WO2016035465A1 - 燃料電池システム及びその制御方法 - Google Patents
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Abstract
燃料電池スタック(10)と、燃料電池スタック内に形成された水素ガス通路(30)の入口に連結された水素ガス供給路(31)と、水素ガス供給路内に配置され、燃料電池スタックに水素ガスをあらかじめ定められたインターバルでもって間欠的に供給する水素ガス供給弁(35)であって、インターバルを維持しつつ供給流量及び供給時間を変更可能な水素ガス供給弁と、を備える。燃料電池スタックに発電不良が発生しているか否かを判別する。燃料電池スタックに発電不良が発生していると判別されたときに、供給流量を大きく設定すると共に供給時間を短く設定し、それにより、燃料電池スタックへの燃料ガス供給量をほぼ維持しつつ燃料ガス通路の入口と燃料ガス通路の出口との間の差圧を増大させる差圧増大制御を行う。
Description
本発明は燃料電池システム及びその制御方法に関する。
水素と酸素との電気化学反応により電力を発生する燃料電池スタックと、燃料電池スタックに供給される水素の流量を制御する水素供給制御器と、を備え、燃料電池スタックにフラッディングが発生していると判別されたときに、燃料電池スタックに供給される水素の流量をあらかじめ定められた量だけ増大する、燃料電池システムが公知である(例えば、特許文献1参照)。この燃料電池システムでは、フラッディングが発生していないと判別されたときには、要求発電量に相当する流量でもって水素が燃料電池スタックに供給される。また、特許文献1の図1では、燃料電池スタック内に形成された水素通路の出口が大気に連通されている。
しかしながら、特許文献1の燃料電池システムでは、フラッディングが発生していると判別されたときに、過剰の水素が燃料電池スタックに供給される。しかしながら、この過剰の水素は燃料電池スタックを通過して、すなわち発電に寄与することなく、燃料電池スタックから排出されてしまう。すなわち、水素を有効に利用することができない。したがって、水素を有効に利用しつつ、燃料電池スタックの性能を確実に回復することが可能な新たな手法が求められている。
本発明の一観点によれば、燃料ガスと酸化剤ガスとの電気化学反応により電力を発生するように構成された燃料電池スタックと、前記燃料電池スタック内に形成された燃料ガス通路の入口に連結された燃料ガス供給路と、前記燃料ガス供給路内に配置され、前記燃料電池スタックに前記燃料ガスをあらかじめ定められたインターバルでもって間欠的に供給するように構成された燃料ガス供給弁であって、前記インターバルを維持しつつ供給流量及び供給時間を変更可能な燃料ガス供給弁と、前記燃料電池スタックに発電不良が発生しているか否かを判別し、前記燃料電池スタックに発電不良が発生していないと判別されたときに、前記供給流量をベース供給流量に設定すると共に前記供給時間をベース供給時間に設定する通常制御を行い、前記燃料電池スタックに発電不良が発生していると判別されたときに、前記供給流量を前記ベース供給流量よりも大きく設定すると共に前記供給時間を前記ベース供給時間よりも短く設定し、それにより、前記燃料電池スタックへの燃料ガス供給量をほぼ維持しつつ前記燃料ガス通路の入口と前記燃料ガス通路の出口との間の差圧を増大させる差圧増大制御を行うように構成された、制御器と、を備えた、燃料電池システムが提供される。
本発明の別の観点によれば、燃料ガスと酸化剤ガスとの電気化学反応により電力を発生する燃料電池スタックと、前記燃料電池スタック内に形成された燃料ガス通路の入口に連結された燃料ガス供給路と、前記燃料ガス供給路内に配置され、前記燃料電池スタックに前記燃料ガスをあらかじめ定められたインターバルでもって間欠的に供給する燃料ガス供給弁であって、前記インターバルを維持しつつ供給流量及び供給時間を変更可能な燃料ガス供給弁と、を備えた燃料電池システムの制御方法であって、前記燃料電池スタックに発電不良が発生しているか否かを制御器により判別し、前記燃料電池スタックに発電不良が発生していないと判別されたときに、前記供給流量をベース供給流量に設定すると共に前記供給時間をベース供給時間に設定する通常制御を前記制御器により行い、前記燃料電池スタックに発電不良が発生していると判別されたときに、前記供給流量を前記ベース供給流量よりも大きく設定すると共に前記供給時間を前記ベース供給時間よりも短く設定し、それにより、前記燃料電池スタックへの燃料ガス供給量をほぼ維持しつつ前記燃料ガス通路の入口と前記燃料ガス通路の出口との間の差圧を増大させる差圧増大制御を前記制御器により行う、燃料電池システムの制御方法が提供される。
燃料ガスを有効に利用しつつ、燃料電池スタックの発電能力を確実に回復させることができる。
図1を参照すると、燃料電池システムAは燃料電池スタック10を備える。燃料電池スタック10は積層方向LSに沿って互いに積層された複数の燃料電池単セル10aを備える。各燃料電池単セル10aは膜電極接合体20を含む。膜電極接合体20は膜状の電解質と、電解質の一側に形成されたアノード極と、電解質の他側に形成されたカソード極とを備える。
燃料電池単セル10aのアノード極及びカソード極はそれぞれ直列に電気的に接続され、燃料電池スタック10の電極を構成する。燃料電池スタック10の電極はDC/DCコンバータ11を介してインバータ12に電気的に接続され、インバータ12はモータジェネレータ13に電気的に接続される。また、燃料電池システムAは蓄電器14を備えており、この蓄電器14はDC/DCコンバータ15を介して上述のインバータ12に電気的に接続される。DC/DCコンバータ11は燃料電池スタック10からの電圧を高めてインバータ12に送るためのものであり、インバータ12はDC/DCコンバータ11又は蓄電器14からの直流電流を交流電流に変換するためのものである。DC/DCコンバータ15は燃料電池スタック10又はモータジェネレータ13から蓄電器14への電圧を低くし、又は蓄電器14からモータジェネレータ13への電圧を高くするためのものである。なお、図1に示される燃料電池システムAでは蓄電器14はバッテリから構成される。
また、各燃料電池単セル10a内には、アノード極に燃料ガスとしての水素ガスを供給するための水素ガス流通路30aと、カソード極に酸化剤ガスとしての空気を供給する空気流通路40aとがそれぞれ形成され、互いに隣接する2つの燃料電池単セル10a同士間には燃料電池単セル10aに冷却水を供給するための冷却水流通路50aが形成される。複数の燃料電池単セル10aの水素ガス流通路30a、空気流通路40a、及び冷却水流通路50aをそれぞれ並列に接続することにより、燃料電池スタック10内に水素ガス通路30、空気通路40、及び冷却水通路50がそれぞれ形成される。図1に示される燃料電池システムAでは、水素ガス通路30、空気通路40、及び冷却水通路50の入口及び出口はそれぞれ、燃料電池スタック10の積層方向LS一端に配置される。
図1に示される燃料電池システムAでは、水素ガス流通路30aの入口及び出口と、空気流通路40aの出口及び入口がそれぞれ隣接配置され、したがって水素ガス流通路30a内を流れる水素ガスの向きと、空気流通路40a内を流れる空気の向きとが互いにほぼ逆向きになっている。すなわち、燃料電池スタック10は向流式の燃料電池スタックから構成される。図示しない別の実施例では、水素ガス流通路30aの入口及び出口と、空気流通路40aの入口及び出口がそれぞれ隣接配置され、したがって水素ガス流通路30a内を流れる水素ガスの向きと、空気流通路40a内を流れる空気の向きとが互いにほぼ同じ向きになっている。この場合、燃料電池スタック10は並流式の燃料電池スタックから構成される。
水素ガス通路30の入口には水素ガス供給路31が連結され、水素ガス供給路31は水素ガス源、例えば水素タンク32に連結される。水素ガス供給路31内には上流側から順に、電磁式の遮断弁33と、水素ガス供給路31内の圧力を調整するレギュレータ34と、水素ガス源32からの水素ガスを燃料電池スタック10に供給するための電磁式の水素ガス供給弁35と、が配置される。一方、水素ガス通路30の出口にはパージ通路36が連結される。パージ通路36内には上流側から順に、バッファタンク37と、電磁式のパージ制御弁38とが配置される。遮断弁33及び水素ガス供給弁35が開弁されると、水素ガス源32内の水素ガスが水素ガス供給路31を介して燃料電池スタック10内の水素ガス通路30内に供給される。このとき水素ガス通路30から流出するガス、すなわちアノードオフガスはパージ通路36を介してバッファタンク37内に流入し、バッファタンク37内に蓄積される。パージ制御弁38は通常は閉弁されており、周期的に短時間にわたり開弁される。パージ制御弁38が開弁されるとバッファタンク37内のアノードオフガスが大気に排出される。
図1に示される燃料電池システムAでは、パージ通路36の出口は大気に連通されている。すなわち、水素ガス通路30の出口は水素ガス供給路31に連通されず、したがって水素ガス供給路31から分離されている。このことは、水素ガス通路30の出口から流出するアノードオフガスが水素ガス供給路31に戻されない、ということを意味している。図示しない別の実施例では、水素ガス通路30の出口が水素ガス戻し通路を介して例えばレギュレータ34と水素ガス供給弁35との間の水素ガス供給路31に連結される。水素ガス戻し通路内には上流側から順に、気液分離器と、気液分離器により分離された水素ガスを水素ガス供給路31に送り込む水素ガス戻しポンプと、が配置される。この場合、水素ガスを含むアノードオフガスが水素ガス戻し通路を介して水素ガス供給路31に戻される。その結果、水素ガス源32からの水素ガスと水素ガス戻し通路からの水素ガスとの混合体が水素ガス供給弁35から燃料電池スタック10に供給される。この図示しない別の実施例との比較において、図1に示される燃料電池システムAでは、水素ガス戻し通路、水素ガス戻しポンプ等が省略されているということになる。その結果、図1に示される燃料電池システムAでは、構成が簡素化され、コストが低減され、水素ガス戻し通路等のための空間を必要としない。
また、空気通路40の入口には空気供給路41が連結され、空気供給路41は空気源、例えば大気42に連結される。空気供給路41内には上流側から順に、ガスクリーナ43と、空気を圧送する空気供給器ないしコンプレッサ44と、コンプレッサ44から燃料電池スタック10に送られる空気を冷却するためのインタークーラ45と、が配置される。一方、空気通路40の出口にはカソードオフガス通路46が連結される。コンプレッサ44が駆動されると、空気が空気供給路41を介して燃料電池スタック10内の空気通路40内に供給される。このとき空気通路40から流出するガス、すなわちカソードオフガスはカソードオフガス通路46内に流入する。カソードオフガス通路46内にはカソードオフガス通路46内を流れるカソードオフガスの量を制御する電磁式のカソードオフガス制御弁47が配置される。
更に図1を参照すると、冷却水通路50の入口には冷却水供給路51の一端が連結され、冷却水供給路51の出口には冷却水供給路51の他端が連結される。冷却水供給路51内には冷却水を圧送する冷却水ポンプ52と、ラジエータ53とが配置される。ラジエータ53上流の冷却水供給路51と、ラジエータ53と冷却水ポンプ52間の冷却水供給路51とはラジエータバイパス通路54により互いに連結される。また、ラジエータバイパス通路54内を流れる冷却水量を制御するラジエータバイパス制御弁55が設けられる。図1に示される燃料電池システムAではラジエータバイパス制御弁55は三方弁から形成され、ラジエータバイパス通路54の出口に配置される。冷却水ポンプ52が駆動されると、冷却水ポンプ52から吐出された冷却水は冷却水供給路51を介して燃料電池スタック10内の冷却水通路50内に流入し、次いで冷却水通路50を通って冷却水供給路51内に流入し、ラジエータ53又はラジエータバイパス通路54を介して冷却水ポンプ52に戻る。
電子制御ユニット60はデジタルコンピュータからなり、双方向性バス61によって互いに接続されたROM(リードオンリメモリ)62、RAM(ランダムアクセスメモリ)63、CPU(マイクロプロセッサ)64、入力ポート65及び出力ポート66を具備する。燃料電池スタック10には、燃料電池スタック10の出力電圧及び出力電流をそれぞれ検出する電圧計16及び電流計17と、水素ガス通路30内の水素ガス濃度を検出する濃度センサ18とが燃料電池スタック10に設けられる。濃度センサ18は例えば、水素ガス通路30の入口及び出口から最も離れた位置にある燃料電池単セル10a内の水素ガス流通路30aに設けられる。また、水素ガス通路30の入口に隣接する水素ガス供給路31には水素ガス通路30の入口における圧力を検出する圧力センサ19iが取り付けられ、水素ガス通路30の出口に隣接するパージ通路36には水素ガス通路30の出口における圧力を検出する圧力センサ19oが取り付けられる。電圧計16、電流計17、濃度センサ18、及び圧力センサ19i,19oの出力信号は対応するAD変換器67を介して入力ポート65にそれぞれ入力される。一方、出力ポート66は対応する駆動回路68を介してDC/DCコンバータ11、インバータ12、モータジェネレータ13、DC/DCコンバータ15、遮断弁33、レギュレータ34、水素ガス供給弁35、パージ制御弁38、コンプレッサ44、カソードオフガス制御弁47、冷却水ポンプ52、及びラジエータバイパス制御弁55に電気的に接続される。
上述の水素ガス供給弁35は水素ガスを燃料電池スタック10にあらかじめ定められた一定のインターバルでもって間欠的に供給する。すなわち、図2に示されるように、水素ガス供給弁35はインターバルINTごとに開弁時間dtOPにわたり開弁されて水素ガスを供給し、次いで閉弁時間dtCL(=INT-dtOP)にわたり閉弁されて水素ガス供給を停止する。この場合、インターバルINTに対する開弁時間dtOPの比であるデューティ比DR(=dtOP/INT,0≦DR≦1)が変更されると、水素ガス供給弁35から燃料電池スタック10に供給される水素ガス量が変更される。具体的には、デューティ比DRが小さくなると開弁時間dtOP(=INT・DR)が短くなって水素ガス供給弁35から供給される水素ガス量が少なくなり、デューティ比DRが大きくなると開弁時間dtOPが長くなって水素ガス供給弁35からの水素ガス量が多くなる。このように、開弁時間dtOPは水素ガスの供給時間又は供給量を表している。なお、パージ制御弁38は上述したように繰り返し開弁される。このパージ制御弁38の開弁インターバルは水素ガス供給弁35のインターバルINTよりもかなり長く設定されている。
図3は、図1に示される水素ガス供給弁35の一例を示している。図3に示される例では、水素ガス供給弁35は水素ガス供給路31内に互いに並列に配置された複数、例えば3つの電磁式インジェクタ35a,35b,35cを備える。これらインジェクタ35a,35b,35cは同一である。また、図3に示される例では、水素ガスを供給するのに用いられるインジェクタの数が変更可能になっている。すなわち、インジェクタ35a,35b,35cのうちいずれか1つを用いて水素ガスを供給することもできるし、インジェクタ35a,35b,35cのうちいずれか2つを用いて水素ガスを供給することもできるし、インジェクタ35a,35b,35cのすべてを用いて水素ガスを供給することもできる。なお、水素ガスを供給するのにインジェクタ35a,35b,35cのうち2つ又は3つが用いられる場合には、これらインジェクタ35a,35b,35cの開弁及び閉弁動作は互いにが同期される。図示しない別の実施例では、水素ガス供給弁35は、例えば流路面積を変更することにより供給流量を変更可能な単一のインジェクタから構成される。
図4は、同一のデューティ比DRにおいて、すなわち同一の開弁時間dtOPにおいて、水素ガス供給弁35から供給される水素ガス供給流量qH(例えばNL/min)を示している。図4において、曲線qH1は水素ガスを供給するのにインジェクタ35a,35b,35cのうちいずれか1つが用いられた場合の水素ガス供給流量を、曲線qH2は水素ガスを供給するのにインジェクタ35a,35b,35cのうちいずれか2つが用いられた場合の水素ガス供給流量を、曲線qH3は水素ガスを供給するのにインジェクタ35a,35b,35cのすべてが用いられた場合の水素ガス供給流量を、それぞれ示している。図4に示されるように、インジェクタ35a,35b,35cのうちいずれか2つが用いられたときの水素ガス供給流量qH2はインジェクタ35a,35b,35cのうちいずれか1つが用いられたときの水素ガス供給流量qH1のほぼ2倍であり、インジェクタ35a,35b,35cのすべてが用いられたときの水素ガス供給流量qH3は水素ガス供給流量qH1のほぼ3倍である。
したがって、図1に示される燃料電池システムAでは、水素ガス供給弁35が、燃料電池スタック10に水素ガスをあらかじめ定められたインターバルINTでもって間欠的に供給するように構成された水素ガス供給弁であって、インターバルINTを維持しつつ供給流量qH及び供給時間dtOPを変更可能な水素ガス供給弁から構成されているということになる。
燃料電池スタック10で発電すべきときには遮断弁33及び水素ガス供給弁35が開弁され、水素ガスが燃料電池スタック10に供給される。また、コンプレッサ44が作動され、空気が燃料電池スタック10に供給される。その結果、燃料電池スタック10において電気化学反応(H2→2H++2e-,(1/2)O2+2H++2e-→H2O)が起こり、電力が発生される。この発生された電力はモータジェネレータ13に送られる。その結果、モータジェネレータ13が車両駆動用の電気モータとして作動され、車両が駆動される。一方、例えば車両制動時にはモータジェネレータ13が回生装置として作動し、このとき回生された電力は蓄電器14に蓄えられる。
上述したように、燃料電池スタック10で上述の電気化学反応が起こると、燃料電池スタック10のカソード極において水が発生する。この水の一部は空気通路40内の空気流れにより空気通路40内を進行し、したがって膜電極接合体20のカソード極側の部分に水分が付与される。すなわち、カソード極部分の湿潤度合いが高められる。また、水の一部は空気通路40内を更に進行し、空気通路40の出口近傍に滞留する。空気通路40の出口近傍に滞留している水の一部は次いで、膜電極接合体20を透過し、水素ガス通路30に移動する。図1に示される燃料電池スタック10は上述したように、向流式の燃料電池スタックから構成される。このため、空気通路40からの水は水素ガス通路30の入口近傍に到る。水素ガス通路30の入口近傍に移動した水は次いで、水素ガス通路30内の水素ガス流れにより水素ガス通路30内を進行し、したがって膜電極接合体20のアノード極側の部分に水分が付与される。すなわち、アノード極側部分の湿潤度合いも高められる。更に、水の一部は水素ガス通路30内を更に進行し、水素ガス通路30の出口近傍に滞留する。更に、水素ガス通路30の出口近傍に滞留している水の一部は膜電極接合体20を透過し、空気通路40の入口近傍に移動し、次いで空気通路40内を進行する。このように、向流式の燃料電池スタックでは、燃料電池スタックの外部から水を追加することなく、膜電極接合体20全体の湿潤度合いが高く維持される。
ところで、種々の理由により燃料電池スタック10の発電能力が低下する発電不良が燃料電池スタック10に発生するおそれがある。そこで、図1に示される燃料電池システムAでは、燃料電池スタック10に発電不良が発生しているか否かが判別され、燃料電池スタック10に発電不良が発生していると判別されたときには後述する差圧増大制御が行なわれ、それにより燃料電池スタック10の発電能力を回復させるようにしている。一方、燃料電池スタック10に発電不良が発生していないと判別されたときには通常制御が行なわれる。次に、まず通常制御について説明する。
通常制御では、燃料電池スタック10に水素ガスを供給するのに水素ガス供給弁35のインジェクタ35a,35b,35cのうちいずれか1つが用いられると共に、デューティ比DRがベースデューティ比DRbに設定される。ベースデューティ比DRbは例えばアクセルペダルの踏み込み量に応じて定まる要求発電量REPの関数として、図5に示されるマップの形であらかじめROM62内に記憶されている。
図6には、通常制御時における水素ガス供給弁35からの水素ガス供給流量qHの変化が示されており、図6においてSは水素ガス供給弁35の1回の開閉弁動作により行われる水素ガス供給作用をそれぞれ示している。通常制御では図6に示されるように、各水素ガス供給作用Sにおいて、水素ガスは水素ガス供給流量qHnでもって水素ガス供給時間dtSnにわたり供給される。通常制御では水素ガスを供給するのに1つのインジェクタ35a,35b,35cが用いられるので、水素ガス供給流量qHnは図4を参照して説明した上述した水素ガス供給流量qH1に一致する。一方、水素ガス供給時間dtSnは、上述したベースデューティ比DRbに対応するベース開弁時間dtOPb(=INT・DRb)にほぼ一致する。
更に図6に示されるように、水素ガス供給作用Sが開始されると、水素ガス通路30の入口における圧力、すなわち入口圧力PHiが上昇し、水素ガス通路30の出口における圧力、すなわち出口圧力PHoも上昇する。次いで、水素ガス供給作用Sが停止されると、燃料電池スタック10で水素ガスが消費されるのに伴い、入口圧力PHi及び出口圧力PHoが次第に低下する。このように入口圧力PHi及び出口圧力PHoはそれぞれ振動する。なお、図6において、PHiMは入口圧力PHiのピーク値を表している。ここで、水素ガス供給作用Sが開始されたときに入口圧力PHiは出口圧力PHoよりも急激に上昇し、したがって入口圧力PHiと出口圧力PHoとの間に差圧PD(=PHi-PHo)が発生している。
これに対し、差圧増大制御では、図7に示されるように、各水素ガス供給作用Sにおいて、水素ガスは水素ガス供給流量qHxでもって水素ガス供給時間dtSxにわたり供給される。この場合の水素ガス供給流量qHxは通常制御における水素ガス供給流量qHnよりも大きく設定されており、水素ガス供給時間dtSxは通常制御における水素ガス供給時間dtSnよりも短く設定されている。
具体的には、差圧増大制御において、燃料電池スタック10に水素ガスを供給するのに複数、例えば3つのインジェクタ35a,35b,35cが用いられる。その結果、差圧増大制御における水素ガス供給時間dtSxは図4を参照して説明した上述した水素ガス供給流量qH3に一致する。ここで、通常制御における水素ガス供給流量qHnに対する差圧増大制御における水素ガス供給流量qHxの比を流量増大率IRと称すると、流量増大率IRはほぼ3に設定されるということになる。
一方、差圧増大制御における水素ガス供給時間dtSxは通常制御における水素ガス供給時間dtSnを上述の流量増大率IRでもって割り算することにより求められる(dtSx=dtSn/IR)。すなわち、流量増大率IRが3の場合には、差圧増大制御における水素ガス供給時間dtSxは通常制御における水素ガス供給時間dtSnの3分の1に設定される。このようにすると、1回の水素ガス供給作用Sにより燃料電池スタック10に供給される水素ガス量が通常制御時と差圧増大制御時とで一定に維持される。なお、差圧増大制御におけるデューティ比DRxはベースデューティ比DRbを流量増大率IRでもって割り算することにより求められる(DRx=DRb/IR)。
更に図7に示されるように、差圧増大制御では、水素ガス供給作用Sが開始されると、入口圧力PHiが急激に上昇する。この場合、差圧増大制御における入口圧力PHiの上昇速度が通常制御における入口圧力PHiの上昇速度よりも高くなる。その結果、差圧増大制御における差圧PDが通常制御における差圧PDよりも大きくなる。なお、図6及び図7に示される例では、差圧増大制御における入口圧力PHiのピーク値PHiMは通常制御におけるピーク値PHiMにほぼ等しくなっている。
したがって、包括的に表現すると、通常制御では、供給流量をベース供給流量に設定すると共に供給時間をベース供給時間に設定し、差圧増大制御では、供給流量をベース供給流量よりも大きく設定すると共に供給時間をベース供給時間よりも短く設定し、それにより、燃料電池スタック10への燃料ガス供給量をほぼ維持しつつ差圧を増大させている、ということになる。
ところで、燃料電池スタック10で上述の電気化学反応が起こると、燃料電池スタック10のカソード極において水が発生する。この水の一部は膜電極接合体20を通過してアノード極ないし水素ガス通路30に到る。ところが、アノード極ないし水素ガス通路30に過度に多量の水が液体の形で存在すると、この過度に多量の液水によってアノード極が覆われ、水素ガスがアノード極に到達しにくくなり、したがって燃料電池スタック10の発電性能が低下する。すなわち、フラッディングが発生する。
そこで本発明による第1実施例では、燃料電池スタック10にフラッディングが発生しているか否かが判別され、燃料電池スタック10にフラッディングが生じていると判別されたときに燃料電池スタック10に発電不良が発生していると判別される。燃料電池スタック10に発電不良が発生していると判別されると、上述したように差圧増大制御が行われる。差圧増大制御が行なわれると、増大された差圧PDにより、燃料電池スタック10の水素ガス通路30内を流通する水素ガスの流速が急激に高められる。その結果、水素ガス通路30内の液水が良好に燃料電池スタック10外に排出される。したがって、フラッディングが確実に解消される。この場合、上述したように、1回の水素ガス供給作用Sにより燃料電池スタック10に供給される水素ガス量は維持されており、したがってフラッディングを解消するために水素ガスが過剰に供給されない。すなわち、水素ガスが有効に利用されつつフラッディングが確実に解消される。
すなわち、図8に示されるように、時間ta1においてフラッディングが発生していると判別されると、差圧増大制御が開始される。次いで、時間ta2においてフラッディングが解消したと判別されると、差圧増大制御が終了され、通常制御が再開される。
フラッディングが発生していないときには、燃料電池スタック10の出力電圧は出力電流に応じて定まる設定電圧にほぼ一致し、フラッディングが発生すると、燃料電池スタック10の電気抵抗値がほとんど変動することなく燃料電池スタック10の出力電圧が設定電圧から低下する。本発明による第1実施例では、燃料電池スタック10の出力電圧があらかじめ定められたしきい電圧よりも低くかつ燃料電池スタック10の電気抵抗値があらかじめ定められたしきい抵抗値を越えていないときに燃料電池スタック10にフラッディングが発生していると判別され、燃料電池スタック10の出力電圧がしきい電圧よりも高いか、又は、燃料電池スタック10の出力電圧がしきい電圧よりも低くても燃料電池スタック10の電気抵抗値がしきい抵抗値を越えているときに燃料電池スタック10にフラッディングが発生していないと判別される。なお、燃料電池スタック10の電気抵抗値は燃料電池スタック10の出力電圧及び出力電流から算出される。あるいは、燃料電池スタック10のインピーダンスが測定され、インピーダンスが電気抵抗値の代わりに用いられる。
図9は本発明による第1実施例の水素ガス供給制御を実行するルーチンを示している。このルーチンはあらかじめ定められた設定時間ごとの割り込みによって実行される。図9を参照すると、ステップ100では図5のマップからベースデューティ比DRbが算出される。続くステップ101では、フラグXがセットされているか否かが判別される。このフラグXは差圧増大制御を実行すべきとき、すなわち通常制御を停止すべきときにセットされ(X=1)、差圧増大制御を停止すべきとき、すなわち通常制御を実行すべきときにリセットされる(X=0)。フラグXがリセットされているときにはステップ102に進み、フラッディングが発生しているか否かが判別される。フラッディングが発生していないと判別されたときにはステップ103に進み、フラグXがリセットされ続ける(X=0)。続くステップ104では差圧増大制御が停止され続け、通常制御が実行され続ける。これに対し、フラッディングが発生していると判別されたときにはステップ102からステップ105に進み、フラグXがセットされる(X=1)。続くステップ106では通常制御が停止され、差圧増大制御が実行される。
フラグXがセットされたときにはステップ101からステップ107に進み、フラッディングが解消したか否かが判別される。フラッディングが解消していないと判別されたときにはステップ105に進み、フラグXがセットされ続ける(X=1)。続くステップ106では差圧増大制御が実行され続け、通常制御が停止され続ける。これに対し、フラッディングが解消したと判別されたときにはステップ107からステップ103に進み、フラグXがリセットされる(X=0)。続くステップ104では差圧増大制御が停止され、通常制御が実行される。
次に、本発明による第2実施例を説明する。水素ガス通路30内において窒素ガス濃度又は水蒸気濃度が過度に高くなると、水素ガス濃度が過度に低下し、したがって燃料電池スタック10の発電性能が低下する。すなわち、水素ガス欠乏状態が発生する。
そこで本発明による第2実施例では、燃料電池スタック10に水素ガス欠乏状態が発生しているか否かが判別され、燃料電池スタック10に水素ガス欠乏状態が生じていると判別されたときに燃料電池スタック10に発電不良が発生していると判別され、差圧増大制御が行われる。その結果、水素ガス通路30内を流通する水素ガスの流速が急激に高められるので、水素ガス通路30から窒素ガス及び水蒸気が良好に排出されると共に、水素ガスが水素ガス通路30全体に広く供給される。したがって、この実施例でも、水素ガスが有効に利用されつつ、水素ガス欠乏状態が確実に解消される。
すなわち、図10に示されるように、時間tb1において水素ガス欠乏状態が発生していると判別されると、差圧増大制御が開始される。次いで、時間tb2において水素ガス欠乏状態が解消したと判別されると、差圧増大制御が終了され、通常制御が再開される。
本発明による第2実施例では、濃度センサ18により検出される水素ガス濃度があらかじめ定められた設定濃度よりも低いときに燃料電池スタック10に水素ガス欠乏状態が発生していると判別され、水素ガス濃度が設定濃度よりも高いときに燃料電池スタック10に水素ガス欠乏状態が発生していないと判別される。
図11は本発明による第2実施例の水素ガス供給制御を実行するルーチンを示している。図9に示されるルーチンとの相違点を説明すると、ステップ101においてフラグXがリセットされているときにはステップ102aに進み、水素ガス欠乏状態が発生しているか否かが判別される。水素ガス欠乏状態が発生していないと判別されたときにはステップ103に進み、水素ガス欠乏状態が発生していると判別されたときにはステップ105に進む。一方、ステップ101においてフラグXがセットされているときにはステップ107aに進み、水素ガス欠乏状態が解消したか否かが判別される。水素ガス欠乏状態が解消していないと判別されたときにはステップ105に進み、水素ガス欠乏状態が解消したと判別されたときにはステップ103に進む。
次に、本発明による第3実施例を説明する。膜電極接合体20の湿潤度合いが過度に低くなると、燃料電池スタック10の発電性能が低下する。すなわち、ドライアップが発生する。
そこで本発明による第3実施例では、燃料電池スタック10にドライアップが発生しているか否かが判別され、燃料電池スタック10にドライアップが生じていると判別されたときに燃料電池スタック10に発電不良が発生していると判別される。燃料電池スタック10に発電不良が発生していると判別されると、本発明による第3実施例ではまず、燃料電池スタック10内の湿潤度合いを高める湿潤化制御が行なわれる。その結果、湿潤化制御により燃料電池スタック10内、例えば水素ガス通路30内の水分量が増大される。次いで、差圧増大制御が行われる。その結果、水素ガス通路30内を流通する水素ガスの流速が急激に高められるので、水素ガス通路30内の水分が水素ガス通路30内に広く搬送される。したがって、この実施例でも、水素ガスが有効に利用されつつ、ドライアップが確実に解消される。
すなわち、図12に示されるように、時間tc1においてドライアップが発生していると判別されると、まず湿潤化制御が開始される。次いで、湿潤化制御が例えば一定時間にわたり行なわれると、時間tc2において湿潤化制御が終了されると共に、差圧増大制御が開始される。次いで、時間tc3においてドライアップが解消したと判別されると、差圧増大制御が終了され、通常制御が再開される。
ドライアップが発生していないときには、燃料電池スタック10の出力電圧は出力電流に応じて定まる設定電圧にほぼ一致し、ドライアップが発生すると、燃料電池スタック10の電気抵抗値が増大すると共に燃料電池スタック10の出力電圧が設定電圧から低下する。本発明による第3実施例では、燃料電池スタック10の出力電圧があらかじめ定められたしきい電圧よりも低くかつ燃料電池スタック10の電気抵抗値があらかじめ定められたしきい抵抗値を越えているときに燃料電池スタック10にドライアップが発生していると判別され、燃料電池スタック10の出力電圧がしきい電圧よりも高いか、又は、燃料電池スタック10の出力電圧がしきい電圧よりも低くても燃料電池スタック10の電気抵抗値がしきい抵抗値を越えていないときに燃料電池スタック10にドライアップが発生していないと判別される。あるいは、燃料電池スタック10の出力電圧に関わらず燃料電池スタック10の電気抵抗値があらかじめ定められたしきい抵抗値を越えているときに燃料電池スタック10にドライアップが発生していると判別され、燃料電池スタック10の出力電圧に関わらず燃料電池スタック10の電気抵抗値がしきい抵抗値を越えていないときに燃料電池スタック10にドライアップが発生していないと判別される。なお、燃料電池スタック10の電気抵抗値は燃料電池スタック10の出力電圧及び出力電流から算出される。あるいは、燃料電池スタック10のインピーダンスが測定され、インピーダンスが電気抵抗値の代わりに用いられる。
また、本発明による第3実施例では、湿潤化制御を行うために、コンプレッサ44から酸化剤ガス供給器から燃料電池スタック10に供給される空気量を減少する空気減量制御と、カソードオフガス制御弁47の開度を低減する開度低減制御との一方又は両方が行われる。空気減量制御又は開度低減制御が行なわれると、空気通路40から流出するカソードオフガス量が減少され、したがってカソードオフガスと共に空気通路40から流出する水分量が減少される。したがって、空気通路40の湿潤度合いが高められる。
上述したように図1に示される燃料電池スタック10は向流式であるので、空気通路40の湿潤度合いが高められると、空気通路40から膜電極接合体20を透過して水素ガス通路30、特に水素ガス通路30の入口近傍に移動する水の量が増大される。この増量された水がその後に行われる差圧増大制御により水素ガス通路30全体に広く供給される。その結果、ドライアップが良好に解消される。
図13は本発明による第3実施例の水素ガス供給制御を実行するルーチンを示している。図9に示されるルーチンとの相違点を説明すると、ステップ101においてフラグXがリセットされているときにはステップ102bに進み、ドライアップが発生しているか否かが判別される。ドライアップが発生していないと判別されたときにはステップ103に進み、ドライアップが発生していると判別されたときにはステップ108に進む。ステップ108では湿潤化制御が実行される。次いでステップ105に進む。一方、ステップ101においてフラグXがセットされているときにはステップ107bに進み、ドライアップが解消したか否かが判別される。ドライアップが解消していないと判別されたときにはステップ105に進み、ドライアップが解消したと判別されたときにはステップ103に進む。
なお、図13に示されるルーチンでは、ドライアップが解消していないと判別されたときにはステップ107bからステップ105に進み、このとき湿潤化制御が行われない。図示しない別の実施例では、ドライアップが解消していないと判別されたときにはステップ107bからステップ108に進み、湿潤化制御が再度行われた後に、差圧増大制御が再度行われる。
また、図示しない別の実施例では、上述した本発明による第1実施例から第3実施例のうち少なくとも2つが同時に行われる。
したがって、包括的に表現すると、燃料電池スタック10にフラッディング又は燃料ガス欠乏状態が生じているか否かが判別され、燃料電池スタック10にフラッディング又は燃料ガス欠乏状態が生じていると判別されたときに、燃料電池スタック10に発電不良が発生していると判別される、ということになる。また、燃料電池スタック10が向流式の燃料電池スタックから構成されており、燃料電池スタック10にドライアップが生じているか否が判別され、燃料電池スタック10にドライアップが生じていると判別されたときに、燃料電池スタック10に発電不良が発生していると判別される、ということにもなる。
ところで、膜電極接合体20には、水素ガス通路30内の圧力と空気通路40内の圧力との差圧である通路間差圧に応じた力が作用する。一方、差圧増大制御が行なわれると、入口圧力PHiが急激に上昇し、入口圧力PHiのピーク値PHiMが過度に高くなるおそれがある。ところが、ピーク値PHiMが過度に高くなると、上述した通路間差圧が過度に大きくなり、したがって膜電極接合体20に過度に大きな力が作用する。その結果、膜電極接合体20が破損するおそれがある。
そこで図1に示される燃料電池システムAでは、差圧増大制御時において水素ガス供給弁35による水素ガス供給作用中に入口圧力PHiが許容上限ULを越えたときには、水素ガス供給弁35による水素ガス供給作用が中止される。その結果、入口圧力PHiが更に上昇するのが阻止され、したがって入口圧力PHiが抑制される。したがって、膜電極接合体20に過度に大きな力が作用するのが阻止される。
すなわち、図14に示されるように、差圧増大制御時の時間td1において水素ガス供給弁35が開弁されると、すなわち水素ガス供給作用が開始されると、入口圧力PHiが上昇し始める。次いで、時間td2において、入口圧力PHiが許容上限ULを越えると、水素ガス供給弁35が閉弁される、すなわち水素ガス供給作用が中止される。なお、図14においてdtOPxは、差圧増大制御における水素ガス供給時間dtSxに対応する水素ガス供給弁35の開弁時間を表している。すなわち、水素ガス供給作用中に入口圧力PHiが許容上限ULを越えなければ、水素ガス供給作用は時間td3まで継続されていたのである。そうすると、入口圧力PHiが許容上限ULを越えたときには水素ガス供給時間ないし水素ガス供給弁35の開弁時間が短縮されるという見方もできる。
図15は上述した入口圧力抑制制御を実行するルーチンを示している。このルーチンはあらかじめ定められた設定時間ごとの割り込みによって実行される。図15を参照すると、ステップ200ではフラグXがセットされているか否かが判別される。フラグXがセットされているとき、すなわち差圧増大制御を実行すべきときには次いでステップ201に進み、水素ガス供給弁35が開弁しているか否かが判別される。水素ガス供給弁35が開弁しているときには次いでステップ202に進み、入口圧力PHiが上限値ULよりも高いか否かが判別される。PHi>ULのときには次いでステップ203に進み、水素ガス供給弁35が閉弁され、したがって水素ガス供給弁35による水素ガス供給作用が中止される。ステップ200においてフラグXがリセットされているとき、すなわち差圧増大制御が停止されているとき、ステップ201において水素ガス供給弁35が閉弁しているとき、又は、ステップ202においてPHi≦ULのときには処理サイクルを終了する。この場合、水素ガス供給弁35による水素ガス供給作用は中止されない。
上述したように、燃料電池スタック10は複数の燃料電池単セル10aから構成される。したがって、燃料電池単セル10aの少なくとも1つに発電不良が発生していると判別されたときに、燃料電池スタック10に発電不良が発生しているとみなすことができる。
A 燃料電池システム
10 燃料電池スタック
19i,19o 圧力センサ
30 水素ガス通路
31 水素ガス供給路
35 水素ガス供給弁
36 パージ通路
10 燃料電池スタック
19i,19o 圧力センサ
30 水素ガス通路
31 水素ガス供給路
35 水素ガス供給弁
36 パージ通路
Claims (10)
- 燃料ガスと酸化剤ガスとの電気化学反応により電力を発生するように構成された燃料電池スタックと、
前記燃料電池スタック内に形成された燃料ガス通路の入口に連結された燃料ガス供給路と、
前記燃料ガス供給路内に配置され、前記燃料電池スタックに前記燃料ガスをあらかじめ定められたインターバルでもって間欠的に供給するように構成された燃料ガス供給弁であって、前記インターバルを維持しつつ供給流量及び供給時間を変更可能な燃料ガス供給弁と、
前記燃料電池スタックに発電不良が発生しているか否かを判別し、前記燃料電池スタックに発電不良が発生していないと判別されたときに、前記供給流量をベース供給流量に設定すると共に前記供給時間をベース供給時間に設定する通常制御を行い、前記燃料電池スタックに発電不良が発生していると判別されたときに、前記供給流量を前記ベース供給流量よりも大きく設定すると共に前記供給時間を前記ベース供給時間よりも短く設定し、それにより、前記燃料電池スタックへの燃料ガス供給量をほぼ維持しつつ前記燃料ガス通路の入口と前記燃料ガス通路の出口との間の差圧を増大させる差圧増大制御を行うように構成された、制御器と、
を備えた、燃料電池システム。 - 前記制御器は、前記燃料電池スタックにフラッディング又は燃料ガス欠乏状態が生じているか否かを判別し、前記燃料電池スタックにフラッディング又は燃料ガス欠乏状態が生じていると判別したときに、前記燃料電池スタックに前記発電不良が発生していると判別するように構成されている、請求項1に記載の燃料電池システム。
- 前記燃料電池スタックが向流式の燃料電池スタックから構成されており、前記制御器は、前記燃料電池スタックにドライアップが生じているか否かを判別し、前記燃料電池スタックにドライアップが生じていると判別したときに、前記燃料電池スタックに前記発電不良が発生していると判別するように構成されている、請求項1に記載の燃料電池システム。
- 前記制御器は、前記燃料電池スタックに発電不良が発生していると判別されたときに、まず前記燃料電池スタック内の湿潤度合いを高める湿潤化制御を行い、次いで前記差圧増大制御を行うように構成されている、請求項3に記載の燃料電池システム。
- 前記燃料電池スタック内に形成された酸化剤ガス通路の入口に連結された酸化剤ガス供給路と、前記酸化剤ガス供給路内に配置され、前記燃料電池スタックに酸化剤ガスを供給するように構成された酸化剤ガス供給器と、前記酸化剤ガス通路の出口に連結されたカソードオフガス通路と、前記カソードオフガス通路内に配置されたカソードオフガス制御弁と、を備え、前記制御器は、前記湿潤化制御を行うために、前記酸化剤ガス供給器から前記燃料電池スタックへの酸化剤ガス供給量を減少する酸化剤ガス減量制御と、前記カソードオフガス制御弁の開度を低減する開度低減制御との一方又は両方を行うように構成されている、請求項4に記載の燃料電池システム。
- 前記制御器は、前記差圧増大制御時において前記燃料ガス供給弁による前記燃料ガスの供給作用中に前記燃料ガス通路の入口の圧力が許容上限を越えたときには、前記燃料ガス供給弁による前記燃料ガスの供給作用を中止するように構成されている、請求項1から5までのいずれか一項に記載の燃料電池システム。
- 前記燃料ガス供給弁が前記燃料ガス供給路内に並列に配置された複数のインジェクタを備え、前記供給流量を増大すべきときには前記燃料電池スタックに前記燃料ガスを供給するのに用いられる前記インジェクタの数が増大される、請求項1から6までのいずれか一項に記載の燃料電池システム。
- 前記燃料ガス通路の出口が前記燃料ガス供給路から分離されている、請求項1から7までのいずれか一項に記載の燃料電池システム。
- 前記燃料ガス供給弁は前記インターバルごとに開弁時間にわたり開弁されて燃料ガスを供給し、次いで閉弁時間にわたり閉弁されて燃料ガス供給を停止するように構成されている、請求項1から8までのいずれか一項に記載の燃料電池システム。
- 燃料ガスと酸化剤ガスとの電気化学反応により電力を発生するように構成された燃料電池スタックと、
前記燃料電池スタック内に形成された燃料ガス通路の入口に連結された燃料ガス供給路と、
前記燃料ガス供給路内に配置され、前記燃料電池スタックに前記燃料ガスをあらかじめ定められたインターバルでもって間欠的に供給するように構成された燃料ガス供給弁であって、前記インターバルを維持しつつ供給流量及び供給時間を変更可能な燃料ガス供給弁と、
を備えた燃料電池システムの制御方法であって、
前記燃料電池スタックに発電不良が発生しているか否かを制御器により判別し、前記燃料電池スタックに発電不良が発生していないと判別されたときに、前記供給流量をベース供給流量に設定すると共に前記供給時間をベース供給時間に設定する通常制御を前記制御器により行い、前記燃料電池スタックに発電不良が発生していると判別されたときに、前記供給流量を前記ベース供給流量よりも大きく設定すると共に前記供給時間を前記ベース供給時間よりも短く設定し、それにより、前記燃料電池スタックへの燃料ガス供給量をほぼ維持しつつ前記燃料ガス通路の入口と前記燃料ガス通路の出口との間の差圧を増大させる差圧増大制御を前記制御器により行う、
燃料電池システムの制御方法。
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JP5164020B2 (ja) | 燃料電池システムおよびその始動方法 |
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Date | Code | Title | Description |
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121 | Ep: the epo has been informed by wipo that ep was designated in this application |
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WWE | Wipo information: entry into national phase |
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122 | Ep: pct application non-entry in european phase |
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