WO2017056794A1

WO2017056794A1 - 便器装置及びトイレ設備

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Publication number: WO2017056794A1
Application number: PCT/JP2016/074656
Authority: WO
Inventors: 中宮　敏博
Original assignee: 株式会社Ｌｉｘｉｌ
Priority date: 2015-09-30
Filing date: 2016-08-24
Publication date: 2017-04-06

Abstract

簡易な構成で、人の排泄物である大便と小便とを分離することができる便器装置は、上部に上部開口部１１ｃが形成され下部に下部開口部１１ｄが形成された便鉢１１ｂと、下部開口部１１ｄを塞ぐ開位置と下部開口部１１ｄを開放する閉位置との間を移動可能に配置される開閉部材２０と、を備える便器装置１００であって、開閉部材２０は、該開閉部材２０が閉位置に位置する場合に、便鉢１１ｂの外部に小便を導く小便導出部２２を有する。

Description

便器装置及びトイレ設備

　本発明は、便器装置及び固液分離式のトイレ設備に関する。

　従来、下部に下部開口部が形成された便鉢と、下部開口を開閉可能な開閉部材と、を備える便器装置が知られている（例えば、特許文献１参照）。また、上部に上部開口部を有する便鉢を備え、使用者が大便を排泄した後に、おが屑を主体とする添加剤を便鉢の上部開口部から供給する便器装置が知られている（例えば、特許文献２参照）。また、分離板により固液分離を行うトイレ設備が知られている（例えば、特許文献３参照）。

　特許文献１に記載の便器装置は、開閉部材の下部開口を開閉する動作により、屎尿（人の排泄物である大便び小便）と、洗浄水と、を分離するように構成されている。また、特許文献１に記載の便器装置は、使用者が用便エリアに入った場合にセンサにより検知され、センサからの検知信号に基づいて、開閉部材をモータ等の駆動部により開閉動作させるように構成されている。

　また、特許文献３に記載のトイレ設備では、便器部において分離板の上に人間の排泄物（固液混合物）が受けられ、液体分は、分離板を通過して分離板の下方へ落下する。これにより、排泄物は固体分と液体分とに分離される。分離板の上の固体分は、略水平方向に動作するスクレーパーによってかき取られる。

特開２００６－２９９５６４号公報特開昭６０－２４１９９９号公報特開２０１１－１６７６７９号公報

　ところで、便器装置において、簡易な構成で、人の排泄物である大便と小便とを分離したいという要望がある。
　特許文献１に記載の便器装置においては、センサの検知信号に基づいて制御する制御部や、開閉部材を駆動させるモータ等の駆動部が必要となる。また、特許文献１には、人から排泄された大便と小便とを分離させるための工夫については記載されていない。

　また、特許文献２に記載の便器装置においては、上部開口部から便鉢に添加剤を供給するため、おが屑が便鉢に付着しやすい。

　また、特許文献３に記載のトイレ設備では、分離板は、便器に対して動作せずに固定されている。このため、固体分を貯留する便タンクを便器部の下方に配置させて、分離板からかき取られた固体分を便タンクに落下させることはできなかった。この結果、トイレ設備を配置するために広いスペースが必要になり、トイレ設備の小型化を図ることが困難であった。

　本発明は、簡易な構成で、人の排泄物である大便と小便とを分離することができる便器装置を提供することを目的とする。

　また、本発明は、便鉢に添加剤が付着することを低減することができる便器装置を提供することを目的とする。

　また、本発明は、便器部の下方に固体分を貯留する便タンクを配置可能であり、小型化を図ることができるトイレ設備を提供することを目的とする。

　本発明は、上部に上部開口部が形成され下部に下部開口部が形成された便鉢と、前記下部開口部を塞ぐ閉位置と前記下部開口部を開放する開位置との間を移動可能に配置される開閉部材と、を備える便器装置であって、前記開閉部材は、該開閉部材が前記閉位置に位置する場合に、前記便鉢の外部に小便を導く小便導出部を有する便器装置に関する。

　また、小便を貯留する小便タンクと、小便を前記小便タンクに導く導入部と、を更に備え、前記開閉部材は、該開閉部材の端部に配置された回動軸を中心に回動可能であり、前記小便導出部は、前記開閉部材における前記回動軸側に配置され、前記開閉部材が前記開位置にある場合に、前記小便導出部は、前記導入部を遮蔽する位置に配置されることが好ましい。

　また、前記回動軸は、前記便器装置を使用する使用者が着座した場合における使用者から視た場合の前方側に配置されることが好ましい。

　また、前記小便導出部は、前記開閉部材が前記閉位置に位置する場合に、前記開閉部材の端部側に下るように傾斜することが好ましい。

　また、本発明は、上部に上部開口部が形成された便鉢と、添加剤が投入される添加剤投入口を有する添加剤供給部と、を備える便器装置であって、前記添加剤投入口は、前記上部開口部とは別の位置に設けられる便器装置に関する。

　また、前記添加剤供給部は、前記添加剤投入口から投入される添加剤を前記便鉢の下方に向けてガイドする供給通路を有することが好ましい。

　また、前記便器装置は、大便と小便とを分離可能に構成され、前記添加剤供給部は、前記便器装置により分離された大便に添加剤を供給することが好ましい。

　また、前記添加剤供給部は、添加剤を収容する添加剤収容部を有することが好ましい。

　また、前記便鉢の下方を通過するように配置され、大便を搬送する搬送部を備え、前記添加剤供給部は、前記便鉢よりも上流側の前記搬送部に添加剤を供給することが好ましい。

　また、前記搬送部により搬送された大便を貯留する大便タンクと、前記搬送部の駆動動作を操作可能な操作部と、を備え、前記添加剤供給部は、前記操作部による前記搬送部の駆動動作の操作と連動して所定量の添加剤を大便に供給することが好ましい。

　また、本発明は、人間の排泄物としての固液混合物を固体分と液体分とに分離するトイレ設備（例えば、後述のトイレ設備１００Ｂ）であって、便器部（例えば、後述の便器部１１Ｂ）と、前記便器部に対して動作可能であり、固液混合物を上面に受け、液体分を下方へ通過させる開口部（例えば、後述のスリット３１３Ｂ）が設けられた分離板（例えば、後述の分離板３１Ｂ）と、前記便器部に対して動作可能であり、前記分離板の下方に配置され、液体分を上面に受ける液体分受け板（例えば、後述の液体分受け板３５Ｂ）と、前記分離板が前記便器部に対して動作することにより、前記分離板の上面の固体分を前記分離板の上面から除去する除去板（例えば、後述のスクレーパー４１Ｂ）と、前記分離板の下方に配置された便タンク（例えば、後述の便タンク８０Ｂ）と、を備えるトイレ設備を提供する。

　前記分離板及び前記液体分受け板は、所定の軸心を中心として同軸的に回動するように動作可能であることが好ましい。また、前記分離板及び前記液体分受け板は、前記所定の軸心を中心とする円弧状を有することが好ましい。また、前記分離板と前記液体分受け板とは、一体的に回動可能であることが好ましい。

　また、前記所定の軸心方向における前記液体分受け板の端部には、前記液体分受け板が受けた液体分を尿タンクへ排出する排出流路（例えば、後述の排出流路３５４Ｂ）が形成されていることが好ましい。また、前記除去板には、前記開口部に存在する固体分を除去する開口部除去部材（例えば、後述のクリーナーブレード４５Ｂ）が設けられていることが好ましい。また、前記分離板及び前記液体分受け板は、前記便器部の内部に設けられていることが好ましい。

　本発明によれば、簡易な構成で、人の排泄物である大便と小便とを分離することができる便器装置を提供することができる。また、本発明によれば、便鉢に添加剤が付着することを低減することができる便器装置を提供することができる。また、本発明によれば、便器部の下方に固体分を貯留する便タンクを配置可能であり、小型化を図ることができるトイレ設備を提供できる。

本発明の第１実施形態に係る便器装置１００を示す斜視図である。本発明の第１実施形態に係る便器装置１００を側方から視た図である。本発明の第１実施形態に係る添加剤供給部４０を含む便器装置１００を前方から視た図である。本発明の第１実施形態に係るフラッパ部材２０を示す斜視図である。フラッパ部材２０が閉位置に位置する場合を示す図である。フラッパ部材２０が開位置に位置する場合を示す図である。フラッパ部材２０が閉位置に位置する場合のフラッパ操作機構部５０の各部材の位置関係を示す図である。フラッパ部材２０が開位置に位置する場合のフラッパ操作機構部５０の各部材の位置関係を示す図である。本発明の第２実施形態に係る便器装置１００Ａの全体構成を側方から視た図である。本発明の第２実施形態に係る便器装置１００Ａの全体構成を上方から視た図である。本発明の第２実施形態に係る便器本体１１１を上方から視た平面図である。便搬送機構部１２０の搬送部３００を示す斜視図である。搬送部３００の添加剤量制限部４１０の構成を示す斜視図である。搬送部３００の巻込搬送部４２０を板状部材４２１の第１面４２１ａ及び第２面４２１ｂに沿う方向に視た斜視図である。搬送部３００の巻込搬送部４２０を板状部材４２１の第１面４２１ａ側から視た斜視図である。搬送部３００の巻込搬送部４２０を板状部材４２１の第２面４２１ｂ側から視た斜視図である。搬送部３００の滞留部４３０の構成を示す斜視図である。第２実施形態の操作回転機構部１３０の変形形態である操作回転機構部１３０Ａを示す図であって、操作回転機構部１３０Ａを側方から視た図である。第２実施形態の操作回転機構部１３０の変形形態である操作回転機構部１３０Ａを示す図であって、操作回転機構部１３０Ａを上方から視た図である。本発明の第３実施形態に係るトイレ設備１００Ｂを示す側面図である。上記実施形態に係るトイレ設備１００Ｂを示す要部斜視図である。上記実施形態に係るトイレ設備１００Ｂの分離板３１Ｂ等を示す要部平面図である。上記実施形態に係るトイレ設備１００Ｂを示す側方要部断面図である。上記実施形態に係るトイレ設備１００Ｂを示す正面要部断面図である。上記実施形態に係るトイレ設備１００Ｂの分離板３１Ｂ及び液体分受け板３５Ｂを示す側面図である。上記実施形態に係るトイレ設備１００Ｂのスクレーパー４１Ｂ及びクリーナーブレード４５Ｂを示す側面図である。

［第１実施形態］
　以下、本発明の便器装置１００の好ましい第１実施形態について、図面を参照しながら説明する。なお、本実施形態においては、便器装置１００の便座１２に座った人から視た場合の前後の向きを前後方向という。また、便器装置１００の便座１２に座った人から視た場合の左右の向きを左右方向という。

　第１実施形態の便器装置１００は、主に、水で便鉢の洗浄を行わない無水方式の便器装置に適用される。なお、本実施形態の便器装置１００は、無水方式の便器装置に適用したが、これに限らず、水で便鉢の洗浄を行う洗浄方式の便器装置に適用してもよい。

　本実施形態の便器装置１００は、図１～図３に示すように、便器１０と、開閉部材としてのフラッパ部材２０と、フラッパ保持部材３０と、添加剤供給部４０と、フラッパ操作機構部５０と、大便導入部としての便排出ダクト６０と、導入部及び小便導入部としての小便排出ダクト７０と、大便タンク８１と、貯留部としての小便タンク８２と、防虫カバー８３と、を備える。便器１０は、便器本体１１と、この便器本体１１の上部に便器本体１１に対して開閉可能に取り付けられる便座１２及び便蓋１３と、を含んで構成される。

　便器本体１１は、上面部材１１ａと、便鉢１１ｂと、を有する。上面部材１１ａと便鉢１１ｂとは、一体的に形成される。
　便鉢１１ｂは、上部に上部開口部１１ｃが形成されており、上面が開放された椀状に形成される。便鉢１１ｂの下部には、下部開口部１１ｄが形成されている。
　上面部材１１ａは、図１に示すように、便鉢１１ｂの上部において、便鉢１１ｂの上部開口部１１ｃの周縁に沿うように配置され、便器本体１１の側方に延出する。上面部材１１ａは、例えば、トイレ室において、階段部分の上段部分の上面に形成される設置面１０１に取り付けられる。

　フラッパ部材２０は、図２に示すように、下部開口部１１ｄの下方に配置される。フラッパ部材２０は、フラッパ保持部材３０に保持される。フラッパ部材２０は、フラッパ保持部材３０がフラッパ回動軸Ｊ２（回動軸）を中心に回動することにより、下部開口部１１ｄを塞ぐ閉位置（図２、図５参照）と、下部開口部１１ｄを開放する開位置（図６参照）と、に移動可能である。フラッパ部材２０が下部開口部１１ｄを開閉可能に構成されることで、便器装置１００は、大便と小便とを分離可能である。

　フラッパ保持部材３０の上部には、図２に示すように、ねじ部材３１により、フラッパ部材２０が取り付けられている。フラッパ保持部材３０は、フラッパ保持部材３０の一端部に配置されたフラッパ回動軸Ｊ２を中心に回動可能である。フラッパ回動軸Ｊ２は、便器装置１００を使用する使用者が便座１２に着座した場合における使用者から視た場合の前方側の端部側に配置される。フラッパ保持部材３０がフラッパ回動軸Ｊ２を中心に回動することで、フラッパ部材２０は、閉位置（図５参照）又は開位置（図６参照）に位置するように、フラッパ回動軸Ｊ２を中心に回動する。

　フラッパ部材２０は、閉位置（図２、図５参照）に位置された場合に、略水平方向に広がるように形成されており、下部開口部１１ｄを塞ぐ大きさで形成される。フラッパ部材２０は、開位置（図６参照）に位置された場合に、略垂直方向に広がるように形成されている。

　フラッパ部材２０は、図４及び図５に示すように、第１傾斜面部２１と、小便導出部としての第２傾斜面部２２と、第１壁部２３ａと、第２壁部２３ｂと、を有する。第１傾斜面部２１及び第２傾斜面部２２は、一体的に連続して形成される。

　第１傾斜面部２１は、平面視で、細長の円形状に形成される。第１傾斜面部２１は、フラッパ部材２０が閉位置に位置する場合に、第２傾斜面部２２側が下るように傾斜して延びるように形成される。

　第１壁部２３ａは、第１傾斜面部２１の周縁に形成される。第１壁部２３ａは、第１傾斜面部２１の周縁における第２傾斜面部２２に接続される以外の部分において、第１傾斜面部２１の周縁から斜め外側に向けて立設される。

　第２傾斜面部２２は、平面視で、長方形状に形成される。第２傾斜面部２２は、第２傾斜面部２２が延びる方向が、第１傾斜面部２１が延びる方向に沿って配置されるように、第１傾斜面部２１の一端側に接続される。第２傾斜面部２２は、フラッパ部材２０におけるフラッパ回動軸Ｊ２（後述）側に配置される。

　第２傾斜面部２２は、図５に示すように、フラッパ部材２０が閉位置に位置する場合に、第１傾斜面部２１の傾斜角度よりも大きな傾斜角度で、第１傾斜面部２１とは反対側が、フラッパ部材２０の端部側に下るように傾斜して直線状に延びる。第２傾斜面部２２は、フラッパ部材２０が閉位置に位置する場合に、フラッパ部材２０に溜められた小便を、第２傾斜面部２２の下方側の端部２２ａから、小便排出ダクト７０に導く。

　第２壁部２３ｂは、第１壁部２３ａに連続して形成され、第２傾斜面部２２の幅方向の両方の縁部から立設される。第２壁部２３ｂは、第２傾斜面部２２を流れる小便が幅方向の外側に飛び出さないようにガイドする。

　以上のように構成されるフラッパ部材２０においては、フラッパ部材２０が閉位置に位置する場合には、図５に示すように、フラッパ部材２０が下部開口部１１ｄを塞いた状態で、フラッパ部材２０は、略水平方向に沿うように配置される。フラッパ部材２０が閉位置に位置する場合には、第１傾斜面部２１、第１壁部２３ａ及び第２壁部２３ｂは、第１傾斜面部２１、第１壁部２３ａ及び第２壁部２３ｂで受けた小便が、第２傾斜面部２２に向かうような傾斜を有している。フラッパ部材２０が閉位置に位置する場合には、第２傾斜面部２２の下方側の端部２２ａは、小便排出ダクト７０（後述）の内部の下方側において、小便排出ダクト７０の小便導入口７２ａに向くように、斜め下方を向いている。これにより、フラッパ部材２０が閉位置に位置する場合には、第２傾斜面部２２は、フラッパ部材２０に溜められた小便を小便導入口７２ａに導く。

　また、フラッパ部材２０が開位置に位置する場合には、フラッパ部材２０は、図６に示すように、フラッパ部材２０が閉位置に位置した状態からフラッパ部材２０がフラッパ回動軸Ｊ２を中心に略９０°回動した位置に位置される。フラッパ部材２０は、フラッパ部材２０が下部開口部１１ｄを開放した状態で、略垂直方向に沿うように配置される。フラッパ部材２０が開位置に位置する場合には、第２傾斜面部２２の下り側の端部２２ａは、小便排出ダクト７０（後述）の内部の上方側において、斜め上方を向いている。

　このように、フラッパ部材２０が開位置に位置する場合には、フラッパ部材２０の第２傾斜面部２２の下方側の端部２２ａが上方側を向いて配置され、フラッパ部材２０の第２傾斜面部２２は、上部カバー部７１の内部で上下方向に延びた状態で配置される。そのため、フラッパ部材２０の第２傾斜面部２２は、上部カバー部７１の側部開口部７１ａや小便排出ダクト７０の小便導入口７２ａを塞ぐ位置に配置される。つまり、フラッパ部材２０の第２傾斜面部２２は、小便排出ダクト７０を遮蔽する位置に配置される。本実施形態においては、フラッパ部材２０の第２傾斜面部２２における「小便排出ダクト７０を遮蔽する位置」とは、フラッパ部材２０の第２傾斜面部２２が、上部カバー部７１の側部開口部７１ａや小便排出ダクト７０の小便導入口７２ａを塞いで、下部開口部１１ｄから排出された大便を小便排出ダクト７０に導入させないように、小便排出ダクト７０を遮蔽している位置を意味する。

　フラッパ操作機構部５０は、図１、図７及び図８に示すように、操作レバー５１と、レバー移動溝部５２と、接続アーム５３と、第１リンク５４と、第２リンク５５と、リンク移動凸部材５６と、フラッパ回動軸部材５７と、を有する。

　操作レバー５１は、手動で操作される。操作レバー５１は、図１、図７及び図８に示すように、棒状に形成される。操作レバー５１は、便器本体１１の上面部材１１ａに配置されるレバー移動溝部５２を貫通して、上面部材１１ａから突出するように配置される。操作レバー５１は、レバー移動溝部５２に沿って移動可能である。操作レバー５１の下端部は、接続アーム５３に接続される。

　レバー移動溝部５２は、図１に示すように、便器本体１１の上面部材１１ａの右側に配置される。レバー移動溝部５２は、レバーガイド溝５２ａと、レバーロック溝５２ｂと、を有する。レバーガイド溝５２ａ及びレバーロック溝５２ｂは、便器本体１１の上面部材１１ａを貫通して形成される。レバーガイド溝５２ａ及びレバーロック溝５２ｂには、操作レバー５１が挿通して配置される。

　レバーガイド溝５２ａは、便器１０の前後方向に直線状に延びる。操作レバー５１をレバーガイド溝５２ａに沿って移動させることで、フラッパ部材２０を開位置又は閉位置に移動可能である。操作レバー５１がレバーガイド溝５２ａの前方側の端部に位置する場合には、フラッパ部材２０は、閉位置に位置する。操作レバー５１がレバーガイド溝５２ａの後方側の端部に位置する場合には、フラッパ部材２０は、開位置に位置する。

　レバーロック溝５２ｂは、レバーガイド溝５２ａの前方側の端部から側方に屈曲する。フラッパ部材２０を閉位置で維持するために、操作レバー５１をレバーガイド溝５２ａに移動するように操作することで、レバーロック溝５２ｂおいて操作レバー５１の移動を規制して、フラッパ部材２０の閉位置を機械的に保持できる。

　接続アーム５３は、図３、図７及び図８に示すように、操作レバー５１の下端部に接続される。接続アーム５３は、板材により形成され、操作レバー５１の下端部から下方に延出して形成される。

　第１リンク５４は、図３に示すように、接続アーム５３の下端部に接続される。第１リンク５４は、板材により形成され、接続アーム５３の下端部から斜め方向に略直線状に延びる。
　第１リンク５４は、第１リンク５４の上方側に設けられるリンク回動軸Ｊ１を中心に回動可能である。これにより、操作レバー５１が操作されることで、操作レバー５１及び第１リンク５４は、リンク回動軸Ｊ１を中心に回動する。第１リンク５４の下端側には、左右方向に延びるリンク移動凸部材５６が接続される。

　リンク移動凸部材５６は、図３に示すように、一端側には第１リンク５４の下端側が接続され、他端側はフラッパ部材２０側に突出する。リンク移動凸部材５６の他端側は、第２リンク５５の貫通長孔５５ａに挿通される。リンク移動凸部材５６は、第２リンク５５の貫通長孔５５ａに沿って移動可能である。

　第２リンク５５は、図３、図７及び図８に示すように、板状に形成され、所定長さ延びる。第２リンク５５には、第２リンク５５が延びる方向に沿って貫通長孔５５ａが形成される。貫通長孔５５ａには、リンク移動凸部材５６が挿通されている。第２リンク５５の一端部は、フラッパ回動軸部材５７に接続されている。

　フラッパ回動軸部材５７は、図３に示すように、左右方向に延びる。フラッパ回動軸部材５７は、フラッパ回動軸部材５７の中心軸上に沿って形成されるフラッパ回動軸Ｊ２を中心に回動可能に構成される。フラッパ回動軸部材５７は、フラッパ部材２０をフラッパ回動軸Ｊ２を中心に回動可能である。

　フラッパ回動軸部材５７は、一端部が第２リンク５５の一端部に固定して接続され、他端部がフラッパ保持部材３０に固定して接続される。フラッパ回動軸部材５７、第２リンク５５及びフラッパ保持部材３０は、それぞれが相対的に回動不能な状態で固定されている。フラッパ回動軸部材５７、第２リンク５５及びフラッパ保持部材３０は、フラッパ回動軸部材５７がフラッパ回動軸Ｊ２を中心に回動することにより、フラッパ回動軸Ｊ２を中心に一体的に回動する。

　以上のように構成されるフラッパ操作機構部５０においては、操作レバー５１が手動で操作されることで、接続アーム５３及び第１リンク５４は、リンク回動軸Ｊ１を中心に回動する。接続アーム５３の下端部に接続されたリンク移動凸部材５６は、第２リンク５５の貫通長孔５５ａに沿って移動する。これにより、第２リンク５５、フラッパ回動軸部材５７及びフラッパ保持部材３０は、フラッパ回動軸Ｊ２を中心に一体的に回動する。よって、フラッパ保持部材３０に保持されたフラッパ部材２０は、フラッパ回動軸Ｊ２を中心に回動して、開位置（図５参照）と閉位置（図６参照）とに移動される。

　便排出ダクト６０は、図２に示すように、便器本体１１の下部に接続されている。便排出ダクト６０は、上部便ダクト部６１と、下部便ダクト部６２と、を有する。

　上部便ダクト部６１は、図２に示すように、上下の端部が開放した方形筒状に形成される。上部便ダクト部６１の上端部は、便器本体１１の下端部に接続されている。上部便ダクト部６１の下端部は、下部便ダクト部６２の上端部に接続されている。上部便ダクト部６１は、第１上部側方開口部６１ａと、第２上部側方開口部６１ｂと、を有する。

　第１上部側方開口部６１ａは、図２に示すように、上部便ダクト部６１における左方に向けて開口する。第１上部側方開口部６１ａは、上部便ダクト部６１の下端部から上方側に半円形状に切り欠かれて形成される。第１上部側方開口部６１ａは、後述する下部便ダクト部６２の下部側方開口部６２ｃに連続する開口である。第１上部側方開口部６１ａ及び下部側方開口部６２ｃは、添加剤導入部６０ａを構成して、添加剤導入部６０ａには、後述する添加剤供給部４０の下部傾斜導入管部４４が接続される。

　第２上部側方開口部６１ｂは、図２に示すように、上部便ダクト部６１における前方に向けて開口する。第２上部側方開口部６１ｂには、後述する小便排出ダクト７０の上部カバー部７１が接続される。

　下部便ダクト部６２は、下部便ダクト部本体６２ａと、下部側方ダクト６２ｂと、を有する。

　下部便ダクト部本体６２ａは、上端部及び下端部が開放した筒状に形成され、下方に向かうにしたがって径が小さくなるように形成される。下部便ダクト部本体６２ａの上端部は、上部便ダクト部６１に接続されている。下部便ダクト部本体６２ａの下端部は、下方に向けて開放している。

　下部便ダクト部本体６２ａは、左方に向けて開口する下部側方開口部６２ｃを有する。下部側方開口部６２ｃは、下部便ダクト部本体６２ａの上端部から下方側に半円形状に切り欠かれて形成される。下部側方開口部６２ｃは、上部便ダクト部６１の第１上部側方開口部６１ａに連続して形成される。第１上部側方開口部６１ａ及び下部側方開口部６２ｃは、添加剤導入部６０ａを構成して、添加剤導入部６０ａには、後述する添加剤供給部４０の下部傾斜導入管部４４が接続される。

　下部側方ダクト６２ｂは、下部便ダクト部本体６２ａの後方側に接続され、後方に向けて延びている。下部側方ダクト６２ｂにおける下部便ダクト部本体６２ａと反対側の端部は、後方に向けて開口している。下部側方ダクト６２ｂは、室外に連通しており、臭気を換気する配管である。下部側方ダクト６２ｂの端部には、防虫ネット６２ｄが取り付けられている。

　大便タンク８１は、大便を貯留する。大便タンク８１は、便排出ダクト６０の下方に、便排出ダクト６０から離間して配置される。大便タンク８１は、便排出ダクト６０を通じて落下される大便を収容する。

　防虫カバー８３は、便排出ダクト６０の下部及び大便タンク８１の上部を跨ぐように配置されている。防虫カバー８３は、便排出ダクト６０の内部及び大便タンク８１の内部への虫の侵入を防止する。

　小便排出ダクト７０は、小便を便鉢１１ｂの外部に配置される小便タンク８２に導く。小便排出ダクト７０は、便排出ダクト６０と小便タンク８２とを繋ぐ位置に配置される。小便排出ダクト７０は、図２に示すように、上部カバー部７１と、第１屈曲管部７２と、横管部７３と、第２屈曲管部７４と、垂直管部７５と、を有する。

　上部カバー部７１は、側部及び下端部が開放した箱状に形成される。上部カバー部７１は、第１屈曲管部７２の上方を覆うように形成される。
　上部カバー部７１の側部開口部７１ａは、上部便ダクト部６１の第２上部側方開口部６１ｂに接続される。上部カバー部７１の下端部は、第１屈曲管部７２の上端部に接続される。

　第１屈曲管部７２、横管部７３、第２屈曲管部７４及び垂直管部７５は、管状に形成される。
　第１屈曲管部７２は、上端部が上部カバー部７１に接続され、便排出ダクト６０から離れる前方側に屈曲し、前方側の端部が横管部７３の一端部に接続されている。
　第１屈曲管部７２の上端部には、小便導入口７２ａが形成されている。小便導入口７２ａは、上方に開放する。小便導入口７２ａには、フラッパ部材２０の第２傾斜面部２２により導出された小便が導入される。

　横管部７３は、前後方向に所定長さ延びる。横管部７３は、後方側の端部が第１屈曲管部７２の前方側の端部に接続され、前方側の端部が第２屈曲管部７４の後方側の端部に接続される。

　第２屈曲管部７４は、後方側の端部が横管部７３の前方側の端部に接続され、下方側に屈曲し、下端部が垂直管部７５の上端部に接続される。

　垂直管部７５は、上下方向に延びる。垂直管部７５は、上端部が第２屈曲管部７４の下端部に接続され、下端部が小便タンク８２に接続される。

　小便タンク８２は、小便を貯留する。小便タンク８２は、便器本体１１及び小便排出ダクト７０の下方に配置される。
　小便タンク８２は、図２に示すように、小便排出ダクト７０の垂直管部７５の下端部に接続されている。小便タンク８２は、フラッパ部材２０の第２傾斜面部２２により導出されて、小便排出ダクト７０を通じて導入された小便を収容する。

　添加剤供給部４０は、図１に示すように、便器１０の左方側に配置される。添加剤供給部４０は、便器装置１００により分離された大便に添加剤を添加する。添加剤としては、例えば、おが屑や木材チップ等を主体として構成され、おが屑や木材チップ等に微生物を加えたものが挙げられる。おが屑や木材チップ等により、大便の水分を吸収して、大便の臭気を低減できる。また、微生物により大便の発酵を促進させることができる。このように、添加剤は、水分を吸収し、及び／又は、発酵を促進させるものであればよい。

　添加剤供給部４０は、図３に示すように、蓋部材４１と、上端部に添加剤投入口４０ａが形成される導入管部４２（供給通路）と、を有する。

　導入管部４２は、添加剤投入口４０ａから投入される添加剤を便鉢１１ｂの下方に向けてガイドする添加剤の通路として機能する。導入管部４２は、上部導入管部４３と、下部傾斜導入管部４４と、を有する。上部導入管部４３及び下部傾斜導入管部４４は、筒状に形成される。

　上部導入管部４３は、図３に示すように、便器１０の左方側に離間して配置され、上端部がトイレ室の設置面１０１に取り付けられている。上部導入管部４３は、トイレ室の設置面１０１から下方に向けて所定長さ延びる。上部導入管部４３の上端部には、添加剤投入口４０ａが形成される。添加剤投入口４０ａは、便鉢１１ｂの上部開口部１１ｃとは別の位置に設けられる。つまり、添加剤投入口４０ａは、上部開口部１１ｃを有する便鉢１１ｂの左方側において、トイレ室の設置面１０１に取り付けられる上部導入管部４３の上端部に形成されている。添加剤投入口４０ａには、蓋部材４１が配置される。蓋部材４１は、添加剤投入口４０ａの上端部を塞いで、便鉢１１ｂの下方から上昇する臭気の外部への排出を防止する。

　下部傾斜導入管部４４は、図３に示すように、上部導入管部４３の下端部に接続され、上方から下方に向かうにしたがって便器１０の前方側から便排出ダクト６０に近づくように、所定の傾斜角度で、直線状に延びる。下部傾斜導入管部４４の下端部は、便排出ダクト６０の添加剤導入部６０ａ（第１上部側方開口部６１ａ及び下部側方開口部６２ｃ）に接続される。

　以上のように構成される添加剤供給部４０は、添加剤投入口４０ａから投入される添加剤を、便排出ダクト６０の添加剤導入部６０ａを介して、大便タンク８１に貯留された大便に対して添加（供給）することができる。そのため、添加剤供給部４０は、上部導入管部４３から添加剤を導入することで、添加剤導入部６０ａを通して、便鉢１１ｂの下部開口部１１ｄよりも下流側において、大便タンク８１に貯留された大便に添加剤を添加（供給）することができる。本実施形態においては、便鉢１１ｂの下部開口部１１ｄよりも下流側は、便鉢１１ｂの下部開口部１１ｄよりも下方の位置である。ここで、便排出ダクト６０における添加剤導入部６０ａ及び第２上部側方開口部６１ｂは、便排出ダクト６０の周壁において、略直交する方向に離間して配置される。そのため、添加剤供給部４０は、添加剤が、便排出ダクト６０の第２上部側方開口部６１ｂに接続される小便排出ダクト７０側に流入しないように、便排出ダクト６０の添加剤導入部６０ａから大便タンク８１に貯留された大便に対して添加することができる。

　次に、本発明に係る便器装置１００の動作について説明する。
　本発明に係る便器装置１００は、使用者が小便又は大便を排泄する前において、使用者が、小便を排泄するか、大便を排泄するかによって、フラッパ部材２０の位置を閉位置又は開位置に位置させて使用するものである。

　まず、使用者が小便を排泄する場合の動作について説明する。使用者が小便を排泄する場合には、使用者は、フラッパ部材２０を閉位置に位置させる。
　使用者が小便を排泄する場合には、フラッパ部材２０が閉位置に位置しているかを確認する。フラッパ部材２０が閉位置に位置しているときには、使用者は、フラッパ部材２０をそのままの状態で使用する。一方、フラッパ部材２０が開位置に位置しているときには、使用者は、操作レバー５１を操作して、フラッパ部材２０を閉位置に移動させる。

　フラッパ部材２０が閉位置に位置している場合には、図５に示すように、フラッパ部材２０は、下部開口部１１ｄを塞いでおり、大便タンク８１からの臭気がトイレ室に入ることを低減できる。
　フラッパ部材２０が閉位置に位置した状態で、使用者は小便を排泄する。これにより、小便は、フラッパ部材２０に溜められ、フラッパ部材２０の第２傾斜面部２２により導かれて、小便排出ダクト７０の小便導入口７２ａに導入される。そして、小便導入口７２ａから導入された小便は、小便排出ダクト７０の第１屈曲管部７２、横管部７３、第２屈曲管部７４及び垂直管部７５を通り、小便タンク８２に移動される。このようにして、フラッパ部材２０に溜められた小便は、小便タンク８２に収容される。

　次に、使用者が大便を排泄する場合の動作について説明する。使用者が大便を排泄する場合には、使用者は、操作レバー５１を操作して、フラッパ部材２０を開位置に位置させる。
　使用者が大便を排泄する場合には、フラッパ部材２０が開位置に位置しているかを確認する。フラッパ部材２０が開位置に位置しているときには、使用者は、フラッパ部材２０をそのままの状態で使用する。一方、フラッパ部材２０が閉位置に位置しているときには、使用者は、操作レバー５１を操作して、フラッパ部材２０を開位置に移動させる。

　フラッパ部材２０を閉位置から開位置に移動させると、図６に示すように、フラッパ部材２０は、人が便座１２に着座したときの人の前側のフラッパ回動軸Ｊ２を中心に回動して、人が便座１２に着座したときの人の前側に、略水平に沿うように配置される。また、フラッパ部材２０の第２傾斜面部２２は、上部カバー部７１の側部開口部７１ａや小便排出ダクト７０の小便導入口７２ａを塞ぐ位置に配置され、小便排出ダクト７０を遮蔽する。

　フラッパ部材２０が開位置に位置した状態で、使用者は大便を排泄する。これにより、大便は、便鉢１１ｂ及び便排出ダクト６０を通して、大便タンク８１に落下される。
　フラッパ部材２０が開位置に位置した状態では、図６に示すように、フラッパ部材２０が小便排出ダクト７０を遮蔽する位置に配置されるため、下部開口部１１ｄから排出された大便が、小便排出ダクト７０から小便タンク８２に入ることが抑制される。また、フラッパ回動軸Ｊ２は、便器装置１００を使用する使用者が便座１２に着座した場合における使用者から視た場合の前方側に配置される。そのため、フラッパ部材２０が開位置に位置する場合に、フラッパ部材２０は、略水平に沿うように配置された状態で、使用者の前方側に退避する。これにより、フラッパ部材２０が開位置に位置する場合に、フラッパ部材２０が使用者の前方側に退避するため、フラッパ部材２０が使用者の後方側に退避するよりも、使用者の大便や大便の飛沫がフラッパ部材２０に付着することが低減される。

　そして、大便を排泄後に、使用者は、操作レバー５１を操作して、フラッパ部材２０を閉位置に移動させる。その後、使用者は、添加剤供給部４０（図３参照）から蓋部材４１を外して、所定量の添加剤を、添加剤供給部４０の導入管部４２から投入する。これにより、大便タンク８１に収容された大便に対して、便排出ダクト６０の側面の添加剤導入部６０ａから、添加剤を添加することができる。

　以上説明した第１実施形態の便器装置１００によれば、以下のような効果を奏する。

　第１実施形態の便器装置１００は、上部に上部開口部１１ｃが形成され下部に下部開口部１１ｄが形成された便鉢１１ｂと、下部開口部１１ｄを塞ぐ閉位置と下部開口部１１ｄを開放する開位置との間を移動可能に配置されるフラッパ部材２０と、を備える便器装置１００であって、フラッパ部材２０は、フラッパ部材２０が閉位置に位置する場合に、便鉢１１ｂの外部に小便を導く第２傾斜面部２２を有する。

　そのため、フラッパ部材２０が閉位置に位置する場合に、フラッパ部材２０に溜められた小便は、第２傾斜面部２２により小便排出ダクト７０に導かれる。これにより、小便が大便タンク８１側に流れることが低減される。従って、簡易な構成で、大便と小便とを分離することができる。
　また、フラッパ部材２０は、閉位置に位置する場合に、下部開口部１１ｄを塞いでおり、大便タンク８１からの臭気がトイレ室に入ることを低減できる。

　また、本実施形態の便器装置１００においては、フラッパ部材２０は、フラッパ部材２０の端部に配置されたフラッパ回動軸Ｊ２を中心に回動可能であり、第２傾斜面部２２は、フラッパ部材２０におけるフラッパ回動軸Ｊ２側に配置され、フラッパ部材２０が開位置にある場合に、フラッパ部材２０の第２傾斜面部２２は、上部カバー部７１の側部開口部７１ａや小便導入口７２ａを塞ぎ、小便排出ダクト７０を遮蔽する位置に配置される。
　そのため、フラッパ部材２０が開位置に位置した状態で、使用者が大便を排泄した場合に、下部開口部１１ｄから排出された大便が、小便排出ダクト７０から小便タンク８２に入ることが抑制される。

　また、本実施形態の便器装置１００においては、フラッパ回動軸Ｊ２は、便器装置１００を使用する使用者が着座した場合における使用者から視た場合の前方側に配置される。そのため、フラッパ部材２０が開位置に位置する場合に、フラッパ部材２０は使用者の前方側に退避する。これにより、フラッパ部材２０が使用者の後方側に退避するよりも、使用者の大便や大便の飛沫がフラッパ部材２０に付着することが低減される。

　また、本実施形態の便器装置１００においては、第２傾斜面部２２は、フラッパ部材２０が閉位置に位置する場合に、フラッパ部材２０の端部側に下るように傾斜する。そのため、第２傾斜面部２２を傾斜させるだけの簡易な構成で、小便タンク８２に向けて小便を導出させることができる。

　また、本実施形態の便器装置１００は、添加剤が投入される添加剤投入口４０ａを有する添加剤供給部４０を備え、添加剤投入口４０ａは、便鉢１１ｂの上部開口部１１ｃとは別の位置に設けられる。そのため、添加剤は、便鉢１１ｂの上部開口部１１ｃとは別の位置に設けられる添加剤投入口４０ａから投入される。これにより、添加剤は、便鉢１１ｂの表面に付着することが抑制される。特に無水方式の便器装置１００においては、排泄後において便鉢１１ｂの表面に水を流さないため、添加剤投入口４０ａから添加剤を投入して、便鉢１１ｂの表面をきれいに保つことができるという本発明の効果は大きい。

　また、第１実施形態の便器装置１００は、上部に上部開口部１１ｃが形成された便鉢１１ｂと、添加剤が投入される添加剤投入口４０ａを有する添加剤供給部４０と、を備える便器装置１００であって、添加剤投入口４０ａは、上部開口部１１ｃとは別の位置に設けられる。そのため、添加剤は、便鉢１１ｂの上部開口部１１ｃとは別の位置に設けられる添加剤投入口４０ａから投入される。これにより、添加剤は、便鉢１１ｂの表面に付着することが抑制される。特に無水方式の便器装置１００においては、排泄後において便鉢１１ｂの表面に水を流さないため、添加剤投入口４０ａから添加剤を投入して、便鉢１１ｂの表面をきれいに保つことができるという本発明の効果は大きい。

　また、第１実施形態の便器装置１００においては、添加剤供給部４０は、添加剤投入口４０ａから投入される添加剤を便鉢１１ｂの下方に向けてガイドする導入管部４２を有する。そのため、導入管部４２によりガイドされた添加剤を、大便に供給することができる。これにより、添加剤を大便へ供給する際の確実性を向上できる。

　また、第１実施形態の便器装置１００においては、大便と小便とを分離可能に構成され、添加剤供給部４０は、便器装置１００により分離された大便に添加剤を供給する。便器装置１００により分離された大便のみに添加剤を供給することができる。

［第２実施形態］
　以下、本発明の便器装置１００Ａの第２実施形態について、図面を参照しながら説明する。なお、本実施形態においては、便器装置１００Ａの便座１１２に座った人から視た場合の前後の向きを前後方向という。また、便器装置１００Ａの便座１１２に座った人から視た場合の左右の向きを左右方向という。

　第２実施形態の便器装置１００Ａは、主に、水で便鉢の洗浄を行わない無水方式の便器装置に適用される。なお、本実施形態の便器装置１００Ａは、無水方式の便器装置に適用したが、これに限らず、水で便鉢の洗浄を行う洗浄方式の便器装置に適用してもよい。

　本実施形態の便器装置１００Ａは、図９及び図１０に示すように、便器１１０と、搬送機構部としての便搬送機構部１２０と、添加剤供給部１４０と、排気ダクト１５０、換気部１６０と、小便排出ダクト１７０と、大便タンク１８１と、小便タンク１８２と、防虫カバー１８３と、を備える。

　便器１１０、便搬送機構部１２０の一部、操作回転機構部１３０及び添加剤供給部１４０は、トイレ室の建屋１９０の内部に配置される。便搬送機構部１２０の一部、排気ダクト１５０、換気部１６０、大便タンク１８１及び小便タンク１８２は、トイレ室の建屋１９０の外部に配置される。

　便器１１０は、便器本体１１１と、この便器本体１１１の上部に便器本体１１１に対して開閉可能に取り付けられる便座１１２及び便蓋１１３と、を含んで構成される。

　便器本体１１１は、例えば、トイレ室の建屋１９０の内部において、階段部分の上段部分の上面に形成される設置面１９１に取り付けられる。
　便器本体１１１は、図１１に示すように、便鉢１１１ａを有する。便鉢１１１ａは、上部に上部開口部１１１ｂが形成されており、上面が開放された椀状に形成される。便鉢１１１ａには、後方側の下部において、大便開口部としての第１開口部１１１ｃが形成される。便鉢１１１ａには、前方側の高さ方向の中段において、第２開口部１１１ｄが形成された水平面状の水平面部１１１ｅが形成される。便鉢１１１ａの側方には、後述する大便タンク１８１が配置される。

　第１開口部１１１ｃは、図１１に示すように、大便が排出される大便用の開口である。第１開口部１１１ｃは、便器装置１００Ａの後方側において、便鉢１１１ａの下部に形成される。第１開口部１１１ｃは、平面視で、左右方向に延びる長方形状に形成される。第１開口部１１１ｃは、下方に向けて開口している。

　第２開口部１１１ｄは、図１１に示すように、小便が排出される小便用の開口である。第２開口部１１１ｄは、便器装置１００Ａの前方側において、高さ方向の中段の水平面部１１１ｅの上面部に形成される。第２開口部１１１ｄは、円形状に形成され、便鉢１１１ａを貫通して形成される。

　便搬送機構部１２０は、図９及び図１０に示すように、第１開口部１１１ｃの下方に落下した大便を、撹拌すると共に、大便タンク１８１に搬送する。便搬送機構部１２０は、筒体としての便搬送ダクト２００と、便搬送ダクト２００の内部に配置される搬送部３００と、回転機構部としての操作回転機構部１３０と、を備える。

　便搬送ダクト２００は、円筒状の管状に形成される。便搬送ダクト２００は、便鉢１１１ａの第１開口部１１１ｃの下方を通過するように、便器本体１１１の便鉢１１１ａの上流側（右方側）から下流側（左方側）に亘って延びている。便搬送ダクト２００は、基端側が第１開口部１１１ｃの下方に配置され、先端側が大便タンク１８１の上部に配置される。なお、本実施形態では、便搬送ダクト２００を円筒状に形成したが、これに限定されない。便搬送ダクト２００を、例えば、断面が四角等の角筒状に形成してもよい。
　便搬送ダクト２００は、第１ダクト２１０と、上り傾斜部としての第２ダクト２２０と、第２ダクト２２０の下流側の端部に接続される第３ダクト２３０と、メンテナンス用ダクト２４０と、を有する。

　第１ダクト２１０及び第２ダクト２２０の内部には、スクリュー部材３１０を主体として構成された搬送部３００が配置される。搬送部３００の駆動により、第１ダクト２１０及び第２ダクト２２０の内部において、大便は、大便タンク１８１（後述）へ向けて搬送される。

　第１ダクト２１０及び第２ダクト２２０は、その内部を大便が時間をかけて搬送されるため、大便の発酵を促進させる貯留部としての機能も有する。
　第１ダクト２１０及び第２ダクト２２０は、例えば、外面を黒色で塗装した鉄の材料の管体で形成される。第１ダクト２１０及び第２ダクト２２０は、外面を黒色で塗装した鉄の材料で形成した場合には、熱を吸収しやすく、かつ、熱を蓄熱しやすいため、第１ダクト２１０及び第２ダクト２２０の内部を搬送される大便の発酵をより促進させることができる。特に、第２ダクト２２０の一部は建屋１９０の外部に配置されるため、第２ダクト２２０は、太陽光からの熱などを吸収して蓄熱することが可能である。

　第１ダクト２１０は、便鉢１１１ａよりも上流側から便鉢１１１ａまで、略水平方向に直線状に延びる。第１ダクト２１０は、便鉢１１１ａの第１開口部１１１ｃの下方において略水平に位置するように配置されている。第１ダクト２１０の上流側の端部は、閉止されている。第１ダクト２１０の下流側の端部は、第２ダクト２２０の上流側の端部に接続されている。

　第２ダクト２２０は、第１ダクト２１０の下流側の端部から大便タンク１８１（後述）側に向かうように延びている。第２ダクト２２０は、第２ダクト２２０の上流側の端部は、便鉢１１１ａの下流側において、第１ダクト２１０の下流側の端部に接続されている。第２ダクト２２０の下流側の端部は、排気ダクト１５０、第３ダクト２３０及びメンテナンス用ダクト２４０に分岐している。

　第２ダクト２２０は、便搬送ダクト２００における基端側から先端側に向かって上り傾斜となっている。第２ダクト２２０は、第１ダクト２１０の下流側の端部から大便タンク１８１側に向かうにしたがって上る上り傾斜に形成される。第２ダクト２２０は、第１ダクト２１０の下流側の端部から大便タンク１８１に向かうにしたがって上昇するように、下方側が凸となる円弧状に湾曲して延びる。本実施形態においては、第２ダクト２２０の円弧状の部分の曲率半径Ｒ（アール）は、例えば、２０００ｍｍ（２０００Ｒ、半径が２０００ｍｍの円弧）で形成されている。なお、第２ダクト２２０の曲率半径Ｒは２０００ｍｍに限定されない。

　第３ダクト２３０は、第１ダクト２１０及び第２ダクト２２０を搬送される大便を大便タンク１８１側に搬送する。第３ダクト２３０は、第２ダクト２２０の下流側の端部から斜め下方に延びている。第３ダクト２３０の下流側の端部は、大便タンク１８１の上部の開口に向けて開口している。

　メンテナンス用ダクト２４０は、第２ダクト２２０の下流側の端部から第２ダクト２２０が延在するように斜め上方に延びている。メンテナンス用ダクト２４０の端部には、メンテナンス用開口２４０ａが形成されている。第１ダクト２１０及び第２ダクト２２０の内部に配置された搬送部３００は、メンテナンス用開口２４０ａから取り出すことが可能である。これにより、第１ダクト２１０及び第２ダクト２２０の内部に配置された搬送部３００のメンテナンスを可能とする。メンテナンス用開口２４０ａには、蓋部材２４０ｂが取り付けられている。

　搬送部３００は、第１ダクト２１０及び第２ダクト２２０の内部に配置される。搬送部３００は、図１２に示すように、スクリュー部材３１０を主体として構成されている。また、搬送部３００は、第１ダクト２１０及び第２ダクトの内部の所定の位置において、大便を撹拌する機能や、大便を搬送する機能や、添加剤を供給する機能を向上させるための構成を有する。具体的には、搬送部３００は、添加剤量制限部４１０と、巻込搬送部４２０と、滞留部４３０と、を有する。

　まず、スクリュー部材３１０の構成について説明する。
　スクリュー部材３１０は、図９及び図１０に示すように、第１ダクト２１０及び第２ダクト２２０の内部において、一部の領域を除いて、略全域に亘って配置される。スクリュー部材３１０は、第１ダクト２１０及び第２ダクト２２０の内部において、大便を撹拌して搬送する。

　本実施形態においては、スクリュー部材３１０は、添加剤供給部１４０の下方に配置される部分及び便鉢１１１ａの第１開口部１１１ｃの下方に配置される部分において、一部欠損されている。また、スクリュー部材３１０が欠損された部分においては、後述する筒状部材４１１や板状部材４２１により、スクリュー部材３１０が接続されており、搬送部３００は、大便の搬送方向において連続して一体的に構成される。そのため、スクリュー部材３１０（搬送部３００）の端部の軸部材３１１（後述）を回転させることで、搬送部３００を回転させて、大便を大便タンク１８１へ向けて搬送することができる。

　スクリュー部材３１０は、図１２に示すように、螺旋状に形成され、回転中心軸を中心に回転する。スクリュー部材３１０は、回転中心軸が延びる方向に延びる。スクリュー部材３１０は、回転中心軸となる部分に空洞部を備える。つまり、本実施形態においては、スクリュー部材３１０は、空洞部を回転中心軸として回転する。スクリュー部材３１０は、回転中心軸となる部分が空洞に形成されるため、第１ダクト２１０及び第２ダクト２２０の内部において、第１ダクト２１０及び第２ダクト２２０に沿うように変形させることが容易である。なお、スクリュー部材３１０の空洞部は、全体が空洞になっていなくてもよく、一部が空洞になっていればよい。スクリュー部材３１０の径やピッチなどは、実験結果などにより、適宜設定される。

　スクリュー部材３１０は、図９に示すように、第１ダクト２１０の内部においては、第１ダクト２１０に沿って配置され、回転中心軸が水平方向に直線状に配置される。スクリュー部材３１０は、第２ダクト２２０の内部においては、第２ダクト２２０に沿って配置され、回転中心軸が、大便タンク１８１に向かうにしたがって上昇するように、下方側が凸となる円弧状に湾曲して延びた状態で配置される。

　スクリュー部材３１０は、図９に示すように、第１ダクト２１０及び第２ダクト２２０の内部において、第１ダクト２１０及び第２ダクト２２０の天面に対して離間して配置されており、第１ダクト２１０及び第２ダクト２２０の天面との間に空間Ｋを有した状態で配置される。第１ダクト２１０及び第２ダクト２２０とスクリュー部材３１０との間の空間Ｋは、第１ダクト２１０及び第２ダクト２２０の内部を搬送される大便の臭気を逃がすための通路の空間とすることができ、かつ、第１ダクト２１０及び第２ダクト２２０の内部を搬送される大便の発酵を促進させる酸素を通過させるための通路の空間とすることができる。

　スクリュー部材３１０の上流側の端部には、図１２に示すように、軸部材３１１が接続されている。スクリュー部材３１０は、第１ダクト２１０の端部において、軸部材３１１が軸受部３１２に軸支されている。第１ダクト２１０の端部の外側に配置される操作回転機構部１３０の操作レバー１３１（後述）が操作されることで、軸部材３１１が回転されて、スクリュー部材３１０を回転させる。

　次に、添加剤量制限部４１０、巻込搬送部４２０及び滞留部４３０について説明する。
　まず、添加剤量制限部４１０について説明する。添加剤量制限部４１０は、図９及び図１０に示すように、第１ダクト２１０の内部において、添加剤供給部１４０の下方に配置される。

　ここで、添加剤量制限部４１０を詳細に説明する前に、添加剤供給部１４０について説明する。
　添加剤供給部１４０は、第１ダクト２１０における便器本体１１１よりも上流側において、第１ダクト２１０の上部に取り付けられる。添加剤供給部１４０は、第１ダクト２１０における便器本体１１１の上流側において、添加剤を第１ダクト２１０に投入する。

　添加剤としては、例えば、おが屑や木材チップ等を主体として構成され、おが屑や木材チップ等に微生物を加えたものが挙げられる。おが屑や木材チップ等により、大便の水分を吸収して、大便の臭気を低減できる。また、微生物により大便の発酵を促進させることができる。このように、添加剤は、水分を吸収し、及び／又は、発酵を促進させるものであればよい。

　添加剤供給部１４０は、蓋部材１４１と、添加剤収容部としての添加剤投入筒１４２と、を有する。
　添加剤投入筒１４２は、筒状に形成され、上下方向に延びる。添加剤投入筒１４２の下端部は、第１ダクト２１０の上部に連通されている。添加剤投入筒１４２は、第１ダクト２１０における第１開口部１１１ｃよりも上流側において、添加剤を第１ダクト２１０に投入する。

　添加剤投入筒１４２の上端部には、添加剤が投入される添加剤投入口１４０ａが形成される。添加剤投入口１４０ａは、便鉢１１１ａの上部開口部１１１ｂとは別の位置に設けられる。つまり、添加剤投入口１４０ａは、第１ダクト２１０における便鉢１１１ａよりも上流側に配置される添加剤投入筒１４２の上端部に形成されている。添加剤投入口１４０ａには、蓋部材１４１が取り付けられている。

　添加剤投入筒１４２は、添加剤投入口１４０ａから投入された添加剤を、内部に貯留して収容する。添加剤投入筒１４２に収容された添加剤は、添加剤投入筒１４２から第１ダクト２１０の内部に投入される。

　添加剤投入筒１４２は、操作レバー１３１（後述）によるスクリュー部材３１０の回転動作（駆動動作）の操作と連動して、添加剤投入筒１４２に収容される添加剤を、第１ダクト２１０に投入する。そして、第１ダクト２１０に投入された添加剤がスクリュー部材３１０により便器本体１１１の第１開口部１１１ｃの下方に搬送されることで、所定量の添加剤を大便に供給する。そのため、第１ダクト２１０に投入された添加剤がスクリュー部材３１０により便器本体１１１の第１開口部１１１ｃの下方に搬送されることで、便鉢１１１ａの第１開口部１１１ｃよりも下流側において、便鉢１１１ａの第１開口部１１１ｃから落下した大便に添加剤を添加（供給）することができる。本実施形態においては、便鉢１１１ａの第１開口部１１１ｃよりも下流側は、便鉢１１１ａの第１開口部１１１ｃよりも下方の位置である。

　添加剤が搬送部３００により便器本体１１１の第１開口部１１１ｃの下方側に向けて搬送された後、添加剤投入筒１４２に収容された添加剤は、添加剤が搬送部３００（スクリュー部材３１０）により搬送されたことにより生じた搬送部３００（スクリュー部材３１０）と第１ダクト２１０の内部との隙間に、自重で移動する。第１ダクト２１０の内部に移動した添加剤は、搬送部３００（スクリュー部材３１０）により、便器本体１１１の第１開口部１１１ｃの下方に搬送される。搬送部３００の回転の動作に連動して、添加剤投入筒１４２から第１ダクト２１０への添加剤の投入が繰り返される。

　以上のように構成される添加剤供給部１４０は、添加剤投入筒１４２に貯留されて収容される添加剤を、搬送部３００（スクリュー部材３１０）の回転の動作に連動して、添加剤の自重により、第１ダクト２１０に投入する。第１ダクト２１０に投入された添加剤は、搬送部３００（スクリュー部材３１０）により、便鉢１１１ａの第１開口部１１１ｃの下方に移動されて、搬送部３００（スクリュー部材３１０）により搬送される大便に供給されて、大便とともに撹拌される。

　添加剤量制限部４１０の説明に戻ると、添加剤量制限部４１０は、図１２及び図１３に示すように、スクリュー部材３１０と、円筒状の筒状部材４１１と、を有する。

　筒状部材４１１は、第１ダクト２１０の内部における添加剤投入筒１４２の下方において、スクリュー部材３１０の内側に配置される。筒状部材４１１は、スクリュー部材３１０に接続されている。

　筒状部材４１１の外側に配置されたスクリュー部材３１０には、欠損部３１０ａが形成される。欠損部３１０ａは、スクリュー部材３１０が連続する途中において、スクリューが欠損した部分である。本実施形態においては、筒状部材４１１の外側に配置されたスクリュー部材３１０は、スクリュー部材３１０における４分の１周分程度のスクリューの部分を欠損部３１０ａとして２箇所欠損させ、且つ、スクリューの一部を残存させる形状に形成される。

　添加剤量制限部４１０は、筒状部材４１１を備えることで、スクリュー部材３１０のみで構成するよりも、第１ダクト２１０の内部における添加剤供給部１４０の下方の空間を少なくして、添加剤の供給量を制限することができる。また、筒状部材４１１の外側に配置されたスクリュー部材３１０は、４分の１周分程度のスクリューの部分を欠損部３１０ａとして２箇所欠損させ且つスクリューの一部を残存させる形状とすることで、添加剤の搬送量を調整することができる。添加剤の搬送量は、筒状部材４１１の外側に配置されるスクリュー部材３１０の残存されたスクリューの大きさで設定される。

　次に、巻込搬送部４２０について説明する。
　巻込搬送部４２０は、図９及び図１０に示すように、便鉢１１１ａの第１開口部１１１ｃの下方に配置される。巻込搬送部４２０は、図１４Ａ～図１４Ｃに示すように、板状部材４２１と、第１搬送板４２２（傾斜板）と、第２搬送板４２３と、を有する。

　板状部材４２１は、第１開口部１１１ｃの下方に配置される。板状部材４２１は、スクリュー部材３１０の途中において、スクリュー部材３１０に接続されており、スクリュー部材３１０と共に回転可能である。板状部材４２１は、板状に形成され、便器本体１１１の左右方向に延びている。

　板状部材４２１の上流側の端部側は、便器本体１１１の上流側のスクリュー部材３１０に接続されている。板状部材４２１の下流側の端部側は、便器本体１１１の下流側のスクリュー部材３１０に接続されている。板状部材４２１は、長さ方向の中央側において、スクリュー部材３１０が配置されずに長さ方向に延在する部分を有している。板状部材４２１は、第１開口部１１１ｃの下方に配置されており、回転されることで、板状部材４２１の第１面４２１ａ又は第２面４２１ｂで大便を受けて、大便を板状部材４２１に巻き込ませる。

　第１搬送板４２２は、図１４Ａ及び図１４Ｂに示すように、細長い板状に形成され、板状部材４２１の第１面４２１ａに取り付けられている。第１搬送板４２２は、板状部材４２１の第１面４２１ａにおいて、スクリュー部材３１０が配置されない部分に配置されている。
　第１搬送板４２２は、第１面４２１ａから立ち上がるように設けられる。第１搬送板４２２は、スクリュー部材３１０の回転中心軸が延びる方向に対して所定角度傾斜して直線状に延びる。第１搬送板４２２は、スクリュー部材３１０の回転中心軸方向に対してスクリュー部材３１０の傾斜角度よりも小さい傾斜角度で傾斜する。第１搬送板４２２は、スクリュー部材３１０の径方向において、所定の長さに亘って配置される。第１搬送板４２２は、板状部材４２１と共に回転することで、大便を下流側に向かうように搬送する力を向上させることができる。第１搬送板４２２は、スクリュー部材３１０の回転中心軸方向に対してスクリュー部材３１０の傾斜角度よりも小さい傾斜角度で傾斜し、且つ、スクリュー部材３１０の径方向において所定の長さに亘って配置されることで、少ない回転で、大便を搬送する距離を長くすることができる。

　第２搬送板４２３は、図１４Ａ及び図１４Ｃに示すように、細長い板状に形成され、板状部材４２１の第２面４２１ｂに取り付けられている。第２搬送板４２３は、第２面４２１ｂから立ち上がるように設けられる。
　第２搬送板４２３は、直線板４２３ａと、傾斜板４２３ｂと、を有する。直線板４２３ａ及び傾斜板４２３ｂは、連続して形成される。

　直線板４２３ａは、第２搬送板４２３における上流側に配置される。直線板４２３ａは、スクリュー部材３１０の回転中心軸が延びる方向に直線状に延びる。直線板４２３ａは、スクリュー部材３１０の内側に配置されている。

　傾斜板４２３ｂは、第２搬送板４２３における下流側に配置される。傾斜板４２３ｂは、直線板４２３ａの下流側の端部から、スクリュー部材３１０の回転中心軸が延びる方向に対して所定角度傾斜して直線状に延びる。傾斜板４２３ｂは、スクリュー部材３１０の回転中心軸方向に対してスクリュー部材３１０の傾斜角度よりも小さい傾斜角度で傾斜する。傾斜板４２ｂは、スクリュー部材３１０の径方向において、所定の長さに亘って配置される。傾斜板４２３ｂは、スクリュー部材３１０が配置されない部分に配置されている。傾斜板４２３ｂは、板状部材４２１を厚さ方向に視た場合に、第１搬送板４２２に重なる位置に配置されている。傾斜板４２３ｂは、板状部材４２１と共に回転することで、大便を下流側に向かうように搬送する力を向上させることができる。傾斜板４２３ｂは、スクリュー部材３１０の回転中心軸方向に対してスクリュー部材３１０の傾斜角度よりも小さい傾斜角度で傾斜し、且つ、スクリュー部材３１０の径方向において所定の長さに亘って配置されることで、少ない回転で、大便を搬送する距離を長くすることができる。

　次に、滞留部４３０について説明する。
　滞留部４３０は、図９及び図１０に示すように、第２ダクト２２０の内部における下流側の端部側に配置される。滞留部４３０は、スクリュー部材３１０により搬送された大便を、スクリュー部材３１０における大便タンク１８１側の端部側において、滞留させる。

　滞留部４３０は、図１２及び図１５に示すように、複数の突起としての内側突起延在部４３１を有する。複数の内側突起延在部４３１は、第２ダクト２２０における大便タンク１８１側に配置される。内側突起延在部４３１は、スクリュー部材３１０の径方向の内側に突出すると共に、第２ダクト２２０における大便タンク１８１側の端部側から大便の搬送方向の上流側に向けて延出する。内側突起延在部４３１は、例えば、樹脂材料で形成される。

　操作回転機構部１３０は、図９及び図１０に示すように、操作レバー１３１と、ラチェット部１３２と、連結部材１３３と、レバー規制ガイド部１３４と、を有する。

　操作回転機構部１３０は、操作レバー１３１が手動で操作されることで、ラチェット部１３２及び連結部材１３３を介して、スクリュー部材３１０（搬送部３００）を回転動作させて、大便を撹拌させながら搬送する。また、添加剤供給部１４０の添加剤投入筒１４２に収容された添加剤の投入量（供給量）を添加剤量制限部４１０により調整して、搬送部３００（筒状部材４１１及びスクリュー部材３１０）により、添加剤を便器本体１１１の下方へ搬送する。

　操作レバー１３１は、上下方向に直線状に延びる。操作レバー１３１は、操作レバー１３１を回動操作することで、スクリュー部材３１０を含む搬送部３００の回転動作（駆動動作）を操作可能である。操作レバー１３１を所定角度回動操作すると、スクリュー部材３１０を含む搬送部３００が所定角度回転する。これにより、操作レバー１３１によるスクリュー部材３１０の回転動作の操作と連動して、添加剤投入筒１４２に収容された添加剤が第１ダクト２１０に投入されて、スクリュー部材３１０により第１開口部１１１ｃの下方に搬送されることで、所定量の添加剤を大便に供給する。
　操作レバー１３１の下端部には、ラチェット部１３２が接続されている。

　ラチェット部１３２は、大便が大便タンク１８１へ向かう方向に搬送される場合におけるスクリュー部材３１０の所定の正方向への回転を許可し、大便が便器本体１１１に戻る方向に搬送される場合におけるスクリュー部材３１０の正方向とは逆の逆方向への回転を禁止する。操作レバー１３１とスクリュー部材３１０との間にラチェット部１３２を介在させることで、操作レバー１３１の一方向への回動操作時にのみスクリュー部材３１０が正方向に回転し、操作レバー１３１の他方向への回動操作時には、操作レバー１３１の操作による回転は空回りして、スクリュー部材３１０は回転されない。このようにして、操作レバー１３１の１回の回動操作によりスクリュー部材３１０が回転されて、大便が所定距離移動される。操作レバー１３１の繰り返しの往復の回動操作により、大便が大便タンク１８１へ向かうように、スクリュー部材３１０が繰り返して回転する。

　連結部材１３３は、ラチェット部１３２と軸受部３１２とを連結する。軸受部３１２は、スクリュー部材３１０の端部を受ける軸受けである。連結部材１３３は、ラチェット部１３２により制限された操作レバー１３１の回転動作を、スクリュー部材３１０に伝達する。

　レバー規制ガイド部１３４は、操作レバー１３１の回転範囲を規制すると共に、操作レバー１３１が側方に倒れることを規制する。レバー規制ガイド部１３４は、一対の回転規制バー１３４ａと、一対の回転規制バー１３４ａを接続するガイドバー１３４ｂと、を有する。

　一対の回転規制バー１３４ａは、第１ダクト２１０の端部から、第１ダクト２１０の外側にスクリュー部材３１０の回転中心軸が延びる方向に突出して形成される。一対の回転規制バー１３４ａは、便器本体１１１の前後方向に離間して配置され、操作レバー１３１の回転範囲を規制する。本実施形態においては、例えば、操作レバー１３１の回転範囲を略９０°に規制する。
　ガイドバー１３４ｂは、操作レバー１３１の回転時に操作レバー１３１の先端の移動範囲の側方において、便器本体１１１の前後方向に延びて配置されている。ガイドバー１３４ｂは、操作レバー１３１が側方に倒れないように、操作レバー１３１をガイドする。

　なお、操作回転機構部１３０に代えて、図１６Ａ及び図１６Ｂに示すように、操作回転機構部１３０Ａとすることができる。図１６Ａ及び図１６Ｂに示す操作回転機構部１３０Ａは、第１実施形態の連結部材１３３に代えて、歯車機構１３５を備える。
　操作回転機構部１３０Ａの歯車機構１３５は、図１６Ａ及び図１６Ｂに示すように、第１ギヤ部１３６と、第２ギヤ部１３７と、を有する。第１ギヤ部１３６及び第２ギヤ部１３７は、互いに噛み合っており、第１ギヤ部１３６の径は、第２ギヤ部１３７の径よりも大きい。
　図１６Ａ及び図１６Ｂに示すように、第１ギヤ部１３６の中心軸は、ラチェット部１３２を介して操作レバー１３１に接続されている。第２ギヤ部１３７の中心軸は、軸受部３１２を介して、スクリュー部材３１０（搬送部３００）の端部の軸部材３１１に接続されている。

　操作レバー１３１の回転操作により、ラチェット部１３２を介して、第１ギヤ部１３６が回転され、第１ギヤ部１３６に噛み合う第２ギヤ部１３７が回転され、スクリュー部材３１０（搬送部３００）の端部の軸部材３１１が回転される。本実施形態では、第１ギヤ部１３６の径が第２ギヤ部１３７の径よりも大きく構成されるため、操作レバー１３１により回転された回転よりも大きい回転数で、スクリュー部材３１０を回転させことができ、操作レバー１３１を回転操作する使用者の負担を減らすことができる。

　大便タンク１８１は、大便を貯留する。大便タンク１８１は、図９に示すように、便器本体１１１の便鉢１１１ａの側方に配置される。大便タンク１８１は、第３ダクト２３０の下方に、第３ダクト２３０から離間して配置される。大便タンク１８１は、第１ダクト２１０、第２ダクト２２０及び第３ダクト２３０を搬送される大便を収容する。

　防虫カバー１８３は、図９に示すように、第３ダクト２３０の下部及び大便タンク１８１の上部を跨ぐように配置されている。防虫カバー１８３は、第３ダクト２３０の内部及び大便タンク１８１の内部への虫の侵入を防止する。

　小便排出ダクト１７０は、小便を小便タンク１８２に導く。小便排出ダクト１７０の上流側の端部は、第２開口部１１１ｄに接続されている。小便排出ダクト１７０の下流側の端部は、小便タンク１８２の上端部に接続されている。

　小便タンク１８２は、小便を貯留する。小便タンク１８２は、図９に示すように、便器本体１１１及び小便排出ダクト１７０の下方に配置される。

　排気ダクト１５０は、図９に示すように、第１排気ダクト１５１と、第２排気ダクト１５２と、水抜きダクト１５３と、を有する。
　第１排気ダクト１５１は、第２ダクト２２０の端部からトイレ室の建屋１９０に近づくにしたがって斜め上方に向かうように延びる。排気ダクト１５０は、大便の臭気を上方側に搬送する。第１排気ダクト１５１の下流側の端部（第１排気ダクト１５１の上端部）は、第２排気ダクト１５２及び水抜きダクト１５３に分岐する。

　第２排気ダクト１５２は、第１排気ダクト１５１の上端部から垂直方向の上方側に向けて延びる。第２排気ダクト１５２は、第１排気ダクト１５１を斜め上方に搬送される大便の臭気を、垂直方向の上方に搬送する。第２排気ダクト１５２の上端部には、換気部１６０が接続されている。

　換気部１６０は、第２排気ダクト１５２の上端部に接続されている。換気部１６０は、排気ダクト１５０の内部の空間と外部との換気を行う。換気部１６０は、雨滴や雪が排気ダクト１５０の内部へ侵入することを抑制するように構成される。

　水抜きダクト１５３は、第１排気ダクト１５１の上端部及び第２排気ダクト１５２の下端部から垂直方向の下方側に向けて延びる。水抜きダクト１５３は、第２排気ダクト１５２の下端部から下方側に垂直方向に延在するように延びる。水抜きダクト１５３は、第２排気ダクト１５２を通じて下方に降りてきた雨水等の水分が排出される。

　次に、本発明に係る便器装置１００Ａの動作について説明する。
　使用者が小便を排泄すると、小便は、便鉢１１１ａの第２開口部１１１ｄ及び小便排出ダクト１７０を介して、小便タンク１８２に搬送される。

　また、使用者が大便を排泄すると、大便は、便鉢１１１ａの第１開口部１１１ｃを介して、第１ダクト２１０の内部に落下する。第１ダクト２１０の内部には、スクリュー部材３１０を主体とした搬送部３００が配置されている。使用者が操作レバー１３１を操作することで、スクリュー部材３１０を主体とした搬送部３００は、便鉢１１１ａの第１開口部１１１ｃの下方に落下した大便を大便タンク１８１に向けて搬送する。

　ここで、第１開口部１１１ｃの下方には、巻込搬送部４２０が配置されている。巻込搬送部４２０は、板状部材４２１と、第１搬送板４２２と、第２搬送板４２３と、を有する。そのため、巻込搬送部４２０においては、板状部材４２１により大便を巻き込ませて、第１搬送板４２２及び第２搬送板４２３により大便を下流側に向けて搬送する。巻込搬送部４２０における第１搬送板４２２及び第２搬送板４２３は、搬送方向に対して傾斜しているため、便鉢１１１ａの第１開口部１１１ｃから落下された大便を下流側に搬送する搬送力を向上させることができる。

　また、使用者が操作レバー１３１を操作することにより、便鉢１１１ａの第１開口部１１１ｃから落下された大便を下流側に搬送するのと同時に、便器本体１１１の上流側においては、添加剤量制限部４１０における筒状部材４１１及び一部が欠損されたスクリュー部材３１０を回転させる。そして、添加剤供給部１４０の添加剤投入筒１４２に収容された添加剤は、供給量が制限された状態で、第１ダクト２１０に送り込まれる。添加剤は、添加剤投入筒１４２において第１ダクト２１０の内部に自重により下方に移動して、操作レバー１３１の操作に連動して送りこまれる。このようにして、操作レバー１３１による搬送部３００（便搬送機構部１２０）を駆動させる操作と連動して、所定量の添加剤を大便に供給することができる。

　このようにして、添加剤量制限部４１０は、筒状部材４１１の容積の分だけ添加剤が入り込む量を少なくすることで、添加剤供給部１４０により投入される添加剤の投入量（供給量）を調整できる。また、筒状部材４１１の外側に配置されたスクリュー部材３１０の残存したスクリューの大きさを調整することで、添加剤を搬送する量を調整できる。

　このように、操作レバー１３１を操作すると、添加剤供給部１４０により第１ダクト２１０に投入された添加剤は、便鉢１１１ａの第１開口部１１１ｃの下方に向けて搬送される。便鉢１１１ａの第１開口部１１１ｃの下方に搬送された添加剤は、大便に供給され、大便とともに撹拌され、大便とともに搬送される。

　続けて、使用者が操作レバー１３１を操作することで、第１ダクト２１０を通過した大便及び添加剤は、第２ダクト２２０に沿って、大便タンク１８１に向かうにしがって上昇するように搬送される。この場合、大便に含まれる水分は、自重により、第２ダクト２２０が上り傾斜で構成されるため、第２ダクト２２０の底部を通って、便器本体１１１側に戻るように移動される。これにより、大便に含まれる水分を分離させて、大便タンク１８１に水分が搬送されることを低減できる。

　第２ダクト２２０をスクリュー部材３１０により搬送される大便は、第２ダクト２２０の下流側の端部側において、滞留部４３０により滞留される。滞留部４３０は、内側突起延在部４３１を有する。内側突起延在部４３１は、スクリュー部材３１０の径方向の内側に突出すると共に、大便の搬送方向の上流側に延出する。これにより、内側突起延在部４３１は、第２ダクト２２０の下流側の端部側において、スクリュー部材３１０のスクリューに大便が乗らないようにする。このため、第２ダクト２２０の内部に大便を滞留させて、大便を撹拌する時間を長くすることができ、大便の発酵を促進させることができる。このように、滞留部４３０は、スクリュー部材３１０における大便タンク１８１側の端部側に配置されることで、第１ダクト２１０及び第２ダクト２２０における大便の発酵を促進させる貯留部としての機能を向上させることができる。

　以上説明した第２実施形態の便器装置１００Ａによれば、以下のような効果を奏する。

　第２実施形態の便器装置１００Ａは、上部に上部開口部１１１ｂが形成された便鉢１１１ａと、添加剤が投入される添加剤投入口１４０ａを有する添加剤供給部１４０と、を備える便器装置１００Ａであって、添加剤投入口１４０ａは、上部開口部１１１ｂとは別の位置に設けられる。そのため、添加剤は、便鉢１１１ａの上部開口部１１１ｂとは別の位置に設けられる添加剤投入口１４０ａから投入される。これにより、添加剤は、便鉢１１１ａの表面に付着することが抑制される。特に無水方式の便器装置１００においては、排泄後において便鉢１１１ａの表面に水を流さないため、添加剤投入口１４０ａから添加剤を投入して、便鉢１１１ａの表面をきれいに保つことができるという本発明の効果は大きい。

　また、第２実施形態の便器装置１００Ａにおいては、添加剤供給部１４０は、添加剤を収容する添加剤投入筒１４２を有する。添加剤を添加剤投入筒１４２に収容して保持しておくことができる。これにより、添加剤をその都度供給する手間が低減される。よって、添加剤を大便に容易に供給できる。

　また、第２実施形態の便器装置１００Ａにおいては、便鉢１１１ａの下方を通過するように配置され、大便を搬送する搬送部３００を備え、添加剤供給部１４０は、便鉢１１１ａよりも上流側の第１ダクト２１０に添加剤を供給する。そのため、第１開口部１１１ｃの下方において、第１ダクト２１０の上流側から搬送される添加剤を大便に供給できる。

　また、第２実施形態の便器装置１００Ａにおいては、搬送部３００に搬送された大便を貯留する大便タンク１８１と、搬送部３００の駆動動作を操作可能な操作レバー１３１と、を備え、添加剤供給部１４０は、操作レバー１３１による搬送部３００の駆動動作の操作と連動して所定量の添加剤を大便に供給する。そのため、操作レバー１３１による搬送部３００の駆動動作の操作を行うだけで、自動で、添加剤を大便に供給できる。

［第３実施形態］

　以下、本発明の第３実施形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。
　図１７は、本発明の第３実施形態に係るトイレ設備１００Ｂを示す側面図である。図１８は、上記実施形態に係るトイレ設備１００Ｂを示す要部斜視図である。

　図１７等に示すように、本実施形態に係るトイレ設備１００Ｂは、非水洗式のトイレを構成するトイレ設備であり、固液混合物としての排泄物であるし尿を固体分と液体分とに分離する。トイレ設備１００Ｂは、便器装置１０Ｂと、便タンク８０Ｂと、尿タンク９０Ｂと、を有している。便器装置１０Ｂは、トイレ室１１０Ｂの室内の床１２１Ｂに配置されている。便タンク８０Ｂは、トイレ室１１０Ｂの室内の床下であって便器装置１０Ｂの鉛直下方に配置されている。便タンク８０Ｂは、上端部に上方へ向けて開口が形成されており、便器装置１０Ｂにより分離された固体分を貯留する。尿タンク９０Ｂは、便器装置１０Ｂに連通しており、便器装置１０Ｂにより分離された液体分を貯留する。

　次に、便器装置１０Ｂについて図１９～図２３を参照して説明する。
　図１９は、上記実施形態に係るトイレ設備１００Ｂの分離板３１Ｂ等を示す要部平面図である。図２０は、上記実施形態に係るトイレ設備１００Ｂを示す側方要部断面図である。図２１は、上記実施形態に係るトイレ設備１００Ｂを示す正面要部断面図である。図２２は、上記実施形態に係るトイレ設備１００Ｂの分離板３１Ｂ及び液体分受け板３５Ｂを示す側面図である。図２３は、上記実施形態に係るトイレ設備１００Ｂのスクレーパー４１Ｂ及びクリーナーブレード４５Ｂを示す側面図である。

　図２０等に示すように、便器装置１０Ｂは、便器部１１Ｂと、ダクト２１Ｂと、分離板３１Ｂと、液体分受け板３５Ｂと、除去板としてのスクレーパー４１Ｂと、開口部除去部材としてのクリーナーブレード４５Ｂと、液体分受け溝形成部５１Ｂと、を備えている。分離板３１Ｂ、液体分受け板３５Ｂ、スクレーパー４１Ｂ、クリーナーブレード４５Ｂ、及び、ダクト２１Ｂは、便器部の内部、より詳細には、後述する便器部１１Ｂの便器部本体部１１３Ｂの内部に設けられている。

　以下の説明においては、便器部１１Ｂの上面の長手方向において便座１１６Ｂ及び便蓋１１７Ｂ（図１８参照）を支承している一端部から、当該一端部に対する他端部へ向かう方向（図１８における下方向）を前方向と定義し、その反対方向を後方向とし、これらを前後方向と定義する。また、便器部１１Ｂの側面であってレバー３３６Ｂが設けられている側からレバー３３６Ｂが設けられていない側へと向う方向を（図１８における右方向）を左方向と定義し、その反対方向を右方向とし、これらを左右方向と定義する。また、床１２１Ｂに固定されている便器部１１Ｂの下端部から便座１１６Ｂ及び便蓋１１７Ｂに向かう方向（図１７における上方向）を上方向とし、その反対方向を下方向とし、これらを上下方向と定義する。

　図２０等に示すように、便器部１１Ｂは、便鉢１１１Ｂと、便器部中部本体部１１２Ｂと、便器部本体部１１３Ｂと、便鉢１１１Ｂの下部に形成され、下方に向けて開口し、便鉢１１１Ｂで受けたし尿を便鉢１１１Ｂの下方へ落下させる便器排出口１１４Ｂと、を有している。

　便鉢１１１Ｂは、全体として下方へ向かって窄まった形状を有しており、便鉢１１１Ｂの所定の位置より下方に至るまでの部分は、円筒形状部により構成されている。円筒形状部の下端には、便器排出口１１４Ｂが形成されている。便鉢１１１Ｂの上端開口部には、図１８に示すように、便座１１６Ｂ及び便蓋１１７Ｂが便鉢１１１Ｂに対して回動するように支承されている。なお、図１７、図２０、図２１においては、便宜上便座１１６Ｂ及び便蓋１１７Ｂの図示を省略している。便器部１１Ｂの便器排出口１１４Ｂは、床１２１Ｂの開口部の開口内に配置されており、平面視では円形を有しているが、図２０に示す側方視では、円弧状を有している。

　便器部中部本体部１１２Ｂは、四角筒状を有している。便器部中部本体部１１２Ｂの下端部の開口は、便タンク８０Ｂの上端部に形成された開口よりも小さく構成されおり、鉛直方向視では、便器部中部本体部１１２Ｂの下端部の開口の全体は、便タンク８０Ｂの上端部に形成された開口に含まれる位置関係を有している。便鉢１１１Ｂの下部の円筒形状部の周囲と、ダクト２１Ｂと、分離板３１Ｂと、液体分受け板３５Ｂと、スクレーパー４１Ｂと、クリーナーブレード４５Ｂと、液体分受け溝形成部５１Ｂとが、便器部中部本体部１１２Ｂの内部に配置される。また、便器部中部本体部１１２Ｂの後部には、上面が塞がれ上方に突出して便器部中部本体部１１２Ｂの内部の空間を上方へ拡張する部分を有しており、この部分には、分離板３１Ｂ及び液体分受け板３５Ｂの後端部が、図２０において二点鎖線で示すように、後方へ回動したときに、挿入可能である。

　便器部本体部１１３Ｂは、便鉢１１１Ｂの上端部を除いた便鉢１１１Ｂのほぼ全体を覆っている。便器部本体部１１３Ｂの下端部は、床１２１Ｂに接続されており、床１２１Ｂの開口部の全体を取り囲んでいる。

ダクト２１Ｂは、四角筒状を有しており、便鉢１１１Ｂの下部の円筒形状部の周囲を、取り巻いて配置されている。ダクト２１Ｂの上端部は、便鉢１１１Ｂの上部に固定されている。ダクト２１Ｂの下端部は、図２０に示すように、便器排出口１１４Ｂに略一致しており、床１２１Ｂの開口部の開口内に配置され、側方視では、便器排出口１１４Ｂと同様に円弧状を有している。

　スクレーパー４１Ｂは、ダクト２１Ｂの前部に固定されており、また、スクレーパー４１Ｂは、ダクト２１Ｂの後部に固定されたスクレーパー保持部４２Ｂに固定されており、これにより、便器部１１Ｂに対して固定されている。スクレーパー保持部４２Ｂは、左右方向におけるダクト２１Ｂの一端部から他端部に至るまで延びており、ダクト２１Ｂの前後の下端部の外面に対して固定されている。ダクト２１Ｂの後部に配置されたスクレーパー４１Ｂは、スクレーパー保持部４２Ｂの下端部に沿って左右方向に延びている。スクレーパー４１Ｂは、左右方向及び上下方向に平行な板状を有しており、弾性変形可能な材質、例えば、ゴム等により構成されている。スクレーパー４１Ｂの下端部は、分離板３１Ｂの上面に当接している。スクレーパー４１Ｂは、分離板３１Ｂが便器部１１Ｂに対して動作することにより、分離板３１Ｂの上面に対して相対的に摺動して、分離板３１Ｂの上面に存在する固体分を分離板３１Ｂの上面から除去する。

　クリーナーブレード４５Ｂは、図２０に示すように、ダクト２１Ｂの後部に固定されたスクレーパー保持部４２Ｂに固定されている。クリーナーブレード４５Ｂは、後述の分離板３１Ｂのスリット３１３Ｂ（図２１参照）の枚数と同数設けられており、前後方向及び上下方向に平行な板状を有しており、硬い材質、例えば、金属等により構成されている。クリーナーブレード４５Ｂは、互いに平行な位置関係でスクレーパー保持部４２Ｂに固定されており、分離板３１Ｂのスリット３１３Ｂに挿入された状態が維持されている。クリーナーブレード４５Ｂは、スリット３１３Ｂに存在する固体分を除去する。

　分離板３１Ｂは、図１９に示すように、平面視で略長方形状の板状を有しており、図２０に示すように、側方視では、下方へ向かって凸状に湾曲し回転軸３３３Ｂの軸心を中心とする円弧状を有している。分離板３１Ｂは、液体分を下方へ通過させる開口部を有しており、開口部は、固液混合物としてのし尿を上面に受け、し尿に含まれる固体分が通過しない程度の幅を有する複数本のスリット３１３Ｂにより構成されている。複数本のスリット３１３Ｂは、分離板３１Ｂの前端部近傍から後端部近傍に至るまで前後方向に延びており、左右方向に等間隔で互いに平行な位置関係を有している。

　左右方向における分離板３１Ｂの側端部は、図２０に示すように略円弧形状の板状を有する弧状側部支持板３３Ｂの円弧の周縁部よりも中心部寄りの部分に接続されている。弧状側部支持板３３Ｂの円弧の中心部は、回転軸３３３Ｂと一体的に回転可能に、回転軸３３３Ｂに同軸的に固定されている。回転軸３３３Ｂは、便器部本体部１１３Ｂに形成された貫通孔を貫通して便器部１１Ｂの外部へ延びている。便器部１１Ｂの外部に位置する回転軸３３３Ｂの端部は、床１２１Ｂに固定された軸支持部材３３５Ｂによって床１２１Ｂに対して支持されており、回転軸３３３Ｂに直交するレバー３３６Ｂの一端部に、当該レバー３３６Ｂと一体的に回転可能に固定されている。回転軸３３３Ｂを中心としてレバー３３６Ｂを回動させることにより、回転軸３３３Ｂが回転し、回転軸３３３Ｂと一体的に弧状側部支持板３３Ｂ及び分離板３１Ｂが、便器部１１Ｂに対して回動する動作をするように構成されている。

　液体分受け板３５Ｂは、平面視で略長方形状の板状を有しており、図２０に示すように、側方視では、分離板３１Ｂよりも大きい半径を有する円弧であって、下方へ向かって凸状に湾曲し分離板３１Ｂと同一の回転軸３３３Ｂの軸心を中心とする円弧状を有している。液体分受け板３５Ｂは、図２０に示すように、分離板３１Ｂの下方に配置されており、分離板３１Ｂのスリット３１３Ｂを通して落下した液体分を受ける。液体分受け板３５Ｂは、分離板３１Ｂのようなスリット３１３Ｂは有しておらず、液体分を下方へ通過させない。

　左右方向における液体分受け板３５Ｂの側端部は、弧状側部支持板３３Ｂの円弧状の周縁部に接続されている。従って、回転軸３３３Ｂを中心としてレバー３３６Ｂを回動させることにより、回転軸３３３Ｂが回転し、液体分受け板３５Ｂは、回転軸３３３Ｂ、弧状側部支持板３３Ｂ、及び、分離板３１Ｂと一体的に、所定の軸心としての回転軸３３３Ｂの軸心を中心として、便器部１１Ｂに対して同軸的に回動する動作をするように構成されている。

　図２０に示すように、前方向における液体分受け板３５Ｂの端縁には、前側板３５５Ｂの下端縁が一体的に接続されており、前側板３５５Ｂの上端縁は、前方向における分離板３１Ｂの端縁に一体的に接続されている。後方向における液体分受け板３５Ｂの端縁には、後側板３５６Ｂの下端縁が一体的に接続されており、後側板３５６Ｂの上端縁は、後方向における分離板３１Ｂの端縁に一体的に接続されている。図１９に示すように、左方向における液体分受け板３５Ｂの端縁には、左側板３５７Ｂの下端縁が一体的に接続されており、左側板３５７Ｂの上端縁は、左方向における分離板３１Ｂの端縁に一体的に接続されている。右方向における液体分受け板３５Ｂの端縁には、右側板３５８Ｂの下端縁が一体的に接続されており、右側板３５８Ｂの上端縁は、右方向における分離板３１Ｂの端縁に一体的に接続されている。即ち、液体分受け板３５Ｂと、分離板３１Ｂと、前側板３５５Ｂと、後側板３５６Ｂと、左側板３５７Ｂと、右側板３５８Ｂとにより、し尿のうちの液体分を流通させる液体分流通空間３７Ｂ（図２０参照）が形成されている。

　液体分受け板３５Ｂの一端部に位置している左側板３５７Ｂには、貫通孔により構成された排出流路３５４Ｂが形成されている。排出流路３５４Ｂは、図２０において実線で示すように、トイレ設備が使用されていないときに液体分受け板３５Ｂが初期位置にあるときに、液体分受け板３５Ｂの最下端部となる位置に形成されており、液体分受け板３５Ｂが受けた液体分を、液体分流通空間３７Ｂから液体分を尿タンク９０Ｂへ向けて排出する。

　排出流路３５４Ｂの下方には、液体分受け溝形成部５１Ｂが設けられている。液体分受け溝形成部５１Ｂは、便器部中部本体部１１２Ｂの左端部に一体的に接続されて固定されており、左右方向に所定の幅を有して溝を形成している。溝形成部５１Ｂは、液体分受け板３５Ｂが図２０において二点鎖線で示すように回動した状態のときに、排出流路３５４Ｂの下方位置にある形状を有している。液体分受け溝形成部５１Ｂの上端は上方へ向かって開口しており、排出流路３５４Ｂから排出された液体分は、この開口から、液体分受け溝形成部５１Ｂの内部へ流入する。液体分受け溝形成部５１Ｂの上端は、側方視では、図２０に示すように、液体分受け板３５Ｂの円弧形状に倣った形状を有している。液体分受け溝形成部５１Ｂの底面５１５Ｂは、前方へ進むにつれて下方へ傾斜している。液体分受け溝形成部５１Ｂの前端部には、図１７に示すように、排水管５１６Ｂの一端部が接続されている。排水管５１６Ｂの他端部は、床下であって、便タンク８０Ｂが配置されている部屋とは異なる部屋に配置された尿タンク９０Ｂに接続されている。液体分受け溝形成部５１Ｂに流入した液体分は、液体分受け溝形成部５１Ｂの前端部へ流れ、排水管５１６Ｂを流通し、尿タンク９０Ｂに貯留される。

　以上の構成を備える本実施形態に係るトイレ設備１００Ｂにおいて、し尿の固液分離の動作について説明する。
　先ず、分離板３１Ｂ及び液体分受け板３５Ｂは、トイレ設備１００Ｂを使用する使用者が使用する前には、図１７において実線で示す初期位置にある。これにより、分離板３１Ｂ及び液体分受け板３５Ｂは、ダクト２１Ｂの下端部の開口及び便器排出口１１４Ｂを塞いでいる。

　次に、トイレ設備１００Ｂを使用する使用者がし尿を排泄すると、し尿は、便鉢１１１Ｂの便器排出口１１４Ｂを通り分離板３１Ｂの上面に落下する。すると、し尿に含まれる液体分は、スリット３１３Ｂを通り分離板３１Ｂから液体分受け板３５Ｂへと落下し、液体分受け板３５Ｂの上面を流れ、排出流路３５４Ｂから排出され、液体分受け溝形成部５１Ｂへ流入する。そして、液体分は、排水管５１６Ｂを流れ、尿タンク９０Ｂに貯留される。し尿に含まれる固体分は、分離板３１Ｂの上面に載置されている。

　そして、使用者による排泄が終了し、使用者が右手でレバー３３６Ｂを前方向へ回動（図２０においては時計回り方向へ回動）することにより、弧状側部支持板３３Ｂは、図２０において二点鎖線で示す位置へ回動し、し尿のうちの固体分が載置された状態の分離板３１Ｂ及び液体分受け板３５Ｂは、弧状側部支持板３３Ｂと一体的に、回転軸３３３Ｂを中心として回動する。このとき、ダクト２１Ｂの後部に配置されているスクレーパー４１Ｂは、分離板３１Ｂの上面に当接しているため、分離板３１Ｂの上面に存在する固体分をかき取る。また、クリーナーブレード４５Ｂは、スリット３１３Ｂに挿入されているため、スリット３１３Ｂに存在する固体分をかき取る。かき取られた固体分は、鉛直下方へ落下し、便タンク８０Ｂに溜められる。

　そして、使用者は、レバー３３６Ｂを、図１７において実線で示す初期位置に戻す。この際、ダクト２１Ｂの前部に配置されているスクレーパー４１Ｂは、分離板３１Ｂの上面に当接しているため、ダクト２１Ｂの後部に配置されているスクレーパー４１Ｂによってかき取ることができなかった、分離板３１Ｂの前部に付着している固体分をかき取る。かき取られた固体分は、鉛直下方へ落下し、便タンク８０Ｂに溜められる。

　上記構成の実施形態によるトイレ設備１００Ｂによれば、以下のような効果を得ることができる。
　人間の排泄物としての固液混合物を固体分と液体分とに分離するトイレ設備１００Ｂは、便器部１１Ｂと、便器部１１Ｂに対して動作可能であり、固液混合物を上面に受け、液体分を下方へ通過させる開口部としてのスリット３１３Ｂが設けられた分離板３１Ｂと、便器部１１Ｂに対して動作可能であり、分離板３１Ｂの下方に配置され、液体分を上面に受ける液体分受け板３５Ｂと、便器部１１Ｂに対して固定され、分離板３１Ｂが便器部１１Ｂに対して動作することにより、分離板３１Ｂの上面の固体分を分離板３１Ｂの上面から除去する除去板としてのスクレーパー４１Ｂと、分離板３１Ｂの鉛直下方に配置された便タンク８０Ｂと、を備える。

　この構成により、分離板３１Ｂを便器部１１Ｂに対して動作させることができるため、分離板３１Ｂの鉛直下方に便タンク８０Ｂを配置させることができ、分離板３１Ｂから便タンク８０Ｂへ固体分を落下させて便タンク８０Ｂに溜めることができる。このため、便器部１１Ｂの鉛直下方のスペースを、便タンク８０Ｂを配置させて有効利用することができる。このため、トイレ設備１００Ｂの省スペース化を図ることができ、小型化を図ることができる。この結果、トイレ設備１００Ｂの設置に係るコストの低減を図ることができる。

　また、使用者が排泄する際に、分離板３１Ｂ及び液体分受け板３５Ｂによってダクト２１Ｂの下方を塞いだ状態とすることができるため、使用者から便タンク８０Ｂの内部の便が見えることを防ぐことができ、不快感を抑制することができる。また、悪臭を抑えることができ、害虫がトイレ室１１０Ｂ内に侵入することを抑制することができる。

　また、便器部１１Ｂに対して固定されたスクレーパー４１Ｂによりかき取られた固体分は、落下することにより便タンク８０Ｂに溜められるため、便器部１１Ｂと便タンク８０Ｂとの間の構成や、スクレーパーの構成を簡単にすることができる。

　また、分離板３１Ｂ及び液体分受け板３５Ｂは、所定の軸心である回転軸３３３Ｂの軸心を中心として同軸的に回動するように動作可能である。そして、分離板３１Ｂ及び液体分受け板３５Ｂは、当該所定の軸心を中心とする円弧状を有する。

　この構成により、分離板３１Ｂ及び液体分受け板３５Ｂが動作するスペースの省スペース化を図ることができる。このため、分離板３１Ｂ及び液体分受け板３５Ｂを便器部１１Ｂの内部に配置させることができ、且つ、便器部１１Ｂの下方に分離板３１Ｂや液体分受け板３５Ｂが突出せずに、便器部１１Ｂの下方のスペースを縮小することができ、トイレ設備１００Ｂの小型化を図ることができる。

　また、分離板３１Ｂと液体分受け板３５Ｂとは、一体的に回動可能である。この構成により、１つのレバー３３６Ｂを操作することにより、分離板３１Ｂと液体分受け板３５Ｂとを動作させることができる。これにより、分離板３１Ｂに載置されている固体分がかき取られ、便タンク８０Ｂに落下するときに、分離板３１Ｂと便タンク８０Ｂとの間から、液体分受け板３５Ｂを退避させることができる。

　所定の軸心方向としての回転軸３３３Ｂの軸心方向における液体分受け板３５Ｂの一端部（左端部）には、液体分受け板３５Ｂが受けた液体分を尿タンク９０Ｂへ排出する排出流路３５４Ｂが形成されている。この構成により、液体分受け板３５Ｂが受けた液体分が便タンク８０Ｂに落下しないようにして、確実に尿タンク９０Ｂへ排出することができる。

　また、除去板としてのスクレーパー４１Ｂには、開口部としてのスリット３１３Ｂに存在する固体分を除去する開口部除去部材としてのクリーナーブレード４５Ｂが設けられている。この構成により、分離板３１Ｂの上面に載置されている固体分をかき取る際に、スリット３１３Ｂに存在する固体分も同時に除去することができ、固体分によってスリット３１３Ｂが詰まることを抑制することができる。

　また、分離板３１Ｂ及び液体分受け板３５Ｂは、便器部１１Ｂの内部に設けられている。この構成により、トイレ設備１００Ｂの全体の小型化を図ることができる。

　以上、本発明の便器装置１００、トイレ設備１００Ｂの好ましい実施形態について説明したが、本発明は、上述した実施形態に制限されるものではなく、適宜変更が可能である。
　例えば、前記実施形態においては、導入部を小便排出ダクト７０により構成したが、これに限られない。例えば、導入部を、小便タンク８２の上面に直接形成される開口としてもよい。

　また、例えば、便器部、分離板、液体分受け板、除去板、開口部除去部材、便タンク、尿タンク等の構成は、上記実施形態における便器部１１Ｂ、分離板３１Ｂ、液体分受け板３５Ｂ、スクレーパー４１Ｂ、クリーナーブレード４５Ｂ、便タンク８０Ｂ、尿タンク９０Ｂ等の構成に限定されない。従って例えば、便器部本体部の形状は、本実施形態における便器部本体部１１３Ｂの形状に限定されない。また、液体分受け溝形成部５１Ｂは、便器部中部本体部１１２Ｂの左端部に一体的に接続されて固定されていたが、これに限定されず、例えば、便器部中部本体部の右端部に一体的に接続されて固定されていてもよい。この場合には、排出流路は、液体分流通空間を形成する右側板に形成されればよい。また、液体分受け溝形成部は、便器部中部本体部の両端部に設けられていてもよい。この場合には、排出流路は、液体分流通空間を形成する左右両側板に形成されればよい。

　また、液体分受け板３５Ｂと分離板３１Ｂとは、弧状側部支持板３３Ｂに固定されて一体的に回動可能であったが、この構成に限定されない。例えば、液体分受け板３５Ｂと分離板３１Ｂとは、独立して便器部１１Ｂに対して動作可能な構成を有していてもよい。この場合であっても、分離板に載置された固体部が除去板によってかき取られるときには、かき取られた固体分が便タンクに落下できるように、液体分受け板が退避できる構成を有していればよい。

　また、本実施形態に係るトイレ設備１００Ｂは、非水洗式のトイレを構成するトイレ設備であったが、全く水等の液体が流れないトイレに限定されず、少量の水等により、分離板を洗い流すことができるトイレを構成するトイレ設備であってもよい。

　１１　便器本体
　１１ｃ　上部開口部
　１１ｂ　便鉢
　１１ｄ　下部開口部
　１１Ｂ　便器部
　１２　便座
　２０　フラッパ部材（開閉部材）
　２２　第２傾斜面部（小便導出部）
　３１Ｂ　分離板
　３５Ｂ　液体分受け板
　４０　添加剤供給部
　４０ａ　添加剤投入口
　４１Ｂ　スクレーパー（除去板）
　４２　導入管部（供給通路）
　４５Ｂ　クリーナーブレード（開口部除去部材が）
　６０　便排出ダクト（大便導入部）
　７０　小便排出ダクト（導入部、小便導入部）
　８０Ｂ　便タンク
　８１　大便タンク
　８２　小便タンク
　１００、１００Ａ　便器装置
　１００Ｂ　トイレ設備
　１１１ａ　便鉢
　１１１ｂ　上部開口部
　１３１　操作レバー（操作部）
　１４０　添加剤供給部
　１４０ａ　添加剤投入口
　１４２　添加剤投入筒（添加剤収容部）
　１８１　大便タンク
　３００　搬送部
　３１３Ｂ　スリット（開口部）
　３５４Ｂ　排出流路
　Ｊ２　フラッパ回動軸（回動軸）

Claims

　上部に上部開口部が形成され下部に下部開口部が形成された便鉢と、
　前記下部開口部を塞ぐ閉位置と前記下部開口部を開放する開位置との間を移動可能に配置される開閉部材と、を備える便器装置であって、
　前記開閉部材は、該開閉部材が前記閉位置に位置する場合に、前記便鉢の外部に小便を導く小便導出部を有する便器装置。
　小便を貯留する小便タンクと、
　小便を前記小便タンクに導く導入部と、を更に備え、
　前記開閉部材は、該開閉部材の端部に配置された回動軸を中心に回動可能であり、
　前記小便導出部は、前記開閉部材における前記回動軸側に配置され、
　前記開閉部材が前記開位置にある場合に、前記小便導出部は、前記導入部を遮蔽する位置に配置される請求項１に記載の便器装置。
　前記回動軸は、前記便器装置を使用する使用者が着座した場合における使用者から視た場合の前方側に配置される請求項２に記載の便器装置。
　前記小便導出部は、前記開閉部材が前記閉位置に位置する場合に、前記開閉部材の端部側に下るように傾斜する請求項１から３のいずれかに記載の便器装置。
　上部に上部開口部が形成された便鉢と、
　添加剤が投入される添加剤投入口を有する添加剤供給部と、を備える便器装置であって、
　前記添加剤投入口は、前記上部開口部とは別の位置に設けられる便器装置。
　前記添加剤供給部は、前記添加剤投入口から投入される添加剤を前記便鉢の下方に向けてガイドする供給通路を有する請求項５に記載の便器装置。
　前記便器装置は、大便と小便とを分離可能に構成され、
　前記添加剤供給部は、前記便器装置により分離された大便に添加剤を供給する請求項５又は６に記載の便器装置。
　前記添加剤供給部は、添加剤を収容する添加剤収容部を有する請求項５に記載の便器装置。
　前記便鉢の下方を通過するように配置され、大便を搬送する搬送部を備え、
　前記添加剤供給部は、前記便鉢よりも上流側の前記搬送部に添加剤を供給する請求項５又は８に記載の便器装置。
　前記搬送部により搬送された大便を貯留する大便タンクと、
　前記搬送部の駆動動作を操作可能な操作部と、を備え、
　前記添加剤供給部は、前記操作部による前記搬送部の駆動動作の操作と連動して所定量の添加剤を大便に供給する請求項９に記載の便器装置。
　人間の排泄物としての固液混合物を固体分と液体分とに分離するトイレ設備であって、
　便器部と、
　前記便器部に対して動作可能であり、固液混合物を上面に受け、液体分を下方へ通過させる開口部が設けられた分離板と、
　前記便器部に対して動作可能であり、前記分離板の下方に配置され、液体分を上面に受ける液体分受け板と、
　前記分離板が前記便器部に対して動作することにより、前記分離板の上面の固体分を前記分離板の上面から除去する除去板と、
　前記分離板の下方に配置された便タンクと、
を備えるトイレ設備。
　前記分離板及び前記液体分受け板は、所定の軸心を中心として同軸的に回動するように動作可能である請求項１１に記載のトイレ設備。
　前記分離板及び前記液体分受け板は、前記所定の軸心を中心とする円弧状を有する請求項１２に記載のトイレ設備。
　前記分離板と前記液体分受け板とは、一体的に回動可能である請求項１２又は請求項１３に記載のトイレ設備。
　前記所定の軸心方向における前記液体分受け板の端部には、前記液体分受け板が受けた液体分を尿タンクへ排出する排出流路が形成されている請求項１２～請求項１４のいずれかに記載のトイレ設備。
　前記除去板には、前記開口部に存在する固体分を除去する開口部除去部材が設けられている請求項１１～請求項１５のいずれかに記載のトイレ設備。
　前記分離板及び前記液体分受け板は、前記便器部の内部に設けられている請求項１１～請求項１６のいずれかに記載のトイレ設備。