WO2017104069A1 - パッド、カップ部を有する衣類及びパッドの製造方法 - Google Patents

パッド、カップ部を有する衣類及びパッドの製造方法 Download PDF

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    • A41C3/00Brassieres
    • A41C3/12Component parts
    • A41C3/14Stiffening or bust-forming inserts

Definitions

  • the raw material containing the far-infrared radiation material and the radiation source material can be pulverized and mixed preferably by wet mixing and grinding using a ball mill or the like.
  • the obtained wet mixture of raw material powders is dried and then fired.
  • the firing of the raw material powder mixture is performed by heating the particles to a temperature at which the particles are sintered or solidified, more specifically from 700 ° C. to 1500 ° C., depending on the type of the raw material. Can be done by.
  • this firing can be performed in a normal oxidizing atmosphere, depending on the type of raw material, for example, when a colored far-infrared emitting material such as copper oxide (Cu 2 O) is used, oxygen can be used. It is necessary to carry out in a weakly reducing atmosphere in which is blocked or in an atmosphere of nitrogen gas.
  • the present invention provides a garment having a cup part, wherein the pad is attached to the cup part or includes a cup part made of the pad.
  • the clothing which has a cup part of this embodiment, it can be used continuously on a daily basis, and breast cancer can be prevented more easily and effectively.

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Abstract

本発明は、生体適合性を有する樹脂(1)と、遠赤外線放射材料及び放射線源材料を含有する電磁波放射体(2)とを含む、パッド(10,20,30,40,70)である。本発明は、前記パッド(10,20,30,40,70)がカップ部(6)に装着された、又は、前記パッド(10,20,30,40,70)からなるカップ部(6)を備える、カップ部を有する衣類である。

Description

パッド、カップ部を有する衣類及びパッドの製造方法
 本発明はパッド、カップ部を有する衣類及びパッドの製造方法に関する。
乳がんは 30代から増加しはじめ、40歳代後半から50歳代前半にピークを迎え、比較的若い世代で多い。若い年代で乳がんを患う女性も少なくないため、早くから関心を持つことが大切である。
これまで乳がんの基本的な治療は、乳房を全摘出する外科的手術が一般的であったが、近年では、腫瘍摘出術と放射線治療、化学療法、ホルモン療法等と組み合わせた治療により、乳房を温存する方向で治療を行うことが増えてきている。
 しかしながら、放射線治療を行うと、治療後に乳房、腋窩のはれ、炎症、皮膚炎、腕のむくみ、腕が上がらない等の副作用を生じ、苦痛を伴うとともに日常生活に支障を来すこともあった。
特許文献1には、左右一対のカップ部、前記カップ部を背中側で連結するベルト部及び左右のカップ部を前側で脱着可能に連結するホック部を備える前開きタイプのブラジャーであって、少なくとも、前記カップ部の一方の皮膚接触面側に冷却剤を装着するためのポケット部を設けた乳がん患者用ブラジャーが開示されている。該ブラジャーは、乳房や腋窩を冷却することで、放射線治療中及び治療後に乳房や腋窩のはれ等を軽減するが、乳がんを予防することはできない。
特開2007-332520号公報
 このため、日常的に継続して使用可能で、簡便かつ効果的な乳がんの予防に好適なブラジャーを提供することを目的とする。
 本発明のパッド、カップ部を有する衣類及びパッドの製造方法は下記の態様を含む。
[1]生体適合性を有する樹脂と、遠赤外線放射材料及び放射線源材料を含有する電磁波放射体とを備える、パッド。
[2]前記遠赤外線放射材料が、セラミックスである、[1]に記載のパッド。
[3]前記放射線源材料が、トリウム又はウランである、[1]又は[2]に記載のパッド。
[4][1]~[3]のいずれか一つに記載のパッドがカップ部に装着された、又は、前記パッドからなるカップ部を備える、カップ部を有する衣類。
[5]カップ部を有する衣類用のパッドの製造方法であって、第1熱可塑性フィルムに凹部を形成する凹部形成工程と、前記凹部に電磁波放射体を置き、前記電磁波放射体を挟んだ状態で前記第1熱可塑性フィルムと第2熱可塑性フィルムとを圧着して前記電磁波放射体を固定する電磁波放射体固定工程と、前記電磁波放射体が固定された前記第1熱可塑性フィルム及び前記第2熱可塑性フィルムを二枚の第3熱可塑性フィルムではさみ、該二枚の第3熱可塑性フィルムで前記電磁波放射体が固定された前記第1熱可塑性フィルム及び前記第2熱可塑性フィルムによって内部が仕切られた袋を作製する袋作製工程と、 前記袋の内部に、生体適合性を有する樹脂を注入する樹脂注入工程と、前記樹脂が注入された袋を加熱して成型する樹脂成型工程と、を備える、パッドの製造方法。
[6]カップ部を有する衣類用のパッドの製造方法であって、生体適合性を有する樹脂に遠赤外線放射材料及び放射線源材料を含有する電磁波放射体を練り込む工程と、生地と前記練り込む工程後の電磁波放射体含有樹脂とを貼り合せて、生地-樹脂複合シートを作製する工程と、生地の面を下にして前記生地-樹脂シートを型に置き、120℃以上260℃以下まで温度を上げた後、前記電磁波放射体含有樹脂同士が内側にくるようにもう一枚の前記生地-樹脂複合シートを貼り合せ、成型する工程と、を備える、パッドの製造方法。
本発明によれば、日常的に継続して使用可能で、より簡便かつ効果的に乳がんを予防することができる。
本実施形態におけるパッド10(裏面)の一例を示す模式図である。 本実施形態におけるパッド20(裏面)の一例を示す模式図である。 本実施形態におけるパッド30(裏面)の一例を示す模式図である。 本実施形態のパッド10の横断面(X-X)の一例を示す模式図である。 本実施形態のパッド20の横断面(Y-Y)の一例を示す模式図である。 本実施形態におけるカップ部を有する衣類(ブラジャー)の一例を示す模式図である。 本実施形態におけるカップ部を有する衣類(貼着式ブラジャー)(表面)の一例を示す模式図である。 本実施形態におけるカップ部を有する衣類(貼着式ブラジャー)(裏面)の一例を示す模式図である。
<パッド>
 一実施形態として、本発明は、生体適合性を有する樹脂と、遠赤外線放射材料及び放射線源材料を含有する電磁波放射体とを備える、パッドを提供する。
 本実施形態のパッドによれば、日常的に継続的に使用可能で、より簡便かつ効果的に乳がんを予防することができる。
[生体適合性を有する樹脂]
 本明細書において、「生体適合性を有する樹脂」とは、医療用途等に使用可能であって、人体に無毒な樹脂であれば、特別な限定はない。例えば、天然エラストマー又は合成エラストマー等の液体不浸透性材料が挙げられる。天然エラストマーとしては、例えば、灰色ラテックス、液体ラテックス、グアユール、又はそれらを組み合わせたもの等が挙げられる。また、合成エラストマーとしては、例えば、ポリイソブチレン、イソブチレン-イソプレンのコポリマー(ブチルエラストマー)、ポリビニルアセテート、ポリイソプレン、ポリエチレン、コポリマーの重量で、約5%から約50%のビニルラウリン酸含有率を有する酢酸ビニル-ラウリン酸ビニルのコポリマー、ネオプレン(ポリクロロプレン)、熱可塑性エラストマー、ニトリルゴム、(タンパク質を有さない)合成ラテックス、スチレンエラストマー、ポリウレタン、シリコン樹脂、又はそれらを組み合わせたもの等が挙げられる。
中でも、原料の調達のしやすさから、生体適合性を有する樹脂は、合成エラストマーであることが好ましく、装着時の快適性から、ポリウレタン又はシリコン樹脂がより好ましい。
シリコン樹脂としては、例えば、ポリジメチルシロキサン(Polydimethylpolysiloxane)、シリコンオイル(例えば、ヒドロキシルシリコンオイル、メチルシリコンオイル、ジメチルシリコンオイル、水素シリコンオイル、ビニルシリコンオイル、メチルビニルシリコンオイル、メチルフェニルシリコンオイル等)等が挙げられる。上記シリコン樹脂は、それぞれ単独で用いてもよく、2種類以上組み合わせて用いてもよい。
[電磁波放射体]
 本実施形態のパッドは、電磁波放射体を含むことにより、遠赤外線により、肌を温め、微量の放射線によりホルミシス効果で身体の回復機能を向上させることができる。さらに、継続的な使用により、乳癌の進行又は再発を予防することができる。
 「電磁波」とは、空間の電場と磁場の変化によって形成される波(波動)である。本明細書において、「電磁波」としては、遠赤外線及び放射線を主に意味する。
本明細書において、「ホルミシス効果」とは、大きな量(高線量)では人体に有害な放射線が小さな量(低線量)では人体に有益な作用をもたらすことを意味する。
電磁波放射体は、遠赤外線放射材料及び放射線源材料を含有するものであればよい。電磁波放射体は、天然の鉱石由来のものであっても、合成されたものであってもよい。
電磁波放射体では、放射線源材料中の放射性核種の放射性崩壊によって放出される放射線(α線、β線、γ線)のエネルギーは、遠赤外線放射材料に吸収され、その励起エネルギーとなり、遠赤外線となって放射される。これにより、電磁波放射体によれば、その温度にかかわらず、即ち、常温においても、遠赤外線をより多く放射することができる。これにより、肌を持続的に温めることができる。
[遠赤外線放射材料]
 本明細書において、「遠赤外線放射材料」とは、遠赤外線を放射する材料を意味する。「遠赤外線」とは波長が3~1,000μmの電磁波であって、金属以外の物体によく吸収され、多くの物体を非常に効率的に加熱する。遠赤外線放射材料としては、特別な限定はなく、例えば、天然又は合成のセラミックス等が挙げられる。
 本明細書において、「セラミックス」とは、アルミニウム、鉄、ケイ素、マグネシウム、カルシウム、カリウム、ジルコニウム、チタン、ニオブ、亜鉛、鉛、ヒ素、ランタン、セリウム、ガリウム、タングステン、破風にウム、ネオジム、マンガン、アンチモン、ストロンチウム、スズ、ニッケル等の各種金属元素と酸素、窒素、炭素、フッ素、ホウ素、リン、硫黄等との無機化合物、及びそれらの複合化合物の総称を意味する。
前記複合化合物としては、例えば、アルミナ(Al)、ジルコニア(ZrO)、チタニア(TiO)、シリカ(SiO)、ジルコン(ZrSiO)、マグネシア(MgO)、イットリア(Y)、コージライト(2MgO・2Al・5SiO)、βスポジューメン(LiO・Al・4SiO)、ムライト(Al・3SiO)、チタン酸アルミニウム(Al・TiO)等が挙げられる。これらは、一般に白色を呈し(紫外線は吸収するが、可視光を吸収しない)、近赤外域での放射率が低いが、波長3μm付近から遠赤外域にかけて放射率が高くなる特性を有している。また、上述の白色系のセラミックスは、それぞれ単独で、又は2種以上を適宜組み合せて使用することができる。
また、上述の白色系のセラミックス以外に、有色であり(可視光を吸収する)、全赤外域で放射率が高いセラミックス(有色系のセラミックス)も使用することができる。有色系のセラミックス材料としては、例えば、酸化銅(CuO、CuO)、酸化コバルト(CoO、Co)、酸化ニッケル(NiO)、酸化マンガン(MnO)、酸化鉄(Fe)、酸化クロム(Cr)、酸化錫(SnO)等の遷移金属の酸化物、或いは、炭化ケイ素(SiC)、炭化ジルコニウム(ZrC)、炭化タンタル(TaC)等の炭化物等が挙げられる。また、上述の有色系のセラミックスは、それぞれ単独で、又は2種以上を適宜組み合せて使用することができる。また、MnO-Fe-CuO-CoO、或いはCoO-Fe―Cr-MnO等の一体の焼成物は高効率赤外線放射体と呼ばれており、黒色を呈し、「黒体」に近い赤外線の放射特性が得られる。
上述の白色系又は有色系のセラミックスは、それぞれ単独で、又は2種以上を適宜組み合せて使用することができる。
[放射線源材料]
本明細書において、「放射線源材料」とは、放射線(α線、β線、γ線)を照射する放射線発生源となるものを意味する。本実施形態において用いられる放射線源材料としては、特別な限定はなく、例えば、90Y、32P、124Sb、114In、59Fe、76As、140La、47Ca、103Pd、89Sr、131I、125I、60Co、192Ir、12B、71Ge、64Cu、203Pb、198Au、228Th、230Th、234Th、234U、238U等の放射性核種(放射性同位体)が挙げられる。中でも、取扱等の安全性の点において、半減期の長い自然放射性元素(各種)であって鉱物中に安定な形で含有されていることから、トリウム(230Th 半減期: 7.5×10年、232Th 半減期:1.4×1010年)又はウラン(234U 半減期:2.5×10 年、238U 半減期:4.5×10年)であることが好ましい。上述の放射性核種は、それぞれ単独で、又は2種以上を適宜組み合せて使用することができる。
本実施形態のパッド1枚に含まれる電磁波放射体中の放射線源材料から放射される線量率は、0.01μsv/h以上23μsv/h以下であることが好ましく、0.1μsv/h以上15μsv/h以下であることがより好ましく、1μsv/h以上10μsv/h以下であることがさらに好ましい。線量率が上記範囲内であることにより、人体に無害であり、ホルミシス効果で身体の回復機能を向上させることができる。
 電磁波放射体の形状は、特別な限定はなく、例えば、平板状、球状、棒状、中空体、繊維状、粉体状等が挙げられる。例えば、パッドの特定の位置に配置する場合においては、平板状、球状又は棒状であってよく、パッド全体に分散させる場合においては、繊維状又は粉体状であってよい。
 電磁波放射体の大きさは、特別な限定はなく、例えば、球状の場合は、着用する際の快適性から、直径が0.5mm以上1cm以下程度であればよい。また、粉体状である場合は、汎用性及び取り扱いやすさから、平均粒子径が1μm以上100μm以下であればよい。
 電磁波放射体は、成形性または保形性等を確保するために、陶磁器材料を固結剤として配合してもよい。陶磁器材料としては、例えば、長石、カオリン、木節粘土、蛙目粘土、陶石、蝋石、釉薬素地等が挙げられる。陶磁器材料は、一般に遠赤外線の放射率自体は低いが、場合によっては遠赤外線放射材料の放射特性を補う特性を有する。そのため、陶磁器材料は、上述したもののうち1種以上を比較的多量に用いることができ、例えば、遠赤外線放射体全体に対して、60重量%程度までの割合で配合してもよい。
 電磁波放射体の製造方法は、特別な限定はなく、例えば、球状の場合は、粉体状の上述の遠赤外線放射材料及び上述の放射線源材料と、必要に応じて上述の陶磁器材料とを混合し、次いで所望の形状に成形した後、焼成することによって焼結し、複合化することによって製造することができる。これにより、放射線源材料は均一に分散、分布されると共に、遠赤外線放射材料との粒子間が緻密化される。そのため、特に、遠赤外線放射材料と放射線源材料とはできるだけ細かな粒子の粉末とすることが好ましく、より具体的には、平均粒子径が10μm以下であることが好ましく、0.5μm以上1μm以下であることがさらに好ましい。平均粒子径が上記範囲であることにより、自然放射性元素の放射性崩壊によるエネルギー線をより効果的に遠赤外線放射材料に吸収させることができる。平均粒径の測定方法としては、レーザー回折・散乱式粒度分析計等を用いて計測することができる。
遠赤外線放射材料と放射線源材料とを含む原材料の粉末化と混合は、好適には、ボールミル等を使用して湿式混合粉砕することによって行うことができる。得られた原材料粉末の湿式混合物を乾燥した後、焼成する。原材料粉末の混合物の焼成は、その原材料の種類に応じて、それらの粒子が互いに焼結され、又は、固熔される温度、より具体的には700℃以上1500℃以下の温度に加熱することによって行うことができる。この焼成は通常の酸化性雰囲気中で行うことができるが、原材料の種類によっては、例えば、酸化銅(CuO)等の有色系の遠赤外線放射材料が使用される場合等には、酸素を遮断した弱還元性雰囲気中で、又は、窒素ガスの雰囲気中で行うことが必要である。
 焼成された原材料粉末の混合物の成形方法としては、例えば、湿式法或いは乾式法等によって所望の形状に成形する方法、又は、溶射或いは琺瑯引き等の方法によって基材上にコーティングすることで成形する方法等が挙げられる。
 また、粉体状の電磁波放射体は、例えば、遠赤外線放射材料と放射線源材料とを含む原材料粉末の混合物を、焼成して複合化した後、再度粉体状に粉砕することにより製造することができる。
[パッドの形状]
 本実施形態において、パッドの形状は、一般的なブラジャー等のカップ部を備える衣類に装着可能な形状であれば、特別な限定はなく、例えば、楕円形、レモン形等が挙げられる。
[パッドの構造]
 図1A、図1B及び図1Cは、本実施形態のパッド(裏面)の形状の一例を示す模式図である。パッドの裏面とは、肌と触れる側の面である。電磁波放射体2が 球状である場合、パット10における前記電磁波放射体2の位置は、特別な限定はなく、図1Aに示すように、パッド10の外縁に沿って、均等に分散して埋め込まれていてもよい。また、図1Bに示すように、パッド20の全体に、均等に分散して埋め込まれていてもよい。また、図1Cに示すように、乳房下部に接する領域に比較的集積させて埋め込まれていてもよい。また、パッドの上部、左部、右部又は中心部に比較的集積させて埋め込まれていてもよい。
 中でも、乳房下部が乳癌の発症率が高いことから、パッドのおける電磁波放射体の位置は、図1Cに示すように、乳房下部に接する領域に比較的集積させて埋め込まれていることが好ましい。
 図2Aは、本実施形態のパッド10の横断面(X-X)の一例を示す模式図である。図2Bは、本実施形態のパッド20の横断面(Y-Y)の一例を示す模式図である。本実施形態のパッドは、生体適合性を有する樹脂1が表層体3に被覆された構造を備える。本実施形態のパッドにおいて、例えば、電磁波放射体2が球状である場合、図2Bに示すように、電磁波放射体2はランダムに埋め込まれていてもよい。また、図2Aに示すように、電磁波放射体2が生体適合性を有する樹脂1中で動かないようにフィルム容器4等に収容したものを表層体3に固定化した状態で成形されていてもよい。
 中でも、電磁波放射体2が生体適合性を有する樹脂1中において動くことなく、所定の位置に配置できることから、図2Aに示すように、電磁波放射体2が生体適合性を有する樹脂1中で動かないようにフィルム容器4等に収容したものを表層体3に固定化した状態で成形されていることが好ましい。
 また、電磁波放射体が繊維状である場合、表層体中に繊維状の電磁波放射体が埋め込まれていてもよく、或いは、表層体を構成する繊維と共に編み込まれていてもよい。
 表層体3の材質としては、例えば、生地、熱可塑性フィルム等が挙げられる。生地としては、通常ブラジャー等衣類に使用されるものであれば、特別な限定はない。また、熱可塑性フィルムとしては、生体適合性を有するものであれば、特別な限定はなく、例えば、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリエチレン、ポリウレタン等が挙げられる。
<カップ部を有する衣類>
 一実施形態として、本発明は、上記パッドがカップ部に装着された、又は、上記パッドからなるカップ部を備える、カップ部を有する衣類を提供する。
本実施形態のカップ部を有する衣類によれば、日常的に継続的に使用可能で、より簡便かつ効果的に乳がんを予防することができる。
本明細書において、「カップ部を有する衣類」としては、特別な限定はなく、例えば、ブラジャー、ストラップレスブラジャー、ヌーブラ(登録商標)、ブラスリップ、ブラキャミソール、ブラタンクトップ、ボディスーツ、カップ付きテディ、補正下着、水着、レオタード等が挙げられる。
本明細書において、「ヌーブラ(登録商標)」とは、一対のバスト形状物であって、それぞれのバスト形状物は、熱可塑性フィルム材料の間に包まれた一定量のシリコンゲル材質と、前記バスト形状物を使用者のバストに貼着させるべく不変的に配した粘着層をほぼ全面に備えた、使用者のバストに面する内表面と、前記バスト形状物のそれぞれの内側の間に定位された、前記バスト形状物を連結するための連結部とからなる貼着式ブラジャーを意味する。
 衣類の生地について、特別な限定はなく、衣類の種類に合わせて、適宜選択することができる。
 図3は、本実施形態におけるカップ部を有する衣類(ブラジャー)の一例を示す模式図である。図3において、パッド40がブラジャー50のカップ部6に装着されている。
図4A及び図4Bは、本実施形態におけるカップ部を有する衣類(貼着式ブラジャー)(表面及び裏面)の一例を示す模式図である。
図4Aにおいて、貼着式ブラジャー60のカップ部6はパッド70からなり、連結部7で脱着可能に連結されている。また、図4Bにおいて、貼着式ブラジャー60の裏面に電磁波放射2が、パッド70の外側の縁に沿って、均一に分散して埋め込まれている。図4Bにおいて、電磁波放射体2は、球状である場合を示しているが、その他の形状であってもよい。
<パッドの製造方法>
 本実施形態のパッドは、例えば、通常のパッドの製造方法において、袋状の表層体に生体適合性を有する樹脂を注入する工程で、前記生体適合性を有する樹脂が半硬化状態になったときに、電磁波放射体を埋め込むことにより製造することができる。
また、例えば、電磁波放射体が球状である場合、電磁波放射体を一定の位置に配置するために、本実施形態のパッドは、以下のような工程を備える製造方法により製造することができる。
第1熱可塑性フィルムに凹部を形成する凹部形成工程と、
前記凹部に電磁波放射体を置き、前記電磁波放射体を挟んだ状態で前記第1熱可塑性フィルムと第2熱可塑性フィルムとを圧着して前記電磁波放射体を固定する電磁波放射体固定工程と、
前記電磁波放射体が固定された前記第1熱可塑性フィルム及び前記第2熱可塑性フィルムを二枚の第3熱可塑性フィルムではさみ、該二枚の第3熱可塑性フィルムで前記電磁波放射体が固定された前記第1熱可塑性フィルム及び前記第2熱可塑性フィルムによって内部が仕切られた袋を作製する袋作製工程と、
 前記袋の内部に、生体適合性を有する樹脂を注入する樹脂注入工程と、
前記樹脂が注入された袋を加熱して成型する樹脂成型工程。
 上記各工程について、以下に詳細に説明する。
[凹部形成工程]
 凹部は、凹部を有する金型等を使用して形成することができる。凹部を有する金型を使用した形成方法としては、例えば、まず、凹部を有する金型を温める。温度は、使用する熱可塑性フィルムの種類に応じて、適宜設定することができる。続いて、第1熱可塑性フィルムを前記金型の上に置き、金型の下からエアーの吸引等により前記第1熱可塑性フィルムを引き込み、凹部を形成する。
 第1熱可塑性フィルムとしては、例えば、上述の[パッドの構造]において、例示したもの等が挙げられる。第2熱可塑性フィルム及び第3熱可塑性フィルムについても同様である。
 凹部を形成する位置としては、パッドの内部に収まる位置であれば特別な限定はないが、電磁波放射体の作用を効果的に提供できる点から、電磁波放射体が製造されるパッドの外縁に沿うように均等に分散して配置されるように設定した位置であることが好ましい。
[電磁波放射体固定工程]
 続いて、第1熱可塑性フィルム上に形成された凹部に電磁波放射体を置き、前記電磁波放射体を挟んだ状態で、第1熱可塑性フィルムと第2熱可塑性フィルムとを圧着して前記電磁波放射体を固定する。これにより、電磁波放射体を一定の位置に配置することができる。圧着方法としては、例えば超音波等を用いた圧着方法等が挙げられる。
[袋作製工程]
 続いて、前記電磁波放射体が固定された前記第1熱可塑性フィルム及び前記第2熱可塑性フィルムを二枚の第3熱可塑性フィルムではさむ。続いて、前記電磁波放射体がパッドの外縁に沿って配置される位置にあるように気を付けながら、前記電磁波放射体が固定された前記第1熱可塑性フィルム及び前記第2熱可塑性フィルムを挟みこんだ二枚の第3熱可塑性フィルムをパッドの形に裁断する。続いて、裁断された前記電磁波放射体が固定された前記第1熱可塑性フィルム及び前記第2熱可塑性フィルムを挟みこんだ二枚の第3熱可塑性フィルムを型に置き、加熱する。加熱温度は、使用する熱可塑性フィルムの種類に応じて、適宜設定することができる。続いて、溶接して前記電磁波放射体が固定された前記第1熱可塑性フィルム及び前記第2熱可塑性フィルムによって内部が仕切られた袋を作製する。溶接方法としては、例えば超音波等を用いた溶接方法等が挙げられる。
このとき、シリコン樹脂を注入するための口となる部分を一部溶接せずに残す。
 第3熱可塑性フィルムとしては、前記電磁波放射体が固定された前記第1熱可塑性フィルム及び前記第2熱可塑性フィルムと同じ種類のものを用いてもよく、異なる種類のものを用いてもよい。
[樹脂注入工程]
 続いて、袋の一部溶接せずに残しておいた部分から、注入器等を用いて、生体適合性を有する樹脂を注入する。このとき、前記電磁波放射体が固定された前記第1熱可塑性フィルム及び前記第2熱可塑性フィルムで袋の内部が仕切られているため、仕切られた上下両方に生体適合性を有する樹脂を注入する。
使用する生体適合性を有する樹脂は、上述の[生体適合性を有する樹脂]において、例示したものと同様のもの等が挙げられる。中でも、原料の調達のしやすさから、合成エラストマーであることが好ましく、装着時の快適性から、ポリウレタン又はシリコン樹脂がより好ましい。
生体適合性を有する樹脂は予め加熱して撹拌し、気泡を排出しておく。加熱温度は、使用する生体適合性を有する樹脂の硬化温度によって、適宜設定する。また、生体適合性を有する樹脂を袋に注入後も気泡が含まれている可能性があるため、しばらく静置し、浮上してきた気泡を排出させる。充分に気泡が排出できたら、袋を溶接して閉じる。
[樹脂成型工程]
 続いて、前記樹脂注入工程後の袋は、金型等を使用して成型することができる。金型を使用した成型方法としては、例えば、前記樹脂注入工程後の袋をパッド成型用の金型に置き、120℃以上180℃以下に温めた焼き入れ箱に入れて、10分以上30分以下加熱する。加熱後、成型ラインに沿ってカットし、パッドを得る。
 樹脂成型工程後、パッドの洗浄工程、検品工程を備えていてもよい。洗浄工程においては、工業用水等を用いて、パッドを洗浄する。検品工程においては、パッドの形状、電磁波放射体の位置、袋の破損等を目視等により確認する。
また、例えば、電磁波放射体が粉体状である場合、電磁波放射体を一定の位置に配置するために、本実施形態のパッドは、以下のような工程を備える製造方法により製造することができる。
生体適合性を有する樹脂に遠赤外線放射材料及び放射線源材料を含有する電磁波放射体を練り込む工程、
生地と前記練り込む工程後の電磁波放射体含有樹脂とを貼り合せて、生地-樹脂複合シートを作製する工程、
生地の面を下にして前記生地-樹脂シートを型に置き、120℃以上260℃以下まで温度を上げた後、前記電磁波放射体含有樹脂同士が内側にくるようにもう一枚の前記生地-樹脂複合シートを貼り合せ、成型する工程。
 本実施形態の製造方法によれば、日常的に継続的に使用可能で、より簡便かつ効果的に乳がんを予防可能なパッドを簡便に得ることができる。
 上記各工程について、以下に詳細に説明する。
[練り込み工程]
 まず、生体適合性を有する樹脂と、遠赤外線放射材料及び放射線源材料を含有する電磁波放射体とを、混練する。練り込む電磁波放射体は有形の成形体でもよく、粉体状のものでもよく、練り込みやすい点から、粉体状のものが好ましい。混練する温度は、使用する生体適合性を有する樹脂によって、適宜設定する。生体適合性を有する樹脂は、上述の[生体適合性を有する樹脂]において、例示したものと同様のもの等が挙げられ、中でも、原料の調達のしやすさから、合成エラストマーであることが好ましく、装着時の快適性から、ポリウレタン又はシリコン樹脂がより好ましい。
[生地-樹脂複合シート作製工程]
 続いて、生地と前記練り込み工程で得られた電磁波放射体含有樹脂とを貼り合せて、プレス等の圧着手段を用いて、高温で圧着する。圧着する温度は、使用する生地及び樹脂の種類に応じて、適宜設定できる。
 また、使用する生地は、通常ブラジャー等衣類に使用されるものであれば、特別な限定はない。
[生地-樹脂複合シート成型工程]
 続いて、得られたシートの生地の面を下にして型に置き、120℃以上260℃以下まで温度を上げる。温度上昇後、前記電磁波放射体含有樹脂同士が内側にくるようにもう一枚の前記シートを貼り合せる。続いて、貼り合せた2枚のシートを200秒以上320秒以下保持してモールド成型する。
 もう一枚の前記シートを貼り合せるとき、パッドに厚みを持たせるために、2枚のシートの間に、パッドよりも小さいサイズの生地と生体適合性を有する樹脂とからなるシートを挟み込んでもよい。パッドよりも小さいサイズのシートに使用する樹脂の種類は、前記練り込み工程で使用したものと同じであってもよく、異なっていてもよい。
 成型後、パッドを成型ラインに沿ってカットする。続いて、パッド周囲を縫製し、形を整える。
 生地-樹脂複合シート成型工程後、上述の樹脂成型工程後と同様に、検品工程等を備えていてもよい。
 本発明によれば、日常的に継続して使用可能で、より簡便かつ効果的に乳がんを予防することができる。
 1…生体適合性を有する樹脂、2…電磁波放射体、3…表層体、4…フィルム容器、5…バンド部、6…カップ部、7…連結部、10,20,30,40,70…パッド、50…ブラジャー、60…貼着式ブラジャー。

Claims (6)

  1.  生体適合性を有する樹脂と、遠赤外線放射材料及び放射線源材料を含有する電磁波放射体とを備える、パッド。
  2.  前記遠赤外線放射材料が、セラミックスである、請求項1に記載のパッド。
  3.  前記放射線源材料が、トリウム又はウランである、請求項1又は2に記載のパッド。
  4.  請求項1~3のいずれか一項に記載のパッドがカップ部に装着された、又は、前記パッドからなるカップ部を備える、カップ部を有する衣類。
  5.  カップ部を有する衣類用のパッドの製造方法であって、
     第1熱可塑性フィルムに凹部を形成する凹部形成工程と、
    前記凹部に電磁波放射体を置き、前記電磁波放射体を挟んだ状態で前記第1熱可塑性フィルムと第2熱可塑性フィルムとを圧着して前記電磁波放射体を固定する電磁波放射体固定工程と、
    前記電磁波放射体が固定された前記第1熱可塑性フィルム及び前記第2熱可塑性フィルムを二枚の第3熱可塑性フィルムではさみ、該二枚の第3熱可塑性フィルムで前記電磁波放射体が固定された前記第1熱可塑性フィルム及び前記第2熱可塑性フィルムによって内部が仕切られた袋を作製する袋作製工程と、
     前記袋の内部に、生体適合性を有する樹脂を注入する樹脂注入工程と、
     前記樹脂が注入された袋を加熱して成型する樹脂成型工程と、
    を備える、パッドの製造方法。
  6.  カップ部を有する衣類用のパッドの製造方法であって、
    生体適合性を有する樹脂に遠赤外線放射材料及び放射線源材料を含有する電磁波放射体を練り込む工程と、
     生地と前記練り込む工程後の電磁波放射体含有樹脂とを貼り合せて、生地-樹脂複合シートを作製する工程と、
     生地の面を下にして前記生地-樹脂複合シートを型に置き、120℃以上260℃以下まで温度を上げた後、前記電磁波放射体含有樹脂同士が内側にくるようにもう一枚の前記生地-樹脂複合シートを貼り合せ、成型する工程と、
    を備える、パッドの製造方法。
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