WO2021070321A1

WO2021070321A1 - エレベーターシステム及びエレベーター制御装置

Info

Publication number: WO2021070321A1
Application number: PCT/JP2019/040003
Authority: WO
Inventors: 勇来齊藤; 孝道星野; 洋平松本; 利治松熊
Original assignee: 株式会社日立製作所
Priority date: 2019-10-10
Filing date: 2019-10-10
Publication date: 2021-04-15

Abstract

本発明は、制御装置と乗りかご間の通信の安定化を図り、乗りかご内の表示やボタンの動作状態を向上させることを目的とする。そのために本発明は、昇降路２内に備えられた複数の乗りかご１と、複数の乗りかご１を運行制御する群管理コントローラ５と、昇降路２内に備えられた昇降路側無線アンテナ７（第１アンテナ）と、複数の乗りかご１のそれぞれに備えられた複数の乗りかご側無線アンテナ８（第２アンテナ）とを備える。群管理コントローラ５は、所定の階床から乗り場呼びを受けた際、昇降路側無線アンテナ７（第１アンテナ）と複数の乗りかご側無線アンテナ８（第２アンテナ）間の電波強度を参照し、複数の乗りかご１の中から乗り場呼びに割当てる乗りかご１を決定する。

Description

エレベーターシステム及びエレベーター制御装置

　本発明は、エレベーターシステム及びエレベーター制御装置に関する。

　エレベーターにおいては、エレベーターを制御する複数のコントローラが備えられており、これら複数のコントローラが様々な装置や他のコントローラと通信を行うことにより、各種制御を実現している。

　近年では、通信の無線化にも着目されており、無線通信の信頼性を向上させるための技術が提案されている。例えば、特許文献１には、昇降路内と乗りかごのそれぞれにアンテナを設置し、昇降路内に設置したアンテナの電波強度が低下した際、乗りかごに設置したアンテナに切り替えて、昇降路内に設置したアンテナの異常を監視センタに送信するようにしている。さらに特許文献１では、乗りかごに設置したアンテナから監視センタに送信する際、電波強度が最大となる階床を判別し、電波強度最大階床を停止階として乗りかごを移動させてから監視センタに送信するようにしている。

特開２０１６－４４００１号公報

　複数台の乗りかごを運行制御するエレベーターの群管理制御においては、乗り場呼びが登録されると、呼出階に向かう乗りかごが割当てられ、割り当てられた乗りかごに群管理を行う制御装置から信号が送信される。通信を無線化したエレベーターにおいては、群管理を行う制御装置と接続されたアンテナは昇降路内に設置され、乗りかごに設置されたアンテナと通信を行う。

　特許文献１に記載の技術では、複数台の乗りかごの中から、特定の乗りかごを割当てるにあたり、昇降路に設置されたアンテナと、乗りかごに設置されたアンテナとの間の電波強度については考慮されていなかった。

　このため、特許文献１に記載の技術においては、制御装置と乗りかご間の通信が不安定となり、乗りかごに乗車中の利用者に対して、広告、現在位置（階）等について正しい表示がされず、また、乗りかご内の開閉ボタンが動作不能となる可能性があった。

　本発明の目的は、制御装置と乗りかご間の通信の安定化を図り、乗りかご内の表示やボタンの動作状態を向上させることのできるエレベーターシステム及びエレベーター制御装置を提供することにある。

　上記目的を達成するために本発明は、昇降路内に備えられた複数の乗りかごと、前記複数の乗りかごを運行制御する群管理コントローラと、前記昇降路内に備えられた第１アンテナと、前記複数の乗りかごのそれぞれに備えられた複数の第２アンテナと、を備えたエレベーターシステムであって、前記群管理コントローラは、所定の階床から乗り場呼びを受けた際、前記第１アンテナと前記複数の第２アンテナ間の電波強度を参照し、前記複数の乗りかごの中から乗り場呼びに割当てる乗りかごを決定することを特徴とする。

　また、本発明は　昇降路内に備えられた複数の乗りかごの運行制御する群管理コントローラと、前記昇降路内に備えられた第１アンテナと前記複数の乗りかごのそれぞれに備えられた複数の第２アンテナとの通信を制御する無線通信コントローラと、を備えたエレベーター制御装置であって、前記群管理コントローラは、所定の階床から乗り場呼びを受けた際、前記第１アンテナと前記複数の第２アンテナ間の電波強度を参照し、前記複数の乗りかごの中から乗り場呼びに割当てる乗りかごを決定することを特徴とする。

　本発明によれば、制御装置と乗りかご間の通信の安定化を図り、乗りかご内の表示やボタンの動作状態を向上させることのできるエレベーターシステム及びエレベーター制御装置を提供することができる。

本発明の実施例に係るエレベーターシステムの全体構成図である。本発明の実施例に係る制御装置の構成図である。本発明の実施例に係る電波強度テーブル２０５の一例を示す図である。本発明の実施例に係る制御装置の処理内容を示すフローチャートである。

　以下、本発明の実施例について添付の図面を参照しつつ説明する。同様の構成要素には同様の符号を付し、同様の説明は繰り返さない。

　本発明の各種の構成要素は必ずしも個々に独立した存在である必要はなく、一の構成要素が複数の部材から成ること、複数の構成要素が一の部材から成ること、或る構成要素が別の構成要素の一部であること、或る構成要素の一部と他の構成要素の一部とが重複すること、などを許容する。

　図１は、本発明の実施例に係るエレベーターシステムの全体構成図である。図１において、エレベーターシステム１００は、昇降路２内に設置された１号機用と２号機用の複数の乗りかご１（１号機乗りかご１ａ，２号機乗りかご１ｂ）と、各階に設置された行先階登録装置４と、複数の乗りかご１を制御する制御装置１１とから構成されている。

　制御装置１１には、複数の乗りかご１の号機毎に設置された号機コントローラ３と、複数の乗りかご１から運行させる乗りかご１の割り当てを行う群管理コントローラ５と、制御装置１１と複数の乗りかご１との間で無線通信を行うための無線通信コントローラ６が備えられている。

　複数の乗りかご１（１号機乗りかご１ａ，２号機乗りかご１ｂ）は、図示しないロープ及び巻上機によって昇降路２内を昇降動作する。それぞれの運転は、号機毎に設置された号機コントローラ３によって制御されている。

　各階床ＦＬには、行先階登録装置４が備えられており、利用者は、行先階登録装置４で行きたい階（行先階とよぶ）を登録することができる。

　群管理コントローラ５は、複数の乗りかご１（１号機乗りかご１ａ，２号機乗りかご１ｂ）の運行制御を行う。群管理コントローラ５は、行先階登録装置４で行先階が登録されたことを、その階の乗り場呼びとして検知し、１号機乗りかご１ａと２号機乗りかご１ｂの何れかをその乗り場呼びに割当てる。本実施例では２台の乗りかごの例で説明するが、乗りかごは３台以上設置しても構わない。

　また、号機コントローラ３は、それぞれの号機（１号機乗りかご１ａ，２号機乗りかご１ｂ）において、現在の乗りかご１の階床位置等の表示内容を、無線通信コントローラ６に送信する。

　無線通信コントローラ６は、昇降路２内に備えられた昇降路側無線アンテナ７（第１アンテナ）と複数の乗りかごのそれぞれに備えられた複数の乗りかご側無線アンテナ８（第２アンテナ）との通信を制御する。無線通信コントローラ６では、号機コントローラ３から送信された表示内容を、昇降路側無線アンテナ７（第１アンテナ）、乗りかご側無線アンテナ８（第２アンテナ）を介して各号機の乗りかご１に伝達している。

　乗りかご１の内部には、表示装置９が設置されており、表示装置９には、広告、現在位置（階）等の内容が表示される。また、乗りかご１には、開閉ボタン１０が設置されており、このボタン入力は、乗りかご側無線アンテナ８から昇降路側無線アンテナ７へ送信され、無線通信コントローラ６を介して、号機コントローラ３に伝達される。号機コントローラ３は、ボタン入力に応じ、無線通信コントローラ６を介して、昇降路側無線アンテナ７から乗りかご側無線アンテナ８へドア開閉信号を送信し、乗りかご１のドアを開閉する。

　昇降路側無線アンテナ７は、昇降路２の上部に１つ設置されており、１号機乗りかご１ａと２号機乗りかご１ｂで共用している。本実施例では、昇降路側無線アンテナ７は昇降路２内に少なくとも１本備えられているが、複数本備えるようにしても良い。また、乗りかご側無線アンテナ８は、複数の乗りかご１のそれぞれに備えられている。すなわち、乗りかご側無線アンテナ８は、複数備えられている。本実施例では各号機（１号機乗りかご１ａ，２号機乗りかご１ｂ）のそれぞれの上部に１つずつ設置されている。昇降路側無線アンテナ７と乗りかご側無線アンテナ８間は相互に無線通信している。

　ノイズによってアンテナ間の通信できなくなると、乗りかご１では表示装置９の誤表示や、開閉ボタン１０の不能が発生するおそれがある。このため、本実施例では、アンテナ間の通信経路は複数の周波数帯とチャネルを用いて１０通り用意している。通信できない経路が生じた場合でも、１通りの経路は通信できるので、アンテナ間での信号の送受が可能である。

　無線通信コントローラ６は、号機毎に通信できる経路の数を常時測定しており、それを電波強度と呼ぶこととする。電波強度は、０から１０までの整数をとる。

　なお、ノイズは昇降路２の内部形状や、各号機の乗りかご1の位置によって発生個所が決まっているため、あるエレベーターにおいて、各号機の電波強度は、昇降路２の内部形状が変わらない限り、各号機の乗りかご１の位置によって定まる。

　本実施例は、所定の階床から乗り場呼びを受けた際、昇降路側無線アンテナ７（第１アンテナ）と複数の乗りかご側無線アンテナ８（第２アンテナ）間の電波強度を参照し、複数の乗りかご１の中から乗り場呼びに割当てる乗りかごを決定することを特徴とするものである。以下、具体的な構成について説明する。

　次に制御装置１１の構成について説明する。図２は、本発明の実施例に係る制御装置の構成図である。

　無線通信コントローラ６は、通信制御部２０１と電波強度測定部２０２を有している。通信制御部２０１は、各号機の号機コントローラ３から受信した信号を、昇降路側無線アンテナ７から各号機の乗りかご側無線アンテナ８へ送信する。また、通信制御部２０１は、昇降路側無線アンテナ７が乗りかご側無線アンテナ８から受信した信号を、対象号機の号機コントローラ３へ送信する。電波強度測定部２０２は、号機毎の電波強度を測定する。

　電波強度測定部２０２は、測定した電波強度を群管理コントローラ５の電波強度学習部２０３に送信する。また、号機状態検出部２０４は、号機コントローラ３から各号機の乗りかご１の階床位置を受信し、その情報を電波強度学習部２０３に送信する。電波強度学習部２０３は、各号機について、乗りかご１の位置関係毎に、電波強度を電波強度テーブル２０５に格納する。

　各号機の電波強度について、図３を用いて説明する。図３は、本発明の実施例に係る電波強度テーブル２０５の一例を示す図である。

　図３において、縦軸には自号機位置を示し、横軸には隣号機位置を示している。群管理コントローラ５の電波強度テーブル２０５には、複数の乗りかご１毎に電波強度が格納されている。例えば、１号機乗りかご１ａが１階、２号機乗りかご１ｂが２階にある場合、電波強度学習部２０３は、「１号機が１階かつ２号機が２階」のときの１号機電波強度、２号機電波強度をそれぞれ電波強度テーブル２０５に格納する。図３の場合、１号機電波強度は“５”、２号機電波強度は“７”となり、この電波強度を電波強度テーブル２０５に格納する。なお、ある階床位置における電波強度が未測定である場合、電波強度テーブル２０５の当該箇所には、予め定めておいた初期値（例えば５）が格納されている。

　上記のように、群管理コントローラ５の電波強度テーブル２０５に格納された電波強度は、自号機乗りかごが位置する階床と、自号機乗りかごと隣り合う隣号機乗りかごが位置する階床との位置関係において複数定められている。

　群管理コントローラ５の乗り場呼び検出部２０６は、行先階登録装置４の入力から、乗り場呼び階と行先階を検知する。乗り場呼び検出部２０６がこれらを検知すると、予測応答時間計算部２０７と平均電波強度計算部２０８がそれぞれ計算を実行する。

　予測応答時間計算部２０７は、号機状態検出部２０４が号機コントローラ３から受信した各号機の乗りかご１の階床位置と状態（停車中か、走行中か、走行中の場合はその行先階）を用いて、それぞれの号機について、乗り場呼びのある階に到着するまでの予測時間、すなわち予測応答時間を計算する。予測応答時間は、エレベーターの定格速度や、階床間の距離から定まる各階床間の走行時間と、停車時間によって計算され、これらの値は予め運転時間テーブル２０９に格納されているものを用いる。例えば、４階の乗り場呼びを検知した場合に、１階を目的階として２階を走行中の号機の予測応答時間は、「２階から１階までの走行時間」と「停車時間」と「１階から４階までの走行時間」の総和となる。

　上記のように群管理コントローラ５は、行先階登録装置４から乗り場呼びを受けた際、複数の乗りかご１についてそれぞれ、待機階から乗り場呼び階までの走行時間、乗り場呼び階での停車時間、及び乗り場呼び階から行先階までの走行時間を合算して予測応答時間を算出する。本実施例では、予測応答時間を用いて割当てる乗りかごを決定しているので、待機階から乗り場呼び階、乗り場呼び階から行先階までの時間を短縮することができる。

　平均電波強度計算部２０８は、号機状態検出部２０４が号機コントローラ３から受信した各号機の乗りかご１の階床位置と状態を用いて、それぞれの号機について、乗り場呼びのある階から登録された行先階までの平均電波強度を計算する。平均電波強度は、電波強度テーブル２０５に格納されている電波強度（図３）のうち、乗り場呼び階から目的階までの平均をとることで計算される。例えば、４階で２階を行先階とする乗り場呼びが登録され、１号機が１階、２号機が２階にいる場合、１号機の平均電波強度は、（１）「１号機が４階かつ２号機が２階」のときの電波強度“１０”、（２）「１号機が３階かつ２号機が２階」のときの電波強度“８”、（３）「１号機が２階かつ２号機が２階」のとき電波強度“６”の平均となる。

　１号機の平均電波強度は次式で計算される。
〔式１〕（１０＋８＋６）／３＝８
上記〔式１〕から、１号機の平均電波強度“８”が算出される。平均電波強度を算出するにあたっては、待機階から乗り場呼び階までの電波強度は含めない。

　同様に、４階で２階を行先階とする乗り場呼びが登録されたとき、１号機が１階にいる場合、２号機の平均電波強度は、（１）「２号機が４階かつ１号機が１階」のとき電波強度“７”、（２）「２号機が３階かつ１号機が１階」のとき電波強度“７”、（３）「２号機が２階かつ１号機が１階」のときの電波強度“７”の平均となる。

　２号機の平均電波強度は次式で計算される。
〔式２〕（７＋７＋７）／３＝７
上記〔式２〕から、２号機の平均電波強度 “７”が算出される。

　上記〔式１〕〔式２〕に示すように、平均電波強度は乗り場呼び階から行先階までの電波強度の平均となる。

　上記のように群管理コントローラ５は、行先階登録装置４から乗り場呼びを受けた際、複数の乗りかご１についてそれぞれ、乗り場呼び階から行先階までにおける各階床の電波強度を合算する共に、合算した電波強度を、乗り場呼び階を含む乗り場呼び階から行先階までに移動する階床の数で除した平均電波強度を算出する。本実施例では、平均電波強度を参照して割当てる乗りかごを決定しているので、昇降路側無線アンテナ７と乗りかご側無線アンテナ８との通信の安定化を図ることができる。また、本実施例では、電波強度を予め電波強度テーブル２０５に格納しているので、平均電波強度を算出し易くなる。

　割当て号機判定部２１０は、予測応答時間計算部２０７が計算した各号機の予測応答時間と、平均電波強度計算部２０８が計算した各号機の平均電波強度に基づき、後述の方法によって乗り場呼びに割当てる号機（乗りかご）を決定する。割当て号機判定部２１０は、割当てた号機の号機コントローラ３に応答指令と、その後の行先階を伝送する。その他、割当てていない号機の号機コントローラ３にも後述の移動指令を与える場合がある。

　次に制御装置の処理内容について、図４を用いて説明する。図４は、本発明の実施例に係る制御装置の処理内容を示すフローチャートである。本フローは周期的に実行される。以降、本発明の実施例をステップごとに説明する。

　ステップＳ４０１：乗り場呼び検出部２０６は、乗り場呼びがあるか否かを判定する。乗り場呼びがある場合、ステップＳ４０２に移り、そうでない場合、本フローを終了する。

　ステップＳ４０２：予測応答時間計算部２０７が、各号機の予測応答時間を計算する。その後、ステップＳ４０３に移る。

　ステップＳ４０３：平均電波強度計算部２０８が、各号機の平均電波強度を計算する。その後、ステップＳ４０４に移る。

　ステップＳ４０４：割当て号機判定部２１０が、各号機の予測応答時間と平均電波強度を用いて、割当て号機を決定する。具体的には、予測応答時間をＴ、平均電波強度をＩとしたときに、Ｃ＝Ａ×Ｔ－Ｂ×Ｉで定義されるコストＣを用いる（Ａ、Ｂは予め定めておく正の数である）。定義から明らかなとおり、コストＣは負の値も獲り得る実数である。１号機のコストＣ１と２号機のコストＣ２を比較し、より小さい方を割当て号機とする。すなわち、予測応答時間Ｔがより短く、平均電波強度Ｉがより大きい号機が割当て号機として選ばれるという性質を持ち、Ａ、Ｂはこれら２つのパラメータの重みづけ係数である。コストが最小である号機が複数存在する場合（本実施例の場合、Ｃ１とＣ２が同じ値となる場合）は、号機番号の小さい号機（本実施例の場合、１号機乗りかご１ａ）を割当て号機とする。割当て号機の決定後、割当て号機判定部２１０は、割当て号機の号機コントローラ３に応答指令と、行先階を与える。その後、ステップＳ４０５に移る。

　ステップＳ４０５：号機状態検出部２０４が、割当て号機以外に待機中の号機（乗りかご）が有るか否かを判定する。割当て号機以外に待機中の号機が有る場合、ステップＳ４０６に移り、割当て号機以外に待機中の号機がない場合、本フローを終了する。

　ステップＳ４０６：平均電波強度計算部２０８が、待機中の号機を他の階に移動させた場合の、割当て号機の平均電波強度を計算する。待機中の各号機を他の各階に移動させる全てのパターンにおける平均電波強度を計算する。その後、ステップＳ４０７に移る。

　ステップＳ４０７：割当て号機判定部２１０が、ステップＳ４０６で計算した平均電波強度が最小となるパターンを選び出し、そのときの平均電波強度が現状の平均電波強度よりも大きいか判定する。大きい場合、ステップＳ４０８に移り、そうでない場合、本フローを終了する。

　ステップＳ４０８：割当て号機判定部２１０が、待機中の号機の号機コントローラ３に対し、ステップＳ４０７にて選び出された平均電波強度が最小となるパターンに沿った階床へ移動するよう移動指令を与える。その後、本フローを終了する。

　以上のとおり、制御装置１１内の群管理コントローラ５は、乗り場呼びのある階から行先階までの間の電波強度を考慮して、割当てる号機乗りかごを決定することができる。その結果、本実施例によれば、利用者が乗りかご１に乗車している間に、通信ができなくなることによる表示装置９の誤表示や、開閉ボタン１０の不能が発生するリスクを極力抑えることができる。

　なお、上記した実施形態は本発明を分かりやすく説明するために用いたものであり、本発明は必ず説明した全ての構成を備えるものに限定されるものでない。例えば、乗り場には、行先階登録装置４ではなく、行きたい方向だけを登録するホール呼び装置が備えられており、平均電波強度は、乗り場呼びのある階から登録された方向にある一部もしくはすべての階の平均としてもよい。この際、一例として、群管理コントローラ５は、ホール呼び装置から乗り場呼びを受けた際、複数の乗りかごについてそれぞれ、乗り場呼び階から全ての上位階、若しくは全ての下位階までにおける各階床の電波強度を合算する共に、合算した電波強度を、乗り場呼び階を含む乗り場呼び階から全ての上位階、若しくは全ての下位階までの階床の数で除した平均電波強度を算出し、算出したそれぞれの平均電波強度を比較して複数の乗りかご１から乗り場呼びに割当てる乗りかごを決定する。

　また、電波強度は複数の乗りかごの全ての号機でなく、本実施例で説明したように、ある一部の号機（例えば、隣り合った号機）の乗りかご１の位置関係によって決定してもよい。

　１…乗りかご、２…昇降路、３…号機コントローラ、４…行先階登録装置、５…群管理コントローラ、６…無線通信コントローラ、７…昇降路側無線アンテナ、８…乗りかご側無線アンテナ、９…表示装置、１０…開閉ボタン、１０…アンテナ間の通信経路は複数の周波数帯とチャネルを用いて、１０…から、１１…次に制御装置、１１…制御装置、１００…エレベーターシステム、２０１…通信制御部、２０２…電波強度測定部、２０３…電波強度学習部、２０４…号機状態検出部、２０５…電波強度テーブル、２０６…乗り場呼び検出部、２０７…予測応答時間計算部、２０８…平均電波強度計算部、２０９…運転時間テーブル、２１０…割当て号機判定部

Claims

　昇降路内に備えられた複数の乗りかごと、前記複数の乗りかごを運行制御する群管理コントローラと、前記昇降路内に備えられた第１アンテナと、前記複数の乗りかごのそれぞれに備えられた複数の第２アンテナと、を備えたエレベーターシステムであって、
　前記群管理コントローラは、所定の階床から乗り場呼びを受けた際、前記第１アンテナと前記複数の第２アンテナ間の電波強度を参照し、前記複数の乗りかごの中から乗り場呼びに割当てる乗りかごを決定することを特徴とするエレベーターシステム。
　請求項１において、
　前記群管理コントローラには、前記複数の乗りかご毎に電波強度が格納されていることを特徴とするエレベーターシステム。
　請求項２において、
　前記群管理コントローラに格納された電波強度は、自号機乗りかごが位置する階床と、前記自号機乗りかごと隣り合う隣号機乗りかごが位置する階床との位置関係において複数定められていることを特徴とするエレベーターシステム。
　請求項１乃至３の何れか１項において、
　前記複数の乗りかごが到着する階床には、行先階を登録する行先階登録装置を備えたことを特徴とするエレベーターシステム。
　請求項４において、
　前記群管理コントローラは、前記行先階登録装置から乗り場呼びを受けた際、前記複数の乗りかごについてそれぞれ、前記乗り場呼び階から前記行先階までにおける各階床の電波強度を合算する共に、合算した電波強度を、前記乗り場呼び階を含む前記乗り場呼び階から前記行先階までに移動する階床の数で除した平均電波強度を算出し、算出したそれぞれの平均電波強度を比較して前記複数の乗りかごから乗り場呼びに割当てる乗りかごを決定することを特徴とするエレベーターシステム。
　請求項５において、
　前記群管理コントローラは、前記行先階登録装置から乗り場呼びを受けた際、前記複数の乗りかごについてそれぞれ、待機階から乗り場呼び階までの走行時間、前記乗り場呼び階での停車時間、及び前記乗り場呼び階から行先階までの走行時間を合算して予測応答時間を算出し、算出したそれぞれの予測応答時間及び平均電波強度を比較して前記複数の乗りかごから乗り場呼びに割当てる乗りかごを決定することを特徴とするエレベーターシステム。
　請求項６において、
　前記群管理コントローラは、乗り場呼びに応じる乗りかごを選択後、待機中の乗りかごが有る場合、前記待機中の乗りかごを移動させた際における選択された乗りかごの平均電波強度を算出し、算出された平均電波強度が向上する場合には、前記待機中の乗りかごを選択された乗りかごの平均電波強度が向上する階床へ移動させることを特徴とするエレベーターシステム。
　請求項１乃至３の何れか１項において、
　前記複数の乗りかごが到着する階床には、行先階の方向を登録するホール呼び装置を備えたことを特徴とするエレベーターシステム。
　請求項８において、
　前記群管理コントローラは、前記ホール呼び装置から乗り場呼びを受けた際、前記複数の乗りかごについてそれぞれ、前記乗り場呼び階から全ての上位階、若しくは全ての下位階までにおける各階床の電波強度を合算する共に、合算した電波強度を、前記乗り場呼び階を含む前記乗り場呼び階から全ての上位階、若しくは全ての下位階までの階床の数で除した平均電波強度を算出し、算出したそれぞれの平均電波強度を比較して前記複数の乗りかごから乗り場呼びに割当てる乗りかごを決定することを特徴とするエレベーターシステム。
　昇降路内に備えられた複数の乗りかごの運行制御する群管理コントローラと、前記昇降路内に備えられた第１アンテナと前記複数の乗りかごのそれぞれに備えられた複数の第２アンテナとの通信を制御する無線通信コントローラと、を備えたエレベーター制御装置であって、
　前記群管理コントローラは、所定の階床から乗り場呼びを受けた際、前記第１アンテナと前記複数の第２アンテナ間の電波強度を参照し、前記複数の乗りかごの中から乗り場呼びに割当てる乗りかごを決定することを特徴とするエレベーター制御装置。