WO2019189423A1

WO2019189423A1 - シリンジ収納容器及びシリンジ包装体

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Publication number: WO2019189423A1
Application number: PCT/JP2019/013294
Authority: WO
Inventors: 山田莉世
Original assignee: テルモ株式会社
Priority date: 2018-03-30
Filing date: 2019-03-27
Publication date: 2019-10-03

Abstract

シリンジ包装体（１０Ａ）のシリンジ収納容器（１４ａ）は、底部（４６）と、側壁部（４８）と、側壁部（４８）の上端に囲まれた上端開口部（５２）と、底部（４６）と側壁部（４８）と上端開口部（５２）とから画成される収納空間（Ｓ）とを有する容器本体（４２ａ）と、容器本体（４２ａ）の底部（４６）の上面（４６ａ）の上方に配置され、多数のシリンジ（１２）の先端ノズル（２６）の各々が上向きとなるように、多数のシリンジ（１２）の胴部（２４）の基端部の各々を保持する多数の保持部（７２ａ）とを備える。

Description

シリンジ収納容器及びシリンジ包装体

　本発明は、多数のシリンジを収納するためのシリンジ収納容器及びシリンジ包装体に関する。

　特表２０１１－５２４２２４号公報には、シリンジの先端ノズルを上方に向けた状態で多数のシリンジを収納可能なシリンジ収納容器が開示されている。このシリンジ収納容器は、多数のシリンジを収納する容器本体と、容器本体の収納空間内で多数のシリンジの各々の胴部における軸方向の中央部分を保持する保持部とを有する。

　しかしながら、上述した特表２０１１－５２４２２４号公報では、多数のシリンジの各々の胴部における軸方向の中央部分を保持部によって保持しているため、胴部の基端部がぐらつくおそれがある。

　本発明は、このような課題を考慮してなされたものであり、先端ノズルを上向きにした状態で多数のシリンジの胴部の基端部を安定して支持することができるシリンジ収納容器及びシリンジ包装体を提供することを目的とする。

　上記目的を達成するために、本発明に係るシリンジ収納容器は、内部に薬液を充填可能な胴部と、前記胴部の先端から延びる先端ノズルと、前記胴部の基端部に形成された基端開口と、を有するシリンジ本体と、前記胴部内に挿入された前記胴部内を摺動可能なガスケットと、を備えた多数のシリンジを収納するためのシリンジ収納容器であって、閉じた底部と、前記底部の周縁から上方に延びる側壁部と、側壁部の上端に囲まれた上端開口部と、前記底部と前記側壁部と前記上端開口部とから画成される収納空間と、を有する容器本体と、前記容器本体の前記底部の上面の上方に配置され、前記多数のシリンジの前記先端ノズルの各々が上向きとなるように、前記多数のシリンジの前記胴部の前記基端部の各々を保持する多数の保持部と、を備える、ことを特徴とする。

　このような構成によれば、先端ノズルを上向きにした状態で多数のシリンジの胴部の基端部を保持部によって安定して支持することができる。

　上記のシリンジ収納容器であって、前記多数の保持部は、前記多数のシリンジの各々の基端面を、前記底部の上面に対して上方に離間して位置させるように、前記多数のシリンジを保持してもよい。

　このような構成によれば、多数のシリンジの各々の基端面が底部の上面に接触して傷つくことを防止することができる。

　上記のシリンジ収納容器であって、前記多数の保持部はそれぞれ、前記多数のシリンジの各々の基端面を支持する支持面と、前記支持面から上方に突出し、且つ前記多数のシリンジの各々の前記基端開口から前記胴部内に挿入される挿入突起と、を有してもよい。

　このような構成によれば、多数のシリンジの胴部の基端部を支持面と挿入突起とによって一層安定して支持することができる。

　上記のシリンジ収納容器であって、前記挿入突起は、円筒又は円柱形状であり、前記多数のシリンジの各々の前記胴部の内径と略一致した外径を有してもよい。

　このような構成によれば、挿入突起の外周面を胴部の内周面に効率的に接触させることができる。

　上記のシリンジ収納容器であって、前記挿入突起は、前記挿入突起の上端から下方に向かって延びるスリットを有してもよい。

　このような構成によれば、胴部内に挿入突起を容易に挿入することができる。また、挿入突起の外径を比較的大きくすることができるため、挿入突起の外周面の胴部の内周面に対する密着性を高めることができる。

　上記のシリンジ収納容器であって、前記挿入突起は、前記支持面から連続した第１突起と、前記第１突起から上方に向かって延びる第２突起と、を有し、前記第２突起は、前記ガスケットに設けられた凹部に挿入されてもよい。

　このような構成によれば、多数のシリンジの胴部の基端部を第１突起と第２突起とによってより一層安定して支持することができる。

　上記のシリンジ収納容器であって、前記第１突起及び前記第２突起は、円筒又は円柱形状であり、前記第１突起は、前記多数のシリンジの各々の前記胴部の内径と略一致した外径を有し、前記第２突起は、前記ガスケットの前記凹部の内径と略一致した外径を有してもよい。

　このような構成によれば、第１突起の外周面を胴部の内周面に効率的に接触させることができるとともに第２突起の外周面をガスケットの凹部の内面に効率的に接触させることができる。

　上記のシリンジ収納容器であって、前記多数の保持部はそれぞれ、前記多数のシリンジの各々の前記胴部の前記基端部が挿入される挿入凹部を有してもよい。

　このような構成によれば、多数のシリンジの胴部の基端部を挿入凹部によって安定して支持することができる。

　上記のシリンジ収納容器であって、前記挿入凹部は、前記多数のシリンジの各々の前記胴部の前記基端部の外径と略一致した内径を有してもよい。

　このような構成によれば、胴部の基端部の外周面を挿入凹部の内周面に効率的に接触させることができる。

　上記のシリンジ収納容器であって、前記挿入凹部は、前記多数のシリンジの各々の前記胴部の前記基端部の外周面と略一致した内周面を有してもよい。

　上記のシリンジ収納容器であって、前記シリンジ収納容器は、前記容器本体とは別体に形成され、前記多数の保持部を有する板状の保持部材を備え、前記保持部材は、前記容器本体の前記収納空間内に配置されてもよい。

　このような構成によれば、多数の保持部を板状の保持部材によって保持することができる。

　上記のシリンジ収納容器であって、前記容器本体は、前記保持部材の下面を支持する支持部を有し、前記保持部材の前記下面は、前記容器本体の前記支持部に支持されることにより、前記容器本体の前記底部の上面から離間してもよい。

　このような構成によれば、簡易な構成により、保持部材の下面を容器本体の底部の上面から離間させた状態で保持部材を容器本体に対して支持することができる。

　上記のシリンジ収納容器であって、前記多数の保持部は、前記底部の上面から上方に延出してもよい。

　このような構成によれば、多数の保持部が容器本体の底部に設けられるため多数の保持部を容器本体とは別体に設ける場合と比較してシリンジ収納容器の部品点数を削減することができる。

　本発明に係るシリンジ包装体は、上述したシリンジ収納容器と、前記多数の保持部に保持された前記多数のシリンジと、前記容器本体の前記上端開口部を封止する封止部材と、を備えることを特徴とする。

　このような構成によれば、上述したシリンジ収納容器と同様の効果を奏するシリンジ包装体を得ることができる。

　上記のシリンジ包装体であって、前記シリンジ包装体は、前記シリンジ収納容器の前記収納空間内における前記多数の保持部と前記上端開口部との間に配置された位置決め部材を備え、前記位置決め部材は、前記多数のシリンジの前記胴部の先端部の各々が挿入され、前記収納空間内における前記胴部の前記先端部を位置決めする多数の位置決め挿入孔を有してもよい。

　このような構成によれば、多数のシリンジの胴部の先端部を位置決め部材によって位置決めすることができる。

　本発明によれば、先端ノズルを上向きにした状態で多数のシリンジの胴部の基端部を保持部によって安定して支持することができる。

本発明の第１実施形態に係るシリンジ包装体の斜視図である。図１のシリンジ包装体の分解斜視図である。図１のシリンジ包装体の一部省略縦断面図である。図１のシリンジ収納容器に多数のシリンジを保持した状態であって一部のシリンジを省略した平面図である。図５Ａは、シリンジ収納容器の収納空間に多数のシリンジを収納するシリンジ収納方法の第１説明図であり、図５Ｂは、シリンジ収納方法の第２説明図である。図６Ａは、シリンジ収納方法の第３説明図であり、図６Ｂは、シリンジ収納方法の第４説明図である。図７Ａは、本発明の第２実施形態に係るシリンジ包装体の一部省略縦断面図であり、図７Ｂは、図７Ａの保持部材の斜視図である。図８Ａは、本発明の第３実施形態に係るシリンジ包装体の一部省略縦断面図であり、図８Ｂは、図８Ａの保持部材の斜視図である。図９Ａは、本発明の第４実施形態に係るシリンジ包装体の一部省略縦断面図であり、図９Ｂは、図９Ａの保持部材の斜視図である。図１０Ａは、本発明の第５実施形態に係るシリンジ包装体の一部省略縦断面図であり、図１０Ｂは、図１０Ａの保持部材の斜視図である。図１１Ａは、本発明の第６実施形態に係るシリンジ包装体の一部省略縦断面図であり、図１１Ｂは、図１１Ａの保持部材の斜視図である。本発明の第７実施形態に係るシリンジ包装体の分解斜視図である。図１２のシリンジ包装体の一部省略縦断面図である。

　以下、本発明に係るシリンジ収納容器及びシリンジ包装体について好適な実施形態を挙げ、添付の図面を参照しながら説明する。

（第１実施形態）
　図１～図３に示すように、本発明の第１実施形態に係るシリンジ包装体１０Ａは、多数のシリンジ１２を搬送及び保管する場合に用いられるものであって、多数のシリンジ１２、シリンジ収納容器１４ａ、封止部材１６及び位置決め部材１８ａを備える。

　図２及び図３に示すように、シリンジ１２は、シリンジ本体２０と、シリンジ本体２０内に設けられたガスケット２２とを備える。シリンジ本体２０は、内部に薬液を充填可能な胴部２４と、胴部２４の先端から先端方向に延びる先端ノズル２６と、胴部２４の基端部に形成された基端開口２８（図３参照）とを有する。胴部２４及び先端ノズル２６は、一体的に形成されている。

　シリンジ本体２０の構成材料は、特に限定されないが、例えば、ポリプロピレン、ポリウレタン、ポリエチレン、環状オレフィンポリマー、環状オレフィンコポリマー、ポリメチルペンテン１等のポリオレフィンや、ポリエステル、ナイロン、ポリカーボネート、ポリメチルメタクリレート（ＰＭＭＡ）、ポリエーテルイミド（ＰＥＩ）、ポリエーテルサルホン、ポリエーテルエーテルケトン（ＰＥＥＫ）、フッ素樹脂、ポリフェニレンサルファイド（ＰＰＳ）、ポリアセタール樹脂（ＰＯＭ）等の樹脂性材料や、ステンレス等の金属性材料、ガラス等で形成されるとよい。

　胴部２４は、軸方向に延在した円筒状の胴部本体３０と、胴部本体３０の基端部に設けられた基端フランジ３２とを有する。図４において、基端フランジ３２は、胴部本体３０の径方向に互いに離間する方向に延出した一対の延出部３４を含む。延出部３４の延出端は、胴部本体３０の外周面に沿って円弧状に延在している。なお、図４では、一部のシリンジ１２を省略している。

　図３に示すように、先端ノズル２６の先端部には、薬液を胴部２４内に充填するための先端開口３６が形成されている。先端ノズル２６には、図示しないキャップが装着可能である。

　ガスケット２２の構成材料としては、例えば、天然ゴム、ブチルゴム、イソプレンゴム、ブタジエンゴム、スチレン－ブタジエンゴム、シリコーンゴムのような各種ゴム材料や、ポリウレタン系、ポリエステル系、ポリアミド系、オレフィン系、スチレン系等の各種熱可塑性エラストマー、あるいはそれらの混合物等が挙げられる。

　ガスケット２２は、胴部２４の内周面を軸方向に液密に摺動可能なように胴部２４内に挿入されている。ガスケット２２の基端面には、凹部３８が形成されている。凹部３８の内周面には、雌ねじ部４０が形成されている。雌ねじ部４０には、図示しない押子の先端部に設けられた雄ねじ部が螺合可能である。

　図２～図４に示すように、シリンジ収納容器１４ａは、多数のシリンジ１２を収納するための容器本体４２ａと、容器本体４２ａ内に多数のシリンジ１２を保持するための保持部材４４ａとを有する。

　図２及び図３において、容器本体４２ａは、プラスチック等の樹脂材料によって一体的に成形されている。容器本体４２ａは、閉じた底部４６と、底部４６の周縁から上方に延びる側壁部４８と、側壁部４８の上端に設けられた上端フランジ５０と、側壁部４８の上端に囲まれた上端開口部５２と、底部４６と側壁部４８と上端開口部５２とから画成される収納空間Ｓとを含む。

　底部４６は、平面視で略矩形状に形成され、側壁部４８は、四角環状に形成されている（図２及び図４参照）。側壁部４８は、底部４６の周縁部から上方に突出した第１側壁部５４と、第１側壁部５４の突出端部（上端部）から第１側壁部５４の外面側に突出した張出部５６と、張出部５６の突出端部（外縁部）から上方に突出した第２側壁部５８とを有する。第１側壁部５４の高さ寸法は、第２側壁部５８の高さ寸法よりも大きい。張出部５６は、平坦な上面５６ａを有している。

　図２～図４において、上端フランジ５０は、第２側壁部５８の上端から第２側壁部５８の外面側に突出した四角環状のフランジ本体６０と、フランジ本体６０の上面に設けられた突条部６２とを有する。突条部６２は、フランジ本体６０に沿って周回している。突条部６２の上面は、シート状の封止部材１６の下面（内面）に対して図示しない接着剤によって剥離可能に接着される。

　容器本体４２ａには、保持部材４４ａを位置決めするための２つの位置決めピン６４ａ、６４ｂと、保持部材４４ａの下面４５を支持するための４つの支持部６６ａ～６６ｄとを有する。位置決めピン６４ａ、６４ｂは、円柱形状であり、底部４６の上面４６ａから上方に突出している。

　図４に示すように、２つの位置決めピン６４ａ、６４ｂは、片側の対角部に設けられている。換言すれば、位置決めピン６４ａは、底部４６における矢印Ｘ１方向及び矢印Ｙ１方向の角部に設けられ、位置決めピン６４ｂは、底部４６における矢印Ｘ２方向及び矢印Ｙ２方向の角部に設けられている。

　ただし、位置決めピン６４ａ、６４ｂは、円筒形状、角筒形状又は角柱形状に形成されてもよい。また、位置決めピン６４ａ、６４ｂは、底部４６の片側の対角部に設けられた例に限定されず、底部４６の任意の位置に設けられていてもよい。さらに、容器本体４２ａには、３本以上の位置決めピンが設けられていてもよいし、１本のみの位置決めピンが設けられていてもよい。位置決めピンが２本以上であると、保持部材４４ａを容器本体４２ａに対して精度よく位置決めすることができるため好適である。

　図２～図４において、支持部６６ａ～６６ｄは、底部４６の上面４６ａから上方に突出している。支持部６６ａ～６６ｄの上端は、位置決めピン６４ａ、６４ｂの上端よりも下方に位置している（図３参照）。支持部６６ａ～６６ｄの各々は、容器本体４２ａの内方に向かって凸となるように円弧状に湾曲している。

　支持部６６ａと支持部６６ｂとは、底部４６における矢印Ｘ１方向の短辺に沿って互いに離間して設けられている。支持部６６ｃと支持部６６ｄとは、底部４６における矢印Ｘ２方向の短辺に沿って互いに離間して設けられている。支持部６６ａは、支持部６６ｃよりも矢印Ｙ２方向にずれて位置しており、支持部６６ｂは、支持部６６ｄよりも矢印Ｙ２方向にずれて位置している。

　図２～図４に示すように、保持部材４４ａは、容器本体４２ａとは別体に板状に形成された状態で容器本体４２ａの収納空間Ｓ内に配置される。保持部材４４ａの下面４５は、容器本体４２ａの支持部６６ａ～６６ｄに支持されることにより、容器本体４２ａの底部４６の上面４６ａから離間する（図３参照）。

　保持部材４４ａは、平板部７０と、多数の保持部７２ａとを有する。平板部７０は、平面視で矩形状に形成されている。平板部７０は、第１側壁部５４の内方に挿入可能な大きさに設定されている。図２及び図４において、平板部７０の片側の対角部には、位置決めピン６４ａ、６４ｂが挿入される挿入孔７４ａ、７４ｂが形成されている。挿入孔７４ａは、真円状に形成されている。挿入孔７４ｂは、平板部７０の対角線状に延びた長孔である。

　平板部７０には、２つの第１切欠部７６ａ、７６ｂが形成されている。第１切欠部７６ａは、平板部７０の長手方向の一端部（矢印Ｘ１方向の端部）に形成されている。第１切欠部７６ｂは、平板部７０の長手方向の他端部（矢印Ｘ２方向の端部）に形成されている。第１切欠部７６ａと第１切欠部７６ｂとは、矢印Ｙ方向に互いにずれて位置している。第１切欠部７６ａ、７６ｂは、半円状の孔である。ただし、第１切欠部７６ａ、７６ｂの形状及び位置は任意に設定可能である。

　平板部７０には、その長手方向（矢印Ｘ方向）に間隔をあけて複数配置された保持部７２ａの列が平板部７０の短手方向（矢印Ｙ方向）に複数列設けられている。矢印Ｙ方向に隣り合う保持部７２ａの列は、保持部７２ａ同士の位相が矢印Ｘ方向にずれるように配置されている。

　図２～図４に示すように、保持部７２ａは、容器本体４２ａの底部４６の上面４６ａの上方に配置され、多数のシリンジ１２の先端ノズル２６が上向きとなるように、多数のシリンジ１２の胴部２４の基端部の各々を保持する。保持部７２ａは、多数のシリンジ１２の各々の基端面１３（図３参照）を、底部４６の上面４６ａに対して上方に離間して位置させるように、多数のシリンジ１２を保持する。

　保持部７２ａは、多数のシリンジ１２の各々の胴部２４の基端部が挿入される円形状の挿入凹部７８ａを有する。挿入凹部７８ａは、シリンジ１２の基端面１３（図３参照）を支持する支持面７９ａを含む支持底部８０ａと、支持底部８０ａの外縁部から上方に突出してシリンジ１２の基端部の外周面（基端フランジ３２）を支持する周壁部８２ａとを有する。支持底部８０ａには、円形状の貫通孔８４が形成されている。なお、貫通孔８４は形成されていなくてもよい。

　貫通孔８４の直径は、シリンジ１２の基端開口２８の直径（シリンジ１２の基端の内径）と略一致している。具体的には、貫通孔８４の直径は、基端フランジ３２の最大外径よりも所定長（例えば、１ｍｍ以上の長さ）だけ小さい。シリンジ１２が保持部材４４ａによって保持された状態で、収納空間Ｓのうち保持部材４４ａよりも下方の空間と胴部２４内におけるガスケット２２よりも基端側の空間とは、貫通孔８４を介して互いに連通している。これにより、胴部２４内に異物が滞留することを防止することができる。

　挿入凹部７８ａの内径は、シリンジ１２の胴部２４の基端部の外径と略一致した内径を有する。換言すれば、挿入凹部７８ａは、シリンジ１２の胴部２４の基端部の外周面と略一致した内周面を有する。つまり、周壁部８２ａの内径は、基端フランジ３２の最大外径と略一致している。具体的には、挿入凹部７８ａの内径は、基端フランジ３２の最大外径と同一であってもよいし、基端フランジ３２の最大外径よりも所定長（例えば、２ｍｍ以下の長さ）だけ大きくてもよい。挿入凹部７８ａの深さ寸法は、基端フランジ３２の厚さ寸法よりも大きい。

　図２及び図３において、位置決め部材１８ａは、シリンジ収納容器１４ａの収納空間Ｓ内における多数の保持部７２ａと上端開口部５２との間に配置されている。位置決め部材１８ａは、平板状のベース板８６ａと、ベース板８６ａに形成された多数の位置決め挿入孔８８とを有する。ベース板８６ａの下面８７（図３参照）の外縁部は、張出部５６の上面５６ａに配置される。

　図２に示すように、ベース板８６ａには、２つの第２切欠部９０ａ、９０ｂが形成されている。第２切欠部９０ａは、ベース板８６ａの長手方向の一端部（矢印Ｘ１方向の端部）に形成されている。第２切欠部９０ｂは、ベース板８６ａの長手方向の他端部（矢印Ｘ２方向の端部）に形成されている。

　第２切欠部９０ａと第２切欠部９０ｂとは、矢印Ｙ方向に互いにずれて位置している。第２切欠部９０ａ、９０ｂは、ベース板８６ａの長手方向の端部から内方に向かって延びており、その延出端部が半円状に形成されている。ただし、第２切欠部９０ａ、９０ｂの形状は任意に設定可能である。第２切欠部９０ａは、第１切欠部７６ａの真上に位置し、第２切欠部９０ｂは、第１切欠部７６ｂの真上に位置する。

　ベース板８６ａには、その長手方向（矢印Ｘ方向）に間隔をあけて複数配置された位置決め挿入孔８８の列がベース板８６ａの短手方向（矢印Ｙ方向）に複数列設けられている。矢印Ｙ方向に隣り合う位置決め挿入孔８８の列は、位置決め挿入孔８８同士の位相が矢印Ｘ方向にずれるように配置されている。すなわち、位置決め挿入孔８８は、保持部７２ａの真上に位置する。

　多数の位置決め挿入孔８８は、多数のシリンジ１２の胴部２４の先端部の各々が挿入され、収納空間Ｓ内における胴部２４の先端部を位置決めする。位置決め挿入孔８８の直径は、胴部２４の外径と略一致する。具体的には、位置決め挿入孔８８の直径は、胴部２４の外径と同一であってもよいし、胴部２４の外径よりも所定長（例えば、２ｍｍ以下の長さ）だけ大きくてもよい。

　封止部材１６は、容器本体４２ａの上端開口部５２を封止するように突条部６２の上面に剥離可能に接着される。つまり、封止部材１６は、容器本体４２ａの上端フランジ５０よりも一回り大きい矩形状のシート部材である。封止部材１６は、滅菌のための気体が透過可能であって、菌やウイルス等の微粒子が透過不可能であることが好ましい。封止部材１６の構成材料としては、例えば、デュポン社の高密度ポリエチレン不織布であるタイベック（登録商標）が用いられる。

　次に、多数のシリンジ１２をシリンジ収納容器１４ａの収納空間Ｓに収納するシリンジ収納方法について説明する。

　まず、図５Ａに示すように、容器本体４２ａの張出部５６の上面５６ａに位置決め部材１８ａを上下反転させた状態で載せる。そして、先端ノズル２６が下向きとなるように多数のシリンジ１２の各々を位置決め部材１８ａの多数の位置決め挿入孔８８の各々に挿入する。この際、多数のシリンジ１２は、基端フランジ３２が位置決め部材１８ａのベース板８６ａに接触することにより支持される。

　次いで、図５Ｂに示すように、位置決め部材１８ａを容器本体４２ａに対して上方に持ち上げることにより、多数のシリンジ１２を容器本体４２ａの収納空間Ｓ内から取り出す。そして、図６Ａに示すように、上下反転させた保持部材４４ａを多数のシリンジ１２の上に載せる。この際、多数のシリンジ１２の各々の基端フランジ３２は、保持部材４４ａの多数の挿入凹部７８ａのそれぞれに挿入される。

　その後、図６Ｂに示すように、多数のシリンジ１２、位置決め部材１８ａ及び保持部材４４ａを一体的に上下反転させる。これにより、多数のシリンジ１２の各々の先端ノズル２６が上向きになるとともに保持部材４４ａが最下方に位置する。

　続いて、図６Ｂの状態のままの多数のシリンジ１２、位置決め部材１８ａ及び保持部材４４ａを一体的に容器本体４２ａの収納空間Ｓ内に上端開口部５２から下方に向けて挿入する。そうすると、位置決め部材１８ａのベース板８６ａの外縁部が張出部５６の上面５６ａに接触して支持された状態で、多数のシリンジ１２及び保持部材４４ａが容器本体４２ａに対して下方に移動する。

　そして、保持部材４４ａの挿入孔７４ａ、７４ｂに位置決めピン６４ａ、６４ｂが挿入されることにより、容器本体４２ａに対して保持部材４４ａが位置決めされる。その後、保持部材４４ａの下面４５の外縁部が４つの支持部６６ａ～６６ｄの上端に接触することにより、保持部材４４ａが容器本体４２ａに対して支持される。これにより、多数のシリンジ１２がシリンジ収納容器１４ａの収納空間Ｓ内に収納される。

　多数のシリンジ１２をシリンジ収納容器１４ａから取り出す際には、例えば、図示しないアームを位置決め部材１８ａの第２切欠部９０ａ、９０ｂと保持部材４４ａの第１切欠部７６ａ、７６ｂとに挿通させて保持部材４４ａを保持した状態で上方に引っ張り上げることにより、多数のシリンジ１２を保持部材４４ａと一体的に容器本体４２ａから取り出すことができる。

　この場合、本実施形態に係るシリンジ収納容器１４ａ及びシリンジ包装体１０Ａは、以下の効果を奏する。

　シリンジ収納容器１４ａの容器本体４２ａは、閉じた底部４６と、底部４６の周縁から上方に延びる側壁部４８と、側壁部４８の上端に囲まれた上端開口部５２と、底部４６と側壁部４８と上端開口部５２とから画成される収納空間Ｓとを有する。シリンジ収納容器１４ａは、容器本体４２ａの底部４６の上面４６ａの上方に配置され、多数のシリンジ１２の先端ノズル２６の各々が上向きとなるように、多数のシリンジ１２の胴部２４の基端部の各々を保持する多数の保持部７２ａを備える。これにより、先端ノズル２６を上向きにした状態で多数のシリンジ１２の胴部２４の基端部を保持部７２ａによって安定して支持することができる。

　多数の保持部７２ａは、多数のシリンジ１２の各々の基端面１３を、底部４６の上面４６ａに対して上方に離間して位置させるように、多数のシリンジ１２を保持する。このため、多数のシリンジ１２の各々の基端面１３が底部４６の上面４６ａに接触して傷つくことを防止することができる。

　多数の保持部７２ａはそれぞれ、多数のシリンジ１２の各々の胴部２４の基端部が挿入される挿入凹部７８ａを有する。これにより、多数のシリンジ１２の胴部２４の基端部を挿入凹部７８ａによって安定して支持することができる。

　挿入凹部７８ａは、多数のシリンジ１２の各々の胴部２４の基端部の外径と略一致した内径を有する。換言すれば、挿入凹部７８ａは、多数のシリンジ１２の各々の胴部２４の基端部の外周面と略一致した内周面を有する。これより、胴部２４の基端部の外周面を挿入凹部７８ａの内周面に効率的に接触させることができる。

　シリンジ収納容器１４ａは、容器本体４２ａとは別体に形成され、多数の保持部７２ａを有する板状の保持部材４４ａを備え、保持部材４４ａは、容器本体４２ａの収納空間Ｓ内に配置される。これにより、複数の保持部７２ａを板状の保持部材４４ａによって保持することができる。

　容器本体４２ａは、保持部材４４ａの下面４５を支持する支持部６６ａ～６６ｄを有し、保持部材４４ａの下面４５は、容器本体４２ａの支持部６６ａ～６６ｄに支持されることにより、容器本体４２ａの底部４６の上面４６ａから離間する。これにより、簡易な構成により、保持部材４４ａの下面４５を容器本体４２ａの底部４６の上面４６ａから離間させた状態で保持部材４４ａを容器本体４２ａに対して支持することができる。

　シリンジ包装体１０Ａは、シリンジ収納容器１４ａの収納空間Ｓ内における多数の保持部７２ａと上端開口部５２との間に配置された位置決め部材１８ａを備える。位置決め部材１８ａは、多数のシリンジ１２の胴部２４の先端部の各々が挿入され、収納空間Ｓ内における胴部２４の先端部を位置決めする多数の位置決め挿入孔８８を有する。多数のシリンジ１２の胴部２４の先端部を位置決め部材１８ａによって位置決めすることができる。

（第２実施形態）
　次に、本発明の第２実施形態に係るシリンジ包装体１０Ｂについて説明する。なお、本実施形態において、上述した第１実施形態のシリンジ包装体１０Ａの構成要素と同一の構成要素には同一の参照符号を付し、その詳細な説明については省略する。また、本実施形態において、第１実施形態と同様の構成については、同様の作用効果を奏する。なお、後述する第３～第７実施形態についても同様である。

　図７Ａ及び図７Ｂに示すように、本実施形態に係るシリンジ包装体１０Ｂのシリンジ収納容器１４ｂは、上述した保持部材４４ａに替えて保持部材４４ｂを備えている。この保持部材４４ｂは、平板部７０と、平板部７０に設けられた多数の保持部７２ｂとを有する。保持部７２ｂは、基端フランジ３２の形状に対応した形状の挿入凹部７８ｂを有する。すなわち、挿入凹部７８ｂは、一方向（矢印Ｙ方向）に延在している。

　挿入凹部７８ｂは、シリンジ１２の基端面１３を支持する支持面７９ｂを含む支持底部８０ｂと、支持底部８０ｂの外縁部から上方に突出してシリンジ１２の基端部の外周面（基端フランジ３２）を支持する周壁部８２ｂとを備える。支持底部８０ｂには、円形状の貫通孔８４が形成されている。なお、貫通孔８４は形成されていなくてもよい。

　本実施形態によれば、挿入凹部７８ｂが基端フランジ３２の形状に対応した形状を有しているため、シリンジ１２が保持部材４４ｂに対して回転することを防止することができる。これにより、シリンジ１２が回転して胴部２４が位置決め部材１８ａに擦れて傷付くことを抑制することができる。

（第３実施形態）
　次に、本発明の第３実施形態に係るシリンジ包装体１０Ｃについて説明する。図８Ａ及び図８Ｂに示すように、本実施形態に係るシリンジ包装体１０Ｃのシリンジ収納容器１４ｃは、上述した保持部材４４ａに替えて保持部材４４ｃを備えている。

　保持部材４４ｃは、平板部７０と、平板部７０に設けられた多数の保持部７２ｃとを有する。保持部７２ｃは、シリンジ１２の基端面１３を支持する支持面７９ａを含む支持底部８０ａと、支持底部８０ａの外周部から上方に突出してシリンジ１２の基端部の外周面（基端フランジ３２）を支持する円筒状の周壁部８２ｃとを備える。支持底部８０ａには、円形状の貫通孔８４が形成されている。なお、貫通孔８４は形成されていなくてもよい。このような保持部７２ｃによれば、上述した保持部材４４ａと同様の効果を奏する。

（第４実施形態）
　次に、本発明の第４実施形態に係るシリンジ包装体１０Ｄについて説明する。図９Ａ及び図９Ｂに示すように、本実施形態に係るシリンジ包装体１０Ｄのシリンジ収納容器１４ｄは、上述した保持部材４４ａに替えて保持部材４４ｄを備えている。

　保持部材４４ｄは、平板部７０と、平板部７０に設けられた多数の保持部７２ｄとを有する。保持部７２ｄは、多数のシリンジ１２の各々の胴部２４の基端部が挿入される円形状の挿入凹部７８ａと、挿入凹部７８ａの支持面７９ａから上方に突出し、且つ多数のシリンジ１２の各々の基端開口２８から胴部２４内に挿入される挿入突起１００ａとを含む。

　挿入突起１００ａは、円筒形状であり、多数のシリンジ１２の各々の胴部２４の内径と略一致した外径を有する。具体的には、挿入突起１００ａの外径は、胴部２４の内径と同一であってもよいし、胴部２４の内径よりも所定長（例えば、２ｍｍ以下の長さ）だけ小さくてもよい。

　挿入突起１００ａの突出端は、ガスケット２２に接触していない（図９Ａ参照）。挿入突起１００ａは、円形状の貫通孔１０２を有する。貫通孔１０２の直径は、挿入突起１００ａの外径よりも所定長（例えば、１ｍｍ以上の長さ）だけ小さい。なお、貫通孔１０２は形成されていなくてもよい。

　本実施形態によれば、多数の保持部７２ｄはそれぞれ、多数のシリンジ１２の各々の基端面１３を支持する支持面７９ａと、支持面７９ａから上方に突出し、且つ多数のシリンジ１２の各々の基端開口２８から胴部２４内に挿入される挿入突起１００ａとを有する。これにより、多数のシリンジ１２の胴部２４の基端部を支持面７９ａと挿入突起１００ａとによって一層安定して支持することができる。

　また、挿入突起１００ａは、円筒形状であり、多数のシリンジ１２の各々の胴部２４の内径と略一致した外径を有する。そのため、挿入突起１００ａの外周面を胴部２４の内周面に効率的に接触させることができる。

　挿入突起１００ａは、円柱形状であってもよい。この場合、保持部７２ｄには、貫通孔１０２が形成されない。また、挿入突起１００ａの横断面の外形形状は、正多角形状であってもよい。

（第５実施形態）
　次に、本発明の第５実施形態に係るシリンジ包装体１０Ｅについて説明する。なお、本実施形態において、上述した第４実施形態のシリンジ包装体１０Ｄと同様の構成要素については、同様の効果を奏する。

　図１０Ａ及び図１０Ｂに示すように、本実施形態に係るシリンジ包装体１０Ｅのシリンジ収納容器１４ｅは、上述した保持部材４４ａに替えて保持部材４４ｅを備えている。

　保持部材４４ｅは、平板部７０と、平板部７０に設けられた多数の保持部７２ｅとを有する。保持部７２ｅは、多数のシリンジ１２の各々の胴部２４の基端部が挿入される円形状の挿入凹部７８ａと、挿入凹部７８ａの支持面７９ａから上方に突出し、且つ多数のシリンジ１２の各々の基端開口２８から胴部２４内に挿入される挿入突起１００ｂとを含む。

　挿入突起１００ｂは、円筒形状であり、多数のシリンジ１２の各々の胴部２４の内径と略一致した外径を有する。具体的には、挿入突起１００ｂの外径は、胴部２４の内径と同一であってもよいし、胴部２４の内径よりも所定長（例えば、２ｍｍ以下の長さ）だけ大きくてもよい。

　挿入突起１００ｂの突出端は、ガスケット２２に接触していない（図１０Ａ参照）。挿入突起１００ｂの外面の突出端部には、上方に向かって径方向内方に傾斜したテーパ面１０４が形成されている。これにより、挿入突起１００ｂを胴部２４内に容易に挿入することができる。

　挿入突起１００ｂは、円形状の貫通孔１０２が形成されている。貫通孔１０２の直径は、挿入突起１００ｂの外径よりも所定長（例えば、１ｍｍ以上の長さ）だけ小さい。挿入突起１００ｂは、挿入突起１００ｂの上端から下方に向かって延びる複数（図１０Ｂでは４つ）のスリット１０６を有する。これらスリット１０６は、挿入突起１００ｂの周方向に等間隔に設けられている。これにより、挿入突起１００ｂは、径方向に容易に弾性変形させることができる。

　本実施形態によれば、挿入突起１００ｂは、その上端から下方に向かって延びるスリット１０６を有するため、胴部２４内に挿入突起１００ｂを容易に挿入することができる。また、挿入突起１００ｂの外径を比較的大きくすることができるため、挿入突起１００ｂの外周面の胴部２４の内周面に対する密着性を高めることができる。

　挿入突起１００ｂの横断面の外形形状は、正多角形状であってもよい。スリット１０６の数は、１つ以上であれば任意に設定できる。

（第６実施形態）
　次に、本発明の第６実施形態に係るシリンジ包装体１０Ｆについて説明する。図１１Ａ及び図１１Ｂに示すように、本実施形態に係るシリンジ包装体１０Ｆのシリンジ収納容器１４ｆは、上述した保持部材４４ａに替えて保持部材４４ｆを備えている。

　保持部材４４ｆは、平板部７０と、平板部７０に設けられた多数の保持部７２ｆとを有する。保持部７２ｆは、多数のシリンジ１２の各々の胴部２４の基端部が挿入される円形状の挿入凹部７８ａと、挿入凹部７８ａの支持面７９ａから上方に突出し、且つ多数のシリンジ１２の各々の基端開口２８から胴部２４内に挿入される挿入突起１００ｃとを含む。

　挿入突起１００ｃは、支持面７９ａから連続した第１突起１１０と、第１突起１１０から上方に向かって延びる第２突起１０８とを有する。第１突起１１０は、円筒形状であり、多数のシリンジ１２の各々の胴部２４の内径と略一致した外径を有する。具体的には、第１突起１１０の外径は、胴部２４の内径と同一であってもよいし、胴部２４の内径よりも所定長（例えば、２ｍｍ以下の長さ）だけ小さくてもよい。

　第２突起１０８は、ガスケット２２に設けられた凹部３８に挿入される。第２突起１０８は、円筒形状であり、ガスケット２２の凹部３８の内径と略一致した外径を有する。具体的には、第２突起１０８の外径は、ガスケット２２の凹部３８の内径と同一であってもよいし、ガスケット２２の凹部３８の内径よりも所定長（例えば、２ｍｍ以下の長さ）だけ小さくてもよい。

　これにより、第２突起１０８がガスケット２２の凹部３８に嵌合することを防止することができる。つまり、シリンジ１２を保持部材４４ｆから上方に抜き出す際に、ガスケット２２が第２突起１０８によって基端側に引っ張られることを防止することができる。

　第２突起１０８の突出端は、ガスケット２２の凹部３８の底面に対して離間している。第１突起１１０の内孔と第２突起１０８の内孔とは互いに連通して１つの貫通孔１１２を形成している。

　本実施形態によれば、挿入突起１００ｃは、支持面７９ａから連続した第１突起１１０と、第１突起１１０から上方に向かって延びる第２突起１０８とを有し、第２突起１０８は、ガスケット２２に設けられた凹部３８に挿入される。このため、多数のシリンジ１２の胴部２４の基端部を第１突起１１０と第２突起１０８とによって一層安定して支持することができる。

　また、第１突起１１０及び第２突起１０８は、円筒形状であり、第１突起１１０は、胴部２４の内径と略一致した外径を有し、第２突起１０８は、ガスケット２２の凹部３８の内径と略一致した外径を有する。このため、第１突起１１０の外周面を胴部２４の内周面に効率的に接触させることができるとともに第２突起１０８の外周面をガスケット２２の凹部３８の内面に効率的に接触させることができる。

　第１突起１１０及び第２突起１０８の少なくともいずれかは、円柱形状であってもよい。この場合、保持部７２ｆには貫通孔１１２が形成されない。また、第１突起１１０及び第２突起１０８の少なくともいずれかの横断面の外形形状は、正多角形状であってもよい。

（第７実施形態）
　次に、本発明の第７実施形態に係るシリンジ包装体１０Ｇについて説明する。なお、本実施形態において、上述した第４実施形態のシリンジ包装体１０Ｄと同様の構成要素については、同様の効果を奏する。図１２及び図１３に示すように、本実施形態に係るシリンジ包装体１０Ｇは、多数のシリンジ１２、シリンジ収納容器１４ｇ、封止部材１６及び位置決め部材１８ｂを備える。

　シリンジ収納容器１４ｇは、容器本体４２ｂと、多数の保持部７２ｇとを有する。多数の保持部７２ｇは、容器本体４２ｂの底部４６の上面４６ａから上方に延出している。保持部７２ｇは、底部４６の上面４６ａに連続した円柱形状の支持台１１４と、支持台１１４の上面である支持面１１５から上方に突出し、且つ多数のシリンジ１２の各々の基端開口２８から胴部２４内に挿入される円柱形状の挿入突起１００ｄとを含む。

　支持台１１４は、胴部２４の内径よりも大きな外径を有する。また、本実施形態では基端フランジ３２の外径と略一致した外径、又は、胴部２４の基端フランジ３２の外径よりも所定長（例えば、５ｍｍ以下の長さ）だけ大きい外径を有する。支持台１１４の支持面１１５は、シリンジ１２の基端面１３を支持する。挿入突起１００ｄは、胴部２４の内径と略一致した外径を有する。具体的には、挿入突起１００ｄの外径は、胴部２４の内径と同一であってもよいし、胴部２４の内径よりも所定長（例えば、２ｍｍ以下の長さ）だけ小さくてもよい。挿入突起１００ｄの突出端は、ガスケット２２に接触していない（図１３参照）。

　位置決め部材１８ｂは、多数の位置決め挿入孔８８が形成されたベース板８６ｂと、ベース板８６ｂの外縁部から上方に突出した四角環状の突出部１１６と、突出部１１６の突出端から外方に延出した四角環状の支持フランジ１１８とを有する。支持フランジ１１８は、張出部５６の上面５６ａに支持される。位置決め挿入孔８８は、張出部５６よりも下方の位置でシリンジ１２の胴部２４の先端部を位置決めする。

　本実施形態によれば、多数の保持部７２ｇが容器本体４２ｂの底部４６に設けられるため、多数の保持部７２ｇを容器本体４２ｂとは別体に設ける場合と比較してシリンジ収納容器１４ｇの部品点数を削減することができる。

　支持台１１４及び挿入突起１００ｄは、円筒状に構成されていてもよい。この場合、支持台１１４の内孔と挿入突起１００ｄの内孔とは、互いに連通して１つの穴（凹部）を形成する。この穴によって、胴部２４内に異物が滞留することを防止することができる。挿入突起１００ｄの横断面の外形形状は、正多角形状であってもよい。

　シリンジ包装体１０Ａ～１０Ｇは、位置決め部材１８ａ、１８ｂが省略されていてもよい。

　本発明に係るシリンジ収納容器及びシリンジ包装体は、上述の実施形態に限らず、本発明の要旨を逸脱することなく、種々の構成を採り得ることはもちろんである。

Claims

　内部に薬液を充填可能な胴部と、前記胴部の先端から延びる先端ノズルと、前記胴部の基端部に形成された基端開口と、を有するシリンジ本体と、前記胴部内に挿入された前記胴部内を摺動可能なガスケットと、を備えた多数のシリンジを収納するためのシリンジ収納容器であって、
　閉じた底部と、前記底部の周縁から上方に延びる側壁部と、側壁部の上端に囲まれた上端開口部と、前記底部と前記側壁部と前記上端開口部とから画成される収納空間と、を有する容器本体と、
　前記容器本体の前記底部の上面の上方に配置され、前記多数のシリンジの前記先端ノズルの各々が上向きとなるように、前記多数のシリンジの前記胴部の前記基端部の各々を保持する多数の保持部と、を備える、
　ことを特徴とするシリンジ収納容器。
　請求項１記載のシリンジ収納容器であって、
　前記多数の保持部は、前記多数のシリンジの各々の基端面を、前記底部の上面に対して上方に離間して位置させるように、前記多数のシリンジを保持する、
　ことを特徴とするシリンジ収納容器。
　請求項１又は２に記載のシリンジ収納容器であって、
　前記多数の保持部はそれぞれ、
　前記多数のシリンジの各々の基端面を支持する支持面と、
　前記支持面から上方に突出し、且つ前記多数のシリンジの各々の前記基端開口から前記胴部内に挿入される挿入突起と、を有する、
　ことを特徴とするシリンジ収納容器。
　請求項３記載のシリンジ収納容器であって、
　前記挿入突起は、円筒又は円柱形状であり、前記多数のシリンジの各々の前記胴部の内径と略一致した外径を有する、
　ことを特徴とするシリンジ収納容器。
　請求項４記載のシリンジ収納容器であって、
　前記挿入突起は、前記挿入突起の上端から下方に向かって延びるスリットを有する、
　ことを特徴とするシリンジ収納容器。
　請求項３～５のいずれか１項に記載のシリンジ収納容器であって、
　前記挿入突起は、
　前記支持面から連続した第１突起と、
　前記第１突起から上方に向かって延びる第２突起と、を有し、
　前記第２突起は、前記ガスケットに設けられた凹部に挿入される、
　ことを特徴とするシリンジ収納容器。
　請求項６記載のシリンジ収納容器であって、
　前記第１突起及び前記第２突起は、円筒又は円柱形状であり、
　前記第１突起は、前記多数のシリンジの各々の前記胴部の内径と略一致した外径を有し、
　前記第２突起は、前記ガスケットの前記凹部の内径と略一致した外径を有する、
　ことを特徴とするシリンジ収納容器。
　請求項１～７のいずれか１項に記載のシリンジ収納容器であって、
　前記多数の保持部はそれぞれ、前記多数のシリンジの各々の前記胴部の前記基端部が挿入される挿入凹部を有する、
　ことを特徴とするシリンジ収納容器。
　請求項８記載のシリンジ収納容器であって、
　前記挿入凹部は、前記多数のシリンジの各々の前記胴部の前記基端部の外径と略一致した内径を有する、
　ことを特徴とするシリンジ収納容器。
　請求項８記載のシリンジ収納容器であって、
　前記挿入凹部は、前記多数のシリンジの各々の前記胴部の前記基端部の外周面と略一致した内周面を有する、
　ことを特徴とするシリンジ収納容器。
　請求項１～１０のいずれか１項に記載のシリンジ収納容器であって、
　前記シリンジ収納容器は、前記容器本体とは別体に形成され、前記多数の保持部を有する板状の保持部材を備え、
　前記保持部材は、前記容器本体の前記収納空間内に配置される、
　ことを特徴とするシリンジ収納容器。
　請求項１１記載のシリンジ収納容器であって、
　前記容器本体は、前記保持部材の下面を支持する支持部を有し、
　前記保持部材の前記下面は、前記容器本体の前記支持部に支持されることにより、前記容器本体の前記底部の上面から離間する、
　ことを特徴とするシリンジ収納容器。
　請求項１～４のいずれか１項に記載のシリンジ収納容器であって、
　前記多数の保持部は、前記底部の上面から上方に延出している、
　ことを特徴とするシリンジ収納容器。
　請求項１～１３のいずれか１項に記載のシリンジ収納容器と、
　前記多数の保持部に保持された前記多数のシリンジと、
　前記容器本体の前記上端開口部を封止する封止部材と、を備える、
　ことを特徴とするシリンジ包装体。
　請求項１４記載のシリンジ包装体であって、
　前記シリンジ包装体は、前記シリンジ収納容器の前記収納空間内における前記多数の保持部と前記上端開口部との間に配置された位置決め部材を備え、
　前記位置決め部材は、前記多数のシリンジの前記胴部の先端部の各々が挿入され、前記収納空間内における前記胴部の前記先端部を位置決めする多数の位置決め挿入孔を有する、
　ことを特徴とするシリンジ包装体。