WO2015029750A1 - 喫煙物品用香料含有材料の製造方法、該方法により製造される喫煙物品用香料含有材料、およびそれを含む喫煙物品 - Google Patents

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Abstract

 ゲランガムおよびタマリンドガムから選択される少なくとも1種の多糖類と香料とを含み、70~95質量%の水分含量を有し、ゾル状態にある60~90℃の原料スラリーを調製する工程、前記原料スラリーをアルコール含有液と接触させて、所定の形状を有するゲルを得る工程、および前記ゲルを乾燥させる工程を含むことを特徴とする喫煙物品用香料含有材料の製造方法。

Description

喫煙物品用香料含有材料の製造方法、該方法により製造される喫煙物品用香料含有材料、およびそれを含む喫煙物品
 本発明は、喫煙物品用香料含有材料の製造方法、該方法により製造される喫煙物品用香料含有材料、およびそれを含む喫煙物品に関する。
 メントール等の揮発性を有する香料成分は、溶液状態でタバコ刻に添加されると、長期間の蔵置において香料成分が散逸してしまい、香料効果が持続しないという問題がある。この問題を解決するために、これまでに種々の報告が為されている。
 特許文献1~3は、多糖類と香料を含む60~90℃の原料スラリーを、基材の上に伸展し、冷却してゲル化させ、その後、加熱乾燥させて喫煙物品用香料含有シートを製造することを開示する。ここで多糖類水溶液は、冷却時にゲル化して、香料のミセルを固定して被覆する。多糖類のゲルで被覆された香料は、一旦冷却した後に、加熱乾燥工程で高温に晒されたとしても、その被膜がゾルに戻りにくく、被膜内の香料を安定に維持することができる。これにより、特許文献1~3に開示される香料含有シートは、香料の調製歩留りが高く、かつ喫煙物品に配合された際の蔵置保香性が高いという効果を有する。
 一方、多糖類水溶液のゲル化について、非特許文献1は、キシログルカン(ここではタマリンドガム)が、エタノールの存在下でゲル化することを開示する。
国際公開第2012/118032号パンフレット 国際公開第2012/118033号パンフレット 国際公開第2012/118034号パンフレット
Food Hydrocolloids 14 (2000) p.125-128, Gelation of tamarind seed polysaccharide xyloglucan in the presence of ethanol.
 本発明者らは、特許文献1~3において冷却後に得られるゲルが、そのシート形状を壊すことなく基材から引き剥がせるほどの強いゲル強度を有していないことに着目した。特許文献1~3で得られるゲルに、その形状を維持したまま基材から引き剥がせるほどの強いゲル強度をもたせることができれば、仕掛り品であるゲルを基材から引き剥がし、ゲルの全表面に熱や風をあててゲルを乾燥させて、これにより乾燥時間の短縮を図ることができると本発明者らは考えた。
 かかる着想に基づいて、本発明は、喫煙物品用香料含有材料の製造方法において、仕掛り品であるゲルを、より強いゲル強度で所定の形状に形作ることにより、仕掛り品の取扱いやすさを改良した方法を提供することを目的とする。
 本発明者らは、ゲランガムおよび/またはタマリンドガムを含む原料スラリーをアルコールと接触させてゲル化すると、その形状を維持したまま基材から引き剥がせるほどの強いゲル強度をもつゲルが得られることを見出し、本発明を完成させるに至った。
 本発明によれば、ゲランガムおよびタマリンドガムから選択される少なくとも1種の多糖類と香料とを含み、70~95質量%の水分含量を有し、ゾル状態にある60~90℃の原料スラリーを調製する工程、前記原料スラリーをアルコール含有液と接触させて、所定の形状を有するゲルを得る工程、および前記ゲルを乾燥させる工程を含むことを特徴とする喫煙物品用香料含有材料の製造方法が提供される。
 本発明の方法によれば、仕掛り品であるゲルを、より強いゲル強度で所定の形状に形作ることができる。これにより、仕掛り品であるゲルを、その後の製造プロセスにおいて、支持体で支えることなく単独で扱うことができる。すなわち、仕掛り品であるゲルの取り扱いが容易になるとともに、その後の製造プロセスのバリエーションを増やすことができる。たとえば、その後の乾燥工程において、仕掛り品であるゲルの全方向から熱や風をあてることが可能になり、これにより乾燥時間を短縮することができる。
ゲルの乾燥状況を示すグラフ。 エタノール濃度とゲルの引張強度との関係を示すグラフ。 ゲランガムとタマリンドガムの混合割合とゲルの引張強度との関係を示すグラフ。
 以下、本発明を説明するが、以下の説明は、本発明を詳説することを目的とし、本発明を限定することを意図しない。
 本発明の香料含有材料に含有される香料としては、喫煙物品に用いられる香料であれば限定されることなく任意の香料を使用することができる。主な香料としては、メントール、葉たばこ抽出エキス、天然植物性香料(例えば、シナモン、セージ、ハーブ、カモミール、葛草、甘茶、クローブ、ラベンダー、カルダモン、チョウジ、ナツメグ、ベルガモット、ゼラニウム、蜂蜜エッセンス、ローズ油、レモン、オレンジ、ケイ皮、キャラウェー、ジャスミン、ジンジャー、コリアンダー、バニラエキス、スペアミント、ペパーミント、カシア、コーヒー、セロリー、カスカリラ、サンダルウッド、ココア、イランイラン、フェンネル、アニス、リコリス、セントジョンズブレッド、スモモエキス、ピーチエキス等)、糖類(例えば、グルコース、フルクトース、異性化糖、カラメル等)、ココア類(パウダー、エキス等)、エステル類(例えば、酢酸イソアミル、酢酸リナリル、プロピオン酸イソアミル、酪酸リナリル等)、ケトン類(例えば、メントン、イオノン、ダマセノン、エチルマルトール等)、アルコール類(例えば、ゲラニオール、リナロール、アネトール、オイゲノール等)、アルデヒド類(例えば、バニリン、ベンズアルデヒド、アニスアルデヒド等)、ラクトン類(例えば、γ-ウンデカラクトン、γ-ノナラクトン等)、動物性香料(例えば、ムスク、アンバーグリス、シベット、カストリウム等)、炭化水素類(例えば、リモネン、ピネン等)が挙げられる。好ましくは、乳化剤の添加により溶媒中で分散状態が形成されやすい香料、たとえば疎水性香料や油溶性香料等を用いることができる。これら香料は、単独で用いてもよいし、混合して用いてもよい。
 以下、香料としてメントールを用いた場合を例に、本発明を説明する。
 1.喫煙物品用メントール含有材料
 本発明の一態様において、喫煙物品用メントール含有材料は、
 ゲランガムおよびタマリンドガムから選択される少なくとも1種の多糖類とメントールとを含み、70~95質量%の水分含量を有し、ゾル状態にある60~90℃の原料スラリーを調製する工程、
 前記原料スラリーをアルコール含有液と接触させて、所定の形状を有するゲルを得る工程、および
 前記ゲルを乾燥させる工程
を含む方法により製造される。
 以下、各工程について説明する。
 (1)原料スラリーの調製
 原料スラリーは、(i)ゲランガムおよびタマリンドガムから選択される少なくとも1種を含む多糖類と水とを混合、加熱して多糖類の水溶液を調製する工程と、(ii)かかる水溶液にメントールと乳化剤とを加えて混練・乳化させる工程とを含む方法により調製することができる。
 (i)の工程は、具体的には、ゲランガムおよびタマリンドガムから選択される少なくとも1種を含む多糖類を少量ずつ水に添加して攪拌しながら溶解させることにより行うことができる。ここでの加熱温度は、60~90℃、好ましくは75~85℃とすることができる。(ii)の工程は、原料スラリーが、上記加熱温度において数百~数千mPas程度(ゾル状態)の乳化に支障のない粘度を有するため、ホモジナイザーを用いて公知の乳化技術により行うことができる。
 ゲランガムおよびタマリンドガムから選択される少なくとも1種を含む多糖類(以下、単に多糖類ともいう)は、原料スラリー中に2~7質量%の濃度で含有されることが好ましい。たとえば、原料スラリーが溶媒として10リットルの水を使用する場合、原料スラリーは、200~700グラムの多糖類を含有することができる。より好ましくは、多糖類は、原料スラリー中に3~5質量%の濃度で含有される。
 本発明では、十分なゲル強度のゲルを形成することができれば、原料スラリー中に、ゲランガムおよび/またはタマリンドガムに加えて、他の多糖類が含有されていてもよい。他の多糖類として、ローカストビーンガム、タラガム、コンニャクグルコマンナン、グアーガム、ペクチン、アラビアガム、カラギーナン、キサンタンガム、カードラン、プルラン、カルボキシメチスセルロース、メチルセルロース、サイリュードシードガム、またはこれらの組合せが挙げられる。
 原料スラリーの配合は、たとえば、水10リットルに対して、ゲランガムおよびタマリンドガムから選択される少なくとも1種を含む多糖類500グラム、メントール500~5000グラム、5質量%の乳化剤溶液50~500mlとすることができる。
 原料スラリーの水分含量は、70~95質量%、好ましくは80~90質量%である。
 原料スラリー中の多糖類とメントールの割合(質量比)は、1:1~1:5とすることができ、好ましくは、1:2.5~1:5である。すなわち、メントールの配合量は、多糖類に対して100~500質量%とすることができ、好ましくは、多糖類に対して250~500質量%である。
 多糖類としては、ゲランガムのみを使用してもよいし、タマリンドガムのみを使用してもよいし、ゲランガムとタマリンドガムを併用してもよい(後述の例4および5を参照)。多糖類としてゲランガムとタマリンドガムを併用する場合、任意の混合割合でゲランガムとタマリンドガムを使用することができ(後述の例5を参照)、たとえば、ゲランガムとタマリンドガムの質量比は1:1~3:1の範囲とすることができる。上述のとおり、原料スラリー中に、ゲランガムおよび/またはタマリンドガムに加えて、他の多糖類が含有されていてもよい。
 本発明において原料スラリーは、アルコール含有液の作用により、作用した部分においてゲル化して、メントールを被覆する性質を有する。ゲランガムおよび/またはタマリンドガムを含む水溶液(原料スラリー)は、アルコール含有液の作用によりゲル化させると、その後、温度を上昇させてもゾルに戻りにくく、ゲル状態を維持することができるという特性を有する。この特性により、ゲランガムおよび/またはタマリンドガムを含む多糖類のゲルで被覆されたメントールは、アルコール含有液を作用させた後に、乾燥工程で高温に晒されたとしても、その被膜がゾルに戻りにくく、被膜内のメントールを安定に維持することができる。
 本発明においてメントールは、l-メントールを用いることができる。
 本発明において乳化剤は、天然由来の乳化剤、たとえばレシチン、具体的にはサンレシチンA-1(太陽化学株式会社)を使用することができる。
 乳化剤としてレシチンを使用した場合、レシチンは、多糖類に対して1~10質量%の量でスラリー中に含有することができ、好ましくは、多糖類に対して1~5質量%の量で含有することができる。
 乳化剤として、レシチンの他に、グリセリン脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、プロピレングリコール脂肪酸エステルおよびショ糖脂肪酸エステルからなる群より選択されるエステルを使用することができる。
 グリセリン脂肪酸エステルは、たとえばモノステアリン酸モノグリセリドやコハク酸モノグリセリドなどの脂肪酸モノグリセリドを含み;ポリグリセリン脂肪酸エステルは、たとえばモノステアリン酸ペンタグリセリンを含み;ソルビタン脂肪酸エステルは、たとえばソルビタンモノステアレートを含み;ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルは、たとえばポリオキシエチレンソルビタンモノステアレートを含み;プロピレングリコール脂肪酸エステルは、たとえばモノステアリン酸プロピレングリコールを含み;ショ糖脂肪酸エステルは、たとえばショ糖ステアリン酸エステルを含む。これら乳化剤も、多糖類に対して1~10質量%の量で、好ましくは多糖類に対して1~5質量%の量で、スラリー中に含有することができる。
 かかる乳化剤は、多糖類のゲルで被覆されたメントールのミセルを、水中に乳化分散させる機能を有する。このように、ゲランガムおよび/またはタマリンドガムを含む原料スラリーは、原料の乳化状態を安定に維持する性質(すなわち乳化安定性)を備えているため、この乳化安定性により、作成された香料含有材料のメントール含有量を蔵置後も安定に維持することができる。
 (2)原料スラリーとアルコール含有液との接触
 上述のとおり調製された原料スラリーをアルコール含有液と接触させて、所定の形状を有するゲルを得る。ここで所定の形状は、任意の形状であり、たとえば、シート状、紐状または粒状が挙げられる。すなわち、所定の形状は、本発明の香料含有材料を裁刻して喫煙物品のタバコ刻に配合することを想定して、多数の裁刻物が平面的または直線的に連結した形状(たとえばシート状または紐状)としてもよいし、喫煙物品のタバコ刻にそのまま配合され得る形状(たとえば粒状)としてもよい。シート状は、たとえば、1~50cm×1~50cm×0.5~3.0mm(厚み)のサイズとすることができ、紐状は、たとえば、直径1.0~30mm、長さ0.5cm~8000mとすることができ、粒状は、タバコ刻の刻み幅(約1.0~5.0mm)と同等のサイズとすることができる。
 本発明では、ゲランガムおよび/またはタマリンドガムを含む原料スラリーをアルコール含有液と接触させてゲル化すると、強いゲル強度を有するゲルを得ることができる。本明細書において強いゲル強度は、ゲルを手でもったときに、壊れることなく一つの物として扱えるゲル強度を意味する。すなわち、強いゲル強度は、ゲルが、基材などの支持体に支えられていなくてもその形状を維持することができるゲル強度を意味する。
 アルコール含有液は、たとえば、エタノール、メタノール、イソプロパノールの何れかを含有する液であり、好ましくはエタノール含有液である(後述の例2を参照)。
 製造工程における安全性の観点から、アルコール含有液のアルコール含量は、好ましくは、30質量%以上60質量%未満であり、より好ましくは、50質量%以上60質量%未満である。一方、アルコール含有液中のアルコール含量が高いほど、短い接触時間で強いゲル強度のゲルを得ることができる。このため、短い接触時間で強いゲル強度のゲルを得るためには、アルコール含有液のアルコール含量は、好ましくは60~100質量%、より好ましくは70~100質量%、更に好ましくは75~100質量%である(後述の例3を参照)。
 原料スラリーのアルコール含有液との接触は、ゲル化の効率を高めるために、好ましくは、原料スラリーの表面積の50%以上がアルコール含有液と接触するように行われる。より好ましくは、原料スラリーの表面積のほぼすべてがアルコール含有液と接触するように行われる。ここでいう原料スラリーの表面積とは、アルコール含有液と接触させる工程における原料スラリーの表面積を意味している。
 アルコール含有液は、ゲル化の効率を高めるために、原料スラリーに対して過剰量で使用することができる。
 原料スラリーは、調製直後、60~90℃の高温状態にあるが、この高温時にアルコール含有液と接触させてもよい。あるいは、原料スラリーは、調製後に室温まで冷まし、その後、アルコール含有液と接触させてもよい。すなわち、原料スラリーは、たとえば20~90℃の任意の温度でアルコール含有液と接触させることができる。また、原料スラリーは、適切なゲル強度に達するのに十分な時間、たとえば1~60分間、アルコール含有液と接触させることができる。
 原料スラリーのアルコール含有液との接触は、原料スラリーを所定の形状に置いた後にアルコール含有液と接触させることにより行われてもよい。あるいは、原料スラリーのアルコール含有液との接触は、原料スラリーをアルコール含有液の上に所定の形状で導入することにより、または原料スラリーをアルコール含有液の中に所定の形状で導入することにより行われてもよい。
 より具体的には、以下に例示するように、原料スラリーをアルコール含有液と接触させることができる。
 (a)アルコール含有液への浸漬
 原料スラリーを基材の上にシート状にキャスティングして、それを基材とともにアルコール含有液に浸漬することにより、シート状のゲルを得ることができる。ここで浸漬は、基材および基材上の原料スラリーの全てがアルコール含有液に浸ることが好ましい。
 (b)アルコール含有液の添加
 原料スラリーを基材の上にシート状にキャスティングして、その上にアルコール含有液を添加することにより、シート状のゲルを得ることができる。あるいは、予め基材上にアルコール含有液を添加し、アルコール含有液の上に原料スラリーをシート状にキャスティングすることにより、シート状のゲルを得ることができる。あるいは、原料スラリーを基材の上にシート状にキャスティングしている最中に、原料スラリーにアルコール含有液を同時に添加することにより、シート状のゲルを得ることができる。ここで、アルコール含有液の添加は、アルコール含有液を噴霧することにより行ってもよいし、あるいはアルコール含有液をかけ流すことにより行ってもよい。アルコール含有液は、基材にキャスティングされた原料スラリー上や基材上に留まるような量で添加してもよいし、基材にキャスティングされた原料スラリーや基材から流れ落ちるような量で添加し続けてもよい。
 (c)アルコール含有液への導入
 原料スラリーをアルコール含有液の中に任意の形状で押し出すことにより、任意の形状のゲルを得ることができる。たとえば、湿式紡糸の手法のように、原料スラリーをアルコール含有液の中に紐状の形態で押し出すことにより、紐状のゲルを得ることができる。あるいは、原料スラリーをアルコール含有液の中に粒状の形態で滴下することにより、粒状のゲルを得ることができる。
 なお、原料スラリーに、原料スラリーとアルコール含有液が混合するようにアルコール含有液を接触させると、撹拌(乳化)中に原料スラリーの粘度が高くなり、均一な撹拌や基材上へのキャスティングに支障をきたすかもしれない。そのため、アルコール含有液との接触は、原料スラリーとアルコール含有液が混合するように行わず、原料スラリーの表面にて行うことが好ましい。また、原料スラリーに、原料スラリーとアルコール含有液が混合するようにアルコール含有液を接触させると、アルコール含有液と接触した箇所のみがゲル化し、原料スラリー内にゲル化部分と非ゲル化部分のむらができ、その結果、仕掛り品である乾燥工程前のゲルの強度が弱くなったり、香料含有能力が低くなったりするかもしれない。そのため、アルコールとの接触は、原料スラリーとアルコール含有液が混合するように行わず、原料スラリーの表面にて行うことが好ましい。
 (3)ゲルの乾燥
 上記手法に従って得られたゲルは、その表面にアルコール含有液が付着している。アルコール含有液が付着したまま、ゲルを乾燥工程に移してもよいが、乾燥時間の短縮のために、乾燥工程の前にアルコール含有液をゲル表面からふき取ってもよい。
 上記手法に従って得られたゲルは、強いゲル強度を有し、手で持ち上げても壊れることなくその形状を維持しているため、基材などの支持体上に保持する必要がない。このため、得られたゲルは、自由に持ち上げて、吊るしたり、網の上に置いたりできるため、ゲルの全表面が熱および/または風に晒されるようにゲルに対して熱および/または風をあてることにより、ゲルを乾燥させることができる。ゲルの全表面が熱および/または風に晒されるためには、たとえば、ゲルに対して一つの特定方向とその反対方向から熱および/または風をあててもよいし、ゲルに対して全方向から、すなわちゲルの前方向、後方向、右方向、左方向、上方向および下方向から、熱および/または風をあててもよい。すなわち、ゲルの全表面が熱および/または風に晒されるためには、ゲルに対して少なくとも2つの方向から熱および/または風をあてることが必要である。
 ゲルの乾燥は、熱風乾燥、赤外線加熱乾燥、加熱乾燥、またはそれらの組合せなど任意の乾燥方法により行うことができる。
 ゲルの乾燥は、メントールなどの香料の揮散を防止するために、ゲルの表面温度(すなわち、試料温度)が100℃以下になるように行うことが好ましい。一般的には、ゲルの乾燥は、全乾燥期間にわたって試料温度が70~100℃になるように行うことが好ましい。熱風乾燥の場合、70~100℃の試料温度を維持するためには、100~130℃の温度を有する熱風による乾燥を、乾燥の前半に行い、その後、70℃以上100℃未満の熱風による乾燥を、乾燥の後半に行うことができる。
 ゲルの乾燥は、メントール含有材料が十分に乾燥した状態になるまで行う。具体的には、ゲルの乾燥は、メントール含有材料の水分含量が、好ましくは10質量%未満、より好ましくは3~9質量%、更に好ましくは3~6質量%になるまで行う。ここでの水分含量は、後述の例1に記載の測定方法で測定される値を指す。
 以上説明したとおり、本発明では、アルコール含有液の作用により、従来法と比べて、製造プロセスのより早い段階で、より強固なゲルをつくることが可能である。これにより、本発明では、仕掛り品であるゲルを、その後の製造プロセスにおいて、支持体で支えることなく単独で扱うことができる。その結果、本発明では、その後の乾燥工程において、ゲルの全方向から熱や風をあてることが可能になり、これにより乾燥時間を短縮することができる(後述の例1を参照)。
 また、本発明のメントール含有材料では、ゲランガムおよび/またはタマリンドガムを含む多糖類のゲルで被覆されたメントールが、乾燥工程で高温に晒されたとしても、その被膜がゾルに戻りにくく、被膜内のメントールを安定に維持することができる。このため、本発明のメントール含有材料は、香料の調製歩留りが高く、かつ喫煙物品に配合された際の保香性が高い。
 2.喫煙物品
 本発明のメントール含有材料は、必要であれば、タバコ充填材として適したサイズに裁刻し、それを喫煙物品のタバコ刻に配合することができる。たとえば、本発明のメントール含有材料は、シートの形状または紐の形状で調製し、それを通常のタバコ刻と同等のサイズに裁刻して、喫煙物品のタバコ刻に配合することができる。あるいは、本発明のメントール含有材料は、予めタバコ刻と同等のサイズで調製し、そのまま喫煙物品のタバコ刻に配合することができる。あるいは、本発明のメントール含有材料は、紐の形状で調製し、それをたとえば1~6cmの長さに切断し、タバコロッドの長手方向に向くように配置して、喫煙物品のタバコ刻に配合することができる。
 メントール含有材料は、タバコ刻100gあたり2~10gの量で配合することができる。メントール含有材料は、好ましくは、タバコ刻中に分散させて配合される。
 本発明のメントール含有材料は、任意の喫煙物品、たとえば、タバコの葉を燃焼させてタバコの香喫味を味わう燃焼型喫煙物品、とりわけシガレットのタバコ刻に配合することができる。具体的には、本発明のメントール含有材料は、タバコ刻および該タバコ刻の周囲を巻装するシガレット巻紙を含むタバコロッドを備えたシガレットのタバコ刻に配合することができる。シガレットのタバコ刻に配合する際には、パフ間での香料発現の安定性の観点から、シガレットの長手方向で配合量に偏りが無いように、均一に配合することが好ましい。
 例1:メントール含有シートの調製
 (1)本発明の例
 蒸留水 300 mLにゲランガム(ケルコゲル/三栄源エフ・エフ・アイ)4.5 g、タマリンドガム(ビストップD-2032/三栄源エフ・エフ・アイ)4.5 gを80℃に温めながら撹拌して溶解した。得られた多糖類水溶液にメントール(高砂香料工業株式会社)45 gを溶融し、5%レシチン水溶液(サンレシチンA-1/太陽化学株式会社)3.6 mLを加え、10分間4000 rpmでホモジナイズさせ、多糖類スラリーを調製した。得られた多糖類スラリーを、基材(20×20cm)の上に厚さ1 mmになるよう薄く伸展した。伸展したスラリーを、基材および基材上の多糖類スラリーの全てがエタノールに浸るように、エタノール200 mLに含浸させゲル化させた(室温、反応時間:1分)。なお、このようなエタノールとの接触工程では、多糖類スラリーは、基材と接する面(底面)ではエタノールと接触せず、上面と側面でエタノールと接触することから、原料スラリーの表面積の50%以上がアルコール含有溶液と接触しているといえる。得られたゲルを、基材から引き剥がした。その後、ゲルを手に持った状態で、熱風(熱風温度:100℃)をゲルの全面に当てて乾燥させて、メントール含有シートを調製した。所定の乾燥時間毎に約100 mgサンプリングし、GC-TCDで水分含有率を定量した。
 (2)比較例
 蒸留水 300 mLにゲランガム(ケルコゲル/三栄源エフ・エフ・アイ)4.5 g、タマリンドガム(ビストップD-2032/三栄源エフ・エフ・アイ)4.5 gを80℃に温めながら撹拌して溶解した。得られた多糖類水溶液にメントール(高砂香料工業株式会社)45 gを溶融し、5%レシチン水溶液(サンレシチンA-1/太陽化学株式会社)3.6 mLを加え、10分間4000 rpmでホモジナイズさせ、多糖類スラリーを調製した。得られた多糖類スラリーを、基材(20×20cm)の上に厚さ1 mmになるよう薄く伸展し、試料が30℃以下になるまで一旦冷却しゲル化させた。その後、熱風(熱風温度:100℃)をゲルの上面から当て乾燥させて、メントール含有シートを調製した。所定の乾燥時間毎に約100 mgサンプリングし、GC-TCDで水分含有率を定量した。
 (3)乾燥状況の測定
 ゲルの水分含有率は、以下のとおりGC-TCDで測定した。
 まず、所定の乾燥時間経過後のゲル(1×10 mm裁刻)100 mgを秤量し、これに10 mLメタノール(試薬特級または同等以上のものを、空気中の水分吸収の影響を排除するため、新品を大気に曝さないで分注する)を、50 mL容量の密閉容器(スクリュー管)内で加え、40分間の振盪(200 rpm)を行った。一晩放置した後、再度40分間の振盪(200 rpm)を行い、静置後の上澄み液を(ここではGC測定のために希釈せず)測定溶液とした。
 測定溶液を、以下のGC-TCDにかけて、検量線法により定量した。
 GC-TCD;Hewlett Packard社製6890ガスクロマトグラフ
  Column   ;HP Polapack Q (packed column) Constant Flow mode 20.0 mL/min
  Injection  ;1.0μL
  Inlet    ;EPC purge packed column inlet Heater;230℃
           Gas;He Total flow;21.1 mL/min
  Oven    ;160℃(hold 4.5 min)→(60℃/min)→220℃(hold 4.0 min)
  Detector  ;TCD検出器 Reference Gas(He)流量;20 mL/min
               make up gas(He)3.0 mL/min
  Signal rate ;5 Hz
  検量線溶液濃度;0、10,50,100,150,200 [mg-H2O/10 mL] の6点。
 (4)結果
 本発明の方法に従って原料スラリーをエタノールと接触させてゲル化させると、得られたゲルは、そのシート形状を維持したまま基材から引き剥がせるほどの強いゲル強度をもっていた。すなわち、本発明の例では、ゲルを手でもったときに、壊れることなく一つの物として扱える強度を有していた。これに対し、比較例では、ゲルは、そのシート形状を維持したまま基材から引き剥がせるほどの強いゲル強度をもっておらず、ゲルを基材から引き剥がすと壊れてしまった。
 このため、本発明の例では、ゲルを基材から分離し、ゲルの全方向から熱風を当てて、メントール含有シートを調製した。これに対し、比較例では、ゲルを基材に置いたまま、ゲルの上面から熱風を当てて、メントール含有シートを調製した。
 ゲルの乾燥状況を図1に示す。図1に示されるとおり、本発明の例では、2.5分の乾燥後にゲルの水分含有率は10%近くまで低下した。一方、比較例では、5分の乾燥後にゲルの水分含有率は約50%であり、10分の乾燥後にゲルの水分含有率は10%近くまで低下した。この結果から、本発明の方法では、従来法と比較して乾燥時間を約1/4に短縮できることがわかる。
 例2:アルコールの種類の検討およびアルコール以外の溶媒の検討
 エタノールの代わりにメタノールまたはイソプロパノールを用いて、例1と同様にメントール含有シートを調製した。メタノールやイソプロパノールを用いた場合も、ゲルは、そのシート形状を維持したまま基材から引き剥がせるほどの強いゲル強度をもっていた。本実施例で得られたゲルも、例1で得られたゲルと同様、その後の乾燥工程で、乾燥時間を短縮することができた。
 また、アルコールの代わりに蒸留水またはアルコール以外の有機溶媒(ここではヘキサン)を用いて、例1と同様にメントール含有シートを調製した。蒸留水やヘキサンに、伸展した多糖類スラリーを含浸させても、多糖類スラリーはゲル化しなかった。
 例3:エタノール濃度の検討
 本実施例では、乾燥工程前のゲルのゲル強度とエタノール濃度との関係を調べた。
 (1)本発明の例
 蒸留水 300 mLにゲランガム(ケルコゲル/三栄源エフ・エフ・アイ)4.5 g、タマリンドガム(ビストップD-2032/三栄源エフ・エフ・アイ)4.5 gを80℃に温めながら撹拌して溶解した。得られた多糖類水溶液にメントール(高砂香料工業株式会社)45 gを溶融し、5%レシチン水溶液(サンレシチンA-1/太陽化学株式会社)3.6 mLを加え、10分間4000 rpmでホモジナイズさせ、多糖類スラリーを調製した。得られた多糖類スラリーを、基材(20×20cm)の上に厚さ1 mmになるよう薄く伸展した。伸展したスラリーをエタノール含有液200 mLに含浸させゲル化させた(反応温度:25℃、反応時間:5分)。
 エタノール含有液として、100質量%のエタノール、90質量%のエタノールと10質量%の水の混合液、75質量%エタノールと25質量%の水の混合液、60質量%のエタノールと40質量%の水の混合液、50質量%のエタノールと50質量%の水の混合液、40質量%のエタノールと60質量%の水の混合液、および30質量%のエタノールと70質量%の水の混合液を使用した。
 (2)比較例
 蒸留水 300 mLにゲランガム(ケルコゲル/三栄源エフ・エフ・アイ)4.5 g、タマリンドガム(ビストップD-2032/三栄源エフ・エフ・アイ)4.5 gを80℃に温めながら撹拌して溶解した。得られた多糖類水溶液にメントール(高砂香料工業株式会社)45 gを溶融し、5%レシチン水溶液(サンレシチンA-1/太陽化学株式会社)3.6 mLを加え、10分間4000 rpmでホモジナイズさせ、多糖類スラリーを調製した。得られた多糖類スラリーを、基材(20×20cm)の上に厚さ1 mmになるよう薄く伸展し、試料が30℃以下になるまで一旦冷却しゲル化させた。
 (3)ゲル強度の測定
 得られたゲルを手で基材から引き剥がした際に、そのシート形状が壊れるか否か調べた。また、シート形状が壊れなかった場合、得られたゲルを縦9 cm、横3 cmになるよう切り取り(縦の上下2cmずつはクランプのはさみしろ)、1 mm/secの速さで引張強度を測定した。ゲルの引張強度は、クリープメータ(山電株式会社製 RHONER II シリーズ(RE2-33005S, -3305S)により測定した。
 (4)結果
 ゲルを手で基材から引き剥がした際の結果を表1に示す。表1では、ゲルを基材から引き剥がした際にシート形状が壊れなかった場合を〇で示し、シート形状が壊れた場合を×で示す。
Figure JPOXMLDOC01-appb-T000001
 また、引張強度の測定結果を図2に示す。引張強度は、ゲル強度を表す指標である。
 比較例では、得られたゲルは非常に脆く、そのシート形状を壊すことなく基材から引き剥がすことができず、引張強度を測定することができなかった。
 一方、本発明の例では、エタノール含有液のエタノール濃度が30質量%以上であれば、ゲルは、そのシート形状を維持したまま基材から引き剥がすことができ、引張強度の測定が可能であった。したがって、エタノール含有液のエタノール濃度が30質量%以上であれば、ゲルを基材から分離し、乾燥工程において、ゲルの全方向から熱風をあてることが可能であった。なお、本実施例では、エタノール濃度が20質量%の場合についても試験したが、得られたゲルは脆く、そのシート形状を壊すことなく基材から引き剥がすことは難しかった。しかし、エタノール濃度が30質量%未満であっても、ゲル化のための反応時間を長くすれば、得られたゲルのゲル強度を増大させることはできるため、本実施例の結果は、エタノール濃度が30質量%未満の場合の本発明の効果を否定するものではない。
 また、本発明の例では、エタノール濃度が高いほど、ゲルの引張強度は増大した。エタノール濃度が50質量%以上のエタノール含有液を使用した場合、乾燥工程において、ゲルの全方向から熱風をあてた際の破れが非常に少なくなった。とりわけエタノール濃度が75質量%以上のエタノール含有液を使用した場合、高い引張強度のゲルを得ることができた。引張強度が高い場合、ゲルは、過酷な乾燥条件、たとえば強力な熱風による乾燥などにも耐えることが保証される。
 例4:多糖類の種類の検討
 例1~3では、多糖類としてゲランガムとタマリンドガムを組合せて使用した。本実施例では、その他の種類の多糖類スラリーが、エタノールとの接触によりゲル化するか否か調べた。多糖類として、以下の多糖類を使用した:ゲランガム、タマリンドガム、コンニャクグルコマンナン、キサンタンガム、グアガム、ローカストビーンガム、ペクチン、プルラン。各多糖類は、表2に示される濃度(すなわち蒸留水に対する質量%)で使用した。多糖類濃度は、多糖類スラリーがシート化可能な粘度になるよう調整した。
 本実施例は、例1と同様の方法に従って行った。すなわち、多糖類スラリーを調製し、それを基材の上へ厚さ1 mmで伸展した。伸展した多糖類スラリーをエタノールに浸漬させゲル化させた。ゲル化の有無を、目視または手で触れることにより確認した。
 結果を下記表2に示す。表2では、ゲル化した場合を〇で示し、ゲル化しなかった場合を×で示す。
Figure JPOXMLDOC01-appb-T000002
 表2の結果から、多糖類としてゲランガムを使用した場合とタマリンドガムを使用した場合は、エタノールの作用により多糖類スラリーはゲル化することがわかる。一方、他の多糖類を使用した場合については、多糖類スラリーはエタノールの作用によりゲル化しなかった。
 例5:ゲランガムとタマリンドガムの混合割合の検討
 本実施例では、ゲランガムとタマリンドガムの混合割合がゲル強度に及ぼす影響を調べた。本実施例で使用した多糖類スラリーの組成を表3に示す。
Figure JPOXMLDOC01-appb-T000003
 ゲランガム(Ge)とタマリンドガム(Tm)の混合割合(質量比)は、以下の5タイプを使用した:
Ge/Tm割合=10/0
Ge/Tm割合=3/1
Ge/Tm割合=1/1
Ge/Tm割合=1/3
Ge/Tm割合=0/10。
 本実施例は、例1と同様の方法に従って行った。すなわち、多糖類スラリーを調製し、それを基材の上へ厚さ1 mmで伸展し、伸展した多糖類スラリーをエタノールに浸漬させゲル化させた。得られたゲルを縦5 cm、横3 cmになるよう切り取り、例3と同様の方法に従って1 mm/secの速度で引張強度を測定した。
 測定結果を図3に示す。
 図3に示されるとおり、ゲランガムを単独で用いた場合、タマリンドガムを単独で用いた場合、ゲランガムとタマリンドガムを混合して用いた場合のいずれも、高い引張強度のゲルを得ることができた。

Claims (12)

  1.  ゲランガムおよびタマリンドガムから選択される少なくとも1種の多糖類と香料とを含み、70~95質量%の水分含量を有し、ゾル状態にある60~90℃の原料スラリーを調製する工程、
     前記原料スラリーをアルコール含有液と接触させて、所定の形状を有するゲルを得る工程、および
     前記ゲルを乾燥させる工程
    を含むことを特徴とする喫煙物品用香料含有材料の製造方法。
  2.  前記接触工程が、前記原料スラリーの表面積の50%以上が前記アルコール含有液と接触するように行われることを特徴とする請求項1に記載の方法。
  3.  前記接触工程が、前記原料スラリーを所定の形状に置いた後に前記アルコール含有液と接触させる工程であることを特徴とする請求項1または2に記載の方法。
  4.  前記接触工程が、前記原料スラリーを前記アルコール含有液の上または中に所定の形状で導入する工程であることを特徴とする請求項1または2に記載の方法。
  5.  前記接触工程が、前記原料スラリーを前記アルコール含有液に浸漬させることにより、または前記原料スラリーに前記アルコール含有液を噴霧することにより、行われることを特徴とする請求項3に記載の方法。
  6.  前記所定の形状が、シート状、紐状または粒状であることを特徴とする請求項1~5の何れか1項に記載の方法。
  7.  前記乾燥工程が、前記ゲルの全表面が熱風に晒されるように、前記ゲルに対して少なくとも2つの方向から熱風をあてることにより行われることを特徴とする請求項1~6の何れか1項に記載の方法。
  8.  前記アルコール含有液が、30質量%以上のアルコール含量を有することを特徴とする請求項1~7の何れか1項に記載の方法。
  9.  前記アルコール含有液が、50質量%以上のアルコール含量を有することを特徴とする請求項1~7の何れか1項に記載の方法。
  10.  前記アルコール含有液が、75質量%以上のアルコール含量を有することを特徴とする請求項1~7の何れか1項に記載の方法。
  11.  請求項1~10の何れか1項に記載の方法により製造されることを特徴とする喫煙物品用香料含有材料。
  12.  タバコ充填材を含む喫煙物品であって、前記タバコ充填材に、請求項11に記載の喫煙物品用香料含有材料またはその裁刻物が配合されていることを特徴とする喫煙物品。
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