WO2019088289A1 - 自己支持性を有するハイドロゲル及びその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】工業的に入手容易な汎用性の高い材料にて製造可能であり、優れた機械特性・伸長性を有する高分子/ナノ微粒子コンポジットハイドロゲルを提供すること。 【解決手段】ケイ酸塩(A)、ポリアルキレングリコール(B)、及び前記ケイ酸塩の分散剤(C)を含む自己支持性を有するハイドロゲルであって、前記ポリアルキレングリコール(B)は50万乃至2000万の重量平均分子量、数平均分子量又は粘度平均分子量を有し、前記ハイドロゲル100質量%中、前記ポリアルキレングリコール(B)は2質量%を超え20質量%以下の質量割合を有することを特徴とする、ハイドロゲル及びその製造方法。

Description

自己支持性を有するハイドロゲル及びその製造方法
 本発明は、自己支持性を有するハイドロゲル並びに優れた機械特性を有するハイドロゲル、並びにその製造方法に関する。
 高分子ハイドロゲルは、水が主成分であるため安全性が高く、安価に製造することができ、そして環境への負荷が低いため、ソフトマテリアル素材として注目されており、芳香剤、ゼリーや紙おむつ等に利用されている。
 しかし、高分子ハイドロゲルの多くは架橋密度に分布を持った不均一な構造を有するため、力学的に脆弱である。
 そこで、このような力学物性の欠点を補うために、高分子とナノ微粒子とのコンポジットタイプのハイドロゲルが注目されている。
 優れた力学物性を持つ高分子/ナノ微粒子コンポジットハイドロゲルとしては、例えば、層状粘土鉱物の存在下、アクリルアミド系モノマーを水中でラジカル重合させて得られるナノコンポジットゲルが報告されている(特許文献1及び非特許文献1)。
 また、汎用の高分子であるポリアクリル酸塩とクレイからなる乾燥粘土膜が知られており、表面保護材として検討されている(特許文献2)。
 さらに、ポリエチレンオキシドと層状粘土粒子からなるハイドロゲルに関する開示がある(例えば非特許文献2)。
特開2002-053629号公報 特開2009-274924号公報
K.Haraguchi,et al.,Adv. Mater.,14(16),1120(2002) H.A.Baghdadi,J.Parrella,S.R.Bhatia,Rheol Acta(2008)47:349-357
 特許文献1並びに非特許文献1には、優れた力学物性を持つ高分子/ナノ微粒子コンポジットゲルが開示されている。しかしこれらに開示された高分子/ナノ微粒子コンポジットゲルは、その作製過程において重合反応を要する。
 特許文献2には、中間物としてゲル状のペーストが作製されているが、該ゲル状のペーストは力学的に脆弱である。該ゲル状のペーストはシートに塗布されており、乾燥後の膜が優れた力学物性を持つものである。
 また非特許文献2には、ハイドロゲルの弾性率の改善法について述べているものの、該ゲルの伸張度に関する議論はない。
 本発明は、工業的に入手容易な汎用性の高い材料にて製造可能であり、優れた機械特性を有する高分子/ナノ微粒子コンポジットハイドロゲルの提供を目的とする。また、優れた伸長性を有する高分子/ナノ微粒子コンポジットハイドロゲルの提供を目的とする。
 本発明者らは上記課題を解決すべく鋭意検討を重ねた結果、重量平均分子量、数平均分子量又は粘度平均分子量が50万乃至2000万のポリアルキレングリコールと、ケイ酸塩、そしてケイ酸塩の分散剤との混合により、さらにはこれら成分の含有量を調整することにより、1000%以上の伸び率といった優れた機械特性を持つ、自己支持性を有する高分子/ナノ微粒子コンポジットハイドロゲルが得られることを見出し、本発明を完成させた。
 すなわち、本発明は、第1観点として、ケイ酸塩(A)、ポリアルキレングリコール(B)、及び前記ケイ酸塩の分散剤(C)を含む自己支持性を有するハイドロゲルであって、
前記ポリアルキレングリコール(B)は50万乃至2000万の重量平均分子量、数平均分子量又は粘度平均分子量を有し、
前記ハイドロゲル100質量%中、前記ポリアルキレングリコール(B)は2質量%を超え20質量%以下の質量割合を有することを特徴とする、
ハイドロゲルに関する。
 第2観点として、前記ケイ酸塩(A)が水膨潤性ケイ酸塩粒子である、第1観点に記載の自己支持性を有するハイドロゲルに関する。
 第3観点として、前記水膨潤性ケイ酸塩粒子が、スメクタイト、ベントナイト、バーミキュライト、及び雲母からなる群より選ばれる水膨潤性ケイ酸塩粒子である、第2観点に記載の自己支持性を有するハイドロゲルに関する。
 第4観点として、前記ポリアルキレングリコール(B)が、ポリエチレングリコール又はポリプロピレングリコールである、第1観点乃至第3観点のうちいずれか一項に記載の自己支持性を有するハイドロゲルに関する。
 第5観点として、前記分散剤(C)が、オルトリン酸、ピロリン酸、トリポリリン酸、テトラリン酸、ヘキサメタリン酸、ポリリン酸、エチドロン酸、アレンドロン酸、リセドロン酸、イバンドロン酸、クロドロン酸、ミノドロン酸、パミドロン酸、チルドロン酸、ゾレドロン酸、1,2-エチレンジホスホン酸、ポリ(メタ)アクリル酸、アクリル酸/マレイン酸共重合体、又はこれらの酸又は共重合体の完全中和又は部分中和の、ナトリウム塩、カリウム塩、又はアンモニウム塩;水酸化ナトリウム、ヒドロキシルアミン、炭酸ナトリウム、ケイ酸ナトリウム、重量平均分子量、数平均分子量又は粘度平均分子量200乃至2万のポリエチレングリコール又はポリプロピレングリコール、フミン酸ナトリウム、及びリグニンスルホン酸ナトリウムからなる群より選ばれる少なくとも一種である、第1観点乃至第4観点のうちいずれか一項に記載の自己支持性を有するハイドロゲルに関する。
 第6観点として、前記ハイドロゲル100質量%中、前記ケイ酸塩(A)は5質量%乃至20質量%の質量割合を有する、第1観点乃至第5観点のうちいずれか一項に記載の自己支持性を有するハイドロゲルに関する。
 第7観点として、さらにイオン液体(D)を含有する、請求項1乃至請求項6のうちいずれか一項に記載の自己支持性を有するハイドロゲルに関する。
 第8観点として、第1観点乃至第6観点のうちいずれか一項に記載の自己支持性を有するハイドロゲルの製造方法であって、
前記ケイ酸塩(A)、前記ポリアルキレングリコール(B)、前記分散剤(C)、並びに水又は含水溶媒を混合する工程、及び、得られた混合物を静置してゲル化させる工程、を含む、製造方法に関する。
 第9観点として、第1観点乃至第6観点のうちいずれか一項に記載の自己支持性を有するハイドロゲルの製造方法であって、
前記ケイ酸塩(A)、前記分散剤(C)、並びに水又は含水溶媒との混合物もしくはその水溶液又は水分散液(A液)と、前記ポリアルキレングリコール(B)、並びに水又は含水溶媒との混合物もしくはその水溶液又は水分散液(B液)の2液を混合する工程、及び、得られた混合物を静置してゲル化させる工程、を含む、製造方法に関する。
 第10観点として、ゲル化させる工程の後、さらに、得られたゲルをリン酸緩衝液に浸漬する工程を含む、第8観点又は第9観点に記載の自己支持性を有するハイドロゲルの製造方法に関する。
 第11観点として、ゲル化させる工程の後、さらに、得られたゲルをイオン液体(D)に浸漬する工程を含む、第8観点又は第9観点に記載の自己支持性を有するハイドロゲルの製造方法に関する。
 第12観点として、第7観点に記載の自己支持性を有するハイドロゲルの製造方法であって、
前記ケイ酸塩(A)、前記ポリアルキレングリコール(B)、前記分散剤(C)、前記イオン液体(D)並びに水又は含水溶媒を混合する工程、及び、得られた混合物を静置してゲル化させる工程、を含む、製造方法に関する。
 第13観点として、第7観点に記載の自己支持性を有するハイドロゲルの製造方法であって、
前記ケイ酸塩(A)、前記分散剤(C)、並びに水又は含水溶媒との混合物もしくはその水溶液又は水分散液(A液)と、前記ポリアルキレングリコール(B)、並びに水又は含水溶媒との混合物もしくはその水溶液又は水分散液(B液)の2液を混合する工程、
前記イオン液体(D)、並びに水又は含水溶媒との混合物もしくはその水溶液又は水分散液(C液)を、前記A液とB液の混合物に添加し、混合する工程、及び、得られた混合物を静置してゲル化させる工程、を含む、製造方法に関する。
 第14観点として、ケイ酸塩(A)、ポリアルキレングリコール(B)、及び前記ケイ酸塩の分散剤(C)を含む、自己支持性を有するハイドロゲルであって、
前記ポリアルキレングリコール(B)は50万乃至2000万の重量平均分子量、数平均分子量又は粘度平均分子量を有し、
前記ハイドロゲル100質量%中、前記ポリアルキレングリコール(B)は2質量%を超え20質量%以下の質量割合を有し、
長さ50mmあるいは40mm、幅15mm、厚み1mmの四角柱を成すハイドロゲル成形体において、長さ方向に1.1倍以上に伸長可能な、伸長性ハイドロゲルに関する。
 第15観点として、自己支持性を有するハイドロゲルを形成する組成物であって、
ケイ酸塩(A)、ポリアルキレングリコール(B)、及び前記ケイ酸塩の分散剤(C)を含み、前記ポリアルキレングリコール(B)は、50万乃至2000万の重量平均分子量、数平均分子量又は粘度平均分子量を有するとともに、水との接触によりハイドロゲルが形成されるとき、該ハイドロゲル100%中、2質量%を超え20質量%以下の質量割合を有するものとなる量にて少なくとも含まれる、ハイドロゲル形成性組成物に関する。
 本発明によれば、重量平均分子量、数平均分子量又は粘度平均分子量が50万乃至2000万のポリアルキレングリコールと、ケイ酸塩、そしてケイ酸塩の分散剤との混合により、特定の成分組成範囲において、高い伸び率を有し、自己支持性を有するハイドロゲルを提供できる。
 また本発明は、前記ケイ酸塩(A)として水膨潤性ケイ酸塩粒子を用いることで、また、水膨潤性ケイ酸塩粒子としてスメクタイト、ベントナイト、バーミキュライト、及び雲母といった種々の水膨潤性ケイ酸塩粒子を用いることで、高い伸び率を有し、自己支持性を有するハイドロゲルを提供できる。
 さらに本発明は、前記ポリアルキレングリコール(B)としてポリエチレングリコール又はポリプロピレングリコールを用いて、高い伸び率を有し、自己支持性を有するハイドロゲルを提供できる。
 さらに本発明は、前記分散剤(C)が、オルトリン酸、ピロリン酸、トリポリリン酸、テトラリン酸、ヘキサメタリン酸、ポリリン酸、エチドロン酸、アレンドロン酸、リセドロン酸、イバンドロン酸、クロドロン酸、ミノドロン酸、パミドロン酸、チルドロン酸、ゾレドロン酸、1,2-エチレンジホスホン酸、ポリ(メタ)アクリル酸、アクリル酸/マレイン酸共重合体、又はこれらの酸又は共重合体の完全中和又は部分中和の、ナトリウム塩、カリウム塩、又はアンモニウム塩;水酸化ナトリウム、ヒドロキシルアミン、炭酸ナトリウム、ケイ酸ナトリウム、重量平均分子量、数平均分子量又は粘度平均分子量が200乃至2万のポリエチレングリコール又はポリプロピレングリコール、フミン酸ナトリウム、及びリグニンスルホン酸ナトリウムといった種々の分散剤において、高い伸び率を有し、自己支持性を有するハイドロゲルを提供できる。
 また本発明は、前記ハイドロゲル100質量%中、前記ケイ酸塩(A)を5質量%乃至20質量%の質量割合にて配合することで、高い伸び率を有し、自己支持性を有するハイドロゲルを提供できる。
 そして本発明は、50万乃至2000万のポリアルキレングリコールと、ケイ酸塩、そしてケイ酸塩の分散剤に加え、イオン液体を混合した場合において、自己支持性を有するハイドロゲルを提供できる。
 また、本発明によれば、前記ケイ酸塩(A)、前記ポリアルキレングリコール(B)、前記分散剤(C)、並びに水又は含水溶媒を混合する工程、及び、得られた混合物を静置してゲル化させる工程を含む製造方法により、高い伸び率を有し、自己支持性を有するハイドロゲルを製造することができる。
 或いは、前記ケイ酸塩(A)、前記分散剤(C)、並びに水又は含水溶媒との混合物もしくはその水溶液又は水分散液(A液)と、前記ポリアルキレングリコール(B)、並びに水又は含水溶媒との混合物もしくはその水溶液又は水分散液(B液)の2液を混合する工程、及び、得られた混合物を静置してゲル化させる工程を含む製造方法により、高い伸び率を有し、自己支持性を有するハイドロゲルを製造することができる。
 さらに、本発明の製造方法において、ゲル化させる工程の後、さらに、得られたゲルをリン酸緩衝液に浸漬する工程を含むか、或いは、イオン液体(D)に浸漬する工程を含むことによっても、高い伸び率を有し、自己支持性を有するハイドロゲルを製造することができる。
 また本発明によれば、前記ケイ酸塩(A)、前記ポリアルキレングリコール(B)、前記分散剤(C)、前記イオン液体(D)並びに水又は含水溶媒を混合する工程、及び、得られた混合物を静置してゲル化させる工程、を含む製造方法により、高い伸び率を有し、自己支持性を有するハイドロゲルを製造することができる。
 或いは、前記ケイ酸塩(A)、前記分散剤(C)、並びに水又は含水溶媒との混合物もしくはその水溶液又は水分散液(A液)と、前記ポリアルキレングリコール(B)、並びに水又は含水溶媒との混合物もしくはその水溶液又は水分散液(B液)の2液を混合する工程、前記イオン液体(D)、並びに水又は含水溶媒との混合物もしくはその水溶液又は水分散液(C液)を、前記A液とB液の混合物に添加し、混合する工程、及び、得られた混合物を静置してゲル化させる工程、を含む製造方法により、高い伸び率を有し、自己支持性を有するハイドロゲルを製造することができる。
 また、本発明の伸長性ハイドロゲルは、長さ方向に1.1倍以上に伸長することができる。
 そして本発明のハイドロゲル形成性組成物は、高い伸び率を有し、自己支持性を有するハイドロゲルを製造することができる。
図1は、実施例1の試料(ハイドロゲル成形体試料)の外観を示す図である。 図2は、実施例1における引張試験前(a)及び引張試験後(b)の試料の外観を示す図である。 図3は、実施例1及び実施例2における応力変化の測定結果を示す図である。 図4は、実施例3及び実施例4における応力変化の測定結果を示す図である。 図5は、実施例5及び実施例1における応力変化の測定結果を示す図である。 図6は、実施例6及び実施例7における応力変化の測定結果を示す図である。 図7は、実施例9における応力変化の測定結果を示す図である。 図8は、実施例10における延伸下における小角X線散乱(SAXS)測定結果を示す図であり、(a)延伸比1、(b)延伸比5、(c)延伸比21をそれぞれ示す図である。 図9は、参考例1及び参考例2における、QCM測定における振動数の時間変化を示す図である。 図10は、実施例11乃至実施例14、比較例3、並びに実施例1及び実施例5における応力変化の測定結果を示す図である。 図11は、実施例15及び実施例5における応力変化の測定結果を示す図である。 図12は、実施例16の試料(ハイドロゲル成形体試料)の外観を示す図である。 図13は、実施例16及び実施例5における応力変化の測定結果を示す図である。
 「自己支持性」とは、一般に、固形基材(支持体)を取り除いた後においても、構造体が固体基材を取り除く前と同じ3次元的な形態を保つことをいう。
 本発明にあっては、後述するように、(A)~(C)成分、所望により(D)成分、並びにその他成分を混合し、さらに水又は含水溶媒を混合した後、これを所定の型に入れ、静置しハイドロゲルを形成させた後、該型からゲルを取り出した後においても、該ゲルの形状が崩壊することなく保たれるものを「自己支持性を有するハイドロゲル」と称する(例えば後述する図1に示す実施例1の測定試料の外観写真を参照)。
 ハイドロゲルの自己支持性の指標として一例として弾性率を挙げることができ、理論上、時間無限大の弾性率が有限値であれば自己支持性を有するものといえる。
 本発明のハイドロゲルの弾性率は、例えば一軸圧縮測定機により測定することができ、一例として、直径14mm高さ8mmの円柱状のハイドロゲルを作製し、該ハイドロゲルの弾性率をアイコーエンジニアリング(株)製の荷重試験器モデル1305NR及び荷重計測アンプFA1015Bを用いて測定できる。測定方法は、10mm/分の速度で圧縮を行い、50%歪率および80%歪率時の応力を測定する。測定で得られた応力-ひずみ曲線の歪率の小さい領域の傾きから弾性率を求めることができる(例えば、10wt%ラポナイトXLG/3.5wt%PEG(分子量:400万)/0.25wt%TSPP/水のハイドロゲルの場合、50%歪みにおける応力4127Pa、80%歪みにおける応力50419Paとの測定結果より、弾性率:8179Paと求められる)。
 本発明で得られるハイドロゲルの一軸圧縮測定機による弾性率は、各成分の使用量や組成比率により異なるが、例えば0.1乃至5000kPaであり、例えば50乃至5000kPaであり、例えば100乃至5000kPaであり、好ましくは0.5乃至2500kPaであり、最も好ましくは0.5乃至500kPaである。
 本発明のハイドロゲルは、ケイ酸塩(A)、ポリアルキレングリコール(B)、及び前記ケイ酸塩の分散剤(C)を含み、さらに本発明の効果を損なわない範囲で、(D)イオン液体、さらに必要に応じて、他の成分を任意に配合してもよい。
[ハイドロゲル]
<成分(A):ケイ酸塩>
 本発明の成分(A)はケイ酸塩であって、好ましくは水膨潤性ケイ酸塩粒子である。
 ケイ酸塩(A)としては、例えば、スメクタイト、ベントナイト、バーミキュライト、及び雲母等が挙げられ、水又は含水溶媒を分散媒としたコロイドを形成するものが好ましい。なお、スメクタイトとは、モンモリロナイト、バイデライト、ノントロナイト、サポナイト、ヘクトライト、スチーブンサイトなどのグループ名称である。
 ケイ酸塩粒子の一次粒子の形状としては、円盤状、板状、球状、粒状、立方状、針状、棒状、無定形等が挙げられ、直径5nm乃至1000nmの円盤状又は板状のものが好ましい。
 ケイ酸塩の好ましい具体例としては、層状ケイ酸塩が挙げられ、市販品として容易に入手可能な例として、BYKアディティブス社製のラポナイト(LAPONITE:登録商標)XLG(合成ヘクトライト)、同XLS(合成ヘクトライト、分散剤としてピロリン酸ナトリウム含有)、同XL21(ナトリウム・マグネシウム・フルオロシリケート)、同RD(合成ヘクトライト)、同RDS(合成ヘクトライト、分散剤として無機ポリリン酸塩含有)、同S482(合成ヘクトライト、分散剤含有)及び同EP(有機変性ヘクトライト);クニミネ工業株式会社製のクニピア(クニミネ工業株式会社登録商標、モンモリロナイト)、スメクトン(クニミネ工業株式会社登録商標)SA(合成サポナイト)、同ST(合成スティブンサイト)、同SWN(合成ヘクトライト)、同SWF(フルオロ合成ヘクトライト);株式会社ホージュン製のベンゲル(株式会社ホージュン登録商標、天然ベントナイト精製品)等が挙げられる。
 前記ケイ酸塩(A)は、ハイドロゲル100質量%中、5質量%乃至20質量%の割合を有することが好ましく、たとえば5質量%乃至15質量%、より好ましくは7質量%乃至12質量%である。
<成分(B):ポリアルキレングリコール>
 本発明の成分(B)は、ポリアルキレングリコールである。ポリアルキレングリコール(ポリアルキレンオキシドとも称する)としては、例えばポリエチレングリコール又はポリプロピレングリコールが挙げられる。
 ポリアルキレングリコール(B)の重量平均分子量、数平均分子量又は粘度平均分子量は、50万乃至2000万であり、より好ましくは100万乃至1500万、より好ましくは100万乃至1000万である。なお、重量平均分子量及び数平均分子量は、ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)によるポリスチレン換算値である。ポリアルキレングリコール(B)の重量平均分子量、数平均分子量又は粘度平均分子量が50万を下回ると、ハイドロゲル形成に至らない虞がある。
 また、市販品で入手できるポリアルキレングリコール(B)は、市販品に記載されている重量平均分子量、数平均分子量又は粘度平均分子量として、50万乃至2000万であるものを使用し、より好ましくは重量平均分子量、数平均分子量又は粘度平均分子量が100万乃至1500万、より好ましくは100万乃至1000万であるものを使用する。
 前記ポリアルキレングリコール(B)は、ハイドロゲル100質量%中、2質量%を超え20質量%以下の量で存在する。好ましくは、2質量%を超え10質量%以内、例えば2.5質量%乃至5質量%である。
<成分(C):ケイ酸塩の分散剤>
 本発明の成分(C)は、前記ケイ酸塩(B)の分散剤であって、好ましくは水膨潤性ケイ酸塩粒子の分散剤である。
 分散剤を使用せず、前記ポリアルキレングリコール(A)とケイ酸塩(B)のみを水中又は含水溶媒中で混合した場合、伸長性に欠けるハイドロゲルとなる虞がある。
 分散剤(C)として、ケイ酸塩の分散性の向上や、層状ケイ酸塩を層剥離させる目的で使用される分散剤又は解膠剤を使用することができる。
 分散剤(C)としては、オルトリン酸、ピロリン酸(二リン酸)、トリポリリン酸、テトラリン酸、ヘキサメタリン酸、ポリリン酸、エチドロン酸、アレンドロン酸、リセドロン酸、イバンドロン酸、クロドロン酸、ミノドロン酸、パミドロン酸、チルドロン酸、ゾレドロン酸、1,2-エチレンジホスホン酸、ポリ(メタ)アクリル酸、アクリル酸/マレイン酸共重合体、又はこれらの酸又は共重合体の完全中和又は部分中和の、ナトリウム塩、カリウム塩、又はアンモニウム塩;水酸化ナトリウム、ヒドロキシルアミン、炭酸ナトリウム、ケイ酸ナトリウム、重量平均分子量、数平均分子量又は粘度平均分子量が200乃至2万のポリエチレングリコール又はポリプロピレングリコール、フミン酸ナトリウム、及びリグニンスルホン酸ナトリウムなどが挙げられる。
 これらの中でも、好適なものとして、二リン酸ナトリウム、エチドロン酸四ナトリウムを挙げることができる。
 前記ケイ酸塩の分散剤(C)は、ハイドロゲル100質量%中、0.001質量%乃至20質量%の割合とすることができ、好ましくは0.01質量%乃至10質量%であり、より好ましくは0.1質量%乃至2.0質量%の割合とすることができる。
 なお、本発明では、上記成分(A)として分散剤を含有するケイ酸塩(市販品など)を使用する場合、成分(C)である分散剤をさらに添加しても、添加しなくてもよい。
<成分(D):イオン液体>
 本発明のハイドロゲルは、成分(D)としてイオン液体を含むことができる。
 本発明に用いられるイオン液体としては、一般に「イオン液体」として既知のものを使用でき、例えばイミダゾリウム、ピリジニウム、ピペリジニウム、ピロリジニウム、ホスホニウム、アンモニウム及びスルホニウムからなる群から選択されるカチオンと、ハロゲン、カルボキシレート、サルフェート、スルホネート、チオシアネート、ニトレート、アルミネート、ボレート、ホスフェート、アミド、アンチモネート、イミド及びメチドからなる群から選択されるアニオンとから構成されるものが挙げられる。
 例えば、カチオン種としては、1,3-ジアルキルイミダゾリウムイオン、1,2,3-トリアルキルイミダゾリウムイオン、N-アルキルピリジニウムイオン、N-アルキルピロリジニウム、テトラアルキルアンモニウムイオン、テトラアルキルホスホニウムイオン、トリアルキルスルホニウムイオンなどが挙げられる。
 また、アニオン種としては、ハロゲン化物イオン(Cl、Br、I等)のほか、テトラフルオロボレート(BF )イオン、ヘキサフルオロホスフェート(PF )イオン、トリフルオロメタンスルホネート(CFSO )イオン、ヘキサフルオロアンチモネート(SbF )イオン、ビス(トリフルオロメチルスルホニル)イミド((CFSO)イオン、ビス(フルオロスルホニル)イミド((FSO)イオン、トリス(トリフルオロメチルスルホニル)メチド((CFSO)イオン、ニトレート(NO )イオン、トリフルオロメチルカルボキシレート(CFCO )イオン、カルボキシレート(CHCO )イオン、クロロアルミネート(AlCl )イオンなどが挙げられる。
 これらの中でも、好適なものとして、1-メチル-3-プロピルイミダゾリウム=ヨージド(MPII)を挙げることができる。
 前記イオン液体(D)は、ハイドロゲル100質量%中、0.001質量%乃至20質量%の割合で含むことができ、例えば0.01質量%乃至10質量%の割合であり、あるいは0.1質量%乃至2.0質量%の割合で含むことができる。
<その他成分>
 本発明のハイドロゲルは、アルコールを含んでいてもよい。
 前記アルコールとは、好ましくは水に自由に溶解する水溶性アルコールであり、より好ましくは炭素原子数1乃至8のアルコールであり、具体的には、メタノール、エタノール、2-プロパノール、i-ブタノール、ペンタノール、ヘキサノール、1-オクタノール、イソオクタノールなどが挙げられる。
 前記ケイ酸塩(A)、ポリアルキレングリコール(B)、及び分散剤(C)の好ましい組合せとしては、ハイドロゲル100質量%中、成分(A)として水膨潤性スメクタイト:5質量%乃至15質量%、成分(B)として重量平均分子量、数平均分子量又は粘度平均分子量50万乃至2000万のポリエチレングリコール又はポリプロピレングリコール:2質量%を超え10質量%以下、成分(C)として二リン酸ナトリウム又はエチドロン酸四ナトリウム:0.01質量%乃至10質量%、である。
 また上記(A)乃至(C)のより好ましい組み合わせとしては、ハイドロゲル100質量%中、成分(A)として水膨潤性スメクタイト:7質量%乃至12質量%、成分(B)として重量平均分子量、数平均分子量又は粘度平均分子量50万乃至2000万のポリエチレングリコール又はポリプロピレングリコール:2.5質量%乃至5質量%、成分(C)として二リン酸ナトリウム又はエチドロン酸四ナトリウム:0.1質量%乃至2.0質量%、である。
 また、(D)イオン液体を含む場合、前記ケイ酸塩(A)、ポリアルキレングリコール(B)、分散剤(C)、及びイオン液体(D)の好ましい組合せとしては、ハイドロゲル100質量%中、成分(A)として水膨潤性スメクタイト:5質量%乃至15質量%、成分(B)として重量平均分子量、数平均分子量又は粘度平均分子量50万乃至2000万のポリエチレングリコール又はポリプロピレングリコール:2質量%を超え10質量%以下、成分(C)として二リン酸ナトリウム又はエチドロン酸四ナトリウム:0.01質量%乃至10質量%、成分(D)として1-メチル-3-プロピルイミダゾリウム=ヨージド:0.01質量乃至10質量%、である。
 また上記(A)乃至(D)のより好ましい組み合わせとしては、ハイドロゲル100質量%中、成分(A)として水膨潤性スメクタイト:7質量%乃至12質量%、成分(B)として重量平均分子量、数平均分子量又は粘度平均分子量50万乃至2000万のポリエチレングリコール又はポリプロピレングリコール:2.5質量%乃至5質量%、成分(C)として二リン酸ナトリウム又はエチドロン酸四ナトリウム:0.1質量%乃至2.0質量%、成分(D)として1-メチル-3-プロピルイミダゾリウム=ヨージド:0.1質量乃至2.0質量%、である。
[自己支持性を有するハイドロゲル及びその製造方法]
 本発明の自己支持性を有するハイドロゲルは、前記(A)~(C)成分、所望により(D)成分、並びにその他成分を混合し、さらに水又は含水溶媒を混合した後、これを静置してゲル化させることにより得られる。
 なお、前記ケイ酸塩(A)、前記ポリアルキレングリコール(B)、及び前記ケイ酸塩の分散剤(C)を含み、前記ポリアルキレングリコール(B)は、50万乃至2000万の重量平均分子量、数平均分子量又は粘度平均分子量を有するとともに、水との接触によりハイドロゲルが形成されるとき、該ハイドロゲル100%中、2質量%を超え20質量%以下の質量割合を有するものとなる量にて少なくとも含まれる、ハイドロゲル形成性組成物も、本発明の対象である。
 本発明のハイドロゲルの形成方法は、例えば、上記(A)~(C)成分[すなわちハイドロゲル形成性組成物に含まれる成分]のうちの2成分と水又は含水溶媒との混合物若しくはその水溶液又は水分散液と、残りの1成分と水又は含水溶媒との混合物若しくはその水溶液又は水分散液とを混合することによって実施してもよい。
 その中でも、操作の簡便さの観点から、前記ケイ酸塩(A)、前記分散剤(C)、並びに水又は含水溶媒との混合物もしくはその水溶液又は水分散液(A液)と、前記ポリアルキレングリコール(B)、並びに水又は含水溶媒との混合物もしくはその水溶液又は水分散液(B液)とをそれぞれ調製し、これら2液を混合することによってゲル化させることが好ましい。
 また、イオン液体(D)を含む場合には、前記ケイ酸塩(A)、前記分散剤(C)、並びに水又は含水溶媒との混合物もしくはその水溶液又は水分散液(A液)と、前記ポリアルキレングリコール(B)、並びに水又は含水溶媒との混合物もしくはその水溶液又は水分散液(B液)とを調製し、これら2液を混合した後、別に前記イオン液体(D)、並びに水又は含水溶媒との混合物もしくはその水溶液又は水分散液(C液)を調製し、前記A液とB液の2液の混合物に添加して混合し、ゲル化させることが好ましい。なお必要に応じて、前記A液とB液の2液の混合物とC液を混合した後、水又は含水溶媒を添加して、各成分の濃度を調整してもよい。
 なお、上記A液を調製する際、先に分散剤(C)を水又は含水溶媒に混合し、その後にケイ酸塩(A)を添加し混合することにより、ケイ酸塩(A)の分散性がより良好となる。
 上記ハイドロゲル形成性組成物中の各成分を混合する方法としては、機械式又は手動による撹拌の他、超音波処理を用いることができるが、機械式撹拌が好ましい。機械式撹拌には、例えば、マグネチックスターラー、プロペラ式撹拌機、自転・公転式ミキサー、ディスパー、ホモジナイザー、振とう機、ボルテックスミキサー、ボールミル、ニーダー、ラインミキサー、超音波発振器等を使用することができる。
 混合する際の温度は、水溶液又は水分散液の凝固点乃至沸点、好ましくは-5℃乃至100℃であり、より好ましくは0℃乃至50℃である。
 また、混合直後に泡が発生する場合は、遠心機を用いて泡抜きを行うことが好ましい。遠心機を用いて泡抜きを行う時間としては、例えば、10分乃至20分である。
 混合直後は強度が弱くペースト状であるが、静置することでゲル化する。静置時間は2時間乃至100時間が好ましい。静置温度は-5℃乃至100℃であり、好ましくは0℃乃至50℃である。また、混合直後のゲル化する前に型に流し込んだり、押出成型したりすることにより、任意形状のゲルを作製することができる。
 上記のゲル化させる工程の後、さらに、得られたゲルをリン酸緩衝液に浸漬する工程を経て製造されてもよい。リン酸緩衝液は、通常一般的に使用されているもの等、特に制限は無い。浸漬は通常5~40℃のリン酸緩衝液に、5分~24時間静置して行う。
 また、上記のゲル化させる工程の後、さらに、得られたゲルをイオン液体(D)に浸漬する工程を経て製造されてもよい。イオン液体(D)は、先に例示したものを挙げることができる。浸漬は通常5~40℃のイオン液体に、5分~24時間静置して行う。
[伸長性ハイドロゲル]
 本発明は、ケイ酸塩(A)、ポリアルキレングリコール(B)、及び前記ケイ酸塩の分散剤(C)を含む、自己支持性を有するハイドロゲルであって、長さ方向に1.1倍以上に伸長可能な、伸長性ハイドロゲルも対象とする。
 なお前記ケイ酸塩(A)、ポリアルキレングリコール(B)、及び前記ケイ酸塩の分散剤(C)は、前述の<成分(A):、ケイ酸塩(A)>、<成分(B):ポリアルキレングリコール(B)>及び<成分(C):ケイ酸塩の分散剤(C)>で挙げた化合物を用いることができ、これらの好適な組み合わせ及び配合割合も、上述したとおりである。
 本発明の伸長性ハイドロゲルは、長さ50mm、幅15mm、厚み1mmの四角柱を成すハイドロゲル成形体において、長さ方向に1.1倍以上に伸長可能である。
 好ましくは長さ方向に1.2倍以上に伸長可能であり、長さ方向に1.5倍以上に伸長可能であり、長さ方向に2倍以上に伸長可能であり、長さ方向に3倍以上に伸長可能であり、長さ方向に5倍以上に伸長可能であり、長さ方向に8倍以上に伸長可能であり、長さ方向に10倍以上に伸長可能であり、最も好ましくは長さ方向に12倍以上に伸長可能である。
 なお、伸張度(引張伸び率)は一軸延伸試験(引張試験)により測定することができる。例えば、長さ50mmあるいは40mm、幅15mm、厚み1mmの四角柱状のハイドロゲルを作製し、約24℃2~7日間静置した後、オリエンテック社製のTENSILE TESTER STM-20を用いて、延伸速度10mm/分で延伸する。
 そして、装置の限界まで試料を延伸させた際の、試料のつかみ具間(チャック間)の最大距離(試料の最大引張長)と、該つかみ具間の初期距離(試料の初期長)の値より、下記式を用いて引張伸び率(伸張度)(%)を算出できる。
 引張伸び率(伸張度)(%)=[(最大距離-初期距離)/初期距離]×100
 また、延伸途中で破断した場合には、最大距離を“破断時の距離”に替えて、伸び率を算出できる。
 また、本発明の伸長性ハイドロゲルは、上記[自己支持性を有するハイドロゲル及びその製造方法]で説明した方法と同じ方法で製造することができる。その中でも、操作の簡便さの観点から、上記ケイ酸塩(A)、上記分散剤(C)、並びに水又は含水溶媒との混合物もしくはその水溶液又は水分散液(A液)と、上記ポリアルキレングリコール(B)、並びに水又は含水溶媒との混合物もしくはその水溶液又は水分散液(B液)とを混合することによってゲル化させることが好ましい。その際、上記A液とB液との混合比は、体積比で1:2乃至2:1が好ましい。
 また、ハイドロゲルがイオン液体を含む場合には、上述したように、上記ケイ酸塩(A)、上記分散剤(C)、並びに水又は含水溶媒との混合物もしくはその水溶液又は水分散液(A液)と、上記ポリアルキレングリコール(B)、並びに水又は含水溶媒との混合物もしくはその水溶液又は水分散液(B液)とを混合した後、この2液の混合物に、別に調製した上記イオン液体(D)、並びに水又は含水溶媒との混合物もしくはその水溶液又は水分散液(C液)を添加して混合し、ゲル化させることが好ましい。その場合のA液とB液とC液の混合比は、体積比で1~2:1~2:0.1~1などとすることができる。
 本発明のハイドロゲルにおいて使用する(A)ケイ酸塩、例えば、BYKアディティブス社製のラポナイト(LAPONITE(登録商標))は、端面が正に、一方、表面が負に帯電している円盤状粒子であって、ナトリウムイオンを介して層状構造を形成している。このラポナイト粒子に水を添加すると、ナトリウムイオンに水分子が水和し、層剥離する。そして、ラポナイト粒子の正に帯電している端面とラポナイト粒子の負に帯電している表面とが、静電相互作用により結合し、その結果、ラポナイト粒子はカードハウス構造を形成し、水分散液の粘性を高めることが知られている。
 一方、二リン酸ナトリウム(別名:ピロリン酸ナトリウム)などの(C)分散剤は、正に帯電したラポナイト粒子の端面に吸着してラポナイト粒子の分散を促進し、さらにカードハウス構造の形成を抑制することも知られている。
 ケイ酸塩が水に均一に分散された状態の中にポリアルキレングリコール(B)を加えると、新たにケイ酸塩とポリアルキレングリコール間の相互作用が発生し、均一なポリアルキレングリコール/ケイ酸塩ネットワークが構築され、力学物性に優れた高分子/ナノ微粒子コンポジットハイドロゲルが形成されるものと考えられる。
 そしてそれにより、自己支持性を有し、さらには1000%を超えるほどの伸び率を有する伸長性を有する本発明のハイドロゲルの形成に至るものと推察される。
 以下、実施例を挙げて、本発明をより具体的に説明するが、本発明は下記の実施例に限定されるものではない。
 なお以下の実施例において、質量%をwt%とも表記する。
[実施例1:10wt%ラポライトXLG/3.5wt%PEG/0.25wt%TSPP/水のハイドロゲルの調製]
 内径8mmの試験管内に、二リン酸ナトリウム十水和物(ピロリン酸ナトリウム十水和物)(TSPP)(関東化学株式会社製)0.0095g、水0.8704gを混合し、TSPP水溶液を得た。得られたTSPP水溶液を氷水に浸し、ここにラポナイトXLG(BYKアディティブス社製)0.2201gを3回に分けて加え、その都度超音波ホモジナイザーで20秒間撹拌することを繰り返し、全量を加えた後、さらに超音波ホモジナイザーで約20分間撹拌し、ラポナイトXLG水分散液を得た。
 一方、ポリアルキレングリコールとしてポリエチレングルコール(PEG)(和光純薬工業株式会社製:粘度平均分子量350万)を7wt%含むPEG水溶液1.1000gを調製した。
 上記PEG水溶液1.1000gに対して、上記の方法で作製したラポナイトXLG水分散液を室温にて少量ずつ加え、スパチュラを用いて手で50分乃至120分撹拌した。遠心分離(7,500rpmで15分間)で泡抜きを行った後、室温下で一週間静置させることにより、ハイドロゲルを得た。
[比較例1:10wt%ラポライトXLG/3.5wt%PEG/0wt%TSPP/水のハイドロゲルの調製]
 比較例1として、上記ラポナイトXLG水分散液を調製時にTSPPを不使用とした以外は、実施例1と同様の手順にて、TSPPを含まないハイドロゲルを調製した。
[実施例2:10wt%ラポライトXLG/5wt%PEG/0.25wt%TSPP/水のハイドロゲルの調製]
 実施例2として、最終的に得られるハイドロゲルにおいて、PEGが5wt%の濃度となるように調整した以外には、実施例1と同様の手順にてハイドロゲルを調製した。
[実施例3:10wt%ラポライトXLG/3.5wt%PEG/0.5wt%TSPP/水のハイドロゲルの製造]
 実施例3として、最終的に得られるハイドロゲルにおいて、TSPPが0.5wt%の濃度となるように調整した以外には、実施例1と同様の手順にてハイドロゲルを調製した。
[実施例4:10wt%ラポライトXLG/5wt%PEG/0.5wt%TSPP/水のハイドロゲルの製造]
 実施例3として、最終的に得られるハイドロゲルにおいて、PEGが5wt%、TSPPが0.5wt%の濃度となるように調整した以外には、実施例1と同様の手順にてハイドロゲルを調製した。
[ハイドロゲルの伸張度の評価]
 実施例1乃至実施例4及び比較例1で作製したハイドロゲルについて、株式会社オリエンテック製のTENSILE TESTER STM-20を用いて、引張試験を実施し、応力変化を測定した。
 試料は、上述の手順において遠心分離(7,500rpmで15分間)で泡抜きを行った後、長さ50mm、幅15mm、厚み1mmの型で成形し、室温下で1週間静置し、続いてこれを-20℃の冷凍庫に30乃至120分入れた後、型からゲルを取り出し、測定試料とした。図1に、実施例1の測定試料(成形ハイドロゲル試料)の外観を示す。なお、いずれの試料も、型からゲルを取り出した後、室温において形が崩れることなく初期形状を保ち、自己支持性を有するハイドロゲルであることを確認した。
 成形した各試料について、引張試験(延伸速度:10mm/分)を室温(約24℃)環境下で実施した。
 実施例1乃至実施例4のハイドロゲルにおける応力変化の測定結果(応力-ひずみ曲線)を、図3(実施例1及び実施例2)並びに図4(実施例3及び実施例4)に示す。図中、Lは自然長(試料の初期長)、ΔLは自然長からの増加、を示し、応力σ(Pa)は延伸による面積変化を考慮せずとして求めた。また図2に、実施例1の試料における、引張試験前の試料の外観(a)と引張試験後の試料の外観(b)を示す。
 また各試料について、装置の限界まで試料を延伸させた際の、試料のつかみ具間(チャック間)の最大距離(試料の最大引張長)と、該つかみ具間の初期距離(試料の初期長)の値より、下記式を用いて引張伸び率(伸張度)(%)を算出した(以下の表中の記載において、“%以上”と表示、試料の初期長によって装置限界の伸張度の値は多少異なる結果となっている)。
 引張伸び率(伸張度)(%)=[(最大距離-初期距離)/初期距離]×100
 なお、延伸途中で破断した場合には、最大距離を“破断時の距離”に替え、伸び率を算出した。
 それぞれのゲルの伸張度について、各ハイドロゲルの組成とともに、表1に示す。
Figure JPOXMLDOC01-appb-T000001
 表1に示すように、実施例1乃至実施例4のハイドロゲルは、いずれのゲルも所有の伸張装置の限界まで破断せずに伸張し、いずれも1300%以上の伸張度を示した。
 一方、TSPPを含まない比較例1のハイドロゲルでは、表面の固い相と中の柔らかい相に分離し、伸張に伴いすぐに破断した。
[実施例5:10wt%ラポライトXLG/3.5wt%PEG(粘度平均分子量770万)/0.25wt%TSPP/水のハイドロゲルの製造]
 実施例5として、PEGの平均分子量が800万~1000万(住友精化株式会社製、ポリエチレンオキサイド(PEO):粘度平均分子量770万)を用いた以外は、実施例1と同様の手順によりハイドロゲルを調製した。
 上記[ハイドロゲルの伸張度の評価]に従い、応力変化を測定し、ゲルの伸張度を評価した。
 図5に、実施例5のハイドロゲルにおける応力変化の測定結果を、実施例1の結果と合わせて示す。
[比較例2:10wt%ラポライトXLG/3.5wt%PEG(分子量30万)/0.25wt%TSPP/水のハイドロゲルの製造]
 比較例2として、PEGの平均分子量が30万(アルドリッチ社製、ポリエチレンオキサイド(PEO):平均分子量30万)を用いた以外は、実施例1と同様の手順によりハイドロゲル調製を試みた。
 しかし比較例2においてはゲル形成に至らない結果となり、伸張度に優れるゲル形成には、より高分子量のポリアルキレングリコールの使用が重要であることが確認された。
Figure JPOXMLDOC01-appb-T000002
[実施例6及び実施例7:分散剤にエチドロン酸四ナトリウムを用いた、10wt%ラポライトXLG/3.5wt%又は5.0wt%PEG/水のハイドロゲルの製造]
 実施例6及び実施例7として、分散剤をTSPPからエチドロン酸四ナトリウム(キレスト株式会社製:キレストPH-214)(0.25%)に変更した以外は、実施例1(PEG:3.5wt%)と実施例2(PEG:5%)と同様に操作し、ゲルの応力測定及び伸張度を評価した。
 図6に、実施例6及び実施例7のハイドロゲルにおける応力変化の測定結果を示す。
Figure JPOXMLDOC01-appb-T000003
[実施例8:10wt%ラポライトXLG/2.5wt%PEG/0.25wt%TSPP/水/エタノールのハイドロゲルの製造]
 内径8mmの試験管内に、二リン酸ナトリウム十水和物(ピロリン酸ナトリウム十水和物)(TSPP)(関東化学株式会社製)0.0094g、水0.8701gを混合し、TSPP水溶液を得た。得られたTSPP水溶液を氷水に浸し、ここにラポナイトXLG(BYKアディティブス社製)0.2202gを3回に分けて加え、その都度超音波ホモジナイザーで20秒間撹拌することを繰り返し、全量を加えた後、さらに超音波ホモジナイザーで約20分間撹拌し、ラポナイトXLG水分散液を得た。
 一方、ポリアルキレングリコールとしてポリエチレングルコール(PEG)(和光純薬工業株式会社製:粘度平均分子量350万)を7wt%含むPEG含有水/エタノール溶液1.1000gを調製した(水とエタノールの質量比1:1)。
 上記PEG含有水/エタノール溶液1.1000gに対して、上記の方法で作製したラポナイトXLG水分散液を室温にて少量ずつ加え、スパチュラを用いて手で50分乃至120分撹拌した。遠心分離(7,500rpmで15分間)で泡抜きを行った後、室温下で一週間静置させ、その後-20℃で30乃至120分間静置した後、ハイドロゲルを得た。
 本試験より、水/エタノール混合系においてもゲル形成可能であることが確認された。
[実施例9:10wt%ラポライトXLG/3.5wt%PEG/0.25wt%TSPP/水のハイドロゲルのリン酸緩衝液浸漬処理]
 実施例1と同様の操作でゲルを作製した後、長さ50mm、幅15mm、厚み1mmの型にて4日間成形し、型からゲルを取り出しリン酸緩衝液(pH=6.86)に1時間浸漬した。浸漬後、前記[ハイドロゲルの伸張度の評価]に倣い、応力変化を測定した。得られた結果を図7に示す。
 実施例1により作製したゲルの伸張実験との比較(図3参照)により、リン酸緩衝液に浸漬することで、ゲルの伸張応力が上昇することが確認された。
[実施例10:小角X線散乱(SAXS)測定]
 実施例1で作製したハイドロゲルについて、高エネルギー加速器研究機構の放射光小角X線散乱装置(BL-6A)を用いて、延伸下における小角X線散乱(SAXS)測定を行った。試料は遠心分離(7,500rpmで15分間)で泡を抜き、長さ50mm、幅15mm、厚み1mmの直方体に成形した。
 検出器としてPILATUS-1Mを用い、水平方向に一軸延伸したゲル試料に対して、延伸比を変えながら小角X線散乱測定を行った。得られた結果を図8に示す。延伸比が増加するにつれて延伸方向に対して垂直な方向に散乱パターンが推移した(図8(a):延伸比1、(b)同5、(c)同21)。この結果は、ケイ酸塩粒子の端面が延伸方向に揃い、表面が垂直方向に向いたためと考えられ、ケイ酸塩粒子/PEG高分子ネットワークが構築されていると考えられる。
[参考例1及び参考例2:水晶振動子マイクロバランス(QCM)測定]
 ケイ酸塩(A)とポリアルキレングリコール(B)の相互作用を確認するべく、QCM測定を実施した。
 QCM測定は、水晶振動子システムQCM922A(セイコー・イージーアンドジー株式会社)を用い、フロー型セル、共振周波数9MHzの金電極を使用して実施した。測定時の温度を22℃に制御し、流速30μl/分にて、以下の順番にて液体をフローした。
 なお、PEG水溶液、ラポナイトXLG水分散液及びラポナイトXLG/TSPP水分散液の調製は、実施例1に示す手順に倣った。
Figure JPOXMLDOC01-appb-T000004
 QCM測定は、印加された交流電圧により水晶振動子が共振振動する際、電極表面に付着する物質の微量な質量変化が共振周波数変化に比例する原理を用いて質量変化を測定するものであり、電極に物質が吸着し電極の質量が増加すると、共振周波数fが減少する。
 本例の場合、電極上でPEGとラポナイトXLGが相互作用し吸着した場合には、質量増加により共振周波数の減少が観測されると考えられる。
 図9に、参考例1及び参考例2のフローを実施した際の、振動数変化Δfの結果を示す。参考例1及び参考例2のいずれにおいても、まずPEG水溶液をフローさせると振動数が減少し、電極にPEGが吸着したことが確認された。次に、XLG水溶液、又はXLG/TSPP水溶液をフローさせると、いずれにおいても振動数が大きく減少することが確認された。前述したように、この結果は、PEG[ポリアルキレングリコール(B)]にラポナイトXLG[ケイ酸塩(A)]が吸着したことを示唆するものであった。
[実施例11~14、比較例3:10wt%ラポライトXLG/3.5wt%PEG/0.25wt%TSPP/水ハイドロゲルの調製(PEG分子量依存性)]
 実施例11~14として、粘度平均分子量が420万(実施例11)、370万(実施例12)、180万(実施例13)、76万(実施例14)、28万(比較例3)のPEG(以上、全て住友精化株式会社製、ポリエチレンオキサイド(PEO))を用いた以外は、実施例1と同様の手順によりハイドロゲルを調製した。ハイドロゲル作製後、長さ50mm、幅15mm、厚み1mmの型にて、室温下で2日間成形し、これを-20℃の冷凍庫に30乃至120分入れた後、型からゲルを取り出し、測定試料とした。
 上記[ハイドロゲルの伸張度の評価]に従い、応力変化を測定し、ゲルの伸張度を評価した。
 それぞれのゲルの伸張度について、各ハイドロゲルの組成とともに、表5に示す。なお、粘度平均分子量が770万(実施例5)及び350万(実施例1)の結果も合わせて表5に示す。
 また図10に、実施例11乃至14のハイドロゲルにおける応力変化の測定結果を、実施例1及び実施例5の結果と合わせて示す。
Figure JPOXMLDOC01-appb-T000005
 表5に示すように、実施例11乃至実施例14のハイドロゲルはいずれも500%以上の高い伸張度を示した。中でも実施例13のハイドロゲルは伸張装置の限界まで破断せずに伸張した。また実施例11乃至実施例14(成形期間:2日間)のハイドロゲルが、実施例1等(成形期間:1週間)のハイドロゲルと同程度の伸張度を示すことを確認した。
 一方、粘度平均分子量が28万のポリエチレングリコールを使用した比較例3においてはゲル形成に至らない結果となった。
 本結果より、伸張度に優れるゲル形成には、より高分子量のポリアルキレングリコールの使用が必要であることが確認された。
[実施例15:10wt%ラポライトXLG/3.5wt%PEG(粘度平均分子量770万)/0.25wt%TSPP/水のハイドロゲルのイオン液体(1-メチル-3-プロピルイミダゾリウム=ヨージド(MPII)浸漬処理]
 実施例5と同様の操作でゲルを作製した後、長さ50mm、幅15mm、厚み1mmの型にて2日間成形し、型からゲルを取り出し、イオン液体:1-メチル-3-プロピルイミダゾリウム=ヨージド(MPII)に10分間浸漬した。浸漬後、前記[ハイドロゲルの伸張度の評価]に倣い、応力変化を測定した。図11に実施例15のハイドロゲルにおける応力変化の測定結果を、実施例5の結果と合わせて示す。
 また、実施例15のハイドロゲルの伸張度について、表6に示す。
[実施例16:10wt%ラポライトXLG/3.5wt%PEG(粘度平均分子量770万)/0.25wt%TSPP/1.3wt%MPII/水のハイドロゲルの製造]
 バイアル瓶に、二リン酸ナトリウム十水和物(ピロリン酸ナトリウム十水和物)(TSPP)(関東化学株式会社製)0.0092g、水0.8706gを加えて撹拌子で混合し、TSPP水溶液を得た。その中にラポナイトXLG(BYKアディティブ社製)0.2200gをスパチュラで少しずつ加え、25分間撹拌し、ラポナイトXLG水分散液を得た。
 一方、ポリアルキレングリコールとして粘度測定での平均分子量が770万のポリエチレングリコール(PEG)(住友精化株式会社製、ポリエチレンオキサイド(PEO))を10wt%含むPEG水溶液0.7701gを調製した。
 上記PEG水溶液0.7701gに対して、上記の方法で作製したラポナイトXLG水分散液を室温にて少量ずつ加え、スパチュラを用いて手で25分間撹拌した。ここに、10wt%1-メチル-3-プロピルイミダゾリウム=ヨージド(MPII)/水混合系0.2788g(水とMPIIの質量比9:1)を6回に分けて加え、加える度に均一になるまでスパチュラで撹拌した。さらに水0.0532gをピペットで加えてスパチュラで撹拌した。遠心分離機(7,500rpmで15分間)で泡抜きを行った後、長さ50mm、幅15mm、厚み1mmの型にて、室温下で2日間静置成形し、続いてこれを-20℃の冷凍庫に30乃至120分入れた後、型からゲルを取り出して測定試料とした。図12に、実施例16の測定試料(成形ハイドロゲル試料)の外観を示す。該試料は、型からゲルを取り出した後、室温において形が崩れることなく初期形状を保ち、自己支持性を有するハイドロゲルであることを確認した。
 前記[ハイドロゲルの伸張度の評価]に倣い、該試料の応力変化を測定した。図13に実施例16のハイドロゲルにおける応力変化の測定結果を、実施例5の結果と合わせて示す。なお、最終的な1-メチル-3-プロピルイミダゾリウム=ヨージド(MPII)の濃度は1.3wt%であった。
 また、実施例16のハイドロゲルの伸張度について、表6に示す。
Figure JPOXMLDOC01-appb-T000006
 表6及び図11に示すように、イオン液体(MPII)に浸漬したハイドロゲル(実施例15)においても高い伸張度を示し、実施例5にて作製したゲルの伸張実験との比較においては、イオン液体(MPII)に浸漬する(実施例15)ことで、ゲルの伸張応力が上昇することが確認された。
 またイオン液体を含むハイドロゲル(実施例16)は、イオン液体浸漬ゲル(実施例15)と比べると伸張度は低い値となり、また図13に示すように実施例5と比べても伸張度は低い結果となったものの、依然として500%を超える高い伸張度を有していることが確認された。

Claims (15)

  1. ケイ酸塩(A)、ポリアルキレングリコール(B)、及び前記ケイ酸塩の分散剤(C)を含む自己支持性を有するハイドロゲルであって、
    前記ポリアルキレングリコール(B)は50万乃至2000万の重量平均分子量、数平均分子量又は粘度平均分子量を有し、
    前記ハイドロゲル100質量%中、前記ポリアルキレングリコール(B)は2質量%を超え20質量%以下の質量割合を有することを特徴とする、
    ハイドロゲル。
  2. 前記ケイ酸塩(A)が水膨潤性ケイ酸塩粒子である、請求項1に記載の自己支持性を有するハイドロゲル。
  3. 前記水膨潤性ケイ酸塩粒子が、スメクタイト、ベントナイト、バーミキュライト、及び雲母からなる群より選ばれる水膨潤性ケイ酸塩粒子である、請求項2に記載の自己支持性を有するハイドロゲル。
  4. 前記ポリアルキレングリコール(B)が、ポリエチレングリコール又はポリプロピレングリコールである、請求項1乃至請求項3のうちいずれか一項に記載の自己支持性を有するハイドロゲル。
  5. 前記分散剤(C)が、オルトリン酸、ピロリン酸、トリポリリン酸、テトラリン酸、ヘキサメタリン酸、ポリリン酸、エチドロン酸、アレンドロン酸、リセドロン酸、イバンドロン酸、クロドロン酸、ミノドロン酸、パミドロン酸、チルドロン酸、ゾレドロン酸、1,2-エチレンジホスホン酸、ポリ(メタ)アクリル酸、アクリル酸/マレイン酸共重合体、又はこれらの酸又は共重合体の完全中和又は部分中和の、ナトリウム塩、カリウム塩、又はアンモニウム塩;水酸化ナトリウム、ヒドロキシルアミン、炭酸ナトリウム、ケイ酸ナトリウム、重量平均分子量、数平均分子量又は粘度平均分子量が200乃至2万のポリエチレングリコール又はポリプロピレングリコール、フミン酸ナトリウム、及びリグニンスルホン酸ナトリウムからなる群より選ばれる少なくとも一種である、請求項1乃至請求項4のうちいずれか一項に記載の自己支持性を有するハイドロゲル。
  6. 前記ハイドロゲル100質量%中、前記ケイ酸塩(A)は5質量%乃至20質量%の質量割合を有する、請求項1乃至請求項5のうちいずれか一項に記載の自己支持性を有するハイドロゲル。
  7. さらにイオン液体(D)を含有する、請求項1乃至請求項6のうちいずれか一項に記載の自己支持性を有するハイドロゲル。
  8. 請求項1乃至請求項6のうちいずれか一項に記載の自己支持性を有するハイドロゲルの製造方法であって、
    前記ケイ酸塩(A)、前記ポリアルキレングリコール(B)、前記分散剤(C)、並びに水又は含水溶媒を混合する工程、及び、得られた混合物を静置してゲル化させる工程、を含む、製造方法。
  9. 請求項1乃至請求項6のうちいずれか一項に記載の自己支持性を有するハイドロゲルの製造方法であって、
    前記ケイ酸塩(A)、前記分散剤(C)、並びに水又は含水溶媒との混合物もしくはその水溶液又は水分散液(A液)と、前記ポリアルキレングリコール(B)、並びに水又は含水溶媒との混合物もしくはその水溶液又は水分散液(B液)の2液を混合する工程、及び、得られた混合物を静置してゲル化させる工程、を含む、製造方法。
  10. ゲル化させる工程の後、さらに、得られたゲルをリン酸緩衝液に浸漬する工程を含む、請求項8又は請求項9に記載の自己支持性を有するハイドロゲルの製造方法。
  11. ゲル化させる工程の後、さらに、得られたゲルをイオン液体(D)に浸漬する工程を含む、請求項8又は請求項9に記載の自己支持性を有するハイドロゲルの製造方法。
  12. 請求項7に記載の自己支持性を有するハイドロゲルの製造方法であって、
    前記ケイ酸塩(A)、前記ポリアルキレングリコール(B)、前記分散剤(C)、前記イオン液体(D)並びに水又は含水溶媒を混合する工程、及び、得られた混合物を静置してゲル化させる工程、を含む、製造方法。
  13. 請求項7に記載の自己支持性を有するハイドロゲルの製造方法であって、
    前記ケイ酸塩(A)、前記分散剤(C)、並びに水又は含水溶媒との混合物もしくはその水溶液又は水分散液(A液)と、前記ポリアルキレングリコール(B)、並びに水又は含水溶媒との混合物もしくはその水溶液又は水分散液(B液)の2液を混合する工程、
    前記イオン液体(D)、並びに水又は含水溶媒との混合物もしくはその水溶液又は水分散液(C液)を、前記A液とB液の混合物に添加し、混合する工程、及び、得られた混合物を静置してゲル化させる工程、を含む、製造方法。
  14. ケイ酸塩(A)、ポリアルキレングリコール(B)、及び前記ケイ酸塩の分散剤(C)を含む、自己支持性を有するハイドロゲルであって、
    前記ポリアルキレングリコール(B)は50万乃至2000万の重量平均分子量、数平均分子量又は粘度平均分子量を有し、
    前記ハイドロゲル100質量%中、前記ポリアルキレングリコール(B)は2質量%を超え20質量%以下の質量割合を有し、
    長さ50mmあるいは40mm、幅15mm、厚み1mmの四角柱を成すハイドロゲル成形体において、長さ方向に1.1倍以上に伸長可能な、伸長性ハイドロゲル。
  15. 自己支持性を有するハイドロゲルを形成する組成物であって、
    ケイ酸塩(A)、ポリアルキレングリコール(B)、及び前記ケイ酸塩の分散剤(C)を含み、
    前記ポリアルキレングリコール(B)は、50万乃至2000万の重量平均分子量、数平均分子量又は粘度平均分子量を有するとともに、水との接触によりハイドロゲルが形成されるとき、該ハイドロゲル100%中、2質量%を超え20質量%以下の質量割合を有するものとなる量にて少なくとも含まれる、
    ハイドロゲル形成性組成物。
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