WO2021020508A1 - 替刃ケース - Google Patents

Abstract

替刃を収容する替刃ケースにクリップを設ける。クリップは、替刃ケースの表面との間に対象物（腰袋の壁面やポケット、あるいはズボンのベルト等）を挟み込むことで、替刃ケースを対象物に引っ掛けて固定する。このような構成により、袋に入れる等して携行した場合であっても、紛失することや探すのに手間取ることのない替刃ケースを提供することができる。

Description

替刃ケース

　本発明は、複数の替刃を収容する替刃ケースに関する。

　古くなった刃を新しい刃に交換して使用できるナイフ類が従来から知られており、大工等の職人や、家庭の日曜大工においても、そのようなナイフ類が使用される。交換用の替刃は、複数纏めて替刃ケースに収容されることが一般的である。

　例えば、大工等の職人は、刃を交換して使用するタイプのナイフを携帯して作業を行う場合、複数の替刃を収容する替刃ケースも一緒に携行して作業を行うことがある。その場合、替刃ケースは、他の工具類と一緒に、比較的大きなサイズの腰袋（工具入れ用の袋）等に入れられる。そうすると、歩いたり作業をしている間に、替刃ケースが腰袋の奥の方に入り込んで、必要な時に見つけ出すのに手間取ることがある。

　釣りに使用する「釣餌を収容するエサ袋」等にクリップが付いているものは従来から存在する。しかし、「替刃ケース」に「クリップ」を設けた従来技術を、本件出願人は知らない。

　本発明は上記従来技術の課題に鑑みて創案されたものであって、その目的は、袋に入れる等して携行した場合であっても、紛失することや探すのに手間取ることのない替刃ケースを提供することにある。

　本発明の一の態様の替刃ケースは、替刃を収容する替刃ケースであって、替刃ケースの表面との間に対象物を挟み込むことで、替刃ケースを対象物に引っ掛けて固定するクリップを備えるものである。

　また、替刃ケースは、替刃を収容するケース本体と、キャップと、を備え、キャップは、平坦な天面と、一定の第１幅寸法と、一定の奥行き寸法と、を有し、ケース本体は、平坦な底面と、キャップの第１幅寸法よりも小さい第２幅寸法と、キャップの奥行き寸法と同じ一定の奥行き寸法と、を有しており、ケース本体とキャップを組み合わせた状態において、クリップを含めた替刃ケース全体が、天面、底面、第１幅寸法、奥行き寸法で特定される仮想六面体の内方に実質的に収まっているようにしてもよい。

　また、ケース本体にクリップが設けられているようにしてもよい。

　本発明によれば、袋に入れる等して携行した場合であっても、紛失することや探すのに手間取ることのない替刃ケースを提供することができる。

本発明の一実施形態に係る替刃ケースを示す斜視図（キャップ組み付け状態） 本発明の一実施形態に係る替刃ケースを示す斜視図（キャップ分離状態） 図１に示した替刃ケースの六面図（背面図は省略） 図１に示した替刃ケースの全体形状を説明する説明図１ 図１に示した替刃ケースの全体形状を説明する説明図２

　本発明の第１態様にかかる替刃ケースは、替刃を収容する替刃ケースであって、当該替刃ケースの表面との間に対象物（例えば、ベルト、ポケットの壁面、腰袋の周壁、その他）を挟み込むことで、当該替刃ケースを当該対象物に引っ掛けて固定するクリップを備える。

　このような構成を備えた替刃ケースであれば、例えば腰袋の周壁にクリップを引っ掛けておくことで、替刃ケースは常に所定の位置に存在し、歩いたり作業したりするうちに替刃ケースが腰袋の奥に入り込む、ということがなくなる。つまり、替刃ケースの紛失あるいは、探すのに手間取るといったことを防ぐことができる。

　本発明の第２態様にかかる替刃ケースは、替刃を収容するケース本体と、キャップとを備えていて、以下のように構成されていてもよい。

　キャップは、「平坦な天面」と「一定の第１幅寸法」と「一定の奥行き寸法」とを有する。一方、ケース本体は、「平坦な底面」と「キャップの第１幅寸法よりも小さい第２幅寸法」と「キャップの奥行き寸法と同じ一定の奥行き寸法」と、を有する。

　ケース本体とキャップを組み合わせた状態において、クリップを含めた替刃ケース全体が、「天面」、「底面」、「第１幅寸法」、「奥行き寸法」で特定される仮想六面体の内方に実質的に収まっている。

　このように構成された替刃ケースは、ケースの外形が六面体（上記仮想六面体）に近いものとなる。そのため、個別にパッケージに収容しなくても、店頭での陳列を整然と綺麗に行うことができたり、多数を段ボール詰める場合であっても効率的にスッキリと梱包できる、等の効果が得られる。

　本発明の第３態様にかかる替刃ケースは、替刃を収容するケース本体と、キャップとを備えていて、キャップではなく、ケース本体にクリップが設けられているようにしてもよい。

　このように構成された替刃ケースによれば、携行時において、替刃を収容したケース本体がクリップから脱落して紛失したり、ケースが不用意に開いて替刃が散乱する等の不都合を未然に防止することができる。

（実施の形態）
　以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、この実施の形態によって本発明が限定されるものではない。

　本発明の実施の形態を、添付の図面を参照して以下に詳細に説明する。図１Ａおよび図１Ｂは、本発明の一実施形態に係る替刃ケース１０を示す斜視図である。替刃ケース１０は、複数の替刃（図示せず）を収容するケース本体１１と、本体１１の上部開口を閉鎖するキャップ１２とを備える。キャップ１２は回動式の係止部１３を備えていて、これを本体１１側に設けた係止突起１４と係合させることで、ケース本体１１とキャップ１２を連結固定することができる（図２参照）。なお、図１Ａは、ケース本体１１の上部開口を閉鎖するように、キャップ１２がケース本体１１に組み合わされた状態を示す。図１Ｂは、ケース本体１１とキャップ１２とが分離された状態を示す。

　ケース本体１１は、クリップ２０を一体的に備えている。大工職人が作業時に携行する腰袋の壁部、ズボンや衣類のポケット、あるいはベルト等の対象物にクリップ２０を引っ掛けることで、替刃ケース１０を所定位置に固定することができる。

　クリップ２０は、自身と替刃ケースの表面との間に上記対象物を挟み込むことで、替刃ケース１０を固定する。したがって、替刃ケース１０は、これを携行する職人等が歩いたり作業したりする間においても、常に所定の位置に存在し、紛失したり、腰袋等の奥に入り込んで探すのに手間取る、といったことを防ぐことができる。

　替刃ケース１０はクリップ２０を備えることで上記効果を奏し、その場合に、ケース全体の具体的な形状は、特定のものには限定されない。しかし、クリップを含めたケース全体の形状を、以下に説明するような仮想六面体内に収まるように構成することにより、さらに優れた効果が得られる。

＜陳列や収納等に優れた形状＞
　図２は、図１Ａに示した替刃ケース１０の六面図であり、替刃ケース１０の正面図、平面図、底面図、左側面図および右側面図をまとめて示している（ただし、背面図は、正面図と左右対称につき省略している）。図から分かるように、替刃ケース１０は、クリップ２０を含めた全体形状が、ほぼ六面体形状であると言える。

　具体的には、
（Ａ）キャップ１２は、「平坦な天面Ｕ」と、「一定の第１幅寸法Ｗ１」と、「一定の奥行き寸法Ｎ」と、を有している。
（Ｂ）ケース本体１１は、「平坦な底面Ｌ」と、「キャップ１２の第１幅寸法Ｗ１よりも小さい第２幅寸法Ｗ２」と、「キャップ１２の奥行き寸法Ｎと同じ一定の奥行き寸法Ｎ」と、を有している。
　ここで、「一定の・・・幅寸法」あるいは「一定の奥行き寸法」という場合、図２から分かるように、キャップ１２、ケース本体１１は、ぞれぞれの表面に細かな凹凸等が存在しており、厳密な意味では「一定」ではないが、実質的には「一定」と呼べる。

　ケース本体１１およびキャップ１２が、それぞれ上記寸法を有するが故に、両者を組み合わせた状態においては、「クリップ２０を含めた替刃ケース１０全体」が、天面Ｕ、底面Ｌ、第１幅寸法Ｗ１、奥行き寸法Ｎで特定される仮想の六面体Ｈの内方に収まっている。図３は、これを概略的に示している。また、図４は、これを正面側から見た図であって、大略的に言うと、「キャップ１２の全幅Ｗ１」と「ケース本体１１の全幅Ｗ２」とに差を設けて、この差によって生まれる空間内に、クリップ２０を設けたと言うことができる。

　なお、図２の正面図からも分かるように、クリップ２０の先端部分が極僅かに、第１幅寸法Ｗ１からはみ出しているが、この程度であれば「実質的に収まっている」と言える。

　また、図２に示すように、クリップ２０がケース本体１１の側面に設けられており、ケース本体１１にキャップ１２が組み付けられた状態にて、キャップ１２の側面とクリップ２０の表面とが連続した面となっている。この連続した面が替刃ケース１０の１つの側面を構成している。

　替刃ケース１０の全体が、以上のように仮想六面体Ｈに収まる形状であることによって、次のようなメリットが得られる。

　１つ１つの替刃ケース１０を個別に包装（パッケージに収容）しなくても、店頭で複数の替刃ケース１０を、整然と綺麗に陳列することができる。また、多数の替刃ケース１０を段ボール箱等に詰める場合であっても、個別に包装せずとも、効率的にスッキリと梱包できる。

＜ケース本体１１にクリップ２０を設けることによる利点＞
　図示した実施形態では、クリップ２０は、キャップ１２ではなく、ケース本体１１側に設けている。これにより、次のようなメリットが得られる。

　仮にクリップ２０がキャップ１２に設けられていたとして、そのような替刃ケースをズボンのベルトに固定した場合を想定する。この場合、ケース本体１１がキャップ１２から脱落すると、キャップ１２だけがベルト上に残り、ケース本体１１（および収容された替刃）が落下あるいは、紛失することとなってしまう。

　これに対して、本実施形態の替刃ケース１０のように、クリップ２０をケース本体１１側に設けることで、携行時において、替刃を収容したケース本体がクリップから脱落して紛失するとか、ケースが不用意に開いて替刃が散乱するといった不都合を、未然に防止することができる。

＜他の実施形態＞
（１）
　上述の実施形態では、ケース本体１１が有する「第２幅寸法Ｗ２」も実質的には一定であると言える。しかし、図４から分かるように、「第２幅寸法Ｗ２」は一定でなくても、例えばケース本体１１の図４における右側面が傾斜していても、替刃ケース全体としては、仮想六面体Ｈの内方に収めることができ、したがって、そのように構成してもよい。

（２）
　上述の実施形態では、クリップ２０は、ケース本体１１と一体的に形成されている。しかし、別部材であるクリップを、ネジ等を用いてケース本体に固定するようにしてもよい。

（３）
　上述の実施形態では、替刃ケース１０は、ケース本体１１とキャップ１２を備えて構成されている。しかし、キャップ１２を備えないタイプの替刃ケースに対しても本発明を適用することが可能であり、その場合、必然的にクリップ２０は、ケース本体側に設けられることとなる。

　この場合には、ケース本体１１に収容された替刃が、不用意に落下等することが無いように形状等を工夫することが好ましい。

　なお、上記様々な実施の形態のうちの任意の実施の形態を適宜組み合わせることにより、それぞれの有する効果を奏するようにすることができる。

　本発明は、添付図面を参照しながら好ましい実施の形態に関連して充分に記載されているが、この技術の熟練した人々にとっては種々の変形や修正は明白である。そのような変形や修正は、添付した請求の範囲による本発明の範囲から外れない限りにおいて、その中に含まれると理解されるべきである。

１０　替刃ケース
１１　ケース本体
１２　キャップ
１３　係止部
１４　係止突起
２０　クリップ

Claims (3)

1. 　替刃を収容する替刃ケースであって、前記替刃ケースの表面との間に対象物を挟み込むことで、前記替刃ケースを前記対象物に引っ掛けて固定するクリップを備える、替刃ケース。
2. 　前記替刃ケースは、替刃を収容するケース本体と、キャップと、を備え、
   　前記キャップは、平坦な天面と、一定の第１幅寸法と、一定の奥行き寸法と、を有し、
   　前記ケース本体は、平坦な底面と、前記キャップの前記第１幅寸法よりも小さい第２幅寸法と、前記キャップの前記奥行き寸法と同じ一定の奥行き寸法と、を有しており、
   　前記ケース本体と前記キャップを組み合わせた状態において、前記クリップを含めた前記替刃ケース全体が、前記天面、前記底面、前記第１幅寸法、前記奥行き寸法で特定される仮想六面体の内方に実質的に収まっている、請求項１に記載の替刃ケース。
3. 　前記替刃ケースは、替刃を収容するケース本体と、キャップと、を備え、
   　前記ケース本体に前記クリップが設けられている、請求項１または２に記載の替刃ケース。

Images