WO2020070911A1

WO2020070911A1 - 園芸施設

Info

Publication number: WO2020070911A1
Application number: PCT/JP2019/013199
Authority: WO
Inventors: 広志中島; 玄太三浦; 田中　徹
Original assignee: 戸田建設株式会社
Priority date: 2018-10-03
Filing date: 2019-03-27
Publication date: 2020-04-09
Also published as: JP2020054294A

Abstract

園芸施設（１０Ａ）は、切妻屋根（１３）を備える。第一傾斜面（４２）は、棟（３１）に連結され、傾斜している。第二傾斜面（５２）は、前記第一傾斜面（４２）とは反対側で前記棟（３１）に連結され、傾斜している。前記切妻屋根（１３）は、被覆材（１６）で被覆されている。前記第一傾斜面（４２）は、前記第二傾斜面（５２）よりも赤道に近い側に位置し、前記第二傾斜面（５２）よりも勾配が緩やかである。前記棟（３１）と前記第一傾斜面（４２）の軒（４３）との間の水平距離は、前記棟（３１）と前記第二傾斜面（５２）の軒（５３）との間の水平距離の１．８倍以上であってもよい。

Description

園芸施設

　本発明は、農作物を栽培するための園芸施設に関する。

　雨を防いだり保温したりするため、建造物を構築してそのなかで農作物を栽培するビニールハウスなどの園芸施設が知られている（例えば、特開昭６２－２１５３２７号公報、実開昭６０－１１４６５５号公報、実開平０３－０１２７４２号公報）。

　このような園芸施設には、単位面積当りの収穫量を向上させることが求められる。
　本発明は、従来よりも効率良く太陽光を取り入れることにより、単位面積当りの収穫量を増加させることを目的とする。

　園芸施設は、棟と、前記棟に連結され傾斜した第一傾斜面と、前記第一傾斜面とは反対側で前記棟に連結され傾斜した第二傾斜面とを有する切妻屋根を備える。前記切妻屋根は、被覆材で被覆されている。前記第一傾斜面は、前記第二傾斜面よりも赤道に近い側に位置し、前記第二傾斜面よりも勾配が緩やかである。
　前記棟と前記第一傾斜面の軒との間の水平距離は、前記棟と前記第二傾斜面の軒との間の水平距離の１．８倍以上であってもよい。
園芸施設。
　前記園芸施設は、更に、複数の栽培台を備えてもよい。前記栽培台は、長尺状であり、前記棟に対して略垂直な方向に沿って配置されてもよい。
　前記栽培台は、前記棟に対して略平行な方向へ移動可能であってもよい。
　前記園芸施設は、更に、前記第一傾斜面の内側に開閉可能に配置された遮光カーテンを備えてもよい。前記遮光カーテンは、開いたとき、前記棟又は前記第一傾斜面の軒の近くに集積されてもよい。
　前記被覆材は、光を散乱して透過してもよい。
　前記園芸施設は、更に、前記切妻屋根の外周の下に配置された複数の柱を備えてもよい。前記切妻屋根は、前記複数の柱のみによって支持されてもよい。前記第一傾斜面の軒の下に配置設けられた前記柱と、前記第二傾斜面の軒の下に設けられた前記外周柱との間の距離は、１５ｍ以上であってもよい。
　前記園芸施設は、更に、前記切妻屋根と略平行に配置され、前記切妻屋根の前記第二傾斜面に第一傾斜面が隣接した第二の切妻屋根を備えてもよい。
　前記園芸施設は、更に、前記切妻屋根の前記第二傾斜面と前記第二の切妻屋根の前記第一傾斜面との間の谷に配置され開閉可能な開口部を備えてもよい。前記開口部は、前記切妻屋根の前記第二傾斜面及び前記第二の切妻屋根の前記第一傾斜面に積もった雪を、前記園芸施設のなかへ取り入れてもよい。
　前記切妻屋根の前記第二傾斜面の軒の高さは、前記第二の切妻屋根の前記第一傾斜面の軒と略等しくてもよい。

　前記第一傾斜面の前記勾配が前記第二傾斜面よりも緩やかなので、太陽光を効率良く取り入れることができる。
　前記棟と前記第一傾斜面の軒との間の水平距離が前記棟と前記第二傾斜面の軒との間の水平距離の１．８倍以上であれば、太陽光を更に効率良く取り入れることができる。
　前記栽培台を前記棟に対して略垂直な方向に沿って配置すれば、前記栽培台の影の影響を抑えることができる。
　前記栽培台が前記棟に対して略平行な方向へ移動可能であれば、作業用の通路を確保する必要がなく、前記栽培台を密集して配置することができる。
　前記遮光カーテンを開いたとき前記棟又は前記第一傾斜面の軒の近くに集積すれば、前記遮光カーテンによる影の影響を抑えることができる。
　前記被覆材が光を散乱して透過すれば、前記園芸施設のなか全体に太陽光を行き渡らせることができる。
　前記切妻屋根を外周の下に配置された複数の柱のみによって支持すれば、前記園芸施設のなかを有効に活用することができる。
　複数の切妻屋根を略平行に配置すれば、前記園芸施設のなかを広くすることができる。
　複数の切妻屋根の間の谷に開口部を配置すれば、前記切妻屋根に積もった雪を除雪することができる。
複数の切妻屋根の隣接する軒の高さを等しくすれば、赤道に近い側の切妻屋根の影の影響を抑えることができる。

園芸施設１０Ａの内部構造を示す概略側面図。園芸施設１０Ｂの内部構造を示す概略側面図。園芸施設１０Ｃの内部構造を示す概略側面図。

　図１に示す園芸施設（１０Ａ）は、イチゴ、トマト、パプリカその他の農作物を栽培するために使用される。前記園芸施設（１０Ａ）は、金属パイプ、鉄骨その他の構造材で、柱（１１，１２）、垂木（４１，５１）、棟（３１）その他の骨格を形成し、ビニールシート、プラスチックシート、ガラス板などの被覆材（１６）を前記骨格の間に張って全体を被覆することにより、切妻屋根（１３）、壁などを形成する。前記壁は、地面に対してほぼ垂直に延びている。前記園芸施設（１０Ａ）を構築する方法については、従来のものと同様であるので、説明を省略する。前記園芸施設（１０Ａ）は、東西方向の幅Ｗ（不図示、例えば２４ｍ）が南北方向の長さＤ（例えば１８ｍ）よりも長い。
　前記被覆材（１６）は、光を透過し、太陽光を前記園芸施設（１０Ａ）のなかに取り入れる。ただし、前記被覆材（１６）は、半透明であり、光を拡散して透過する。これにより、骨格などの影が出来にくくなる。前記被覆材（１６）は、例えば表面が梨地の硬質フッ素樹脂フィルムで形成され、厚さは例えば０．１ｍｍである。

　前記切妻屋根（１３）は、南向きの第一傾斜面（４２）と、北向きの第二傾斜面（５２）とを有する。前記第一傾斜面（４２）の勾配ｔａｎθ_１（例えば約３５％）は、前記第二傾斜面（５２）の勾配ｔａｎθ_２（例えば約５５％）よりも緩やかである。前記棟（３１）と前記第一傾斜面（４２）の軒（４３）との間の水平距離Ｄ_１（例えば約１２ｍ）は、前記棟（３１）と前記第二傾斜面（５２）の軒（５３）との間の水平距離Ｄ_２（例えば約６ｍ）よりも長い。前記棟（３１）と前記軒（４３）との間の長さＬ_１（例えば約１３ｍ）も、前記棟（３１）と前記軒（５３）との間の長さＬ_２（例えば約７ｍ）より長い。
　前記軒（４３）を支持する柱（１１）の高さＨ_１（例えば約３ｍ）は、前記軒（５３）を支持する柱（１２）の高さＨ_２（例えば約４ｍ）よりも短い。
　前記軒（４３，５３）を支持する柱に加えて、前記切妻屋根（１３）を支持する柱には、前記棟（３１）の両端を支持する柱（不図示）と、東西方向の両端に配置された垂木（４１，５１）すなわち合掌を支持する柱とがある。しかし、前記棟（３１）の中間部分を支持する柱はなく、中間に配置された垂木（４１，５１）や梁（不図示）を支持する柱もない。前記切妻屋根（１３）は、外周を支持する柱だけで支持されている。

　前記園芸施設（１０Ａ）は、更に、レール（１９）が、前記第一傾斜面（４２）のすぐ内側に前記第一傾斜面（４２）にほぼ平行に配置され、遮光カーテン（１７）が、前記レール（１９）に沿って展開可能に設置されている。前記遮光カーテン（１７）は、遮光率が例えば６０％である。前記園芸施設（１０Ａ）は、前記遮光カーテン（１７）を開閉するための電動モータ（不図示）を有する。前記遮光カーテン（１７）を展開させて閉じると、前記第一傾斜面（４２）のほぼ全面に匹敵する範囲を覆うことができる。前記遮光カーテン（１７）を畳んで開くと、前記遮光カーテン（１７）は、図示したとおり、上側に引き上げられ、前記棟（３１）の近くに集積される。

　前記園芸施設（１０Ａ）は、更に、複数の栽培台（１８）を有する。前記栽培台（１８）は、南北方向に延びた長尺状であり、その上に栽培床を載置し、前記栽培床に農作物を植えて栽培する。また、前記栽培台（１８）は、摺動機構を有し、東西方向に摺動可能である。前記栽培台（１８）は、通常、隣接する栽培台（１８）に密接させて使用される。収穫時など、前記栽培台（１８）の間に立ち入る必要がある場合は、前記栽培台（１８）を摺動させることにより、隣接する栽培台（１８）との間の隙間を広げて、通路を形成する。

＜屋根の向き＞
　被覆材（１６）に入射した太陽光の多くは、被覆材（１６）を透過して園芸施設（１０Ａ）のなかに取り込まれるが、一部は被覆材（１６）で反射される。光の反射率は、入射角度が大きいほど高くなる。したがって、屋根が太陽に正対する向きに近いほど、透過する太陽光の割合が高くなる。
　太陽は移動するが、屋根の向きは固定されているので、屋根を常に太陽に正対させることはできない。したがって、太陽が最も高くなるときに入射角が最も小さくなるようにするのが、最も効率がよい。すなわち、南向きの屋根が、最も効率良く太陽光を取り入れることができる。
　前記第一傾斜面（４２）は、南向きなので効率良く太陽光を取り入れることができる。

＜屋根の形状＞
　午前中は、太陽が東側に位置するが、太陽が低い間は、傾斜した屋根よりも、垂直な壁のほうが、効率良く太陽光を取り入れることができる。太陽が西側に位置する場合も同様に、太陽が低い間は、傾斜した屋根よりも、垂直な壁のほうが、効率良く太陽光を取り入れることができる。このため、宝形屋根や寄棟屋根よりも、切妻屋根のほうが、妻面を有するので、効率良く太陽光を取り入れることができる。

＜屋根の長さ＞
　前記第一傾斜面（４２）は、効率良く太陽光を取り入れることができるので、長さＬ１又は水平距離Ｄ１が長いほうが好ましい。これに対し、前記第二傾斜面（５２）は、北向きであり、効率良く太陽光を取り入れることができないので、長さＬ２又は水平距離Ｄ２が短いほうが好ましい。望ましくは、水平距離Ｄ１が水平距離Ｄ２の１．８倍以上であり、又は、長さＬ１が長さＬ２の１．８倍以上である。

＜屋根の勾配＞
　上述したように、屋根が太陽に正対する向きであるとき透過する太陽光の割合が最も高くなるので、南中時に前記第一傾斜面（４２）が太陽に正対することが好ましい。太陽の南中高度は、季節によって異なるから、前記園芸施設（１０Ａ）が主に稼働する季節によって、最適な勾配は異なる。一年を通して稼働する場合は、前記第一傾斜面（４２）の角度θ_１が、設置場所の緯度Φに等しいことが好ましい。冬季は稼働しないのであれば、前記角度θ_１は、前記緯度Φよりも小さいことが好ましい。地軸の傾きは、約２３．４度であるから、（Φ－２３．４度）≦θ_１≦Φであることが好ましい。

　これに対し、前記第二傾斜面（５２）は、効率良く太陽光を取り入れることができないので、前記第二傾斜面（５２）によってできる影がなるべく小さくなるようにすることが好ましい。前記第二傾斜面（５２）が太陽光に平行なとき、影が最も小さくなるので、例えば、前記第二傾斜面（５２）の角度θ_２が（９０度－緯度Φ）に等しければ、春分及び秋分時に前記第二傾斜面（５２）の影が最も小さくなる。夏季よりも冬季に影が小さくなることが望ましいので、（６６．６度－Φ）≦θ_２≦（９０度－Φ）であることが好ましい。なお、北側の壁が影になってもよい点を考慮すると、前記角度θ_２は、もっと小さくてもよく、角度θ_１よりも大きければよい。

＜被覆材＞
　前記被覆材（１６）が光を散乱して透過するので、前記垂木（４１）や前記梁の影ができず、前記被覆材（１６）を直進して透過した光が届かない範囲にも、太陽光が万遍なく行き渡る。したがって、前記壁の近くまで有効に活用することができる。

＜柱＞
　前記園芸施設（１０Ａ）の中央部分に柱がないので、前記園芸施設（１０Ａ）の内部空間を有効に活用することができる。また、柱の影ができないので、効率良く太陽光を取り入れることができる。

＜遮光カーテン＞
　前記遮光カーテン（１７）を閉じることにより、太陽光を遮ることができるので、前記園芸施設（１０Ａ）のなかの温度が高くなり過ぎるのを防ぐことができる。前記遮光カーテン（１７）を開けたとき、前記遮光カーテン（１７）が前記棟（３１）の近くに集積されるので、前記遮光カーテン（１７）の影Ｓ１は、図示したとおり、前記園芸施設（１０Ａ）の北側の端にでき、中央部分にはできない。このため、前記園芸施設（１０Ａ）の中央部分を有効に活用することができる。

＜栽培台＞
　前記栽培台（１８）が横に摺動可能なので、隣接する前記栽培台（１８）との間に作業用の通路を設ける必要がなく、前記栽培台（１８）を密接して配置することができる。したがって、前記園芸施設（１０Ａ）の内部空間を有効に活用することができる。
　また、前記栽培台（１８）を東西方向に延びるよう配置したと仮定すると、前記栽培台（１８）の影が北側にできる。このため、前記栽培台（１８）をあまり密接して配置することができない。
　これに対し、前記栽培台（１８）は、南北方向に伸びるよう配置すれば、隣接する前記栽培台（１８）による影の影響が小さくなる。したがって、前記栽培台（１８）を密接して配置することができ、前記園芸施設（１０Ａ）の内部空間を有効に活用することができる。

＜園芸施設全体の大きさ＞
　前記園芸施設（１０Ａ）が大きいほど、栽培効率が高くなる。このため、南北方向の長さＤは、１５ｍ以上であることが好ましい。また、東西方向の幅Ｗは、長さＤよりも大きいことが好ましい。

　以上のように、前記園芸施設（１０Ａ）は、効率良く太陽光を取り入れることができ、作物を順調に育成できるので、単位面積当りの収穫量を向上することができる。

　図２に示す園芸施設（１０Ｂ）は、変形例であり、前記園芸施設（１０Ａ）と異なる部分のみ説明する。
　前記園芸施設（１０Ｂ）は、棟が互いに平行な複数の切妻屋根（１３ａ，１３ｂ）を有する。前記切妻屋根（１３ｂ）は、南側の傾斜面（４２ｂ）が、前記切妻屋根（１３ａ）の北側の傾斜面（５２ａ）に隣接している。
　前記切妻屋根（１３ａ）の南側の軒（４３ａ）は、柱（１１）によって支持されている。前記切妻屋根（１３ａ）の北側の軒（５３ａ）は、柱（１２）によって支持されている。前記切妻屋根（１３ｂ）の南側の軒（４３ｂ）も、同じ前記柱（１２）によって支持されている。前記切妻屋根（１３ｂ）の北側の軒（５３ａ）は、柱（１２ｂ）によって支持されている。

　前記園芸施設（１０Ｂ）は、被覆材（１６）で全体的に被覆されている。なお、前記切妻屋根（１３ｂ）の南側の軒（４３ｂ）より下は、前記園芸施設（１０Ｂ）の内部なので、被覆材（１６）で被覆せず、前記園芸施設（１０Ｂ）の内部が全体で一つの大きな空間となっている。

　複数の栽培台（１８ａ）は、前記切妻屋根（１３ａ）の下方で、南北方向に延びている。複数の栽培台（１８ｂ）は、前記切妻屋根（１３ｂ）の下方で、南北方向に延びている。前記切妻屋根（１３ａ）の前記北側の傾斜面（５２ａ）の影や、前記棟（３１ａ）の近くに集積された遮光カーテン（１７ａ）の影Ｓ_１は、前記柱（１２）の近くにできる。また、前記切妻屋根（１３ｂ）の前記北側の傾斜面（５２ｂ）の影や、前記棟（３１ｂ）の近くに集積された遮光カーテン（１７ｂ）の影Ｓ_２は、前記柱（１２ｂ）の近くにできる。したがって、前記栽培台（１８ａ，１８ｂ）の上で栽培される農作物に対する日当たりは、妨げられない。

　このように、前記園芸施設（１０Ｂ）は、切妻屋根（１３ａ，１３ｂ）が複数設けられているので、南北方向の長さＤを、前記園芸施設（１０Ａ）よりも大きくすることができ、単位面積当りの収穫量を向上することができる。

　図３に示す園芸施設（１０Ｃ）は、更なる変形例であり、前記園芸施設（１０Ｂ）と異なる部分のみ説明する。
　南側の切妻屋根（１３ａ）の北側の傾斜面（５２ａ）は、傾斜が前記園芸施設（１０Ｂ）よりも急であり、軒（５３ａ）が、北側の切妻屋根（１３ｂ）の南側の傾斜面（４２ｂ）の軒を兼ねている。
　このように、前記南側の切妻屋根（１３ａ）の前記北側の軒と、前記北側の切妻屋根（１３ｂ）の前記南側の軒との間で、高さを揃えることにより、前記北側の切妻屋根（１３ｂ）の南側の傾斜面（４２ｂ）の上に、前記南側の切妻屋根（１３ａ）の前記北側の傾斜面（５２ａ）の影ができるのを防ぐことができ、効率良く太陽光を取り入れることができる。

　前記南側の切妻屋根（１３ａ）は、開閉可能な開口部（３２）が、前記軒（５３ａ）の近くに形成されている。前記開口部（３２）は、積雪対策のために使用される。前記開口部（３２）を開くことにより、前記北側の切妻屋根（１３ｂ）の南側の傾斜面（４２ｂ）や前記南側の切妻屋根（１３ａ）の前記北側の傾斜面（５２ａ）の上に積もった雪を、前記園芸施設（１０Ｃ）のなかに取り入れることができ、除雪を容易にすることができる。
　なお、前記開口部（３２）は、前記北側の切妻屋根（１３ｂ）の南側の傾斜面（４２ｂ）と前記南側の切妻屋根（１３ａ）の前記北側の傾斜面（５２ａ）とによって形成される谷に配置すればよく、前記北側の切妻屋根（１３ｂ）の南側の傾斜面（４２ｂ）に形成してもよい。

　前記園芸施設（１０Ｃ）は、更に、前記開口部（３２）の下方に配置された貯蔵部（２１）を有する。前記貯蔵部（２１）は、前記開口部（３２）から取り入れられた雪を貯めておくために使用される。前記開口部（３２）の下方には、栽培台（１８）が設置されていないので、前記園芸施設（１０Ｃ）のなかの空間を有効に活用することができる。
　前記貯蔵部（２１）に貯められた雪は、前記園芸施設（１０Ｃ）のなかの熱で融けて水になる。前記貯蔵部（２１）に貯められた雪から得られた水は、前記栽培台（１８ａ，１８ｂ）の上で栽培される農作物に対する灌水に利用される。

　なお、前記貯蔵部（２１）に貯められた雪から得られた水を灌水に利用せず、そのまま園芸施設（１０Ｃ）の外へ排水してもよい。
　また、前記園芸施設（１０Ｂ）に、前記開口部（３２）や前記貯蔵部（２１）を設けてもよい。

　以上説明した実施形態は、本発明の理解を容易にするための一例である。本発明は、これに限定されるものではなく、添付の特許請求の範囲によって定義される範囲から逸脱することなく様々に修正し、変更し、追加し、又は除去したものを含む。これは、以上の説明から当業者に容易に理解することができる。

　前記園芸施設を南半球に設置する場合は、上述した構成とは南北逆向きに設置する。すなわち、北側の前記傾斜面の傾斜を緩くし、南側の前記傾斜面の傾斜を急にする。
　前記棟の向きは、東西方向からずれていてもよい。すなわち、傾斜が緩い前記傾斜面が、傾斜が急な前記傾斜面よりも、赤道に近い側に位置すればよい。
　前記園芸施設を緯度が比較的低い地域に設置する場合は、前記棟の近くに前記遮光カーテンを集積すると、前記園芸施設の中央部分に影ができるので、傾斜が緩い前記傾斜面の軒の近くに、前記遮光カーテンを集積したほうがよい。
　前記遮光カーテンは、電力ではなく、他の動力によって開閉してもよいし、手動で開閉してもよい。
　前記栽培台を使用せず、農作物を地植えしてもよい。

　１０Ａ～Ｃ　園芸施設、１１，１２，１２ｂ　柱、１３，１３ａ，１３ｂ　切妻屋根、１６　被覆材、１７，１７ａ，１７ｂ　遮光カーテン、１８，１８ａ，１８ｂ　栽培台、１９　レール、２１　貯蔵部、３１，３１ａ，３１ｂ　棟、３２　開口部、４１，５１　垂木、４２，４２ａ，４２ｂ，５２，５２ａ，５２ｂ　傾斜面、４３，４３ａ，４３ｂ，５３，５３ａ，５３ｂ　軒。

Claims

　棟と、前記棟に連結され傾斜した第一傾斜面と、前記第一傾斜面とは反対側で前記棟に連結され傾斜した第二傾斜面とを有する切妻屋根を備える園芸施設において、
　前記切妻屋根は、被覆材で被覆され、
　前記第一傾斜面は、前記第二傾斜面よりも赤道に近い側に位置し、前記第二傾斜面よりも勾配が緩やかである、
園芸施設。
　請求項１の園芸施設において、
　前記棟と前記第一傾斜面の軒との間の水平距離は、前記棟と前記第二傾斜面の軒との間の水平距離の１．８倍以上である、
園芸施設。
　請求項１の園芸施設において、更に、複数の栽培台を備え、
　前記栽培台は、長尺状であり、前記棟に対して略垂直な方向に沿って配置される、
園芸施設。
　請求項３の園芸施設において、
　前記栽培台は、前記棟に対して略平行な方向へ移動可能である、
園芸施設。
　請求項１乃至４いずれかの園芸施設において、更に、
　前記第一傾斜面の内側に開閉可能に配置された遮光カーテンを備え、
　前記遮光カーテンは、開いたとき、前記棟又は前記第一傾斜面の軒の近くに集積される、
園芸施設。
　請求項１乃至４いずれかの園芸施設において、
　前記被覆材は、光を散乱して透過する、
園芸施設。
　請求項１乃至４いずれかの園芸施設において、更に、
　前記切妻屋根の外周の下に配置された複数の柱を備え、
　前記切妻屋根は、前記複数の柱のみによって支持され、
　前記第一傾斜面の軒の下に配置設けられた前記柱と、前記第二傾斜面の軒の下に設けられた前記外周柱との間の距離は、１５ｍ以上である、
園芸施設。
　請求項１乃至４いずれかの園芸施設において、更に、
　前記切妻屋根と略平行に配置され、前記切妻屋根の前記第二傾斜面に第一傾斜面が隣接した第二の切妻屋根を備える、
園芸施設。
　請求項８の園芸施設において、更に、
　前記切妻屋根の前記第二傾斜面と前記第二の切妻屋根の前記第一傾斜面との間の谷に配置され開閉可能な開口部を備え、
　前記開口部は、前記切妻屋根の前記第二傾斜面及び前記第二の切妻屋根の前記第一傾斜面に積もった雪を、前記園芸施設のなかへ取り入れる、
園芸施設。
　請求項８の園芸施設において、
　前記切妻屋根の前記第二傾斜面の軒の高さは、前記第二の切妻屋根の前記第一傾斜面の軒と略等しい、
園芸施設。