WO2018123409A1 - 手袋 - Google Patents

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Abstract

【課題】安全性や作業性を確保しつつ、電子的に反応するタッチスクリーンを着用したまま操作可能な手袋を提供する。 【解決手段】本発明の手袋は、絶縁性の第1層と、前記第1層の外側であって少なくとも指部に対応する第2層と、を備え、前記第1層は、外部から手への絶縁性を有し、前記第2層は、PEDOT/PSS、ポリフェニレン、ポリアセン、ポリジアセチレン、ポリフェニレン、ポリアントラセン、ポリフラン、ポリセレノフェン、ポリアニリン、ポリチエニレンビニレン、ポリフェナントレン、ポリペリナフタレンの少なくとも一つを含有する。

Description

手袋
 本発明は、手袋をはめたままで電子反応を行うタッチスクリーンを操作できる、手袋を開示する。
 手袋を装着したい場面や装着しなければならない場面は、様々にある。例えば、外気温が低い場合には、戸外にいる間に、手袋をはめたい状態である。このような場合には、人は、寒さから身体を守るために手袋を装着する。もちろん、寒いだけでなく、ファッションの一つとしてであったり好みの一つとしてであったりにより、手袋を装着する場合がある。
 あるいは、作業の必要上、手袋を装着しなければならないこともある。例えば、工場での作業者は、その作業に対応するために、手袋を装着する。素手では危険であったり、素手で触ることが禁止されている対象物を取り扱ったりする場合などである。すなわち、作業者および作業の安全性や正確性を高めるために、手袋を装着する場合がある。もちろん、作業性を向上させつつ安全性(作業者および対象物)を維持する点でも手袋を装着する。
 あるいは、スポーツ、園芸作業、荷物の運搬作業(例えば、引っ越しなど)、軽作業など、様々な用途と場面で手袋が装着される。いずれも、動作や作業を容易にしたり、手の保護などの安全性を維持したりするためである。
 すなわち、手袋を装着する場面としては、大きく次のようなものがある。
 (場面1)気候に対応する場面。
 (場面2)おしゃれやファッションの一つとして活用する場面。
 (場面3)工場、工事、引っ越し、園芸などの内部や外部での作業を行う場面。
 (場面4)スポーツなどの場面。
 このような様々な場面で、手袋が使用される。もちろん、これらに限られるものではない。
 近年、スマートフォンやタブレット端末など、いわゆる指で触って操作するタッチスクリーンを備えた機器が普及している。これらを所有している人は、タッチスクリーンを操作して、スマートフォンやタブレット端末を使用する。
 個人で所有しているスマートフォンやタブレット端末だけでなく、作業において必要となる操作機器が、このタッチスクリーンを備えていることも多い。例えば、工場の操作盤は、タッチスクリーン形態であって、これを操作することが必要となっていることがある。あるいは、引っ越しや工事などの屋外作業において、作業マニュアルや作業報告においてタブレット端末を使用されることがある。
 また、スポーツなどの場面でも、種々の解析やこれに対応する検討において、タブレット端末が使用されることがある。すなわち、上述した場面1~場面4を始めとした様々な場面で、タッチスクリーンを操作したいあるいは操作しなければならないことがある。
 あるいは、駅の券売機、街中の自動販売機、銀行のATMなども、機械的なボタン操作ではなく、タッチスクリーンを使用するものが増えている。これらを使用する際にも、タッチスクリーンを操作しなければならない。
 一方で、上述した場面1~場面4などの場面では、手袋を着用している。すなわち、手袋を脱いで素手でタッチスクリーンを操作するか、手袋を着用したままタッチスクリーンを操作しなければならない。
 しかしながら、場面1、場面2の状況で手袋を着用している人は、手袋を脱がずにタッチスクリーンを操作したいとの欲求を持っている。寒さが嫌であったり、おしゃれを損なったりするという意図もあり、スマートフォンなどは、頻繁に操作するので、その都度、手袋を脱ぐのは不便で面倒だとの意識もあるからである。
 すなわち、場面1、場面2の場合においては、手袋を着用したまま、タッチスクリーンを操作したいとの要望がある。
 場面3、場面4の状況で手袋を着用している人は、作業での必要上、手袋を脱ぐことが難しい。作業においては、手袋を着用している必要があり、タッチスクリーンを操作する際だけ手袋を外すことは、非常に不便で面倒である。また、手袋を脱いで再び着用することが、衛生面などから好まれない場合もある。
 このような状況で、タッチスクリーンを操作するたびに手袋を脱ぐことは、作業全体の効率を下げてしまう。衛生面を維持するために、手袋を脱いだ後で再度消毒を行ってから手袋を着用することも不便であり、作業全体の効率を下げてしまう。もちろん、手袋を着用して作業する作業者と、手袋をはめずにタッチスクリーンを操作する操作者とを配置することは、作業コストを増加させる問題がある。
 すなわち、場面3、場面4の場合においては、手袋を着用したまま、タッチスクリーンを操作したいとの要望がある。
 このように、様々な場面で必要性や欲求によって、手袋を着用したままタッチスクリーンを操作したいとの要望がある。これらに対応するために、手袋を着用したままタッチスクリーンを操作できる技術が提案されている(例えば、特許文献1、特許文献2、特許文献3、特許文献4参照)。なお、ここでタッチスクリーンとは、タッチパネルなどの指先で電子的な処理を操作するためのデバイスである。
実用新案登録第3167579号公報 特開2013-019086号公報 特開2014-230672号公報 特表2012-529127号公報
 特許文献1は、指挿入部14をなす親指挿入部14a及び人差指挿入部14bの先端部には、第一導電部20及び第二導電部22が設けられており、第一導電部20及び第二導電部22を除く部分については導電性を有さない素材によって形成されている。第一導電部20及び第二導電部22は、少なくとも指挿入部14に指を挿入した状態において手の平側に向く面の指先側の領域に形成されている手袋、を開示する。
 特許文献1は、導電性のある導電部を指先に備えることで、手袋をしたままタッチスクリーン(導通によって反応する)を操作することを目的としている。
 しかしながら、特許文献1は、導電性の導電部を備えるとしているだけであり、手袋の指先にこのような導電部を設けることは、指先の作業性を悪くする。あるいは、着用時のフィット性を悪くしてしまう。このため、タッチスクリーンを操作しない作業での作業性を低下させる問題がある。もちろん、作業用ではない用途であっても、着用性が悪いことは好ましくない。
 上述したように、手袋を着用した作業を行っていることが中心であり、タッチスクリーンを操作する時間は、全体としては少ない。この少ない時間でのタッチスクリーンの操作を優先して、それ以外の作業等の時間での着用性や作業性を低下させることは好ましくない問題がある。
 特許文献2は、タッチパネル30等の導通対象物との導通のために指袋12の腹部の外面を外部導電層22にて被覆したので、従来のように導通のために指袋の先端腹部に導電糸を縫い付けて凹凸や縫製針の通し孔が形成されるようなことはない。また、指袋12のうち先端腹部より基端側に導電糸23及び内部導電層24が配置されているので、指先が指袋12の先端腹部に届かないような場合であっても、指袋12の内部で導電糸23及び内部導電層24に指を接触させることができる手袋を開示する。
 特許文献2は、繊維製の手袋の繊維の一部を導電性繊維とすることで、手袋を着用したままでも電子的に反応するタッチスクリーンを操作できる手袋を提案する。
 しかしながら、導電性繊維を縫い付けた手袋では、この導電性繊維とそれ以外の非導電性繊維とのバランスが悪いことで、導電性が下がり、タッチスクリーンの反応が悪くなる問題がある。逆に、導電性は高いが、導電性繊維が主となってしまい、着用性や作業性が悪くなる問題もある。更に、繊維製の手袋の表面には、保護やすべり止めなどを目的として、被膜が施されることがあるが、被膜によって、導電性繊維とタッチスクリーンとの導電性が悪くなり、反応が悪くなる問題もある。
 特許文献3は、ゴルフ用手袋本体1における指袋のうち、少なくとも親指および人差し指を収納する指袋2,3の掌側先端付近に、金属粉末および/または金属粉末以外の導電性粉末を含有させたポリウレタン樹脂製の弾性部材4を取り付けたゴルフ用手袋を開示する。
 特許文献3は、いわゆるコーティングとなる被膜に導電性粉末を混合して、タッチスクリーンでの電子的反応を実現する手袋を開示する。
 しかしながら、特許文献3で想定されている導電性粉末は、カーボン粉末やこれに類する酸化金属粉末であり、どうしてもこれを混合した被膜は黒くなる。もちろん、被膜ではなく樹脂製の手袋の樹脂にこれらの導電性粉末が混合される場合でも黒くなってしまう。
 すなわち、特許文献3の技術では、手袋の色味が黒色系になってしまい、カラーバリエーションを展開できない問題もある。また、導電性を上げるために導電性粉末の混合量を増やしてしまうと、強度が下がってしまう問題もある。
 特許文献4は、容量性タッチスクリーン用の改良材料を開示する。当該改良材料は、非金属および/または金属の伝導剤とバインダとを含む組成物を含侵させた材料を含む。材料としてはさまざまなものが考えられ、これに限定されないが、革が含まれる。また、伝導性の手袋を提供する装置および方法も開示する容量性タッチスクリーンと共に利用される材料を開示する。
 特許文献3と同じく、特許文献4も導電性粉末を混合して電子的に反応するタッチスクリーンを操作できることを目的としている。
 しかしながら、特許文献4も特許文献3と同じ問題を有している。また、特許文献4の(0009)段に記載のように、特許文献4は、導電性粉末を用いた層によって、タッチスクリーンとの間に導電結合を生じさせてタッチスクリーンの操作を可能としている。このため、導電性粉末により、手袋内部の手と外部とが導通してしまい、手袋で触る対象物によっては手に電流が到達して感電してしまう可能性がある。
 上述したように、タッチスクリーンを操作するだけでなく、工場などの作業においては、様々な部材を触る。このとき、人体の保護と作業対象の部材の保護のために、耐電性が重要であり(外部から手に来る電流の防止と、手の静電気が手袋の外の部材に到達する電流の防止の両方が必要)、耐電性が求められつつタッチスクリーンの操作が求められる。このような場合には、特許文献4の技術では、対応が困難である問題がある。
 上述したように、手袋は、工場での作業や屋外での作業などに用いられる。このとき、電気との接触による感電を防止するために、耐電性があること(非導通であること)が必要である。しかしながら、特許文献4の技術では、この耐電性を実現できない問題がある。耐電性を維持することは、作業性や作業の安全性において、非常に重要である。
 すなわち、特許文献1~4の技術は、電子的反応を行うタッチスクリーンを、手袋を着用したまま操作できるが、次のような問題を有している。
 (問題1)導電糸の場合には、タッチスクリーンの反応が悪くなりえる。また着用性や作業性が悪くなる。
 (問題2)カラーバリエーションが劣る。
 (問題3)強度が低下する。
 (問題4)手と手袋外部との間の耐電性が不十分となる。
 特に、工場や様々な作業において、通常の作業における耐電性とタッチスクリーンの操作を可能とすることとの両立が図れないことの問題があった。
 本発明は、このような課題に鑑み、安全性や作業性を確保しつつ、電子的に反応するタッチスクリーンを着用したまま操作可能な手袋を提供することを目的とする。
 上記課題に鑑み、本発明の手袋は、絶縁性の第1層と、
 第1層の外側であって少なくとも指部に対応する第2層と、を備え、
 第1層は、外部から手への絶縁性を有し、
 第2層は、PEDOT/PSS(ポリエチレンジオキシチオフェン/ポリスチレンスルホン酸)、ポリフェニレン、ポリアセン、ポリジアセチレン、ポリフェニレン、ポリアントラセン、ポリフラン、ポリセレノフェン、ポリアニリン、ポリチエニレンビニレン、ポリフェナントレン、ポリペリナフタレンの少なくとも一つを含有する。
 本発明の手袋は、導電性素材を含んだ被膜が指先に施されることで、手袋を着用したままタッチスクリーンを操作できる。このため、通常の作業とタッチスクリーンを使用した操作とが混在する場合でも、作業効率が高い。あるいは、防寒やおしゃれとしての手袋の着用をしている場合でも、スマートフォンやタブレット端末を好きな時に手袋を外すことなく操作できるので、非常に楽である。
 特に、工場などでの作業において耐電性を必要とする通常の作業とタッチスクリーンを操作しなければならない場合とを両立させて、手袋を外すことなくいずれも満足した使用ができる。
 また、タッチスクリーンの電子反応を生じさせることができると共に、手そのものとは導通しないので、耐電性も確保できる。このため、作業安全性も確保できて、工場や屋外での作業においても適用できる。
 また、色味も黒色系に依存しないので、カラーバリエーションも確保できる。
本発明の実施の形態1における手袋の斜視図である。 本発明の実施の形態1における手袋の正面図である。 本発明の実施の形態2における手袋とタッチスクリーンとの通電状態を測定する態様を示す説明図である。 本発明の実施の形態2における手袋とタッチスクリーンとの通電状態を測定する態様を示す説明図である。 本発明の実施の形態2における手袋とタッチスクリーンとの通電状態を測定する態様を示す説明図である。 本発明の実施の形態2におけるポリエチレン手袋を装着した状態で、タッチスクリーンが反応するかどうかを確認した実験結果である。 本発明の実施の形態2における手袋とタッチスクリーンとの反応を確認する実験結果を示す表である。
 本発明の第1の発明に係る手袋は、絶縁性の第1層と、
 前記第1層の外側であって少なくとも指部に対応する第2層と、を備え、
 前記第1層は、外部から手への絶縁性を有し、
 前記第2層は、PEDOT/PSS(ポリエチレンジオキシチオフェン/ポリスチレンスルホン酸)、ポリフェニレン、ポリアセン、ポリジアセチレン、ポリフェニレン、ポリアントラセン、ポリフラン、ポリセレノフェン、ポリアニリン、ポリチエニレンビニレン、ポリフェナントレン、ポリペリナフタレンの少なくとも一つを含有する。
 この構成により、耐電性が必要な作業とタッチスクリーンの操作が必要な場合とを、手袋をしたままで実現することができる。
 本発明の第2の発明に係る手袋では、第1の発明に加えて、第2層は、最外層に設けられる。
 この構成により、静電容量を生じさせることのできる第2層が、直接タッチスクリーンを反応させることができる。
 本発明の第3の発明に係る手袋では、第2の発明に加えて、第2層は、電子的に反応するタッチスクリーンに接触可能である。
 この構成により、静電容量を発生させることのできるPEDOT/PSSを含む第2層が、タッチスクリーンとの間に、確実に静電容量を生じさせることができる。この結果、タッチスクリーンを操作することができる。
 本発明の第4の発明に係る手袋では、第1から第3のいずれかの発明に加えて、第2層は、指部において第1関節より先端側に設けられる。
 この構成により、タッチスクリーンの操作を可能としつつも、第2層の形成に係るコストを低減できる。更に、通常作業時の耐電性も向上させることができる。
 本発明の第5の発明に係る手袋では、第1から第4のいずれかの発明に加えて、第2層は、指部の腹側のみに形成される。
 この構成により、タッチスクリーンの操作を可能としつつも、第2層の形成に係るコストを低減できる。更に、通常作業時の耐電性も向上させることができる。特に、第2層の形成に係るコストをより小さくできる。
 本発明の第6の発明に係る手袋では、第1から第4のいずれかの発明に加えて、第2層は、親指および人差し指の指部のみに形成される。
 この構成により、タッチスクリーンの操作を可能としつつも、第2層の形成に係るコストを低減できる。更に、通常作業時の耐電性も向上させることができる。特に、第2層の形成に係るコストをより小さくできる。
 本発明の第7の発明に係る手袋では、第1から第4のいずれかの発明に加えて、第2層は、親指、人差し指および中指の指部のみに形成される。
 この構成により、タッチスクリーンの操作を可能としつつも、第2層の形成に係るコストを低減できる。更に、通常作業時の耐電性も向上させることができる。特に、第2層の形成に係るコストをより小さくできる。
 本発明の第8の発明に係る手袋では、第1から第4のいずれかの発明に加えて、第2層はすべり止め機能を有し、手袋においてすべり止めを必要とする領域のみに形成される。
 この構成により、タッチスクリーンの操作を可能としつつも、第2層の形成に係るコストを低減できる。更に、通常作業時の耐電性も向上させることができる。特に、第2層の形成に係るコストをより小さくできる。
 本発明の第9の発明に係る手袋では、第1から第7のいずれかの発明に加えて、前記第2層は、NR(天然ゴム)、NBR(アクリロニトリルブタジエンゴム)、PU(ポリウレタン)、CR(クロロプレンゴム)、CSM(クロロスルホン化ポリエチレン)、PVC(塩化ビニル)、EVA(エチレン酢酸ビニル)、SBR(スチレンブタジエンゴム)の少なくとも一つにPEDOT/PSS(ポリエチレンジオキシチオフェン/ポリスチレンスルホン酸)、ポリフェニレン、ポリアセン、ポリジアセチレン、ポリフェニレン、ポリアントラセン、ポリフラン、ポリセレノフェン、ポリアニリン、ポリチエニレンビニレン、ポリフェナントレン、ポリペリナフタレンの少なくとも一つを含む素材で形成される。
 この構成により、PEDOT/PSSを含有した第2層が形成できる。また、装着性や把持性も向上できる。
 本発明の第10の発明に係る手袋では、第1から第9のいずれかの発明に加えて、PEDOT/PSSは、第2層全体に対して、1.6wt%以上の含有率を有する。
 この構成により、タッチスクリーンを反応させるのに十分な静電容量を発生させることができる。
 本発明の第11の発明に係る手袋では、第1から第10のいずれかの発明に加えて、第2層と指表面との間に発生する静電容量は、2.0pF/φ8mm以上である。
 この構成により、タッチスクリーンの操作を可能とできる。
 本発明の第12の発明に係る手袋では、第1から第11のいずれかの発明に加えて、第2層の絶縁抵抗値は、1MΩ以下である。
 この構成により、タッチスクリーンの操作を可能とできる。
 本発明の第13の発明に係る手袋では、第1から第12のいずれかの発明に加えて、第1層の内側に、伸縮性のある繊維製基体を更に備える。
 この構成により、装着性を更に高めることができる。
 本発明の第14の発明に係る手袋では、第1から第13のいずれかの発明に加えて、第1層と第2層の色味が異なる。
 この構成により、タッチスクリーンを操作できる手袋の部位を、使用者が容易に把握できる。
 以下、本発明の実施の形態を説明する。
 (実施の形態1)
  (全体概要)
 まず、実施の形態1における手袋の全体概要を説明する。図1は、本発明の実施の形態1における手袋の斜視図である。
 手袋1は、第1層2と第2層3とを備える複数の層構造を有する。第1層2の外側に第2層3が設けられる。第1層2は、絶縁性を有する。第2層3は、第1層2の外側であって、少なくとも指部6に対応した部位に設けられる。図1では、第2層3は、掌4であって手首部分7以外に設けられている。
 第1層2は、絶縁性を有することで、手袋1が手に着用されると第1層2は、外部から手への絶縁性を実現する。このため、使用者が手袋1を使用して工場などで作業をする場合において、必要な絶縁性を得ることができる。工場などでの作業では、静電気による人体や部材の保護や、種々の通電による人体の保護が実現できる。
 第2層3は、第1層2の外側に設けられる。ここで、第2層3は、PEDOT/PSS(ポリエチレンジオキシチオフェン/ポリスチレンスルホン酸)、ポリフェニレン、ポリアセン、ポリジアセチレン、ポリフェニレン、ポリアントラセン、ポリフラン、ポリセレノフェン、ポリアニリン、ポリチエニレンビニレン、ポリフェナントレン、ポリペリナフタレンの少なくとも一つを含有する。PEDOT/PSS、ポリフェニレン、ポリアセン、ポリジアセチレン、ポリフェニレン、ポリアントラセン、ポリフラン、ポリセレノフェン、ポリアニリン、ポリチエニレンビニレン、ポリフェナントレン、ポリペリナフタレンの少なくとも一つを含有することで、第2層3は、直接もしくは間接的に接触するタッチスクリーンとの間に静電容量を生じさせることができる。この静電容量の発生によって、第2層3は、電流の通電によって反応するタッチスクリーンを動作させることができる。
 第2層3とタッチスクリーンとの間に、静電容量が発生すると、タッチスクリーンは反応できる。タッチスクリーンは、操作する側との間に静電容量を生じさせて、この静電容量によって、電流反応するからである。PEDOT/PSS、ポリフェニレン、ポリアセン、ポリジアセチレン、ポリフェニレン、ポリアントラセン、ポリフラン、ポリセレノフェン、ポリアニリン、ポリチエニレンビニレン、ポリフェナントレン、ポリペリナフタレンの少なくとも一つは、この静電容量を生じさせる。PEDOT/PSS、ポリフェニレン、ポリアセン、ポリジアセチレン、ポリフェニレン、ポリアントラセン、ポリフラン、ポリセレノフェン、ポリアニリン、ポリチエニレンビニレン、ポリフェナントレン、ポリペリナフタレンの少なくとも一つを含む第2層3は、このPEDOT/PSS、ポリフェニレン、ポリアセン、ポリジアセチレン、ポリフェニレン、ポリアントラセン、ポリフラン、ポリセレノフェン、ポリアニリン、ポリチエニレンビニレン、ポリフェナントレン、ポリペリナフタレンの少なくとも一つによる静電容量の発生によって、手による電子的操作で動作するタッチスクリーンを動作させることができる。
 なお、以下において、PEDOT/PSS、ポリフェニレン、ポリアセン、ポリジアセチレン、ポリフェニレン、ポリアントラセン、ポリフラン、ポリセレノフェン、ポリアニリン、ポリチエニレンビニレン、ポリフェナントレン、ポリペリナフタレンの少なくとも一つを、必要に応じて「PEDOT/PSS等」と表記する。
 一方で、上述の通り、第1層2は、絶縁性を有し、第2層3の内側にある。このため、第2層3とタッチスクリーンとの静電容量の発生があっても、第1層2が着用している手への通電を遮蔽できる。すなわち、手袋1を用いてタッチスクリーンを操作しつつも、静電容量による手への通電を防止して、手そのものには通電による悪影響を生じさせない。
 日常の衣服の一つとして手袋を着用する場合や、工場などでの作業用として手袋を着用する場合には、ほとんどの状態では絶縁性があることが好ましい。静電気による通電や作業時の部材からの通電などから、人体(手)を守ることが必要だからである。一方で、時折、必要に応じて携帯端末のタッチスクリーンを操作することが必要になる。この時には、電気的に反応するタッチスクリーンを、手袋をしたまま操作できることが好ましい。
 このように、手袋をしたままで、「絶縁性を維持」することと「電気的に反応するタッチスクリーンを操作する」ことを、両立させることが必要である。
 手袋1は、絶縁性の第1層2を内側に、第1層2の外側にPEDOT/PSS等を含有する第2層3を備えることで、この絶縁性の維持と電気的に反応するタッチスクリーンの操作とを両立させることができる。内側が絶縁性であり、その外側が静電容量を発生させる構成であることで、これらの両立が実現できる。特に、おおむね絶縁性の維持が優先されつつ、時折タッチスクリーンを操作する必要がある場合に、手袋1は、最適である。
 このように、手袋1は、絶縁性の第1層2とPEDOT/PSS等を含む第2層3との複数層構造であることで、絶縁性の維持と電気的に反応するタッチスクリーンの操作との両立が実現できる。
 また、PEDOT/PSS等(特に、PEDOT/PSS)は、少ない含有率で静電容量の発生を実現できる。また、PEDOT/PSS等は、淡色である。これらによって、第2層3の色味はカーボン粉末などと異なり第2層3は、黒色などの濃色に偏らない。PEDOT/PSS等以外に色素系の素材を含有させることで、第2層3の色味は、様々なバリエーションを実現できる。この色味のバリエーションの広さにより、手袋1は、日常のファッションや工場で規定されている色味などにも対応できる。
 色味のバリエーションが広くなることで、特定用途だけでない幅広い用途に手袋1が適用できる。
 例えば、ファッションとしての用途においても、手袋1が適用できる。冬場の防寒において手袋を使用する場合でも、衣服とのバランスを考慮したファッションとしての使用が容易となる。カラーバリエーションが広がるからである。防寒やファッションとして手袋を着用しているばあいでも、耐電とタッチパネルの操作との両立が要望され、ファッションとしての見た目を損なわずに、手袋1がこれを実現できる。
 あるいは、工場での作業においては、作業対象や作業内容によって、特定の色味の手袋を使用しなければならない場合がある。このような場合においても、カラーバリエーションが多様であることで、色味の様々な必要性に対応できる。
 など、ここで、PEDOT/PSS等として説明しているが、PEDOT/PSSとしての説明として把握されてもよいし、ポリフェニレン、ポリアセン、ポリジアセチレン、ポリフェニレン、ポリアントラセン、ポリフラン、ポリセレノフェン、ポリアニリン、ポリチエニレンビニレン、ポリフェナントレン、ポリペリナフタレンのいずれかについての説明として把握されてもよい。
 次に、種々のバリエーションについて説明する。
  (第2層3の位置関係)
 第2層3は、第1層2の外側に形成される。この第2層3の外層に更に別の層が設けられてもよい。この場合には、第2層3がタッチスクリーンとの間に、タッチスクリーンの反応に十分な静電容量を発生させることのできる厚み、素材、構造の層であることが必要である。例えば、非常に薄い層が、第2層3の外側に設けられる。
 この場合には、第2層3は、この外層を介して、タッチスクリーンとの間に静電容量を発生させることができる。
 あるいは、第2層3が最外層に設けられることでもよい。この場合には、第2層3は、電気的(電子的)に反応するタッチスクリーンに接触可能となる。この接触によって、第2層3は、タッチスクリーンとの間に直接的に静電容量を発生させることができる。
 これらの静電容量の発生によって、手袋1は、タッチスクリーンを操作することができる。
 第2層3が最外層となる場合でも、その外側に別の層が形成される場合でも、タッチスクリーンと第2層3との間に静電容量が発生し、タッチスクリーンを反応させることができる。
  (第2層の形成範囲)
 第2層3は、PEDOT/PSS、ポリフェニレン、ポリアセン、ポリジアセチレン、ポリフェニレン、ポリアントラセン、ポリフラン、ポリセレノフェン、ポリアニリン、ポリチエニレンビニレン、ポリフェナントレン、ポリペリナフタレンの少なくとも一つを含有することで、タッチスクリーンとの間に静電容量を生じさせる。この静電容量が、電子的に反応するタッチスクリーンを動作させる。このため、第2層3が形成されている範囲が、タッチスクリーンを操作することのできる範囲となる。
  (その1:第1関節より先端側)
 第2層3は、指部6の第1関節より先端側に設けられることも好適である。図2は、本発明の実施の形態1における手袋の正面図である。図2の手袋1では、第1層2の上に第2層3が形成されている。ここで、第2層3は、指部6の第1関節より先端側に形成されている。
 手袋1を着用した使用者は、主に指先を用いてタッチスクリーンを操作することが多い。このため、指先に該当する指部6の第1関節より先端側に、第2層3が設けられることは、操作において好適である。図2のように、第1関節より先端側に第2層3が形成されることで、操作に支障が生じにくい。
 また、第2層3の形成範囲が少ないことで、PEDOT/PSS等に必要となるコストを低減できるメリットもある。また、他の範囲は絶縁性の第1層2が主体となることで、手袋1全体の絶縁性を高めることができる。絶縁性が高いことで、工場などでの作業においての安全性が高まる。
 また、指部6の第1関節より先端側に第2層3が形成される際に、第1層2と第2層3との色味が相違すれば、使用者は指先でのタッチスクリーンの操作ができるものと、容易に理解できるようになる。
  (その2:指部の腹側のみ)
 第2層3は、指部6の腹側のみに形成されることも好適である。手袋1を着用した使用者は、指部6の腹側(掌側)をタッチスクリーンに接触させて操作することが多い。操作しやすいからである。
 第2層3は、PEDOT/PSS等を含有することで、タッチスクリーンが備える電極との間に静電容量を生じさせる。このため、第2層3がタッチスクリーンと接触する部分に形成されていることで、操作としての十分性は確保できる。
 第2層3が指部6の腹側のみに形成されることで、PEDOT/PSS等に必要となるコストを低減できるメリットがある。また、第2層3を形成する際の素材液に浸漬させる時間の短縮なども得られる。また、指部6の背側に第2層3が形成されないことで、指部6の背側の絶縁能力がより高まる。指部6の背側は、作業などにおいて通電性の物に触れてしまったり、静電気接触を発生させてしまったりすることがある。このような場合に対しても、指部6の腹側のみに第2層3が形成されていることは好適である。
  (その3:親指および人差し指のみ)
 第2層3は、親指および人差し指の指部6のみに形成されることも好適である。例えば、スマートフォンやタブレット端末などは、タッチスクリーンで操作する部分が決まっており、親指と人差し指のみでその操作する部分の操作が可能であることが多い。
 このため、第2層3は、親指と人差し指のみに形成されることも好適である。タッチスクリーンの操作における実用性は十分でありながら、第2層3の形成面積を小さくできる。小さくできることで、PEDOT/PSS等に必要となるコストを低減できる。また、第2層3を形成する工程を削減できる。
  (その4:親指、人差し指および中指のみ)
 あるいは、第2層3は、親指、人差し指および中指のみに形成されてもよい。上述のように、スマートフォンやタブレット端末などは、タッチスクリーンで操作する部分や操作方法が決まっており、親指、人差し指および中指でほとんどの操作が可能であることが多い。
 このため、第2層3は、親指、人差し指および中指のみに形成されることも好適である。タッチスクリーンの操作における実用性は十分でありながら、第2層3の面積を小さくできる。小さくできることで、PEDOT/PSS等に必要となるコストを低減できる。また、第2層3を形成する工程を削減できる。
  (その5:掌のみに形成)
 指部6を含めて掌4のみに第2層3が形成されることも好適である。掌4側のみに形成されても、指部6に形成されていれば、タッチスクリーンの操作には十分である。タッチスクリーンが大型であるなどの場合には、掌4側に第2層3が形成されていれば、操作が十分に行える。
 以上のように、種々の範囲に第2層3が形成されることで、コストを抑えつつも使用性を確保できる。また、その1での第1関節より上に形成されることとその2~その4の特定の指への形成などとは、組み合わされてもよい。すなわち、第1関節より先端側であって親指と人差し指のみに第2層3が形成されるなどである。
  (第2層の素材)
 第2層3は、NR(天然ゴム)、NBR(アクリロニトリルブタジエンゴム)、PU(ポリウレタン)、CR(クロロプレンゴム)、CSM(クロロスルホン化ポリエチレン)、PVC(塩化ビニル)、EVA(エチレン酢酸ビニル)、SBR(スチレンブタジエンゴム)の少なくとも一つに、PEDOT/PSS、ポリフェニレン、ポリアセン、ポリジアセチレン、ポリフェニレン、ポリアントラセン、ポリフラン、ポリセレノフェン、ポリアニリン、ポリチエニレンビニレン、ポリフェナントレン、ポリペリナフタレンの少なくとも一つを含む素材で形成されることが好適である。これらのいずれかの素材にPEDOT/PSS等が含有されることで、上述したタッチスクリーンの動作を実現しつつ、カラーバリエーションを広げることができる。
 また、これらの素材であれば、PEDOT/PSS等を含有させることが容易であり、第2層3を確実に形成することができる。第2層3は、素材液に浸漬されて形成される。この点でも、これらの素材であれば、素材液としての浸漬を行いやすく、メリットがある。
 第2層3は、これらの素材で形成される。もちろん、これらに限定されるとの意図ではない。
 また、第2層3において、PEDOT/PSSは、第2層全体に対して、1.6wt%以上の含有率で含有されればよい。1.6wt%以上の含有率であることで、PEDOT/PSSによって、第2層3がタッチスクリーンとの間に操作に十分な静電容量を発生させることができるからである。
 例えば、第2層3は、第1層2が形成された後で(第1層は、手袋1の全体の外形を形成する)、第2層を形成する素材液に浸漬されて形成される。第1層2が形成されていることで手袋1の外形は構成されており、これが素材液に浸漬されると、浸漬されて乾燥された部分に、第2層3が形成できる。
 第2層の組成に対応する素材液が用意されており、この素材液に第1層2が浸漬されて乾燥されると、その部分が第2層3として形成される。すなわち、上述したNR(天然ゴム)、NBR(アクリロニトリルブタジエンゴム)、PU(ポリウレタン)、CR(クロロプレンゴム)、CSM(クロロスルホン化ポリエチレン)、PVC(塩化ビニル)、EVA(エチレン酢酸ビニル)、SBR(スチレンブタジエンゴム)の少なくとも一つにPEDOT/PSS等を含む素材液が用意されていることが好適である。この組成を有する素材液に浸漬されることで、第2層3が形成できる。
 ここで、乾燥後にPEDOT/PSS等の含有率が1.6wt%以上となるように、素材液が調整されればよい。
 このような組成の素材液が用意され、第1層2により形成されている手袋1の外形の必要な部分が浸漬される。上述したように、第2層3を形成したい範囲である。例えば、指部のみ、指部の腹側のみ、指部の第1関節より上、親指と人差し指のみ、などが、素材液に浸漬される。この浸漬後に乾燥されることで、所望の範囲に第2層3を形成することができる。
 このようにして形成された第2層3は、タッチスクリーンとの反応が十分なPEDOT/PSS等を含んでおり、第2層3とタッチスクリーンとの間には静電容量が発生する。この結果、手袋1は、タッチスクリーンを操作できる。
 (第1層2)
 第1層2は、絶縁性を有する素材で形成されればよい。絶縁性を有する素材液が用意されて、これによって、第1層が形成されてもよい。
 (実施の形態2)
 次に、実施の形態2について説明する。実施の形態2では、種々の追加的工夫や、実験結果について説明する。
  (第2層のすべり止め機能)
 第2層3は、図1のように、掌4に形成されることもある。掌4全体ではなくても、指部6の腹側などに第2層3は形成される。すなわち、第2層3は、モノを把持する部分に形成されることになる。例えば、手袋1を着用した人は、物をつかんだり、指先で物をつまんだりする。このような場合には、把持対象物には、第2層3が接触していることが多い。
 このため、第2層3は、すべり止め機能を有していることも好適である。第2層3は、静電容量を発生させる機能とすべり止め機能とを有していることで、タッチスクリーンの操作およびすべり止めによる把持力向上を両立させることができる。
 逆に言えば、手袋1においてすべり止めを必要とする領域に、第2層3が形成されることでもよい。こうすることで、第2層3は、すべり止めとタッチスクリーンの操作との両立が実現できる。
  (第1層の内側)
 第1層2の内側に、伸縮性のある繊維製基体を更に備えることも好適である。いわゆる軍手態様の繊維製基体を内側に備えることで、装着感が向上するからである。この場合には、内側に繊維製の基体があり、次いで第1層2があり、外側に第2層3が存在する。このような多層構造によって、装着性の高さ、耐電性(絶縁性)、タッチスクリーンの操作、をそれぞれ実現できる。
  (色味の違い)
 第1層2と第2層3とは、色味が異なることも好適である。色味が異なることで、第1層2と第2層3のそれぞれが備わっていることを使用者が一目で把握できるからである。また、第2層3が手袋1の一部のみに形成されている場合には、第2層3が形成されている部分を一目で把握でき、使用者は、タッチスクリーンを操作する部位を把握できる。この把握によって、問題なく手袋1を着用したままでタッチスクリーンを操作できるようになる。
 以上のように、第1層2と第2層3とで色味が異なることも好適である。
  (実験結果についての説明)
 次に、発明者による実験結果について説明する。発明者は、実施の形態1で説明された手袋が、タッチスクリーンを操作できる(通電状態とできる静電容量を発生できる)かどうかを、実験した。このとき、発明者は、第2層が含有するPEDOT/PSSなどの含有率、第2層と指部表面との静電容量、第2層の絶縁抵抗値のそれぞれの観点から、定量的な評価を行った。
 図3~図5は、本発明の実施の形態2における手袋とタッチスクリーンとの通電状態を測定する態様を示す説明図である。
 図3~図5における実験では、タッチスクリーンに相当する電子パネルと、この電子パネルの裏面に接続される電極と、が用意されている。この電子パネルの表面(電極と逆側)を手袋を装着、非装着の状態の人の手で触ることで、電子パネルが動作するかどうかを確認した。この確認を通じて、手袋の第2層の必要となる絶縁抵抗値などを測定した。
 図3では、手袋を非装着状態である手で、電子パネルを触っている状態が示されている。このとき、手の表面と電子パネルの電極との間に、疑似コンデンサAが発生する。この疑似コンデンサAの容量が、手の表面と電子パネルの電極との間に発生する静電容量を示している。
 図4では、通常の手袋を装着した手で、電子パネルを触っている状態が示されている。このとき、手袋の中にある手と電子パネルの電極との間に、疑似コンデンサBが発生する。この疑似コンデンサBの容量が、手袋の中の手と電子パネルの電極との間に発生する静電容量を示している。
 図5では、本発明の第2層を備えた手袋を装着した手で、電子パネルを触っている状態が示されている。このとき、手袋の中の手と導電性を有する第2層との間に、疑似コンデンサCが発生する。加えて、この疑似コンデンサCと接続するように、第2層と電子パネルの電極との間に、疑似コンデンサA(図3と同じ)が発生する。このようにして、第2層と電子パネルとの間の静電容量が発生し、電子パネルの動作ができるかできないかの、境界が判明する。
 このように、本発明の手袋は、第2層が存在することで、手と第2層との間、第2層と電子パネルとの間、の2カ所に分かれて静電容量が発生する。この2カ所の静電容量の全体が電子パネルを動作させるに十分であれば、手袋を装着したままでタッチスクリーンを動作させることができ、そうでなければ、タッチスクリーンを動作させることはできない。
 すなわち、手と電子パネルとの間の静電容量と電子パネルとの動作の限界を探ることで、本発明の手袋、特に第2層に求められるスペックを見出すことができる。
 ここで、第2層のスペックを探るために、手にポリエチレン製の薄い手袋を装着して、タッチスクリーンである電子パネルが動作するかどうかを、ポリエチレンの枚数を増やしながら確認する作業を行った。すなわち、手に装着するポリエチレン手袋の枚数を増やしながら、図3~5で示したような実験を行い、タッチスクリーンが反応するかどうかを確認する作業を繰り返した。
 図6は、本発明の実施の形態2におけるポリエチレン手袋を装着した状態で、タッチスクリーンが反応するかどうかを確認した実験結果である。図6は、横軸に、手に装着したポリエチレン手袋の枚数を示している。縦軸は、手とタッチスクリーンとの間の静電容量を示している。縦軸の静電容量は、図5で示した疑似コンデンサCと同じものである。
 また、図6では、装着するポリエチレン手袋の枚数を増やしていくことで、タッチスクリーンの反応が悪くなる枚数を探った結果も反映している。なお、図6の実験では、タッチスクリーンとして「富士通製 ノートパソコン FMVS76E」を用いた。
 図6に示される通り、ポリエチレン手袋の枚数が16枚以上となると、タッチスクリーンが反応しにくくなることが確認された。このときの手とタッチスクリーンとの静電容量は、2pF程度である。本発明の手袋に適用すると、第2層とタッチスクリーンとの間の静電容量は、2pF/φ8mm以上であることが、確認された。φ8mmとは、タッチパネルに接触する指先部の形状が概略直径8mmの円であることから、この大きさを接触部とみなしたことを示している。
 第2層とタッチスクリーンとの間の静電容量が、2pF/φ8mm以上であれば、本発明の手袋は、手袋を装着したままで、タッチスクリーンを操作することができる。
 また、第2層の絶縁抵抗値も測定した。図7は、本発明の実施の形態2における手袋とタッチスクリーンとの反応を確認する実験結果を示す表である。図7では、第2層にPEDOT/PSSの含有率を変化させながら含有させた手袋を製作し、タッチスクリーンの反応状態を検証した実験結果である。
 ここで、第2層の絶縁抵抗値が1MΩ以下となるところから、手袋とタッチスクリーンとが反応することが確認された。すなわち、手袋の第2層の絶縁抵抗値が、1MΩ以下であることが、手袋を装着したままでタッチスクリーンを操作することのできる境界であることが確認された。
 また、このとき第2層におけるPEDOT/PSSの含有率は、1.6wt%以上であることが好適であることが確認された。第2層におけるPEDOT/PSSの含有率が、1.6wt%以上となると、図7に示される通り、手袋を装着したままで、タッチスクリーンが反応するからである。
 なお、第2層が乾燥状態においてのPEDOT/PSSの含有率が、1.6wt%以上ということである。第2層は、液状素材に手袋が浸漬されて形成されることが多いが、この液状素材の状態で含有されるPEDOT/PSSの含有率ではなく、第2層が形成された乾燥された後での含有率が、1.6wt%以上である。
 ここでは、第2層にPEDOT/PSSが含有されることを例として示したが、PEDOT/PSS以外のポリフェニレン、ポリアセン、ポリジアセチレン、ポリフェニレン、ポリアントラセン、ポリフラン、ポリセレノフェン、ポリアニリン、ポリチエニレンビニレン、ポリフェナントレン、ポリペリナフタレンであっても同様である。
 以上の実験結果より、第2層においては、次のスペックを有していることが好ましい。
 (1)第2層と指部表面との間の静電容量が、2pF/φ8mm以上であること。
 (2)第2層の絶縁抵抗値が、1MΩ以下であること。
 (3)第2層におけるPEDOT/PSS等の含有率が、第2層として乾燥されて形成された後の状態で、1.6wt%以上であること。
 このように、実験結果から、第2層に求められるスペックが確認された。このようなスペックの第2層であることで、本発明の手袋は、手袋を装着したままで、必要な絶縁性を維持しつつも、タッチスクリーンを操作することができる。
 以上、実施の形態1~2で説明された手袋は、本発明の趣旨を説明する一例であり、本発明の趣旨を逸脱しない範囲での変形や改造を含む。
 1  手袋
 2  第1層
 3  第2層
 4  掌
 6  指部

Claims (14)

  1.  絶縁性の第1層と、
     前記第1層の外側であって少なくとも指部に対応する第2層と、を備え、
     前記第1層は、外部から手への絶縁性を有し、
     前記第2層は、PEDOT/PSS(ポリエチレンジオキシチオフェン/ポリスチレンスルホン酸)、ポリフェニレン、ポリアセン、ポリジアセチレン、ポリフェニレン、ポリアントラセン、ポリフラン、ポリセレノフェン、ポリアニリン、ポリチエニレンビニレン、ポリフェナントレン、ポリペリナフタレンの少なくとも一つを含有する、手袋。
  2.  前記第2層は、最外層に設けられる、請求の範囲第1項記載の手袋。
  3.  前記第2層は、電子的に反応するタッチスクリーンに接触可能である、請求の範囲第2項記載の手袋。
  4.  前記第2層は、前記指部において第1関節より先端側に設けられる、請求の範囲第1項から第3項のいずれか記載の手袋。
  5.  前記第2層は、指部の腹側のみに形成される、請求の範囲第1項から第4項のいずれか記載の手袋。
  6.  前記第2層は、親指および人差し指の指部のみに形成される、請求の範囲第1項から第4項のいずれか記載の手袋。
  7.  前記第2層は、親指、人差し指および中指の指部のみに形成される、請求の範囲第1項から第4項のいずれか記載の手袋。
  8.  前記第2層はすべり止め機能を有し、前記手袋においてすべり止めを必要とする領域のみに形成される、請求の範囲第1項から第4項のいずれか記載の手袋。
  9.  前記第2層は、NR(天然ゴム)、NBR(アクリロニトリルブタジエンゴム)、PU(ポリウレタン)、CR(クロロプレンゴム)、CSM(クロロスルホン化ポリエチレン)、PVC(塩化ビニル)、EVA(エチレン酢酸ビニル)、SBR(スチレンブタジエンゴム)の少なくとも一つにPEDOT/PSS、ポリフェニレン、ポリアセン、ポリジアセチレン、ポリフェニレン、ポリアントラセン、ポリフラン、ポリセレノフェン、ポリアニリン、ポリチエニレンビニレン、ポリフェナントレン、ポリペリナフタレンの少なくとも一つを含む素材で形成される、請求の範囲第1項から第8項のいずれか記載の手袋。
  10.  前記PEDOT/PSSは、前記第2層全体に対して、1.6wt%以上の含有率を有する、請求の範囲第1項から第9項のいずれか記載の手袋。
  11.  前記第2層と指部表面との間に発生する静電容量は、2.0pF/φ8mm以上である、請求の範囲第1項から第10項のいずれか記載の手袋。
  12.  前記第2層の絶縁抵抗値は、1MΩ以下である、請求の範囲第1項から第11項のいずれか記載の手袋。
  13.  前記第1層の内側に、伸縮性のある繊維製基体を更に備える、請求の範囲第1項から第12項のいずれか記載の手袋。
  14.  前記第1層と前記第2層の色味が異なる、請求の範囲第1項から第13項のいずれか記載の手袋。
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