WO2016157965A1

WO2016157965A1 - トイレ用リモートコントロール装置

Info

Publication number: WO2016157965A1
Application number: PCT/JP2016/052135
Authority: WO
Inventors: 浩和島▲崎▼; 保行古谷; 哲郎秦
Original assignee: 株式会社Ｌｉｘｉｌ
Priority date: 2015-03-30
Filing date: 2016-01-26
Publication date: 2016-10-06

Abstract

　リモートコントロール装置に不揮発性の表示部を設ける。通常動作時は、「洗浄強さ」表示部１００、現在時刻表示部１０２、割り付け変動ボタン１８の割り付け表示部１０４など操作のための補助情報を表示する（画面（ａ））。電池電圧が所定のしきい値以下となったらそれを警告する電池マーク１０６を追加表示する（画面（ｂ））。その後、装置の動作を停止させる条件を満たしたら、電池の寿命が到来したことや電池の交換手順などの情報を表示する（画面（ｃ））。

Description

トイレ用リモートコントロール装置

　本発明は、洗浄機能を備えた便器を制御する電池電源式トイレ用リモートコントロール装置に関する。

　従来、洗浄機能を備えた便器本体に光信号を発信することにより便器の動作を制御するリモートコントロール装置が実用化されている。電池電源により駆動するリモートコントロール装置においては、電池の寿命が近づいた際、使用者にその旨を通知したり操作の受け付けを停止させたりすることにより、便器本体が作動している途中で制御不能に陥るなどの不便を防止する技術が提案されている（例えば特許文献１乃至３参照）。また便器本体の高機能化に伴い、各機能に対応できるようにリモートコントロール装置の操作体系も複雑化している。近年では、電池の残量を含む様々な情報を提供するために、液晶パネルなどの表示装置を備えるリモートコントロール装置も増えつつある（例えば特許文献４参照）。

特開平８－３１９６４９号公報特開平１１－２１４０４４号公報特開２０１０－２００５９１号公報特開２００６－１９４００９号公報

　しかしながら電池電源によるリモートコントロール装置では、電池の寿命が到来すれば表示装置への電力供給も絶たれるため、電池残量等の情報提供の手段がなくなってしまう。このことは、表示装置のみならず発光素子の発光により電池の寿命を警告する形式のリモートコントロール装置でも同様である。その結果、電池の寿命が近づいていたことを使用者が事前に認識していなかった場合は特に、リモートコントロール装置の不具合の原因が電池の寿命にあることに気づかないことが考えられる。また、出荷時など電池が格納されていない状態においては、取扱説明書以外に情報提供の手段がなく、使用者が操作を開始できるようにするまでの初期作業に手間取ることが考えられる。

　また、リモートコントロール装置に表示機能を設けた場合、操作の有無にかかわらず表示のための電力が必要となる。液晶ディスプレイなど光源を要する一般的な表示装置では、人がトイレ室にいない多くの時間においても電力を消費し続けることになる。そのため例えば電池電源式のリモートコントロール装置の場合、使用者が気づかないうちに電池の寿命が到来してしまい、突如操作が効かなくなるなどの問題が生じることが考えられる。また電池を交換する頻度が増えて使用者の手間になる。電池電源式に限らず、電力消費量を極力抑え、かつ必要な情報を見やすく提示できるリモートコントロール装置が求められている。

　本発明は、このような課題に鑑みてなされ、その目的は、電池電源式のトイレ用リモートコントロール装置において、電池の状態に関わらず必要な情報を確実に提供できる技術を提供することにある。本発明の別の目的は、トイレ用リモートコントロール装置において、電力の消費を抑えながら必要な情報を見やすく提示できる技術を提供することにある。

　上記課題を解決するために、本発明のある態様のトイレ用リモートコントロール装置は、使用者による操作に応じて無線信号を発信することにより本体装置の動作を制御するリモートコントロール装置であって、前記リモートコントロール装置の操作のための情報を表示する不揮発性の表示部を備える。

　「不揮発性の表示部」とは、電力の供給がなくとも表示内容を維持することのできる表示機構を有する装置である。この構成によると、電池の残量に関わらず、有用な情報を使用者に確実かつ容易に認識させることができる。また、表示のための電力消費は表示内容を更新するときのみに発生するため、電力消費量を抑えることができる。

　本発明によれば、電池電源式のトイレ用リモートコントロール装置において、電池の状態に関わらず、必要な情報を使用者に確実に提供することができる。またトイレ用リモートコントロール装置において、電力の消費を抑えながら必要な情報を見やすく提示できる。

本実施形態に係るリモートコントロール装置と便器本体とを備えたトイレ室の概略を示す図である。本実施形態におけるリモートコントロール装置の外観構成例を示す図である。本実施形態におけるリモートコントロール装置と便器本体の機能ブロックの構成を示す図である。本実施形態において表示部に表示される画面の例を示す図である。本実施形態において、リモートコントロール装置の動作を停止させたときに表示される画面の別の例を示す図である。本実施の形態においてリモートコントロール装置が行う電池消耗に係る処理の手順を示すフローチャートである。本実施形態に係るリモートコントロール装置と便器本体とを備えたトイレ室の概略を示す図である。本実施形態におけるリモートコントロール装置の外観構成例を示す図である。本実施形態におけるリモートコントロール装置と便器本体の機能ブロックの構成を示す図である。本実施形態において表示部に表示される画面の変遷例を示す図である。本実施形態において表示部に表示される画面の変遷の別の例を示す図である。本実施の形態においてリモートコントロール装置が行うリフレッシュ動作および時刻表示に係る処理の手順を示すフローチャートである。本実施の形態において使用者の操作の有無を判定基準に用いた場合の、人の不在を判定するための処理手順を示すタイムチャートである。本実施の形態において便器本体における人体検知結果を判定基準に用いた場合の、人の不在を判定するための処理手順を示すタイムチャートである。本実施の形態において使用者の操作の有無と、便器本体における人体検知結果の双方を判定基準に用いた場合の、人の不在を判定するための処理手順を示すタイムチャートである。本実施形態に係るリモートコントロール装置と便器本体とを備えたトイレ室の概略を示す図である。本実施形態におけるリモートコントロール装置の外観構成例を示す図である。本実施形態におけるリモートコントロール装置と便器本体の機能ブロックの構成を示す図である。本実施形態において表示部に表示される画面の変遷例を示す図である。本実施形態においてリフレッシュ動作のタイミングを決定する条件とリフレッシュ動作時に表示する内容に係る設定データの構造例を示す図である。本実施の形態においてリモートコントロール装置が行うリフレッシュ動作に係る処理の手順を示すフローチャートである。

[第１実施形態]
　まず第１実施形態の概要を述べる。第１実施形態のトイレ用リモートコントロール装置は、電池を電源とし、使用者による操作に応じて無線信号を発信することにより本体装置の動作を制御するリモートコントロール装置であって、リモートコントロール装置の操作のための補助情報を表示するとともに、電池の状態に起因して操作の受け付けが停止している期間において、前記補助情報以外の暫定情報を表示する不揮発性の表示部を備える。

　「不揮発性の表示部」とは、電力の供給がなくとも表示内容を維持することのできる表示機構を有する装置である。また「暫定情報」とは、リモートコントロール装置を通常使用する際に表示する情報とは別に、リモートコントロール装置の操作の受け付けが停止している状態に対応させて準備された情報である。この構成によると、電池の残量に関わらず、また、電池が格納されているか否かに関わらず、情報を表示し続けられるため、各状態に応じた有用な情報を使用者に確実かつ容易に認識させることができる。

　格納された電池の電圧を監視する電圧監視部と、電圧および使用者による操作状況が所定の条件を満たしたとき、電池寿命に起因する操作の受け付けの停止を判定する停止判定部と、操作の受け付けの停止が判定された際、表示部に、暫定情報として電池寿命に係る情報を表示させる表示制御部と、を備えてもよい。この構成によると、電池寿命の到来によりリモートコントロール装置の操作の受け付けを停止させても、それに係る情報を表示し続けられるため、使用者に停止の原因が電池の寿命にあることを確実に認識させることができる。

　表示部は、リモートコントロール装置の操作の受け付けが停止している期間に、補助情報を非表示としてもよい。この構成によると、リモートコントロール装置の操作が受け付けられない状態にあることが一見して把握できるため、使用者が無駄に周辺のボタンを押下することがなくなる。また大きな表示面積を確保できるため、暫定情報として多くの情報を一度に表示することができる。

　表示部は、暫定情報として、電池の交換手順に係る表示を含めてもよい。この構成によると、電池の寿命が到来しても電池の交換手順を表示し続けられるため、使用者は電池を交換しなければならないことを一見して認識できるとともに、取扱説明書等を確認することなく容易に電池を交換できる。

　表示部は、暫定情報として、リモートコントロール装置の代替操作手段を提示する表示を含めてもよい。この構成によると、電池の寿命が到来してもリモートコントロール装置以外の代替操作手段を表示し続けられるため、使用者はリモートコントロール装置を用いずに無理なく目的を達成させることができる。

　表示部は、工場出荷から最初に電池が格納されるまでの期間において、リモートコントロール装置を使用できる状態にするために必要な初期作業に係る情報を暫定情報として表示してもよい。この構成によると、製品として出荷されたリモートコントロール装置に電池が格納されていなくても、必要な初期作業に係る情報を表示し続けられるため、施工業者や使用者は取扱説明書等を確認することなく初期作業を適切に行い、リモートコントロール装置を使用できる状態にすることができる。

　次に第１実施形態の詳細を説明する。図１は、本発明の一実施形態に係るリモートコントロール装置と便器本体を備えたトイレ室の概略を斜視図で表している。図示するように、便器本体５０ａに着座した使用者から見て右側の壁面には、リモートコントロール装置１０ａが備え付けられる。便器本体５０ａは水洗便器であり、手動または自動で水を流すことにより便器内部を洗浄する機能を有する。便器本体５０ａにはさらに、人体局部に向けて洗浄水を噴出させるノズルや脱臭ファンなどが設けられてよい。

　便器本体５０ａのこれらの機能を自動で作動させるため、便座の後部には使用者の着座、離座を検知する着座センサ５４が設けられる。リモートコントロール装置１０ａは、便器本体５０ａの各種機能を手動で作動させるための入力装置である。リモートコントロール装置１０ａは使用者の操作に応じて、当該操作の内容を示す赤外線や電波などの無線信号を送信部１２から便器本体５０ａへ送信する。便器本体５０ａの後部上面には当該無線信号を受信する受信部５６が設けられる。

　便器本体５０ａの内部には、受信部５６が取得した無線信号に基づき操作内容を解釈し、それに対応する機能を作動させる制御機構が設けられる。また便器本体５０ａの左側面には本体スイッチ５８が設けられ、リモートコントロール装置１０ａを介さずに便器洗浄の機能を作動させられるようにしている。なお便器本体５０ａの外観形状やセンサおよびスイッチの位置、リモートコントロール装置１０ａの外観形状や設置場所は一例であり、本実施の形態を限定する主旨ではない。

　図２はリモートコントロール装置１０ａの外観構成例を示しており、（Ａ）は正面図、（Ｂ）は右側面図である。この例では、リモートコントロール装置１０ａは横長の筐体を有し、（Ａ）に示すように正面を操作面とする。また（Ｂ）に示すように、リモートコントロール装置１０ａの側面には溝１９が設けられ、図のさらに右側に示すように壁面２２に固定されたホルダー部材２０の側面内側に設けられたレール２１に沿うように、上側からスライドさせて差し込むことにより、リモートコントロール装置１０ａを壁面２２に着脱可能に取り付けることができる。

　リモートコントロール装置１０ａの筐体内には図示しない電池ボックスおよびマイクロコンピュータが備えられる。マイクロコンピュータは電池ボックスに格納された電池を電源として各種処理を実施する。また電池からの電力は、後述する表示部１６における表示の切り替え、無線信号の発信、図示しないスピーカーからの音楽の再生などのためにも消費される。

　図２（Ａ）に示すようにリモートコントロール装置の正面には、操作ボタン部１４ａ、１４ｂ、表示部１６、割り付け変動ボタン１８が設けられる。操作ボタン部１４ａ、１４ｂは、便器本体５０ａの動作や表示部１６における表示を操作するための複数のボタンからなる。操作ボタン部１４ａ、１４ｂに設けられたボタンには、あらかじめ各種機能のいずれかが割り付けられている。したがってリモートコントロール装置１０ａは、使用者が押下したボタンに対応する機能を特定し、それに応じて送信部１２から無線信号を発信させたり表示部１６の表示を切り替えたりする。

　例えば操作ボタン部１４ａには、便座の開閉ボタン、便器洗浄のためのボタン、人体局部洗浄のためのボタンやそれを停止させるためのボタンを設ける。操作ボタン部１４ｂには、リモートコントロール装置１０ａの電源ボタンや、表示部１６の表示内容に対する操作ボタンを設ける。表示部１６は、使用者に必要な情報を提供するための表示装置であり、その時点での状況や使用者の操作に応じてその表示内容を変化させる。本実施の形態において表示部１６は、電力の供給がなくとも表示が持続する不揮発性の表示装置とする。これにより表示部１６は、通常状態において操作のための補助情報を表示する一方、電池の状態に起因してリモートコントロール装置１０ａの操作の受け付けを停止させている期間において、補助情報とは異なる暫定情報を表示する。

　不揮発性の表示装置は電子ペーパーや電気泳動ディスプレイなどの形態で実用化されており、電気泳動方式、粉体移動方式など様々な手法が提案されている。例えばマイクロカプセルによる電気泳動方式は、正・負に帯電させた白色・黒色の粒子を流体とともに封入したマイクロカプセルを画素とする表示方式であり、上下の電極に電圧を印加することにより粒子をマイクロカプセル内で泳動させ表面に集まる粒子の色を白または黒に制御する。所望の色の粒子を表面に集めたうえで電圧印加を停止してもその状態が維持されるため、不揮発性の表示を行える。

　このように不揮発性の表示装置はその方式によらず、表示内容を変化させるときのみに電力を消費し、電力供給を絶ってもその表示内容が維持される特性を有する。本実施の形態では表示部１６として不揮発性の表示技術を導入することにより、定常的に電力消費を軽減させるとともに、電池の寿命に係る情報やリモートコントロール装置を動作させるための情報などの暫定的な情報を、電池自体の寿命が到来しても表示し続けられるようにする。これにより、以後、使用者がどのタイミングで表示部１６を見ても、リモートコントロール装置１０ａの現状や必要な作業などを認識できる。なお不揮発性の表示装置の詳細な構成は上述のとおり方式によって様々に考えられるため、ここでは説明を省略する。

　割り付け変動ボタン１８は、操作内容や便器本体５０ａの状況に応じて機能の割り付けを変化させられるボタンである。表示部１６の画面において、各ボタンの直上に、その時点で割り付けられている機能を表示することで、ボタンと機能の対応を使用者が認識できるようにする。リモートコントロール装置１０ａは、使用者が押下したボタンに対応する機能を、その時点での割り付けに基づき特定し、それに応じて送信部１２から無線信号を発信させたり表示部１６の表示を切り替えたりする。

　図３はリモートコントロール装置１０ａと便器本体５０ａの機能ブロックの構成を示している。ここに示す各ブロックは、ハードウェア的には、コンピュータのＣＰＵをはじめとする素子、表示装置、機械装置で実現でき、ソフトウェア的にはコンピュータプログラム等によって実現されるが、ここでは、それらの連携によって実現される機能ブロックを描いている。したがって、これらの機能ブロックはハードウェア、ソフトウェアの組合せによっていろいろなかたちで実現できることは、当業者には理解されるところである。

　リモートコントロール装置１０ａは、操作受付部２４、信号送信部２６、停止判定部２８、電圧監視部３０、表示制御部３２、画像データ記憶部３１を備える。操作受付部２４は、図２で示した操作ボタン部１４ａ、１４ｂを構成するボタン、割り付け変動ボタン１８、および内部のマイクロコンピュータなどで実現し、使用者により押下されたボタンに対応する機能などの操作内容を特定したうえ、信号送信部２６および表示制御部３２にその情報を通知する。

　信号送信部２６は、マイクロコンピュータおよび図１で示した送信部１２などで実現し、操作受付部２４からの通知に基づき、使用者の操作内容を示す無線信号を生成して便器本体５０ａに送信する。停止判定部２８は、マイクロコンピュータなどにより実現し、電池の寿命が到来するか、あるいはその前の段階で、リモートコントロール装置１０ａの動作を停止させるタイミングを判定する。判定基準には電池の電圧のほか、電池の電圧が所定のしきい値以下となってからの使用者による操作回数、操作時間などを適宜組み合わせて用いてよい。

　したがって停止判定部２８は、操作回数をカウントするカウンタ、操作時間を積算するタイマおよびレジスタなど、採用する判定基準に応じた測定機構を内部に備える。操作受付部２４は、停止判定部２８による動作停止の要求に従い、操作の受け付けを停止させる。これによりリモートコントロール装置１０ａは、電源をオフにした状態へと移行する。電圧監視部３０は、リモートコントロール装置１０ａ背面の電池ボックスに格納された電池の電圧を測定する電圧判定回路とマイクロコンピュータなどにより実現する。電圧監視部３０は、所定の時間間隔で電池の電圧を測定し、それが所定のしきい値以下になったことを判定したら、その旨を表示制御部３２および停止判定部２８に通知する。

　表示制御部３２は、マイクロコンピュータおよび図２で示した表示部１６などで実現し、操作受付部２４から通知された使用者による操作内容、電圧監視部３０から通知された電池残量に係る情報、停止判定部２８から通知されたリモートコントロール装置１０ａの停止のタイミングなどに応じて、表示の内容を変化させる。上述の通り表示部１６を不揮発性の表示装置で構成することにより、表示に係る電力の消費はその内容を変化させたときのみに発生する。表示すべき画像や画面の構成などのデータは、想定される状況と対応づけて画像データ記憶部３１に格納しておく。

　便器本体５０ａは、信号受信部６０、動作制御部６２、および本体操作受付部６４を備える。信号受信部６０は、図１で示した受信部５６および便器本体５０ａに内蔵されたマイクロコンピュータなどにより実現し、リモートコントロール装置１０ａから送信された無線信号を受信して、使用者による便器本体５０ａに対する操作内容を特定する。動作制御部６２は、マイクロコンピュータと、その制御下にあり便器本体５０ａの各機能を実現する機械装置などにより実現し、信号受信部６０が特定した操作内容に対応するように機械装置を動作させる。

　本体操作受付部６４は、図１で示した本体スイッチ５８およびマイクロコンピュータなどにより実現し、使用者が本体スイッチ５８を用いて行った操作内容を特定する。動作制御部６２は、本体操作受付部６４が特定した操作内容によっても、対応する機械装置を動作させる。

　図４は、表示部１６に表示される画面の例を示している。なお同図では理解を容易にするため表示部１６の下側に設けられる４つの割り付け変動ボタン１８も併せて示している。まず図４の最上段の画面（ａ）は、リモートコントロール装置１０ａの電源が入れられたときなど定常状態で表示される画面の例である。画面（ａ）は、ノズルから噴出させる洗浄水の強さ（勢い）を表した「洗浄強さ」表示部１００、現在時刻表示部１０２、および割り付け変動ボタン１８の割り付け表示部１０４で構成される。

　「洗浄強さ」表示部１００は、洗浄水の６段階の強さを６つの円で表し、塗りつぶされた円の数で現在の設定を表している。図２で示した操作ボタン部１４ａにおける洗浄強さ調節のためのボタンの押下に応じて、塗りつぶした円の数を増減させる。現在時刻表示部１０２は、リモートコントロール装置１０ａに内蔵した時計により計測された現在時刻を表示する。つまり現在時刻表示部１０２は、時間の経過に応じて変化する。割り付け表示部１０４は、割り付け変動ボタン１８のそれぞれに対し現在割り付けられている機能を、各ボタンの直上に文字や図柄などで表示する。同図の場合、左のボタンから順に、「乾燥」、「脱臭」、「音楽」、「お手入れ」なる機能が割り付けられていることがわかる。

　この状態で割り付け変動ボタン１８のいずれかが押下されたら、そのボタンによって、対応する機能を示す無線信号を送信することにより便器本体５０ａを動作させる場合と、対応する機能のみに特化した操作画面へ表示を切り替える場合とが発生する。後者の場合、当該操作画面に対応するように、必要に応じて割り付け変動ボタン１８に新たな機能が割り付けられ、結果として割り付け表示部１０４の表示も変化する。なお図示する機能は一例であり、リモートコントロール装置１０ａまたは便器本体５０ａに設ける機能に応じて様々な機能の割り付けが考えられる。

　図４の中段の画面（ｂ）は、電池残量が少なくなってきたことを警告する画面の例である。この画面は、電池の電圧が所定のしきい値Ｖ_ｔｈ１以下となったことを電圧監視部３０が検知したときに表示される。ここでしきい値Ｖ_ｔｈ１は例えば２．５Ｖなどとする。同図の例では、定常状態において表示される画面（ａ）に、電池残量の少なさを示す電池マーク１０６を追加で表示している。このような表示により、使用者は、電池残量が少ないこと、ひいては近々に電池を交換すべきであることを認識できる。

　図４の最下段の画面（ｃ）は、画面（ｂ）の状態からさらに電池の残量が少なくなり、停止判定部２８の判定によってリモートコントロール装置１０ａの動作を停止させた状態において表示される画面の例である。この段階において表示部１６には、電池寿命の到来により電池を交換する必要があること、すなわち電池を交換しない限りリモートコントロール装置１０ａによる操作は行えないことを文字や図形で表示する。同図の例では「電池を交換してください」との文字情報が表示されている。

　さらにこの例では、「１．リモコンを持ち上げる」、「２．裏のフタを外し電池を交換する」なる文字情報で電池の交換手順を示している。このような表示により、使用者は取扱説明書を確認することなく、容易に電池を交換できる。また画面（ｃ）のように、表示部１６の全領域を利用して電池寿命に係る情報を表示することにより、割り付け表示部１０４が非表示となり、割り付け変動ボタン１８が無効であることも同時に表すことができる。

　このような画面を一旦、表示させてしまえば、以後、電力の供給なしに表示が維持される。そして電池が交換され電池電圧が復帰した際に、当該電池からの電力によって表示を画面（ａ）に戻すことができる。なお画面（ｂ）から画面（ｃ）への移行のタイミングは、上述のとおり電池の電圧のみを基準として判定するとは限らない。電池の電圧のみを基準としてリモートコントロール装置１０ａの動作を停止させた場合、ノズルから洗浄水が噴出している状態で電源電圧がしきい値を下回り、操作が効かなくなるといった不都合が発生し得るからである。

　このため停止判定部２８は、リモートコントロール装置１０ａに対する操作や便器本体５０ａの作動が何らなされていない場合に限り、電池の電圧がしきい値Ｖ_ｔｈ２以下となったときを判定基準としてリモートコントロール装置１０ａの動作を停止させる。ここでしきい値Ｖ_ｔｈ２は、電池マーク１０６の表示を開始するときのしきい値Ｖ_ｔｈ１より小さい値、例えば２．２Ｖなどとする。一方、リモートコントロール装置１０ａに対する操作や便器本体５０ａの作動がなされているときは、電圧がしきい値Ｖ_ｔｈ２以下となり、かつ、次に停止操作がなされたときにリモートコントロール装置１０ａの動作を停止させる。

　ただしリモートコントロール装置１０ａの動作を停止させる条件はこれに限らず、電池マーク１０６を表示した時点から計測して、停止ボタンが所定回数押されたとき、リモートコントロール装置１０ａの累積作動時間が所定時間に達したとき、などでもよい。さらに電池の電圧を組み合わせて条件を設定してもよい。いずれの場合も、表示制御部３２は、リモートコントロール装置１０ａの動作が停止した時点で表示を画面（ｃ）へ移行させる。

　図５は、リモートコントロール装置１０ａの動作を停止させたときに表示される画面の別の例を示している。この例では、リモートコントロール装置１０ａの代わりに本体スイッチ５８を用いて便器洗浄を行える旨の情報を表示している。またこの例では、本体スイッチ５８が便器本体のどこにあるかを絵で示している。これらの表示により、使用者は代替の操作手段を容易に認識でき、用を足した後にリモートコントロール装置１０ａを操作できずに慌ててしまうようなことがなくなる。図５のような表示は、使用者が一時的に利用するのみで電池残量を意識することのない公衆トイレなどでは特に有効である。なお図４の画面（ｃ）に示した電池の交換手順と、図５で示した操作の代替手段の情報は、図示するようにどちらか一方を表示してもよいし、同時に表示してもよい。

　次にこれまで述べた構成によって実現されるリモートコントロール装置１０ａの動作について説明する。図６は、本実施の形態においてリモートコントロール装置１０ａが行う電池消耗に係る処理の手順を示すフローチャートである。このフローチャートは、リモートコントロール装置１０ａの電源が入れられたときに開始する。これによりリモートコントロール装置１０ａの操作受付部２４は、使用者による操作の受付を開始する（Ｓ１０）。このとき表示制御部３２は、例えば図４の画面（ａ）に示したような画像のデータを画像データ記憶部３１から読み出して表示する。

　Ｓ１０の処理により、使用者の操作に応じて適宜、便器本体５０ａへ無線信号を送信したり表示部１６における表示を更新したりする。それと並行して、電圧監視部３０は電池の電圧を監視し続ける（Ｓ１２）。電圧がしきい値Ｖ_ｔｈ１以下でなければ表示はそのまま、つまり使用者の操作に応じた表示とする（Ｓ１２のＮ）。電池の電圧がしきい値Ｖ_ｔｈ１以下となったら（Ｓ１２のＹ）、表示制御部３２は、電池の残量が少なくなってきたことを表示により警告する（Ｓ１４）。

　例えば図４の画面（ｂ）のように、それまでの表示画面に電池マーク１０６を追加で表示する。ただし警告として表示する画像は電池マーク１０６に限らず、使用者がそれと認識できるような図形や文字でよい。この段階においても、操作受付部２４は使用者による各種操作の受け付けを継続する。この際、表示制御部３２は、使用者の操作によって操作画面を切り替えても、電池マーク１０６などの警告表示は維持する。一方、停止判定部２８は、上述のようにリモートコントロール装置１０ａの動作を停止させる条件が満たされるか否かの監視を開始する（Ｓ１６）。

　停止条件が満たされないうちは、電池残量に係る警告表示を継続したまま使用者の操作を受け付ける（Ｓ１６のＮ）。一方、停止条件が満たされたら（Ｓ１６のＹ）、停止判定部２８がその旨を操作受付部２４および表示制御部３２に通知することにより、操作の受け付けを停止するとともに（Ｓ１８）、図４の画面（ｃ）のように電池の寿命到来とそれに付随する情報を示す画面へ表示を切り替える（Ｓ２０）。これにより、以後、電池が交換されるまで当該表示が維持される。

　以上、述べた本実施の形態によれば、電池電源式のリモートコントロール装置において、電池の寿命が到来しそうな状況を判定し、その旨を示す画像を不揮発性の表示装置に表示する。これによりそれ以後、電池が交換されるまで当該画像の表示が維持されるため、使用者が再度、操作を試みるまでの時間経過に関わらず、リモートコントロール装置の操作が効かない原因が電池にあることを容易に認識させられる。操作が短時間で、かつ放置されている時間が長いトイレ室のリモートコントロール装置では特に、使用者が電池の減り具合を意識することが少なく、操作が効かないことの唐突感を受けやすい。したがって、本実施の形態の上記効果は、トイレ室のリモートコントロール装置には特に有効である。

　また不揮発性の表示装置を用い、最後の表示として電池寿命に係る画像を表示し、それとともにリモートコントロール装置の動作を停止させるため、それ以後は実質的には電池の消耗は発生しない。したがって表示のために電池の残量に余裕を見てリモートコントロール装置の動作を停止させる必要がなく、リモートコントロール装置の本来の機能のために電池の蓄電量を最大限に活用することができる。

　また表示領域全体に電池寿命に係る画像を表示させ、機能の割り付けを変更できるボタンに対する割り付け状態の表示など、操作受け付けのための表示を消去することにより、操作が受け付けられない状態にあることも一見して把握させることができる。さらに電池の交換方法を表示に含めることにより、使用者は、取扱説明書などを確認することなく容易に電池交換が可能となる。同様に、リモートコントロール装置の代替手段に係る情報を表示に含めることにより、電池交換がすぐに行えない状況においても使用者は容易に目的を果たすことができる。

　以上、第１実施形態に係るリモートコントロール装置について説明した。この実施の形態は例示であり、その各構成要素の組み合わせにいろいろな変形例が可能なこと、またそうした変形例も本発明の範囲にあることは当業者に理解されるところである。

　例えば本実施の形態は、電池が入れられ通常使用がなされているリモートコントロール装置における表示処理を説明したが、表示のタイミングはそれに限らない。例えばリモートコントロール装置を製造後、工場から出荷する前の段階で一旦通電させたうえで、電池を入れる方法や装置の設置方法など、リモートコントロール装置を使用できる状態にするために必要な初期作業に係る情報を表示させておいてもよい。これにより、施工業者や購入者は、取扱説明書を確認する必要なく、容易にリモートコントロール装置を設置したり電池を入れて使用を開始させたりできる。この場合も、電池ボックスに電池を入れることにより、表示制御部はその電力を用いて初期画面等へ表示を切り替えることができる。

[第２実施形態]
　まず第２実施形態の概要を述べる。第２実施形態のトイレ用リモートコントロール装置は、使用者による操作に応じて無線信号を発信することにより本体装置の動作を制御するリモートコントロール装置であって、操作に係る所定の情報を表示する不揮発性の表示部と、あらかじめ定めた判定基準に基づき人の不在を判定する不在判定部と、を備え、表示部は、不在判定部により人の不在が判定されている期間に、画素の色を変化させるリフレッシュ動作を実施する。

　「不揮発性の表示部」とは、電力の供給がなくとも表示内容を維持することのできる表示機構を有する装置である。この構成によると、表示のための電力消費は表示内容を更新するときのみに発生するため、電力消費量を抑えることができる。また人が不在のときに限定しリフレッシュ動作を能動的に実施するため、不揮発性の表示機構であっても、使用者に違和感や故障の誤解を与えることなく、残像を消去し見やすさを確保できる。

　不在判定部は、リモートコントロール装置に対する操作が所定時間発生しないことを判定基準として人の不在を判定してもよい。この構成によると、リモートコントロール装置の操作機能自体を利用して人の不在を判定できるため、容易かつ低コストでリフレッシュ動作のタイミングを適切に決定することができる。

　不在判定部は、本体装置に備えられた人体検知センサによる検知結果を通信により取得し、人体が検知されていないことを判定基準として人の不在を判定してもよい。この構成によると、本体装置の人体検知機能を利用して人の不在を判定できるため、容易かつ低コストでリフレッシュ動作のタイミングを適切に決定することができる。

　不在判定部は、リモートコントロール装置に対する操作が所定時間発生しなかったとき、通信により本体装置に備えられた人体検知センサによる検知結果を取得し、人体が検知されていないことを判定基準として人の不在を判定してもよい。この構成によると、リモートコントロール装置の操作状況と本体装置の人体検知状況なる２重の判定基準により人の不在を判定するため、リフレッシュ動作に適切なタイミングを高精度に決定することができる。また本体装置との通信頻度が抑えられ、電力消費をより軽減できる。

　表示部は、不在判定部により人の不在が判定された期間において、それまでに表示していた現在時刻を非表示としてもよい。この構成によると、人が見ていないと推定される期間は時刻表示を更新せずに済むため、使用者に違和感や故障の誤解を与えることなく電力消費をさらに抑えることができる。

　次に第２実施形態の詳細を説明する。なお第１実施形態と同じ機能を有する構成には同じ符号を付している。図７は、本発明の一実施形態に係るリモートコントロール装置と便器本体を備えたトイレ室の概略を斜視図で表している。図示するように、便器本体５０ｂに着座した使用者から見て右側の壁面には、リモートコントロール装置１０ｂが備え付けられる。便器本体５０ｂは水洗便器であり、手動または自動で水を流すことにより便器内部を洗浄する機能を有する。便器本体５０ｂにはさらに、人体局部に向けて洗浄水を噴出させるノズルや脱臭ファンなどが設けられてよい。

　便器本体５０ｂのこれらの機能を自動で作動させるため、便座の後部には使用者の着座、離座を検知する着座センサ５４が設けられる。リモートコントロール装置１０ｂは、便器本体５０ｂの各種機能を手動で作動させるための入力装置である。リモートコントロール装置１０ｂは使用者の操作に応じて、当該操作の内容を示す赤外線や電波などの無線信号を送受信部１１２から便器本体５０ｂへ送信する。便器本体５０ｂの後部上面には当該無線信号を受信する送受信部１５６が設けられる。

　後述するように、本実施の形態のリモートコントロール装置１０ｂは、便器本体５０ｂへ無線信号を送信するのみならず、便器本体５０ｂから送信された、着座センサ５４による検知結果などを表す無線信号を受信する。すなわちリモートコントロール装置１０ｂの送受信部１１２および便器本体５０ｂの送受信部１５６は双方向通信のインターフェースとして機能し、それぞれが無線信号の送信手段と受信手段を備える。

　便器本体５０ｂの内部には、送受信部１５６が取得した無線信号に基づき操作内容を解釈し、それに対応する機能を作動させる制御機構が設けられる。また便器本体５０ｂの左側面には本体スイッチ５８が設けられ、リモートコントロール装置１０ｂを介さずに便器洗浄の機能を作動させられるようにしている。なお便器本体５０ｂの外観形状やセンサおよびスイッチの位置、リモートコントロール装置１０ｂの外観形状や設置場所は一例であり、本実施の形態を限定する主旨ではない。

　図８はリモートコントロール装置１０ｂの外観構成例を示しており、（Ａ）は正面図、（Ｂ）は右側面図である。この例では、リモートコントロール装置１０ｂは横長の筐体を有し、（Ａ）に示すように正面を操作面とする。また（Ｂ）に示すように、リモートコントロール装置１０ｂの側面には溝１９が設けられ、図のさらに右側に示すように壁面２２に固定されたホルダー部材２０の側面内側に設けられたレール２１に沿うように、上側からスライドさせて差し込むことにより、リモートコントロール装置１０ｂを壁面２２に着脱可能に取り付けることができる。

　リモートコントロール装置１０ｂの筐体内には図示しない電池ボックスおよびマイクロコンピュータが備えられる。マイクロコンピュータは電池ボックスに格納された電池を電源として各種処理を実施する。また電池からの電力は、後述する表示部１６における表示の切り替え、無線信号の発信や受信、図示しないスピーカーからの音楽の再生などのためにも消費される。

　図８（Ａ）に示すようにリモートコントロール装置の正面には、操作ボタン部１４ａ、１４ｂ、表示部１６、割り付け変動ボタン１８が設けられる。操作ボタン部１４ａ、１４ｂは、便器本体５０ｂの動作や表示部１６における表示を操作するための複数のボタンからなる。操作ボタン部１４ａ、１４ｂに設けられたボタンには、あらかじめ各種機能のいずれかが割り付けられている。したがってリモートコントロール装置１０ｂは、使用者が押下したボタンに対応する機能を特定し、それに応じて送受信部１１２から無線信号を発信させたり表示部１６の表示を切り替えたりする。

　例えば操作ボタン部１４ａには、便座の開閉ボタン、便器洗浄のためのボタン、人体局部洗浄のためのボタンやそれを停止させるためのボタンを設ける。操作ボタン部１４ｂには、リモートコントロール装置１０ｂの電源ボタンや、表示部１６の表示内容に対する操作ボタンを設ける。表示部１６は、使用者に必要な情報を提供するための表示装置であり、その時点での状況や使用者の操作に応じてその表示内容を変化させる。本実施の形態において表示部１６は、電力の供給がなくとも表示が持続する不揮発性の表示装置とする。

　このように不揮発性の表示装置は方式によらず、表示内容を変化させるときのみに電力を消費し、電力供給を絶ってもその表示内容が維持される特性を有する。本実施の形態では表示部１６として不揮発性の表示技術を導入することにより、表示のために消費される電力を抑制する。なお不揮発性の表示装置の詳細な構成は上述のとおり方式によって様々に考えられるため、ここでは説明を省略する。

　割り付け変動ボタン１８は、操作内容や便器本体５０ｂの状況に応じて機能の割り付けを変化させられるボタンである。表示部１６の画面において、各ボタンの直上に、その時点で割り付けられている機能を表示することで、ボタンと機能の対応を使用者が認識できるようにする。リモートコントロール装置１０ｂは、使用者が押下したボタンに対応する機能を、その時点での割り付けに基づき特定し、それに応じて送受信部１１２から無線信号を発信させたり表示部１６の表示を切り替えたりする。

　上述のとおり表示部１６を不揮発性の表示装置で実現すると、電力を消費する時間が限定的となり、継続して電力が必要になる一般的な表示機能を備えるリモートコントロール装置と比較して電力の消費量が小さくなる。特に本実施の形態のようなトイレ室のリモートコントロール装置１０ｂは、人に見られる時間やタイミングが限られる傾向にあるため、それ以外の期間に電力消費が抑えられることは特段の効果となる。一方で、不揮発性の表示装置では、その方式によっては、表示を更新したのにも関わらず直前に表示させた内容が薄く残ってしまうことがある。

　そのため表示を常に見やすく保つためには、黒の塗り潰し画像と白の塗り潰し画像を短時間ずつ表示させるなどのリフレッシュ動作が必要となる。本実施の形態では、人に見られていないことを所定の判定基準で推定し、その期間に能動的にリフレッシュ動作を実施することにより、人が見ている期間には常に良好な表示を維持できるようにし、消費電力の抑制と表示の見やすさを両立する。

　図９はリモートコントロール装置１０ｂと便器本体５０ｂの機能ブロックの構成を示している。ここに示す各ブロックは、ハードウェア的には、コンピュータのＣＰＵをはじめとする素子、表示装置、機械装置で実現でき、ソフトウェア的にはコンピュータプログラム等によって実現されるが、ここでは、それらの連携によって実現される機能ブロックを描いている。したがって、これらの機能ブロックはハードウェア、ソフトウェアの組合せによっていろいろなかたちで実現できることは、当業者には理解されるところである。

　リモートコントロール装置１０ｂは、操作受付部１２４、通信部１２６、不在判定部１２８、表示制御部１３２、および画像データ記憶部１３１を備える。操作受付部１２４は、図８で示した操作ボタン部１４ａ、１４ｂを構成するボタン、割り付け変動ボタン１８、および内部のマイクロコンピュータなどで実現し、使用者により押下されたボタンに対応する機能などの操作内容を特定したうえ、通信部１２６、不在判定部１２８、および表示制御部１３２にその情報を通知する。

　通信部１２６は、マイクロコンピュータおよび図７で示した送受信部１１２などで実現し、操作受付部１２４からの通知に基づき、使用者の操作内容を示す無線信号を生成して便器本体５０ｂに送信する。また必要に応じて便器本体５０ｂに人体の検知結果を問い合わせる無線信号を送信したり、それに応じて便器本体５０ｂから送信された、検知結果を示す無線信号を受信したりする。

　不在判定部１２８は、マイクロコンピュータなどにより実現し、あらかじめ定めた判定基準に基づき、便器本体５０ｂ周辺における人の在／不在を判定する。判定基準の具体例については後述するが、リモートコントロール装置１０ｂ自体に対する使用者の操作の有無や、便器本体５０ｂにおける人体の検知／非検知といった、それぞれが元来保有する機能を利用することにより、低コストでの導入が可能となる。使用者による操作の有無から判定する場合、不在判定部１２８は操作受付部１２４から当該情報を取得する。便器本体５０ｂからの人体検知情報を利用する場合、不在判定部１２８は通信部１２６を介して検知結果の問い合わせを行ったり、その結果を通信部１２６から取得したりしたうえで判定を行う。いずれの場合も不在判定部１２８は、経過時間を計測するタイマなどを適宜備える。

　表示制御部１３２は、マイクロコンピュータおよび図８で示した表示部１６などで実現し、操作受付部１２４から通知された使用者による操作内容に応じて、表示の内容を変化させる。上述の通り表示部１６を不揮発性の表示装置で構成することにより、表示に係る電力の消費はその内容を変化させたときのみに発生する。表示すべき画像や画面の構成などのデータは、想定される状況と対応づけて画像データ記憶部１３１に格納しておく。表示制御部１３２はまた、不在判定部１２８により便器本体５０ｂ周辺における人の不在が判定されている期間において、所定のタイミングで表示画面をリフレッシュさせる。

　さらに表示制御部１３２は、人の不在が判定されている期間において、通常時に表示していた情報のうち、少なくとも現在時刻を非表示とする。現在時刻を表示させた場合、表示部１６を不揮発性の表示装置としても、例えば１分ごとに数字を更新するために電力を消費する。そこで人が見ていないと推定される期間において現在時刻を非表示とすることにより、使用者の見かけ上の影響なしに消費電力をより抑えることができる。なお人の不在が判定されている期間における画面のリフレッシュ動作と現在時刻表示の消去は、双方を組み合わせて行ってもよいし、どちらか一方のみを実施してもよい。

　便器本体５０ｂは、通信部１６０、動作制御部１６２、および人体検知部１６４を備える。通信部１６０は、図７で示した送受信部１５６および便器本体５０ｂに内蔵されたマイクロコンピュータなどにより実現し、リモートコントロール装置１０ｂから送信された無線信号を受信して、使用者による便器本体５０ｂに対する操作内容を特定する。また、便器本体５０ｂ側でなされた人体検知の結果を示す無線信号を生成し、リモートコントロール装置１０ｂへ送信する。動作制御部１６２は、マイクロコンピュータと、その制御下にあり便器本体５０ｂの各機能を実現する機械装置などにより実現し、通信部１６０が特定した操作内容に対応するように機械装置を動作させる。なお動作制御部１６２は、図７で示した本体スイッチ５８に対する操作によっても、適宜機械装置を動作させてよい。

　人体検知部１６４は、図７で示した着座センサ５４やマイクロコンピュータなどにより実現し、使用者が便座に着座している状態を検知し、その結果を動作制御部１６２に通知する。動作制御部１６２は、例えば使用者が着座したら脱臭ファンを作動させ、立ち上がったら便器を洗浄するなど、人体検知部１６４の検知結果によっても対応する機械装置を動作させる。また人体検知部１６４は、リモートコントロール装置１０ｂから検知結果の問い合わせがなされたときなどに、検知結果を示す信号を通信部１６０から送信させる。

　なお便器本体５０ｂにおいて人体を検知するセンサは、着座センサ５４に限らない。例えば人の接近に応じて便器のふたを自動で開く機能や、人が遠ざかった際に便座を自動で下ろす機能を装備した便器の場合、それらの機能のためにふたの上面や便座の下面に備えられたセンサも同様に利用できる。それらのセンサによる具体的な人体検知手法は、実用化されている技術を適宜採用できるため、ここでは説明を省略する。

　図１０は、表示部１６に表示される画面の変遷例を示している。なお同図では理解を容易にするため、表示部１６の下側に設けられる４つの割り付け変動ボタン１８も併せて示している。まず画面１７０は、リモートコントロール装置１０ｂの電源が入れられたときなど通常状態で表示される画面の例である。画面１７０は、ノズルから噴出させる洗浄水の強さ（勢い）を表した「洗浄強さ」表示部１００、現在時刻表示部１０２、および割り付け変動ボタン１８の割り付け表示部１０４で構成される。

　「洗浄強さ」表示部１００は、洗浄水の６段階の強さを６つの円で表し、塗りつぶされた円の数で現在の設定を表している。図８で示した操作ボタン部１４ａにおける洗浄強さ調節のためのボタンの押下に応じて、塗りつぶした円の数を増減させる。現在時刻表示部１０２は、リモートコントロール装置１０ｂに内蔵した時計により計測された現在時刻を表示する。つまり現在時刻表示部１０２は、時間の経過に応じて変化する。割り付け表示部１０４は、割り付け変動ボタン１８のそれぞれに対し現在割り付けられている機能を、各ボタンの直上に文字や図柄などで表示する。同図の場合、左のボタンから順に、「乾燥」、「脱臭」、「音楽」、「お手入れ」なる機能が割り付けられていることがわかる。

　この状態で割り付け変動ボタン１８のいずれかが押下されたら、そのボタンによって、対応する機能を示す無線信号を送信することにより便器本体５０ｂを動作させる場合と、対応する機能のみに特化した操作画面へ表示を切り替える場合とが発生する。後者の場合、当該操作画面に対応するように、必要に応じて割り付け変動ボタン１８に新たな機能が割り付けられ、結果として割り付け表示部１０４の表示も変化する。なお図示する機能は一例であり、リモートコントロール装置１０ｂまたは便器本体５０ｂに設ける機能に応じて様々な機能の割り付けが考えられる。

　ここで、何ら操作がなされていないときに表示するホーム画面を画面１７０とした場合、トイレの使用頻度が低いほど、画面１７０を表示する時間が長くなる。そのような状態で放置された後、使用者によりリモートコントロール装置１０ｂが操作され、上述のように表示を更新した場合、画面１７０の残像によって更新後の画面が不鮮明になることが考えられる。さらには設定状況やボタンの割り付けが分かりづらくなってしまうこともあり得る。

　そこで不在判定部１２８により人の不在が判定されたら、表示制御部１３２がリフレッシュ動作を行う。具体的には、例えば画面１７２のように画面全体に黒の塗り潰し画像を所定時間表示し、次に画面１７４のように画面全体に白の塗り潰し画像を所定時間表示する。そして元の画面１７０に表示を戻す。ここで所定時間とは例えば１秒前後の短時間でよい。このリフレッシュ動作を、人の不在が判定されている期間に所定の時間間隔で行うことにより、次回の操作時には画面１７０が残像として残りにくくなる。人の不在時に限定してリフレッシュ動作を実施することにより、使用者にとっては常に良好な表示状態が維持されていることになる。なお図示したリフレッシュ動作は一例であり、電子書籍などにおいて実施されている動作のいずれを採用してもよい。

　図１１は、表示部１６に表示される画面の変遷の別の例を示している。まず画面１８０は図１０の画面１７０と同様であり、「洗浄強さ」表示部１００、現在時刻表示部１０２、および割り付け変動ボタン１８の割り付け表示部１０４で構成される、通常状態の表示画面例である。ここで不在判定部１２８により人の不在が判定されたら、表示制御部１３２は少なくとも現在時刻表示部１０２を非表示とし、例えば画面１８２へ表示を切り替える。この例では、現在時刻表示部１０２とともに「洗浄強さ」表示部１００も非表示とし、割り付け表示部１０４のみを残している。ただし現在時刻表示部１０２以外の構成の表示／非表示は任意に設定してよい。

　現在時刻表示部１０２を非表示とした画面１８２では、自動的に表示を更新すべき対象がなくなるため、人が見ていないにも関わらず無駄に電力が消費されるのを防ぐことができる。ただし割り付け表示部１０４については表示を継続させることにより、存在を検知できない位置にいる人が割り付け変動ボタン１８を操作しようとする場合に備えることができる。表示制御部１３２は、人の不在が判定されている期間は画面１８２を表示しつづけ、不在期間が終了したら、すなわち人の存在が検知されたら、元の画面１８０へ表示を戻す。なお図１０で示したリフレッシュ動作と組み合わせる場合は、画面１８２を初期画面として画面全体を黒／白に反転させるなどの処理を定期的に実施すればよい。

　次にこれまで述べた構成によって実現されるリモートコントロール装置１０ｂの動作について説明する。図１２は、本実施の形態においてリモートコントロール装置１０ｂが行うリフレッシュ動作および時刻表示に係る処理の手順を示すフローチャートである。このフローチャートは、リモートコントロール装置１０ｂの電源が入れられ操作を受け付けられる状態となったときに開始する。このとき不在判定部１２８は、人が不在の状態となるか否かの監視を開始する（Ｓ１１０）。具体的には、操作受付部１２４における操作の有無や便器本体５０ｂにおける人体検知結果などの情報の収集を開始する。

　一方、表示制御部１３２は、例えば図１０の画面１７０に示したような画像のデータを画像データ記憶部１３１から読み出して表示する。結果として現在時刻も表示される（Ｓ１１２）。不在判定部１２８による監視の結果、人の不在が判定されていない間は（Ｓ１１４のＮ）、使用者の操作を操作受付部１２４が受け付け、それに応じて適宜、通信部１２６が便器本体５０ｂへ無線信号を送信したり、表示制御部１３２が表示を更新したりする。それと並行して、表示制御部１３２は現在時刻表示を更新しつづける（Ｓ１１２）。

　不在判定部１２８が人の不在を判定したら（Ｓ１１４のＹ）、その通知を受けた表示制御部１３２は、現在時刻を非表示とし（Ｓ１１６）、画面のリフレッシュ動作を実施する（Ｓ１１８）。不在判定部１２８が人の不在を判定している期間は（Ｓ１２０のＮ）、表示制御部１３２は時間経過を監視し続け（Ｓ１２２のＮ）、所定時間が経過するごとにリフレッシュ動作を実施する（Ｓ１２２のＹ、Ｓ１１８）。なお人の不在を定期的に判定する場合、その周期とリフレッシュ動作の周期は独立に設定してよい。不在判定部１２８が、人の不在期間が終了したことを判定したら（Ｓ１２０のＹ）、表示制御部１３２は表示を元に戻し、現在時刻の表示を復帰させる（Ｓ１１２）。一方、不在判定部１２８は人が不在の状態となるか否かの監視を継続する（Ｓ１１４）。人の不在が判定されない間は（Ｓ１１４のＮ）、リフレッシュ動作は行わない。なお上述のように、Ｓ１１６の現在時刻の非表示処理とＳ１１８のリフレッシュ動作は、どちらか一方を省略してもよい。

　図１３から図１５は、図１２のＳ１１４において不在判定部１２８が人の不在を判定するための処理手順をタイムチャートで表している。まず図１３は、リモートコントロール装置１０ｂに対する使用者の操作の有無を判定基準に用いた場合の判定手順を示している。同図上段は使用者がリモートコントロール装置１０ｂを操作するタイミングを、下段は不在判定部１２８が不在を判定するタイミングを示している。図示する例では不在判定部１２８は、人の在／不在のどちらかの状態を内部のレジスタなどに保持しており、人の不在期間が開始したときおよび終了したときに表示制御部１３２に通知する。あるいは表示制御部１３２に定期的に在／不在を通知する。図１４および図１５に示す態様も同様とする。

　この例では、操作ボタンが操作された後（Ｓ３０）、何ら操作がなく所定の時間ｔ１が経過したら、不在判定部１２８は人の不在を判定する。そのまま操作ボタンが操作されなければ、不在の状態が継続しているとする。そして次に操作ボタンが操作されたら（Ｓ３２）、不在の状態が終了したと判定する。時間ｔ１は、トイレの通常使用時に使用者がリモートコントロール装置１０ｂを操作してからトイレ室を退去するまでの時間などを考慮して決定し、例えば余裕分を加味して３分などとする。この態様によれば、判定のための処理がリモートコントロール装置１０ｂ内で完結するため、信号送受信に要する消費電力を必要としない。

　図１４は、便器本体５０ｂにおける人体検知結果を判定基準に用いた場合の判定手順を示している。同図上段はリモートコントロール装置１０ｂから便器本体５０ｂへ検知結果を問い合わせる信号を送信するタイミングを、中段は便器本体５０ｂの人体検知部１６４が人体を検知している期間を、下段は不在判定部１２８が不在を判定するタイミングを示している。リモートコントロール装置１０ｂは、所定の時間ｔ２おきに問い合わせ信号を便器本体５０ｂへ送信する。ただし一旦、リフレッシュ動作がなされた後は、次の問い合わせまでの時間を延長するなど、時間間隔は一定でなくてもよい。

　便器本体５０ｂからは、問い合わせ信号を受信した時点での検知結果がリモートコントロール装置１０ｂへ返信される。送信された信号が、人体が検知されたことを示していたら、不在判定部１２８は人の不在を判定しない（Ｓ４０）。その状態から、次に人が検知されていない旨の信号が送信されたら、不在判定部１２８は人の不在の開始を判定する（Ｓ４２）。その後、人体が検知されていない旨の信号が送信されているうちは、不在の状態が継続しているとする（Ｓ４４～Ｓ４８）。そして次に人体が検知された旨の信号が送信されたら、不在の状態が終了したと判定する（Ｓ５０）。

　このようにリモートコントロール装置１０ｂから問い合わせを行い、返信として検知結果を取得することで、便器本体５０ｂから信号が送信されるタイミングをリモートコントロール装置１０ｂ側で制御できる。したがって、便器本体５０ｂが人体を検知したときに随時、信号を受信するのに比べ、信号を待機する時間、すなわち受信センサの作動時間が格段に短くなり、電力の消費を抑えることができる。なお問い合わせの時間間隔ｔ２は、不在を判定する時間分解能と消費電力とのバランスを考慮して決定し、例えば１分などとする。

　図１５は、リモートコントロール装置１０ｂに対する使用者の操作の有無と、便器本体５０ｂにおける人体検知結果の双方を判定基準に用いた場合の判定手順を示している。同図最上段は使用者がリモートコントロール装置１０ｂを操作するタイミングを、二段目はリモートコントロール装置１０ｂから便器本体５０ｂへ検知結果を問い合わせる信号を送信するタイミングを、三段目は便器本体５０ｂの人体検知部１６４が人体を検知している期間を、最下段は不在判定部１２８が不在を判定するタイミングを示している。

　この例では、操作ボタンが操作された後、何ら操作がなく所定の時間ｔ３が経過したら、リモートコントロール装置１０ｂから便器本体５０ｂへの人体検知結果の問い合わせを開始する。そしてリモートコントロール装置１０ｂは、所定の時間ｔ４おきに問い合わせ信号を送信する。便器本体５０ｂからは問い合わせ信号を受信した時点での検知結果がリモートコントロール装置１０ｂへ返信される。なお時間ｔ３は図１３で示した時間ｔ１と等しくても異なっていてもよい。同様に、時間ｔ４は図１４で示した時間ｔ２と等しくても異なっていてもよい。

　便器本体５０ｂから送信された信号に基づく判定処理は図１４で示したのと同様である。すなわち、送信された信号が、人体が検知されたことを示していたら、不在判定部１２８は人の不在を判定しない（Ｓ６０）。次に人が検知されていない旨の信号が送信されたら、人の不在を判定し（Ｓ６２）、人体が検知されていない旨の信号が送信されているうちは、不在の状態が継続しているとする（Ｓ６４）。次に人体が検知された旨の信号が送信されたら、不在の状態が終了したと判定する（Ｓ６６）。

　なお人が検知された旨を示す信号を受信する前に、リモートコントロール装置１０ｂ自体の操作ボタンが操作された場合も、不在判定部１２８は不在の状態が終了したと判定する。また不在の状態が終了したと判定した時点で、リモートコントロール装置１０ｂからの問い合わせを休止する。そして次に操作ボタンが操作されてから、操作のないまま時間ｔ３が経過したら問い合わせを再開する。このようにすると便器本体５０ｂとの通信の頻度が、図１４の場合と比較し少なくなるため、消費電力を抑えられる。また複数の観点から人の不在を判定するため、判定の精度が高くなる。例えば使用者が、操作をしないまま長時間、便座に腰掛けていたり、便座に腰掛けずに「お手入れ」のための操作をしていたりする場合などに、誤って人の不在を判定するのを避けることができる。

　以上、述べた本実施の形態によれば、リモートコントロール装置に不揮発性の表示装置を設ける。また不揮発性の表示装置に特有の残像を、人が周辺にいないと推定される期間に限ってリフレッシュ動作により消去する。結果として、使用者にとっては常に残像の少ない良好な画面表示が維持されることになり、消費電力軽減と画面の見やすさを両立させることができる。また、見ている間にいきなりリフレッシュ動作がなされ、使用者が違和感を受けたり、装置の故障と勘違いしたりするのを避けることができる。

　また、人の不在を判定するために、リモートコントロール装置自体に対する操作の有無や、便器本体における人体検知の結果を利用する。トイレ室の特性上、リモートコントロール装置が数分以上、操作されていなければ、トイレ室には人がいないとする推定は、その他の部屋で用いるリモートコントロール装置より確度が高い。したがってリモートコントロール装置への操作の有無で人の不在を判定することにより、容易かつ低いコストで、高精度に人の不在を判定することができる。また便器本体における人体検知手段は、便器本来の機能のために元から設けられたものをそのまま用いることができるため、本実施の形態を低コストで導入することが可能である。

　このときリモートコントロール装置からの問い合わせに応じるかたちで、人体検知結果を便器本体から送信することにより、信号の受信を待機する時間が限定され、通信のための電力消費も最低限に抑えることができる。さらに人の不在期間において、現在時刻の表示を消すことにより、時刻表示の更新のための電力も節約できる。リフレッシュ動作と同様、人が周辺にいないと推定される期間に限って時刻を非表示とするため、見かけ上は何ら変化なく、消費電力をより軽減させることができる。

　以上、第２実施形態に係るリモートコントロール装置について説明した。この実施の形態は例示であり、その各構成要素の組み合わせにいろいろな変形例が可能なこと、またそうした変形例も本発明の範囲にあることは当業者に理解されるところである。

[第３実施形態]
　まず第３実施形態の概要を述べる。第３実施形態のトイレ用リモートコントロール装置は、使用者による操作に応じて信号を発信することにより本体装置の動作を制御するリモートコントロール装置であって、操作に係る情報を表示する不揮発性の表示部と、当該表示部に、表示色を時間変化させるリフレッシュ動作を所定のタイミングで実施させるリフレッシュ制御部と、を備え、表示部は、リフレッシュ動作において、背景と異なる色で所定の情報を表示させながら、それぞれの表示色を時間変化させる。

　「不揮発性の表示部」とは、電力の供給がなくとも表示内容を維持することのできる表示機構を有する装置である。この構成によると、表示のための電力消費は表示内容を更新するときのみに発生するため、電力消費量を抑えることができる。また残像消去のためのリフレッシュ動作を、情報を表示させたまま適切なタイミングで実施するため、使用者に違和感や故障の誤解を与えることなく、見やすさを確保できる。

　表示部は、トイレ用リモートコントロール装置に対する操作がなされた際、当該操作の内容に対応する情報を表示させながらリフレッシュ動作を実施してもよい。この構成によると、リフレッシュ動作を操作に対する動作の一貫に見せることができるため、使用者に違和感を与えることなく、同時に必要な情報を提示することができる。

　本体装置と通信することにより当該本体装置の状態の情報を取得する通信部を備え、表示部は、本体装置の状態に応じて表示させる情報を決定してもよい。この構成によると、本体装置の状態によって操作の可、不可が変化する場合などに、使用者に正確な情報を提示しつつ同時にリフレッシュ動作を行える。

　リフレッシュ制御部は、リモートコントロール装置の内部または外部に備えられた人体検知センサによる検知結果を取得し、表示部は、人体検知センサによって人体が検知された際、リモートコントロール装置が操作の受け付け状態に入ったことを示す情報を表示させながらリフレッシュ動作を実施してもよい。この構成によると、使用者自身が検知されたことに呼応するように操作受け付け状態に入ったことが提示されるため、使用者に安心感を与えつつ同時にリフレッシュ動作を行える。

　リフレッシュ制御部は、あらかじめ定めた判定基準に基づき人の不在を判定し、表示部は、リフレッシュ制御部により人の不在が判定されている期間に、リフレッシュ動作中であることを示す情報を表示させながらリフレッシュ動作を実施してもよい。この構成によると、トイレ室に入った人などが偶然、画面の変化を目にしても、リフレッシュ動作中であることを理解できるため、驚かせたり違和感や故障の誤解を与えたりすることがない。

　次に第３実施形態の詳細を説明する。なお第１実施形態、第２実施形態と同じ機能を有する構成には同じ符号を付している。図１６は、本発明の一実施形態に係るリモートコントロール装置と便器本体を備えたトイレ室の概略を斜視図で表している。図示するように、便器本体５０ｃに着座した使用者から見て右側の壁面には、リモートコントロール装置１０ｃが備え付けられる。便器本体５０ｃは水洗便器であり、手動または自動で水を流すことにより便器内部を洗浄する機能を有する。便器本体５０ｃにはさらに、人体局部に向けて洗浄水を噴出させるノズルや脱臭ファンなどが設けられてよい。

　便器本体５０ｃのこれらの機能を自動で作動させるため、便座の後部には使用者の着座、離座を検知する着座センサ５４が設けられる。リモートコントロール装置１０ｃは、便器本体５０ｃの各種機能を手動で作動させるための入力装置である。リモートコントロール装置１０ｃは使用者の操作に応じて、当該操作の内容を示す赤外線や電波などの無線信号を通信インターフェース２１２から便器本体５０ｃへ送信する。便器本体５０ｃの後部上面には当該無線信号を受信する通信インターフェース２５６が設けられる。

　後述するように、実施の態様によってリモートコントロール装置１０ｃは、便器本体５０ｃへ無線信号を送信するのみならず、便器本体５０ｃから送信された、着座センサ５４による検知結果などを表す無線信号を受信するようにしてもよい。すなわちリモートコントロール装置１０ｃの通信インターフェース２１２および便器本体５０ｃの通信インターフェース２５６は双方向通信のインターフェースとして機能し、それぞれが無線信号の送信手段と受信手段を備えてもよい。ただしリモートコントロール装置１０ｃと便器本体５０ｃは有線で信号を送受信してもよい。

　便器本体５０ｃの内部には、通信インターフェース２５６が取得した無線信号に基づき操作内容を解釈し、それに対応する機能を作動させる制御機構が設けられる。また便器本体５０ｃの左側面には本体スイッチ５８が設けられ、リモートコントロール装置１０ｃを介さずに便器洗浄の機能を作動させられるようにしている。なお便器本体５０ｃの外観形状やセンサおよびスイッチの位置、リモートコントロール装置１０ｃの外観形状や設置場所は一例であり、本実施の形態を限定する主旨ではない。

　図１７はリモートコントロール装置１０ｃの外観構成例を示しており、（Ａ）は正面図、（Ｂ）は右側面図である。この例では、リモートコントロール装置１０ｃは横長の筐体を有し、（Ａ）に示すように正面を操作面とする。また（Ｂ）に示すように、リモートコントロール装置１０ｃの側面には溝１９が設けられ、図のさらに右側に示すように壁面２２に固定されたホルダー部材２０の側面内側に設けられたレール２１に沿うように、上側からスライドさせて差し込むことにより、リモートコントロール装置１０ｃを壁面２２に着脱可能に取り付けることができる。

　リモートコントロール装置１０ｃの筐体内には図示しない電池ボックスおよびマイクロコンピュータが備えられる。マイクロコンピュータは電池ボックスに格納された電池を電源として各種処理を実施する。また電池からの電力は、後述する表示部１６における表示の切り替え、無線信号の発信や受信、図示しないスピーカーからの音楽の再生などのためにも消費される。

　図１７（Ａ）に示すようにリモートコントロール装置の正面には、操作ボタン部１４ａ、１４ｂ、表示部１６、割り付け変動ボタン１８が設けられる。操作ボタン部１４ａ、１４ｂは、便器本体５０ｃの動作や表示部１６における表示を操作するための複数のボタンからなる。操作ボタン部１４ａ、１４ｂに設けられたボタンには、あらかじめ各種機能のいずれかが割り付けられている。したがってリモートコントロール装置１０ｃは、使用者が押下したボタンに対応する機能を特定し、それに応じて通信インターフェース２１２から無線信号を発信させたり表示部１６の表示を切り替えたりする。

　例えば操作ボタン部１４ａには、便座の開閉ボタン、便器洗浄のためのボタン、人体局部洗浄のためのボタンやそれを停止させるためのボタンを設ける。操作ボタン部１４ｂには、リモートコントロール装置１０ｃの電源ボタンや、表示部１６の表示内容に対する操作ボタンを設ける。表示部１６は、使用者に必要な情報を提供するための表示装置であり、その時点での状況や使用者の操作に応じてその表示内容を変化させる。本実施の形態において表示部１６は、電力の供給がなくとも表示が持続する不揮発性の表示装置とする。

　割り付け変動ボタン１８は、操作内容や便器本体５０ｃの状況に応じて機能の割り付けを変化させられるボタンである。表示部１６の画面において、各ボタンの直上に、その時点で割り付けられている機能を表示することで、ボタンと機能の対応を使用者が認識できるようにする。リモートコントロール装置１０ｃは、使用者が押下したボタンに対応する機能を、その時点での割り付けに基づき特定し、それに応じて通信インターフェース２１２から無線信号を発信させたり表示部１６の表示を切り替えたりする。

　上述のとおり表示部１６を不揮発性の表示装置で実現すると、電力を消費する時間が限定的となり、継続して電力が必要になる一般的な表示機能を備えるリモートコントロール装置と比較して電力の消費量が小さくなる。特に本実施の形態のようなトイレ室のリモートコントロール装置１０ｃは、人に見られる時間やタイミングが限られる傾向にあるため、それ以外の期間に電力消費を抑えられることは特段の効果となる。一方で、不揮発性の表示装置では、その方式によっては、表示を更新したのにも関わらず直前に表示させた内容が薄く残ってしまうことがある。

　そのため表示を常に見やすく保つためには、黒や白の塗り潰し画像を短時間ずつ表示させるなどのリフレッシュ動作を、表示内容の切り替え時など所定のタイミングで実施し、残像を消去するのが一般的である。しかしながらリモートコントロール装置を想定した場合、リフレッシュ動作のタイミングによっては次のような問題が生じ得る。すなわちリフレッシュ動作中はリモートコントロール装置本来の機能の少なくとも一部を果たせない状態にあるため、操作しようとしたときにリフレッシュ動作がなされていると、使用者はその完了を待つ必要が生じ、操作がままならないことによるストレスを感じる可能性がある。

　また画面が通常と異なる変化をしていることを見た使用者は、その原因や、装置の状態を把握できず、場合によっては故障を疑うこともあり得る。そこで本実施の形態では、所定の情報を表す文字や絵などを表示させたままリフレッシュ動作を実施する。すなわちリフレッシュ動作時に全ての画素の色を揃えるのでなく、文字や絵を構成する画素とそれ以外の画素で色を異ならせ、それぞれの色を時間変化させることにより画面をリフレッシュする。これにより使用者の不安感やストレスを軽減させるとともに、リフレッシュ動作中であっても必要な情報を提供できるようにする。

　図１８はリモートコントロール装置１０ｃと便器本体５０ｃの機能ブロックの構成を示している。ここに示す各ブロックは、ハードウェア的には、コンピュータのＣＰＵをはじめとする素子、通信インターフェース、表示装置、機械装置で実現でき、ソフトウェア的にはコンピュータプログラム等によって実現されるが、ここでは、それらの連携によって実現される機能ブロックを描いている。したがって、これらの機能ブロックはハードウェア、ソフトウェアの組合せによっていろいろなかたちで実現できることは、当業者には理解されるところである。

　リモートコントロール装置１０ｃは、操作受付部２２４、通信部２２６、リフレッシュ制御部２２８、表示制御部２３２、および設定データ記憶部２３１を備える。操作受付部２２４は、図１７で示した操作ボタン部１４ａ、１４ｂを構成するボタン、割り付け変動ボタン１８、および内部のマイクロコンピュータなどで実現し、使用者により押下されたボタンに対応する機能などの操作内容を特定したうえ、通信部２２６、リフレッシュ制御部２２８、および表示制御部２３２にその情報を通知する。

　通信部２２６は、マイクロコンピュータおよび図１６で示した通信インターフェース２１２などで実現し、操作受付部２２４からの通知に基づき、使用者の操作内容を示す無線信号を生成して便器本体５０ｃに送信する。また必要に応じて便器本体５０ｃの状態や人体の検知結果を問い合わせる無線信号を送信したり、それに応じて便器本体５０ｃから送信された、回答を示す無線信号を受信したりする。ただし実施態様によっては、便器本体５０ｃからの信号を受信する機能はなくてもよい。

　リフレッシュ制御部２２８は、マイクロコンピュータなどにより実現し、あらかじめ定めた条件に基づきリフレッシュ動作を開始するタイミングを決定する。条件は例えば以下のような観点から設定する。
１．時間経過
２．リモートコントロール装置に対する操作
３．便器本体周辺における人の在／不在

　上記１は、例えば設定された時間間隔で定期的にリフレッシュ動作を実施する場合である。上記２は、例えば使用者が操作ボタン部１４ａにおけるいずれかのボタンを押下した際、それに呼応するようにリフレッシュ動作を実施する場合である。このとき、便器本体５０ｃの状態を加味しリフレッシュ中の表示内容を決定してもよい。上記３は例えば、便器本体５０ｃ周辺に人が来たことを検知したとき、それに呼応するようにリフレッシュ動作を実施する場合や、便器本体５０ｃ周辺に人がいないことが判定されている期間にリフレッシュ動作を実施する場合などである。

　なおこれらの条件は例示であり、一つの観点でも様々な設定が可能である。実際に適用する条件は１つでもよいし複数でもよい。また複数の観点を組み合わせて１つの条件を設定してもよい。いずれにしろ、リモートコントロール装置１０ｃにおける使用者の操作受け付け機能や、便器本体５０ｃにおける人体検知機能といった、それぞれが元来保有する機能を利用することにより、低コストでの導入が可能となる。なおリフレッシュ制御部２２８は必要に応じて、経過時間を計測するタイマを備えるものとする。

　使用者による操作を条件とする場合、リフレッシュ制御部２２８は操作受付部２２４が操作を受け付けた際、当該操作の内容を取得する。便器本体５０ｃの状態を表示内容に反映させる場合や、人の在／不在をリフレッシュ動作の条件に用いる場合、リフレッシュ制御部２２８は通信部２２６を介して、便器本体５０ｃに対しその時点での状態や人体検知センサによる検知結果の問い合わせを行ったり、それに応じて便器本体５０ｃから送信された回答を取得したりする。

　ただし人の在／不在を判定するには、便器本体５０ｃから人体検知結果を取得する以外に、使用者による操作の有無や直前の操作からの経過時間などに基づいてもよい。このような人の在／不在を判定するための基準は別途、設定しておく。リフレッシュ動作を開始する条件はそれぞれに付与した識別情報と対応づけて設定データ記憶部２３１に格納しておく。設定された条件が満たされリフレッシュ動作の開始を決定したら、リフレッシュ制御部２２８は、表示制御部２３２に当該条件の識別情報を通知してリフレッシュ動作を要求する。

　表示制御部２３２は、マイクロコンピュータおよび図１７で示した表示部１６などで実現し、操作受付部２２４から通知された使用者による操作内容に応じて、表示の内容を変化させる。上述の通り表示部１６を不揮発性の表示装置で構成することにより、表示に係る電力の消費はその内容を変化させたときのみに発生する。表示すべき情報や画面構成などのデータは、想定される状況と対応づけて設定データ記憶部２３１に格納しておく。

　表示制御部２３２はまた、リフレッシュ制御部２２８からの要求に従い表示画面をリフレッシュさせる。ここでリフレッシュ動作を決定づけた条件によって表示内容を変化させる場合は、リフレッシュ制御部２２８から通知された識別情報に対応する表示内容を取得できるように、各識別情報と表示内容とを対応づけたデータも設定データ記憶部２３１に格納しておく。場合によってはリフレッシュ画面を表示する時間や画素の色なども条件ごとに設定してよい。

　便器本体５０ｃは、通信部２６０、動作制御部２６２、および人体検知部２６４を備える。通信部２６０は、図１６で示した通信インターフェース２５６および便器本体５０ｃに内蔵されたマイクロコンピュータなどにより実現し、リモートコントロール装置１０ｃから送信された無線信号を受信して、使用者による便器本体５０ｃに対する操作内容を特定する。また、便器本体５０ｃの状態や人体検知の結果を示す無線信号を収集し、問い合わせに応じてリモートコントロール装置１０ｃへ送信する。動作制御部２６２は、マイクロコンピュータと、その制御下にあり便器本体５０ｃの各機能を実現する機械装置などにより実現し、通信部２６０が特定した操作内容に対応するように機械装置を動作させる。なお動作制御部２６２は、図１６で示した本体スイッチ５８に対する操作によっても、適宜機械装置を動作させてよい。

　人体検知部２６４は、図１６で示した着座センサ５４やマイクロコンピュータなどにより実現し、使用者が便座に着座している状態を検知して、その結果を動作制御部２６２に通知する。動作制御部２６２は、例えば使用者が着座したら脱臭ファンを作動させ、立ち上がったら便器を洗浄するなど、人体検知部２６４の検知結果によっても対応する機械装置を動作させる。また動作制御部２６２は、リモートコントロール装置１０ｃから検知結果の問い合わせがなされたときなどに、人体検知部２６４の検知結果を示す信号を通信部２６０から送信させる。

　なお便器本体５０ｃにおいて人体を検知するセンサは、着座センサ５４に限らない。例えば人の接近に応じて便器のふたを自動で開く機能や、人が遠ざかった際に便座を自動で下ろす機能を装備した便器の場合、それらの機能のためにふたの上面や便座の下面に備えられたセンサも同様に利用できる。それらのセンサによる具体的な人体検知手法は、実用化されている技術を適宜採用できるため、ここでは説明を省略する。

　図１９は、表示部１６に表示される画面の変遷例を示している。なお同図では理解を容易にするため、表示部１６の下側に設けられる４つの割り付け変動ボタン１８も併せて示している。まず画面２７０は、リモートコントロール装置１０ｃの電源が入れられたときなど通常状態で表示される画面の例である。画面２７０は、ノズルから噴出させる洗浄水の強さ（勢い）を表した「洗浄強さ」表示部１００、現在時刻表示部１０２、および割り付け変動ボタン１８の割り付け表示部１０４で構成される。

　「洗浄強さ」表示部１００は、洗浄水の６段階の強さを６つの円で表し、塗りつぶされた円の数で現在の設定を表している。図１７で示した操作ボタン部１４ａにおける洗浄強さ調節のためのボタンの押下に応じて、塗りつぶした円の数を増減させる。現在時刻表示部１０２は、リモートコントロール装置１０ｃに内蔵した時計により計測された現在時刻を表示する。割り付け表示部１０４は、割り付け変動ボタン１８のそれぞれに対し現在割り付けられている機能を、各ボタンの直上に文字や図柄などで表示する。同図の場合、左のボタンから順に、「乾燥」、「脱臭」、「音楽」、「お手入れ」なる機能が割り付けられていることがわかる。

　この状態で割り付け変動ボタン１８のいずれかが押下されたら、そのボタンによって、対応する機能を示す無線信号を送信することにより便器本体５０ｃを動作させる場合と、対応する機能のみに特化した操作画面へ表示を切り替える場合とが発生する。後者の場合、当該操作画面に対応するように、必要に応じて割り付け変動ボタン１８に新たな機能が割り付けられ、結果として割り付け表示部１０４の表示も変化する。なお図示する機能は一例であり、リモートコントロール装置１０ｃまたは便器本体５０ｃに設ける機能に応じて様々な機能の割り付けが考えられる。

　ここで、何ら操作がなされていないときに表示するホーム画面を画面２７０とした場合、トイレの使用頻度が低いほど、画面２７０を表示する時間が長くなる。そのような状態で放置された後、使用者によりリモートコントロール装置１０ｃが操作され、上述のように表示を更新した場合、画面２７０の残像によって更新後の画面が不鮮明になることが考えられる。さらには設定状況やボタンの割り付けが分かりづらくなってしまうこともあり得る。

　そこで、あらかじめ設定した条件が満たされ、リフレッシュ制御部２２８がリフレッシュ動作の開始を決定したら、表示制御部２３２はリフレッシュ画面２７２、２７４に示すように、文字を表示させた状態で画面をリフレッシュさせる。同図の例では最初、「しばらくお待ちください」なる白い文字を黒い塗り潰しの背景上に表示し（リフレッシュ画面２７２）、次に文字と背景で色を反転させている（リフレッシュ画面２７４）。リフレッシュ動作は基本的に、画面の表面に特定色が残らないように画素の色を時間変化させるものであるため、このように文字と背景の色を異ならせても、それぞれを時間変化させれば目的を果たすことができる。

　表示制御部２３２は、リフレッシュ画面２７２、２７４をそれぞれ所定時間、表示させたら、元の画面２７０に表示を戻す。ここで所定時間とは例えば１秒前後の短時間でもよいし、状況によってはそれより長く設定してもよい。このようなリフレッシュ動作を、上述したような条件に基づく好適なタイミングで実施することにより、通常時に操作画面を変化させても画面２７０が残像として残りにくくなる。

　リフレッシュ中に表示させる内容は、使用者にリフレッシュ中であることを認識させるものでもよいし、リフレッシュ動作そのものを意識させずにリモートコントロール装置１０ｃ本来の動作の一貫であるように見せるものでもよい。なお図示したリフレッシュ動作は一例であり、背景および文字の色や、リフレッシュ画面の切り替え回数などを、表示装置の特性に応じて適宜設定してよい。

　図２０は、設定データ記憶部２３１に格納する、リフレッシュ動作のタイミングを決定する条件とリフレッシュ動作時に表示する内容に係る設定データの構造例を示している。リフレッシュ制御テーブル２８０は、識別番号欄２８２、リフレッシュ条件欄２８４、および表示内容欄２８６を含む。識別番号欄２８２に記載された各識別番号に対応づけて、具体的な条件がリフレッシュ条件欄２８４に設定され、さらに各条件に対応づけてリフレッシュ中に表示すべき文字列等が表示内容欄２８６に設定される。この例では使用者によって押下されたボタンなどの「操作対象」、ボタンが押下されたときの便器本体５０ｃの状態である「便器状態」、および人の在／不在に係る「人の状態」なる３つの観点で条件が設定されている。ここで「－」は該当観点に条件を設定しないことを示している。

　なお上述のとおり、必要に応じてリフレッシュ動作の周期など、経過時間の観点でさらに条件を設定してもよいし、周期については固定値を用いるなどリフレッシュ制御部２２８が別途、設定値を保持していてもよい。リフレッシュ制御部２２８はリフレッシュ制御テーブル２８０を参照し、いずれかの条件が満たされたら対応する識別番号を表示制御部２３２に通知する。表示制御部２３２は、通知された識別番号に基づきリフレッシュ制御テーブル２８０を参照し、それに対応づけて表示内容欄２８６に設定された文字列等を表示させながらリフレッシュ動作を実施する。

　同図において識別番号「１」は、使用者が操作ボタン部１４ａのうち局部洗浄を停止させる「停止ボタン」を押下したことを条件としている。この場合、表示制御部２３２は、図１９に示すように「しばらくお待ちください」なる文字を表示させながらリフレッシュ動作を開始する。これと同時に、リモートコントロール装置１０ｃから便器本体５０ｃへ局部洗浄の停止を要求する信号が送信され、それに応じて便器本体５０ｃは水噴出の停止およびノズルの収納を実行する。リフレッシュ動作が完了し、図１９における操作受け付けのための画面２７０に表示が戻るのと同程度のタイミングでノズルの収納が完了すれば、あたかも洗浄停止の動作の一貫として表示が変化したように見せることができる。このためリフレッシュ画面の表示時間を、ノズル収納までの所要時間に合致するように設定しておいてもよい。

　識別番号「２」は、使用者が操作ボタン部１４ａのうち「便器洗浄ボタン」を押下したことを条件としている。この場合、表示制御部２３２は「便器洗浄中」なる文字を表示させながらリフレッシュ動作を開始する。これと同時に、リモートコントロール装置１０ｃから便器本体５０ｃへ便器洗浄を要求する信号が送信され、それに応じて便器本体５０ｃは便器洗浄を開始する。この場合も、リフレッシュ動作が完了し操作受け付けのための画面に表示が戻るのと同程度のタイミングで便器洗浄が完了すれば、あたかも便器洗浄の動作の一貫として表示が変化したように見せることができる。このためリフレッシュ画面の表示時間を、便器洗浄完了までの所要時間に合致するように設定しておいてもよい。

　なおこの「便器洗浄中」を表示させたリフレッシュ動作は、便器洗浄と同じタイミングであれば、別の条件によって実施しても同様の効果が得られる。例えば便器本体５０ｃが、人の離座を検知してから所定時間経過後に便器を自動洗浄する場合、当該自動洗浄と同じタイミングでリフレッシュ動作を実施してもよい。この場合、リフレッシュ制御部２２８は、離座が検知された旨の信号を便器本体５０ｃから受信し、その後、所定時間経過したことを条件にリフレッシュ動作を実施させる。あるいは、便器本体５０ｃから便器洗浄を開始した旨の信号を受信したことを条件にリフレッシュ動作を実施させてもよい。後者の条件により、リモートコントロール装置１０ｃに対する使用者の操作以外に、上記の自動洗浄や、本体スイッチ５８に対する使用者の操作も、リフレッシュ動作の契機に含めることができる。

　識別番号「３」は、便器本体５０ｃにおいて便器洗浄が完了していない「便器洗浄中」の状態において、使用者が操作ボタン部１４ａのうち「局部洗浄ボタン」を押下したことを条件としている。この態様は便器本体５０ｃ側で、便器洗浄の作動期間は局部洗浄を作動させない、という排他制御がなされていることを想定している。この場合、リモートコントロール装置１０ｃから局部洗浄を要求する信号を発信しても、便器本体５０ｃは局部洗浄機能を作動させない。そして便器洗浄中である旨の信号をリモートコントロール装置１０ｃに返信する。

　リフレッシュ制御部２２８は当該信号を取得することにより、識別番号「３」の条件が満たされたことを検知し、表示制御部２３２に通知する。これに応じて表示制御部２３２は、「便器洗浄中のため他の操作はできません」なる文字を表示させながらリフレッシュ動作を開始する。その後、便器洗浄が完了するのと同程度のタイミングでリフレッシュ動作を完了させ操作受け付けのための画面へ表示を戻せば、使用者はリフレッシュ動作がなされたことを意識することなく、局部洗浄が可能となったタイミングを認識できる。

　このためリフレッシュ画面の表示時間を、便器洗浄完了までの時間によって調整するようにしてもよい。例えば便器本体５０ｃから最初に送信される便器洗浄中である旨の信号に完了までの見積もり時間を含ませるなど、完了時間を便器本体５０ｃから取得するようにしてもよい。ただし実施の形態をこれに限定する主旨ではなく、少なくとも上述のような情報をボタン操作に応じて表示することにより、使用者はリフレッシュ動作がなされたことを意識することなく、局部洗浄機能が作動しない原因を認識することができ、故障を疑ったり不安を感じたりすることがなくなる。このような態様は、局部洗浄と便器洗浄に限らず、排他制御される機能であれば同様の効果が得られる。

　なお「便器洗浄中」でない期間に「局部洗浄ボタン」が押下された場合、すなわち局部洗浄が実施された場合は、識別番号「２」の場合と同様、「ノズル作動中」などと表示させながらリフレッシュ動作を実施してもよい。また同図における識別番号「１」～「３」は「人の状態」に対し条件を設定していないが、リモートコントロール装置１０ｃを操作する使用者として、人の存在も同時に確認していることになる。

　識別番号「４」は、人が便器本体５０ｃの「検知範囲に入った」ことを条件としている。「検知範囲に入った」とは、便器本体５０ｃが備える人体検知センサが検知可能な領域内に新たに人が確認された状態を指し、着座センサなどセンサの配置や数によってその領域は様々となる。なお人体検知センサは便器本体５０ｃが装備するものに限らず、リモートコントロール装置１０ｃ本体やトイレ空間内のいずれかの場所に設置されたものを利用してもよい。リフレッシュ制御部２２８は、通信部２２６を介して便器本体５０ｃへ定期的に人体の検知結果を問い合わせるなどし、新たに人が検知された旨の返信が取得された際、識別番号「４」の条件が満たされたと判定して表示制御部２３２に通知する。

　これに応じて表示制御部２３２は、「起動中」なる文字を表示させながらリフレッシュ動作を実施する。例えば使用者が便器本体５０ｃに着座した際にこのような表示変化があることで、着座が検知されたこと、ひいてはリモートコントロール装置１０ｃが操作受け付け状態にあることを使用者に認識させることができる。またこの場合も、リモートコントロール装置１０ｃの本来の動作として表示が変化したように見せることができる。

　なおこの態様ではリフレッシュ動作後は、図１９の画面２７０のように操作受け付けのための標準的な画面を表示させるが、リフレッシュ動作前、すなわち人の存在が検知されない期間は、標準的な画面とは異なる簡易的な画面を表示しておいてもよい。同時にリモートコントロール装置１０ｃも操作受け付けを休止させた状態としてもよい。この場合、リモートコントロール装置１０ｃは、「起動中」なる文字を表示させながらリフレッシュ動作を実施するとともに、操作受け付け機能を実際に「起動」させる。このようにしても上述と同様の効果を得られる。

　識別番号「５」は、便器本体５０ｃ周辺に人が存在しない「不在」の状態が判定されたことを条件としている。上述のように人の不在を判定するためには、リモートコントロール装置１０ｃに対する操作が所定時間発生しない、あるいは便器本体５０ｃにおいて人体が検知されない、といった判定基準を別途、設定しておく。前者の場合、リフレッシュ制御部２２８は、操作が所定時間発生しなかった時点を不在の開始とし、次に操作がなされた時点を不在の終了とする。後者の場合、リフレッシュ制御部２２８は、通信部２２６を介して便器本体５０ｃへ定期的に人体の検知結果を問い合わせるなどし、検知されていない旨の返信がある期間を不在期間とする。

　リフレッシュ制御部２２８はそのように判定した不在期間において、例えば所定の時間間隔で識別番号「５」の条件が満たされたと判定し、表示制御部２３２に通知する。これに応じて表示制御部２３２は、「書換中」なる文字を表示させながらリフレッシュ動作を実施する。このようにすることでリフレッシュ動作中であることが明確になるため、トイレ室に新たに入った人や、便器本体５０ｃの検知範囲外にいる人などが、リフレッシュ動作を偶然、目にしても、突然の画面変化に驚いたり装置の故障や異常を疑ったりするのを避けることができる。

　「書換中」以外に、「リフレッシュ中」や「お待ちください」などの文言を表示してもよい。なおこのような文言は、リモートコントロール装置１０ｃがリフレッシュ動作中であることを明示することにより、それを目にした使用者に安心感を与えるものであるため、人の在／不在に関わらず定期的にリフレッシュ動作を実施するような態様で表示させても同様の効果が得られる。また図２０に示した表示内容の例は全て文字列であったが、同様の内容を一見して把握できるような絵や図を表示させたり、文字列と組み合わせたりしてもよい。

　次にこれまで述べた構成によって実現されるリモートコントロール装置１０ｃの動作について説明する。図２１は、本実施の形態においてリモートコントロール装置１０ｃが行うリフレッシュ動作に係る処理の手順を示すフローチャートである。ただし図示した手順は一例であり、リフレッシュ動作の一部を省略してもよいし、さらに別のリフレッシュ動作の機会を設けてもよい。また、リモートコントロール装置１０ｃの本来の機能である、便器本体５０ｃに対する処理要求等、リフレッシュ動作に直接関連しない処理は適宜図示を省略している。

　このフローチャートは一例として、トイレ室への人の入室を待機している状態を初期状態としている。人の不在が継続している期間（Ｓ２１０のＮ）、リフレッシュ制御部２２８は不在期間開始からの時間経過を計測しながら所定時間が経過するまで待機する（Ｓ２１２のＮ）。そして所定時間が経過するごとに（Ｓ２１２のＹ）、表示制御部２３２に「書換中」なる表示をさせながらリフレッシュ動作を実施させる（Ｓ２１４）。一方、使用者が着座するなど便器本体５０ｃの人体検知部２６４により人が検知されたら（Ｓ２１０のＹ）、リフレッシュ制御部２２８は当該情報を便器本体５０ｃから取得し、表示制御部２３２に「起動中」なる表示をさせながらリフレッシュ動作を実施させる（Ｓ２１６）。

　リフレッシュ動作が完了したら、表示制御部３２は図１９の画面２７０のような操作受け付けのための画面を表示する（Ｓ２１８）。この状態で使用者により何らかの操作がなされ（Ｓ２２０のＹ）、それがリフレッシュ動作の条件に合致したら（Ｓ２２２のＹ）、リフレッシュ制御部２２８は表示制御部２３２に各操作や状況に応じた内容を表示させながらリフレッシュ動作を実施させる（Ｓ２２４）。リフレッシュ動作後、表示制御部２３２は操作受け付けのための画面へ表示を戻す（Ｓ２１８）。なされた操作がリフレッシュ動作の条件に合致しない場合は（Ｓ２２２のＮ）、リフレッシュ動作を実施せずに操作受け付けのための画面を必要に応じて切り替える（Ｓ２１８）。

　使用者により何ら操作がなされなくても、所定時間が経過しないうちは操作受け付けのための画面を表示させ、操作に応じてＳ２１８～Ｓ２２４の処理を実施する（Ｓ２２０のＮ、Ｓ２２６のＮ）。最後の操作から所定時間が経過したら（Ｓ２２０のＮ、Ｓ２２６のＹ）、リフレッシュ制御部２２８は人の不在を判定する（Ｓ２２８）。これにより同フローチャートの初期状態に戻り、再度、人を検知するまで所定の時間間隔で「書換中」なる表示をさせながらリフレッシュ動作を実施したり、人の動きによってその他のリフレッシュ動作を適宜実施したりする。

　以上、述べた本実施の形態によれば、リモートコントロール装置に不揮発性の表示装置を設ける。また不揮発性の表示装置に特有の残像を消去するためのリフレッシュ動作を、文字や絵などを表示させながら実施する。例えばリフレッシュ動作中であることや装置の正常な動きであることがわかるような文言や絵を表示させることにより、画面の色が突然変化するのを目にしても使用者が故障や異常を疑う必要がなくなる。また使用者がそのような状況を理解することにより、操作が効かないことに対するストレスを軽減させられる。結果として、リモートコントロール装置としての電力消費量を抑えながら、使用者に違和感や不便を覚えさせることなく表示の見やすさを維持することができる。

　また、使用者の操作の状況、便器本体の状況、人の在／不在で表示内容を適切に制御することにより、リフレッシュ動作中であることを使用者に意識させることなく必要な情報を提供することができる。特に便器本来の機能によって使用者が待たざるを得ない期間を利用することにより、リフレッシュ動作の終了を待っているという意識を与えることなく自然に残像の消去を行える。この場合も電力消費量を抑えながら、使用者が意識することなく表示の見やすさを維持することができる。

　１０ａ　リモートコントロール装置、　１２　送信部、　１６　表示部、　２４　操作受付部、　２６　信号送信部、　２８　停止判定部、　３０　電圧監視部、　３２　表示制御部、　５０ａ　便器本体、　５６　受信部、　５８　本体スイッチ、　１１２　送受信部、　１２６　通信部、　１２８　不在判定部、　１３２　表示制御部、　１５６　送受信部、　１６０　通信部、　１６４　人体検知部、　２１２　通信インターフェース、　２２６　通信部、　２２８　リフレッシュ制御部、　２３２　表示制御部、　２５６　通信インターフェース、　２６０　通信部、　２６４　人体検知部。

　本発明は、トイレ用リモートコントロール装置に利用可能である。

Claims

　使用者による操作に応じて無線信号を発信することにより本体装置の動作を制御するリモートコントロール装置であって、
　前記リモートコントロール装置の操作のための情報を表示する不揮発性の表示部を備えたことを特徴とするトイレ用リモートコントロール装置。
　前記リモートコントロール装置は電池を電源とし、
　前記表示部は、操作のための補助情報を表示するとともに、電池の状態に起因して操作の受け付けが停止している期間において、前記補助情報以外の暫定情報を表示することを特徴とする請求項１に記載のトイレ用リモートコントロール装置。
　格納された電池の電圧を監視する電圧監視部と、
　前記電圧および使用者による操作状況が所定の条件を満たしたとき、電池寿命に起因する操作の受け付けの停止を判定する停止判定部と、
　操作の受け付けの停止が判定された際、前記表示部に、前記暫定情報として電池寿命に係る情報を表示させる表示制御部と、
　を備えたことを特徴とする請求項２に記載のトイレ用リモートコントロール装置。
　前記表示部は、前記操作の受け付けが停止している期間に、前記補助情報を非表示とすることを特徴とする請求項２または３に記載のトイレ用リモートコントロール装置。
　前記表示部は、前記暫定情報として、電池の交換手順に係る表示を含めることを特徴とする請求項２から４のいずれかに記載のトイレ用リモートコントロール装置。
　前記表示部は、前記暫定情報として、前記リモートコントロール装置の代替操作手段を提示する表示を含めることを特徴とする請求項２から５のいずれかに記載のトイレ用リモートコントロール装置。
　前記表示部は、工場出荷から最初に電池が格納されるまでの期間において、前記リモートコントロール装置を使用できる状態にするために必要な初期作業に係る情報を前記暫定情報として表示することを特徴とする請求項２に記載のトイレ用リモートコントロール装置。
　あらかじめ定めた判定基準に基づき人の不在を判定する不在判定部を備え、
　前記表示部は、前記不在判定部により人の不在が判定されている期間に、画素の色を変化させるリフレッシュ動作を実施することを特徴とする請求項１に記載のトイレ用リモートコントロール装置。
　前記不在判定部は、前記リモートコントロール装置に対する操作が所定時間発生しないことを判定基準として人の不在を判定することを特徴とする請求項８に記載のトイレ用リモートコントロール装置。
　前記不在判定部は、前記本体装置に備えられた人体検知センサによる検知結果を通信により取得し、人体が検知されていないことを判定基準として人の不在を判定することを特徴とする請求項８または９に記載のトイレ用リモートコントロール装置。
　前記不在判定部は、前記リモートコントロール装置に対する操作が所定時間発生しなかったとき、通信により前記本体装置に備えられた人体検知センサによる検知結果を取得し、人体が検知されていないことを判定基準として人の不在を判定することを特徴とする請求項８に記載のトイレ用リモートコントロール装置。
　前記表示部は、前記不在判定部により人の不在が判定された期間において、それまでに表示していた現在時刻を非表示とすることを特徴とする請求項８から１１のいずれかに記載のトイレ用リモートコントロール装置。
　前記表示部に、表示色を時間変化させるリフレッシュ動作を所定のタイミングで実施させるリフレッシュ制御部を備え、
　前記表示部は、前記リフレッシュ動作において、背景と異なる色で所定の情報を表示させながら、それぞれの表示色を時間変化させることを特徴とする請求項１に記載のトイレ用リモートコントロール装置。
　前記表示部は、前記トイレ用リモートコントロール装置に対する操作がなされた際、当該操作の内容に対応する情報を表示させながら前記リフレッシュ動作を実施することを特徴とする請求項１３に記載のトイレ用リモートコントロール装置。
　前記本体装置と通信することにより当該本体装置の状態の情報を取得する通信部を備え、
　前記表示部は、前記本体装置の状態に応じて表示させる情報を決定することを特徴とする請求項１４に記載のトイレ用リモートコントロール装置。
　前記リフレッシュ制御部は、前記リモートコントロール装置の内部または外部に備えられた人体検知センサによる検知結果を取得し、
　前記表示部は、前記人体検知センサによって人体が検知された際、前記リモートコントロール装置が操作の受け付け状態に入ったことを示す情報を表示させながら前記リフレッシュ動作を実施することを特徴とする請求項１３に記載のトイレ用リモートコントロール装置。
　前記リフレッシュ制御部は、あらかじめ定めた判定基準に基づき人の不在を判定し、
　前記表示部は、前記リフレッシュ制御部により人の不在が判定されている期間に、リフレッシュ動作中であることを示す情報を表示させながら前記リフレッシュ動作を実施することを特徴とする請求項１３に記載のトイレ用リモートコントロール装置。