WO2019077693A1 - 光学プローブ - Google Patents

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Abstract

光源から出射され光ファイバで導光されてきた光を、非常に単純な方法で側射方向に変更することによって、効率的で発熱の少ない照射を可能とし、かつ小型化が容易な光学プローブを提供するため、略円筒形の第1の光透過領域22及び第1の光透過領域22の外側面を覆う第2の光透過領域23を有する略円筒形のプローブ先端部13と、光源及びプローブ先端部13を光学的に繋ぐ光ファイバ12と、を備え、光ファイバ12のコア2から出射された光が第1の光透過領域22に入射し、第1の光透過領域22の屈折率をn1、第2の光透過領域23の屈折率をn2としたとき、n1<n2の関係を有する光学プローブ11を提供する。

Description

光学プローブ
 本発明は、レーザ光を用いた治療または診断に用いる光学プローブに関する。
 医療分野において、近年、光線力学的治療法(photodynamic therapy: 以下「PDT」と略する)が注目されている。PDTは、例えば、腫瘍に集積される光感受性物質を生体内に注入し、光感受性物質に対応した波長のレーザ光を照射して、腫瘍を選択的に破壊する局所的治療法である。同様に、光感受性物質を腫瘍に集積した後、弱い光を照射し、光感受性物質が放つ蛍光を観察して腫瘍の有無の診断に用いる光線力学的診断法(photodynamic diagnosis: 以下「PDD」と略する)も注目されている。
 このような治療・診断法では、光感受性物質に対応する波長の光が、患部に適切に照射される必要がある。通常、腫瘍は部位や症例ごとに手術を実施する空間的自由度、及び腫瘍そのものの形状が異なるので、都度最適な光学プローブにより光を照射することが重要である。これに対処するため、光学プローブの光軸方向だけでなく、光軸と垂直な方向にも光を出射可能な医療用レーザプローブが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
特許第3551996号
 特許文献1に記載の医療用レーザプローブでは、プローブ本体である透過性拡散チップに設けられた反射用溝またはディンプルや、透過性拡散チップを覆う保護拡散チューブにより、光軸と垂直な方向に光を出射している。これらの方法では、光の透過、反射を無数に繰り返すことによって拡散させているため、損出が生じ、光源から出射された光を効率的に用いることができない。さらに重要なことは、光エネルギーの損失に比例して、プローブが発熱することになり、これは生体内で使用することを前提としたプローブでは深刻な問題となる。
 一方、内視鏡は日々精細化し、本開示の時点でもすでに、ボストン・サイエンティフィック コーポレーション社製のスパイグラスデジタル内視鏡では鉗子のチャンネル径が1.2mmとなっている。PDTでこれらに対応するためには、細いプローブが必要となるが、従来の方法では反射用溝、ディンプル、保護拡散チューブを備えるため、プローブの外径を小さくするのには限界があり、患部によっては適用困難な場合もあり得る。
 本発明は、上記問題に鑑みてなされたものであり、光源から出射され光ファイバで導光されてきた光を、非常に単純な方法で側射方向に変更することによって、効率的で発熱の少ない照射を可能とし、かつ小型化が容易な光学プローブを提供することを目的とする。
 上記課題を解決するため、本発明の一態様に係る光学プローブでは、光略円筒形の第1の光透過領域及び第1の光透過領域の外側面を覆う第2の光透過領域を有する略円筒形のプローブ先端部と、光源及びプローブ先端部を光学的に繋ぐ光ファイバと、を備え、光ファイバのコアから出射された光が第1の光透過領域に入射し、第1の光透過領域の屈折率をn1、第2の光透過領域の屈折率をn2としたとき、n1<n2の関係を有する。
 以上のように、本発明の一態様では、光源から出射された光を無数に透過・反射させることなく非常に単純な方法で側射させるため、発熱の少ない効率的な照射が可能であり、かつ容易に小型化が可能な光学プローブを提供することができる。
本発明の1つの実施形態に係る治療装置の外形を模式的に示す斜視図である。 本発明の第1の実施形態に係る光学プローブを模式的に示す側面断面図である。 一般的な光ファイバの構造及び本書における三次元の方向を示す模式図である。 本発明の第1の実施形態に係る光学プローブにおける変形例を模式的に示す側面断面図である。 異なる屈折率の界面付近における光の挙動を示す説明図である。 本発明の第2の実施形態に係る光学プローブを模式的に示す側面断面図である。 本発明の第3の実施形態に係る光学プローブを模式的に示す側面断面図である。 本発明の第4の実施形態に係る光学プローブを模式的に示す側面断面図である。 本発明の第5の実施形態に係る光学プローブを模式的に示す側面断面図である。 (a)は、本発明の第6の実施形態に係る光学プローブを模式的に示す側面断面図であり、(b)は、(a)に示すX-X断面図である。 本発明の第1の実施形態に係るプローブ先端部の寸法の一例を示す側面断面図である。 本発明の第1の実施形態に係る光学プローブにおけるZ軸方向のビームプロファイルを測定したグラフである。 本発明の第2の実施形態に係る光学プローブにおけるZ軸方向のビームプロファイルを測定したグラフである。 本発明の第3の実施形態に係る光学プローブにおけるZ軸方向のビームプロファイルを測定したグラフである。 本発明の第4の実施形態に係る光学プローブにおけるZ軸方向のビームプロファイルを測定したグラフである。
 以下、図面を参照しながら、本発明を実施するための様々な実施形態を説明する。なお、図面は、各部の大きさおよび形状を模式的に示しており、各部の現実の大きさおよび形状は、図面と必ずしも一致しない。各図面中、同一の機能を有する対応する部材には、同一符号を付している。要点の説明または理解の容易性を考慮して、便宜上実施形態を分けて示すが、異なる実施形態で示した構成の部分的な置換または組み合わせは可能である。第2実施形態以降(または変形例)では第1実施形態と共通の事柄についての記述を省略し、異なる点についてのみ説明する。特に、同様の構成による同様の作用効果については、実施形態ごとには逐次言及しないものとする。 
(第1の実施形態に係る光学プローブ)
 はじめに、図1、図2及び図3を参照しながら、本発明の第1の実施形態に係る光学プローブの説明を行う。図1は、本発明の1つの実施形態に係る治療装置の外形を模式的に示す斜視図である。図2は、本発明の第1の実施形態に係る光学プローブを模式的に示す側面断面図である。図3は、一般的な光ファイバの構造及び本書における三次元の方向を示す模式図である。
 グラフを除く全ての図面において、同一の三次元の方向(図3のXYZ軸参照)で示されている。光ファイバの光軸の方向をZ軸とし、それに垂直な互いに直交する2方向をX軸、Y軸とする。また、Y軸を図面の上下方向に示している。
 図1に示す治療装置40は、光線力学的治療法(PDT)や光線力学的診断法(PDD)に用いるためレーザ光を患部等に照射可能な治療装置である。治療装置40は、レーザ光を出射する光源10と、光学プローブ11とを備える。光学プローブ11は、プローブ先端部13と、光源10及びプローブ先端部13を光学的に繋ぐ光ファイバ12とを備える。
 このような構成の治療装置40により、光源10から出射されたレーザ光は、光ファイバ12を介してプローブ先端部13に入射し、プローブ先端部13から外部へ出射される。例えば、光感受性物質を生体内に注入後、プローブ先端部13からレーザ光を患部に照射することにより、光線力学的治療法(PDT)を行うことができる。
 図2に示すように、第1の実施形態に係る光学プローブ11は、略円筒形の第1の光透過領域22及び第1の光透過領域22の外側面を覆う第2の光透過領域23を有する略円筒形のプローブ先端部13と、光源10及びプローブ先端部13を光学的に繋ぐ光ファイバ12とを備える。これにより、光ファイバ12の出射側の端部Aにおいて、光ファイバ12のコア2から出射された光が第1の光透過領域22に入射する。なお、図面において、代表的な光の進行を点線矢印で模式的に示す。後述するように、第1の光透過領域22の屈折率をn1、第2の光透過領域23の屈折率をn2としたとき、n1<n2 の関係を有するようになっている。
<光ファイバ及びプローブ先端部の接続構造>
 次に、光ファイバ12及びプローブ先端部13を光学的に繋ぐ構造を更に詳細に説明する。
 光ファイバ12は、コア2、コア2の外側面を覆うクラッド3及びクラッド3の外側面を覆うジャケット4から構成されている。光ファイバ12の出射側の端部Aから所定の範囲でジャケット4が除去されている。そして、プローブ先端部13の入射側端部C側において、光ファイバ12のクラッド3の外側面が露出した領域が、第2の光透過領域23で囲まれた空間に挿入されている。
 クラッド3の外径及び第2の光透過領域23の内径は概略一致しており、クラッド3の外側面及び第2の光透過領域23の内側面は互いに接して、接合部25を形成している。接合部25において、接着剤等でクラッド3及び第2の光透過領域23が互いに接合されていることが好ましい。第2の光透過領域23に光ファイバ12を装入する長さについては、用途に応じて任意の装入長を設定することができる。接合強度を考慮すると、クラッド3の外径の3倍以上の装入長を有することが好ましい。また、クラッドがフッ素樹脂で形成されている等の理由で、接着が困難な場合は接合部25の領域だけクラッドを除去して、コア2を第2の光透過領域23の内側に接着してもよい。
 本実施形態では、プローブ先端部13の入射側端部Aから所定の範囲及び光ファイバ12の出射側の端部Aから所定の範囲にわたって、固定保持部材31により外面が覆われている。例えば、固定保持部材31の素材として、所定の長さの熱収縮チューブを用いることができる。プローブ先端部13及び光ファイバ12を熱収縮チューブで覆った状態で、熱収縮チューブを加熱して熱収縮させて、プローブ先端部13及び光ファイバ12を外側から固定することができる。熱収縮チューブの収縮率として1/1.3~1/5を例示することができる。
 以上のように、本実施形態では、上記の接合部25による光ファイバ12及びプローブ先端部13の接合構造に加え、固定保持部材31による光ファイバ12及びプローブ先端部13の接合構造により、確実に光ファイバ12及びプローブ先端部13が接合され、接合による光学損出も抑制できる。プローブ先端部13や光ファイバ12の外径に比べて、固定保持部材31の外径もさほど大きくならず、光が光ファイバからプローブ先端部13に、少ない光学損失で入射する信頼性の高い接合構造を得ることができる。
<光ファイバ及びプローブ先端部の接続構造の変形例>
 ただし、光ファイバ12及びプローブ先端部13の接合構造は、上記の構造に限られるものではない。例えば、固定保持部材31として、その他の任意のコネクタを用いることもできる。更に、図4に示すような光ファイバ及びプローブ先端部の接続構造の変形例を採用することができる。図4は、本発明の第1の実施形態に係る光学プローブにおける変形例を模式的に示す側面断面図である。
 図4に示すように、光ファイバ12をプローブ先端部13の内部に挿入せず、光ファイバ12の出射側の端面Aとプローブ先端部13の入射側端部Cを付き合わせて配置し、樹脂材料等から形成されたコネクタからなる固定保持部材31を用いて接続することもできる。
<プローブ先端部>
 プローブ先端部13を構成する第1の光透過領域22及び第2の光透過領域23を形成する
材料について、以下に詳細に説明する。下記の表1に、各種素材の代表的な屈折率の値を示す。
[表1」 
Figure JPOXMLDOC01-appb-I000001
*屈折率は、589.3nmの光に対する代表的な値
 石英は、ファイバ材料として柔軟性のあるものが広く開発されており、意図的に加えられる不純物により屈折率を調整することが可能である。屈折率を高める材料としては、GeO2、P2O5、Al2O3、TiO2、PbO、ZrO2、Sb2O3などが知られており、なかでもGeO2が最もよく使用されている。屈折率を低める材料としては、B2O3、Fが知られており、より好適にはFが用いられる。
 樹脂材料は、ポリイミド、フッ素樹脂(フッ素の結合状況により、PTFE、PFA、FEP、ETFE、PVDF、THVなどが知られている、これらの総称としてテフロン(登録商標)と呼ばれる場合もある)、フッ素系エラストマー、ポリエステルエラストマー(PTEP/HI)、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリ塩化ビニル、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート、ナイロンエラストマー(TPAE)、ポリアセタール(POM)、オレフィン系エラストマー(TPE)、ポリカーボネイト(PC)、アクリル(PMMA)、ナイロンあるいはその共重合体(ポリアミド、PA、例えば商品名ペバックス(登録商標))、ポリウレタン(PUU)、エポキシ樹脂、ポリスチレン等が考えられる代表的な材料であり、これらはその製法により、機械的強度、光学的特性が変わる。
 上記の石英及び樹脂材料は、いずれもプローブ先端部13を構成する第1の光透過領域22または第2の光透過領域23の材料として使用可能であるが、上記は代表例を示したものであり、これらに限定されるものではない。
 第1の光透過領域22を空気で形成することもできる。更に、第1の光透過領域22の先端を封止することにより、水や水溶液を第1の光透過領域22の材料とすることもできる。このとき、水溶液は、食塩等毒性のない物質の水溶液であることが好ましい。同様に、第2の光透過領域23の先端を封止することにより、水、水溶液、その他液体等を第2の光透過領域23の材料とすることもできる。上記の何れの材料を採用する場合であっても、第1の光透過領域22の屈折率のn1よりも、第2の光透過領域23の屈折率のn2が大きくなるように、各領域を形成する材料を選択することが重要である。
 本実施形態では、常温常圧で存在し、入手が容易で、最も低い透過率を有する物質として空気を、第1の光透過領域22を形成する材料として用いている。上述の石英、樹脂材料、全て屈折率が空気よりも高いので、第2の光透過領域23を形成する材料として使用可能である。本実施形態では、第2の光透過領域23を形成する材料として、フッ素樹脂が用いられている。よって、屈折率の差(n2-n1)は、上記の表1に基づけば0.35となる。
 なお、第1の光透過領域22が空気で形成されている場合は、特別な処理なしで、光ファイバ12のクラッド3を第2の光透過領域23で囲まれた空間に挿入することができる。仮に、第1の光透過領域22が空気以外の個体等で形成されている場合には、光ファイバ12のクラッド3を装入する領域において、個体等を取り除く前処理を要する。
 その他、本実施形態を好適なものにする第2の光透過領域23の材料の特性としては、使用する光源10が出射する波長(ここでは664nm)の光に対して透過率が高いこと、チューブ状の加工が容易であること、柔軟性があること、生体適合性があること、体液に接しても構造を維持すること、化学的に安定であること、安価でかつ入手が容易あること等が挙げられる。また、内視鏡経由で生体内の患部近くを照らすべく精密な操作をするので、表面が滑りやすいと更に好ましい。
<光源>
 光源10は、半導体レーザ素子を内蔵し、例えば、664nm±2nmの赤色光域の波長を有するレーザ光を生成するように制御されている。このような微細な制御は、半導体レーザ素子にペルチェ素子を熱的に接続し、ペルチェ素子の温度を制御することで実現できる。ただし、本実施形態で用いるレーザ光の波長は、これに限られるものではなく、光線力学的治療法(PDT)や光線力学的診断法(PDD)に適した任意の波長のレーザ光を用いることができ、近赤外線域、青色・緑色光域、紫外線域の光を用いることもできる。レーザ光の波長は、用いる光感受性物質により決定される。
 光感受性物質としては、例えば、ポルフィマーナトリウム、タラポルフィンナトリウム、アミノレブリン酸、ベルテポフィン、HPPH、トモポルフィン、インドシアニンをはじめとして、ポルフィリン誘導体、フタロシアニン誘導体等に代表されるように、暗中で生体への毒性が低く、光照射によって活性酸素(あるいは一重項酸素)など細胞毒の発生を惹起し、かつ投与後一定時間後に正常組織よりも腫瘍組織への残存量が多いという性質を満たす全ての薬品が使用可能である。その投与方法は静脈注射、クリーム製剤としての局所塗布、もしくは経口投与など多岐にわたる。
<光ファイバ>
 本実施形態で用いる光ファイバ12としては、用いる波長帯域のレーザ光の導光に適した種々の光ファイバを使用できる。例えば、光ファイバ12は、シングルモードまたはマルチモード光ファイバであってもよいし、グレーデッドインデックス型ポリマー光ファイバ(GI・POF)、バンドルファイバ等であってもよい。
 γ線滅菌を想定した場合には、あらかじめ過剰量のγ線を照射して後に、664nm付近の透過率が十分に保たれている光ファイバを選ぶことが好ましい。コア材にGe等を含む光ファイバでは、総体的にγ線の作用でカラーセンターを発生して透過率低下を招きやすいため、コアとして、純石英を使用した光ファイバが特に好ましい。また、光ファイバ12のコア2は樹脂製であってもよいが、同じくγ線滅菌を行う場合は着色に加え、強度の低下を伴う構造変化が起こり得るので、材料は慎重に選びかつ、透過率や機械的強靭性等の品質は十分にコントロールする必要がある。
 光ファイバ12のコア2の直径に特に制限はなく、目的とする疾患に応じて最適の値を選ぶことができる。一般的に、400~800μm程度を例示できる。また、光ファイバ12の開口数(na)は、ファイバ端のレーザ光の広がり角に影響し、延いてはプローブ先端部13の軸方向のビーム形状(光束分布)に影響を及ぼすので、作成しようとする光学プローブ11の特性に応じて最適のものを選択することが好ましい。
 例えば、抹消肺癌や胆管癌などを想定した場合は、現時点で入手できる最も細い内視鏡を用いることを想定し、プローブ先端部13の外径が1mm以下であることが好ましく、光ファイバ12もそれに対応した外径を有する必要がある。プローブ先端部13の全長については、患部にレーザ光を照射する領域の大きさに応じて任意の長さを定められる。内視鏡を用いない側面照射の例として子宮頸癌の頸管照射も考慮すれば、典型的なプローブ先端部13の長さとして、5mm~50mmを例示できる。
<n1<n2による作用効果>
 次に、図5を参照しながら、第1の光透過領域22の屈折率のn1よりも、第2の光透過領域23の屈折率n2が大きい(n1<n2)ことによる作用効果について説明する。図5は、異なる屈折率の界面付近における光の挙動を示す説明図である。
 図5(a)は、異なる屈折率の光ファイバ12のコア及びクラッドの界面での光線の進行方向を示し、図5(b)は、異なる屈折率のプローブ先端部13の第1の光透過領域22及び第2の光透過領域23の界面での光線の進行方向を示す。
 図5(b)における屈折率n1、n2と入射角α、βの関係は、
sinα/sinβ = n2/n1
のスネルの公式で示される。なお、ここでは、第1の光透過領域22、及び第2の光透過領域23の外側面24の周囲の屈折率n1が同一の場合(例えば、ともに空気)を示す。
 図5(a)に示す光ファイバでは、コアの屈折率をn1、クラッドの屈折率をn2としたとき、n1>n2であるように設計されている。通常、屈折率の差(n1-n2)は、0.01~0.1程度といった比較的小さな値になっている。光源からなるべくZ軸方向に近い角度で光を入射することによって、コアに入射した光はクラッドとの界面でそのほとんどの成分が全反射し、これを延々と繰り返すことによって、長い距離を光ファイバに沿って光が導かれる。
 一方、本実施形態では、光ファイバと逆に、コアに対応する第1の光透過領域22の屈折率をn1、クラッドに対応する第2の光透過領域23の屈折率をn2とすると、n1<n2となっている。このような関係を有することにより、入射光はその入射角に関係なく、X-Y面に沿って、第2の光透過領域23の外側面24から外側に出射される。仮に、n1=n2、つまり、第1の光透過領域22及び第2の光透過領域23の屈折率が同一の場合には、第2の光透過領域23の外側面24から外側に出射される光の割合が減り、多くの光がプローブ先端部13の先端部Bから出射されることになる。
 第1の光透過領域22の屈折率n1より第2の光透過領域23の屈折率n2を大きくすることにより、光ファイバ12で運ばれてきた光源10からの光を、第2の光透過領域23の外側面24から出射して、光線力学的治療法(PDT)等の際に、患部をまんべんなく照射することができる。
 このような光学特性を有する第1の光透過領域22及び第2の光透過領域23から構成されたプローブ先端部13は、その構造の単純さから、細さや長さなど機械的な設計の自由度の高さと光学的効率の高さ(すなわち発熱の低さ)を同時に解決することができる。
 以上のように、略円筒形の第1の光透過領域22及び第1の光透過領域22の外側面を覆う第2の光透過領域23を有する略円筒形のプローブ先端部13と、光源10及びプローブ先端部13を光学的に繋ぐ光ファイバ12と、を備え、光ファイバ12のコア2から出射された光が第1の光透過領域22に入射し、第1の光透過領域22の屈折率をn1、第2の光透過領域23の屈折率をn2としたとき、n1<n2の関係を有することにより、光源10から出射された光を効率的に照射可能であり、かつ小型化が可能な光学プローブ11を提供することができる。
 特に、第1の光透過領域22が、最も屈折率の低い物質の空気で形成されている場合には、第1の光透過領域22の屈折率n1及び第2の光透過領域23の屈折率n2の差(n2-n1)を大きく取ることができるので、第2の光透過領域23の外側面24からより効率的に光を放射することができる。また、第1の光透過領域22を形成する部材を削除することなく、光ファイバ12のクラッド3を第2の光透過領域23で囲まれた空間に挿入することができるので、堅固な光ファイバ12及びプローブ先端部13の接続構造を低い製造コストで容易に得ることができる。
<第1の光透過領域に関する変形例>
 本実施形態に係る第1の光透過領域22の変形例として、第1の光透過領域22が、屈折率が異なる2以上の材料から構成され、少なくとも1の材料の断面積が、プローブ先端部13の軸方向(Z軸方向)で変化するようにすることもできる。
 これにより、光ファイバ12のコア2から第1の光透過領域22に入射した光が、軸方向(Z軸方向)の位置によって、第2の光透過領域23へ入射する光の割合を調整できるので、第2の光透過領域23の外側面24から外側へ出射する光の軸方向における光強度を均一にすることができる。
<第2の光透過領域に関する変形例>
 本実施形態に係る第2の光透過領域23の変形例として、第2の光透過領域23の厚みが、プローブ先端部13の軸方向(Z軸方向)で変化するようにすることもできる。
 これにより、第2の光透過領域23の外側面24から外側へ出射する光の軸方向における光強度を均一にすることができる。
(第2の実施形態に係る光学プローブ)
 次に、図6を参照しながら、本発明の第2の実施形態に係る光学プローブの説明を行う。図6は、本発明の第2の実施形態に係る光学プローブを模式的に示す側面断面図である。
 本実施形態に係る光学プローブ11は、プローブ先端部13の入射側端部Cと反対側の先端部Bにおいて、入射側端部C側に光を反射する反射板(ミラー)32が配置されている点で、上記の第1の実施形態と異なる。反射板(ミラー)32を配置するため、本実施形態では、先端部Bを含むプローブ先端部13全体が固定保持部材31で覆われている。固定保持部材31が、プローブ先端部13全体及び光ファイバ12の一部を覆って、光ファイバ12及びプローブ先端部13の接続、及び反射板(ミラー)32の保持を行っている。なお、第2の実施形態以降で用いられる固定保持部材31は、何れも透光性を有している。
 プローブ先端部13の先端部Bへ到達した光は、反射板(ミラー)32により、逆側(入射側端部C側)に反射され、プローブ先端部13の先端部Bから外側へ出射されることはない。反射板(ミラー)32で反射された光は、第2の光透過領域23へ入射し、第2の光透過領域23から固定保持部材31を経て、プローブ先端部13の外側面(固定保持部材31の外表面)から外側に出射される。これにより、光ファイバ12からプローブ先端部13へ入射した光を、効率的にプローブ先端部13の外側面(固定保持部材31の外表面)から出射させることができる。これにより、光線力学的治療法(PDT)等の際に、光源10からの光をより効率的に患部に照射することができる。
 更に、本実施形態に係る反射板(ミラー)32は、平面状の反射面を有している。この場合には、反射板(ミラー)32の製造コストも低く抑えられ、プローブ先端部13への取り付けも容易である。また、仮に反射板(ミラー)32の設置位置がずれたとしても、光の反射方向が変わる虞もない。
 その他の点については、基本的に上記の第1の実施形態と同様なので、更なる説明は省略する。
(第3の実施形態に係る光学プローブ)
 次に、図7を参照しながら、本発明の第3の実施形態に係る光学プローブの説明を行う。図7は、本発明の第3の実施形態に係る光学プローブを模式的に示す側面断面図である。
 本実施形態に係る光学プローブ11は、平板状の反射板ではなく、球状の反射球(ミラー)33を備えている点で、上記の第2の実施形態と異なる。本実施形態では、反射球(ミラー)33が球面の反射面を有しているが、これに限られるものではなく、中央が凸の滑らかな曲面であれば、その他の任意の曲面の反射面を用いることができる。
 ミラー33が、中央が凸の曲面状の反射面を有する場合には、光がより外側(第2の光透過領域23側)に反射される。つまり、反射光の速度ベクトルは、X-Y軸方向の速度ベクトルが大きくなり、光をより効率的に第2の光透過領域23へ入射し、固定保持部材31を経て、プローブ先端部13の外側面(固定保持部材31の外表面)から外側に出射させることができる。
 その他の点については、基本的に上記の第2の実施形態と同様なので、更なる説明は省略する。
(第4の実施形態に係る光学プローブ)
 次に、図8を参照しながら、本発明の第4の実施形態に係る光学プローブの説明を行う。図8は、本発明の第4の実施形態に係る光学プローブを模式的に示す側面断面図である。
 本実施形態に係る光学プローブ11は、第2の光透過領域23の外側面24の周囲に光拡散層34が配置されている点で、上記の第3の実施形態と異なる。
 光ファイバ12からプローブ先端部13に入射した光は、第1の光透過領域22から第2の光透過領域23に入射し、第2の光透過領域23の外側面24から光拡散層34に入射する。入射した光は、光拡散層34を透過する間に拡散され、固定保持部材31を経て、プローブ先端部13の外側面(固定保持部材31の外表面)から拡散光が出射される。
 このように、第2の光透過領域23の外側面24の周囲に光拡散層34を配置することにより、プローブ先端部13の外側面13A(固定保持部材31の外表面)から出射される光の強度を効果的に均一にすることができる。これにより、光線力学的治療法(PDT)等の際に、より適確に患部に照射することができる。
 更に、光拡散層34を楕円拡散型にすることができる。この場合、プローブ先端部13の軸方向(Z軸方向)において、拡散角が大きくなるように光拡散層34を配置することが好ましい。これにより、軸方向により効果的に光を拡散できるので、プローブ先端部13の外側面13A(固定保持部材31の外表面)から出射される光の強度をより効果的に均一にすることができる。
 その他の点については、基本的に上記の第3の実施形態と同様なので、更なる説明は省略する。
<光拡散に関する変形例>
 光拡散に関する変形例について、以下に説明する。
 上記の光拡散層34の代わりに、または上記の光拡散層34と併用して、第2の光透過領域23の外側面24に光拡散用の不規則な凹凸面を設けることもできる。凹凸面を設けるには、例えば、サンドブラストなどを用いることができる。これによっても、プローブ先端部13の外側面13Aから出射される光の強度を効果的に均一にすることができる。
 また、上記の光拡散層34の代わりに、または上記の光拡散層34と併用して、第2の光透過領域23の外側面24に、複数の球体、または複数のランダム形状の白色、鏡面若しくは透明な微粒子を張り付けることもできる。微粒子の粒径としては、数μm~100μmが好ましいが、これに限られるものではない。これらの微粒子を樹脂等に分散して、第2の光透過領域23の外側面24に塗布した後、固化させることで形成できる。これによっても、プローブ先端部13の外側面13Aから出射される光の強度を効果的に均一にすることができる。
 更に、上記の光拡散層34の代わりに、または上記の光拡散層34と併用して、第2の光透過領域23の外側面24にその円周に沿った複数の溝を設けることもできる。これによっても、プローブ先端部13の外側面13Aから出射される光の強度を効果的に均一にすることができる。
(第5の実施形態に係る光学プローブ)
 次に、図9を参照しながら、本発明の第5の実施形態に係る光学プローブの説明を行う。図9は、本発明の第5の実施形態に係る光学プローブを模式的に示す側面断面図である。
 本実施形態に係る光学プローブ11では、光ファイバ12の出射側の端部Aに屈折率分布型レンズ35が取り付けられている点で、上記の第4の実施形態と異なる。屈折率分布型レンズは、レンズ内部の屈折率が不均一になったレンズであり、グリン(Gradient Index :GRIN)レンズと称する場合もある。屈折率分布型レンズ35の一例として、セルフォック(登録商標)レンズを用いることができる。ただし、これに限られるものではなく、その他の任意の屈折率分布型レンズを採用することができる。
 屈折率分布型レンズ35により、光ファイバ12側から第1の光透過領域22に入射する光を平行光線に近づけて、迷光をコントロールすることもできる。これにより、プローブ先端部13の外側面13Aから出射される光の強度を均一にすることができる。 
 その他の点については、基本的に上記の第4の実施形態と同様なので、更なる説明は省略する。
(第6の実施形態に係る光学プローブ)
 次に、図10を参照しながら、本発明の第5の実施形態に係る光学プローブの説明を行う。図10(a)は、本発明の第6の実施形態に係る光学プローブを模式的に示す側面断面図であり、図10(b)は、図10(a)に示すX-X断面図である。
 本実施形態に係る光学プローブ11では、第2の光透過領域23の外側面24の全周の略12分の1以上の領域において、プローブ先端部13の軸方向(Z軸方項)の全長を覆う遮光層36が配置されている点で、上記の第4の実施形態と異なる。つまり、図10(b)に示す断面図において、X-Y平面の全周を360°として略30°以上の領域に、遮光層36が配置されている。図10(a)に示す側面断面図においては、プローブ先端部13の軸方向(Z軸方向)の全長に、遮光層36が配置されている。なお、ここでいう遮光層36は、光を透過しないまたは反射するような層である。
 例えば、PDTで患部を照射・治療する際、臓器の半周以下を治療対象とする場合には、残りの正常組織はなるべく治療光が照射されないことが好ましい。本実施形態に係るプローブ先端部13は、正常組織の照射を抑制しながら、照射が必要な腫瘍部分に適確に光を照射することができる。
 遮光層36を配置する領域の範囲は、X-Y平面の全周を360°として60°(全周の1/6)前後の場合もあり得るし、180°(全周の1/2)前後の場合もあり得る。より広い可能性を考慮すると、遮光層36を配置する領域の範囲として、20°~270°(全周の1/18~2/3)の範囲を例示できる。用途や照射する領域に応じて、最適な範囲を定めることが好ましい。
 本実施形態では、遮光層36を形成するため、第2の光透過領域23の外側面24の一部を、光を吸収する物質もしくは反射する物質で覆うことになる。その場合、光を吸収する物質は発熱を伴う可能性があるので、光を反射する物質を用いることが好ましい。遮光層36の形成方法として、第2の光透過領域23の外側面24の一部に、664nmの波長の光に対する反射率の高いアルミニウムや銀を蒸着させて、平滑な鏡面を形成することを例示できる。
 その他の点については、基本的に上記の第4の実施形態と同様なので、更なる説明は省略する。
 次に、上記の実施形態に係る光学プローブ11を実際に作成して、プローブ先端部13の外側面13Aから出射される光の強度を測定した。図11は、本発明の第1の実施形態に係るプローブ先端部13の寸法の一例を示す側面断面図である。なお、今回作成したその他の実施形態に係るプローブ先端部13の寸法も基本的に同一である。以下の実施例では、患部(例えば、食道癌、胆管癌、抹消肺癌、子宮頸癌(頸管)など1mm程度の細さで患部照射が必要な症例)に100J/cmのエネルギーを照射することを想定して試験を行った。
(実施例1)
 実施例1では、第1の実施形態に係る光学プローブ11(図2参照)を実際に作成して、試験を行った。
<光学プローブの作成>
 まず、光ファイバ12として、せーラムオプテック(Ceram Optec)社(米国)の400/440Tを選択した。このファイバの特性は、na=0.22、コア2の直径が400μm、クラッド3の外径は440μm、ジャケット4はテフゼル(フッ素系プラスティック)製で外径1000μmである。
 第1の光透過領域22の材料は空気とし、第2の光透過領域23の材料として、透明のフッ素樹脂(PTFE)のチューブで外径が900μm、内径が460μmのものを、長さ17mmにカットして用いた。
 光源10接続用のコネクタが一方に結合している光ファイバ12の反対の端を10mm長、専用ストリッパーを用いて、クラッド3が傷付かないよう注意して、ジャケット4を除去した。クラッド3が露出している光ファイバ12の先端部分に、フロン工業(株)製のFプライマーを塗布した。プライマーが十分乾燥したことを確認して、フロン工業製(株)の接着剤FRONT105Gを左記のプライマーを塗布した部分(先端より10mm長)に塗布した。接着剤が固化しない様に速やかに、光ファイバ12の先端を、プローブ先端部13の第2の光透過領域23に5mm長差し込んだ。
 接着剤の固化を待つことなく、更に、プローブ先端部13の第2の光透過領域23と光ファイバ12のジャケット4をまたがって、熱収縮チューブ(固定保持部材)31を装着し、ヒートガンで熱風を送って十分に収縮させ、プローブ先端部13の接合部25を固定した。この熱収縮チューブ(固定保持部材)31は、材質がPTFE、収縮前内径が1.27mm以上、収縮後内径が0.686mm以下の仕様である(ハギテック(株)型番SLW-AWG 24HS)。熱収縮チューブ(固定保持部材)31は、プローブ先端部13の接合部25及びジャケット4の上を5mm長覆っている。その後、10時間以上室温で放置し、接着剤を固化させた。
<評価>
 作成した光学プローブ11を評価するために、計測器としてOphir社のビームプロファイリンシステムを使用した。用いたセンサは、NS-Si/9/5である。このセンサでは口径が9mmであったため、プローブ先端部13の外側面24の長さが12mmなので、本光学プローブ11は一度には測定できない。そこで、センサを上向きにし、センサ面から10mm離れた位置に光学プローブ11を固定し、一度の測定で6mm分だけ測定した後、センサを光学実験用の精密スライダで6mm移動させることを繰り返し、全体のビームプロファイルを測定し、Z軸方向のビームの均一性を評価した。なお、光学プローブ11が構造上、X-Y軸方向には同一であるため、X-Y軸方向のビーム形状のゆがみの評価は不要と判断し、測定しなかった。
 このようにして測定した結果を、図12に示す。図12は、本発明の第1の実施形態に係る光学プローブにおけるZ軸方向のビームプロファイルを測定したグラフである。図12の結果は、想定通りビームが側面(X-Y軸)方向に照射できていることが証明された。
<効率(透過率)の評価>
 測定装置としてOPIR社の積分球型パワーメータ(IS-1)を用いて、プローブ先端部の出力を測定した。リファレンス用に、実施例で用いたものと同じコネクタの付いた同じ材質、長さのファイバを用意し、これにプローブ先端部を取り付けていないものをリファレンスプローブとして作成した。光源10の出力を20mWに調整し、光源10より664nmの光を照射し、リファレンスプローブ先端を積分球型パワーメータで、照射開始30秒から開始して60秒間の出力平均を求めた(P0)。次に、作成したプローブ先端部の全体を積分球内に差し込み、同様の方法で出力を求めた(P1)。また、この場合はプローブ先端部からも照射光が出ていたので、プローブ先端部はパワーメータの外に出し、先端部の軸方向をパワーメータの入り口にセットして、軸方向の光は全てパワーメータに入射するようにしてパワーを測定した(P2)。このとき、透過率Tは、T=(P1-P2)/P0×100で求めた。本実施例においては、70%の透過率を得た。
(実施例2)
 実施例2では、上記の第2の実施形態に係る光学プローブ11(図6参照)を実際に作成して、試験を行った。
<光学プローブの作成>
 実施例1に示す第1の実施形態に係る光学プローブをベースとして、第1の光透過領域22の先端部Bに反射板32を設置した。より具体的には、直径900μm、厚さ200μmの平滑なガラス板にアルミを蒸着し、鏡面を作成した。鏡面をZ軸方向の反対側に向けて、第1の光透過領域22に張り付けた。さらに、熱収縮チューブ(固定保持部材)31は、一方が袋状に閉じているものを用い、プローブ先端部13の先端から根元の光ファイバ12のジャケット4までを覆って収縮させた。その他の作成方法は、上記の実施例1の場合と同様である。
<評価>
 実施例1と同法の方法で、ビームプロファイルを計測した結果を図13に示す。図13は、本発明の第2の実施形態に係る光学プローブ11におけるZ軸方向のビームプロファイルを測定したグラフである。本実施例では、第1の光透過領域22の先端を反射板32で覆ったので、Z軸に向かって直射するビーム成分は0なり、全ての光が側面から放射された。また、反射板32による光の反射により、側面(X-Y軸)方向に照射されるビームの強度がより均一のなったことが判明した。
<効率(透過率)の評価>
透過率に関しての測定は、プローブの軸方向の照射がないので、プローブ全体をパワーメータ内に入れP1を測定し、透過率Tに関して、T=P1/P0×100で求めた。本実施例の場合、透過率は95%を得た。
(実施例3)
 実施例3では、上記の第3の実施形態に係る光学プローブ11(図7参照)を実際に作成して、試験を行った。
<光学プローブの作成>
 実施例2に示す第2の実施形態とほぼ同様な光学プローブ11を作成し、反射板32の代わりに、直径450μmのアクリル球体にアルミ蒸着をして鏡面にした反射球33を、プローブ先端部13の先端に接着した。そして、実施例2と同様に、先端から熱収縮チューブ(固定保持部材)31で覆って、実施例2と同様に作成した。
<評価>
 実施例1と同法の方法で、ビームプロファイルを計測した結果を図14に示す。図14は、本発明の第3の実施形態に係る光学プローブ11におけるZ軸方向のビームプロファイルを測定したグラフである。本実施例でも、第1の光透過領域22の先端を反射球33で覆ったので、Z軸に向かって直射するビーム成分は0となり、全ての光が側面から出射された。プローブ先端部13の先端におけるビーム強度が上がったことにより、実施例2の場合に比べ、側面(X-Y軸)方向に照射されるビームの強度が更に均一のなったことが判明した。
<効率(透過率)の評価>
 実施例2と同法の方法で、測定した透過率Tは97%であった。
(実施例4)
 実施例4では、上記の第4の実施形態に係る光学プローブ11(図8参照)を実際に作成して、試験を行った。
<光学プローブの作成>
 実施例3に示す第3の実施形態と同様な光学プローブ11を作成し、熱収縮チューブ(固定保持部材)31で覆う前に、プローブ先端部13の第2の光透過領域23を光拡散シート(光拡散層)34で覆った。用いた光拡散シートは、95°× 25°の楕円拡散型ポリエステルシート(厚み0.113mm)である(株式会社オプティカルソリューションズのLSD95x25PE5-12)。95°拡散方向をZ軸方向にして、第2の光透過領域23に張り付けた。
<評価>
 実施例1と同法の方法で、ビームプロファイルを計測した結果を図15に示す。図15は、本発明の第4の実施形態に係る光学プローブ11におけるZ軸方向のビームプロファイルを測定したグラフである。図15から明らかなように、光拡散シート(光拡散層)34によりビームのZ軸方向への均一性は±10%以内に収まり、優れた均一性を有することが判明した。
<効率(透過率)の評価>
実施例2と同法の方法で、測定した透過率Tは88%であった。
(実施例5)
 実施例5では、上記の第6の実施形態に係る光学プローブ11(図10参照)を実際に作成した。
<光学プローブの作成>
 今回は、使用している第2の光透過領域23の材料がフッ素樹脂(PTFE)なので、蒸着が困難であることから、簡易な一例として、アルミフォイルを遮光材(遮光層)36として使用した。上記の実施例4に示す第4の実施形態と同様な光学プローブ11を作成し、光拡散シート(光拡散層)34を張り付ける前に、1.5×14mmに切ったアルミフォイルを第2の光透過領域23の外側面24に接着した。これにより、第2の光透過領域23の周囲の約180°にわたって光を反射する構造を得ることができた。
<効率(透過率)の評価>
実施例2と同法の方法で、測定した透過率Tは76%であった。
 上記の様々な実施例によって、本発明の各実施形態に係る光学プローブ11は、プローブ先端部13の外側面13Aから外側に十分に均等な光を出射することができることが実証された。更に、プローブ先端部13の周囲方向において、所望の方向にのみ光を出射させることもできることも実証された。
 本発明の実施の形態、実施の態様を説明したが、開示内容は構成の細部において変化してもよく、実施の形態、実施の態様における要素の組合せや順序の変化等は請求された本発明の範囲および思想を逸脱することなく実現し得るものである。一方、発明者らの経験によれば、十二指腸、胆管などを照射する場合は、プローブ先端の位置を正確に知ることが困難である。このためには、X線照射で影を作ることが知られている重金属(望ましくは生体適合性が確立している白金)をプローブ先端に設置し、X線的方法で場所の確認をすることが考えられる。
 本開示の光学プローブは、光線力学的治療法(PDT)や光線力学的診断法(PDD)において、子宮頸癌の頸管部、抹消肺癌、胆管癌など微細な患部に適用することができる。
2 光ファイバのコア
3 光ファイバのクラッド
4 光ファイバのジャケット
10 光源
11 光学プローブ
12 光ファイバ
13 プローブ先端部
13A プローブ先端部の外側面
22 第1の光透過領域
23 第2の光透過領域
24 第2の光透過領域の外側面
25 接合部
31 固定保持部材(熱収縮チューブ)
32  反射板(ミラー)
33 反射球(ミラー)
34 光拡散層(光拡散シート)
35 屈折率分布型レンズ
36 遮光層
40 治療装置 
A  光ファイバの出射側の端部
B  プローブ先端部の先端部
C  プローブ先端部の入射側端部

Claims (15)

  1.  略円筒形の第1の光透過領域及び前記第1の光透過領域の外側面を覆う第2の光透過領域を有する略円筒形のプローブ先端部と、
     光源及び前記プローブ先端部を光学的に繋ぐ光ファイバと、
    を備え、
     前記光ファイバのコアから出射された光が前記第1の光透過領域に入射し、
     前記第1の光透過領域の屈折率をn1、前記第2の光透過領域の屈折率をn2としたとき、
     n1 < n2
    の関係を有することを特徴とした光学プローブ。
  2.  前記第1の光透過領域が空気で形成されていることを特徴とする請求項1に記載の光学プローブ。
  3.  前記プローブ先端部の入射側端部において、クラッドの外側面が露出した前記光ファイバの出射側の端部領域が前記第2の光透過領域で囲まれた空間に挿入され、前記プローブ先端部から前記光ファイバに渡って固定保持部材で外面が覆われていることを特徴とする請求項1または2に記載の光学プローブ。
  4.  前記プローブ先端部の入射側端部と反対側の先端部において、入射側端部側に光を反射するミラーが配置されていることを特徴とする請求項1から3の何れか1項に記載の光学プローブ。
  5.  前記ミラーが、平面状の反射面を有することを特徴とする請求項4に記載の光学プローブ。
  6.  前記ミラーが、中央が凸の曲面状の反射面を有することを特徴とする請求項4に記載の光学プローブ。
  7.  前記第2の光透過領域の外側面の周囲に光拡散層が配置されていることを特徴とする請求項1から6の何れか1項に記載の光学プローブ。
  8.  前記光拡散層が楕円拡散型であり、前記プローブ先端部の軸方向において拡散角が大きくなるように配置されていることを特徴とする請求項7に記載の光学プローブ。
  9.  前記光ファイバの出射側の端部に屈折率分布型レンズが取り付けられていることを特徴とする請求項1から8の何れか1項にした光学プローブ。
  10.  前記第2の光透過領域の外側面の全周の略12分の1以上の領域において、前記プローブ先端部の軸方向の全長を覆う遮光層が配置されていることを特徴とする請求項1から9の何れか1項に記載の光学プローブ。
  11.  前記第1の光透過領域が、屈折率が異なる2以上の材料から構成され、少なくとも1の材料の断面積が、前記プローブ先端部の軸方向で変化することを特徴とする請求項1から10の何れか1項に記載の光学プローブ。
  12.  前記第2の光透過領域の厚みが、前記プローブ先端部の軸方向で変化することを特徴とする請求項1から11の何れか1項に記載の光学プローブ。
  13.  前記第2の光透過領域の外側面に光拡散用の不規則な凹凸面が設けられていることを特徴とする請求項1から12の何れか1項に記載の光学プローブ。
  14.  前記第2の光透過領域の外側面に、複数の球体、または複数のランダム形状の白色、鏡面若しくは透明な微粒子が張り付けられていることを特徴とする1から12の何れか1項に記載の光学プローブ。
  15.  前記第2の光透過領域の外側面に円周に沿った複数の溝が設けられていることを特徴とする1から12の何れか1項に記載の光学プローブ。
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