WO2018235482A1 - 可変容量圧縮機の制御弁 - Google Patents
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Abstract
可変容量圧縮機に用いられる制御弁において、弁孔を開閉する弁部を含む弁ユニットを摺動支持する摺動支部部への異物の侵入を抑制する。吐出室内の冷媒の制御圧室への供給量を制御するように構成された制御弁のバルブボディ311は、吐出室内の冷媒が流入する第1ポート320と、第1ポート320から流入した前記吐出室内の冷媒が流出する第2ポート321と、入口ポート320と出口ポート321とを弁室315及び弁室315に開口する弁孔316を介して接続する接続路と、弁孔316に連通する支持孔317とを有する。支持孔317は、弁孔316を開閉する弁部351を含む弁ユニット350を摺動自在に支持する。第1ポート320は、弁孔316まで延びると共にバルブボディ311の外周面側から中心線X側に向かうにしたがって弁孔316の弁室315側の開口に近づくように傾斜している。
Description
本発明は、可変容量圧縮機に用いられる制御弁に関する。
この種の制御弁の一例として、特許文献1に記載されたソレノイドバルブが知られている。特許文献1に記載されたソレノイドバルブ1は、弁体3bを収容する弁室3aが形成されたバルブボディ4と、バルブボディ4の一方の側に配置されてソレノイド側ロッド5cを介して弁体3bに閉弁方向の付勢力を与えるソレノイド部2と、バルブボディ4の他方の側に配置されてベローズ側ロッド5eを介して弁体3bに開弁方向の付勢力を与えるベローズ組立体10と、を有している。弁室3aには、弁体3bによって開閉される弁座(弁孔)3cが開口しており、弁座(弁孔)3cは、バルブボディ4に形成されたポート3fを介して吐出圧Pdが作用する吐出圧領域に連通している。また、弁室3aは、バルブボディ4に形成されたポート3eを介してクランク室圧Pcが作用するクランク室圧領域に連通している。つまり、弁体3bが弁座(弁孔)3cを開くと、吐出室内の冷媒がポート3fを介してソレノイドバルブ1に流入し、流入した前記吐出室の冷媒が弁座(弁孔)3c及び弁室3aを通過し、その後、ポート3eを介してソレノイドバルブ1から流出する。
ところで、ソレノイドバルブ1において、ベローズ側ロッド5eは、弁座(弁孔)3cから吐出圧Pdよりも低圧の吸入圧Psが作用する感圧室まで延びる内筒部に摺動支持されている。また、ポート3fは、前記内筒部におけるベローズ側ロッド5eの摺動支持部と弁座(弁孔)3cとの間の部位に、前記内筒部に対してほぼ直角に接続されている。このため、ポート3fから流入した前記吐出室内の冷媒の一部が前記摺動支持部側に向かって流れてしまい、そこに含まれた異物がベローズ側ロッド5eの外周面と前記内筒部の内周面との隙間に侵入するおそれがある。前記隙間に前記異物が侵入すると、ベローズ側ロッド5e(ひいては、弁体3b)の動作が阻害されるため、これを防止することが望まれる。
そこで、本発明は、可変容量圧縮機に用いられる制御弁において、弁孔を開閉する弁部を含む弁ユニットを摺動支持する摺動支持部への異物の侵入を抑制し、これにより、前記弁ユニットの安定した動作を確保することを目的とする。
そこで、本発明は、可変容量圧縮機に用いられる制御弁において、弁孔を開閉する弁部を含む弁ユニットを摺動支持する摺動支持部への異物の侵入を抑制し、これにより、前記弁ユニットの安定した動作を確保することを目的とする。
本発明の一側面によると、圧縮前の冷媒が導かれる吸入室と、前記吸入室内の冷媒を圧縮する圧縮部と、前記圧縮部によって圧縮された圧縮後の冷媒が吐出される吐出室と、内部圧力に応じて前記圧縮部の状態を変化させて吐出容量を変化させる制御圧室とを含む可変容量圧縮機に用いられ、前記吐出室内の冷媒の前記制御圧室への供給量を制御するように構成された制御弁は、外周面の第1部位に開口すると共に中心線側に向かって形成されて前記吐出室内の冷媒が流入する入口ポートと、前記外周面の前記第1部位から前記中心線方向に離間した第2部位に開口すると共に前記中心線側に向かって形成されて前記入口ポートから流入した前記吐出室内の冷媒が流出する出口ポートと、前記入口ポートと前記出口ポートとを弁室及び前記弁室に開口する弁孔を介して接続する接続路と、を有するバルブボディと、前記弁室内に設けられて前記弁孔を開閉する弁部と、前記中心線方向における前記バルブボディの一方側に設けられ、ソレノイドロッドを介して閉弁方向の付勢力を前記弁部に与えるソレノイド部と、前記中心線方向における前記バルブボディの他方側に設けられた感圧室内に配置され、前記吸入室の圧力に応答して動作し、感圧ロッドを介して開弁方向の付勢力を前記弁部に与える感圧装置と、を含み、前記ソレノイドロッドと前記弁部と前記感圧ロッドとは、一体的に連結されて弁ユニットを構成すると共に、前記弁ユニットが、前記中心線方向に延びると共に前記弁孔に連通するように前記バルブボディに設けられた支持孔に摺動自在に支持されている。前記制御弁において、前記入口ポート及び前記弁孔より前記入口ポート側の前記接続路の少なくとも一方は、前記外周面側から前記中心線側に向かうにしたがって前記弁孔の前記弁室側の開口に近づくように傾斜する傾斜部を有する。
前記制御弁において、前記吐出室内の冷媒が流入する前記入口ポート及び前記弁孔より前記入口ポート側の前記接続路の少なくとも一方は、前記バルブボディの前記外周面側から前記中心線側に向かうにしたがって前記弁孔の前記弁室側の開口に近づくように傾斜する傾斜部を有している。このため、前記入口ポートから前記制御弁内に流入した前記吐出室内の冷媒は、前記傾斜部によって前記弁孔の前記弁室側の開口に向かうように方向付けられることになり、前記吐出室内の冷媒が前記支持孔側に向かって流れることが防止される。したがって、前記吐出室内の冷媒に異物が含まれていた場合であっても前記異物が前記支持孔に侵入することが防止され、前記弁ユニットの安定した動作が確保される。
以下、本発明の実施の形態を添付図面に基づいて説明する。図1は、本発明が適用された斜板式の可変容量圧縮機の概略構成を示す断面図である。この可変容量圧縮機は、主に車両用のエアコンシステムに適用されるクラッチレス圧縮機として構成されている。
可変容量圧縮機100は、複数のシリンダボア101aが形成されたシリンダブロック101と、シリンダブロック101の一端側に設けられたフロントハウジング102と、シリンダブロック101の他端側にバルブプレート103を介して設けられたシリンダヘッド104と、を含む。そして、シリンダブロック101、フロントハウジング102、バルブプレート103及びシリンダヘッド104は、複数の通しボルト105によって締結されて圧縮機ハウジングを構成している。
また、シリンダブロック101とフロントハウジング102とによってクランク室140が形成され、クランク室140内を横断するように駆動軸110が設けられている。駆動軸110は、前記圧縮機ハウジングに回転自在に支持されている。なお、図では省略しているが、フロントハウジング102とシリンダブロック101との間にはセンターガスケットが配置され、シリンダブロック101とシリンダヘッド104との間には、バルブプレート103の他にも、シリンダガスケット、吸入弁形成板、吐出弁形成板及びヘッドガスケットが配置されている。
駆動軸110の軸方向の中間部の周囲には、斜板111が配置されている。斜板111は、駆動軸110に固定されたロータ112にリンク機構120を介して連結され、駆動軸110と共に回転する。また、斜板111は、駆動軸110の軸線Oに直交する平面に対する角度(以下「傾角」という)が変更可能に構成されている。
リンク機構120は、ロータ112から突設された第1アーム112aと、斜板111から突設された第2アーム111aと、一端側が第1連結ピン122を介して第1アーム112aに対して回動自在に連結され、他端側が第2連結ピン123を介して第2アーム111aに対して回動自在に連結されたリンクアーム121と、を含む。
駆動軸110が挿通される斜板111の貫通孔111bは、斜板111が最大傾角と最小傾角の範囲で傾動可能な形状に形成されている。貫通孔111bには駆動軸110と当接する最小傾角規制部が形成されている。斜板111が駆動軸110の軸線Oに直交するときの斜板111の傾角(最小傾角)を0°とした場合、貫通孔111bの前記最小傾角規制部は、斜板111の傾角がほぼ0°となると駆動軸110に当接し、斜板111のそれ以上の傾動を規制するように形成されている。また、斜板111は、その傾角が最大傾角となるとロータ112に当接してそれ以上の傾動が規制される。
駆動軸110には、斜板111の傾角を減少させる方向に斜板111を付勢する傾角減少バネ114と、斜板111の傾角を増大させる方向に斜板111を付勢する傾角増大バネ115とが装着されている。傾角減少バネ114は、斜板111とロータ112との間に配置され、傾角増大バネ115は、斜板111と駆動軸110に固定されたバネ支持部材116との間に装着されている。
ここで、斜板111の傾角が前記最小傾角であるとき、傾角増大バネ115の付勢力の方が傾角減少バネ114の付勢力よりも大きくなるように設定されており、駆動軸110が回転していないとき、斜板111は、傾角減少バネ114の付勢力と傾角増大バネ115の付勢力とがバランスする傾角に位置決めされる。
駆動軸110の一端(図1における左端)は、フロントハウジング102のボス部102a内を貫通してフロントハウジング102の外側まで延在している。そして、駆動軸110の前記一端に図示省略の動力伝達装置が連結されている。駆動軸110とボス部102aとの間には軸封装置130が設けられており、軸封装置130によってクランク室140内は外部から遮断されている。
駆動軸110とロータ112の連結体は、ラジアル方向においては軸受131、132で支持され、スラスト方向においては軸受133、スラストプレート134で支持されている。そして、駆動軸110(及びロータ112)は、外部駆動源からの動力が前記動力伝達装置に伝達されることにより、前記動力伝達装置の回転と同期して回転するように構成されている。なお、駆動軸110の他端、すなわち、スラストプレート134側の端部と、スラストプレート134との隙間は、調整ネジ135によって所定の隙間に調整されている。
各シリンダボア101a内には、ピストン136が配置されている。ピストン136のクランク室140内に突出する突出部の内側空間には、一対のシュー137を介して、斜板111の外周部及びその近傍が収容され、これにより、斜板111は、ピストン136と連動する。そして、駆動軸110の回転に伴う斜板111の回転によってピストン136がシリンダボア101a内を往復動する。また、ピストン136のストローク量は、斜板111の傾角に応じて変化する。
シリンダヘッド104には、ほぼ中央に吸入室141が形成されると共に、吸入室141を環状に取り囲むように吐出室142が形成されている。吸入室141は、バルブプレート103に設けられた連通孔103a及び前記吸入弁形成板(図示省略)に形成された吸入弁(図示省略)を介してシリンダボア101aに連通している。吐出室142は、前記吐出弁形成板(図示省略)に形成された吐出弁(図示省略)及びバルブプレート103に設けられた連通孔103bを介してシリンダボア101aに連通している。
吸入室141は、吸入通路104aを介して図示省略の前記エアコンシステムの冷媒回路の低圧側に接続されている。
シリンダブロック101の上部には、冷媒の圧力脈動による騒音・振動を低減するために、マフラ160が設けられている。マフラ160は、シリンダブロック101の上部に区画形成されたマフラ形成壁101bと、マフラ形成壁101bに図示省略のシール部材を介して締結された蓋部材106とによって形成されている。マフラ160内のマフラ空間143には、逆止弁200が配置されている。
逆止弁200は、吐出室142とマフラ空間143とを連通する連通路144のマフラ空間143側の端部に配置されている。逆止弁200は、連通路144(上流側)とマフラ空間143(下流側)との圧力差に応答して動作する。具体的には、逆止弁200は、前記圧力差が所定値より小さい場合には連通路144を遮断し、前記圧力差が前記所定値より大きい場合には連通路144を開放するように構成されている。
吐出室142は、連通路144、逆止弁200、マフラ空間143及び吐出ポート106aで構成される吐出通路を介して、前記エアコンシステムの前記冷媒回路の高圧側に接続されている。また、前記エアコンシステムの前記冷媒回路の高圧側から吐出室142に向かう冷媒ガスの逆流が逆止弁200によって抑制される。
前記エアコンシステムの前記冷媒回路の低圧側の冷媒(圧縮前の冷媒)は、吸入通路104aを介して吸入室141に導かれる。吸入室141内の冷媒は、ピストン136の往復運動によってシリンダボア101a内に吸入され、圧縮されて吐出室142に吐出される。すなわち、本実施形態においては、シリンダボア101a及びピストン136によって吸入室141内の冷媒を圧縮する圧縮部が構成されている。そして、前記圧縮部で圧縮されて吐出室142に吐出された冷媒(圧縮後の冷媒であり、以下「吐出冷媒」という)は、前記吐出通路を介して前記エアコンシステムの前記冷媒回路の高圧側へと導かれる。
シリンダヘッド104には、さらに制御弁300が設けられている。制御弁300は、シリンダヘッド104に形成された弁収容室104bに配置されている。
制御弁300は、吐出室142内の冷媒(吐出冷媒)をクランク室140に供給する供給通路145の一部を構成する内部通路を有している。そして、制御弁300は、前記内部通路(すなわち、供給通路145)の開度(通路断面積)を調整し、これによって、前記吐出冷媒のクランク室140への供給量(圧力供給量)を制御するように構成されている。なお、供給通路145及び制御弁300については後述する。
また、クランク室140は、シリンダブロック101に形成された連通路101c及び空間部101dと、バルブプレート103に形成された固定絞り103cとで構成される排出通路を介して吸入室141に連通しており、クランク室140内の冷媒は、前記排出通路を介して吸入室141へと流れるようになっている。
したがって、制御弁300が前記吐出冷媒のクランク室140への供給量を制御することによってクランク室140の圧力を変化させる(調整する)ことができ、これによって、斜板111の傾角、つまり、ピストン136のストローク量を変化させて可変容量圧縮機100の吐出容量を変化させることができる。
詳細には、クランク室140の圧力を変化させることにより、各ピストン136の前後の圧力差、換言すると、ピストン136を挟むシリンダボア101a内の圧縮室とクランク室140との圧力差を利用して斜板111の傾角を変化させることができ、その結果、ピストン136のストローク量が変化して可変容量圧縮機100の吐出容量が変化する。具体的には、クランク室140の圧力を低下させると、斜板111の傾角が大きくなってピストン136のストローク量が増加し、これによって、可変容量圧縮機100の吐出容量が増加するようになっている。
換言すれば、可変容量圧縮機100において、クランク室140は、内部圧力に応じて前記圧縮部の状態(具体的にはピストン136のストローク量)を変化させて可変容量圧縮機100の吐出容量を変化させる機能を有している。したがって、本実施形態においてはクランク室140が本発明の「制御圧室」に相当する。そして、制御弁300は、主にクランク室140の圧力を調整するために用いられる。
次に、供給通路145について説明する。
図1に示されるように、本実施形態において、制御弁300の外周面には、制御弁300が挿入される弁収容室104bの開口部側から弁収容室104bの底部側に向かって、Oリング300a、Oリング300b、Oリング300c及びOリング300dが取り付けられている。そして、Oリング300aによって弁収容室104bの内部が外部空間から遮断されると共に、弁収容室104b内における制御弁300の外側空間が、Oリング300cとOリング300dとの間の第1外側空間104b1と、Oリング300bとOリング300cとの間の第2外側空間104b2と、Oリング300dよりも弁収容室104bの底部側の第3外側空間104b3とに区画されている。
第1外側空間104b1は、シリンダヘッド104に形成された連通路104cを介して吐出室142に連通している。第2外側空間104b2は、シリンダヘッド104に形成された連通路104d及びシリンダブロック101に形成された連通路101eを介してクランク室140に連通している。第3外側空間104b3は、シリンダヘッド104に形成された連通路104eを介して吸入室141に連通している。
そして、本実施形態においては、連通路104c、第1外側空間104b1、制御弁300の前記内部通路、第2外側空間104b2、連通路104d及び連通路101eによって供給通路145が形成されている。
次に、図2、図3を参照して制御弁300の第1実施形態について説明する。図2は、制御弁300の第1実施形態を示す断面図であり、図3は、図2の要部拡大図である。
図2に示されるように、制御弁300は、バルブボディ311と、キャップ部材312と、感圧装置330と、ソレノイドハウジング341と、固定鉄心342と、可動鉄心343と、付勢部材344と、収容部材345と、コイル組立体346と、弁ユニット350と、を含む。
バルブボディ311は、略円柱状に形成されている。キャップ部材312は、有底円筒状に形成されており、弁収容室104bの前記底部側となるバルブボディ311の一端に固定されている。キャップ部材312は、バルブボディ311の一端面311aに形成された凹部311bと協働して感圧室313を形成する。感圧室313は、キャップ部材312の底部に形成された連通孔312aを介して、キャップ部材312の外側空間、ここでは、吸入室141に連通する第3外側空間104b3に連通している。したがって、感圧室313には、吸入室141の圧力Psが作用する。
バルブボディ311には、他端面311c側から一端面311a側に向かって、嵌合穴314、弁室315、弁孔316及び支持孔317がこの順に形成されている。嵌合穴314、弁室315、弁孔316及び支持孔317は、バルブボディ311の中心線(=制御弁300の中心線)X上に配置されている。すなわち、嵌合穴314、弁室315、弁孔316及び支持孔317は、同一の中心線を有している。
嵌合穴314は、バルブボディ311の他端面311cに開口する円柱状の穴として形成されている。嵌合穴314には、固定鉄心342の大径部342b(後述する)が圧入嵌合される。弁室315は、嵌合穴314の底面に開口する円柱状の空間として形成されている。弁室315には、弁ユニット350の弁部351(後述する)が配置される。弁孔316は、弁室315の底面に形成されている(開口している)。弁孔316は、弁ユニット350の弁部351によって開閉される。支持孔317は、弁孔316から感圧室313まで直線状に延びている。つまり、本実施形態おいて、弁孔316は、弁室315内に開口する弁室315側の開口と、支持孔317に接続される(連通する)支持孔317側の開口とを有しており、支持孔317は、弁孔316と感圧室313とを連通するように形成されている。支持孔317には、弁ユニット350の感圧ロッド352(後述する)が摺動自在に支持される。本実施形態において、弁孔316と支持孔317とは連続する一つの孔として形成され、弁孔316と支持孔317とは同一の径を有している。
また、バルブボディ311には、第1ポート320及び第2ポート321が形成されている。第1ポート320と第2ポート321とは、バルブボディ311の中心線X方向において弁孔316を挟んでその両側に位置するように、すなわち、中心線X方向において離間して形成されている。
第1ポート320の一端は、バルブボディ311の外周面におけるOリング300cとOリング300dとの間の第1部位、すなわち、吐出室142に連通する第1外側空間104b1に位置する部位に開口している。第1ポート320は、前記一端から中心線X側に向かって形成されており、第1ポート320の他端は、弁孔316に接続されている。つまり、第1ポート320は、バルブボディ311の前記外周面の前記第1部位から弁孔316まで延びるように形成されている。また、弁孔316は、弁室315の前記底面に開口している。したがって、弁室315は、弁孔316及び第1ポート320を介して、吐出室142に連通する第1外側空間104b1に連通している。
第2ポート321の一端は、バルブボディ311の前記外周面におけるOリング300bとOリング300cとの間の第2部位、すなわち、クランク室140に連通する第2外側空間104b2に対応する位置に開口している。第2ポート321は、前記一端から中心線X側に向かって形成されており、第2ポート321の他端は、弁室315の内周面に開口している。つまり、第2ポート321は、バルブボディ311の前記外周面の前記第2部位から弁室315まで延びるように形成されている。したがって、弁室315は、第2ポート321を介して、クランク室140に連通する第2外側空間104b2にも連通している。
ここで、本実施形態において、第1ポート320は、バルブボディ311の前記外周面の前記第1部位に開口する前記一端側から中心線X側に向かうにしたがって弁孔316の弁室315側の開口に近づくように傾斜している。具体的には、図3に示されるように、第1ポート320は、そのポート中心線Yがバルブボディ311の中心線X(=弁孔316の中心線)に直交する平面(直交面)Pに対して所定角度α(<90°)を有して傾斜するように形成されている。なお、所定角度αは、任意に設定され得るが、好ましくは、30~60°の範囲内に設定される。
また、本実施形態においては、第1ポート320のポート中心線Yの延長線が弁孔316の弁室315側の開口を通過するように設定されており、さらには、第2ポート321、より具体的には、弁室315の前記内周面に開口する第2ポート321の前記他端に向かうように設定されている。
なお、特に制限されないが、本実施形態において、第1ポート320の前記一端が開口する前記第1部位は、支持孔317の径方向外方に位置している。逆に言えば、支持孔317は、第1ポート320の前記一端が開口する、バルブボディ311の前記外周面の前記第1部位の径方向内方に配置されている。
感圧装置330は、感圧室313に配置されている。感圧装置330は、一端が開放され他端が封止された蛇腹状のベローズ330aと、ベローズ330aの一端を閉塞する端部部材330bと、ベローズ330a内に配置されてベローズ330aの収縮を規制するストッパ部材330cと、ベローズ330aの内部に配置されてベローズ330aを伸長させる方向に付勢する第1付勢部材(圧縮コイルバネ)330dと、端部部材330bとバルブボディ311との間に配置されてベローズ330aを収縮させる方向に付勢する付勢部材(圧縮コイルバネ)330eとを有している。
ベローズ330aの内部は、真空状態となっており、ベローズ330aは、感圧室313の圧力(すなわち、吸入室141の圧力Ps)に応答して伸縮する。具体的には、ベローズ330aは、感圧室313の圧力(すなわち、吸入室141の圧力Ps)の低下に伴って伸長する。
ソレノイドハウジング341は、固定鉄心342、可動鉄心343、付勢部材344、収容部材345及びコイル組立体346を保持又は収容する。
ソレノイドハウジング341は、円筒状の周壁部341aと、周壁部341aの一端に固定された端壁部341bと、を含む。ソレノイドハウジング341の端壁部341bには、嵌合穴341cが形成されており、この嵌合穴341cにバルブボディ311の他端面311c側の所定範囲が圧入嵌合されている。
固定鉄心342は、一端面側の小径部342aと、小径部342aよりも大径の他端面側の大径部342bと、を有する。固定鉄心342には、挿通孔342cが軸方向に貫通形成されている。小径部342aは、ソレノイドハウジング341に収容されており、大径部342bは、バルブボディ311の他端面311cに形成された嵌合穴314に圧入嵌合されている。
可動鉄心343は、固定鉄心342の前記一端面との間に所定の隙間を有して配置されている。なお、ソレノイドハウジング341、固定鉄心342及び可動鉄心343は、磁性材料で形成されている。
付勢部材344は、固定鉄心342と可動鉄心343との間に配置され、可動鉄心343を固定鉄心342の前記一端面から離れる方向に付勢する。本実施形態においては、圧縮コイルバネが付勢部材344として用いられている。
収容部材345は、非磁性材料で有底円筒状に形成されている。収容部材345は、固定鉄心342の小径部342a、可動鉄心343及び付勢部材344を収容する。可動鉄心343は、収容部材345の内周面に沿って摺動自在に設けられており、収容部材345内において、固定鉄心342の前記一端面に対して離接方向に移動可能である。
コイル組立体346は、ソレノイドコイル(以下単に「コイル」という)346aと、閉塞部材346bと、を含む。コイル346aは、樹脂で覆われており、収容部材345の周囲に配置されている。閉塞部材346bは、磁性材料で形成されており、ソレノイドハウジング341の周壁部341aの他端を閉塞する。閉塞部材346bは、可動鉄心343の径方向の周囲に配置されると共に、樹脂によってコイル346aと一体化されている。なお、図2中の346cは、コイル組立体346の樹脂部である。
そして、コイル346aが通電されると、ソレノイドハウジング341、固定鉄心342及びコイル組立体346の閉塞部材346bは磁気回路を形成して、付勢部材344の付勢力に抗して可動鉄心343を固定鉄心342の前記一端面に向かって移動させる電磁力を発生する。
弁ユニット350は、弁部351、感圧ロッド352及びソレノイドロッド353を含み、これらが一体的に連結されて構成されている。
弁部351は、弁室315に収容されて弁孔316を開閉する。具体的には、弁部351は、その弁孔316側の端部の周縁部が弁室315の前記底面の弁孔316の周囲の弁座部316aに離接することによって弁孔316を開閉するように構成されている。
感圧ロッド352は、バルブボディ311に形成された支持孔317に摺動自在に支持されている。感圧ロッド352の一端は、弁部351の弁孔316側の前記端部の中央部に連結され、感圧ロッド352の他端は、感圧装置330の端部部材330bに離間可能に連結されている。
感圧ロッド352は、図3に示されるように、大径部352aと、大径部352aよりも小径の小径部352bと、大径部352aと小径部352bとの間に設けられて徐々に縮径するテーパ部352cと、を有している。そして、大径部352aが支持孔317に摺動自在に支持され、小径部352bが弁孔316に挿通されると共に弁部351の弁孔316側の前記端部に連結され、テーパ部352cが弁孔316と支持孔317との境界近傍に配置されている。また、テーパ部352cは、その外周面と直交面Pとがなす角度βが、第1ポート320のポート中心線Yと直交面Pとがなす角度αよりも大きくなるように形成されている。但し、これに限られるものではなく、テーパ部352cは、その外周面と直交面Pとがなす角度βが第1ポート320のポート中心線Yと直交面Pとがなす角度αと等しくなるように形成されてもよい。
ソレノイドロッド353は、固定鉄心342に形成された挿通孔342cに隙間を有して挿通されている。ソレノイドロッド353の一端は、弁部351の弁孔316側とは反対側の端部に連結され、ソレノイドロット353の他端は、可動鉄心343に連結されている。なお、本実施形態においては、弁部351とソレノイドロッド353とが同径に形成されており、ソレノイドロッド353の端部が弁部351を構成している。
ここで、上述のように、感圧装置330において、ベローズ330aは、感圧室313の圧力、すなわち、吸入室141の圧力Psに応答して伸縮する。そして、吸入室141の圧力Psの低下に伴ってベローズ330aが所定長さ以上に伸長すると、端部部材330bが弁ユニット350の感圧ロッド352の前記他端に連結され、弁部351は、感圧ロッド352を介して弁孔316を開く方向(開弁方向)に付勢される。つまり、感圧装置330は、吸入室141の圧力Psに応答して動作し、感圧ロッド352を介して開弁方向の付勢力を弁部351に与えるように構成されている。
また、コイル346aが通電されると、ソレノイドハウジング341、固定鉄心342及びコイル組立体346の閉塞部材346bによって磁気回路が形成され、付勢部材344の付勢力に抗して可動鉄心343を固定鉄心342の前記一端面に向かって移動させる電磁力が発生する。そして、発生した電磁力によって可動鉄心343が移動すると、弁部351は、ソレノイドロッド353を介して弁孔316を閉じる方向(閉弁方向)に付勢される。したがって、本実施形態においては、ソレノイドハウジング341、固定鉄心342、可動鉄心343、コイル346a及び閉塞部材346bが、ソレノイドロッド353を介して閉弁方向の付勢力を弁部351に与える「ソレノイド部」を構成する。
本実施形態に係る制御弁300において、弁ユニット350(の弁部351)が弁孔316を開くと、前記吐出冷媒は、吐出室142から連通路104cを介して第1外側空間104b1に流れ、第1ポート320から制御弁300内に流入する。制御弁300内に流入した前記吐出冷媒は、弁孔316及び弁室315を通過し、その後、第2ポート321から第2外側空間104b2に流出する。そして、第2外側空間104b2に流出した前記吐出冷媒は、連通路104d及び連通路101eを介してクランク室140へと流れる(供給される)。
したがって、本実施形態においては、第1ポート320、弁孔316、弁室315及び第2ポート321によって、供給通路145の一部を構成する制御弁300の前記内部通路が形成される。また、第1ポート320が本発明の「入口ポート」に相当し、第2ポート321が本発明の「出口ポート」に相当し、弁孔316及び弁室315が本発明の「接続路」に相当する。
次に、制御弁300の動作を説明する。
本実施形態において、支持孔317は、弁孔316と同一の径を有している。また、弁部351は、その周縁部が弁孔316の周囲の弁座部316aに離接することによって弁孔316を開閉する。このため、弁部351に作用する吐出室142の圧力Pdによる力と、これと相反する、感圧ロッド352(の大径部352a)に作用する吐出室142の圧力Pdによる力とがほぼ等しくなっている。また、弁ユニット350の、クランク室140の圧力Pcを受ける部位の面積は、ベローズ330aの感圧面積より大幅に小さくなっている。したがって、制御弁300において、弁ユニット350は、吐出室142の圧力Pd及びクランク室140の圧力Pcの影響をほとんど受けず、コイル346aの通電量と吸入室141の圧力Psとに基づいて弁孔316を開閉する。なお、コイル346aの通電量は、空調設定(車室設定温度)や外部環境などに基づき、例えば前記エアコンシステムの制御装置(図示省略)によって設定される。
そして、制御弁300は、吸入室141の圧力Psがコイル346aの通電量に対応する所定値(設定圧力)よりも高くなると、弁孔316の開度を小さくして前記吐出冷媒のクランク室140への供給量を減少させる。これにより、クランク室140の圧力Pcが低下し、斜板111の傾角が大きくなって可変容量圧縮機100の吐出容量が増加する。一方、制御弁300は、吸入室141の圧力Psが前記設定圧力よりも低くなると、弁孔316の開度を大きくして前記吐出冷媒のクランク室140への供給量を増加させる。これにより、クランク室140の圧力Pcを上昇し、斜板111の傾角が小さくなって可変容量圧縮機100の吐出容量が減少する。
つまり、制御弁300は、吸入室141の圧力Psがコイル346aの通電量に対応する前記設定圧力に近づくように、弁ユニット350(の弁部351)によって弁孔316の開度を自律的に制御し、これによって、可変容量圧縮機100の吐出容量を変化させるように構成されている。
本実施形態に係る制御弁300において、第1ポート320は、上述のように、バルブボディ311の前記外周面に開口する前記一端から中心線X側に向かうにしたがって弁孔316の弁室315側の開口に近づくように傾斜して形成されている。換言すれば、第1ポート320は、前記一端から中心線X側に向かうにしたがって支持孔317から離れるように傾斜して形成されている。具体的には、第1ポート320は、そのポート中心線Yがバルブボディ311(弁孔316)の中心線Xに直交する直交面Pに対して所定角度α(<90°)を有して傾斜している。このため、第1ポート320の前記一端から制御弁300内に流入した前記吐出冷媒は、第1ポート320を通過することによって、弁孔316の弁室315側の開口に向かうように(支持孔317から離れるように)方向付けられることになる。
したがって、第1ポート320を通過した前記吐出冷媒は、支持孔317側に向かうことはほとんどなく、弁孔316及び弁室315を経て第2ポート321から流出する。このため、前記吐出冷媒が異物を含む場合であっても前記吐出冷媒に含まれた異物が支持孔317に侵入すること、具体的には、感圧ロッド352(の大径部352a)と外周面と支持孔317の内周面との隙間に侵入することが防止され、弁ユニット350の安定した動作が確保される。
特に、本実施形態においては、第1ポート320のポート中心線Yの延長線が弁孔316の弁室315側の開口を通過するように設定されており、さらには、弁室315内に開口する第2ポート321の前記他端に向かうように設定されている。このため、第1ポート320を通過した前記吐出冷媒は、弁孔316、さらには第2ポート321へと直接的に向かうことになる。したがって、圧力損失が低減されると共に、前記吐出冷媒に含まれた異物が支持孔317に侵入することがさらに効果的に防止される。
また、本実施形態において、弁孔316と支持孔317との境界近傍に配置される感圧ロッド352のテーパ部352cは、その外周面と直交面Pとがなす角度βが、第1ポート320のポート中心線Yと直交面Pとがなす角度αに等しいか又はそれよりも大きくなるように形成されている。このため、第1ポート320の前記一端から制御弁300内に流入した前記吐出冷媒は、第1ポート320に加えて、感圧ロッド352のテーパ部352cの外周面によっても弁孔316に向かうように(支持孔317から離れるように)方向付けられることになる。したがって、前記吐出冷媒に含まれた異物が支持孔317に侵入することがさらに効果的に防止される。
さらに、図2に示されるように、本実施形態において、吐出室142に連通する第1外側空間104b1(換言すれば、第1ポート320側の圧力領域)と、クランク室140の連通する第2外側空間104b2(換言すれば、第2ポート321側の圧力領域)とを区画するOリング300cは、第1ポート320の前記他端(弁孔316との接続端)の径方向外方に配置されている。このため、第1ポート320を傾斜させた場合であって、バルブボディ311の中心線X方向における長さの増大、ひいては、制御弁300の大型化が抑制される。
なお、上述の実施形態において、第1ポート320は、バルブボディ311の前記外周面に開口する前記一端から中心線X側に向かうにしたがって弁孔316の弁室315側の開口に近づくように傾斜して形成されている。すなわち、第1ポート320の全体が傾斜するように形成されている。しかし、これに限られるものではなく、第1ポート320の一部(特に弁孔316側の部位)がバルブボディ311の前記外周面側から中心線X側に向かうにしたがって弁孔316の弁室315側の開口に近づくように傾斜して形成されてもよい。また、第1ポート320の全体又は一部が傾斜して形成されることに加えて又は代えて、バルブボディ311の前記外周面側から中心線X側に向かうにしたがって弁孔316の弁室315側の開口に近づくように傾斜して第1ポート320内を流れる前記吐出冷媒を弁孔316の弁室315側の開口に向けてガイドするガイド部が第1ポート320内に設けられてもよい。
次に、図4、図5を参照して制御弁300の第2実施形態について説明する。図4は、制御弁300の第2実施形態を示す断面図であり、図5は、図4の要部拡大図である。なお、第1実施形態と共通の要素については同一符号を付してその説明は省略し、主に第1実施形態と相違する構成について説明する。なお、図示は省略するが、第2実施形態においては、弁収容室104bの開口部と底部とが第1実施形態とは逆に配置されているものとする。
第2実施形態において、制御弁300の外周面には、弁収容室104bの開口部側から底部側に向かって、Oリング301a、Oリング301b及びOリング301cが取り付けられている。そして、Oリング301aによって弁収容室104bの内部が外部空間から遮断されると共に、弁収容室104b内における制御弁300の外側空間が、Oリング301bとOリング301cとの間の第1外側空間104b1と、Oリング301cよりも弁収容室104bの底部側の第2外側空間104b2と、Oリング301aとOリング301bとの間の第3外側空間104b3とに区画されている。
そして、第1実施形態と同様、第1外側空間104b1は、シリンダヘッド104に形成された連通路104cを介して吐出室142に連通しており、第2外側空間104b2は、シリンダヘッド104に形成された連通路104d及びシリンダブロック101に形成された連通路101eを介してクランク室140に連通しており、第3外側空間104b3は、シリンダヘッド104に形成された連通路104eを介して吸入室141に連通している。なお、上述のように、第2実施形態においては、弁収容室104bの開口部と底部とが第1実施形態とは逆に配置されているため、第1実施形態に対して(図2)、第2外側空間104b2と第3外側空間104b3とが逆になっている。
第2実施形態において、制御弁300は、バルブボディ360と、区画部材370と、感圧装置331と、ソレノイドハウジング380と、固定鉄心342と、可動鉄心343と、付勢部材344と、収容部材345と、コイル346aと、弁ユニット390と、を含む。
弁収容室104bの前記底部側となるバルブボディ360の一端面360aには、第1感圧室361が形成されている。第1感圧室361は、バルブボディ360の一端面360aに開口する円柱状空間として形成されている。
バルブボディ360の他端面360bには、嵌合穴362が形成されている。嵌合穴362は、バルブボディ360の他端面360bに開口する略円柱状の穴として形成されており、嵌合穴362の底面には、弁孔316が形成されている(開口している)。具体的には、本実施形態において、嵌合穴362の前記底面は、中央の平坦部と、周縁部から前記平坦部に徐々に深くなるテーパ部とを有しており、前記中央の平坦部に弁孔316が形成されている(開口している)。弁孔316は、嵌合穴362の内部と第1感圧室361とを連通するように形成されている。
なお、第1感圧室361、嵌合穴362及び弁孔316は、バルブボディ360の中心線(=制御弁300の中心線)X上に配置されている(同一の中心線を有している)。
嵌合穴362の開口端には、固定鉄心342の大径部342bが圧入嵌合され、嵌合穴362の前記開口端よりも前記底面側の所定部位には、区画部材370が圧入嵌合されている。区画部材370は、嵌合穴362の内部を、弁孔316が開口する前記底面側の弁室315と、前記開口端に圧入固定された固定鉄心342の大径部342b側の第2感圧室363とに区画している。換言すれば、区画部材370は、嵌合穴362内において、弁室315と第2感圧室363とを区画形成する区画壁を構成している。したがって、本実施形態において、弁孔316は、弁室315内に開口する弁室315側の開口と、第1感圧室361内に開口する第1感圧室361側の開口とを有している。
区画部材370は、嵌合穴362の前記底面に向かって突出する共に徐々に縮径するテーパ部371を有している。テーパ部371は、中心線Xと同軸で配置されており、弁孔316の近傍まで延びている。また、テーパ部371の外周面は、弁室315内において、バルブボディ360の外周面側から中心線X側に向かうにしたがって弁孔316に近づく傾斜面を形成している。
また、区画部材370には、弁ユニット390の弁体391(後述する)を摺動自在に支持する支持孔372が形成されている。支持孔372は、バルブボディ360の中心線Xと同軸で配置されており、弁孔316よりも僅かに大きな径を有している。支持孔372の一端は、テーパ部371の先端面(すなわち、弁室315内)に開口し、支持孔372の他端は、第2感圧室363内に開口している。
バルブボディ360には、さらに第1ポート364、第2ポート365及び第3ポート366が形成されている。第1~第3ポート364~366は、バルブボディ360の中心線X方向において、互いに離間して形成されている。具体的には、第1ポート364と第2ポート365とは、バルブボディ360の中心線X方向において弁孔316を挟んでその両側に配置され、第3ポート366は、第1ポート364よりもバルブボディ360の他端面360b側に配置されている。すなわち、バルブボディ360の一端面360aから他端面360bに向かって、第2ポート365、第1ポート364、第3ポート366の順に配置されている。
第1ポート364の一端は、バルブボディ360の外周面におけるOリング301bとOリング301cとの間の第1部位、すなわち、吐出室142に連通する第1外側空間104b1に位置する部位に開口している。第1ポート364は、前記一端から中心線X側に向かって形成されており、第1ポート364の他端は、弁室315の内周面における区画部材370のテーパ部371に対応する部位に開口している。つまり、第1ポート364は、バルブボディ360の前記外周面における前記第1部位から弁室315まで延びるように形成されており、弁室315は、第1ポート364を介して、吐出室142に連通する第1外側空間104b1に連通している。
第2ポート365の一端は、バルブボディ360の前記外周面におけるOリング301cよりも一端面360a側の部位、すなわち、クランク室140に連通する第2外側空間104b2に位置する部位に開口している。第2ポート365は、前記一端から中心線X側に向かって形成されており、第2ポート365の他端は、第1感圧室361の内周面に開口している。つまり、第2ポート365は、バルブボディ360の前記外周面における前記第2部位から第1感圧室361まで延びるように形成され、第1感圧室361は、弁孔316を介して弁室315に連通している。したがって、弁室315は、弁孔316、第1感圧室361及び第2ポート365を介して、クランク室140に連通する第2外側空間104b2に連通している。
第3ポート366の一端は、バルブボディ360の前記外周面におけるOリング301aとOリング301bとの間の第3部位、すなわち、吸入室141に連通する第3外側空間104b3に位置する部位に開口している。第3ポート366は、前記一端から中心線X側に向かって形成されており、第3ポート366の他端は、第2感圧室363の内周面に開口している。したがって、第2感圧室363には、吸入室141の圧力Psが作用する。
感圧装置331は、第1感圧室361に収容されている。感圧装置331は、蛇腹状のベローズ331aと、ベローズ331aの一端を閉塞する第1端部部材331bと、ベローズ331aの他端を閉塞する第2端部部材331cと、ベローズ331aの内部に配置されてベローズ331aを伸長させる方向に付勢する付勢部材(圧縮コイルバネ)331dとを有する。本実施形態において、第1端部部材331b及び第2端部部材331cのそれぞれは、ベローズ331aの収縮を規制するストッパ部をベローズ331a内に有している。また、第2端部部材331cは、さらに、第1感圧室361の開口端を閉塞するキャップ部を有している。すなわち、第2端部部材331cは、第1感圧室361の開口端を閉塞するキャップ部材を兼ねている。
ソレノイドハウジング380は、固定鉄心342、可動鉄心343、付勢部材344、収容部材345及びコイル346aを保持又は収容する。
ソレノイドハウジング380は、円筒状の周壁部380aと、周壁部380aの一端に固定された端壁部380bと、を含む。ソレノイドハウジング380の端壁部380bには、嵌合穴380cが形成されており、この嵌合穴380cにバルブボディ360の他端面360b側の所定範囲が圧入嵌合されている。なお、本実施形態においては、ソレノイドハウジング380の周壁部380aの他端側が、第1実施形態におけるコイル組立体346の閉塞部材346bに対応する形状に形成されている。すなわち、本実施形態におけるソレノイドハウジング380の周壁部380aは、第1実施形態におけるソレノイドハウジング341の周壁部341b及びコイル組立体346の閉塞部材346bとしての機能を有している。
そして、コイル346aが通電されると、ソレノイドハウジング380及び固定鉄心342は磁気回路を形成し、付勢部材344の付勢力に抗して可動鉄心343を固定鉄心342の前記一端面に向かって移動させる電磁力を発生する。
弁ユニット390は、弁体391、感圧ロッド392及びソレノイドロッド393を含み、これらが一体的に連結されて構成されている。
弁体391は、円柱状に形成されている。弁体391は、区画部材370の支持孔372に摺動自在に支持されている。弁体391の一端は、弁室315内に配置されて、弁孔316を開閉する弁部391aを構成している。具体的には、弁部391aは、その周縁部が弁室315の前記底面の弁孔316の周囲の弁座部316aに離接することによって弁孔316を開閉する。また、弁体391の他端は、第2感圧室363内に配置されて、第2感圧室363の圧力(すなわち、吸入室141の圧力Ps)を受ける受圧部391bを構成している。
感圧ロッド392は、弁体391よりも小径に形成されており、弁孔316に挿通されている。感圧ロッド392の一端は、弁体391の弁部391aの中央部に連結され、感圧ロッド392の他端は、感圧装置331の第1端部部材331bに離間可能に連結されている。
ソレノイドロッド393は、感圧ロッド392と同様、弁体391よりも小径に形成されており、固定鉄心342に形成された挿通孔342cに隙間を有して挿通されている。ソレノイドロッド393の一端は、弁体391の受圧部391bの中央に連結され、ソレノイドロッド393の他端は、可動鉄心343に連結されている。
感圧装置331において、ベローズ331aは、弁ユニット390の感圧ロッド392が第1端部部材331bに連結されているときに、弁体391の受圧部391bが受ける第2感圧室363の圧力、すなわち、吸入室141の圧力Psに応答して伸縮する。そして、吸入室141の圧力Psの低下に伴ってベローズ331aが伸長すると、弁体391(弁部391a)は、感圧ロッド392を介して弁孔316を開く方向(開弁方向)に付勢される。つまり、感圧装置331は、第1実施形態における感圧装置330と同様、吸入室141の圧力Psに応答して動作し、感圧ロッド392を介して開弁方向の付勢力を弁体391(弁部391a)に与えるように構成されている。
また、コイル346aが通電されると、ソレノイドハウジング380及び固定鉄心342によって磁気回路が形成され、付勢部材344の付勢力に抗して可動鉄心343を固定鉄心342の前記一端面に向かって移動させる電磁力が発生する。そして、発生した電磁力によって可動鉄心343が移動すると、弁体391(弁部391a)は、ソレノイドロッド393を介して弁孔316を閉じる方向(閉弁方向)に付勢される。したがって、本実施形態においては、ソレノイドハウジング380、固定鉄心342、可動鉄心343、コイル346aが、ソレノイドロッド393を介して閉弁方向の付勢力を弁部391aに与える「ソレノイド部」を構成する。
本実施形態に係る制御弁300において、弁ユニット390の弁体391(の弁部391a)が弁孔316を開くと、前記吐出冷媒は、吐出室142から連通路104cを介して第1外側空間104b1に流れ、第1ポート364から制御弁300内に流入する。制御弁300内に流入した前記吐出冷媒は、弁室315、弁孔316及び第1感圧室361を通過し、その後、第2ポート365から第2外側空間104b2に流出する。そして、第2外側空間104b2に流出した前記吐出冷媒は、連通路104d及び連通路101eを介してクランク室140へと流れる(供給される)。
したがって、本実施形態においては、第1ポート364、弁室315、弁孔316、第1感圧室361及び第2ポート365によって、供給通路145の一部を構成する制御弁300の前記内部通路が形成される。また、第1ポート364が本発明の「入口ポート」に相当し、第2ポート365が本発明の「出口ポート」に相当し、弁室315、弁孔316及び第1感圧室361が本発明の「接続路」に相当する。また、主に弁室315によって本発明の「弁孔よりも入口ポート側の接続路」が構成されている。
ここで、上述のように、本実施形態において、第1ポート364の前記他端は、弁室315の前記内周面における区画部材370のテーパ部371に対応する部位に開口している。すなわち、区画部材370のテーパ部371は、第1ポート364の弁室315における開口に対峙するように設けられている。また、テーパ部371の前記外周面は、弁室315内において、バルブボディ360の前記外周面側から中心線X側に向かうにしたがって弁孔316に近づく傾斜面を構成している。換言すれば、テーパ部371の前記外周面は、バルブボディ360の前記外周面側から中心線X側に向かうにしたがって弁孔316の弁室315側に開口に近づく傾斜面を構成している。このため、第1ポート364から弁室315内に流入した前記吐出冷媒は、テーパ部371の前記外周面によって弁孔316に向けて案内される。すなわち、前記吐出冷媒は、テーパ部371の前記外周面に沿って流れることによって、弁孔316に向かうように方向付けられることになる。
したがって、第1ポート364から弁室315内に流入した前記吐出冷媒が支持孔372側に向かうことはほとんどなく、第1ポート364から弁室315内に流入した前記吐出冷媒は、弁孔316及び第1感圧室361を通過して第2ポート365から流出することになる。この結果、前記吐出冷媒が異物を含む場合であっても前記吐出冷媒に含まれた異物が弁体391の外周面と支持孔372の内周面との隙間に侵入することが防止され、弁ユニット390の安定した動作が確保される。
なお、ここでは、テーパ部371の前記外周面が、弁室315内に設けられてバルブボディ360の前記外周面側から中心線X側に向かうにしたがって弁孔316に近づく傾斜面、換言すれば、バルブボディ360の前記外周面側から中心線X側に向かうにしたがって弁孔316の弁室315側の開口に近づく傾斜面として説明されている。但し、別の見方をすれば、弁室315内には、区画部材370のテーパ部371の前記外周面と弁室315の内面とによって、バルブボディ360の前記外周面側から中心線X側に向かうにしたがって弁孔316に近づくように傾斜する環状の流路が形成されているということもできる。この場合、前記環状の流路が本発明の「弁孔よりも入口ポート側の接続路」に相当することになる。
ところで、上述の第2実施形態においては、バルブボディ360の他端面360bに形成された嵌合穴362の前記開口端に固定鉄心342の大径部342bが圧入固定され、嵌合穴362の前記開口端よりも前記底面側の前記所定部位に区画部材370が圧入固定されており、これによって、嵌合穴362の内部に弁室315と第2感圧室363とが区画形成されている。しかし、これに限られるものではない。例えば、図6の要部拡大図に示されるように、固定鉄心342の大径部342bが区画部材370を兼ねるように構成されてもよい。この場合、固定鉄心342の大径部342bは、ソレノイドハウジング380の端壁部380bから突出するように形成された突出部342b1を有し、突出部342b1の先端側部分が区画部材370としての機能を有するように形成される。具体的には、固定鉄心342の大径部342bの突出部342b1は、第2感圧室363を構成する内部空間及び第3ポート366を構成する連通孔を有すると共に、突出部342b1の先端側にテーパ部371及び支持孔372が形成される。そして、固定鉄心342の大径部342bの突出部342b1の前記先端側から所定範囲がバルブボディ360の他端面360bに形成された嵌合穴362に圧入嵌合される。
なお、本発明は、上述の各実施形態及び変形例に制限されるものではなく、本発明の技術的思想に基づいてさらなる変形及び変更が可能であることはもちろんである。
可変容量圧縮機100は、複数のシリンダボア101aが形成されたシリンダブロック101と、シリンダブロック101の一端側に設けられたフロントハウジング102と、シリンダブロック101の他端側にバルブプレート103を介して設けられたシリンダヘッド104と、を含む。そして、シリンダブロック101、フロントハウジング102、バルブプレート103及びシリンダヘッド104は、複数の通しボルト105によって締結されて圧縮機ハウジングを構成している。
また、シリンダブロック101とフロントハウジング102とによってクランク室140が形成され、クランク室140内を横断するように駆動軸110が設けられている。駆動軸110は、前記圧縮機ハウジングに回転自在に支持されている。なお、図では省略しているが、フロントハウジング102とシリンダブロック101との間にはセンターガスケットが配置され、シリンダブロック101とシリンダヘッド104との間には、バルブプレート103の他にも、シリンダガスケット、吸入弁形成板、吐出弁形成板及びヘッドガスケットが配置されている。
駆動軸110の軸方向の中間部の周囲には、斜板111が配置されている。斜板111は、駆動軸110に固定されたロータ112にリンク機構120を介して連結され、駆動軸110と共に回転する。また、斜板111は、駆動軸110の軸線Oに直交する平面に対する角度(以下「傾角」という)が変更可能に構成されている。
リンク機構120は、ロータ112から突設された第1アーム112aと、斜板111から突設された第2アーム111aと、一端側が第1連結ピン122を介して第1アーム112aに対して回動自在に連結され、他端側が第2連結ピン123を介して第2アーム111aに対して回動自在に連結されたリンクアーム121と、を含む。
駆動軸110が挿通される斜板111の貫通孔111bは、斜板111が最大傾角と最小傾角の範囲で傾動可能な形状に形成されている。貫通孔111bには駆動軸110と当接する最小傾角規制部が形成されている。斜板111が駆動軸110の軸線Oに直交するときの斜板111の傾角(最小傾角)を0°とした場合、貫通孔111bの前記最小傾角規制部は、斜板111の傾角がほぼ0°となると駆動軸110に当接し、斜板111のそれ以上の傾動を規制するように形成されている。また、斜板111は、その傾角が最大傾角となるとロータ112に当接してそれ以上の傾動が規制される。
駆動軸110には、斜板111の傾角を減少させる方向に斜板111を付勢する傾角減少バネ114と、斜板111の傾角を増大させる方向に斜板111を付勢する傾角増大バネ115とが装着されている。傾角減少バネ114は、斜板111とロータ112との間に配置され、傾角増大バネ115は、斜板111と駆動軸110に固定されたバネ支持部材116との間に装着されている。
ここで、斜板111の傾角が前記最小傾角であるとき、傾角増大バネ115の付勢力の方が傾角減少バネ114の付勢力よりも大きくなるように設定されており、駆動軸110が回転していないとき、斜板111は、傾角減少バネ114の付勢力と傾角増大バネ115の付勢力とがバランスする傾角に位置決めされる。
駆動軸110の一端(図1における左端)は、フロントハウジング102のボス部102a内を貫通してフロントハウジング102の外側まで延在している。そして、駆動軸110の前記一端に図示省略の動力伝達装置が連結されている。駆動軸110とボス部102aとの間には軸封装置130が設けられており、軸封装置130によってクランク室140内は外部から遮断されている。
駆動軸110とロータ112の連結体は、ラジアル方向においては軸受131、132で支持され、スラスト方向においては軸受133、スラストプレート134で支持されている。そして、駆動軸110(及びロータ112)は、外部駆動源からの動力が前記動力伝達装置に伝達されることにより、前記動力伝達装置の回転と同期して回転するように構成されている。なお、駆動軸110の他端、すなわち、スラストプレート134側の端部と、スラストプレート134との隙間は、調整ネジ135によって所定の隙間に調整されている。
各シリンダボア101a内には、ピストン136が配置されている。ピストン136のクランク室140内に突出する突出部の内側空間には、一対のシュー137を介して、斜板111の外周部及びその近傍が収容され、これにより、斜板111は、ピストン136と連動する。そして、駆動軸110の回転に伴う斜板111の回転によってピストン136がシリンダボア101a内を往復動する。また、ピストン136のストローク量は、斜板111の傾角に応じて変化する。
シリンダヘッド104には、ほぼ中央に吸入室141が形成されると共に、吸入室141を環状に取り囲むように吐出室142が形成されている。吸入室141は、バルブプレート103に設けられた連通孔103a及び前記吸入弁形成板(図示省略)に形成された吸入弁(図示省略)を介してシリンダボア101aに連通している。吐出室142は、前記吐出弁形成板(図示省略)に形成された吐出弁(図示省略)及びバルブプレート103に設けられた連通孔103bを介してシリンダボア101aに連通している。
吸入室141は、吸入通路104aを介して図示省略の前記エアコンシステムの冷媒回路の低圧側に接続されている。
シリンダブロック101の上部には、冷媒の圧力脈動による騒音・振動を低減するために、マフラ160が設けられている。マフラ160は、シリンダブロック101の上部に区画形成されたマフラ形成壁101bと、マフラ形成壁101bに図示省略のシール部材を介して締結された蓋部材106とによって形成されている。マフラ160内のマフラ空間143には、逆止弁200が配置されている。
逆止弁200は、吐出室142とマフラ空間143とを連通する連通路144のマフラ空間143側の端部に配置されている。逆止弁200は、連通路144(上流側)とマフラ空間143(下流側)との圧力差に応答して動作する。具体的には、逆止弁200は、前記圧力差が所定値より小さい場合には連通路144を遮断し、前記圧力差が前記所定値より大きい場合には連通路144を開放するように構成されている。
吐出室142は、連通路144、逆止弁200、マフラ空間143及び吐出ポート106aで構成される吐出通路を介して、前記エアコンシステムの前記冷媒回路の高圧側に接続されている。また、前記エアコンシステムの前記冷媒回路の高圧側から吐出室142に向かう冷媒ガスの逆流が逆止弁200によって抑制される。
前記エアコンシステムの前記冷媒回路の低圧側の冷媒(圧縮前の冷媒)は、吸入通路104aを介して吸入室141に導かれる。吸入室141内の冷媒は、ピストン136の往復運動によってシリンダボア101a内に吸入され、圧縮されて吐出室142に吐出される。すなわち、本実施形態においては、シリンダボア101a及びピストン136によって吸入室141内の冷媒を圧縮する圧縮部が構成されている。そして、前記圧縮部で圧縮されて吐出室142に吐出された冷媒(圧縮後の冷媒であり、以下「吐出冷媒」という)は、前記吐出通路を介して前記エアコンシステムの前記冷媒回路の高圧側へと導かれる。
シリンダヘッド104には、さらに制御弁300が設けられている。制御弁300は、シリンダヘッド104に形成された弁収容室104bに配置されている。
制御弁300は、吐出室142内の冷媒(吐出冷媒)をクランク室140に供給する供給通路145の一部を構成する内部通路を有している。そして、制御弁300は、前記内部通路(すなわち、供給通路145)の開度(通路断面積)を調整し、これによって、前記吐出冷媒のクランク室140への供給量(圧力供給量)を制御するように構成されている。なお、供給通路145及び制御弁300については後述する。
また、クランク室140は、シリンダブロック101に形成された連通路101c及び空間部101dと、バルブプレート103に形成された固定絞り103cとで構成される排出通路を介して吸入室141に連通しており、クランク室140内の冷媒は、前記排出通路を介して吸入室141へと流れるようになっている。
したがって、制御弁300が前記吐出冷媒のクランク室140への供給量を制御することによってクランク室140の圧力を変化させる(調整する)ことができ、これによって、斜板111の傾角、つまり、ピストン136のストローク量を変化させて可変容量圧縮機100の吐出容量を変化させることができる。
詳細には、クランク室140の圧力を変化させることにより、各ピストン136の前後の圧力差、換言すると、ピストン136を挟むシリンダボア101a内の圧縮室とクランク室140との圧力差を利用して斜板111の傾角を変化させることができ、その結果、ピストン136のストローク量が変化して可変容量圧縮機100の吐出容量が変化する。具体的には、クランク室140の圧力を低下させると、斜板111の傾角が大きくなってピストン136のストローク量が増加し、これによって、可変容量圧縮機100の吐出容量が増加するようになっている。
換言すれば、可変容量圧縮機100において、クランク室140は、内部圧力に応じて前記圧縮部の状態(具体的にはピストン136のストローク量)を変化させて可変容量圧縮機100の吐出容量を変化させる機能を有している。したがって、本実施形態においてはクランク室140が本発明の「制御圧室」に相当する。そして、制御弁300は、主にクランク室140の圧力を調整するために用いられる。
次に、供給通路145について説明する。
図1に示されるように、本実施形態において、制御弁300の外周面には、制御弁300が挿入される弁収容室104bの開口部側から弁収容室104bの底部側に向かって、Oリング300a、Oリング300b、Oリング300c及びOリング300dが取り付けられている。そして、Oリング300aによって弁収容室104bの内部が外部空間から遮断されると共に、弁収容室104b内における制御弁300の外側空間が、Oリング300cとOリング300dとの間の第1外側空間104b1と、Oリング300bとOリング300cとの間の第2外側空間104b2と、Oリング300dよりも弁収容室104bの底部側の第3外側空間104b3とに区画されている。
第1外側空間104b1は、シリンダヘッド104に形成された連通路104cを介して吐出室142に連通している。第2外側空間104b2は、シリンダヘッド104に形成された連通路104d及びシリンダブロック101に形成された連通路101eを介してクランク室140に連通している。第3外側空間104b3は、シリンダヘッド104に形成された連通路104eを介して吸入室141に連通している。
そして、本実施形態においては、連通路104c、第1外側空間104b1、制御弁300の前記内部通路、第2外側空間104b2、連通路104d及び連通路101eによって供給通路145が形成されている。
次に、図2、図3を参照して制御弁300の第1実施形態について説明する。図2は、制御弁300の第1実施形態を示す断面図であり、図3は、図2の要部拡大図である。
図2に示されるように、制御弁300は、バルブボディ311と、キャップ部材312と、感圧装置330と、ソレノイドハウジング341と、固定鉄心342と、可動鉄心343と、付勢部材344と、収容部材345と、コイル組立体346と、弁ユニット350と、を含む。
バルブボディ311は、略円柱状に形成されている。キャップ部材312は、有底円筒状に形成されており、弁収容室104bの前記底部側となるバルブボディ311の一端に固定されている。キャップ部材312は、バルブボディ311の一端面311aに形成された凹部311bと協働して感圧室313を形成する。感圧室313は、キャップ部材312の底部に形成された連通孔312aを介して、キャップ部材312の外側空間、ここでは、吸入室141に連通する第3外側空間104b3に連通している。したがって、感圧室313には、吸入室141の圧力Psが作用する。
バルブボディ311には、他端面311c側から一端面311a側に向かって、嵌合穴314、弁室315、弁孔316及び支持孔317がこの順に形成されている。嵌合穴314、弁室315、弁孔316及び支持孔317は、バルブボディ311の中心線(=制御弁300の中心線)X上に配置されている。すなわち、嵌合穴314、弁室315、弁孔316及び支持孔317は、同一の中心線を有している。
嵌合穴314は、バルブボディ311の他端面311cに開口する円柱状の穴として形成されている。嵌合穴314には、固定鉄心342の大径部342b(後述する)が圧入嵌合される。弁室315は、嵌合穴314の底面に開口する円柱状の空間として形成されている。弁室315には、弁ユニット350の弁部351(後述する)が配置される。弁孔316は、弁室315の底面に形成されている(開口している)。弁孔316は、弁ユニット350の弁部351によって開閉される。支持孔317は、弁孔316から感圧室313まで直線状に延びている。つまり、本実施形態おいて、弁孔316は、弁室315内に開口する弁室315側の開口と、支持孔317に接続される(連通する)支持孔317側の開口とを有しており、支持孔317は、弁孔316と感圧室313とを連通するように形成されている。支持孔317には、弁ユニット350の感圧ロッド352(後述する)が摺動自在に支持される。本実施形態において、弁孔316と支持孔317とは連続する一つの孔として形成され、弁孔316と支持孔317とは同一の径を有している。
また、バルブボディ311には、第1ポート320及び第2ポート321が形成されている。第1ポート320と第2ポート321とは、バルブボディ311の中心線X方向において弁孔316を挟んでその両側に位置するように、すなわち、中心線X方向において離間して形成されている。
第1ポート320の一端は、バルブボディ311の外周面におけるOリング300cとOリング300dとの間の第1部位、すなわち、吐出室142に連通する第1外側空間104b1に位置する部位に開口している。第1ポート320は、前記一端から中心線X側に向かって形成されており、第1ポート320の他端は、弁孔316に接続されている。つまり、第1ポート320は、バルブボディ311の前記外周面の前記第1部位から弁孔316まで延びるように形成されている。また、弁孔316は、弁室315の前記底面に開口している。したがって、弁室315は、弁孔316及び第1ポート320を介して、吐出室142に連通する第1外側空間104b1に連通している。
第2ポート321の一端は、バルブボディ311の前記外周面におけるOリング300bとOリング300cとの間の第2部位、すなわち、クランク室140に連通する第2外側空間104b2に対応する位置に開口している。第2ポート321は、前記一端から中心線X側に向かって形成されており、第2ポート321の他端は、弁室315の内周面に開口している。つまり、第2ポート321は、バルブボディ311の前記外周面の前記第2部位から弁室315まで延びるように形成されている。したがって、弁室315は、第2ポート321を介して、クランク室140に連通する第2外側空間104b2にも連通している。
ここで、本実施形態において、第1ポート320は、バルブボディ311の前記外周面の前記第1部位に開口する前記一端側から中心線X側に向かうにしたがって弁孔316の弁室315側の開口に近づくように傾斜している。具体的には、図3に示されるように、第1ポート320は、そのポート中心線Yがバルブボディ311の中心線X(=弁孔316の中心線)に直交する平面(直交面)Pに対して所定角度α(<90°)を有して傾斜するように形成されている。なお、所定角度αは、任意に設定され得るが、好ましくは、30~60°の範囲内に設定される。
また、本実施形態においては、第1ポート320のポート中心線Yの延長線が弁孔316の弁室315側の開口を通過するように設定されており、さらには、第2ポート321、より具体的には、弁室315の前記内周面に開口する第2ポート321の前記他端に向かうように設定されている。
なお、特に制限されないが、本実施形態において、第1ポート320の前記一端が開口する前記第1部位は、支持孔317の径方向外方に位置している。逆に言えば、支持孔317は、第1ポート320の前記一端が開口する、バルブボディ311の前記外周面の前記第1部位の径方向内方に配置されている。
感圧装置330は、感圧室313に配置されている。感圧装置330は、一端が開放され他端が封止された蛇腹状のベローズ330aと、ベローズ330aの一端を閉塞する端部部材330bと、ベローズ330a内に配置されてベローズ330aの収縮を規制するストッパ部材330cと、ベローズ330aの内部に配置されてベローズ330aを伸長させる方向に付勢する第1付勢部材(圧縮コイルバネ)330dと、端部部材330bとバルブボディ311との間に配置されてベローズ330aを収縮させる方向に付勢する付勢部材(圧縮コイルバネ)330eとを有している。
ベローズ330aの内部は、真空状態となっており、ベローズ330aは、感圧室313の圧力(すなわち、吸入室141の圧力Ps)に応答して伸縮する。具体的には、ベローズ330aは、感圧室313の圧力(すなわち、吸入室141の圧力Ps)の低下に伴って伸長する。
ソレノイドハウジング341は、固定鉄心342、可動鉄心343、付勢部材344、収容部材345及びコイル組立体346を保持又は収容する。
ソレノイドハウジング341は、円筒状の周壁部341aと、周壁部341aの一端に固定された端壁部341bと、を含む。ソレノイドハウジング341の端壁部341bには、嵌合穴341cが形成されており、この嵌合穴341cにバルブボディ311の他端面311c側の所定範囲が圧入嵌合されている。
固定鉄心342は、一端面側の小径部342aと、小径部342aよりも大径の他端面側の大径部342bと、を有する。固定鉄心342には、挿通孔342cが軸方向に貫通形成されている。小径部342aは、ソレノイドハウジング341に収容されており、大径部342bは、バルブボディ311の他端面311cに形成された嵌合穴314に圧入嵌合されている。
可動鉄心343は、固定鉄心342の前記一端面との間に所定の隙間を有して配置されている。なお、ソレノイドハウジング341、固定鉄心342及び可動鉄心343は、磁性材料で形成されている。
付勢部材344は、固定鉄心342と可動鉄心343との間に配置され、可動鉄心343を固定鉄心342の前記一端面から離れる方向に付勢する。本実施形態においては、圧縮コイルバネが付勢部材344として用いられている。
収容部材345は、非磁性材料で有底円筒状に形成されている。収容部材345は、固定鉄心342の小径部342a、可動鉄心343及び付勢部材344を収容する。可動鉄心343は、収容部材345の内周面に沿って摺動自在に設けられており、収容部材345内において、固定鉄心342の前記一端面に対して離接方向に移動可能である。
コイル組立体346は、ソレノイドコイル(以下単に「コイル」という)346aと、閉塞部材346bと、を含む。コイル346aは、樹脂で覆われており、収容部材345の周囲に配置されている。閉塞部材346bは、磁性材料で形成されており、ソレノイドハウジング341の周壁部341aの他端を閉塞する。閉塞部材346bは、可動鉄心343の径方向の周囲に配置されると共に、樹脂によってコイル346aと一体化されている。なお、図2中の346cは、コイル組立体346の樹脂部である。
そして、コイル346aが通電されると、ソレノイドハウジング341、固定鉄心342及びコイル組立体346の閉塞部材346bは磁気回路を形成して、付勢部材344の付勢力に抗して可動鉄心343を固定鉄心342の前記一端面に向かって移動させる電磁力を発生する。
弁ユニット350は、弁部351、感圧ロッド352及びソレノイドロッド353を含み、これらが一体的に連結されて構成されている。
弁部351は、弁室315に収容されて弁孔316を開閉する。具体的には、弁部351は、その弁孔316側の端部の周縁部が弁室315の前記底面の弁孔316の周囲の弁座部316aに離接することによって弁孔316を開閉するように構成されている。
感圧ロッド352は、バルブボディ311に形成された支持孔317に摺動自在に支持されている。感圧ロッド352の一端は、弁部351の弁孔316側の前記端部の中央部に連結され、感圧ロッド352の他端は、感圧装置330の端部部材330bに離間可能に連結されている。
感圧ロッド352は、図3に示されるように、大径部352aと、大径部352aよりも小径の小径部352bと、大径部352aと小径部352bとの間に設けられて徐々に縮径するテーパ部352cと、を有している。そして、大径部352aが支持孔317に摺動自在に支持され、小径部352bが弁孔316に挿通されると共に弁部351の弁孔316側の前記端部に連結され、テーパ部352cが弁孔316と支持孔317との境界近傍に配置されている。また、テーパ部352cは、その外周面と直交面Pとがなす角度βが、第1ポート320のポート中心線Yと直交面Pとがなす角度αよりも大きくなるように形成されている。但し、これに限られるものではなく、テーパ部352cは、その外周面と直交面Pとがなす角度βが第1ポート320のポート中心線Yと直交面Pとがなす角度αと等しくなるように形成されてもよい。
ソレノイドロッド353は、固定鉄心342に形成された挿通孔342cに隙間を有して挿通されている。ソレノイドロッド353の一端は、弁部351の弁孔316側とは反対側の端部に連結され、ソレノイドロット353の他端は、可動鉄心343に連結されている。なお、本実施形態においては、弁部351とソレノイドロッド353とが同径に形成されており、ソレノイドロッド353の端部が弁部351を構成している。
ここで、上述のように、感圧装置330において、ベローズ330aは、感圧室313の圧力、すなわち、吸入室141の圧力Psに応答して伸縮する。そして、吸入室141の圧力Psの低下に伴ってベローズ330aが所定長さ以上に伸長すると、端部部材330bが弁ユニット350の感圧ロッド352の前記他端に連結され、弁部351は、感圧ロッド352を介して弁孔316を開く方向(開弁方向)に付勢される。つまり、感圧装置330は、吸入室141の圧力Psに応答して動作し、感圧ロッド352を介して開弁方向の付勢力を弁部351に与えるように構成されている。
また、コイル346aが通電されると、ソレノイドハウジング341、固定鉄心342及びコイル組立体346の閉塞部材346bによって磁気回路が形成され、付勢部材344の付勢力に抗して可動鉄心343を固定鉄心342の前記一端面に向かって移動させる電磁力が発生する。そして、発生した電磁力によって可動鉄心343が移動すると、弁部351は、ソレノイドロッド353を介して弁孔316を閉じる方向(閉弁方向)に付勢される。したがって、本実施形態においては、ソレノイドハウジング341、固定鉄心342、可動鉄心343、コイル346a及び閉塞部材346bが、ソレノイドロッド353を介して閉弁方向の付勢力を弁部351に与える「ソレノイド部」を構成する。
本実施形態に係る制御弁300において、弁ユニット350(の弁部351)が弁孔316を開くと、前記吐出冷媒は、吐出室142から連通路104cを介して第1外側空間104b1に流れ、第1ポート320から制御弁300内に流入する。制御弁300内に流入した前記吐出冷媒は、弁孔316及び弁室315を通過し、その後、第2ポート321から第2外側空間104b2に流出する。そして、第2外側空間104b2に流出した前記吐出冷媒は、連通路104d及び連通路101eを介してクランク室140へと流れる(供給される)。
したがって、本実施形態においては、第1ポート320、弁孔316、弁室315及び第2ポート321によって、供給通路145の一部を構成する制御弁300の前記内部通路が形成される。また、第1ポート320が本発明の「入口ポート」に相当し、第2ポート321が本発明の「出口ポート」に相当し、弁孔316及び弁室315が本発明の「接続路」に相当する。
次に、制御弁300の動作を説明する。
本実施形態において、支持孔317は、弁孔316と同一の径を有している。また、弁部351は、その周縁部が弁孔316の周囲の弁座部316aに離接することによって弁孔316を開閉する。このため、弁部351に作用する吐出室142の圧力Pdによる力と、これと相反する、感圧ロッド352(の大径部352a)に作用する吐出室142の圧力Pdによる力とがほぼ等しくなっている。また、弁ユニット350の、クランク室140の圧力Pcを受ける部位の面積は、ベローズ330aの感圧面積より大幅に小さくなっている。したがって、制御弁300において、弁ユニット350は、吐出室142の圧力Pd及びクランク室140の圧力Pcの影響をほとんど受けず、コイル346aの通電量と吸入室141の圧力Psとに基づいて弁孔316を開閉する。なお、コイル346aの通電量は、空調設定(車室設定温度)や外部環境などに基づき、例えば前記エアコンシステムの制御装置(図示省略)によって設定される。
そして、制御弁300は、吸入室141の圧力Psがコイル346aの通電量に対応する所定値(設定圧力)よりも高くなると、弁孔316の開度を小さくして前記吐出冷媒のクランク室140への供給量を減少させる。これにより、クランク室140の圧力Pcが低下し、斜板111の傾角が大きくなって可変容量圧縮機100の吐出容量が増加する。一方、制御弁300は、吸入室141の圧力Psが前記設定圧力よりも低くなると、弁孔316の開度を大きくして前記吐出冷媒のクランク室140への供給量を増加させる。これにより、クランク室140の圧力Pcを上昇し、斜板111の傾角が小さくなって可変容量圧縮機100の吐出容量が減少する。
つまり、制御弁300は、吸入室141の圧力Psがコイル346aの通電量に対応する前記設定圧力に近づくように、弁ユニット350(の弁部351)によって弁孔316の開度を自律的に制御し、これによって、可変容量圧縮機100の吐出容量を変化させるように構成されている。
本実施形態に係る制御弁300において、第1ポート320は、上述のように、バルブボディ311の前記外周面に開口する前記一端から中心線X側に向かうにしたがって弁孔316の弁室315側の開口に近づくように傾斜して形成されている。換言すれば、第1ポート320は、前記一端から中心線X側に向かうにしたがって支持孔317から離れるように傾斜して形成されている。具体的には、第1ポート320は、そのポート中心線Yがバルブボディ311(弁孔316)の中心線Xに直交する直交面Pに対して所定角度α(<90°)を有して傾斜している。このため、第1ポート320の前記一端から制御弁300内に流入した前記吐出冷媒は、第1ポート320を通過することによって、弁孔316の弁室315側の開口に向かうように(支持孔317から離れるように)方向付けられることになる。
したがって、第1ポート320を通過した前記吐出冷媒は、支持孔317側に向かうことはほとんどなく、弁孔316及び弁室315を経て第2ポート321から流出する。このため、前記吐出冷媒が異物を含む場合であっても前記吐出冷媒に含まれた異物が支持孔317に侵入すること、具体的には、感圧ロッド352(の大径部352a)と外周面と支持孔317の内周面との隙間に侵入することが防止され、弁ユニット350の安定した動作が確保される。
特に、本実施形態においては、第1ポート320のポート中心線Yの延長線が弁孔316の弁室315側の開口を通過するように設定されており、さらには、弁室315内に開口する第2ポート321の前記他端に向かうように設定されている。このため、第1ポート320を通過した前記吐出冷媒は、弁孔316、さらには第2ポート321へと直接的に向かうことになる。したがって、圧力損失が低減されると共に、前記吐出冷媒に含まれた異物が支持孔317に侵入することがさらに効果的に防止される。
また、本実施形態において、弁孔316と支持孔317との境界近傍に配置される感圧ロッド352のテーパ部352cは、その外周面と直交面Pとがなす角度βが、第1ポート320のポート中心線Yと直交面Pとがなす角度αに等しいか又はそれよりも大きくなるように形成されている。このため、第1ポート320の前記一端から制御弁300内に流入した前記吐出冷媒は、第1ポート320に加えて、感圧ロッド352のテーパ部352cの外周面によっても弁孔316に向かうように(支持孔317から離れるように)方向付けられることになる。したがって、前記吐出冷媒に含まれた異物が支持孔317に侵入することがさらに効果的に防止される。
さらに、図2に示されるように、本実施形態において、吐出室142に連通する第1外側空間104b1(換言すれば、第1ポート320側の圧力領域)と、クランク室140の連通する第2外側空間104b2(換言すれば、第2ポート321側の圧力領域)とを区画するOリング300cは、第1ポート320の前記他端(弁孔316との接続端)の径方向外方に配置されている。このため、第1ポート320を傾斜させた場合であって、バルブボディ311の中心線X方向における長さの増大、ひいては、制御弁300の大型化が抑制される。
なお、上述の実施形態において、第1ポート320は、バルブボディ311の前記外周面に開口する前記一端から中心線X側に向かうにしたがって弁孔316の弁室315側の開口に近づくように傾斜して形成されている。すなわち、第1ポート320の全体が傾斜するように形成されている。しかし、これに限られるものではなく、第1ポート320の一部(特に弁孔316側の部位)がバルブボディ311の前記外周面側から中心線X側に向かうにしたがって弁孔316の弁室315側の開口に近づくように傾斜して形成されてもよい。また、第1ポート320の全体又は一部が傾斜して形成されることに加えて又は代えて、バルブボディ311の前記外周面側から中心線X側に向かうにしたがって弁孔316の弁室315側の開口に近づくように傾斜して第1ポート320内を流れる前記吐出冷媒を弁孔316の弁室315側の開口に向けてガイドするガイド部が第1ポート320内に設けられてもよい。
次に、図4、図5を参照して制御弁300の第2実施形態について説明する。図4は、制御弁300の第2実施形態を示す断面図であり、図5は、図4の要部拡大図である。なお、第1実施形態と共通の要素については同一符号を付してその説明は省略し、主に第1実施形態と相違する構成について説明する。なお、図示は省略するが、第2実施形態においては、弁収容室104bの開口部と底部とが第1実施形態とは逆に配置されているものとする。
第2実施形態において、制御弁300の外周面には、弁収容室104bの開口部側から底部側に向かって、Oリング301a、Oリング301b及びOリング301cが取り付けられている。そして、Oリング301aによって弁収容室104bの内部が外部空間から遮断されると共に、弁収容室104b内における制御弁300の外側空間が、Oリング301bとOリング301cとの間の第1外側空間104b1と、Oリング301cよりも弁収容室104bの底部側の第2外側空間104b2と、Oリング301aとOリング301bとの間の第3外側空間104b3とに区画されている。
そして、第1実施形態と同様、第1外側空間104b1は、シリンダヘッド104に形成された連通路104cを介して吐出室142に連通しており、第2外側空間104b2は、シリンダヘッド104に形成された連通路104d及びシリンダブロック101に形成された連通路101eを介してクランク室140に連通しており、第3外側空間104b3は、シリンダヘッド104に形成された連通路104eを介して吸入室141に連通している。なお、上述のように、第2実施形態においては、弁収容室104bの開口部と底部とが第1実施形態とは逆に配置されているため、第1実施形態に対して(図2)、第2外側空間104b2と第3外側空間104b3とが逆になっている。
第2実施形態において、制御弁300は、バルブボディ360と、区画部材370と、感圧装置331と、ソレノイドハウジング380と、固定鉄心342と、可動鉄心343と、付勢部材344と、収容部材345と、コイル346aと、弁ユニット390と、を含む。
弁収容室104bの前記底部側となるバルブボディ360の一端面360aには、第1感圧室361が形成されている。第1感圧室361は、バルブボディ360の一端面360aに開口する円柱状空間として形成されている。
バルブボディ360の他端面360bには、嵌合穴362が形成されている。嵌合穴362は、バルブボディ360の他端面360bに開口する略円柱状の穴として形成されており、嵌合穴362の底面には、弁孔316が形成されている(開口している)。具体的には、本実施形態において、嵌合穴362の前記底面は、中央の平坦部と、周縁部から前記平坦部に徐々に深くなるテーパ部とを有しており、前記中央の平坦部に弁孔316が形成されている(開口している)。弁孔316は、嵌合穴362の内部と第1感圧室361とを連通するように形成されている。
なお、第1感圧室361、嵌合穴362及び弁孔316は、バルブボディ360の中心線(=制御弁300の中心線)X上に配置されている(同一の中心線を有している)。
嵌合穴362の開口端には、固定鉄心342の大径部342bが圧入嵌合され、嵌合穴362の前記開口端よりも前記底面側の所定部位には、区画部材370が圧入嵌合されている。区画部材370は、嵌合穴362の内部を、弁孔316が開口する前記底面側の弁室315と、前記開口端に圧入固定された固定鉄心342の大径部342b側の第2感圧室363とに区画している。換言すれば、区画部材370は、嵌合穴362内において、弁室315と第2感圧室363とを区画形成する区画壁を構成している。したがって、本実施形態において、弁孔316は、弁室315内に開口する弁室315側の開口と、第1感圧室361内に開口する第1感圧室361側の開口とを有している。
区画部材370は、嵌合穴362の前記底面に向かって突出する共に徐々に縮径するテーパ部371を有している。テーパ部371は、中心線Xと同軸で配置されており、弁孔316の近傍まで延びている。また、テーパ部371の外周面は、弁室315内において、バルブボディ360の外周面側から中心線X側に向かうにしたがって弁孔316に近づく傾斜面を形成している。
また、区画部材370には、弁ユニット390の弁体391(後述する)を摺動自在に支持する支持孔372が形成されている。支持孔372は、バルブボディ360の中心線Xと同軸で配置されており、弁孔316よりも僅かに大きな径を有している。支持孔372の一端は、テーパ部371の先端面(すなわち、弁室315内)に開口し、支持孔372の他端は、第2感圧室363内に開口している。
バルブボディ360には、さらに第1ポート364、第2ポート365及び第3ポート366が形成されている。第1~第3ポート364~366は、バルブボディ360の中心線X方向において、互いに離間して形成されている。具体的には、第1ポート364と第2ポート365とは、バルブボディ360の中心線X方向において弁孔316を挟んでその両側に配置され、第3ポート366は、第1ポート364よりもバルブボディ360の他端面360b側に配置されている。すなわち、バルブボディ360の一端面360aから他端面360bに向かって、第2ポート365、第1ポート364、第3ポート366の順に配置されている。
第1ポート364の一端は、バルブボディ360の外周面におけるOリング301bとOリング301cとの間の第1部位、すなわち、吐出室142に連通する第1外側空間104b1に位置する部位に開口している。第1ポート364は、前記一端から中心線X側に向かって形成されており、第1ポート364の他端は、弁室315の内周面における区画部材370のテーパ部371に対応する部位に開口している。つまり、第1ポート364は、バルブボディ360の前記外周面における前記第1部位から弁室315まで延びるように形成されており、弁室315は、第1ポート364を介して、吐出室142に連通する第1外側空間104b1に連通している。
第2ポート365の一端は、バルブボディ360の前記外周面におけるOリング301cよりも一端面360a側の部位、すなわち、クランク室140に連通する第2外側空間104b2に位置する部位に開口している。第2ポート365は、前記一端から中心線X側に向かって形成されており、第2ポート365の他端は、第1感圧室361の内周面に開口している。つまり、第2ポート365は、バルブボディ360の前記外周面における前記第2部位から第1感圧室361まで延びるように形成され、第1感圧室361は、弁孔316を介して弁室315に連通している。したがって、弁室315は、弁孔316、第1感圧室361及び第2ポート365を介して、クランク室140に連通する第2外側空間104b2に連通している。
第3ポート366の一端は、バルブボディ360の前記外周面におけるOリング301aとOリング301bとの間の第3部位、すなわち、吸入室141に連通する第3外側空間104b3に位置する部位に開口している。第3ポート366は、前記一端から中心線X側に向かって形成されており、第3ポート366の他端は、第2感圧室363の内周面に開口している。したがって、第2感圧室363には、吸入室141の圧力Psが作用する。
感圧装置331は、第1感圧室361に収容されている。感圧装置331は、蛇腹状のベローズ331aと、ベローズ331aの一端を閉塞する第1端部部材331bと、ベローズ331aの他端を閉塞する第2端部部材331cと、ベローズ331aの内部に配置されてベローズ331aを伸長させる方向に付勢する付勢部材(圧縮コイルバネ)331dとを有する。本実施形態において、第1端部部材331b及び第2端部部材331cのそれぞれは、ベローズ331aの収縮を規制するストッパ部をベローズ331a内に有している。また、第2端部部材331cは、さらに、第1感圧室361の開口端を閉塞するキャップ部を有している。すなわち、第2端部部材331cは、第1感圧室361の開口端を閉塞するキャップ部材を兼ねている。
ソレノイドハウジング380は、固定鉄心342、可動鉄心343、付勢部材344、収容部材345及びコイル346aを保持又は収容する。
ソレノイドハウジング380は、円筒状の周壁部380aと、周壁部380aの一端に固定された端壁部380bと、を含む。ソレノイドハウジング380の端壁部380bには、嵌合穴380cが形成されており、この嵌合穴380cにバルブボディ360の他端面360b側の所定範囲が圧入嵌合されている。なお、本実施形態においては、ソレノイドハウジング380の周壁部380aの他端側が、第1実施形態におけるコイル組立体346の閉塞部材346bに対応する形状に形成されている。すなわち、本実施形態におけるソレノイドハウジング380の周壁部380aは、第1実施形態におけるソレノイドハウジング341の周壁部341b及びコイル組立体346の閉塞部材346bとしての機能を有している。
そして、コイル346aが通電されると、ソレノイドハウジング380及び固定鉄心342は磁気回路を形成し、付勢部材344の付勢力に抗して可動鉄心343を固定鉄心342の前記一端面に向かって移動させる電磁力を発生する。
弁ユニット390は、弁体391、感圧ロッド392及びソレノイドロッド393を含み、これらが一体的に連結されて構成されている。
弁体391は、円柱状に形成されている。弁体391は、区画部材370の支持孔372に摺動自在に支持されている。弁体391の一端は、弁室315内に配置されて、弁孔316を開閉する弁部391aを構成している。具体的には、弁部391aは、その周縁部が弁室315の前記底面の弁孔316の周囲の弁座部316aに離接することによって弁孔316を開閉する。また、弁体391の他端は、第2感圧室363内に配置されて、第2感圧室363の圧力(すなわち、吸入室141の圧力Ps)を受ける受圧部391bを構成している。
感圧ロッド392は、弁体391よりも小径に形成されており、弁孔316に挿通されている。感圧ロッド392の一端は、弁体391の弁部391aの中央部に連結され、感圧ロッド392の他端は、感圧装置331の第1端部部材331bに離間可能に連結されている。
ソレノイドロッド393は、感圧ロッド392と同様、弁体391よりも小径に形成されており、固定鉄心342に形成された挿通孔342cに隙間を有して挿通されている。ソレノイドロッド393の一端は、弁体391の受圧部391bの中央に連結され、ソレノイドロッド393の他端は、可動鉄心343に連結されている。
感圧装置331において、ベローズ331aは、弁ユニット390の感圧ロッド392が第1端部部材331bに連結されているときに、弁体391の受圧部391bが受ける第2感圧室363の圧力、すなわち、吸入室141の圧力Psに応答して伸縮する。そして、吸入室141の圧力Psの低下に伴ってベローズ331aが伸長すると、弁体391(弁部391a)は、感圧ロッド392を介して弁孔316を開く方向(開弁方向)に付勢される。つまり、感圧装置331は、第1実施形態における感圧装置330と同様、吸入室141の圧力Psに応答して動作し、感圧ロッド392を介して開弁方向の付勢力を弁体391(弁部391a)に与えるように構成されている。
また、コイル346aが通電されると、ソレノイドハウジング380及び固定鉄心342によって磁気回路が形成され、付勢部材344の付勢力に抗して可動鉄心343を固定鉄心342の前記一端面に向かって移動させる電磁力が発生する。そして、発生した電磁力によって可動鉄心343が移動すると、弁体391(弁部391a)は、ソレノイドロッド393を介して弁孔316を閉じる方向(閉弁方向)に付勢される。したがって、本実施形態においては、ソレノイドハウジング380、固定鉄心342、可動鉄心343、コイル346aが、ソレノイドロッド393を介して閉弁方向の付勢力を弁部391aに与える「ソレノイド部」を構成する。
本実施形態に係る制御弁300において、弁ユニット390の弁体391(の弁部391a)が弁孔316を開くと、前記吐出冷媒は、吐出室142から連通路104cを介して第1外側空間104b1に流れ、第1ポート364から制御弁300内に流入する。制御弁300内に流入した前記吐出冷媒は、弁室315、弁孔316及び第1感圧室361を通過し、その後、第2ポート365から第2外側空間104b2に流出する。そして、第2外側空間104b2に流出した前記吐出冷媒は、連通路104d及び連通路101eを介してクランク室140へと流れる(供給される)。
したがって、本実施形態においては、第1ポート364、弁室315、弁孔316、第1感圧室361及び第2ポート365によって、供給通路145の一部を構成する制御弁300の前記内部通路が形成される。また、第1ポート364が本発明の「入口ポート」に相当し、第2ポート365が本発明の「出口ポート」に相当し、弁室315、弁孔316及び第1感圧室361が本発明の「接続路」に相当する。また、主に弁室315によって本発明の「弁孔よりも入口ポート側の接続路」が構成されている。
ここで、上述のように、本実施形態において、第1ポート364の前記他端は、弁室315の前記内周面における区画部材370のテーパ部371に対応する部位に開口している。すなわち、区画部材370のテーパ部371は、第1ポート364の弁室315における開口に対峙するように設けられている。また、テーパ部371の前記外周面は、弁室315内において、バルブボディ360の前記外周面側から中心線X側に向かうにしたがって弁孔316に近づく傾斜面を構成している。換言すれば、テーパ部371の前記外周面は、バルブボディ360の前記外周面側から中心線X側に向かうにしたがって弁孔316の弁室315側に開口に近づく傾斜面を構成している。このため、第1ポート364から弁室315内に流入した前記吐出冷媒は、テーパ部371の前記外周面によって弁孔316に向けて案内される。すなわち、前記吐出冷媒は、テーパ部371の前記外周面に沿って流れることによって、弁孔316に向かうように方向付けられることになる。
したがって、第1ポート364から弁室315内に流入した前記吐出冷媒が支持孔372側に向かうことはほとんどなく、第1ポート364から弁室315内に流入した前記吐出冷媒は、弁孔316及び第1感圧室361を通過して第2ポート365から流出することになる。この結果、前記吐出冷媒が異物を含む場合であっても前記吐出冷媒に含まれた異物が弁体391の外周面と支持孔372の内周面との隙間に侵入することが防止され、弁ユニット390の安定した動作が確保される。
なお、ここでは、テーパ部371の前記外周面が、弁室315内に設けられてバルブボディ360の前記外周面側から中心線X側に向かうにしたがって弁孔316に近づく傾斜面、換言すれば、バルブボディ360の前記外周面側から中心線X側に向かうにしたがって弁孔316の弁室315側の開口に近づく傾斜面として説明されている。但し、別の見方をすれば、弁室315内には、区画部材370のテーパ部371の前記外周面と弁室315の内面とによって、バルブボディ360の前記外周面側から中心線X側に向かうにしたがって弁孔316に近づくように傾斜する環状の流路が形成されているということもできる。この場合、前記環状の流路が本発明の「弁孔よりも入口ポート側の接続路」に相当することになる。
ところで、上述の第2実施形態においては、バルブボディ360の他端面360bに形成された嵌合穴362の前記開口端に固定鉄心342の大径部342bが圧入固定され、嵌合穴362の前記開口端よりも前記底面側の前記所定部位に区画部材370が圧入固定されており、これによって、嵌合穴362の内部に弁室315と第2感圧室363とが区画形成されている。しかし、これに限られるものではない。例えば、図6の要部拡大図に示されるように、固定鉄心342の大径部342bが区画部材370を兼ねるように構成されてもよい。この場合、固定鉄心342の大径部342bは、ソレノイドハウジング380の端壁部380bから突出するように形成された突出部342b1を有し、突出部342b1の先端側部分が区画部材370としての機能を有するように形成される。具体的には、固定鉄心342の大径部342bの突出部342b1は、第2感圧室363を構成する内部空間及び第3ポート366を構成する連通孔を有すると共に、突出部342b1の先端側にテーパ部371及び支持孔372が形成される。そして、固定鉄心342の大径部342bの突出部342b1の前記先端側から所定範囲がバルブボディ360の他端面360bに形成された嵌合穴362に圧入嵌合される。
なお、本発明は、上述の各実施形態及び変形例に制限されるものではなく、本発明の技術的思想に基づいてさらなる変形及び変更が可能であることはもちろんである。
100…可変容量圧縮機、101a…シリンダボア、111…斜板、136…ピストン、140…クランク室(制御圧室)、141…吸入室、142…吐出室、145…供給通路、300…制御弁、311…バルブボディ、312…キャップ部材、312a…連通孔、313…感圧室、315…弁室、316…弁孔、317…支持孔、320…第1ポート(入口ポート)、321…第2ポート(出口ポート)、330…感圧装置、341…ソレノイドハウジング、342…固定鉄心、342a…固定鉄心の小径部、342b…固定鉄心の大径部、342b1…突出部、350…弁ユニット、351…弁部、352…感圧ロッド、352a…大径部、352b…小径部、352c…テーパ部、353…ソレノイドロッド、360…バルブボディ、361…第1感圧室、363…第2感圧室、364…第1ポート(入口ポート)、365…第2ポート(出口ポート)、366…第3ポート、370…区画部材(区画壁)、371…テーパ部、372…支持孔、380…ソレノイドハウジング、390…弁ユニット、391…弁体、391a…弁部、391b…受圧部、X…制御弁(バルブボディ、弁孔)の中心線、Y…ポート中心線、P…Xに直交する直交面
Claims (11)
- 圧縮前の冷媒が導かれる吸入室と、前記吸入室内の冷媒を圧縮する圧縮部と、前記圧縮部によって圧縮された圧縮後の冷媒が吐出される吐出室と、内部圧力に応じて前記圧縮部の状態を変化させて吐出容量を変化させる制御圧室とを含む可変容量圧縮機に用いられ、前記吐出室内の冷媒の前記制御圧室への供給量を制御する制御弁であって、
外周面の第1部位に開口すると共に中心線側に向かって形成されて前記吐出室内の冷媒が流入する入口ポートと、前記外周面の前記第1部位から前記中心線方向に離間した第2部位に開口すると共に前記中心線側に向かって形成されて前記入口ポートから流入した前記吐出室内の冷媒が流出する出口ポートと、前記入口ポートと前記出口ポートとを弁室及び前記弁室に開口する弁孔を介して接続する接続路と、を有するバルブボディと、
前記弁室内に設けられて前記弁孔を開閉する弁部と、
前記中心線方向における前記バルブボディの一方側に設けられ、ソレノイドロッドを介して閉弁方向の付勢力を前記弁部に与えるソレノイド部と、
前記中心線方向における前記バルブボディの他方側に設けられた感圧室内に配置され、前記吸入室の圧力に応答して動作し、感圧ロッドを介して開弁方向の付勢力を前記弁部に与える感圧装置と、
を含み、
前記ソレノイドロッドと前記弁部と前記感圧ロッドとは、一体的に連結されて弁ユニットを構成すると共に、前記弁ユニットが、前記中心線方向に延びると共に前記弁孔に連通するように前記バルブボディに設けられた支持孔に摺動自在に支持されている、前記制御弁において、
前記入口ポート及び前記弁孔より前記入口ポート側の前記接続路の少なくとも一方は、前記外周面側から前記中心線側に向かうにしたがって前記弁孔の前記弁室側の開口に近づくように傾斜する傾斜部を有する、
制御弁。 - 前記支持孔は、前記入口ポートが開口する前記外周面の前記第1部位の径方向内方に配置されている、請求項1に記載の制御弁。
- 前記入口ポートは、前記弁孔まで延びると共に前記外周面側から前記中心線側に向かうにしたがって前記弁孔に近づくように傾斜して形成されている、請求項1又は2に記載の制御弁。
- 前記入口ポートのポート中心線の延長線が前記弁孔の前記弁室側の開口を通過するように設定されている、請求項3に記載の制御弁。
- 前記入口ポートの前記ポート中心線の延長線がさらに前記出口ポートに向かうように設定されている、請求項4に記載の制御弁。
- 前記弁ユニットは、前記感圧ロッドが前記支持孔に支持されるように構成されており、
前記感圧ロッドは、前記支持孔に摺動自在に支持される大径部と、前記大径部よりも小径に形成されて前記弁孔に挿通されると共に前記弁部に連結される小径部と、前記大径部と前記小径部との間に設けられて外周面が徐々に縮径するテーパ部と、を有し、
前記テーパ部の前記外周面と前記中心線に直交する直交面とがなす角度は、前記入口ポートのポート中心線と前記直交面とがなす角度に等しいか又はそれよりも大きい、
請求項3~5のいずれか一つに記載の制御弁。 - 前記バルブボディは、前記支持孔が形成され且つ前記弁室を区画する区画壁を有し、
前記入口ポートは、前記弁室まで延びて前記弁室に開口しており、
前記区画壁は、前記入口ポートの前記弁室における開口に対峙するように設けられる共に前記弁孔に向かって徐々に縮径するテーパ部であって、前記弁孔より前記入口ポート側の前記接続路の前記傾斜部を構成する前記テーパ部を有し、
前記入口ポートから前記弁室に流入した前記吐出室内の冷媒が前記テーパ部によって前記弁孔に向けて案内されるように構成されている、
請求項1又は2に記載の制御弁。 - 前記テーパ部と前記弁室の内面とによって、前記弁室内に、前記外周面側から前記中心線側に向かうにしたがって前記弁孔に近づくように傾斜する、前記弁孔より前記入口ポート側の前記接続路が形成される、請求項7に記載の制御弁。
- 前記テーパ部は前記弁孔の近傍まで延設されている、請求項7又は8に記載の制御弁。
- 前記区画壁は、前記バルブボディとは別体で形成されており、
前記区画壁は、前記バルブボディに形成されると共にその底面に前記弁孔が開口する嵌合穴に嵌合されて、前記嵌合穴の前記底面側に前記弁室を区画形成するように構成されている、請求項7~9のいずれか一つの記載の制御弁。 - 圧縮前の冷媒が導かれる吸入室と、
前記吸入室内の冷媒を圧縮する圧縮部と、
前記圧縮部によって圧縮された圧縮後の冷媒が吐出される吐出室と、
内部圧力に応じて前記圧縮部の状態を変化させて吐出容量を変化させる制御圧室と、
請求項1~10のいずれか一つに記載の制御弁と、
を含む、可変容量圧縮機。
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