WO2018221644A1 - レチクル、レチクルユニット、ライフルスコープ及び光学機器 - Google Patents

レチクル、レチクルユニット、ライフルスコープ及び光学機器 Download PDF

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Abstract

所望のパターンが形成可能な新たな構成のレチクル、レチクルユニット、及びライフルスコープ等の光学機器を提供する。 観察対象を視認する際に指標となるパターンが形成されたレチクル30A1では、パターンは板状の光学部材31のパターン形成面31aに設けられた凸部33a,33bにより構成される。凸部33a,33bはパターンを構成する線の幅方向に並列して長さ方向に延びる複数の凸条133(構造体)により構成される。各凸条133は観察光路の光軸に対して傾斜した傾斜面140を有し、傾斜面の光軸Zに対する傾斜角度は、対物レンズから入射する光を観察光路外へ偏向させる角度に設定される。。

Description

レチクル、レチクルユニット、ライフルスコープ及び光学機器
 本発明は、観察者が観察対象を視認する際に指標となるパターンが形成されたレチクル、レチクルユニット、及び該レチクルまたはレチクルユニットを備えたライフルスコープ等の光学機器に関する。
 上記のようなレチクルを備えた光学機器として、ライフルスコープ、フィールドスコープ、測量機器、望遠鏡、顕微鏡などが例示される。例えば、ライフルスコープに代表される射撃照準用スコープ(以下、「ライフルスコープ」と呼ぶ)では、目標を狙うための十字線や弾丸降下補正線、ドット、若しくはこれらが複合されたパターンが形成されたレチクルが用いられている。このようなレチクルは、一般的に薄い光学ガラスを基板とし、ガラス基板上に2本のワイヤーを十字状に張り渡して接着したり、ガラス基板に溝を掘ってインクを固着したり、電鋳で十字線を形成したりする等により、入射光を遮光してパターンの像が視認されるように構成されていた(例えば、特許文献1、特許文献2を参照)。しかし、ワイヤーを張り渡す構成では線幅を途中で大きく変化させることが困難であり、電鋳では弾丸降下補正線やドット、記号のように線の端部または図形全体が宙に浮いたようなパターンを形成することは困難であった。
米国特許第7793456号明細書 米国特許第1302353号明細書
 第1の態様はレチクルである。第1のレチクルは、観察者が観察対象を視認する際に指標となるパターン(例えば、実施形態におけるレチクルパターン32)が形成され、対物レンズと接眼レンズとの間の観察光路内における対物レンズの像位置に配置されるのに適したレチクルである。このレチクルでは、前記パターンは板状の光学部材の少なくとも一方の面に設けられた凸部及び/または凹部を備え、前記凸部及び前記凹部はそれぞれ複数の構造体により構成される。各前記構造体は前記観察光路の光軸に対して傾斜した傾斜面を有し、前記傾斜面の前記光軸に対する傾斜角度は前記対物レンズから入射する光を前記観察光路外へ偏向させる角度に設定される。
 第2のレチクルは、観察者が観察対象を視認する際に指標となるパターンが形成されたライフルスコープ用のレチクルであり、以下を含んで構成される。透明な2つの透過面を持つ板状の光学部材、前記透過面上に形成された第1パターン(例えば、実施形態における直線パターン32a,32b、クロスパターン32d)と第2パターン(例えば、実施形態における円環パターン32c)、前記第1パターン及び前記第2パターンはそれぞれ前記透過面に対して傾斜した傾斜面を有する複数の構造体により形成され、ライフルスコープの光軸に対する前記傾斜面の傾斜角度α/2は、以下の条件を満足する;21°≦α/2≦70°。
 第2の態様はレチクルユニットである。このレチクルユニットは、第1の態様のレチクルに、さらに前記光学部材のいずれか一方の面に少なくとも構成面の一部を反射面とする反射部が形成されたレチクルと、前記反射部の側方に配置されて光を放射する光源と、前記光源と前記反射部との間に配設されて前記光源から放射された光を集光して前記反射面に導く集光部とを備え、前記光源から放射され前記集光部により集光されて前記反射面で反射された光を前記光学部材の他方の面から出射させて、前記パターンの像とともに視認されるように構成される。ここで、本明細書において「集光する」とは、光源から出射した発散光を集めて略平行光若しくは収斂光にすることをいう。
 第3の態様はライフルスコープ、及びフィールドスコープ、測量機器、望遠鏡などの光学機器である。これらは、観察対象の像を形成する対物レンズと、前記対物レンズによる前記観察対象の像を観察するための接眼レンズと、前記対物レンズと前記接眼レンズとの間の観察光路内における前記対物レンズの像位置に配置され、観察者が前記接眼レンズを通して前記観察対象を視認する際に指標となるパターンが形成された板状の光学部材を有する、上記第1の態様のレチクルまたは第2の態様のレチクルユニットと、を備えて構成される。
 第4の態様は第1の態様のレチクルの製造方法である。この製造方法は、金型面に金属メッキを行うステップと、金属メッキされた前記金型面上に前記構造体に対応する微細構造を複数形成して前記凸部及び/または前記凹部に対応した構造を形成するステップと、前記凸部及び/または前記凹部に対応した構造が形成された金型を成形機にセットしてレチクルを成形するステップと、を含んで構成される。ここで、「構造体に対応する微細構造」は、構造体の形状を凹凸反転した反転構造体である。「凸部に対応した構造」、「凹部に対応した構造」についても同様である。
光学機器の一例であるライフルスコープの概略構成を示す説明図である。 レチクルパターンを説明するための説明図であって、図2(a)はレチクルの斜視図、図2(b)はレチクルパターン形成面側から見た図である。 第1実施形態における第1構成形態のレチクルを説明するための説明図であり、図3(a),図3(b)はパターン線に垂直な面でレチクルを切断した模式的な断面図である。 パターン線を構成する構造体の部分を拡大した顕微鏡写真である。 観察対象側からレチクル上の凸部に入射した光の出射状況を説明するための説明図である。 第1実施形態における第2構成形態のレチクルを説明するための説明図であり、図6(a),図6(b)はパターン線に垂直な面でレチクルを切断した模式的な断面図である。 第1実施形態における第3構成形態のレチクルを説明するための説明図であり、パターン線に垂直な面でレチクルを切断した模式的な断面図である。 構造体の傾斜面の傾斜角度について説明するための説明図である。 第2実施形態における第1構成形態のレチクルを説明するための説明図であり、パターン線に垂直な面でレチクルを切断した模式的な断面図である。 パターン線と観察対象Tとが重なった状況で、これらの像が観察者にどのように認識されるかを説明するための説明図であり、図10(a)は第1実施形態のレチクル30Aの場合、図10(b)は第2実施形態のレチクル30Bの場合である。 第2実施形態における第2構成形態のレチクルを説明するための説明図であり、パターン線に垂直な面でレチクルを切断した模式的な断面図である。 第2実施形態における第3構成形態のレチクルを説明するための説明図であり、パターン線に垂直な面でレチクルを切断した模式的な断面図である。 構造体に設けられた透過面の構成比率を変化させたときの、観察対象とパターン線の見え方を模式的に示した説明図である。 構造体に設けられた透過面の構成比率をパターン線の幅方向の位置によって異なる比率とした構成を例示する説明図である。 構造体に設けられた透過面の構成比率をパターン線の長さ向の位置によって異なる比率とした構成を例示する説明図である。 構造体に設けられた透過面に曲率を設けた場合の構成を例示する説明図である。 第3実施形態のレチクルを説明するための説明図であり、レチクルパターンの他の構成例を示す図面である。 第3実施形態における第1構成形態の円環パターンの、第1構成例の部分拡大図である。 図18中の符号XIXで示す領域の斜視図である。 図18中のXX-XX矢視の断面図である。 第3実施形態における第1構成形態の円環パターンの、第2構成例の部分拡大図である。 第3実施形態における第2構成形態のクロスパターンの部分拡大図である。 図22中の符号XXIIIで示す領域の斜視図である。 図22中のXXIV-XXIV矢視の断面図である。 第3実施形態における第3構成形態の文字パターンの部分拡大図である。 第5実施形態として示すレチクルユニットの構成を説明するための説明図であり、照明光の光路を示す説明図である。 上記レチクルユニットの構成を説明するための説明図であり、レチクルのパターン形成面に形成される反射部の斜視図である。 上記レチクルユニットの構成を説明するための説明図であり、レチクルパターンに対する照明光の投射状態を示すレチクルユニットの正面図である。
 以下、本発明を実施するための形態について図面を参照して説明する。本実施形態に係るレチクルが用いられる光学機器の一例として、図1にライフルスコープRSの概要構成を示すとともに、図2にライフルスコープRSに用いられるレチクルの構成例を示しており、まずこれらの図面を参照して、ライフルスコープRSの概要から説明する。ライフルスコープRSは、観察対象側から順に、対物レンズ1と、正立レンズ2と、後述するレチクル30を備えたレチクルユニット3と、接眼レンズ4とを有して構成される。対物レンズ1、正立レンズ2、接眼レンズ4は、それぞれ単一のレンズまたは複数のレンズ(レンズ群)により構成することができる。本明細書においては、図1及び図2の図中に座標軸を示すように、ライフルスコープRSの光軸方向(観察光路の光軸方向)をz軸とする。そしてz軸に垂直に交わる面内で直交する2方向をx軸及びy軸とし、図1における紙面に垂直な方向をx軸、紙面に沿った方向をy軸とする。
 対物レンズ1は、観察対象側からの光を集光して観察対象の倒立像(一次像)IM1を形成し、また、正立レンズ2は、対物レンズ1により形成された倒立像である一次像IM1を正立像である二次像IM2に変換する。そして、対物レンズ1の一次像IM1と共役な位置に二次像IM2と略一致するように、レチクル30が配置されている。なお、レチクル30は、一次像IM1と略一致するように配置されていてもよい。すなわち、レチクル30は、対物レンズ1と接眼レンズ4との間の観察光路内における対物レンズ1の一次像または二次像の像位置に配置される。
 レチクル30は、可視領域を含む所望波長の光を透過する透明な円板状の光学部材31を主体とし、この光学部材31の一方の面に、標的に狙いを合わせる際に指標となるレチクルパターン32が形成されている。レチクルパターンには様々な形態があるが、本実施形態では、光学部材31の中心部から周縁部に向かってx軸方向及びy軸方向に延びる十字線状のレチクルパターン32を形成した構成を示す。また、x軸方向に延びるパターン線及びy軸方向における中心から下方に延びるパターン線は、中心近傍のパターン線を細く(線幅を狭く)外側のパターン線を太く(線幅を広く)し、y軸方向における中心から上方に延びるパターン線を細くした構成を例示する。細いパターン線をパターン線32a、太いパターン線をパターン線32bと表記する。これらのパターン線32a,32bはいずれもレチクルパターン32を構成する直線状の部分パターンである。以下では、細いパターン線32aを細い直線パターン、太いパターン線32bを太い直線パターンとも表記する。パターン線32a,32bの具体的な線幅はレチクルの用途や機能、観察者の好みなどにより様々であるが、ライフルスコープ用のレチクルの場合には、細いパターン線32aの線幅は5~50μm程度、太いパターン線32bの線幅は50~250μm程度の範囲で設定される。
 レチクル30は、x軸方向及びy軸方向に延びるパターン線の交点がライフルスコープRSの光軸(観察光路の光軸)Zに略一致するように配置される。また、レチクル30は、レチクルパターン32が形成された面(以下、「パターン形成面」という)31aが、正立レンズ2により形成される二次像IM2(または対物レンズ1により形成される一次像IM1)と略一致するように配置され、パターン形成面31aは接眼レンズ4の物体側焦点面と略一致している。そのため、観察者が接眼レンズ4側からレチクル30を通して観察対象を見たときに、観察対象の二次像IM2(または一次像IM1)とレチクルパターン32の像とが重畳し、接眼レンズ4を通して観察者の眼5により視認される。これにより、標的である観察対象(ターゲット)に対してライフルスコープRSの光軸Zを正確に合わせ、ターゲットに照準を合わせることができるようになっている。
 レチクル30において、レチクルパターン32は、レチクル30の基材ないし基板である光学部材31の少なくともパターン形成面31aに設けられた凸部及び/または凹部により構成される。凸部及び凹部はそれぞれ複数の構造体により構成され、各構造体は対物レンズ1から入射する光を屈折する屈折面を有し、これら複数の構造体における各屈折面の傾きは、対物レンズ1側から入射した光を観察光路外に屈折することにより、パターン32の像が観察対象の像に重畳した暗パターンとして観察者に視認されるように構成される。
[第1実施形態]
 第1実施形態のレチクル30Aは、凸部はレチクルパターン32を構成する線の幅方向に並列して長さ方向に延びる複数の凸条により構成され、凹部はレチクルパターン32を構成する線の幅方向に並列して長さ方向に延びる複数の溝により構成される。すなわち、本実施形態では、凸部を構成する複数の構造体は並列する複数の凸条であり、凹部を構成する複数の構造体は並列する複数の溝である。そして、レチクル30を通して観察対象を見たときに、観察対象側からレチクル30に入射した光が、凸部及び/または凹部により偏向されて、レチクルパターン32の像が視認されるように構成される。
 このような特徴を有するレチクル30Aについて、本実施形態に含まれる第1構成形態のレチクル30A1を例示する図3~図5を参照して説明する。ここで、図3(a),図3(b)は、パターン線32a,32bに垂直に交わる面でレチクル30A1を切断した模式的な断面図、図4はパターン線32a,32bの部分を拡大した顕微鏡写真、図5は観察対象側からレチクル30A1の凸部に入射した光の出射状況を説明するための説明図である。
 第1構成形態のレチクル30A1は、レチクルパターン32のパターン線32a,32bが、光学部材31のパターン形成面31aに設けられた凸部33a,33bにより構成される。凸部33aは線幅が狭いパターン線(細い直線パターン)32aに対応し、凸部33bは線幅が広いパターン線(太い直線パターン)32bに対応する。凸部33a及び凸部33bは、ともに、パターン線の幅方向に並列しパターン線の長さ方向に延びる複数の微細な凸条(ridge)133,133,133…により構成される。換言すれば、凸部33a,33bは、パターン線の線幅よりも幅が狭い複数の凸条133により構成される。各凸条133は、パターン線が延びる方向と直交方向の断面形状がパターン形成面31aから観察対象側に突出する三角プリズム状で、パターン線の長さ方向に延びて形成される。
 凸条133を構成する二つの傾斜面140,140の光軸Zに対する傾斜角度は、各傾斜面に入射して屈折により偏向し、パターン形成面31aに対向する光学部材の他方の面(以下、「対向面」という)31bから出射する光が、レチクル30A1の後側に設けられる接眼レンズ4を透過する角度よりも大きくなるように設定される。端的には、凸条133,133,133…により偏向されてレチクル30A1から出射する光が、接眼レンズ4を透過して観察者の眼5に入射しないように設定される。凸条133の二つの傾斜面140,140は入射光を屈折させる屈折面を構成する。
 凸部33a,33bは、パターン線の線幅に応じた本数の凸条133で構成することができる。すなわち、細い直線パターン(線幅が狭いパターン線)32aを形成する凸部33aは、少ない本数の凸条133で構成し、太い直線パターン(線幅が広いパターン線)32bを形成する凸部33bは、多い本数の凸条133で構成することができる。図4に示す直線パターンの構成例では、線幅がwの狭い細い直線パターン32aの凸部33aを5本の凸条133で構成し、線幅が5wの太い直線パターン32bの凸部33bは25本の凸条133で構成している。本構成例における個々の凸条133の幅は約10μmである。
 このような構成のレチクル30A1を備えたライフルスコープRSでは、観察対象側(図3における左側)からパターン形成面31aに入射した光が、凸条133,133,133…の傾斜面140で屈折し、ライフルスコープRSの光軸Zから離間する方向に偏向されて、光学部材の対向面31bから出射する。このとき、光学部材の対向面31bから出射する光の出射角度は、接眼レンズ4を透過し得る出射角度よりも大きいため接眼レンズ4から観察者の眼5に入射しない。傾斜面140で屈折し対向面31bから出射した光(便宜的に、「偏向光」という)は、例えば図5に示すように、レチクル30A1や接眼レンズ4等を保持する鏡筒の内周面に吸収される。そのため、接眼レンズ4側から標的となる観察対象を目視する観察者には、凸部33a,33bが設けられた部分からの光が見えず、直線パターン32a,32bが暗黒の線として視認されて、レチクルパターン32の像が明瞭に観察される。
 本実施形態のレチクル30A1においては、1本のパターン線が、線幅に応じた複数の凸条133により構成される。そのため、凸部33a,33bを単一の凸条で構成した場合と比較して、パターン形成面31aから突出する凸部の高さを大幅に抑制することができる。これにより、レチクルの厚さを薄く構成できるとともに、凸部33a,33bの損傷を抑制して保管時や組み付け時等の取り扱いが容易なレチクルを提供することができる。さらに、パターン線32a,32bを線幅に比例した本数の凸条133で構成すれば(単位線幅当たりの凸条の形成密度を同一とすれば)、線幅によらずコントラストが均一なレチクルパターンを得ることができる。
 本実施形態に含まれる第2構成形態のレチクル30A2について説明する、本構成形態のレチクル30A2は、第1構成形態のレチクル30A1における凸条をV溝(V字状の溝)とした、すなわちパターン形成面31aに設けられる構造体を凸条からV溝に変更した構成形態である。図6(a),図6(b)は、図3(a),図3(b)に対応し、パターン線32a,32bに垂直に交わる面でレチクル30A2を切断した模式的な断面図である。
 レチクル30A2では、レチクルパターン32のパターン線32a,32bが、光学部材のパターン形成面31aに形成された凹部34a,34bにより構成される。凹部34aは細い直線パターン(線幅が狭いパターン線)32aに対応し、凹部34bは太い直線パターン(線幅が広いパターン線)32bに対応する。凹部34a及び凹部34bは、ともに、パターン線の幅方向に並列しパターン線の長さ方向に延びる複数の微細なV溝134,134,134…により構成される。すなわち、凹部34a,34bは、パターンの線幅よりも幅が狭い複数のV溝134により構成される。各V溝134は、パターン線が延びる方向に直交する方向の断面形状がパターン形成面31aに向けて開くV字状で、パターン線の長さ方向に延びて形成される。
 V溝134を構成する二つの傾斜面(屈折面)140,140の光軸Zに対する傾斜角度は、各傾斜面に入射して屈折により偏向し、対向面31bから出射する偏向光の少なくとも一部が、レチクルの後側に設けられる接眼レンズ4を透過する角度よりも大きくなるように設定される。端的には、V溝134,134,134…により偏向されてレチクル30A1から出射する光が、接眼レンズ4を透過して観察者の眼5に入射しないように設定される。
 凹部34a,34bは、直線パターンの線幅に応じた本数のV溝134で構成することができる。すなわち、細い直線パターン(線幅が狭いパターン線)32aを形成する凹部34aは、少ない本数のV溝134構成し、太い直線パターン(線幅が広いパターン線)32bを形成する凹部34bは、多い本数のV溝134で構成することができる。例えば、線幅がwの細い直線パターン32aの凹部34aを3本のV溝134で構成し、線幅が4wの太い直線パターン32bの凹部34bを12本のV溝134で構成する。
 このような構成のレチクル30A2を備えたライフルスコープRSにおいても、観察対象側からパターン形成面31aに入射した光が、V溝134,134,134…の傾斜面140で屈折し、ライフルスコープの光軸Zから離間する方向に偏向されて、光学部材の対向面31bから出射する。このとき、光学部材の対向面31bから出射する偏向光の出射角度は、接眼レンズ4を透過し得る出射角度よりも大きいため接眼レンズ4から観察者の眼5に入射しない。そのため、接眼レンズ4側から標的となる観察対象を目視する観察者には、凹部34a,34bが設けられた部分からの光が見えず、直線パターン32a,32bが暗黒の線として視認されて、レチクルパターン32の像が明瞭に観察される。
 レチクル30A2においては、1本のパターン線が、線幅に応じた複数のV溝134により構成される。このため、凹部を単一のV溝で構成した場合と比較して、凹部の深さを大幅に抑制することができ、これにより、レチクルの厚さを薄くできるとともに、弾丸発射時の衝撃や外力に対する抗力を向上させたレチクルを提供することができる。さらに、パターン線32a,32bを線幅に比例した本数のV溝134で構成すれば(単位線幅当たりのV溝の形成密度を同一とすれば)、線幅によらずコントラストが均一なレチクルパターンを得ることができる。
 本実施形態に含まれる第3構成形態のレチクル30A3では、パターン線32a,32bは、光学部材のパターン形成面31aに設けられた凹凸部35a,35b(凹凸部35bは不図示)により構成される。図3(a)及び図6(a)に対応するパターン線32aの模式的な断面図を図7に示す。凹凸部35aは、パターン形成面31aから観察対象側に突出する凸条133と、パターン形成面31aに開くV溝134とが交互に連結された複合構成になっている。すなわち、凹凸部35a(及び35b)は、直線パターンの線幅よりも幅が狭い凸条133とV溝134が線幅方向に交互に設けられて構成される。このようなレチクル30A3においては、1本のパターン線が、線幅に応じた複数の凸条133とV溝134の連結構造により構成される。
 このため、凹凸部を単一の凸条またはV溝からなる構成、または一組の凸条及びV溝からなる構成とした場合と比較して、パターン形成面31aから突出する凸条部の高さを大幅に抑制でき、かつパターン形成面31aから陥没するV溝部の深さを大幅に抑制することができる。これにより、レチクルの厚さを薄く構成できる。また、凸条の損傷を抑制して保管時や組み付け時等の取り扱いを容易とし、弾丸発射時の衝撃や外力に対する抗力が高いレチクルを提供することができる。さらに、直線パターン32a,32bを線幅に比例した本数の凸条133とV溝134で構成すれば、線幅によらずコントラストが均一なレチクルパターンを得ることができる。
 ライフルスコープRSの光軸Zに対する凸条133の傾斜面(屈折面)140の傾斜角度と、光軸Zに対するV溝134の傾斜面140の傾斜角度は、既述した構成形態と同様に設定され、レチクル30A3から出射する偏向光が、接眼レンズ4を透過して観察者の眼5に入射しないように設定される。凹凸部35a,35bを構成する凸条133及びV溝134の本数は、パターン線の線幅に応じて設定することができ、細い直線パターン32aを形成する凹凸部35aの凸条133及びV溝134の本数は少なく、太い直線パターン32bを形成する凹凸部35bの凸条133及びV溝134の本数は多く設定される。
 このように構成さるレチクル30A3では、観察対象側(図7における左側)からパターン形成面31aに入射した光が、凸条133の傾斜面140及びV溝134の傾斜面140で屈折し、いずれもライフルスコープの光軸Zから離間する方向に偏向されてレチクル30A3から出射する。レチクル30A3から出射する偏向光の出射角度は、接眼レンズ4を透過し得る出射角度よりも大きいため接眼レンズ4から観察者の眼5に入射せず、レチクル30A3や接眼レンズ4等を保持する鏡筒の内周面などに吸収される。そのため、観察者には凹凸部35a,35bが設けられた部分からの光が見えず、直線パターン32a,32bが暗黒の線として視認され、レチクルパターン32の像が明瞭に観察される。
 以上説明したレチクル30A(30A1,30A2,30A3)においては、レチクルパターン32が、光学部材のパターン形成面31aに設けられた凸部及び/または凹部により構成される。凸部33a,33bはレチクルパターン32を構成する線の幅方向に並列して長さ方向に延びる複数の凸条133により構成され、凹部34a,34bはレチクルパターン32を構成する線の幅方向に並列して長さ方向に延びる複数のV溝134により構成される。凹凸部35a,35bは、レチクルパターン32を構成する線の幅方向に並列して長さ方向に延びる複数の凸条133及びV溝134の複合体により構成される。
 このため、凸部を複数の凸条で構成したレチクル30A1においては、パターン形成面31aから突出する凸部の高さを大幅に抑制することができる。これにより、レチクルの厚さを薄くできるとともに、凸部の損傷を抑制して取り扱いが容易なレチクルを提供することができる。凹部を複数のV溝で構成したレチクル30A2においては、凹部の深さを大幅に抑制することができ、これにより、レチクルの厚さを薄くできるとともに、弾丸発射時の衝撃や外力に対する抗力を向上させたレチクルを提供することができる。凹凸部を凸条とV溝の複合構造としたレチクル30A3においては、パターン形成面31aから突出する凸条部の高さを大幅に抑制でき、パターン形成面31aから陥没するV溝部の深さを大幅に抑制することができる。これにより、レチクルの厚さを薄くできるとともに、凸条の損傷を抑制して保管時や組み付け時等の取り扱いを容易とし、弾丸発射時の衝撃や外力に対する抗力が高いレチクルを提供することができる。
 さらに、本実施の形態に係るレチクル30Aでは、パターン線を構成する凸条やV溝等の本数を適宜変更することにより、所望線幅のパターン線を容易に形成できる。そのため、レチクルパターンの基本構成は同一であるが、レチクルパターンを構成する各パターン線の線幅や組み合わせが異なる複数種類のレチクルを、光学部材31の板厚等を変更することなく容易に構成することができる。さらに、凸部や凹部等を単一の凸条やV溝等で構成した場合と比較して、パターンの明暗ムラを抑制してコントラストが均一なレチクルパターンを得ることができる。なお、傾斜面140を平坦な面とした構成を例示したが、傾斜面は曲面や放物面等であっても良い。
 次に、以上のようなレチクル30Aにおいて、傾斜面140で偏向された偏向光が観察者の眼5に入射しないように設定される傾斜面(屈折面)140の傾斜角度について、レチクル30A1を例として説明する。
 図8に示すように、レチクル30A1における凸条133の頂角をα、ライフルスコープRSの光軸Zに対する傾斜面140の傾斜角度をα/2とする。このとき傾斜面140に入射した光は、傾斜角度α/2が大きいほど光軸Zに近く、傾斜角度α/2が小さいほど光軸Zから離れる方向に屈折する。そのため、傾斜面140に入射して屈折した光が接眼レンズ4に入射しないようにするためには、基本的には、傾斜面140の傾斜角度α/2は所定角度以下とすることが好ましい。このような見地での上記所定角度(便宜的に「第1所定角度」という。)α1/2は、主として、対物レンズ1の集光角θとレチクル30A1の基材(光学部材31)の屈折率nと接眼レンズ4の開口(光束取り込み角)Vとに基づいて求めることができる。
 ライフルスコープの場合、対物レンズ1の集光角θは10°~30°程度、射出成形に適したレチクルの基材の屈折率nは1.46~1.53程度、接眼レンズ4の光束取り込み角Vは18°~26°程度である。そのため、上記第1所定角度α1/2は、接眼レンズ4の光束取り込み角Vに応じてほぼ定まる。接眼レンズ4の光束取り込み角Vが18°の光学系を用いた場合に第1所定角度α1/2は54°~58°、光束取り込み角Vが26°の光学系を用いた場合に第1所定角度α1/2は42°~47°となる。この角度は凸条133をV溝134とした場合についても同様である。
 さらに、レチクル基材の材料としてガラスモールド加工や、注型成形などに適した材料においてはレチクル基材の屈折率nは1.43~1.8程度である。このような基材を用いた場合、上記第1所定角度α1/2は、接眼レンズ4の光束取り込み角Vが18°の光学系で52°~70°、光束取り込み角Vが26°の光学系で39°~62°となる。この角度は凸条133をV溝134とした場合についても同様である。
 一方、傾斜面140の傾斜角度α/2が小さくなると、傾斜面140に入射して屈折した光の光軸Zに対する傾斜角が大きくなり、一方の傾斜面(傾斜角度がα/2の傾斜面)140に入射して屈折した光が、他方の傾斜面(傾斜角度が-α/2の傾斜面)140に入射するようになる。このような光は他方の傾斜面への入射角が大きいために他方の傾斜面で全反射され、いわゆる迷光となって接眼レンズ4に入射し得る。そのため、迷光の発生を抑制するためには、傾斜面140の傾斜角度α/2は所定角度以上とすることが好ましい。このような見地での上記所定角度(便宜的に「第2所定角度」という。)α2/2は、主として、対物レンズ1の集光角θとレチクル30A1の基材の屈折率nと接眼レンズ4の光束取り込み角Vとに基づいて求めることができる。
 射出成型に適した基材においては、対物レンズ1として集光角θ=10°の光学系を用いた場合、接眼レンズ4の光束取り込み角Vが18°で、第2所定角度α2/2は21°~22°、光束取り込み角Vが26°では、第2所定角度α2/2は23°~24°となる。また、対物レンズ1として集光角θが30°の光学系を用いた場合、接眼レンズ4の光束取り込み角Vが18°で、第2所定角度α2/2は23°~24°、光束取り込み角Vが26°では、第2所定角度α2/2は25°~26°となる。この角度は凸条133をV溝134とした場合についても同様である。
 さらに、ガラスモールド加工や、注型成形などに適した基材においては、対物レンズ1として集光角θ=10°の光学系を用いた場合、接眼レンズ4の光束取り込み角Vが18°で、第2所定角度α2/2は21°~24°、光束取り込み角Vが26°では、第2所定角度α2/2は23°~25°となる。また、対物レンズ1として集光角θが30°の光学系を用いた場合、接眼レンズ4の光束取り込み角Vが18°で、第2所定角度α2/2は23°~25°、光束取り込み角Vが26°では、第2所定角度α2/2は25°~27°となる。この角度は凸条133をV溝134とした場合についても同様である。
 以上から、凸条133(V溝134)の傾斜面140の傾斜角度α/2は、第1所定角度α1/2以下であることが好ましく、さらに第2所定角度α2/2以上である角度範囲内(α2/2≦α/2≦α1/2)で設定することが好ましい。具体的には、傾斜面140の傾斜角度α/2を21°≦α/2≦70°に設定することで、ガラスモールド加工や注型成形に好適な比較的高屈折率基材のレチクルを用いたライフルスコープでパターン線32a,32bを明瞭に視認することが可能になる。また、傾斜面140の傾斜角度α/2を21°≦α/2≦58°に設定することで、射出成形に好適な基材のレチクルを用いたライフルスコープでパターン線32a,32bを明瞭に視認することが可能になる。
 また、傾斜面140の傾斜角度α/2を26°≦α/2≦42°に設定すれば、射出成形に好適な基材のレチクル及び、ガラスモールド加工や注型成形に好適なほとんどの基材のレチクルを用いたライフルスコープでコントラストが高いパターン線32a,32bを明瞭に視認することができる。さらに、傾斜面140の傾斜角度α/2を27°≦α/2≦39°に設定すれば、ガラスモールド加工や、樹脂材料を用いた射出成形、注型成形を含め、型を用いて成形加工により形成されるレチクルを用いたライフルスコープのほぼ全てについてコントラストが高いパターン線32a,32bを明瞭に視認することができる。
[第2実施形態]
 次に、第2実施形態のレチクル30Bについて説明する。第2実施形態のレチクル30Bは、パターン線32a,32bが暗黒ではなく、観察対象側からの光を一部透過して観察者がパターン線を透して観察対象を視認可能に構成される。第2実施形態のレチクル30Bは、凸部33a,33bを構成する構造体の凸条133、凹部34a,34bを構成する構造体のV溝134、凹凸部35a,35bを構成する構造体の凸条133及びV溝134の、断面形状の一部のみが異なり、他は既に説明した第1実施形態のレチクル30A(30A1,30A2,30A3)と同様である。そこで、以下では同様の構成要素に同一番号を付して重複説明を省略し、相違する部分を中心に説明する。
 図9に、パターン線32aに垂直な面で切断した模式的な断面図を示しており、この図を参照して第1構成形態のレチクル30B1について説明する。レチクル30B1は、凸条133を構成する一対の傾斜面140,140の間に、観察対象側から入射した光を観察者が視認し得るように透過する透過面145を設けて構成される。透過面145は、凸条133の頂部を平坦に削り落としたような態様であり、左右の傾斜面140、140の間を結んで透過面145がパターン形成面31aと略平行に形成される。
 このような構成のレチクル30B1では、観察対象側からレチクル30B1に入射した光のうち傾斜面140に入射した光は、傾斜面140で屈折して光軸Zから離間する方向に偏向され光学部材の対向面31bから出射する。このように偏向された光は光路外に導出されるため観察者の目には見えず暗黒の線像として入射する。一方、観察対象側からレチクル30B1に入射した光のうち透過面145に入射した光は、透過面145でほとんど屈折されることなくライフルスコープRSの光軸Zに沿って対向面31bから出射する。対向面31bから出射した光は接眼レンズ4を通り、観察者の目5に観察対象の部分的な像が入射する。
 隣接する他の凸条133も同様であり、観察対象側から傾斜面140,140,140…に入射した光は光路外に偏向される。そのため観察者の目には複数の暗黒の線像が入射し、観察者にはこれらの複数の線像が一体になってパターン線32a,32bの像として認識される。また、観察対象側から透過面145,145,145…に入射した光は光軸Zに沿って透過する。そのため観察者の目には複数の観察対象の部分的な像が入射し、観察者にはこれらの部分的な像が一体になって観察対象の像として認識される。
 図10は、パターン線32bと観察対象Tとが重なった状況で、これらの像が観察者にどのように認識されるかを説明するための説明図であり、図10(a)は第1実施形態のレチクル30Aの場合、図10(b)は第2実施形態のレチクル30Bの場合である。図10(a)に示すように、第1実施形態のレチクル30Aでは、パターン線32bが暗黒の線になり、観察者にはこのパターン線32bと重なった部分の観察対象Tの像は見えない。一方、図10(b)に示すように、第2実施形態のレチクル30Bでは、パターン線32bの部分は複数の暗黒の線像と観察対象Tの部分的な透過像とが合成された状態になる。そのため、観察者にはパターン線32bの像と観察対象Tの像の両方が視認され、薄暗いパターン線32bを透して観察対象Tが観察される。これは、透明なガラス板に、光を透過しない遮蔽部と光を透過するスリット部とを交互に密接して形成したスリット板を通して観察対象を見たときに似た状況といえる。
 図9には、凸条133を構成する一対の傾斜面140,140の間(凸条の頂部)に透過面145を設けた構成を例示したが、隣接する凸条133,133の対向する二つの傾斜面140,140の間(隣接する凸条間の底部)に透過面145を設けてもよく、凸条の頂部と凸条間の底部の両方に設けてもよい。
 図11に、第2構成形態のレチクル30B2をパターン線32aに垂直な面で切断した断面図を示す。レチクル30B2は、V溝134を構成する一対の傾斜面140,140の間(V溝の底部)に、観察対象側から入射した光を観察者が視認し得るように透過する透過面145を設けて構成される。透過面145は、V溝134の底部を平坦に埋めたような態様であり、左右の傾斜面140,140の間を結んで透過面145がパターン形成面31aと略平行に形成される。
 このような構成のレチクル30B2においても、観察対象側から入射した光の挙動は第1構成形態のレチクル30B1と同様である。すなわち、観察対象側からレチクル30B2に入射した光のうち傾斜面140に入射した光は、傾斜面140で屈折してライフルスコープRSの光軸Zから離間する方向に偏向され光路外に出射するため、観察者の目には暗黒の線像として入射する。また、観察対象側からレチクル30B2に入射した光のうち透過面145に入射した光は、透過面145でほとんど屈折されることなく光軸Zに沿って進み観察者の目に観察対象の部分的な像が入射する。
 隣接する他のV溝134も同様であり、観察対象側から傾斜面140,140,140…に入射した光は光路外に偏向され、観察者の目には複数の暗黒の線像が入射する。観察者にはこれらの複数の線像が一体になってパターン線32a,32bの像として認識される。観察対象側から透過面145,145,145…に入射した光は光軸に沿って透過し、観察者の目には複数の観察対象の部分的な像が入射する。観察者にはこれらの部分的な像が一体になって観察対象の像として認識される。
 そのため、例えばパターン線32bの部分は複数の暗黒の線像と観察対象Tの部分的な透過像とが合成された状態になり、図10(b)に示したように、観察者には薄暗いパターン線32bを透して観察対象Tが観察される。
 なお、図11には、V溝134を構成する一対の傾斜面140,140の間(V溝の底部)に透過面145を設けた構成を例示したが、隣接するV溝134,134の背中合わせの二つの傾斜面140,140の間(隣接するV溝間の頂部)に透過面145を設けてもよく、V溝の底部とV溝間の頂部の両方に設けてもよい。
 第3構成形態のレチクル30B3は、複数の凸条133及びV溝134からなるが凹凸部35における、凸条133の頂部及び/またはV溝134の底部に平坦な透過面145を設けて構成される。図12には、凸条133の頂部とV溝134の底部の両方に透過面145を形成した構成の凹凸部35aの断面図を例示する。これは、上述した第1構成形態のレチクル30B1と第2構成形態のレチクル30B2とを一体化させた構造であり、観察対象側から入射した光の挙動は、既述した第1,第2構成形態のレチクル30B1,30B2と同様である。
 すなわち、観察対象側からレチクル30B3に入射した光のうち傾斜面140に入射した光は、ライフルスコープRSの光軸Zから離間する方向に偏向されて光路外に出射し観察者の目には暗黒の線像として入射する。観察者にはこれらの複数の線像が一体になってパターン線32a,32bの像として認識される。観察対象側からレチクル30B3に入射した光のうち透過面145に入射した光は、光軸Zに沿って進み観察者の目に観察対象の部分的な像が入射する。観察者にはこれらの部分的な像が一体になって観察対象の像として認識される。そのため、パターン線32bの部分は複数の暗黒の線像と観察対象Tの部分的な透過像とが合成された状態になり、図10(b)に示したように、観察者には薄暗いパターン線32bを透して観察対象Tが観察される。
 なお、図12には、凸条133を構成する一対の傾斜面140,140の間(凸条の頂部)、及びV溝134を構成する一対の傾斜面140,140の間(V溝の底部)の両方に透過面145を設けた構成を例示したが、透過面145をいずれか一方(例えば凸条の頂部)にのみ設ける構成としても良い。
 以上説明した第2実施形態のレチクル30B(30B1,30B2,30B3)において、凸部33(33a,33b),凹部34(34a,34b)、凹凸部35(35a,35b)における透過面145の構成比率ζは1%~99%とすることができる。図9,図11,図12の各図中に示すように、光軸方向に見た傾斜面140の幅をs1,s2とし、透過面145の幅をt1,t2とする。このとき、凸部33における透過面145の構成比率ζはζ=t1/(2s1+t1)、凹部34における透過面145の構成比率はζ=t2/(2s2+t2)、凹凸部35にける透過面145の構成比率はζ=(t1+t2)/(2s1+t1+2s2+t2)で求められる。
 透過面145の構成比率ζを変化させたときの、観察対象Tとパターン線32bの見え方を模式的に示した説明図を図13(a),図13(b),図13(c)に示す。各図における透過面145の構成比率ζは、図13(a),図13(b),図13(c)の順にζ1<ζ2<ζ3である。図示するように、透過面145の構成比率ζが小さいほどパターン線32bが明瞭に視認され、透過面145の構成比率ζが大きくなるほど観察対象Tが明瞭に視認される。透過面145がパターン形成面31aと平行な平面である場合、透過面145の構成比率は光軸に沿った光の透過率とほぼ同義になる。
 ここで、人間の目のコントラスト識別能力は1~2%程度である(ウェーバー・フェヒナーの法則)。すなわち、人間の目は1%程度の輝度差がある2つの物体を識別することができる。そのため、明るい背景の中に1%程度暗いパターン線を識別することができ、暗いパターン線の中に1%程度明るい観察対象を認識することができる。従って、凸部33,凹部34、凹凸部35における透過面145の構成比率ζを1%~99%とすることにより、観察対象Tとパターン線32a,32bの両方を視認することができる。なお、透過面145の構成比率ζは10%~40%とすることが好ましい。ζ<10%では観察対象Tの細かい動きを視認しにくくなり、ζ>40ではパターン線32a,32bが薄くなってターゲットに照準を合わせづらくなるからである。また、構成比率ζを25%~30%とすることがより好ましい。この範囲内で構成比率ζを設定すれば、快晴の昼光下のような明るい状況でも夕方や月光下のような薄暗い状況でも、観察対象T及びパターン線32a,32bを視認でき、容易にターゲットに照準を合わせられるからである。
 また、人間の目は0.1mm程度の分解能を持つといわれる。例えば、暗黒の中に2本の明線が並んで形成された構造を裸眼で見たときに、明線の間隔が0.1mmよりも大きいと人間は2本の線として認識し、間隔が0.1mmよりも小さいと人間は1本の線として認識する。同様に、明るい背景の中に2本の暗線が並んで形成された構造を裸眼で見たときに、暗線の間隔が0.1mmよりも大きいと、人間は2本の線として認識し、暗線の間隔が0.1mmよりも小さいと、人間は1本の線として認識する。そのため、明線と暗線が繰り返されるレチクル30Bにおいては、観察者がレチクルパターン32を目視したときの隣接する透過面145の間隔及び隣接する傾斜面140の間隔が各々0.1mm以下となるように設定することが好ましい。
 ライフルスコープRSにおいては、レチクル30Bの像は接眼レンズ4で拡大され観察者の目に入射する。いま、接眼レンズ4の倍率を5倍と仮定すれば、透過面145の間隔及び傾斜面140の間隔は0.1/5=0.02mm=20μm以下に設定することが好ましい。また、レチクル30Bを第1焦点面に配設し最高倍率32倍のズーム光学系を組んだ場合には、透過面145の間隔及び傾斜面140の間隔を0.1/(32/5)=0.0156mm=15.6μm以下に設定することが好ましい。このように、透過面145の間隔及び傾斜面140の間隔、より端的には凸条133やV溝134の形成ピッチは、レチクル30を用いる光学系の構成に応じて設定することができる。
 前述した透過面145の構成比率ζは、パターン線の幅方向の位置、あるいはパターン線の長さ方向の位置によって異なる比率に設定することができる。例えば、図14に示すレチクル30B4のように、パターン線32bについて、線幅方向の外側に位置する凸条133は透過面145の構成比率ζを低く(観察対象からの光の透過率を低く)、内側に位置する凸条133は透過面145の構成比率ζを高く(観察対象からの光の透過率を高く)設定する。具体的には、線幅方向の外縁に位置する1列~数列の凸条133は外光強度・倍率が変化しても線を黒く保てる構成比率とし、その内側に位置する凸条133は外光強度・倍率が変化してもターゲットを視認できる構成比率に設定する。このような構成によれば、パターン線32bの輪郭が暗線で明確に視認されるためターゲットに容易に照準を合わせることができ、パターン線32bの内側でも観察対象が視認できるため、視野内に捕捉したターゲットが小さい場合でもターゲットを見失うことなく照準を合わせることができる。
 また、図15に示すレチクル30B5のように、パターン線32bについて、凸条133の透過面145の構成比率ζは、レチクルパターン32の外周側で低く、中心寄りで高く設定する。このような構成によれば、外周側でパターン線32bが明確に視認されるため容易にターゲットに照準を合わせることができ、中心寄りではパターン線32bの内側でもターゲットが視認できるため、視野内に捕捉したターゲットが小さい場合でもターゲットを見失うことなく照準を合わせることができる。以上は線幅が広いパターン線32bに適用した構成を例示したが、線幅が狭いパターン線32aに適用することもできる。
 なお、透過面145をパターン形成面31aと略平行な平面とした構成を説明したが、透過面145は曲率半径が所定以上の面であれば、曲面や放物面等であっても良い。具体的な構成例を図16(a),図16(b),図16(c)に示す。図16(a)は凸条133の頂部に曲率半径rの凸状の透過面145を形成した構成例、図16(b)は凸条133の頂部に曲率半径-rの凹状の透過面145を形成した構成例、図16(c)はV溝134の底部に曲率半径-rの凹状の透過面145を形成した構成例である。
 透過面145が曲面の場合、透過面145に入射した光は透過面の曲率に応じた広がり角で発散するが、入射光の一部は接眼レンズ4を通って観察者の目に入射する。観察者の目に入射する光は透過面145の曲率半径が小さいほど少なくなり、観察対象の部分像も歪んだ形になる。しかし、透過面145の曲率半径が所定以上であれば、観察対象の部分像は大きく歪むことなく観察者が視認できる。上記所定値はライフルスコープの構成や観察対象の明るさ等により相違するが、概ね2μm以上であれば観察対象の像を視認することができる。
[第3実施形態]
 上記第1実施態様及び第2実施態様では、レチクルパターン32の直線パターン32a,32bを、凸条133またはV溝134という形態の、複数の構造体の集合体によって形成し、各構造体が有する傾斜面140による光の屈折作用によって、入射光を観察者がレチクルパターンを観察する光路の外側に導く構成としている。このような構成によって、各構造体の傾斜面140に入射した光が観察者の眼5に届かず、直線パターン32a,32bが黒線となってレチクルパターン32を認識することができる。すなわち、この構成の基本は、図5に示す通り、レチクルパターンを形成する「構造体」からの光が接眼レンズ4の観察光路外に導かれることにあり、パターンの方向と凸条またはV溝などの構造体の方向とは基本的には関係がない。このため、凸条133またはV溝134の方向は、直線パターンの長手方向に限らず、長手方向に垂直な配置とすることも可能であり、任意の方向とすることも可能である。また、凸条及びV溝は何れも稜線が延びる方向に長くこれと直交する方向には微細であるが、稜線の長さ(パターン線の長さ)は任意である。例えば、短い線状に形成することもできる。
 第3実施形態のレチクル30Cは、凸部及び/または凹部を形成する構造体を錐体状とし、錐体の頂部から底部に延びる傾斜した側面すなわち錐体面を屈折面として用いる構成である。図17に、図2に示したものとパターンが幾分異なるレチクルを例示しており、この図17と図18~図25の各図を参照しながら本実施形態のレチクル30Cについて説明する。なお、各図には既述した第1実施態様のレチクル30A(30A1~30A3)及び第2実施態様のレチクル30B(30B1~30B5)と同様の構成要素に同一番号を付しており、重複説明を省略する。
 図17に示すレチクル30Cのレチクルパターン32は、図2を参照して説明したレチクル30A,30Bと同様に、細い直線パターン32aと太い直線パターン32bとにより視野を4分割する十字パターンに加えて、接眼レンズの視野内では比較的小径の円環状ないし輪帯状の部分パターン(円環パターンという)32cと、同様に比較的小型の十字状の部分パターン(クロスパターンという)32dとが、それぞれ複数設けられて構成される。円環パターン32c及びクロスパターン32dは、それぞれ複数の錐体状の構造体により構成される。
 本実施形態に含まれる第1構成形態のレチクルとして、円環パターン32cをパターン形成面31aから突出する複数の円錐状の構造体により形成した構成を説明する。図18~図20に円環パターン32cの第1構成例を示す。ここで、図18は図17に示す円環パターン32cの部分拡大図、図19は図18中の符号XIXで示す領域の斜視図、図20は図18中のXX-XX矢視の断面図である。円環パターン32cは、複数の円錐状の構造体135a,135b,135cにより構成される凸部33aであり、レチクルパターン32における曲線状の部分パターンである。
 本構成例では、複数の円錐状の構造体を底辺が相互に接するように円形に配置して1列の円形パターンを形成し、さらに隣接する内・外周の円錐状の構造体の底辺が相互に接するように構造体を設定し円形パターンを同心円上に複数列(図では3列)形成して、円環パターン32cを構成している。換言すれば、3列中の中央列の円形パターンの構造体135bは、同じ列の左右の構造体135b,135bと底辺141bが相互に接していることに加え、内周側の列の二つの構造体135a,135aとも底辺141b,141aが相互に接し、さらに、外周側の二つの構造体135c,135cとも底辺141b,141cが相互に接する構成になっている。すなわち複数の円錐状の構造体を、部分パターンの形状に合わせて、各構造体の底辺141a,141b,141cが相互に接するように、稠密に配置した構成になっている。
 各列の構造体135a,135b,135cは円錐の頂角(円錐角)αが同一である一方、大きさ(底辺141a,141b,141cの直径、円錐の高さ)が異なっており、中央列の構造体135bを基準としたときに、内周側の構造体135aは円錐の高さが低く(底辺141aの直径が小さく)、外周側の構造体135cは円錐の高さが高く(底辺141cの直径が大きく)なっている。
 各構造体135a,135b,135cの側面すなわち円錐の錐体面140a,140b,140cは、ライフルスコープRSの光軸Zに対して角度がα/2傾斜した傾斜面(軸対称な傾斜面)であり、対物レンズ1から入射した光を屈折させる屈折面である。そのため、図3,図5等を参照して説明したのと同様に、対物レンズ1から入射した光は構造体135a,135b,135cの側面140a,140b,140cで屈折し、光軸Zから離れて接眼レンズ4による観察光路外に導かれる。そのため、構造体135(135a,135b,135c)の側面140(140a,140b,140c)で屈折した光は接眼レンズ4を通して観察者の眼5に入射することはなく、観察者には観察対象の像と重畳して、円環パターン32cが暗黒のパターン像として視認される。
 このような構成のレチクル30Cにおいては、複数列の円形パターンからなる円環パターン32cは、各列を構成する構造体135a,135b,135cの底辺141a,141b,141cが相互に接するように稠密に配置されている。そのため、比較的簡明な構成で、円環パターン32cのような曲線状の部分パターンを有するレチクルを提供することができる。なお、本構成例の円環パターン32cでは、各列の構造体135a,135b,135cは、円錐の頂角αが同一で円錐の高さと底辺141a,141b,141cの直径が異なっている。後述するレチクルの製造方法(便宜的に圧痕法によるレチクル製造方法という)においては、成形用金型の金型面上に、頂角がαの円錐形状のダイヤモンド圧子を押圧して、構造体135a,135b,135cと反対形状の円錐状の窪みを形成する。このとき、各構造体135a,135b,135cに対応した円錐状の窪みは、金型面に押圧するダイヤモンド圧子の押圧力を調整し、金型面へのダイヤモンド圧子の貫入深さを制御することで容易に形成することができる。そのため、一つのダイヤモンド圧子で、大きさが異なる複数種類の構造体に対応した円錐上の窪み容易に形成することができ、金型の製作コストを低減することができる。
 図21に円環パターン32cの第2構成例を示す。図21は本構成例の円環パターン32cの部分拡大図である。図示する円環パターンも、基本的には第1構成例の円環パターンと同様に、円錐状の構造体を円形に配置して1列の円形パターンを形成し、さらに直径が異なる円形パターンを同心円上に複数列(図では基本的には3列)形成して、円環パターン32cを構成している。但し、本構成例の円環パターン32cでは、円錐状の構造体135dの頂角α及び大きさ(円錐の高さ、底辺の直径)は列によらず全て同一で、周方向の方位及び角度ピッチも同一(本構成例では10°)である。また、各列の円形パターンにおいて、左右に隣接する円錐状の構造体135d,135dの底辺の仮想円141d,141dが相互に重複し、さらに、隣接する内・外周の円錐状の構造体135d,135dの底辺の仮想円141d,141dも相互に重複するように設定している。
 図21に例示する構成例では、上記内周列、中央列、外周列の3列に加えて、外周列の円形パターンと中央列の円形パターンとの間に、構造体135dの周方向の角度位置を上記3列の円形パターンと半ピッチ(5°)ずらせて、中間列の付加円形パターンを形成している。さらに、外周列の円形パターンと同一円周上に、構造体135dの周方向の角度位置を3列の円形パターンと半ピッチ(5°)ずらせて(中間列の付加円形パターンと同じ周方向の角度位置に)、外周列の付加円形パターンを形成している。換言すれば、外周列の円形パターンは、中央列や内周列の円形パターンと比べて構造体135dが1/2の角度ピッチで密に形成された構成になっている。また、外周列と中央列との間に中間列の付加円形パターンが設けられており、外周側に向かうにつれて構造体135dの密度が高くなる構成になっている。
 各構造体135dの側面(円錐の錐体面)は、ライフルスコープRSの光軸Zに対して角度がα/2傾斜した傾斜面であり、対物レンズ1から入射した光を屈折させる屈折面である。そのため、対物レンズ1から入射した光は構造体の側面で屈折し、接眼レンズ4による観察光路外に導かれる。そのため、観察者には観察対象の像と重畳して、円環パターン32cが暗黒のパターン像として視認される。本構成例では、同一列で左右に隣接する円錐状の構造体135d,135dの底辺の仮想円141d,141dが相互に重複し、さらに、隣接する内・外周の円錐状の構造体135d,135dの底辺の仮想円141d,141dも相互に重複するように設定している。
 そのため、このような構成のレチクルによれば、隣接する円錐状の構造体の底辺同士が接する構成と比べて、円環パターン32c全体に占める屈折面(光軸Zに対して角度がα/2傾斜した傾斜面)140の構成比率を高めることができ、これにより、パターンの視認性を向上させることができる。さらに、外周側の円形パターンの構造体の配設ピッチを細かくしたこと(密度を高くしたこと)により、観察者に円環パターン32cの輪郭が滑らかな曲線として視認されるとともに、入射光を屈折させずにそのまま透過する透過面が無い構成のため、コントラストが高く視認性が良好なレチクルを提供することができる。
 次に、本実施形態に含まれる第2構成形態のレチクルとして、パターン形成面31aから突出する複数の四角錐状の構造体136によりクロスパターン32dを形成した構成例を説明する。図22~図24にクロスパターン32dの構成例を示す。ここで、図22は図17に示すクロスパターン32dの部分拡大図、図23は図22中の符号XXIIIで示す領域の斜視図、図24は図22中のXXIV-XXIV矢視の断面図である。クロスパターン32dは、複数の四角錐状の構造体136,136,136…により構成される凸部33aであり、レチクルパターン32における直線状の部分パターンである。
 本構成例では、四角錐の構造体136を底辺143が相互に接するように直線状に配置して1列の微細線を形成し、これを複数列(図では3列)並列に並べて一本の短線を形成し、さらに2本の短線が十字状に直交するように配置して、クロスパターン32dを構成している。換言すれば、複数の四角錐状の構造体136,136,136…を、部分パターンの形状に合わせて、各構造体136の底辺141が相互に接するように稠密に配置した構成になっている。図示する構成例では、構造体136,136,136…を正四角錐としており、各部に配置される構造体136の頂角(対面角)α及び大きさ(底辺143の長さ、四角錐の高さ)は同一である。
 各構造体136の4つの側面140,140,140,140、すなわち四角錐の錐体面は、何れもライフルスコープRSの光軸Zに対して角度がα/2傾斜した傾斜面であり、対物レンズ1から入射した光を屈折させる屈折面である。そのため、対物レンズ1から入射した光は構造体の各側面140で屈折し、光軸Zから離れて接眼レンズ4による観察光路外に導かれる。そのため、構造体136の側面140で屈折した光は接眼レンズ4を通して観察者の眼5に入射することはなく、観察者には観察対象の像と重畳して、クロスパターン32dが暗黒のパターン像として視認される。
 本実施形態に含まれる第3構成形態のレチクルとして、パターン形成面31aから突出する複数の四角錐状の構造体136で、文字や図形等の部分パターンを形成する構成を説明する。図25に、アルファベットの「F」という文字パターン32eをパターン形成面31aから突出する複数の四角錐状の構造体136,136,136…で形成した構成例を示す。この図は、図22と同様の文字パターン32eの部分拡大図である。図22に示したクロスパターン32dと、図25に示した文字パターン32eとを対比して明らかなように、文字パターン32eの形成方法はクロスパターン32dと同様であり、複数の四角錐状の構造体136,136,136…を、部分パターンの形状に合わせて、各構造体136の底辺143が接するように稠密に配置することにより達成される。
 各構造体136の側面140は何れもライフルスコープRSの光軸Zに対して角度がα/2傾斜した傾斜面であり、対物レンズ1から入射した光を屈折させる屈折面である。そのため、対物レンズ1から入射した光は構造体の各側面140で屈折し、光軸Zから離れて接眼レンズ4による観察光路外に導かれる。そのため、各側面140で屈折した光は接眼レンズ4を通して観察者の眼5に入射することはなく、観察者には観察対象の像と重畳して、文字パターン32eが暗黒のパターン像として視認される。
 以上説明したクロスパターン32d、文字パターン32eは、凸部を形成する構造体136,136,136…の形状を四角錐とし、隣接する構造体136,136の底辺143,143が隙間無く接するように配置して、所望形状の部分パターンを形成している。そのため、部分パターン32d,32e全体に占める屈折面(光軸Zに対して角度がα/2傾斜した傾斜面)140の構成比率ηをほぼ100%(η≒100%)にすることができる。また、構造体136が部分パターンの内部及び輪郭に沿って隙間無く稠密に配置される。そのため、パターン形状が明確でコントラストが高く、視認性が良好なレチクルを提供することができる。
 以上では、錐体状の構造体として、形状が円錐状の構造体135(135a,135b,135c,135d)と、形状が正四角錐状の構造体136を例示したが、構造体の形状はこれらに限定されるものではない。すなわち、錐体の側面であり屈折面を形成する傾斜面の光軸Zに対する傾斜角度がα/2となる構造体であれば良く、例えば、三角錐や底辺の長さが異なる四角錐、あるいは5角錐、六角錐などの多角形の錐体であってもよい。また、複数の錐体状の構造体によって、接眼レンズの視野内では比較的小さい部分パターンを形成した構成を例示したが、複数の錐体状の構造体によって視野内で比較的大きい部分パターンを形成することも可能である。例えば、クロスパターン32dで説明した「短線」を適宜な列数として延長することによって、既述した直線パターン32a,32bを構成することもできる。
 なお、本実施形態では円環パターン32c、クロスパターン32d、文字パターン32eを、パターン形成面31aから突出する凸部33aとして形成した構成を例示したが、これらの部分パターンをパターン形成面31aよりも凹んだ凹部34として構成することも可能であり、同様の機能を達成できることは言うまでもない。そして、図8を参照して説明した屈折面としての傾斜面140の角度α/2に関する詳細構成も同様に成り立つ。さらに、第2実施形態として図9~図16を参照して説明したように、構造体の頂部または底部を部分的に平面とすることによって、パタ-ン部分の明るさを制御することが可能であることも同様に、本実施形態のレチクル30Cに適用可能であることは明かである。
[第4実施形態]
 次に、以上説明してきた、第1~第3実施形態のレチクル30A,30B,30Cの製造方法について説明する。これらのレチクル30(30A,30B,30C)は、光学部材31の材質やレチクルパターン32の形態に応じて複数種類の製造方法で作成することができる。本実施形態では、光学部材31の材質を、光学機器で一般的に用いられる透明な樹脂材料とし、成形金型を用いた射出成形で製作する場合の製造方法について説明する。
 レチクル30の製造方法は、以下に示すステップ(工程・手順)を含んで構成される。
・レチクルの外形形状に対応した構造を金型材に機械加工で形成するステップ、
・上記金型面に金属メッキを行うステップ、
・金属メッキされた金型面上に、構造体に対応する微細構造を複数形成して凸部及び/または凹部にに対応した構造を形成するステップ、
・凸部及び/または凹部に対応した構造が形成された金型を成形機にセットして、レチクルを成形するステップ。
ここで、「構造体に対応する微細構造」は、構造体の形状を凹凸反転した反転構造体である。「凸部に対応した構造」、「凹部に対応した構造」についても同様である。
 金型材は、射出成形で一般的に用いられる材料を用いることができ、例えば、ボーラー・ウッデホルム社(BOHLER・UDDEHOLM)のSTAVAXが例示される。金型面に行う金属メッキは、比較的表面硬度が高く(例えば、ビッカース硬さHvが450以上、より好ましくは800以上)、構造体の高さよりも厚い膜厚のメッキ層を形成できるものであれば良く、例えば、無電解ニッケルメッキ、硬質クロムメッキなどが例示される。
 金型面状に構造体に対応する微細構造を形成する手段は、レチクルパターンを構成する構造体の形状に応じて適宜に選択することができる。例えば、第1実施形態のレチクル30Aあるいは第2実施形態のレチクル30Bのように、構造体が、パターン直交方向の幅bに対してパターン方向の長さlが長い(b≪l)直線状の凸条133やV溝144などの場合、これらの構造体に対応する微細構造は切削加工によって形成する工法(便宜的に「切削法」という)が好適である。一方、第3実施形態のレチクル30Cのように、構造体が、パターン形状に合わせて配置した円錐や角錐等の錐体の集合体であるような場合には、頂角がαとなるように(錐体面の傾斜角度がα/2となるように)先端を錐体状に加工したダイヤモンド圧子を用い、このダイヤモンド圧子を金型表面に押圧して、構造体の形状を反転した微細構造(圧痕)を形成する工法(便宜的に「圧痕法」という)が好適である。切削法と圧痕法はレチクルパターン32の構成に応じて、適宜組み合わせて用いることができる。
 このようにして製作された金型を射出成形機にセットし、透明な樹脂材料を金型に注入して、レチクル30(30A,30B,30C)を成形する。レチクル等の光学機器に好適な透明な樹脂材料として、例えば、旭化成株式会社のデルペット(登録商標)80Nが例示される。
 最後に、凸部33,凹部34,凹凸部35を構成する構造体群に、反射防止膜を形成するステップを付加することができる。反射防止膜はレチクル30面前面に形成しても良い。
 以上の工程で製造されたレチクルを、実際に望遠鏡に装着して視野の確認をしたところ、レチクル上に形成されたレチクルパターン32を鮮明な暗黒パターンとして観察することができた。
[第5実施形態]
 次に、第5の実施形態として、レチクルパターン32の中心にポインターを有するレチクルユニット3について、図26~図28を参照して説明する。これらの図面は、レチクルユニット3の構成を説明するための説明図であり、図26は照明光の光路を示す説明図、図27はレチクルのパターン形成面31aに形成される反射部の斜視図、図28はレチクルパターン32に対する照明光の投射状態を示すレチクルユニットの正面図である。
 レチクルユニット3は、レチクル30Dと、照明光を放射する光源38と、光源38から放射された光を集光する集光部(例えば、コンデンサレンズ)39と、を有して構成される。レチクル30Dは、第1実施形態として説明したレチクル30A1~30A3、及び第2の実施形態として説明したレチクル30B1~30B5、あるいは第3実施形態として説明したレチクル30Cのいずれかを基礎とし、さらに光学部材のパターン形成面31aに、反射面を有する反射部37が設けられて構成される。
 反射部37は、光学部材31のパターン形成面31aの略中央部に開口する凹部37aとして形成され、この凹部37aを構成する面の一部が反射面37cを構成する。反射部37は、概観的には、円柱を斜めに切断したような形状で、反射面37cをパターン形成面31aに射影したときの形状は円形である。反射部37は、十字線状のレチクルパターン32においてx軸方向に延びるパターン線とy軸方向に延びるパターン線の交点、すなわち円板状のレチクル30Dの中心に位置し、光学部材31のパターン形成面31a側(観察対象側)に形成される。
 光源38から放射された照明光は集光部39で集光され、その像が反射部37の反射面37c上に形成される。光源38の像は反射面37cでライフルスコープRSの光軸方向(z軸方向)に反射され、学部材の対向面31bから出射する。既述したように、接眼レンズ4は二次像IM2と重ね合わせてレチクルパターン32の像を視認可能に構成される。反射面37cは接眼レンズ4の焦点深度内に設けられており、反射面37cで反射された光源38の像も合わせて観察することができる。そのため、観察者はレチクルパターン32の中心、すなわち、ライフルスコープRSの光軸上に、光源38の像をドット像として視認することができる。
 ここで、集光部39は、光源38から放射された照明光を、少なくとも延長線が交差する2本のパターン線に挟まれた角度位置から反射部37(反射面37c)に導くように構成される。レチクルパターンが十字線の場合には、図28に示すように、集光部39は、光源38から放射された光が、x軸方向に延びるパターン線及びy軸方向に延びるパターン線に対して略45°傾いた角度位置から光学部材31に入射し、反射面37cに入射するように構成される。換言すれば、集光部39から反射部37に向かう照明光の光軸が、x軸及びy軸に対して略45°となるように設定される。そのため、照明光がパターン線を構成する凸部や凹部等に入射して相互作用を生じるようなことがほとんど無く、これにより明るいドット像(輝点)を表示でき、かつコントラストが高いレチクルパターン像を表示するレチクルユニットを得ることができる。
 また、図26に示すように、集光部39は、光源38から放射された照明光を、パターン形成面31aと対向面31bとの間に位置する光学部材31の側面から入射して、反射部37に導くように構成される。図示する構成例では、照明光の光軸は反射面37c上でライフルスコープRSの光軸Zと交わるが、この照明光の光軸とライフルスコープの光軸Zとの交差角を直角ではなく、照明光の光軸を延長した延長線がパターン形成面31aと交差するような角度にしてレチクルユニットを構成している。このような構成によれば、照明光が凸部や凹部等に入射することを抑止することができ、これにより、ドット像の輝度を向上させるとともに、レチクルパターン像のコントラストを更に高めたレチクルユニットを得ることができる。
 第5実施形態のレチクル30Dについても、第4実施形態として説明したのと同様に、型を用いた成形加工により形成することができる。型を用いた成形加工として、ガラスモールド加工や、樹脂材料を用いた射出成形、注型成形などが例示される。樹脂材料としては、既に例示した特定材料の他、アクリル樹脂とも称されるメタクリル樹脂(PMMA)やポリカーボネート(PC)、環状オレフィンポリマー(COP)などが例示される。型を用いて成形加工を行うことにより、高精度のレチクルを容易に製作することができ、さらに樹脂材料を用いた成形加工によれば、高い生産性で安価にレチクルを製作することができる。
 さらに、レチクル30Dにおいては、レチクルパターン32に加えて照明光を反射する反射部37が成形加工により一体に形生成される。そのため、従来においては、レチクルパターンが形成されたガラス製のレチクル部と、反射部が形成された樹脂製の光学部材との複合構造であり、両者の製造及び組み立てが必要であった焦点板を、本構成のレチクル30Dでは一回の成形加工で一体に形成することができる。これにより、従来では比較的高価であったポインター機能を備えたレチクルを低廉な価格で提供することができる。
 なお、凸部33や凹部34等をパターン形成面31a側にのみ設けた構成を例示したが、凸部及び/または凹部をパターン形成面31a側及び対向面31b側に形成しても良い。また、凸条133やV溝134等の傾斜面140の傾斜角度は、凸条133を構成する二つの傾斜面140,140の傾斜角度が同一の構成を例示したが、ライフルスコープの光軸Zに対するパターン線の形成位置等に応じて、二つの傾斜面140,140の傾斜角度が異なるように構成しても良い。さらに、凸条133やV溝134等を構成する面の一方を傾斜面とし他方を光軸Zに平行な面としても良い。
 また、凸条133やV溝134等に入射した光が屈折して偏向する形態を例示したが、凸条133やV溝134等に入射した光が反射して偏向するように構成しても良く、反射と屈折とを組み合わせて偏向するように構成しても良い。
 また、実施形態では、レチクル30(30A,30B,30C,30D)を備えた光学機器としてライフルスコープRSについて説明したが、ライフルスコープは、実施形態に係るレチクル30を利用する光学機器の一例であり、フィールドスコープや双眼鏡等の望遠鏡、測距計やトランシット等の測量器、眼球検査装置やファイバースコープ等の医療用スコープ、各種顕微鏡など、様々な光学機器に適用可能である。
RS ライフルスコープ(光学機器)
Z ライフルスコープの光軸(観察光路の光軸)
1 対物レンズ
3 レチクルユニット
4 接眼レンズ
30 レチクル
30A 第1実施形態のレチクル(30A1,30A2,30A3
30B 第2実施形態のレチクル(30B1,30B2,30B3,30B4,30B5
30C 第3実施形態のレチクル
30D 第5実施形態のレチクルユニットのレチクル
31 光学部材
31a パターン形成面(光学部材の一方の面)
31b 対向面(光学部材の他方の面)
32 レチクルパターン(パターン)
32a 細い直線パターン(直線状の部分パターン)
32b 太い直線パターン(直線状の部分パターン)
32c 円環パターン(曲線状の部分パターン)
32d クロスパターン(直線状の部分パターン)
32e 文字パターン
33a,33b 凸部
34a,34b 凹部
35a,35b 凹凸部
37 反射部
37c 反射面
38 光源
39 集光部
133 凸条
134 V溝(溝)
135a,135b,135c,135d 円錐状の構造体
136 四角錐状の構造体
140 傾斜面
141 円錐状の構造体の底辺
143 四角錐状の構造体の底辺
145 透過面
 

Claims (40)

  1.  観察者が観察対象を視認する際に指標となるパターンが形成され、対物レンズと接眼レンズとの間の観察光路内における前記対物レンズの像位置に配置されるのに適したレチクルであって、
     前記パターンは、板状の光学部材の少なくとも一方の面に設けられた凸部及び/または凹部を備え、
     前記凸部及び前記凹部は、それぞれ複数の構造体により構成され、
     各前記構造体は、前記観察光路の光軸に対して傾斜した傾斜面を有し、
     前記傾斜面の前記光軸に対する傾斜角度は、前記対物レンズから入射する光を前記観察光路外へ偏向させる角度に設定されるレチクル。
  2.  前記傾斜面は前記対物レンズから入射する光を屈折する屈折面であり、
     前記対物レンズ側から入射した光を前記観察光路外に屈折することにより、前記パターンが前記観察対象の像に重畳した暗黒のパターン像として前記観察者に視認されるように構成される請求項1に記載のレチクル。
  3.  前記構造体は、対向する二つの前記傾斜面を有して稜線が延びる凸条であり、
     前記凸部は、前記パターンを構成する線の幅方向に並列して長さ方向に前記稜線が延びる複数の凸条により構成される請求項1または2に記載のレチクル。
  4.  前記構造体は、対向する二つの前記傾斜面を有して谷線が延びる溝であり、
     前記凹部は、前記パターンを構成する線の幅方向に並列して長さ方向に前記谷線が延びる複数の溝により構成される請求項1または2に記載のレチクル。
  5.  前記パターンは、幅が異なる直線状の部分パターンを有し、
     前記幅が異なる直線状の部分パターンは、線幅に応じた列数の前記凸条/及びまたは前記溝により形成される請求項3または4に記載のレチクル。
  6.  前記構造体は、前記少なくとも一方の面に突出して形成された錐体状であり、
     前記傾斜面は錐体面であり、
     前記凸部は、複数の前記構造体の集合体である請求項1または2に記載のレチクル。
  7.  前記構造体は、前記少なくとも一方の面に窪んで形成された錐体状であり、
     前記傾斜面は錐体面であり、
     前記凹部は、複数の前記構造体の集合体である請求項1または2に記載のレチクル。
  8.  前記凸部及び前記凹部は、前記傾斜面の高さが異なる複数の前記構造体により構成される請求項1~7のいずれか一項に記載のレチクル。
  9.  前記光軸に対する前記傾斜面の傾斜角度は、前記観察光路を経て前記傾斜面に入射して偏向された光が、前記接眼レンズに直接入射し得る第1の所定角度以下である請求項1~8のいずれか一項に記載のレチクル。
  10.  前記光軸に対する前記傾斜面の傾斜角度は、前記観察光路を経て前記傾斜面に入射して屈折された光が、前記傾斜面と対向する他の傾斜面に入射し得る第2の所定角度以上である請求項9に記載のレチクル。
  11.  前記光軸に対する前記傾斜面の傾斜角度α/2は、
    21°≦α/2≦70°である請求項10に記載のレチクル。
  12.  前記光軸に対する前記傾斜面の傾斜角度α/2は、
    21°≦α/2≦58°である請求項11に記載のレチクル。
  13.  前記光軸に対する前記傾斜面の傾斜角度α/2は、
    26°≦α/2≦42°である請求項12に記載のレチクル。
  14.  前記凸部及び凹部を構成する前記複数の前記構造体における、少なくとも一部の前記構造体の頂部及び/または底部に、前記観察対象側から入射した光を前記観察者が視認し得るように透過する透過面を設けた請求項1~13のいずれか一項に記載のレチクル。
  15.  前記凸部及び前記凹部における前記透過面の構成比率は、前記パターンを構成する線の幅方向の位置によって異なる請求項14に記載のレチクル。
  16.  前記凸部及び前記凹部における前記透過面の構成比率は、前記パターンを構成する線の幅方向中央部の構成比率が高く、幅方向外側の構成比率が低い請求項14または15に記載のレチクル。
  17.  前記凸部及び前記凹部における前記透過面の構成比率は、前記パターンを構成する線の長さ方向の位置によって異なる請求項14~16のいずれか一項に記載のレチクル。
  18.  前記透過面の構成比率は、前記パターンの中心に位置する部分の構成比率が高く、外側に位置する部分の構成比率が低い請求項17に記載のレチクル。
  19.  前記パターンは、当該パターンを形成するための複数の部分パターンを有し、
     少なくとも一部の前記部分パターンは、複数の前記錐体状の構造体が密に形成されて構成される請求項5~18に記載のレチクル。
  20.  前記複数の部分パターンは曲線状の部分パターンを含み、
     前記曲線状のパターンは、複数の円錐状の前記構造体が密に形成されて構成される請求項19に記載のレチクル。
  21.  前記曲線状の部分パターンは、複数の前記円錐状の構造体が同心円状に配列されて形成された円環形状であり、
     前記同心円の外周側に位置する前記円錐状の構造体の配列ピッチは、前記同心円の内周側に位置する前記円錐状の構造体の配列ピッチよりも小さい請求項20に記載のレチクル。
  22.  前記曲線状の部分パターンを形成する複数の前記円錐状の構造体は、隣接する構造体の仮想円の底辺が相互に重複するように配置される請求項20または21に記載のレチクル。
  23.  前記曲線状の部分パターンは、複数の前記円錐状の構造体が同心円状に配列されて形成された円環形状であり、
     前記同心円の外周側に位置する前記円錐状の構造体の大きさは、前記同心円の内周側に位置する前記円錐状の構造体の大きさよりも大きく、
     共通する同心円上で隣り合う前記円錐状の構造体同士が円錐の底辺で接するとともに、
     内外周の同心円上で隣り合う前記円錐状の構造体同士が円錐の底辺で接する請求項20に記載のレチクル。
  24.  前記複数の部分パターンは短線状の部分パターンを含み、
     前記短線状の部分パターンは、複数の四角錐状の前記構造体が密に形成されて構成される請求項19に記載のレチクル。
  25.  前記複数の部分パターンは文字状の部分パターンを含み、
     前記文字状の部分パターンは、複数の四角錐状の前記構造体が密に形成されて構成される請求項19に記載のレチクル。
  26.  前記パターンは、直線状の部分パターンと曲線状の部分パターンとを有し、
     前記直線状の部分パターンを形成する前記構造体は前記凸条及び/または前記溝であり、
     前記曲線状の部分パターンを形成する前記構造体は前記錐体である請求項3~24のいずれか一項に記載のレチクル。
  27.  観察者が観察対象を視認する際に指標となるパターンが形成されたライフルスコープ用のレチクルは以下を含む;
     透明な2つの透過面を持つ板状の光学部材、
     前記透過面上に形成された第1パターンと第2パターン、
     前記第1パターン及び前記第2パターンは、それぞれ前記透過面に対して傾斜した傾斜面を有する複数の構造体により形成され、
     前記ライフルスコープの光軸に対する前記傾斜面の傾斜角度α/2は、以下の条件を満足する;
      21°≦α/2≦70°。
  28.  請求項27に記載のライフルスコープ用のレチクルにおいて、前記傾斜面の傾斜角度α/2はさらに次の条件を満たす;
      21°≦α/2≦58°。
  29.  請求項28に記載のライフルスコープ用のレチクルにおいて、前記傾斜面の傾斜角度α/2はさらに下記の条件を満たす;
      26°≦α/2≦42°。
  30.  前記第1パターンは直線状のパターンであり、前記第2パターンは曲線状のパターンであり、
     前記第1パターンを形成する個々の前記構造体と前記第2パターンを形成する個々の前記構造体とは同一形状であり、共通した形状の前記傾斜面を有する凸または凹の錐体状である
    請求項27~29のいずれか一項に記載のライフルスコープ用のレチクル。
  31.  前記第1パターンは直線状のパターンであり、前記第2パターンは曲線状のパターンであり、
     前記第1パターンを形成する個々の前記構造体と前記第2パターンを形成する個々の前記構造体とは異なる形状の前記傾斜面を有する
    請求項27~29のいずれか一項に記載のライフルスコープ用のレチクル。
  32.  直線状の前記第1パターンを形成する個々の前記構造体は、前記直線状のパターンに垂直方向の断面で前記ライフルスコープの光軸に対して傾斜する傾斜面を有して当該直線状のパターンが延びる方向に平行な凸または凹の直線状であり、
     前記曲線状の前記第2パターンを形成する個々の前記構造体は、前記ライフルスコープの光軸に対して傾斜した傾斜面を有する凸または凹の錐体状である
    請求項31に記載のライフルスコープ用のレチクル。
  33.  請求項1~32のいずれか一項に記載されたレチクルの製造方法は、
     金型面に金属メッキを行うステップと、
     金属メッキされた前記金型面上に、前記構造体に対応する微細構造を複数形成して前記凸部及び/または凹部に対応した構造を形成するステップと、
     前記凸部及び/または凹部に対応した構造が形成された金型を成形機にセットしてレチクルを成形するステップと、を含むレチクルの製造方法。
  34.  前記微細構造は、前記構造体に対応した先端形状を有する圧子を金属メッキされた前記金型面上に押圧することにより形成される請求項33に記載のレチクルの製造方法。
  35.  請求項33または34に記載されたレチクルの製造方法は、さらに以下を含む;
     前記構造体を構成する各面に反射防止膜を設けるステップ。
  36.  請求項1~32のいずれか一項に記載のレチクルに、さらに前記光学部材のいずれか一方の面に、少なくとも構成面の一部を反射面とする反射部が形成されたレチクルと、
     前記反射部の側方に配置されて光を放射する光源と、
     前記光源と前記反射部との間に配設されて前記光源から放射された光を集光して前記反射面に導く集光部とを備え、
     前記光源から放射され前記集光部により集光されて前記反射面で反射された光を前記光学部材の他方の面から出射させて、前記パターンの像とともに視認されるように構成したレチクルユニット。
  37.  前記パターンは少なくとも延長線が交差する2本の線を有し、
     前記反射部は前記延長線を含む前記2本の線の交点に設けられ、
     前記集光部は、前記光源から放射された光を前記2本の線に挟まれた角度位置から前記反射面に導く請求項36に記載のレチクルユニット。
  38.  前記パターンは少なくとも延長線が前記光学部材の中心部で直角に交差する2本の前記線を有し、
     前記反射部は前記光学部材の中心部に設けられ、
     前記集光部は、前記光源から放射された光を前記2本の線に対して略45°の角度位置から前記反射面に導く請求項36に記載のレチクルユニット。
  39.  観察対象の像を形成する対物レンズと、
     前記対物レンズによる前記観察対象の像を観察するための接眼レンズと、
     前記対物レンズと前記接眼レンズとの間の観察光路内における前記対物レンズの像位置に配置され、観察者が前記接眼レンズを通して前記観察対象を視認する際に指標となるパターンが形成された板状の光学部材を有する請求項1~32のいずれか一項に記載のレチクル、または請求項36~38のいずれか一項に記載のレチクルユニットと、を備えたライフルスコープ。
  40.  観察対象の像を形成する対物レンズと、
     前記対物レンズによる前記観察対象の像を観察するための接眼レンズと、
     前記対物レンズと前記接眼レンズとの間の観察光路内における前記対物レンズの像位置に配置され、観察者が前記接眼レンズを通して前記観察対象を視認する際に指標となるパターンが形成された板状の光学部材を有する請求項1~32のいずれか一項に記載のレチクル、または請求項36~38のいずれか一項に記載のレチクルユニットと、を備えた光学機器。
     
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