WO2016208206A1

WO2016208206A1 - サーバ、電力管理システム、及び電力管理方法

Info

Publication number: WO2016208206A1
Application number: PCT/JP2016/003074
Authority: WO
Inventors: 寛之日▲高▼; 古川　貴士
Original assignee: 京セラ株式会社
Priority date: 2015-06-26
Filing date: 2016-06-24
Publication date: 2016-12-29

Abstract

複数の需要家施設に対して電力需要の削減を要請する制御部と、電力需要の削減が要請される要請日と要請日に要請される電力需要の削減量を示す要請量とを含む要請情報を取得する通信部とを備え、制御部は、電力需要の相関がある日の分類を示すクラスの中から、要請日が属する要請日クラスを決定し、所定日数の間の要請日クラスに属する日において、制御部が複数の需要家施設のそれぞれに対して電力需要の削減を要請した回数を示す要請回数及び複数の需要家施設が電力需要の削減に参加した回数を示す参加回数の少なくとも一方を複数の需要家施設について算出し、要請回数及び参加回数の少なくとも一方と要請量とに基づいて、複数の需要家施設の中から電力需要の削減を要請する対象とする要請先需要家施設を決定するサーバ。

Description

サーバ、電力管理システム、及び電力管理方法

関連出願へのクロスリファレンス

　本出願は、日本国特許出願２０１５－１２９１８１号（２０１５年６月２６日出願）及び日本国特許出願２０１５－１４６８３０号（２０１５年７月２４日出願）の優先権を主張するものであり、当該出願の開示全体を、ここに参照のために取り込む。

　本発明は、サーバ、電力管理システム、及び電力管理方法に関する。

　従来、電力を送配電する電力網の安定化が求められている。例えば、電力需要のピークシフト等を目的として、電力需要のピーク時の消費電力量を削減する取り組みがなされている。消費電力量の削減を実施する一つの手法として、消費電力量削減目標として需要家施設毎にデマンドレスポンスが設定される（例えば、特許文献１参照）。

特開２０１３－１１７７６９号公報

　本開示の一実施形態に係るサーバは、複数の需要家施設に対して電力需要の削減を要請する制御部を備える。前記サーバは、前記電力需要の削減が要請される要請日と該要請日に要請される電力需要の削減量を示す要請量とを含む要請情報を取得する通信部を備える。前記制御部は、前記電力需要の相関がある日の分類を示すクラスの中から、前記要請日が属する要請日クラスを決定する。前記制御部は、所定日数の間の前記要請日クラスに属する日において、要請回数、及び、参加回数の少なくとも一方を前記複数の需要家施設について算出する。前記要請回数は、前記制御部が前記複数の需要家施設のそれぞれに対して前記電力需要の削減を要請した回数を示す。前記参加回数は、前記複数の需要家施設が前記電力需要の削減に参加した回数を示す。前記制御部は、前記要請回数、及び、前記参加回数の少なくとも一方と、前記要請量とに基づいて、前記複数の需要家施設の中から前記電力需要の削減を要請する対象とする要請先需要家施設を決定する。

　本開示の一実施形態に係る電力管理システムは、複数の需要家施設に対して電力需要の削減を要請する第１サーバを備える。前記電力管理システムは、前記電力需要の削減が要請される要請日と該要請日に要請される電力需要の削減量を示す要請量とを含む要請情報を生成する第２サーバを備える。前記第１サーバは、第１制御部と、前記第２サーバから前記要請情報を取得する第１通信部とを備える。前記第１制御部は、前記電力需要の相関がある日の分類を示すクラスの中から、前記要請日が属する要請日クラスを決定する。前記第１制御部は、所定日数の間の前記要請日クラスに属する日において、要請回数、及び、参加回数の少なくとも一方を前記複数の需要家施設について算出する。前記要請回数は、前記第１サーバが前記複数の需要家施設のそれぞれに対して前記電力需要の削減を要請した回数を示す。前記参加回数は、前記複数の需要家施設が前記電力需要の削減に参加した回数を示す。前記第１制御部は、前記要請回数、及び、前記参加回数の少なくとも一方と、前記要請量とに基づいて、前記複数の需要家施設の中から前記電力需要の削減を要請する対象とする要請先需要家施設を決定する。前記第２サーバは、前記複数の需要家施設から電力需要実績データを取得する第２通信部を備える。前記第２サーバは、前記電力需要実績データに基づいて前記要請情報を生成する第２制御部を備える。

　本開示の一実施形態に係る電力管理方法は、複数の需要家施設に対して電力需要の削減を要請するサーバが実行する。前記電力管理方法は、前記電力需要の削減が要請される要請日と該要請日に要請される電力需要の削減量を示す要請量とを含む要請情報を取得する取得ステップを含む。前記電力管理方法は、前記電力需要の相関がある日の分類を示すクラスの中から、前記要請日が属する要請日クラスを決定するクラス決定ステップを含む。前記電力管理方法は、所定日数の間の前記要請日クラスに属する日において、要請回数、及び、参加回数の少なくとも一方を前記複数の需要家施設について算出する算出ステップを含む。前記要請回数は、前記サーバが前記複数の需要家施設のそれぞれに対して前記電力需要の削減を要請した回数を示す。前記参加回数は、前記複数の需要家施設が前記電力需要の削減に参加した回数を示す。前記電力管理方法は、前記要請回数、及び、前記参加回数の少なくとも一方と、前記要請量とに基づいて、前記複数の需要家施設の中から前記電力需要の削減を要請する対象とする要請先需要家施設を選択する選択ステップを含む。

実施形態１に係るＤＲ要請システムのブロック図である。ＤＲ制御を実施する回数が比較的多い需要家施設のカレンダーの一例を示す図である。ＤＲ制御を実施する回数が比較的少ない需要家施設のカレンダーの一例を示す図である。需要家施設のＤＲ実績の集計処理の一例を示すフローチャートである。ＤＲ要請する需要家施設の選択処理の一例を示すフローチャートである。需要家施設に順位をつける処理の一例を示すフローチャートである。ＤＲ参加回数でソートした例を示す表である。需要家施設に順位をつける処理の一例を示すフローチャートである。ＤＲ要請回数で選択し、ＤＲ参加回数でソートした例を示す表である。ＤＲ要請する需要家施設の選択処理の一例を示すフローチャートである。実施形態２に係る電力管理システムの概略構成例を示すブロック図である。電力供給開始方法の一例を説明するシーケンス図である。予め決められた手順に基づく電力供給終了方法の一例を説明するシーケンス図である。タイムアウトに基づく電力供給終了方法の一例を説明するシーケンス図である。電力料金精算方法の一例を説明するシーケンス図である。電力需給調整方法の一例を説明する第１のシーケンス図である。電力需給調整方法の一例を説明する第２のシーケンス図である。需給調整機器リスト更新方法の一例を説明するフローチャートである。実施形態３に係る電力管理システムの概略構成例を示すブロック図である。

（実施形態１）
　本実施形態においては、デマンドレスポンスをＤＲ（Ｄｅｍａｎｄ　Ｒｅｓｐｏｎｓｅ）ともいう。電力事業者から需要家施設に対して、又は、電力事業者間で電力需要の削減を要請することをＤＲ要請ともいう。ＤＲ要請を受けた需要家施設又は電力事業者が電力需要の削減を実施することをＤＲ参加ともいう。需要家施設がＤＲ要請に応じて消費電力量を削減するために行う制御をＤＲ制御ともいう。

　ＤＲ参加した需要家施設に対しては、インセンティブが支払われてもよい。需要家施設は、ＤＲ要請に応じて消費電力量を削減するために、例えば、空調設備の電源を切ったり、出力を低くしたりするＤＲ制御を行ってよい。電力系統の電力需要を削減する必要が生じた場合、電力系統を管理するネットワーク側に近い上位装置は、需要家施設又は需要家施設に近い下位装置に対して、ＤＲ要請してよい。上位装置は、複数ある下位装置の全てにＤＲ要請してよいし、下位装置の一部にＤＲ要請してよい。上位装置が一部の下位装置にＤＲ要請する場合、例えば、ＤＲが割り当てられた回数の少ない下位装置に優先してＤＲ要請してよい。

　電力系統を管理するネットワーク側に近い上位装置が、需要家施設又は需要家施設に近い下位装置に対して、単純にＤＲが割り当てられた回数の少ない順にＤＲ要請することがある。各需要家施設の稼働状況は、休日の設定等によって異なることがある。上位装置が各需要家施設の稼働状況を考慮されずにＤＲ要請した場合、各需要家施設へのＤＲ要請の頻度の偏りが生じることがある。ＤＲ要請の頻度の偏りが生じる状況は、各需要家施設にとってＤＲ参加の機会が公平に与えられていないともいえる。

　需要家施設においてＤＲ制御を行った場合、ＤＲ制御を行った日の電力需要実績が変化する。ＤＲ制御を行った日の電力需要実績が需要予測の基礎データとされた場合、需要予測の精度が低下することがある。需要家施設における電力需要実績は、休日の電力需要実績と稼働日の電力需要実績とで大きく異なることがある。稼働状況にかかわらず集められた電力需要実績に基づく需要予測の精度は低下することがある。

［全体構成］
　図１に示されるように、ＤＲ要請システム１は、第１サーバ２、第２サーバ３、記憶装置４、及び入力装置５を備える。第１サーバ２は、ＤＲ要請サーバ２ともいう。第２サーバ３は、需要予測サーバ３ともいう。ＤＲ要請システム１は、電力系統６に電力を供給する電力事業者群７に含まれる電力事業者サーバ７１に接続される。ＤＲ要請システム１は、電力系統６から電力の供給を受けている需要家施設群８に含まれる需要家施設８１に接続される。ＤＲ要請システム１は、電力管理システムともいう。

　本実施形態において、ＤＲ要請システム１を管理するのは、ネガワットを取引する電力事業者であるアグリゲータである。ネガワットは、需要家施設において、節電や自家発電によって需要量を減らした分を、発電したものとみなして、電力会社等が買い取ったりすることをいう。アグリゲータは、ＤＲ要請システム１を用いて、電力事業者群７から電力需要の削減を要請されることにより、需要家施設８１に対して電力需要の削減を要請してよい。アグリゲータは、ＤＲ要請システム１を用いて、自らが電力需要の削減を要請すべきと判断することにより、需要家施設８１に対して電力需要の削減を要請してよい。電力事業者は、ＤＲ要請システム１を用いて電力需要の削減を要請してよい。電力事業者又はアグリゲータは、需要家施設８１に対してＤＲ要請をするに際して、事前に需要家施設８１とＤＲの契約を交わしておいてよい。電力事業者又はアグリゲータは、需要家施設８１と交わされるＤＲの契約において、需要家施設８１に対してＤＲの要請をするタイミングを、要請日の前日、又はＤＲ制御開始時刻の１時間前若しくは１０分前のいずれかとしてよい。ＤＲの要請をするタイミングは、これらに限られるものではない。

　本実施形態において、電力系統６と電力事業者群７とＤＲ要請システム１とによって、電力網が形成されている。電力網は、電力ネットワークともいう。電力事業者サーバ７１又はＤＲ要請サーバ２のことをネットワーク側のサーバともいう。本実施形態においては、電力事業者サーバ７１がＤＲ要請サーバ２に対してＤＲ要請をする。電力事業者サーバ７１は、ＤＲ要請サーバ２の上位装置に該当する。ＤＲ要請サーバ２は、電力事業者サーバ７１の下位装置に該当する。ＤＲ要請サーバ２は、需要家施設８１に対してＤＲ要請をする。ＤＲ要請サーバ２は、需要家施設８１の上位装置に該当する。需要家施設８１は、ＤＲ要請サーバ２の下位装置に該当する。

　ＤＲ要請サーバ２は、第１制御部２１と第１通信部２２とを備える。第１制御部２１は、ＤＲ要請処理部２１ともいう。需要予測サーバ３は、第２制御部３１と第２通信部３２とを備える。第２制御部３１は、需要予測部３１ともいう。ＤＲ要請処理部２１と需要予測部３１とは、互いに接続される。ＤＲ要請処理部２１及び需要予測部３１はさらに、記憶装置４と接続される。第１通信部２２は、電力事業者サーバ７１及び需要家施設８１と接続される。第２通信部３２は、需要家施設８１と接続される。

　ＤＲ要請サーバ２のＤＲ要請処理部２１は、第１通信部２２を介して、上位装置である電力事業者サーバ７１からＤＲ要請情報を取得する。ＤＲ要請処理部２１は、需要予測サーバ３の需要予測部３１からＤＲ要請情報を取得する。ＤＲ要請情報には、電力需要の削減が要請されるＤＲ要請日と、当該要請日に要請される電力需要の削減量を示すＤＲ要請量とが含まれる。ＤＲ要請情報は、単に要請情報ともいう。ＤＲ要請日は、単に要請日ともいう。ＤＲ要請量は、単に要請量ともいう。

　ＤＲ要請処理部２１は、取得したＤＲ要請情報に基づいてＤＲ要請を行う対象となる需要家施設を選択する。ＤＲ要請を行う対象となる需要家施設のことを、要請先需要家施設ともいう。ＤＲ要請処理部２１は、要請先需要家施設に対して電力需要の削減を要請するために、第１通信部２２を介して、ＤＲ要請日と各要請先需要家施設に割り当てられるＤＲ要請量とを含むＤＲ要請メッセージを要請先需要家施設に送信する。ＤＲ要請処理部２１は、ＤＲ要請メッセージを記憶装置４に格納する。

　ＤＲ要請メッセージを取得した要請先需要家施設は、ＤＲ参加するか否か決定し、その旨を含むＤＲ応答メッセージを送信する。ＤＲ要請処理部２１は、第１通信部２２を介してＤＲ応答メッセージを取得し、要請先需要家施設がＤＲ参加するか否かを確認する。ＤＲ要請処理部２１は、取得したＤＲ応答メッセージを記憶装置４に格納する。

　要請先需要家施設から取得したＤＲ応答メッセージがＤＲ参加しない旨を含む場合、ＤＲ要請処理部２１は、他のＤＲ参加する要請先需要家施設だけでＤＲ要請情報に含まれるＤＲ要請量に相当する電力需要の削減を達成できるかどうか判定する。ＤＲ要請処理部２１は、達成できないと判定した場合、ＤＲ参加しない要請先需要家施設に割り当てられるＤＲ要請量を穴埋めするために、要請先需要家施設として選択されていない需要家施設８１を新たに要請先需要家施設として決定する。

　ＤＲ要請処理部２１は、要請先需要家施設から所定期間内にＤＲ応答メッセージを取得できない場合、自動的に当該要請先需要家施設がＤＲ参加しないと決定してよい。この場合、ＤＲ要請処理部２１は、ＤＲ応答メッセージが取得できなかったことを示す情報を記憶装置４に格納してよい。ＤＲ要請処理部２１は、ＤＲ参加しない旨を含むＤＲ応答メッセージを記憶装置４に格納してよい。

　要請先需要家施設からＤＲ参加する旨を含むＤＲ応答メッセージを取得した場合、ＤＲ要請処理部２１は、第１通信部２２又は需要予測サーバ３を介して、当該要請先需要家施設からＤＲ要請日におけるＤＲ制御の実績データを取得する。ＤＲ要請処理部２１は、当該要請先需要家施設がＤＲ要請量に相当する電力需要の削減を達成できたかどうか確認する。ＤＲ要請処理部２１は、電力需要の削減を達成できなかったことを確認した場合、当該要請先需要家施設がＤＲ制御に失敗したことを示す情報を記憶装置４に格納してよい。この場合、ＤＲ要請処理部２１は、当該要請先需要家施設がＤＲ参加しなかったとみなしてよい。ＤＲ要請処理部２１は、当該要請先需要家施設がＤＲ参加しなかったことを示す情報を記憶装置４に格納してよい。ＤＲ要請処理部２１は、当該要請先需要家施設の電力需要の削減量そのものを第１通信部２２又は需要予測サーバ３を介して取得し、記憶装置４に格納してよい。

　需要予測サーバ３の需要予測部３１は、第２通信部３２を介して需要家施設８１から需要家施設８１における電力需要実績データを取得し、記憶装置４に格納する。電力需要実績データは、各需要家施設８１における所定時間毎の電力需要の実績値を含む。需要予測部３１は所定のタイミングで、記憶装置４に格納されている電力需要実績データを用いて電力需要を予測し、電力需要予測値を算出する。電力需要予測値は、例えば、各需要家施設８１における所定時間毎の電力需要を予測した値であってよい。需要予測部３１は、電力需要予測値が所定の値を超える場合、電力需要の削減が必要であると判定して、ＤＲ要請情報を生成する。需要予測部３１は、ＤＲ要請情報をＤＲ要請サーバ２のＤＲ要請処理部２１に送信する。

　記憶装置４は、ＤＲ要請処理部２１が取得したＤＲ応答メッセージを格納する。記憶装置４は、需要予測部３１が取得した電力需要実績データを格納する。記憶装置４は、入力装置５によって入力される、電力事業者情報や需要家施設情報を格納する。電力事業者情報は、電力事業者サーバ７１を管理する電力事業者に関する情報である。電力事業者情報は、ＤＲ要請をされる際の電力需要の削減量の上限や、ＤＲ要請をされるタイミングの制限などを含んでよい。需要家施設情報は、需要家施設８１に関する情報である。需要家施設情報は、需要家施設８１が契約している電力事業者の情報、需要家施設８１における休日及び稼働日の情報、ＤＲ要請する際の電力需要の削減量、又は、ＤＲ要請をできるタイミングの制限等を含んでよい。ＤＲ要請する際の電力需要の削減量は、ＤＲ契約容量ともいう。

　需要家施設情報に含まれる休日及び稼働日の情報は、需要家施設８１における電力需要実績データの集計処理に利用されてよい。需要家施設８１における電力需要実績データは、需要家施設８１が休日である場合と稼働日である場合とで異なってよい。電力需要実績データは、休日の電力需要実績データと稼働日の電力需要実績データとに分けてそれぞれ集計されてよい。このようにすることで、休日の電力需要と稼働日の電力需要とは、それぞれ精度よく予測されうる。言い換えれば、休日と稼働日のように、それぞれ電力需要の相関がある日の分類を示すクラスが定義されてよい。電力需要実績データは、クラス別に分類されてよい。このようにすることで電力需要の予測精度は、より容易に高められうる。

　入力装置５は、キーボード、タッチパネル、ポインティングデバイス、又は音声入力デバイス等を備えた端末であってよい。入力装置５は、ＰＣ端末、タブレット端末、又はスマートフォン等あらゆる形態の端末であってよい。

　電力系統６は電力網であってよい。電力系統６は、電力事業者群７によって供給される電力を需要家施設群８に送電してよい。需要家施設群８は、複数の需要家施設８１を含む。電力事業者サーバ７１は、電力系統６に電力を安定して供給するために、電力需要のピークシフト等を目的として、電力需要の削減目標を立てる。電力事業者サーバ７１は、アグリゲータが管理するＤＲ要請システム１又は需要家施設８１に対してＤＲ要請をする。ＤＲ要請をする電力事業者サーバ７１を管理する電力事業者は、電力会社、又は、特定規模電気事業者であってよい。特定規模電気事業者は、ＰＰＳ（Ｐｏｗｅｒ　Ｐｒｏｄｕｃｅｒ　ａｎｄ　Ｓｕｐｐｌｉｅｒ）ともいう。

　需要家施設群８は、大口から小口まで様々な規模の需要家施設を含んでよい。需要家施設群８は、ＤＲ参加の回数が多い需要家施設８１からＤＲ参加の回数が少ない需要家施設８１まで様々な需要家施設を含んでよい。

［需要予測処理］
　需要予測サーバ３の需要予測部３１は、各需要家施設８１から取得した電力需要実績データを用いて、各需要家施設８１の電力需要を予測し、電力需要予測値を算出する。需要予測部３１が各需要家施設８１の電力需要を予測するに際して、各需要家施設の電力需要実績データが多いほど、予測精度は高められる。ＤＲ制御が実施された場合の電力需要は、通常と異なることがある。需要予測部３１は、ＤＲ制御が実施された場合の電力需要実績データを除いて、電力需要予測値を算出してよい。このようにすることによって、需要家施設８１においてＤＲ制御を実施する回数が増えた場合にも、当該需要家施設８１の電力需要の予測精度は、高められうる。

　図２Ａ及び図２Ｂに示されるカレンダーにおいて、数字に丸印が付されている日がＤＲ制御を実施した日である。

　図２Ａに示されるカレンダーにおいて、例えば火曜日は５日ある。ＤＲ制御は、このうちの４日で実施されている。火曜日だけが属するクラスが定義される場合、当該クラスに属する日数は５日分である。当該クラスについて電力需要の予測が行われる場合、予測に用いられる電力需要実績データは、ＤＲ制御が実施されていない１日分となる。月曜日から金曜日までが属するクラスが定義される場合、当該クラスに属する日数は２２日分である。当該クラスについて電力需要の予測が行われる場合、予測に用いられる電力需要実績データは、ＤＲ制御が実施されていない１２日分となる。

　一方、図２Ｂに示されるカレンダーにおいて、例えば火曜日は全くＤＲ制御が実施されていない。火曜日だけが属するクラスが定義され、当該クラスについて電力需要の予測が行われる場合、５日分の電力需要実績データが用いられうる。月曜日から金曜日までが属するクラスが定義される場合、当該クラスに属する日数は２２日分である。当該クラスについて電力需要の予測が行われる場合、２０日分の電力需要実績データが用いられうる。

　図２Ｂに示されるカレンダーにおいては、図２Ａに示されるカレンダーと比較して電力需要の予測に用いる電力需要実績データが多くなりうる。図２Ｂに示されるカレンダーのようにＤＲ制御が実施される需要家施設８１においては、電力需要の予測精度がより高くなりうる。需要家施設８１におけるＤＲ実施回数が多い場合、当該需要家施設８１の電力需要の予測精度が低くなりうる。一方で、需要家施設８１におけるＤＲ実施回数が少ない場合、当該需要家施設８１の電力需要の予測精度が高くなりうる。各需要家施設８１におけるＤＲ実施回数は、偏らないようにされてよい。

［ＤＲ実績集計処理］
　図３に示されるように、ＤＲ要請サーバ２のＤＲ要請処理部２１は、各需要家施設８１のＤＲ実績を集計する。ＤＲ実績は、所定日数の間において、各需要家施設８１に対するＤＲ要請の回数を示すＤＲ要請回数を含んでよい。ＤＲ要請回数のことを、単に要請回数ともいう。ＤＲ実績は、各需要家施設８１がＤＲ参加した回数を示すＤＲ参加回数を含んでよい。ＤＲ参加回数のことを、単に参加回数ともいう。

　ＤＲ要請処理部２１は、電力事業者サーバ７１又は需要予測サーバ３の需要予測部３１からＤＲ要請情報を取得する（ステップＳ１０１）。ＤＲ要請情報は、電力需要の削減が要請されるＤＲ要請日と該ＤＲ要請日に要請される電力需要の削減量を示すＤＲ要請量とを含む。ＤＲ要請日及びＤＲ要請量はそれぞれ、Ｘ及びＤとも表される。例えば３１日にＤＲ要請される場合、Ｘ＝３１と表される。

　ＤＲ要請処理部２１は、需要家施設群８に含まれる各需要家施設８１について、ＤＲ実績を集計するループ処理を開始する（ステップＳ１０２）。当該ループ処理の対象となる需要家施設８１は、処理対象需要家施設ｃともいう。

　ＤＲ要請処理部２１は、記憶装置４に格納された需要家施設情報を取得する（ステップＳ１０３）。需要家施設情報は、処理対象需要家施設ｃにおける休日及び稼働日の情報を含んでよい。

　ＤＲ要請処理部２１は、需要家施設情報に含まれる休日及び稼働日の情報に基づいて、ＤＲ要請日が処理対象需要家施設ｃにおける休日にあたるか稼働日にあたるか判定する（ステップＳ１０４）。言い換えれば、ステップＳ１０４では、ＤＲ要請日が属するクラスが決定される。ＤＲ要請日が属するクラスのことを、要請日クラスともいう。

　ＤＲ要請日が処理対象需要家施設ｃにおける休日にあたる場合（ステップＳ１０４：休日）、ＤＲ要請処理部２１は、Ｎ（Ｘ，ｃ）を算出する（ステップＳ１０５）。この場合、Ｎ（Ｘ，ｃ）は、処理対象需要家施設ｃの所定日数の間におけるＤＲ参加回数のうち、処理対象需要家施設ｃが休日である場合のＤＲ参加回数を示す。ＤＲ要請処理部２１は、ステップＳ１０５において、Ｎ（Ｘ，ｃ）を算出する代わりに、処理対象需要家施設ｃの所定日数の間におけるＤＲ要請回数のうち、処理対象需要家施設ｃが休日である場合のＤＲ要請回数を示すＭ（Ｘ，ｃ）を算出してよい。

　ＤＲ要請日が処理対象需要家施設ｃにおける稼働日にあたる場合（ステップＳ１０４：稼働日）、ＤＲ要請処理部２１は、Ｎ（Ｘ，ｃ）を算出する（ステップＳ１０６）。この場合、Ｎ（Ｘ，ｃ）は、処理対象需要家施設ｃの所定日数の間におけるＤＲ参加回数のうち、処理対象需要家施設ｃが稼働日である場合のＤＲ参加回数を示す。ＤＲ要請処理部２１は、ステップＳ１０６において、Ｎ（Ｘ，ｃ）を算出する代わりに、処理対象需要家施設ｃの所定日数の間におけるＤＲ要請回数のうち、処理対象需要家施設ｃが稼働日である場合のＤＲ要請回数を示すＭ（Ｘ，ｃ）を算出してよい。

　ＤＲ参加回数及びＤＲ要請回数は、記憶装置４に格納された、処理対象需要家施設ｃに関するＤＲ要請メッセージ、ＤＲ応答メッセージ、又はＤＲ制御の実績データ等の解析処理により算出されてよい。

　ＤＲ要請処理部２１は、需要家施設群８の全ての需要家施設８１についてＤＲ参加回数又はＤＲ要請回数を算出する処理が終わっている場合、図３のフローチャートの処理を終了する。当該処理が終わっていない需要家施設８１が残っている場合、ＤＲ要請処理部２１は、ステップＳ１０２に戻って処理対象需要家施設ｃとは異なる需要家施設８１についてループ処理を続ける。

　図３のフローチャートの処理によって、全ての処理対象需要家施設ｃについてＤＲ要請日と同じクラスに属する日のＤＲ参加回数を示すＮ（Ｘ，ｃ）又はＤＲ要請回数を示すＭ（Ｘ，ｃ）が算出される。例えば、ＤＲ要請日が３１日であって、需要家施設Ａが処理対象需要家施設ｃとされる場合、需要家施設ＡのＤＲ参加回数は、Ｎ（３１，Ａ）と表される。所定日数の間における需要家施設ＡのＤＲ参加回数が３回である場合、Ｎ（３１，Ａ）＝３と表される。

［ＤＲ要請先選択処理］
　図４に示されるように、ＤＲ要請サーバ２のＤＲ要請処理部２１は、ＤＲ参加回数及びＤＲ要請回数の少なくとも一方に基づいて、ＤＲ要請の対象とする需要家施設を選択する。ＤＲ要請の対象とする需要家施設のことを要請先需要家施設ともいう。ＤＲ参加回数又はＤＲ要請回数は、図３のフローチャートの処理で算出される需要家施設８１のＤＲ実績に含まれる。

　図４を参照して、ＤＲ要請処理部２１がＤＲ参加回数に基づいて要請先需要家施設を選択する処理について説明する。ＤＲ要請処理部２１は、需要家施設８１に対してＤＲ要請をする優先順位を決めるために、需要家施設８１に順位を設定する（ステップＳ２０１）。ステップＳ２０１における処理は、図５に示されるフローチャートに従って行われる。

　図５において、ＤＲ要請処理部２１は、ＤＲ実績の集計処理で算出したＤＲ参加回数を示すＮ（Ｘ，ｃ）を基準として、処理対象需要家施設ｃに含まれる需要家施設８１を昇順でソートする（ステップＳ３０２ａ）。昇順でソートするとは、数が少ない方から順に並び替えることである。図６に示される表の左列には、ＤＲ要請日が３１日の場合における需要家施設Ａ－ＥそれぞれのＤＲ参加回数がソートせずに記載されている。図６に示される表の右列には、ＤＲ参加回数を基準として昇順でソートされた需要家施設Ａ－Ｅが記載されている。需要家施設Ａ－Ｅは、Ｂ、Ｅ、Ａ、Ｃ、Ｄの順に並べ替えて記載されている。

　ＤＲ要請処理部２１は、昇順でソートした結果に基づいて、各処理対象需要家施設ｃに順位を設定する（ステップＳ３０３）。図６の例では、需要家施設Ｂは、１位に設定される。需要家施設Ｅは、２位に設定される。需要家施設Ａは、３位に設定される。需要家施設Ｃは、４位に設定される。需要家施設Ｄは、５位に設定される。ＤＲ要請処理部２１は、図５の処理を終了し、図４の処理に戻ってステップＳ２０２に進む。

　図４を参照して、ＤＲ要請処理部２１は、需要家施設８１にＤＲ要請した場合の電力需要の削減量見込み値を示すＥを０にリセットし、要請先需要家施設を示すリスト（集合）Ｌを空集合φにリセットする（ステップＳ２０２）。

　ＤＲ要請処理部２１は、ステップＳ２０１でＤＲ参加回数に基づいて設定された需要家施設Ａ－Ｅの順位に応じて、順次ＤＲ要請するループ処理を開始する（ステップＳ２０３）。

　ＤＲ要請処理部２１は、処理対象需要家施設ｃに関する需要家施設情報を取得する（ステップＳ２０４）。需要家施設情報は、ＤＲ要請する際の電力需要の削減量、すなわちＤＲ契約容量を含む。当該削減量、すなわちＤＲ契約容量は、Ｄ（ｃ）と表される。

　ＤＲ要請処理部２１は、電力需要の削減量見込み値を示すＥに、処理対象需要家施設ｃの電力需要の削減量を示すＤ（ｃ）を加算し、要請先需要家施設を示すリストＬに処理対象需要家施設ｃを加える（ステップＳ２０５）。

　ＤＲ要請処理部２１は、電力需要の削減量見込み値を示すＥがＤＲ要請量を示すＤ以上となったかどうか判定する（ステップＳ２０６）。ＥがＤ以上となった場合（ステップＳ２０６：ＹＥＳ）、ＤＲ要請処理部２１は、処理を終了し、リストＬに含まれる需要家施設８１を要請先需要家施設として確定する。ＥがＤ以上となっていない場合（ステップＳ２０６：ＮＯ）、ＤＲ要請処理部２１はステップＳ２０７に進み、ステップＳ２０３に戻るループを続行する。

　図４のフローチャートに従う処理によって、ＤＲ参加回数を示すＮ（Ｘ，ｃ）に基づく要請先需要家施設の選択が完了する。このようにすることで、需要家施設８１のＤＲ参加回数又はＤＲ要請回数が平準化されうる。各需要家施設８１がＤＲに参加する機会に偏りが生じることが防がれうる。各需要家施設８１についての電力需要の予測精度に偏りが生じることが防がれうる。

　ＤＲ要請処理部２１は、ＤＲ参加回数に基づく代わりに、ＤＲ要請回数に基づいてＤＲ要請先選択処理を行ってよい。ＤＲ要請処理部２１は、図４に示されるステップＳ２０３からステップＳ２０７までのループ処理を行うことによってＤＲ要請先を選択する。この際、ＤＲ要請処理部２１は、ステップＳ２０１で設定された各需要家施設８１の順位に基づいて、各需要家施設８１をＤＲ要請先リストＬに追加する。ステップＳ２０１の処理内容は、図５に示す需要家施設の順位を設定する処理である。ＤＲ要請処理部２１は、図５のステップ３０２ａの処理として、ＤＲ要請回数を示すＭ（Ｘ，ｃ）を基準として、各需要家施設８１を昇順でソートし、各需要家施設に順位を設定する。これにより、図４のステップＳ２０３からステップＳ２０７までのループ処理は、ＤＲ要請回数が少ない需要家施設８１から順に行われる。

　このようにすることで、ＤＲ参加回数が各需要家施設８１のＤＲ実績を反映していない場合でも、各需要家施設８１がＤＲに参加する機会に偏りが生じることが防がれうる。ＤＲ参加回数が各需要家施設８１のＤＲ実績を反映していない場合とは、例えば、ＤＲ要請処理部２１がＤＲ要請を送信しても、需要家施設８１からＤＲ応答メッセージを取得できない場合であってよい。需要家施設８１からＤＲ応答メッセージを取得できない場合は、通信障害が原因である場合を含んでよい。需要家施設８１からＤＲ応答メッセージを取得できない場合は、そもそも需要家施設８１がＤＲ応答メッセージを送信しない又はできない場合等を含んでよい。

　ＤＲ要請処理部２１は、ＤＲ参加回数及びＤＲ要請回数の両方に基づいて各需要家施設８１に順位を設定してＤＲ要請先選択処理を行ってよい。図７に示されるように、ＤＲ要請処理部２１は、ＤＲ実績の集計処理で算出したＤＲ要請回数を示すＭ（Ｘ，ｃ）が所定回数以下であることを基準として処理対象需要家施設ｃを選択する。ＤＲ要請処理部２１は、選択した処理対象需要家施設ｃを、ソートの対象とする処理対象需要家施設ｃの集合として決定する（ステップＳ３０１）。ＤＲ要請処理部２１は、図８に示されるように、各需要家施設８１に順位を設定してよい。図８の左列には、ＤＲ要請日が３１日の場合における需要家施設Ａ－ＥそれぞれのＤＲ参加回数及びＤＲ要請回数がソートせずに記載されている。図８の中列には、ＤＲ要請回数が８以下であることを基準として選択された処理対象需要家施設ｃが記載されている。図８の例では、ＤＲ要請回数が９である需要家施設Ｅが選択されていない。図８の例では、上述の所定回数が８と設定されているがこれに限られるものではなく、所定回数はＤＲ要請の条件に応じて適宜決められてよい。

　ＤＲ要請処理部２１は、ステップＳ３０１で選択された処理対象需要家施設ｃの集合の中で、ＤＲ参加回数を基準として各処理対象需要家施設ｃを昇順でソートする（ステップＳ３０２ｂ）。図８の右列には、ＤＲ参加回数に基づいて昇順でソートされた処理対象需要家施設ｃが記載されている。図８の右列には、ステップＳ３０１で選択されなかった需要家施設Ｅを除く需要家施設Ａ－Ｄが、Ｂ、Ａ、Ｃ、Ｄの順に並べ替えて記載されている。

　ＤＲ要請処理部２１は、昇順でソートした結果に基づいて、各処理対象需要家施設ｃに順位を設定する（ステップＳ３０３）。図８の例では、需要家施設Ｂが１位に設定される。需要家施設Ａは、２位に設定される。需要家施設Ｃは、３位に設定される。需要家施設Ｄは、４位に設定される。需要家施設Ｅには順位が設定されない。ＤＲ要請処理部２１は、図７の処理を終了し、図４の処理に戻ってステップＳ２０２に進む。

　このようにすることで、各需要家施設８１がＤＲに参加する機会に偏りが生じることが防がれうる。順位を設定する対象となる需要家施設８１の数が減らされうる。ＤＲ要請処理部２１が行う処理が簡易化されうる。

　ＤＲ要請処理部２１は、図４のステップＳ２０３からステップＳ２０７における削減量見込み値を示すＥの積算を行わず、ＤＲ参加回数又はＤＲ要請回数が所定回数以下である需要家施設８１全てを要請先需要家施設として選択してよい。図９に示されるフローチャートの処理によって、ＤＲ要請処理部２１は、ＤＲ参加回数又はＤＲ要請回数が所定回数以下である需要家施設８１全てを要請先需要家施設として選択してよい。ＤＲ要請処理部２１は、ＤＲ参加回数又はＤＲ要請回数が所定回数以下である需要家施設８１全てを、要請先需要家施設を示すリストＬに加える（ステップＳ４０１）。図９の処理では各需要家施設８１に順位を設定するステップを設けずに要請先需要家施設の選択処理を行っている。このようにすることで、要請先需要家施設の決定処理がより簡易化されうる。需要家施設８１のＤＲ参加回数又はＤＲ要請回数が平準化されうる。各需要家施設８１がＤＲに参加する機会に偏りが生じることが防がれうる。

　ＤＲ要請処理部２１は、図４のステップＳ２０３からステップＳ２０７における削減量見込み値を示すＥの積算を行わず、予め決定される所定順位以上の順位が設定された需要家施設８１を全て要請先需要家施設として選択してよい。このようにすることで、要請先需要家施設の決定処理がより簡易化されうる。需要家施設８１のＤＲ参加回数又はＤＲ要請回数が平準化されうる。各需要家施設８１がＤＲに参加する機会に偏りが生じることが防がれうる。

　ＤＲ要請処理部２１は、要請先需要家施設を選択する際にＤＲ要請回数に基づいて選択を行う代わりに、ＤＲ非要請回数に基づいて選択を行ってよい。ＤＲ非要請回数とは、需要家施設８１に対してＤＲ要請しなかった回数を示す。ある需要家施設８１に係るＤＲ非要請回数は、ＤＲ要請システム１が上位装置からＤＲ要請情報を取得したにもかかわらず、当該需要家施設８１に対してＤＲ要請しなかった回数である。ＤＲ要請回数とＤＲ非要請回数との和は、ＤＲ要請システム１が上位装置からＤＲ要請情報を取得した回数に等しい。

　ＤＲ要請処理部２１は、要請先需要家施設を選択する際にＤＲ参加回数に基づいて選択を行う代わりに、ＤＲ不参加回数に基づいて選択を行ってよい。ＤＲ不参加回数とは、需要家施設８１がＤＲ参加しなかった回数を示す。ある需要家施設８１がＤＲ参加しなかったことの定義は、需要家施設８１がＤＲ要請を取得したにもかかわらずＤＲ参加しなかった場合のみをＤＲ参加しなかったとするものであってよい。この場合、ある需要家施設８１に係るＤＲ参加回数とＤＲ不参加回数との和は、当該需要家施設８１のＤＲ要請回数に等しい。ある需要家施設８１がＤＲ参加しなかったことの定義は、ＤＲ非要請回数をＤＲ不参加回数に含むとするものであってよい。この場合、ある需要家施設８１に係るＤＲ参加回数とＤＲ不参加回数との和は、ＤＲ要請システム１が上位装置からＤＲ要請情報を取得した回数に等しい。需要家施設８１がＤＲ参加しなかったことの定義は、例えば、ＤＲ要請の内容を達成できなかったことであってもよいし、ＤＲ要請に対して回答しなかったことであってもよい。ある需要家施設８１がＤＲ参加しなかったことの定義は上記の例に限られるものではなく、適宜定められるものである。

　ＤＲ要請処理部２１は、ＤＲ非要請回数又はＤＲ不参加回数に基づいて要請先需要家施設を選択することによって、異なる選択基準を提供できる。特に、需要家施設８１のそれぞれで要請日クラスに属する日数が異なる場合に種々の選択基準を組み合わせることが可能となる。ＤＲ要請処理部２１は、例えば、ＤＲ要請回数とＤＲ不参加回数とを組み合わせた基準によって要請先需要家施設を選択してよい。ＤＲ要請処理部２１は、ＤＲ非要請回数とＤＲ参加回数とを組み合わせた基準によって要請先需要家施設を選択してよい。ＤＲ不参加回数の定義が上述の例と異なるものとされる場合、組み合わせてできる基準の数は増える。以上の例に限られず、あらゆる組み合わせが適用されてよい。

（実施形態２）
　電力会社と電力の受給を契約する需要家は、主に需要家施設内での電力受給のサービスを提供される。需要家は、需要家施設の外部での電力受給のサービスを求めている。需要家施設の外部での電力受給のサービスが提供される場合、電力網の電力品質の維持が考慮されてよい。

　図１０に示されるように、実施形態２に係る電力管理システム１００は、電力網１１０と、第１電力量計１１１と、第２電力量計１１２と、施設内電力量計１１３と、施設外電力量計１１４と、電力系統監視装置１１５とを備える。電力管理システム１００は、第１発電所１２０と、第２発電所１３０と、送配電サーバ１４０と、第１電力会社内サーバ１５０と、第２電力会社内サーバ１６０と、需要家施設１７０と、電力受給装置１８０とを備える。電力管理システム１００は、幹事サーバ１９１と、受給装置管理サーバ１９２と、認証記憶部２００と、アグリゲータサーバ２１０と、インターネット等の通信網２２０とを備える。需要家施設１７０は、第１機器１７１と、第２機器１７２と、電力管理装置１７３とを備える。幹事サーバ１９１及び受給装置管理サーバ１９２は、１つの組織体である管理サーバ１９０であってよい。

　電力網１１０は、接続される各構成部に電力を供給・配送する。電力網１１０は、第１電力量計１１１、第２電力量計１１２、施設内電力量計１１３、施設外電力量計１１４、及び電力系統監視装置１１５と、それぞれ接続される。

　第１電力量計１１１は、記憶部１１１ａ、制御部１１１ｂ、及び通信部１１１ｃを備える。第１電力量計１１１は、第１発電所１２０で発電した電力を、制御部１１１ｂを用いて計測し、記憶部１１１ａに記憶する。第２電力量計１１２は、記憶部１１２ａ、制御部１１２ｂ、及び通信部１１２ｃを備える。第２電力量計１１２は、第２発電所１３０で発電した電力を、制御部１１２ｂを用いて計測し、記憶部１１２ａに記憶する。施設内電力量計１１３は、記憶部１１３ａ、制御部１１３ｂ、及び通信部１１３ｃを備える。施設内電力量計１１３は、需要家施設１７０で消費・発生した電力を、制御部１１３ｂを用いて計測し、記憶部１１３ａに記憶する。施設外電力量計１１４は、記憶部１１４ａ、制御部１１４ｂ、及び通信部１１４ｃを備える。施設外電力量計１１４は、電力受給装置１８０で消費・発生した電力を、制御部１１４ｂを用いて計測し、記憶部１１４ａに記憶する。第１電力量計１１１、第２電力量計１１２、施設内電力量計１１３、及び施設外電力量計１１４の記憶部１１１ａから１１４ａは、それぞれ固有の識別情報を記憶する。各電力量計に固有の識別情報を、電力量計ＩＤともいう。

　電力系統監視装置１１５は、記憶部１１５ａ、制御部１１５ｂ、及び通信部１１５ｃを備える。電力系統監視装置１１５は、制御部１１５ｂを用いて電力網１１０の状態を監視する。電力系統監視装置１１５は、電力網１１０の状態に関する情報を通信部１１５ｃを用いて送配電サーバ１４０に送信する。電力系統監視装置１１５が送配電サーバ１４０に送信する電力網１１０の状態に関する情報は、電力網１１０の電力品質を維持するための情報である。電力品質を維持するための情報を、アンシラリー情報ともいう。電力品質は、例えば周波数又は電圧等を含んでよい。

　第１発電所１２０及び第２発電所１３０は、それぞれ第１電力会社及び第２電力会社が保有する発電所であり、発電した電力を電力網１１０に供給する。

　送配電サーバ１４０は、記憶部１４０ａ、制御部１４０ｂ、及び通信部１４０ｃを備える。送配電サーバ１４０は、第１電力量計１１１、第２電力量計１１２、施設内電力量計１１３、及び施設外電力量計１１４と、通信部１４０ｃを用いて通信可能に接続される。送配電サーバ１４０は、電力系統監視装置１１５から通信部１４０ｃを用いて取得するアンシラリー情報を記憶部１４０ａに記憶する。送配電サーバ１４０は、このアンシラリー情報に基づいて、制御部１４０ｂを用いて電力網１１０の状態を監視する。送配電サーバ１４０は、電力網１１０の安定化のために、必要に応じて、電力の供給側や需要側に命令を送信する。送配電サーバ１４０と各構成部との接続には、有線による通信又は無線による通信が用いられてよい。送配電サーバ１４０は、サーバ装置ともいう。

　第１電力会社内サーバ１５０は、記憶部１５０ａ、制御部１５０ｂ、及び通信部１５０ｃを備える。第２電力会社内サーバ１６０は、記憶部１６０ａ、制御部１６０ｂ、及び通信部１６０ｃを備える。第１電力会社内サーバ１５０及び第２電力会社内サーバ１６０は、それぞれ電力の販売事業を行う第１電力会社及び第２電力会社が保有するサーバである。第１電力会社内サーバ１５０及び第２電力会社内サーバ１６０は、各電力会社の契約需要家に対する電力受給を制御部１５０ｂ、１６０ｂを用いて制御する。電力管理システム１００は、更に他の電力会社が保有するサーバを備えてよい。

　需要家施設１７０は、第１電力会社と電力受給契約を結んだ需要家の施設である。需要家施設１７０は、契約に基づいて第１電力会社から電力供給を受けてよい。需要家施設１７０は、発電した電力を第１電力会社に供給してよい。需要家施設１７０は電力管理システム１００が備える需要家施設の一例である。電力管理システム１００は、第２電力会社と契約した需要家を含む他の需要家の需要家施設も備えてよい。需要家施設１７０は、第１機器１７１と、第２機器１７２と、電力管理装置１７３とを備える。

　第１機器１７１及び第２機器１７２は、需要家施設１７０が備える電力受給を行う機器の一例である。第１機器１７１は、記憶部１７１ａ、制御部１７１ｂ、及び通信部１７１ｃを備える。第２機器１７２は、記憶部１７２ａ、制御部１７２ｂ、及び通信部１７２ｃを備える。第１機器１７１及び第２機器１７２はそれぞれ、需要家の識別情報を記憶部１７１ａ及び１７２ａに記憶してよい。需要家の識別情報を、需要家ＩＤともいう。第１機器１７１及び第２機器１７２は、電子機器や蓄電池等の機器であってよい。第２機器１７２は、需要家施設１７０の外部に持ち出して使用されてよい。第２機器１７２は、需要家施設１７０外において、電力受給装置１８０を介して電力網１１０からの電力の受給が可能である。第２機器１７２は、通信部１７２ｃを用いて通信網２２０を介した通信を実行可能である。

　電力管理装置１７３は、記憶部１７３ａ、制御部１７３ｂ、及び通信部１７３ｃを備える。電力管理装置１７３は、例えばエネルギー管理システムの機能を有してよい。エネルギー管理システムは、ＥＭＳ（Ｅｎｅｒｇｙ　Ｍａｎａｇｅｍｅｎｔ　Ｓｙｓｔｅｍ）ともいう。ＥＭＳの機能は、アグリゲータサーバ２１０の指示を受けて需要家施設１７０内の電力の需給調整を行う機能であってよい。電力管理装置１７３は、需要家施設１７０で管理する機器を登録した管理機器リストと、電力の需給調整に使用可能な機器を登録した需給調整機器リストとを記憶部１７３ａに記憶する。電力管理装置１７３は、通信部１７３ｃを用いて、施設内における通信である施設内通信を実行可能である。電力管理装置１７３は、通信部１７３ｃを用いて、通信網２２０を介した外部通信を実行可能である。

　電力受給装置１８０は、記憶部１８０ａ、制御部１８０ｂ、及び通信部１８０ｃを備える。電力受給装置１８０は、受給装置管理サーバ１９２により管理される。電力受給装置１８０は、需要家施設１７０の外部に設置される。電力受給装置１８０は、電力網１１０と系統連系する。電力受給装置１８０は、接続された第２機器１７２等の外部機器に電力を供給可能であってよい。電力受給装置１８０は、逆潮流により電力網１１０に電力を供給可能であってよい。電力受給装置１８０は、複数設置されてよい。

　幹事サーバ１９１は、記憶部１９１ａ、制御部１９１ｂ、及び通信部１９１ｃを備える。幹事サーバ１９１は、バランシンググループである幹事事業者が運用するサーバである。幹事サーバ１９１は、受給装置管理サーバ１９２、第１電力会社内サーバ１５０、及び第２電力会社内サーバ１６０と協働して、電力供給予測、電力供給、及び電気料金の精算等を行う。幹事サーバ１９１は、電力網１１０に電力を供給する第１電力会社又は第２電力会社等の電力会社の電力受給計画の情報を、記憶部１９１ａに記憶する。

　受給装置管理サーバ１９２は、記憶部１９２ａ、制御部１９２ｂ、及び通信部１９２ｃを備える。受給装置管理サーバ１９２は、受給装置管理事業者によって運用される。受給装置管理サーバ１９２は、電力受給装置１８０を管理し、電力受給装置１８０を介して電力サービスを提供する。受給装置管理サーバ１９２は、通信部１９２ｃを用いて認証記憶部２００を参照することができる。認証記憶部２００は、需要家識別情報である需要家ＩＤと、契約している電力会社との対応情報、及び第１電力量計１１１、第２電力量計１１２、施設内電力量計１１３及び施設外電力量計１１４それぞれの識別情報を記憶するデータベースである。認証記憶部２００の記憶内容は、受給装置管理サーバ１９２の記憶部１９２ａに記憶されてよい。

　アグリゲータサーバ２１０は、記憶部２１０ａ、制御部２１０ｂ、及び通信部２１０ｃを備える。アグリゲータサーバ２１０は、需要家施設１７０を含む各需要家施設の電力需給を監視する。アグリゲータサーバ２１０は、第１電力会社内サーバ１５０の要請を受けて需要家施設１７０を含む各需要家施設に通信網２２０経由で需給調整要請を送信する。アグリゲータサーバ２１０は、需要家施設１７０を含む各需要家施設が所有する機器、発電装置、又は蓄電池等の情報を記憶部２１０ａに記憶する。アグリゲータサーバ２１０は、どの程度電力需給調整が可能かという電力需給調整範囲情報を記憶部２１０ａに記憶する。アグリゲータサーバ２１０と同様のアグリゲータサーバが、通信網２２０を介して第２電力会社内サーバ１６０と接続されてよい。

　需要家が第２機器１７２を需要家施設１７０から外部に持ち出した場合に、第２機器１７２が移動先である電力受給装置１８０から電気供給を受けるための方法について説明する。図１１に示されるように、本実施形態に係る電力管理システム１００において、電力受給装置１８０から第２機器１７２への電力供給が開始されてよい。

　第２機器１７２と受給装置管理サーバ１９２との間での情報伝達は、通信網２２０を介した通信を用いて行われてよい。受給装置管理サーバ１９２と施設外電力量計１１４との間での情報伝達は、送配電サーバ１４０を介した通信を用いて行われてよい。第２機器１７２と電力受給装置１８０又は施設外電力量計１１４との情報伝達は、有線又は無線による通信を用いて行われてよい。

　需要家によって第２機器１７２が移動された場合、第２機器１７２は、移動先で受給装置管理サーバ１９２の管理する電力受給装置１８０からの電力供給を要求する（ステップＳ１１１）。具体的には、例えば、第２機器１７２は、電力受給装置１８０と接続され、需要家によって入力される電力供給を受けるための所定の操作を受け付ける。

　第２機器１７２は、要求に応じて、施設外電力量計１１４の識別情報を取得する（ステップＳ１１２）。具体的には、第２機器１７２は、施設外電力量計１１４に対する施設外電力量計１１４の識別情報の送信要求を、通信部１７２ｃを用いて送信する。施設外電力量計１１４は、識別情報の送信要求を受信した場合、第２機器１７２に対して、施設外電力量計１１４の識別情報である電力量計ＩＤを、通信部１１４ｃを用いて送信する。

　第２機器１７２は、電力量計ＩＤを受信した場合、受電開始の申請と、記憶部１７２ａに記憶された需要家ＩＤ及び取得した電力量計ＩＤとを共に、通信部１７２ｃを用いて受給装置管理サーバ１９２に送信する（ステップＳ１１３）。需要家ＩＤは、需要家識別番号を含んでよい。

　受給装置管理サーバ１９２は、受信した需要家ＩＤと電力量計ＩＤとを認証記憶部２００を用いて認証する。受給装置管理サーバ１９２は、認証が成功した場合、申請が承認された旨の通知を、通信部１９２ｃを用いて送配電サーバ１４０に送信する（ステップＳ１１４）。具体的には、受給装置管理サーバ１９２は、需要家ＩＤが認証記憶部２００に記憶された電力会社の契約者識別情報と一致する場合、需要家ＩＤが条件を満たすと判定する。受給装置管理サーバ１９２は、電力量計ＩＤが認証記憶部２００に記憶された受給装置管理サーバ１９２の管理する電力量計の識別情報と一致する場合、電力量計ＩＤが条件を満たすと判定する。受給装置管理サーバ１９２は、需要家ＩＤ及び電力量計ＩＤが共に条件を満たすと判定した場合、認証が成功したと判定する。受給装置管理サーバ１９２は、需要家ＩＤ及び電力量計ＩＤの少なくとも一方が条件を満たさないと判定した場合、認証が失敗したと判定する。受給装置管理サーバ１９２は、認証が失敗したと判定した場合、申請が却下された旨の通知を、通信部１９２ｃを用いて第２機器１７２に送信し、処理を終了する。

　送配電サーバ１４０は、電力系統監視装置１１５から取得するアンシラリー情報に基づいて、第２機器１７２に対する電力供給を承認するか否かを判定する。送配電サーバ１４０は、電力供給を承認すると判定した場合、申請が承認された旨の通知を第２機器１７２に送信する（ステップＳ１１５）。送配電サーバ１４０は、電力供給を承認しないと判定した場合、申請が却下された旨の通知を、通信部１４０ｃを用いて第２機器１７２に送信し、処理を終了する。

　受電開始の申請が承認された場合、受給装置管理サーバ１９２は、第２機器１７２への電力供給の開始手続きに入る。受給装置管理サーバ１９２は、施設外電力量計１１４の現在の状態を確認する（ステップＳ１１６）。具体的には、受給装置管理サーバ１９２は、施設外電力量計１１４に対して現在の状態の問い合わせを、通信部１９２ｃを用いて送信する。施設外電力量計１１４は、問い合わせの受信に応じて通信部１１４ｃを用いて受給装置管理サーバ１９２に現在の状態を送信する。本実施形態において、施設外電力量計１１４の現在の状態は、施設外電力量計１１４の供給電力量の計測値、及びブレーカーの開閉状態を含んでよい。施設外電力量計１１４の現在の状態は、ブレーカーが開状態である場合、電力量計ＩＤ及び電力供給先の機器の需要家ＩＤを含んでよい。ブレーカーの開状態とは、施設外電力量計１１４内のブレーカーが電路を導通させて開通している状態を意味する。ブレーカーの閉状態とは、施設外電力量計１１４内のブレーカーが電路を遮断し閉鎖している状態を意味する。

　受給装置管理サーバ１９２は、施設外電力量計１１４の現在の状態に基づき、電力供給の可否を判断する。受給装置管理サーバ１９２は、電力供給が可であると判断した場合、第２機器１７２に電力供給を行う為の開通指示を、通信部１９２ｃを用いて施設外電力量計１１４に送信する（ステップＳ１１７）。具体的には、受給装置管理サーバ１９２は、施設外電力量計１１４の現在の状態として、ブレーカーが閉状態である場合、電力供給が可であると判断して、開通指示を施設外電力量計１１４に送信する。一方、受給装置管理サーバ１９２は、施設外電力量計１１４の現在の状態として、ブレーカーが開状態である場合、ステップＳ１１６で受信した需要家ＩＤと電力量計ＩＤとを確認する。ステップＳ１１３で受信した需要家ＩＤと電力量計ＩＤとがこの組み合わせの申請である場合、受給装置管理サーバ１９２は、既に電力供給がされていると判断して、開通指示を送信しない。受信した需要家ＩＤと電力量計ＩＤとの組み合わせが異なる場合、受給装置管理サーバ１９２は、施設外電力量計１１４に閉鎖指示を送信した後、改めて開通指示を送信する。

　施設外電力量計１１４は、開通指示を受信した場合、ブレーカーを開状態に変更する。施設外電力量計１１４は、第２機器１７２への電力供給及び供給電力量の計測を開始する。施設外電力量計１１４は、開通が完了した旨の報告を、通信部１１４ｃを用いて受給装置管理サーバ１９２に送信する（ステップＳ１１８）。

　第２機器１７２への電力供給を終了するための方法について、図１２及び図１３を用いて説明する。

　上述の電力供給開始方法による電力供給の開始後、図１２に示されるように、第２機器１７２は、例えば需要家等の使用者の操作により、受電終了指示を受け付ける（ステップＳ１２１）。第２機器１７２は、受電終了指示を受け付けた場合、受電終了の申請を、需要家ＩＤ及び電力量計ＩＤと共に、通信部１７２ｃを用いて受給装置管理サーバ１９２に送信する（ステップＳ１２２）。

　受給装置管理サーバ１９２は、受信した需要家ＩＤと電力量計ＩＤとを認証記憶部２００を用いて認証する。受給装置管理サーバ１９２は、認証が成功した場合、申請が承認された旨の通知を、通信部１９２ｃを用いて第２機器１７２に送信する（ステップＳ１２３）。具体的には、受給装置管理サーバ１９２は、図１１に示される電力供給開始方法におけるステップＳ１１４と同様に判定する。受給装置管理サーバ１９２は、需要家ＩＤが認証記憶部２００に記憶された電力会社の契約者識別情報と一致する場合、需要家ＩＤが条件を満たしたと判定する。受給装置管理サーバ１９２は、電力量計ＩＤが認証記憶部２００に記憶された受給装置管理サーバ１９２の管理する電力量計の識別情報と一致する場合、電力量計ＩＤが条件を満たしたと判定する。受給装置管理サーバ１９２は、需要家ＩＤ及び電力量計ＩＤが条件を満たしたと判定した場合、認証が成功したと判定する。受給装置管理サーバ１９２は、需要家ＩＤ及び電力量計ＩＤの少なくとも一方が条件を満たさないと判定した場合、認証が失敗したと判定する。

　認証が成功した場合、受給装置管理サーバ１９２は、第２機器１７２への電力供給の終了手続きに入る。受給装置管理サーバ１９２は、施設外電力量計１１４の現在の供給電力量の計測値を確認する（ステップＳ１２４）。具体的には、受給装置管理サーバ１９２は、通信部１９２ｃを用いて施設外電力量計１１４に現在の供給電力量の計測値の問い合わせを送信する。施設外電力量計１１４は、問い合わせの受信に応じて受給装置管理サーバ１９２に通信部１１４ｃを用いて現在の供給電力量の計測値を送信する。

　受給装置管理サーバ１９２は、受信した現在の供給電力量の計測値と、電力供給開始時における供給電力量の計測値とに基づいて、需要家が第２機器１７２を用いて電力受給装置１８０から供給を受けた電力量を需要家ＩＤと関連付ける（ステップＳ１２５）。需要家が第２機器１７２を用いて電力受給装置１８０から供給を受けた電力量を、施設外電力量ともいう。受給装置管理サーバ１９２は、需要家ＩＤと関連付けた施設外電力量を、施設外使用情報として記憶部１９２ａに記憶する。電力供給開始時における供給電力量の計測値は、電力供給開始方法におけるステップＳ１１４において取得したものである。受給装置管理サーバ１９２は、ブレーカーの閉鎖指示を、通信部１９２ｃを用いて施設外電力量計１１４に送信する（ステップＳ１２６）。

　施設外電力量計１１４は、閉鎖指示を受信した場合、ブレーカーを閉状態に変更し、第２機器１７２への電力供給を終了する。施設外電力量計１１４は、閉鎖が完了した旨の報告を、通信部１１４ｃを用いて受給装置管理サーバ１９２に送信する（ステップＳ１２７）。

　図１３に示されるように、電力管理システム１００は、所定時間の経過によるタイムアウトに基づいて、電力受給装置１８０から第２機器１７２への電力供給を終了させてよい。

　上述の電力供給開始方法による電力供給の開始後、図１３に示されるように、受給装置管理サーバ１９２は、一定頻度で施設外電力量計１１４の現在の供給電力量の計測値を確認する（ステップＳ１３１）。具体的には、受給装置管理サーバ１９２は、一定頻度で施設外電力量計１１４に通信部１９２ｃを用いて現在の供給電力量の計測値の問い合わせを送信する。施設外電力量計１１４は、問い合わせの受信の度に受給装置管理サーバ１９２に通信部１１４ｃを用いて現在の供給電力量の計測値を送信する。

　第２機器１７２が電力受給装置１８０から取り外される、又は第２機器１７２の充電が完了する等の事象が発生した場合、電力受給装置１８０からの電力供給が停止する（ステップＳ１３２）。電力受給装置１８０からの電力供給は、上述の事象に限られず、他の事象が発生した場合に停止してよい。

　受給装置管理サーバ１９２は、施設外電力量計１１４の供給電力量の計測値が一定期間変化しないことを確認した場合（ステップＳ１３３、Ｓ１３４）、タイムアウトしたと判断する（ステップＳ１３５）。受給装置管理サーバ１９２は、タイムアウトしたと判断した場合、第２機器１７２の電力使用が終了したとみなす。受給装置管理サーバ１９２は、受信した現在の供給電力量の計測値と、電力供給開始時における供給電力量の計測値とに基づいて、施設外電力量を需要家ＩＤと関連付ける（ステップＳ１３６）。受給装置管理サーバ１９２は、需要家ＩＤと関連付けた施設外電力量を、施設外使用情報として記憶部１９２ａに記憶する。電力供給開始時における供給電力量の計測値は、電力供給開始方法におけるステップＳ１１４において取得したものである。受給装置管理サーバ１９２は、ブレーカーの閉鎖指示を施設外電力量計１１４に通信部１９２ｃを用いて送信する（ステップＳ１３６）。

　施設外電力量計１１４は、閉鎖指示を受信した場合、ブレーカーを閉状態に変更し、第２機器１７２への電力供給を終了する。施設外電力量計１１４は、閉鎖が完了した旨の報告を受給装置管理サーバ１９２に通信部１１４ｃを用いて送信する（ステップＳ１３７）。

　以上、図１１から図１３を用いて、電力受給の開始方法及び終了方法を説明したが、同様の手順で第２機器１７２から電力網１１０に電力を供給する給電が実行されてよい。

　各会社、事業者間における電力料金は、図１４に示されるように精算されてよい。

　送配電サーバ１４０は、所定の周期で、送配電網を流れた電力の請求情報を作成し、通信部１４０ｃを用いて幹事サーバ１９１に送信する（ステップＳ１４１）。所定の周期は、例えば１ヶ月に１回の頻度であってよいし、１日（２４時間）に１回の頻度であってもよい。具体的には、送配電サーバ１４０は、第１電力会社内サーバ１５０、第２電力会社内サーバ１６０及び受給装置管理サーバ１９２それぞれに対する料金支払いの請求情報を作成し、まとめて幹事サーバ１９１に送信する。第１電力会社内サーバ１５０及び第２電力会社内サーバ１６０に対する請求情報は、第１電力会社及び第２電力会社それぞれの契約需要家が需要家施設１７０で受電又は給電した電力量の情報に基づいて作成されてよい。需要家施設１７０で受電又は給電した電力量の情報のことを施設内使用情報ともいう。受給装置管理サーバ１９２に対する請求情報は、第１電力会社及び第２電力会社それぞれの契約需要家が電力受給装置１８０等の需要家施設外の需給装置で受電または給電した電力量の情報に基づいて作成されてよい。

　幹事サーバ１９１は、請求情報を受信した場合、受給装置管理サーバ１９２に対して請求情報通知を、通信部１９１ｃを用いて送信する（ステップＳ１４２）。ステップＳ１４２の処理は、第１電力会社及び第２電力会社それぞれの契約需要家が需要家施設外で使用した電力量に基づく請求情報を作成する為に実行される。幹事サーバ１９１は、受信した各サーバに対する請求情報の精算額の支払いを、まとめて送配電サーバ１４０に対して行う（ステップＳ１４３）。

　受給装置管理サーバ１９２は、請求情報通知を受信した場合、施設外使用情報を、需要家識別情報に対応する電力会社毎に分類する。受給装置管理サーバ１９２は、各電力会社の契約需要家に対する需要家施設１７０の外部での電力使用についての請求情報を生成する（ステップＳ１４４）。需要家施設１７０の外部での電力使用についての請求情報のことを、施設外請求情報ともいう。受給装置管理サーバ１９２は、各電力会社内サーバに対する施設外請求情報を、通信部１９２ｃを用いて幹事サーバ１９１に送信する（ステップＳ１４５）。

　幹事サーバ１９１は、各電力会社内サーバに対する請求情報と、各電力会社の契約需要家に対する施設外請求情報とに基づいて、各電力会社に対する請求情報の請求額を合算した合算請求額の情報を生成する。各電力会社内サーバに対する請求情報は、送配電サーバ１４０から受信したものである。各電力会社の契約需要家に対する施設外請求情報は、受給装置管理サーバ１９２から受信したものである。幹事サーバ１９１は、合算請求額を、記憶部１９１ａに記憶された各電力会社の電力受給計画に基づく想定請求額と比較する。幹事サーバ１９１は、電力網１１０に接続される電力会社内サーバに対する請求額間の調整を行い、調整後請求額の情報を生成する（ステップＳ１４６）。幹事サーバ１９１は、具体的には、合算請求額を想定請求額に近づけた調整後請求額を生成する。例えば、幹事サーバ１９１は、第１電力会社内サーバ１５０に対する合算請求額が想定請求額を上回り、第２電力会社に対する合算請求額が想定請求額を下回る場合、第１電力会社の超過分を第２電力会社が補填しているとみなす。幹事サーバ１９１は、この場合、第１電力会社への合算請求額の超過分を第２電力会社内の合算請求額から減額し、請求額の総額を変えないようにして調整を行う。

　幹事サーバ１９１は、調整後請求額を請求情報として、通信部１９１ｃを用いて、第１電力会社内サーバ１５０、第２電力会社内サーバ１６０及び受給装置管理サーバ１９２に送信する（ステップＳ１４７）。

　本実施形態に係る電気料金精算方法において、需要家施設１７０外での電力供給に特化した電力受給装置１８０が用いられる。本実施形態に係る電気料金精算方法によれば、需要家施設１７０外での電力需給設備を持たない電力会社が、需要家と契約した電力需給サービスを場所の制約を受けずに、あたかも自社サービスのように提供可能になる。各電力会社の電力需給の実績と電力受給計画との間に差異が生じた場合であっても、電力会社内サーバに対する請求額間の調整が行われることによって、実績が電力受給計画に近づけられうる。

　図１５及び図１６に示されるように、本実施形態に係る電力管理システム１００は、電力需給を調整することができる。図１５及び図１６の例において、第２機器１７２は、需要家施設１７０から外部に持ちだされ、電力受給装置１８０から電気供給を受けていると仮定する。図１５及び図１６における電力需給調整の要請は、実施形態１におけるＤＲ要請であってよい。

　送配電サーバ１４０は、電力系統監視装置１１５を用いて電力網１１０の運転状況を監視する（ステップＳ１５１）。送配電サーバ１４０は、電力網１１０の需給調整が必要と判断した場合、通信部１４０ｃを用いて需給調整要請を第１電力会社内サーバ１５０に送信する。第１電力会社内サーバ１５０は、需給調整要請を受信した場合、通信部１５０ｃを用いてアグリゲータサーバ２１０に調整要請を送信する（ステップＳ１５２）。需給調整が必要と判断される場合は、例えば、電力の需要と供給との間に著しく差異が発生した場合であってよい。需給調整が必要と判断される場合は、電力の需要と供給との間に著しい差異が発生すると予測される場合であってよい。需給調整が必要と判断される場合は、電力品質を示す電圧又は周波数等のアンシラリー情報が既定の範囲を超えた場合であってよい。需給調整が必要と判断される場合は、電力品質を示す電圧又は周波数等のアンシラリー情報が既定の範囲を超えることが予測される場合であってよい。

　アグリゲータサーバ２１０は、第１電力会社内サーバ１５０から需給調整指示を受けた場合、電力需給調整範囲情報に基づき、どの需要家にどの程度の需給調整を依頼するかの全体調整計画を策定する（ステップＳ１５３）。アグリゲータサーバ２１０は、需要家施設１７０に設置された電力管理装置１７３に、通信部２１０ｃを用いて全体調整計画に基づく需給調整要請を送信する（ステップＳ１５４）。

　電力管理装置１７３は、第１機器１７１及び第２機器１７２の過去の稼働状況に基づき個別調整計画を策定する。電力管理装置１７３は、個別調整計画が規定する調整時刻になった場合、調整を開始する（ステップＳ１５５）。

　電力管理装置１７３は、第１機器１７１及び／又は第２機器１７２に、通信部１７３ｃを用いて需給調整の指示を送信する。第１機器１７１及び第２機器１７２は、調整指示を受信した旨の通知をそれぞれ通信部１７１ｃ及び通信部１７２ｃを用いて電力管理装置１７３に返信する（ステップＳ１５６）。具体的には、例えば、電力管理装置１７３は、需給調整対象リストに登録された機器に対して施設内通信によって調整指示を送信する。電力管理装置１７３は、施設内通信によって調整指示を送信できない機器がある場合には、外部通信によって調整指示を送信する。電力管理装置１７３は、例えば、個別調整計画の策定後、調整時刻になる前に、機器が施設内通信によって通信可能である間に調整指示を予め送信する。例えば、需要家施設１７０から外部に持ちだされている第２機器１７２は、調整指示を受信した場合、要請された調整指示による調整を全て実施する旨の応答をしてよいし、施設外利用で必要となる容量を残す旨を応答してよい。需給調整は、節電動作、発電動作又は蓄電池の充放電動作等によって行われてよい。

　第２機器１７２は、電力供給を受ける電力受給装置１８０又は施設外電力量計１１４と通信して、調整を開始する前の現在の電力、周波数、及び電圧の各測定値を取得する。第２機器１７２は、取得した各測定値を需要家施設１７０内に設置された電力管理装置１７３に通信部１７２ｃを用いて送信する（ステップＳ１５７）。第１機器１７１及び第２機器１７２は、需給調整を実行する（ステップＳ１５８）。

　指定された調整時刻が終了した場合（図１６のステップＳ１５９）、電力管理装置１７３は、第１機器１７１及び第２機器１７２に対し、通信部１７３ｃを用いて需給調整の終了指示を送信する（ステップＳ１６０）。第２機器１７２は、電力受給装置１８０又は施設外電力量計１１４と通信し、調整終了時の現在の電力、周波数、及び電圧の測定値を取得する（ステップＳ１６１）。

　電力管理装置１７３は、第２機器１７２の調整結果を確認する（ステップＳ１６２）。電力管理装置１７３は、需要家施設１７０内の第１機器１７１等の調整結果と合算することで集計する（ステップＳ１６３）。電力管理装置１７３は、需要家施設１７０の各機器の調整結果を、通信部１７３ｃを用いてアグリゲータサーバ２１０に送信する（ステップＳ１６４）。

　アグリゲータサーバ２１０は、各需要家施設からの調整結果を集計する（ステップＳ１６５）。アグリゲータサーバ２１０は、集計した調整結果を、通信部２１０ｃを用いて第１電力会社内サーバ１５０に送信する（ステップＳ１６６）。第１電力会社内サーバ１５０は、その結果を、通信部１５０ｃを用いて送配電サーバ１４０に送信する（ステップＳ１６７）。

　本実施形態に係る電力需給調整方法によれば、需要家施設１７０外に持ち出された第２機器１７２が電力受給装置１８０を利用しながら需給調整を行うことができる。本実施形態に係る電力需給調整方法によれば、需要家施設１７０内の機器だけでなく、需要家施設１７０外に持ち出された第２機器１７２も、需要家施設１７０に対して要請された電力需給調整に寄与しうる。このようにすることで、需要家が電力網１１０の電力品質の維持に協力し、電力系統６の安定化に寄与しやすくされうる。

　本実施形態に係る電力管理装置１７３は、図１７に示されるように、需給調整機器リストを更新できる。

　電力管理装置１７３は、管理機器リストを読み出し、管理機器リストに登録された機器である第１機器１７１及び第２機器１７２の所在を確認する（ステップＳ２０１）。具体的には、電力管理装置１７３は、それぞれの機器に応じて、手動操作により又は自動で確認してよいし、有線通信又は無線通信の接続状況で確認してよい。ステップＳ２０１の確認処理は、需要家施設１７０内及び需要家施設１７０外それぞれに所在する機器に対して別々の方法で同時に行われてよい。

　電力管理装置１７３は、管理機器リストに登録された第１機器１７１又は第２機器１７２の中に除外対象機器があるか判定する（ステップＳ２０２）。除外対象機器は、所在が確認できない機器、又は需給調整に使えない機器等であってよい。管理機器リストの中に除外対象機器がある場合（ステップＳ２０２のＹｅｓ）、電力管理装置１７３は、除外対象機器を除いた需給調整機器リストを生成・更新する（ステップＳ２０３）。一方、電力管理装置１７３は、除外対象機器が無い場合（ステップＳ２０２のＮｏ）、処理を終了する。

　電力管理装置１７３は、一定周期毎にこの確認を行うことによって、常に第１機器１７１及び第２機器１７２の所在を把握することができる。

　図１５から図１７を参照して、需要家施設１７０外で受給装置管理サーバ１９２が提供する電力受給装置１８０を使っているときに電力系統６の安定化に用いられる需給調整技術の動作方法について説明してきた。この調整技術が動作している間、受給装置管理サーバ１９２は何も行わなくてよい。即ち、第１電力会社が需給調整サービスを提供し、且つ、第２電力会社が需給調整サービスを提供しない場合であっても、受給装置管理サーバ１９２が構築する電力接続サービスは、影響を受けない。

　本実施形態に係る電力管理システム１００は、需要家の施設外に設けた電力受給装置１８０を管理する受給装置管理サーバ１９２を備える。本実施形態に係る電力管理システム１００は、電力網１１０の電力品質を維持するためのアンシラリー情報を取得する送配電サーバ１４０を備える。本実施形態に係る電力管理システム１００は、電力受給装置１８０を経由した受電又は給電の開始を申請する需要家の第２機器１７２を備える。送配電サーバ１４０は、第２機器１７２による受電又は開始の申請を、アンシラリー情報に基づいて承認又は却下する。従って、電力網１１０の電力品質を維持することができる。

（実施形態３）
　図１８に示されるように、実施形態３に係る電力管理システム１００’は、電力網１１０と、第１電力量計１１１と、第２電力量計１１２と、施設内電力量計１１３と、施設外電力量計１１４と、電力系統監視装置１１５とを備える。電力管理システム１００’は、第１発電所１２０と、第２発電所１３０と、送配電サーバ１４０と、第１電力会社内サーバ１５０と、第２電力会社内サーバ１６０と、需要家施設１７０と、電力受給装置１８０とを備える。電力管理システム１００’は、アグリゲータサーバ２１０と、インターネット等の通信網２２０とを備える。需要家施設１７０は、第１機器１７１と、第２機器１７２と、電力管理装置１７３とを備える。

　第１電力会社内サーバ１５０及び第２電力会社内サーバ１６０は、実施形態２に係る電力管理システム１００が備える認証記憶部２００と同様の記憶部を備える。第１電力会社内サーバ１５０及び第２電力会社内サーバ１６０以外の構成部については、実施形態２における各構成部と同一であるので、説明を省略する。

　本実施形態に係る電力管理システム１００’において、電力受給装置１８０から第２機器１７２への電力供給開始方法及び電力供給終了方法が実施されてよい。本実施形態に係る電力供給開始方法及び電力供給終了方法は、第１電力会社内サーバ１５０が、図１１から図１３における受給装置管理サーバ１９２に係る処理も実行することで、実施されてよい。

　本実施形態に係る電力管理システム１００’において、電力需給調整方法及び需給調整機器リスト更新方法が実施されてよい。本実施形態に係る電力需給調整方法及び需給調整機器リスト更新方法は、図１５から図１７の各ステップの処理を実行することで、実施されてよい。

　本実施形態に係る電力管理システム１００’は、電力網１１０の電力品質を維持するためのアンシラリー情報を取得する送配電サーバ１４０を備える。本実施形態に係る電力管理システム１００’は、電力受給装置１８０を経由した受電又は給電の開始を申請する需要家の第２機器１７２を備える。送配電サーバ１４０は、第２機器１７２による受電又は開始の申請を、アンシラリー情報に基づいて承認又は却下する。従って、電力網１１０の電力品質を維持することができる。

　本開示に係る構成を諸図面や実施形態に基づき説明してきたが、当業者であれば本開示に基づき種々の変形や修正を行うことが容易であることに注意されたい。従って、これらの変形や修正は本開示の範囲に含まれることに留意されたい。例えば、各構成部、各ステップなどに含まれる機能などは論理的に矛盾しないように再配置可能であり、複数の構成部やステップなどを１つに組み合わせたり、或いは分割したりすることが可能である。

　送配電サーバ１４０、第１電力会社内サーバ１５０、第２電力会社内サーバ１６０、幹事サーバ１９１、受給装置管理サーバ１９２、及びアグリゲータサーバ２１０は、これらの機能の一部又は全てが統合されたサーバ装置とされてよい。送配電サーバ１４０、第１電力会社内サーバ１５０、第２電力会社内サーバ１６０、幹事サーバ１９１、受給装置管理サーバ１９２、及びアグリゲータサーバ２１０は、更に細分化されたサーバ装置とされてよい。これらサーバ装置は、クラウドコンピューティングサービスの形態で提供されてよい。

　本開示に係る構成として装置を中心に説明してきたが、本開示に係る構成は装置の各構成部が実行するステップを含む方法としても実現し得るものである。本開示に係る構成は装置が備えるプロセッサにより実行される方法、プログラム、又はプログラムを記録した記憶媒体としても実現し得るものであり、本開示の範囲にはこれらも包含されるものと理解されたい。

　本開示内容の制御は、プログラム命令を実行可能なコンピュータシステムその他のハードウェアによって実行される、一連の動作として示される。コンピュータシステムその他のハードウェアには、例えば、汎用コンピュータ、ＰＣ（Ｐｅｒｓｏｎａｌ　Ｃｏｍｐｕｔｅｒ）、専用コンピュータ、ワークステーション、またはその他のプログラム可能なデータ処理装置が含まれてよい。各実施形態では、種々の動作は、プログラム命令で実装された専用回路、１つ以上のプロセッサによって実行される論理ブロック、またはプログラムモジュール等によって実行されることに留意されたい。プログラム命令は、ソフトウェアであってよい。専用回路は、例えば、特定機能を実行するために相互接続された個別の論理ゲートであってよい。論理ブロックやプログラムモジュール等を実行する一以上のプロセッサには、例えば、一以上のマイクロプロセッサ、ＣＰＵ（Ｃｅｎｔｒａｌ　Ｐｒｏｃｅｓｓｉｎｇ　Ｕｎｉｔ）、ＡＳＩＣ（Ａｐｐｌｉｃａｔｉｏｎ　Ｓｐｅｃｉｆｉｃ　Ｉｎｔｅｇｒａｔｅｄ　Ｃｉｒｃｕｉｔ）、ＤＳＰ（Ｄｉｇｉｔａｌ　Ｓｉｇｎａｌ　Ｐｒｏｃｅｓｓｏｒ）、ＰＬＤ（Ｐｒｏｇｒａｍｍａｂｌｅ　Ｌｏｇｉｃ　Ｄｅｖｉｃｅ）、ＦＰＧＡ（Ｆｉｅｌｄ　Ｐｒｏｇｒａｍｍａｂｌｅ　Ｇａｔｅ　Ａｒｒａｙ）、コントローラ、マイクロコントローラ、電子機器、ここに記載する機能を実行可能に設計されたその他の装置、及び／又は、これらいずれかの組合せが含まれる。ここに示す実施形態は、たとえば、ハードウェア、ソフトウェア、ファームウェア、ミドルウェア、マイクロコードまたはこれらいずれかの組合せによって実装されてよい。

　ここで用いられるネットワークには、他に特段の断りがない限りは、インターネット、アドホックネットワーク、ＬＡＮ(Ｌｏｃａｌ　Ａｒｅａ　Ｎｅｔｗｏｒｋ)、セルラーネットワーク、もしくは他のネットワークまたはこれらいずれかの組合せが含まれてよい。

　１　電力管理システム
　２　第１サーバ（ＤＲ要請サーバ）
　２１　第１制御部（ＤＲ要請処理部）
　２２　第１通信部
　３　第２サーバ（需要予測サーバ）
　３１　第２制御部（需要予測部）
　３２　第２通信部
　４　記憶装置
　５　入力装置
　６　電力系統
　７　電力事業者群
　７１　電力事業者サーバ
　８　需要家施設群
　８１　需要家施設
　１００，１００’　電力管理システム
　１１０　電力網
　１１１　第１電力量計
　１１２　第２電力量計
　１１３　施設内電力量計
　１１４　施設外電力量計
　１１５　電力系統監視装置
　１２０　第１発電所
　１３０　第２発電所
　１４０　送配電サーバ（サーバ装置）
　１５０　第１電力会社内サーバ
　１６０　第２電力会社内サーバ
　１７０　需要家施設
　１７１　第１機器
　１７２　第２機器
　１７３　電力管理装置
　１８０　電力受給装置
　１９０　管理サーバ
　１９１　幹事サーバ
　１９２　受給装置管理サーバ
　２００　認証記憶部
　２１０　アグリゲータサーバ
　２２０　通信網

Claims

　複数の需要家施設に対して電力需要の削減を要請する制御部と、
　前記電力需要の削減が要請される要請日と該要請日に要請される電力需要の削減量を示す要請量とを含む要請情報を取得する通信部と
を備え、
　前記制御部は、
　前記電力需要の相関がある日の分類を示すクラスの中から、前記要請日が属する要請日クラスを決定し、
　所定日数の間の前記要請日クラスに属する日において、前記制御部が前記複数の需要家施設のそれぞれに対して前記電力需要の削減を要請した回数を示す要請回数、及び、前記複数の需要家施設が前記電力需要の削減に参加した回数を示す参加回数の少なくとも一方を前記複数の需要家施設について算出し、
　前記要請回数、及び、前記参加回数の少なくとも一方と、前記要請量とに基づいて、前記複数の需要家施設の中から前記電力需要の削減を要請する対象とする要請先需要家施設を決定する、サーバ。
　前記通信部は、前記複数の需要家施設における電力需要実績データに基づいて生成された前記要請情報を取得する、請求項１に記載のサーバ。
　前記制御部は、前記要請回数、及び、前記参加回数の少なくとも一方に基づいて、前記複数の需要家施設に順位を設定し、該順位に基づいて前記要請先需要家施設を選択する、請求項１又は２に記載のサーバ。
　前記制御部は、前記要請回数、及び、前記参加回数の少なくとも一方が所定回数以下である需要家施設を前記要請先需要家施設として選択する、請求項１乃至３いずれか一項に記載のサーバ。
　前記制御部は、
　電力網の電力品質を維持するためのアンシラリー情報を取得し、
　前記要請先需要家施設の外部に設けられた電力受給装置を経由して行う、前記要請先需要家施設の機器に対する受電又は給電の開始の申請を、前記アンシラリー情報に基づいて承認又は却下する、請求項１乃至４いずれか一項に記載のサーバ。
　複数の需要家施設に対して電力需要の削減を要請する第１サーバと、
　前記電力需要の削減が要請される要請日と該要請日に要請される電力需要の削減量を示す要請量とを含む要請情報を生成する第２サーバと
を備え、
　前記第１サーバは、第１制御部と、前記第２サーバから前記要請情報を取得する第１通信部と、を備え、
　前記第１制御部は、
　前記電力需要の相関がある日の分類を示すクラスの中から、前記要請日が属する要請日クラスを決定し、
　所定日数の間の前記要請日クラスに属する日において、前記第１サーバが前記複数の需要家施設のそれぞれに対して前記電力需要の削減を要請した回数を示す要請回数、及び、前記複数の需要家施設が前記電力需要の削減に参加した回数を示す参加回数の少なくとも一方を前記複数の需要家施設について算出し、
　前記要請回数、及び、前記参加回数の少なくとも一方と、前記要請量とに基づいて、前記複数の需要家施設の中から前記電力需要の削減を要請する対象とする要請先需要家施設を決定し、
　前記第２サーバは、
　前記複数の需要家施設から電力需要実績データを取得する第２通信部と、
　前記電力需要実績データに基づいて前記要請情報を生成する第２制御部と
を備える、電力管理システム。
　前記第１通信部は、前記複数の需要家施設における電力需要実績データに基づいて生成された前記要請情報を取得する、請求項６に記載の電力管理システム。
　前記第１制御部は、前記要請回数、及び、前記参加回数の少なくとも一方に基づいて、前記複数の需要家施設に順位を設定し、該順位に基づいて前記要請先需要家施設を選択する、請求項６又は７に記載の電力管理システム。
　前記第１制御部は、前記要請回数、及び、前記参加回数の少なくとも一方が所定回数以下である需要家施設を前記要請先需要家施設として選択する、請求項６乃至８いずれか一項に記載の電力管理システム。
　前記第１制御部は、
　電力網の電力品質を維持するためのアンシラリー情報を取得し、
　前記要請先需要家施設の外部に設けられた電力受給装置を経由して行う、前記要請先需要家施設の機器に対する受電又は給電の開始の申請を、前記アンシラリー情報に基づいて承認又は却下する、請求項６乃至９いずれか一項に記載の電力管理システム。
　複数の需要家施設に対して電力需要の削減を要請するサーバが実行する電力管理方法であって、
　前記電力需要の削減が要請される要請日と該要請日に要請される電力需要の削減量を示す要請量とを含む要請情報を取得する取得ステップと、
　前記電力需要の相関がある日の分類を示すクラスの中から、前記要請日が属する要請日クラスを決定するクラス決定ステップと、
　所定日数の間の前記要請日クラスに属する日において、前記サーバが前記複数の需要家施設のそれぞれに対して前記電力需要の削減を要請した回数を示す要請回数、及び、前記複数の需要家施設が前記電力需要の削減に参加した回数を示す参加回数の少なくとも一方を前記複数の需要家施設について算出する算出ステップと、
　前記要請回数、及び、前記参加回数の少なくとも一方と、前記要請量とに基づいて、前記複数の需要家施設の中から前記電力需要の削減を要請する対象とする要請先需要家施設を選択する選択ステップと
を含む電力管理方法。
　前記取得ステップにおいて、
　前記複数の需要家施設における電力需要実績データに基づいて生成された前記要請情報を取得する、請求項１１に記載の電力管理方法。
　前記選択ステップにおいて、
　前記要請回数、及び、前記参加回数の少なくとも一方に基づいて、前記複数の需要家施設に順位を設定し、該順位に基づいて前記要請先需要家施設を選択する、請求項１１又は１２に記載の電力管理方法。
　前記選択ステップにおいて、
　前記要請回数、及び、前記参加回数の少なくとも一方が所定回数以下である需要家施設を前記要請先需要家施設として選択する、請求項１１乃至１３いずれか一項に記載の電力管理方法。
　電力網の電力品質を維持するためのアンシラリー情報を取得するステップと、
　前記要請先需要家施設の外部に設けられた電力受給装置を経由して行う、前記要請先需要家施設の機器に対する受電又は給電の開始の申請を、前記アンシラリー情報に基づいて承認又は却下するステップと
をさらに含む、請求項１１乃至１４いずれか一項に記載の電力管理方法。