WO2018033967A1 - 冷凍装置 - Google Patents
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Abstract
本発明の冷凍装置は、圧縮機、熱源側熱交換器、負荷側膨張弁および負荷側熱交換器を含む主冷媒回路と、圧縮機の吐出側で主冷媒回路から分岐し、負荷側膨張弁の下流側で主冷媒回路に合流するホットガス冷媒回路と、負荷側膨張弁と負荷側熱交換器の間で主冷媒回路から分岐し、負荷側熱交換器の下流側で主冷媒回路に合流するドレンパン回路と、負荷側熱交換器の下に設けられ、ドレンパン回路の配管と接触するドレンパンと、運転状態に応じて冷媒の流路を切り替える制御部と、を有し、制御部は、冷却運転から除霜運転に切り替わると、圧縮機から吐出される冷媒の流路を主冷媒回路からホットガス冷媒回路に切り替える熱交換器除霜手段と、負荷側熱交換器の除霜が行われた後、ホットガス冷媒回路から供給される冷媒の流路を負荷側熱交換器からドレンパン回路に切り替えるドレンパン除霜手段と、を有するものである。
Description
本発明は、ホットガス冷媒を用いて熱交換器の除霜を行う冷凍装置に関するものである。
従来、冷凍装置には、圧縮機から吐出されたホットガス冷媒がバイパス回路を経由して負荷側ユニットに流入する際に、ドレンパンを通過した後に負荷側熱交換器を通過し、圧縮機に吸入される、ホットガス除霜運転モードを有するものがある。
上記の冷凍装置では、ホットガス冷媒は負荷側ユニットに流入した後、先ずドレンパンに流入するため、ホットガス冷媒がドレンパンに熱を与え、除霜熱量が不足しやすい熱交換器以外の根氷を防止することができる。
従来の冷凍装置では、ホットガス冷媒が負荷側ユニットに流入した際、最初にドレンパンに流入する。最も熱量の高いホットガス冷媒を最初にドレンパンに通すことで、除霜終了まで残霜を溶かし切ることができる。その反面、除霜初期にはドレンパン上には霜がないので、ホットガス冷媒の熱量を十分に生かせない。また、ホットガス冷媒は庫内温度相当に冷却されたドレンパン上で放熱するため、熱量の下がったホットガス冷媒が負荷側熱交換器に流入することになる。ホットガス冷媒がドレンパン経由で負荷側熱交換器に流れることは除霜効率を下げる要因となっていた。
この問題の対処方法の一例が特許文献1に開示されている。特許文献1に開示された冷凍冷蔵庫は、主冷媒回路とは別に2つのバイパス回路を有する。2つのバイパス回路のうち、一方のバイパス回路は、圧縮機の吐出側から蒸発器を経由して圧縮機の吸入側に戻る経路である。他方のバイパス回路は、圧縮機の吐出側からトレイおよび蒸発器を経由して圧縮機の吸入側に戻る経路である。
特許文献1に開示された冷凍冷蔵庫では、はじめに蒸発器のみを経由するバイパス回路にホットガス冷媒を流通させ、蒸発器の温度が0℃になると、ホットガス冷媒を2つのバイパス回路に分流させる。そして、蒸発器の温度が0℃になってから時間t0が経過すると、冷凍冷蔵庫は、蒸発器のみを経由するバイパス回路へのホットガス冷媒の流通を停止し、トレイおよび蒸発器を経由するバイパス回路にホットガス冷媒の全てを流通させる。
特許文献1に開示された冷凍冷蔵庫では、トレイを通過した後のホットガス冷媒は必ず蒸発器を通過するため、少なくとも蒸発器において空気と熱交換し、冷媒は冷やされる。そのため、トレイのみにホットガス冷媒を流す場合に比べて、除霜終了が遅くなる。
本発明は、上記のような課題を解決するためになされたもので、蒸発器の除霜の効率を向上させた冷凍装置を得るものである。
本発明に係る冷凍装置は、圧縮機、熱源側熱交換器、負荷側膨張弁および負荷側熱交換器が配管で環状に接続された主冷媒回路と、前記圧縮機の吐出側で前記主冷媒回路から分岐し、前記負荷側膨張弁の下流側で前記主冷媒回路に合流するホットガス冷媒回路と、前記負荷側膨張弁と前記負荷側熱交換器の間で前記主冷媒回路から分岐し、前記負荷側熱交換器の下流側で前記主冷媒回路に合流するドレンパン回路と、前記負荷側熱交換器の下に設けられ、前記ドレンパン回路の配管と接触するドレンパンと、前記主冷媒回路において前記熱源側熱交換器および前記負荷側膨張弁を経由する流路と前記ホットガス冷媒回路との間で冷媒の流路を切り替える第1切替部と、前記ホットガス冷媒回路を介して供給される冷媒の流路を前記負荷側熱交換器および前記ドレンパン回路間で切り替える第2切替部と、運転状態に応じて、前記冷媒の流路を切り替える制御部と、を有し、前記制御部は、前記運転状態が冷却運転から除霜運転に切り替わると、前記第1切替部を制御して、前記圧縮機から吐出される冷媒の流路を前記主冷媒回路から前記ホットガス冷媒回路に切り替える熱交換器除霜手段と、前記負荷側熱交換器の除霜が行われた後、前記第2切替部を制御して、前記ホットガス冷媒回路から供給される前記冷媒の流路を前記負荷側熱交換器から前記ドレンパン回路に切り替えるドレンパン除霜手段と、を有するものである。
本発明は、ホットガス冷媒を負荷側熱交換器に流通して除霜を行った後、ホットガス冷媒の流路を負荷側熱交換器からドレンパン経由のドレンパン回路に切り替え、負荷側熱交換器とドレンパンとのそれぞれにホットガス冷媒の熱量を集中させることで、除霜を効率的に行い、除霜にかかる時間を低減できる。
実施の形態1.
[冷凍装置の構成]
本実施の形態1の冷凍装置の構成を説明する。図1は、本発明の実施の形態1における冷凍装置の一構成例を示す冷媒回路図である。冷凍装置50は、蒸気圧縮式の冷凍サイクル運転を行うことによって、食品倉庫に保管された食品の冷蔵および冷凍、ならびに製氷等に必要な冷凍能力を発揮する装置である。冷凍装置50は、1台の熱源側ユニットと1台または複数台の負荷側ユニットとを接続する主冷媒回路14と、除霜用のホットガスをバイパスするためのホットガス冷媒回路15とを有する。本実施の形態1では、負荷側ユニットが1台の場合で説明する。
[冷凍装置の構成]
本実施の形態1の冷凍装置の構成を説明する。図1は、本発明の実施の形態1における冷凍装置の一構成例を示す冷媒回路図である。冷凍装置50は、蒸気圧縮式の冷凍サイクル運転を行うことによって、食品倉庫に保管された食品の冷蔵および冷凍、ならびに製氷等に必要な冷凍能力を発揮する装置である。冷凍装置50は、1台の熱源側ユニットと1台または複数台の負荷側ユニットとを接続する主冷媒回路14と、除霜用のホットガスをバイパスするためのホットガス冷媒回路15とを有する。本実施の形態1では、負荷側ユニットが1台の場合で説明する。
図1に示すように、冷凍装置50は、圧縮機1および熱源側熱交換器2を含む熱源側ユニット40と、負荷側膨張弁4、ドレンパン5および負荷側熱交換器6を含む負荷側ユニット45とを有する。冷凍装置50の運転を制御する制御部20が熱源側ユニット40に設けられている。制御部20には、図に示さないリモートコントローラが接続されている。
圧縮機1、熱源側熱交換器2、負荷側膨張弁4および負荷側熱交換器6が配管で環状に接続された主冷媒回路14が構成されている。圧縮機1の吐出側で主冷媒回路14から分岐し、負荷側膨張弁4の下流側で主冷媒回路14に合流するホットガス冷媒回路15が設けられている。負荷側膨張弁4と負荷側熱交換器6の間で主冷媒回路14から分岐し、負荷側熱交換器6の下流側で主冷媒回路14に合流するドレンパン回路16が設けられている。ドレンパン5はドレンパン回路16の配管と接触している。
主冷媒回路14には、負荷側膨張弁4の上流側に負荷側電磁弁3が設けられている。また、主冷媒回路14において、負荷側熱交換器6の上流側に主回路用電磁弁10が設けられている。主冷媒回路14において、負荷側熱交換器6の下流側に主回路用温度センサ11が設けられている。主回路用温度センサ11は、負荷側熱交換器6の出口側の冷媒の温度T11を検知する。
ホットガス冷媒回路15には、圧縮機1の吐出側で主冷媒回路14との分岐点に近いところに第1電磁弁7が設けられている。また、ホットガス冷媒回路15において、負荷側膨張弁4の下流側で主冷媒回路14との分岐点に近いところに第2電磁弁8が設けられている。
ドレンパン回路16には、ドレンパン5よりも上流側であって、負荷側膨張弁4の下流側で主冷媒回路14と合流する点の近くにドレンパン電磁弁9が設けられている。また、ドレンパン回路16において、ドレンパン5よりも下流側であって、負荷側熱交換器6の下流側で主冷媒回路14と合流する点の近くにドレンパン温度センサ12が設けられている。ドレンパン温度センサ12は、ドレンパン5の下流側におけるドレンパン回路16の冷媒の温度T12を検知する。
なお、熱源側熱交換器2に空気を供給するファンが熱源側ユニット40に設けられ、負荷側熱交換器6に空気を供給するファンが負荷側ユニット45に設けられているが、これらのファンを図に示すことを省略している。
[熱源側ユニット40]
熱源側ユニット40は建物の屋外に設置されている。熱源側ユニット40は建物内の機械室に設置されていてもよい。熱源側ユニット40には、圧縮機1を含む圧縮機ユニットと熱源側熱交換器2が一体型で空冷式の場合、圧縮機ユニットと熱源側熱交換器2が一体型で水冷式の場合、圧縮機ユニットと熱源側熱交換器2が非一体型のリモート空冷式の場合などがある。これらの各場合において、圧縮機ユニットおよび熱源側熱交換器2の設置位置は様々である。
熱源側ユニット40は建物の屋外に設置されている。熱源側ユニット40は建物内の機械室に設置されていてもよい。熱源側ユニット40には、圧縮機1を含む圧縮機ユニットと熱源側熱交換器2が一体型で空冷式の場合、圧縮機ユニットと熱源側熱交換器2が一体型で水冷式の場合、圧縮機ユニットと熱源側熱交換器2が非一体型のリモート空冷式の場合などがある。これらの各場合において、圧縮機ユニットおよび熱源側熱交換器2の設置位置は様々である。
熱源側ユニット40は、少なくとも圧縮機1および熱源側熱交換器2を有している。熱源側ユニット40においては、圧縮機1で圧縮されたガス冷媒が熱源側熱交換器2で凝縮された後、負荷側ユニット45へ流出する。熱源側ユニット40は、油分離器、レシーバ、過冷却熱交換器、中間インジェクション回路およびアキュムレータ等の機器を必要に応じて有していてもよい。
圧縮機1は、ロータリ式、スクロール式およびスクリュー式のいずれのタイプの圧縮機でもよい。圧縮機1は、インバータ等により容量可変な圧縮機であってもよく、商用電源による一定速の圧縮機であってもよい。また、圧縮機1は、1台の場合に限らず、負荷側ユニット45の数に応じて複数の圧縮機が並列に接続された構成であってもよい。熱源側ユニット40に中間インジェクション回路が設けられている場合、圧縮機1は中間インジェクションを有する圧縮機であってもよい。
熱源側熱交換器2は、圧縮機1から吐出されたガス冷媒を外部熱源と熱交換し凝縮させる凝縮器である。熱源側熱交換器2は、クロスフィン式のフィン・アンド・チューブ型熱交換器、シェル・アンド・チューブの水冷型熱交換器およびブレージングプレート式のプレート型熱交換器のうち、いずれのタイプであってもよい。
[負荷側ユニット45]
負荷側ユニット45は、冷蔵倉庫内の天井または床上に設置される。負荷側ユニット45は壁に沿って設置されてもよい。負荷側ユニット45は、主冷媒回路14およびホットガス冷媒回路15を介して熱源側ユニット40と接続されている。主冷媒回路14は、熱源側ユニット40の熱源側熱交換器2から負荷側電磁弁3および負荷側膨張弁4を介して熱源側ユニット40の圧縮機1の吸入口と接続される。ホットガス冷媒回路15は、熱源側ユニット40の圧縮機1の吐出側から第1電磁弁7および第2電磁弁8を経由して負荷側膨張弁4の下流側で主冷媒回路14に接続される。
負荷側ユニット45は、冷蔵倉庫内の天井または床上に設置される。負荷側ユニット45は壁に沿って設置されてもよい。負荷側ユニット45は、主冷媒回路14およびホットガス冷媒回路15を介して熱源側ユニット40と接続されている。主冷媒回路14は、熱源側ユニット40の熱源側熱交換器2から負荷側電磁弁3および負荷側膨張弁4を介して熱源側ユニット40の圧縮機1の吸入口と接続される。ホットガス冷媒回路15は、熱源側ユニット40の圧縮機1の吐出側から第1電磁弁7および第2電磁弁8を経由して負荷側膨張弁4の下流側で主冷媒回路14に接続される。
負荷側熱交換器6は、負荷側膨張弁4によって、気液二相、かつ低圧にされた冷媒を空気と熱交換させ、冷媒を気化させる蒸発器である。冷媒は空気と熱交換することで空気から熱を奪い、空気を冷やす。冷やされた空気は、DCモータ等の駆動装置を備えた軸流ファン(不図示)またはプロペラファン(不図示)により冷蔵倉庫の室内に送風される。
ドレンパン5は、負荷側熱交換器6の下に設けられている。ドレンパン5は、負荷側熱交換器6の除霜時に負荷側熱交換器6から落下する水分を受け、受けた水をドレンホース(不図示)へ導くための機器である。庫内温度が氷点下の冷蔵倉庫では負荷側熱交換器6から落下した水分が凍り付き、根氷として成長する場合がある。本実施の形態1では、ドレンパン回路16の配管をドレンパン5に接触させることで、ホットガス冷媒の熱量によりドレンパン5の上に落下した霜または氷を溶かし、根氷の成長を防止する。
負荷側ユニット45に設けられたドレンパン電磁弁9は、冷媒流路を負荷側熱交換器6からドレンパン5へ切り替えるために利用される。ドレンパン電磁弁9は、冷却運転、除霜運転および運転停止などの制御状態、ならびにドレンパン5の出口側の配管に設けられたドレンパン温度センサ12の温度T12にしたがって、制御部20によって開閉が制御される。
負荷側ユニット45に設けられた主回路用電磁弁10は、冷媒流路をドレンパン5から負荷側熱交換器6へ切り替えるために利用される。主回路用電磁弁10は、冷却運転、除霜運転および停止などの制御状態、ならびに負荷側熱交換器6の出口側の配管に設けられた主回路用温度センサ11の温度T11にしたがって、制御部20によって開閉が制御される。
[各種冷媒回路、その他のアクチュエータ、および温度センサの構成]
ホットガス冷媒回路15は、圧縮機1の吐出側と負荷側膨張弁4の下流側に接続され、圧縮機1から吐出された冷媒を凝縮させることなく負荷側ユニット45に流入させるための配管である。この配管構成により、除霜運転時に、熱量の高いホットガス冷媒を直接負荷側熱交換器6に入流させることができる。
ホットガス冷媒回路15は、圧縮機1の吐出側と負荷側膨張弁4の下流側に接続され、圧縮機1から吐出された冷媒を凝縮させることなく負荷側ユニット45に流入させるための配管である。この配管構成により、除霜運転時に、熱量の高いホットガス冷媒を直接負荷側熱交換器6に入流させることができる。
ホットガス冷媒回路15に設けられた第1電磁弁7および第2電磁弁8は、冷却運転中に冷媒がホットガス冷媒回路15へ流入しないために設置されている。除霜運転時には、ホットガス冷媒がホットガス冷媒回路15を通過できるように、第1電磁弁7および第2電磁弁8は閉状態から開状態に切り替わる。第1電磁弁7を設置せず、第2電磁弁8のみ設置された場合、第2電磁弁8の位置まで入り込んだ冷媒が寝込んでしまう可能性がある。この場合、冷却運転中にホットガス冷媒回路15の配管内で冷媒が凝縮すると、除霜運転時に急激な液バックを引き起こすおそれがある。第2電磁弁8は、冷却運転中にホットガス冷媒回路15内に冷媒が寝込まないようにするための役目も果たす。第2電磁弁8は、上記のように、第1電磁弁7と同様な役割を持ち、第1電磁弁7と同様な効果を生じさせる。
主冷媒回路14は、圧縮機1から吐出され、熱源側熱交換器2で凝縮された冷媒を負荷側電磁弁3および負荷側膨張弁4を通過させ、負荷側ユニット45を通過させた後に圧縮機1に戻す冷媒回路である。図1に示していないが、主冷媒回路14に、油分離器、レシーバ、主液ラインドライヤ、過冷却熱交換器などが設けられていてもよい。
主冷媒回路14に設けられた負荷側電磁弁3は、冷却運転時に開き、運転停止時または除霜運転時に閉じるように制御部20によって制御される。負荷側電磁弁3は、除霜運転時に液冷媒が負荷側膨張弁4を介して負荷側に流入しないために設置されている。圧縮機の中間インジェクションを有する冷媒回路であれば、圧縮機から吐出された冷媒の一部は凝縮器で凝縮された後に中間インジェクション回路に流入する。この際、負荷側電磁弁3が無い、もしくは開いている場合、中間インジェクション回路に流す冷媒は負荷側膨張弁4を介して負荷装置に流入し、除霜性能を著しく低下させる。圧縮機1の停止時直前に負荷側電磁弁3を閉じれば、負荷装置冷媒のポンプダウンを行うことができる。ドレンパン電磁弁9は、ドレンパン回路16に冷媒を流さないようにするための電磁弁である。ドレンパン電磁弁9は、冷却運転中は閉状態である。ドレンパン電磁弁9は、除霜運転中に使用され、負荷側熱交換器6の除霜が終了したときに、閉状態から開状態に切り替わり、ドレンパン回路16にホットガス冷媒を流入させる。
主回路用電磁弁10は、冷却運転中は常に開状態である。主回路用電磁弁10は、除霜運転中に、負荷側熱交換器6の除霜が終了したときに、開状態から閉状態に切り替わる。熱交換器および冷媒回路の仕様および構造により、負荷側熱交換器6の圧損がドレンパン回路16よりも大きければ、主回路用電磁弁10は設けられていなくてもよい。通常、負荷側熱交換器6の圧損がドレンパン回路16よりも大きい。負荷側熱交換器6の圧損がドレンパン回路16よりも大きい場合、ドレンパン電磁弁9が開いたとき、負荷側熱交換器6にはホットガス冷媒はほとんど流れない。ただし、ドレンパン5の構造およびドレンパン回路16の設定によってドレンパン回路16の圧損が大きい場合には、主回路用電磁弁10を設ける必要がある。例えば、冷媒をドレンパンに通過させた後、冷媒の一部を負荷側熱交換器に通過させるようにドレンパン回路が設定されている場合、ドレンパン回路の圧損が大きくなる。
第1電磁弁7、第2電磁弁8および負荷側電磁弁3は、主冷媒回路14において熱源側熱交換器2および負荷側膨張弁4を経由する流路とホットガス冷媒回路15との間で冷媒の流路を切り替える第1切替部17を構成する。ドレンパン電磁弁9および主回路用電磁弁10は、ホットガス冷媒回路15を介して供給される冷媒の流路を負荷側熱交換器6およびドレンパン回路16間で切り替える第2切替部18を構成する。
主冷媒回路14に設けられた負荷側膨張弁4は、高圧の凝縮液冷媒を膨張させ、低圧低温の気液二相冷媒にする装置である。負荷側膨張弁4は、温度式膨張弁でもよく、電子式膨張弁でもよい。負荷側膨張弁4が温度式膨張弁の場合、例えば、負荷側熱交換器6の出口に感温筒が設けられ、負荷側膨張弁4は、感温筒が検知する、蒸発器の出口温度に対応して開度を変化させる。また、負荷側膨張弁4が電子膨張弁の場合、制御部20が、負荷側膨張弁4の入口側の温度または低圧圧力相当飽和温度と、負荷側膨張弁4の出口側の温度との温度差に対応して、負荷側膨張弁4の開度を制御する。本実施の形態1では、負荷側膨張弁4が電子膨張弁である場合で説明する。
主回路用温度センサ11およびドレンパン温度センサ12は、サーミスタであってもよく、白金(Pt)を用いた白金抵抗温度センサであってもよい。主回路用温度センサ11が検知する温度T11の値は制御部20に入力される。温度T11は、除霜運転時におけるドレンパン電磁弁9および主回路用電磁弁10の開閉のための制御パラメータと、冷却運転時における負荷側膨張弁4の開度のための制御パラメータとして利用される。ドレンパン温度センサ12が検知する温度T12の値は制御部20に入力される。温度T12は、除霜終了検知のための制御パラメータとして利用される。
なお、熱源側ユニット40と負荷側ユニット45には、上記の2つの温度センサ以外に複数のセンサが設けられていてもよい。例えば、圧縮機1の吐出口に高圧圧力センサが設けられ、圧縮機1の吸入口には低圧圧力センサが設けられていてもよい。熱源側熱交換器2に外気の温度を検知する温度センサが設けられていてもよい。熱源側熱交換器2の冷却が水冷式である場合、熱源側熱交換器2に水温センサが設けられていてもよい。各制御アクチュエータは、必要なセンサ値が制御パラメータとして入力される制御部20によって最適に制御される。
図1を参照して、制御部20が熱源側ユニット40に設けられている場合で説明したが、制御部20は負荷側ユニット45に設けられていてもよい。また、図1では、負荷側電磁弁3が負荷側ユニット45に設けられているが、負荷側電磁弁3は熱源側ユニット40に設けられていてもよい。
[制御部20の構成]
図1に示した制御部20の構成を説明する。図2は、図1に示した冷凍装置の一構成例を示す機能ブロック図である。図2に示すように、制御部20は、プログラムを記憶するメモリ21と、プログラムにしたがって処理を実行するCPU(Central Processing Unit)22とを有する。メモリ21は、例えば、不揮発性メモリである。制御部20は、主回路用温度センサ11、ドレンパン温度センサ12、圧縮機1、負荷側電磁弁3、負荷側膨張弁4、第1電磁弁7、第2電磁弁8、ドレンパン電磁弁9および主回路用電磁弁10のそれぞれと信号線を介して接続されている。図2は負荷側膨張弁4が電子膨張弁の場合を示す。
図1に示した制御部20の構成を説明する。図2は、図1に示した冷凍装置の一構成例を示す機能ブロック図である。図2に示すように、制御部20は、プログラムを記憶するメモリ21と、プログラムにしたがって処理を実行するCPU(Central Processing Unit)22とを有する。メモリ21は、例えば、不揮発性メモリである。制御部20は、主回路用温度センサ11、ドレンパン温度センサ12、圧縮機1、負荷側電磁弁3、負荷側膨張弁4、第1電磁弁7、第2電磁弁8、ドレンパン電磁弁9および主回路用電磁弁10のそれぞれと信号線を介して接続されている。図2は負荷側膨張弁4が電子膨張弁の場合を示す。
制御部20には、主回路用温度センサ11から温度T11の値が入力され、ドレンパン温度センサ12から温度T12の値が入力される。制御部20は、圧縮機1の起動および停止と、圧縮機1の運転周波数を制御する。制御部20は、負荷側電磁弁3、第1電磁弁7、第2電磁弁8、ドレンパン電磁弁9および主回路用電磁弁10の開閉を制御する。また、制御部20は負荷側膨張弁4の開度を制御する。
制御部20は、負荷側電磁弁3、第1電磁弁7および第2電磁弁8の開閉を制御することで、圧縮機1が吐出する冷媒の流れを、運転状態に応じて、切り替える。また、制御部20は、除霜運転時には、ドレンパン電磁弁9および主回路用電磁弁10の開閉を制御することで、ドレンパン5および負荷側熱交換器6のうち、いずれかにホットガス冷媒が流れ込むように、ホットガス冷媒の流路を切り替える。
図2に示した制御部20の構成について詳しく説明する。図3は、図2に示した制御部の一構成例を示す機能ブロック図である。図3に示すように、制御部20は、冷凍サイクル制御手段31と、熱交換器除霜手段32と、判定手段33と、ドレンパン除霜手段34と、時間を計測するタイマー35とを有する。図2に示したCPU22がプログラムを実行することで、冷凍サイクル制御手段31、熱交換器除霜手段32、判定手段33およびドレンパン除霜手段34が冷凍装置50に構成される。
冷凍サイクル制御手段31は、リモートコントローラ(不図示)から冷却運転の指示が入力されると、第1電磁弁7、第2電磁弁8およびドレンパン電磁弁9を閉め、負荷側電磁弁3および主回路用電磁弁10を開けた状態で圧縮機1を起動する。冷凍サイクル制御手段31は、各種センサの値に基づいて、圧縮機1の運転周波数および負荷側膨張弁4の開度を制御する。冷凍サイクル制御手段31は、主回路用温度センサ11の温度T11が予め決められた閾値TH0以下になると、除霜運転を熱交換器除霜手段32に指示し、タイマー35を起動する。冷凍サイクル制御手段31は、リモートコントローラ(不図示)から除霜運転の指示が入力されたとき、除霜運転を熱交換器除霜手段32に指示し、タイマー35を起動してもよい。
熱交換器除霜手段32は、冷凍サイクル制御手段31から除霜運転の指示を受けると、圧縮機1の吐出側から主冷媒回路14に流れる冷媒をホットガス冷媒回路15を経由して負荷側熱交換器6に導く。具体的には、熱交換器除霜手段32は、負荷側電磁弁3を開状態から閉状態に切り替え、第1電磁弁7および第2電磁弁8を閉状態から開状態に切り替える。
判定手段33は、負荷側熱交換器6の除霜が終了したか否かを判定し、判定結果をドレンパン除霜手段34に通知する。負荷側熱交換器6の除霜が終了したか否かの判定方法として、例えば、除霜時間t1が予め決められた閾値である第1閾値時間th1以上であるか否か、および負荷側熱交換器6の出口側の冷媒の温度T11が予め決められた閾値である第1閾値温度TH1以上であるか否か等が考えられる。判定手段33は、タイマー35の計測時間を参照して除霜時間t1を見積もる。
また、判定手段33は、ドレンパン5の除霜が終了したか否かを判定し、判定結果をドレンパン除霜手段34に通知する。ドレンパン5の除霜が終了したか否かの判定方法として、例えば、除霜時間t2が予め決められた閾値である第2閾値時間th2以上であるか否か、およびドレンパン5の出口側の冷媒の温度T12が予め決められた閾値である第2閾値温度TH2以上であるか否か等が考えられる。なお、ドレンパン5の除霜終了を満たす条件である除霜終了条件として、除霜時間t2および温度T12以外に、他の条件が予め設定されていてもよい。
ドレンパン除霜手段34は、熱交換器除霜手段32が負荷側熱交換器6の除霜を終了したと判定手段33が判定すると、ホットガス冷媒回路15を経由して負荷側熱交換器6に流れる冷媒の流路をドレンパン回路16への流路に切り替える。具体的には、ドレンパン除霜手段34は、主回路用電磁弁10を開状態から閉状態に切り替え、ドレンパン電磁弁9を閉状態から開状態に切り替える。
また、ドレンパン除霜手段34は、ドレンパン5の除霜が終了したと判定手段33が判定すると、除霜運転を終了する旨を冷凍サイクル制御手段31に通知する。例えば、ドレンパン除霜手段34は、ドレンパン5の除霜が終了したと判断すると、負荷側電磁弁3を閉状態から開状態に切り替え、第1電磁弁7および第2電磁弁8を開状態から閉状態に切り替える。さらに、ドレンパン除霜手段34は、主回路用電磁弁10を閉状態から開状態に切り替え、ドレンパン電磁弁9を開状態から閉状態に切り替える。
[冷凍装置50の動作]
図1に示した冷凍装置50の動作を説明する。冷凍装置50が冷却運転を開始する前の停止状態では、第1電磁弁7、第2電磁弁8およびドレンパン電磁弁9が閉状態であるものとする。
図1に示した冷凍装置50の動作を説明する。冷凍装置50が冷却運転を開始する前の停止状態では、第1電磁弁7、第2電磁弁8およびドレンパン電磁弁9が閉状態であるものとする。
はじめに、運転モードが冷却運転の場合を説明する。運転モードが冷却運転の場合、制御部20は、ドレンパン電磁弁9を閉じた状態で、主回路用電磁弁10を開けることで、負荷側膨張弁4で低圧低温となった冷媒を負荷側熱交換器6に通すことで冷却運転を行う。
次に、運転モードが除霜運転の場合を説明する。図4は、図1に示した冷凍装置が行う除霜運転の動作手順を示すフローチャートである。ここでは、運転モードが冷却運転から除霜運転に切り替わる場合で説明する。運転モードが冷却運転から除霜運転に切り替わると、制御部20は、第1電磁弁7および第2電磁弁8を開け、負荷側電磁弁3を閉じる(ステップS1)。このとき、ドレンパン電磁弁9が閉状態、主回路用電磁弁10が開状態なので、ホットガス冷媒が、ドレンパン5で放熱することを防止し、冷却運転中に着霜した負荷側熱交換器6に最も大きい熱量を与えることで、霜を溶かすことができる。
除霜運転の時間経過に伴って、ホットガス冷媒が負荷側熱交換器6の霜を溶かし切るため、負荷側熱交換器6への熱供給は不要になる。そのため、制御部20は、負荷側熱交換器6の出口側の配管に設けられた主回路用温度センサ11の値を参照し、ホットガス冷媒回路15を介して供給されるホットガス冷媒の流路を負荷側熱交換器6からドレンパン回路16に切り替える。具体的には、制御部20は、主回路用温度センサ11が検知する温度T11が第1閾値温度TH1以上であるか否かを判定する(ステップS2)。温度T11が第1閾値温度TH1以上になっていると、制御部20は、負荷側熱交換器6の除霜が終了したと判断する。そして、制御部20は、主回路用電磁弁10を閉じ、ドレンパン電磁弁9を開く(ステップS3)。このようにして、ドレンパン5の除霜が開始される。
冷却運転時にドレンパン5は冷却器とならないため、霜は発生しにくいが、除霜運転の初期段階で負荷側熱交換器6に付着した霜が溶けつつ、ドレンパン5の上に落下する。そのため、除霜運転後半では、ドレンパン回路16にホットガス冷媒を流入させ、ドレンパン5に落下した霜を溶かす必要がある。ステップS3において、主回路用電磁弁10が閉じ、ドレンパン電磁弁9が開くことで、ホットガス冷媒はドレンパン回路16にのみに流入し、ドレンパン回路16の配管に接触するドレンパン5に溜まった霜を集中的に溶かすことができる。
なお、ステップS2において、制御部20は、負荷側熱交換器6における除霜の終了を、温度T11が第1閾値温度TH1以上か否かで判定したが、負荷側熱交換器6の除霜開始からタイマー35が計測した時間を参照し、除霜時間t1が第1閾値時間th1以上か否かで判定してもよい。この場合、除霜時間t1が負荷側熱交換器6における除霜終了の判定のバックアップとして用いられる。
制御部20は、ドレンパン5の除霜を行いながら、ドレンパン回路16の出口側の配管に設けられたドレンパン温度センサ12の値を参照し、次のようにして、ドレンパン5の除霜が終了したか否かを判定する。制御部20は、ドレンパン温度センサ12が検知する温度T12が第2閾値温度TH2以上であるか否かを判定する(ステップS4)。温度T12が第2閾値温度以上になっていると、制御部20は、他の除霜終了条件を満たすか否かを判定する(ステップS5)。他の除霜終了条件として、例えば、(1)除霜終了検知センサがオンである、(2)温度T11が予め決められた除霜終了温度以上である、(3)除霜時間の合計時間が予め決められた最大除霜時間以上である等が考えられる。ステップS5において、制御部20は、これらの条件のうち、1つまたは複数の条件を満たすか否かを判定する。
他の除霜終了条件が(1)の場合、例えば、除霜終了検知センサが負荷側ユニット45に予め設けられ、除霜終了検知センサがオフからオンに切り替わったとき、制御部20は、ドレンパン5の除霜を終了させる。除霜終了検知センサは、ファン(不図示)の吸い込み温度を検知する。除霜終了検知センサは、ファン(不図示)の吸い込み温度が予め決められた温度以上になると、除霜運転よりも冷却運転を優先させるために、オフからオンに切り替わるものである。
他の除霜終了条件が(2)の場合、例えば、第1閾値温度TH1<第2閾値温度TH2の関係であり、除霜終了温度として第2閾値温度TH2が設定されており、温度T11が第2閾値温度TH2以上になると、制御部20は、ドレンパン5の除霜が終了したと判断する。この条件の原理を説明する。ドレンパン回路16は負荷側熱交換器6の下流側で主冷媒回路14と接続されており、ドレンパン回路16の配管の温度が負荷側熱交換器6の下流側で主冷媒回路14の配管に伝わる。そのため、負荷側熱交換器6の出口の配管に設けられた主回路用温度センサ11の値が第2閾値温度TH2に達するほど高くなっていれば、制御部20は、ドレンパン5の除霜は既に終了しているものと判断する。
他の除霜終了条件が(3)の場合、除霜時間t1と除霜時間t2の合計時間が最大除霜時間以上であると、制御部20は、ドレンパン5の除霜が終了したと判断する。最大除霜時間は予め試験等によって決められている。
なお、ステップS4において、制御部20は、ドレンパン5の除霜終了条件の1つを、温度T12が第2閾値温度TH2以上か否かで判定したが、ドレンパン5の除霜開始からタイマー35が計測した時間を参照し、除霜時間t2が第2閾値時間th2以上か否かで判定してもよい。この場合、除霜時間t2がドレンパン5の除霜終了条件の1つの判定のバックアップとして用いられる。
図4に示したステップS5において、制御部20は、他の除霜終了条件を満たすと判定すると、ドレンパン5に溜まった霜および氷が全て溶けたと判断する。そして、制御部20は、負荷側電磁弁3を開け、第1電磁弁7および第2電磁弁8を閉じ、主回路用電磁弁10を開け、ドレンパン電磁弁9を閉じる(ステップS6)。制御部20は、運転モードを除霜運転から冷却運転に切り替える。なお、図4に示すフローチャートにおいて、ステップS6の判定処理は省略してもよい。
本実施の形態1における冷凍装置は、圧縮機1から吐出される冷媒を負荷側膨張弁4の下流側で主冷媒回路14に流通するホットガス冷媒回路15と、負荷側膨張弁4の下流側で分岐して負荷側熱交換器6の下流側で主冷媒回路14に合流するドレンパン回路16と、負荷側熱交換器6の下に設けられ、ドレンパン回路16の配管と接触するドレンパン5と、冷媒の流路を主冷媒回路14およびホットガス冷媒回路15間で切り替える第1切替部17と、冷媒の流路を負荷側熱交換器6およびドレンパン回路16間で切り替える第2切替部18と、制御部20とを有するものである。そして、制御部20は、除霜運転時に圧縮機1の吐出側から主冷媒回路14に流れる冷媒の流路を主冷媒回路14からホットガス冷媒回路15に切り替える熱交換器除霜手段32と、負荷側熱交換器6の除霜が行われた後、ホットガス冷媒回路15から供給される冷媒の流路を負荷側熱交換器6からドレンパン回路16に切り替えるドレンパン除霜手段34と、を有するものである。
本実施の形態1では、ホットガス冷媒を負荷側熱交換器6に流通して除霜を行った後、ホットガス冷媒の流路を負荷側熱交換器6からドレンパン回路16に切り替えることで、負荷側熱交換器6とドレンパン5とのそれぞれにホットガス冷媒の熱量が集中して除霜が行われる。ホットガス冷媒の熱量を必要な時間、必要な部位に供給しているので、除霜を効率的に行うことができ、除霜にかかる時間を低減できる。その結果、ドレンパンの除霜時にドレンパンだけでなく負荷側熱交換器にもホットガス冷媒を流通させる場合に比べて、除霜効率が向上し、省エネルギー性が高くなる。
本実施の形態1において、主冷媒回路14に負荷側熱交換器6の下流側に主回路用温度センサ11が設けられ、制御部20に判定手段33が設けられ、主回路用温度センサ11の値が予め決められた閾値温度以上であると判定手段33が判定すると、ドレンパン除霜手段34は、除霜対象が負荷側熱交換器6からドレンパン5に切り替わるように流路を制御してもよい。この場合、ドレンパン除霜手段34は、負荷側熱交換器6の出口の配管の温度に基づいて、負荷側熱交換器6の除霜が終了したか否かをより確実に判定することができる。
本実施の形態1において、時間を計測するタイマー35が設けられ、タイマー35の計測時間が予め決められた閾値時間以上経過したと判定手段33が判定すると、ドレンパン除霜手段34は、除霜対象が負荷側熱交換器6からドレンパン5に切り替わるように流路を制御してもよい。この場合、ドレンパン除霜手段34は、負荷側熱交換器6の出口の配管の温度による判定のバックアップとして、負荷側熱交換器6の除霜時間に基づいて、負荷側熱交換器6の除霜が終了したか否かを判定できる。
本実施の形態1において、ドレンパン回路16にドレンパン5よりも下流側にドレンパン温度センサ12が設けられ、制御部20に判定手段33が設けられ、ドレンパン除霜手段34は、ドレンパン温度センサ12の値が予め決められた閾値温度以上であると判定手段33が判定すると、ドレンパン5の除霜が終了したと判断するようにしてもよい。この場合、ドレンパン除霜手段34は、ドレンパン回路16の出口の配管の温度に基づいて、ドレンパン5の除霜が終了したか否かをより確実に判定することができる。
本実施の形態1において、時間を計測するタイマー35が設けられ、タイマー35の計測時間が予め決められた閾値時間以上経過したと判定手段33が判定すると、ドレンパン除霜手段34は、ドレンパン5の除霜が終了したと判断するようにしてもよい。この場合、ドレンパン除霜手段34は、ドレンパン回路16の出口の配管の温度による判定のバックアップとして、ドレンパン5の除霜時間に基づいて、ドレンパン5の除霜が終了したか否かを判定できる。
実施の形態2.
本実施の形態2は、実施の形態1で説明した手順にしたがって除霜対象を負荷側熱交換器6からドレンパン5に切り替えた後、負荷側熱交換器6に霜が残っていても、負荷側熱交換器6を除霜できるようにしたものである。
本実施の形態2は、実施の形態1で説明した手順にしたがって除霜対象を負荷側熱交換器6からドレンパン5に切り替えた後、負荷側熱交換器6に霜が残っていても、負荷側熱交換器6を除霜できるようにしたものである。
実施の形態1では、負荷側熱交換器6およびドレンパン回路16に別々にホットガス冷媒を流入させることで除霜効率が向上させているが、ドレンパン回路16にホットガス冷媒を流入させているとき、負荷側熱交換器6にホットガス冷媒が流入しない。そのため、除霜対象が負荷側熱交換器6からドレンパン5に移行したときに、負荷側熱交換器6に霜が残っている場合もある。例えば、図4に示したステップS2において、判定手段33が除霜時間t1と第1閾値時間th1との大小を比較して、負荷側熱交換器6の除霜が終了したか否かを判定しているが、第1閾値時間th1が実際に必要な除霜時間に足りない場合が考えられる。このことは、第1閾値温度TH1についても同様である。そのため、本実施の形態2は、除霜運転の後半でドレンパン5にホットガス冷媒を流すとともに、ホットガス冷媒の一部を負荷側熱交換器6にも流入する構成を備えている。
本実施の形態2における冷凍装置の構成を説明する。ただし、本実施の形態2では、実施の形態1で説明した構成と同様な構成についての詳細な説明を省略する。
図5は、本発明の実施の形態2における冷凍装置の一構成例を示す冷媒回路図である。
図5に示すように、負荷側ユニット45aにおいて、主冷媒回路14にバイパス回路19が設けられ、バイパス回路19に流量調整弁13が設けられている。バイパス回路19は、負荷側熱交換器6の上流側で主冷媒回路14から分岐し、主回路用電磁弁10を迂回した後、負荷側熱交換器6の上流側で再び主冷媒回路14に戻る構成である。
図5に示すように、負荷側ユニット45aにおいて、主冷媒回路14にバイパス回路19が設けられ、バイパス回路19に流量調整弁13が設けられている。バイパス回路19は、負荷側熱交換器6の上流側で主冷媒回路14から分岐し、主回路用電磁弁10を迂回した後、負荷側熱交換器6の上流側で再び主冷媒回路14に戻る構成である。
流量調整弁13は、ドレンパン5の除霜時にホットガス冷媒回路15を介して供給されるホットガス冷媒の一部を負荷側熱交換器6に流す。流量調整弁13は、手動で流量調整できるニードル弁でもよく、主回路用温度センサ11の温度T11に対応して開度を制御できる膨張弁であってもよい。ホットガス冷媒は圧損の少ないドレンパン回路16のみを流れようとするため、流量調整弁13の開度は、負荷側熱交換器6にもホットガス冷媒の一部を流し、かつ圧縮機1に液バックしない開度であることが望ましい。流量調整弁13の開度は予め試験を行って決定される。また、流量調整弁13が膨張弁である場合には、上述した適正な開度となる制御パラメータは予め試験を行って決定される。流量調整弁13の開度を制御部20aが制御する場合、この開度の情報はメモリ21に予め登録される。
制御部20aが流量調整弁13に開度を制御する場合の構成を説明する。図6は図5に示した制御部の一構成例を示す機能ブロック図である。除霜対象が負荷側熱交換器6からドレンパン5に切り替わった後、判定手段33は、温度T11を監視し、温度T11が予め決められた温度TH3以下になると、負荷側熱交換器6に残っている霜によって温度T11が低下したと判定する。そして、判定手段33は、負荷側熱交換器6に残霜がある旨の判定結果を熱交換器除霜手段32に通知する。熱交換器除霜手段32は、判定手段33から判定結果の通知を受けると、流量調整弁13の開度が予め決められた値になるように流量調整弁13を制御する。
または、除霜対象が負荷側熱交換器6からドレンパン5に切り替わる条件が、t1≧th1である場合、判定手段33は、負荷側熱交換器6に霜が残っていると判定し、その旨を熱交換器除霜手段32に通知する。熱交換器除霜手段32は、判定手段33から判定結果の通知を受けると、流量調整弁13の開度が予め決められた値になるように流量調整弁13を制御する。
または、除霜対象が負荷側熱交換器6からドレンパン5に切り替わる条件が、t1≧th1である場合、判定手段33は、負荷側熱交換器6に霜が残っていると判定し、その旨を熱交換器除霜手段32に通知する。熱交換器除霜手段32は、判定手段33から判定結果の通知を受けると、流量調整弁13の開度が予め決められた値になるように流量調整弁13を制御する。
なお、本実施の形態2における動作については、図4に示したステップS3において、制御部20aが流量調整弁13の開度を制御する手順が追加されることを除いて、実施の形態1と同様になるため、その詳細な説明を省略する。本実施の形態2において、流量調整弁13が不要な場合、制御部20aは流量調整弁13の開度がゼロになるように弁を制御すれば、除霜処理は実施の形態1と同様になる。
本実施の形態2の冷凍装置は、実施の形態1を参照して説明した冷凍装置に、主冷媒回路14に主回路用電磁弁10を迂回するバイパス回路19が設けられ、ホットガス冷媒の一部を流通させる流量調整弁13がバイパス回路19に設けられている。そのため、除霜対象がドレンパン5に移行した後、ドレンパン5上の霜を溶かしつつ、負荷側熱交換器6の残霜を溶かすことができる。
冷凍サイクルを行う装置およびシステムに実施の形態1および2の方法を適用することで、除霜運転にかかる時間を短くして除霜運転の効率を向上させ、除霜運転時の電力消費を抑えることで、省エネルギーを実現できる。
1 圧縮機、2 熱源側熱交換器、3 負荷側電磁弁、4 負荷側膨張弁、5 ドレンパン、6 負荷側熱交換器、7 第1電磁弁、8 第2電磁弁、9 ドレンパン電磁弁、10 主回路用電磁弁、11 主回路用温度センサ、12 ドレンパン温度センサ、13 流量調整弁、14 主冷媒回路、15 ホットガス冷媒回路、16 ドレンパン回路、17 第1切替部、18 第2切替部、19 バイパス回路、20、20a 制御部、21 メモリ、22 CPU、31 冷凍サイクル制御手段、32 熱交換器除霜手段、33 判定手段、34 ドレンパン除霜手段、35 タイマー、40 熱源側ユニット、45、45a 負荷側ユニット、50 冷凍装置。
Claims (6)
- 圧縮機、熱源側熱交換器、負荷側膨張弁および負荷側熱交換器を含む主冷媒回路と、
前記圧縮機の吐出側で前記主冷媒回路から分岐し、前記負荷側膨張弁の下流側で前記主冷媒回路に合流するホットガス冷媒回路と、
前記負荷側膨張弁と前記負荷側熱交換器の間で前記主冷媒回路から分岐し、前記負荷側熱交換器の下流側で前記主冷媒回路に合流するドレンパン回路と、
前記負荷側熱交換器の下に設けられ、前記ドレンパン回路の配管と接触するドレンパンと、
前記主冷媒回路において前記熱源側熱交換器および前記負荷側膨張弁を経由する流路と前記ホットガス冷媒回路との間で冷媒の流路を切り替える第1切替部と、
前記ホットガス冷媒回路を介して供給される冷媒の流路を前記負荷側熱交換器および前記ドレンパン回路間で切り替える第2切替部と、
運転状態に応じて、前記冷媒の流路を切り替える制御部と、を有し、
前記制御部は、
前記運転状態が冷却運転から除霜運転に切り替わると、前記第1切替部を制御して、前記圧縮機から吐出される冷媒の流路を前記主冷媒回路から前記ホットガス冷媒回路に切り替える熱交換器除霜手段と、
前記負荷側熱交換器の除霜が行われた後、前記第2切替部を制御して、前記ホットガス冷媒回路から供給される前記冷媒の流路を前記負荷側熱交換器から前記ドレンパン回路に切り替えるドレンパン除霜手段と、
を有する冷凍装置。 - 前記主冷媒回路において前記負荷側熱交換器の下流側に主回路用温度センサが設けられ、
前記主回路用温度センサが検知する温度が予め決められた温度である閾値温度以上であるか否かを判定する判定手段が前記制御部に設けられ、
前記ドレンパン除霜手段は、前記主回路用温度センサの値が前記閾値温度以上であると前記判定手段が判定すると、前記冷媒の流路を前記負荷側熱交換器から前記ドレンパン回路に切り替える、請求項1に記載の冷凍装置。 - 時間を計測するタイマーが前記制御部に設けられ、
前記判定手段は、前記タイマーの計測時間が前記熱交換器除霜手段が除霜を開始してから予め決められた時間である閾値時間以上経過したか否かを判定し、
前記ドレンパン除霜手段は、前記計測時間が前記閾値時間以上経過したと前記判定手段が判定すると、前記冷媒の流路を前記負荷側熱交換器から前記ドレンパン回路に切り替える、請求項2に記載の冷凍装置。 - 前記ドレンパン回路において前記ドレンパンよりも下流側にドレンパン温度センサが設けられ、
前記ドレンパン温度センサが検知する温度が予め決められた温度である閾値温度以上であるか否かを判定する判定手段が前記制御部に設けられ、
前記ドレンパン除霜手段は、前記ドレンパン温度センサの値が前記閾値温度以上であると前記判定手段が判定すると、前記ドレンパンの除霜が終了したと判断する、請求項1に記載の冷凍装置。 - 時間を計測するタイマーが前記制御部に設けられ、
前記判定手段は、前記タイマーの計測時間が前記熱交換器除霜手段が除霜を開始してから予め決められた時間である閾値時間以上経過したか否かを判定し、
前記ドレンパン除霜手段は、前記計測時間が前記閾値時間以上経過したと前記判定手段が判定すると、前記ドレンパンの除霜が終了したと判断する、請求項4に記載の冷凍装置。 - 前記負荷側熱交換器の上流側で前記主冷媒回路から分岐し、前記第2切替部を迂回して前記負荷側熱交換器の上流側に戻るバイパス回路と、
前記バイパス回路に設けられ、前記ドレンパンの除霜時に前記ホットガス冷媒回路を介して供給される冷媒の一部を前記負荷側熱交換器に流す流量調整弁と、
をさらに有する請求項1~5のいずれか1項に記載の冷凍装置。
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