WO2021085428A1

WO2021085428A1 - 吸収性物品

Info

Publication number: WO2021085428A1
Application number: PCT/JP2020/040290
Authority: WO
Inventors: 祥太宇都; 友美磯貝; 拓也深山
Original assignee: ユニ・チャーム株式会社
Priority date: 2019-11-01
Filing date: 2020-10-27
Publication date: 2021-05-06
Also published as: CN114555024A

Abstract

展開状態において長手方向と幅方向と厚さ方向とを有し、液吸収性の吸収体（２１）と、吸収体（２１）よりも厚さ方向の非肌側に、便のみに反応する便インジケータ（４０）と、尿のみに反応する尿インジケータ（５０）とを有する吸収性物品（１）であって、便インジケータ（４０）と尿インジケータ（５０）とが、幅方向に重複している部分（６０）を有する。

Description

吸収性物品

　本発明は、吸収性物品に関する。

　吸収性物品の一例として、使い捨ておむつが挙げられる。このような使い捨ておむつには、排泄物の吸収量を視覚化し、使用者に取り替え時期を知らせるインジケータ機能を有するものがある。例として、特許文献１には、使い捨ておむつの吸収体と裏面シートとの間に、尿との接触によって色が変化する排尿インジケータを備え、当該排尿インジケータと重なる部分において外層不織布を圧密化することで、排尿インジケータの視認性を高めた使い捨ておむつが開示されている。

特開２０１２－１００８８６号公報

　本発明が解決しようとする課題は、以下の第１課題及び第２課題のうちの少なくとも１つである。
　第１の課題において、特許文献１の使い捨ておむつによれば、使用者（例えば、おむつの交換者）は、排尿が行われたことをおむつの外側から視覚的に認識することが可能となる。しかし、吸収性物品が尿インジケータの他に、便との接触により色が変化する便インジケータも備える場合、通常、おむつの幅方向の異なる位置に各尿及び便インジケータを並べて配置することが考えられる。おむつを装着している間は、使用者である乳幼児の体勢に応じておむつの幅方向の同一位置に排尿及び排便が行われる確率が高いが、幅方向の異なる位置に尿インジケータ及び便インジケータが配置されると、どちらかの検出領域が限られてしまう虞がある。

　本発明は、上記のような従来の問題に鑑みてなされたものであって、その目的は、排便及び排尿が吸収性物品の幅方向の同一位置に行われても、便及び尿をそれぞれ検知でき、便及び尿両方の検出精度を高めることができる吸収性物品を提供することにある。

　第２の課題において、特許文献１の使い捨ておむつによれば、おむつの交換者は、排尿が行われたことをおむつの外側から視覚的に認識することが可能となる。しかし、便の水分を検知して排便の有無を知らせることはできないため、おむつ内の空間に留まっている軟便がおむつのトップシートを伝って広がり、おむつの脚繰りや背中側から漏れ出てしまう虞があった。

　本発明は、上記のような従来の問題に鑑みてなされたものであって、その目的は、排便が行われたことを外観から使用者が視認でき、脚繰りや背中側から便が漏れ出す可能性を低減する吸収性物品を提供することにある。

　上記第１の課題を達成するための主たる発明は、展開状態において長手方向と幅方向と厚さ方向とを有し、液吸収性の吸収体と、前記吸収体よりも前記厚さ方向の非肌側に、便のみに反応する便インジケータと、尿のみに反応する尿インジケータとを有する吸収性物品であって、前記便インジケータと前記尿インジケータとが、前記幅方向に重複している部分を有することを特徴とする吸収性物品である。

　上記第２の課題を達成するための主たる発明は、展開状態において長手方向と幅方向と厚さ方向とを有し、液吸収性の吸収体と、前記幅方向の両側部の所定位置に、前記長手方向に沿って設けられる一対の防漏壁部と、前記吸収体よりも前記厚さ方向の非肌側に設けられ、便のみに反応する便インジケータと、を有する吸収性物品であって、前記便インジケータは、前記吸収性物品の非肌側から視認可能であり、前記一対の防漏壁部は、前記長手方向に伸縮する弾性部材を備え、起立不能な基端部と、前記基端部を支点として前記厚さ方向の肌側に起立可能な起立部とを前記幅方向に並んで有し、前記便インジケータは、前記幅方向における一方側の前記基端部と他方側の前記基端部との間の基端部間に配置されていることを特徴とする吸収性物品である。
　本発明の他の特徴については、本明細書及び添付図面の記載により明らかにする。

　第１の課題に対する本発明の効果は、排便及び排尿が吸収性物品の幅方向の同一位置に行われても、便及び尿をそれぞれ検知でき、便及び尿両方の検出精度を高めることができる吸収性物品を提供できる。

　第２の課題に対する本発明の効果は、排便が行われたことを外観から使用者が視認でき、脚繰りや背中側から便が漏れ出す可能性を低減する吸収性物品を提供できる。

テープ型使い捨ておむつ１が展開かつ伸長された状態における平面図である。図１に示す線Ａ－Ａでの断面図である。第１実施形態における便インジケータ４０及び尿インジケータ５０の変形例１について説明する図である。図４Ａは、第１実施形態における便インジケータ４０及び尿インジケータ５０の変形例２について説明する図であり、図４Ｂは、第１実施形態における便インジケータ４０及び尿インジケータ５０の変形例３について説明する図である。第１実施形態における便インジケータ４０及び尿インジケータ５０の変形例４について説明する図である。第１実施形態における便インジケータ４０及び尿インジケータ５０の変形例５を示す、展開かつ伸長状態のおむつ１の平面図である図６の便インジケータ４０及び尿インジケータ５０のみを拡大して示した図である。第１実施形態における便インジケータ４０及び尿インジケータ５０の変形例６を示す、展開かつ伸長状態のおむつ１の平面図である。展開かつ伸長された状態におけるテープ型使い捨ておむつ１００の平面図である。図１０Ａは、図９に示す線Ａ－Ａでの断面図であり、図１０Ｂは、防漏壁部１１７ｇの起立部１１７ｓが長手方向に収縮して起立した状態を示す断面図である。第２実施形態における便インジケータ１４０の配置の変形例１を示す図である。第２実施形態における便インジケータ１４０の配置の変形例２を示す図である。第２実施形態における便インジケータ１４０の配置の変形例３を示す図である。第２実施形態における便インジケータ１４０の配置の変形例４を示す図である。第２実施形態における低坪量部１２１Ａが複数設けられた変形例５を示す図である。第２実施形態における便インジケータ１４０の配置の変形例６を示す図である。第２実施形態における便インジケータ１４０の配置の変形例７を示す図である。便収容空間１８０を設けた、展開かつ伸長された状態におけるおむつ１００の変形例の平面図である。図１７のＢ－Ｂ線に沿い、且つ、着用状態における模式的断面図である。

　本明細書及び添付図面の記載により、少なくとも以下の事項が明らかとなる。
　展開状態において長手方向と幅方向と厚さ方向とを有し、液吸収性の吸収体と、前記吸収体よりも前記厚さ方向の非肌側に、便のみに反応する便インジケータと、尿のみに反応する尿インジケータとを有する吸収性物品であって、前記便インジケータと前記尿インジケータとが、前記幅方向に重複している部分を有することを特徴とする吸収性物品である。

　このような吸収性物品によれば、便インジケータと尿インジケータとが幅方向に重複していることで、排便及び排尿が吸収性物品の幅方向の同一位置に行われても、便及び尿をそれぞれ検知できるため、便及び尿両方の検出精度を高めることができる。

　かかる吸収性物品であって、前記便インジケータの形状と、前記尿インジケータの形状とが異なっていることが望ましい。

　このような吸収性物品によれば、形状が異なることで、吸収性物品の交換者は、便インジケータと尿インジケータとが幅方向に重複していても、便インジケータと尿インジケータとの区別がし易くなる。

　かかる吸収性物品であって、前記幅方向において、前記便インジケータの長さと、前記尿インジケータの長さとが異なっていることが望ましい。

　このような吸収性物品によれば、便インジケータと尿インジケータとが幅方向に重複している部分を有していても、幅方向の長さがそれぞれ異なることで各インジケータの違いを認識でき、吸収性物品の交換者は、便インジケータと尿インジケータとの区別がし易くなる。

　かかる吸収性物品であって、前記長手方向において、前記便インジケータの長さと、前記尿インジケータの長さとが異なっていることが望ましい。

　このような吸収性物品によれば、便インジケータと尿インジケータとが幅方向に重複している部分を有していても、長手方向の長さがそれぞれ異なることで各インジケータの違いを認識でき、吸収性物品の交換者は、便インジケータと尿インジケータとの区別がし易くなる。

　かかる吸収性物品であって、前記便インジケータと前記尿インジケータとは、色が異なっていることが望ましい。

　このような吸収性物品によれば、各インジケータの色を異ならせることで各インジケータの違いを認識でき、吸収性物品の交換者は、便インジケータと尿インジケータとの見分けがつき易くなる。

　かかる吸収性物品であって、前記長手方向において、前記便インジケータと前記尿インジケータとの間に所定の間隔が設けられていることが望ましい。

　このような吸収性物品によれば、便インジケータと尿インジケータとが幅方向に重複している部分を有していても、所定の間隔を空けることで、便インジケータと尿インジケータとが見やすくなり、各インジケータの区別がし易い。

　かかる吸収性物品であって、前記便インジケータと前記尿インジケータとは、前記長手方向に間隔を空けずに設けられていることが望ましい。

　このような吸収性物品によれば、限られたスペースに、各インジケータをより多く配置することができ、排尿及び排便を検出できる領域が増え、便及び尿両方の検出精度を高めることができる。

　かかる吸収性物品であって、前記便インジケータと前記尿インジケータとは、前記長手方向において、交互に設けられていることが望ましい。

　このような吸収性物品によれば、吸収性物品内の長手方向の広い範囲において、尿も便も検出可能になり得る。

　かかる吸収性物品であって、前記長手方向において、着用する際に着用者の腹側となる方を前側とし、前記着用者の背側となる方を後側とすると、前記便インジケータの前記長手方向の長さは、前記後側における長さが前記前側における長さよりも長く、前記尿インジケータの前記長手方向の長さは、前記前側における長さが、前記後側における長さよりも長いことが望ましい。

　このような吸収性物品によれば、通常、排尿口は着用者の前側、肛門は後側であるため、それに対応させて尿インジ及び便インジを配置することで、より検知精度を高められる。

　かかる吸収性物品であって、前記便インジケータ及び前記尿インジケータのうちの少なくとも一方が、使用者に排泄物を想起させる所定の図柄であることが望ましい。

　このような吸収性物品によれば、便インジケータと尿インジケータとが幅方向に重複している部分を有していても、便インジケータであれば「便」、尿インジケータであれば「尿」をそれぞれ想起させるような図柄にすることで、吸収性物品の交換者は、便インジケータと尿インジケータとを明確に区別し易くなる。

　かかる吸収性物品であって、前記便インジケータ及び前記尿インジケータは、前記幅方向の中央部に配置されていることが望ましい。

　このような吸収性物品によれば、通常、着用者の排尿口や肛門の位置は、装着時に吸収性物品の幅方向の中央部に対向するため、各インジケータを中央に配置させることで、検出精度を高める。

　かかる吸収性物品であって、前記便インジケータ及び前記尿インジケータは、前記幅方向の中央部よりも前記幅方向の外側に配置されていることが望ましい。

　このような吸収性物品によれば、幅方向に重複する部分を有する便インジケータ及び尿インジケータを幅方向の外側に配置することにより、使用者が側臥位（横向き）の状態である場合にも尿及び便を検知し易くなる。また、吸収性物品の幅方向の外側にインジケータを配置することで、交換者は、着用者の着衣を脱がさなくとも、吸収性物品の足繰り部分を覗いただけで排便及び排尿の有無を確認できる。

　かかる吸収性物品であって、前記便インジケータ及び前記尿インジケータのうちの一方は、前記長手方向に連続的に設けられ、前記便インジケータ及び前記尿インジケータのうちの他方は、前記一方よりも前記厚さ方向の非肌側に設けられ、前記便インジケータと前記尿インジケータとが、前記厚さ方向に見て重複する部分を有することが望ましい。

　このような吸収性物品によれば、便インジケータと尿インジケータのうち一方を、インジケータの化学成分を含んだ接着剤等を連続塗工することによって設け、一方を、例えば、吸収性物品のバックシートに印刷する等によって設けることで、資材の重ね合わせの過程で両方のインジケータを備えることができ、製造の容易性及び生産性が向上する。

　かかる吸収性物品であって、前記重複する部分において、前記一方は、ＣＩＥＬＡＢ表色系のＬ＊値が５０より上であり、前記他方は、ＣＩＥＬＡＢ表色系のＬ＊値が５０より下であることが望ましい。

　このような吸収性物品によれば、Ｌ＊値が５０より上であるとは、いわゆる明色（若しくは薄色）であり、Ｌ＊値が５０より下であるとは、いわゆる暗色（濃色）色である。便インジケータ及び尿インジケータのうち、より吸収性物品の内側（肌側）に連続的に配置されるインジケータの色味を暗く（濃く）し、外側（非肌側）に配置されるインジケータの色見を明るく（薄く）すると、該重複する部分では、外側の色が内側の濃い色に打ち消されて見えにくくなってしまう。しかし、内側の色味を明るく（薄く）し、外側の色味を暗く（濃く）することで、非肌側に設けられたインジケータの色も明確に視認し易くなる。

　かかる吸収性物品であって、前記便インジケータは、便と接触することにより所定の呈色反応を示し、前記尿インジケータは、尿と接触することにより所定の呈色反応を示し、前記便インジケータの呈色反応前の色と、前記尿インジケータの呈色反応前の色とは、オストワルト色相環において色相番号が２つ以上離れており、前記便インジケータの呈色反応後の色と、前記尿インジケータの呈色反応後の色とは、オストワルト色相環において色相番号が２つ以上離れていることが望ましい。

　このような吸収性物品によれば、幅方向に重複する部分を有する便及び尿インジケータの色が同色であると、交換者は見分けがつきにくく、誤認する虞もあるが、呈色反応前及び呈色反応後においても便インジケータと尿インジケータとの色が視覚的に異なることで、両者を区別し易くなる。

　かかる吸収性物品であって、前記便インジケータ又は前記尿インジケータが、前記幅方向に複数設けられていることが望ましい。

　このような吸収性物品によれば、幅方向に重複しつつ長手方向に沿って配置される便インジケータ及び尿インジケータと共に、別途便インジケータ又は尿インジケータが設けられることで、排尿又は排便を検知できる領域が広くなる。よって、吸収性物品の使用者が立位や仰臥位の状態である時のみならず、側臥位（横向き）の状態である場合にも、少なくとも尿又は便がより検知され易くなり、検出精度が向上する。

　展開状態において長手方向と幅方向と厚さ方向とを有し、液吸収性の吸収体と、前記幅方向の両側部の所定位置に、前記長手方向に沿って設けられる一対の防漏壁部と、前記吸収体よりも前記厚さ方向の非肌側に設けられ、便のみに反応する便インジケータと、を有する吸収性物品であって、前記便インジケータは、前記吸収性物品の非肌側から視認可能であり、前記一対の防漏壁部は、前記長手方向に伸縮する弾性部材を備え、起立不能な基端部と、前記基端部を支点として前記厚さ方向の肌側に起立可能な起立部とを前記幅方向に並んで有し、前記便インジケータは、前記幅方向における一方側の前記基端部と他方側の前記基端部との間の基端部間に配置されていることを特徴とする吸収性物品である。

　このような吸収性物品によれば、吸収性物品を着用中に排泄された軟便は、トップシートを伝って拡散し、吸収性物品の一対の防漏壁部によって塞き止められる。当該一対の防漏壁部の基端部間に便インジケータを備えることで、直ちに便を検出でき、吸収性物品の使用者（例えば、交換者）に排便が行われたことを知らせることができる。それにより、排便が行われたことに気づかずに便が吸収性物品内に留まり続けることに起因する肌トラブルや、脚繰りや背中側から便が漏れ出す可能性を低減できる。

　かかる吸収性物品であって、前記基端部間は、前記幅方向において、中央領域と、前記中央領域の前記幅方向の両側に設けられた側部領域とを有し、前記便インジケータは、前記中央領域に配置されることが望ましい。

　このような吸収性物品によれば、一般に、吸収性物品における排便位置は、基端部間の中央領域に当たり、当該中央領域に便インジケータを備えることで、早い段階で便を検知し易くなる。排便後、短時間で交換者に排便を知らせることにより、便が漏れ出す可能性を低減できる。

　かかる吸収性物品であって、前記基端部間は、前記幅方向において、中央領域と、前記中央領域の前記幅方向の両側に設けられた側部領域とを有し、前記便インジケータは、前記側部領域に配置されることが望ましい。

　このような吸収性物品によれば、側部領域に便インジケータを配置することで、防漏壁部付近に到達した便を検出でき、便が漏れ出る前に使用者に知らせることが可能になる。それにより、便が吸収性物品の脚繰りから漏れ出る可能性を低減する。

　かかる吸収性物品であって、前記便インジケータは、前記中央領域と、前記側部領域とに配置されることが望ましい。

　このような吸収性物品によれば、中央領域と側部領域の両方に便インジケータを配置することにより、幅方向に広範囲に便を検知することができ、漏れ出る可能性をより低減する。

　かかる吸収性物品であって、前記便インジケータは、前記吸収体よりも前記幅方向の外側に配置されることが望ましい。

　このような吸収性物品によれば、吸収体よりも幅方向の外側では吸収体が存在しないため、便が便インジケータに到達しやすく、便を検出しやすい。そのような箇所に便インジケータを配置することで、便の検出性を高める。

　かかる吸収性物品であって、前記吸収体は、前記長手方向の中央部に、前記長手方向と前記幅方向の少なくとも一方向に伸縮する一対のクロッチ伸縮部を有し、前記一対のクロッチ伸縮部は、前記幅方向に間隔を空けて設けられており、前記幅方向において、前記一対のクロッチ伸縮部の間に前記便インジケータを配置することが望ましい。

　このような吸収性物品によれば、一対のクロッチ伸縮部と重なる吸収体部分は、着用者の肌に密着するように肌側に吊られる状態になり、一対のクロッチ伸縮部間は、凹部が形成されて、便が当該凹部に溜まりやすくなる。便は吸収に時間を要するが、溜まった部分では、時間が経過とともに便が浸透して便インジケータが反応する。そのような部分に便インジケータを配置することで便の検出性を高める。

　かかる吸収性物品であって、前記吸収体は、前記長手方向の中央部に、前記長手方向と前記幅方向の少なくとも一方向に伸縮する一対のクロッチ伸縮部を有し、前記一対のクロッチ伸縮部は、前記幅方向に間隔を空けて設けられており、前記幅方向において、前記一対のクロッチ伸縮部の外側に前記便インジケータを配置することが望ましい。

　このような吸収性物品によれば、一対のクロッチ伸縮部と重なる吸収体部分は、着用者の肌に密着するように肌側に吊られる状態になり、当該クロッチ伸縮部から幅方向の外側に向かっては、便がトップシートを伝ってやや下降するように移動し、クロッチ伸縮部の両側は便が溜まりやすい。便は吸収に時間を要するが、溜まった部分では、時間が経過とともに便が浸透して便インジケータが反応する。そのような部分に便インジケータを配置することで便の検出性を高める。

　かかる吸収性物品であって、前記吸収体は、前記幅方向の中央部に低坪量部を有し、前記低坪量部の坪量は、前記低坪量部に前記幅方向の外側から隣接する領域の坪量よりも小さく、前記長手方向及び前記幅方向において、前記低坪量部と前記便インジケータとが重複する部分を有することが望ましい。

　このような吸収性物品によれば、排泄された便（便汁）が吸収体の低坪量部を透過して肌側から非肌側へ移動し、便インジケータに到達しやすくなることで、より早く排便が行われたことを交換者に知らせることができる。

　かかる吸収性物品であって、前記吸収体は、前記幅方向の中央部よりも前記幅方向の外側に一対の低坪量部を有し、前記一対の低坪量部の坪量は、前記一対の低坪量部それぞれに前記幅方向の外側から隣接する領域の坪量よりも小さく、前記幅方向において、前記一対の低坪量部の間に前記便インジケータが配置されることが望ましい。

　このような吸収性物品によれば、排泄された便（便汁）は、一対の低坪量部を透過して肌側から非肌側へと移動し易く、移動してきた便汁は、一対の低坪量部の間に溜まりやすい。そのような一対の低坪量部間に便インジを配置することで、便の検出性を高め、交換者に排便が行われたことを知らせる。

　かかる吸収性物品であって、前記一対の防漏壁部は、前記弾性部材が前記長手方向の伸縮性を発現する伸縮領域を有し、前記長手方向において、着用する際に着用者の腹側となる方を前側とし、前記着用者の背側となる方を後側とすると、前記便インジケータの前端は、前記伸縮領域の前端よりも長手方向内側に配置され、前記便インジケータの後端は、前記伸縮領域の後端よりも長手方向内側に配置されることが望ましい。

　このような吸収性物品によれば、防漏壁部の伸縮領域（所謂、有効長の範囲）は、排泄された便が溜まりやすい領域であり、当該領域内に便インジケータを配置することで、便を効率的に検知でき、製造コストを抑えることができる。

　かかる吸収性物品であって、前記一対の防漏壁部は、前記弾性部材が前記長手方向の伸縮性を発現する伸縮領域を有し、前記長手方向において、着用する際に着用者の腹側となる方を前側とし、前記着用者の背側となる方を後側とすると、前記便インジケータの前端は、前記伸縮領域の前端よりも前側に位置していることが望ましい。

　このような吸収性物品によれば、便インジケータを伸縮領域の前端よりもさらに前側にも配置することで、例えば、乳幼児等である使用者が四つん這いで移動する時などに腹側に拡散する便を検知でき、腹漏れを防ぐ。

　かかる吸収性物品であって、前記一対の防漏壁部は、前記弾性部材が前記長手方向の伸縮性を発現する伸縮領域を有し、前記長手方向において、着用する際に着用者の腹側となる方を前側とし、前記着用者の背側となる方を後側とすると、前記便インジケータの後端は、前記伸縮領域の後端よりも後側に位置していることが望ましい。

　このような吸収性物品によれば、便インジケータを伸縮領域の後端よりもさらに後側にも配置することで、寝姿勢時に後ろに流れていく便を検知し易くなり、背漏れを防ぐ。

　かかる吸収性物品であって、着用する際に着用者の腹側の胴回りに位置する腹側胴回り部と、着用する際に前記着用者の背側の胴回りに位置する背側胴回り部とを有し、前記背側胴回り部には、便を保持する便収容空間が設けられており、前記便インジケータと前記便収容空間とが、前記厚さ方向に見て重なる部分を有していることが望ましい。

　このような吸収性物品によれば、寝姿勢時等においては、軟便がトップシートを伝って背側胴回り部まで移動していく可能性があり、そのような背側胴回りに到達した便を収容するために設けられた便収容空間と便インジケータとが重なる部分を有することで、効率的に便を検出できる。

　かかる吸収性物品であって、着用する際に着用者の腹側の胴回りに位置する腹側胴回り部と、着用する際に前記着用者の背側の胴回りに位置する背側胴回り部とを有し、前記背側胴回り部には、便を保持する便収容空間が設けられており、前記便インジケータは、前記厚さ方向に見て、少なくとも一部が前記便収容空間と重ならない非重複部を有し、前記便収容空間と前記厚さ方向に見て重なるように配置された、前記便インジケータとは別の背部便インジケータを少なくとも一つ以上備え、前記幅方向において、前記背部便インジケータのうち最も外側に位置する前記背部便インジケータの外側端は、前記便インジケータの外側端よりも外側に位置することが望ましい。

　このような吸収性物品によれば、幅方向において、便インジケータよりも更に外側に配置されるように別途背部便インジケータを備えることで、幅方向に広い範囲で便を検出しやすくなり、便の検出性が高まる。それにより、背漏れが発生する可能性をより低減できる。

　かかる吸収性物品であって、前記便収容空間に設けられている、前記便インジケータ及び前記背部便インジケータの前記長手方向の単位長さ当たりの面積の合計は、前記便インジケータの前記非重複部の前記長手方向の単位長さ当たりの面積の合計よりも大きいことが望ましい。

　このような吸収性物品によれば、便が溜まりやすい便収容空間における便インジケータ及び背部便インジケータの合計面積が大きいことで、便収容空間に到達した便をより検知し易くなり、背漏れの可能性を低減できる。

　かかる吸収性物品であって、着用する際に着用者の腹側の胴回りに位置する腹側胴回り部と、着用する際に前記着用者の背側の胴回りに位置する背側胴回り部とを有し、前記幅方向の中央部において、前記背側胴回り部の一部を前記厚さ方向の肌側から覆うシート部材を用いて構成された、便を保持する便収容空間を有し、前記シート部材には、前記便インジケータが設けられており、前記シート部材に設けられている前記便インジケータは、前記吸収性物品の非肌側から視認可能であることが望ましい。

　このような吸収性物品によれば、背側胴回り部の一部を厚さ方向の肌側から覆うシート部材を用いて構成される便収容空間は、非肌側面の一部が上方から視認可能（所謂、着衣をずらして上から覗き込んだ位置が視認可能）である。また、装着者が前かがみの姿勢になったときに着衣と肌との間にできやすい隙間から、当該便収容空間を視認することも可能である。便収容空間において、そのような視認可能な位置に便インジケータを設けることで、便の検出性を高めるだけでなく、交換者は排便が行われたことを気づき易くなる。

＝＝＝第１実施形態＝＝＝
　本発明に係る吸収性物品として、乳幼児用のテープ型使い捨ておむつを例に挙げて実施形態を説明する。ただし、これに限らず、例えば、パンツ型やパッドタイプの使い捨ておむつ、大人用のテープ型使い捨ておむつ等にも本発明を適用できる。

＜テープ型使い捨ておむつ１の基本構成＞
　図１は、テープ型使い捨ておむつ１（以下「おむつ」ともいう）が展開かつ伸長された状態における平面図である。図２は、図１に示す線Ａ－Ａでの断面図である。おむつ１を展開させた状態とは、おむつ１をその長手方向に開くことで、おむつ１を平面上に展開した状態のことである。また、おむつ１を伸長させた状態とは、おむつ１の展開状態において、おむつ１に生じていた皺が実質的に視認されなくなる程に伸長させた状態であり、おむつ１を構成する各部材（例えば後述するトップシート２２等）の寸法がその部材単体の寸法と一致又はそれに近い長さになるまでおむつ１が伸長した状態である。

　第１実施形態のおむつ１は、所謂オープンタイプの使い捨ておむつであり、図１に示すように、長手方向において腹側部３と、股下部５と、背側部７とを有する。腹側部３は、おむつ１を着用する際に着用者の腹側（前部）に位置する部分である。背側部７は、おむつ１を着用する際に着用者の背側（後部）に位置する部分である。そして、腹側部３と背側部７との間に股下部５が設けられる。

　以下の説明では、図１に示すように、各方向を定義する。すなわち、展開状態の平面視にて、腹側部３から背側部７に向かう方向を「長手方向」とし、長手方向と直交する方向を「幅方向」とする。図１に示されている線Ａ－Ａは、長手方向におけるおむつ１の中心を示す線である。また、図２に示すように、長手方向及び幅方向と直交する方向を「厚さ方向」とし、着用者の肌の側を「肌側」とし、その逆側を「非肌側」とする。

　おむつ１は、中央帯状領域１２と、サイドフラップ１４と、レッグギャザー１６と、レッグサイドギャザー１７とを有する。一対のサイドフラップ１４は、背側部７において、ファスニングテープ３０がそれぞれ取り付けられている。

　中央帯状領域１２は、腹側部３、股下部５及び背側部７によって構成された幅方向の中央部に位置する帯状の領域である（図１参照）。中央帯状領域１２は、着用者によって排泄された尿等の液体を吸収し保持する部位である。中央帯状領域１２は、液保持性の吸収体２１を含む縦長の形状（長手方向に沿った形状）を有する。中央帯状領域１２は、主に、液吸収性の吸収体２１と、同吸収体２１を肌側から覆う液透過性のトップシート２２と、同吸収体２１を非肌側から覆う液不透過性のバックシート２３、及び、おむつ１の外装をなす外装シート２７（例えば不織布）とを有する（図２参照）。中央帯状領域１２には、さらに、液透過性であるセカンドシート３５が設けられているが、セカンドシート３５を必ずしも設けなくても良い。

　第１実施形態の吸収体２１は、図２に示すように、尿等の排泄物を吸収する吸収性コア２４と、吸収性コア２４を厚さ方向の肌側及び非肌側の両側からそれぞれ覆う液透過性のコアラップシート２５とを有している。コアラップシート２５に好適な材料としては、ティッシュペーパーや不織布等を例示できる。但し、これらコアラップシート２５は必須の構成ではない。

　吸収体２１は、腹側部３、股下部５及び背側部７にわたって配置されている。第１実施形態の吸収性コア２４は、所定形状の一例としての平面視略砂時計形状を有する。吸収性コア２４を構成する液体吸収性素材としては、例えばパルプ繊維等の液体吸収性繊維や、高吸収性ポリマー（所謂ＳＡＰ）等の液体吸収性粒状物を使用することができる。また、液体吸収性繊維及び液体吸収性粒状物以外の液体吸収性素材を含んでいても良い。

　サイドフラップ１４は、中央帯状領域１２の幅方向の両側部に位置する部位である。サイドフラップ１４は、腹側部３、股下部５及び背側部７にわたって形成されている（図１参照）。股下部５におけるサイドフラップ１４の幅方向の長さ（幅）は、腹側部３及び背側部７におけるサイドフラップ１４の幅方向の長さ（幅）よりも狭い。サイドフラップ１４は、主に、肌側シート２６とバックシート２３から構成されている（図２参照）。肌側シート２６は、腹側部３、股下部５及び背側部７にわたって形成された肌側の部材であり、例えば不織布で構成されている。肌側シート２６は、レッグサイドギャザー１７（立体ギャザー）を構成する部材でもあり、肌側シート２６の外側の部位（図１の破線で表示された接合部２６Ａより外側の部位）がサイドフラップ１４を構成する。

　中央帯状領域１２のうち少なくとも股下部５には、肌側シート２６とトップシート２２との間に、長手方向に伸縮可能な一対の脚周り弾性部材２８（例えば糸ゴム）が設けられている。脚周り弾性部材２８は、股下部５の中央帯状領域１２に伸縮性を付与する部材であり、長手方向に伸長させた状態で取り付けられる。これにより、脚周り弾性部材２８は中央帯状領域１２の股下部５に対して長手方向に沿った収縮力を発現する。

　一対のサイドフラップ１４には、長手方向に沿って伸縮するレッグギャザー弾性部材１５がそれぞれ設けられている。レッグギャザー弾性部材１５は、長手方向に沿って伸縮する弾性部材であり、おむつ１の着用時において、脚回り開口部に伸縮性を付与する部材である。すなわち、レッグギャザー弾性部材１５はおむつ１の脚繰り部を着用者の脚に合わせてフィットさせる脚回り弾性部材である。レッグギャザー弾性部材１５は、例として、伸縮性を有する帯状の弾性シートや、複数の糸ゴム等であってもよい。そして、レッグギャザー弾性部材１５が股下部５の肌側シート２６及びバックシート２３に伸縮性を付与することによって、レッグギャザー１６が構成される。

　レッグサイドギャザー１７は、脚繰りの隙間からの液漏れを防ぐための立体ギャザーである。一対のレッグサイドギャザー１７は、腹側部３、股下部５及び背側部７にわたって長手方向に沿って形成されている（図１参照）。レッグサイドギャザー１７は、サイドフラップ１４の内側で中央帯状領域１２の両縁を覆うように形成されている。

　レッグサイドギャザー１７（立体ギャザー）は、主に肌側シート２６の幅方向内側の部位から構成されている（図２参照）。股下部５の肌側シート２６の内縁は糸ゴム等のレッグサイドギャザー弾性部材１８によって伸縮性を有している。肌側シート２６は、中央帯状領域１２とサイドフラップ１４との間の接合部２６Ａで長手方向に沿って接合されている。おむつ１の着用時には、レッグサイドギャザー弾性部材１８の伸縮性によって肌側シート２６の接合部２６Ａよりも幅方向内側の領域が、接合部２６Ａを基点として着用者の肌側に立ち上がり、排泄物等の横漏れを抑制する。

　ファスニングテープ３０は、おむつ１の背側部７においてサイドフラップ１４の幅方向の両側部に配置されている（図１参照）。そして、後述するターゲットテープ２９（図1）に各ファスニングテープ３０を係止することにより、おむつ１の胴回り開口及び脚回り開口が形成され、着用者の身体（胴）に対しておむつ１の位置を固定することができる。

　中央帯状領域１２の腹側部３には、ターゲットテープ２９が設けられている（図１参照）。ターゲットテープ２９は、腹側部３の外装シート２７の非肌側に配置されている。ターゲットテープ２９は、ファスニングテープ３０と係合可能な部材であり、例えば不織布によって形成されている。ターゲットテープ２９は、ファスニングテープ３０を係合させるターゲット領域を構成する。なお、外装シート２７の非肌側にターゲットテープ２９を配置する代わりに、外装シート２７を構成している最外層の不織布にターゲット領域を直接形成しても良い。そして、ファスニングテープ３０をターゲットテープ２９に係合させることによって、おむつ１を着用させることになる。

　第１実施形態のおむつ１は、図１及び図２に示すように、吸収体２１よりも厚さ方向の非肌側に、便のみに反応する便インジケータ４０と、尿のみに反応する尿インジケータ５０とを有している。尿インジケータ５０は、従来の一般的なおむつに採用されているｐＨ指示薬を含むインジケータとして構成されている。例えば、尿インジケータ５０は、尿のｐＨを反応因子（尿インジケータ反応因子）として、尿と接触することによって所定の反応（例えば呈色反応）を呈することにより、尿が排出されたことを検知する。便インジケータ４０の詳細については後述する。

　＜便インジケータ４０の原理＞
　便インジケータ４０は、おむつ１等の吸収性物品用の便インジケータであって、便中に含まれる所定の反応因子（便インジケータ反応因子）と接触することによって所定の反応（例えば呈色反応）を呈することにより、便が排出されたことを検知する。第１実施形態では、便インジケータ４０が便中の生体物質を検知する化学成分を含み、この化学成分の便への応答と、尿への応答が異なることにより、便の排出のみを検出することを可能としている。

　例えば、便インジケータ４０に含まれる化学成分が検知する生体物質（便インジケータ反応因子）をたんぱく質とする場合、当該化学成分としては、ｐＨ指示薬を用いることができる。一般に、たんぱく質は、アミノ酸が重合した構造を有しており、たんぱく質の主鎖の両末端や側鎖に酸性及び塩基性の官能基を有しているため、一定以上のたんぱく質が存在する場合、ｐＨ指示薬を変色させることができる（たんぱく誤差法）。第１実施形態では、便中の食物由来の未消化のたんぱく質や、腸内細菌から分泌されるたんぱく質等を検知することで、ｐＨ指示薬が便に応答するようにしている。

　具体的なｐＨ指示薬としては、例えば、テトラフェノールブルーを使用することができる。この場合、たんぱく質が存在すると、たんぱく質中の遊離アミノ基と結合して塩様青色化合物を形成し、真のｐＨより高めのｐＨに相当する青色を呈する。よって、テトラフェノールブルーを含んだ便インジケータ４０が便と接触することで、黄色から青色を呈色する。なお、ｐＨ指示薬の変色を起こしやすくするためには、予めｐＨ３程度の酸性側にしておくことが望ましい。そのため、ｐＨ指示薬にクエン酸緩衝剤等を含ませても良い。

　このように、所定のｐＨ指示薬を用いることにより、尿や便自体のｐＨ変化によって、ｐＨ指示薬が呈色せず、たんぱく質に応答して当該ｐＨ指示薬を呈色させることができる。なお、たんぱく誤差法に用いられるｐＨ指示薬は、上記のテトラフェノールブルーに限定されるものではなく、他のｐＨ指示薬を用いることもできる。例えば、ブロモフェノールブルー、ブロモクレゾールグリーン、チモールフタレイン等、若しくはその他の指示薬を用いることができる。さらに、ｐＨ指示薬は、肌に対して安全であり、湿気や日光による保管性に優れたものであることが望ましい。

　また、便インジケータ４０では、排泄物が便であるか尿であるかを誤検出しないように、便インジケータ４０に含まれる化学成分が便に応答し、尿には応答しないようにすることが望ましい。そこで、第１実施形態における便インジケータ４０は、所定濃度以上の便インジケータ反応因子（たんぱく質等）に応答して呈色反応等の反応を示し、便インジケータ反応因子が所定濃度よりも小さい場合には、反応を生じ難くしている。

　一般に、健常者の尿中には、たんぱく質は含まれておらず、非健常者であっても、尿中のたんぱく質は、１０，０００ｍｇ／Ｌを下回る。よって、第１実施形態においては、ｐＨ指示薬を使用したたんぱく質誤差法により、便インジケータ４０が、１５０ｍｇ／Ｌ以上のたんぱく質に応答することが好ましく、５，０００ｍｇ／Ｌ以上のたんぱく質に応答することがより好ましく、１０，０００ｍｇ／Ｌ以上のたんぱく質に応答することが更に好ましい。例えば、化学成分としてブロモフェノールブルーを使用する条件で、便インジケータ４０が１５０ｍｇ／Ｌ以上のたんぱく質に応答する場合、便インジケータ４０における１ｃｍ²あたりのｐＨ指示薬の適用量を、１６．３μｇとすることが好ましく、便インジケータ４０が５，０００ｍｇ／Ｌ以上のたんぱく質に応答する場合、便インジケータ４０における１ｃｍ²あたりのｐＨ指示薬の適用量を、０．５μｇとすることが好ましく、便インジケータ４０が１０，０００ｍｇ／Ｌ以上のたんぱく質に応答する場合、便インジケータ４０における１ｃｍ²あたりのｐＨ指示薬の適用量を、０．２５μｇとすることが好ましい。なお、ｐＨ指示薬の適用量を１７．０μｇ以下とすることにより、吸収性物品の着用者に対する便インジケータ４０の安全性が高まる。

　第１実施形態では、このようにｐＨ指示薬の塗布量を調整することによって、便インジケータ４０が便に対して反応可能な範囲と比較して、尿に対して反応可能な範囲を相対的に小さくすることができる。言い換えると、便インジケータ４０の便に対する反応と、便インジケータ４０の尿に対する反応とを異ならせることができる。これにより、便インジケータ４０を尿に対して反応し難くすることができる。

　また、便インジケータ４０は、上述したたんぱく質を反応因子として限定するものではない。例えば、便中に含まれる腸内細菌や、便の比重と相関関係がある便のイオン強度、胆汁色素のビリルビン等、便に由来する物質に反応するようにしても良い。これらの成分は、一般に、尿に含まれていない、若しくは便と比較して尿に含有される量や比重が非常に小さい。したがって、たんぱく質を反応因子とする場合と同様に、便インジケータ４０が尿に対して反応し難く、便に対して反応しやすくなる。したがって、おむつ１において排泄された便を精度よく検出することができる。

＜便インジケータ４０及び尿インジケータ５０の具体的構成＞
　便インジケータ４０は、上述のような化学成分（例えばｐＨ指示薬）をインクと混ぜて、おむつ１のバックシート２３に印刷塗工することによって形成されている。第１実施形態では、図１に示すように、長手方向に沿って、方形の枠体形状に印刷塗工することによって、複数の便インジケータ４０が形成されている。但し、便インジケータ４０の形状は何等これに限らず、任意の形状であってよい。また、便インジケータ４０は、コアラップシート２５に印刷塗工することによって形成されてもよい。また、化学成分を染みこませた濾紙や不織布を、ホットメルト接着剤（ＨＭＡ）や超音波溶着でバックシート２３やコアラップシート２５に接合固定することによって便インジケータ４０が形成されるのであっても良い。

　また、第１実施形態の尿インジケータ５０は、上述のｐＨ指示薬を含む接着剤（例えばホットメルト接着剤ＨＭＡ）をおむつ１のバックシート２３の肌側面に塗工することによって形成されている。図１に示されるように、尿インジケータ５０は、腹側部３、股下部５及び背側部７にわたって、長手方向に沿った帯状（若しくは線状）の領域に、コーターを用いてホットメルト接着剤（ＨＭＡ）を塗工することによって形成されている。このようなコーター塗工によれば、均等な膜厚でムラの少ない尿インジケータ５０を形成することが可能となり、尿の検出精度を高めることができる。

　なお、上述のような化学成分を含んだ接着剤（例えばホットメルト接着剤ＨＭＡ）をおむつ１のバックシート２３の肌側面に塗工することによって便インジケータ４０を形成し、化学成分とインクを混ぜたものをバックシート２３に印刷塗工することによって尿インジケータ５０を形成してもよい。また、便インジケータ４０と尿インジケータ５０とをバックシート２３等に印刷塗工することによって形成してもよい。

＜便インジケータ４０及び尿インジケータ５０の配置関係＞
　通常、使い捨ておむつ等の吸収性物品に尿及び便インジケータ（４０、５０）をそれぞれ配置する場合、長手方向に延在させつつ、幅方向の異なる位置に各インジケータを設ける場合が多い。しかし、吸収性物品の使用時においては、着用者の体勢に応じて、吸収性物品の幅方向の同一位置に排尿及び排便が行われる確率が高く、幅方向の異なる位置に尿及び便インジケータ（４０、５０）を配置させると、どちらかの検出領域が限られてしまい、インジケータに到達できずに検出されない虞があった。

　この点、第１実施形態においては、図１に示すように、複数の便インジケータ４０が長手方向に沿って配置され、尿インジケータ５０が長手方向に帯状に設けられている。そして、便インジケータ４０と尿インジケータ５０とは、幅方向に重複している部分６０を有している。なお、図１では、幅方向に重複している部分６０が便インジケータ４０の幅方向の長さの一部であるが、便インジケータ４０の幅方向の全域が重複していてもよい。このように、便インジケータ４０と尿インジケータ５０とが幅方向に重複している部分６０を有することで、排便及び排尿がおむつ１の幅方向の同一位置に行われても、便及び尿をそれぞれ検知し易くなり、便及び尿両方の検出精度を高めることができる。

　次に、幅方向に重複している部分６０を有する便インジケータ４０及び尿インジケータ５０の様々な形状及び配置の具体例を説明する。図３は、第１実施形態における便インジケータ４０及び尿インジケータ５０の変形例１について説明する図である。図４Ａは、第１実施形態における便インジケータ４０及び尿インジケータ５０の変形例２について説明する図であり、図４Ｂは、第１実施形態における便インジケータ４０及び尿インジケータ５０の変形例３について説明する図である。図５は、第１実施形態における便インジケータ４０及び尿インジケータ５０の変形例４について説明する図である。図３～図５は、便インジケータ４０及び尿インジケータ５０の一部をおむつ１の非肌側から見た状態を示している。

　図３の変形例１のように、幅方向に重複している部分６０を有しつつ、各インジケータ（４０、５０）が長手方向に沿って配置される場合、便インジケータ４０の形状と、尿インジケータ５０の形状とが異なっていることが好ましい。ここでいう「形状が異なる」とは、軽微な形状の差ではなく、おむつ１の使用者（交換者）が視覚的に異なっていると判断し得る程度に違いがあることが好ましい。幅方向に重複している部分６０を有するように各インジケータ（４０，５０）を配置するとき、形状の差が判別しにくいインジケータ同士を配置すると、おむつ１の交換者は、便インジケータ４０と尿インジケータ５０とを見分けにくいが、便インジケータ４０及び尿インジケータ５０のそれぞれの形状が異なることで、便インジケータ４０と尿インジケータ５０との区別がし易くなる。変形例１では、各インジケータ（４０、５０）が大きさの異なる矩形であるが、例えば、一方のインジケータが円形や星形等のように、互いに全く異なる形状によって各インジケータ（４０、５０）を構成してよい。

　また、図３の変形例１では、幅方向において、便インジケータ４０の長さＷ１と、尿インジケータ５０の長さＷ２とが異なっている。ここでは、長さＷ１が長さＷ２よりも長くなっており、おむつ１の交換者は、幅の長い方が便インジケータ４０であると認識できる。また、反対に、長さＷ１が長さＷ２よりも短くてもよい。このように、各インジケータ（４０，５０）の幅方向の長さが異なることで、幅方向に重複している部分６０を有するように各インジケータ（４０，５０）を配置しても、便インジケータ４０と尿インジケータ５０の区別がし易くなる。

　また、図３の変形例１では、長手方向において、便インジケータ４０の長さＬ１と、尿インジケータ５０の長さＬ２とが異なっている。ここでは、長さＬ１が、長さＬ２よりも長くなっているため、長手方向に長い方が便インジケータ４０であると認識できる。また、反対に、長さＬ１が長さＬ２よりも短くてもよい。このように、各インジケータ（４０，５０）の長手方向の長さが異なることで、幅方向に重複している部分６０を有するように各インジケータ（４０，５０）を配置しても、便インジケータ４０と尿インジケータ５０とを区別しやすくなる。

　また、図３のように、便インジケータ４０と尿インジケータ５０とは、色が異なっていることが好ましい。便インジケータ４０と尿インジケータ５０との色を異ならせることで、おむつ１の交換者は視覚的により各インジケータ（４０，５０）を認識し易くなり、便インジケータ４０と尿インジケータ５０との見分けがつき易くなる。また、ここでの「色」とは、便インジケータ４０及び尿インジケータ５０がそれぞれ便又は尿との接触により所定の呈色反応を示すときにおける反応前の色及び反応後の色も含んでいる。つまり、反応前に各インジケータ（４０，５０）色が異なる場合、及び、反応後に各インジケータ（４０，５０）色が異なる場合だけでなく、反応前及び反応後もそれぞれ各インジケータ（４０，５０）の色が異なる場合も含んでいる。

　また、図３では、長手方向において、便インジケータ４０と尿インジケータ５０との間に所定の間隔Ｓ１が設けられている。該所定の間隔Ｓ１を設けることで、幅方向に重複している部分６０を有するように各インジケータ（４０，５０）を配置しても、便インジケータ４０と尿インジケータ５０とが見やすくなり、おむつ１の交換者が各インジケータ（４０，５０）を区別しやすくなる。

　また、図３では、便インジケータ４０と尿インジケータ５０とが、長手方向において、交互に設けられている。このように便インジケータ４０と尿インジケータ５０とを交互に配置することで、おむつ１内の長手方向の広い範囲において、尿も便も検出可能になり得る。

　次に、図４Ａの変形例２では、便インジケータ４０が尿インジケータ５０を取り囲むように設けられている。それにより、排便及び排尿がおむつ１の幅方向の同一位置に行われても、便及び尿をそれぞれ検知しやすくなる。そして、尿インジケータ５０を取り囲んだ便インジケータ４０が、長手方向に所定の間隔Ｓ２を空けて複数設けられている。図３の変形例１と同様に、間隔Ｓ２を設けることで、便インジケータ４０と尿インジケータ５０とを見やすくなる。尚、尿インジケータ５０が便インジケータ４０を取り囲むように設けられてもよい。

　また、図４Ｂの変形例３では、便インジケータ４０と尿インジケータ５０とは、長手方向に間隔を空けずに設けられている。このように間隔を空けずに設けることで、限られたスペース内に、便インジケータ４０及び尿インジケータ５０をより多く配置することができる。それにより、排尿及び排便を検出できる領域が増え、おむつ１の交換者が便インジケータ４０及び尿インジケータ５０の反応を視認し易くなる。

　また、図５の変形例４では、便インジケータ４０が便を想起させる図柄として設けられている。逆に、尿インジケータ５０が尿を想起させる図柄であってもよい。すなわち、便インジケータ４０及び尿インジケータ５０のうちの少なくとも一方が、使用者に排泄物を想起させる所定の図柄であってよい。便インジケータ４０であれば「便」、尿インジケータ５０であれば「尿」をそれぞれ想起させるような図柄を用いることで、幅方向に重複している部分６０を有するように各インジケータ（４０，５０）を配置しても、おむつ１の交換者は、便インジケータ４０と尿インジケータ５０とを確実に区別しやすくなる。

　なお、便インジケータ４０及び尿インジケータ５０は、図１、図３～図５に表されるような形状や図柄に限定されず、他のパターン（例えば、幾何模様や文字情報）であっても良い。

　図６は、第１実施形態における便インジケータ４０及び尿インジケータ５０の変形例５を示す、展開かつ伸長状態のおむつ１の平面図である。図６に示す変形例５では、便インジケータ４０及び尿インジケータ５０は両方とも帯状に設けられており、便インジケータ４０と尿インジケータ５０とが、幅方向に重複している部分６０を有している。図７は、図６の便インジケータ４０及び尿インジケータ５０のみを拡大して示した図であり、説明の便宜上、便インジケータ４０を透視して、尿インジケータ５０を視認できるようにしている。図７に示すように、長手方向において、おむつ１の中央（線Ａ－Ａ）よりも、着用する際に着用者の腹側となる方を前側とし、着用者の背側となる方を後側とすると、本変形例では、便インジケータの長手方向の長さＬ３は、後側における長さＬ３ｒが前側における長さＬ３ｆよりも長く、尿インジケータ５０の長手方向の長さＬ４は、前側における長さＬ４ｆが、後側における長さＬ４ｒよりも長くなっている。尚、便インジケータ４０の前側における長さＬ３ｆはゼロでもよく（すなわち、長手方向の前側には便インジケータ４０を設けなくてもよく）、尿インジケータ５０の後側における長さＬ４ｒはゼロでもよい（すなわち、長手方向の後側に尿インジケータ５０を設けなくてもよい）。

　通常、排尿口は着用者の前側にあるため、尿インジケータ５０の長手方向の前側の長さＬ４ａを長くすることで、より尿の検知精度を高めることができる。また、肛門は着用者の後側であるため、それに対応させて便インジケータ４０の長手方向の後側における長さＬ３ａが長くなるように配置することで、より便の検知精度を高めることができる。

　また、図１及び図６の線Ｂ－Ｂは、おむつ１の幅方向における中心線であり、同図１及び図６に示すように、便インジケータ４０及び尿インジケータ５０は、おむつ１の幅方向の中央部に配置されていることが好ましい。通常、着用者の排尿口や肛門の位置は、装着時におむつ１の幅方向の中央部に対向するため、幅方向に重複している部分６０を有しつつ、便インジケータ４０及び尿インジケータ５０を両方とも幅方向の中央部に配置させることで、排尿及び排便の検出精度を高める。

　図８は、第１実施形態における便インジケータ４０及び尿インジケータ５０の変形例６を示す、展開かつ伸長状態のおむつ１の平面図である。線Ｂ－Ｂは、おむつ１の幅方向における中心線であり、図８の変形例６では、便インジケータ４０及び尿インジケータ５０は、幅方向の中央部よりも幅方向の外側に配置されている。これにより、おむつ１の使用者が側臥位（横向き）の状態である場合にも尿及び便を検知し易くなる。また、おむつ１の幅方向の外側に各インジケータ（４０，５０）を配置することで、おむつ１の交換者は、着用者の着衣を脱がさなくとも、おむつ１の足繰り部分を覗いただけで各インジケータ（４０，５０）の反応状態を視認しやすくなる。

　また、図８の変形例６では、一対の尿インジケータ５０が、それぞれ長手方向に連続的に設けられている。また、便インジケータ４０は、図１の実施形態と同様に、尿インジケータ５０よりも厚さ方向の非肌側に設けられている。そして、便インジケータ４０と尿インジケータ５０とが、厚さ方向に見て（つまり、平面視において）重複する部分６０を有している。なお、このような便インジケータ４０と尿インジケータ５０との配置関係は、これに限られない。すなわち、便インジケータ４０及び尿インジケータ５０のうちの一方が、長手方向に連続的に設けられ、便インジケータ４０及び尿インジケータ５０のうちの他方が、当該一方よりも厚さ方向の非肌側に設けられていればよい。そして、そのように設けられた便インジケータ４０と尿インジケータ５０とが、厚さ方向に見て重複する部分６０を有していればよい。

　上述のように長手方向に便インジケータ４０又は尿インジケータ５０のうちの一方を連続的に設ける一例として、対象とする生体物質を検出する化学成分を含んだ接着剤等を吸収体２１とバックシート２３との間に連続塗工し、他方を、例えば、バックシート２３に印刷する等によって設けることで、資材の重ね合わせの過程で両方のインジケータ（４０，５０）を備えることが可能となる。その結果、製造の容易性及び生産性が向上する。

　また、変形例６のみならず、便インジケータ４０と尿インジケータ５０とが厚さ方向に見て重複する部分６０においては、便インジケータ４０の色味と尿インジケータ５０の色味によっては、重なり合うことで非肌側の便インジケータ４０の色の変化が見えにくくなる虞がある。この点につき、重複する部分６０を有する便インジケータ４０及び尿インジケータ５０を配置する場合、次のような構成が好ましい。肌側に設けられる便インジケータ４０及び尿インジケータ５０のうちの一方（変形例６では、尿インジケータ５０）は、ＣＩＥＬＡＢ表色系のＬ＊値が５０より上であり、非肌側に設けられる便インジケータ４０及び尿インジケータ５０のうちの他方（変形例６では、便インジケータ４０）は、ＣＩＥＬＡＢ表色系のＬ＊値が５０より下であることが好ましい。

　ＣＩＥＬＡＢ表色系のＬ＊値が５０より上であるとは、いわゆる明色（若しくは薄色）であり、Ｌ＊値が５０より下であるとは、いわゆる暗色（若しくは濃色）である。仮に、便インジケータ４０及び尿インジケータ５０のうち、よりおむつ１の内側（肌側）に連続的に配置されるインジケータの色味を暗く（濃く）し、外側（非肌側）に配置されるインジケータの色見を明るく（薄く）してしまうと、重複する部分６０では、外側の色が内側の濃い色に打ち消されて見えにくくなってしまう。しかし、図８のように内側の色味（尿インジケータ５０の色）を明るく（薄く）し、外側の色味（便インジケータ４０の色）を暗く（濃く）することで、非肌側に設けられた便インジケータ４０の色も明確に区別しやすくなる。

　尚、ＣＩＥＬＡＢ表色系のＬ＊値は、色彩色差計（例えば、ミノルタ株式会社製の色彩色差計「ＣＲ－３００」）を用いて、以下の方法によって測定することができる。まず、おむつ１から、測定対象である便インジケータ４０及び尿インジケータ５０の所定部分を３箇所切り抜いたものを用意する。次に、標準白色板上に、切り抜いた各インジケータ部分をそれぞれ非肌側面を上にして載置し、各インジケータの色のＬ＊値を測定する。測定値は、３箇所測定した値の平均値を用いる。

　図１の実施形態、及び、変形例１～６においても、便インジケータ４０は、便と接触することにより所定の呈色反応を示し、尿インジケータ５０は、尿と接触することにより所定の呈色反応を示すものである。従って、各インジケータ（４０、５０）の呈色反応前、及び、呈色反応後のいずれにおいても、上述の色の明度の関係を有することが好ましい。

　また、便及び尿インジケータ（４０，５０）のそれぞれの色が仮に同色であると、おむつ１の交換者は、各インジケータ（４０，５０）の見分けがつきにくく、誤認する虞もある。そこで、便インジケータ４０と尿インジケータ５０との色相において、便インジケータ４０の呈色反応前の色と、尿インジケータ５０の呈色反応前の色とは、オストワルト色相環において色相番号が２つ以上離れており、便インジケータ４０の呈色反応後の色と、尿インジケータ５０の呈色反応後の色とは、オストワルト色相環において色相番号が２つ以上離れていることが好ましい。そうすることにより、呈色反応前及び呈色反応後においても、交換者が視覚的に両インジケータ（４０，５０）を区別し易くなる。

　また、便インジケータ４０及び尿インジケータ５０の各々の呈色反応前の色及び呈色反応後の色を、オストワルト色相環においてどの色相番号に特定するかは、呈色反応前の色（呈色反応後の色）とオストワルト色相環の色相とを肉眼で比較し、最も近い色相であると判断できる色相番号に特定することによって行う。インジケータの反応色が曖昧で肉眼では判断しにくい場合は、測色計（例えば、ミノルタ株式会社製の色彩色差計「ＣＲ－３００」等）を用いて呈色反応前（又は呈色反応後）の色を数値化し、色の明度及び彩度から、同じ色調の中でもどのような特徴の色合いであるかをオストワルト色相環に当てはめて特定を行ってもよい。

＝＝＝第２実施形態＝＝＝
　本発明に係る吸収性物品として、乳幼児用のテープ型使い捨ておむつを例に挙げて実施形態を説明する。ただし、これに限らず、例えば、パンツ型やパッドタイプの使い捨ておむつ、大人用のテープ型使い捨ておむつ等にも本発明を適用できる。

＜テープ型使い捨ておむつ１００の基本構成＞
　図９は、展開かつ伸長された状態におけるテープ型使い捨ておむつ１００（以下「おむつ」ともいう）の平面図である。図１０Ａは、図９に示す線Ａ－Ａでの断面図であり、図１０Ｂは、防漏壁部１１７ｇの起立部１１７ｓが長手方向に収縮して起立した状態を示す断面図である。おむつ１００を展開させた状態とは、おむつ１００をその長手方向に開くことで、おむつ１００を平面上に展開した状態のことである。また、おむつ１００を伸長させた状態とは、おむつ１００の展開状態において、おむつ１００に生じていた皺が実質的に視認されなくなる程に伸長させた状態であり、おむつ１００を構成する各部材（例えば後述するトップシート１２２等）の寸法がその部材単体の寸法と一致又はそれに近い長さになるまでおむつ１００が伸長した状態である。

　第２実施形態のおむつ１００は、所謂オープンタイプの使い捨ておむつであり、図９に示すように、長手方向において腹側部１０３と、股下部１０５と、背側部１０７とを有する。腹側部１０３は、おむつ１００を着用する際に着用者の腹側（前側）に位置する部分である。背側部１０７は、おむつ１００を着用する際に着用者の背側（後側）に位置する部分である。そして、腹側部１０３と背側部１０７との間に股下部１０５が設けられる。

　以下の説明では、図９に示すように、各方向を定義する。すなわち、展開状態の平面視にて、腹側部１０３から背側部１０７に向かう方向を「長手方向」とし、長手方向と直交する方向を「幅方向」とする。図９に示されている線Ａ－Ａは、長手方向におけるおむつ１００の中心を示す線である。また、図１０Ａ及び図１０Ｂに示すように、長手方向及び幅方向と直交する方向を「厚さ方向」とし、着用者の肌の側を「肌側」とし、その逆側を「非肌側」とする。

　おむつ１００は、中央帯状領域１１２と、サイドフラップ１１４と、レッグギャザー１１６と、防漏壁部１１７ｇとを有する。一対のサイドフラップ１１４は、背側部１０７において、ファスニングテープ１３０がそれぞれ取り付けられている。

　中央帯状領域１１２は、腹側部１０３、股下部１０５及び背側部１０７によって構成された幅方向の中央部に位置する帯状の領域である（図９参照）。中央帯状領域１１２は、着用者によって排泄された尿等の液体を吸収し保持する部位である。中央帯状領域１１２は、液保持性の吸収体１２１を含む縦長の形状（長手方向に沿った形状）を有する。中央帯状領域１１２は、主に、液吸収性の吸収体１２１と、同吸収体１２１を肌側から覆う液透過性のトップシート１２２と、同吸収体１２１を非肌側から覆う液不透過性のバックシート１２３、及び、おむつ１００の外装をなす外装シート１２７（例えば不織布）とを有する（図１０参照）。中央帯状領域１１２には、さらに、液透過性であるセカンドシート１３５が設けられているが、セカンドシート１３５を必ずしも設けなくても良い。

　第２実施形態の吸収体１２１は、図１０Ａに示すように、尿等の排泄物を吸収する吸収性コア１２４と、吸収性コア１２４を厚さ方向の肌側及び非肌側の両側からそれぞれ覆う液透過性のコアラップシート１２５とを有している。コアラップシート１２５に好適な材料としては、ティッシュペーパーや不織布等を例示できる。但し、これらコアラップシート１２５は必須の構成ではない。

　吸収体１２１（吸収性コア１２４）は、腹側部１０３、股下部１０５及び背側部１０７にわたって配置されている。第２実施形態の吸収性コア１２４は、所定形状の一例としての平面視略砂時計形状を有する。吸収性コア１２４を構成する液体吸収性素材としては、例えばパルプ繊維等の液体吸収性繊維や、高吸収性ポリマー（所謂ＳＡＰ）等の液体吸収性粒状物を使用することができる。また、液体吸収性繊維及び液体吸収性粒状物以外の液体吸収性素材を含んでいても良い。

　また、吸収体１２１は、幅方向の中央部に低坪量部１２１Ａを有している（図９及び図１０参照）。低坪量部１２１Ａにおいては、坪量が、低坪量部１２１Ａに幅方向の外側から隣接する領域１２１Ｂ、１２１Ｂの坪量よりも低くなっている。ここで、坪量とは、単位面積当たりの質量のことである。ただし、おむつ１００において、低坪量部１２１Ａは必ずしも設けられていなくても良い。すなわち、吸収体１２１が全体に亘って均等な坪量を有するように構成されていても良い。

　サイドフラップ１１４は、中央帯状領域１１２の幅方向の両側部に位置する部位である。サイドフラップ１１４は、腹側部１０３、股下部１０５及び背側部１０７にわたって形成されている（図９参照）。股下部１０５におけるサイドフラップ１１４の幅方向の長さ（幅）は、腹側部１０３及び背側部１０７におけるサイドフラップ１１４の幅方向の長さ（幅）よりも狭い。サイドフラップ１１４は、主に、肌側シート１１７とバックシート１２３から構成されている（図１０参照）。

　肌側シート１１７は、腹側部１０３、股下部１０５及び背側部１０７にわたって形成された肌側の部材であり、例えば不織布で構成されている。また、肌側シート１１７は、トップシート１２２の肌側面から起立する立体ギャザー１１７ｇ（以下、「防漏壁部１１７ｇ」ともいう）を長手方向に沿って形成する。すなわち、各肌側シート１１７は、トップシート１２２にホットメルト接着剤等で固定されて起立不能な基端部１１７ｋと、同基端部１１７ｋを支点として厚さ方向の肌側に起立可能な起立部１１７ｓとを幅方向に並んで有している（図１０Ａ及び図１０Ｂ参照）。そして、起立部１１７ｓの幅方向の先端部１１７ｓｅｗには、長手方向に伸縮する糸ゴム等の防漏壁部弾性部材１１８が長手方向に伸長した状態でホットメルト接着剤等により固定されている。そのため、起立部１１７ｓには長手方向に収縮力が付与されており、かかる収縮力に基づいて起立部１１７ｓが長手方向に収縮することによって、起立部１１７ｓが複数の襞を形成しながら厚さ方向の肌側に起立して、排泄物等の横漏れを抑制する防漏壁部１１７ｇとして機能する（図１０Ｂ参照）。

　また、図９に示すように、起立部１１７ｓのうちの長手方向の各端部１１７ｓｅＬａ，１１７ｓｅＬｂには、それぞれ当該各端部１１７ｓｅＬａ，１１７ｓｅＬｂをトップシート１２２に伏せた状態に固定する固定部１１９ａ，１１９ｂが長手方向に沿った帯状に形成されている。すなわち、各端部１１７ｓｅＬａ，１１７ｓｅＬｂにおいて固定部１１９ａ，１１９ｂに対応する部分とトップシート１２２との間には、固定部１１９ａ，１１９ｂとしてホットメルト接着剤が長手方向に沿った帯状に設けられており、当該接着剤によって、上記各端部１１７ｓｅＬａ，１１７ｓｅＬｂはそれぞれトップシート１２２に伏せられた状態に固定されている。

　中央帯状領域１１２のうち少なくとも股下部１０５には、トップシート１２２と肌側シート１１７との間に、長手方向に伸縮可能な一対の脚周り弾性部材１２８（例えば糸ゴム）が設けられている。脚周り弾性部材１２８は、股下部１０５の中央帯状領域１１２に伸縮性を付与する部材であり、長手方向に伸長させた状態で取り付けられる。これにより、脚周り弾性部材１２８は中央帯状領域１１２の股下部１０５に対して長手方向に沿った収縮力を発現する。

　一対のサイドフラップ１１４には、長手方向に沿って伸縮するレッグギャザー弾性部材１１５がそれぞれ設けられている。レッグギャザー弾性部材１１５は、長手方向に沿って伸縮する弾性部材であり、おむつ１００の着用時において、脚回り開口部に伸縮性を付与する部材である。すなわち、レッグギャザー弾性部材１１５はおむつ１００の脚繰り部を着用者の脚に合わせてフィットさせる脚回り弾性部材である。レッグギャザー弾性部材１１５は、例として、伸縮性を有する帯状の弾性シートや、複数の糸ゴム等であってもよい。そして、レッグギャザー弾性部材１１５が股下部１０５の肌側シート１１７及びバックシート１２３に伸縮性を付与することによって、レッグギャザー１１６が構成される。

　背側部１０７は、着用する際に着用者の背側の胴回りに位置する背側胴回り部１０７Ｂを有している（図９参照）。該背側胴回り部１０７Ｂは、背側部１０７における長手方向の外側端から、サイドフラップ１１４が幅方向に延出している部分の長手方向の内側端までである。ファスニングテープ１３０は、おむつ１００の背側胴回り部１０７Ｂにおいて、サイドフラップ１１４が幅方向に延出している部分の幅方向の両側部に配置されている。そして、後述するターゲットテープ１２９に各ファスニングテープ１３０を係止することにより、おむつ１００の胴回り開口及び脚回り開口が形成され、着用者の身体（胴）に対しておむつ１００の位置を固定することができる。

　腹側部１０３は、着用する際に着用者の腹側の胴回りに位置する腹側胴回り部１０３Ｆを有している（図９参照）。腹側胴回り部１０３Ｆは、着用時に、前述の背側胴回り部１０７Ｂに対応する領域である。そして、中央帯状領域１１２の腹側胴回り部１０３Ｆには、ターゲットテープ１２９が設けられている。ターゲットテープ１２９は、腹側胴回り部１０３Ｆの外装シート１２７の非肌側に配置されている。ターゲットテープ１２９は、ファスニングテープ１３０と係合可能な部材であり、例えば不織布によって形成されている。ターゲットテープ１２９は、ファスニングテープ１３０を係合させるターゲット領域を構成する。なお、外装シート１２７の非肌側にターゲットテープ１２９を配置する代わりに、外装シート１２７を構成している最外層の不織布にターゲット領域を直接形成しても良い。そして、ファスニングテープ１３０をターゲットテープ１２９に係合させることによって、おむつ１００を着用させることになる。

　第２実施形態のおむつ１００は、図９及び図１０に示すように、吸収体１２１よりも厚さ方向の非肌側に、便のみに反応する便インジケータ１４０と、尿のみに反応する尿インジケータ１５０とを有している。便インジケータ１４０と尿インジケータ１５０とは、幅方向に離間し、長手方向に沿って帯状に配置されているが、幅方向に離間していなくてもよい。また、便インジケータ１４０と尿インジケータ１５０とは、長手方向に連続的に設けなくてもよく、非連続的であってもよい。

　尿インジケータ１５０は、従来の一般的なおむつに採用されているｐＨ指示薬を含むインジケータとして構成されている。例えば、尿インジケータ１５０は、尿のｐＨを反応因子（尿インジケータ反応因子）として、尿と接触することによって所定の反応（例えば呈色反応）を呈することにより、尿が排出されたことを検知する。便インジケータ１４０の詳細については後述する。

　＜便インジケータ１４０の原理＞
　便インジケータ１４０は、おむつ１００等の吸収性物品用の便インジケータであって、便中に含まれる所定の反応因子（便インジケータ反応因子）と接触することによって所定の反応（例えば呈色反応）を呈することにより、便が排出されたことを検知する。第２実施形態では、便インジケータ１４０が便中の生体物質を検知する化学成分を含み、この化学成分の便への応答と、尿への応答が異なることにより、便の排出のみを検出することを可能としている。

　例えば、便インジケータ１４０に含まれる化学成分が検知する生体物質（便インジケータ反応因子）をたんぱく質とする場合、当該化学成分としては、ｐＨ指示薬を用いることができる。一般に、たんぱく質は、アミノ酸が重合した構造を有しており、たんぱく質の主鎖の両末端や側鎖に酸性及び塩基性の官能基を有しているため、一定以上のたんぱく質が存在する場合、ｐＨ指示薬を変色させることができる（たんぱく誤差法）。第２実施形態では、便中の食物由来の未消化のたんぱく質や、腸内細菌から分泌されるたんぱく質等を検知することで、ｐＨ指示薬が便に応答するようにしている。

　具体的なｐＨ指示薬としては、例えば、テトラフェノールブルーを使用することができる。この場合、たんぱく質が存在すると、たんぱく質中の遊離アミノ基と結合して塩様青色化合物を形成し、真のｐＨより高めのｐＨに相当する青色を呈する。よって、テトラフェノールブルーを含んだ便インジケータ１４０が便と接触することで、黄色から青色を呈色する。なお、ｐＨ指示薬の変色を起こしやすくするためには、予めｐＨ３程度の酸性側にしておくことが望ましい。そのため、ｐＨ指示薬にクエン酸緩衝剤等を含ませても良い。

　また、便インジケータ１４０では、排泄物が便であるか尿であるかを誤検出しないように、便インジケータ１４０に含まれる化学成分が便に応答し、尿には応答しないようにすることが望ましい。そこで、第２実施形態における便インジケータ１４０は、所定濃度以上の便インジケータ反応因子（たんぱく質等）に応答して呈色反応等の反応を示し、便インジケータ反応因子が所定濃度よりも小さい場合には、反応を生じ難くしている。

　一般に、健常者の尿中には、たんぱく質は含まれておらず、非健常者であっても、尿中のたんぱく質は、１０，０００ｍｇ／Ｌを下回る。よって、第２実施形態においては、ｐＨ指示薬を使用したたんぱく質誤差法により、便インジケータ１４０が、１５０ｍｇ／Ｌ以上のたんぱく質に応答することが好ましく、５，０００ｍｇ／Ｌ以上のたんぱく質に応答することがより好ましく、１０，０００ｍｇ／Ｌ以上のたんぱく質に応答することが更に好ましい。例えば、化学成分としてブロモフェノールブルーを使用する条件で、便インジケータ１４０が１５０ｍｇ／Ｌ以上のたんぱく質に応答する場合、便インジケータ１４０における１ｃｍ²あたりのｐＨ指示薬の適用量を、１６．３μｇとすることが好ましく、便インジケータ１４０が５，０００ｍｇ／Ｌ以上のたんぱく質に応答する場合、便インジケータ１４０における１ｃｍ²あたりのｐＨ指示薬の適用量を、０．５μｇとすることが好ましく、便インジケータ１４０が１０，０００ｍｇ／Ｌ以上のたんぱく質に応答する場合、便インジケータ１４０における１ｃｍ²あたりのｐＨ指示薬の適用量を、０．２５μｇとすることが好ましい。なお、ｐＨ指示薬の適用量を１７．０μｇ以下とすることにより、吸収性物品の着用者に対する便インジケータ１４０の安全性が高まる。

　第２実施形態では、このようにｐＨ指示薬の塗布量を調整することによって、便インジケータ１４０が便に対して反応可能な範囲と比較して、尿に対して反応可能な範囲を相対的に小さくすることができる。言い換えると、便インジケータ１４０の便に対する反応と、便インジケータ１４０の尿に対する反応とを異ならせることができる。これにより、便インジケータ１４０を尿に対して反応し難くすることができる。

　また、便インジケータ１４０は、上述したたんぱく質を反応因子として限定するものではない。例えば、便中に含まれる腸内細菌や、便の比重と相関関係がある便のイオン強度、胆汁色素のビリルビン等、便に由来する物質に反応するようにしても良い。これらの成分は、一般に、尿に含まれていない、若しくは便と比較して尿に含有される量や比重が非常に小さい。したがって、たんぱく質を反応因子とする場合と同様に、便インジケータ１４０が尿に対して反応し難く、便に対して反応しやすくなる。したがって、おむつ１００において排泄された便を精度よく検出することができる。

＜便インジケータ１４０の具体的構成＞
　便インジケータ１４０は、上述のような化学成分（例えばｐＨ指示薬）を含んだ接着剤（例えばホットメルト接着剤ＨＭＡ）をおむつ１００のバックシート１２３の肌側面に塗工することによって形成されている。第２実施形態では、図９に示されるように、股下部１０５及び背側部１０７にわたって、長手方向に沿った帯状（若しくは線状）の領域に、コーターを用いてホットメルト接着剤（ＨＭＡ）を塗工することによって便インジケータ１４０が形成されている。このようなコーター塗工によれば、均等な膜厚でムラの少ない便インジケータ１４０を形成することが可能となり、便の検出精度を高めることができる。また、製造コストを抑えることができる。なお、尿インジケータ１５０についても同様にして形成することができる。

　また、化学成分をインクと混ぜて、バックシート１２３やコアラップシート１２５に印刷塗工することによって便インジケータ１４０が形成されるのであっても良い。また、化学成分を染みこませた濾紙や不織布を、ホットメルト接着剤（ＨＭＡ）や超音波溶着でバックシート１２３やコアラップシート１２５に接合固定することによって便インジケータ１４０が形成されるのであっても良い。

　通常、排泄される便のうち、特に軟便はおむつ１００のトップシート１２２を伝って広がりやすく、そのような軟便がおむつ１００内の空間に留まり続けると、おむつ１００の脚繰りや背中側から漏れ出てしまうことがある。そのため、迅速且つ効率的に便を検知できる位置に便インジケータ１４０を設ける必要があった。

　この点、第２実施形態では、おむつ１００を着用中に排泄された軟便は、トップシート１２２を伝って、幅方向の両側部の所定位置に長手方向に沿って設けられている一対の防漏壁部１１７ｇによって塞き止められる。そして、当該一対の防漏壁部１１７ｇの幅方向における一方側の基端部１１７ｋと他方側の基端部１１７ｋとの間の基端部間１１７ｋＲに便インジケータ１４０を配置することによって、排泄された便を直ちに検出できるようにしている。便インジケータ１４０は、おむつ１００の非肌側から視認可能であり、おむつ１００の使用者（例えば、交換者）に排便が行われたことを知らせることができる。それにより、排便が行われたことに気づかずに便が吸収性物品内に留まり続けることに起因する肌トラブルや、脚繰りや背中側から便が漏れ出す可能性を低減できる。

　また、第２実施形態における便インジケータ１４０の具体的な位置は、次の通りである。図９に示すように、基端部間１１７ｋＲは、幅方向において、中央領域１１７ｋＲＭと、中央領域１１７ｋＲＭの幅方向の両側に設けられた側部領域１１７ｋＲＳとを有している。中央領域１１７ｋＲＭは、基端部間１１７ｋＲを幅方向において三等分したうちの真ん中の領域である。側部領域１１７ｋＲＳは、それぞれ当該中央領域１１７ｋＲＭの幅方向の両側に位置する領域である。そして、第２実施形態では、便インジケータ１４０は、中央領域１１７ｋＲＭに配置されている。そのような配置により、おむつ１００を着用した際に、幅方向において着用者の肛門の位置と便インジケータ１４０の位置とが重なりやすい。したがって、おむつ１００に便が排泄された場合に、便中に含まれる水分（便汁）が便インジケータ１４０に到達しやすく、早い段階で便を検知し易くなる。排便後、短時間で交換者に排便を知らせることにより、便が漏れ出す可能性を低減できる。

　次に、便インジケータ１４０の配置の変形例を説明する。図１１Ａは、第２実施形態における便インジケータ１４０の配置の変形例１を示す図であり、図１１Ｂは、第２実施形態における便インジケータ１４０の配置の変形例２を示す図である。

　図１１Ａに示すように、変形例１では、便インジケータ１４０が側部領域１１７ｋＲＳにそれぞれ配置されている。特に、ここでは、側部領域１１７ｋＲＳ内において基端部１１７ｋに近い位置に便インジケータ１４０をそれぞれ配置している。側部領域１１７ｋＲＳの基端部１１７ｋ付近は、トップシート１２２を伝って移動した軟便が防漏壁部１１７ｇに塞き止められて溜まりやすい領域である。軟便が留まり続けると脚繰りから漏れ出る虞があるが、そのような領域に便インジケータ１４０を配置することで、防漏壁部１１７ｇに到達した便を検出でき、便が漏れ出る前に使用者（交換者）に知らせることが可能になる。それにより、便がおむつ１００の脚繰りから漏れ出る可能性を低減する。

　図１１Ｂに示す変形例２では、便インジケータ１４０が中央領域１１７ｋＲＭと、側部領域１１７ｋＲＳとに配置されている。基端部間１１７ｋＲにおいて、中央領域１１７ｋＲＭと側部領域１１７ｋＲＳとの両方に便インジケータ１４０を配置することにより、幅方向に広範囲に便を検知することができ、便の検出性を高める。

　また、図１１Ｂに示すように、側部領域１１７ｋＲＳに設けられた便インジケータ１４０は、吸収体１２１よりも幅方向の外側に配置されている。吸収体１２１よりも幅方向の外側では吸収体が存在しないため、トップシート１２２を伝った軟便が便インジケータ１４０に到達しやすく、便を検出しやすい。そのような部分に便インジケータ１４０を配置することで、便の検出性を高めることができる。また、吸収体１２１は、長手方向における一端部と他端部との間に括れ部１２１ｃを有しており、括れ部１２１ｃは、幅方向の寸法が一端部及び他端部の幅方向の寸法よりも小さくなっている。括れ部１２１ｃは、おむつ１００の使用者の脚繰りに対応する部位であり、使用者の動きによって便が漏れ出る可能性が高い箇所である。図１１Ｂのように、便インジケータ１４０が括れ部１２１ｃよりも幅方向の外側、且つ、長手方向において少なくとも一部が括れ部１２１ｃと重なるように配置されることで、脚繰りに溜まった便も検出しやすくなり、漏れ出る可能性を低減する。

　図１２は、第２実施形態における便インジケータ１４０の配置の変形例３を示す図である。図１２では、吸収体１２１が、長手方向の中央部に、長手方向に伸縮する一対のクロッチ伸縮部１６０を幅方向に間隔を空けて有している。クロッチ伸縮部１６０においては、具体的には、糸ゴム等のクロッチ弾性部材１６１が幅方向に間隔を空けて複数設けられている。複数のクロッチ弾性部材１６１は、バックシート１２３と、バックシート１２３よりも厚さ方向の非肌側に配置されるクロッチ弾性部材被覆シート（不図示）との間に長手方向に沿って伸長した状態で取り付けられている。図１２には、クロッチ弾性部材１６１のうち伸縮性を発現する部位のみを示す。そのため、図示するクロッチ弾性部材１６１の長手方向の外側に伸縮性を発現しない弾性部材の部位が存在していても良い。そして、伸縮性を発現するクロッチ弾性部材１６１が設けられた部位をクロッチ伸縮部１６０とする。

　なお、糸ゴム等の糸状の弾性部材でクロッチ伸縮部１６０を形成するに限らない。クロッチ伸縮部１６０として、例えば、帯状の糸ゴムや伸縮性シート（伸縮性フィルムや伸縮性不織布）等を幅方向に間隔を空けて複数配置してもよいし、クロッチ伸縮部１６０と同じ大きさの伸縮性シートを１枚配置してもよい。

　そして、クロッチ伸縮部１６０を形成するクロッチ弾性部材１６１はバックシート１２３を介して吸収体１２１に接着剤等で接合一体化されている。そのため、（厚さ方向の平面視で）クロッチ伸縮部１６０と重なる吸収体１２１の部位は、長手方向に収縮され、着用者に密着し易くなるとともに、平坦な形状が維持され易く、クロッチ伸縮部１６０の幅方向の両側端の位置で屈曲し易くなっている。

　よって、おむつ１００の着用時には、一対のクロッチ伸縮部１６０と重なる吸収体１２１の部位が、トップシート１２２等を介して、着用者の股下部（排泄部）に密着し、それぞれのクロッチ伸縮部１６０の幅方向の内側端を基点に、一対のクロッチ伸縮部１６０の間の吸収体１２１の部位が非肌側に屈曲する。つまり、一対のクロッチ伸縮部１６０と重なる吸収体１２１の部分は、着用者の肌に密着するように肌側に吊られる状態になり、一対のクロッチ伸縮部１６０の間は、凹部が形成されて、便が当該凹部に溜まりやすくなる。変形例３では、幅方向において、そのような一対のクロッチ伸縮部１６０の間に便インジケータ１４０を配置している。通常、便が吸収体１２１に吸収されるには時間を要するが、便が溜まった部分では、時間の経過とともに便が浸透して便インジケータ１４０が反応する。そのような部分に便インジケータ１４０を配置することで便の検出性を高めることができる。

　なお、クロッチ伸縮部１６０は、長手方向に伸縮する形態に限らず、幅方向に伸縮してもよいし、幅方向と長手方向の両方に伸縮してもよい。幅方向に伸縮するクロッチ伸縮部１６０としては、例えば、幅方向に伸縮するようにギア延伸加工した伸縮性フィルムや伸縮性不織布を吸収体１２１に設ける方法を例示できる。

　図１３は、第２実施形態における便インジケータ１４０の配置の変形例４を示す図であり、変形例３で設けられていた一対のクロッチ伸縮部１６０が、同様に、幅方向に間隔を空けて設けられている。そして、当該一対のクロッチ伸縮部１６０の幅方向の外側に便インジケータ１４０が配置されている。一対のクロッチ伸縮部１６０と重なる吸収体１２１の部分は、着用者の肌に密着するように肌側に吊られる状態になり、それぞれのクロッチ伸縮部１６０の幅方向の外側端を基点に、クロッチ伸縮部１６０の幅方向外側の部位は非肌側に屈曲する。つまり、各クロッチ伸縮部１６０から幅方向の外側に向かっては、便がトップシート１２２を伝ってやや下降するように移動し、クロッチ伸縮部１６０の幅方向外側の側部領域１１７ｋＲＳは、便が溜まりやすい。そのような便が溜まる部分では、時間の経過とともに便が浸透して便インジケータ１４０が反応する。当該部分に便インジケータ１４０を配置することで便の検出性を高め、脚繰り等から便が漏れ出ることを抑制する。

　図９に戻り、第２実施形態の便インジケータ１４０は、長手方向及び幅方向において、低坪量部１２１Ａと重複する部分を有するように配置されている。吸収体１２１のうち、低坪量部１２１Ａが設けられている部分はその他の部分と比較して、便（便汁）が厚さ方向に透過しやすい。そのため、排泄された便が、厚さ方向の肌側から非肌側へ透過しやすく、吸収体１２１の非肌側に配置されている便インジケータ１４０に便（便汁）が到達しやすくなる。その結果、排便が行われたことをより早くおむつ１００の交換者に知らせることができる。

　図１４は、第２実施形態における低坪量部１２１Ａが複数設けられた変形例５を示す図である。図１４では、吸収体１２１が幅方向の中央部よりも幅方向の外側に、中央部を挟むように一対の低坪量部１２１Ａを有している。そして、幅方向において、一対の低坪量部１２１Ａの間に便インジケータ１４０が配置されている。通常、排泄された便（便汁）は、一対の低坪量部１２１Ａを透過して肌側から非肌側へと移動し易く、移動してきた便汁は、一対の低坪量部１２１Ａの間に溜まりやすい。そのような一対の低坪量部１２１Ａ間に便インジケータ１４０を配置することで、便の検出性を高め、交換者に排便が行われたことを知らせる。尚、図１４の便インジケータ１４０と一対の低坪量部１２１Ａとは、幅方向にそれぞれ離間して配置されているが、幅方向に間隔を空けずに設けてもよい。

　図９に戻り、一対の防漏壁部１１７ｇは、防漏壁部弾性部材１１８が長手方向の伸縮性を発現する伸縮領域を有している。図では、防漏壁部弾性部材１１８のうち伸縮性を発現する部位（所謂有効長の部位）のみを示している。よって、図示されている防漏壁部弾性部材１１８の長手方向の全ての部分が伸縮領域である（後述する図１５及び図１６の伸縮領域１１７ｓｈ参照）。長手方向において、着用する際に着用者の腹側となる方を前側とし、前記着用者の背側となる方を後側とすると、便インジケータ１４０の前端１４０ｆは、伸縮領域の前端１１７ｓｈｆよりも長手方向内側に配置され、便インジケータ１４０の後端１４０ｒは、伸縮領域の後端１１７ｓｈｒよりも長手方向内側に配置されている。防漏壁部１１７ｇの伸縮領域（所謂、弾性部材１８の有効長の範囲）は、排泄された便が溜まりやすい領域であり、当該領域内に便インジケータ１４０を配置することで、便を効率的に検知でき、製造コストを抑制することもできる。

　また、図１１Ｂの変形例２に示すように、長手方向において一対の防漏壁部１１７ｇの伸縮領域（１１７ｓｈ）内、且つ、基端部１１７ｋ付近に便インジケータ１４０を設けてもよい。基端部１１７ｋ付近に溜まった便を検出することによって、授乳時などの使用者が横向きの時にも股下部１０５から便が漏れることを防止する。

　図１５は、第２実施形態における便インジケータ１４０の配置の変形例６を示す図であり、便インジケータ１４０の前端１４０ｆは、防漏壁部１１７ｇの伸縮領域１１７ｓｈの前端１１７ｓｈｆよりも前側に位置している。便インジケータ１４０を伸縮領域１１７ｓｈの前端１１７ｓｈｆよりもさらに前側にも配置することで、例えば、使用者が四つん這いで移動する時等に腹側に拡散する便を検知でき、腹漏れを防ぐ。

　また、図１５に示すように、便インジケータ１４０の後端１４０ｒは、防漏壁部１１７ｇの伸縮領域１１７ｓｈの後端１１７ｓｈｒよりも後側に位置している。便インジケータ１４０を伸縮領域１１７ｓｈの後端１１７ｓｈｒよりもさらに後側にも配置することで、寝姿勢時に後ろに流れていく便を検知し易くなり、背漏れを防ぐ。

　図１６は、第２実施形態における便インジケータ１４０の配置の変形例７を示す図である。変形例７では、便インジケータ１４０が基端部間１１７ｋＲのうち側部領域１１７ｋＲＳ内、特に基端部１１７ｋ寄りに、それぞれ１つ（１本）ずつ設けられている。そして、各便インジケータ１４０の前端１４０ｆは、防漏壁部１１７ｇの伸縮領域１１７ｓｈの前端１１７ｓｈｆよりもさらに前側に配置されている。また、各便インジケータ１４０の後端１４０ｒは、防漏壁部１１７ｇの伸縮領域１１７ｓｈの後端１１７ｓｈｒよりもさらに後側に配置されている。これにより、トップシートを伝って基端部１１７ｋ付近に移動してきた軟便を検知するだけでなく、各伸縮領域１１７ｓｈの各前端１１７ｓｈｆよりもさらに前側の各端部１１７ｓｅＬａを固定する固定部１１９ａ、及び、各伸縮領域１１７ｓｈの各後端１１７ｓｈｒよりもさらに後ろの各端部１１７ｓｅＬｂを固定する固定部１１９ｂ付近に移動してきて留まる軟便をも検知することが可能になる。固定部１１９ａ及び１１９ｂは胴回り開口に近く、便が漏れ出しやすい部分である。そのような部分に便が到達したことを交換者に知らせることで、腹側からの漏れ及び背側からの漏れが発生する可能性を低減できる。

＝＝＝その他の実施の形態＝＝＝
　以上、本発明の実施形態について説明したが、上記の実施形態は、本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定して解釈するためのものではない。また、本発明は、その趣旨を逸脱することなく、変更や改良され得るとともに、本発明にはその等価物が含まれるのはいうまでもない。

　上述の実施形態においては、幅方向に重複する部分６０を有する便インジケータ４０及び尿インジケータ５０を設けていたが、そのような重複する各インジケータ（４０，５０）と共に、便インジケータ４０又は尿インジケータ５０が、幅方向に複数設けられていてもよい。例えば、図１の実施形態の便インジケータ４０及び尿インジケータ５０を挟むように、おむつ１の幅方向に離間させつつ幅方向の外側に、長手方向に沿った一対の尿インジケータ５０を設けた場合、排尿を検知できる領域が広くなる。反対に、一対の尿インジケータ５０の代わりに一対の便インジケータ４０を設けた場合は、排便を検知できる領域が広くなる。

　また、例えば、図８の実施例６では、幅方向に重複する部分６０を有する便インジケータ４０及び尿インジケータ５０が幅方向に２本並べて配置されているが、そのうちの１本を便インジケータ４０のみ、或いは尿インジケータ５０のみにして、尿又は便を優先的に検出するようにしてもよい。

　このように、別途便インジケータ４０又は尿インジケータ５０が設けられることで、少なくとも尿或いは便を検知できる領域を広くすることができる。それにより、使用者が立位や仰臥位の状態である時のみならず、側臥位（横向き）の状態である場合にも尿及び便を検知し易くなり、検知精度が向上する。また、おむつ１の幅方向の外側にインジケータが配置されると、交換者は、着用者の着衣を脱がさなくとも、おむつ１の足繰り部分を覗いただけで少なくとも便インジケータ４０或いは尿インジケータ５０の反応を確認しやすくなる。

　また、上述の各実施形態においては、おむつ１に排泄された便（便汁）が、吸収体２１を透過して便インジケータ４０に到達し易くなるように、吸収体２１は、長手方向及び幅方向において便インジケータ４０と重複する位置に、坪量が低い低坪量部（不図示）を有していてもよい。ここで、坪量とは、単位面積当たりの質量のことであり、該低坪量部は、坪量が、低坪量部に幅方向の外側から隣接する領域の坪量よりも小さくなっている部分である。それにより、粘性の高い便であっても、吸収体２１の低坪量部を透過して、便（便汁）が肌側から非肌側へ移動し、便インジケータ４０に到達し易くなる。結果として、便の検出性をより高めることができる。

　また、上述の実施形態では、セカンドシート３５を厚さ方向においてトップシート２２とコアラップシート２５との間に配置しているが、吸収体２１と便インジケータ４０との間に、液体を拡散させる拡散シートとして配置してもよい。そうすることで、便の水分を吸収体２１の下層で拡散させ、便インジケータ４０をより広い範囲で反応させることができる。それにより、おむつ１外面からの視認性を高めることができる。

　また、トップシート２２は、開口を有していてもよい。開口を有することによって、セカンドシート３５と便との接地面積を増やし、セカンドシート３５への便の透過性を向上させることができる。

　図１７は、便収容空間１８０を設けた、展開かつ伸長された状態におけるおむつ１００の変形例の平面図である。図１８は図１７のＢ－Ｂ線に沿い、且つ、着用状態における模式的断面図である。第２実施形態（図９）のおむつ１００の構成と、図１７に示すおむつ１００の構成との主な相違点は、吸収体１２１の後端が背側胴回り部１０７Ｂよりも長手方向の内側に配置され、便インジケータ１４０が長手方向外側にさらに延在している点と、説明の便宜上、セカンドシート１３５を省略している点である。また、本変形例では、移動してきた軟便を留めて保持する便収容空間１８０を背側胴回り部１０７Ｂに設けている。そして、便インジケータ１４０と便収容空間１８０とが、厚さ方向に見て重なる部分を有している。

　便収容空間１８０は、おむつ１００の幅方向の中央部において、背側胴回り部１０７Ｂの一部を厚さ方向の肌側から覆うシート部材１７０を用いて構成されている。具体的には、図１８に示すように、便収容空間１８０は、シート部材１７０を長手方向の内側に向かって折り曲げられた折曲部１８７と、幅方向の内側へ向かって略「く」の字状に折り込まれた折込み部１８４（図１７）と、胴回り開口に向かって折り曲げられた折曲部１８５とを有し、それぞれの折曲部及び折込み部で折り畳まれた状態で固定されることによって形成されている。シート部材１７０のうち、折曲部１８７から厚さ方向の肌側、且つ、長手方向の外側に向かう部分が背側胴回り当接域１９１（図１８）である。そして、シート部材１７０は、折込み部１８４よりも幅方向の外側の部分からなる両側固定部１８６において、背側胴回り部１０７Ｂに接合されている。

　便収容空間１８０は、吸収体１２１側から胴回り開口側へ延びる収容空間外側域１８３と、収容空間外側域１８３と背側胴回り当接域１９１とにそれぞれ厚さ方向において対向し、折曲部１８５から下方に延びて背側胴回り当接域１９１とつながる収容空間内側域１８２と、収容空間内外域１８２及び１８３の両側部（不図示）から形成され、幅方向の内側へ折り込まれた折込み部１８４とによって画成される。

　背側胴回り当接域１９１が装着時に長手方向の外側に伸長されたときに、折込み部１８４が起立して、収容空間内側域１８２が背側胴回り当接域１９１から離間するように後方（厚さ方向の非肌側）へ移動する。収容空間内側域１８２は、背側胴回り当接域１９１に対して傾斜して位置し、それが後方（厚さ方向非肌側）へ移動するほどに背側胴回り当接域１９１に対する傾斜角度αは大きくなる（図１８）。従って、傾斜角度αが大きくなるほどに、収容空間内側域１８２は倒伏した状態となって便収容空間１８０の天面としての役割を果たし、便収容空間１８０は、その内部に比較的多くの排泄物を収容、保持することが可能なポケット空間（収容空間）Ｓを有するボックス状を呈する。

　また、図１８に示すように、シート部材１７０は、肌当接面側に位置する内面シート１９６と、非肌当接面側に位置する外面シート１９７と、内外面シート１９６、１９７間において幅方向に伸長状態で収縮可能に固定された複数の糸ゴム等の弾性部材１９８と、収容空間内側域１８２において内外面シート１９６、１９７間に幅方向に伸長状態で収縮可能に固定された弾性部材１９５とを有する。内外面シート１９６、１９７間には、さらに好ましくは通気性を有する、不織布又はプラスチックフィルムから形成された不透液性シート１９９が配置される。不透液性シート１９９を配置することにより、軟便の漏出を防ぐようにしている。但し、シート部材１７０の構成はこれに限らず、一枚のシート部材や、その他の任意のシート部材から設けられてもよい。また、おむつ１００の非肌側のシート（例えば、外装シート１２７など）をおむつ１００の長手方向の後端から肌側に折り返す等によって、便収容空間１８０を形成してもよい。また、図１７に示す変形例では、折曲部１８５及び折曲部１８７等においてシート部材１７０を複数回折ることによって便収容空間１８０を設けていたが、資材（シート部材１７０）を１回だけ折り返す（所謂、Ｖ字状を形成する）ことによって設けてもよく、又は、資材を折り返さずにおむつ１００に接合することによって設けてもよい。

　図１７に示すように、ここでは、厚さ方向に見て、便インジケータ１４０の一部が便収容空間１８０と重なるように配置されている。おむつ１００の使用者の寝姿勢時等においては、軟便がトップシート１２２を伝って背側胴回り部１０７Ｂまで移動していく可能性があるが、そのような背側胴回り部１０７Ｂに到達した便を収容するために設けられた便収容空間１８０に便インジケータ１４０を設けることで、効率的に便を検出でき、交換者に排便が行われたことを知らせることができる。

　また、図１７に示す変形例においては、シート部材１７０に複数の背部便インジケータ１４０’が設けられている。換言すると、便収容空間１８０と厚さ方向に見て重なるように、便インジケータ１４０とは別の複数の背部便インジケータ１４０’を幅方向に離間させて配置している。便を収容及び保持する便収容空間１８０に便が留まり続けると漏れ出しやすくなるが、そのような便収容空間１８０の幅方向に沿って複数の背部便インジケータ１４０’を配置することで、便収容空間１８０に保持される便をより検知しやすくなる。但し、背部便インジケータ１４０’は複数に限らず、１つであってもよい。また、おむつ１００において、背部便インジケータ１４０’を設けずに、便インジケータ１４０をシート部材１７０のみに設けてもよい。

　背部便インジケータ１４０’又は便インジケータ１４０をシート部材１７０に設けるときには、便収容空間１８０の天面として機能する収容空間内側域１８２の位置に配置することで、装着中に背部便インジケータ１４０’（便インジケータ１４０）がおむつ１００の非肌側から視認可能となる。つまり、装着者の着衣をずらして上から覗き込んだ位置においてインジケータが視認可能となり、交換者は排便の状態を確認しやすくなる。また、装着者が前かがみの姿勢になったときに着衣と肌との間にできやすい隙間からも、背部便インジケータ１４０’（便インジケータ１４０）を視認することができる。そのような位置に背部便インジケータ１４０’（便インジケータ１４０）が設けられることで、交換者は排便の有無に気づき易くなる。

　また、便インジケータ１４０は、厚さ方向に見て、少なくとも一部が便収容空間１８０と重ならない非重複部１４０ｎを有している。そして、幅方向において、背部便インジケータ１４０’のうち最も外側に位置する背部便インジケータ１４０’の外側端１４０’ｅは、便インジケータ１４０の外側端１４０ｅよりも外側に位置している。おむつ１００の幅方向において、便インジケータ１４０よりも更に外側に配置されるように別途背部便インジケータ１４０’を備えることで、幅方向に広い範囲で便を検出しやすくなり、便の検出性が高まる。それにより、背漏れが発生する可能性をより低減できる。

　また、図１７の便収容空間１８０に設けられている背部便インジケータ１４０’の長手方向の長さをＳ１０１とし、長さＳ１０１を長手方向における単位長さＳ１０１とすると、単位長さＳ１０１の領域にある便インジケータ１４０及び背部便インジケータ１４０’の面積の合計は、便インジケータ１４０の非重複部１４０ｎにおける単位長さＳ１０１と同等の長手方向の長さの領域にある便インジケータ１４０の面積の合計よりも大きい。便が溜まりやすい便収容空間１８０における便インジケータ１４０及び背部便インジケータ１４０’の合計面積が大きいことで、便収容空間１８０に到達した便をより検知し易くなり、背漏れの可能性をさらに低減できる。

　また、上述の実施形態においては、セカンドシート１３５を厚さ方向においてトップシート１２２とコアラップシート１２５との間に配置しているが、吸収体１２１と便インジケータ１４０との間に、液体を拡散させる拡散シートとして配置してもよい。そうすることで、便の水分を吸収体１２１の下層で拡散させ、便インジケータ１４０をより広い範囲で反応させることができる。それにより、おむつ１００外面からの視認性を高めることができる。

　また、トップシート１２２は、開口を有していてもよい。開口を有することによって、セカンドシート１３５と便との接地面積を増やし、セカンドシート１３５への便の透過性を向上させることができる。

１　テープ型使い捨ておむつ（吸収性物品）
３　腹側部
５　股下部
７　背側部
１２　中央帯状領域
１４　サイドフラップ
１５　レッグギャザー弾性部材
１６　レッグギャザー
１７　レッグサイドギャザー
１８　レッグサイドギャザー弾性部材
２１　吸収体
２２　トップシート
２３　バックシート
２４　吸収性コア
２５　コアラップシート
２６　肌側シート
２６Ａ　接合部
２７　外装シート
２８　脚周り弾性部材
２９　ターゲットテープ
３０　ファスニングテープ
３５　セカンドシート
４０　便インジケータ
５０　尿インジケータ
６０　重複している部分
１００　テープ型使い捨ておむつ（吸収性物品）
１０３　腹側部、１０３Ｆ　腹側胴回り部、
１０５　股下部、
１０７　背側部、１０７Ｂ　背側胴回り部、
１１２　中央帯状領域、
１１４　サイドフラップ、１１５　レッグギャザー弾性部材、
１１６　レッグギャザー
１１７　肌側シート、１１７ｇ　防漏壁部（立体ギャザー）
１１７ｋ　基端部、１１７ｋＲ　基端部間、
１１７ｋＲＭ　中央領域、１１７ｋＲＳ　側部領域、
１１７ｓ　起立部
１１７ｓｅＬａ，１１７ｓｅＬｂ　端部、
１１７ｓｅｗ　先端部、１１７ｓｈ　伸縮領域、
１１８　防漏壁部弾性部材
１１９ａ，１１９ｂ　固定部
１２１　吸収体、１２１Ａ　低坪量部、
１２１ｂ　領域、１２１ｃ　括れ部、
１２２　トップシート、１２３　バックシート、１２４　吸収性コア、
１２５　コアラップシート、１２７　外装シート、
１２８　脚周り弾性部材、１２９　ターゲットテープ、
１３０　ファスニングテープ
１３５　セカンドシート、
１４０　便インジケータ
１４０’　背部便インジケータ
１５０　尿インジケータ
１６０　クロッチ伸縮部、１６１　クロッチ弾性部材、
１７０　シート部材
１８０　便収容空間
１８４　折込み部、１８５　折曲部、
１８６　両側固定部、１８７　折曲部、
１９１　背側胴回り当接域
１９５　弾性部材
１９６　内面シート
１９７　外面シート
１９８　弾性部材
１９９　不透液性シート
Ｌ１　長さ、Ｌ２　長さ
Ｗ１　長さ、Ｗ２　長さ
Ｓ１　所定の間隔、Ｓ２　所定の間隔
Ｌ３　長手方向の長さ
Ｌ３ｆ　前側における長さ、Ｌ３ｒ　後側における長さ
Ｌ４　長手方向の長さ
Ｌ４ｆ　前側における長さ、Ｌ４ｒ　後側における長さ

Claims

　展開状態において長手方向と幅方向と厚さ方向とを有し、
　液吸収性の吸収体と、
　前記吸収体よりも前記厚さ方向の非肌側に、
　　　便のみに反応する便インジケータと、
　　　尿のみに反応する尿インジケータと
を有する吸収性物品であって、
　前記便インジケータと前記尿インジケータとが、前記幅方向に重複している部分を有する
ことを特徴とする吸収性物品。
　請求項１に記載の吸収性物品であって、
　前記便インジケータの形状と、前記尿インジケータの形状とが異なっている
ことを特徴とする吸収性物品。
　請求項１又は請求項２に記載の吸収性物品であって、
　前記幅方向において、
　前記便インジケータの長さと、前記尿インジケータの長さとが異なっている
ことを特徴とする吸収性物品。
　請求項１から請求項３のいずれか１項に記載の吸収性物品であって、
　前記長手方向において、
　前記便インジケータの長さと、前記尿インジケータの長さとが異なっている
ことを特徴とする吸収性物品。
　請求項１から請求項４のいずれか１項に記載の吸収性物品であって、
　前記便インジケータと前記尿インジケータとは、色が異なっている
ことを特徴とする吸収性物品。
　請求項１から請求項５のいずれか１項に記載の吸収性物品であって、
　前記長手方向において、前記便インジケータと前記尿インジケータとの間に所定の間隔が設けられている
ことを特徴とする吸収性物品。
　請求項１から請求項５のいずれか１項に記載の吸収性物品であって、
　前記便インジケータと前記尿インジケータとは、前記長手方向に間隔を空けずに設けられている
ことを特徴とする吸収性物品。
　請求項１から請求項７のいずれか１項に記載の吸収性物品であって、
　前記便インジケータと前記尿インジケータとは、前記長手方向において、交互に設けられている
ことを特徴とする吸収性物品。
　請求項１から請求項８のいずれか１項に記載の吸収性物品であって、
　前記長手方向において、着用する際に着用者の腹側となる方を前側とし、前記着用者の背側となる方を後側とすると、
　前記便インジケータの前記長手方向の長さは、前記後側における長さが前記前側における長さよりも長く、
　前記尿インジケータの前記長手方向の長さは、前記前側における長さが、前記後側における長さよりも長い
ことを特徴とする吸収性物品。
　請求項１から請求項９のいずれか１項に記載の吸収性物品であって、
　前記便インジケータ及び前記尿インジケータのうちの少なくとも一方が、使用者に排泄物を想起させる所定の図柄である
ことを特徴とする吸収性物品。
　請求項１から請求項１０のいずれか１項に記載の吸収性物品であって、
　前記便インジケータ及び前記尿インジケータは、前記幅方向の中央部に配置されている
ことを特徴とする吸収性物品。
　請求項１から請求項１０のいずれか１項に記載の吸収性物品であって、
　前記便インジケータ及び前記尿インジケータは、前記幅方向の中央部よりも前記幅方向の外側に配置されている
ことを特徴とする吸収性物品。
　請求項１から請求項１２のいずれか１項に記載の吸収性物品であって、
　前記便インジケータ及び前記尿インジケータのうちの一方は、前記長手方向に連続的に設けられ、
　前記便インジケータ及び前記尿インジケータのうちの他方は、前記一方よりも前記厚さ方向の非肌側に設けられ、
　前記便インジケータと前記尿インジケータとが、前記厚さ方向に見て重複する部分を有する
ことを特徴とする吸収性物品。
　請求項１３に記載の吸収性物品であって、
　前記重複する部分において、
　前記一方は、ＣＩＥＬＡＢ表色系のＬ＊値が５０より上であり、前記他方は、ＣＩＥＬＡＢ表色系のＬ＊値が５０より下である
ことを特徴とする吸収性物品。
　請求項１から請求項１４のいずれか１項に記載の吸収性物品であって、
　前記便インジケータは、便と接触することにより所定の呈色反応を示し、
　前記尿インジケータは、尿と接触することにより所定の呈色反応を示し、
　前記便インジケータの呈色反応前の色と、前記尿インジケータの呈色反応前の色とは、オストワルト色相環において色相番号が２つ以上離れており、
　前記便インジケータの呈色反応後の色と、前記尿インジケータの呈色反応後の色とは、オストワルト色相環において色相番号が２つ以上離れている
ことを特徴とする吸収性物品。
　請求項１から請求項１５のいずれか１項に記載の吸収性物品であって、
　前記便インジケータ又は前記尿インジケータが、前記幅方向に複数設けられている
ことを特徴とする吸収性物品。
　展開状態において長手方向と幅方向と厚さ方向とを有し、
　液吸収性の吸収体と、
　前記幅方向の両側部の所定位置に、前記長手方向に沿って設けられる一対の防漏壁部と、
　前記吸収体よりも前記厚さ方向の非肌側に設けられ、便のみに反応する便インジケータと、
を有する吸収性物品であって、
　前記便インジケータは、前記吸収性物品の非肌側から視認可能であり、
　前記一対の防漏壁部は、前記長手方向に伸縮する弾性部材を備え、起立不能な基端部と、前記基端部を支点として前記厚さ方向の肌側に起立可能な起立部とを前記幅方向に並んで有し、
　前記便インジケータは、前記幅方向における一方側の前記基端部と他方側の前記基端部との間の基端部間に配置されている
ことを特徴とする吸収性物品。
　請求項１７に記載の吸収性物品であって、
　前記基端部間は、前記幅方向において、中央領域と、前記中央領域の前記幅方向の両側に設けられた側部領域とを有し、
　前記便インジケータは、前記中央領域に配置される
ことを特徴とする吸収性物品。
　請求項１７に記載の吸収性物品であって、
　前記基端部間は、前記幅方向において、中央領域と、前記中央領域の前記幅方向の両側に設けられた側部領域とを有し、
　前記便インジケータは、前記側部領域に配置される
ことを特徴とする吸収性物品。
　請求項１８又は１９に記載の吸収性物品であって、
　前記便インジケータは、前記中央領域と、前記側部領域とに配置される
ことを特徴とする吸収性物品。
　請求項１７に記載の吸収性物品であって、
　前記便インジケータは、前記吸収体よりも前記幅方向の外側に配置される
ことを特徴とする吸収性物品。
　請求項１７に記載の吸収性物品であって、
　前記吸収体は、前記長手方向の中央部に、前記長手方向と前記幅方向の少なくとも一方向に伸縮する一対のクロッチ伸縮部を有し、
　前記一対のクロッチ伸縮部は、前記幅方向に間隔を空けて設けられており、
　前記幅方向において、前記一対のクロッチ伸縮部の間に前記便インジケータを配置する
ことを特徴とする吸収性物品。
　請求項１７に記載の吸収性物品であって、
　前記吸収体は、前記長手方向の中央部に、前記長手方向と前記幅方向の少なくとも一方向に伸縮する一対のクロッチ伸縮部を有し、
　前記一対のクロッチ伸縮部は、前記幅方向に間隔を空けて設けられており、
　前記幅方向において、前記一対のクロッチ伸縮部の外側に前記便インジケータを配置する
ことを特徴とする吸収性物品。
　請求項１７から請求項２２のいずれか１項に記載の吸収性物品であって、
　前記吸収体は、前記幅方向の中央部に低坪量部を有し、
　前記低坪量部の坪量は、前記低坪量部に前記幅方向の外側から隣接する領域の坪量よりも小さく、
　前記長手方向及び前記幅方向において、前記低坪量部と前記便インジケータとが重複する部分を有する
ことを特徴とする吸収性物品。
　請求項１７から請求項２２のいずれか１項に記載の吸収性物品であって、
　前記吸収体は、前記幅方向の中央部よりも前記幅方向の外側に一対の低坪量部を有し、
　前記一対の低坪量部の坪量は、前記一対の低坪量部それぞれに前記幅方向の外側から隣接する領域の坪量よりも小さく、
　前記幅方向において、前記一対の低坪量部の間に前記便インジケータが配置される
ことを特徴とする吸収性物品。
　請求項１７から請求項２５のいずれか１項に記載の吸収性物品であって、
　前記一対の防漏壁部は、前記弾性部材が前記長手方向の伸縮性を発現する伸縮領域を有し、
　前記長手方向において、着用する際に着用者の腹側となる方を前側とし、前記着用者の背側となる方を後側とすると、
　前記便インジケータの前端は、前記伸縮領域の前端よりも長手方向内側に配置され、前記便インジケータの後端は、前記伸縮領域の後端よりも長手方向内側に配置される
ことを特徴とする吸収性物品。
　請求項１７から請求項２５のいずれか１項に記載の吸収性物品であって、
　前記一対の防漏壁部は、前記弾性部材が前記長手方向の伸縮性を発現する伸縮領域を有し、
　前記長手方向において、着用する際に着用者の腹側となる方を前側とし、前記着用者の背側となる方を後側とすると、
　前記便インジケータの前端は、前記伸縮領域の前端よりも前側に位置している
ことを特徴とする吸収性物品。
　請求項１７から請求項２５のいずれか１項に記載の吸収性物品であって、
　　前記一対の防漏壁部は、前記弾性部材が前記長手方向の伸縮性を発現する伸縮領域を有し、
　前記長手方向において、着用する際に着用者の腹側となる方を前側とし、前記着用者の背側となる方を後側とすると、
　前記便インジケータの後端は、前記伸縮領域の後端よりも後側に位置している
ことを特徴とする吸収性物品。
　請求項１７から請求項２８のいずれか１項に記載の吸収性物品であって、
　着用する際に着用者の腹側の胴回りに位置する腹側胴回り部と、着用する際に前記着用者の背側の胴回りに位置する背側胴回り部とを有し、
　前記背側胴回り部には、便を保持する便収容空間が設けられており、
　前記便インジケータと前記便収容空間とが、前記厚さ方向に見て重なる部分を有している
ことを特徴とする吸収性物品。
　請求項１７から請求項２８のいずれか１項に記載の吸収性物品であって、
　着用する際に着用者の腹側の胴回りに位置する腹側胴回り部と、着用する際に前記着用者の背側の胴回りに位置する背側胴回り部とを有し、
　前記背側胴回り部には、便を保持する便収容空間が設けられており、
　前記便インジケータは、前記厚さ方向に見て、少なくとも一部が前記便収容空間と重ならない非重複部を有し、
　前記便収容空間と前記厚さ方向に見て重なるように配置された、前記便インジケータとは別の背部便インジケータを少なくとも一つ以上備え、
　前記幅方向において、前記背部便インジケータのうち最も外側に位置する前記背部便インジケータの外側端は、前記便インジケータの外側端よりも外側に位置する
ことを特徴とする吸収性物品。
　請求項３０に記載の吸収性物品であって、
　前記便収容空間に設けられている、前記便インジケータ及び前記背部便インジケータの前記長手方向の単位長さ当たりの面積の合計は、前記便インジケータの前記非重複部の前記長手方向の単位長さ当たりの面積の合計よりも大きい
ことを特徴とする吸収性物品。
　請求項１７から請求項２８のいずれか１項に記載の吸収性物品であって、
　着用する際に着用者の腹側の胴回りに位置する腹側胴回り部と、着用する際に前記着用者の背側の胴回りに位置する背側胴回り部とを有し、
　前記幅方向の中央部において、前記背側胴回り部の一部を前記厚さ方向の肌側から覆うシート部材を用いて構成された、便を保持する便収容空間を有し、
　前記シート部材には、前記便インジケータが設けられており、
　前記シート部材に設けられている前記便インジケータは、前記吸収性物品の非肌側から視認可能である
ことを特徴とする吸収性物品。