WO2017002423A1

WO2017002423A1 - 内視鏡

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Publication number: WO2017002423A1
Application number: PCT/JP2016/061081
Authority: WO
Inventors: 究藤谷; 慶佑籏野; 尊康伊藤
Original assignee: オリンパス株式会社
Priority date: 2015-07-02
Filing date: 2016-04-05
Publication date: 2017-01-05

Abstract

本発明は、湾曲動作時の湾曲部の内蔵物への負荷を抑制する内視鏡を提供することを目的とし、そのために、本発明の内視鏡は、長手軸Ａｘに対し上下左右方向が規定され長尺物を内部に配設する挿入部２と、上及び右方向の間の第１方向及びその反対の第２方向を回動軸に回動自在な第１湾曲駒５１Ａと、第１方向に直交する第３方向及びその反対の第４方向を回動軸に回動自在な第２湾曲駒５１Ｂとが第１～第４方向に設けた回動軸５１ａでリベット２７により回動自在に連結された湾曲部７と、牽引により湾曲部を湾曲させる牽引ワイヤー２３と、湾曲駒の内周側で第１～第４方向に突設され牽引ワイヤーを挿通する挿通孔を有し挿通孔をリベットよりも内周側に設けたワイヤーガイド２６と、第１，第２の湾曲駒の内周側で第１～第４方向に突設され長手軸方向に投影したときに最も内周側の端部がワイヤーガイドよりもさらに内周側に位置する内側凸部２８ａとを備えてなる。

Description

内視鏡

　この発明は、挿入部の先端側に上下左右の所望の方向に湾曲可能な湾曲部を具備する内視鏡に関するものである。

　近年、細長管形状に形成された挿入部を有して構成される内視鏡は、例えば医療分野や工業用分野等において広く利用されている。このうち、医療分野において用いられる医療用内視鏡は、細長い挿入部を被検体、例えば生体の体腔内に挿入して体腔内の臓器を観察したり、必要に応じて当該臓器等に対し内視鏡に具備される処置具挿通チャンネル（鉗子チャンネル）内に挿入した処置具（鉗子）を用いて各種の処置を施すことができるように構成されている。また、工業分野において用いられる工業用内視鏡は、細長い挿入部を被検体、例えばジェットエンジンや工場配管等の装置若しくは設備等の内部に挿入することによって、被検体内の状態、例えば傷及び腐蝕等の状態観察や各種の検査等を行うことができるように構成されている。

　この種の従来の内視鏡において、柔軟性を有する細長管形状の挿入部は、被検体内へと挿入する際の挿入性や、体腔内を観察する際の利便性等を考慮して様々な工夫が施されている。例えば、従来の内視鏡において、挿入部の先端側の所定の領域には、使用者（ユーザ）が手元側の操作部材を操作して、当該操作部材に連結された牽引ワイヤーを牽引若しくは弛緩させることによって、当該挿入部の長軸に対して上下左右の所望の方向に自在に湾曲し得るように構成した湾曲部を具備するものが広く採用されている。

　この場合において、湾曲部を湾曲動作させるための操作部材としては、一般的には、例えばダイヤル形状の回転操作部材（いわゆる湾曲ノブや湾曲レバー等）を用いたもののほか、例えば棒状部材を傾倒させる形態のいわゆるジョイスティックタイプの湾曲操作部材等が種々提案され、また実用化されている。

　この種の内視鏡における湾曲部は、例えば日本国特許公開２０１１－１５６２６９号公報等によって開示されているように、複数の湾曲駒を挿入方向に連結させて構成され、これら複数の湾曲駒の内側には、湾曲部を上下左右方向に湾曲可能とするための４本の牽引ワイヤをそれぞれ挿通させる４つのワイヤーガイドが配設されている。この場合において、上記４つのワイヤーガイドは、湾曲部の長軸周りの円周方向に角度９０度間隔を置いて上下左右四方向の湾曲方向に対応する位置に配置されている。また、湾曲駒を連結するための４つのリベットも、湾曲部の長軸周りの円周方向に角度９０度間隔を置いて、上記ワイヤーガイドと同軸上若しくは上記ワイヤーガイドとは円周方向にずらした位置に設けられている。

　ところが、上記日本国特許公開２０１１－１５６２６９号公報等によって開示されているような従来構成の内視鏡であって、上下左右の所望の方向に湾曲可能な湾曲部を備えた内視鏡において、湾曲駒連結用のリベットが上下左右方向に配置されている場合において、使用頻度の高い湾曲動作、例えば上下方向への最大湾曲動作が行われると、湾曲部内の空間的余裕が少ないことから、湾曲部の内蔵物、例えば処置具挿通チャンネル等は、湾曲動作に応じて湾曲部の内部空間で移動する余裕がないために、湾曲動作が行なわれる都度、これら内蔵物（処置具挿通チャンネル等）に強い負荷がかかるという問題点があった。

　これに加えて、湾曲駒の連結用リベットと牽引ワイヤのワイヤーガイドとが同軸上に配置された場合には、上記リベット及び上記ワイヤーガイド近傍において、湾曲駒の内部空間がさらに狭くなってしまう傾向がみられる。

　本発明は、上述した点に鑑みてなされたものであって、その目的とするところは、上下左右の所望の方向に湾曲可能な湾曲部を備えた内視鏡において、湾曲動作時に湾曲部内の内蔵物に対する負荷を抑制することができる構造の内視鏡を提供することである。

　上記目的を達成するために、本発明の一態様の内視鏡は、長手軸に対して上下方向及び左右方向が規定され、長尺物が内部に配設された挿入部と、前記上下方向のうちの上方向と前記左右方向のうちの右方向との間の第１の方向及び前記第１の方向の反対方向である第２の方向を回動軸として回動自在な第１の湾曲駒と、前記第１の方向に直交する方向である第３の方向及びこの第３の方向の反対方向である第４の方向を回動軸として回動自在な第２の湾曲駒とが、前記第１の方向及び前記第２の方向又は前記第３の方向及び前記第４の方向にそれぞれ設けられた回動軸においてリベットにより回動自在に連結された湾曲部と、牽引により前記湾曲部を湾曲させる牽引ワイヤーと、前記第１の湾曲駒及び前記第２の湾曲駒の内周側であって、前記第１の方向及び前記第２の方向又は前記第３の方向及び前記第４の方向に突設され、前記牽引ワイヤーを挿通する挿通孔を有し、前記挿通孔が前記リベットよりも内周側に設けられたワイヤーガイドと、前記第１の湾曲駒及び前記第２の湾曲駒の内周側であって、前記第１の方向及び前記第２の方向又は前記第３の方向及び前記第４の方向に突設され、前記長手軸の方向に投影したときに最も内周側の端部が前記ワイヤーガイドよりもさらに内周側に位置する内側凸部とを備えた。

　本発明によれば、上下左右の所望の方向に湾曲可能な湾曲部を備えた内視鏡において、湾曲動作時に湾曲部内の内蔵物に対する負荷を抑制することができる構造の内視鏡を提供することができる。

本発明の一実施形態の内視鏡の外観を示す正面図図１の内視鏡の右側面図図１の内視鏡の上面図図１の内視鏡における湾曲部の湾曲管の概略を示す斜視図図４の矢印［５］方向から見た側面図図１の内視鏡の先端部の要部を示す断面図図５の［７］－［７］線に沿う断面図図５の［８］－［８］線に沿う断面図図１の内視鏡における可撓管部の要部を示す断面図

　以下、図示の実施の形態によって本発明を説明する。以下の説明に用いる各図面は模式的に示すものであり、各構成要素を図面上で認識可能な程度の大きさで示すために、各部材の寸法関係や縮尺等を各構成要素毎に異ならせて示している場合がある。したがって、本発明は、これら各図面に記載された構成要素の数量，構成要素の形状，構成要素の大きさの比率，各構成要素の相対的な位置関係等に関し、図示の形態のみに限定されるものではない。

　図１は、本発明の一実施形態の内視鏡の外観を示す正面図である。図２は、図１の内視鏡の右側面図である。図３は、図１の内視鏡の上面図である。図４は、図１の内視鏡における湾曲部の湾曲管の概略を示す斜視図である。図５は、図４の矢印［５］方向から見た側面図である。図６は、図１の内視鏡の先端部の要部を示す断面図である。図７は、図５の［７］－［７］線に沿う断面図である。図８は、図５の［８］－［８］線に沿う断面図である。図９は、可撓管部の要部を示す断面図である。

　まず、本実施形態の内視鏡１の全体構成の概略を図面を用いて以下に説明する。なお、本実施形態の内視鏡１は、例えば気管支用内視鏡を例に挙げて説明する。

　以下の説明において、上下左右方向というときの上下方向とは、本実施形態の内視鏡１における撮像素子を用いて取得される矩形状の内視鏡画像を基準として考え、その矩形画面の上辺又は下辺のある方向を上下方向というものとする。そして、内視鏡１における上下方向とは、取得された内視鏡画像の上辺が上側において水平に配置され、下辺が下側に水平に配置されるときの内視鏡１の先端部の姿勢を基準姿勢として考えるものとし、内視鏡１が上記基準姿勢にあるときに、当該内視鏡１の先端面に向かったときの上下の方向を「上下方向」と規定する。同様に、内視鏡１が上記基準姿勢にあるときに、当該内視鏡１の先端面に向かって左右の方向を「左右方向」と規定する。

　本実施形態の内視鏡１は、図１等に示すように、細長管形状に形成された挿入部２と、この挿入部２の基端に連設された操作部３と、この操作部３から延設された内視鏡ケーブルであるユニバーサルコード４（図１参照；図２では不図示）と、このユニバーサルコード４の先端に配設された内視鏡コネクタ５（図１参照；図２，図３では不図示）等を備えて構成されている。

　挿入部２は、先端側から順に、先端部６、湾曲部７、可撓管部８が連設され、全体として可撓性を有する管状部材として構成されている。

　先端部６内には、図６に示すように、金属製の先端硬質部１０が設けられ、この先端硬質部１０にはＣＣＤ、ＣＭＯＳ等の撮像素子を内蔵した撮像ユニット１１、複数（例えば一対）のライトガイド１２、及び処置具挿通チャンネル（鉗子チャンネルともいう）１３等が保持されている。

　また、先端部６内（図６参照）において、先端硬質部１０の基端側には、略円筒形状をなす最先端湾曲駒２０が外嵌され、この最先端湾曲駒２０の外周が湾曲ゴム２２によって覆われている。最先端湾曲駒２０の内周には、挿入軸（挿入部２の中心軸）Ａｘ周りの４箇所にワイヤー固定部２１が設けられ、各ワイヤー固定部２１には、挿入部２内に挿通された４本の牽引ワイヤー２３の何れかの先端がそれぞれ固定されている。なお、ここで上記牽引ワイヤー２３は、牽引により湾曲部７を湾曲させるための線形状等からなるワイヤー部材である。

　ここで、先端部６を太径化させることなく各構成部材を効率良く配置するため、先端硬質部１０及び最先端湾曲駒２０内には大型部材である撮像ユニット１１と処置具挿通チャンネル１３とが左右に並んで配設され（図６参照）、これらの配置によって上下に形成されたスペースにライトガイド１２がそれぞれ配置されている。

　また、撮像ユニット１１及び処置具挿通チャンネル１３と、各牽引ワイヤー２３との干渉を回避するため、各ワイヤー固定部２１は、先端部６の上下左右位置に対して挿入軸Ａｘ周りに所定角度回転移動した位置に設けられている。すなわち、例えば、図６に示すように、最先端湾曲駒２０には、先端部６の上方向（矢印ＵＰ方向）を基準として挿入軸Ａｘ周りに左右それぞれ１５～７０度の範囲で回転移動させた位置及び先端部６の下方向（矢印ＤＯＷＮ方向）を基準として挿入軸Ａｘ周りに左右それぞれ１５～７０度の範囲内で回転移動させた位置に、各ワイヤー固定部２１が設けられている。

　湾曲部７は、操作部３に対する術者等の操作入力に応じて、上下左右方向（ＵＰ，ＤＯＷＮ，ＬＥＦＴ，ＲＩＧＨＴ）を含む挿入軸Ａｘ周りの全方向へと能動的に湾曲させ得るように構成された湾曲管２４（図４，図５参照）を有して構成されている。

　この湾曲管２４の内部には、例えば図７，図８等に示すように、内蔵物として撮像ユニット１１から延在する信号伝送用の撮像ケーブル１１ａ、一対のライトガイド１２、処置具挿通チャンネル１３等の長尺の内蔵物が先端部６内と略同様の配置にて挿通され、挿入部２へと延出している。また、４本の牽引ワイヤー２３は、それぞれがワイヤーガイド２６の貫通孔に挿通している。さらに、湾曲管２４の外周は、先端部６側から延在する湾曲ゴム２２によって覆われている。

　可撓管部８は、例えば、図９に示すように、スパイラルスリーブ８ａと、スパイラルスリーブ８ａの外周を被覆するブレード８ｂと、ブレード８ｂの外周を被覆する外皮８ｃとを有して構成されている。

　この可撓管部８の内部には、上述の撮像ケーブル１１ａ、処置具挿通チャンネル１３、一対のライトガイド１２等が挿通されている。また、上記４本の牽引ワイヤー２３も所定の位置で挿通されている。この４本の牽引ワイヤー２３は、操作部３の操作部材に連動して牽引されることで湾曲部７を湾曲させるための湾曲機構の一部を構成する構成部材である。

　一方、図１，図２等に示すように、操作部３は、可撓管部８の基端を覆った状態にて当該可撓管部８に接続された折れ止部３０と、この折れ止部３０に連設された把持部３１と操作部本体３２とを有して構成されている。

　なお、本実施形態において、操作部３における挿入軸Ａｘ周りの方向等は使用者等が把持部３１を把持した状態を基準として定義されており、具体的には、操作部３には、把持部３１を把持した使用者等を基準とする前後左右方向（前面、背面、及び、左右側面等）が定義されている。

　図１に示すように、把持部３１の先端側の前面には、処置具挿通部３５が設けられている。この処置具挿通部３５は、各種の処置具（不図示）を挿入する処置具挿通口３５ａを備えて構成されている。操作部３の内部において、処置具挿通口３５ａには、図示しない分岐部材を介して、処置具挿通チャンネル１３（図６～図９参照）が連通されている。また、処置具挿通部３５には、処置具挿通口３５ａを閉塞するための蓋部材である鉗子栓（不図示）が着脱自在となっている。

　操作部本体３２の前面側には、内視鏡１の各種機能を実行するための操作ボタン群４０が配設されている。一方、操作部本体３２の背面側には、湾曲部７に対する湾曲操作を行うための湾曲レバーとして湾曲レバー４５が配設されている。さらに、操作部本体３２の一側部（例えば、左側部）からは、ユニバーサルコード４が延出されている。

　ここで、図２，３に示すように、本実施形態の湾曲レバー４５は、例えば、上下左右方向を含む全方向に傾動可能なジョイスティック型のレバーによって構成されている。この湾曲レバー４５の突端部には、使用者等の親指等を当接させることが可能な指当て部４６が設けられている。そして、指当て部４６を通じて湾曲レバー４５が傾動操作されると、操作部本体３２内に配設された図示しないワイヤー牽引機構によって各牽引ワイヤー２３が適宜牽引あるいは弛緩され、湾曲部７を所望の湾曲方向に湾曲動作させることが可能となっている。

　なお、図３に示すように、この湾曲レバー４５の傾動方向は、例えば、挿入軸Ａｘに直交する方向である操作部３の左右幅方向に傾動操作の左右方向（図３においてＬＥＦＴ，ＲＩＧＨＴ）が定義され、この左右幅方向に直交する方向に上下方向（図２，図３においてＵＰ，ＤＯＷＮと表記）が定義されている。そして、この湾曲レバー４５に対して円を描くような傾動操作を行うことにより、湾曲部７の先端側がローテーションするような湾曲動作を実現することも可能となっている。このような湾曲レバー４５は、傾動操作が容易であり、あらゆる方向に対して容易に傾動できるため、従来よりも湾曲動作の頻度が多くなり、湾曲部７の湾曲動作時に湾曲部７内の内蔵物に対する負荷がより大きくなる傾向がある。

　ユニバーサルコード４は、挿入部２の内部を通じて先端部６側から操作部３に至り、さらに操作部３から延出する各種信号線などを内部に挿通するとともに、光源装置（不図示）のライトガイド１２を挿通し、さらに送気送水装置（不図示）から延出される送気送水用チューブを挿通する複合ケーブルである。

　内視鏡コネクタ５は、外部機器のビデオプロセッサ（不図示）との間を接続する信号ケーブルが接続される電気コネクタ部５ａを有するとともに、外部機器である光源装置との間を接続するライトガイド及び電気ケーブルが接続される電源コネクタ部５ｂを有して構成されている。

　次に、本実施形態の内視鏡１における湾曲部７の詳細な構成について、以下に説明する。

　湾曲部７を構成する湾曲管２４は、図４，図５に示すように、挿入軸Ａｘに沿う方向に並べて連結された複数の湾曲駒５１を有して構成されている。各湾曲駒５１は、略円筒形状（リング状）をなす湾曲駒本体を有して構成されている。この湾曲駒本体には、先端側と基端側のそれぞれに各一対の回動軸５１ａが設けられている。

　ここで、各一対の回動軸５１ａについてさらに詳しく説明する。上記湾曲駒５１において、上記一対の回動軸５１ａは、挿入軸Ａｘを中心として対向する位置（周方向に角度１８０度置いた位置）に配置されている。また、湾曲駒本体の先端側の一対の回動軸５１ａと、基端側の一対の回動軸５１ａとの位置関係は、周方向に角度略９０度間隔を置いた位置となるようにそれぞれ配置されている。これにより、隣り合う二つの湾曲駒５１は、即ち挿入軸Ａｘ方向の前後に配置される一対の湾曲駒５１は、各回動軸５１ａが互い違いに配置されるように連結される。

　この場合において、湾曲管２４は、隣接する各湾曲駒５１における各回動軸５１ａに嵌合するリベット２７を介して回動自在に連結されている。この構成により、湾曲管２４は、任意の方向に湾曲可能となるように構成されている。

　湾曲管２４を構成する複数の湾曲駒５１の配置について、さらに具体的に説明すると次のようになる。

　まず、図４，図５において、隣り合う二つの湾曲駒５１のうち挿入軸Ａｘ方向における先端側の湾曲駒を符号５１Ａで示しこれを第１の湾曲駒というものとする。また同様に、基端側の湾曲駒を符号５１Ｂで示しこれを第２の湾曲駒というものとする。

　つまり、挿入軸Ａｘ方向に前後する二つの湾曲駒、即ち第１の湾曲駒５１Ａ及び第２の湾曲駒５１Ｂを一対の湾曲駒とすると、この一対の湾曲駒（５１Ａ，５１Ｂ）が挿入軸Ａｘ方向に並べて配置され連結され、この一対の湾曲駒が複数連結されることで、湾曲管２４が構成されている。

　ここで、上記湾曲管２４を構成する複数の湾曲駒５１のうち隣り合う二つの（一対の）湾曲駒５１Ａ，５１Ｂに注目して考える。このうち先端側の第１の湾曲駒５１Ａは、湾曲管２４の基端側（図５の矢印［７］方向）から見たときに、図７に示すように、一対の回動軸５１ａ及びリベット２７が上下方向（図７の矢印ＵＰ方向及び矢印ＤＯＷＮ方向）に対して挿入軸Ａｘを中心とする周方向（長手軸周り）において反時計方向に角度略４５度傾いた位置に配置されている。

　ここで、図７の矢印ＵＰ方向（上方向）と矢印Ｒ方向（右方向）との間の矢印［ＵＲ］方向、即ち長手軸周りに角度４５度回転した方向を第１の方向というものとする。この第１の方向（矢印［ＵＲ］方向）に対して挿入軸Ａｘを挟んで反対方向を第２の方向というものとする。即ち、第２の方向は、図７の矢印ＤＯＷＮ方向と矢印Ｌ方向との間の矢印［ＤＬ］方向である。

　そして、図７に示すように、第１の湾曲駒５１Ａの基端側の一対の回動軸５１ａは、第１の方向（矢印［ＵＲ］方向）及び第２の方向（矢印［ＤＬ］方向）に設けられ、各位置においてリベット２７によって回動自在に連結されている。つまり、第１の湾曲駒５１Ａの基端側の一対の回動軸５１ａは、第１の方向（矢印［ＵＲ］方向）及び第２の方向（矢印［ＤＬ］方向）を結ぶ直線を回動軸としている。

　一方、基端側の第２の湾曲駒５１Ｂは、湾曲管２４の基端側（図５の矢印［８］方向）から見たときに、図８に示すように、一対の回動軸５１ａ及びリベット２７が上下方向（図８の矢印ＵＰ方向及び矢印ＤＯＷＮ方向）に対して挿入軸Ａｘを中心とする周方向において時計方向に角度略４５度傾いた位置に配置されている。

　ここで、図８の矢印ＵＰ方向と矢印Ｌ方向との間の矢印［ＵＬ］方向を第３の方向というものとする。この第３の方向は、上記第１の方向（図７の矢印［ＵＲ］方向）に直交する方向である。この第３の方向（矢印［ＵＬ］方向）に対して挿入軸Ａｘを挟んで反対方向を第４の方向というものとする。即ち、第４の方向は、図８の矢印ＤＯＷＮ方向と矢印Ｒ方向との間の矢印［ＤＲ］方向である。

　そして、図８に示すように、第２の湾曲駒５１Ｂの基端側の一対の回動軸５１ａは、第３の方向（矢印［ＵＬ］方向）及び第４の方向（矢印［ＤＲ］方向）に設けられ、各位置においてリベット２７によって回動自在に連結されている。つまり、第２の湾曲駒５１Ｂの基端側の一対の回動軸５１ａは、第３の方向（矢印［ＵＬ］方向）及び第４の方向（矢印［ＤＲ］方向）を結ぶ直線を回動軸としている。

　また、各湾曲駒５１の内周面上、即ち第１の湾曲駒５１Ａ及び第２の湾曲駒５１Ｂを含む各湾曲駒５１の内周側には、４本の牽引ワイヤー２３に対応する４つのワイヤーガイド２６が設けられている。この４つのワイヤーガイド２６は、湾曲駒５１の内周面上において周方向に角度略９０度間隔を置いた位置に配置されている。つまり、４つのワイヤーガイド２６は、上記第１の方向（矢印［ＵＲ］方向）と上記第２の方向（矢印［ＤＬ］方向）と上記第３の方向（矢印［ＵＬ］方向）と上記第４の方向（矢印［ＤＲ］方向）に突設されている。そして、４つのワイヤーガイド２６は、上記各回動軸５１ａが設けられている位置の挿入軸Ａｘと同軸上に配設されている。具体的にいうと、先端側の一対の回動軸５１ａに対し、その同軸上の基端側の内周面にワイヤーガイド２６が設けられている。また、基端側の一対の回動軸５１ａに対し、その同軸上の先端側の内周面にワイヤーガイド２６が設けられている。各ワイヤーガイド２６は、牽引ワイヤ－２３を挿通する挿通孔を有して構成されている。そして、ワイヤーガイド２６の挿通孔は、上記リベット２７よりも内周側に設けられている。

　上述のように構成された湾曲管２４においては、さらに、複数の湾曲駒５１のうちの特定の湾曲駒において、その内部に、図７，図８に示すような壁部材２８が設けられている。この壁部材２８は、湾曲駒本体の挿入軸Ａｘ方向の長さよりも小となる厚さを有する板状部材によって構成されている。そして、この壁部材２８は、湾曲駒本体内に一体形成されている。

　上記壁部材２８は、湾曲管２４の内部に設けられる複数の長尺の内蔵物（例えば撮像ケーブル１１ａ，ライトガイド１２，処置具挿通チャンネル１３等；以下、長尺内蔵物という）を挿通させることのできる内部空間２８ｂを有して形成されている。この内部空間２８ｂは、湾曲部７が湾曲動作するときに、上記長尺内蔵物（１１ａ，１２，１３等）が上記湾曲管２４の湾曲動作に伴って移動することができるようにするための充分な余裕を有して形成されている。

　なお、上記壁部材２８の設けられる湾曲駒５１において、上記内部空間２８ｂには、第１の方向（矢印［ＵＲ］方向）及び上記第２の方向（矢印［ＤＬ］方向）又は上記第３の方向（矢印［ＵＬ］方向）及び上記第４の方向（矢印［ＤＲ］方向）に、つまり各ワイヤーガイド２６が突出する方向と同方向において、内周側に向けて突出する内側凸部２８ａが複数設けられている。この内側凸部２８ａは、図７，図８に示すように、つまり長手軸Ａｘの方向から見たとき（同方向から投影したとき）、その最も内周側の端部が各ワイヤーガイド２６よりもさらに内周側に位置するように形成されている。この場合において、上記複数の内側凸部２８ａの各最内周側端部は、特に処置具挿通チャンネル１３の外周面近傍に配置されるように形成している。

　また、上記内部空間２８ｂにおいて、隣り合う内側凸部２８ａの間には、上記長尺内蔵物が挿通可能な溝部２８ｃが設けられている。この場合において、上記長尺内蔵物のうち処置具挿通チャンネル１３以外の長尺内蔵物（本実施形態においては例えば撮像ケーブル１１ａ，ライトガイド１２）が挿通している溝部２８ｃには、処置具挿通チャンネル１３が挿通できないように構成されている。

　このように、長尺内蔵物（１１ａ，１２，１３等）が挿通配置される内部空間２８ｂには、上述した所定の位置（第１～第４の方向に内側に向けて凸状にかつ軸Ａｘ方向からの投影時においてはワイヤーガイド２６の先端よりも内周側に位置するよう）に上記内側凸部２８ａを設け、隣接する内側凸部２８ａの間に長尺内蔵物（１１ａ，１２，１３等）を挿通させる溝部２８ｃを設けたので、湾曲動作時に移動する長尺内蔵物等が上記ワイヤーガイド２６や上記リベット２７等と干渉してしまうことを抑制している。また、この場合において、複数の内側凸部２８ａの各最内周側端部を処置具挿通チャンネル１３の外周面近傍に配置するように形成したので、処置具挿通チャンネル１３と他の長尺内蔵物（１１ａ，１２等）との干渉を回避し得るように構成している。

　さらに、本実施形態においては、湾曲駒５１内の壁部材２８における内部空間２８ｂにおいて、比較的太径大型となる長尺内蔵物として例えば撮像ケーブル１１ａ及び処置具挿通チャンネル１３を、内視鏡１の先端若しくは基端から見て左右方向に並べて配置している。ここで、当該左右方向に伸びる位置は、リベット２７及び回動軸５１ａの配設部位の間の空間であって、内部空間２８ｂ内において比較的大きな領域を確保できる空間となっている。この大領域となる空間に、大型内蔵物を配置することで、効率的な部材配置を行って、内視鏡１（湾曲管２４）の細径化を実現している。

　また、長尺内蔵物のうち最も太径大型となる処置具挿通チャンネル１３を、できるだけ湾曲管２４の挿入軸Ａｘ（即ち中心）寄りに配置するように構成している。これにより、上下左右方向の湾曲力量に大きな差が生じないように構成されている。

　このように構成された湾曲管２４を有する湾曲部７を備えた内視鏡１において、湾曲操作用の所定の操作部材を操作することによって、湾曲部７を所望の方向に湾曲させる際の作用は、次のようになる。

　まず、内視鏡１において湾曲部７に対し、例えば斜め方向の湾曲をかけたとする。ここで、斜め方向とは、具体的には例えば、第１の方向（図７の矢印［ＵＲ］方向）若しくは第２の方向（同図矢印［ＤＬ］方向）又は第３の方向（図８の矢印［ＵＬ］方向）若しくは第４の方向（同図矢印［ＤＲ］方向）である。この場合には、４本の牽引ワイヤー２３のうち対応する牽引ワイヤー２３を牽引する。このとき、湾曲させる方向においては、湾曲管２４の各湾曲駒５１は一つおきに回動軸５１ａが配設されている。このことから、一つおきの湾曲駒５１が当て付く状態となったとき最大の湾曲角度となる。

　一方、使用頻度の高い正方向、即ち上下方向若しくは左右方向に湾曲をかける場合には、４本の牽引ワイヤー２３のうち対応する二本の牽引ワイヤー２３を牽引する。例えば、ＵＰ方向（上方向）への湾曲時には、［ＵＲ］方向及び［ＵＬ］方向に配置される二本の牽引ワイヤー２３を同時に牽引する。このとき、湾曲させる方向においては、回動軸５１ａが配設されていないので、全ての湾曲駒５１が湾曲に寄与することになる。このことから、各湾曲駒５１の全てが当て付く状態となる以前に、上記斜め方向湾曲時の最大湾曲角度と同等の湾曲角度とし得る。

　以上説明したように上記一実施形態によれば、上下左右の所望の方向に湾曲可能な湾曲部を備えた内視鏡１において、上下方向のうちの上方向と左右方向のうちの右方向との間において、例えば上方向に対して長手軸周りに角度４５度回転した方向を第１の方向としたとき、この第１の方向及び第１の方向の反対方向である第２の方向を回動軸として回動自在な第１の湾曲駒５１Ａと、第１の方向に直交する方向である第３の方向及びこの第３の方向の反対方向である第４の方向を回動軸として回動自在な第２の湾曲駒とが、第１の方向及び第２の方向又は第３の方向及び第４の方向にそれぞれ設けられた回動軸５１ａにおいてリベット２７により回動自在に連結するように湾曲部７を構成している。また、牽引ワイヤー２３を挿通する挿通孔を有するワイヤーガイド２６は、第１の湾曲駒５１Ａ及び第２の湾曲駒５１Ｂの内周側にあって、第１の方向及び第２の方向又は第３の方向及び第４の方向に突設し、挿通孔をリベット２７よりも内周側に設けている。そして、第１の湾曲駒５１Ａ及び第２の湾曲駒５１Ｂの内周側には、第１の方向及び第２の方向又は第３の方向及び第４の方向に突設し、長手軸の方向に投影したときに最も内周側の端部がワイヤーガイド２６よりもさらに内周側に位置するように複数の内側凸部２８ａを設けている。

　簡略に言えば、湾曲部７において、湾曲管２４の上下左右方向に湾曲させる正方向に対して斜め方向（正方向に対し挿入軸Ａｘ周りに角度略４５度回転させた方向）に、リベット２７及び回動軸５１ａが配置されるような構成としたので、使用頻度の高い上下左右方向（正方向）の湾曲時に斜め方向の湾曲時と同じ湾曲角度で湾曲させる場合には、従来構成（正方向にリベット２７及び回動軸５１ａを配置する構成）に比べて各湾曲駒５１間に余裕が生じる。このことから、湾曲部７の湾曲に伴って湾曲する長尺内蔵物のうち、例えば処置具挿通チャンネル１３等の特に太径大型となる長尺内蔵物に対する負荷を抑えつつ、無理のない湾曲を実現できる。

　また、内部空間２８ｂ内において上記形態の複数の内側凸部２８ａを設けたので、湾曲部７の湾曲動作時に共に移動する長尺内蔵物がワイヤーガイド２６やリベット２７等に干渉することを抑制することができる。特に、いわゆるジョイスティックタイプの湾曲レバー４５は、湾曲のあらゆる方向に対して容易に傾動でき、湾曲部７の湾曲動作時に湾曲部７内の内蔵物に対する負荷が従来よりもより大きくなる傾向にあるが、上記一実施形態によれば、確実に長尺内蔵物とワイヤーガイド２６やリベット２７等との干渉が抑制されることで、長尺内蔵物への負荷を大幅に低減できる。

　さらに、上記複数の内側凸部２８ａの各最内周側端部は、特に処置具挿通チャンネル１３の外周面近傍に配置されるように形成したので、上記長尺内蔵物のうち処置具挿通チャンネル１３以外の長尺内蔵物（例えば撮像ケーブル１１ａ，ライトガイド１２）の挿通している溝部２８ｃに、処置具挿通チャンネル１３が挿通できないように構成することができる。したがって、湾曲部７の湾曲時に、上記複数の長尺内蔵物のうち比較的太径大型となる処置具挿通チャンネル１３が、その他の長尺内蔵物（１１ａ，１２等）への干渉を回避することができる。

　またさらに、上記内部空間２８ｂ内において、左右方向にはリベット２７及び回動軸５１ａ等が配置されていないので、比較的大きな空間が確保されている。この空間に、比較的太径大型の長尺内蔵物である撮像ケーブル１１ａ及び処置具挿通チャンネル１３を左右方向に並べて配置することで、効率的な部材配置を行い、よって、内視鏡１（湾曲管２４）の細径化に寄与することができる。

　そしてまた、長尺内蔵物のうち最も太径大型となる処置具挿通チャンネル１３は、湾曲管２４の挿入軸Ａｘ（即ち中心）寄りの位置に配置するように構成したので、この構成により、湾曲方向による湾曲力量に大きな差が生じないことから、良好な操作性を確保することができる。

　なお、本発明は上述した実施形態に限定されるものではなく、発明の主旨を逸脱しない範囲内において種々の変形や応用を実施し得ることが可能であることは勿論である。さらに、上記実施形態には、種々の段階の発明が含まれており、開示される複数の構成要件における適宜な組み合わせによって、種々の発明が抽出され得る。例えば、上記一実施形態に示される全構成要件から幾つかの構成要件が削除されても、発明が解決しようとする課題が解決でき、発明の効果が得られる場合には、この構成要件が削除された構成が発明として抽出され得る。さらに、異なる複数の実施形態にわたる構成要素を適宜組み合わせてもよい。この発明は、添付のクレームによって限定される以外にはそれの特定の実施態様によって制約されない。

　また、例えば、上述の一実施形態では、気管支用の内視鏡を例に説明したが、本発明を適用し得る内視鏡としては、これに限定されるものではなく、他の形態の内視鏡に対しても同様に適用することは可能である。

　そしてまた、上述の実施形態においては、像を伝送するための伝送部材（内蔵物）として、撮像ユニット１１で取得した撮像信号を伝送するための撮像ケーブル１１ａを一例に説明したが、本発明はこれに限定されるものでなく、例えばイメージガイドを採用することも可能である。

　本出願は、２０１５年７月２日に日本国に出願された特許出願２０１５－１３３６７７号を優先権主張の基礎として出願するものである。上記基礎出願により開示された内容は、本願の明細書と請求の範囲と図面に引用されているものである。

　本発明は、医療分野の内視鏡制御装置だけでなく、工業分野の内視鏡制御装置にも適用することができる。

Claims

　長手軸に対して上下方向及び左右方向が規定され、長尺物が内部に配設された挿入部と、
　前記上下方向のうちの上方向と前記左右方向のうちの右方向との間の第１の方向及び前記第１の方向の反対方向である第２の方向を回動軸として回動自在な第１の湾曲駒と、前記第１の方向に直交する方向である第３の方向及びこの第３の方向の反対方向である第４の方向を回動軸として回動自在な第２の湾曲駒とが、前記第１の方向及び前記第２の方向又は前記第３の方向及び前記第４の方向にそれぞれ設けられた回動軸においてリベットにより回動自在に連結された湾曲部と、
　牽引により前記湾曲部を湾曲させる牽引ワイヤーと、
　前記第１の湾曲駒及び前記第２の湾曲駒の内周側であって、前記第１の方向及び前記第２の方向又は前記第３の方向及び前記第４の方向に突設され、前記牽引ワイヤーを挿通する挿通孔を有し、前記挿通孔が前記リベットよりも内周側に設けられたワイヤーガイドと、
　前記第１の湾曲駒及び前記第２の湾曲駒の内周側であって、前記第１の方向及び前記第２の方向又は前記第３の方向及び前記第４の方向に突設され、前記長手軸の方向に投影したときに最も内周側の端部が前記ワイヤーガイドよりもさらに内周側に位置する内側凸部と、
　を備えたことを特徴とする内視鏡。
　前記第１の方向は、前記上方向から前記右方向へと前記長手軸周りに角度４５度回転した方向であることを特徴とする請求項１に記載の内視鏡。
　前記内側凸部は複数設けられ、隣り合った前記内側凸部の間は前記長尺物が挿通可能な溝部が設けられていることを特徴とする請求項２に記載の内視鏡。
　前記長尺物には処置具挿通チャンネルを含み、前記処置具挿通チャンネル以外の長尺物が挿通可能な前記溝部には、前記処置具挿通チャンネルが挿通できないことを特徴とする請求項３に記載の内視鏡。
　前記処置具挿通チャンネルは、前記内側凸部に当接し、前記処置具挿通チャンネル以外の長尺物に干渉しないことを特徴とする請求項４に記載の内視鏡。