WO2014192374A1

WO2014192374A1 - エアバッグ装置

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Publication number: WO2014192374A1
Application number: PCT/JP2014/057048
Authority: WO
Inventors: 仁小山; ハフィジアハマド
Original assignee: オートリブディベロップメントエービー
Priority date: 2013-05-31
Filing date: 2014-03-17
Publication date: 2014-12-04
Also published as: EP3006275A4; CN105324277B; JP5992100B2; JPWO2014192374A1; EP3006275A1; CN105324277A; EP3006275B1

Abstract

【課題】簡素な構造でありながらエアバッグの展開方向を効果的に規制可能なエアバッグ装置を提供すること。【解決手段】エアバッグ及びインフレータを収容するファブリック製のハウジングを備えたエアバッグ装置において、前記ハウジングは、第１の開口縁部及び対向する第２の開口縁部を有し、折り畳まれた前記エアバッグ及び前記インフレータを収容する収容領域と；前記収容領域の第１の開口縁部に連結され、当該第１の開口縁部から前記第２の開口縁部側に延びて、前記エアバッグを覆う第１のフラップと；前記第２の開口縁部に連結され、当該第２の開口縁部から前記第１の開口縁部側に延びて前記第１のフラップに被さるように配置される第２のフラップとを備える。前記インフレータから膨張ガスが出力されると、前記第１及び第２のフラップが開いて前記エアバッグの膨張展開を許容する構造である。また、前記第２のフラップは、当該フラップの開き量を規制する規制部材を側面に備える。

Description

エアバッグ装置

本発明は、車両内の乗員を拘束するエアバッグ装置に関する。特に、エアバッグを収容するハウジングの構造に関する。

　エアバッグ装置には、ステアリングホイール（ハンドル）中心部に収容される運転席用エアバッグ装置や、インストルメントパネル（ダッシュボード）内に収容される助手席用のエアバッグ装置や、ルーフレール付近から窓を覆うように展開するカーテンエアバッグ装置や、シートに組み込まれたサイドエアバッグ装置等がある。エアバッグ装置は、衝突時の衝撃をエアバッグにより吸収緩和することにより、衝撃から乗員を保護するものである。

　エアバッグ装置においては、配備される環境によってエアバッグの展開方向を規制することが要求される。しかしながら、簡素な構造及び低コストでエアバッグの展開方向を良好に制御することは困難であった。

　例えば、助手席用エアバッグ装置は、インストルメントパネルの内部に収容され、インストルメントパネルに形成された脆弱な領域（スリット）から上方に向かってエアバッグが展開するように構成される。エアバッグ装置が作動したときに開放するインストルメントパネルの脆弱な領域は、例えば、アルファベットの“Ｈ”の形になっており、中央横線の上下部分が観音開きのドアのように開いてエアバッグが車室側に展開するようになっている。しかしながら、エアバッグの展開方向が適切でないと、例えば、インストルメントパネルのウィンドシールド側の部分（前側のドア）が破断して飛散する恐れがあった。

　本発明は、上記のような状況に鑑みてなされたものであり、簡素な構造でありながらエアバッグの展開方向を効果的に規制可能なエアバッグ装置を提供することを目的とする。

　上記目的を達成するために、本発明に係るエアバッグ装置は、膨張・展開することによって乗員を拘束するエアバッグと；前記エアバッグに膨張ガスを供給するインフレータと；前記エアバッグ及び前記インフレータを収容するファブリック製のハウジングとを備える。前記ハウジングは、第１の開口縁部及び対向する第２の開口縁部を有し、折り畳まれた前記エアバッグ及び前記インフレータを収容する収容領域と；前記収容領域の第１の開口縁部に連結され、当該第１の開口縁部から前記第２の開口縁部側に延びて、前記エアバッグを覆う第１のフラップと；前記第２の開口縁部に連結され、当該第２の開口縁部から前記第１の開口縁部側に延びて前記第１のフラップに被さるように配置される第２のフラップとを備える。また、前記インフレータから膨張ガスが出力されると、前記第１及び第２のフラップが開いて前記エアバッグの膨張展開を許容する構造である。そして、前記第２のフラップは、当該フラップの開き量を規制する規制部材を側面に備えることを特徴とする。

　上記のような本発明によれば、第２のフラップの側面に設けられた規制部材という簡素な構成でありながら、展開初期の段階においてエアバッグの展開方向を効果的に規制可能となる。

　前記第１のフラップは、折り畳まれた前記エアバッグの上面から側面までを覆うように前記収容領域の内部に延び、端部が前記収容領域の底部まで達する構成とすることが好ましい。このような構造を採用することにより、第１のフラップの端部領域の外面と第２のフラップの内面との摩擦が大きくなり、エアバッグの展開を更に効果的に規制可能となる。

　前記規制部材として、前記第２の開口縁部から前記第１の開口縁部に向かって広がる三角形状の規制布を採用することができる。これにより、固定手段として縫製を採用することもでき、規制手段としての構造を簡素化でき、その結果、コストの削減に繋がるというメリットがある。

　当該エアバッグ装置は、インストルメントパネルの内部に配備される助手席用エアバッグ装置に適用することができる。前記インストルメントパネルには、当該装置の作動時に開裂する脆弱領域が形成される。そして、前記第１の開口縁部が乗員側に位置し、前記第２の開口縁部がウィンドシールド側に位置するように配置することが好ましい。このような場合、エアバッグがウィンドシールド側に展開するのを規制して、乗員側に導くことにより、インストルメントパネルのウィンドシールド側のドアが破断し飛散するような事態を回避可能となる。

図１は、本発明の実施例に係るエアバッグ装置に使用されるファブリック製のハウジングを示す斜視図である。図２は、実施例に係るエアバッグ装置の構造を示す断面図である。図３は（Ａ）は、実施例に係るエアバッグ装置に使用されるファブリック製のハウジングを示す上面図である。図３（Ｂ）は、実施例に係るエアバッグ装置を配備したインストルメントパネルの様子を示す平面図である。図４は、実施例に係るエアバッグ装置を配備したインストルメントパネルとウィンドシールドとの位置関係を示す説明図（断面図）である。図５（Ａ）は、実施例に係るエアバッグ装置の作動初期の状態を示す断面図である。図５（Ｂ）は、同図（Ａ）の後に続く状態を示す断面図である。図６は、実施例に係るエアバッグ装置の作動の状態を示す断面図であり、図５（Ｂ）の後の状態を示す。

　以下に添付図面を参照しながら、本発明の好適な実施形態について助手席用エアバッグ装置を例にとって詳細に説明する。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能、構成を有する要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略し、また本発明に直接関係のない要素は図示を省略する。

　図１は、本発明の実施例に係るエアバッグ装置１００に使用されるファブリック製のハウジング１０を示す斜視図である。図２は、エアバッグ装置１００の構造を示す断面図である。図３は（Ａ）は、ファブリック製のハウジング１０を示す上面図である。図３（Ｂ）は、実施例に係るエアバッグ装置を配備したインストルメントパネル３０の様子を示す平面図である。また、図４は、インストルメントパネルとウィンドシールドとの位置関係を示す。なお、各図において、「前方」とは車両前方を意味し、インストルメントパネルのウィンドシールド側に対応する。また、「後方」とは車両後方を意味し、インストルメントパネルの車室側に対応する。

　本実施例に係るエアバッグ装置１００は、膨張・展開することによって乗員を拘束するエアバッグ１５と；エアバッグ１５に膨張ガスを供給するインフレータ２６と；エアバッグ１５及びインフレータ２６を収容するファブリック製のハウジング１０とを備えている。ここで、ハウジング１０は、折り畳まれたエアバッグ１５及びインフレータ２６を収容する概ね箱形の収容領域１２と、第１及び第２のフラップ１６，１４を備えている。収容領域１２は、第１の開口縁部１２ａ及び対向する第２の開口縁部１２ｂを有する。第１のフラップ１６は、収容領域１２の第１の開口縁部１２ａに連結され、当該第１の開口縁部１２ａから第２の開口縁部１２ｂ側に延びて、エアバッグ１５を覆う。第２のフラップ１４は、収容領域１２の第２の開口縁部１２ｂに連結され、当該第２の開口縁部１２ｂから第１の開口縁部１２ａ側に延びて第１のフラップ１６に覆い被さるように配置される。なお、収容領域１２と第１及び第２のフラップは同一ファブリックによって一体的に成形することができる。

図２に示すように、第１のフラップ１６は、折り畳まれたエアバッグ１５の上面を覆う領域１６ａと、エアバッグ１５の前方側面を覆う領域１６ｂと、当該領域１６ｂの先端部１６ｃとから構成される。一方、第２のフラップ１６は、折り畳まれたエアバッグ１５の上面を覆う第１のフラップ（１６ａ）に覆い被さる領域１４ａと、更に収容領域１２の外側面を包み覆うように延びる領域１４ｂとから構成され、領域１４ｂの端部（縁部）が収容領域１２の底部まで達した構造となっている。第２のフラップ１４の端部は、インフレータ２６を固定するリテーナに連結されたスタッドボルト２８が貫通する孔１７が２カ所に形成されている。なお、ファブリック製のハウジング１０はスチール製のハウジング２６の内部に収容される。

　第２のフラップ１４は、当該フラップの開き量を規制する規制部材１８Ｒ，１８Ｌを側面に備えている。ここで、本実施例における「側面」とは、第１の開口縁部１２ａと第２の開口縁部１２ｂと概ね直交する２辺に対応し、収容領域１２における前方から後方に向かう方向に平行な面に対応する。規制部材１８Ｒ，１８Ｌは、第２のフラップ１４の側面と収容領域の開口縁部とに連結された規制布であり、第２の開口縁部１２ｂから第１の開口縁部１２ａに向かって広がる三角形状となっている。図の角度θは、エアバッグ１５の展開規制方向に応じて適宜設定することができるが、３０°～６０°が好ましい。通常、３０°以下であると、エアバッグ１５の展開を必要以上に規制して、展開が遅延する恐れがある。逆に、６０°以上であると、展開方向の規制の効果が薄れてしまう恐れがある。規制布１８Ｒ，１８Ｌは、例えば、三角形の底辺の部分１９を収容領域１２に対して縫製する構成とすることができる。

　図１、図２、図３（Ａ）に示すように、第２のフラップ１４の領域１４ａと１４ｂとの境界部分には、エアバッグ装置１００の作動時に破断する脆弱部としてのスリット２２が設けられている。そして、インフレータ２６から膨張ガスが出力されると、スリット２２から第２のフラップ１４が破断し、第１及び第２のフラップ１６，１４が開いてエアバッグ１５の膨張展開を許容する構造となっている。

　図３（Ｂ）に示すように、インストルメントパネル３０には、エアバッグ装置１０の上方にＨ字状の脆弱領域が形成され、これによって窓部３０ａ、３０ｂが形成される。これらの窓部３０ａ、３０ｂは、エアバッグ装置１０の作動時にエアバッグ１５の圧力で観音開きのように開放され、エアバッグ１５が車室内に展開するようになっている。本実施例においては、ウィンドシールド４０（図４参照）側、即ち前方の窓３０ａがエアバッグ１５の圧力で破断して飛散するのを防止可能となっている。

次に、図５（Ａ）、（Ｂ）及び図６を参照して、本発明の動作及び作用について説明する。車両の衝突が発生してエアバッグ装置１００が作動すると、インフレータ２６から供給されるガスによってエアバッグ１５が膨張を開始する。初期の段階では、図５（Ａ）に示すように、ファブリック製ハウジング１０の第２のフラップ１４がスリット２２から破断する。この時、規制部材１８Ｒ，１８Ｌによって、第２のフラップ１４のウィンドシールド４０側（前方）への開放が規制される。また、これに加えて、第１のフラップ１６の先端１６ｃが収容領域１２の底部に達するまで延びているため、第１のフラップ１６の端部領域１６ｂの外面と第２のフラップ１４の領域１４ａ内面との摩擦が大きくなり、エアバッグ１５がウィンドシールド４０側に展開するのを効果的に規制して、乗員側に導くことが可能となる（図５（Ｂ））。エアバッグ１５が更に膨張すると、図６のように従来と同様に展開することになる。

上述したように、本実施例によれば、第２のフラップ１４の規制部材１８Ｒ，１８Ｌの採用及び、第１のフラップ１６の先端１６ｃを収容領域１２の底部付近まで深く差し込むことにより、初期の段階でエアバッグ１５の展開方向を乗員側に誘導することができ、インストルメントパネル３０のドア３０ａが破断し飛散するような事態を回避することができる。なお、本発明はエアバッグの展開方向を初期の段階で効果的に規制する思想であり、インストルメントパネルの飛散を防止する以外の効果が期待できることは言うまでもない。

　以上、本発明の実施例について説明したが、本発明はこれらの実施例に何ら限定されるものではなく、特許請求の範囲に示された技術的思想の範疇において変更可能なものである。

Claims

　膨張・展開することによって乗員を拘束するエアバッグと；
　前記エアバッグに膨張ガスを供給するインフレータと；
　前記エアバッグ及び前記インフレータを収容するファブリック製のハウジングとを備え；
　前記ハウジングは、第１の開口縁部及び対向する第２の開口縁部を有し、折り畳まれた前記エアバッグ及び前記インフレータを収容する収容領域と；前記収容領域の第１の開口縁部に連結され、当該第１の開口縁部から前記第２の開口縁部側に延びて、前記エアバッグを覆う第１のフラップと；前記第２の開口縁部に連結され、当該第２の開口縁部から前記第１の開口縁部側に延びて前記第１のフラップに被さるように配置される第２のフラップとを備え、
　前記インフレータから膨張ガスが出力されると、前記第１及び第２のフラップが開いて前記エアバッグの膨張展開を許容する構造であり、
　前記第２のフラップは、当該フラップの開き量を規制する規制部材を側面に備えることを特徴とするエアバッグ装置。
　前記第１のフラップは、折り畳まれた前記エアバッグの上面から側面までを覆うように前記収容領域の内部に延び、端部が前記収容領域の底部まで達することを特徴とする請求項１に記載のエアバッグ装置。
　前記第２のフラップは、前記エアバッグの上面を覆う前記第１のフラップに覆い被さり、更に前記収容領域を覆うように、端部が前記収容領域の底部まで達することを特徴とする請求項１又は２に記載のエアバッグ装置。
　前記第２のフラップの一部には、当該エアバッグ装置の作動時に破断する脆弱部が設けられていることを特徴とする請求項１乃至３の何れか１項に記載のエアバッグ装置。
　前記規制部材は、前記第２のフラップの側面と前記収容領域の開口縁部とに連結された規制布であることを特徴とする請求項１乃至４の何れか１項に記載のエアバッグ装置。
　前記規制布は、前記第２の開口縁部から前記第１の開口縁部に向かって広がる三角形状であることを特徴とする請求項５に記載のエアバッグ装置。
　前記規制布の一辺が前記収容領域に対して縫製によって固定されることを特徴とする請求項６に記載のエアバッグ装置。
　当該エアバッグ装置は、インストルメントパネルの内部に配備される助手席用エアバッグ装置であり、
　前記インストルメントパネルには、当該装置の作動時に開裂する脆弱領域が形成され、
　前記第１の開口縁部が乗員側に位置し、前記第２の開口縁部がウィンドシールド側に位置するように配置されることを特徴とする請求項１乃至７の何れか１項に記載のエアバッグ装置。