WO2014002875A1

WO2014002875A1 - 超音波診断装置、超音波画像表示方法および超音波画像表示プログラム

Info

Publication number: WO2014002875A1
Application number: PCT/JP2013/066995
Authority: WO
Inventors: 智章長野
Original assignee: 日立アロカメディカル株式会社
Priority date: 2012-06-27
Filing date: 2013-06-20
Publication date: 2014-01-03

Abstract

　本発明の超音波診断装置は、超音波を送信し、送信された超音波に基づいて発生したエコーを受信する超音波信号生成部と、前記エコーに基づいて超音波画像を生成する画像生成部と、生成された前記超音波画像を表示する画像表示部と、を備える超音波診断装置において、前記超音波画像の前記画像表示部への表示の可否条件を設定する表示設定部と、前記表示の可否条件に基づいて、前記画像生成部で生成された超音波画像の表示の可否を判定する表示可否判定部と、前記表示可否判定部の表示の可否判定結果に基づいて前記超音波画像を加工処理し、前記画像表示部へ提供する超音波画像を生成する画像加工部と、を備える。

Description

超音波診断装置、超音波画像表示方法および超音波画像表示プログラム

　本発明は超音波診断装置、超音波画像表示方法あるいは超音波画像表示プログラムに関する。

　超音波検査では、超音波診断装置を被検者の近くに配置して行われる。そのため、被検者は、超音波診断装置に表示される超音波画像を見ることができる。さらに例えば被検者の胎児を超音波検査する場合に、被検者に積極的に胎児の超音波画像を見せる場合がある。しかし超音波検査において、すべての超音波画像を被検者に見せることが望ましいとは限らない。超音波画像は検者等が選択して被検者に見えるようにすることが望ましい。

　被検者に超音波画像を見せない方が良い場合としては、例えば、胎児の性別が判明する性判別情報が超音波画像として表示される場合や被検者の病変組織が表示される場合がある。被検者を取り巻く状況によっては、胎児の性別が、被検者が望まない性別である場合に中絶手術などの問題が起こる可能性がある。このため国や地域によっては、被検者に胎児の性別が判別できる超音波画像を見せることを、好ましくないとするところがある。

　検者用と被検者用の表示装置をそれぞれ備え、計測した超音波画像を被検者に見せたくない場合に、検者が被検者用の表示装置の表示を停止する技術が特許文献1に開示されている。

特開2001-104305号公報

　特許文献1に開示されている公知の発明では、検者が操作することにより、計測された超音波画像を被検者に見えなくすることが可能である。しかし、検者は、被検者の診断に対応した超音波検査を超音波探触子を持って行うことに加え、表示される超音波画像が被検者に見えなくする操作も行わなければならず、検者の操作作業が煩雑となり、検者の操作作業の負担が増大する。

　本発明の目的は、検者の操作作業の負担を抑制することができる超音波診断装置、超音波画像表示方法あるいは超音波画像表示プログラムを提供することである。

　前記課題を解決するために、本発明に係る超音波診断装置は、被検者に送信された超音波に基づくエコーを受信する超音波信号生成部と前記エコーに基づいて超音波画像を生成する画像生成部と前記超音波画像を表示する画像表示部とを備え、前記超音波画像の表示の可否を判定する表示可否判定部と前記表示可否判定部の判定に基づいて前記超音波画像を加工処理する画像加工部とを備えたことを特徴とする。

　前記課題を解決するために、本発明に係る超音波画像表示方法は、被検者に送信された超音波に基づくエコーを受信し、前記エコーに基づいて超音波画像を生成し、前記超音波画像を表示する超音波画像表示方法であって、前記超音波画像の前記画像表示部への表示の可否条件を設定する表示条件設定ステップと、記憶された前記表示の可否条件に基づいて、生成された前記超音波画像の表示の可否を判定する表示可否判定ステップと、前記判定結果に基づき、前記超音波画像を加工処理する画像加工ステップと、を備えたことを特徴とする。

　前記課題を解決するために、本発明に係る超音波画像表示プログラムは、超音波を送信し、送信された超音波に基づいて発生したエコーを受信する超音波信号生成部と、前記エコーに基づいて超音波画像を生成する画像生成部と、生成された前記超音波画像を表示する画像表示部と、を備える超音波診断装置に使用する超音波画像表示プログラムであって、前記超音波画像の前記画像表示部への表示の可否条件を設定する表示条件設定ステップと、記憶された前記表示の可否条件に基づいて、前記画像生成部で生成された超音波画像の表示の可否を判定する表示可否判定ステップと、前記表示の可否の判定に基づき、前記超音波画像を加工処理して前記画像表示部へ提供する超音波画像を生成する画像加工ステップと、を備えたことを特徴とする。

　本発明に基づく超音波診断装置よれば、検者の操作作業の負担を抑制することができる効果がある。また、本発明に基づく超音波画像表示方法によれば検者の操作作業の負担を抑制することができる効果がある。また、本発明に基づく超音波画像表示プログラムによれば検者の操作作業の負担を抑制することができる効果がある。

本発明の一実施形態である超音波診断装置の構成を示すブロック図本発明の一実施形態である超音波診断装置の動作を説明するための説明図表示可否判定処理および表示処理を説明するフローチャート図3のフローチャートにおける表示可否判定処理を説明するフローチャート図2に記載の表示可否判定部232の処理を説明するフローチャート本発明の一実施形態である超音波診断装置の概要を示す説明図図2に示す画像加工部の動作を説明する説明図図2に示す非表示領域追跡部の動作を説明する説明図図2に示す実施形態の他の実施形態を示す説明図図9に示す実施形態において表示動作を説明する説明図超音波診断装置の基本構成を示す説明図画像表示部の角度により表示される超音波画像が切り替わる実施形態を説明する説明図図12に示す実施形態の動作を説明する説明図図12に示す実施形態の表示の切り替わり条件を設定するフローチャート方向に応じて表示内容が異なる実施形態を説明する説明図方向に応じた表示内容の切り替わり条件を設定するフローチャート

　以下に記載の実施形態(以下実施例と記す)は、上述の解決しようとする課題の欄や、発明の効果の欄、発明の目的、に記載の内容を達成することはもちろんであるが、これらに止まることなく、さらに多様な課題を解決し、効果を奏する。多様な課題の解決、効果については、以下に記載の実施例の中で説明するが、上述の解決しようとする課題の欄や、発明の効果の欄、に記載した内容も含め、以下に記載の実施例が解決する代表的な課題や、代表的な効果を次に列挙する。

　〔操作の負担低減〕
　以下に記載の実施例では、入力部から入力した表示条件に基づいて、超音波診断装置の制御部により、表示可否判定部で表示の可否の判定が行われ、前記制御部によって表示することが好ましくない超音波画像の部分(非表示領域)が加工され、非表示領域が表示されるのを防止できる。超音波診断装置は入力部の入力を受けて、表示可否判定部で表示の可否が判定され、前記制御部によって非表示領域が加工されるので、超音波診断装置を操作する検者の負担を軽減できる効果がある。

　また、表示可否判定部で判定する表示の可否の判定条件を、前記判定条件設定のために表示されるガイドの表示に基づいて行うことができるので、前記判定条件の設定が容易となる効果がある。

　〔信頼性の向上〕
　表示可否判定部での表示の可否の判定が自動的に行われ、さらに表示することが好ましくない超音波画像が加工されるのに加え、検者の入力部の操作と、その操作を受けた制御部により超音波画像の表示を停止できる。制御部による非表示領域の加工に加え、超音波診断装置を操作している検者の操作により、超音波画像の表示を停止できるので、非表示領域の表示防止に関し、信頼性が向上する。

　また、被検者のために表示する超音波画像は、検者のための超音波画像の表示より遅延させることが可能である。つまり、検者の判断に基づいて、検者のための超音波画像が、被検者のための超音波画像として表示されるのを停止できる。このように、被検者のために表示する超音波画像を、検者のための超音波画像の表示より遅延させることが可能であり、非表示領域の表示防止に関し、信頼性が向上する。

　また、超音波画像の非表示領域について、加工前の超音波画像と加工後の超音波画像を一画面に表示することが可能であり、超音波診断装置を操作する検者はこれらを見比べることができ、正しく非表示領域として加工されたかどうかの判断の信頼性が向上する。

　〔多様性の向上〕
　表示可否判定部で判定する表示の可否の判定条件は、超音波診断の目的に沿って、例えば胎児の診断あるいは病気に係る組織の形状の診断、など、色々な選択が可能であるため、多様性が向上する。

　また、被検者側表示部は、超音波診断装置の基本構成に追加できる。被検者側表示部には、さらに表示可否判定部の機能や画像加工部の機能を追加することが可能である。超音波診断装置の構成は、多くのニーズに対応して定めることができ、個々の顧客や個々の地域的なニーズに対応して表示可否判定部の機能や画像加工部の機能を追加することが可能であり、超音波診断装置の顧客等のニーズにきめ細かく対応できる効果がある。

　また、超音波画像の加工内容は、例えば塗りつぶしやぼかしなど、様々な対応が可能であり、超音波診断装置の使用状況に応じた多様な対応が可能となる。

　その他、解決される色々な課題や色々な効果については、以下の実施例の説明で述べる。

　図1は、本発明の一実施形態である超音波診断装置100の全体構成を示すブロック図である。超音波診断装置100は複数の振動子を備え、超音波を被検者102に向けて送信すると共に被検者102からエコーを受信する超音波信号生成部132と、超音波信号生成部132に設けられている振動子を選択的に動作させるための振動子選択部134と、超音波信号生成部132が超音波を発信するための超音波発信信号を送信する送信部144と、被検者102から反射したエコーを受信する受信部146と、送信時と受信時とで電気信号の通過方向を切り替え、送信部144からの超音波発信信号を超音波信号生成部132へ送り、超音波信号生成部132からの電気信号を受信部146へ送る送受分離部142と、を備えている。

　超音波診断装置100は、更に受信部146で受信したエコーに基づいて超音波画像を生成する画像生成部148と、生成した超音波画像を一時的に記憶する一時記憶部152と、検者104のための超音波画像を表示する検者側表示部164と、被検者102のための超音波画像を表示する被検者側表示部174と、超音波診断装置100の全体の動作あるいは超音波診断装置100の個々の処理を制御するための制御部120と、制御部120に対して検者104が制御指令やデータを入力するための入力部110と、超音波画像を出力するプリンタあるいは超音波画像のデータを出力するデジタルデータ出力装置、ローカルネットワークに繋がり超音波画像などを送信する送信装置、などからなる、出力部114と、を備えている。さらに計測された超音波画像のデータを記憶するために大容量の記憶能力を持つ記憶部116が設けられている。

　記憶部116に保持された超音波画像は、必要に応じ読み出して検者側表示部164や被検者側表示部174の画面に表示できる。また、記憶部116に保持された超音波画像は出力部114のプリンタからプリントアウトすることができる。さらに出力部114を介して病院内などのローカルネットワークに、記憶部116が保持している超音波画像などの保持データを送信でき、病院内に設けられた共用のデータ管理システムに計測した超音波画像を送信し、集中管理することができる。

　制御部120は、CPU(Central Processing Unit)と、該CPUを動作させるための制御プロクラムを保持する不揮発性メモリと、CPUの動作に使用する揮発性メモリと、を有しており、上述の各部および装置全体に対する制御を行う。特に本実施例では制御部120は画像加工処理のための動作を行う。この動作を行うCPUおよび該CPUを動作させるための制御プログラムは、超音波診断装置100において画像加工処理部220として作用する。

　画像加工処理部220は、後述するように、検者104が入力部110から入力した表示可否条件に基づき、一時記憶部152に保持されている超音波画像が、被検者側表示部174の表示条件を満たしているかどうかを判断し、さらに表示条件を満たさない場合に入力された設定条件に基づいて、表示可否条件を満足するように加工する機能を有している。前記加工する機能を有する画像加工処理部220で加工して作られた超音波画像は被検者側表示部174が有する画像記憶部172に入力され、被検者側表示部174で表示される。

　上述した送信部144は、超音波ビームを被検者102の体内へ発信するために、超音波信号生成部132が有する振動子へ送るための駆動信号を発生し、送受分離部142を介して超音波信号生成部132へ送信する。超音波信号生成部132は送信部144からの駆動信号に基づき超音波ビームを被検者102の体内へ向けて発信する。超音波信号生成部132はさらに被検者102に向けて送信された超音波によるエコーを受信し、超音波信号生成部132が有する振動子で電気信号に変換する。該振動子が発生した電気信号は送受分離部142を介して受信部146に送られ、受信部146は、送られてきた電気信号に対して整相処理などを行い、超音波画像を構成するための画像生成部148に送信する。

　本実施形態では、超音波診断装置100はモニタ用接続端子168を備えており、モニタ用接続端子168に表示装置として動作する被検者側表示部174を接続することにより、検者側表示部164に加え、被検者側表示部174を備えることができる。検者側表示部164と被検者側表示部174とをそれぞれ設けることにより、検者104は検者側表示部164の画面を見、被検者102は被検者側表示部174の画面を見るように、それぞれ異なる表示装置を見るように構成することが可能となる。

　この構成では、検者104と被検者102がそれぞれ異なる画面を見るので、計測した超音波画像をそのまま検者側表示部164に表示しても、被検者側表示部174に表示する画面には、加工を加えることにより、被検者102に非表示領域が被検者側表示部174に表示されないようにすることができる。このように検者104のための表示部と、被検者102のための表示部とをそれぞれ設けることで、被検者102に非表示領域が誤って見えてしまうなどの可能性を低減でき、信頼性が向上する。

　検者側表示部164は超音波画像を表示するための画像記憶部162を備えており、一時記憶部152あるいは画像加工処理部220から画像記憶部162に超音波画像が入力されることにより、入力されたデータに基づく超音波画像が検者側表示部164に表示される。画像記憶部162に一時記憶部152から超音波画像を入力するか、あるいは画像加工処理部220で加工した超音波画像を入力するかは、検者側表示部164が有する入力部166からの指令あるいは入力部110からの指令、あるいは制御部120の動作に基づく指示により選択部163が選択され、選択部163の選択により定まる。

　また、一時記憶部152からの超音波画像と画像加工処理部220からの超音波画像を同じ表示画面に表示することも可能であり、選択部163の設定を二画像表示にすると、一時記憶部152からの超音波画像と画像加工処理部220からの超音波画像を同一画面上に表示できる。このように二画面表示を行うことで、検者104は計測画面を見るだけでなく、被検者側表示部174に表示される画面も監視することができる。

　検者側表示部164は検者104によって画面から入力できるタッチパネル機能を有しており、該画面に入力対象項目が表示され、表示された前記入力対象項目をタッチすることにより選択すると、入力部166が動作して、選択された入力項目が入力される。このようにして、選択部163の切り替え制御を含め、色々な指令を入力することができる。

　被検者側表示部174は表示装置であり、この実施例では被検者側表示部174には被検者102のための超音波画像が表示される。被検者側表示部174は画像記憶部172に入力された超音波画像を表示画面に表示する。例えば使用開始時に表示装置をモニタ用接続端子168に接続した時点でモニタ用接続端子168に接続した表示装置の使用目的を被検者102に見せる超音波画像の表示として設定すると、モニタ用接続端子168に接続した表示装置には画像加工処理部220からの超音波画像を送るように制御部120が動作する。この設定は、表示装置をモニタ用接続端子168に接続した時点でなくても、もちろん必要となった時点で設定できる。このようにして、被検者側表示部174を被検者102に見せるための超音波画像を表示する表示装置として使用することを設定することができる。本実施例はこのような設定が既になされたとして説明している。

　被検者側表示部174の使用目的の設定だけでなく、画像加工処理部220での超音波画像の処理内容も合わせて設定できる。これらの設定に基づいて、画像加工処理部220から画像記憶部172に提供される超音波画像の監視及び処理条件が設定され、処理された超音波画像が画像加工処理部220から被検者102のための表示装置にある被検者側表示部174の画像記憶部172に送られる。このようにモニタ用接続端子168に接続される表示装置の使用目的を設定することにより、設定された条件に合う超音波画像を画像加工処理部220から提供することが可能となり、超音波診断装置100の全体の機能を、状況に応じて設定することができ、超音波診断装置での診断の多様性を向上することができる。さらに超音波画像の表示内容についての信頼性が向上する。

　図2は、超音波診断装置100の動作を説明するための説明図であり、特に図1に示す画像加工処理部220の動作内容および制御部120の総合的な動作内容を説明するための説明図である。超音波診断装置100は、図1を用いて説明したように、超音波信号生成部132と、送受分離部142と、画像生成部148と、一時記憶部152と、画像加工処理部220と、入力部110と、検者側表示部164と、被検者側表示部174と、を備えている。また、画像加工処理部220は、表示可否判定部232と、表示設定部248と、表示判定部246と、画像加工部242と、遅延部244と、超音波画像の送信を停止するための遮断部252と、を備えている。さらに表示可否判定部232は、非表示画像認識部234と、非表示領域検出部236と、非表示領域追跡部238と、を備えている。

　超音波信号生成部132は探触子(プローブ)を備えており、前記探触子は、複数の振動子を備えている。振動子選択部134(図1参照)により超音波を発生する振動子が選択され、送信部144と送受分離部142を介して超音波信号生成部132に超音波発生信号が送られると、前記選択された振動子から被検者102の対象組織に向かって超音波が発信される。前記探触子は被検者102から反射するエコーを受信して電気信号に変換する機能を有し、受信したエコーが送受分離部142を介して受信部146に送られる。

　前記探触子には、リニア型、コンベックス型、セクタ型等の走査方法をもつもの、などがある。送信部144や受信部146は、制御部120から送受信のパワーやタイミングの情報を受け取り、所望の超音波信号が得られるよう送受信の制御を行う。受信部146は整相回路や増幅回路を有しており、超音波信号生成部132から受け取ったエコー信号に基づく電気信号を、整相回路や増幅回路を介して処理し、画像生成部148に処理した信号を送る。超音波信号生成部132の探触子が受け取ったエコー信号の周波数分布に広がりが生じたとしても、整相回路により整相処理を行うことにより、計測した超音波画像の画質を向上することができる。

　画像生成部148は、エコーを受信し、撮像設定、例えば、超音波ビームの走査範囲、ゲイン設定などの設定条件に基づいて、超音波画像を生成する。この超音波画像は、撮像設定によって決定されるフレームレートに従って常時更新されるものであり、検者側表示部164で表示され、また画像加工処理部220で処理された後、被検者側表示部174によって映像として表示される。さらに、このように常時更新されたデータは図1に示す記憶部116に順次記憶することができ、必要に応じ記憶したデータを記憶部116から読み出し、検者側表示部164に表示することができる。また、被検者側表示部174においても同様に表示することができる。

　一時記憶部152は、画像生成部148で生成された超音波画像を一時的に記憶するメモリである。例えば、シネメモリなどの内部記憶領域の一部を一時記憶部152として使用してもよい。また、光ディスクや、磁気ディスク、ネットワークで接続された超音波診断装置100の外部の記憶装置の記憶領域を使用してもよい。この場合、前記外部の記憶装置とのデータのやり取りは、図1の出力部114を介して行うことになる。

　本実施形態では、一時記憶部152に保持された超音波画像は、少なくとも被検者側表示部174には、一時記憶部152から直接送られない構成となっている。もし、一時記憶部152から被検者側表示部174へ直接超音波画像が送られると、被検者102に見せることが好ましくない超音波画像が被検者側表示部174に表示される虞がある。一方、検者側表示部164に対して一時記憶部152から直接超音波画像を送るかどうかは、この実施形態では、選択部163で選択可能である。検者104は入力部166あるいは入力部110から選択部163の接続関係を設定することができる。

　選択部163が一時記憶部152の画像表示を選択するように設定されると、一時記憶部152に保持された超音波画像はそのまま検者側表示部164に表示される。一方、選択部163が画像加工処理部220からの超音波画像を選択するように設定されると、画像加工処理部220で判断された結果に基づいて、あるいは画像加工処理部220で超音波画像が加工された超音波画像に基づいて、画像加工処理部220の判断および必要な処理が加えられた超音波画像が検者側表示部164に表示される。

　被検者102が検者側表示部164に表示された超音波画像を直接見ることができる状態では、選択部163を画像加工処理部220の方に接続するように設定することが望ましい。その他、検者104の状況判断により、適宜選択部163の設定を決めることができる。また、選択部163の設定により、一時記憶部152からの超音波画像と画像加工処理部220からの超音波画像とを一画面に並べて表示することができる。

　画像加工処理部220の超音波画像は遅延部244による遅延の処理が行われた後被検者側表示部174に表示されるので、被検者側表示部174に表示される超音波画像を先取りして検者104が見ることが可能となる。遅延部244で遅延させる時間は設定により変わるが、例えば数秒から数十秒である。このため画像加工処理部220の加工結果に問題があり、見せたくない超音波画像が画像加工処理部220から出力される場合には、入力部166の操作あるいは入力部110からの操作により遅延部244から被検者側表示部174への超音波画像の送信を遮断部252により停止できる。

　遮断部252が動作すると被検者側表示部174の内部にある画像記憶部172の超音波画像の更新が停止するので、被検者側表示部174には遮断部252の動作前の超音波画像が静止した状態で表示される状態となる。検者104が検者側表示部164に表示される画像加工処理部220からの超音波画像を監視し、表示しても問題がなくなったと判断した場合には遮断部252を接続して画像加工処理部220の超音波画像を被検者側表示部174へ再び供給することが可能である。後述するように画像加工処理部220は画像処理により被検者側表示部174への表示などの問題の有無を判断し、必要な加工処理を行うが、もし画像処理に問題があっても、検者104が監視して対応することが可能である。このような本実施例の構成により、高い信頼性が得られる。

　検者側表示部164における選択部163が画像加工処理部220を選定している場合や、被検者側表示部174に超音波画像を表示する場合は、後述するように、表示可否判定部232で一時記憶部152に保持された超音波画像の内容を判断し、あるいは後述する表示判定部246の判定に基づいて必要な加工が施されて、被検者側表示部174や検者側表示部164の表示画面に表示される。

　なお、検者104の設定によっては、検者側表示部164は一時記憶部152の内容を直接表示する場合があるので、検者側表示部164や被検者側表示部174において一時記憶部152に記憶されている画像データの位置づけ、あるいは利用方法が異なる。このため検者側表示部164のための一時記憶部152と被検者側表示部174のための一時記憶部とを別々に設けるようにしてもよい。むしろ別々に設けることで色々な効果が生じる。なお、実際に記憶装置を別々に設けなくても、同じ記憶媒体であっても使用する記憶領域を分けてそれぞれ一時記憶領域を設定することで、検者側表示部164と被検者側表示部174に対して別々に一時記憶部を設けたのと同様の効果が得られる。

　画像加工処理部220は、図1に記載の制御部120が制御プログラムを実行することにより達成される。画像加工処理部220は、一時記憶部152に保持された超音波画像が被検者側表示部174の表示条件を満たしているかどうかを判定する。例えば検者104による入力部110への入力条件に基づいて、一時記憶部152から取り込まれた超音波画像に被検者102に見せたくない胎児の性器などの性判別可能な情報、あるいは被検者102の病変組織が存在しないかどうかを判定する。これらの判定を行うための条件は、検者104が入力部110から入力することにより、表示設定部248に設定条件が保持される。

　一時記憶部152に保持された超音波画像が被検者側表示部174に表示したくない条件を満足するかどうかの判定は、画像加工処理部220で行われる。まず、表示可否判定部232で判定される。表示可否判定部232の判定に基づいて、表示判定部246で判定される。一時記憶部152から送られてきた超音波画像に非表示とすべき画像領域が含まれているかどうかを表示可否判定部232で判定する。その結果に基づいて、表示判定部246が非表示とすべき画像領域を非表示とするための加工処理の有無を表示判定部246で行う。

　表示可否判定部232で非表示とすべき画像領域が含まれていないと判定された場合には、表示判定部246は、加工不要との指令を画像加工部242へ送る。画像加工部242は一時記憶部152からの超音波画像を取り込み、表示判定部246からの加工不要との指令に基づき、一時記憶部152から取り込んだ超音波画像に加工を加えないで、検者側表示部164へ、あるいは遅延部244や遮断部252を介して被検者側表示部174へ提供する。

　一方、表示可否判定部232の判定が非表示部を含んでいるとの内容であると、表示可否判定部232の判定結果に基づいて表示判定部246が動作し、表示可否判定部232の判定結果及び入力部110への検者104が行った設定条件に基づいて、画像加工部242が動作し、一時記憶部152からの超音波画像を画像加工部242で加工して、加工した超音波画像を被検者側表示部174に遅延部244および遮断部252を介して提供する。なお、加工すべき領域である非表示とすべき領域の位置は、以下で説明するように非表示領域検出部236や非表示領域追跡部238による領域情報に基づいて行われる。

　入力部110は、超音波診断装置100の各種操作を行うためのインターフェイスとして作用する。特に、本実施例では、表示設定部248に対して、被検者側表示部174での表示可否に関する非表示領域の種類や位置や大きさ、さらに被検者側表示部174への出力タイミング例えば遅延部244の遅延時間などの各種設定を行う。この入力部110は、例えば、キーボード、トラックボール、スイッチ、ダイヤル等の入力機器である。さらには、音声入力と組みあわせてもよい。

　また、本実施例では、検者側表示部164の表示画面からもタッチパネルを用いて、入力が可能である。表示設定部248は、表示可否判定部232の判定条件を設定したり、検者側表示部164や被検者側表示部174への出力条件を設定したりする。この設定の中には遅延部244の遅延時間の設定も含まれる。さらに記憶部116(図1参照)に出力するデータの設定を行ったりする。入力部110からの条件設定により、一時記憶部152に記憶された超音波画像および画像加工処理部220から出力される超音波画像が更に記憶部116におけるどのファイルに保持されるかなどの諸条件が決定され、実行される。

　記憶部116は、本超音波診断装置100で生成されたエコーや超音波画像だけでなく、同じ被検者102に関する計測結果、例えば心電図や、Ｘ線画像などの他モダリティの超音波画像を記憶している。本実施例では、一時記憶部152が記憶する超音波画像が記憶されるようにしてもよいし、あるいは表示判定部246からの指示に基づき画像加工部242で加工された超音波画像を記憶するようにしてもよい。記憶部116は例えば、半導体メモリ、光ディスク、磁気ディスクなどの記憶媒体である。さらには、記憶部116はローカルネットワークを通した外部記憶媒体であってもよい。例えば、病院において、特定被検者102の検査データが被検者102をキーワードとして保持されることにより、病院内の診断や治療がよりスムーズに行われるメリットがある。

　表示可否判定部232の非表示画像認識部234は、表示設定部248の設定条件に基づいて一時記憶部152から受け取った超音波画像が、非表示の判定をしなければならない超音波画像かどうかを判定する。例えば胎児の超音波画像であれば、胎児の股間部分が表れる可能性があるかどうかが画像認識処理によって判定される。もし胎児の股間部分が表れる可能性が無い超音波画像情報であれば、更に詳細な判断や部分的に非表示とすべき領域の判定が不要となる。胎児の場合には被検者102の状態と関係なく胎児が動き回る可能性があるので、胎児の股間部分が表れる可能性が無い超音波画像情報と判定しても、その後直ぐに胎児の股間部分が表れる可能性が生じる。このようなことを十分に考慮して非表示画像認識部234で処理されることが必要である。

　しかし、別の例として、胎児ではなく、病変組織の超音波画像を被検者側表示部174に対して非表示とする場合がある。一時記憶部152からの超音波画像に病変組織の存在が予想されるか否か判定される。病変組織の存在は存在位置が限られるので、被検者102の体の今検査している部分が病変組織に関係する位置かどうかにより、判定できる。胎児に対する判定や病変組織に関するこれらの判定は画像認識により行われる。超音波画像を認識する方法としては、主成分分析やアンサンブル学習を基礎とするパターン認識方法があげられる。また、対象としている病変組織と超音波信号生成部132の探触子の位置関係が既知であれば、例えば探触子に付加した位置センサの情報から、非表示とすべき超音波画像か否かを判定することが可能である。

　また、検者104がこれから非表示とすべき可能性の超音波画像が表れることを、入力部110からあるいは検者側表示部164の入力部166から入力してもよい。さらに現在の超音波画像が非表示すべき部分を含む超音波画像であることを入力するようにしてもよい。この場合、入力部166から入力すると、遮断部252が動作して被検者側表示部174に前記非表示すべき部分を含む画像表示される前に、被検者側表示部174での表示が更新されない状態となり、後述する画像加工部242による画像加工の動作が行われ、前記非表示すべき部分が加工された超音波画像が作られたことを確認して、検者104が再び遮断部252を接続し、被検者側表示部174の表示画像を更新する、方法を行うことが可能となる。このようにすることで、信頼性の高い処理が可能となる。

　非表示領域検出部236は、非表示画像認識部234で非表示とすべき部分を有する可能性のある超音波画像であると判定された場合に、超音波画像の内の非表示とすべき対象位置を検出する。例えば胎児の超音波画像の場合に、画像領域の全体を調べ、胎児の性器が存在する位置を特定する。また、病変組織に関する処理の場合は、病変組織が存在する位置を検出する。これらの位置を検出する方法としては、パターンマッチング法があげられる。

　また、表示可否判定部232により処理と非表示領域検出部236によるパターンマッチング法とを組み合わせることで、非表示とすべき領域の検出性能が向上する。場合によっては非表示画像認識部234を行わずに、直接非表示領域検出部236の処理を行ってもよい。しかし、非表示画像認識部234と非表示領域検出部236とを組み合わせることで、非表示画像認識部234により非表示とすべき可能性の高い領域を特定でき、処理時間の短縮や精度の向上に繋がる。

　一時記憶部152からの超音波画像が検者側表示部164に表示されている場合に、対象部分を検者104が特定するようにしてもよい。例えば、一時記憶部152からの超音波画像に対して対象となる領域を、検者104が検者側表示部164の超音波画像上で具体的に特定することにより、特定された領域のパターンを非表示領域検出部236で保持することができ、その後一時記憶部152からの超音波画像に対して非表示とすべき領域の特定に使用でき、既存のパターンに加えて検者104が指定した超音波画像のパターンを追加して使用することにより、非表示領域検出部236の処理速度あるいは判定精度が向上する。

　非表示領域追跡部238は、非表示領域検出部236で検出した非表示とすべき領域の移動位置を追跡し、非表示とすべき領域をとらえる処理を行う。胎児の超音波画像では、胎児の動きが激しく非表示領域検出部236で非表示とすべき領域を高速繰り返し検出するより、胎児の動きを検知し、検知した胎児の動きから非表示とすべき領域の移動軌跡をフレーム毎に算出し、移動に追従して非表示とすべき領域を算出し、特定することが望ましい場合がある。

　このため、例えば、胎児の移動軌跡をフレーム毎に算出し、移動に追従して非表示とすべき領域を特定する。前記非表示領域を追跡する方法としては、オプティカルフロー法やブロックマッチング法などの物体追跡法が使用可能である。対象が胎児だけでなく対象となる組織が動きのある組織の場合に、非表示領域追跡部238を利用できる。もちろん全て非表示領域検出部236の処理に任せ、非表示領域追跡部238を使用しないことも可能であるが、胎児のように動きが不規則でまた、動きが速い場合に、非表示領域検出部236と非表示領域追跡部238とを併用することがより効果的であり、信頼性も向上する。

　表示可否判定部232を構成する非表示画像認識部234や非表示領域検出部236の判定結果に基づき表示判定部246は一時記憶部152から提供された超音波画像について非表示のための加工の必要性を判断する。一時記憶部152から提供された超音波画像に非表示とすべき領域が存在しないと判定された場合には、画像加工部242は画像加工をせずに、遅延部244に超音波画像を供給する。また、遅延部244以外に検者側表示部164にも超音波画像が提供される。

　一方、一時記憶部152から提供された超音波画像に非表示とすべき領域が存在し、その領域を非表示とするための加工が必要と判定された場合には、画像加工部242へ加工の指示を出すと共に、加工すべき領域の情報を、表示可否判定部232の非表示領域検出部236や非表示領域追跡部238の検出結果や演算結果に基づいて、画像加工部242へ提供する。画像加工部242は一時記憶部152から超音波画像を読み出し、前記表示判定部246からの加工すべき領域の情報に基づき、加工処理を行う。

　なお、加工処理の内容は入力部110から表示設定部248に設定された条件に基づいて行われる。例えば、非表示とすべき領域を塗りつぶすのか、ぼかすのか、モザイクにするのか、等の処理方法の処理内容を、検者104は予め入力部110を介して表示設定部248に入力しておき、画像加工部242は前記指定に基づいて、非表示とすべき領域を加工する。

　また、加工領域の位置は上述のとおり、非表示領域検出部236や非表示領域追跡部238からの位置情報に従う。加工された超音波画像は遅延部244および検者側表示部164に提供される。検者側表示部164での加工された超音波画像の表示に対して、遅延部244によって時間的に遅れて被検者側表示部174で表示される。従って検者104が検者側表示部164の表示画像で加工内容に問題があると判断した場合に、遮断部252を動作させることにより、遅延部244から被検者側表示部174への加工された超音波画像の提供を停止できる。

　このように表示可否判定部232での判定に加え最終的に検者104が被検者側表示部174に表示される超音波画像の監視を可能としているので、表示すべきでない領域を含む超音波画像の誤った表示を防止でき、信頼性を向上することが可能となる。

　上述した如く、検者104は入力部110から表示可否判定部232の判定に対して色々な判定条件を設定できる。例えば表示可否判定部232の判定条件の設定に対して、表示設定部248から設定用の入力画面の提供を受け、それに基づいて順に入力するあるいは予め設定されている標準条件を選ぶ等の操作を行うことで、信頼性の高い判定条件を設定できる。

　例えば、非表示画像認識部234に対して、超音波画像の検査対象を指定する。検査対象としては胎児あるいは臓器名、あるいは胸部や腹部などの体の部位を指定する。例えば病名を指定するようにしてもよい。胎児と入力すると、表示設定部248の方から性別判断、病変組織等の入力を助けるための項目が表示される。例えば性別判断と入力すると胎児は一人か何人なのか、不明か、等を検者104に入力部110を用いて入力するための表示がされる。これらの入力に対応すると一通りの設定が可能となる。また、前回の超音波診断時の入力条件が表示され、同じと入力すると、前回と同じ条件で表示可否判定部232や表示判定部246が動作する。

　次に非表示領域検出部236に対して、非表示領域にしたい組織の種類をプリセットする。表示設定部248からの問い合わせに対して、例えば、胎児の性器領域と設定して、該当領域のみの位置を検出するように動作させることができる。このように表示設定部248からの入力ガイドに沿って入力することにより、入力ミスを防止でき、また入力の煩雑さを低減できる。

　また、非表示領域追跡部238に対して、追跡処理を実行するか否かをプリセットする。さらに、遅延部244に対して、超音波画像の表示タイミングを設定する。例えば、検者側表示部164と被検者側表示部174への超音波画像の出力タイミングを設定する。
さらに画像加工部242に対して、表示画面や記録画像上への画像表示方法やメッセージを設定する。例えば、表示すべきでない超音波画像が表示されている場合に、注意を促すメッセージの設定の有無などを設定する。

　また、上述したように、画像加工部242の加工の内容について設定する。例えば、非表示領域に対して、塗りつぶしやぼかしやモザイク等の加工処理方法の指定を行う。表示判定部246は、表示可否判定部232から提供される判断情報や非表示とすべき領域の位置情報と、表示設定部248からの設定条件に従って超音波画像の加工の必要性を判定し、加工が必要と判定されると、上述した如く、加工の位置や加工の処理方法を画像加工部242へ提供する。

　加工された超音波画像は、被検者側表示部174に対して遅延部244や遮断部252を介して提供される。被検者側表示部174に表示される加工された超音波画像は、遅延部244に対して設定された遅延時間だけ、検者側表示部164に表示されるタイミングに対して遅れて提供されるので、検者側表示部164に表示された内容を確認して遮断部252を操作することにより、被検者側表示部174、例えば胎児の性判別の表示を止めることが可能となる。

　図1に示す被検者側表示部174はモニタ用接続端子168を介して超音波診断装置100と接続されているが、無線で接続されているようにしてもよい。また、検者側表示部164に被検者側表示部174の機能を持たせることで、装置としては検者側表示部164であるが機能として検者側表示部164に被検者側表示部174の機能を持たせることも可能である。これらの実施例については後述する。

　以下、一実施例について、フローチャートを用いてより具体的に説明する。この実施例では、一例として胎児の性判別の防止を目的とする、胎児の性判別可能領域を非表示にする方法を例として説明する。

　本実施例は、検者104のための検者側表示部164には、生成された超音波画像がリアルタイムに表示され、被検者のための被検者側表示部174には、非表示画像の判定を含む画像加工処理部220の処理が実行された後、さらに設定値に基づく遅延処理が行われて初めて加工された超音波画像が表示される、例である。図3は諸条件の設定を行うフローチヤートであり、図4および図5は図1および図2に示す超音波診断装置100の動作を説明するフローチャートである。また、図6は、検者側表示部164および被検者側表示部174を備える超音波診断装置100の一例を示す概略図である。

　まず、図3に示すフローチャートに従って諸条件の設定について説明する。なお、この条件設定については、既に図2の画像加工処理部220の各構成に対応させて設定の例を上述した。上述した例は、図3に記載のフローチャートにおいて処理可能である。これらの条件を設定するための図3に示すフローチャートは色々なイベントに基づいて起動することが可能である。

　図3に記載のステップS50は、例えばメニュー画面から超音波画像の加工の条件設定を選択することにより実行することが可能である。ステップS50が実行されると、表示可否判定条件の設定を含む色々な設定項目がリスト化されたガイド画面が表示される。前記ガイド画面のリストから、ステップS52で表示可否判定条件を選択すると、ステップS54で表示可否判定を行う対象を明確にするために、これから行う超音波診断の対象を明確にするために、診断対象のリストがガイド画面として表示される。診断対象としては例えば胎児や心臓あるいは乳癌などの組織名、あるいは診断対象の病気に関係する種臓器の名の指定が考えられる。また、他のアプローチとして予め用意されている非表示としたい組織のリストを表示するようにしてもよい。

　ステップS56で、例えば胎児を選択すると、ステップS58で、胎児に関する表示可否判定項目のリストが、ガイド項目として表示される。胎児に関する表示可否判定項目の例としては、胎児の性別や形態異常がある。ステップS60で胎児の性別を選択すると、胎児の性別を表示する部分となる胎児の性器の超音波画像を有しているかどうかが判定条件として設定される。上述した内容は一例であり、他の入力方法でもよい。また、入力方法の例として、図2で非表示領域検出部236の検出対象となる臓器名あるいは組織名をガイド項目として表示しても良く、例えば胎児の性器の如く組織名を直接ガイド項目として表示し、このガイド項目を選定することにより入力するようにしてもよい。

　さらに、画像加工部242の処理に関する加工内容についてもその例示がステップS62で表示される。加工内容としては、例えば非表示としたい領域を、塗りつぶす方法や、ぼかし処理する方法や、モザイク状に処理する方法、などがある。これらは一例であり、他の方法あるいはこれらの組み合わせであってもよい。例えばステップS64で塗りつぶしを選択すると、図2の画像加工部242は塗りつぶしの処理を実行する。

　さらに他の条件設定として、例えばステップS66で、遅延部244の遅延時間が設定される。遅延部244の遅延時間は、検者が被検者に超音波画像を突然見せたくなくなった場合の余裕の時間を数秒から数十秒で、例えば5秒と設定する。さらにステップS66で、図2に示す検者側表示部164の表示方法を設定する。例えば一時記憶部152の保持画像である、非加工の計測画像と画像加工処理部220による加工画像の二画像表示を選択する。その他に一時記憶部152からの提供画像のみの表示や画像加工処理部220の加工済み超音波画像の表示がある。

　また、信頼性の高い他の方法として、検者104が超音波画像の内容を確認した一時記憶部152からの超音波画像あるいは画像加工処理部220に加工された超音波画像のみを図1の記憶部116に登録し、該登録した超音波画像のみを検者側表示部164に表示することも可能である。例えば、超音波診断の終了時などに、あるいは診断後に既診断結果について、記憶部116に保持していた前記内容の確認済みの超音波画像を読み出し、検者側表示部164に表示しながら、検者側表示部164の超音波画像を被検者102にも見せ、診断結果を解説する場合に、適用できる。このように予め内容を確認済みの超音波画像を記憶部116に保持しておき、入力部110からの設定に基づいて記憶部116から読み出して検者側表示部164あるいは被検者側表示部174の表示装置に表示させることも可能となる。

　図3の手順に基づく設定済みの条件に従って、図4および図5に記載の処理が実行される。図4および図5に記載のフローチャートに示した処理の流れに従って処理内容を次に説明する。なお上述した如く図6は超音波診断装置100の一例を示す概略図であり、超音波診断装置100の本体160に検者側表示部164が設けられており、さらにモニタ用接続端子168および通信線170を介して接続されている被検者側表示部174が設けられている。本体160には入力部110が設けられ、さらにプリンタ等の出力部114が設けられているが、出力部114については記載を省略している。

　検者側表示部164には上述の設定に基づいて、一時記憶部152から提供された加工前の超音波画像412と画像加工処理部220により処理された被検者側表示部174に表示される超音波画像422とが表示されている。さらに検者側表示部164には画面から入力が可能な入力部166が設けられ、さらにメッセージ432や遅延部244の遅延設定時間の表示410が表示されている。

　また、被検者側表示部174には画像加工処理部220から遅延部244や遮断部252を介して提供された加工済みの超音波画像512が表示されている。検者側表示部164に表示された被検者側表示部174に表示される超音波画像422は遅延設定時間の表示410に示された時間経過後に被検者側表示部174に超音波画像512として表示される。被検者側表示部174にも必要に応じメッセージ532が表示される。

　検者側表示部164に表示されるメッセージ432は検者104のためのものであり、被検者側表示部174に表示されるメッセージ532は被検者102のためのものであり、たまたま内容が一致することがあるが、それぞれの目的の違いからメッセージの内容が異なる。検者側表示部164に表示されるメッセージ432には、例えば加工前の超音波画像412に非表示領域が表示されている旨を意味するメッセージを表示するようにしてもよい。例えば非表示領域が表示されている旨を意味するメッセージを表示されている場合に、メッセージ432が検者104に注意を喚起し、被検者側表示部174に表示される超音波画像422が正しく加工されているかどうかを検者104がより確実に確認することができる。

　図4に示すフローチャートについて、図2を参照しながら処理内容を説明する。超音波診断が開始されると、図2に記載の超音波信号生成部132から被検者102に対して超音波ビームが周期的に送信され、その超音波ビームに基づく超音波のエコー信号超音波信号生成部132で受信され、電気信号に変換される。電気信号は送受分離部142を介して受信部146に送られ、画像生成部148で超音波画像が生成され、一時記憶部152に保持される。

　画像生成部148で生成された超音波画像は検者側表示部164に表示され、図6の加工前の超音波画像412として表示される。検者104が超音波画像の取得動作を行っている間、すなわち、装置のフリーズが解除されている間、上記処理が繰り返し行われる。
なお、ある時点で検者104がフリーズの操作を行うと、表示されている動画が、フリーズの操作が為された時点の状態を維持する表示となる、静止画像の表示状態となる。

　図4に示す処理は短周期で繰り返し制御部120により実行される。即ち図4の処理を行うプログラムの例えば短周期で繰り返し実行される。実行周期になると開示していないＯSプログラムに基づいてステップS100が起動され、ステップS112で一時記憶部152の超音波画像を取り込む。一時記憶部152から取り込んだ超音波画像が、新しい超音波画像かそれとも前回取り込んだ超音波画像と同じかを判断し、取り込んだ超音波画像が新しい超音波画像である場合にステップS120からステップS134を実行する。
このステップS120からステップS134の処理は、図2に記載の表示可否判定部232や表示判定部246、画像加工部242に開示した動作である。

　一方、ステップS112で一時記憶部152から取り込んだ超音波画像が、以前に取り込んだ超音波画像と同じ場合は、前回の図4に示す処理の実行と今回の処理の開始との間では、一時記憶部152は新たな超音波画像を受け取っていないこととなり、表示可否判定部232の判定は前回の処理で処理済みの状態であり、今回は表示可否判定部232の判定や加工処理が不要となる。このように、ステップS112とステップS114とにより、図2に示す超音波信号生成部132から一時記憶部152間の動作と、表示可否判定部232や画像加工部242の動作と、の対応を維持することができる。

　ステップS114で一時記憶部152から取り込まれた超音波画像が新たな超音波画像である場合に、ステップS120を実行する。ステップS120は図2に示す表示可否判定部232の処理であり、具体的な処理内容を図5に示す。図5のステップS1222とステップS1224は、図2に示す非表示画像認識部234の処理であり、動作の概要は既に説明したとおりである。

　例えば、胎児の性別に関する例で説明する。一時記憶部152から取り込んだ超音波画像が、例えば、図6の超音波画像412である場合に、大腿と性器が描出されている超音波画像を判別すればよく、胎児の性器が描画されている具体的な領域を特定することはしない。この場合には、性器が描画されている可能性があると判断できることで、十分以下の処理が行える。その手法としては、主成分分析やアンサンブル学習を基礎とするパターン認識方法があげられる。また、対象組織と探触子の位置関係が既知であれば、例えば探触子に付加した位置センサの情報から、非表示すべき超音波画像か否か判断することが可能である。

　上述の如く、ステップS1222で超音波画像全体について解析し、例えば胎児の超音波画像に関する場合に、股間部分が表示されている可能性がある超音波画像かどうかが判断される。もし股間部分が表示されている可能性が無い超音波画像であれば、非表示とすべき領域の検出などの詳細な検出が不要である。この場合は、ステップS1242やステップS1244、ステップS1246で構成される図2の非表示領域検出部236が不要となり、ステップS1262やステップS1264で構成される図2の非表示領域追跡部238が不要となる。

　また、図2の画像加工部242の処理が不要となる。図2の画像加工部242の処理を不要とするために、ステップS1224から実行がステップS1272に移り、ステップS1272で「非表示領域無し」を表す情報に変更する。この「非表示領域無し」を表す情報が変更されていると画像加工部242の処理が行われない。一時記憶部152からの超音波画像の情報が加工無しの状態で遅延部244や遮断部252を介して被検者側表示部174へ提供される。

　図5のステップS1224で一時記憶部152からの超音波画像に非表示とすべき領域が存在する可能性があると判断された場合には、ステップS1242やステップS1244、ステップS1246で構成される図2の非表示領域検出部236の処理を行うか、先に行ったステップS1242やステップS1244、ステップS1246で構成される図2の非表示領域検出部236の検出結果を単に変更することにより対応できるかを、ステップS1226で判断し、非表示領域検出部236に対する処理、あるいは非表示領域追跡部238に対応する処理実行する。

　前回の処理で「非表示領域無し」の情報が変更されている場合、あるいは前回の超音波画像に対して超音波画像の内容が規定値を超えて変化している場合は、新たに非表示領域を検出することが好ましく、ステップS1226からステップS1242に実行が移り、図2の非表示領域検出部236の処理が実行される。ステップS1242で一時記憶部152から取り込まれた超音波画像について、領域単位で超音波画像の全領域を解析し、胎児の性器の位置を検出する。

　図6に表示されている加工前の超音波画像412を例として、図7の(A)と(B)を用いて説明する。非表示とすべき性器部分414を、ステップS1242で解析して検出する。非表示とすべき性器部分414が検出されると、ステップS1244を介して、ステップS1246が実行され、性器部分414を非表示とするための領域452が定められる。この後、加工処理を行うために非表示とすべき領域452が登録される。ステップS1246で非表示領域を検出して設定する方法としては、予め登録しておいた胎児性器のパターンを使用し、前記パターンと一致する領域を検出するパターンマッチング法を利用することができる。

　なお、図5に示す非表示画像認識部234の処理を行うためのステップを使用しないで非表示領域検出部236や非表示領域追跡部238を実行するようにしてもよい。しかし、非表示領域検出部236の処理には時間がかかる。非表示領域検出部236より制御部120の負担の少ない非表示画像認識部234の処理で加工処理が不要であるとの判定ができれば、より効率的であり、制御部120の負荷低減となる。

　前回あるいは少し以前に非表示領域検出部236の処理を実行し、既に検出された非表示とすべき領域452のデータが存在している場合に、胎児の状態が単に平行移動したような場合は、以前に検出した領域452を利用することで、制御部120の負荷を低減できる。

　図8の(A)と(B)、(C)を用いて説明する。図8の(A)で胎児416に対して非表示とすべき領域452に、塗りつぶしの加工462がなされている。次に胎児416が、図8の(B)に示す如く胎児416Aの位置から胎児416Bの位置へ移動した場合に、胎児416の移動を検知して非表示とすべき領域を領域452Aから領域452Bへ移動する。次に図8の(C)に示す如く、領域452Bに対して非表示の加工処理を行う。このようにすることで、制御部120への負担の大きい非表示領域検出部236の処理の代わりに非表示領域追跡部238の処理で対応することができる。これにより制御部120の負担が軽減でき、また処理時間を短縮できる。

　胎児が超音波信号生成部132に対して大きく形を変えていると再び、非表示領域検出部236で非表示領域を検出することが必要であるが、胎児の形状の変化が少ない場合には、先に検出した非表示領域の位置データを利用することを前提として、ステップS1226で非表示領域追跡部238の実行を選択する。ステップS1262で胎児の移動方向と移動量、等を演算し、保持されている非表示領域の位置データを演算する。ステップS1264で新たに演算して求めた非表示領域の位置データを登録する。これにより非表示領域の位置データが新しく演算した非表示領域の位置データによって更新される。

　胎児の場合に動きが激しく胎児と共に性器である組織が移動することが多い。また、超音波信号生成部132の探触子を動かしたりしたとき、超音波画像内の組織の位置が変化したりする。この変化に追従して非表示領域を移動させる必要があるので、上述したように組織の移動量や方向を算出して、非表示領域に追従して、移動させる処理を行う。この組織領域を追跡する方法としては、オプティカルフロー法やブロックマッチング法などの物体追跡法を使用することができる。

　ステップS132で非表示領域存在している場合に、画像加工処理を行うために、ステップS134を実行する。ステップS134は、画像加工部242の処理を行うステップで、図8で説明した如く非表示とすべき領域452の位置データに基づいて塗りつぶしなどの超音波画像の加工を行う。加工の内容は図3のステップS62であらかじめ設定した内容である。上述した如く、加工内容には、塗りつぶす方法の他にぼかし処理やモザイク状に処理する方法など、色々な処理方法がある。

　加工処理した超音波画像は画像加工処理部220の出力として、ステップS136により、検者側表示部164に提供され、被検者側表示部174に表示される超音波画像422として図6の検者側表示部164に表示される。

　ステップS136で検者側表示部164へ提供された超音波画像は、ステップS142やステップS146、ステップS148で構成される遅延処理ステップS140による遅延処理後に、被検者側表示部174へステップS154により提供される。これらの処理は図2の遅延部244の処理内容を示している。ステップS142で、ステップS134による加工済みの超音波画像やステップS132で加工不要と判定された超音波画像が、遅延処理のために一時保持される。

　次に過去の一時保持超音波画像の保持時点に対して、設定された遅延時間が経過したかどうかをステップS146で、判断する。例えば以前に保持されて超音波画像であるが、保持された時点からの時間経過が設定時間に達しないために読み出されていなかった超音波画像の内の最も古い保持データから順に、保持時点からの時間経過が設定された遅延時間に達したかどうかをチェックする。ここで遅延時間とは、図3のステップS66で設定された遅延時間であり、図6の遅延設定時間の表示410に表示されている時間である。

　もし、保持時点に対する経過時間が設定された遅延時間に達した超音波画像が存在しない場合には、ステップS146から、実行が終了処理ステップS102に移り、ステップS100からの一連の処理が終了する。一方、保持時点に対する経過時間が設定された遅延時間に達した超音波画像が1つ以上存在する場合にはステップS146からステップS148に実行が移る。そしてステップS148で、保持時点に対する経過時間が設定された遅延時間に達した超音波画像が古い順に読み出され、ステップS154で被検者側表示部174に読み出された超音波画像が順に送られ、被検者側表示部174が有する画像記憶部172に書き込まれる。画像記憶部172に書き込まれた超音波画像は被検者側表示部174に表示される。

　この実施例では、図2に示す遮断部252の機能に相当する処理が、ステップS152により実行される。検者104が、図2の画像加工処理部220から被検者側表示部174への超音波画像の送信を停止する指令すなわち表示停止指令を出すと、ステップS152が動作して、被検者側表示部174への超音波画像の送信が停止される。検者104が例えば図6の被検者側表示部174に表示される超音波画像422を見て、被検者側表示部174での表示を停止する指令を入力すると、ステップS152が動作して、ステップS148で読み出した超音波画像を被検者側表示部174に送信するステップS154が実行されない。この場合はステップS154から実行がステップS102へ移り、ステップS100からの一連の処理が終了する。

　上述したように、検者104が、被検者側表示部174での超音波画像の表示を停止する指令を出していない状態、すなわち画像加工処理部220の加工された超音波画像を被検者側表示部174で表示する状態では、実行がステップS152からステップS154へ実行が移り、ステップS148で読み出された超音波画像が、被検者側表示部174に設けられた画像記憶部172に書き込まれる。このステップS154の実行により、図6の被検者側表示部174に表示される超音波画像422が、被検者側表示部174に、遅延された状態で表示される。

　ステップS140は、前述のようにステップS142やステップS146やステップS148により構成され、遅延動作を行い、被検者側表示部174に表示される超音波画像422が被検者側表示部174に表示するのを遅らせる。このため検者側表示部164に表示された超音波画像422を検者104が監視し、被検者側表示部174に表示することが好ましくないと判断した場合には、検者104は入力部166を操作することにより、ステップS152を動作させ、被検者側表示部174への表示を停止することができる。従って被検者側表示部174に好ましくない超音波画像が表示されるのを停止できる。

　図2に記載の表示可否判定部232や表示判定部246、画像加工部242で、被検者側表示部174に表示することが好ましくない超音波画像の領域を加工することにより、好ましくない超音波画像の表示を防止できる効果がある。さらに加えて検者104の操作により、被検者側表示部174への表示を停止できるので、信頼性が向上する。即ち被検者側表示部174に、好ましくない超音波画像の表示停止を二重に行うことが可能であるため、信頼性が向上する。

　上述の実施例によれば、検者104が設定した非表示対象組織について、その領域を自動的に認識し、自動的に非表示の処理を行うので、非表示に関する処理の手間が軽減される効果がある。

　また、検者側表示部164に表示される内容を図6に記載のように被検者側表示部174に表示される超音波画像422と加工前の超音波画像412との二画面表示とすることが可能であり、被検者側表示部174の表示内容を必要に応じて監視することが可能となる効果がある。

　検者側表示部164と被検者側表示部174は、検者側表示部164に対して、被検者側表示部174を遅らせることができ、好ましくない表示を検者104が判断して停止できる。表示に関する信頼性が向上する。

　また、検者104に対しては、非表示の加工前の超音波画像を表示することができ、医学的な検査の精度が向上する。

　検者側表示部164の表示内容を、加工前の超音波画像の表示、あるいは加工後の超音波画像の表示、あるいは二画面表示、に選択できるので、使用状況に応じて色々使い分けることが可能であり、利便性が向上する。例えば検者側表示部164の超音波画像を被検者102と共同して使用する場合には、加工後の超音波画像を選択し、検者104のみが超音波画像を観察する場合には、加工前の超音波画像を選択できるなど、使用状況に合わせて表示モードを選択できる。

　次に先に説明した実施例の一部を変更した案を説明する。胎児の診断や病気に関する診断には、日本、諸外国により対応の違いがある。例えば被検者102に見えなくするだけでなく、検者104にも見えなくすることが望ましい、あるいは国によって法的に見せなくすることが必要な場合がある。この場合は、先の実施例で、検者側表示部164の表示モードを画像加工処理部220の加工処理後の超音波画像を表示するモードに設定すればよい。そのような設定の場合に超音波診断装置100の制御自身をより簡素化することが可能である。このようにより簡素化した構成の超音波診断装置100を図9に示す。この図9に示す超音波診断装置100は、被検者102と検者104の両者に特定の組織などを法的に見せなくするとの条件を満足する。

　図9の構成と図2の構成との相違点は、一時記憶部152に記憶された超音波画像を検者側表示部164へ供給する機能を無くした点である。従って表示可否判定部232で検査して非表示とすべき領域が無いことが確認された、あるいは非表示とすべき領域が既に加工済みの超音波画像が検者側表示部164や被検者側表示部174に提供される。図9に示す構成は、それらの参照符号が図2に示す参照符号と同じ構成と同じ動作同じ機能である。

　なお、図9の構成で、遅延部244と遮断部252は設けなくてもよい。しかし、遅延部244や遮断部252を設けることにより、より利便性が向上する。例えば、被検者102や検者104には表示可否判定部232による判定済みで、少なくとも必要な加工が施された超音波画像が提供されており、表示の可否のための重要な条件が満足されている。ただ、病気に関する検査や胎児に関する検査には、被検者102の微妙な精神状態や人間関係が複雑に関係する。このため一律の条件で被検者側表示部174に表示する超音波画像の表示条件を決めることが困難な場合が多々ある。表示条件は表示可否判定部232の判定や画像加工部242の処理に委ねるにしても、微妙な判断を更に加味できる構成とすることは、色々なケースに対応する上で大きな効果がある。このため被検者側表示部174に表示される超音波画像422に遮断部252を設けることにより、多様性や利便性が向上する。

　図9の具体的な処理であるフローチャートの内容は図4や図5で説明の内容と同じである。図9で遅延部244や遮断部252を設けない場合には図4に記載の遅延時間をゼロ設定にしてもよいし、あるいは次に記載のステップを削除してもよい。削除するステップは、ステップS142とステップS146とステップS148とステップS152である。

　図9に記載の構成で表示される検者側表示部164と被検者側表示部174の表示状態の一例を図10に示す。図9に記載の構成は、他の図に記載の参照符号が同じ構成と同じ内容であり、同じ作用、同じ効果を有する。遅延部244を設けた場合には、検者側表示部164に表示の被検者側表示部174に表示される超音波画像422に対して遅延時間だけ遅れて超音波画像512が表示される。また、遮断部252を動作させて超音波画像512への画像加工処理部220からの超音波画像の送信を停止した場合には、遮断部252により超音波画像の送信を停止した時点の超音波画像が被検者側表示部174に静止超音波画像として表示される。例えば遮断部252を動作させた場合には、メッセージ432として状況の表示がなされる。例えばメッセージ432の内容として、遮断部252により超音波画像の送信停止中、などがある。

　なお、図9で遅延部244が設けられていない場合には、図10に示す遅延設定時間の表示410は不要である。

　上述の実施例では、表示可否判定部232や画像加工部242を有する画像加工処理部220が超音波診断装置100の本体160に設けられている。検者側表示部164には画像加工処理部220で処理された超音波画像を選択的に表示可能とすることができる。
また、被検者側表示部174を本体160に接続した場合に、被検者側表示部174には画像加工処理部220で処理した超音波画像が送られる。このように画像加工処理部220を超音波診断装置100の本体160に設けた構造を図11の(A)に示す。

　画像加工処理部220を超音波診断装置100の本体160に設ける代わりに、本体160の外に設けた例を図11の(B)に示す。例えば超音波診断装置100の基本構成を、本体160と検者側表示部164とを有する構成とし、基本構成に被検者側表示部174を追加した場合に、被検者側表示部174の追加に合わせて画像加工処理部220を追加するようにしてもよい。この場合は、本体160や検者側表示部164を有する基本構成の超音波診断装置100を設置し、必要に応じて画像加工処理部220や被検者側表示部174を追加して使用することが可能であり、複数台の基本構成の超音波診断装置100に対して、画像加工処理部220や被検者側表示部174を共同して使用することが可能である。

　また、当所は基本構成の超音波診断装置100を使用し、ニーズに合わせて、画像加工処理部220や被検者側表示部174を追加することが可能である。さらに、国や地域により画像加工処理部220のニーズが発生する場合には、基本構成の超音波診断装置100を納入し、国や地域のニーズに合わせて画像加工処理部220や被検者側表示部174を追加することが可能である。

　また、画像加工処理部220を設ける目的の一つが被検者側表示部174に表示される超音波画像の内容を適切な内容とすることである。このような観点から図11の(C)に記載のように、被検者側表示部174に画像加工処理部220を設けるようにしてもよい。この場合に、先に図11の(B)において説明した効果を、同じように得ることが可能となる。

　図11の(A)や(B)、(C)に記載の構成において、検者側表示部164や被検者側表示部174と本体160との接続、および図11の(B)や(C)に記載の構成において画像加工処理部220と本体160との接続は、超音波診断装置の製造者固有のコネクタを使用してもよいし、規格化されたLANなどのネットワークを使用してもよい。

　また、図11の(A)に記載の構成では、本体160が有するCPUを使用して画像加工処理部220の処理を行うが、図11の(B)に記載の構成では、画像加工処理部220が独自にCPUを有し、該CPUで画像加工処理部220の処理を行うようにしてもよい。図11の(C)に記載の構成では、被検者側表示部174が有するCPUを使用して画像加工処理部220の処理を行うようにしてもよい。

　上述の装置では、検者104のための検者側表示部164と被検者102のための被検者側表示部174とが設けられている。検者側表示部164と被検者側表示部174とをそれぞれ設けることは、装置全体を大型化し、利用場所や利用状況にそぐわない場合が出てくる。被検者側表示部174を使用しないで、検者側表示部164を必要に応じで被検者102にも見られるようにする方が望ましい場合がある。このように検者側表示部164を必要に応じで被検者102にも見られるようにする方式を図12および図13、図14を用いて説明する。

　図12は、検者104と被検者102と検者側表示部164の位置および角度の関係を真上から見た図であり、被検者102は診断用ベッド192に寝載されており、超音波診断装置100が被検者102の脇に配置され、検者104が超音波診断装置100を操作し、超音波画像を撮影する。図12では超音波診断装置100の右側に位置しているが、使用状態に応じで超音波診断装置100と被検者102との位置関係が変わる。図12に示す状態では、超音波診断装置100の本体160に接続されている検者側表示部164を、検者104に対して略正面に向けた場合には、検者104は正面から検者側表示部164の超音波画像を観察することができる。このとき、被検者102は検者側表示部164の画面を観察することができない。

　一方、検者側表示部164を回転させて検者側表示部164Aの状態にした場合には、検者104と被検者102とは共に、斜めではあるが、超音波画像を観察することができる。検者側表示部164Aの状態では、超音波画像の非表示としたい領域が表示されないことが望ましい。即ち検者側表示部164の回転角の状態に応じて、表示される画面の状態を、先の実施例で示した、検者側表示部164の状態あるいは被検者側表示部174の状態となるように切り替えることが望ましい。このように表示部の回転状態に応じて、表示される超音波画像の内容が切り替わる動作について図13あるいは図14を用いて説明する。

　図13は図12に記載の超音波診断装置100の構成を示す説明図である。図2や他の図面に示す構成と同じ参照符号は、略同じ動作あるいは作用をなし、略同じ効果を奏する。図12に記載の検者側表示部164の配置状態では表示判定部246からの指令により、画像加工部242は一時記憶部152から提供された超音波画像を加工しないで検者側表示部164に表示する。この時図6に記載のように加工前の超音波画像412と加工された超音波画像422との両方を表示してもよい。次に検者側表示部164の配置を検者側表示部164Aのように回転した配置にすると、角度センサ182からの信号により、前記回転した状態にあることを検知して表示判定部246から加工の指令が伝達され、画像加工部242から加工済みの超音波画像が検者側表示部164に送信される。

　角度センサ182は角度に対応した信号を発生するものであれば、細かい角度領域を設定して検者104用の超音波画像を表示するか、被検者102向けの超音波画像を表示するかを設定できる。しかし、利用目的により、それほどきめ細かい角度検出を必要としないことが考えられる。この場合は、検者側表示部164の回転位置に応じて動作する複数のスイッチを角度センサ182として設けてもよい。複数のスイッチの動作状態に応じて、回転状態を検知することが可能となる。

　図14は、検者104のための超音波画像を送信する配置関係と、被検者102のための超音波画像を送信する配置関係とを設定するフローチャートである。表示条件の設定が、メニューから選択されると、図14のステップS130からの入力設定フローチャートが起動される。表示条件の入力は入力部110から行ってもよいし、入力部166から行ってもよい。ステップS132で左右のどちらが検者104で、どちらが被検者102かの、検者104と被検者102との位置関係が入力される。超音波診断装置100の使用状況により、検者104と被検者102との位置関係が変わると思われる。従って回転方向と検者104と被検者102との位置関係を入力することにより、状況に応じた超音波画像の表示が可能となる。これにより超音波診断装置100の使用の利便性が向上する。

　入力方法としては実際に検者側表示部164を回転させ、例えば図12に示す検者側表示部164Aの回転状態で、入力部166に表示されている表示の中から、被検者102を選択すると、検者側表示部164の状態が被検者102に見せるための画像加工部242で加工された超音波画像を表示する条件であることが入力される。図12の検者側表示部164の状態が検者104のための超音波画像を表示する表示モードとなる。被検者102の表示条件を入力するか、検者104の表示条件を入力するかは、どちらでもよい。

　次にステップS134で回転角と検者104あるいは被検者102との位置関係を特定するための閾値を設定する。即ち検者104のための表示画面と被検者102のための表示画面を、どこを閾値として切り替えるかを入力する。閾値の角度を直接入力してもよい。しかし例えば、図12の検者側表示部164の回転位置状態から入力部166に表示されている検者104の選択画面を押しながら検者側表示部164を角度回転させると、検者104の画面を表示する領域が入力されるようにしてもよい。

　同様に入力部166に表示されている被検者102の選択画面を押しながら検者側表示部164を角度回転させると、被検者102の画面を表示する領域が入力されるようにすることで、設定が容易にしかも設定ミスをなくすことが可能となる。検者104の画面を表示する領域と被検者102の画面を表示する領域との間に、不感帯が生じる場合には、不感帯の領域は超音波画像を表示しない、あるいは超音波画像を暗くする、あるいは超音波画像をぼかすなど、表示状態を変えるようにしてもよい。このようにすることで、被検者102に違和感を与えるのを低減できる。

　図15は、検者側表示部164の代わりに2種類の超音波画像を表示できる機能を持つ二画像表示装置165を使用した場合の説明図である。図10では検者104のための超音波画像が検者側表示部164に表示され、被検者102のための超音波画像が被検者側表示部174に表示される。図10の検者側表示部164や被検者側表示部174の代わりに、図15に記載の二画像表示装置165を使用する。二画像表示装置165を使用することにより、二画像表示装置165から検者104のための超音波画像と被検者102のための超音波画像との2種類の超音波画像を、角度を変えて提供することができる。例えば、前記被検者102のための超音波画像を液晶素子を透過した光線1532で表示し、検者104向けの超音波画像を液晶素子を透過した光線1534で表示する。光線1532と光線1534とで被検者102向けと検者104向けのどちらの超音波画像を表示するかは、条件設定で選択可能である。

　二画像表示装置165の構造の一例を図15に記載する。液晶表示部を構成する液晶素子には、超音波画像Aを表示するための液晶素子と超音波画像Bを表示するための液晶素子とが交互に配置されており、超音波画像Aを表示する光線1532は第1バリヤ1526と第2バリヤ1528により図15の右方向に向かって斜めに照射され、超音波画像Bを表示する1534は第1バリヤ1526と第2バリヤ1528により図15の左方向に照射される。このような構造により、光線1532と光線1534は異なる方向を向いて照射され、しかも超音波画像を見る人の位置では光線1532と光線1534は重なることが無い。

　このため図15では、被検者102は超音波画像Aのみが見え、超音波画像Bを見ることができない。一方、検者104は超音波画像Bのみが見え、超音波画像Aを見ることができない。図15に記載の二画像表示装置165へ一時記憶部152および画像加工処理部220から、被検者102のための超音波画像を超音波画像Aとして提供し、検者104のための超音波画像を超音波画像Bとして提供することにより、例えば図6に示す被検者側表示部174の超音波画像を被検者102に提供し、検者側表示部164の超音波画像を検者104に提供することができる。

　上述のように二画像表示装置165を使用することにより、検者側表示部164と被検者側表示部174とを備えたのに近い効果を奏することができる。図16は、超音波画像Aや超音波画像Bと、被検者102や検者104との位置関係を入力するフローチャートである。例えばメニュー画面を選択し、メニュー項目の中から超音波画像の条件設定の項目を選択することにより、表示条件設定開始のステップS140を実行できる。次にステップS142を実行することにより、被検者102や検者104の表示画像の位置関係を条件として入力できる。超音波画像Aとして被検者102のための超音波画像を表示するのか、検者104のための超音波画像を表示するのか、を設定する。この設定により超音波画像Bの設定も定まるので、超音波画像Aあるいは超音波画像Bのどちらかを設定すれば、超音波画像Aあるいは超音波画像Bと、被検者102のための超音波画像と検者104のための超音波画像との関係を設定できる。しかし超音波画像Aあるいは超音波画像Bの両方と被検者102のための超音波画像と検者104のための超音波画像との関係を、それぞれ設定し、さらに、被検者102のための超音波画像と検者104のための超音波画像のより具体的な表示条件や超音波画像の加工条件を具体的に設定するようにしてもよい。次にステップS146で条件入力フローチャートを終了する。

　このように、ステップS142で被検者102や検者104との位置関係を入力することで、超音波画像Aや超音波画像Bと被検者102や検者104との対応を設定可能としたことにより、超音波診断装置100の使用状況に応じた、表示が可能となり、利便性が向上する。

　以上は、主として超音波診断装置における胎児性判別を例に説明したが、他の表示を禁止したい生体組織に対しても同様に適用可能である。また、検者104と被検者102の立場を例として説明したが、対象組織を観察可能な者と不可能な者として一般的な場合に置き換えても適用可能である。

　100 　超音波診断装置、102 　被検者、104 　検者、110 　入力部、114 　出力部、116 　記憶部、120 　制御部(CPU)、132 　超音波信号生成部、134 　振動子選択部、142 　送受分離部、144 　送信部、146 　受信部、148 　画像生成部、152 　一時記憶部、160 　本体、162 　画像記憶部、163 　選択部、164 　検者側表示部、165 　二画像表示装置、166 　入力部、168 　モニタ用接続端子、172 　画像記憶部、174 　被検者側表示部、192 　診断用ベッド、220 　画像加工処理部、232 　表示可否判定部、234 　非表示画面認識部、236 　非表示領域検出部、238 　非表示領域追跡部、242 　画像加工部、244 　遅延部、246 　表示判定部、248 　表示設定部、252 　遮断部、410 　遅延設定時間の表示、412 　加工前の超音波画像、414 　性器部分、416 　胎児、452 　非表示とすべき領域、462、514 　塗りつぶし加工、512 　加工済の超音波画像、532 　メッセージ

Claims

　超音波を送信し、送信された超音波に基づいて発生したエコーを受信する超音波信号生成部と、前記エコーに基づいて超音波画像を生成する画像生成部と、生成された前記超音波画像を表示する画像表示部と、を備える超音波診断装置において、
　前記超音波画像の前記画像表示部への表示の可否条件を設定する表示設定部と、前記表示の可否条件に基づいて、前記画像生成部で生成された超音波画像の表示の可否を判定する表示可否判定部と、前記表示可否判定部の表示の可否判定結果に基づいて前記超音波画像を加工処理し、前記画像表示部へ提供する超音波画像を生成する画像加工部と、を備えたことを特徴とする超音波診断装置。
　請求項1に記載の超音波診断装置において、前記表示可否判定部は、前記画像生成部で生成された超音波画像に対して、前記表示の可否条件に基づいて、表示することが好ましくない非表示領域を検出する非表示領域検出部を備え、前記非表示領域検出部の検出結果に基づいて、前記画像加工部が前記超音波画像の前記加工処理を行う、ことを特徴とする超音波診断装置。
　請求項2に記載の超音波診断装置において、前記表示可否判定部は、前記画像生成部で以前に生成された超音波画像と今回生成された超音波画像との違いに基づいて、前記以前に生成された超音波画像の非表示領域の位置から前記今回生成された超音波画像の非表示領域の位置を求める非表示領域追跡部を備え、前記非表示領域追跡部で求められた前記非表示領域の位置に、前記画像加工部によって加工処理された前記超音波画像を表示する、ことを特徴とする超音波診断装置。
　請求項1に記載の超音波診断装置において、前記加工処理が施された超音波画像を、設定された遅延時間に基づいて遅延して出力する遅延部を備え、前記加工処理が施された超音波画像が前記遅延時間後に前記画像表示部に表示される、ことを特徴とする超音波診断装置。
　請求項4に記載の超音波診断装置において、前記画像加工部から前記画像表示部への超音波画像の送信を停止する遮断部を備え、操作に基づき前記遮断部によって、前記画像加工部で加工処理が施された前記超音波画像の前記画像表示部への送信を停止する、ことを特徴とする超音波診断装置。
　請求項5に記載の超音波診断装置において、前記画像表示部は検者側画像表示部と被検者側表示部とを備え、操作に基づき前記遮断部によって、前記被検者側表示部への超音波画像の送信を停止する、ことを特徴とする超音波診断装置。
　請求項6に記載の超音波診断装置において、前記画像加工部から検者側画像表示部へ超音波画像を送信すると共に、前記超音波画像を前記遅延部および前記遮断部を介して前記被検者側表示部へ提供し、前記超音波画像の前記検者側画像表示部への表示に対して遅延させて前記超音波画像を前記被検者側表示部に表示し、操作に基づき前記遮断部によって、前記被検者側表示部への超音波画像の送信を停止する、ことを特徴とする超音波診断装置。
　請求項7に記載の超音波診断装置において、
　前記検者側画像表示部へ加工前の超音波画像と画像加工部で加工処理を行った加工後の超音波画像とを送信して、前記検者側画像表示部に前記加工前の超音波画像と前記加工後の超音波画像とを表示し、
　前記被検者側表示部に前記加工後の超音波画像を表示し、前記操作に基づき前記遮断部によって、前記加工後の超音波画像の前記被検者側表示部への送信を遮断する、ことを特徴とする超音波診断装置。
　請求項1に記載の超音波診断装置において、
　前記画像表示部の向きを検知する角度検知手段を設け、前記画像表示部の向きに応じて、前記画像表示部へ、前記画像生成部で生成した加工前の超音波画像と前記画像加工部で前記加工処理を行って生成した加工後の超音波画像とが、選択的に提供される、ことを特徴とする超音波診断装置。
　請求項1に記載の超音波診断装置において、
　前記画像表示部は、一方方向と他方方向とで異なる超音波画像を表示する構造を備え、前記画像生成部で生成した加工前の超音波画像と前記画像加工部で前記加工処理を行って生成した加工後の超音波画像とが前記画像表示部に送信され、
　前記画像表示部は、前記一方方向に於いて前記加工前の超音波画像を表示し、前記他方方向に於いて前記加工後の超音波画像を表示するようにした、ことを特徴とする超音波診断装置。
　超音波を送信し、送信された超音波に基づいて発生したエコーを受信する超音波信号生成部と、前記エコーに基づいて超音波画像を生成する画像生成部と、生成された前記超音波画像を表示する画像表示部と、を備える超音波診断装置に使用する超音波画像表示方法であって、
　前記超音波画像の前記画像表示部への表示の可否条件を設定する表示条件設定ステップと、
　記憶された前記表示の可否条件に基づいて、前記画像生成部で生成された超音波画像の表示の可否を判定する表示可否判定ステップと、
　前記表示の可否の判定に基づき、前記超音波画像を加工処理して前記画像表示部へ提供する超音波画像を生成する画像加工ステップと、を備えたことを特徴とする超音波画像表示方法。
　請求項11に記載の超音波画像表示方法において、
　前記表示可否判定ステップは、前記画像生成部で生成された超音波画像に対して、前記表示の可否条件に基づいて、表示が好ましくない領域を検出する非表示領域検出ステップを備え、前記非表示領域検出ステップの検出結果に基づいて、前記画像加工ステップで前記加工処理を実行する、ことを特徴とする超音波画像表示方法。
　請求項11に記載の超音波画像表示方法において、
　前記加工処理が施された超音波画像を、設定された遅延時間に基づいて遅延して出力し、前記加工処理が施された超音波画像が前記遅延時間後に表示されることを特徴とする超音波画像表示方法。
　請求項11に記載の超音波画像表示方法において、
　前記画像表示部の向きを検知し、前記画像表示部の向きに応じて、前記画像生成部で生成した加工前の超音波画像と加工後の超音波画像とが、選択的に提供されることを特徴とする超音波画像表示方法。
　超音波を送信し、送信された超音波に基づいて発生したエコーを受信する超音波信号生成部と、前記エコーに基づいて超音波画像を生成する画像生成部と、生成された前記超音波画像を表示する画像表示部と、を備える超音波診断装置に使用する超音波画像表示プログラムであって、
　前記超音波画像の前記画像表示部への表示の可否条件を設定する表示条件設定ステップと、
　記憶された前記表示の可否条件に基づいて、前記画像生成部で生成された超音波画像の表示の可否を判定する表示可否判定ステップと、
　前記表示の可否の判定に基づき、前記超音波画像を加工処理して前記画像表示部へ提供する超音波画像を生成する画像加工ステップと、を備えたことを特徴とする超音波画像表示プログラム。