: 2021-01-13
Publication date: 2021-08-12
Also published as: CN114945894A; JPWO2021157295A1; US11853489B2; US20220334660A1

Abstract

筐体内に収納している蓄電デバイスの充電が容易な静電容量方式の電子ペンを提供する。　筒状のペン筐体内に、位置検出センサに供給する信号を生成する信号発信回路を含む電子回路が設けられると共に、電子回路に電源電圧を供給する充電可能な蓄電デバイスが設けられる静電容量方式の電子ペンである。外部の充電装置の送電部の送電電極と非接触で電界結合して受電電極として動作するように、外部に露出して設けられる第１の導体部及び第２の導体部を備える。電子回路は、第１の導体部及び第２の導体部に接続されることで、蓄電デバイスを充電可能とする充電回路を備える。第１の導体部及び第２の導体部の少なくとも一方は、ペン筐体の一部で構成される。

Description

静電容量方式の電子ペン及び静電容量方式の電子ペンカートリッジ並びに電子ペン用の充電トレー及び電子ペンカートリッジ用の充電トレー

　この発明は、位置検出センサと電界結合により信号の授受を行う静電容量方式の電子ペン及び静電容量方式の電子ペンカートリッジに関する。また、この発明は、電子ペン用充電トレー及び電子ペンカートリッジ用充電トレーに関する。

　アクティブ静電容量方式の電子ペンは、信号発信回路と、この信号発信回路に電源電圧を供給する電源とを内蔵すると共に、芯体を導体で構成し、信号発信回路からの信号を、導体の芯体から、位置検出センサに対して静電結合により送信するようにするものである（例えば特許文献１（特許第５６８７３９８号公報）参照）。

　近年の小型化の嗜好により、携帯型の電子機器も、より小型化の要求が強くなっている。このため、電子ペンは、この種の小型の電子機器に搭載される位置検出センサと共に使用されるようになっており、より細型のものが求められている。

　アクティブ静電容量方式の電子ペンの電源として一次電池を用いる場合には、細型化の要求に合わせた小型の専用の一次電池が必要になると共に、一次電池を頻繁に交換する必要が生じるという問題がある。

　そこで、アクティブ静電容量方式の電子ペンの電源として、小型化が可能な二次電池や電気二重層コンデンサなどの充電が可能な蓄電デバイスを電源として用い、当該蓄電デバイスを、外部から充電することができるように構成することが提案されている。

　このため、この種のアクティブ静電容量方式の電子ペンのペン筐体に、充電用電極を外部に露出可能に設けるようにしている。

　また、アクティブ静電容量方式の電子ペンにおいて、筐体内に蓄電デバイスを設けると共に、ペン先側に電磁誘導方式の電子ペンと同様にフェライトコアにコイルを巻回した部品を設け、充電用外部磁界により、このコイルに流れる電磁誘導電流により、蓄電デバイスを充電するように構成したものも提案されている（特許文献２（ＷＯ２０１４／０９７９５３Ａ１）参照）。この特許文献２のアクティブ静電容量方式の電子ペンにおいては、導電性の芯体を、フェライトコアの貫通孔を挿通させるように構成している。

特許第５６８７３９８号公報ＷＯ２０１４／０９７９５３Ａ１

　しかしながら、電子ペンのペン筐体に、蓄電デバイスを充電するための充電用電極を設ける構成は、部品点数が増加すると共に、ペン筐体を特別の構成にする必要があり、コスト高となる問題があった。

　この点、特許文献２の電子ペンによれば、ペン筐体から外部に露呈するように充電用電極を設ける必要はないので、上記の問題はない。

　しかしながら、アクティブ静電容量方式の電子ペンとしては、芯体を中心電極として、当該中心電極の周囲を囲むように周辺電極を設け、中心電極及び周辺電極とで位置検出センサと信号の授受するタイプの双方向通信型電子ペンもある。ところが、特許文献２のアクティブ静電容量方式の電子ペンにおいては、上述したように、導電性の芯体を、フェライトコアの貫通孔を挿通させるように構成しなければならない。このため、この種の双方向通信型のアクティブ静電容量方式の電子ペンカートリッジの場合には、周辺電極とコイルを巻回したフェライトコアとの位置が重なってしまうために、細型化が困難である。

　また、最近は、電子ペンは、文具の延長として捉えられ、その内部構成をモジュール化して、ボールペンの替え芯（リフィルやカートリッジ）と同様に取り扱えるようにする要望もある。この電子ペンカートリッジを用いれば、文具のボールペンの筐体をそのまま用いることも可能であるというメリットがある。以下、この明細書では、電子ペンの内部構成部品をモジュール化して一体化し、ボールペンの替え芯のように交換可能に構成したものを電子ペンカートリッジと称することとする。

　この場合に、この電子ペンカートリッジは、ボールペンの替え芯と同等の太さ及び長さとする必要があるが、カートリッジ筐体に収納されている蓄電デバイスを充電するための充電用電極を、カートリッジ筐体から露出可能に設けることは非常に困難である。そのため、ペン筐体に充電用電極を設けて、このペン筐体の充電用電極を用いて電子ペンカートリッジの蓄電デバイスを充電するようにする構成も考えられるが、その場合には、文具のボールペンの筐体をそのまま用いることができないという問題がある。

　また、電子ペンカートリッジの蓄電デバイスの充電方式として、特許文献２のような電磁誘導作用を用いた充電を行う方式を採用した場合においても、上述した双方向通信型電子ペン用の電子ペンカートリッジの場合には、周辺電極とコイルを巻回したフェライトコアとの位置が重なってしまうために、文具のボールペンの替え芯と互換性をとれるような太さとすることが困難である。

　この発明は、以上の問題点を解決することができるようにした電子ペン及び電子ペンカートリッジを提供することを目的とする。

　上記の課題を解決するために、
　筒状のペン筐体内に、位置検出センサに供給する信号を生成する信号発信回路を含む電子回路が設けられると共に、前記電子回路に電源電圧を供給する充電可能な蓄電デバイスが設けられる静電容量方式の電子ペンであって、
　外部の充電装置の送電部の送電電極と非接触で電界結合して受電電極として動作するように、外部に露出して設けられる第１の導体部及び第２の導体部を備えると共に、
　前記電子回路は、前記第１の導体部及び前記第２の導体部に接続されることで、前記蓄電デバイスを充電可能とする充電回路を備え、
　前記第１の導体部及び前記第２の導体部の少なくとも一方は、前記ペン筐体の一部で構成される
　ことを特徴とする静電容量方式の電子ペンを提供する。

　また、
　電子ペンの筒状のペン筐体内に、少なくともペン先が、前記ペン筐体の軸心方向の一方の開口から突出可能の状態で着脱自在に収容され、筒状のカートリッジ筐体内に、位置検出センサに供給する信号を生成する信号発信回路を含む電子回路が設けられると共に、前記電子回路に電源電圧を供給する充電可能な蓄電デバイスが設けられる静電容量方式の電子ペンカートリッジであって、
　外部の充電装置の送電部の送電電極と非接触で電界結合して受電電極として動作するように、外部に露出して設けられる第１の導体部及び第２の導体部を備えると共に、
　前記電子回路は、前記第１の導体部及び前記第２の導体部に接続されることで、前記蓄電デバイスを充電可能とする充電回路を備え、
　前記第１の導体部及び前記第２の導体部の少なくとも一方は、前記カートリッジ筐体の一部で構成される
　ことを特徴とする静電容量方式の電子ペンカートリッジを提供する。

　上述の構成の電子ペンによれば、電子ペンの筒状の筐体の導体部が、外部の送電部の送電電極と非接触で電界結合する受電電極として動作する。これにより、電子ペンの筐体内の蓄電デバイスが外部の送電部からの送電電力により充電される。このため、上述の構成の電子ペンによれば、筒状の筐体に、充電用電極を設けたり、電磁誘導の場合のコイルを巻回したりするなどの付加的な構成を設けなくても、筐体内の蓄電デバイスを充電でき、アクティブ静電容量方式の電子ペンの細型化が容易になるという効果を奏する。

　同様に、上述の構成の電子ペンカートリッジによれば、電子ペンカートリッジの筒状のカートリッジ筐体の導体部が、外部の送電部の送電電極と非接触で電界結合する受電電極として動作する。これにより、電子ペンカートリッジのカートリッジ筐体内の蓄電デバイスが外部の送電部からの送電電力により充電される。このため、上述の構成の電子ペンカートリッジによれば、筒状のカートリッジ筐体に、充電用電極を設けたり、電磁誘導の場合のコイルを巻回したりするなどの付加的な構成を設けなくても、カートリッジ筐体内の蓄電デバイスを充電できる構成とすることができ、文具のボールペンの替え芯などと互換性をとる構成とすることが容易になるという効果を奏する。

この発明による電子ペンの第１の実施形態の構成例を説明するための図である。第１の実施形態の電子ペンの一部の構成例を説明するための図である。第１の実施形態の電子ペンの一部の構成例を説明するための図である。この発明による電子ペン用の充電トレーの実施形態の構成例を説明するための図である。第１の実施形態の電子ペンの電子回路及び充電トレーの電子回路の回路例を示す図である。第１の実施形態の電子ペンの動作を説明するために用いるタイミングチャートを示す図である。この発明による電子ペンカートリッジの実施形態を備える、この発明の電子ペンの第２の実施形態の構成例を説明するための図である。この発明による電子ペンカートリッジの実施形態の構成例を説明するための図である。この発明による電子ペンの第３の実施形態の構成例を説明するための図である。第１の実施形態の電子ペンの電子回路及び充電トレーの電子回路の回路例を示す図である。この発明による電子ペンの他の実施形態の構成例を説明するための図である。この発明による電子ペンの他の実施形態用の充電トレーの構成例を説明するための図である。この発明による電子ペンのさらに他の実施形態の構成例を説明するための図である。電界結合による電力伝送方式の他の回路例を説明するための図である。

　以下、この発明による静電容量方式の電子ペン及び静電容量方式の電子ペンカートリッジの実施形態を、図を参照しながら説明する。

　［第１の実施形態］
　第１の実施形態の静電容量方式の電子ペンは、電子ペンによる指示位置を検出する位置検出センサ側からの信号を受信して、その受信した信号の要求に基づいたフォーマットの信号を発信する双方向通信型の電子ペンの場合の例である。

　この種の双方向通信型の静電容量方式の電子ペンの場合、位置検出センサから送信される信号は、静電容量結合により受信可能な電界によるものであり、その到達距離は非常に短い。そのため、双方向通信型の電子ペンの受信部は、位置検出センサからの信号を大きい強度で受信することができるように、ペン先に近い位置に配置すべきである。

　そこで、この第１の実施形態では、電子ペンに、位置検出センサからの信号の受信部を設けるが、この受信部は、導電性材料で構成されている中心電極としての芯体との電気的な絶縁を考慮しつつ、この中心電極の周囲を、中心電極の先端部の近傍まで覆うように囲んで設けられた筒状の導体からならる周辺電極により構成される。

　また、最近は、電子ペンの位置検出センサ面に対する傾き角（電子ペンの軸心方向と位置検出センサ面との成す角度。以下、電子ペンの傾き角と略称する）を、位置検出装置で検出し、検出した傾き角を電子ペンの指示軌跡（筆記跡）の太さなどに反映するようにすることが提案されている。この第１の実施形態の電子ペンにおいては、上記の周辺電極を、この電子ペンの傾き角の検出にも用いることができるように構成する。

　また、この第１の実施形態では、周辺電極を、位置検出用信号を送出する中心電極に対するシールド電極の役割をするようにも構成する。

　図１は、この発明による静電容量方式の電子ペンの第１の実施形態の構成例を説明するための図であり、図１（Ａ）は、この実施形態の静電容量方式の電子ペン１の外観を示す図、図１（Ｂ）は、そのペン先側の縦断面図である。また、図２は、この第１の実施形態の静電容量方式の電子ペン１のペン筐体１０の構成を説明するための分解斜視図である。

　この第１の実施形態の電子ペン１においては、ペン筐体１０は、図１（Ａ），（Ｂ）に示すように、導電部材、例えば導電性金属からなる筐体筒状部１１のペン先側に、絶縁部材、例えば樹脂からなる筒状結合部材１３を介して、導電部材、例えば導電性金属からなる周辺電極１２が結合され、この周辺電極１２のペン先側にフロントキャップ１４が結合されて構成されている。筒状結合部材１３は、筐体筒状部１１と周辺電極１２との間の絶縁の役割をする。

　周辺電極１２は、この例では、図１（Ａ），（Ｂ）及び図２に示すように、外径が一定の径の円筒形状部１２ａと、ペン先側に向かって徐々に先細となるようにテーパー状に形成されているテーパー部１２ｂとを有する形状とされている。筐体筒状部１１は、この例では、図１（Ａ），（Ｂ）及び図２に示すように、周辺電極１２の円筒形状部１２ａの外径と等しい外径の円筒形状を有している。フロントキャップ１４は、周辺電極１２のテーパー部１２ｂの先細の先端に取り付けられている。

　筒状結合部材１３は、図１（Ｂ）及び図２に示すような筒状体であって、軸心方向の中ほどの位置には、外周面から突出するリング状鍔部１３Ｆが形成されている。このリング状鍔部１３Ｆは、軸心方向に所定の幅Ｗ（図１（Ａ）、（Ｂ）及び図２参照）を有し、その端面は、図１（Ａ）及び（Ｂ）に示すように、筐体筒状部１１及び周辺電極１２と段差を生じることなく面一となってペン筐体１０の一部を構成するようにされている。

　そして、この筒状結合部材１３の、リング状鍔部１３Ｆよりも軸心方向の一方側であるペン先側は、周辺電極１２の円筒形状部１２ａと嵌合される第１の嵌合筒状部１３ａとされる。また、筒状結合部材１３のリング状鍔部１３Ｆよりも軸心方向に後端側は、筐体筒状部１１と嵌合される第２の嵌合筒状部１３ｂとされる。

　筐体筒状部１１と周辺電極１２とが筒状結合部材１３に対して図２で矢印で示すように挿入されて嵌合され、さらに周辺電極１２のペン先側の開口１２ｃ（図２参照）にフロントキャップ１４が結合された状態では、図１（Ａ）に示すように、１本の筒状体のペン筐体１０が形成される。このとき、前述したように、筐体筒状部１１の外周面と、周辺電極１２の外周面と、筒状結合部材１３のリング状鍔部１３Ｆの端面とは面一の状態となっている。そして、導電性材料からなる筐体筒状部１１と周辺電極１２とは、筒状結合部材１３のリング状鍔部１３Ｆの存在により接触することなく互いに電気的に分離（絶縁）されている状態となっている。

　ペン筐体１０の内部には、図１（Ｂ）に示すように、中空部１０ａが存在する。周辺電極１２のペン先側に装着されるフロントキャップ１４は絶縁材からなり、その先端側に、中心電極を構成する芯体１５の径よりも大きな径の開口１４ａ（図１（Ｂ）参照）を備えており、その開口１４ａは、ペン筐体１０の中空部１０ａに連通している。

　そして、芯体１５が、図１（Ｂ）に示すように、フロントキャップ１４の開口１４ａから、ペン筐体１０の中空部１０ａ内に挿入される。芯体１５は、導電性材料、例えば導電性金属で構成され、図１（Ｂ）に示すような棒状体からなる。芯体１５は、その先端部１５ａが外部に突出する状態で、ペン筐体１０内に設けられる後述する芯体保持部材２に着脱可能に嵌合されて保持されるように構成されている。また、ペン筐体１０の筐体筒状部１１のペン先側とは反対側の後端側の開口は、この例では、図１（Ａ）に示すように、例えば樹脂からなる蓋部１６により閉塞されている。

　導電性材料からなる芯体１５と周辺電極１２とは、図１（Ｂ）に示すように、絶縁材であるフロントキャップ１４により、電気的に分離（絶縁）される。この第１の実施形態の電子ペン１においては、芯体１５が装着されたときには、図１（Ｂ）に示すように、芯体１５のペン先となる先端部１５ａよりも後端側が周辺電極１２に囲まれるような状態となるように構成されている。

　ペン筐体１０の中空部１０ａ内には、図１（Ｂ）において点線で示すように、芯体保持部材２、筆圧検出部３、信号発信回路を含む電子回路が搭載されるプリント基板４、電子回路への電源電圧供給用の蓄電デバイスの例としてのコンデンサ５が、ペン先側から順に、軸心方向に並べられて収納されて、配設されている。プリント基板４に搭載される電子回路には、コンデンサ５への充電電流を供給するための充電用回路が含まれている。この実施形態では、後述するように、電界結合による非接触の電力伝送方式で外部から伝送される電力を受けてコンデンサ５は充電される。この例では、コンデンサ５は、例えば電気二重層コンデンサで構成される。

　そして、この第１の実施形態では、ペン筐体１０の中空部１０ａ内には、図１（Ｂ）に示すように、基板載置台部６１にプリント基板４が載置される基板ホルダー６が収納されている。

　基板ホルダー６は、絶縁性の樹脂により構成され、電子ペン１の軸心方向となる長手方向において、基板載置台部６１側とは反対側に、筆圧検出部３を収納保持するための筆圧検出部保持部６２を有している。筆圧検出部保持部６２は、内部の中空部に筆圧検出部３の複数個の部品を収納する中空部を備える円筒形状とされる。基板載置台部６１は、プリント基板４を載置して保持するボート状の形状であって、筒状体を軸芯方向に略半分切断したような形状とされている。

　基板ホルダー６は、図１（Ｂ）に示すように、筆圧検出部保持部６２がペン先側となるように、ペン筐体１０内に収納される。そして、この筆圧検出部保持部６２に保持されている筆圧検出部３に対して、芯体１５と嵌合して当該芯体１５を保持する芯体保持部材２が結合され、芯体１５に印加される圧力（筆圧）が、筆圧検出部３に伝達されるように構成されている。

　基板ホルダー６の筆圧検出部保持部６２の外径は、この実施形態では、筒状結合部材１３の内径と等しいあるいは若干小さく選定されている。そして、図２に示すように、基板ホルダー６の筆圧検出部保持部６２の一部が、筒状結合部材１３の嵌合筒状部１３ｂの一部と嵌合することで、基板ホルダー６が、ペン筐体１０内において軸心方向に移動しないように位置規制されている。

　芯体１５を嵌合保持する芯体保持部材２は、図１（Ｂ）及び図３に示すように、導電性弾性部材２１と、芯体ホルダー２２と、コイルばね２３と、導体端子部材２４とから構成されている。芯体１５は、この実施形態では、図１（Ｂ）に示すように、導電性弾性部材２１を介して導電性材料からなる芯体ホルダー２２に嵌合されることにより、芯体ホルダー２２に対して結合保持されている。芯体保持部材２は、筆圧検出部３に対して、芯体１５に印可される筆圧の伝達部材の役割もする。

　そして、芯体ホルダー２２が、筆圧検出部保持部６２に保持される筆圧検出部３の保持部材３３に嵌合されることにより、芯体１５に印加される圧力（筆圧）が筆圧検出部３に伝達されるように構成されている。この場合に、芯体ホルダー２２は、導電性金属などの導電性材料からなる弾性部材の例としてのコイルばね２３により、基板ホルダー６に対して常に芯体１５側に付勢されるように構成されている。なお、コイルばね２３は、導体端子部材２４と共に、プリント基板４に配設されている電子回路の信号発信回路からの信号を芯体１５に伝達するための電気的接続用部材を構成するものである。

　図３（Ａ）は、芯体１５、導電性弾性部材２１、芯体ホルダー２２、コイルばね２３、導体端子部材２４及び基板ホルダー６の筆圧検出部保持部６２の部分の分解斜視図である。

　導電性弾性部材２１は、例えば導電性ゴムからなり、芯体１５の先端部１５ａとは反対側の端部が嵌合される貫通孔２１ａを備える円筒状形状に形成されている。この導電性弾性部材２１の芯体１５側は、他の部分よりも外径が小さくされて薄肉部とされると共に、スリット２１２が形成されて、芯体１５を把持し易くする把持部２１１とされている。

　このように構成したことにより、芯体１５は、把持部２１１の、スリット２１２が形成された２個の薄肉部である弧状部分により把持される。したがって、芯体１５は導電性弾性部材２１の把持部２１１に対して容易に挿入嵌合され、また、所定の力で引っ張ることで、芯体１５を導電性弾性部材２１から容易に引き抜くことができる。

　芯体ホルダー２２は、導電性材料、例えばＳＵＳ（Steel Special Use Stainless）からなり、導電性弾性部材２１を収納嵌合する凹穴２２１ａを有する収納嵌合部２２１と、筆圧検出部３の後述する保持部材３３に嵌合する棒状部２２２とが一体に形成されたものである。

　上述のようにして導電性弾性部材２１を収納した芯体ホルダー２２の棒状部２２２に導電性のコイルばね２３が装着された後、芯体ホルダー２２の棒状部２２２は、基板ホルダー６の筆圧検出部保持部６２に保持される筆圧検出部３の保持部材３３に嵌合される。

　この場合に、この実施形態の電子ペン１においては、プリント基板４上に構成されている電子回路の信号発信回路からの送信信号を、芯体１５に供給する必要がある。この実施形態では、芯体ホルダー２２と、基板ホルダー６の筆圧検出部保持部６２との間に設けた、導電性の材料で構成されたコイルばね２３と、基板ホルダー６の筆圧検出部保持部６２に設けられた導体端子部材２４（図３（Ｂ）参照）とにより電気的接続用部材を構成し、この電気的接続用部材により、プリント基板４の信号発信回路からの信号供給のための電気的接続を実現している。

　導体端子部材２４は、導電性を有する材料、例えばＳＵＳからなり、図３（Ａ），（Ｂ）に示すように、基板ホルダー６の筆圧検出部保持部６２の開口部６２ａ側を覆い、かつ、芯体ホルダー２２の棒状部２２２が挿通する貫通孔２４１ａを備える当接板部２４１を有する。また、導体端子部材２４は、基板ホルダー６の筆圧検出部保持部６２の部分を跨いで、基板載置台部６１の部分まで延伸する延伸部２４２備えている。そして、導体端子部材２４が基板ホルダー６の筆圧検出部保持部６２に装着された状態においては、図１（Ｂ）に示すように、導体端子部材２４から延伸する延伸部２４２の先端の端子部２４２ａは、基板ホルダー６の基板載置台部６１に載置されているプリント基板４の裏面側の導体と当接し、例えば半田付けされる。これにより、導体端子部材２４とプリント基板４に設けられている信号発信回路と電気的に接続される。

　そして、コイルばね２３は、芯体ホルダー２２に弾性的に接触すると共に、導体端子部材２４の当接板部２４１に当接して弾性的に接触する。コイルばね２３は、導電性材料で構成されていると共に、導電性弾性部材２１及び芯体ホルダー２２は導電性を有するので、コイルばね２３及び導体端子部材２４を介して、芯体ホルダー２２に嵌合されている導電性弾性部材２１は、プリント基板４の回路部と電気的に接続される。

　以上のようにペン筐体１０内に収納された芯体ホルダー２２に嵌合された導電性弾性部材２１の貫通孔２１ａに対して、芯体１５が、前述したようにして挿入嵌合されて、芯体１５が、芯体ホルダー２２に対して、導電性弾性部材２１を介して保持される。この状態では、芯体１５は、プリント基板４の信号発信回路と電気的に接続されることになり、信号発信回路からの信号が芯体１５に供給される状態となる。

　この例の筆圧検出部３は、図１（Ｂ）に示すように、誘電体３１と、端子部材３２と、保持部材３３と、導電部材３４と、弾性部材３５との複数個の部品からなる周知の構成を備え、芯体１５に印加される筆圧に応じて静電容量が変化する容量可変コンデンサの構成である。

　次に、周辺電極１２と、プリント基板４の回路部との電気的な接続について説明する。

　ここで、図２は、基板ホルダー６を基板載置台部６１とは反対側から見たときの筐体筒状部１１及び周辺電極１２、さらに、筒状結合部材１３を示している。この図２に示すように、筒状結合部材１３の外周面には、凹溝１３ｃが、当該筒状結合部材１３の軸心方向に沿った方向に、第１の嵌合筒状部１３ａから、リング状鍔部１３Ｆの下部を通って、第２の嵌合筒状部１３ｂに亘って形成されている。そして、基板ホルダー６の筆圧検出部保持部６２の周側面には、第２の嵌合筒状部１３ｂの凹溝１３ｃと連続するような凹溝６２ａが形成されている。また、基板ホルダー６の基板載置台部６１には、図２に示すように、切欠き部６１ａが形成されて、載置されるプリント基板４の裏面４ｂ側が、この切欠き部６１ａ側から見えるような状態に構成されている。

　そして、図２に示すように、凹溝１３ｃ及び凹溝６２ａ内には、導電体材料、この例では、導電体金属からなる接続端子導体１７が配設される。この場合に、凹溝１３ｃ及び凹溝６２ａの深さは、接続端子導体１７の上面が、第２の嵌合筒状部１３ｂの外周面よりも低い位置となるように構成されている。これにより、筐体筒状部１１が、筒状結合部材１３の第２の嵌合筒状部１３ｂに嵌合されたときには、凹溝１３ｃ及び凹溝６２ａ内に収納された接続端子導体１７の上面と筐体筒状部１１の内壁面との間には、空気層が存在して、両者が電気的分離（絶縁）される。

　なお、図１（Ｂ）にも示すように、筒状結合部材１３の第１の嵌合筒状部１３ａ側の凹溝１３ｃに配設される接続端子導体１７の端部１７ａは、少なくとも一部が、第１の嵌合筒状部１３ａの外周面よりも若干膨出するように配設される。これにより、筒状結合部材１３の第１の嵌合筒状部１３ａに周辺電極１２が嵌合されたときに、接続端子導体１７の端部１７ａと、周辺電極１２の内壁とが確実に接触して、周辺電極１２と接続端子導体１７とが電気的に接続される状態となるように構成されている。

　そして、接続端子導体１７のプリント基板４側に伸びている端部１７ｂは、基板ホルダー６の切欠き部６１ａのところで折り曲げられて、プリント基板４の裏面４ｂ側に電気的に接続される。図示は省略してあるが、接続端子導体１７の端部１７ｂは、プリント基板４の表面側の回路部とはスルーホールを介して、電気的に接続されている。

　なお、接続端子導体１７の上面を絶縁層で覆うようにして、より確実に接続端子導体１７と筐体筒状部１１との絶縁を実現するようにしてもよい。

　そして、図１では図示を省略したが、プリント基板４に形成されている電子回路には、導電性金属からなる筐体筒状部１１も電気的に接続されている。

　以上のような構成の電子ペン１は、芯体１５の先端部のみではなく、この芯体１５の周囲を囲むように構成されている周辺電極１２が位置検出センサと静電容量を介して電界結合する。そして、位置検出センサを備える位置検出装置において、位置検出センサの検出領域内での電子ペン１による指示位置と、電子ペンの傾きの検出が可能となる。

　［第１の実施形態の電子ペンの蓄電デバイスの例としてのコンデンサ５の充電］
　第１の実施形態の電子ペン１においては、電界結合によるワイヤレス電力伝送技術を用いた充電方法により、ペン筐体１０内に収納されている蓄電デバイスの例としてのコンデンサ５を充電するように構成されている。

　すなわち、上述したように、第１の実施形態の電子ペン１においては、ペン筐体１０は導電性の筐体筒状部１１と、導電性の周辺電極１２とを備えている。そこで、第１の実施形態の電子ペン１においては、コンデンサ５の充電時には、筐体筒状部１１と周辺電極１２とを、電界結合により電力を受ける受電電極として用い、この受電電極で受信した電力に基づいて、プリント基板４に形成されている電子回路に構成された充電回路を用いて、コンデンサ５を充電するようように構成する。

　この実施形態では、充電装置として、電子ペン１を載置することでワイヤレス充電が可能となる電子ペン用の充電トレーを用いる。図４は、この電子ペン用の充電トレーの一例を、電子ペン１と共に示す図である。図４（Ａ）は、この例の電子ペン用の充電トレー１００を斜め上方から見た斜視図、図４（Ｂ）は、この例の電子ペン用の充電トレー１００の側面図であり、当該電子ペン用の充電トレー１００に、電子ペン１を載置した状態を説明するための図である。

　すなわち、図４の例の電子ペン用の充電トレー１００は、電子ペン１のペン筐体１０の太さよりも厚さの厚い、この例では、直方体形状のトレー筐体１０１を備える構成とされている。このトレー筐体１０１は、絶縁部材、この例では樹脂で構成され、その上面１０１ａの長辺方向の長さは、この例では、電子ペン１の軸心方向の長さよりも長いものとされていると共に、短辺方向の長さは、電子ペン１の太さよりも大きい長さとされている。

　そして、この例では、図４（Ａ）に示すように、トレー筐体１０１の上面１０１ａの短辺方向の中央部には、長辺方向に沿って、電子ペン１の軸心方向の長さよりも若干長い窪み１０１ｂが設けられている。この窪み１０１ｂは、電子ペン１の収容及び載置用であり、この窪み１０１ｂの幅は、電子ペン１の太さよりも大きく構成されている。ただし、この窪み１０１ｂは、電子ペン１のペン筐体１０のペン先側の形状に合わせた形状とされており、電子ペン１のペン筐体１０のペン先が収容される長手方向の一端側の幅は、徐々に幅が狭くなるように形成されている。

　使用者は、電子ペン１のコンデンサ５の充電をしようとするときには、この電子ペン用充電トレー１００の窪み１０１ｂの形状に合わせて、電子ペン１を、図４（Ａ）に示すように、周辺電極１２が設けられているペン先側が、窪み１０１ｂの、徐々に幅が狭くなる一端側となるような状態で、この窪み１０１ｂ内に収納するように載置するようにする。

　電子ペン用充電トレー１００のトレー筐体１０１の内部には、窪み部１０１ｂの長手方向に沿って、送電電極１０２及び１０３が配設されている。この場合に、送電電極１０２及び１０３は、窪み１０１ｂの底面から露出することなく、当該底面と送電電極１０２及び１０３の電極表面との間に、例えばトレー筐体１０１を構成する樹脂からなる層１０１０ｓ（図４（Ｂ）参照）が介在するように構成されている。そして、電子ペン１を窪み１０１ｂ内に収容するように載置したときに、送電電極１０２と電子ペン１の筐体筒状部１１とが樹脂の層１０１ｓを介して対向すると共に、送電電極１０３と電子ペン１の周辺電極１２とが樹脂の層１０１ｓを介して対向するように、送電電極１０２及び１０３が配設されている。

　送電電極１０２及び１０３の電極表面と窪み１０１ｂの底面との間の層１０１ｓの厚さは、当該送電電極１０２及び１０３と、電子ペン１の受電電極を構成する周辺電極１２及び筐体筒状部１１との結合容量Ｃｍによる電界結合の強さが適切になるように選定されており、例えば１～数ミリメートルとされている。

　そして、充電トレー１００のトレー筐体１０１には、送電電極１０２及び１０３から送電電力を送出するために、送電電極１０２及び１０３に供給する交流電流を供給する交流信号発生回路１０４が設けられている。

　なお、窪み１０１ｂの深さは、この窪み１０１ｂに電子ペン１が置かれたときに、電子ペン１の筐体筒状部１１及び周辺電極１２と、送電電極１０２及び１０３との電界結合が適切な強さとなるような深さとされている。

　なお、図４では、図示を省略するが、この電子ペン用充電トレー１００は、商用交流電源のコンセントに嵌合されるＡＣプラグが接続されていると共に、電源スイッチを備えている。

　以上のように構成されている電子ペン用充電トレー１００を用いて、電子ペン１の充電を行うには、電子ペン１を電子ペン用充電トレー１００の窪み１０１ｂ内に置き、電源スイッチをオンとする。すると、交流信号発生回路１０４に電源電圧が供給されて、交流信号発生回路１０４からの交流信号が送電電極１０２及び１０３に流れ、窪み１０１ｂに収容載置されている電子ペン１の筐体筒状部１１及び周辺電極１２と、送電電極１０２及び１０３とに電界結合により送信電力を伝達する。

　電子ペン１では、筐体筒状部１１及び周辺電極１２で受電した電力に基づいて、電子回路の充電回路により蓄電デバイスの例としてのコンデンサ５が充電される。この充電により、電子ペン１は、アクティブ静電容量方式の電子ペンの動作が可能な状態となる。

　なお、電子ペン用の充電装置としては、図４の例ようなトレーに限られるものではなく、例えば、電子ペンを挿入するペン立ての形状のようなものであってもよい。

　［第１の実施形態の電子ペン１の電子回路の構成例及び電子ペン用の充電トレー１００の電気的な構成例］
　次に、この第１の実施形態の電子ペン１の電子回路の構成例を、電子ペン用の充電トレー１００の電気的な構成例と共に図５に示す。

　この第１の実施形態の電子ペン１においては、電子回路は、図５に示すように、位置検出センサと信号の授受を行う電子ペン回路２００と、コンデンサ５の充電回路２１０とからなる。

　電子ペン回路２００は、この例では、図５に示すように、プリント基板４に載置されているＩＣ（Integrated Circuit）により構成される制御回路２０１を備える。電子ペン回路２００においては、この制御回路２０１に対して、信号発信回路２０２と信号受信回路２０３とが接続されると共に、筆圧検出部３で構成される可変容量コンデンサ３Ｃが接続されている。可変容量コンデンサ３Ｃには、並列に抵抗３Ｒが接続されている。

　信号発信回路２０２の信号出力端は、スイッチ回路２０４を通じて、芯体１５に接続されている。スイッチ回路２０４は、制御回路２０１からの切替制御信号ＳＷ２によりオン、オフ制御される。この場合、芯体１５と、スイッチ回路２０４との間の電気的な接続路は、導体端子部材２４及び芯体ホルダー２２並びに導電性弾性部材２１が介在するのは前述した通りである。

　そして、この実施形態では、ペン筐体１０の筐体筒状部１１が、切替スイッチ回路２２１の可動端子Ｍに接続され、周辺電極１２が、切替スイッチ回路２２２の可動端子Ｍに接続される。この場合、周辺電極１２は、接続端子導体１７を通じて切替スイッチ回路２０５と接続される。

　これら切替スイッチ回路２２１及び２２２は、固定端子ＣＨと固定端子Ｐとを有し、この実施形態では、制御回路２０１からの後述する切替制御信号ＳＷ１により、可動端子Ｍを固定端子ＣＨに接続する状態と、固定端子Ｐに接続する状態とに選択的に切り替えられる。

　筐体筒状部２２１が接続されている切替スイッチ回路２２１の固定端子ＣＨは充電回路２１０に接続され、固定端子Ｐは電子ペン回路２００と共通のアース端子（グランド電極）に接続されている。また、周辺電極１２が接続されている切替スイッチ回路２２２の固定端子ＣＨは充電回路２１０に接続され、固定端子Ｐは電子ペン回路２００の切替スイッチ回路２０５の可動端子Ｍに接続されている。

　そして、この例では、信号発信回路２０２の信号出力端が、切替スイッチ回路２０５の固定端子Ｓに接続されている。切替スイッチ回路２０５の固定端子Ｒは、信号受信回路２０３の入力端に接続されている。さらに、切替スイッチ回路２０５の固定端子Ｇは、アース電極（グランド電極）に接続されている。制御回路２０１は、切替スイッチ回路２０５に対して、可動端子Ｍを、端子Ｓ、端子Ｒ、端子Ｇのいずれに接続するかを切り替える切替制御信号ＳＷ３を供給する。

　この実施形態では、電子ペン用充電トレー１００と、電子ペン１との間では、並列共振型回路構成を用いた、電界結合によるワイヤレス電力伝送を行って、電子ペン１の蓄電デバイスであるコンデンサ５を充電するようにするように構成する。

　すなわち、図５に示すように、充電トレー１００の交流信号発生回路１０４の一端及び他端は、トランス１０５の１次巻線１０５ａの一端及び他端に接続されている。トランス１０５の２次巻線１０５ｂには並列にコンデンサ１０６が接続されて並列共振回路１０７が形成されている。そして、この並列共振回路１０７の一端が送電電極１０２に接続され、他端が送電電極１０３に供給されている。

　一方、電子ペン１の充電回路２１０においては、トランス２１１の１次巻線２１１ａに並列にコンデンサ２１２が接続されて並列共振回路２１３が形成されている。そして、電子ペン１のペン筐体１０の筐体筒状部１１が接続される切替スイッチ回路２２１の固定端子ＣＨが並列共振回路２１３の一端に接続され、周辺電極１２が接続される切替スイッチ回路２２２の固定端子ＣＨが並列共振回路２１３の他端に接続される。この並列共振回路２１３の共振周波数は、充電トレー１００の並列共振回路１０７の共振周波数と等しくなるように構成されている。

　そして、トランス２１１の２次巻線２１１ｂの一端及び他端は、例えば全波整流を行う整流回路２１４の入力端に接続され、この整流回路２１４の出力端間に、コンデンサ５が接続される。

　そして、この実施形態では、周辺電極１２が接続される切替スイッチ回路２２２の固定端子ＣＨは、また、センサ信号検出回路２２３に接続されている。このセンサ信号検出回路２２３は、周辺電極１２で位置検出センサから受信する信号を監視して検出する機能を備え、その検出結果の出力信号を制御回路２０１に供給する。制御回路２０１は、このセンサ信号検出回路２２３の検出出力に基づいて切替スイッチ回路２２１及び２２２を切り替える切替制御信号ＳＷ１を生成する。

　なお、この実施形態では、センサ信号検出回路２２３は、位置検出センサから受信する信号の監視は、常時実行するのではなく、所定の周期で繰り返す間欠的な信号受信監視期間においてのみ実行するようにする。このように、間欠的な信号受信監視期間のみ、センサ信号検出回路を働かせることで、コンデンサ５の蓄積電圧の消費を少なくすることができる。

　そして、制御回路２０１は、センサ信号検出回路２２３からの検出出力が、例えば図６（Ａ）の前半に示すようにローレベルとなって、周辺電極１２で位置検出センサからの信号の受信していないことを示しているときには、切替制御信号ＳＷ１により、図６（Ｂ）の前半に示すように、切替スイッチ回路２２１及び切替スイッチ回路２２２を固定端子ＣＨ側に切り替える状態とする。

　また、制御回路２０１は、センサ信号検出回路２２３からの検出出力が、例えば図６（Ａ）の後半に示すようにハイレベルとなって、周辺電極１２で位置検出センサからの信号の受信を検出したことを示しているときには、切替制御信号ＳＷ１により、図６（Ｂ）の後半に示すように、切替スイッチ回路２２１及び切替スイッチ回路２２２を固定端子Ｐ側に切り替える状態とする。

　したがって、電子ペン１が、位置検出センサからの信号を受信しない環境（電子ペン１と位置検出センサとが電界結合しない環境）においては、電子ペン１においては、制御回路２０１は、センサ信号検出回路２２３からの検出信号に基づいて生成した切替制御信号ＳＷ１により、切替スイッチ回路２２１及び切替スイッチ回路２２２は固定端子ＣＨ側に切り替えられ、筐体筒状部１１及び周辺電極１２は、充電回路２１０に接続される状態になる。

　そこで、この状態において、電子ペン１が充電トレー１００の窪み１０１ｂに前述したようにして収納載置されると、充電トレー１００の送電電極１０２及び送電電極１０３と、電子ペン１のペン筐体１０の筐体筒状部１１及び周辺電極１２とが、図５に示すように、結合容量Ｃｍを介して互いに電界結合する。

　これにより、充電トレー１００の交流信号発生回路１０４からの交流信号により発生する交流電力が、結合容量Ｃｍを介して、送電電極１０２及び送電電極１０３から、電子ペン１の受電電極としての筐体筒状部１１及び周辺電極１２に伝達される。そして、電子ペン１においては、筐体筒状部１１及び周辺電極１２に伝達された交流電力が、トランス２１１を介して整流回路２１４で整流され、その整流出力により、コンデンサ５が充電される。そして、このコンデンサ５の両端電圧が電源電圧ＶＢとして、電子ペン回路２００の制御回路２０１、信号発信回路２０２、信号受信回路２０３、スイッチ回路２０４、切替スイッチ回路２０５及びセンサ信号検出回路２２３のそれぞれに対して供給されている。

　一方、位置検出センサからの信号を受信する環境（電子ペン１が、位置検出センサと電界結合するような環境）にあるときには、電子ペン１においては、制御回路２０１は、センサ信号検出回路２２３からの検出信号に基づいて生成した切替制御信号ＳＷ１により、切替スイッチ回路２２１及び切替スイッチ回路２２２は固定端子Ｐ側に切り替えられて、筐体筒状部１１は電子ペン回路２００のアース電極に接続され、周辺電極１２は、電子ペン回路２００の切替スイッチ回路２０５に接続される。筐体筒状部１１は、電子ペン１の使用者が手で把持するので、電子ペン回路２００のアース電極は、使用者の人体を通じて大地（地気アース）に接続され、電子ペン１は、安定した動作をする。

　このとき、切替スイッチ回路２２２が端子Ｐ側に切り替えられることにより、センサ信号検出回路２２３では位置検出センサからの信号の受信の検出ができなくなり、その検出出力は、周辺電極１２で位置検出センサからの信号の受信していないことを示すローレベルとなる。

　しかし、この実施形態では、制御回路２０１は、センサ信号検出回路２２３からの検出出力がハイレベルからローレベルに変わっても、即座には、切替スイッチ回路２２１，２２２を端子ＣＨ側に切り替えるようにはしない。

　すなわち、この実施形態では、制御回路２０１は、切替スイッチ回路２２１及び２２２を固定端子Ｐ側に切り替える電子ペン回路２００の動作状態では、図６（Ｃ）に示すように、電子ペン回路２００の周辺電極１２を、位置検出センサからの信号を受信する信号受信モードと、位置検出センサに対して信号を送出する信号送出モードとで時分割制御するようにしており、しかも、固定端子Ｐ側への切り替え直後は、信号受信モードとなるようにしている。

　この信号受信モードでは、後述するように、周辺電極１２で受信した位置検出センサからの信号は、信号受信回路２０３で検出され、その検出出力が制御回路２０１に供給される。したがって、制御回路２０１は、切替制御信号ＳＷ１により、切替スイッチ回路２２１及び２２２を固定端子Ｐ側に切り替える状態を維持するようにする。

　そして、この実施形態では、制御回路２１０は、信号受信モードの繰り返し周期よりも長い期間、例えば信号受信モードの繰り返し周期の複数倍の期間にわたって、位置検出センサからの信号の受信を検出しなかったときに、切替制御信号ＳＷ１を、切替スイッチ回路２２１及び２２２を固定端子ＣＨ側に切り替えるように制御する。使用者が、電子ペン１により位置指示をしているときに、短時間だけ位置検出センサから電子ペン１を離しても、切替スイッチ回路２２１及び２２２を固定端子Ｐ側に切り替えられている状態を維持するようにするためである。

　切替スイッチ回路２２１及び２２２が固定端子Ｐ側に切り替えられる状態は、電子ペン１と位置検出センサとの間で電界結合して相互にインタラクションすることが可能な状態であるので、電子ペン回路２００は、以下に説明するような動作（電子ペン動作という）を行い、これに応じて、図示は省略するが、位置検出センサを備える位置検出装置では、電子ペン１により位置指示された位置の検出がなされると共に、筆圧検出及び傾き検出などの処理がなされる。

　電子ペン回路２００は、図６（Ｅ）に示すように、信号受信モードにおいては、スイッチ回路２０４をオフとして、中心電極としての芯体１５からの信号送出は行わない。なお、切替スイッチ回路２２１及び２２２が固定端子ＣＨ側に切り替えられる状態のときにも、スイッチ回路２０４はオフとされて、芯体１５からの信号送出は行わない。無駄な電力の消費を避けるためである。

　そして、この信号受信モードにおいては、制御回路２０１は、切替制御信号ＳＷ３により、図６（Ｆ）に示すように、切替スイッチ回路２０５を固定端子Ｒ側に切り替える。したがって、信号受信回路２０３は、周辺電極１２で受信した位置検出センサからの信号を切替スイッチ回路２２２及び切替スイッチ回路２０５を通じて受け取り、当該受信した信号に応じた復調等の処理をして、その処理結果の信号を制御回路２０１に送る。

　制御回路２０１は、信号受信回路２０３からの信号により、位置検出センサからの信号の受信を検出すると共に、その位置検出センサから受信した信号を解析して、相手の位置検出装置の仕様を判断し、その判断結果に基づいて、相手の位置検出装置の位置検出センサと信号のインタラクションをするタイミングを定める。そして、制御回路２０１は、信号発信回路２０２から出力する信号のフォーマットを、相手の位置検出装置の仕様に合致するものとなるように制御し、定めたタイミングで位置検出センサとのインタラクションを行う。

　この実施形態では、制御回路２０１は、図６（Ｄ）に示すように、信号送出モードの期間においては、位置検出用のバースト信号と筆圧検出情報とを位置検出装置側に送出する位置検出期間Ｔａと電子ペン１の傾き角の検出用の傾き検出期間Ｔｂとを時分割で、複数回、実行するようにする。

　制御回路２０１は、位置検出期間Ｔａにおいては、制御信号ＳＷ２（図６（Ｅ））により、スイッチ回路２０４はオンとし、また、切替スイッチ回路２０５は、切替制御信号ＳＷ３（図６（Ｆ））により可動端子Ｍは固定端子Ｇに接続する。したがって、周辺電極１２は、アース端子に接続される。

　そして、制御回路２０１は、信号発信回路２０２を制御して、位置検出装置での位置検出のための所定周波数の位置検出用信号（バースト信号）と、筆圧検出部３で検出した筆圧に応じた筆圧情報とを含む信号を、スイッチ回路２０４を通じて芯体１５に供給して、静電容量結合により位置検出センサに送信するようにする。このとき、周辺電極１２は、アース端子に接続されているので、中心電極としての芯体１５に対してシールド電極として働き、芯体１５へのノイズの混入を防止する。

　そして、制御回路２０１は、信号発信回路２０２から位置検出用のバースト信号を送出している期間に、筆圧検出部３で構成される可変容量コンデンサ３Ｃの静電容量に基づいて筆圧を検出する動作を実行する。

　そして、制御回路２０１は、検出した筆圧を、この例では複数ビットのデジタル信号に変換し、このデジタル信号に応じた筆圧情報を、信号発信回路２０２から出力するように、この信号発信回路２０２を制御する。

　制御回路２０１は、傾き検出期間Ｔｂにおいては、制御信号ＳＷ２（図６（Ｅ））により、スイッチ回路２０４はオフとし、また、切替スイッチ回路２０５は、切替制御信号ＳＷ３により可動端子Ｍは固定端子Ｓに接続するように制御する。そして、この傾き検出期間Ｔｂにおいては、制御回路２０１は、信号発信回路２０２を、電子ペン１の傾き角の検出用のバースト信号を発生させ、周辺電極１２から送出させるように制御する。位置検出装置は、この周辺電極１２からの信号の位置検出センサにおける検出位置の分布を検出し、その検出結果から電子ペン１の傾きを検出する。

　［第１の実施形態の効果］
　以上説明したように、上述の第１の実施形態の電子ペン１によれば、ペン筐体１０内に収納した蓄電デバイスを、電界結合によるワイヤレス電力伝送技術を用いて充電する構成であり、受電電極を静電容量方式の電子ペン１のペン筐体１０の筐体筒状部１１や周辺電極１２を利用する構成であるので、電子ペンの細型化を維持しながら、蓄電デバイスを充電することができる構成とすることができる。

　そして、上述の第１の実施形態の電子ペン１によれば、電界結合によるワイヤレス電力伝送技術を用いて充電する充電用トレーのペン筐体の形状に対応した窪みに、電子ペン１を収納載置するだけで、電子ペン１のペン筐体１０内に内蔵の蓄電デバイスの充電が可能である。この場合に、第１の実施形態の電子ペン１においては、そのペン筐体１０の筐体筒状部１１や周辺電極１２を受電電極として用いるように構成したので、ペン筐体１０には、充電用電極端子を設けるなどという特別の構成は不要であって、ペン筐体の構成をシンプルにすることができるという効果を奏する。

　そして、第１の実施形態の電子ペン１においては、ペン筐体１０の筐体筒状部１１及び周辺電極１２に対して切替スイッチ回路２２１及び２２２を設けて、充電可能時と、電子ペンとして位置検出センサとインタラクションする電子ペン使用時とで、切り替えるようにしているので、電子ペン１の機械的な構成は、特殊なものとせずに、従来の構成をそのまま利用することができるという効果もある。

　さらに、この第１の実施形態においては、切替スイッチ回路２２１及び２２２は、位置検出センサからの信号の受信が可能である否かを検出するセンサ信号検出回路２２３の検出出力に基づいて、制御回路２０１により自動的に切り替えられるので、使用者は、電子ペン１を、位置検出センサと電界結合しない離れた環境下において、充電用トレー１００に載置するだけで、充電が可能である。

　また、この第１の実施形態の電子ペン１は、双方向通信型電子ペンの構成であるが、充電方式として特許文献２のような電磁誘導作用を用いた充電を行う方式ではなく、電界結合によるワイヤレス電力伝送技術を用いて充電する方式であるので、ペン筐体の外周部にコイルを巻回したりする必要がないため、電子ペンを細型化することが容易である。

　なお、上述の第１の実施形態では、切替スイッチ回路２２１及び２２２を、電子ペン１の電子回路においてセンサ信号検出回路２２３の検出出力に基づいて自動的に切り替える構成とした。しかし、電子ペン１のペン筐体１０に、充電可能時と、電子ペンとしての使用時とで切り替える操作ボタンを設けて、使用者により切り替え操作ができるように構成しても勿論良い。その場合には、センサ信号検出回路２２３は設けられず、制御回路２０１は、操作ボタンの操作状態を検出することができるように構成すると共に、使用者により操作ボタンが操作されて電子ペン１が充電モードに切り替え操作されたときに、切替制御信号ＳＷ１により、切替スイッチ回路２２１及び２２２を固定端子ＣＨ側に切り替えるように構成する。

　［電子ペンカートリッジの実施形態及び第２の実施形態の電子ペン］
　上述した第１の実施形態は、電子ペンの例であったが、この発明は、ペン筐体に着脱可能に装着することができる電子ペンカートリッジの構成とすることもできる。

　以下、図７及び図８を参照して、この発明による電子ペンカートリッジの実施形態及びこの実施形態の電子ペンカートリッジの構成例及びこの実施形態の電子ペンカートリッジ１ＣＴを搭載する第２の実施形態の電子ペン４００の構成例を説明する。

　図７は、実施形態の電子ペンカートリッジ１ＣＴを収納する第２の実施形態の電子ペン４００の構成例を示す図である。第２の実施形態の電子ペン４００は、図７（Ａ）及び（Ｂ）に示すように、実施形態の電子ペンカートリッジ１ＣＴを、ペン筐体４０１の中空部４０１ａ内に着脱可能に収容し、ノックカム機構部４１０により、実施形態の電子ペンカートリッジ１ＣＴのペン先側を、ペン筐体４０１の軸心方向の一端側の開口４０１ｂ側から出し入れするノック式の構成を備える。

　以下に説明する実施形態の電子ペンカートリッジ１ＣＴは、文具のノック式のボールペンの替え芯と同様のサイズを備えるように構成して、ボールペンの替え芯との互換性を有するように構成されたものである。したがって、第２の実施形態の電子ペン４００のペン筐体４０１は、文具のノック式のボールペンの筐体と同一のものをそのまま用いることができる。

　図７（Ａ）は、電子ペンカートリッジ１ＣＴの全体がペン筐体４０１の中空部４０１ａ内に収容されている状態を示し、図７（Ｂ）は、ノックカム機構部４１０により電子ペンカートリッジ１ＣＴのペン先側が、ペン筐体４０１の開口４０１ｂから突出した状態を示している。なお、図７の例では、電子ペン４００のペン筐体４０１が透明の合成樹脂で構成されていて、その内部が透けて見える状態として示している。

　ペン筐体４０１及び当該ペン筐体４０１内に設けられるノックカム機構部４１０は、周知の市販のノック式ボールペンと同一の構成とされると共に、寸法関係も同一に構成される。

　ノックカム機構部４１０は、図７に示すように、カム本体４１１と、ノック棒４１２と、回転子４１３とが組み合わされた周知の構成とされている。カム本体４１１は、筒状のペン筐体４００の内壁面に形成されている。ノック棒４１２は、使用者のノック操作を受け付けることができるように、端部４１２ａが、ペン筐体４０１のペン先側とは反対側の開口４０１ｃから突出するようにされている。回転子４１３は、電子ペンカートリッジ１ＣＴのペン先側とは反対側の端部が嵌合される嵌合部４１３ａを備える。ノックカム機構部４１０の詳細な構成及びその動作は周知であるので、ここでは、その説明を省略する。

　［電子ペンカートリッジ１ＣＴの構成例］
　この実施形態の電子ペンカートリッジ１ＣＴは、以下に説明するように、長さや太さなどの寸法サイズが第１の実施形態の電子ペン１と異なるだけで、構成は、第１の実施形態の電子ペン１と同様とされる。以下の実施形態の電子ペンカートリッジ１ＣＴの説明において、第１の実施形態の電子ペン１と対応する同様の構成部分には、同一参照符号にサフィックスＣＴを付加して示す。

　図８（Ａ）及び（Ｂ）は、この実施形態の電子ペンカートリッジ１ＣＴの構成例を、市販のノック式ボールペンの替え芯７と比較して示す図である。なお、図１（Ｂ）に示した電子ペン１の内部構成例は、この第２の電子ペンカートリッジ１ＣＴにおいても同様の構成を有するので、図８では、図示を省略した。

　市販のノック式ボールペンの替え芯７は、図８（Ａ）に示すように、ボールが先端に配設されているペン先部７１と、一定の外径の筒状のインク収納部７２とが、一定の外径の筒状の結合部７３で結合されて一体化された周知の構成を備える。ペン先部７１は筒状形状を備えると共に、その先端側がテーパー形状に形成されたもので、最大外径は、電子ペン４００のペン筐体４０１の開口４０１ｂの径Ｒ０よりも小さいＲ１とされている。結合部７３とインク収納部７２とは、同じ外径Ｒ２を有し、その外径Ｒ２は、ペン先部７１の最大外径Ｒ１よりは若干大きくされており、例えばＲ２＝２．２ミリメートルとされている。なお、ペン筐体４０１の開口４０１ｂの径Ｒ０は、Ｒ１＜Ｒ０＜Ｒ２とされている。

　一方、この実施形態の電子ペンカートリッジ１ＣＴの筐体（以下、カートリッジ筐体と称する）１０ＣＴは、図７（Ａ），（Ｂ）及び図８（Ｂ）に示すように、第１の実施形態の電子ペン１のペン筐体１０と同様に、筐体筒状部１１ＣＴのペン先側に、筒状結合部材１３ＣＴを介して、導電部材、例えば導電性金属からなる周辺電極１２ＣＴが結合され、この周辺電極１２ＣＴのペン先側にフロントキャップ１４ＣＴが結合されて構成されている。筐体筒状部１１ＣＴは、この例においても、第１の実施形態の電子ペン１のペン筐体１０の筐体筒状部１１と同様に、導電性金属で構成されている。ただし、この実施形態の電子ペンカートリッジ１ＣＴのカートリッジ筐体の筐体筒状部１１ＣＴの後端側には、蓋部ではなく、樹脂パイプ部１６ＣＴが結合されており、この樹脂パイプ部１６ＣＴが、電子ペンカートリッジ１ＣＴの、電子ペン４００のペン筐体４０１内の嵌合部４１３ａとの嵌合部となる。

　この例の場合には、図８（Ａ）及び（Ｂ）に示すように、電子ペンカートリッジ１ＣＴのペン先側の寸法は、ボールペンの替え芯７のペン先側の寸法とほぼ等しくなるように構成されている。すなわち、カートリッジ筐体１ＣＴの筐体筒状部１１ＣＴの外径は、市販のノック式ボールペンの替え芯７のインク収納部７２及び結合部７３の外径Ｒ２と等しくされており、また、周辺電極１２ＣＴは、そのテーパー形状部分１２ＣＴｂの軸心方向の中ほどの位置からペン先側は、ペン筐体４０１のペン先側の開口４０１ｂの径Ｒ０以下となるように構成されている。

　そして、図８（Ａ）及び（Ｂ）に示すように、電子ペンカートリッジ１ＣＴに対して、フロントキャップ１４ＣＴの開口から芯体１５ＣＴが挿入されて装着されているときに、芯体１５ＣＴの先端部から周辺電極１２ＣＴの外径が径Ｒ１となる位置までの長さが、市販のノック式ボールペンの替え芯７のペン先部７１の軸心方向の長さＬ１とほぼ等しくなるように構成されている。また、図８（Ａ）及び（Ｂ）に示すように、芯体１５ＣＴを装着した状態の電子ペンカートリッジ１ＣＴの長さ（全長）は、ボールペンの替え芯７の全長Ｌ２と等しく選定されている。

　以上のような構成の電子ペンカートリッジ１ＣＴは、そのカートリッジ筐体１０ＣＴの筐体筒状部１１ＣＴの後端側の樹脂パイプ部１６ＣＴをノックカム機構部４１０の回転子４１３の嵌合部４１３ａに嵌合させることにより、ペン筐体４００内に収納することができる。

　そして、この実施形態の電子ペン１においては、使用者は、位置検出装置と共に使用するときには、ノック棒４２の端部４２ａを押下する。すると、ノックカム機構部４１０により、電子ペンカートリッジ１ＣＴは、ペン筐体４０１内において図７（Ｂ）の状態にロックされ、電子ペンカートリッジ１ＣＴのペン先側が、ペン筐体４０１の開口４０１ｂから突出する状態になる。このとき、電子ペンカートリッジ１ＣＴにおいては、図７（Ｂ）に示すように、芯体１５ＣＴの先端部１５ＣＴａと、周辺電極１２ＣＴのテーパー部１２ＣＴｂのペン先側の一部が、ペン筐体４０１の開口４０１ｂから外部に突出する状態となり、芯体１５ＣＴ及び周辺電極１２ＣＴが位置検出センサと電界結合してインタラクションすることができるようになる。

　電子ペン４００の使用が終了したら、図７（Ｂ）の状態から、ノック棒４２の端部４２ａを再押下する。すると、ノックカム機構部４１０によりロック状態が解除され、復帰用バネ４０２により、電子ペンカートリッジ１ＣＴのペン筐体４０１内の位置は、図７（Ａ）の状態に戻る。このときには、電子ペンカートリッジ１ＣＴの全体がペン筐体４０１の中空部４０１ａ内に収容されて、電子ペンカートリッジ１ＣＴの芯体１５ＣＴの先端部１５ＣＴａは、ペン筐体４０１により保護される状態となる。

　そして、この実施形態の電子ペンカートリッジ１ＣＴにおいては、カートリッジ筐体１０ＣＴの筐体筒状部１１ＣＴの導電性金属部分と周辺電極１２ＣＴとが、電子ペンカートリッジ用の充電トレーの送電電極と結合容量を介して電界結合する受電電極として動作する。

　この実施形態の電子ペンカートリッジ１ＣＴのカートリッジ筐体１０ＣＴ内に設けられる蓄電素子としてのコンデンサ５ＣＴを充電するときには、電子ペンカートリッジ１ＣＴを電子ペン４００から取り外し、電子ペンカートリッジ用の充電トレーに形成されている窪みに収納載置する。

　電子ペンカートリッジ用の充電トレーは、図４に示した電子ペン用の充電トレー１００と同様の構成を有するので、ここでは、図示及びその詳細な説明は省略する。ただし、電子ペンカートリッジ用の充電トレーにおいては、図４に示した電子ペン用の充電トレー１００の窪み１０１ｂの大きさが、電子ペンカートリッジ１ＣＴの長さ及び太さに応じたものに変更されると共に、送電電極１０２及び送電電極１０３が、カートリッジ筐体１０ＣＴの筐体筒状部１１ＣＴの導電性金属部分及び周辺電極１２ＣＴのそれぞれと電界結合するように配設されている。

　この実施形態の電子ペンカートリッジ１ＣＴを用いた第２の実施形態の電子ペン４００においても、第１の実施形態の電子ペン１と同様の作用効果が得られる。

　［第３の実施形態］
　上述の実施形態は、いずれも双方向通信型の電子ペン及び電子ペンカートリッジに、この発明を適用した場合であったが、双方向通信型ではないタイプの電子ペンや電子ペンカートリッジの場合にも、この発明は適用可能である。

　以下に説明する第３の実施形態は、この種のタイプの電子ペンの場合の例である。

　図９は、この第３の実施形態の電子ペン１Ａの構成例を示すものであり、図９（Ａ）は、この第３の実施形態の静電容量方式の電子ペン１Ａの外観を示す図、図９（Ｂ）は、そのペン先側の縦断面図である。第３の実施形態の電子ペン１Ａの以下の説明において、第１の実施形態の電子ペン１と同様の部分には、同一参照符号を付して、その説明は省略するものとする。

　この第３の実施形態の電子ペン１Ａは、第１の実施形態の電子ペン１の周辺電極１２は備えない。第３の実施形態の電子ペン１Ａでは、図９（Ａ）及び（Ｂ）に示すように、筐体筒状部１１Ａのペン先側に、絶縁材料例えば樹脂からなるフロントキャップ１４Ａが結合されて、電子ペン１Ａのペン筐体１０Ａが形成されている。筐体筒状部１１Ａの後端側には、蓋部１６Ａが装着されて閉塞されるのは、第１の実施形態の電子ペン１と同様である。

　この場合に、フロントキャップ１４Ａは、図９（Ａ）及び（Ｂ）に示すように、第１の実施形態の電子ペン１における周辺電極１とフロントキャップ１４とを結合した部分と同様の大きさ及びテーパー形状を有するものとされて、筐体筒状部１１Ａのペン先側に装着される。

　そして、この第３の実施形態の電子ペン１Ａにおいては、ペン筐体１０Ａの筐体筒状部１１Ａは、導電材料、この例では導電性金属からなる２個の金属パイプ部１１Ａａ，１１Ａｂが、絶縁材料、この例では樹脂からなる筒状結合部材１１Ａｃを介して連結される構成とされている。

　筒状結合部材１１Ａｃは、第１の実施形態の電子ペン１における筒状連結部材１３と同様の構成を備えていて、リング状鍔部１１ＡｃＦを備え、この筒状結合部材１１Ａｃを介して連結される金属パイプ部１１Ａａと金属パイプ部１１Ａｂとを、このリング状鍔部１１ＡｃＦにより、電気的に絶縁する構成とされている。

　そして、この第３の実施形態の電子ペン１Ａにおける、ペン筐体１０Ａの中空部１０Ａａ内に収納される部分の構成は、第１の実施形態の電子ペン１と同様であり、ペン筐体１０Ａの中空部１０Ａａ内には、図９（Ａ）において点線で示すように、芯体保持部材２、筆圧検出部３、信号発信回路を含む電子回路が搭載されるプリント基板４、電子回路への電源電圧供給用の蓄電デバイスの例としてのコンデンサ５が、ペン先側から順に、軸心方向に並べられて収納されて、配設されている。そして、第１の実施形態の電子ペン１と同様にして、芯体１５が、フロントキャップ１４Ａの開口１４Ａａから挿入されて、その先端部１５ａが外部に突出状態で、芯体１５の他端が芯体保持部２に保持される。

　そして、この第３の実施形態の電子ペン１Ａでは、ペン筐体１０Ａの筐体筒状部１１Ａの２個の金属パイプ部１１Ａａと金属パイプ部１１Ａｂとが、電界結合による非接触の電力伝送方式の充電トレーの送電電極と結合容量Ｃｍを介して電界結合する受電電極として動作するように構成される。

　なお、この第３の実施形態では、充電可能時と電子ペン動作時とを切り替えるためのボタン操作部１８が、ペン筐体１０Ａから外部に露出して設けられている。このボタン操作部１８の押し釦操作によりオン、オフされるスイッチは、電子ペン１Ａの電子回路の制御回路に接続されている。

　［第３の実施形態の電子ペン１Ａの電子回路の構成例及び電子ペン１Ａ用の充電トレー１００Ａの電気的な構成例］
　次に、この第３の実施形態の電子ペン１Ａの電子回路の構成例を、電子ペン用の充電トレー１００Ａの電気的な構成例と共に図１０に示す。この第３の実施形態の電子ペン１Ａ用の充電トレー１００Ａは、送電電極１０２Ａ及び送電電極１０３Ａの設置位置が、第１の実施形態の電子ペン１用の充電トレー１００の送電電極１０２及び送電電極１０３の設置位置と異なるだけで、その他の構成は同様である。充電トレー１００Ａにおいて、充電トレー１００と同様の部分には、充電トレー１００と同一の参照符号を付与して、その詳細な説明は省略する。また、電子ペン１Ａの電子回路においても、第１の実施形態の電子ペン１の電子回路と同様の構成部分については、同一の参照符号を付して示す。

　図１０に示すように、電子ペン１Ａの電子回路においては、第１の実施形態の電子ペン１と同様に、位置検出センサと信号の授受を行う電子ペン回路２００Ａと、第１の実施形態の電子ペン１と同様に構成されている充電回路２１０とからなる。

　そして、ペン筐体１０Ａの筐体筒状部１１Ａの金属パイプ部１１Ａａ及び金属パイプ部１１Ａｂは、充電可能時には固定端子ＣＨ側に切り替えられ、電子ペン動作時には固定接点Ｐ側に切り替えられる切替スイッチ回路２２１Ａ及び切替スイッチ回路２２２Ａにそれぞれ接続されている。

　電子ペン回路２００Ａは、この例においても、図１０に示すように、プリント基板４に載置されているＩＣにより構成される制御回路２０１Ａを備える。電子ペン回路２００Ａにおいては、この制御回路２０１Ａに対して、信号発信回路２０２と、筆圧検出部３で構成される可変容量コンデンサ３Ｃと抵抗３Ｒとの並列回路が接続されていると共に、ボタン操作部１８の押し釦操作によりオン、オフされるスイッチ１８Ｓが接続されている。そして、第１の実施形態の電子ペン１と同様に、信号発信回路２０２の信号出力端は、スイッチ回路２０４を通じて、芯体１５に接続されている。

　この第３の実施形態の電子ペン１Ａの電子回路２００Ａにおいては、ボタン操作部１８が押下されず、スイッチ１８Ｓがオフであるときには、制御回路２０１Ａは、切替制御信号ＳＷ１により、切替スイッチ回路２２１Ａ及び２２２Ａは固定端子Ｐ側に切り替える。このため、ペン筐体１０Ａの筐体筒状部１１Ａの金属パイプ部１１Ａａ及び金属パイプ部１１Ａｂは、電子ペン回路２００Ａのアース端子に接続される。これにより、電子ペン回路２００Ａのアース電極は、使用者の人体を通じて大地（地気アース）に接続され、電子ペン１Ａは、安定した動作をする。

　そして、制御回路２０１Ａは、切替制御信号ＳＷによりスイッチ回路２０４をオンとすると共に、信号発信回路２０２を制御して、位置検出用信号及び筆圧情報を芯体１５を通じて位置検出センサに送信する。

　また、ボタン操作部１８が押下されて、スイッチ１８Ｓがオンとされると、制御回路２０１Ａは、切替制御信号ＳＷ１により、切替スイッチ回路２２１Ａ及び２２２Ａを固定端子ＣＨ側に切り替える。そして、制御回路２０１Ａは、切替制御信号ＳＷによりスイッチ回路２０４をオフとすると共に、信号発信回路２０２の制御は行わず、電子ペン回路２００Ａにおける無駄な消費電力を削減する。

　この状態において、電子ペン１Ａが電子ペン用充電トレー１００Ａの窪み１０１ｂに収納載置されると、電子ペン用充電トレー１００Ａの送電電極１０２Ａ及び送電電極１０３Ａと、電子ペン１Ａのペン筐体１０Ａの筐体筒状部１１Ａの金属パイプ部１１Ａａ及び金属パイプ部１１Ａｂとが、図１０に示すように、結合容量Ｃｍを介して互いに電界結合する。

　これにより、充電用トレー１００Ａの交流信号発生回路１０４からの交流信号により発生する交流電力が、結合容量Ｃｍを介して、送電電極１０２Ａ及び送電電極１０３Ａから、電子ペン１Ａの受電電極としての金属パイプ部１１Ａａ及び金属パイプ部１１Ａｂに伝達され、充電回路２１０において、コンデンサ５が充電される。

　この第３の実施形態の電子ペン１Ａにおいても、第１の実施形態の電子ペン１と同様の作用効果が得られる。

　なお、上述した第３の実施形態の電子ペン１Ａにおいて、充電可能時と電子ペン動作時とを切り替えるためのボタン操作部１８は、筐体筒状部１１に設けるのではなく、蓋部１６Ａに設けて、ノック操作のように、軸心方向に押圧操作することができるように取り付けてもよい。

　また、上述した第３の実施形態の電子ペン１Ａでは、充電可能時と電子ペン動作時とを、使用者によるボタン操作部１８という手動操作で切り替えるようにしたが、この第３の実施形態においても、次のように構成することで、位置検出センサからの信号の受信を監視して、位置検出センサからの信号を受信可能のときには、電子ペン動作時とし、それ以外の位置検出センサからの信号を受信できない環境では、充電可能時として、自動的に切り替えるようにすることができる。

　すなわち、電子ペン１Ａの導電性の芯体１５を送信専用とするのではなく、制御回路２０１Ａにより、充電可能時と電子ペン動作時とに関係なく、常に、所定の間欠周期で、位置検出センサからの信号を受信する受信モードを実行するようにする。つまり、芯体１５を、時分割で、送信モードと受信モードとに切り替えるようにする。なお、充電可能時には、送信モードとすることはなく、間欠的な受信モードのみを実行する。

　そして、複数の受信モードの期間において、連続して位置検出センサからの信号を受信しないときには、制御回路２０１Ａは、位置検出センサと電界結合しておらず、充電可能時と判断して切替スイッチ回路２２１Ａ及び２２２Ａを固定端子ＣＨ側に切り替えるようにする。また、受信モードの期間において位置検出センサからの信号を受信したことを検出したときには、位置検出センサと電界結合している環境であると判断して、切替スイッチ回路２２１Ａ及び２２２Ａを固定端子ＣＨ側に切り替え、その切り替え状態を、少なくとも次の受信モードの期間まで維持するようにする。

　このようにすれば、第３の実施形態の電子ペン１Ａにおいても、ボタン操作部１８を設けることなく、単に充電トレー１００Ａの窪み１０１ｂ内に収納載置するだけで、蓄電デバイスの例であるコンデンサ５を充電することができる。

　なお、この第３の実施形態の電子ペンの構成も、第１の実施形態の電子ペン１と第２の実施形態の電子ペンカートリッジ１ＣＴとの関係と同様に、電子ペンカートリッジの構成に転用することができるものである。

　［他の実施形態］
　上述の実施形態の電子ペン及び電子ペンカートリッジは、いずれもペン筐体あるいはカートリッジ筐体の一部を１対の受電電極とする構成とした。しかし、１対の受電電極の一方は、ペン筐体あるいはカートリッジ筐体の一部を用いるが、他方は、ペン筐体あるいはカートリッジ筐体とは別の付加部材としてもよい。

　図１１は、付加部材を１対の受電電極の一方とする構成を有する電子ペン１Ｂの構成例を説明するための図である。この図１１の例の電子ペン１Ｂにおいては、第３の実施形態の電子ペン１Ａと同様にして、ペン筐体１０Ｂは、導電性金属からなる筐体筒状部１１Ｂのペン先側に、樹脂からなるフロントキャップ１４Ｂが結合されて構成され、フロントキャップ１４Ｂの開口から芯体１５が着脱自在に装着される構成である。なお、図１１では、図示省略したが、この例においても、充電可能時と電子ペン動作時とを切り替えるためのボタン操作部がペン筐体１０Ｂの筐体筒状部１１Ｂに設けられている。

　そして、この例の電子ペン１Ｂにおいては、ペン筐体１０Ｂの筐体筒状部１１Ｂの後端部に、付加部材の例として、導電性材料、例えば導電性金属からなるクリップ１９Ｂが取り付けられる。

　図１１に示すように、この例においては、クリップ１９Ｂのペン筐体１０Ｂとの取付側には、絶縁性材料、例えば樹脂からなる取付用部１９１Ｂが設けられており、この取付用部１９１Ｂの一部が、ペン筐体１０Ｂの開口から、ペン筐体１０Ｂの内部に挿入嵌合されることで、クリップ１９Ｂが、ペン筐体１０Ｂの筐体筒状部１１Ｂの後端側に取り付けられる。

　そして、クリップ１９Ｂの取付用部１９１Ｂとは反対側の端部の、ペン筐体１０Ｂと接触する部分には、図１１で黒く塗り潰して示す絶縁部材１９２Ｂが取り付けられている。なお、絶縁部材１９２Ｂをクリップ１９Ｂの端部に設ける代わりに、筐体筒状部１１Ｂのクリップ１９Ｂと接触する部分を、例えば絶縁コーティングするなどして、クリップ１９Ｂと筐体筒状部１１Ｂとの電気的な絶縁を図るようにしてもよい。

　以上の構成により、この図１１の例の電子ペン１Ｂでは、互いに電気的に絶縁されている筐体筒状部１１Ｂとクリップ１９Ｂとが、充電トレー１００Ｂ（図１２参照）の送電電極と電界結合する受電電極を構成する。

　この場合に、図１１に示すように、クリップ１９Ｂは、取付用部１９１Ｂを貫通して、筐体筒状部１１Ｂの中空部内に先端部が露出する端子部１９Ｂａを備えて構成されており、この端子部１９Ｂａが、充電回路２１０に接続される構成とされている。また、第３の実施形態と同様に、筐体筒状部１１Ｂは、充電可能時と電子ペン動作時とて、固定端子ＣＨと固定端子Ｐとに切り替えられる切替スイッチ回路を通じて充電回路２１０に接続される。この例の場合、切替スイッチ回路の固定端子Ｐは前述の第２の実施形態と同様に、電子ペン回路２００のアース端子に接続される。

　そして、この例の電子ペン１Ｂ用の充電トレー１００Ｂは、図１２に示すように構成される。すなわち、充電トレー１００Ｂは、基本的な構成は、図４を用いて説明した第１の実施形態の電子ペン１用の充電トレー１００と同様に構成されるが、電子ペン１Ｂが収納載置される窪み１０１Ｂｂの形状と、送電電極１０２Ｂ及び１０３Ｂの配設状態が、充電トレー１００とは異なる。

　すなわち、充電トレー１００Ｃの窪み１０１Ｂｂは、電子ペン１Ｂを、クリップ１９Ｂを下側にして、当該窪み１０１Ｂｂ内に収納載置したときに、クリップ１９Ｂを収納するようにする段差窪み部１０１Ｂｂａを備える形状とされている。この場合に、段差窪み部１０１Ｂｂａの深さは、筐体筒状部１１Ｂとクリップ１９Ｂとの離間距離に等しく選定されている。

　そして、図１２に示すように、充電トレー１００Ｂの段差窪み部１０１Ｂｂａの下部には、非接触でクリップ１９Ｂと電界結合する送電電極１０３Ｂが配置される。また、窪み１０１Ｂｂの、段差窪み部１０１Ｂｂａを除く部分の下部には、当該部分に位置することとなる電子ペン１Ｂの筐体筒状部１１Ｂと電界結合する送電電極１０２Ｂが配置される。

　この例の電子ペン１Ｂの場合の電子回路の構成は、図１０に示した回路において、筐体筒状部１１Ａの金属パイプ部１１Ａａに代えて筐体筒状部１１Ｂとされ、金属パイプ部１１Ａｂに代えてクリップ１９Ｂとされると共に、切替スイッチ回路２２２Ａが設けられることなく、クリップ１９Ｂが充電回路２１０に接続される構成とされたものに等しい。

　この図１１の例の電子ペン１Ｂにおいても、第１の実施形態の電子ペン１及び第３の実施形態の電子ペン１Ａと同様の作用効果が得られる。

　図１３は、受電電極を付加部材により構成する他の例の電子ペン１Ｃの構成例を説明するための図である。この図１３の例の電子ペン１Ｃも、第３の実施形態の電子ペン１Ａと同様にして、ペン筐体１０Ｃは、導電性金属からなる筐体筒状部１１Ｃのペン先側に、樹脂からなるフロントキャップ１４Ｃが結合されて構成され、フロントキャップ１４Ｃの開口から芯体１５が着脱自在に装着される構成である。また、図１３の例でも、図示省略したが、充電可能時と電子ペン動作時とを切り替えるためのボタン操作部がペン筐体１０Ｃの筐体筒状部１１Ｂに設けられている。

　そして、この図１３の例の電子ペン１Ｃにおいては、筐体筒状部１１Ｃの後端側の開口を塞ぐ蓋部１６Ｃを、筐体筒状部１１Ｃの後端側を所定長さに亘って覆うようにするキャップ形状の構成とする。この例の場合に、蓋部１６Ｃは、導電性金属で構成される。そして、この蓋部１６Ｃの、筐体筒状部１１Ｃが挿入される凹孔の内壁面には、図１３において黒く塗り潰して示すように、絶縁層１６Ｃｓが施されている。この絶縁層１６Ｃｓにより、蓋部１６Ｃが、筐体筒状部１１Ｃに取り付けられたときに、筐体筒状部１１Ｃと蓋部１６Ｃとが互いに電気的に絶縁された状態となる。

　そして、この例においては、図１３に示すように、蓋部１６Ｃは、絶縁層１６Ｃｓを貫通して、筐体筒状部１１Ｃの中空部内の充電回路２１０に接続される構成とされている。また、筐体筒状部１１Ｃは、第３の実施形態と同様に、充電可能時と電子ペン動作時とて、固定端子ＣＨと固定端子Ｐとに切り替えれる切替スイッチ回路を通じて充電回路２１０に接続される。この例の場合、切替スイッチ回路の固定端子Ｐは前述の第２の実施形態と同様に、電子ペン回路２００のアース端子に接続される。

　そして、この例の電子ペン１Ｃ用の充電トレーは、図示は省略するが、図１２に示した電子ペン１Ｂ用の充電トレー１００Ｂと同様の構成とすることができる。ただし、電子ペン１Ｃ用の充電トレーにおいては、充電トレー１００Ｂの窪み１０１Ｂｂの段差窪み部１０１Ｂｂａの形状を、蓋部１６Ｃの周側面が対応するような形状とすると共に、その長さ及び深さを、蓋部１６Ｃの筐体筒状部１１Ｃを覆う長さ及び厚さとするようにする。そして、送電電極は、筐体筒状部１１Ｃ及び蓋部１６Ｃのそれぞれと、非接触で電界結合するように配設される。

　この例の電子ペン１Ｃの場合の電子回路の構成は、クリップ１９Ｂに代えて、蓋部１６Ｃとすることで、図１１の例の電子ペン１Ｂについて説明したのと同様の構成とされる。

　この図１３の例の電子ペン１Ｃにおいても、第１の実施形態の電子ペン１及び第３の実施形態の電子ペン１Ａと同様の作用効果が得られる。

　［その他の実施形態又は変形例］
　以上説明した実施形態では、電子ペンと充電トレーとの間での電界結合方式の電力伝送回路方式として、並列共振型回路の構成を用いたが、図１４に示すような直列共振型回路の構成とすることもできる。図１４の回路例は、第１の実施形態の電子ペン１と充電トレー１００との場合に、直列共振型回路を用いた電界結合方式の電力伝送回路方式を適用した場合である。この場合には、電子ペン１の受電電極１１，１２と充電トレー１００の送電電極１０２，１０３との間の結合容量Ｃｍに直列にインダクタンス１０８及びインダクタンス２１５が接続されるものである。

　１，１Ａ，１Ｂ，１Ｃ，４００…電子ペン、１ＣＴ…電子ペンカートリッジ、２…芯体保持部材、３…筆圧検出部、４…プリント基板、５…蓄電デバイスの例としてのコンデンサ、１０，１０Ａ，１０Ｂ，１０Ｃ…ペン筐体、１０ＣＴ…カートリッジ筐体、１１Ａ，１１Ｂ，１１Ｃ，１１ＣＴ…筐体筒状部、１１Ａａ，１１Ａｂ…金属パイプ部１１Ａｃ…筒状結合部材、１２，１２ＣＴ…周辺電極、１３…筒状結合部材、１４，１４Ａ，１４Ｂ，１４Ｃ…フロントキャップ、１５，１５ＣＴ…芯体、１６，１６Ｃ…蓋部、１００，１００Ｂ…充電トレー

Claims

　筒状のペン筐体内に、位置検出センサに供給する信号を生成する信号発信回路を含む電子回路が設けられると共に、前記電子回路に電源電圧を供給する充電可能な蓄電デバイスが設けられる静電容量方式の電子ペンであって、
　外部の充電装置の送電部の送電電極と非接触で電界結合して受電電極として動作するように、外部に露出して設けられる第１の導体部及び第２の導体部を備えると共に、
　前記電子回路は、前記第１の導体部及び前記第２の導体部に接続されることで、前記蓄電デバイスを充電可能とする充電回路を備え、
　前記第１の導体部及び前記第２の導体部の少なくとも一方は、前記ペン筐体の一部で構成される
　ことを特徴とする静電容量方式の電子ペン。
　先端が前記ペン筐体の軸心方向の一方のペン先側の開口から外部に突出して、前記位置検出センサと電界結合する棒状の中心電極と、前記中心電極とは電気的に絶縁された状態で、前記中心電極の周囲を囲むように設けられる周辺電極とを備え、
　前記ペン筐体は、導電部材で構成される筒状部の前記ペン先側に、絶縁部材を介して前記周辺電極が結合された部分を含み、
　前記第１の導体部及び前記第２の導体部の一方は、前記導電部材で構成される筒状部とされ、他方は、前記周辺電極とされる
　ことを特徴とする請求項１に記載の静電容量方式の電子ペン。
　前記導電部材で構成される筒状部は、前記充電回路に接続される状態と、前記電子回路のグラウンド端子に接続する状態とに切り替えられる第１の切替回路に接続されている
　ことを特徴とする請求項２に記載の静電容量方式の電子ペン。
　前記周辺電極は、前記充電回路に接続される状態と、前記電子回路の前記信号発信回路からの信号の出力端あるいは前記位置検出センサからの受信信号の入力端に接続される状態とに切り替えられる第２の切替回路に接続されている
　ことを特徴とする請求項２に記載の静電容量方式の電子ペン。
　前記ペン筐体の外周面から使用者が操作可能なように露出する操作部を備えており、
　前記第１の切替回路又は前記第２の切替回路は、前記操作部の操作に応じて切り替えられる
　ことを特徴とする請求項３又は請求項４に記載の静電容量方式の電子ペン。
　前記周辺電極は、前記位置検出センサからの信号を受信する受信部として働き、
　前記周辺電極で前記位置検出センサからの信号を受信する状態のときには、前記第１の切替回路は、前記筐体の前記導体部を、前記電子回路のグラウンド端子に接続する状態に切り替える
　ことを特徴とする請求項３に記載の静電容量方式の電子ペン。
　前記周辺電極は、前記位置検出センサからの信号を受信する受信部として働き、
　前記周辺電極で前記位置検出センサからの信号を受信しない状態のときには、前記第２の切替回路は、前記周辺電極を、前記充電回路に接続する状態に切り替える
　ことを特徴とする請求項４に記載の静電容量方式の電子ペン。
　前記ペン筐体は、それぞれ導電部材で構成される２個の筒状部が絶縁部材を介して結合された筒状筐体部を備え、
　前記２個の筒状部が、前記第１の導体部及び前記第２の導体部として動作するように構成されていると共に、
　前記２個の筒状部の少なくとも一方は、前記充電回路に接続される状態と、前記電子回路のグラウンド端子に接続する状態とに切り替える切替回路に接続されている
　ことを特徴とする請求項に記載の静電容量方式の電子ペン。
　使用者が操作可能なように露出する操作部を備えており、
　前記切替回路は、前記操作部の操作に応じて、切り替えられる
　ことを特徴とする請求項８に記載の静電容量方式の電子ペン。
　前記ペン筐体は、前記第１の導体部及び前記第２の導体部の一方を構成する導電部材からなる筒状部を備え、
　前記ペン筐体に対して、前記第１の導体部及び前記第２の導体部の他方を構成する導電部材からなる付加部材が、前記筒状部と絶縁された状態で設けられている
　ことを特徴とする請求項１に記載の静電容量方式の電子ペン。
　前記付加部材は、クリップである
　ことを特徴とする請求項１０に記載の静電容量方式の電子ペン。
　前記付加部材は、前記ペン筐体の前記ペン先側とは反対側の後端部側の開口を閉塞する部材である
　ことを特徴とする請求項１０に記載の静電容量方式の電子ペン。
　前記蓄電デバイスは、コンデンサである
　ことを特徴とする請求項１に記載の静電容量方式の電子ペン。
　前記送電部との電界結合方式の伝送回路方式として、直列共振型回路を用いた構成とされてなる
　ことを特徴とする請求項１に記載の静電容量方式の電子ペン。
　前記送電部との電界結合方式の伝送回路方式として、並列共振型回路を用いた構成とされてなる
　ことを特徴とする請求項１に記載の静電容量方式の電子ペン。
　電子ペンの筒状のペン筐体内に、少なくともペン先が、前記ペン筐体の軸心方向の一方の開口から突出可能の状態で着脱自在に収容され、筒状のカートリッジ筐体内に、位置検出センサに供給する信号を生成する信号発信回路を含む電子回路が設けられると共に、前記電子回路に電源電圧を供給する充電可能な蓄電デバイスが設けられる静電容量方式の電子ペンカートリッジであって、
　外部の充電装置の送電部の送電電極と非接触で電界結合して受電電極として動作するように、外部に露出して設けられる第１の導体部及び第２の導体部を備えると共に、
　前記電子回路は、前記第１の導体部及び前記第２の導体部に接続されることで、前記蓄電デバイスを充電可能とする充電回路を備え、
　前記第１の導体部及び前記第２の導体部の少なくとも一方は、前記カートリッジ筐体の一部で構成される
　ことを特徴とする静電容量方式の電子ペンカートリッジ。
　筒状のペン筐体内に、位置検出センサに供給する信号を生成する信号発信回路を含む電子回路が設けられると共に、前記電子回路に電源電圧を供給する充電可能な蓄電デバイスが設けられる静電容量方式の電子ペンであって、
　外部の充電装置の送電部の送電電極と非接触で電界結合して受電電極として動作するように、外部に露出して設けられる第１の導体部及び第２の導体部を備えると共に、
　前記電子回路は、前記第１の導体部及び前記第２の導体部に接続されることで、前記蓄電デバイスを充電可能とする充電回路を備え、前記第１の導体部及び前記第２の導体部の少なくとも一方は、前記ペン筐体の一部で構成される電子ペン用の充電トレーであって、
　載置された前記電子ペンを係止させるように構成された、前記電子ペンの前記ペン筐体の軸心方向の長さよりも長い窪みを備えると共に、
　前記窪みに載置され係止されている前記電子ペンの前記第１の導体部及び前記第２の導体部と電界結合する第１の送電電極及び第２の送電電極と、
　前記第１の送電電極及び前記第２の送電電極を通じて送信する電力を発生するための送信電源と、
　を備える電子ペン用充電トレー。
　電子ペンの筒状のペン筐体内に、少なくともペン先が、前記ペン筐体の軸心方向の一方の開口から突出可能の状態で着脱自在に収容され、筒状のカートリッジ筐体内に、位置検出センサに供給する信号を生成する信号発信回路を含む電子回路が設けられると共に、前記電子回路に電源電圧を供給する充電可能な蓄電デバイスが設けられる静電容量方式の電子ペンカートリッジであって、
　外部の充電装置の送電部の送電電極と非接触で電界結合して受電電極として動作するように、外部に露出して設けられる第１の導体部及び第２の導体部を備えると共に、
　前記電子回路は、前記第１の導体部及び前記第２の導体部に接続されることで、前記蓄電デバイスを充電可能とする充電回路を備え、前記第１の導体部及び前記第２の導体部の少なくとも一方は、前記カートリッジ筐体の一部で構成されることを特徴とする静電容量方式の電子ペンカートリッジ用の充電トレーであって、
　載置された前記電子ペンカートリッジを係止させるように構成された、前記電子ペンカートリッジの前記カートリッジ筐体の軸心方向の長さよりも長い窪みを備えると共に、
　前記窪みに載置され係止されている前記電子ペンカートリッジの前記第１の導体部及び前記第２の導体部と電界結合する第１の送電電極及び第２の送電電極と、
　前記第１の送電電極及び前記第２の送電電極を通じて送信する電力を発生するための送信電源と、
　を備える電子ペンカートリッジ用の充電トレー。