WO2021156990A1 - 指向方向制御装置、光通信ターミナル、光通信システム、及び指向方向制御方法 - Google Patents
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Abstract
指向方向制御装置(11)は、第1の送受信装置としての第1の光通信ターミナル(101)が光の送受信を行う指向方向を制御するための指向方向制御情報を取得する指向方向制御情報取得部(13)と、指向方向制御情報取得部(13)が取得した指向方向制御情報に基づいて、第2の送受信装置としての第2の光通信ターミナル(102)が光又は電波の送受信を行う指向方向を制御する指向方向制御部としての捕捉追尾制御部(17)と、を備えている。
Description
本開示は、光又は電波の送受信を行う指向方向を制御する指向方向制御装置に関する。
衛星において光又は電波の送受信を行う技術では、衛星に設置された送受信装置が送受信する光又は電波の指向性の高さから衛星自体の擾乱が問題となる。例えば、衛星が抑えることができないマイクロラジアン級の擾乱が生じた場合、送受信装置が光又は電波の送受信を行う指向方向は、ずれてしまう。また、他の原因によっても、指向方向がずれてしまう可能性がある。そして、送受信装置の指向方向がずれた場合、通信品質が低下してしまう虞がある。そのため、衛星に設置された送受信装置は、当該衛星とは別の衛星に設置された送受信装置から受信したビーコン光等の光に基づいて、指向方向のずれを補正することにより指向方向の精度を維持する性能を有する(例えば、非特許文献1参照)。
光衛星間通信技術~将来の宇宙通信インフラストラクチャの構築~(レーザー研究 2011年1月 山川史郎、城野隆 宇宙航空研究開発機構)
例えば、衛星が信号を中継する場合、当該衛星は、他の複数の衛星と通信を行うため、又は、他の衛星と通信を行う一方で地球を観測するために、複数の送受信装置が設置される。そのような衛星において、通信品質を高めるためには、何れの送受信装置に対しても、上述の指向方向の精度を維持する性能を向上させる必要がある。そのため、何れの送受信装置に対しても、高性能のセンサ等の設備を設ける必要があるという問題がある。
本開示は、上記のような問題点を解決するためになされたものであり、衛星に設置された複数の送受信装置のうちの少なくとも1つ以上の送受信装置に対して、高性能のセンサ等の設備を設けることなく、指向方向の精度を維持する技術を提供することを目的とする。
本開示に係る指向方向制御装置は、光の送受信を行う第1の送受信装置、及び、光又は電波の送受信を行う第2の送受信装置が設置された衛星において、当該第2の送受信装置が光又は電波の送受信を行う指向方向を制御する指向方向制御装置であって、第1の送受信装置が光の送受信を行う指向方向を制御するための指向方向制御情報を取得する指向方向制御情報取得部と、指向方向制御情報取得部が取得した指向方向制御情報に基づいて、第2の送受信装置が光又は電波の送受信を行う指向方向を制御する指向方向制御部と、を備えている。
本開示によれば、衛星に設置された複数の送受信装置のうちの少なくとも1つ以上の送受信装置に対して、高性能のセンサ等の設備を設けることなく、指向方向の精度を維持することができる。
以下、本開示をより詳細に説明するため、本開示を実施するための形態について、添付の図面に従って説明する。
実施の形態1.
図1は、実施の形態1に係る光通信システム100が光通信を行う様子を示す概略図である。光通信システム100は、光の送受信を行う第1の送受信装置、及び、光又は電波の送受信を行う第2の送受信装置を含む。実施の形態1では、図1が示すように、光通信システム100は、第1の光通信ターミナル101、及び第2の光通信ターミナル102を含む。なお、実施の形態1では、光通信システム100が第1の送受信装置としての第1の光通信ターミナル101と第2の送受信装置としての第2の光通信ターミナル102との2つの送受信装置を含む構成について説明するが、光通信システム100が含む送受信装置の数は、特に限定されない。
実施の形態1.
図1は、実施の形態1に係る光通信システム100が光通信を行う様子を示す概略図である。光通信システム100は、光の送受信を行う第1の送受信装置、及び、光又は電波の送受信を行う第2の送受信装置を含む。実施の形態1では、図1が示すように、光通信システム100は、第1の光通信ターミナル101、及び第2の光通信ターミナル102を含む。なお、実施の形態1では、光通信システム100が第1の送受信装置としての第1の光通信ターミナル101と第2の送受信装置としての第2の光通信ターミナル102との2つの送受信装置を含む構成について説明するが、光通信システム100が含む送受信装置の数は、特に限定されない。
第1の光通信ターミナル101、及び第2の光通信ターミナル102は、それぞれ、LEO衛星Aに設置されている。第1の光通信ターミナル101は、第1の光リンクBを介して、GEO衛星Cに設置された第3の光通信ターミナルDと光通信を行う。また、第2の光通信ターミナル102は、第2の光リンクEを介して、LEO衛星Fに設置された第4の光通信ターミナルGと光通信を行う。
本明細書において、衛星とは、人工衛星を意味する。また、光通信とは、データが付与された光信号を送受信することにより通信を行うことを意味する。また、LEO衛星のLEO(Low Earth Orbit)は、地球低軌道を意味し、GEO衛星のGEO(Geostationary Earth Orbit)は、静止軌道を意味する。実施の形態1では、GEO衛星Cは、LEO衛星A及びLEO衛星Fと比較して低擾乱で安定した衛星であり、LEO衛星A及びLEO衛星Fは、GEO衛星Cと比較して、擾乱が大きい衛星であるものとする。
なお、実施の形態1において、GEO衛星Cの役割は、擾乱の影響を受けづらい回線を提供することである。そのため、GEO衛星Cの代わりに、低擾乱のLEO、MEO(medium earth orbit)又は地上局に、上述の第3の光通信ターミナルDが設けられてもよい。その場合、第1の光通信ターミナル101は、第1の光リンクBを介して、LEO、MEO又は地上局に設置された第3の光通信ターミナルDと光通信を行う。または、第1の光通信ターミナル101の構成は、第3の光通信ターミナルDとの光通信を行う構成の代わりに、LEO衛星Aよりも擾乱が少なくて安定した場所(例えば、惑星等)に設置されたプリズム又はミラーに光を送信し、反射された光を受信する構成であってもよい。その場合、以下の説明でも用いられる用語「光通信」は、光送受信に置き換えられる。
図2は、実施の形態1に係る光通信システム100の構成を示すブロック図である。図2が示すように、光通信システム100は、第1の光通信ターミナル101、及び第2の光通信ターミナル102を含む。
第1の光通信ターミナル101は、送受信部1、指向方向制御装置2、及び捕捉追尾機構部3を備えている。指向方向制御装置2は、受信方向情報取得部4、誤差検出部5、及び捕捉追尾制御部6を備えている。
送受信部1は、第1の光リンクBを介して光を受信することにより、第1の光リンクBを介して光を受信した方向に関する受信方向情報を検出する。送受信部1は、検出した受信方向情報を指向方向制御装置2に出力する。より具体的には、送受信部1が検出する受信方向情報は、例えば、上述のGEO衛星Cの第3の光通信ターミナルDが送信した光が送受信部1に入射した方向である。なお、受信方向情報は、送受信部1が第1の光リンクBを介して光を受信した位置に関する情報を含んでもよい。その場合、受信方向情報は、例えば、上述のGEO衛星Cの第3の光通信ターミナルDが送信した光が送受信部1に入射した位置である。
受信方向情報取得部4は、送受信部1が検出した受信方向情報を取得する。受信方向情報取得部4は、取得した受信方向情報を誤差検出部5に出力する。
誤差検出部5は、受信方向情報取得部4が取得した受信方向情報を参照して、第1の光通信ターミナル101が第1の光リンクBを介して光通信を行っている指向角度の第1の誤差を検出する。より詳細には、誤差検出部5は、受信方向情報取得部4が取得した受信方向情報を参照して、第1の光通信ターミナル101の送受信部1が第1の光リンクBを介して光通信を行っている指向角度の第1の誤差を検出する。誤差検出部5は、検出した第1の誤差を、捕捉追尾制御部6と、後述する第2の光通信ターミナル102の指向方向制御装置11とにそれぞれ出力する。
誤差検出部5は、受信方向情報取得部4が取得した受信方向情報を参照して、第1の光通信ターミナル101が第1の光リンクBを介して光通信を行っている指向角度の第1の誤差を検出する。より詳細には、誤差検出部5は、受信方向情報取得部4が取得した受信方向情報を参照して、第1の光通信ターミナル101の送受信部1が第1の光リンクBを介して光通信を行っている指向角度の第1の誤差を検出する。誤差検出部5は、検出した第1の誤差を、捕捉追尾制御部6と、後述する第2の光通信ターミナル102の指向方向制御装置11とにそれぞれ出力する。
なお、誤差検出部5が検出する誤差は、例えば、送受信部1が第1の光リンクBを介して光通信を行っている指向角度と、後述する捕捉追尾制御部6が制御に用いた目標の指向角度との差である。また、受信方向情報が、送受信部1が第1の光リンクBを介して光を受信した位置に関する情報を含んでいる場合、誤差検出部5は、受信方向情報取得部4が取得した受信方向情報を参照して、送受信部1が第1の光リンクBを介して光通信を行っている位置の誤差をさらに検出してもよい。その場合、誤差検出部5が検出する位置の誤差は、例えば、送受信部1が第1の光リンクBを介して光通信を行っている位置と、後述する捕捉追尾制御部6が制御に用いた目標の位置との差である。
捕捉追尾制御部6は、誤差検出部5が検出した第1の誤差に基づいて、第1の光通信ターミナル101が第1の光リンクBを介して光通信を行う指向方向を制御することにより、第1の光リンクBを維持するための捕捉追尾を制御する。より詳細には、実施の形態1では、捕捉追尾制御部6は、誤差検出部5が検出した第1の誤差に基づいて、第1の光通信ターミナル101の送受信部1が第1の光リンクBを介して光通信を行う指向方向を制御することにより、第1の光リンクBを維持するための捕捉追尾を制御する。例えば、捕捉追尾制御部6は、送受信部1の指向角度を目標の指向角度に制御する際に、第1の誤差の分、制御量を調整する。なお、誤差検出部5が上述のように位置の誤差を検出した場合、捕捉追尾制御部6は、誤差検出部5が検出した位置の誤差に基づいて、送受信部1が第1の光リンクBを介して光通信を行う位置を制御することにより、第1の光リンクBを維持するための捕捉追尾を制御してもよい。
捕捉追尾機構部3は、捕捉追尾制御部6による制御に基づいて、送受信部1の指向方向を変化させることにより、第1の光リンクBを維持するための捕捉追尾を行う。なお、捕捉追尾制御部6が上述のように位置の誤差に基づいて送受信部1の位置を制御する場合、捕捉追尾機構部3は、捕捉追尾制御部6による制御に基づいて、送受信部1の位置をさらに変化させることにより、第1の光リンクBを維持するための捕捉追尾を行ってもよい。捕捉追尾機構部3の例として、ピエゾアクチュエータ等が挙げられる。
第2の光通信ターミナル102は、送受信部10、指向方向制御装置11、及び捕捉追尾機構部12を備えている。指向方向制御装置11は、指向方向制御情報取得部13、誤差値推定演算部14、受信方向情報取得部15、誤差検出部16、及び捕捉追尾制御部17を備えている。
なお、第2の光通信ターミナル102による、第2の光リンクEを維持するための捕捉追尾に関しては、粗捕捉のみ確立していることを想定する。粗捕捉とは、第2の光通信ターミナル102がビーコン光等を用いて上述の第4の光通信ターミナルGとのトラッキングができている状態、又は第2の光通信ターミナル102が送受信部10のトラッキング用のセンサにより捕捉することはできているが、送受信部10の通信用センサでは常時捕捉できているわけではない状態を指す。第2の光通信ターミナル102が精捕捉をできない原因としては、例えば、LEO衛星Aの衛星擾乱に起因して、送受信部10のトラッキング用のセンサの分解能不足、又は制御遅延によって、フィードバックを受けた捕捉追尾機構部12が発振してしまっていることなどが考えられる。
送受信部10は、第2の光リンクEを介して光を受信することにより、第2の光リンクEを介して光を受信した方向に関する受信方向情報を検出する。送受信部10は受信した受信方向情報を受信方向情報取得部15に出力する。より具体的には、受信方向情報は、例えば、上述のLEO衛星Fの第4の光通信ターミナルGが送信した光が送受信部10に入射した方向である。なお、受信方向情報は、送受信部10が第2の光リンクEを介して光を受信した位置に関する情報を含んでもよい。その場合、受信方向情報は、例えば、上述のLEO衛星Fの第4の光通信ターミナルGが送信した光が送受信部10に入射した位置である。
指向方向制御情報取得部13は、第1の光通信ターミナル101が光の送受信を行う指向方向を制御するための指向方向制御情報を取得する。より詳細には、実施の形態1では、指向方向制御情報取得部13は、第1の光通信ターミナル101の送受信部1が第1の光リンクBを介して光通信を行っている指向角度の第1の誤差を含む指向方向制御情報を、第1の光通信ターミナル101の指向方向制御装置2の誤差検出部5から取得する。指向方向制御情報取得部13は、取得した指向方向制御情報を誤差値推定演算部14に出力する。
なお、指向方向制御情報取得部13が取得した指向方向制御情報は、第1の光通信ターミナル101の送受信部1が第1の光リンクBを介して光通信を行っている位置の誤差をさらに含んでいてもよい。また、指向方向制御情報取得部13は、第1の光通信ターミナル101及び第2の光通信ターミナル102とは別の、LEO衛星Aに設置された少なくとも1つ以上の光通信ターミナル(図示せず)から少なくとも1つ以上の指向方向制御情報をさらに取得してもよい。
誤差値推定演算部14は、指向方向制御情報取得部13が取得した第1の誤差に基づいて、第2の光通信ターミナル102が第2の光リンクEを介して光通信を行っている指向角度の第2の誤差を推定する。より詳細には、誤差値推定演算部14は、指向方向制御情報取得部13が取得した第1の誤差に基づいて、第2の光通信ターミナル102の送受信部10が第2の光リンクEを介して光通信を行っている指向角度の第2の誤差を推定する。その際、誤差値推定演算部14は、指向方向制御情報取得部13が取得した第1の誤差に基づいて、LEO衛星Aの擾乱の程度を示す擾乱値に変換し、変換した擾乱値に基づいて、第2の光通信ターミナル102の送受信部10が第2の光リンクEを介して光通信を行っている指向角度の第2の誤差を推定してもよい。
なお、指向方向制御情報取得部13が取得した指向方向制御情報が上述のように位置の誤差を含んでいる場合、誤差値推定演算部14は、指向方向制御情報取得部13が取得した位置の誤差に基づいて、第2の光通信ターミナル102の送受信部10が第2の光リンクEを介して光通信を行っている位置の誤差を推定してもよい。また、指向方向制御情報取得部13が別の少なくとも1つ以上の光通信ターミナルから少なくとも1つ以上の指向方向制御情報を取得した場合、誤差値推定演算部14は、指向方向制御情報取得部13が取得した少なくとも1つ以上の指向方向制御情報が含む、別の少なくとも1つ以上の光通信ターミナルの指向角度の誤差に基づいて、第2の光通信ターミナル102が第2の光リンクEを介して光通信を行っている指向角度の第2の誤差をさらに推定してもよい。
受信方向情報取得部15は、第2の光通信ターミナル102が第2の光リンクEを介して光を受信した方向に関する受信方向情報を取得する。より詳細には、実施の形態1では、受信方向情報取得部15は、第2の光通信ターミナル102の送受信部10が第2の光リンクEを介して光を受信した方向に関する受信方向情報を取得する。受信方向情報取得部15は、取得した受信方向情報を誤差検出部16に出力する。
誤差検出部16は、受信方向情報取得部15が取得した受信方向情報を参照して、第2の光通信ターミナル102が第2の光リンクEを介して光通信を行っている指向角度の第3の誤差を検出する。より詳細には、実施の形態1では、誤差検出部16は、受信方向情報取得部15が取得した受信方向情報を参照して、第2の光通信ターミナル102の送受信部10が第2の光リンクEを介して光通信を行っている指向角度の第3の誤差を検出する。誤差検出部16は、検出した第3の誤差を誤差値推定演算部14に出力する。誤差値推定演算部14は、推定した第2の誤差と、取得した第3の誤差とをそのまま捕捉追尾制御部17に出力してもよいし、第2の誤差及び第3の誤差に基づいて、これらの誤差よりも精度の高い誤差を算出し、当該誤差を捕捉追尾制御部17に出力してもよい。
なお、誤差検出部16が検出する誤差は、例えば、送受信部10が第2の光リンクEを介して光通信を行っている指向角度と、後述する捕捉追尾制御部17が制御に用いた目標の指向角度との差である。また、受信方向情報が、送受信部10が第2の光リンクEを介して光を受信した位置に関する情報を含んでいる場合、誤差検出部16は、受信方向情報取得部15が取得した受信方向情報を参照して、送受信部10が第2の光リンクEを介して光通信を行っている位置の誤差をさらに検出してもよい。その場合、誤差検出部16が検出する位置の誤差は、例えば、送受信部10が第2の光リンクEを介して光通信を行っている位置と、後述する捕捉追尾制御部17が制御に用いた目標の位置との差である。
捕捉追尾制御部17は、指向方向制御情報取得部13が取得した指向方向制御情報に基づいて、第2の送受信装置としての第2の光通信ターミナル102が光又は電波の送受信を行う指向方向を制御する指向方向制御部である。より詳細には、実施の形態1では、捕捉追尾制御部17は、指向方向制御情報取得部13が取得した第1の誤差に基づいて、第2の光通信ターミナル102の送受信部10が第2の光リンクEを介して光通信を行う指向方向を制御することにより、第2の光リンクEを維持するための捕捉追尾を制御する。さらに詳細には、捕捉追尾制御部17は、誤差値推定演算部14が第1の誤差に基づいて推定した第2の誤差に基づいて、第2の光通信ターミナル102の送受信部10が第2の光リンクEを介して光通信を行う指向方向を制御することにより、第2の光リンクEを維持するための捕捉追尾を制御する。例えば、捕捉追尾制御部17は、送受信部10の指向角度を目標の指向角度に制御する際に、第2の誤差の分、制御量を調整する。
さらに詳細には、捕捉追尾制御部17は、誤差検出部16が検出した第3の誤差にさらに基づいて、第2の光通信ターミナル102の送受信部10が第2の光リンクEを介して光通信を行う指向方向を制御することにより、第2の光リンクEを維持するための捕捉追尾を制御する。その場合、捕捉追尾制御部17は、例えば、第2の誤差をフィードフォワード量として用い、第3の誤差をフィードバック量として用いることにより、送受信部10が第2の光リンクEを介して光通信を行う指向方向を制御してもよい。これにより、第2の光通信ターミナル102による第2の光リンクEを維持するための捕捉追尾能力が改善される。これは、第2の光通信ターミナル102が精捕捉を行う場合においても、精捕捉精度を向上させることができるものであり、第2の光通信ターミナル102が精捕捉を行えずに粗捕捉を行う場合に限定するものではない。精捕捉精度の向上による効果としては、受信光パワーの向上が期待できる。
なお、誤差検出部16が上述のように位置の誤差を検出した場合、捕捉追尾制御部17は、誤差検出部16が検出した位置の誤差に基づいて、送受信部10が第2の光リンクEを介して光通信を行う位置を制御することにより、第2の光リンクEを維持するための捕捉追尾を制御してもよい。また、誤差値推定演算部14が、別の少なくとも1つ以上の光通信ターミナルの指向角度の誤差に基づいて、第2の誤差をさらに推定した場合、捕捉追尾制御部17は、当該第2の誤差にさらに基づいて、第2の光通信ターミナル102の送受信部10が第2の光リンクEを介して光通信を行う指向方向を制御することにより、第2の光リンクEを維持するための捕捉追尾を制御してもよい。
捕捉追尾機構部12は、捕捉追尾制御部17による制御に基づいて、送受信部10の指向方向を変化させることにより、第2の光リンクEを維持するための捕捉追尾を行う。なお、捕捉追尾制御部17が上述のように位置の誤差に基づいて送受信部10の位置を制御する場合、捕捉追尾機構部12は、捕捉追尾制御部17による制御に基づいて、送受信部10の位置をさらに変化させることにより、第2の光リンクEを維持するための捕捉追尾を行ってもよい。捕捉追尾機構部12の例として、ピエゾアクチュエータ等が挙げられる。
次に、実施の形態1に係る第1の光通信ターミナル101の指向方向制御装置2の動作について図面を参照して説明する。図3は、指向方向制御装置2による指向方向制御方法を示すフローチャートである。なお、以下の指向方向制御方法が実施される前に、送受信部1は、第1の光リンクBを介して光を受信することにより、第1の光リンクBを介して光を受信した方向に関する受信方向情報を検出したものとする。
図3が示すように、受信方向情報取得部4は、送受信部1が検出した受信方向情報を取得する(ステップST1)。受信方向情報取得部4は、取得した受信方向情報を誤差検出部5に出力する。
次に、誤差検出部5は、受信方向情報取得部4が取得した受信方向情報を参照して、送受信部1が第1の光リンクBを介して光通信を行っている指向角度の第1の誤差を検出する(ステップST2)。誤差検出部5は、検出した第1の誤差を捕捉追尾制御部6と第2の光通信ターミナル102の指向方向制御装置11の指向方向制御情報取得部13に出力する。
次に、捕捉追尾制御部6は、誤差検出部5が検出した第1の誤差に基づいて、送受信部1が第1の光リンクBを介して光通信を行う指向方向を制御することにより、第1の光リンクBを維持するための捕捉追尾を制御する(ステップST3)。
捕捉追尾機構部3は、ステップST3における捕捉追尾制御部6による制御に基づいて、送受信部1の指向方向を変化させることにより、第1の光リンクBを維持するための捕捉追尾を行う。捕捉追尾機構部3によって指向方向が変化した送受信部1は、再度、第1の光リンクBを介して光を受信することにより、第1の光リンクBを介して光を受信した方向に関する受信方向情報を検出する。指向方向制御装置2は、送受信部1が再度検出した受信方向情報に基づいて、上記のステップST1からステップST3を再度実行する。第1の光通信ターミナル101は、以上の動作が繰り返すことにより、第1の光リンクBを維持するための捕捉追尾を行う。
次に、実施の形態1に係る第2の光通信ターミナル102の指向方向制御装置11の動作について図面を参照して説明する。図4は、指向方向制御装置11による指向方向制御方法を示すフローチャートである。なお、以下の指向方向制御方法が実施される前に、送受信部10は、第2の光リンクEを介して光を受信することにより、第2の光リンクEを介して光を受信した方向に関する受信方向情報を検出したものとする。
図4が示すように、指向方向制御情報取得部13は、第1の光通信ターミナル101の送受信部1が第1の光リンクBを介して光通信を行っている指向角度の第1の誤差を含む指向方向制御情報を、第1の光通信ターミナル101の指向方向制御装置2の誤差検出部5から取得する(ステップST10)。指向方向制御情報取得部13は、取得した指向方向制御情報を誤差値推定演算部14に出力する。
次に、誤差値推定演算部14は、指向方向制御情報取得部13が取得した第1の誤差に基づいて、送受信部10が第2の光リンクEを介して光通信を行っている指向角度の第2の誤差を推定する(ステップST11)。
次に、受信方向情報取得部15は、送受信部10が第2の光リンクEを介して光を受信した方向に関する受信方向情報を取得する(ステップST12)。受信方向情報取得部15は、取得した受信方向情報を誤差検出部16に出力する。
次に、誤差検出部16は、受信方向情報取得部15が取得した受信方向情報を参照して、送受信部10が第2の光リンクEを介して光通信を行っている指向角度の第3の誤差を検出する(ステップST13)。誤差検出部16は、検出した第3の誤差を誤差値推定演算部14に出力する。誤差値推定演算部14は、ステップST11で推定した第2の誤差と、取得した第3の誤差とを捕捉追尾制御部17に出力する。
捕捉追尾制御部17は、誤差値推定演算部14がステップST11で第1の誤差に基づいて推定した第2の誤差と、誤差検出部16がステップST13で検出した第3の誤差とに基づいて、送受信部10が第2の光リンクEを介して光通信を行う指向方向を制御することにより、第2の光リンクEを維持するための捕捉追尾を制御する(ステップST14)。
捕捉追尾機構部12は、ステップST14における捕捉追尾制御部17による制御に基づいて、送受信部10の指向方向を変化させることにより、第2の光リンクEを維持するための捕捉追尾を行う。捕捉追尾機構部12によって指向方向が変化した送受信部10は、再度、第2の光リンクEを介して光を受信することにより、第2の光リンクEを介して光を受信した方向に関する受信方向情報を検出する。そして、指向方向制御装置11は、上記のステップST10からステップST14を再度実行する。第2の光通信ターミナル102は、以上の動作が繰り返すことにより、第2の光リンクEを維持するための捕捉追尾を行う。
指向方向制御装置2における、受信方向情報取得部4、誤差検出部5及び捕捉追尾制御部6のそれぞれの機能は、処理回路により実現される。すなわち、指向方向制御装置2は、図3に示したステップST1からステップST3までの処理を実行するための処理回路を備える。この処理回路は、専用のハードウェアであってもよいが、メモリに記憶されたプログラムを実行するCPU(Central Processing Unit)であってもよい。
また、指向方向制御装置11における、指向方向制御情報取得部13、誤差値推定演算部14、受信方向情報取得部15、誤差検出部16及び捕捉追尾制御部17のそれぞれの機能は、処理回路により実現される。すなわち、指向方向制御装置11は、図4に示したステップST10からステップST14までの処理を実行するための処理回路を備える。この処理回路は、専用のハードウェアであってもよいが、メモリに記憶されたプログラムを実行するCPU(Central Processing Unit)であってもよい。
図5Aは、指向方向制御装置2又は指向方向制御装置11の機能を実現するハードウェア構成を示すブロック図である。図5Bは、指向方向制御装置2又は指向方向制御装置11の機能を実現するソフトウェアを実行するハードウェア構成を示すブロック図である。図5A及び図5Bがそれぞれ示す送受信装置21は、上述の送受信部1の機能、又は上述の送受信部10の機能を実行する。図5A及び図5Bがそれぞれ示す捕捉追尾機構22は、上述の捕捉追尾機構部3の機能、又は上述の捕捉追尾機構部12の機能を実行する。
上記処理回路が図5Aに示す専用のハードウェアの処理回路20である場合、処理回路20は、例えば、単一回路、複合回路、プログラム化したプロセッサ、並列プログラム化したプロセッサ、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、FPGA(Field-Programmable Gate Array)又はこれらを組み合わせたものが該当する。
指向方向制御装置2における、受信方向情報取得部4、誤差検出部5及び捕捉追尾制御部6のそれぞれの機能を別々の処理回路で実現してもよいし、これらの機能をまとめて1つの処理回路で実現してもよい。また、指向方向制御装置11における、指向方向制御情報取得部13、誤差値推定演算部14、受信方向情報取得部15、誤差検出部16及び捕捉追尾制御部17のそれぞれの機能を別々の処理回路で実現してもよいし、これらの機能をまとめて1つの処理回路で実現してもよい。
上記処理回路が図5Bに示すプロセッサ23である場合、指向方向制御装置2における、受信方向情報取得部4、誤差検出部5及び捕捉追尾制御部6のそれぞれの機能は、ソフトウェア、ファームウェア又はソフトウェアとファームウェアとの組み合わせによって実現される。または、上記処理回路が図5Bに示すプロセッサ23である場合、指向方向制御装置11における、指向方向制御情報取得部13、誤差値推定演算部14、受信方向情報取得部15、誤差検出部16及び捕捉追尾制御部17のそれぞれの機能は、ソフトウェア、ファームウェア又はソフトウェアとファームウェアとの組み合わせによって実現される。
なお、ソフトウェア又はファームウェアは、プログラムとして記述されてメモリ24に記憶される。
なお、ソフトウェア又はファームウェアは、プログラムとして記述されてメモリ24に記憶される。
プロセッサ23は、メモリ24に記憶されたプログラムを読み出して実行することにより、指向方向制御装置2における、受信方向情報取得部4、誤差検出部5及び捕捉追尾制御部6のそれぞれの機能を実現する。すなわち、指向方向制御装置2は、プロセッサ23によって実行されるときに、図3に示したステップST1からステップST3までの処理が結果的に実行されるプログラムを記憶するためのメモリ24を備える。または、プロセッサ23は、メモリ24に記憶されたプログラムを読み出して実行することにより、指向方向制御装置11における、指向方向制御情報取得部13、誤差値推定演算部14、受信方向情報取得部15、誤差検出部16及び捕捉追尾制御部17のそれぞれの機能を実現する。すなわち、指向方向制御装置11は、プロセッサ23によって実行されるときに、図4に示したステップST10からステップST14までの処理が結果的に実行されるプログラムを記憶するためのメモリ24を備える。
これらのプログラムは、指向方向制御装置2における、受信方向情報取得部4、誤差検出部5及び捕捉追尾制御部6の手順又は方法をコンピュータに実行させる。メモリ24は、コンピュータを、指向方向制御装置2における、受信方向情報取得部4、誤差検出部5及び捕捉追尾制御部6として機能させるためのプログラムが記憶されたコンピュータ可読記憶媒体であってもよい。または、これらのプログラムは、指向方向制御装置11における、指向方向制御情報取得部13、誤差値推定演算部14、受信方向情報取得部15、誤差検出部16及び捕捉追尾制御部17の手順又は方法をコンピュータに実行させる。メモリ24は、コンピュータを、指向方向制御装置11における、指向方向制御情報取得部13、誤差値推定演算部14、受信方向情報取得部15、誤差検出部16及び捕捉追尾制御部17として機能させるためのプログラムが記憶されたコンピュータ可読記憶媒体であってもよい。
メモリ24には、例えば、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)、フラッシュメモリ、EPROM(Erasable Programmable Read Only Memory)、EEPROM(Electrically-EPROM)などの不揮発性又は揮発性の半導体メモリ、磁気ディスク、フレキシブルディスク、光ディスク、コンパクトディスク、ミニディスク、DVDなどが該当する。
指向方向制御装置2における、受信方向情報取得部4、誤差検出部5及び捕捉追尾制御部6のそれぞれの機能について一部を専用のハードウェアで実現し、一部をソフトウェア又はファームウェアで実現してもよい。
例えば、受信方向情報取得部4及び誤差検出部5は、専用のハードウェアとしての処理回路で機能を実現する。捕捉追尾制御部6については、プロセッサ23がメモリ24に記憶されたプログラムを読み出して実行することにより機能を実現してもよい。
または、指向方向制御装置11における、指向方向制御情報取得部13、誤差値推定演算部14、受信方向情報取得部15、誤差検出部16及び捕捉追尾制御部17のそれぞれの機能について一部を専用のハードウェアで実現し、一部をソフトウェア又はファームウェアで実現してもよい。
例えば、指向方向制御情報取得部13及び誤差値推定演算部14は、専用のハードウェアとしての処理回路で機能を実現する。受信方向情報取得部15、誤差検出部16及び捕捉追尾制御部17については、プロセッサ23がメモリ24に記憶されたプログラムを読み出して実行することにより機能を実現してもよい。
このように、処理回路は、ハードウェア、ソフトウェア、ファームウェア又はこれらの組み合わせにより上記機能のそれぞれを実現することができる。
このように、処理回路は、ハードウェア、ソフトウェア、ファームウェア又はこれらの組み合わせにより上記機能のそれぞれを実現することができる。
次に、実施の形態1に係る第2の光通信ターミナル102の指向方向制御装置11による指向方向制御方法における上述のステップST11の誤差値推定方法の具体例について図面を参照して説明する。図6は、指向方向制御装置11による誤差値推定方法の具体例を説明するための概略図である。なお、説明を簡単にするために、図6では、上述の各衛星の2次元の位置関係を示す。
図6において、LEO衛星A及びGEO衛星Cを結ぶ線(第1の光リンクB)とLEO衛星A及びLEO衛星Fを結ぶ線(第2の光リンクE)とが成す角をθとする。なお、LEO衛星AとGEO衛星Cとの間には精捕捉が成立しているものとする。
まず、上述のステップST2において、第1の光通信ターミナル101の指向方向制御装置2の誤差検出部5は、ある時間間隔Δtの間に、送受信部1が第1の光リンクBを介して光通信を行っている指向角度の第1の誤差Δθを検出する。次に、指向方向制御情報取得部13は、上述のステップST10において、当該第1の誤差Δθを取得する。
なお、GEO衛星Cの擾乱は、LEO衛星Aに比べて小さいために、第1の誤差Δθの元となったLEO衛星Aの擾乱による角度変動量は、第1の誤差Δθの元となったGEO衛星Cの擾乱による角度変動量よりも圧倒的に大きい。そのため、当該具体例では、上述のステップST11において、第2の光通信ターミナル102の誤差値推定演算部14は、送受信部10が第2の光リンクEを介して光通信を行っている指向角度の第2の誤差が、第1の光通信ターミナル101の送受信部1が第1の光リンクBを介して光通信を行っている指向角度の第1の誤差Δθと同じ値であると推定する。誤差値推定演算部14が推定した第2の誤差Δθは、上述のステップST14で捕捉追尾制御部17による指向方向の制御に用いられることにより、LEO衛星AとLEO衛星Fとの間の第2の光リンクEは安定化される。
次に、実施の形態1に係る第1の光通信ターミナル101の指向方向制御装置2による指向方向制御方法及び第2の光通信ターミナル102の指向方向制御装置11による指向方向制御方法の具体例についてブロック線図を参照して説明する。図7は、実施の形態1に係る指向方向制御方法の具体例を示すブロック線図である。
まず、第1の光通信ターミナル101において、上述のステップST3で、捕捉追尾制御部6は、目標の指向角度(図7の入力)と、誤差検出部5から予め取得した第1の誤差とを入力とし、G11を伝達関数として捕捉追尾機構部3に対する制御量を算出して、送受信部1が第1の光リンクBを介して光通信を行う指向方向を制御したものとする。そして、捕捉追尾機構部3は、ステップST3における捕捉追尾制御部6による制御に基づいて、送受信部1の指向方向を変化させることにより、第1の光リンクBを維持するための捕捉追尾を行う。捕捉追尾機構部3によって指向方向が変化した送受信部1は、第1の光リンクBを介して光を受信することにより、第1の光リンクBを介して光を受信した方向に関する受信方向情報を検出する。
そして、再度、指向方向制御装置2による指向方向制御方法が実行され、上述のステップST1において、受信方向情報取得部4は、送受信部1が検出した受信方向情報を取得する。次に、上述のステップST2において、誤差検出部5は、受信方向情報取得部4が取得した受信方向情報を入力とし、G12を伝達関数として、送受信部1が第1の光リンクBを介して光通信を行っている指向角度の第1の誤差を算出する。
次に、上述のステップST3において、捕捉追尾制御部6は、目標の指向角度と、誤差検出部5が算出した第1の誤差とを入力とし、G11を伝達関数として捕捉追尾機構部3に対する制御量を再度算出して、送受信部1が第1の光リンクBを介して光通信を行う指向方向を制御する。つまり、当該具体例では、捕捉追尾制御部6による制御は、第1の誤差をフィードバック量として用いたフィードバック制御である。
一方、第2の光通信ターミナル102において、上述のステップST14で、捕捉追尾制御部17は、目標の指向角度と、誤差値推定演算部14から予め取得した第2の誤差と、誤差検出部16から予め取得した第3の誤差とを入力とし、G21を伝達関数として捕捉追尾機構部12に対する制御量を算出して、送受信部10が第2の光リンクEを介して光通信を行う指向方向を制御することにより、第2の光リンクEを維持するための捕捉追尾を制御したものとする。そして、捕捉追尾機構部12は、ステップST14における捕捉追尾制御部17による制御に基づいて、送受信部10の指向方向を変化させることにより、第2の光リンクEを維持するための捕捉追尾を行う。捕捉追尾機構部12によって指向方向が変化した送受信部10は、第2の光リンクEを介して光を受信することにより、第2の光リンクEを介して光を受信した方向に関する受信方向情報を検出する。
そして、再度、指向方向制御装置11による指向方向制御方法が実行され、上述のステップST10で、指向方向制御情報取得部13は、上述のステップST2において誤差検出部5が算出した第1の誤差を含む指向方向制御情報を取得する。次に、上述のステップST11において、誤差値推定演算部14は、指向方向制御情報取得部13が取得した第1の誤差を入力とし、伝達関数をG13として、送受信部10が第2の光リンクEを介して光通信を行っている指向角度の第2の誤差を算出する。
次に、上述のステップST12において、受信方向情報取得部15は、送受信部10が第2の光リンクEを介して光を受信した方向に関する受信方向情報を取得する。次に、上述のステップST13において、誤差検出部16は、受信方向情報取得部15が取得した受信方向情報を入力とし、G22を伝達関数として、送受信部10が第2の光リンクEを介して光通信を行っている指向角度の第3の誤差を算出する。
次に、上述のステップST14において、捕捉追尾制御部17は、目標の指向角度と、誤差値推定演算部14がステップST11で算出した第2の誤差と、誤差検出部16がステップST13で算出した第3の誤差とを入力とし、G21を伝達関数として捕捉追尾機構部12に対する制御量を算出して、送受信部10が第2の光リンクEを介して光通信を行う指向方向を制御することにより、第2の光リンクEを維持するための捕捉追尾を制御する。つまり、当該具体例では、捕捉追尾制御部6による制御は、第3の誤差をフィードバック量として用いたフィードバック制御と、第2の誤差をフィードフォワード量として用いたフィードフォワード制御とを併用した制御である。
次に、実施の形態1の第1の変形例について図面を参照して説明する。上記の説明では、第1の光通信ターミナル101及び第2の光通信ターミナル102がLEO衛星Aに設置されている構成について説明した。実施の形態1の第1の変形例では、第2の光通信ターミナル102の代わりに、観測用ターミナルがLEO衛星Aに設置されている構成について説明する。
図8は、実施の形態1の第1の変形例に係る光通信システム103が光通信及び観測を行う様子を示す概略図である。図8が示すように、光通信システム103は、第1の光通信ターミナル101、及び観測用ターミナル104を含む。なお、第1の変形例に係る第1の光通信ターミナル101の構成は、図2に示した第1の光通信ターミナル101の構成と同様である。一方、第1の変形例に係る観測用ターミナル104の構成は、図2に示した第2の光通信ターミナル102の構成と一部異なる。
観測用ターミナル104は、光又は電波の送受信を行うことにより地球を観測する。観測用ターミナル104の例として、地上撮像用の光学素子を有する観測用ターミナル、地上撮像用の電波処理装置を有する観測用ターミナル、又は大気状態を測定する測定装置を有する観測用ターミナル等が挙げられる。観測用ターミナル104がこれらの観測用ターミナルである場合、観測用ターミナル104における、第2の光通信ターミナル102の送受信部10に相当する送受信部は、地上撮像用の光学素子、地上撮像用の電波処理装置、又は大気状態を測定する測定装置を含む。当該送受信部は、第2の光通信ターミナル102の送受信部10が受信方向情報を検出する上述の方法と同様の方法によって、光又は電波を受信した方向に関する受信方向情報を検出してもよい。または、当該送受信部は、地球に向けて光又は電波を送信し、反射された光又は電波を受信することにより、光又は電波を受信した方向に関する受信方向情報を検出してもよい。
観測用ターミナル104における、第2の光通信ターミナル102の捕捉追尾制御部17に相当する指向方向制御部は、指向方向制御情報取得部13が取得した第1の誤差に基づいて、観測用ターミナル104の上記の送受信部が光又は電波の送受信を行う指向方向を制御する。より詳細には、当該指向方向制御部は、誤差値推定演算部14が第1の誤差に基づいて推定した第2の誤差に基づいて、観測用ターミナル104の上記の送受信部が光又は電波の送受信を行う指向方向を制御する。さらに詳細には、当該指向方向制御部は、誤差検出部16が検出した第3の誤差にさらに基づいて、観測用ターミナル104の上記の送受信部が光又は電波の送受信を行う指向方向を制御する。
また、観測用ターミナル104における、第2の光通信ターミナル102の捕捉追尾機構部12に相当する機構部は、上記の指向方向制御部による制御に基づいて、送受信部10の指向方向を変化させることにより、観測方向を調整する。
以上のように、実施の形態1に係る指向方向制御装置11は、一部構成を変更することにより、観測用ターミナル104にも適用され得る。
以上のように、実施の形態1に係る指向方向制御装置11は、一部構成を変更することにより、観測用ターミナル104にも適用され得る。
次に、実施の形態1の第2の変形例について図面を参照して説明する。実施の形態1では、第2の光通信ターミナル102の指向方向制御装置11が、第1の光通信ターミナル101の指向方向制御装置2から取得した第1の誤差に基づいて指向方向を制御する構成について説明した。第2の変形例では、さらに、第1の光通信ターミナル101の指向方向制御装置2が、当該構成と同様の構成を有する例について説明する。
図9は、実施の形態1の第2の変形例に係る光通信システム105の構成を示すブロック図である。図9が示すように、第2の変形例に係る第1の光通信ターミナル106の指向方向制御装置30は、上述の指向方向制御装置2と比較して、指向方向制御情報取得部31、及び誤差値推定演算部32をさらに備えている。
指向方向制御情報取得部31は、第2の光通信ターミナル102の誤差検出部16が検出した第3の誤差を取得する。誤差値推定演算部32は、指向方向制御情報取得部31が取得した第3の誤差に基づいて、送受信部1が第1の光リンクBを介して光通信を行っている指向角度の第4の誤差を推定する。
第2の変形例に係る捕捉追尾制御部6は、誤差値推定演算部32が第3の誤差に基づいて推定した第4の誤差にさらに基づいて、送受信部1が第1の光リンクBを介して光通信を行う指向方向を制御することにより、第1の光リンクBを維持するための捕捉追尾を制御する。
第2の変形例の構成によれば、第1の光通信ターミナル101による第1の光リンクBを維持するための捕捉追尾能力が改善される。
第2の変形例の構成によれば、第1の光通信ターミナル101による第1の光リンクBを維持するための捕捉追尾能力が改善される。
以上のように、実施の形態1に係る指向方向制御装置11は、光の送受信を行う第1の送受信装置としての第1の光通信ターミナル101、及び、光又は電波の送受信を行う第2の送受信装置としての第2の光通信ターミナル102が設置された衛星において、当該第2の送受信装置が光又は電波の送受信を行う指向方向を制御する指向方向制御装置11であって、第1の送受信装置が光の送受信を行う指向方向を制御するための指向方向制御情報を取得する指向方向制御情報取得部13と、指向方向制御情報取得部13が取得した指向方向制御情報に基づいて、第2の送受信装置が光又は電波の送受信を行う指向方向を制御する指向方向制御部としての捕捉追尾制御部17と、を備えている。
第1の送受信装置及び第2の送受信装置は、同じ衛星に設置されているため、第1の送受信装置の指向方向と、第2の送受信装置の指向方向とは相関がある。従って、上記の構成によれば、第1の送受信装置の指向方向制御情報に基づいて、第2の送受信装置が光又は電波の送受信を行う指向方向を制御することにより、第2の送受信装置の指向方向の精度を維持することができる。また、例えば、第1の送受信装置及び第2の送受信装置以外の別の送受信装置においても、第1の送受信装置の指向方向制御情報に基づいて、当該別の送受信装置が光又は電波の送受信を行う指向方向を制御してもよい。つまり、衛星に設置された複数の送受信装置のうちの少なくとも1つ以上の送受信装置に対して、高性能のセンサ等の設備を設けることなく、指向方向の精度を維持することができる。また、これによって、送受信装置の設備にかかるコストを低減することができる。
また、実施の形態1に係る指向方向制御装置11は、第1の送受信装置が、第1の光リンクBを介して光通信を行う第1の光通信ターミナル101であり、第2の送受信装置は、第2の光リンクEを介して光通信を行う第2の光通信ターミナル102であり、指向方向制御情報取得部13が取得する指向方向制御情報は、第1の光通信ターミナル101が第1の光リンクBを介して光通信を行っている指向角度の第1の誤差を含み、指向方向制御部は、指向方向制御情報取得部13が取得した第1の誤差に基づいて、第2の光通信ターミナル102が第2の光リンクEを介して光通信を行う指向方向を制御することにより、第2の光リンクEを維持するための捕捉追尾を制御する捕捉追尾制御部17である。
上記の構成によれば、第1の光通信ターミナル101の指向角度の第1の誤差に基づいて、第2の光通信ターミナル102の指向方向を制御することにより、LEO衛星Aの擾乱等による第2の光通信ターミナル102の指向方向のずれを補正することができ、第2の光通信ターミナル102の指向方向の精度を維持することができる。つまり、衛星に設置された複数の光通信ターミナルのうちの少なくとも1つ以上の光通信ターミナルに対して、高性能のセンサ等の設備を設けることなく、指向方向の精度を維持することができる。
また、実施の形態1に係る指向方向制御装置11は、指向方向制御情報取得部13が取得した第1の誤差に基づいて、第2の光通信ターミナル102が第2の光リンクEを介して光通信を行っている指向角度の第2の誤差を推定する誤差値推定演算部14をさらに備え、捕捉追尾制御部17は、誤差値推定演算部14が第1の誤差に基づいて推定した第2の誤差に基づいて、第2の光通信ターミナル102が第2の光リンクEを介して光通信を行う指向方向を制御することにより、第2の光リンクEを維持するための捕捉追尾を制御する。
上記の構成によれば、第1の光通信ターミナル101の指向角度の第1の誤差に基づいて、第2の光通信ターミナル102の指向角度の第2の誤差を推定し、当該第2の誤差に基づいて、第2の光通信ターミナル102の指向方向を制御する。これにより、第2の光通信ターミナル102の指向方向を好適に制御することができる。
また、実施の形態1に係る指向方向制御装置11は、第2の光通信ターミナル102が第2の光リンクEを介して光を受信した方向に関する受信方向情報を取得する受信方向情報取得部15と、受信方向情報取得部15が取得した受信方向情報を参照して、第2の光通信ターミナル102が第2の光リンクEを介して光通信を行っている指向角度の第3の誤差を検出する誤差検出部16と、をさらに備え、捕捉追尾制御部17は、誤差検出部16が検出した第3の誤差にさらに基づいて、第2の光通信ターミナル102が第2の光リンクEを介して光通信を行う指向方向を制御することにより、第2の光リンクEを維持するための捕捉追尾を制御する。
上記の構成によれば、第2の光通信ターミナル102の指向方向の第3の誤差にさらに基づいて、第2の光通信ターミナル102の指向方向を制御する。これにより、第2の光通信ターミナル102の指向方向の精度を好適に維持することができる。
また、実施の形態1に係る指向方向制御装置11は、第1の送受信装置が、第1の光リンクBを介して光通信を行う第1の光通信ターミナル101であり、第2の送受信装置は、光又は電波の送受信を行うことにより地球を観測する観測用ターミナル104であり、指向方向制御情報取得部13が取得する指向方向制御情報は、第1の光通信ターミナル101が第1の光リンクBを介して光通信を行っている指向角度の誤差であり、指向方向制御部としての捕捉追尾制御部17は、指向方向制御情報取得部13が取得した誤差に基づいて、観測用ターミナル104が光又は電波の送受信を行う指向方向を制御する。
上記の構成によれば、第1の光通信ターミナル101の指向角度の第1の誤差に基づいて、観測用ターミナル104の指向方向を制御することにより、高性能のセンサ等の設備を設けることなく、観測用ターミナル104の指向方向の精度を維持することができる。
また、実施の形態1に係る第2の光通信ターミナル102は、上記の指向方向制御装置11と、第2の光リンクEを介して光を受信することにより、第2の光通信ターミナル102の受信方向情報を検出する送受信部10(第2の光通信ターミナル送受信部)と、捕捉追尾制御部17による制御に基づいて、送受信部10の指向方向を変化させることにより、第2の光リンクEを維持するための捕捉追尾を行う捕捉追尾機構部12(第2の光通信ターミナル捕捉追尾機構部)と、を備えている。
上記の構成によれば、送受信部10が検出した受信方向情報を参照して、第2の光通信ターミナル102が第2の光リンクEを介して光通信を行っている指向角度の第3の誤差を検出することができる。そして、捕捉追尾制御部17による第3の誤差に基づいた制御によって捕捉追尾機構部12が送受信部10の指向方向を変化させることにより、第2の光通信ターミナル102の指向方向の精度を好適に維持することができる。
また、実施の形態1に係る光通信システム100は、上記の第2の光通信ターミナル102、及び、第1の光通信ターミナル101を含み、第1の光通信ターミナル101は、第1の光リンクBを介して光を受信することにより、第1の光リンクBを介して光を受信した方向に関する受信方向情報を検出する送受信部1(第1の光通信ターミナル送受信部)と、送受信部1が検出した受信方向情報を取得する受信方向情報取得部4(第1の光通信ターミナル受信方向情報取得部)と、受信方向情報取得部4が取得した受信方向情報を参照して、第1の光通信ターミナル101が第1の光リンクBを介して光通信を行っている指向角度の第1の誤差を検出する誤差検出部5(第1の光通信ターミナル誤差検出部)と、誤差検出部5が検出した第1の誤差に基づいて、第1の光通信ターミナル101が第1の光リンクBを介して光通信を行う指向方向を制御することにより、第1の光リンクBを維持するための捕捉追尾を制御する捕捉追尾制御部6(第1の光通信ターミナル捕捉追尾制御部)と、捕捉追尾制御部6による制御に基づいて、送受信部1の指向方向を変化させることにより、第1の光リンクBを維持するための捕捉追尾を行う捕捉追尾機構部3(第1の光通信ターミナル捕捉追尾機構部)と、を備えている。
上記の構成によれば、第1の光通信ターミナル101の誤差検出部5が検出した第1の誤差に基づいて、第2の光通信ターミナル102の指向方向を制御することにより、第2の光通信ターミナル102の指向方向の精度を好適に維持することができる。また、誤差検出部5が検出した第1の誤差に基づいて、第1の光通信ターミナル101の送受信部1の指向方向を制御することにより、第1の光通信ターミナル101は、指向方向の精度を好適に維持することができる。
また、実施の形態1に係る光通信システム105における第1の光通信ターミナル106は、第2の光通信ターミナル102の誤差検出部16が検出した第3の誤差を取得する指向方向制御情報取得部31(第1の光通信ターミナル指向方向制御情報取得部)と、指向方向制御情報取得部31が取得した第3の誤差に基づいて、送受信部1が第1の光リンクBを介して光通信を行っている指向角度の第4の誤差を推定する誤差値推定演算部32(第1の光通信ターミナル誤差値推定演算部)と、をさらに備え、捕捉追尾制御部6は、誤差値推定演算部32が第3の誤差に基づいて推定した第4の誤差にさらに基づいて、送受信部1が第1の光リンクBを介して光通信を行う指向方向を制御することにより、第1の光リンクBを維持するための捕捉追尾を制御する。
上記の構成によれば、第2の光通信ターミナル102の指向角度の第3の誤差に基づいて、第1の光通信ターミナル101の送受信部1の指向方向を制御することにより、高性能のセンサ等の設備を設けることなく、第1の光通信ターミナル101の指向方向の精度を維持することができる。
また、実施の形態1に係る指向方向制御方法は、光の送受信を行う第1の送受信装置としての第1の光通信ターミナル101、及び、光又は電波の送受信を行う第2の送受信装置としての第2の光通信ターミナル102が設置された衛星において、当該第2の送受信装置が光又は電波の送受信を行う指向方向を制御する指向方向制御方法であって、第1の送受信装置が光の送受信を行う指向方向を制御するための指向方向制御情報を取得する指向方向制御情報取得ステップと、指向方向制御情報取得ステップで取得した指向方向制御情報に基づいて、第2の送受信装置が光又は電波の送受信を行う指向方向を制御する指向方向制御ステップと、を含む。
上記の構成によれば、実施の形態1に係る指向方向制御装置11が奏する効果と同様の効果を奏する。
上記の構成によれば、実施の形態1に係る指向方向制御装置11が奏する効果と同様の効果を奏する。
実施の形態2.
LEOコンステレーションに代表されるように、単一の衛星の光通信ターミナルが複数の衛星の各光通信ターミナルと相互に通信を行い、且つ通信対象を切り替えていくような使用用途が存在する(SPACE X社 starlink計画など)。このような用途において、光通信ターミナルが通信対象を切り替える際の捕捉にかかる時間においては、光通信ターミナル間の通信が断絶されるために、光通信ターミナルの稼働率を下げる要因となる。そのため、通信対象の切替時間を短縮できることは、衛星間の通信量を増加させられることを意味している。
LEOコンステレーションに代表されるように、単一の衛星の光通信ターミナルが複数の衛星の各光通信ターミナルと相互に通信を行い、且つ通信対象を切り替えていくような使用用途が存在する(SPACE X社 starlink計画など)。このような用途において、光通信ターミナルが通信対象を切り替える際の捕捉にかかる時間においては、光通信ターミナル間の通信が断絶されるために、光通信ターミナルの稼働率を下げる要因となる。そのため、通信対象の切替時間を短縮できることは、衛星間の通信量を増加させられることを意味している。
衛星間の光通信において、光通信ターミナルが信号を捕捉する方法としてスパイラルスキャン方式がある(例えば、宇宙光通信技術 有本好徳著 光学35巻9号(2006) URL:https://annex.jsap.or.jp/photonics/kogaku/public/35-09-kaisetsu3.pdf参照)。この方式は、一方の衛星に設置された光通信ターミナルが指向方向を固定し、他方の衛星に設置された光通信ターミナルが指向方向をスパイラル型にスキャンすることにより、それぞれが通信視野に捕捉した瞬間の指向方向に基づいて互いの指向方向を徐々に合わせる手法である。このような方式では、光通信ターミナルは、通信対象の衛星が存在する方向をどこまで特定できるかによってスキャン範囲が変化する。スキャン範囲を狭めることは、捕捉に要する時間の短縮につながる。実施の形態2では、一方の指向方向制御装置が、実施の形態1の構成に加えて、他方の指向方向制御装置が用いる制御用の指向角度にさらに基づいて、指向方向を制御することにより、捕捉に要する時間を短縮する。
以下で、実施の形態2について図面を参照して説明する。なお、実施の形態1で説明した構成と同様の機能を有する構成については同一の符号を付し、その説明を省略する。
図10は、実施の形態2に係る光通信システム107の構成を示すブロック図である。図10が示すように、図10は、実施の形態2に係る光通信システム107が光通信を行う様子を示す概略図である。図10が示すように、光通信システム107は、第1の光通信ターミナル101、及び第2の光通信ターミナル108を含む。
図10は、実施の形態2に係る光通信システム107の構成を示すブロック図である。図10が示すように、図10は、実施の形態2に係る光通信システム107が光通信を行う様子を示す概略図である。図10が示すように、光通信システム107は、第1の光通信ターミナル101、及び第2の光通信ターミナル108を含む。
第1の光通信ターミナル101、及び第2の光通信ターミナル108は、それぞれ、LEO衛星Aに設置されている。上述の通り、第1の光通信ターミナル101は、第1の光リンクBを介して、GEO衛星Cに設置された第3の光通信ターミナルDと光通信を行う。また、第2の光通信ターミナル108は、第2の光リンクEを介して、LEO衛星Fに設置された第4の光通信ターミナルGと光通信を行う。なお、上述の通り、GEO衛星Cは、LEO衛星A及びLEO衛星Fと比較して低擾乱で安定した衛星である。また、GEO衛星Cには、第5の光通信ターミナルHが設置され、LEO衛星Fには、第6の光通信ターミナルIが設置されている。第5の光通信ターミナルHと第6の光通信ターミナルIとは、互いに、第3の光リンクJを介して光通信を行う。
図11は、実施の形態2に係る光通信システム107の構成を示すブロック図である。実施の形態1に係る光通信システム100と比較して、光通信システム107は、第2の光通信ターミナル102の代わりに、第2の光通信ターミナル108を含む。実施の形態1に係る第2の光通信ターミナル102と比較して、第2の光通信ターミナル108は、指向方向制御装置40が指向角度変換部41をさらに備えている。
実施の形態2に係る指向方向制御情報取得部13は、第1の光通信ターミナル101が第1の光リンクBを介して光通信を行う指向方向を制御するために用いる制御用の第1の指向角度を、指向方向制御情報として、さらに取得する。より詳細には、指向方向制御情報取得部13は、第1の光通信ターミナル101が第1の光リンクBを介して光通信を行う指向方向を制御するために用いる制御用の第1の指向角度を、指向方向制御情報として、第1の光通信ターミナル101の指向方向制御装置2の捕捉追尾制御部6からさらに取得する。指向方向制御情報取得部13は、取得した第1の指向角度を指向角度変換部41に出力する。
指向角度変換部41は、指向方向制御情報取得部13が取得した第1の指向角度を、第2の光通信ターミナル108が第2の光リンクEを介して光通信を行う指向方向を制御するために用いる制御用の第2の指向角度に変換する。より詳細には、実施の形態2では、指向角度変換部41は、指向方向制御情報取得部13が取得した第1の指向角度を、第2の光通信ターミナル108が第2の光リンクEを介して光通信を行う指向方向を制御するために用いる制御用の第2の指向角度に変換する。指向角度変換部41は、変換した第2の指向角度を捕捉追尾制御部17に出力する。
実施の形態2に係る捕捉追尾制御部17は、指向方向制御情報取得部13が取得した第1の指向角度にさらに基づいて、第2の光通信ターミナル108が第2の光リンクEを介して光通信を行う指向方向を制御することにより、第2の光リンクEを維持するための捕捉追尾を制御する。より詳細には、実施の形態2では、捕捉追尾制御部17は、指向角度変換部41が第1の指向角度に基づいて変換した第2の指向角度にさらに基づいて、送受信部10が第2の光リンクEを介して光通信を行う指向方向を制御することにより、第2の光リンクEを維持するための捕捉追尾を制御する。
実施の形態2に係る捕捉追尾制御部17は、指向角度変換部41が第1の指向角度に基づいて変換した第2の指向角度と、LEO衛星Aの軌道に関する軌道情報とに基づいて、第2の光通信ターミナル108の位置を推定してもよい。その場合、捕捉追尾制御部17は、推定した位置に基づいて、送受信部10が第2の光リンクEを介して光通信を行う位置を制御することにより、第2の光リンクEを維持するための捕捉追尾を制御してもよい。
次に、実施の形態2に係る第2の光通信ターミナル108の指向方向制御装置40の動作について図面を参照して説明する。なお、実施の形態2に係る第1の光通信ターミナル101の指向方向制御装置2の動作は、捕捉追尾制御部6が第1の光通信ターミナル101が第1の光リンクBを介して光通信を行う指向方向を制御するために用いる制御用の第1の指向角度を、第2の光通信ターミナル108の指向方向制御装置40の指向方向制御情報取得部13に出力すること以外は、実施の形態1で説明した指向方向制御装置2の動作と同様である。そのため、実施の形態2に係る第1の光通信ターミナル101の指向方向制御装置2の動作についての説明は省略する。
図12は、指向方向制御装置40による指向方向制御方法を示すフローチャートである。なお、以下の指向方向制御方法が実施される前に、送受信部10は、第2の光リンクEを介して光を受信することにより、第2の光リンクEを介して光を受信した方向に関する受信方向情報を検出したものとする。
図12が示すように、指向方向制御情報取得部13は、第1の光通信ターミナル101の送受信部1が第1の光リンクBを介して光通信を行っている指向角度の第1の誤差を含む指向方向制御情報を、第1の光通信ターミナル101の指向方向制御装置2の誤差検出部5から取得する(ステップST20)。指向方向制御情報取得部13は、取得した指向方向制御情報を誤差値推定演算部14に出力する。
次に、誤差値推定演算部14は、指向方向制御情報取得部13が取得した第1の誤差に基づいて、送受信部10が第2の光リンクEを介して光通信を行っている指向角度の第2の誤差を推定する(ステップST21)。
次に、指向方向制御情報取得部13は、第1の光通信ターミナル101が第1の光リンクを介して光通信を行う指向方向を制御するために用いる制御用の第1の指向角度を、指向方向制御情報として、第1の光通信ターミナル101の指向方向制御装置2の捕捉追尾制御部6からさらに取得する(ステップST22)。指向方向制御情報取得部13は、取得した第1の指向角度を指向角度変換部41に出力する。
次に、指向角度変換部41は、指向方向制御情報取得部13が取得した第1の指向角度を、第2の光通信ターミナル108が第2の光リンクEを介して光通信を行う指向方向を制御するために用いる制御用の第2の指向角度に変換する(ステップST23)。指向角度変換部41は、変換した第2の指向角度を捕捉追尾制御部17に出力する。
次に、受信方向情報取得部15は、送受信部10が第2の光リンクEを介して光を受信した方向に関する受信方向情報を取得する(ステップST24)。受信方向情報取得部15は、取得した受信方向情報を誤差検出部16に出力する。
次に、誤差検出部16は、受信方向情報取得部15が取得した受信方向情報を参照して、送受信部10が第2の光リンクEを介して光通信を行っている指向角度の第3の誤差を検出する(ステップST25)。誤差検出部16は、検出した第3の誤差を誤差値推定演算部14に出力する。誤差値推定演算部14は、ステップST21で推定した第2の誤差と、誤差検出部16から取得した第3の誤差とを捕捉追尾制御部17に出力する。
捕捉追尾制御部17は、誤差値推定演算部14がステップST21で第1の誤差に基づいて推定した第2の誤差と、指向角度変換部41がステップST23で変換した第2の指向角度と、誤差検出部16がステップST25で検出した第3の誤差とに基づいて、送受信部10が第2の光リンクEを介して光通信を行う指向方向を制御することにより、第2の光リンクEを維持するための捕捉追尾を制御する(ステップST26)。
捕捉追尾機構部12は、ステップST26における捕捉追尾制御部17による制御に基づいて、送受信部10の指向方向を変化させることにより、第2の光リンクEを維持するための捕捉追尾を行う。捕捉追尾機構部12によって指向方向が変化した送受信部10は、再度、第2の光リンクEを介して光を受信することにより、第2の光リンクEを介して光を受信した方向に関する受信方向情報を検出する。そして、指向方向制御装置40は、上記のステップST20からステップST26を再度実行する。第2の光通信ターミナル108は、以上の動作が繰り返すことにより、第2の光リンクEを維持するための捕捉追尾を行う。
なお、実施の形態2に係る指向方向制御装置40における、指向方向制御情報取得部13、誤差値推定演算部14、受信方向情報取得部15、誤差検出部16、捕捉追尾制御部17及び指向角度変換部41のそれぞれの機能は、処理回路により実現される。すなわち、実施の形態2に係る指向方向制御装置40は、図12に示したステップST20からステップST26までの処理を実行するための処理回路を備える。この処理回路は、専用のハードウェアであってもよいが、メモリに記憶されたプログラムを実行するCPU(Central Processing Unit)であってもよい。実施の形態2に係る指向方向制御装置40の機能を実現するハードウェア構成は、図5Aが示すハードウェア構成と同様である。また、実施の形態2に係る指向方向制御装置40の機能を実現するソフトウェアを実行するハードウェア構成は、図5Bが示すハードウェア構成と同様である。
次に、実施の形態2に係る指向方向制御装置40による指向方向制御方法が奏する効果について図面を参照して説明する。図13は、指向方向制御装置40による指向方向制御方法が奏する効果を説明するための図である。
上述のステップST26において、まず、捕捉追尾制御部17は、誤差値推定演算部14がステップST21で第1の誤差に基づいて推定した第2の誤差に基づいて、送受信部10が第2の光リンクEを介して光通信を行う指向方向を制御することにより、第2の光リンクEを維持するための捕捉追尾を制御する。これにより、LEO衛星Aの擾乱による影響が抑えられ、指向角度の誤差範囲が狭まるため(図12の1点鎖線)、第2の光通信ターミナル108がスパイラルスキャンなどを行う際のスキャン範囲が狭まる。
上述のステップST26において、まず、捕捉追尾制御部17は、誤差値推定演算部14がステップST21で第1の誤差に基づいて推定した第2の誤差に基づいて、送受信部10が第2の光リンクEを介して光通信を行う指向方向を制御することにより、第2の光リンクEを維持するための捕捉追尾を制御する。これにより、LEO衛星Aの擾乱による影響が抑えられ、指向角度の誤差範囲が狭まるため(図12の1点鎖線)、第2の光通信ターミナル108がスパイラルスキャンなどを行う際のスキャン範囲が狭まる。
一方で、第2の光通信ターミナル108の指向方向は、LEO衛星Aの擾乱のみならず、LEO衛星Aの姿勢誤差によっても、ずれてしまうという問題がある。そこで、上述のステップST26において、捕捉追尾制御部17は、指向角度変換部41がステップST23で変換した第2の指向角度に基づいて、送受信部10が第2の光リンクEを介して光通信を行う指向方向を制御することにより、第2の光リンクEを維持するための捕捉追尾を制御する。これにより、LEO衛星Aの姿勢誤差による第2の光通信ターミナル102の指向方向のずれを補正することができるため、図12の実線のようにスキャン範囲を狭めることができる。
以上の構成は、LEO衛星Fに対しても適用可能である。また、LEO衛星Aが3つ以上の光通信ターミナルを有する場合においても有効である。例えば、LEO衛星Aが複数の低擾乱衛星とリンクが確立しており、指向方向制御装置40が、当該複数の低擾乱衛星とリンクが確立している各光通信ターミナル(図示せず)が光通信を行う指向方向を制御するために用いる制御用の指向角度にさらに基づいて指向方向を制御することにより、姿勢誤差補正後の推定範囲をさらに狭めることができる。よって、捕捉に要する時間の短縮に有効である。
以上のように、実施の形態2に係る指向方向制御装置40は、指向方向制御情報取得部13が取得する指向方向制御情報は、第1の光通信ターミナル101が第1の光リンクBを介して光通信を行う指向方向を制御するために用いる制御用の第1の指向角度をさらに含み、捕捉追尾制御部17は、指向方向制御情報取得部13が取得した第1の指向角度にさらに基づいて、第2の光通信ターミナル108が第2の光リンクEを介して光通信を行う指向方向を制御することにより、第2の光リンクEを維持するための捕捉追尾を制御する。
上記の構成によれば、第1の光通信ターミナル101における制御用の第1の指向角度にさらに基づいて、第2の光通信ターミナル108が第2の光リンクEを介して光通信を行う指向方向を制御することにより、LEO衛星Aの姿勢誤差による第2の光通信ターミナル108の指向方向のずれを補正することができ、第2の光通信ターミナル108の指向方向の精度を維持することができる。また、第2の光通信ターミナル108がスパイラルスキャンなどを行う際のスキャン範囲が狭まる。
また、実施の形態2に係る指向方向制御装置40は、指向方向制御情報取得部13が取得した第1の指向角度を、第2の光通信ターミナル108が第2の光リンクEを介して光通信を行う指向方向を制御するために用いる制御用の第2の指向角度に変換する指向角度変換部41をさらに備え、捕捉追尾制御部17は、指向角度変換部41が第1の指向角度に基づいて変換した第2の指向角度にさらに基づいて、第2の光通信ターミナル108が第2の光リンクEを介して光通信を行う指向方向を制御することにより、第2の光リンクEを維持するための捕捉追尾を制御する。
上記の構成によれば、変換した第2の指向角度にさらに基づいて、第2の光通信ターミナル108が第2の光リンクEを介して光通信を行う指向方向を制御することにより、LEO衛星Aの姿勢誤差による第2の光通信ターミナル108の指向方向のずれを補正することができ、第2の光通信ターミナル108の指向方向の精度を好適に維持することができる。
なお、各実施の形態の自由な組み合わせ、あるいは各実施の形態の任意の構成要素の変形、もしくは各実施の形態において任意の構成要素の省略が可能である。
なお、各実施の形態の自由な組み合わせ、あるいは各実施の形態の任意の構成要素の変形、もしくは各実施の形態において任意の構成要素の省略が可能である。
本開示に係る指向方向制御装置は、衛星に設置された複数の送受信装置のうちの少なくとも1つ以上の送受信装置に対して、高性能のセンサ等の設備を設けることなく、指向方向の精度を維持することができるため、光通信システムに利用可能である。
1 送受信部、2 指向方向制御装置、3 捕捉追尾機構部、4 受信方向情報取得部、5 誤差検出部、6 捕捉追尾制御部、10 送受信部、11 指向方向制御装置、12 捕捉追尾機構部、13 指向方向制御情報取得部、14 誤差値推定演算部、15 受信方向情報取得部、16 誤差検出部、17 捕捉追尾制御部、20 処理回路、21 送受信装置、22 捕捉追尾機構、23 プロセッサ、24 メモリ、30 指向方向制御装置、31 指向方向制御情報取得部、32 誤差値推定演算部、40 指向方向制御装置、41 指向角度変換部、100 光通信システム、101 第1の光通信ターミナル、102 第2の光通信ターミナル、103 光通信システム、104 観測用ターミナル、105 光通信システム、106 第1の光通信ターミナル、107 光通信システム、108 第2の光通信ターミナル。
Claims (11)
- 光の送受信を行う第1の送受信装置、及び、光又は電波の送受信を行う第2の送受信装置が設置された衛星において、当該第2の送受信装置が光又は電波の送受信を行う指向方向を制御する指向方向制御装置であって、
前記第1の送受信装置が光の送受信を行う指向方向を制御するための指向方向制御情報を取得する指向方向制御情報取得部と、
前記指向方向制御情報取得部が取得した指向方向制御情報に基づいて、前記第2の送受信装置が光又は電波の送受信を行う指向方向を制御する指向方向制御部と、を備えていることを特徴とする、指向方向制御装置。 - 前記第1の送受信装置は、第1の光リンクを介して光通信を行う第1の光通信ターミナルであり、
前記第2の送受信装置は、第2の光リンクを介して光通信を行う第2の光通信ターミナルであり、
前記指向方向制御情報取得部が取得する指向方向制御情報は、前記第1の光通信ターミナルが前記第1の光リンクを介して光通信を行っている指向角度の第1の誤差を含み、
前記指向方向制御部は、前記指向方向制御情報取得部が取得した第1の誤差に基づいて、前記第2の光通信ターミナルが前記第2の光リンクを介して光通信を行う指向方向を制御することにより、前記第2の光リンクを維持するための捕捉追尾を制御する捕捉追尾制御部であることを特徴とする、請求項1に記載の指向方向制御装置。 - 前記指向方向制御情報取得部が取得した第1の誤差に基づいて、前記第2の光通信ターミナルが前記第2の光リンクを介して光通信を行っている指向角度の第2の誤差を推定する誤差値推定演算部をさらに備え、
前記捕捉追尾制御部は、前記誤差値推定演算部が前記第1の誤差に基づいて推定した第2の誤差に基づいて、前記第2の光通信ターミナルが前記第2の光リンクを介して光通信を行う指向方向を制御することにより、前記第2の光リンクを維持するための捕捉追尾を制御することを特徴とする、請求項2に記載の指向方向制御装置。 - 前記第2の光通信ターミナルが前記第2の光リンクを介して光を受信した方向に関する受信方向情報を取得する受信方向情報取得部と、
前記受信方向情報取得部が取得した受信方向情報を参照して、前記第2の光通信ターミナルが前記第2の光リンクを介して光通信を行っている指向角度の第3の誤差を検出する誤差検出部と、をさらに備え、
前記捕捉追尾制御部は、前記誤差検出部が検出した第3の誤差にさらに基づいて、前記第2の光通信ターミナルが前記第2の光リンクを介して光通信を行う指向方向を制御することにより、前記第2の光リンクを維持するための捕捉追尾を制御することを特徴とする、請求項3に記載の指向方向制御装置。 - 前記第1の送受信装置は、光リンクを介して光通信を行う光通信ターミナルであり、
前記第2の送受信装置は、光又は電波の送受信を行うことにより地球を観測する観測用ターミナルであり、
前記指向方向制御情報取得部が取得する指向方向制御情報は、前記光通信ターミナルが前記光リンクを介して光通信を行っている指向角度の誤差であり、
前記指向方向制御部は、前記指向方向制御情報取得部が取得した誤差に基づいて、前記観測用ターミナルが光又は電波の送受信を行う指向方向を制御することを特徴とする、請求項1に記載の指向方向制御装置。 - 前記指向方向制御情報取得部が取得する指向方向制御情報は、前記第1の光通信ターミナルが前記第1の光リンクを介して光通信を行う指向方向を制御するために用いる制御用の第1の指向角度をさらに含み、
前記捕捉追尾制御部は、前記指向方向制御情報取得部が取得した第1の指向角度にさらに基づいて、前記第2の光通信ターミナルが前記第2の光リンクを介して光通信を行う指向方向を制御することにより、前記第2の光リンクを維持するための捕捉追尾を制御することを特徴とする、請求項2に記載の指向方向制御装置。 - 前記指向方向制御情報取得部が取得した第1の指向角度を、前記第2の光通信ターミナルが前記第2の光リンクを介して光通信を行う指向方向を制御するために用いる制御用の第2の指向角度に変換する指向角度変換部をさらに備え、
前記捕捉追尾制御部は、前記指向角度変換部が前記第1の指向角度に基づいて変換した第2の指向角度にさらに基づいて、前記第2の光通信ターミナルが前記第2の光リンクを介して光通信を行う指向方向を制御することにより、前記第2の光リンクを維持するための捕捉追尾を制御することを特徴とする、請求項6に記載の指向方向制御装置。 - 前記第2の光通信ターミナルとしての光通信ターミナルであって、
請求項4に記載の指向方向制御装置と、
前記第2の光リンクを介して光を受信することにより、前記第2の光通信ターミナルの前記受信方向情報を検出する第2の光通信ターミナル送受信部と、
前記捕捉追尾制御部による制御に基づいて、前記第2の光通信ターミナル送受信部の指向方向を変化させることにより、前記第2の光リンクを維持するための捕捉追尾を行う第2の光通信ターミナル捕捉追尾機構部と、を備えていることを特徴とする、光通信ターミナル。 - 請求項8に記載の第2の光通信ターミナルとしての光通信ターミナル、及び、前記第1の光通信ターミナルを含み、
前記第1の光通信ターミナルは、
前記第1の光リンクを介して光を受信することにより、前記第1の光リンクを介して光を受信した方向に関する受信方向情報を検出する第1の光通信ターミナル送受信部と、
前記第1の光通信ターミナル送受信部が検出した受信方向情報を取得する第1の光通信ターミナル受信方向情報取得部と、
前記第1の光通信ターミナル受信方向情報取得部が取得した受信方向情報を参照して、前記第1の光通信ターミナルが前記第1の光リンクを介して光通信を行っている指向角度の前記第1の誤差を検出する第1の光通信ターミナル誤差検出部と、
前記第1の光通信ターミナル誤差検出部が検出した第1の誤差に基づいて、前記第1の光通信ターミナルが前記第1の光リンクを介して光通信を行う指向方向を制御することにより、前記第1の光リンクを維持するための捕捉追尾を制御する第1の光通信ターミナル捕捉追尾制御部と、
前記第1の光通信ターミナル捕捉追尾制御部による制御に基づいて、前記第1の光通信ターミナル送受信部の指向方向を変化させることにより、前記第1の光リンクを維持するための捕捉追尾を行う第1の光通信ターミナル捕捉追尾機構部と、を備えていることを特徴とする、光通信システム。 - 前記第1の光通信ターミナルは、
前記第2の光通信ターミナルの前記誤差検出部が検出した第3の誤差を取得する第1の光通信ターミナル指向方向制御情報取得部と、
前記第1の光通信ターミナル指向方向制御情報取得部が取得した第3の誤差に基づいて、前記第1の光通信ターミナル送受信部が前記第1の光リンクを介して光通信を行っている指向角度の第4の誤差を推定する第1の光通信ターミナル誤差値推定演算部と、をさらに備え、
前記第1の光通信ターミナル捕捉追尾制御部は、前記第1の光通信ターミナル誤差値推定演算部が前記第3の誤差に基づいて推定した第4の誤差にさらに基づいて、前記第1の光通信ターミナル送受信部が前記第1の光リンクを介して光通信を行う指向方向を制御することにより、前記第1の光リンクを維持するための捕捉追尾を制御することを特徴とする、請求項9に記載の光通信システム。 - 光の送受信を行う第1の送受信装置、及び、光又は電波の送受信を行う第2の送受信装置が設置された衛星において、当該第2の送受信装置が光又は電波の送受信を行う指向方向を制御する指向方向制御方法であって、
前記第1の送受信装置が光の送受信を行う指向方向を制御するための指向方向制御情報を取得する指向方向制御情報取得ステップと、
前記指向方向制御情報取得ステップで取得した指向方向制御情報に基づいて、前記第2の送受信装置が光又は電波の送受信を行う指向方向を制御する指向方向制御ステップと、を含むことを特徴とする、指向方向制御方法。
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