WO2015186292A1

WO2015186292A1 - 永久磁石埋込型電動機

Info

Publication number: WO2015186292A1
Application number: PCT/JP2015/002255
Authority: WO
Inventors: 宏昭川崎; 河村　清美
Original assignee: パナソニックＩｐマネジメント株式会社
Priority date: 2014-06-04
Filing date: 2015-04-27
Publication date: 2015-12-10

Abstract

本発明の永久磁石埋込型電動機は、固定子と、回転子鉄心（２３）を有する回転子（２１）と、を備える。回転子鉄心（２３）は、複数の第１の鋼板（３０）と、第２の鋼板（３１）と、を有する。複数の第１の鋼板（３０）は、回転軸（２７）の軸心（２７ａ）方向に積層される。第１の鋼板（３０）は、複数の磁石孔（２２）が形成される第１の平面部（３０ａ）を含む。第２の鋼板（３１）は、積層された複数の第１の鋼板（３０）に対して、軸心（２７ａ）方向の端部に位置する。第２の鋼板（３１）は、第２の平面部（３１ａ）と、延出部（２５）と、を含む。第２の平面部（３１ａ）には、複数の磁石孔（２２）が形成される。延出部（２５）は、第２の平面部（３１ａ）から各々の磁石孔（２２）に向かって延び出る。延出部（２５）は、軸心（２７ａ）方向の厚みが第２の平面部（３１ａ）よりも薄い。

Description

永久磁石埋込型電動機

　本発明は、複数の永久磁石が所定の間隔を有して埋め込まれる、回転子鉄心を有する永久磁石埋込型電動機に関する。

　従来、例えば、特許文献１に示されるように、この種の電動機が備える回転子は、回転軸と、回転軸に取り付けられた回転子鉄心と、回転子鉄心に埋め込まれた永久磁石と、を有する。

　回転子鉄心は、回転軸の軸心方向において、複数の鋼板が積層される。複数の鋼板が積層された回転子鉄心は、略円柱形状である。回転子鉄心には、周に沿って所定の間隔を有して位置する、複数の磁石孔が形成される。各磁石孔は、軸心方向に沿って貫通される。複数の磁石孔には、各々永久磁石が収納される。

　磁石孔に収納された永久磁石が磁石孔から外部へ抜け出ることを防止するため、回転子鉄心は、つぎの構成を有する。すなわち、回転子鉄心において、軸心方向の両端に位置する鋼板は、磁石孔に位置する部分が変形される。

特開２０１３－３４３３５号公報

　本発明が対象とする永久磁石埋込型電動機は、固定子と、回転子と、を備える。

　固定子は、固定子鉄心と、固定子鉄心に巻き回される巻線と、を有する。

　回転子は、固定子に対向して位置する。回転子は、回転軸と、複数の永久磁石と、回転子鉄心と、を有する。回転子鉄心には、複数の永久磁石が各々収納される、複数の磁石孔が形成される。

　特に、回転子鉄心は、複数の第１の鋼板と、第２の鋼板と、を有する。

　複数の第１の鋼板は、回転軸の軸心方向に積層される。第１の鋼板は、複数の磁石孔が形成される第１の平面部を含む。

　第２の鋼板は、積層された複数の第１の鋼板に対して、軸心方向の端部に位置する。第２の鋼板は、第２の平面部と、延出部と、を含む。

　第２の平面部には、複数の磁石孔が形成される。延出部は、第２の平面部から各々の磁石孔に向かって延び出る。延出部は、軸心方向の厚みが第２の平面部よりも薄い。

図１は、本発明の実施の形態１における永久磁石埋込型電動機を示す概略図である。図２は、本発明の実施の形態１における永久磁石埋込型電動機に用いられる回転子の２－２断面図である。図３Ａは、図２中に示す３Ａ－３Ａ断面図である。図３Ｂは、図３Ａに示す回転子の要部拡大図である。図４Ａは、図２中に示す４Ａ－４Ａ断面図である。図４Ｂは、図４Ａ中に示す回転子の要部拡大図である。図５は、本発明の実施の形態２における永久磁石埋込型電動機に用いられる回転子の要部拡大図である。図６は、図５中に示す６－６断面図である。図７は、本発明の実施の形態３における永久磁石埋込型電動機に用いられる回転子の部分拡大図である。図８は、本発明の実施の形態４における永久磁石埋込型電動機に用いられる回転子の部分拡大図である。

　本発明の実施の形態である永久磁石埋込型電動機は、回転子鉄心を大型化することなく、軸心方向における永久磁石の長さを長くできる。軸心方向における永久磁石の長さをより長くすれば、回転子を大型化することなく、回転子が有する磁力は向上できる。回転子が有する磁力が向上できれば、永久磁石埋込型電動機は、出力できるトルクが増加する。

　つまり、従来の永久磁石埋込型電動機には、つぎの改善すべき点があった。すなわち、特許文献１に示された永久磁石埋込型電動機は、同じ寸法のロータコア板（本願の「鋼板」に相当）が積層されて、回転子鉄心が構成される。この回転子鉄心は、軸心方向の両端に位置するロータコア板の一部が変形される。軸心方向の両端に位置するロータコア板の一部が変形されると、回転子鉄心は、永久磁石が抜け出ることを防止できる。具体的には、従来の永久磁石埋込型電動機において、固定子鉄心は、同じ厚みのロータコア板の一部を変形して、永久磁石が抜け出ることを防止する。

　換言すれば、従来の永久磁石埋込型電動機に用いられる永久磁石は、回転子鉄心の両端に位置するロータコア板の厚みの分だけ、軸心方向における長さが短くなる。よって、従来の永久磁石埋込型電動機に用いられる永久磁石は、一対のロータコア板の厚みの分だけ、永久磁石から得ることができる磁束が少なくなる。この結果、従来の永久磁石埋込型電動機は、回転子が有する磁力が低下する。

　そこで、本発明の実施の形態における永久磁石埋込型電動機は、後述する構成により、軸心方向における永久磁石の長さを長くすることで、回転子が有する磁力が向上する。よって、本発明の実施の形態における永久磁石埋込型電動機は、高出力化を図ることができる。

　すなわち、本発明の実施の形態における永久磁石埋込型電動機には、第２の平面部から磁石孔に向かって延び出る延出部が形成される。後述するように、延出部は、軸心方向の厚みが第２の平面部よりも薄い。よって、本発明の実施の形態における永久磁石埋込型電動機は、従来の永久磁石埋込型電動機と同じ大きさの回転子を用いたとしても、軸心方向における永久磁石の長さを長くすることができる。

　以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、以下の実施の形態は、本発明を具現化した一例であって、本発明の技術的範囲を限定するものではない。

　（実施の形態１）
　図１は、本発明の実施の形態１における永久磁石埋込型電動機を示す概略図である。図２は、本発明の実施の形態１における永久磁石埋込型電動機に用いられる回転子の２－２断面図である。図３Ａは、図２中に示す３Ａ－３Ａ断面図である。図３Ｂは、図３Ａに示す回転子の要部拡大図である。図４Ａは、図２中に示す４Ａ－４Ａ断面図である。図４Ｂは、図４Ａ中に示す回転子の要部拡大図である。

　図１に示すように、本発明の実施の形態１における永久磁石埋込型電動機１０は、固定子１１と、回転子２１と、を備える。

　固定子１１は、固定子鉄心１４と、固定子鉄心１４に巻き回される巻線１６と、を有する。

　回転子２１は、固定子１１に対向して位置する。回転子２１は、回転軸２７と、複数の永久磁石２４と、回転子鉄心２３と、を有する。回転子鉄心２３には、複数の永久磁石２４が各々収納される、複数の磁石孔２２が形成される。

　図２～図４Ｂに示すように、特に、回転子鉄心２３は、複数の第１の鋼板３０と、第２の鋼板３１と、を有する。

　複数の第１の鋼板３０は、回転軸２７の軸心２７ａ方向に積層される。第１の鋼板３０は、複数の磁石孔２２が形成される第１の平面部３０ａを含む。

　第２の鋼板３１は、積層された複数の第１の鋼板３０に対して、軸心２７ａ方向の端部に位置する。第２の鋼板３１は、第２の平面部３１ａと、延出部２５と、を含む。

　第２の平面部３１ａには、複数の磁石孔２２が形成される。延出部２５は、第２の平面部３１ａから各々の磁石孔２２に向かって延び出る。延出部２５は、軸心２７ａ方向の厚みが第２の平面部３１ａよりも薄い。

　特に、顕著な作用効果を奏する形態は、以下のとおりである。

　すなわち、延出部２５は、軸心２７ａ方向の厚みがプレス加工で薄く加工される。

　また、図２に示すように、第２の鋼板３１は、積層された複数の第１の鋼板３０に対して軸心２７ａ方向の両端部に各々位置する。

　さらに、図面を用いて、詳細に説明する。

　図１、２に示すように、固定子鉄心１４は、複数の第１の鋼板３０と、複数の第１の鋼板３０を挟むように位置する、一対の第２の鋼板３１と、が積層される。固定子鉄心１４は、ヨーク１２と、複数のティース１３と、複数のスロット１５と、を含む。複数のティース１３は、ヨーク１２の内周側に形成される。複数のスロット１５は、隣り合うティース１３間に形成される。巻線１６は、固定子鉄心１４に集中巻にて巻回され、スロット１５に収納されている。なお、巻線１６は、固定子鉄心１４に分布巻にて巻回され、スロット１５に収納されてもよい。

　回転子２１は、固定子１１のティース１３の内周面１３ａとの間に、エアギャップを介して位置する。回転子２１は、軸受にて回転自在に支持される。回転子鉄心２３は、複数の磁石孔２２が所定の間隔を有して形成される。磁石孔２２は、埋め込まれる永久磁石２４の断面積よりも、わずかに大きい寸法で形成される。永久磁石２４を構成する材料は、例えば、ネオジム焼結磁石（Ｓｉｎｔｅｒｅｄ　Ｎｄ－Ｆｅ－Ｂ　Ｍａｇｎｅｔ）、ネオジムボンド磁石（Ｂｏｎｄｅｄ　Ｎｄ－Ｆｅ－Ｂ　Ｍａｇｎｅｔ）、フェライト焼結磁石（Ｆｅｒｒｉｔｅ　Ｓｉｎｔｅｒｅｄ　Ｍａｇｎｅｔ）、フェライトボンド磁石（Ｆｅｒｒｉｔｅ　Ｂｏｎｄｅｄ　Ｍａｇｎｅｔ）などが用いられる。

　ところで、図１に示すように、本実施の形態１における永久磁石埋込型電動機１０は、１０の極数を有する回転子２１と、１２のスロット数を有する固定子１１と、を備える。本発明は、他の極数を有する回転子と、他のスロット数を有する固定子にも適用できる。

　また、本実施の形態１における永久磁石埋込型電動機１０は、軸心方向と直交する面において、断面が平板形状を成す永久磁石２４を有する。本発明は、他の断面形状、例えば、Ｕ字型形状を成す永久磁石、Ｖ字型形状を成す永久磁石、Ｄ字型形状を成す永久磁石などを用いてもよい。

　図２に示すように、回転子鉄心２３は、磁石孔２２が形成された、複数の鋼板３０、３１が、軸心２７ａ方向に積層される。回転子鉄心２３は、軸心２７ａを中心とする第１の平面部３０ａの周、あるいは、軸心２７ａを中心とする第２の平面部３１ａの周に沿って、複数の磁石孔２２が形成される。

　図２に示すように、回転子鉄心２３は、軸心２７ａ方向の両端に位置する、第２の鋼板３１を有する。第２の鋼板３１には、磁石孔２２に向かって延び出す延出部２５が形成される。軸心２７ａ方向において、延出部２５の厚さＤ１は、第２の鋼板３１を構成する、第２の平面部３１ａの厚さＤ２より薄い。例えば、延出部２５は、図２中、永久磁石２４が収納される側から反対側に向けて、プレス加工することにより、薄肉化できる。

　永久磁石２４は、回転子鉄心２３の両端面に位置する延出部２５に挟み込まれて、機械的に固定される。永久磁石２４が延出部２５に挟み込まれるため、永久磁石２４は、回転子２１より抜け落ちることを防止できる。

　また、第２の鋼板３１は、永久磁石２４と接する延出部２５の厚みが薄く構成されている。延出部２５の厚みが薄く構成される分だけ、永久磁石２４は、軸心２７ａ方向の長さが長くなる。よって、従来例と比較して、永久磁石２４から得ることができる磁束が多くなる。従って、永久磁石埋込型電動機１０は、出力が増加する。

　なお、延出部２５は、プレス加工にて、薄肉化を行うことができる。この場合、つぎの加工を行えば、第２の鋼板３１は、容易に加工される。すなわち、薄い鋼板が金型で打ち抜かれて、第２の鋼板３１が形成される。延出部２５は、第２の鋼板３１が金型で打ち抜かれる方向と、同じ方向に加工できる。つまり、延出部２５は、薄い鋼板が金型で打ち抜かれる工程に、プレス加工の工程を追加すれば、実現できる。

　また、延出部２５がプレス加工により薄肉化されると、延出部２５には、加工硬化が生じる。加工硬化が生じた延出部２５は、磁束が流れ難くなる。よって、加工硬化が生じた延出部２５は、永久磁石埋込型電動機１０の高出力化に寄与しない、漏れ磁束を低減できる。換言すれば、延出部２５がプレス加工で薄肉化されると、永久磁石埋込型電動機１０は、高出力化が図られる。

　ところで、永久磁石２４を固定する延出部２５は、回転子鉄心２３の片側のみに取り付けてもよい。

　例えば、回転子２１を製造する工程において、永久磁石２４が挿入される際、延出部２５は、永久磁石２４が挿入される反対側、例えば、回転子鉄心２３の下側に位置する。延出部２５が、永久磁石２４が挿入される反対側に位置することにより、永久磁石２４を回転子鉄心２３に挿入した際、永久磁石２４が回転子鉄心２３から抜け落ちることはない。よって、回転子２１は、特別な治具を必要とすることなく組み立てられる。

　この結果、本実施の形態１における永久磁石埋込型電動機は、ハンドリング性が良くなる。ハンドリング性とは、永久磁石埋込型電動機を製造する各工程中、あるいは、各工程間における、永久磁石埋込型電動機を構成する要素の移動や運搬時の利便性をいう。

　具体例として、永久磁石２４を着磁する一連の工程がある。つまり、永久磁石２４は、回転子２１を組み立てた後、着磁される。ここで、一連の工程には、回転子鉄心２３に永久磁石２４を挿入する工程がある。また、永久磁石２４が挿入された回転子鉄心２３を、着磁する場所へ移動する工程がある。また、永久磁石２４が着磁された後、回転子鉄心２３が含まれる回転子２１を固定子に組み込む工程などがある。上記構成とすれば、これら一連の工程、あるいは、各工程間において、永久磁石２４が挿入された回転子鉄心２３を移動、運搬する際、永久磁石２４が抜け落ちることを防止できる。よって、本実施の形態１における永久磁石埋込型電動機は、製造工程を簡素化できる。

　しかも、本実施の形態１における永久磁石埋込型電動機は、永久磁石埋込型電動機を組み立てる際の作業効率が向上するとともに、新たな設備投資を抑制できる。従って、本実施の形態１における永久磁石埋込型電動機は、コスト抑制が期待できる。

　なお、永久磁石２４を固定する延出部２５が、回転子鉄心２３の片側のみに取り付けられる場合、永久磁石２４は、接着剤を用いて固定してもよい。この場合、永久磁石２４は、回転子鉄心２３の上端まで長くすることができる。よって、本形態の永久磁石埋込型電動機は、更なる出力の増加が期待できる。

　（実施の形態２）
　図５は、本発明の実施の形態２における永久磁石埋込型電動機に用いられる回転子の要部拡大図である。図６は、図５中に示す６－６断面図である。

　なお、本実施の形態１における永久磁石埋込型電動機と同様の構成については、同じ符号を付して、説明を援用する。

　図５、図６に示すように、本発明の実施の形態２における永久磁石埋込型電動機において、第２の平面部１３１ａは、さらに、根元部２６を含む。根元部２６は、延出部２５が磁石孔２２に向かって延び出る根元部分２６ａに位置する。根元部２６は、軸心方向の厚みが第２の平面部１３１ａよりも薄い。

　すなわち、延出部２５と根元部２６とは、軸心方向の厚みがプレス加工で薄く加工される。

　さらに、図面を用いて、詳細に説明する。

　まず、実施の形態１にて説明した永久磁石埋込型電動機との相違点は、第２の鋼板１３１において、薄肉化する範囲が異なる点である。上述した実施の形態１において、図２に示すように、第２の鋼板３１は、延出部２５だけを薄肉化する。一方、本実施の形態２における永久磁石埋込型電動機において、図５、６に示すように、第２の鋼板１３１は、延出部２５の根元部分２６ａまでが薄肉化される。図５中、根元部２６は、破線で囲われる領域である。

　図６に示すように、第２の鋼板１３１は、磁石孔２２に向けて延び出される延出部２５より広い領域がプレス加工される。

　一般的に、薄い鋼板にプレス加工を施した場合、プレスされる部分とプレスされない部分との境目には、プレス加工に用いられる金型による、微小なフィレット２６ｂが発生する。微小なフィレット２６ｂが発生した場合、つぎの不具合が生じることがある。すなわち、永久磁石２４が磁石孔２２に挿入される際、微小なフィレット２６ｂと永久磁石２４の角部とが衝突することがある。微小なフィレット２６ｂと永久磁石２４の角部とが衝突すると、例えば、永久磁石２４の角部が破損する。永久磁石２４が破損すれば、永久磁石２４が有する磁力の低下を招く、という不具合が生じる虞がある。

　また、第１の鋼板３０と第２の鋼板１３１との間に、隙間が生じることがある。第１の鋼板３０と第２の鋼板１３１との間に隙間が生じると、回転子鉄心２３の組み立て性が悪くなることがある。

　そこで、本実施の形態２における永久磁石埋込型電動機において、第２の鋼板１３１は、薄肉化される延出部２５の根元部分２６ａからプレス加工が施される。よって、第２の鋼板１３１をプレス加工する際、プレス加工に用いられる金型による微小なフィレット２６ｂと、永久磁石２４の角部との衝突が発生しない。

　この結果、本実施の形態２における永久磁石埋込型電動機において、永久磁石２４が磁石孔２２に挿入される際、微小なフィレット２６ｂによる永久磁石２４の破損に留意する必要がなくなる。

　（実施の形態３）
　図７は、本発明の実施の形態３における永久磁石埋込型電動機に用いられる回転子の部分拡大図である。

　なお、本実施の形態１、２における永久磁石埋込型電動機と同様の構成については、同じ符号を付して、説明を援用する。

　図７に示すように、本発明の実施の形態３における永久磁石埋込型電動機において、延出部２５は、回転軸の軸心を中心とし、軸心方向と交差する半径方向に向かって延び出す。特に、延出部２５は、軸心方向と直交する半径方向に向かって延び出すことが好ましい。

　さらに、図面を用いて、詳細に説明する。

　図７に示すように、第２の鋼板２３１において、延出部２５は、磁石孔２２の外周側、すなわち、反軸心側から軸心側に向けて延び出している。

　本実施の形態３において、第２の鋼板２３１には、２つの延出部２５が形成される。延出部２５は、３以上形成されてもよい。

　また、延出部２５は、磁石孔２２に対して、他の位置に形成されてもよい。延出部２５は、永久磁石２４が抜け出すことを防止できれば、形成される位置は問わない。

　（実施の形態４）
　図８は、本発明の実施の形態４における永久磁石埋込型電動機に用いられる回転子の部分拡大図である。

　なお、本実施の形態１から３における永久磁石埋込型電動機と同様の構成については、同じ符号を付して、説明を援用する。

　図８に示すように、本発明の実施の形態４における永久磁石埋込型電動機において、第２の鋼板３３１は、各々の複数の磁石孔２２に対して、複数の延出部２５を含む。

　さらに、図面を用いて、詳細に説明する。

　図８に示すように、第２の鋼板３３１において、一対の延出部２５は、磁石孔２２の軸心側に位置する両端の隅部に形成される。一対の延出部２５は、それぞれ、磁石孔２２の隅部から磁石孔２２の中央部に向かって延び出している。延出部２５は、永久磁石２４が抜け出すことを防止できれば、形成される位置、および、形状は問わない。

　上述した実施の形態１から４では、内転型の永久磁石埋込型電動機を用いて説明を行った。本発明は、外転型の永久磁石埋込型電動機に用いても、同様の効果を奏することができる。

　なお、一般的に、外転型の永久磁石埋込型電動機は、回転子が固定子よりも外径側に位置する。よって、同じ出力を得る場合、外転型の永久磁石埋込型電動機は、内転型の永久磁石埋込型電動機よりも使用する磁石量が多い。また、外転型の永久磁石埋込型電動機は、内転型の永久磁石埋込型電動機と比べて、軸心方向における電動機の厚みを薄くすることができる。

　よって、外転型の永久磁石埋込型電動機に本発明を用いれば、同じ外形であれば、使用できる永久磁石の量を増加できる。従って、永久磁石埋込型電動機は、出力を増加することができる。

　本発明の永久磁石埋込型電動機は、出力が増加する。本発明の永久磁石埋込型電動機は、冷蔵庫や空気調和機、あるいは、洗濯機など、広い範囲の電気機器に利用できる。

　１０　永久磁石埋込型電動機
　１１　固定子
　１２　ヨーク
　１３　ティース
　１３ａ　内周面
　１４　固定子鉄心
　１５　スロット
　１６　巻線
　２１　回転子
　２２　磁石孔
　２３　回転子鉄心
　２４　永久磁石
　２５　延出部
　２６　根元部
　２６ａ　根元部分
　２６ｂ　フィレット
　２７　回転軸
　２７ａ　軸心
　３０　第１の鋼板
　３０ａ　第１の平面部
　３１，１３１，２３１，３３１　第２の鋼板
　３１ａ，１３１ａ　第２の平面部

Claims

　　　　　　固定子鉄心と、
　　　　　　前記固定子鉄心に巻き回される巻線と、
　　　を有する固定子と、
　　　前記固定子に対向して位置し、
　　　　　　回転軸と、
　　　　　　複数の永久磁石と、
　　　　　　前記複数の永久磁石が各々収納される、複数の磁石孔が形成される回転子鉄心と、
　　　を有する回転子と、
を備え、
前記回転子鉄心は、
　　　前記回転軸の軸心方向に積層されるとともに、前記複数の磁石孔が形成される第１の平面部を含む、複数の第１の鋼板と、
　　　積層された前記複数の第１の鋼板に対して前記軸心方向の端部に位置し、
　　　　　　前記複数の磁石孔が形成される第２の平面部と、
　　　　　　前記第２の平面部から各々の前記磁石孔に向かって延び出るとともに、前記軸心方向の厚みが前記第２の平面部よりも薄い延出部と、
　　　を含む第２の鋼板と、
を有する永久磁石埋込型電動機。
前記第２の平面部は、さらに、前記延出部が前記磁石孔に向かって延び出る根元部分に位置し、前記軸心方向の厚みが前記第２の平面部よりも薄い、根元部を含む、請求項１に記載の永久磁石埋込型電動機。
前記延出部は、前記軸心方向の厚みがプレス加工で薄く加工される、請求項１に記載の永久磁石埋込型電動機。
前記延出部と前記根元部とは、前記軸心方向の厚みがプレス加工で薄く加工される、請求項２に記載の永久磁石埋込型電動機。
前記延出部は、前記回転軸の軸心を中心とし、前記軸心方向と交差する半径方向に向かって延び出す、請求項１または２のいずれか一項に記載の永久磁石埋込型電動機。
前記第２の鋼板は、各々の前記複数の磁石孔において、複数の前記延出部を含む、請求項１または２のいずれか一項に記載の永久磁石埋込型電動機。
前記第２の鋼板は、積層された前記複数の第１の鋼板に対して前記軸心方向の両端部に各々位置する、請求項１から４のいずれか一項に記載の永久磁石埋込型電動機。