WO2019150913A1 - 駆動装置およびパワーステアリング装置 - Google Patents

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弘光 大橋
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Abstract

【課題】磁気センサの冗長性が実現される駆動装置およびパワーステアリング装置を提供する。【解決手段】駆動装置の一態様は、ロータとステータとを備えたモータと、上記モータの駆動を制御する制御部と、を備え、上記モータは、上記制御部へと延びて上記ロータと共に回転するシャフトと、上記シャフトに対して固定されて上記シャフトと共に回転するマグネットとを備え、上記制御部は、上記マグネットを間に挟んだ両側に実装基板を備え、各実装基板には、上記マグネットの回転角度を検知する磁気センサが搭載される。

Description

駆動装置およびパワーステアリング装置
本発明は、駆動装置およびパワーステアリング装置に関する。
従来、モータを備えた駆動装置において、駆動系および制御系が冗長化された冗長設計による堅牢性の向上が求められる。近年では、モータの回転角度を検出するセンサについても冗長設計が求められる。 
例えば特許文献1には、基板の表と裏に1つずつ計2個の磁気センサが実装される装置が示され、2個の磁気センサの位置は、モータの回転軸上に並ぶような位置となる。
国際公開第2014/054098号
しかし、特許文献1の構成では、基板を間に挟んだ分だけ、磁気センサの一方が他方よりもマグネットから離れることになる。このため、マグネットから離れる磁気センサでは角度検出の精度が下がり、十分な冗長性が得られない。また、複数の基板に独立の制御回路が分かれて搭載されることで各制御回路の独立性が担保されることも求められる。 そこで、本発明は、磁気センサの冗長性が実現される駆動装置およびパワーステアリング装置を提供することを目的とする。
本発明に係る駆動装置の一態様は、ロータとステータとを備えたモータと、上記モータの駆動を制御する制御部と、を備え、上記モータは、上記制御部へと延びて上記ロータと共に回転するシャフトと、上記シャフトに対して固定されて上記シャフトと共に回転するマグネットとを備え、上記制御部は、上記マグネットを間に挟んだ両側に実装基板を備え、各実装基板には、上記マグネットの回転角度を検知する磁気センサが搭載される。 また、本発明に係るパワーステアリング装置の一態様は、上記駆動装置と、上記駆動装置によって駆動されるパワーステアリング機構と、を備える。
本発明によれば、磁気センサの冗長性が実現される。その結果、複数の基板に独立の制御回路が分かれて搭載されることで各制御回路の独立性も担保される。
図1は、本実施形態によるモータ駆動ユニットのブロック構成を模式的に示す図である。 図2は、本実施形態によるモータ駆動ユニットの回路構成を模式的に示す図である。 図3は、正常時におけるモータの各相の各コイルに流れる電流値を示す図である 図4は、モータ駆動ユニットのハードウェア構成を模式的に示す図である。 図5は、第1実装基板および第2実装基板のハードウェア構成を模式的に示す図である。 図6は、角度センサ周辺のハードウェア構成を示す図である。 図7は、第1のセンサマグネットによる磁場の状態を示す図である。 図8は、第1のセンサマグネットによる磁場の状態を示す図である。 図9は、センサ構成が異なる変形例を示す図である。 図10は、マグネット構成が異なる変形例を示す図である。 図11は、ヒートシンクの配置が考慮された変形例を示す図である。 図12は、基板構成が異なる変形例による実装基板のハードウェア構成を模式的に示す図である。 図13は、中性点リレー回路の構成が異なる変形例による回路構成を模式的に示す図である。 図14は、中性点リレー回路の構成が異なる別の変形例による回路構成を模式的に示す図である。 図15は、中性点リレー回路の構成が異なる更に別の変形例による回路構成を模式的に示す図である。 図16は、図7に示された変形例に対する別の変形例を示す図である。 図17は、図7に示された変形例におけるモータ駆動ユニットのハードウェア構成を模式的に示す図である。 図18は、図11に示されたハードウェア構成における第1実装基板および第2実装基板のハードウェア構成を模式的に示す図である。 図19は、図10とは異なる基板構成の変形例を示す図である。 図20は、本実施形態によるパワーステアリング装置の構成を模式的に示す図である。
以下、添付の図面を参照しながら、本開示の電力変換装置、駆動装置およびパワーステアリング装置の実施形態を詳細に説明する。但し、以下の説明が不必要に冗長になるのを避け、当業者の理解を容易にするため、必要以上に詳細な説明は省略する場合がある。例えば、既によく知られた事項の詳細説明や実質的に同一の構成に対する重複説明を省略する場合がある。 
本明細書において、電源からの電力を、三相(U相、V相、W相)の巻線(「コイル」と表記する場合がある。)を有する三相モータに供給する電力に変換する電力変換装置を例にして、本開示の実施形態を説明する。ただし、電源からの電力を、四相または五相などのn相(nは4以上の整数)の巻線を有するn相モータに供給する電力に変換する電力変換装置も本開示の範疇である。

(モータ駆動ユニット1000の構造)

 図1は、本実施形態によるモータ駆動ユニット1000のブロック構成を模式的に示す図である。 モータ駆動ユニット1000は、電力供給装置101、102、モータ200および制御回路301、302を備える。 
本明細書では、構成要素としてモータ200を備えるモータ駆動ユニット1000を説明する。モータ200を備えるモータ駆動ユニット1000は、本発明の駆動装置の一例に相当する。ただし、モータ駆動ユニット1000は、構成要素としてモータ200を備えない、モータ200を駆動するための装置であってもよい。 
第1の電力供給装置101は、第1インバータ111、第2中性点リレー回路121電流センサ401および電圧センサ411を備える。第2の電力供給装置102は、第2インバータ112、第1中性点リレー回路122、電流センサ402および電圧センサ412を備える。 
モータ駆動ユニット1000は、2つの電力供給装置101、102によって、電源(図2の符号403、404)からの電力をモータ200に供給する電力に変換することが可能である。例えば、第1および第2インバータ111、112は、直流電力を、U相、V相およびW相の擬似正弦波である三相交流電力に変換することが可能である。 
第1インバータ111は、モータ200のコイルの一端210に接続され、第2インバータ112は、モータ200のコイルの他端220に接続される。本明細書において、部品(構成要素)同士の「接続」とは、特に断らない限り電気的な接続を意味する。 
モータ200は、例えば三相交流モータである。モータ200は、U相、V相およびW相のコイルを有する。コイルの巻き方は、例えば、集中巻きまたは分布巻きである。 
制御回路301、302は、後で詳述するようにマイクロコントローラ341、342などを備える。第1の制御回路301は、電流センサ401および角度センサ321からの入力信号に基づいて第1の電力供給装置101を制御する。また、第2の制御回路302は、電流センサ402および角度センサ322からの入力信号に基づいて第2の電力供給装置102を制御する。制御回路301、302における電力供給装置101、102の制御手法として、例えばベクトル制御、直接トルク制御(DTC)から選択された制御手法が用いられる。 図2を参照して、モータ駆動ユニット1000の具体的な回路構成を説明する。 
図2は、本実施形態によるモータ駆動ユニット1000の回路構成を模式的に示す図である。但し、図2では、主に電力供給装置101、102の回路構成が示される。 
モータ駆動ユニット1000は電源に接続される。電源は、それぞれ独立した第1電源403と第2電源404を備える。電源403、404は所定の電源電圧(例えば12V)を生成する。電源403、404として、例えば直流電源が用いられる。ただし、電源403、404は、AC-DCコンバータまたはDC―DCコンバータであってもよいし、バッテリー(蓄電池)であってもよい。また、モータ駆動ユニット1000は、内部に電源を備えていてもよい。 
モータ駆動ユニット1000は、コイル103、104、コンデンサ105、第1インバータ111、第2インバータ112、第1中性点リレー回路122、第2中性点リレー回路121、モータ200および制御回路301、302を備える。 
モータ駆動ユニット1000は、モータ200のコイル(巻線)の一端210側に対応した第1系統と、モータ200のコイル(巻線)の他端220側に対応した第2系統とを備える。第1系統には、第1インバータ111と第1中性点リレー回路122と第1制御回路301が含まれる。第2系統には、第2インバータ112と第2中性点リレー回路121と第2制御回路302が含まれる。第1系統のインバータ111と制御回路301は第1電源403から電力を供給される。第2系統のインバータ112と制御回路302は第2電源404から電力を供給される。電源と制御回路を含んだ駆動系が、電源も含めて冗長化されるので、後述するように、一方の系統における電源の異常時にも、他方の系統によって電力供給が継続される。 
電力供給装置101、102は、上述した2つの系統に一部が跨がった構成を有する。第1の電力供給装置101は、第1系統のインバータ111と第2系統の中性点リレー回路121と第1系統の制御回路301とを備える。そして、第1系統のインバータ111と第2系統の中性点リレー回路121は、第1系統の制御回路301によって制御される。第2の電力供給装置102は、第2系統のインバータ112と第1系統の第1中性点リレー回路122と第2系統の制御回路302とを備える。そして、第2系統のインバータ112と第1系統の第1中性点リレー回路122は、第2系統の制御回路302によって制御される。 
電源403、404とインバータ111、112との間にはコイル103、104が備えられる。コイル103、104は、ノイズフィルタとして機能し、各インバータ111、112に供給される電圧波形に含まれる高周波ノイズを平滑化する。また、コイル103、104は、インバータ111、112で発生する高周波ノイズが電源403、404側に流出することを防ぐため高周波ノイズを平滑化する。また、各インバータ111、112の電源端子には、コンデンサ105が接続される。コンデンサ105は、いわゆるバイパスコンデンサであり、電圧リプルを抑制する。コンデンサ105は、例えば電解コンデンサであり、容量および使用する個数は設計仕様などによって適宜決定される。 
第1インバータ111は、3個のレグを有するブリッジ回路を備える。各レグは、電源とモータ200との間に接続されたハイサイドスイッチ素子およびモータ200とグランドとの間に接続されたローサイドスイッチ素子を備える。具体的には、U相用レグは、ハイサイドスイッチ素子113Hおよびローサイドスイッチ素子113Lを備える。V相用レグは、ハイサイドスイッチ素子114Hおよびローサイドスイッチ素子114Lを備える。W相用レグは、ハイサイドスイッチ素子115Hおよびローサイドスイッチ素子115Lを備える。スイッチ素子としては、例えば電界効果トランジスタ(MOSFETなど)または絶縁ゲートバイポーラトランジスタ(IGBT)が用いられる。なお、スイッチ素子がIGBTである場合には、スイッチ素子と逆並列にダイオード(フリーホイール)が接続される。 
第1インバータ111は、例えば、U相、V相およびW相の各相の巻線に流れる電流を検出するための電流センサ401(図1を参照)として、シャント抵抗113R、114Rおよび115Rをそれぞれ各レグに備える。電流センサ401は、各シャント抵抗に流れる電流を検出する電流検出回路(不図示)を備える。例えば、シャント抵抗は、各レグにおいて、ローサイドスイッチ素子とグランドとの間に接続され得る。シャント抵抗の抵抗値は、例えば0.5mΩ~1.0mΩ程度である。 
シャント抵抗の数は3つ以外でもよい。例えば、U相、V相用の2つのシャント抵抗113R、114R、V相、W相用の2つのシャント抵抗114R、115R、または、U相、W相用の2つのシャント抵抗113R、115Rが用いられてもよい。使用されるシャント抵抗の数およびシャント抵抗の配置は、製品コストおよび設計仕様などが考慮されて適宜決定される。 
第2インバータ112は、3個のレグを有するブリッジ回路を備える。U相用レグは、ハイサイドスイッチ素子116Hおよびローサイドスイッチ素子116Lを備える。V相用レグは、ハイサイドスイッチ素子117Hおよびローサイドスイッチ素子117Lを備える。W相用レグは、ハイサイドスイッチ素子118Hおよびローサイドスイッチ素子118Lを備える。第1インバータ111と同様に、第2インバータ112は、例えば、シャント抵抗116R、117Rおよび118Rを備える。 
第1インバータ111は、モータ200のコイル(巻線)の一端210に接続される。具体的に説明すると、第1インバータ111のU相用レグ(つまり、ハイサイドスイッチ素子およびローサイドスイッチ素子の間のノード)は、モータ200のU相コイルの一端210に接続される。第1インバータ111のV相用レグは、V相コイルの一端210に接続される。第1インバータ111のW相用レグは、W相コイルの一端210に接続される。 
第2インバータ112は、モータ200のコイル(巻線)の他端220に接続される。具体的に説明すると、第2インバータ112のU相用レグは、モータ200のU相コイルの他端220に接続される。第2インバータ112のV相用レグは、V相コイルの他端220に接続される。第2インバータ112のW相用レグは、W相コイルの他端220に接続される。 
第1中性点リレー回路122は、コイルに対する一端210側(第1系統側)と他端220側(第2系統側)とのうち一端210側における中性点の形成・非形成を切替えることが可能である。具体的には、第1中性点リレー回路122は、第1インバータ111と並列に、モータ200のコイルの一端210に接続される。第1中性点リレー回路122は、モータ200のコイルの一端210同士の接続・非接続を切替えることが可能である。 
第1中性点リレー回路122は、一端がノードN1に共通に接続され、かつ、他端がモータ200の各相のコイルに接続される3個の第1中性点リレー123、124および125を有する。具体的に説明すると、第1中性点リレー123は、ノードN1とU相コイルの一端210とに接続される。第1中性点リレー124は、ノードN1とV相コイルの一端210とに接続される。第1中性点リレー125は、ノードN1とW相コイルの一端210とに接続される。 
第2中性点リレー回路121は、コイルに対する一端210側(第1系統側)と他端220側(第2系統側)とのうち他端220側における中性点の形成・非形成を切替えることが可能である。具体的には、第2中性点リレー回路121は、第2インバータ112と並列に、モータ200のコイルの他端220に接続される。第2中性点リレー回路121は、モータ200のコイルの他端220同士の接続・非接続を切替えることが可能である。 
第2中性点リレー回路121は、一端がノードN2に共通に接続され、かつ、他端がモータ200の各相のコイルに接続される3個の第2中性点リレー126、127および128を有する。具体的に説明すると、第2中性点リレー126は、ノードN2とU相コイルの他端220とに接続される。第2中性点リレー127は、ノードN2とV相コイルの他端220とに接続される。第2中性点リレー128は、ノードN2とW相コイルの他端220とに接続される。 上述した中性点リレーとしては、例えば、MOSFETなどの半導体スイッチ素子またはメカニカルリレーが用いられる。 
再び図1を参照する。制御回路301、302は、例えば、電源回路311、312と、角度センサ321、322と、入力回路331、332と、マイクロコントローラ341、342と、駆動回路351、352と、ROM361、362とを備える。制御回路301、302は電力供給装置101、102に接続される。そして、制御回路301、302は電力供給装置101、102を制御する。具体的には、上述したように、第1の制御回路301は、第1インバータ111および第2中性点リレー回路122を制御する。第2の制御回路302は、第2インバータ112および第1中性点リレー回路121を制御する。 
制御回路301、302は、目的とするロータの位置(回転角)、回転速度、および電流などを制御してクローズドループ制御を実現することができる。回転速度は、例えば、回転角(rad)を時間微
分することにより得られ、単位時間(例えば1分間)にロータが回転する回転数(rpm)で表される。制御回路301、302は、目的とするモータトルクを制御することも可能である。制御回路301、302は、トルク制御のためにトルクセンサを備えてもよいがトルクセンサが省かれていてもトルク制御は可能である。また、角度センサに変えてセンサレスアルゴリズムを備えてもよい。また、2つの制御回路301、302は、各々がモータの回転に同期して制御を行うことで相互の制御動作を同期させる。 電源回路311、312は、制御回路301、302内の各ブロックに必要なDC電圧(例えば3V、5V)を生成する。 
角度センサ321、322は、例えばホールICである。角度センサ321、322は、磁気抵抗(MR)素子を有するMRセンサとセンサマグネットとの組み合わせによっても実現される。角度センサ321、322は、モータ200のロータの回転角を検出し、検出した回転角を表した回転信号をマイクロコントローラ341、342に出力する。モータ制御手法(例えばセンサレス制御)によっては、角度センサ321、322は必要とされない場合がある。 
電圧センサ411、412は、中性点リレー回路121、122の、モータ200のコイルに接続された一端における電圧を検出し、検出した電圧値を入力回路331、332に出力する。 
入力回路331、332は、電流センサ401、402によって検出されたモータ電流値(以下、「実電流値」と表記する。)と電圧センサ411、412によって検出された電圧値を受け取る。入力回路331、332は、マイクロコントローラ341、342の入力レベルに実電流値および電圧値のレベルを必要に応じて変換し、実電流値および電圧値をマイクロコントローラ341、342に出力する。入力回路331、332は、アナログデジタル変換回路である。 
マイクロコントローラ341、342は、角度センサ321、322によって検出されたロータの回転信号を受信するとともに、入力回路331、332から出力された実電流値および電圧値を受信する。マイクロコントローラ341、342は、実電流値およびロータの回転信号などに従って目標電流値を設定してPWM信号を生成し、生成したPWM信号を駆動回路351、352に出力する。例えば、マイクロコントローラ341、342は、電力供給装置101、102のインバータ111、112における各スイッチ素子のスイッチング動作(ターンオンまたはターンオフ)を制御するためのPWM信号を生成する。 
また、マイクロコントローラ341、342は、中性点リレー回路121、122のオン・オフの状態を決定する信号を、受信した電圧値に従って生成することが可能である。 
駆動回路351、352は、例えばゲートドライバである。駆動回路351、352は、第1および第2インバータ111、112における各スイッチ素子のスイッチング動作を制御する制御信号(例えば、ゲート制御信号)をPWM信号に従って生成し、生成した制御信号を各スイッチ素子に与える。さらに、駆動回路351、352は、マイクロコントローラ341、342からの、各中性点リレー回路121、122のオン・オフの状態を決定する信号に従って、各中性点リレー回路121、122における各中性点リレーをオン・オフする制御信号を生成し、生成した制御信号を各中性点リレーに与えることが可能である。 マイクロコントローラ341、342は、駆動回路351、352の機能を有していてもよい。その場合、駆動回路351、352は省かれる。 
ROM361、362は、例えば書き込み可能なメモリ(例えばPROM)、書き換え可能なメモリ(例えばフラッシュメモリ)または読み出し専用のメモリである。ROM361、362は、マイクロコントローラ341、342に電力供給装置101、102を制御させるための命令群を含む制御プログラムを格納する。例えば、制御プログラムはブート時にRAM(不図示)に一旦展開される。 
電力供給装置101、102の制御には正常時および異常時の制御がある。制御回路301、302(主としてマイクロコントローラ341、342)は、電力供給装置101、102の制御を正常時の制御から異常時の制御に切替えることができる。制御の種類に応じて、第1中性点リレー回路122および第2中性点リレー回路121のオン・オフ状態が決定される。 以下、モータ駆動ユニット1000の動作の具体例を説明し、主として電力供給装置100の動作の具体例を説明する。

(正常時の制御)
先ず、電力供給装置101、102の正常時の制御方法の具体例を説明する。正常とは、2つの電源403、404と、2つのインバータ111、112と、2つの制御回路301、302のいずれもが正しく動作する状態を指す。 
正常時において、制御回路301、302は、第1中性点リレー回路122をオフし、かつ、第2中性点リレー回路121をオフする。これにより、モータ200の各相のコイルは互いに非接続となり、各相のコイルは各々独立に2つのインバータ111、112の各レグに接続される。 
第1中性点リレー回路122がオフすると、モータ200の各相のコイルの一端210同士は絶縁される。「第1中性点リレー回路122がオフする」とは、第1中性点リレー123、124および125が全てオフすることを意味する。 
第2中性点リレー回路121がオフすると、モータ200の各相のコイルの他端220同士は絶縁される。「第2中性点リレー回路121がオフする」とは、第2中性点リレー126、127および128が全てオフすることを意味する。 
この接続状態において、制御回路301、302は、第1インバータ111および第2インバータ112の両方を用いて三相通電制御することによってモータ200を駆動する。一例として、制御回路301、302は、第1インバータ111のスイッチ素子と第2インバータ112のスイッチ素子とを、周期変動するデューティでスイッチング制御することにより三相通電制御を行うことができる。第1インバータ111と第2インバータ112とのそれぞれにおけるデューティの周期変動は制御回路301、302によって切り替え可能である。制御回路301、302は、例えば第1インバータ111と第2インバータ112とで逆位相(位相差=180°)となる周期変動に切り替えてもよい。 図3は、正常時におけるモータ200の各相の各コイルに流れる電流値を示す図である。 
図3には、正常時の三相通電制御に従って電力供給装置101、102が制御されたときにモータ200のU相、V相およびW相の各コイルに流れる電流値をプロットして得られる電流波形(正弦波)が例示される。図3の横軸は、モータ電気角(deg)を示し、縦軸は電流値(A)を示す。Ipkは各相の最大電流値(ピーク電流値)を表す。なお、電力供給装置101、102は、図3に例示した正弦波以外に、例えば矩形波を用いてモータ200を駆動することも可能である。 
表1は、図3の正弦波において電気角毎に各インバータの端子に流れる電流値を示す。表1は、具体的に、第1インバータ111とU相、V相およびW相それぞれのコイルの一端210との接続点に流れる電気角30°毎の電流値を示す。また、表1は、第2インバータ112とU相、V相およびW相それぞれのコイルの他端220との接続点に流れる、電気角30°毎の電流値を示す。ここで、第1インバータ111に対しては、モータ200の一端210から他端220に流れる電流方向を正の方向と定義する。また、第2インバータ112に対しては、モータ200の他端220から一端210に流れる電流方向を正の方向と定義する。従って、第1インバータ111の電流と第2インバータ112の電流との位相差は180°となる。表1において、電流値Iの大きさは〔(3)1/2/2〕*Ipkであり、電流値Iの大きさはIpk/2である。 
Figure JPOXMLDOC01-appb-T000001
電気角0°において、U相のコイルは電流が「0」となる。電気角0°において、V相のコイルには第2インバータ112から第1インバータ111に大きさIの電流が流れ、W相のコイルには第1インバータ111から第2インバータ112に大きさIの電流が流れる。 
電気角30°において、U相のコイルには第1インバータ111から第2インバータ112に大きさIの電流が流れ、V相のコイルには第2インバータ112から第1インバータ111に大きさIpkの電流が流れ、W相のコイルには第1インバータ111から第2インバータ112に大きさIの電流が流れる。 
電気角60°において、U相のコイルには第1インバータ111から第2インバータ112に大きさIの電流が流れ、V相のコイルには第2インバータ112から第1インバータ111に大きさIの電流が流れる。電気角60°において、W相のコイルは電流が「0」となる。 
電気角90°において、U相のコイルには第1インバータ111から第2インバータ112に大きさIpkの電流が流れ、V相のコイルには第2インバータ112から第1インバータ111に大きさIの電流が流れ、W相のコイルには第2インバータ112から第1インバータ111に大きさIの電流が流れる。 
電気角120°において、U相のコイルには第1インバータ111から第2インバータ112に大きさIの電流が流れ、W相のコイルには第2インバータ112から第1インバータ111に大きさIの電流が流れる。電気角120°において、V相のコイルは電流が「0」となる。 
電気角150°において、U相のコイルには第1インバータ111から第2インバータ112に大きさIの電流が流れ、V相のコイルには第1インバータ111から第2インバータ112に大きさIの電流が流れ、W相のコイルには第2インバータ112から第1インバータ111に大きさIpkの電流が流れる。 
電気角180°において、U相のコイルは電流が「0」となる。電気角180°において、V相のコイルには第1インバータ111から第2インバータ112に大きさIの電流が流れ、W相のコイルには第2インバータ112から第1インバータ111に大きさIの電流が流れる。 
電気角210°において、U相のコイルには第2インバータ112から第1インバータ111に大きさIの電流が流れ、V相のコイルには第1インバータ111から第2インバータ112に大きさIpkの電流が流れ、W相のコイルには第2インバータ112から第1インバータ111に大きさIの電流が流れる。 
電気角240°において、U相のコイルには第2インバータ112から第1インバータ111に大きさIの電流が流れ、V相のコイルには第1インバータ111から第2インバータ112に大きさIの電流が流れる。電気角240°において、W相のコイルは電流が「0」となる。 
電気角270°において、U相のコイルには第2インバータ112から第1インバータ111に大きさIpkの電流が流れ、V相のコイルには第1インバータ111から第2インバータ112に大きさIの電流が流れ、W相のコイルには第1インバータ111から第2インバータ112に大きさIの電流が流れる。 
電気角300°において、U相のコイルには第2インバータ112から第1インバータ111に大きさIの電流が流れ、W相のコイルには第1インバータ111から第2インバータ112に大きさIの電流が流れる。電気角300°において、V相のコイルは電流が「0」となる。 
電気角330°において、U相のコイルには第2インバータ112から第1インバータ111に大きさIの電流が流れ、V相のコイルには第2インバータ112から第1インバータ111に大きさIの電流が流れ、W相のコイルには第1インバータ111から第2インバータ112に大きさIpkの電流が流れる。 
図3に示される電流波形において、電流の向きを考慮した三相のコイルに流れる電流の総和は電気角毎に「0」となる。ただし、電力供給装置101、102の回路構成によれば、三相のコイルに流れる電流は独立に制御される。このため、制御回路301、302は電流の総和が「0」以外の値となる制御を行うことも可能である。

(異常時の制御)
電力供給装置100の異常時の制御方法の具体例を説明する。異常とは、2つの電源403、404と、2つのインバータ111、112と、2つの制御回路301、302の1つ以上に故障が生じた状態を指す。異常には、大きく分けて第1系統の異常と第2系統の異常とがある。また、各系統の異常としては、インバータ111、112の故障による異常と駆動系の異常がある。本明細書で「駆動系の異常」は、電源のみの異常、制御回路のみの異常、電源と制御回路との両方の異常、電源異常に伴い制御部も動作停止した状態などといった各種の異常状態を含む。また、インバータ111、112の故障は、インバータ回路内における断線、ショート、スイッチ素子の故障などを含む。 
異常検知の一例として、制御回路301、302(主としてマイクロコントローラ341、342)は、電圧センサ411、412によって検出された電圧値を解析することで、2つの系統のうち自己が所属した系統に対する相手側の系統における異常を検知する。制御回路301、302は、自分の制御下にある電圧センサ411、412および中性点リレー回路121、122を介して相手側のインバータ111、112における電圧を確認することができる。具体的には、中性点リレー回路121、122はモータのコイルの一端210および他端220を介してインバータ111、112に接続され、電圧センサ411、412は一端210および他端220の電圧を検出する。 
異常検知の他の一例として、マイクロコントローラ341、342は、モータの実電流値と目標電流値との差などを解析することで異常を検知することも可能である。ただし、制御回路301、302は、これらの手法に限られず、異常検知に関する公知の手法を広く用いることができる。 
制御回路301、302は、マイクロコントローラ341、342で異常を検知すると、電力供給装置101、102の制御を正常時の制御から異常時の制御に切替える。例えば、正常時から異常時に制御を切替えるタイミングは、異常が検知されてから10msec~30msec程度である。 
制御回路301、302は、異常時には、相手側の系統の中性点リレー回路121、122をオンする。例えば第1の制御回路301が異常を検知した場合には、第1の制御回路301は第2中性点リレー回路121をオンする。 
第2中性点リレー回路121がオンすると、モータ200の三相のコイルの他端220同士が接続される。その結果、モータ200のコイルはY結線される。そして、第2中性点リレー回路121の中のノードN2が中性点として機能することになる。「第2中性点リレー回路121がオンする」とは、第2中性点リレー回路121内の第2中性点リレー126、127および128が全てオンすることを意味する。この接続状態で、第1の制御回路301は、第1インバータ111を三相通電制御することでモータ200のコイルを通電することができる。 
第1の制御回路301が異常を検知した場合には、第2系統で異常が生じたことになる。そして、第2系統の異常が駆動系の異常である場合、第2の制御回路302は、第2インバータ112に対する制御を失った状態(第2の制御回路302が失陥した状態)になる。このような場合でも、第1の制御回路301が第2中性点リレー回路121を制御するので第2系統側で中性点が形成される。そして、第1系統側のインバータ111でモータ200に対する電力供給が継続される。
また、第2インバータ112は、第2の制御回路302の失陥時には、電源404からの電力に対し遮断状態となる。具体的には、第2インバータ112における全部のスイッチ素子が、制御信号のない通常時に自ずとオフする。このため、電源404から第2インバータ112には電流が流れ込まず電力損失が抑制される。 
第2の制御回路302が異常を検知した場合には、第2の制御回路302は第1中性点リレー回路122をオンする。なお、制御回路301、302は、異常時以外の特定の場合にも中性点スイッチ131、132をオンしてもよい。 
第1中性点リレー回路122がオンすると、モータ200の三相のコイルの一端210同士が接続される。その結果、モータ200のコイルはY結線される。そして、第1中性点リレー回路122の中のノードN1が中性点として機能することになる。「第1中性点リレー回路122がオンする」とは、第1中性点リレー回路122内の第1中性点リレー123、124および125が全てオンすることを意味する。この接続状態で、第2の制御回路302は、第2インバータ112を三相通電制御することでモータ200のコイルを通電することができる。 
第2の制御回路302が異常を検知した場合には、第1系統で異常が生じたことになる。そして、第1系統の異常が駆動系の異常である場合、第1の制御回路301は、第1インバータ111を制御することができない状態(失陥した状態)になる。このような場合でも、第2の制御回路302が第1中性点リレー回路122を制御するので第1系統側で中性点が形成される。そして、第2系統側のインバータ112でモータ200に対する電力供給が継続される。 
また、第1インバータ111は、第1の制御回路301の失陥時には、電源403からの電力に対し遮断状態となる。具体的には、第1インバータ111における全部のスイッチ素子が、制御信号のない通常時に自ずとオフする。このため、電源403から第1インバータ111には電流が流れ込まず電力損失が抑制される。 
異常時における具体的な三相通電制御として、制御回路301、302は、例えば図3に示される電流波形と同様の波形が得られるようなPWM制御によってインバータ111、112の各スイッチング素子におけるスイッチング動作を制御する。 
表2は、図3に示される電流波形と同様の波形が得られるような三相通電制御で例えば第2インバータ112が制御された場合に第2インバータ140の端子に流れる電流値を電気角毎に例示す。表2は具体的に、第2インバータ112とU相、V相およびW相それぞれのコイルの他端220との接続点に流れる、電気角30°毎の電流値を示す。電流方向の定義は上述したとおりである。 
Figure JPOXMLDOC01-appb-T000002
例えば、電気角30°において、U相のコイルには第1インバータ111から第2インバータ112に大きさIの電流が流れ、V相のコイルには第2インバータ112から第1インバータ111に大きさIpkの電流が流れ、W相のコイルには第1インバータ111から第2インバータ112に大きさIの電流が流れる。電気角60°において、U相のコイルには第1インバータ111から第2インバータ112に大きさIの電流が流れ、V相のコイルには第2インバータ112から第1インバータ111に大きさIの電流が流れる。電気角60°において、W相のコイルは電流が「0」となる。中性点に流れ込む電流と中性点から流れ出る電流との総和は電気角毎に常に「0」になる。 
表1および表2に示されるように、正常時および異常時の制御の間でモータ200に流れるモータ電流は電気角毎に同一である。このため、異常時の制御において、正常時の制御におけるモータのトルクが維持される。 
なお、異常時の異常箇所が、インバータ111、112内の1つのスイッチ素子である場合には、例えば特開2014-192950号公報に記載された制御手法によってインバータ111、112が中性点とされることが可能である。但し、この制御手法の実現に際しては、制御信号の電圧が正常時とは異なる特殊なゲートドライバが必要とされる。このような制御手法に対し、中性点リレー回路121、122による中性点化は異常時のみでオンされればよいため、制御信号のオン電圧は1つでよく、特殊なゲートドライバが不要である。また、故障を生じたスイッチ素子を含んだインバータ111、112の使用は避けることが望ましいので、この点でも中性点リレー回路121、122によって中性点が形成される手法の方が優れる。

(モータ駆動ユニット1000のハードウェア構成)



 次に、モータ駆動ユニット1000のハードウェア構成について説明する。 図4は、モータ駆動ユニット1000のハードウェア構成を模式的に示す図である。 
モータ駆動ユニット1000は、ハードウェア構成として、上述したモータ200と、第1実装基板1001と、第2実装基板1002と、ハウジング1003と、コネクタ1004、1005とを備える。 
モータ200からは、コイルの一端210と他端220が突き出して実装基板1001、1002に向かって延びる。コイルの一端210と他端220との双方は、第1実装基板1001と第2実装基板1002との間を渡る。具体的には、コイルの一端210と他端220との双方が例えば第2実装基板1002に接続される。コイルの一端210と他端220との双方が、第2実装基板1002を貫通して第1実装基板1001に接続される。 
第1実装基板1001と第2実装基板1002とは基板面同士が対向する。基板面が対向した方向に、モータ200の回転軸が延びる。第1実装基板1001と第2実装基板1002とモータ200は、ハウジング1003内に収容されることで互いの位置が固定される。 
第1実装基板1001には、第1電源403からの電源コードが接続されるコネクタ1004が取り付けられる。第2実装基板1002には、第2電源404からの電源コードが接続されるコネクタ1005が取り付けられる。 図5は、第1実装基板1001および第2実装基板1002のハードウェア構成を模式的に示す図である。 
第1実装基板1001には、第1インバータ111および第2中性点リレー回路121が実装される。また、第1実装基板1001とは別の第2実装基板1002には、第2インバータ112および第1中性点リレー回路122が実装される。第1系統と第2系統とに冗長化された各系統の回路が2枚の実装基板1001、1002に振り分けられるので、2枚の実装基板について回路規模が均された効率的な素子配置が可能となる。 
第1実装基板1001には、第1の制御回路301も実装される。第2実装基板1002には、第2の制御回路302も実装される。各制御回路301、302が、各制御回路301、302による制御対象のインバータ111、112および中性点リレー回路121、122と同一の実装基板上に実装されるので制御のための配線が基板内に納まる。よって、効率的な素子配置が可能である。 
第1実装基板1001上の第1インバータ111と第2実装基板1002上の第1中性点リレー回路122は、第1実装基板1001と第2実装基板1002との対向方向で見た場合に互いに重なり合う位置に実装される。また、第1実装基板1001上の第2中性点リレー回路121と第2実装基板1002上の第2インバータ112は、第1実装基板1001と第2実装基板1002との対向方向で見た場合に互いに重なり合う位置に実装される。このような回路配置により、コイルの一端210および他端220と各回路とを接続する配線経路が簡素化された効率的な素子配置が可能となる。 
第1実装基板1001と第2実装基板1002との対向方向で見た場合に、第1実装基板1001上の第1インバータ111と第2実装基板1002上の第2インバータ112とが互いに対称な配置となる。また、第1実装基板1001と第2実装基板1002との対向方向で見た場合に、第1実装基板1001上の第2中性点リレー回路121と第2実装基板1002上の第1中性点リレー回路122とが互いに対称な配置となる。このような対称な配置により、2枚の実装基板1001、1002について基板設計が共通化できる。 
図6は、角度センサ321、322周辺のハードウェア構成を示す図である。 第1実装基板1001上には第1の角度センサ321が実装され、第2実装基板1002上には第2の角度センサ322が実装される。これらの角度センサ321,322は磁気センサであり、2つの実装基板1001,1002の間には、センサマグネット323,324が設けられる。つまり、センサマグネット323,324を間に挟んだ両側に実装基板1001,1002を備え、各実装基板1001,1002には、センサマグネット323,324の回転角度を検知する磁気センサである角度センサ321,322が搭載される。このように角度センサ321,322が各実装基板1001,1002に備えられることで、角度センサ321,322の冗長性が実現される。また、2枚の実装基板1001,1002に2つの制御回路301、302が個別に搭載されることによる独立性がセンサ入力の観点からも担保される。 
また、上述したように、第1実装基板1001には、モータ200に接続される第1インバータ111と、前記第1インバータ111を制御する第1制御回路301とが搭載され、第2実装基板1002には、モータ200に接続される第2インバータ112と、前記第2インバータ112を制御する第2制御回路302とが搭載される。このため、2系統の制御系と対応付けられた角度センサ321,322の冗長性が実現される。 
センサマグネット323,324はシャフト250に固定され、シャフト250は、モータ200から2枚の実装基板1001,1002側へと延び、モータ200のロータと共に回転する。 シャフト250に対するセンサマグネット323,324の固定としては、シャフトへの直接固定であってもよく、あるいは、他の部材を介した間接的な固定であってもよい。間接的な固定としては、例えば、シャフトに、ピン、ヨーク、プレートなどが取り付けられ、それらピン、ヨーク、プレートなどにセンサマグネット323,324が固定されてもよい。また、モータのロータと一体になったモータシャフトに、センサマグネット323,324の固定用のシャフトが接続されてもよい。 シャフト250は、2枚の実装基板1001,1002のうち、モータ200側に位置する実装基板1002を貫通する。シャフト250が2枚の実装基板1001,1002の少なくとも1つを貫通することで、シャフト250とセンサマグネット323,324との配置が容易となる。 
本実施形態では2つのセンサマグネット323,324が備えられる。2つのセンサマグネット323,324のうち第1のセンサマグネット323は、シャフト250の先端に固定される。そして、2つの角度センサ321,322のうち第1の角度センサ321は、シャフト250の回転軸の延長上に位置する。言い換えると、第1の角度センサ321は、モータ200からシャフト250が延びる方向の延長上に位置する。このような位置に設けられた角度センサ321は、回転角度の検知において、シャフト250の偏心や振れによる影響が小さい。 
2つのセンサマグネット323,324のうち第2のセンサマグネット324は、シャフト250が貫通したリングマグネットであり、シャフト250が貫通しない場合に較べ、シャフト250に対するセンサマグネット324の固定が容易である。 
2つのセンサマグネット323,324のうち第1のセンサマグネット323は、第1実装基板1001に搭載された第1の角度センサ321に向けて磁場を掛ける役目を負う。また、2つのセンサマグネット323,324のうち第2のセンサマグネット324は、第2実装基板1002に搭載された第2の角度センサ322に向けて磁場を掛ける役目を負う。 
別の視点では、第1のセンサマグネット323は、シャフト250の回転軸の延長方向に磁場を掛け、第2のセンサマグネット324は、第1のセンサマグネット323とは逆方向に磁場を掛ける。 ここで、各センサマグネット323,324が各角度センサ321,322に掛ける磁場の状態について説明する。 図7は、第1のセンサマグネット323による磁場の状態を示す図である。 
第1のセンサマグネット323は、第1実装基板1001の基板面に対向してN極とS極が並んだ磁極面325を有する。この磁極面325は、シャフト250の回転軸の延びる方向を向いた磁極面である。このような磁極面325から発生する磁場327は、第1実装基板1001の基板面に向けて磁極面325から立ち上がり、磁極面325に近接した範囲に広がった状態となる。このように磁極面325が回転軸の延びる方向を向いた構成の場合、第1の角度センサ321の大面積化が可能である。 
第1の角度センサ321は、上述したように、シャフト250の回転軸の延長上に位置する。第1の角度センサ321が、シャフト250の回転軸の延びる方向から見て、少なくとも一部が第1のセンサマグネット323と重なる位置に搭載されることで、上述した磁場327の状態とも相まって、第1の角度センサ321は第1のセンサマグネット323に対して近接配置が可能となる。この結果、2枚の実装基板1001,1002の相互間隔が狭まり、装置の小型化が図られる。 図8は、第2のセンサマグネット324による磁場の状態を示す図である。 
第2のセンサマグネット324は、シャフト250を間に挟んで互いに背を向けた2つの磁極面326を有する。それら2つの磁極面326は、シャフト250が延びる方向に沿って広がり、2つの磁極面326の一方がN極で他方がS極である。言い換えると、シャフト250の回転軸に沿って広がる磁極面326がシャフト250を挟んだ両側に位置し、極性の異なる磁極面326同士がシャフト250を挟んで互いに背を向ける。 
このような磁極面326から発生する磁場328は、第2実装基板1002の基板面に沿って広がった状態となる。第2の角度センサ322は、シャフト250の脇に位置するが、第2実装基板1002の基板面に沿って広がった磁場328により、第2の角度センサ322には、シャフト250に垂直な方向に近い向きに磁場が掛かることになる。 なお、図8には、一方がN極で他方がS極である2つの磁極が示されるが、磁極面の向きがシャフト中心から遠ざかる方向(いわゆる径方向)を向く構成は、磁極の多極化に適する。また、図8には、第2の角度センサ322として複数のセンサが示されるが、第2の角度センサ322は少なくとも1つ設けられればよい。(変形例) 図9は、センサ構成が異なる変形例を示す図である。 
図9に示す変形例では、第1の角度センサ321がシャフト250の延長線上から外れた位置に設けられる。また、第1のセンサマグネット323は、シャフト250が貫通したリングマグネットである。つまり、この変形例では、第1の角度センサ321および第1のセンサマグネット323が、第2の角度センサ322および第2のセンサマグネット324と対称な構成となる。このため、冗長化された2つの角度センサ321,322における性能が同等となる。また、この変形例では、第1のセンサマグネット323および第2のセンサマグネット324の双方とも、シャフト250の先端ではなくシャフト250の途中に設けられる。 図10は、マグネット構成が異なる変形例を示す図である。 
図10に示す変形例では、シャフト250の途中に1つのセンサマグネット329が設けられ、この1つのセンサマグネット329から第1の実装基板1001側および第2の実装基板1002側の双方に磁場330が広がる。そして、2つの角度センサ321,322は、共通のセンサマグネット329からの磁場で回転角度を検知する。 この変形例では、センサマグネット329が1つであるため構造が簡素である。 図11は、ヒートシンクの配置が考慮された変形例を示す図である。 
図11に示す変形例では、2枚の実装基板1001,1002で共通に用いられる1つのヒートシンク1010が2枚の実装基板1001,1002の間に設けられる。シャフト250は、一方の実装基板1002を貫通すると共にヒートシンク1010も貫通する。
第1の実装基板1001上の第1の角度センサ321は、第1の実装基板1001の、ヒートシンク1010に対向した表面に実装される。また、第2の実装基板1002上の第2の角度センサ322は、第2の実装基板1002の、ヒートシンク1010に対向した表面に実装される。 
第1の角度センサ321に磁場を掛ける第1のセンサマグネット323は、第1の実装基板1001とヒートシンク1010との間でシャフト250に固定される。また、第2の角度センサ322に磁場を掛ける第2のセンサマグネット324は、第2の実装基板1002とヒートシンク1010との間でシャフト250に固定される。つまり、第1のセンサマグネット323と第2のセンサマグネット324は、ヒートシンク1010の両側に位置する。 このような構成により、ヒートシンク1010も含めた省スペースな配置が実現される。 
図12は、基板構成が異なる変形例による実装基板のハードウェア構成を模式的に示す図である。 図12に示されたハードウェア構成では、第1実装基板1001と第2実装基板1002とに加えて第3実装基板1007が備えられる。第3実装基板1007は、第1実装基板1001と第2実装基板1002の間に位置する。そして、制御回路301、302が第3実装基板1007上に実装されるとともに、インバータ111、112および中性点リレー回路121、122は図5に示されたハードウェア構成と同様に第1実装基板1001と第2実装基板1002に実装される。このようなハードウェア構成により、パワー回路と制御回路とが分離されるので安全性の向上、および電源配線の簡素化が可能となる。 図13は、中性点リレー回路の構成が異なる変形例による回路構成を模式的に示す図である。 
図13に示された変形例では、第1中性点スイッチ132が、第1インバータ111における電源403側に位置する電源端E1Hと、第1インバータ111におけるグランド側に位置するグランド端E1Lとに接続される。第1中性点スイッチ132は、電源端E1Hとグランド端E1Lとの接続・非接続を切替える第1中性点リレー回路の一例として機能する。図13に示された変形例の第1中性点スイッチ132も、コイルに対する一端210側(第1系統側)と他端220側(第2系統側)とのうち一端210側における中性点の形成・非形成を切替えることが可能である。 
第1中性点リレー回路122における電源端E1Hとグランド端E1Lとの接続・非接続の切替えは、モータ200の相数(ここでは一例として3相)よりも少ない数のスイッチ素子によって実行可能であるため、従来の構造より回路規模は小さい。 
具体的には、第1中性点スイッチ132は、第1インバータ111について3個のハイサイドスイッチ素子113H、114Hおよび115Hの電源側と3個のローサイドスイッチ素子113L、114Lおよび115Lのグランド側との接続・非接続を1素子で切替えることができる。 
第2中性点スイッチ131は、第2インバータ112における電源404側に位置する電源端E2Hと、第2インバータ112におけるグランド側に位置するグランド端E2Lとに接続される。第2中性点スイッチ131は、電源端E2Hとグランド端E2Lとの接続・非接続を切替える第2中性点リレー回路の一例として機能する。図13に示された変形例の第2中性点スイッチ131も、コイルに対する一端210側(第1系統側)と他端220側(第2系統側)とのうち他端220側における中性点の形成・非形成を切替えることが可能である。 
第2中性点リレー回路121における電源端E2Hとグランド端E2Lとの接続・非接続の切替えは、モータ200の相数(ここでは一例として3相)よりも少ない数のスイッチ素子によって実行可能であるため、従来の構造より回路規模は小さい。 
具体的には、第2中性点スイッチ131は、第2インバータ112について3個のハイサイドスイッチ素子116H、117Hおよび118Hの電源側と3個のローサイドスイッチ素子116L、117Lおよび118Lのグランド側との接続・非接続を1素子で切替えることができる。 
図13に示された変形例では、コイル103、104とインバータ111、112との間には、分離スイッチ106、107が備えられる。分離スイッチ106、107は、電源403、404とインバータ111、112との接続・非接続を切替えることができる。制御回路301、302は、異常時には、相手側の系統について中性点スイッチ131、132をオンする。なお、制御回路301、302は、異常時以外の特定の場合にも中性点スイッチ131、132をオンしてもよい。また、分離スイッチ106、107は、制御信号が停止した状態では自ずとオフする。このため、制御回路301、302が動作不能となった場合などは、動作不能になった系統の分離スイッチ106、107がオフする。 
例えば第1の制御回路301が異常を検知した場合には、第1の制御回路301が第2中性点スイッチ131をオンする。また、第2系統側の分離スイッチ107は、第2の制御回路302がオフするか自ずとオフする。 
第2中性点スイッチ131がオンすると、第2インバータ112における電源端E2Hとグランド端E2Lとが接続される。その結果、3個のハイサイドスイッチ素子116H、117Hおよび118Hの電源側と3個のローサイドスイッチ素子116L、117Lおよび118Lのグランド側とが接続される。 
この接続状態になると、ハイサイドスイッチ素子およびローサイドスイッチ素子の状態がどのような状態であっても、ハイサイドスイッチ素子およびローサイドスイッチ素子の寄生ダイオードと第2中性点スイッチ131とを介して、モータ200の3相のコイルにおける他端220同士が接続される。従って、モータ200のコイルはY結線される。そして、第2中性点スイッチ131が中性点として機能することになる。中性点として機能する第2中性点スイッチ131は、第2系統側の分離スイッチ107がオフすることで電源404から絶縁される。 この接続状態で、第1の制御回路301は、第1インバータ111を三相通電制御することでモータ200のコイルを通電することができる。 
第1の制御回路301が異常を検知した場合には、第2系統では異常が生じた状態である。そして、第2系統の異常が駆動系の異常である場合、第2の制御回路302は、第2インバータ112に対する制御を失った状態(第2の制御回路302が失陥した状態)になる。このような場合でも、第1の制御回路301が第2中性点スイッチ131を制御するので第2系統側で中性点が形成される。そして、第1系統側のインバータ111でモータ200に対する電力供給が継続される。 
図13に示された変形例で第2の制御回路302が異常を検知した場合には、第2の制御回路302は第1中性点スイッチ132をオンする。また第1系統側の分離スイッチ106は、第2の制御回路302がオフするか自ずとオフする。 
第1中性点スイッチ132がオンすると、第1インバータ111における電源端E1Hとグランド端E1Lとが接続される。その結果、3個のハイサイドスイッチ素子113H、114Hおよび115Hの電源側と3個のローサイドスイッチ素子113L、114Lおよび115Lのグランド側とが接続される。 
この接続状態になると、ハイサイドスイッチ素子およびローサイドスイッチ素子の状態がどのような状態であっても、ハイサイドスイッチ素子およびローサイドスイッチ素子の寄生ダイオードと第1中性点スイッチ132とを介して、モータ200の3相のコイルにおける一端210同士が接続される。従って、モータ200のコイルはY結線される。そして、第1中性点スイッチ132が中性点として機能することになる。中性点として機能する第1中性点スイッチ132は、第1系統側の分離スイッチ106がオフすることで電源403から絶縁される。 
第2の制御回路302が異常を検知した場合には、第1系統では異常が生じた状態である。そして、第1系統の異常が駆動系の異常である場合、第1の制御回路301は、第1インバータ111に対する制御を失った状態(第1の制御回路301が失陥した状態)になる。このような場合でも、第2の制御回路302が第1中性点スイッチ132を制御するので第1系統側で中性点が形成される。そして、第2系統側のインバータ112でモータ200に対する電力供給が継続される。 この接続状態で、第2の制御回路302は、第2インバータ112を三相通電制御することでモータ200のコイルを通電することができる。 図14は、中性点リレー回路の構成が異なる別の変形例による回路構成を模式的に示す図である。 
図14に示された変形例では、第1中性点リレー回路122は、第1インバータ111における電源403側に位置する電源端E1Hと、第1インバータ111におけるグランド側に位置するグランド端E1Lとに接続される。第1中性点リレー回路122は、電源端E1Hとグランド端E1Lとの接続・非接続を切替えることができる。 第1中性点リレー回路122は、第1中性点リレー123とバックアップリレー124とを備える。 
第1中性点リレー123は、第1インバータ111について3個のハイサイドスイッチ素子113H、114Hおよび115Hの電源側と3個のローサイドスイッチ素子113L、114Lおよび115Lのグランド側との接続・非接続を1素子で切替えることができる。 
バックアップリレー124は、第1中性点リレー123に対して並列に接続される。第1中性点リレー123のオフ故障時にはバックアップリレー124によってスイッチ動作がバックアップされるので第1中性点リレー回路122は正常な動作を継続することができる。 
第1インバータ111および第1中性点リレー回路122の各回路におけるハイサイドスイッチ素子113H、114H、115H、ローサイドスイッチ素子113L、114L、115Lおよび第1中性点リレー123は、還流ダイオードを有する半導体スイッチ素子である。そして、第1インバータ111と第1中性点リレー123とでは還流ダイオードが逆方向を向く。このような向きで接続される第1中性点リレー123を備えた第1中性点リレー回路122は、中性点の形成・非形成を切替えることができる。 
第2中性点リレー回路121は、第2インバータ112における電源404側に位置する電源端E2Hと、第2インバータ112におけるグランド側に位置するグランド端E2Lとに接続される。第2中性点リレー回路121は、電源端E2Hとグランド端E2Lとの接続・非接続を切替えることができる。 第2中性点リレー回路121は、第2中性点リレー125とバックアップリレー126とを備える。 
第2中性点リレー125は、第2インバータ112について3個のハイサイドスイッチ素子116H、117Hおよび118Hの電源側と3個のローサイドスイッチ素子116L、117Lおよび118Lのグランド側との接続・非接続を1素子で切替えることができる。 
バックアップリレー126は、第2中性点リレー125に対して並列に接続される。第2中性点リレー125のオフ故障時にはバックアップリレー126によってスイッチ動作がバックアップされるので第2中性点リレー回路121は正常な動作を継続することができる。 
第2インバータ112および第2中性点リレー回路121の各回路におけるハイサイドスイッチ素子116H、117H、118H、ローサイドスイッチ素子116L、117L、118Lおよび第2中性点リレー125は、還流ダイオードを有する半導体スイッチ素子である。そして、第2インバータ112と第2中性点リレー125とでは還流ダイオードが
逆方向を向く。このような向きで接続される第2中性点リレー125を備えた第2中性点リレー回路121は、中性点の形成・非形成を切替えることができる。 図15は、中性点リレー回路の構成が異なる更に別の変形例による回路構成を模式的に示す図である。 
図15に示された変形例では、バックアップリレーが中性点リレーに対して直列に接続される。具体的には、第1中性点リレー回路122のバックアップリレー124は、第1中性点リレー123と並列に電源端E1Hとグランド端E1Lに接続される。また、第2中性点リレー回路121のバックアップリレー126は、第2中性点リレー125と並列に電源端E2Hとグランド端E2Lに接続される。 
中性点リレー123、125のオン故障時にはバックアップリレー124、126によって電流が遮断される。なお、中性点リレー123、125の故障時に中性点の形成が必要になった場合は、インバータ111、112の制御によってインバータ111、112内に中性点が形成される。 図16は、図3に示された変形例に対する別の変形例を示す図である。 
図16に示された変形例では、2つの電源403、404は互いに独立であるがグランドが共通となる。このように電源403、404のグランドが共通する場合には、インバータ111、112とグランドとの間に分離スイッチ108、109が備えられる。そして、上述した異常時には、異常が生じた系統の分離スイッチ108、109がオフされて、中性点からグランドへの電流経路が遮断される。このような遮断により、異常が生じた系統での中性点が形成され、正常な系統による三相通電制御が可能となる。 
図16では、一例として、第1インバータ111用の第1電源403および第2インバータ112用の第2電源404が示される。インバータ111、112とグランドとの間に分離スイッチ108、109が備えられるので、モータ駆動ユニット1000は、第1インバータ111および第2インバータ112に共通の単一電源に接続されてもよい。



(変形例におけるモータ駆動ユニット1000のハードウェア構成)



 次に、図7に示された変形例におけるモータ駆動ユニット1000のハードウェア構成について説明する。 図17は、図13に示された変形例におけるモータ駆動ユニット1000のハードウェア構成を模式的に示す図である。 
図17に示されたハードウェア構成では、モータ200から、コイルの一端210と他端220が突き出して実装基板1001、1002に向かって延びる。コイルの一端210は、第2実装基板1001に接続されるとともに第2実装基板1001を貫通して第1実装基板1001に接続される。また、コイルの他端220は、第2実装基板1001のみに接続される。 
第1実装基板1001と第2実装基板1002とは基板面が互いに対向する。基板面が対向した方向に、モータ200の回転軸が延びる。第1実装基板1001と第2実装基板1002とモータ200は、ハウジング1003内に収容されることで互いの位置が固定される。 
第1実装基板1001には、第1電源403からの電源コードが接続されるコネクタ1004が取り付けられる。第2実装基板1002には、第2電源404からの電源コードが接続されるコネクタ1005が取り付けられる。 図18は、図17に示されたハードウェア構成における第1実装基板1001および第2実装基板1002のハードウェア構成を模式的に示す図である。 
第1実装基板1001には、第1インバータ111および第2中性点スイッチ131が実装される。また、第1実装基板1001とは別の第2実装基板1002には、第2インバータ112および第1中性点スイッチ132が実装される。第1系統と第2系統とに冗長化された各系統の回路が2枚の実装基板に振り分けられるので、2枚の実装基板について回路規模が同程度の効率的な素子配置が可能となる。 
図18に示されたハードウェア構成では、DCバー230、240が備えられる。DCバー230は、第1実装基板1001と第2実装基板1002との間を渡り、第1中性点スイッチ132に接続される。DCバー240は、第1実装基板1001と第2実装基板1002との間を渡り、第2中性点スイッチ131に接続される。なお、DCバーに替えてバスバー、ピンなどが備えられてもよい。 
第1実装基板1001には、第1の制御回路301も実装される。第2実装基板1002には、第2の制御回路302も実装される。各制御回路301、302が、各制御回路301、302による制御対象のインバータ111、112および中性点スイッチ131、132と同一の実装基板上に実装されるので制御のための配線が同一基板内に納まる。よって、効率的な素子配置が可能となる。 図19は、図18とは基板構成が異なる変形例を示す図である。 
図19に示された基板構成では、第1実装基板1001と第2実装基板1002とに加えて第3実装基板1007が備えられる。第3実装基板1007は、第1実装基板1001と第2実装基板1002の間に位置する。そして、制御回路301、302が第3実装基板1007上に実装されるとともに、インバータ111、112および中性点スイッチ131、132は図18に示されたハードウェア構成と同様に第1実装基板1001と第2実装基板1002に実装される。このようなハードウェア構成により、パワー回路と制御回路とが分離されるので安全性の向上、および電源配線の簡素化が可能となる。

(パワーステアリング装置の実施形態)
自動車等の車両は一般的に、パワーステアリング装置を備える。パワーステアリング装置は、運転者がステアリングハンドルを操作することによって発生するステアリング系の操舵トルクを補助するための補助トルクを生成する。補助トルクは、補助トルク機構によって生成され、運転者の操作の負担を軽減することができる。例えば、補助トルク機構は、操舵トルクセンサ、ECU、モータおよび減速機構などから構成される。操舵トルクセンサは、ステアリング系における操舵トルクを検出する。ECUは、操舵トルクセンサの検出信号に基づいて駆動信号を生成する。モータは、駆動信号に基づいて操舵トルクに応じた補助トルクを生成し、減速機構を介してステアリング系に補助トルクを伝達する。 
上記実施形態のモータ駆動ユニット1000は、パワーステアリング装置に好適に利用される。図20は、本実施形態によるパワーステアリング装置2000の構成を模式的に示す図である。 電動パワーステアリング装置2000は、ステアリング系520および補助トルク機構540を備える。 
ステアリング系520は、例えば、ステアリングハンドル521、ステアリングシャフト522(「ステアリングコラム」とも称される。)、自在軸継手523A、523B、および回転軸524(「ピニオン軸」または「入力軸」とも称される。)を備える。 
また、ステアリング系520は、例えば、ラックアンドピニオン機構525、ラック軸526、左右のボールジョイント552A、552B、タイロッド527A、527B、ナックル528A、528B、および左右の操舵車輪(例えば左右の前輪)529A、529Bを備える。 
ステアリングハンドル521は、ステアリングシャフト522と自在軸継手523A、523Bとを介して回転軸524に連結される。回転軸524にはラックアンドピニオン機構525を介してラック軸526が連結される。ラックアンドピニオン機構525は、回転軸524に設けられたピニオン531と、ラック軸526に設けられたラック532とを有する。ラック軸526の右端には、ボールジョイント552A、タイロッド527Aおよびナックル528Aをこの順番で介して右の操舵車輪529Aが連結される。右側と同様に、ラック軸526の左端には、ボールジョイント552B、タイロッド527Bおよびナックル528Bをこの順番で介して左の操舵車輪529Bが連結される。ここで、右側および左側は、座席に座った運転者から見た右側および左側にそれぞれ一致する。 
ステアリング系520によれば、運転者がステアリングハンドル521を操作することによって操舵トルクが発生し、ラックアンドピニオン機構525を介して左右の操舵車輪529A、529Bに伝わる。これにより、運転者は左右の操舵車輪529A、529Bを操作することができる。 
補助トルク機構540は、例えば、操舵トルクセンサ541、ECU542、モータ543、減速機構544および電力供給装置545を備える。補助トルク機構540は、ステアリングハンドル521から左右の操舵車輪529A、529Bに至るステアリング系520に補助トルクを与える。なお、補助トルクは「付加トルク」と称されることがある。 
ECU542としては、例えば図1などに示された制御回路301、302が用いられる。電力供給装置545としては、例えば図1などに示された電力供給装置101、102が用いられる。また、モータ543としては、例えば図1などに示されたモータ200が用いられる。ECU542、モータ543および電力供給装置545が、一般的に「機電一体型モータ」と称されるユニットを構成する場合には、当該ユニットとしては、例えば図4あるいは図17に示されたハードウェア構成のモータ駆動ユニット1000が好適に用いられる。図20に示された各要素のうち、ECU542、モータ543および電力供給装置545を除いた要素で構成された機構は、モータ543によって駆動されるパワーステアリング機構の一例に相当する。 
操舵トルクセンサ541は、ステアリングハンドル521によって付与されたステアリング系520の操舵トルクを検出する。ECU542は、操舵トルクセンサ541からの検出信号(以下、「トルク信号」と表記する。)に基づいてモータ543を駆動するための駆動信号を生成する。モータ543は、操舵トルクに応じた補助トルクを駆動信号に基づいて発生する。補助トルクは、減速機構544を介してステアリング系520の回転軸524に伝達される。減速機構544は、例えばウォームギヤ機構である。補助トルクはさらに、回転軸524からラックアンドピニオン機構525に伝達される。 
パワーステアリング装置2000は、補助トルクがステアリング系520に付与される箇所によって、ピニオンアシスト型、ラックアシスト型、およびコラムアシスト型等に分類される。図14には、ピニオンアシスト型のパワーステアリング装置2000が示される。ただし、パワーステアリング装置2000は、ラックアシスト型、コラムアシスト型等にも適用される。 
ECU542には、トルク信号だけでなく、例えば車速信号も入力され得る。ECU542のマイクロコントローラは、トルク信号や車速信号などに基づいてモータ543をベクトル制御することができる。 
ECU542は、少なくともトルク信号に基づいて目標電流値を設定する。ECU542は、車速センサによって検出された車速信号を考慮し、さらに角度センサによって検出されたロータの回転信号を考慮して、目標電流値を設定することが好ましい。ECU542は、電流センサ(図1参照)によって検出された実電流値が目標電流値に一致するように、モータ543の駆動信号、つまり、駆動電流を制御することができる。 
パワーステアリング装置2000によれば、運転者の操舵トルクにモータ543の補助トルクを加えた複合トルクを利用してラック軸526によって左右の操舵車輪529A、529Bを操作することができる。特に、上述した機電一体型モータに、上記実施形態のモータ駆動ユニット1000が利用されることにより、正常時および異常時のいずれにおいても適切な電流制御が可能となる。この結果、正常時および異常時のいずれにおいてもパワーステアリング装置におけるパワーアシストが継続される。また、上記実施形態のモータ駆動ユニット1000が利用されることにより、角度センサの冗長性が実現されるので、パワーステアリング装置の堅牢性が向上する。
101、102  :電力供給装置106、107、108、109  :分離スイッチ111  :第1インバータ112  :第2インバータ121  :第2中性点リレー回路122  :第1中性点リレー回路131  :第2中性点スイッチ132  :第1中性点スイッチ124、126  :バックアップリレー200  :モータ230、240  :DCバス250  :シャフト301、302  :制御回路311,312  :電源回路321、322  :角度センサ323、324  :センサマグネット331、332  :入力回路341、342  :マイクロコントローラ351、352  :駆動回路361、362  :ROM401、402  :電流センサ403、404  :電源411、412  :電圧センサ1000  :モータ駆動ユニット1001、1002、1007  :実装基板1010     :ヒートシンク2000  :パワーステアリング装置 

Claims (9)

  1. ロータとステータとを備えたモータと、



     前記モータの駆動を制御する制御部と、



    を備え、



     前記モータは、前記制御部へと延びて前記ロータと共に回転するシャフトと、前記シャフトに対して固定されて前記シャフトと共に回転するマグネットとを備え、



     前記制御部は、前記マグネットを間に挟んだ両側に実装基板を備え、各実装基板には、前記マグネットの回転角度を検知する磁気センサが搭載される駆動装置。
  2. 前記実装基板として、前記モータに接続される第1インバータと、前記第1インバータを制御する第1制御回路とが搭載される第1実装基板と、前記モータに接続される第2インバータと、前記第2インバータを制御する第2制御回路とが搭載される第2実装基板とを備える請求項1に記載の駆動装置。
  3. 前記シャフトが、前記実装基板の少なくとも1つを貫通する請求項1または2に記載の駆動装置。
  4. 前記マグネットが、前記シャフトの回転軸の延びる方向を向いた磁極面を有し、



     前記磁気センサが、前記シャフトの回転軸の延びる方向から見て、少なくとも一部が前記マグネットと重なる位置に搭載される請求項1から3のいずれか1項に記載の駆動装置。
  5. 前記マグネットが、前記シャフトの回転軸に沿って広がる磁極面を、前記シャフトを挟んだ両側に有し、極性の異なる磁極面同士が前記シャフトを挟んで互いに背を向ける請求項1から3のいずれか1項に記載の駆動装置。
  6. 前記マグネットが、前記シャフトの先端に固定され、



     前記実装基板の1つに搭載された磁気センサが、前記シャフトの回転軸の延長上に位置する請求項1から5のいずれか1項に記載の駆動装置。
  7. 前記マグネットとして、前記シャフトの回転軸の延長方向に磁場を掛ける第1のマグネットと、第1のマグネットとは逆方向に磁場を掛ける第2のマグネットとを備える請求項6に記載の駆動装置。
  8. 前記マグネットとして、前記シャフトが貫通したリングマグネットを備える請求項1から7のいずれか1項に記載の駆動装置。
  9. 請求項1から8のいずれか1項に記載の駆動装置と、



     前記駆動装置によって駆動されるパワーステアリング機構と、



    を備えるパワーステアリング装置。
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