WO2013190807A1

WO2013190807A1 - 圧力容器

Info

Publication number: WO2013190807A1
Application number: PCT/JP2013/003722
Authority: WO
Inventors: 保人片岡
Original assignee: 株式会社神戸製鋼所
Priority date: 2012-06-20
Filing date: 2013-06-13
Publication date: 2013-12-27
Also published as: US9476545B2; US20150114974A1; CN104395651A; CN104395651B

Abstract

　容器本体と、隔壁とを有する圧力容器であって、容器本体は、上壁と底壁と周壁とを有し、上壁は、上壁本体と、この上壁本体の外面から外側に向かって突出する形状の上壁突出部と、上壁第一室側リブと、上壁第二室側リブとを有し、底壁は、底壁本体と、この底壁本体の外面から外側に向かって突出する形状の底壁突出部と、底壁第一室側リブと、底壁第二室側リブとを有し、上壁第一室側リブ及び上壁第二室側リブは、それぞれ上壁突出部につながる形状を有し、底壁第一室側リブ及び底壁第二室側リブは、それぞれ前記底壁突出部につながる形状を有すること。

Description

圧力容器

　本発明は、圧縮機用ガスクーラー等に用いられる圧力容器に関する。

　従来、高圧のガスが収容される圧力容器として、その内部を二室に区画する隔壁を備えたものが知られている。例えば、特許文献１には、高圧のガスを収容する容器本体と、この容器本体内を第一室と第二室とに二等分するように当該容器本体内に形成された隔壁とを有する圧力容器が開示されている。前記容器本体は、前記隔壁を挟んで互いに接合された第一側部円筒壁及び第二側部円筒壁からなる。前記容器本体は、一方向に長い形状を有する。前記隔壁は、前記容器本体の長手方向と平行な方向に沿って伸びる平板状を呈する。前記隔壁の上端は、前記容器本体の上部と接続されており、前記隔壁の下端は、前記容器本体の下部と接続されている。

　この圧力容器の各室に高圧のガスが収容されると、前記第一側部円筒壁及び前記第二側部円筒壁には、当該第一側部円筒壁及び第二側部円筒壁が外側に膨張しようとする荷重が加わる。このとき、各円筒壁と前記隔壁との接続部には応力集中が発生する。そのため、前記隔壁の上端及び下端には、それぞれ当該隔壁の他の部位の厚さよりも大きな厚さを有する拡幅部が形成されている。

　しかしながら、特許文献１に記載の圧力容器は、当該圧力容器への応力集中の発生を十分に抑制できているとはいえない。すなわち、この圧力容器の各室に高圧のガスが収容されると、各円筒壁は外側に膨張するように変形するので、前記拡幅部の厚さ方向の端部と各円筒壁との境界に応力集中が発生する。（以下、「第一の課題」という。）

　また、前記隔壁は前記容器本体の上部及び下部に接続されていることから、前記各円筒壁に前記荷重が加わっているとき、外側に膨張しようとする容器本体の上部及び下部によって当該隔壁が上下方向（前記長手方向及び前記隔壁の厚さ方向のそれぞれに直交する方向）に引っ張られることになる。これにより、前記隔壁には、前記上下方向の引張荷重が作用する。なお、この隔壁には、前記厚さ方向に隣接する両室からは略等しい圧力が加わるので、各室に高圧のガスが収容された状態であっても、当該隔壁には曲げモーメントはほとんど作用しない。

　一般に、圧力容器に対しては、主な強度上の設計要件として、所定値以上の耐圧破壊強度の確保が要求される一方で、その要求される設計要件を満足しつつ、できる限り軽量化を図りたいというニーズがある。しかしながら、特許文献１に記載の圧力容器では、隔壁には、前記引張荷重に耐え得る程度の十分に大きな厚さが要求されるので、圧力容器の軽量化を図ることが困難である。（以下、「第二の課題」という。）

特開２００５－１５５７７６号公報

　本発明の第一の目的は、応力集中の発生を抑制可能な圧力容器を提供することである。

　本発明の第二の目的は、要求される設計要件を満足しつつ、軽量化を図ることができる圧力容器を提供することである。

　前記第一の課題を解決するため、各円筒壁の変形を抑制すべく、各円筒壁のそれぞれの外面に補強リブを設けることが考えられる。しかしながら、単に各円筒壁の表面に補強リブを設けるだけでは、当該補強リブと円筒壁との境界、すなわち、補強リブのうち前記拡幅部側の端部の付け根に応力集中が残る懸念がある。

　本発明の一局面に従う圧力容器は、高圧のガスを収容する容器本体と、この容器本体内を第一室と第二室とに二等分するように当該容器本体内に形成された隔壁とを有する圧力容器であって、前記容器本体は、前記隔壁の上端と接続される上壁と、この上壁と対向するとともに前記隔壁の下端と接続される底壁と、前記上壁の周縁と前記底壁の周縁とを接続する周壁とを有し、前記上壁は、前記周壁の上端及び前記隔壁の上端に接続される上壁本体と、この上壁本体の外面のうち当該上壁本体の内面と前記隔壁の上端との接続部の裏側に位置する部位から外側に向かって突出する形状の上壁突出部と、前記上壁本体のうち前記第一室の外面に立設された上壁第一室側リブと、前記上壁本体のうち前記第二室の外面に立設された上壁第二室側リブとを有し、前記底壁は、前記周壁の下端及び前記隔壁の下端に接続される底壁本体と、この底壁本体の外面のうち当該底壁本体の内面と前記隔壁の下端との接続部の裏側に位置する部位から外側に向かって突出する形状の底壁突出部と、前記底壁本体のうち前記第一室の外面に立設された底壁第一室側リブと、前記底壁本体のうち前記第二室の外面に立設された底壁第二室側リブとを有し、前記上壁第一室側リブ及び前記上壁第二室側リブは、それぞれ前記上壁突出部につながる形状を有し、前記底壁第一室側リブ及び前記底壁第二室側リブは、それぞれ前記底壁突出部につながる形状を有することを特徴とする。

　前記第二の課題を解決するため、本発明者は、圧力容器の隔壁には、容器本体に収容される高圧ガスの内圧が作用することによって生じる引張荷重の分布に、不均一が発生していることに着目した。すなわち、一定厚さの隔壁には、相対的に小さな引張荷重しか作用していない部分があり、これらの部分は過剰に補強された構造となっていることに着目した。よって、前記隔壁に発生している引張荷重の分布の不均一を解消するように当該隔壁のうち過剰に補強されている部分を削ることによって材料が削減され、これにより圧力容器全体としての軽量化が可能になることに想到した。

　本発明の他の局面に従う圧力容器は、高圧のガスを収容する容器本体と、この容器本体内を第一室と第二室とに二等分するように当該容器本体内に形成された隔壁とを有する圧力容器であって、前記容器本体は、前記隔壁の上端と接続される上壁と、この上壁と対向するとともに前記隔壁の下端と接続される底壁と、前記上壁の周縁と前記底壁の周縁とを接続する周壁とを有し、前記隔壁は、一方向に長い形状を有し、当該隔壁の長手方向の中央を含む領域に位置する第一壁の厚さよりも、前記長手方向の一端側に位置する第二壁の厚さ及び前記長手方向の他端側に位置する第三壁の厚さの方が小さいことを特徴とする。

本発明の一実施形態の圧力容器を上方から見た状態の斜視図である。図１の圧力容器を下方から見た状態の斜視図である。図１のＩＩＩ－ＩＩＩ線での断面図である。図１のＩＶ－ＩＶ線での断面図である。（ａ）隔壁のＸＹ面での断面図である。（ｂ）（ａ）に示すものの変形例である。第二壁の長さ寸法と応力との関係を示したグラフである。各リブの高さ寸法を変えた例を示す断面図である。容器本体の上半分を下方から見た状態の斜視図である。容器本体の上半分を下方から見た状態の斜視図である。

　本発明の好ましい実施形態について、図１ないし図９を参照しながら説明する。

　図１に示すように、本実施形態の圧力容器は、高圧のガスを収容する略直方体形状の容器本体１と、この容器本体１内を第一室と第二室とに二等分する隔壁４０とを有する。前記第一室及び前記第二室には、熱交換器や配管等が収容されるが、これらの図示は省略されている。容器本体１は、隔壁４０の上端と接続される上壁１０と、この上壁１０と対向するとともに隔壁４０の下端と接続される底壁２０と、上壁１０の周縁と底壁２０の周縁とを接続する周壁３０とを有する。また、以下の説明では、上壁１０と底壁２０との並び方向をＺ軸方向とし、第一室と第二室との並び方向をＹ軸方向とし、Ｚ軸方向及びＹ軸方向に直交する方向をＸ軸方向とする。

　通常、このような圧力容器に高圧ガスが封入されると、上壁１０、底壁２０及び周壁３０には、これら各壁がそれぞれ外側に膨張する方向の荷重が作用する。このとき、上壁１０と隔壁４０との接続部及び底壁２０と隔壁４０との接続部には相対的に大きな荷重が作用する。本実施形態では、前記接続部を補強することによって当該接続部近傍への応力集中の発生を抑制するとともに、前記接続部の補強だけでは抑制が困難な上壁１０及び底壁２０への応力集中の発生を抑制する。

　具体的には、図１に示すように、上壁１０は、平板状の上壁本体１１と、この上壁本体１１の表面から外側に向かって突出する形状の上壁突出部１２と、上壁本体１１の外面のうち前記第一室側に立設された上壁第一室側リブ１３ａと、上壁本体１１の外面のうち前記第二室側に立設された上壁第二室側リブ１３ｂとを有する。

　上壁本体１１は、周壁３０の上端を塞ぐ形状を有する。上壁本体１１は、周壁３０の上端とつながっているとともに隔壁４０の上端とつながっている。図４に示すように、この上壁本体１１と周壁３０との境界は、外側に向かって凸となった湾曲面となっている。本実施形態では、この上壁本体１１は、前記第一室と前記第二室との並び方向（Ｙ軸方向）に長い略矩形状となっている。

　図４に示すように、上壁突出部１２は、上壁本体１１の外面のうち当該上壁本体１１の内面と隔壁４０の上端との接続部の裏側に位置する部位を含む領域に形成されている。この上壁突出部１２は、上壁本体１１の長手方向の略中央を当該上壁本体１１の短手方向（Ｘ軸方向：幅方向）に沿って伸びる形状を有する。本実施形態では、上壁突出部１２の上壁本体１１の外面からの突出量は、当該上壁突出部１２の長手方向の全域にわたって一定となっている。この上壁突出部１２の短手方向（Ｙ軸方向）の寸法は、上壁本体１１の内面と隔壁４０の上端との接続部の同方向の寸法よりも大きくなるように設定されている。

　上壁第一室側リブ１３ａは、上壁本体１１のうち前記第一室側の部位を補強する。この上壁第一室側リブ１３ａは、上壁本体１１の短手方向（幅方向）と平行な方向に沿って伸びる形状の複数の短手方向リブ（幅方向リブ）１４ａと、上壁本体１１の長手方向と平行な方向、すなわち、上壁突出部１２と交差する方向に沿って伸びる形状の複数の長手方向リブ１５ａとを有する。これら短手方向リブ１４ａと長手方向リブ１５ａとは、それぞれ同じ高さ（上壁本体１１からのＺ軸方向の正の側への突出量）を有する。各リブ１４ａ，１５ａの高さは、上壁突出部１２のそれよりも大きく設定されている。各長手方向リブ１５ａは、上壁突出部１２の側面及び上面とつながる形状を有する。本実施形態では、上壁第一室側リブ１３ａは、３本の短手方向リブ１４ａと、６本の長手方向リブ１５ａとを有している。また、この上壁第一側リブ１３ａは、上壁本体１１の隅角部を除く領域に形成される。すなわち、複数の短手方向リブ１４ａのうち最も外側に立設されたリブ１４ａの長さ（Ｘ軸方向の寸法）は、そのすぐ内側に立設されたリブ１４ａの長さよりも短くなっている。そして、複数の長手方向リブ１５ａのうち最も外側に立設されたリブ１５ａの長さ（Ｙ軸方向の寸法）は、そのすぐ内側に立設されたリブ１５ａの長さよりも短くなっている。

　上壁第二室側リブ１３ｂは、上壁本体１１のうち前記第二室側の部位を補強する。この上壁第二室側リブ１３ｂは、上壁本体１１の短手方向（幅方向）と平行な方向に沿って伸びる形状の複数の短手方向リブ（幅方向リブ）１４ｂと、上壁本体１１の長手方向と平行な方向、すなわち、上壁突出部１２と交差する方向に沿って伸びる形状の複数の長手方向リブ１５ｂとを有する。これら短手方向リブ１４ｂと長手方向リブ１５ｂとは、それぞれ同じ高さ（上壁本体１１からのＺ軸方向の正の側への突出量）を有する。各リブ１４ａ，１５ａの高さは、上壁突出部１２のそれよりも大きく設定されている。各長手方向リブ１５ｂは、上壁突出部１２の側面及び上面とつながる形状を有する。また、上壁第一室側リブ１３ａの各長手方向リブ１５ａと上壁第二室側リブ１３ｂの各長手方向リブ１５ｂとは、上壁突出部１２の上面で互いにつながる形状を有する。すなわち、各長手方向リブ１５ａ，１５ｂは、上壁突出部１２と接触しつつ当該上壁突出部１２の上側を跨ぐように上壁本体１１の長手方向に沿って伸びる形状を有する。本実施形態では、上壁第二室側リブ１３ｂは、３本の短手方向リブ１４ｂと、６本の長手方向リブ１５ｂとを有している。また、この上壁第二側リブ１３ｂは、上壁本体１１の隅角部を除く領域に形成される。すなわち、複数の短手方向リブ１４ｂのうち最も外側に立設されたリブ１４ｂの長さ（Ｘ軸方向の寸法）は、そのすぐ内側に立設されたリブ１４ｂの長さよりも短くなっている。そして、複数の長手方向リブ１５ｂのうち最も外側に立設されたリブ１５ｂの長さ（Ｙ軸方向の寸法）は、そのすぐ内側に立設されたリブ１５ｂの長さよりも短くなっている。

　図２に示すように、底壁２０は、上壁本体１１と同形状の底壁本体２１と、この底壁本体２１の表面から外側に向かって突出する形状の底壁突出部２２と、底壁本体２１の外面のうち前記第一室側に立設された底壁第一室側リブ２３ａと、上壁本体１１の外面のうち前記第二室側に立設された底壁第二室側リブ２３ｂとを有する。

　底壁本体２１は、周壁３０の下端を塞ぐ形状を有する。底壁本体２１は、周壁３０の下端とつながっているとともに隔壁４０の下端とつながっている。図４に示すように、この底壁本体２１と周壁３０との境界は、外側に向かって凸となった湾曲面となっている。

　図４に示すように、底壁突出部２２は、底壁本体２１の外面のうち当該底壁本体２１の内面と隔壁４０の下端との接続部の裏側に位置する部位を含む領域に形成される。この底壁突出部２２は、底壁本体２１の長手方向の略中央を当該底壁本体２１の短手方向（Ｘ軸方向：幅方向）に沿って伸びる形状を有する。本実施形態では、底壁突出部２２の底壁本体２１の外面からの突出量は、当該底壁突出部２２の長手方向の全域にわたって一定となっている。この底壁突出部２２の短手方向（Ｙ軸方向：幅方向）の寸法は、底壁本体２１の内面と隔壁４０の下端との接続部の同方向の寸法よりも大きくなるように設定されている。また、底壁本体２１のうち底壁突出部２２とつながった部位は、底壁本体２１のその他の部位よりも外側（図４では下側）に突出する形状を有する。

　底壁第一室側リブ２３ａは、底壁本体２１のうち前記第一室側の部位を補強する。この底壁第一室側リブ２３ａは、底壁本体２１の短手方向と平行な方向に沿って伸びる形状の複数の短手方向リブ（幅方向リブ）２４ａと、底壁本体２１の長手方向と平行な方向、すなわち、底壁突出部２２と交差する方向に沿って伸びる形状の複数の長手方向リブ２５ａとを有する。これら短手方向リブ２４ａと長手方向リブ２５ａとは、それぞれ同じ高さ（底壁本体２１からのＺ軸方向の負の側への突出量）を有する。各リブ２４ａ，２５ａの高さは、底壁突出部２２のそれよりも小さく設定されている。各長手方向リブ２５ａは、底壁突出部２２の側面とつながる形状を有する。本実施形態では、底壁第一室側リブ２３ａは、２本の短手方向リブ２４ａと、４本の長手方向リブ２５ａとを有している。

　底壁第二室側リブ２３ｂは、底壁本体２１のうち前記第二室側の部位を補強する。この底壁第二室側リブ２３ｂは、底壁本体２１の短手方向と平行な方向に沿って伸びる形状の複数の短手方向リブ（幅方向リブ）２４ｂと、底壁本体２１の長手方向と平行な方向、すなわち、底壁突出部２２と交差する方向に沿って伸びる形状の複数の長手方向リブ２５ｂとを有する。これら短手方向リブ２４ｂと長手方向リブ２５ｂとは、それぞれ同じ高さ（底壁本体２１からのＺ軸方向の負の側への突出量）を有する。各リブ２４ｂ，２５ｂの高さは、底壁突出部２２のそれよりも小さく設定されている。各長手方向リブ２５ｂは、底壁突出部２２の側面とつながる形状を有する。本実施形態では、底壁第二室側リブ２３ｂは、２本の短手方向リブ２４ｂと、４本の長手方向リブ２５ｂとを有している。

　周壁３０は、上壁本体１１の周縁と底壁本体２１の周縁とを接続している。本実施形態では、この周壁３０は、全周にわたって一定の厚さを有する略四角筒状を呈する。周壁３０は、隔壁４０と対向する隔壁対向部３０ａと、隔壁４０と直交する姿勢で当該隔壁４０と接続された第一側壁３１及び第二側壁３２とを有する。

　各隔壁対向部３０ａは、隔壁４０の長手方向（Ｘ軸方向）と平行な方向に伸びる形状を有する。図１に示されるように、第一側壁３１は、前記第一室内を容器本体１外に開放するための第一開口部３１ａと、前記第二室内を容器本体１外に開放するための第二開口部３１ｂとを有する。図２に示されるように、第二側壁３２は、前記第一室内を容器本体１外に開放するための第一開口部３２ａと、前記第二室を容器本体１外に開放するための第二開口部３２ｂとを有する。第一室及び第二室への熱交換器や配管等の収容後、各開口部３１ａ～３２ｂは、それぞれ当該開口部を覆う形状の蓋により塞がれる。なお、各図では、前記蓋の図示は省略されている。

　ここで、先に説明したように、この圧力容器に高圧ガスが封入されると、上壁１０、底壁２０及び周壁３０には、これら各壁がそれぞれ外側に膨張する方向の荷重が作用する。このとき、隔壁４０は、外側に膨張しようとする上壁１０及び底壁２０により、当該上壁１０と底壁２０とを結ぶ上下方向（Ｚ軸方向）に引っ張られる。このため、隔壁４０には前記上下方向の引張荷重が作用する。この引張荷重は、隔壁４０の全域にわたって均等には分布していない。つまり、隔壁４０には、相対的に大きな引張荷重が作用する部位と小さな引張荷重が作用する部位とが存在する。具体的には、前記引張荷重は、隔壁４０の中央部で最大となり、当該中央部から隔壁４０の両端部（隔壁４０と周壁３０との接続部）に向かうにしたがって次第に小さくなる。これは、上壁本体１１及び底壁本体２１の変形量が当該上壁本体１１及び底壁本体２１の中央部で最も大きくなり、当該中央部から外側（各壁本体と周壁３０との接続部）に向かうにしたがって次第に小さくなる、という理由に基づいている。そこで、本実施形態では、隔壁４０の厚さを当該隔壁４０に作用する前記引張荷重の分布に略対応させるようにしている。すなわち、基本的には、隔壁４０のうち相対的に大きな引張荷重が作用する部位の肉厚を大きくするとともに、相対的に小さな引張荷重しか作用しない部位の肉厚を小さくしている。

　具体的に、隔壁４０は、図３及び図４に示すように、当該隔壁４０と上壁本体１１との接続部と当該隔壁４０と底壁本体２１との接続部とを結ぶ方向（Ｚ軸方向）及び当該隔壁４０の厚さ方向（Ｙ軸方向）のそれぞれに直交する方向（Ｘ軸方向）に長い矩形の平板状を呈する。なお、図３は、図１のＩＩＩ－ＩＩＩ線での断面図である。このＩＩＩ－ＩＩＩ線は、図１の上壁突出部１２と当該上壁突出部１２のすぐ隣に位置する短手方向リブ１４ｂとの間を通る。隔壁４０は、当該隔壁４０の長手方向の中央を含む領域に位置する第一壁４１と、前記長手方向の一端側に位置する第二壁４２と、前記長手方向の他端側に位置する第三壁４３とを有する。これらの各壁４１～４３は、前記長手方向の一端側から他端側に向かって第二壁４２、第一壁４１及び第三壁４３の順につながっている。なお、本実施形態では、隔壁４０は、Ｙ軸方向からみて一方向（Ｘ軸方向）に長い矩形状となっているが、この隔壁４０は、同方向からみて正方形であってもよい。以下、いずれの場合であっても、Ｘ軸方向を当該隔壁４０の長手方向として説明する。

　第一壁４１、第二壁４２及び第三壁４３は、すべて一方向（Ｘ軸方向）に長い矩形の平板状を呈する。第一壁４１、第二壁４２及び第三壁４３は、それぞれその上端が上壁本体１１とつながっており、その下端が底壁本体２１とつながっている。第二壁４２のうち第一壁４１とつながった側と反対側の端部は第一側壁３１とつながっている。第三壁４３のうち第一壁４１とつながった側と反対側の端部は第二側壁３２とつながっている。図５（ａ）に示すように、第二壁４２は、その厚さが第一壁４１の厚さよりも小さな形状を有している。第三壁４３は、その厚さが第一壁４１の厚さよりも小さな形状を有している。本実施形態では、これら第一壁４１、第二壁４２及び第三壁４３は、それぞれその長手方向（Ｘ軸方向）の全域にわたって一様な厚さに設定されている。そして、第一壁４１の厚さ方向（Ｙ軸方向）の中央を通るとともに当該第一壁４１の長手方向に延びる中心軸は、第二壁４２の厚さ方向（Ｙ軸方向）の中央を通り、かつ、第三壁４３の厚さ方向（Ｙ軸方向）の中央を通る。換言すれば、各壁４１～４３のそれぞれの中心軸は一致している。ここで、図５（ｂ）に示すように、第一壁４１の表面と第二壁４２の表面とは滑らかにつながっており、第一壁４１の表面と第三壁４３の表面とは滑らかにつながっていることが好ましい。このようにすれば、第一壁４１と第二壁４２との境界近傍、及び第一壁４１と第三壁４３との境界近傍への応力集中の発生が抑制される。

　第二壁４２の長手方向の寸法Ｌ１及び第三壁４３の長手方向の寸法Ｌ２は、それぞれ隔壁対向部３０ａと隔壁４０との間の寸法Ｂ（図１を参照）の２分の１以下に設定されることが好ましい。これは、図６に示すように、前記寸法Ｌ１が前記寸法Ｂの２分の１以下となる範囲では、第二壁４２に発生する応力が第一壁４１に発生する応力の２分の１以下となる、という理由に基づいている。そのため、前記寸法Ｌ１を前記寸法Ｂの２分の１以下に設定することにより、第二壁４２の厚さを第一壁４１の厚さの２分の１以下に設定することが可能となる。このことは、第三壁４３についても同様である。本実施形態では、第二壁４２の長手方向の寸法Ｌ１と第三壁４３の長手方向の寸法Ｌ２とを同一としている。

　容器本体１内に高圧のガスが収容されることによって第一壁４１に上下方向の引張荷重が作用したとき、当該第一壁４１内に応力が生じる。この応力が第一壁４１内で均一に分布するように当該第一壁４１の厚さが設定されてもよい。第二壁４２及び第三壁４３についても同様である。このようにすれば、各壁４１～４３の厚さが最適化される。したがって材料に無駄がなくなり、圧力容器が一層軽量化される。

　また、これまで説明してきた容器本体１に高圧ガスが封入されたとき、上壁本体１１と隔壁対向部３０ａとの境界近傍及び底壁本体２１と隔壁対向部３０ａとの境界近傍が相対的に高応力となる。そのため、容器本体１は、前記境界近傍を補強する補強部をさらに有することが好ましい。本実施形態では、高応力となる部位が上壁１０側及び底壁２０側で同様であるので、上壁１０側を例にとって説明する。具体的には、図８及び図９に示すように、上側補強部５１，５２を設けることが好ましい。図８に示す上側補強部５１は、隔壁対向部３０ａの内面と上壁本体１１の内面との境界に形成されており、内側に向かって膨出するとともに当該境界に沿って伸びる形状を有する。図９に示す上側補強部５２は、隔壁対向部３０ａの内面と上壁本体１１の内面との境界を跨ぐように当該隔壁対向部３０ａの内面と上壁本体１１の内面とに接続される形状を有する。なお、これら上側補強部５１，５２は、容器本体１の内面ではなく外面に設けられてもよい。

　以上説明したように、本実施形態の圧力容器では、当該圧力容器への応力集中の発生が抑制される。具体的には、上壁本体１１と隔壁４０との接続部は上壁突出部１２により補強されるので、この部分への応力集中の発生が抑制される。そして、上壁本体１１は、上壁第一室側リブ１３ａ及び上壁第二室側リブ１３ｂにより補強されているので、この上壁本体１１の変形が抑制される。さらに、これら上壁第一室側リブ１３ａ及び上壁第二室側リブ１３ｂは、上壁突出部１２とつながる形状を有しているので、つまり、上壁本体１１と隔壁４０との接続部の近傍で途切れないので、当該リブと上壁本体１１との境界への応力集中の発生が抑制される。このことは、底壁２０側についても同様である。すなわち、この実施形態の圧力容器によれば、容器本体１と隔壁４０との接続部を補強するだけでは抑制することの困難な上壁１０及び底壁２０への応力集中の発生が抑制される。これにより、上壁本体１１及び底壁本体２１の肉厚を小さくすることが可能となるので、圧力容器全体としての軽量化が可能となる。

　また、本実施形態では、上壁第一室側リブ１３ａ及び上壁第二室側リブ１３ｂは、上壁突出部１２の上側で互いにつながるとともに当該上壁突出部１２の上面とつながる形状を有する。このため、上壁本体１１と隔壁４０との接続部や、各リブ１３ａ，１３ｂと上壁突出部１２との境界への応力集中の発生が一層抑制される。

　また、本実施形態では、隔壁４０のうち相対的に小さな引張荷重しか作用していない部分の肉厚が相対的に大きな引張荷重が作用している部分の肉厚よりも小さくなっているので、圧力容器全体として、要求される設計要件を満足しつつ、材料の削減による軽量化が図られている。具体的には、第二壁４２及び第三壁４３のそれぞれの厚さが、当該圧力容器に要求される設計要件を満足する範囲内において、第一壁４１の厚さよりも小さく設定されているので、材料が削減され、これにより圧力容器が軽量化されている。

　また、本実施形態では、第二壁４２の長手方向の寸法Ｌ１及び第三壁４３の長手方向の寸法Ｌ２のそれぞれが隔壁４０と隔壁対向部３０ａとの間の寸法Ｂの２分の１以下となっている。このため、隔壁４０のうち相対的に大きな引張荷重が作用する部位である第一壁４１の長手方向の寸法を十分に確保することが可能となり、これにより前記設計要件が満足される。しかも、隔壁４０のうち相対的に小さな引張荷重しか作用しない部位である第二壁４２及び第三壁４３のそれぞれの厚さが第一壁４１の厚さよりも小さくなっているため、圧力容器の軽量化をも達成することができる。

　次に、本実施形態の変形例について、図７を参照しながら説明する。先に説明したように、容器本体１の第一室及び第二室に高圧ガスが封入されたときの上壁本体１１の変形量は、その中央部に比べ、当該上壁本体１１と周壁３０との接続部に近い部位の方が小さくなる。具体的には、上壁本体１１のうち第一壁４１の厚さ方向（Ｙ軸方向）について当該第一壁４１と隣接する第一領域の変形量よりも、この第一領域以外の第二領域（上壁本体１１のうち第二壁４２の厚さ方向について当該第二壁４２と隣接する領域、及び上壁本体１１のうち第三壁４３の厚さ方向について当該第三壁４３と隣接する領域）の変形量の方が小さくなる。そのため、上壁第一室側リブ１３ａ及び上壁第二室側リブ１３ｂのうち前記第二領域に立設される部位の高さ寸法は、前記第一領域に立設された部位の高さ寸法よりも小さく設定されてもよい。このように、上壁本体１１のうち相対的に小さな応力しか生じない領域である前記第二領域に立設されたリブの高さ寸法を、上壁本体１１のうち相対的に大きな応力が生じる領域である前記第一領域に立設されたリブの高さ寸法よりも小さくすることにより、大幅な重量増を回避しながら、上壁本体１１の強度を向上させることができる。このことは、底壁２０側についても同様である。

　なお、今回開示された実施形態は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した実施形態の説明ではなく特許請求の範囲によって示され、さらに特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれる。

　例えば、上記実施形態では、容器本体１がＹ軸方向に長い直方体形状である例が示されたが、容器本体１は、Ｘ軸方向に長い直方体形状であってもよい。

　また、上記実施形態では、周壁３０の隔壁対向部３０ａは、隔壁４０の長手方向と平行な方向に伸びる形状を有する例について示したが、この隔壁対向部３０ａは、容器本体１の外側に向かって凸となるように湾曲していてもよい。

　ここで、上記実施形態について概説する。

　（１）上記実施形態の圧力容器は、高圧のガスを収容する容器本体と、この容器本体内を第一室と第二室とに二等分するように当該容器本体内に形成された隔壁とを有する。前記容器本体は、前記隔壁の上端と接続される上壁と、この上壁と対向するとともに前記隔壁の下端と接続される底壁と、前記上壁の周縁と前記底壁の周縁とを接続する周壁とを有する。前記上壁は、前記周壁の上端及び前記隔壁の上端に接続される上壁本体と、この上壁本体の外面のうち当該上壁本体の内面と前記隔壁の上端との接続部の裏側に位置する部位から外側に向かって突出する形状の上壁突出部と、前記上壁本体のうち前記第一室の外面に立設された上壁第一室側リブと、前記上壁本体のうち前記第二室の外面に立設された上壁第二室側リブとを有する。前記底壁は、前記周壁の下端及び前記隔壁の下端に接続される底壁本体と、この底壁本体の外面のうち当該底壁本体の内面と前記隔壁の下端との接続部の裏側に位置する部位から外側に向かって突出する形状の底壁突出部と、前記底壁本体のうち前記第一室の外面に立設された底壁第一室側リブと、前記底壁本体のうち前記第二室の外面に立設された底壁第二室側リブとを有する。前記上壁第一室側リブ及び前記上壁第二室側リブは、それぞれ前記上壁突出部につながる形状を有する。前記底壁第一室側リブ及び前記底壁第二室側リブは、それぞれ前記底壁突出部につながる形状を有する。

　この圧力容器によれば、当該圧力容器への応力集中の発生が抑制される。具体的には、前記上壁本体と前記隔壁との接続部は、前記上壁本体の外面のうち前記接続部の裏側に位置する部位から外側に向かって突出する形状の上壁突出部により補強されるので、この部分への応力集中の発生は抑制される。そして、前記上壁本体は、前記上壁第一室側リブ及び前記上壁第二室側リブにより補強されているので、この上壁本体の変形が抑制される。さらに、これらのリブは、前記上壁突出部とつながる形状を有しているので、つまり、前記上壁本体のうち前記接続部の近傍で途切れないので、当該リブと前記上壁本体との境界への応力集中の発生が抑制される。このことは、底壁側についても同様である。すなわち、本圧力容器によれば、前記容器本体と前記隔壁との接続部を補強するだけでは抑制することが困難な応力集中の発生が抑制可能となる。これにより、前記上壁本体の肉厚及び前記底壁本体の肉厚をそれぞれ小さくすることが可能となるので、圧力容器全体としての軽量化が可能となる。

　（２）前記上壁第一室側リブ及び前記上壁第二室側リブは、前記上壁突出部の上側で互いにつながるとともに当該上壁突出部の上面とつながる形状を有していてもよい。

　この態様では、前記上壁本体と前記隔壁との接続部や、各リブと前記上壁突出部との境界への応力集中の発生が一層抑制される。

　（３）前記容器本体は、前記周壁のうち前記隔壁と対向する隔壁対向部と前記上壁本体との境界を補強する上側補強部と、前記隔壁対向部と前記底壁本体との境界を補強する下側補強部とをさらに有していてもよい。

　この態様では、前記隔壁対向部と前記上壁本体との境界及び前記隔壁対向部と前記底壁本体との境界への応力集中が効果的に抑制される。

　（４）前記隔壁は、前記上壁と前記底壁とを結ぶ方向及び当該隔壁の厚さ方向の双方に直交する方向に長い形状を有してもよい。そして、前記隔壁は、当該隔壁の長手方向の中央を含む領域に位置する第一壁と、前記長手方向の一端側に位置する第二壁と、前記長手方向の他端側に位置する第三壁とを有し、前記第二壁の厚さ及び前記第三壁の厚さは、それぞれ前記第一壁の厚さよりも小さく設定されてもよい。

　このように、前記隔壁のうち相対的に小さな引張荷重しか作用していない部分の肉厚を小さくすることにより、圧力容器全体として、要求される設計要件を満足しつつ、材料の削減による軽量化を図ることができる。具体的に、この圧力容器では、前記隔壁のうち当該隔壁の長手方向の中央を含む領域に位置する第一壁に比べ、当該隔壁のうち前記周壁により近い部位、すなわち、当該隔壁の前記長手方向の一端側に位置する第二壁及び他端側に位置する第三壁には、小さな引張荷重しか作用しない。よって、これら第二壁及び第三壁のそれぞれの厚さを、当該圧力容器に要求される設計要件を満足する範囲内において、前記第一壁の厚さよりも小さくすることができる。これにより、材料の削減による圧力容器の軽量化が達成される。

　（５）上記実施形態の圧力容器は、高圧のガスを収容する容器本体と、この容器本体内を第一室と第二室とに二等分するように当該容器本体内に形成された隔壁とを有する。前記容器本体は、前記隔壁の上端と接続される上壁と、この上壁と対向するとともに前記隔壁の下端と接続される底壁と、前記上壁の周縁と前記底壁の周縁とを接続する周壁とを有する。前記隔壁は、前記上壁と前記底壁とを結ぶ方向及び当該隔壁の厚さ方向の双方に直交する方向に長い形状を有する。前記隔壁は、当該隔壁の長手方向の中央を含む領域に位置する第一壁と、前記長手方向の一端側に位置する第二壁と、前記長手方向の他端側に位置する第三壁とを有する。前記第二壁の厚さ及び前記第三壁の厚さは、それぞれ前記第一壁の厚さよりも小さく設定されている。

　本圧力容器では、前記隔壁のうち相対的に小さな引張荷重しか作用していない部分の肉厚を小さくすることにより、圧力容器全体として、要求される設計要件を満足しつつ、材料の削減による軽量化が図られている。具体的に、本圧力容器では、前記隔壁のうち当該隔壁の長手方向の中央を含む領域に位置する第一壁に比べ、当該隔壁のうち前記周壁により近い部位、すなわち、当該隔壁の前記長手方向の一端側に位置する第二壁及び他端側に位置する第三壁には、小さな引張荷重しか作用しない。よって、これら第二壁及び第三壁のそれぞれの厚さを、当該圧力容器に要求される設計要件を満足する範囲内において、前記第一壁の厚さよりも小さくすることができる。これにより、材料の削減による圧力容器の軽量化が達成される。

　（６）前記周壁は、前記隔壁の長手方向と平行な方向に伸びる形状を有して前記隔壁と対向する隔壁対向部を有する。前記第二壁の前記長手方向の寸法は、前記隔壁と前記隔壁対向部との間の寸法の２分の１以下であり、前記第三壁の前記長手方向の寸法は、前記隔壁と前記隔壁対向部との間の寸法の２分の１以下であってもよい。

　この態様では、前記隔壁のうち相対的に大きな引張荷重が作用する部位である第一壁の前記長手方向の寸法が十分に確保され、これにより前記設計要件が満足される。しかも、前記隔壁のうち相対的に小さな引張荷重しか作用しない部位である前記第二壁及び前記第三壁のそれぞれの厚さを前記第一壁の厚さよりも小さくすることができるため、圧力容器の軽量化をも容易に実現することができる。

　（７）前記第一壁の表面と前記第二壁の表面とは滑らかにつながっており、前記第一壁の表面と前記第三壁の表面とは滑らかにつながっていることが好ましい。

　この態様では、前記第一壁と前記第二壁との境界近傍、及び前記第一壁と前記第三壁との境界近傍への応力集中の発生が抑制される。

　（８）前記容器本体内に前記高圧のガスが収容されたときに前記第一壁に前記長手方向及び前記隔壁の厚さ方向のそれぞれに直交する短手方向の引張荷重が作用することによって当該第一壁に生じる応力が当該第一壁内で均一に分布するようにこの第一壁の厚さが設定されていることが好ましい。また、前記容器本体内に前記高圧のガスが収容されたときに前記第二壁に前記短手方向の引張荷重が作用することによって当該第二壁に生じる応力が当該第二壁内で均一に分布するようにこの第二壁の厚さが設定されていることが好ましい。そして、前記容器本体内に前記高圧のガスが収容されたときに前記第三壁に前記短手方向の引張荷重が作用することによって当該第三壁に生じる応力が当該第三壁内で均一に分布するようにこの第三壁の厚さが設定されていることが好ましい。

　この態様では、前記第一壁、前記第二壁及び前記第三壁のそれぞれに作用する引張荷重の分布に応じて各壁の厚さが設定されるので、すなわち、各壁の厚さが最適化されるので、材料の無駄がなくなり、圧力容器が一層軽量化される。

　（９）前記上壁は、前記周壁の上端及び前記隔壁の上端に接続される上壁本体と、この上壁本体のうち前記第一室側の外面に立設された上壁第一室側リブと、前記上壁本体のうち前記第二室側の外面に立設された上壁第二室側リブとを有していてもよい。前記底壁は、前記周壁の下端及び前記隔壁の下端に接続される底壁本体と、この底壁本体のうち前記第一室側の外面に立設された底壁第一室側リブと、前記底壁本体のうち前記第二室側の外面に立設された底壁第二室側リブとを有していてもよい。前記上壁第一室側リブ及び前記上壁第二室側リブは、前記上壁本体の外面のうち前記第一壁の厚さ方向について当該第一壁と隣接する第一領域に立設された部位の高さ寸法よりも、前記上壁本体の外面のうち前記第一領域以外の第二領域に立設された部位の高さ寸法の方が小さな形状を有することが好ましい。前記底壁第一室側リブ及び前記底壁第二室側リブは、前記底壁本体の外面のうち前記第一壁の厚さ方向について当該第一壁と隣接する第三領域に立設された部位の高さ寸法よりも、前記底壁本体の外面のうち前記第三領域以外の第四領域に立設された部位の高さ寸法の方が小さな形状を有することが好ましい。

　この態様では、前記上壁本体のうち相対的に小さな応力しか生じない部位、すなわち、前記上壁本体のうち前記第一壁の厚さ方向について当該第一壁と隣接する第一領域以外の第二領域に立設されたリブの高さ寸法が、前記上壁本体のうち相対的に大きな応力が生じる前記第一領域に立設されたリブの高さ寸法よりも小さくなっている。これにより、大幅な重量増を回避しながら、前記上壁本体の強度の向上が可能となる。このことは、底壁側についても同様である。

Claims

　高圧のガスを収容する容器本体と、この容器本体内を第一室と第二室とに二等分するように当該容器本体内に形成された隔壁とを有する圧力容器であって、
　前記容器本体は、前記隔壁の上端と接続される上壁と、この上壁と対向するとともに前記隔壁の下端と接続される底壁と、前記上壁の周縁と前記底壁の周縁とを接続する周壁とを有し、
　前記上壁は、前記周壁の上端及び前記隔壁の上端に接続される上壁本体と、この上壁本体の外面のうち当該上壁本体の内面と前記隔壁の上端との接続部の裏側に位置する部位から外側に向かって突出する形状の上壁突出部と、前記上壁本体のうち前記第一室の外面に立設された上壁第一室側リブと、前記上壁本体のうち前記第二室の外面に立設された上壁第二室側リブとを有し、
　前記底壁は、前記周壁の下端及び前記隔壁の下端に接続される底壁本体と、この底壁本体の外面のうち当該底壁本体の内面と前記隔壁の下端との接続部の裏側に位置する部位から外側に向かって突出する形状の底壁突出部と、前記底壁本体のうち前記第一室の外面に立設された底壁第一室側リブと、前記底壁本体のうち前記第二室の外面に立設された底壁第二室側リブとを有し、
　前記上壁第一室側リブ及び前記上壁第二室側リブは、それぞれ前記上壁突出部につながる形状を有し、
　前記底壁第一室側リブ及び前記底壁第二室側リブは、それぞれ前記底壁突出部につながる形状を有する圧力容器。
　請求項１に記載の圧力容器であって、
　前記上壁第一室側リブ及び前記上壁第二室側リブは、前記上壁突出部の上側で互いにつながるとともに当該上壁突出部の上面とつながる形状を有する圧力容器。
　請求項１又は２に記載の圧力容器であって、
　前記容器本体は、前記周壁のうち前記隔壁と対向する隔壁対向部と前記上壁本体との境界を補強する上側補強部と、前記隔壁対向部と前記底壁本体との境界を補強する下側補強部とをさらに有する圧力容器。
　請求項１に記載の圧力容器において、
　前記隔壁は、前記上壁と前記底壁とを結ぶ方向及び当該隔壁の厚さ方向の双方に直交する方向に長い形状を有し、
　前記隔壁は、当該隔壁の長手方向の中央を含む領域に位置する第一壁と、前記長手方向の一端側に位置する第二壁と、前記長手方向の他端側に位置する第三壁とを有し、
　前記第二壁の厚さ及び前記第三壁の厚さは、それぞれ前記第一壁の厚さよりも小さく設定されている圧力容器。
　高圧のガスを収容する容器本体と、この容器本体内を第一室と第二室とに二等分するように当該容器本体内に形成された隔壁とを有する圧力容器であって、
　前記容器本体は、前記隔壁の上端と接続される上壁と、この上壁と対向するとともに前記隔壁の下端と接続される底壁と、前記上壁の周縁と前記底壁の周縁とを接続する周壁とを有し、
　前記隔壁は、前記上壁と前記底壁とを結ぶ方向及び当該隔壁の厚さ方向の双方に直交する方向に長い形状を有し、
　前記隔壁は、当該隔壁の長手方向の中央を含む領域に位置する第一壁と、前記長手方向の一端側に位置する第二壁と、前記長手方向の他端側に位置する第三壁とを有し、
　前記第二壁の厚さ及び前記第三壁の厚さは、それぞれ前記第一壁の厚さよりも小さく設定されている圧力容器。
　請求項５に記載の圧力容器であって、
　前記周壁は、前記隔壁の長手方向と平行な方向に伸びる形状を有して前記隔壁と対向する隔壁対向部を有し、
　前記第二壁の前記長手方向の寸法は、前記隔壁と前記隔壁対向部との間の寸法の２分の１以下であり、前記第三壁の前記長手方向の寸法は、前記隔壁と前記隔壁対向部との間の寸法の２分の１以下である圧力容器。
　請求項５又は６に記載の圧力容器であって、
　前記第一壁の表面と前記第二壁の表面とは滑らかにつながっており、前記第一壁の表面と前記第三壁の表面とは滑らかにつながっている圧力容器。
　請求項５又は６に記載の圧力容器であって、
　前記容器本体内に前記高圧のガスが収容されたときに前記第一壁に前記長手方向及び前記隔壁の厚さ方向のそれぞれに直交する短手方向の引張荷重が作用することによって当該第一壁に生じる応力が当該第一壁内で均一に分布するようにこの第一壁の厚さが設定され、
　前記容器本体内に前記高圧のガスが収容されたときに前記第二壁に前記短手方向の引張荷重が作用することによって当該第二壁に生じる応力が当該第二壁内で均一に分布するようにこの第二壁の厚さが設定され、
　前記容器本体内に前記高圧のガスが収容されたときに前記第三壁に前記短手方向の引張荷重が作用することによって当該第三壁に生じる応力が当該第三壁内で均一に分布するようにこの第三壁の厚さが設定された圧力容器。
　請求項５又は６に記載の圧力容器であって、
　前記上壁は、前記周壁の上端及び前記隔壁の上端に接続される上壁本体と、この上壁本体のうち前記第一室側の外面に立設された上壁第一室側リブと、前記上壁本体のうち前記第二室側の外面に立設された上壁第二室側リブとを有し、
　前記底壁は、前記周壁の下端及び前記隔壁の下端に接続される底壁本体と、この底壁本体のうち前記第一室側の外面に立設された底壁第一室側リブと、前記底壁本体のうち前記第二室側の外面に立設された底壁第二室側リブとを有し、
　前記上壁第一室側リブ及び前記上壁第二室側リブは、前記上壁本体の外面のうち前記第一壁の厚さ方向について当該第一壁と隣接する第一領域に立設された部位の高さ寸法よりも、前記上壁本体の外面のうち前記第一領域以外の第二領域に立設された部位の高さ寸法の方が小さな形状を有し、
　前記底壁第一室側リブ及び前記底壁第二室側リブは、前記底壁本体の外面のうち前記第一壁の厚さ方向について当該第一壁と隣接する第三領域に立設された部位の高さ寸法よりも、前記底壁本体の外面のうち前記第三領域以外の第四領域に立設された部位の高さ寸法の方が小さな形状を有する圧力容器。