WO2019039270A1

WO2019039270A1 - 内視鏡

Info

Publication number: WO2019039270A1
Application number: PCT/JP2018/029669
Authority: WO
Inventors: 圭輔高田; 弘聖岡野; 本田　一樹
Original assignee: オリンパス株式会社
Priority date: 2017-08-23
Filing date: 2018-08-07
Publication date: 2019-02-28
Also published as: CN111031891B; CN111031891A; US20200178768A1; US11317784B2

Abstract

内視鏡は、被検体内に挿入される挿入部と、挿入部の先端部において挿入部の長手軸方向に沿って突出して設けられた第１の突出部と、第１の突出部に隣接する位置において、挿入部の長手軸方向に沿って突出して設けられた第２の突出部と、第１の突出部の外周面側において、挿入部の長手軸方向に沿った軸周りに設けられているとともに、被検体内を照明するための照明光を挿入部の側方を含む方向に出射するための光出射面を具備する照明窓と、を有し、光出射面の端部が、第２の突出部側へ出射される照明光の光量を挿入部の先端部の先端側から基端側へ向かって増加させるように、長手軸に対して傾斜した形状を具備している。

Description

内視鏡

　本発明は、内視鏡に関し、特に、広角な視野で被検体内を観察可能な内視鏡に関するものである。

　医療分野においては、病変部の見落とし防止等のために、広角な視野で被検体内を観察可能な内視鏡が近年提案されている。そして、このような内視鏡の一例として、被検体内に挿入される細長の挿入部の前方及び側方に視野を備えたものが知られている。

　具体的には、例えば、国際公開第２０１４／０５０２３６号には、内視鏡の挿入部の軸方向である挿入方向の観察対象の光像を入射させる直視観察窓と、当該軸方向の側方の観察対象の光像を入射させる側視観察窓と、を含むレンズユニットと、当該レンズユニットに隣接する位置において当該直視観察窓と同じ面の高さになるように張り出した台座と、当該レンズユニットの各レンズを支持する円筒形状の鏡枠と、を当該挿入部の先端部に設けた構成が開示されている。また、国際公開第２０１４／０５０２３６号には、鏡枠の少なくとも一部が照明光を導光する導光部材により形成されているとともに、当該照明光が当該鏡枠から側視観察窓の観察視野へ照射されるような構成が開示されている。

　ここで、国際公開第２０１４／０５０２３６号に開示された構成によれば、例えば、挿入部の先端部を観察対象に近づけて観察を行う近景観察時において、照明光が当該観察対象へ照射されている領域と、当該照明光が台座で遮られることにより影が生じている領域と、における明暗のコントラストが顕著に高い画像が取得され得る。

　従って、国際公開第２０１４／０５０２３６号に開示された構成によれば、挿入部の前方及び側方を含む観察視野内において生じている照明ムラが意図せず強調された画像が近景観察時に取得されることに起因し、当該画像に基づいて観察を行うユーザに対して強い違和感を与えてしまう場合がある、という課題が生じている。

　本発明は、前述した事情に鑑みてなされたものであり、挿入部の前方及び側方を含む観察視野内において照明ムラが発生した状態で取得された画像に基づいて観察を行う際に生じ得る視覚的な違和感を軽減可能な内視鏡を提供することを目的としている。

　本発明の一態様の内視鏡は、被検体内に挿入される挿入部と、前記挿入部の先端部において前記挿入部の長手軸方向に沿って突出して設けられた第１の突出部と、前記挿入部の先端部の前記第１の突出部に隣接する位置において、前記挿入部の長手軸方向に沿って突出して設けられた第２の突出部と、前記第１の突出部の外周面側において、前記挿入部の長手軸方向に沿った軸周りに設けられているとともに、前記被検体内を照明するための照明光を前記挿入部の側方を含む方向に出射するための光出射面を具備して構成された照明窓と、を有し、前記光出射面の端部が、前記第２の突出部側へ出射される前記照明光の光量を前記挿入部の先端部の先端側から基端側へ向かって増加させるように、前記長手軸に対して傾斜した形状を具備している。

実施形態に係る内視鏡を含む内視鏡装置の要部の構成を示す図。実施形態に係る内視鏡の先端部の構成の一例を示す斜視図。第１の実施形態に係る内視鏡の先端部に設けられた側方照明窓及びその周辺部分の構成の具体例を説明するための側面図。第１の実施形態に係る内視鏡の先端部に設けられたハウジングの構成の具体例を説明するための斜視図。第１の実施形態に係る内視鏡の先端部に設けられた側方照明窓の構成の具体例を説明するための斜視図。第１の実施形態に係る内視鏡の先端部に設けられた遮光部材の構成の具体例を説明するための斜視図。挿入部の前方及び側方に視野を備えた従来の内視鏡により取得される画像の一例を説明するための模式図。実施形態に係る内視鏡により取得される画像の一例を説明するための模式図。第１の実施形態に係る内視鏡の先端部に設けられた側方照明窓の構成の、図５とは異なる例を説明するための側面図。第１の実施形態に係る内視鏡の先端部に設けられた側方照明窓の構成の、図５とは異なる例を説明するための側面図。第１の実施形態に係る内視鏡の先端部に設けられた側方照明窓の構成の、図５とは異なる例を説明するための側面図。第２の実施形態に係る内視鏡の先端部に設けられた側方照明窓及びその周辺部分の構成の具体例を説明するための側面図。第２の実施形態に係る内視鏡の先端部に設けられた側方照明窓の構成の具体例を説明するための図。第２の実施形態に係る内視鏡の先端部に設けられた遮光部材の構成の具体例を説明するための斜視図。第２の実施形態の変形例に係る内視鏡の先端部に設けられた側方照明窓及びその周辺部分の構成の具体例を説明するための側面図。第２の実施形態の変形例に係る内視鏡の先端部に設けられた側方照明窓の構成の具体例を説明するための図。第２の実施形態の変形例に係る内視鏡の先端部に設けられた遮光部材の構成の具体例を説明するための斜視図。

　以下、本発明の実施形態について、図面を参照しつつ説明を行う。

（第１の実施形態）
　図１から図１１は、本発明の第１の実施形態に係るものである。

　本実施形態の内視鏡装置は、図１に示すように、内視鏡１と、移動可能なトロリー２に搭載された内視鏡用機器３と、を有して構成されている。なお、以下の説明は、軟性鏡を例に挙げて説明するが、本実施の形態は、硬性鏡においても同様に適用可能である。図１は、実施形態に係る内視鏡を含む内視鏡装置の要部の構成を示す図である。

　内視鏡１は、被検体として、例えば、生体等の被検体内に挿入される細長の挿入部４を有して構成されている。挿入部４は、基端側に設けられた細長の可撓管５と、可撓管５の先端側に設けられた湾曲部６と、湾曲部６の先端側に設けられた先端部７と、を有して構成されている。また、内視鏡１は、湾曲部６を湾曲動作させるための湾曲操作ノブ及びレリーズスイッチ等のスコープスイッチが設けられているとともに、挿入部４よりも基端側に設けられた操作部８と、操作部８から延出したユニバーサルケーブル９と、を有して構成されている。

　内視鏡用機器３は、例えば、生体内に存在する生体組織等のような、被検体の内部の被写体を照明するための照明光を発する光源装置１１と、内視鏡１が当該被検体を撮像した際に得られる撮像信号に対して所定の処理を施すことにより映像信号を生成して出力するビデオプロセッサ１２と、ビデオプロセッサ１２から出力される映像信号に応じた観察画像を表示するモニタ１３と、ユーザの操作に応じたコマンド及びデータをビデオプロセッサ１２に入力可能なキーボード１４と、を有して構成されている。

　一方、トロリー２の支柱には、洗浄等に用いられる液体である水または生理食塩水等の洗浄液を貯留するためのボトル１５が着脱可能に取り付けられている。また、内視鏡用機器３のいずれかの装置の内部には、送気ポンプユニット（不図示）が配置されている。

　洗浄液は、送気ポンプユニットから供給される空気がボトル１５に流入した際に、内視鏡１の送気送液チャンネル（不図示）を介し、先端部７に設けられた各洗浄ノズルに供給される。さらに、トロリー２の棚には、先端部７の洗浄ノズルを経て被検体内に噴出された液体及び／または気体を吸引するための吸引ユニット１６が設けられている。

　ユニバーサルケーブル９は、コネクタ１７により光源装置１１に接続されている。また、挿入部４及びユニバーサルケーブル９を含む内視鏡１の内部には、光源装置１１から発せられた照明光を伝送するための複数の光ファイバを具備するライトガイドＬＧ（図１では不図示）と、撮像信号等を伝送するための複数の信号線（不図示）と、気体及び液体の流路として形成された送気送液チャンネルと、が設けられている。また、ユニバーサルケーブル９の内視鏡用機器３側に接続するコネクタ１７は、信号線とチューブとライトガイドに分岐して、それぞれの構成部位に接続されている。

　すなわち、ライトガイドＬＧは、挿入部４の長手軸方向に沿って設けられているとともに、被検体内（に存在する被写体）を照明するための照明光を挿入部４の基端部から先端部へ伝送するように構成されている。また、ライトガイドＬＧの先端部は、図示しないが、挿入部４の先端部７の近辺において２方向に分岐している。

　挿入部４の先端部７は、図２に示すように、樹脂製の先端部本体２１を有している。挿入部４は、ゴム製のシース部材２２により覆われている。シース部材２２の先端部は、糸巻き部２３により先端部本体２１に対して固定されている。糸巻き部２３には、接着剤が塗布されている。また、先端部７の内部には、前方観察窓２５（後述）及び側方観察窓２６（後述）の各々から入射される入射光を撮像面で受光するとともに、当該受光した入射光を撮像して撮像信号を出力するように構成された撮像素子４３が設けられている。なお、先端部７の内部に設けられる撮像素子４３の例としては、ＣＣＤまたはＣＭＯＳ等が挙げられる。図２は、実施形態に係る内視鏡の先端部の構成の一例を示す斜視図である。

　なお、本実施形態においては、挿入部４の先端部７の上下方向が、撮像素子４３の撮像面の上下方向に一致する方向として設定されているものとして説明を行う。

　先端部本体２１の先端面には、挿入部４の長手軸方向に沿って突出した突出部（第１の突出部）であるレンズユニット２４が設けられている。また、先端部本体２１の先端面におけるレンズユニット２４に隣接する位置には、挿入部４の長手軸方向に沿って突出した突出部（第２の突出部）である直方体形状の台座部２１ａが設けられている。

　レンズユニット２４は、挿入部４の先端部７における台座部２１ａの上方に設けられている。また、レンズユニット２４は、挿入部４（先端部７）の前方を観察するための前方観察窓２５と、挿入部４（先端部７）の側方を観察するための側方観察窓２６と、を有して構成されている。また、レンズユニット２４は、内視鏡１に内蔵されたライトガイドＬＧにより伝送される照明光を挿入部４（先端部７）の前方へ出射するための前方照明窓２９と、当該照明光を拡散して挿入部４（先端部７）の側方を含む方向へ出射するための側方照明窓３０と、を有して構成されている。また、レンズユニット２４の内部には、前方観察窓２５及び側方観察窓２６の各々から入射される入射光を撮像素子４３の撮像面に結像させるための複数のレンズを具備する撮像光学系（不図示）が設けられている。

　すなわち、以上に述べた構成によれば、挿入部４（先端部７）の前方に存在する被写体と、挿入部４（先端部７）の側方に存在する被写体と、が撮像素子４３により同時に撮像される。また、以上に述べた構成によれば、撮像素子４３から出力される撮像信号に応じた観察画像として、挿入部４（先端部７）の前方に存在する被写体と、挿入部４（先端部７）の側方に存在する被写体と、を同時に観察することができるような、広角な視野を有する観察画像がモニタ１３に表示される。

　なお、挿入部４（先端部７）の前方とは、例えば、挿入部４の長手軸Ｃ１（図２参照）に沿った方向であり、本実施形態においては、挿入部４の長手軸方向に沿った方向が挿入部４の前方に含まれているものとする。また、挿入部４（先端部７）の側方とは、例えば、挿入部４の長手軸Ｃ１（図２参照）に対して交差する方向であり、本実施形態においては、挿入部４の長手軸方向に交差する方向が挿入部４の側方に含まれているものとする。また、挿入部４の長手軸方向に交差する方向としては、例えば、直交方向が挙げられる。

　前方観察窓２５は、例えば、円形のレンズにより形成されているとともに、レンズユニット２４の先端面に配置されている。また、前方観察窓２５は、側方観察窓２６の中心を通過し、かつ、挿入部４の長手軸方向に平行な光軸を有している。すなわち、前方観察窓２５は、挿入部４の長手軸方向に平行な軸であるレンズユニット２４の中心軸Ｃ２（図２参照）に一致する光軸を有している。また、前方観察窓２５は、挿入部４（先端部７）の前方に視野を有している。

　側方観察窓２６は、前方照明窓２９の基端側、すなわち、前方観察窓２５と側方照明窓３０との間において、レンズユニット２４の中心軸Ｃ２周りに設けられている。また、側方観察窓２６は、挿入部４（先端部７）の側方に視野を有している。なお、側方観察窓２６は、好ましくは、レンズユニット２４の基端側から先端側に向かって漸次縮径するテーパ面を外周面として具備する円錐台形状のレンズにより形成されていればよい。

　台座部２１ａは、レンズユニット２４に隣接する位置に設けられているとともに、先端面が前方観察窓２５と略同じ面の高さ（前方への張り出し高さ）を有する先端構造物として構成されている。また、台座部２１ａの先端面の前方観察窓２５の近傍には、前方観察窓２５の表面を洗浄するための洗浄ノズル２７が配設されている。また、台座部２１ａの互いに平行な２つの側面２１ａ１及び２１ａ２上には、側方観察窓２６の表面を洗浄するための２つの洗浄ノズル２８ａ及び２８ｂが設けられている。

　洗浄ノズル２７は、台座部２１ａの先端面に平行な方向に液体を噴出するとともに、当該噴出した液体が前方観察窓２５の表面に当たるように構成された開口部３３ｃを有している。すなわち、洗浄ノズル２７は、前方観察窓２５の表面を洗浄するための液体を噴出するように構成されている。

　洗浄ノズル２８ａは、側面２１ａ１上に突出して配設されている。また、洗浄ノズル２８ａは、レンズユニット２４の外周面上に配置された円弧状の側方観察窓２６の一端側から、側面２１ａ１に平行な方向に液体を噴出するように構成された開口部３３ａを有している。すなわち、洗浄ノズル２８ａは、側方観察窓２６の表面を洗浄するための液体を噴出するように構成されている。

　洗浄ノズル２８ｂは、側面２１ａ２上に突出して配設されている。また、洗浄ノズル２８ｂは、レンズユニット２４の外周面上に配置された円弧状の側方観察窓２６の他端側から、側面２１ａ２に平行な方向に液体を噴出するように構成された開口部３３ｂを有している。すなわち、洗浄ノズル２８ｂは、側方観察窓２６の表面を洗浄するための液体を噴出するように構成されている。

　前方照明窓２９は、例えば、円環形状を具備して形成されているとともに、レンズユニット２４の先端部において前方観察窓２５の周囲を囲むような位置に設けられている。また、前方照明窓２９は、例えば、導光部材及び拡散反射部材を具備して形成されているとともに、台座部２１ａの内部へ分岐したライトガイドＬＧの先端部（不図示）を経て出射される照明光を挿入部４（先端部７）の前方へ出射するように構成されている。また、前方照明窓２９と側方観察窓２６との間の領域には、前方照明窓２９から出射された照明光が側方観察窓２６に入射することを防ぐための遮光部材４１が設けられている。

　側方照明窓３０は、側方観察窓２６の基端側に配置されている。また、側方照明窓３０は、例えば、導光部材及び拡散反射部材を具備して形成されているとともに、ハウジング３１（後述）の内部へ分岐したライトガイドＬＧの先端部（不図示）から出射される照明光を拡散して挿入部４（先端部７）の側方を含む方向へ出射するための光出射面を具備して構成されている。また、側方観察窓２６と側方照明窓３０との間の領域には、側方照明窓３０から出射された照明光が、例えば、側方観察窓２６のような、レンズユニット２４の他の部分に入射することを防ぐための遮光部材４２が設けられている。

　ここで、側方照明窓３０及びその周辺部分の具体的な構成について、図３～図６を参照しつつ説明する。図３は、第１の実施形態に係る内視鏡の先端部に設けられた側方照明窓及びその周辺部分の構成の具体例を説明するための側面図である。図４は、第１の実施形態に係る内視鏡の先端部に設けられたハウジングの構成の具体例を説明するための斜視図である。図５は、第１の実施形態に係る内視鏡の先端部に設けられた側方照明窓の構成の具体例を説明するための斜視図である。図６は、第１の実施形態に係る内視鏡の先端部に設けられた遮光部材の構成の具体例を説明するための斜視図である。

　ハウジング３１は、例えば、図３及び図４に示すように、側方照明窓３０及び遮光部材４２を取り付け可能な形状を有して形成された取付部３１ａを先端側に設けて構成されている。また、ハウジング３１は、先端部本体２１の内部に配置されるハウジング本体３１ｂを基端側に設けて構成されている。

　ハウジング本体３１ｂには、例えば、図４に示すように、ライトガイドＬＧの先端部を挿入部４の長手軸方向に平行な方向に挿通配置するとともに、取付部３１ａに取り付けられた側方照明窓３０の光入射面に対向する位置にライトガイドＬＧの光出射面を配置するための孔である挿通孔３１ｃが設けられている。

　すなわち、以上に述べた構成によれば、挿通孔３１ｃに挿通配置されたライトガイドＬＧの先端部の光出射面を経て出射される照明光が、取付部３１ａに取り付けられた側方照明窓３０の光入射面から入射される。

　側方照明窓３０は、例えば、図５に示すように、円弧形状の光出射面を具備して形成されている。また、側方照明窓３０は、取付部３１ａの上部に取り付け可能な形状を具備して形成されている。また、側方照明窓３０は、取付部３１ａの上部に取り付けられた際に、レンズユニット２４の中心軸Ｃ２周りの略１８０度の範囲に相当する所定の角度範囲に配置されるように構成されている。すなわち、側方照明窓３０は、レンズユニット２４の外周面側かつ側方観察窓２６の基端側において、挿入部４の長手軸Ｃ１方向に沿った軸周りに設けられている。具体的には、側方照明窓３０は、レンズユニット２４の外周面側かつ側方観察窓２６の基端側において、レンズユニット２４の中心軸Ｃ２周りに設けられている。なお、本実施形態においては、先端部７のレイアウト等の関係上、側方照明窓３０の中心軸がレンズユニット２４の中心軸Ｃ２に対して厳密に一致していなくてもよい。

　側方照明窓３０の端部３０ａは、例えば、図３及び図５に示すように、側方照明窓３０の周方向の長さをレンズユニット２４の先端側から基端側に向かって長くするような傾斜形状を具備して形成されている。具体的には、端部３０ａは、側方照明窓３０の円弧形状の光出射面（外周面）上における側方照明窓３０の周方向に直交する方向に対して所定の角度で直線状に傾斜した傾斜形状を具備して形成されている。なお、本実施形態においては、前述の所定の角度が、例えば、４５度または略４５度に設定されているものとする。

　すなわち、以上に述べた構成によれば、側方照明窓３０の光出射面の端部が、台座部２１ａ側へ出射される照明光の光量を先端部７の先端側から基端側へ向かって増加させるような形状を具備している。また、以上に述べた構成によれば、側方照明窓３０の円弧形状の光出射面の両端部が、側方照明窓３０の周方向の長さをレンズユニット２４の先端側から基端側に向かって長くするような傾斜形状を具備して形成されている。

　遮光部材４２は、例えば、図６に示すように、略逆Ｕ字形状を具備して形成されている。また、遮光部材４２の基端側には、例えば、図３及び図６に示すように、取付部３１ａの下部に取り付け可能な形状であるとともに、側方照明窓３０の端部３０ａの傾斜形状に適合する形状（端部３０ａに当接する形状）を具備して形成されたマスク部４２ａが設けられている。

　ここで、例えば、国際公開第２０１４／０５０２３６号等に開示されているような、被検体内に挿入される細長の挿入部の前方及び側方に視野を備えた従来の内視鏡の構成によれば、照明光が観察対象へ照射されている領域である被照明領域ＬＡと、当該照明光が当該挿入部の先端部から突出した構造物で遮られることにより影が生じている領域である影領域ＤＡと、における明暗のコントラストが顕著に高い画像として、図７に模式的に示すような画像が近景観察時に取得され得る。そのため、被検体内に挿入される細長の挿入部の前方及び側方に視野を備えた従来の内視鏡の構成によれば、当該被検体内に存在する被写体に当該挿入部の先端部を近づけて観察を行う近景観察時において、当該内視鏡により得られた画像の下部から中央部へ伸びる影領域ＤＡが意図せず目立ってしまう可能性がある。そして、このような場合においては、前述のような視野を備えた内視鏡により得られた画像に基づいて観察を行うユーザが違和感を覚える虞がある。図７は、挿入部の前方及び側方に視野を備えた従来の内視鏡により取得される画像の一例を説明するための模式図である。

　これに対し、本実施形態に係る内視鏡の構成によれば、側方照明窓３０の端部３０ａが前述のような傾斜形状を具備して形成されていることにより、側方照明窓３０から台座部２１ａ側（レンズユニット２４の中心軸よりも下側）へ出射される照明光を先端部７の先端側から基端側へ向かって漸次強くすることができる。そのため、本実施形態に係る構成によれば、被照明領域ＬＡと影領域ＤＡとにおける明暗のコントラストが抑制された画像として、図８に模式的に示すような画像を近景観察時に取得することができる。従って、本実施形態によれば、挿入部の前方及び側方を含む観察視野内において照明ムラが発生した状態で取得された画像に基づいて観察を行う際に生じ得る視覚的な違和感を軽減することができる。図８は、実施形態に係る内視鏡により取得される画像の一例を説明するための模式図である。

　なお、本実施形態によれば、側方照明窓３０の円弧形状の光出射面の端部が、側方照明窓３０の周方向の長さをレンズユニット２４の先端側から基端側に向かって長くするような傾斜形状を具備する限りにおいては、図３及び図５に例示した端部３０ａとは異なる形状を具備していてもよい。

　具体的には、本実施形態によれば、側方照明窓３０の円弧形状の光出射面の端部の少なくとも一部が、例えば、図９の端部３０ｂ、図１０の端部３０ｃ及び図１１の端部３０ｄとして示すような、当該光出射面（外周面）上における側方照明窓３０の周方向に直交する方向に対して曲線状に傾斜した傾斜形状を具備していてもよい。図９、図１０及び図１１は、第１の実施形態に係る内視鏡の先端部に設けられた側方照明窓の構成の、図５とは異なる例を説明するための側面図である。

　また、本実施形態によれば、側方照明窓３０の円弧形状の光出射面の端部が、例えば、図１１の端部３０ｄの形状に類似するような、当該光出射面（外周面）上における側方照明窓３０の周方向に直交する方向に対して階段状に傾斜した傾斜形状を具備していてもよい。

（第２の実施形態）
　図１２から図１７は、本発明の第２の実施形態に係るものである。

　なお、本実施形態においては、第１の実施形態と同様の構成等を有する部分に関する詳細な説明を省略するとともに、第１の実施形態と異なる構成等を有する部分に関して主に説明を行う。

　本実施形態においては、側方照明窓３０の代わりに、例えば、図１２及び図１３に示すような側方照明窓３５が側方観察窓２６の基端側に設けられている。また、本実施形態においては、マスク部４２ａの代わりに、例えば、図１２に示すようなマスク部４２ｂが遮光部材４２の基端側に設けられている。すなわち、マスク部４２ｂは、側方照明窓３０から出射された照明光が側方観察窓２６に入射することを防ぐための遮光部材４２に対して一体に設けられている。図１２は、第２の実施形態に係る内視鏡の先端部に設けられた側方照明窓及びその周辺部分の構成の具体例を説明するための側面図である。図１３は、第２の実施形態に係る内視鏡の先端部に設けられた側方照明窓の構成の具体例を説明するための図である。

　側方照明窓３５は、例えば、図１３に示すように、部分円環形状の光出射面を具備して形成されている。また、側方照明窓３５は、図４の取付部３１ａに取り付け可能な形状を具備して形成されている。また、側方照明窓３５は、取付部３１ａの上部に取り付けられた際に、レンズユニット２４の中心軸Ｃ２周りの１８０度を超える範囲に配置されるように構成されている。すなわち、側方照明窓３５は、側方観察窓２６の基端側において、挿入部４の長手軸Ｃ１方向に沿った軸周りに設けられている。具体的には、側方照明窓３５は、側方観察窓２６の基端側において、レンズユニット２４の中心軸Ｃ２周りに設けられている。

　マスク部４２ｂは、取付部３１ａの下部に取り付け可能な形状を具備して形成されている。また、マスク部４２ｂは、図１２に示すように、取付部３１ａの下部に取り付けられた際に、側方照明窓３５の部分円環形状の光出射面（外周面）のうち、レンズユニット２４の中心軸Ｃ２周りの略１８０度の範囲に相当する所定の角度範囲内に属する面を露出面として外部に露出させつつ、当該所定の角度範囲よりも外側に属する面を遮蔽するように形成されている。また、マスク部４２ｂの裏面側には、図１４に示すように、側方照明窓３５の光出射面（外周面）から出射された照明光を反射して側方照明窓３５へ再度入射させるための反射部材４２ｒが設けられている。図１４は、第２の実施形態に係る内視鏡の先端部に設けられた遮光部材の構成の具体例を説明するための斜視図である。

　マスク部４２ｂには、図１２に示すように、前述の露出面の両端部における周方向の長さをレンズユニット２４の先端側から基端側に向かって長くするような傾斜形状を具備して形成された傾斜部４２ｃが設けられている。具体的には、傾斜部４２ｃは、側方照明窓３５の部分円環形状の光出射面（外周面）上における側方照明窓３５の周方向に直交する方向に対して所定の角度で直線状に傾斜した傾斜形状を具備して形成されている。なお、本実施形態においては、前述の所定の角度が、例えば、４５度または略４５度に設定されているものとする。

　すなわち、以上に述べた構成によれば、側方照明窓３５の露出面に属する光出射面の端部が、台座部２１ａ側へ出射される照明光の光量を先端部７の先端側から基端側へ向かって増加させるような形状を具備している。

　以上に述べたような、本実施形態に係る内視鏡の構成によれば、マスク部４２ｂの傾斜部４２ｃが前述のような傾斜形状を具備して形成されていることにより、側方照明窓３５から台座部２１ａ側（レンズユニット２４の中心軸よりも下側）へ出射される照明光の光量を先端部７の先端側から基端側へ向かって漸次増加させることができる。そのため、本実施形態に係る構成によれば、図８に模式的に示したような画像を近景観察時に取得することができる。従って、本実施形態によれば、挿入部の前方及び側方を含む観察視野内において照明ムラが発生した状態で取得された画像に基づいて観察を行う際に生じ得る視覚的な違和感を軽減することができる。

　なお、本実施形態によれば、傾斜部４２ｃが、前述のような傾斜形状を具備して形成されているものに限らず、例えば、側方照明窓３５の部分円環形状の光出射面（外周面）上における側方照明窓３５の周方向に直交する方向に対して曲線状または階段状に傾斜した傾斜形状を具備して形成されていてもよい。

　また、本実施形態においては、マスク部４２ｂが遮光部材４２に対して一体に形成されているものに限らず、マスク部４２ｂが遮光部材４２とは別体に形成されていてもよい。

　また、本実施形態においては、遮光部材４２にマスク部４２ｂを設ける代わりに、例えば、黒色の塗料等を用い、マスク部４２ｂ及び傾斜部４２ｃと同様の形状を具備するように側方照明窓３５の光出射面（外周面）の一部を塗装してもよい。このような本実施形態の変形例に係る構成の具体例について、以下に説明する。

　本変形例においては、側方照明窓３５の代わりに、例えば、図１５及び図１６に示すような側方照明窓３５ａが側方観察窓２６の基端側に設けられている。また、本変形例においては、遮光部材４２の代わりに、例えば、図１５及び図１７に示すような遮光部材４２ｓがハウジング３１の取付部３１ａに取り付けられている。図１５は、第２の実施形態の変形例に係る内視鏡の先端部に設けられた側方照明窓及びその周辺部分の構成の具体例を説明するための側面図である。図１６は、第２の実施形態の変形例に係る内視鏡の先端部に設けられた側方照明窓の構成の具体例を説明するための図である。図１７は、第２の実施形態の変形例に係る内視鏡の先端部に設けられた遮光部材の構成の具体例を説明するための斜視図である。

　側方照明窓３５ａは、例えば、図１６に示すように、部分円環形状の光出射面を具備して形成されている。また、側方照明窓３５ａは、図４の取付部３１ａに取り付け可能な形状を具備して形成されている。また、側方照明窓３５ａは、取付部３１ａの上部に取り付けられた際に、レンズユニット２４の中心軸Ｃ２周りの１８０度を超える範囲に配置されるように構成されている。すなわち、側方照明窓３５ａは、側方観察窓２６の基端側において、挿入部４の長手軸Ｃ１方向に沿った軸周りに設けられている。具体的には、側方照明窓３５は、側方観察窓２６の基端側において、レンズユニット２４の中心軸Ｃ２周りに設けられている。

　側方照明窓３５ａの光出射面の両端部には、例えば、マスク部４２ｂの傾斜部４２ｃと同様の傾斜形状を有するように黒色の（遮光性の）塗料を塗布した領域である遮光面４２ｄが設けられている。

　具体的には、遮光面４２ｄは、例えば、図１５及び図１６に示すように、側方照明窓３５ａの部分円環形状の光出射面（外周面）のうち、レンズユニット２４の中心軸Ｃ２周りの略１８０度の範囲に相当する所定の角度範囲よりも外側に属する面に黒色の（遮光性の）塗料を塗布して形成されている。すなわち、遮光面４２ｄは、側方照明窓３５ａの部分円環形状の光出射面（外周面）のうち、レンズユニット２４の中心軸Ｃ２周りの略１８０度の範囲に相当する所定の角度範囲内に属する面を露出面として外部に露出させつつ、当該所定の角度範囲よりも外側に属する面を遮蔽するように形成されている。すなわち、遮光面４２ｄは、側方照明窓３５ａの光出射面（外周面）に対し、前述の所定の角度範囲よりも外側に属する面を遮光するための加工を施して形成されている。

　また、遮光面４２ｄは、側方照明窓３５ａの部分円環形状の光出射面（外周面）上における側方照明窓３５ａの周方向に直交する方向に対して所定の角度で直線状に傾斜した傾斜形状を具備するように黒色の（遮光性の）塗料を塗布して形成されている。すなわち、遮光面４２ｄは、前述の露出面の両端部における周方向の長さをレンズユニット２４の先端側から基端側に向かって長くするような傾斜形状を具備している。

　なお、遮光面４２ｄは、側方照明窓３５ａの光出射面（外周面）に対し、前述の所定の角度範囲よりも外側に属する面を遮光するための加工を施して形成される限りにおいては、黒色の（遮光性の）塗料を塗布する以外の他の加工を施して形成されるものであってもよい。具体的には、遮光面４２ｄは、例えば、側方照明窓３５ａの光出射面（外周面）の両端部を着色された接着剤でコーティングして形成されるものであってもよく、当該光出射面の両端部を粘着シートでラッピングして形成されるものであってもよく、または、当該光出射面の両端部に対してめっき等の表面加工を施して形成されるものであってもよい。

　遮光部材４２ｓは、例えば、図１７に示すように、略逆Ｕ字形状を具備して形成されている。また、遮光部材４２ｓは、側方観察窓２６と側方照明窓３５ａとの間の領域に設けられている。また、遮光部材４２ｓは、側方照明窓３５ａから出射された照明光が、例えば、側方観察窓２６のような、レンズユニット２４の他の部分に入射することを防ぐことができるように構成されている。また、遮光部材４２ｓの基端側は、側方照明窓３５ａの両端部の形状に適合する形状（側方照明窓３５ａの両端部に当接する形状）を具備して形成されている。すなわち、遮光部材４２ｓには、マスク部４２ａ及び４２ｂに相当する構造が設けられていない。

　そして、以上に述べたような、本変形例に係る内視鏡の構成においても、図８に模式的に示したような画像を近景観察時に取得することができる。そのため、本変形例に係る内視鏡の構成においても、挿入部の前方及び側方を含む観察視野内において照明ムラが発生した状態で取得された画像に基づいて観察を行う際に生じ得る視覚的な違和感を軽減することができる。

　なお、本変形例においては、例えば、側方照明窓３５ａの光出射面（外周面）から出射された照明光を反射して側方照明窓３５ａへ再度入射させるための光反射面（不図示）が、側方照明窓３５ａの光出射面（外周面）と、遮光面４２ｄと、に挟まれる部分に層状に設けられていてもよい。そして、このような構成を用いる場合には、例えば、側方照明窓３５ａの光出射面（外周面）の両端部において、前述の傾斜形状を具備するように高反射性の塗料を塗布することにより光反射面を形成し、さらに、当該形成した光反射面の上層に黒色の（遮光性の）塗料を重ねて塗布することにより遮光面４２ｄを形成すればよい。

　なお、本発明は、上述した各実施形態に限定されるものではなく、発明の趣旨を逸脱しない範囲内において種々の変更や応用が可能であることは勿論である。

　本出願は、２０１７年８月２３日に日本国に出願された特願２０１７－１６０００１号を優先権主張の基礎として出願するものであり、上記の開示内容は、本願明細書、請求の範囲に引用されるものとする。

Claims

　被検体内に挿入される挿入部と、
　前記挿入部の先端部において前記挿入部の長手軸方向に沿って突出して設けられた第１の突出部と、
　前記挿入部の先端部の前記第１の突出部に隣接する位置において、前記挿入部の長手軸方向に沿って突出して設けられた第２の突出部と、
　前記第１の突出部の外周面側において、前記挿入部の長手軸方向に沿った軸周りに設けられているとともに、前記被検体内を照明するための照明光を前記挿入部の側方を含む方向に出射するための光出射面を具備して構成された照明窓と、
　を有し、
　前記光出射面の端部が、前記第２の突出部側へ出射される前記照明光の光量を前記挿入部の先端部の先端側から基端側へ向かって増加させるように、前記長手軸に対して傾斜した形状を具備している
　ことを特徴とする内視鏡。
　前記照明窓は、前記挿入部の長手軸方向に沿った軸である前記第１の突出部の中心軸周りの略１８０度の範囲に配置されるような円弧形状の光出射面を具備して構成されており、
　前記円弧形状の光出射面の両端部が、前記照明窓の周方向の長さを前記第１の突出部の先端側から基端側に向かって長くするような傾斜形状を具備して形成されている
　ことを特徴とする請求項１に記載の内視鏡。
　前記傾斜形状が、前記円弧形状の光出射面上における前記照明窓の周方向に直交する方向に対して直線状に、曲線状にまたは階段状に傾斜した形状である
　ことを特徴とする請求項２に記載の内視鏡。
　前記照明窓は、前記挿入部の長手軸方向に沿った軸である前記第１の突出部の中心軸周りの１８０度を超える範囲に配置されるような部分円環形状の光出射面を具備して構成されており、
　前記部分円環形状の光出射面のうちの前記第１の突出部の前記中心軸周りの略１８０度の範囲に相当する所定の角度範囲内に属する面を露出面として外部に露出させつつ、前記部分円環形状の光出射面のうちの前記所定の角度範囲よりも外側に属する面の少なくとも一部を遮蔽するマスク部をさらに有し、
　前記マスク部には、前記露出面の両端部における周方向の長さを前記第１の突出部の先端側から基端側に向かって長くするような傾斜形状を具備して形成された傾斜部が設けられている
　ことを特徴とする請求項１に記載の内視鏡。
　前記傾斜形状が、前記部分円環形状の光出射面上における前記照明窓の周方向に直交する方向に対して直線状に、曲線状にまたは階段状に傾斜した形状である
　ことを特徴とする請求項４に記載の内視鏡。
　前記第１の突出部の先端面に設けられ、前記挿入部の前方に視野を有して構成された第１の観察窓と、
　前記第１の観察窓と前記照明窓との間において前記第１の突出部の中心軸周りに設けられ、前記挿入部の側方に視野を有して構成された第２の観察窓と、
　をさらに有し、
　前記マスク部は、前記照明窓から出射された前記照明光が前記第２の観察窓に入射することを防ぐための遮光部材に対して一体に設けられている
　ことを特徴とする請求項４に記載の内視鏡。
　前記マスク部は、前記部分円環形状の光出射面に対し、前記所定の角度範囲よりも外側に属する面を遮光するための加工を施すことにより形成されている
　ことを特徴とする請求項４に記載の内視鏡。
　前記照明窓を取り付け可能な形状を有して形成された取付部と、
　前記照明光を前記挿入部の基端部から先端部へ伝送するように構成されたライトガイドと、
　前記取付部に取り付けられた前記照明窓の光入射面に対向する位置に前記ライトガイドの光出射面を配置するための孔として形成された挿通孔と、
　をさらに有することを特徴とする請求項１に記載の内視鏡。
　前記第２の突出部に設けられ、前記第１の観察窓の表面を洗浄するための液体を噴出するように構成された第１のノズルと、
　前記第２の突出部に設けられ、前記第２の観察窓の表面を洗浄するための液体を噴出するように構成された第２のノズルと、
　をさらに有することを特徴とする請求項６に記載の内視鏡。
　前記第１の観察窓及び前記第２の観察窓の各々から入射される入射光を撮像面で受光して撮像するように構成された撮像素子をさらに有し、
　前記挿入部の先端部の上下方向が、前記撮像面の上下方向に一致する方向として設定されており、
　前記第１の突出部が、前記挿入部の先端部における前記第２の突出部の上方に設けられている
　ことを特徴とする請求項６に記載の内視鏡。