以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しつつ説明を行う。
図1から図4は、本発明の実施例に係るものである。
図1は、実施例に係る内視鏡漏洩検査装置を含む検査システムの要部の構成を示す図である。図1に示すように、軟性の内視鏡1は、本発明の内視鏡漏洩検査装置2に接続される。漏洩検査装置2には、入力装置3と、表示装置4が含まれていても良いし、これらを外部接続可能に構成されていてもよい。更に、本発明の内視鏡漏洩検査装置2は通信回線(不図示)を介して内視鏡漏洩検査装置2の本体装置24に接続される外部装置5と併用することも可能である。外部装置5の詳細については後述する。
内視鏡1の内部には、例えば、ゴム部材等により気密性が確保された気密領域が1つ以上設けられている。また、内視鏡1には、個々の内視鏡1にそれぞれ個別に割り振られたシリアル番号等の識別情報を含む内視鏡情報を内視鏡漏洩検査装置2の本体装置24へ無線で送信可能なRFID(Radio Frequency Identification)等により構成された、無線タグ11が設けられている。
内視鏡漏洩検査装置2は、例えば、図1に示すように、送気部21と、電磁弁22と、測定部23と、本体装置24と、を有して構成されている。
送気部21の具体例としてはエアポンプが挙げられる。送気部21は、例えば、気体流路FCおよび、気体流路FCの先端に設けられた内視鏡接続部25を介して内視鏡1に連通可能に接続されている。また、送気部21は、本体装置24から出力される駆動信号に基づき、内視鏡1の内部を加圧するための空気の供給を実施または停止するように構成されている。なお、内視鏡接続部25は直接内視鏡に接続されていてもよいし、内視鏡との間に外付けのチューブ(不図示)を介して内視鏡に接続されていてもよい。
電磁弁22は、内視鏡1から送気部21までの間の気体流路FCにおける所定の位置に設けられている。また、電磁弁22は、本体装置24から出力される駆動信号に基づき、開放状態または閉鎖状態になるための開閉動作を行うように構成されている。
気体流路FCのうち、内視鏡接続部25と電磁弁22との間に測定部23が配置されている。測定部23は、電磁弁22が閉鎖状態である場合の内視鏡接続部25と電磁弁22とに挟まれた気体流路FCの圧力を検出するとともに、検出した圧力に応じた電気信号を生成して本体装置24へ出力するように構成されている。内視鏡接続部25と電磁弁22とに挟まれた気体流路FCは内視鏡内部と連通しているので、前記気体流路FCの内圧を内視鏡の内圧と読み替えることができる。
本体装置24は、例えば、図2に示すように、駆動部61と、圧力測定部62と、記憶部63と、内視鏡情報認識部64と、制御部65と、を有して構成されている。図2は、実施例に係る内視鏡漏洩検査装置に含まれる本体装置の構成の一例を説明するための図である。
駆動部61は、制御部65の制御に基づき、送気部21及び電磁弁22をそれぞれ駆動するための駆動信号を生成して出力するように構成されている。
圧力測定部62は、測定部23から出力される電気信号に応じた圧力値を取得するように構成されている。
記憶部63は、例えば、不揮発性記憶媒体等を具備し、内視鏡1の気密性が確保されているか否かを確認するための漏洩検査に係る検査情報を1つ以上含む検査履歴等の種々の情報を格納することができるように構成されている。
内視鏡情報認識部64は、例えば、RFIDリーダー等を具備し、無線タグ11から送信される無線信号を受信し、当該受信した無線信号に含まれる内視鏡情報を制御部65へ出力するように構成されている。また、内視鏡情報認識部64は、例えば、LAN(Local Area Network)アダプタ等を具備し、制御部65と外部装置5との間の通信に係る種々の動作を行うように構成されている。ただし、本発明において内視鏡情報の保有形態としては無線タグ11の様な信号を発するものに限定されず、数字や記号の羅列、またはバーコードの様な信号を発しないものであってもよい。この場合、内視鏡情報認識部64はバーコードを読み取るバーコードリーダーとなる。
制御部65は、例えば、CPU等を具備し、駆動部61に対する制御、及び、入力装置3の操作に応じた動作を行うように構成されている。また、制御部65は、例えば、表示制御回路65Dを具備し、漏洩検査が実施される検査対象の内視鏡1を個々に特定可能な識別情報の入力を促す入力画面等のGUI(Graphical user interface)を生成して表示装置4に表示させることができるように構成されている。内視鏡を特定可能な識別情報としては1個の内視鏡ごとに異なるシリアル番号を例示することができる。制御部65は、内視鏡情報認識部64を経て入力される内視鏡情報と、前述の入力画面において入力された情報のいずれかに基づく内視鏡1のシリアル番号との両方、またはシリアル番号のみを取得する。制御部65は、取得した内視鏡情報またはシリアル番号に対応する内視鏡1の機種を特定し、当該取得した内視鏡情報またはシリアル番号に該当する検査情報の有無を確認するように構成されている。
一方、制御部65は、計時部65Aと、閾値設定部65Bと、判定部65Cと、を有して構成されている。
計時部65Aは、例えば、リアルタイムクロック等を具備し、現在の日時に係る情報を取得することができるように構成されている。また、計時部65Aは、例えば、タイマ等を具備し、後述の時間T1及びT2を計測するための計時動作を行うことができるように構成されている。
閾値設定部65Bは、内視鏡1のシリアル番号に該当する検査情報が検査履歴に含まれているとの確認結果が得られた場合には、内視鏡1に対する漏洩検査で用いられる閾値を、内視鏡1の機種及び検査情報に基づいて設定するように構成されている。また、閾値設定部65Bは、内視鏡1のシリアル番号に該当する検査情報が検査履歴に含まれていないとの確認結果が得られた場合には、内視鏡1に対する漏洩検査で用いられる閾値を、内視鏡1の機種に応じて設定するように構成されている。なお、このような閾値の設定に係る処理の詳細については、後程説明する。
また、閾値設定部65Bは、例えば、漏洩検査が未実施である等の理由により、内視鏡情報認識部64を経て入力される内視鏡情報に含まれるシリアル番号に該当する検査情報を(検査履歴から)取得できなかった場合には、内視鏡1に対する漏洩検査で用いられる閾値を、当該シリアル番号に該当する内視鏡1の機種に応じた所定の値に設定するように構成されている。
判定部65Cは、漏洩検査により取得された圧力変動値と、閾値設定部65Bにより設定された1つ以上の閾値と、に基づく判定を行うことにより、内視鏡1の気密性が確保されているか否かに係る判定を行うように構成されている。
入力装置3は、例えば、キーボード及びポインティングデバイス等を具備し、制御部65に対する情報の入力及び指示に係る操作を行うことができるように構成されている。
表示装置4は、例えば、液晶ディスプレイ等を具備し、制御部65により生成されたGUI等を表示することができるように構成されている。
外部装置5は、例えば、図1の検査システムとは異なる検査システムに含まれる他の内視鏡漏洩検査装置(以降、内視鏡漏洩検査装置2iと称する)により構成されている。なお、外部装置5は、内視鏡漏洩検査装置2iであるものに限らず、例えば、内視鏡漏洩検査装置2及び2iからアクセス可能であるとともに、内視鏡漏洩検査装置2及び2iにより取得された検査情報をデータベースとして集積して保持するように構成されたデータベースサーバであってもよい。
本体装置24に含まれる制御部65は、例えば、コンピュータ等の情報処理装置を具備し、内視鏡漏洩検査装置2iに設けられた制御部65との間で通信を行うことができるように構成されている。また、制御部65は、例えば、漏洩検査装置2において実施された漏洩検査の検査情報と、内視鏡漏洩検査装置2iにおいて実施された漏洩検査の検査情報と、を通信回線(不図示)を介して内視鏡漏洩検査装置2iから取得するとともに、当該取得した各検査情報を含む検査履歴を記憶部63に格納するように構成されていてもよい。また、制御部65は、内視鏡漏洩検査装置2iに設けられた本体装置24からの要求を受信した際に、当該要求に応じた各検査情報を記憶部63に格納されている検査履歴の中から抽出するための処理を行うとともに、抽出結果に係る情報を内視鏡漏洩検査装置2iに設けられた本体装置24へ返送するための動作を行うことができるように構成されていてもよい。
次に、本実施例の作用について説明する。まず、記憶部63に格納される検査情報を得るために行われる漏洩検査(後述の図3のステップS7において実施される漏洩検査)の一例について述べる。
制御部65は、内視鏡1と漏洩検査装置2とが気体流路FCを介して接続された状態において、電磁弁22を開放状態にさせるとともに、送気部21から内視鏡1への送気を実施させるための制御を駆動部61に対して行う。
制御部65は、送気部21による送気が開始された際に計時部65Aに時間のカウントを開始させる。
制御部65は、計時部65Aによる前記カウントが開始されてから時間T1が経過した際に、送気部21から内視鏡1への送気を停止させるとともに、電磁弁22を開放状態から閉鎖状態へ移行させるための制御を駆動部61に対して行う。
制御部65は、前述の時間T1が経過したタイミングTAにおける圧力値PAと、当該タイミングTAからさらに時間T2が経過したタイミングTBにおける圧力値PBとを用いて所定の演算を行うことにより、圧力変動値ΔPを算出する。前記所定の演算については単にPBとPAの差分を算出するだけでもよいし、エアーの膨張率を加味するため、内視鏡温度またはエアー温度を組み込んで演算してもよい。
制御部65の判定部65Cは、新品の内視鏡または、修理後最初の使用時の内視鏡については、前述のように算出した圧力変動値ΔPと機種固有の所定の閾値とから内視鏡1の気密性が確保されているか否かを判定する。機種固有の所定の閾値は判断部が予め所有していてもよいし、外部入力されても良いし、通信回線を使って装置外から取得してもよい。
そして、制御部65の判定部65Cは、複数回使用後の内視鏡については内視鏡の経時劣化も判断条件に加味するため、圧力変動値ΔPと、後述の図3のステップS5またはステップS6の処理を経て設定された閾値TH1及びTH2と、に基づく判定を行うことにより、内視鏡1の気密性が確保されているか否かを判定する。
具体的には、判定部65Cは、例えば、前述のように算出した圧力変動値ΔPが閾値TH1以上かつ閾値TH2以下の範囲内に入っている場合(TH1≦ΔP≦TH2を満たす場合)には、内視鏡1の気密性が確保されていると判定する。
また、制御部65の判定部65Cは、例えば、前述のように算出した圧力変動値ΔPが閾値TH2より大きい場合(TH2<ΔPを満たす場合)には、内視鏡1の気密性が確保されていないと判定する。
すなわち、以上に述べたような漏洩検査によれば、判定部65Cによる判定結果と、当該判定結果を得る際に用いられた圧力変動値ΔPと、が内視鏡1の漏洩検査の検査結果として取得される。また、本実施例によれば、以上に述べたような漏洩検査が実施された内視鏡1のシリアル番号と、当該シリアル番号に対応する漏洩検査の検査結果と、当該検査結果を得た日時に相当する検査日時と、を関連付けた1つ以上の検査情報を含む検査履歴が、記憶部63に格納される。
なお、本実施例の判定部65Cは、圧力値PAから圧力値PBを減じて得られる圧力変動値ΔPを用いて閾値判定を行うことにより、内視鏡1の気密性が確保されているか否かを判定するものに限らず、例えば、当該圧力変動値ΔPを用いて漏洩量LL(mL/min)を算出し、当該算出した漏洩量LLを用いて閾値判定を行うことにより、内視鏡1の気密性が確保されているか否かを判定するようにしてもよい。なお、漏洩量LLを用いた閾値判定が行われる際には、後述の図3のステップS5において、漏洩量LLの単位に応じた閾値TH1及び閾値TH2が(閾値設定部65Bにより)それぞれ設定されるものとする。
続いて、以上に述べたような漏洩検査が(後述の図3のステップS7において)実施される場合の処理等について、図3のフローチャートを参照しつつ説明する。図3は、実施例に係る内視鏡漏洩検査装置により行われる処理等の一例を説明するためのフローチャートである。
ユーザーは、検査システム101の各部を図1に示すように接続し、当該各部の電源を投入した後、例えば、入力装置3に設けられた検査開始スイッチ(不図示)を押下することにより、漏洩検査を開始させるための指示を制御部65に対して行う。または、ステップS1に示されるシリアル番号の取得を制御部65が検査開始の合図と判断する。
識別情報取得部としての機能を備えた制御部65は、図3のステップS1において、漏洩検査を開始させるための指示が入力装置3において行われたことを検出した際に、漏洩検査が実施される検査対象の内視鏡1のシリアル番号を取得するための処理を行う。
具体的には、制御部65は、図3のステップS1において、例えば、内視鏡1における内視鏡情報を保有している部位と漏洩検査装置2の内視鏡情報認識部64とがユーザーの手により内視鏡情報を取得可能な距離内に配置された際に、内視鏡情報認識部64を経て入力される内視鏡情報に基づき、当該内視鏡情報に含まれるシリアル番号を抽出するための処理を行う。
または、制御部65は、例えば、内視鏡1のシリアル番号の手入力を促す入力画面を生成して表示装置4に表示させ、当該入力画面において入力されたシリアル番号を取得するための処理を行う。
制御部65は、図3のステップS2において、例えば、シリアル番号と機種名とが各内視鏡毎に関連付けられた状態で記憶部63に格納されているテーブルデータを参照することにより、図3のステップS1の処理により取得したシリアル番号に対応する内視鏡1の機種を特定する。
なお、本実施例の制御部65は、図3のステップS2において、内視鏡1の機種を特定するための処理を行うものに限らず、例えば、記憶部63に格納されているテーブルデータを参照することにより、被検体内に挿入可能な形状を具備して形成された内視鏡1の挿入部の径の大きさ及び長さのうちの少なくとも一方を特定するための処理を行うものであってもよい。
その後、制御部65は、図3のステップS3において、図3のステップS1の処理により取得したシリアル番号に基づき、当該取得したシリアル番号に該当する検査情報が、記憶部63に格納されている検査履歴、及び、外部装置5に格納されている検査履歴のうちの少なくともいずれか一方に含まれているか否かを確認するための処理を行う。
具体的には、制御部65は、例えば、記憶部63に格納されている検査履歴の中に、図3のステップS1の処理により取得したシリアル番号に該当する検査情報があるか否かを確認する。また、制御部65は、例えば、図3のステップS1の処理により取得したシリアル番号に該当する検査情報が記憶部63の検査履歴に含まれていないことを検出した場合に、当該シリアル番号に該当する検査情報の抽出結果に係る情報を返送させるための要求を外部装置5に対して行う。そして、制御部65は、外部装置5から受信した抽出結果に係る情報の中に、図3のステップS1の処理により取得したシリアル番号に該当する検査情報が含まれているか否かを確認する。
検査情報取得部としての機能を備えた制御部65は、図3のステップS4において、図3のステップS1の処理により取得したシリアル番号に該当する検査情報が検査履歴に含まれているとの確認結果を得た場合には、当該確認結果に応じた各検査情報を記憶部63または外部装置5から取得する。
そして、制御部65の閾値設定部65Bは、図3のステップS5において、図3のステップS4の処理により取得した各検査情報と、図3のステップS2の処理により特定した内視鏡1の機種と、に基づき、図3のステップS7の漏洩検査で用いられる1つ以上の閾値を設定するための処理を行う。
具体的には、閾値設定部65Bは、図3のステップS5において、例えば、図3のステップS4の処理により取得した各検査情報の中から、気密性が確保されているとの検査結果が得られた際に取得された直近の1つの圧力変動値ΔP1を抽出し、内視鏡1の機種に応じて予め決められた1パスカル以上の圧力値PLを当該抽出した圧力変動値ΔP1から減ずる演算を行うことにより(判定部65Cによる判定の際に用いられる圧力値の下限に相当する)閾値TH1を設定し、内視鏡1の機種に応じて予め決められた1パスカル以上の圧力値PHを当該抽出した圧力変動値ΔP1に加える演算を行うことにより(判定部65Cによる判定の際に用いられる圧力値の上限に相当する)閾値TH2を設定する。
または、閾値設定部65Bは、図3のステップS5において、例えば、図3のステップS4の処理により取得した各検査情報の中から、気密性が確保されているとの検査結果が得られた際に取得された直近の1つの圧力変動値ΔP1を抽出し、内視鏡1の機種に応じて予め決められた1より小さな値である係数K1を当該抽出した圧力変動値ΔP1に乗ずる演算を行うことにより(判定部65Cによる判定の際に用いられる圧力値の下限に相当する)閾値TH1を設定し、内視鏡1の機種に応じて予め決められた1より大きな値である係数K2を当該抽出した圧力変動値ΔP1に乗ずる演算を行うことにより(判定部65Cによる判定の際に用いられる圧力値の上限に相当する)閾値TH2を設定する。
なお、本実施例によれば、前述の圧力値PL、圧力値PH、係数K1及び係数K2が、内視鏡1の機種に応じて予め決められた値として設定されるものに限らず、例えば、入力装置3の操作に応じた値として設定されるようにしてもよい。
また、本実施例の閾値設定部65Bは、例えば、図3のステップS5において閾値TH1及びTH2を設定する際に、係数K1及び係数K2のうちの少なくとも一方に対し、圧力変動値ΔP1の取得日時から現在の日時(内視鏡1に対する漏洩検査が実施される日時)までの経過期間に応じた重み付けを行うようにしてもよい。
具体的には、閾値設定部65Bは、例えば、圧力変動値ΔP1の取得日時から現在の日時までの経過期間が期間TP1以上であるような場合において、係数K1から係数K2を除する(=K1/K2)ことにより得られる除算値DV1が1から離れるような(0に近づくような)重み付けを、係数K1及び係数K2のうちの少なくとも一方に対して行うようにしてもよい。一方、閾値設定部65Bは、例えば、圧力変動値ΔP1の取得日時から現在の日時までの経過期間が期間TP1より十分短い期間TP2以下であるような場合において、係数K2から係数K1を除する(=K2/K1)ことにより得られる除算値DV2が1から離れるような(0に近づくような)重み付けを、係数K1及び係数K2のうちの少なくとも一方に対して行うようにしてもよい。
また、本実施例の閾値設定部65Bは、図3のステップS5において、気密性が確保されているとの検査結果が得られた際に取得された直近の1つの圧力変動値ΔP1を用いて閾値TH1及びTH2を設定するものに限らず、例えば、図3のステップS4の処理により取得した各検査情報の中から、気密性が確保されているとの検査結果が得られた際に取得された直近の複数の圧力変動値ΔP1~ΔPk(2≦k)を抽出し、当該抽出した複数の圧力変動値ΔP1~ΔPkの平均値AVRを算出し、当該算出した平均値AVRを用いて閾値TH1及びTH2を設定するものであってもよい。
一方、閾値設定部65Bは、図3のステップS3において、図3のステップS1の処理により取得したシリアル番号に該当する検査情報が検査履歴に含まれていないとの確認結果を得た場合には、図3のステップS6において、図3のステップS2の処理により特定した内視鏡1の機種に応じた所定の値となるように、閾値TH1及びTH2をそれぞれ設定する。
制御部65は、図3のステップS5またはステップS6の処理を経て設定された閾値TH1及びTH2を用いて前述のような漏洩検査を図3のステップS7において実施することにより、判定部65Cによる判定結果と、当該判定結果を得る際に用いられた圧力変動値ΔP1と、を検査結果として取得する。
制御部65は、図3のステップS1の処理により取得したシリアル番号と、図3のステップS7の漏洩検査により取得された検査結果と、当該検査結果を得た日時に相当する検査日時と、を関連付けることにより検査情報を生成する。そして、制御部65は、図3のステップS8において、前述のように生成した検査情報により、記憶部63に格納されている検査履歴を更新した後、一連の処理を完了する。そして、図3の一連の処理が繰り返し行われることにより、閾値TH1及びTH2が、例えば、図4に示すように経時的に変化する。図4は、図3の処理により設定される閾値TH1及びTH2の経時的変化の一例を示す図である。
以上に述べたように、本実施例によれば、一の内視鏡に対して過去に実施された所定の漏洩検査の検査情報に基づき、当該一の内視鏡に対して現在実施される当該所定の漏洩検査に好適な閾値を設定することができる。その結果、本実施例によれば、内視鏡の気密性が確保されているか否かを確認するための検査における誤検知の発生を防止することができる。
一方、本実施例によれば、例えば、日本国特開2009-226193号公報、及び、日本国特開2010-35936号公報等に開示された内視鏡洗浄消毒装置に本発明の内視鏡漏洩検査装置2を組み込んでもよい。
具体的には、内視鏡の洗浄に用いる洗浄液を貯留可能に構成された洗浄消毒槽と、当該検査済の内視鏡の洗浄に用いる洗浄液を当該洗浄消毒槽に供給するように構成された洗浄液供給部と、当該検査済の内視鏡の洗浄に用いた洗浄液を当該洗浄消毒槽から排出するように構成された洗浄液排出部とを有する内視鏡洗浄消毒装置に、本発明の漏洩検査装置2が含まれていてもよい。
日本国特開2009-226193号公報を例にすると、前記公報に示されるコンプレッサ22を本発明の送気部21として用いることができる。前記公報に示されるRFIDリーダー62を本発明の内視鏡情報認識部64として用いることができる。前記公報に示されるRFIDタグ61が本発明の無線タグ11に該当する。
日本国特開2010-35936号公報を例にすると、前記公報に示される圧力センサ77bを本発明の測定23として用いることができる。前記公報に示されるスコープ認識部75を本発明の内視鏡情報認識部64として用いることができる。前記公報に示される制御部70を本発明の制御部65として用いることができる。前記公報に示される表示部76を本発明の表示装置4として用いることができる。
なお、本発明は、上述した実施例に限定されるものではなく、発明の趣旨を逸脱しない範囲内において種々の変更や応用が可能であることは勿論である。
本出願は、2014年3月11日に日本国に出願された特願2014-47921号を優先権主張の基礎として出願するものであり、上記の開示内容は、本願明細書、請求の範囲、図面に引用されたものとする。