WO2013190603A1 - 電気機器制御システム - Google Patents

Abstract

　電力およびその他のエネルギーを施設内で制御する場合には、状況に応じた適切な制御を行う必要があるとともに、使用者に対して制御内容に関する情報を提供する必要がある。　発電装置と、蓄エネルギー装置と、電力実績測定装置と、に接続し、気象情報入手手段と、発電装置と、蓄エネルギー装置と、を制御するとともに制御に関する情報を図示する画面を生成する電気機器制御手段と、を備え、電気機器制御手段は、気象情報入手手段より得た気象情報および電力実績測定手段より得た電力の使用に関する実績情報より、未来の施設内の電力需給状況を予測した結果である予測結果情報を生成し、発電手段と蓄エネルギー手段を制御する制御情報を生成し、実績情報と予測結果情報と制御情報に基づく蓄エネルギー量および／または施設内での不足する電力を示す電力状態情報を所定の間隔で時系列にそって図示する画面を生成する。

Description

電気機器制御システム

　本発明は、電気機器制御システムに関する。

　本技術分野の背景技術として、特開２０１１－１３０６１８号公報（特許文献１）がある。この公報には、「発電装置の発電電力を商用電力系統へ送ることによる売電と、商用電力系統の系統電力を蓄電池および電気機器へ送ることによる買電と、に関する電力制御を行う電力制御装置および電力制御方法」が開示されている。

特開２０１１－１３０６１８号公報

　前記特許文献１では、図６に、各時間帯における各種パラメータ（予測負荷消費電力量、予測発電電力量、蓄電電力量など）の様子の一例が開示されている。

　しかしながら、前記特許文献１では、電力の売買による利益の増大については考慮しているものの、電力を安定的に使用できるようにすることは考慮していない。

　そこで、本発明では、電力を安定的に使用できるようにするために、蓄電量に目標値を設定して、安定的に蓄電量を確保することができる電気機器制御システムを提供することを目的とする。

　上記目的を達成するために、例えば、特許請求の範囲に記載の構成を採用する。

　本発明によれば、蓄電量に目標値を設定して、時系列で、予測される蓄電量や実際の蓄電力と比較し、蓄電量が目標値に達するのかどうかを判断し、蓄電量を制御する、あるいは、ユーザに情報提供する。これにより、安定的な電力使用を可能にする、あるいは、ユーザの電力使用に対する意識を高めることができる。

電気機器制御装置周辺の構成図の例である。 電気機器制御装置の内部の構成図の例である。 表示装置で表示される画面の例である。 電気機器制御装置の処理を表すフローチャートの例である。 電気機器制御装置の処理を表すフローチャートの例である。 表示装置で表示される画面の例である。 電気機器制御装置の処理を表すフローチャートの例である。 表示装置で表示される画面の例である。 表示装置で表示される画面の例である。 表示装置で表示される画面の例である。 電気機器制御装置の処理を表すフローチャートの例である。 電気機器制御装置周辺の構成図の例である。 表示装置で表示される画面の例である。 表示装置で表示される画面の例である。 電気機器制御装置の処理を表すフローチャートの例である。 表示装置で表示される画面の例である。 電気機器制御装置周辺の構成図の例である。 表示装置で表示される画面の例である。

　以下、実施例を図面を用いて説明する。

　本実施例では、住宅内の電気機器の制御を行う装置の例を説明する。本実施例では住宅と仮定しているが、小規模な商業施設等であってもよい。

　図１は、本実施例の電気機器制御装置を用いたシステムの構成図の一例である。

　電気機器制御装置１は、通信路１４を経由して電気機器（エアコン１０、照明１１、テレビ１２、電磁調理器１３、蓄電池ユニット３、太陽光発電ユニット４）に接続されており、各電気機器を制御する。また、表示装置２とも接続されており、表示の制御を行う。また、ルータ１６を介して気象情報配信サーバ９とも接続している。

　表示装置２は、電気機器制御装置１から得た映像を表示する機能を備えている。例えばパーソナルコンピュータや小型無線通信機能付き端末に搭載されているアプリケーションやウェブブラウザによって表示を行う。また、表示だけでなくタッチパネルやキーボードなどによる操作手段を持っており、通信路１４を介して操作情報を電気機器制御装置１と交信することも可能である。

　蓄電池ユニット３は、電池デバイスと電池制御装置から成り、外部からの制御に従って、電力線１５から電力を充電し、または放電して電力線１５に出力する。

　太陽光発電ユニット４は、太陽光発電パネルと発電制御装置から成り、外部からの制御にしたがって、太陽光エネルギーを変換して得た電力を電力線１５に出力する。

　分電盤５は、主幹ブレーカー、小容量ブレーカーを備え、商用系統電力８から導入された電力が所定の電力を超えていたら、スイッチを開放し、電力の導通を切断する。

　電力計６は、商用系統電力８から入った電力の量を測定し、その値を時間情報と共に蓄積し、蓄積した情報を通信路１４を通じて電機機器制御装置に送る。

　電力計７は、宅内の発電、充電に関わらない電気機器で消費された電力を測定し、その値を時間情報と共に蓄積し、通信路１４を通じて電機機器制御装置に送る。

　気象情報配信サーバ９は、電機機器制御装置の問い合わせに応じて気象情報の予測情報および実績情報を配信する。気象情報としては、気温、湿度、照度、日照時間、雨量、降雪量、風速、風向などがある。

　エアコン１０、照明１１、テレビ１２、電磁調理器１３は、住宅内の電力線１５に接続されている電気製品であり、使用者の操作または機器の設定等によって電力を使用する。

　通信路１４は、住宅内の無線または有線の通信を行うための経路である。例えば有線のＩＰ通信を行うことができる通信路や、無線ＬＡＮ（ローカルエリアネットワーク）のような通信路であってもよい。

　電力線１５は、住宅内で使用可能な範囲の電力を流すことが可能なケーブルである。各電機機器とは、一般的なコンセントや専用の接続端子を用いて接続している。

　ルータ１６は通信路１４と住宅外の外部ネットワーク１７との間のルーティングを行う機能を有している。

　外部ネットワーク１７は施設外で多数のサーバが接続されたネットワークである。

　図２は、電気機器制御装置１の内部構成の一例である。

　通信バス２１は、電気機器制御装置１内の各機能間の通信を行うための経路である。

　記録部２２は、計算処理部２０で処理を行うために必要なプログラムの保持、および、通信路１４を介して得られる、気象情報配信サーバ９の気象情報や電力計６，７からの電力量に関する情報の蓄積、計算処理部２０で計算して得られた結果の蓄積を行う。

　通信部２４は、通信路１４を介して情報を送受信する。

　計算処理部２０は、各種の予測処理を行う予測手段を備え、記録部２２に蓄積された情報を使用して計算を行う。

　具体的には、まず、記録部２２で蓄積されている気象情報と電力量に関する情報を利用して予測手段による計算を行う。例えば、予測手段により気象情報に含まれる特定の項目と電力の実績情報との相関に基づく予測を行い、予測日の天気予報に最も適合した電力の予測結果情報を計算する。

　予測結果情報としては、予測消費電力と予測発電電力がある。予測消費電力はエアコン１０等の電気機器で消費されると予想される電力であり、予測発電電力は太陽光発電ユニット４が発電すると予想される電力である。

　次に、予測結果情報に基づき、最適な制御情報を計算する。制御情報は、蓄電池ユニット３についての充電と放電と充放電停止の制御と当該制御を行うタイミングが示される情報である。

　なお、制御の方針はさまざまな方針が考えられるが、複数の方針を記録部２２に登録しておき、登録した複数の方針を表示部２３で表示させ、図示しない入力部からユーザが選択できるようにしてもよい。以下では、商用系統電力８の電力は極力使用せずに、充電池ユニット３で充電されている電力と太陽光発電ユニット４から供給される電力を消費電力として活用し、余った発電電力があれば蓄電池ユニット３に蓄電する方針で制御を行うこととする。

　次に、予測結果情報と制御情報に基づき、電力状態情報を計算する。電力状態情報としては、予測蓄電量と予測買い電力がある。予測蓄電量は予測開始時点の蓄電量実績を起点に制御情報に従って充放電が進んだと仮定することで、蓄電池ユニット３で蓄電されると予想されるで電力量である。また、予測買い電力は、予測消費電力と予測発電電力と蓄電池ユニット３の充放電電力の和から計算し、電力会社から買う必要があると予想される電力である。

　以上のように、計算処理部２０は、予測結果情報、制御情報、電力状態情報を生成し、これらを記録部２２に記録する。さらに、計算処理部２０は、記録された各情報に基づき、画面情報を生成し、表示部２３や表示装置２に生成した画面情報を表示させる。また、制御情報に従って、蓄電池ユニット３の制御を行う。

　図３は、表示部２３や表示装置２で表示される画面の一例である。

　表示画面４１には、予測蓄電量３０、放電実施予定期間３１、充電実施予定期間３２および充放電停止予定期間３３が時系列で示される。

　また、表示画面４２には、予測消費電力３４および予測発電電力３５が時系列で示される。

　また、表示画面４３には、予測買い電力３６が時系列に示される。

　図３の表示では、予想消費電力が予想発電電力を上回る場合には、足りない消費電力を放電した電力で補い、放電した分だけ蓄電量は減っていることが分かる。また、予想消費電力が予想発電電力を下回る場合には、余った発電電力を充電し、充電した分だけ蓄電量は増えていることが分かる。また、発電されなくなった後は、予想消費電力を放電した電力で補い、蓄電量がなくなった後は、買い電力で補っていることが分かる。

　このように、図３のような表示により、ユーザは時系列に沿った各電機機器の電力の需給動向を把握することができ、電力使用の参考にすることができる。

　図４は、電気機器制御装置１が生成した制御情報に基づき蓄電池ユニット３の制御の行う手順を示したフローチャートである。

　まず、制御が行われるタイミングかどうかチェックする（Ｓ１０１）。制御が行われる時間でなければそのまま待機する。ここで制御が行われるタイミングは、充放電の制御の動作が切り替わるタイミングである。

　制御を行う時間であった場合、計算処理部２０は、その時間に対応する制御情報を記録部２２から読み出す（Ｓ１０２）。

　そして計算処理部２０は、その時刻の制御情報が充電であるかどうか確認する（Ｓ１０３）。制御情報が充電であれば、計算処理部２０は、充電命令を発行し、通信部２４および通信路１４を介して蓄電池ユニット３へ命令を伝達する。蓄電池ユニット３はその命令に従い、充電を行う（Ｓ１０４）。

　制御情報が充電でなければ、計算処理部２０は、制御情報が放電であるかどうか確認する（Ｓ１０５）。

　制御情報が放電であれば、計算処理部２０は、充電の場合と同様に放電命令を発行し、蓄電池ユニット３はその命令に従い、放電を行う（Ｓ１０６）。

　制御情報がいずれでもなければ、計算処理部２０は、停止命令を発行し、充電の場合と同様、蓄電池ユニット３はその命令に従い、充放電を停止する（Ｓ１０７）。

　Ｓ１０４、Ｓ１０６、Ｓ１０７のいずれかの処理を行った後、計算処理部２０は、発行した制御の命令を実績として、記録部２２へ記録し、Ｓ１０１の確認に戻る（Ｓ１０８）。

　図５は、計算処理部２０で生成した情報を図３のように表示装置２あるいは表示部２３に表示させる手順について示したフローチャートである。

　まず、表示装置２より通信路１４を介した表示の問い合わせが来ているか、または表示部２３に表示を行うタイミングか判定する（Ｓ２０１）。

　表示のタイミングである場合、計算処理部２０は、記録部２２より最新のデータを読み出す（Ｓ２０２）。

　次に計算処理部２０は、最新のデータに従い表示する画面を生成する（Ｓ２０３）。

　次に計算処理部２０は、生成した画面データを表示先に送信する（Ｓ２０４）。ここで表示先とは表示部２３または表示装置２である。表示先が表示装置２の場合は通信部２４を介して送信する。また、双方に同様の内容を表示してもよい。

　表示した後はまたＳ２０１の判定に戻る。

　もし表示のタイミングでない場合、実績取得のタイミングであるか否か判定する（Ｓ２０５）。実績取得のタイミングは所定の間隔をあらかじめ設定してあるものとする。図３のような表示を行う場合、時刻の軸の１間隔が１時間であるため、少なくとも１時間間隔で実績を取得することが必要である。

　実績取得のタイミングである場合、電気機器から実績に関する情報を取得する（Ｓ２０６）。ここで取得する情報とは電力計６、電力計７から得られる消費電力情報、蓄電池ユニット３から得られる蓄電量の情報、太陽光発電ユニット４から得られる発電電力の実績、気象情報配信サーバ９から得られる天気の実績である。

　そして取得した実績情報を取得した時刻の情報と共に記録部２２へ格納する（Ｓ２０７）。格納する際に値の単位変換なども合わせて行う。

　格納したあとはＳ２０１の判定へ戻る。

　このように、表示と実績情報の取得について、実行するかどうかの判定と実行処理を一定の間隔で繰り返すことにより、表示の問い合わせがあった場合に最新の実績情報に基づく画面データを生成して表示することが可能になる。

　図３では予測の結果と予測に基づいて生成した制御情報について画面に表示する場合について示した。しかし、図５のように実績情報を取得した場合、実際の天候や消費電力の変動によって、予測が外れることがありえる。このような場合は、最新の実績情報に基づき、最適な制御に切り換える必要がある。また、最新の実績情報により変更された予測結果情報、制御情報や電力状態情報を使用者に示す必要がある。図６、図７を用いてその手順について説明する。

　図６では、予測した内容と実績にずれが生じた場合の表示の内容について示している。この例では、１２時は表示を行った現在時刻であり、６時から１２時まで記録部２２に格納した制御情報にそって制御を実施した場合である。１２時以降が、最新の情報で更新された各情報の表示である。

　実績を含めた蓄電量推移の表示画面５１においては、使用者に対して予測と実績の蓄電量を確認できるようにするため、予測蓄電量３０と並列して実績蓄電量３７を示している。また合わせて充放電実績の表示項目が追加されている。この充放電実績は図５のＳ２０７で記録部２２に格納されたものである。

　実績を含めた消費電力と発電電力の表示画面５２においては、実績消費電力３８と実績発電電力３９が表示されている。

　買い電力推移の表示画面５３においては、実績買い電力の表示を行う。６時から１２までの間で実績買い電力が発生していないため、画面上は表示されていない。もし実績買い電力が発生している場合は、画面上に表示される。

　実績蓄電量３７、実績消費電力３８および実績発電電力３９は実績情報から生成する。

　図７では、予測した内容と実績にずれが生じた場合の制御情報と電力状態情報の更新を行うために必要な手順について示している。

　まず、計算処理部２０は、制御を行う時間かどうかチェックする（Ｓ３０１）。

　制御を行う時間である場合、計算処理部２０は、記録部２２から予測結果情報と実績情報を読み出す（Ｓ３０２）。

　予測結果情報と実績情報との差分を計算し、その差分が所定の閾値より小さいかどうか判断する（Ｓ３０３）。閾値以上であった場合に、予測とのずれがあったと判断する。

　予測とのずれがあった場合は、最新の気象情報と実績情報を取得する（Ｓ３０４）。

　そして、取得した情報に基づき、予測を再度行い、予測結果情報とそれに基づく制御情報と電力状態情報を生成する（Ｓ３０５）。

　図６の例によれば、生成された１２時以降の予測結果情報は、予測消費電力３４ａおよび予測発電電力３５ａに更新されて表示される。

　また、図６の例によれば、生成された１２時以降の電力状態情報は、予測蓄電量３０ａおよび予測買い電力３６ａに更新されて表示される。

　図６の例によれば、生成された１２時以降の制御情報は、充放電予定上で放電予定期間３１ａ、充電予定期間３２ａおよび充放電停止予定期間３３ａに更新されて表示される。

　実績情報と予測結果情報と制御情報と電力状態情報を記録部２２に格納する（Ｓ３０６）。

　そして格納された最新の制御情報に沿った制御を実施する（Ｓ３０７）。　これまでの例では蓄電池ユニット３は、太陽光発電ユニット４から供給される電力を一時的に蓄積する用途で用いた。この場合、商用系統電力８からの電力は使用せずに、予測と実績がずれた場合にその都度、予測と制御の内容を更新することになる。蓄電池ユニット３に蓄積した電力を所定の時間に必ず利用できるようにするためには、安定的に蓄電可能にする必要がある。例えば電磁調理器１３を特定の時間に利用する場合がある。蓄積した電力を所定の時間に必ず利用できるようにするために充電に目標値を設定できるようにする。安定的に蓄電して目標を達成するために商用系統電力８も利用することとする。

　蓄電量に目標値を設定する場合について図８、図９、図１０、図１１を用いて説明する。

　図８では、予測を行い、実績を考慮していない状態の画面表示を示している。蓄電量推移の表示画面６１、消費電力と発電電力の表示画面６２、買い電力推移の表示画面６３の例を示している。予測の状態としては図３と同様であるが、目標値６５が表示画面６１中の１６時の時点に設定されている点が異なる。これは１６時までに目標値６５が示す蓄電量まで蓄電をする必要があることを示している。画面表示６３に示すように、１６時までに予測買い電力３６が発生していないことから、商用系統電力８を利用せずに目標値に達する見込みであることが分かる。

　目標値の値は過去の実績を学習することによって必要な蓄電量を決定する方法や、目標値を使用者が設定する方法などで決定する。

　図９では、１４時まで時刻が経過した場合の実績を反映した、蓄電量推移の表示画面７１、消費電力と発電電力の表示画面７２、買い電力推移の表示画面７３の例を示している。

　図９では、実績消費電力３８が、９時から１１時の間で予測消費電力３４よりも大きくなってしまっていることが分かる。その影響で表示７１の充放電実績の１１時から１２時の間で予定外の放電を行っている。結果として１４時の時点で予測の蓄電量に達していない。

　図１０では、目標値に達さないことが判断できた場合の処理を行ったあとの蓄電量推移の表示画面８１、消費電力と発電電力の表示画面８２、買い電力推移の表示画面８３の例を示している。

　図１１では、図９で示した状態において、図１０の表示を実現するための手順を表すフローチャートを示している。

　図１１のフローチャートについて説明する。

　まず条件として、目標値６５に対して、商用系統電力８を規定の範囲で利用して充電を行った場合に充電できる最短時間をあらかじめ計算処理部２０は計算しておき、目標値６５に紐付けて記録部２２に記録しておく。目標値６５の設定時刻からその最短時間を引いた時刻が計画が外れた場合に復帰可能な最終時刻である。その時刻以降は予測との乖離が大きくなると目標を達成できなくなる可能性があるため、確認が必要になる。図９の例では当該最終時刻が１４時となる。

　まず、計算処理部２０は、目標値６５との差分確認をするべき時刻かどうか確認する（Ｓ４０１）。もし確認するべき時刻に達していなければそのまま終了する。このようにするのは、ある時点で予想を下回っていたとしても、その時点以降で予想以上に充電ができる可能性があるからである。

　もし確認するべき時刻に達していた場合は、計算処理部２０は、予測結果情報と実績情報を記録部２２から読み出す（Ｓ４０２）。

　そして商用系統電力８を利用せずに、現時点の蓄電量が目標値６５を達成するために最低限必要な蓄電量に達しているかどうか確認する（Ｓ４０３）。もし達していればそのまま終了する。

　もし達していなければ、計算処理部２０は、商用系統電力８を規定量利用した充電の制御命令を制御情報として発行する（Ｓ４０４）。

　そして計算処理部２０は、その制御情報に基づく電力状態情報を再計算する（Ｓ４０５）。

　再計算した結果を計算処理部２０は、記録部２２に格納し終了する。未来の時間帯の分については既存の情報を上書きする（Ｓ４０６）。

　画面表示８１、８２、８３においては、更新された予測蓄電量３０ａ、更新された放電予定期間３１ａ、更新された充電予定期間３２ａ、更新された充放電停止予定期間３３ａ、更新された予測消費電力３４ａ、更新された予測発電電力３５ａ、更新された買い電力３６ａが上書きされた情報に相当する。

　格納された制御情報を用いて図４の手順で制御することで、予想が外れた場合でも目標値６５を達成できる制御を行うことができる。格納された予測結果情報と制御情報と電力状態情報を用いて図５の手順で画面を生成することで図１０のような表示が可能になる。

　図９に示す状態では、１４時の時点での画面表示７１での実績蓄電量３７が目標値６５を満たすには足りていないため、図１０に示すように１４時から１６時の間で商用系統電力８を利用した充電計画を発行している。その結果、画面表示８３の更新された買い電力３６ａを参照すると、１４時から１６時の間で買い電力が発生していることが分かる。そのような制御を前提として予測を再作成した結果、画面表示８１の更新された予測蓄電量３０ａが１６時の時点で目標値６５を達成している。

　なお、図９では、図１１のＳ４０３で、実績蓄電量の目標値からの不足分が所定の閾値以上であるという判断をしていることになるが、図１１のＳ４０３では、予測蓄電量の目標値からの不足分が所定の閾値以上であるかどうかを判断してもよい。

　以上の構成および手順を実施することで、気象情報と住宅内の実績情報を用いて生成した予測結果情報に基づく制御情報及び電力状態情報を時系列に沿って適切に使用者に提示しつつ、その情報に基づく電気機器の時系列に沿った制御を実現可能にし、使用者に対して、現在と未来の宅内のエネルギー状況を実際の制御に即して正しく伝達させることができる。

　宅内の状況が変化した場合においても、最新の予測情報と住宅内の実績情報に応じてエネルギー状況を動的に更新して、常に新しい情報提供と制御を実現させることができる。

　予測に基づく制御であるため、瞬間の情報のみを用いた制御と比較して、一定の間隔で制御を行うことが可能になり、不必要な制御が連続して発生するようなことが無い。

　蓄電量の目標値を設定する必要がある場合でも、予測情報を用いているため、その目標が達成可能かどうか見える形で使用者に示すことができる。また状況に応じて制御を切り換えることで、目標に達しない状況になった場合でも、目標を達成できることを示す表示および制御を動的に行うことが可能になる。

　本実施例では、蓄電池ユニット３の代わりにヒートポンプ給湯器１８を用いた電気機器制御装置のシステムについて説明する。

　図１２は、実施例２における電気機器制御装置１を用いたシステムの構成例である。図１２のうち、既に説明した図１の符号と同一の符号を付された構成については、説明を省略する。

　図１２では、図１と比較して、ヒートポンプ給湯器１８が接続されている点が異なる。ヒートポンプ給湯器１８は電気を利用して水を熱湯にし、溜めておくことができる装置であり、電気エネルギーを熱エネルギーとして蓄積して使用者に提供する装置と見なすことができる。

　ヒートポンプ給湯器１８の実績情報としては湯の使用時間と使用量があり、図５のＳ２０５の手順で回収される実績情報にはこれらが含まれる。

　図１３では、ヒートポンプ給湯器１８の動作を示す画面表示９０を示している。この図ではある時間に蓄積されている蓄積湯量９１と湯沸かし予定期間９２を同時に表している。

　計算処理部２０は、気象情報と実績情報を用いて、その相関関係から、どの時間帯にどの程度の量の湯が消費されるか推測し、気象情報と実績情報を得ることで画面表示９０における７時から９時、１７時から２０時のように湯が使用される時間帯を予測することができる。

　また制御情報として蓄電池ユニット３の充放電の制御と同時に、湯沸かし予定期間９２を作成することで、実施例１における画面表示４１、画面表示４２、画面表示４３に加えて画面表示９０を利用者に提供することが可能である。

　湯量を蓄電量と見なすことで、図１１の手順により目標値に対する制御も可能である。

　図１２では、ヒートポンプ給湯器１つ及び蓄電池ユニット１つが接続されているが、それぞれ複数台接続されていてもよい
　この場合、電力状態情報である複数の予測蓄電量や複数の予測蓄積湯量、必要に応じて単位を変換するなどして、必要な装置数分だけ合算して表示してもよい。

　すなわちヒートポンプ給湯器や蓄電池ユニットのような電気エネルギーを何らかの形で蓄積、取り出すことができる蓄エネルギー装置を複数台接続した場合でも実施例１で示した効果が得られる。

　本実施例では、実施例１と同様の構成により、画面上にユーザへの補足情報を提示する一例を説明する。

　図１４では、予測を行い、実績を考慮していない状態の画面表示を示している。図８の場合と比較して目標値１２１が高く、１６時の時点で予測蓄電量３０が目標値１２１に達していない。また１６時の時点に画面上に注意を喚起するマーク１２２が表示されている。

　マーク１２２は目標値に達しないことを使用者に知らせるものである。またマーク１２２を使用者が表示装置２を操作して選択することで、目標に達しない理由を使用者に伝えることができる。

　図１５では、図１４の表示のうちマーク１２２の表示を実現するための手順について示したフローチャートである。

　まず、計算処理部２０は、各表示時刻において目標との差分を確認する時間かどうかを判断する（Ｓ５０１）。差分を判断するべき時刻ではない場合は何もせず終了する。

　差分を判断するべき時刻の場合には、計算処理部２０は、予測結果情報と実績情報を記録部２２から読み出す（Ｓ５０２）。

　そして、計算処理部２０は、差分を確認するべき時刻(１６時前)に、１６時の予測蓄電量３０と、目標値１２１を比較して、予測蓄電量３０の目標値１２１からの不足分が所定の閾値以上かどうか確認する（Ｓ５０３）。閾値以上でない (予測蓄電量３０が目標値１２１に達している、あるいは、予測蓄電量３０の目標値１２1からの不足分が閾値以下である) 場合は、処理を終了する。

　予測蓄電量３０の目標値１２1からの不足分が閾値を超えていたら、計算処理部２０は、表示装置２または表示部２３、もしくはその両方を制御して、画面表示１２０においてマーク１２２を表示させる（Ｓ５０４）。

　次に、計算処理部２０は、予測結果情報と実績情報を比較して、目標値からの不足分が大きい原因を判断する（Ｓ５０５）。

　そして、計算処理部２０は、予測消費電力３４と予測発電電力３５とを比較し、過去の傾向も考慮して、例えば、予測発電電力３５が不足していれば、「発電電力が不足しているため目標値に達しません」という判断結果を記録する。また、予測消費電力３４が多ければ、「消費電力が多いため目標値に達しません」という判断結果を記録する。（Ｓ５０６）
　ここで、過去の傾向を考慮するために、計算処理部２０は記録部２２から所定の期間の消費電力の時間毎の平均値と発電電力の平均値を算出し、過去の傾向と似ているかどうかを判断する。

　計算処理部２０は、判断結果及び原因の情報を記録部２２へ格納し処理を終了する（Ｓ５０６）。

　使用者がマーク１２２を選択した場合、計算処理部２０は記録部２２からＳ５０６で記録した情報を呼び出し、表示装置２または表示部２３、もしくはその両方を制御して記録されている情報を画面上に表示する。

　さらに、以上説明した図１５の手順を利用することで実績情報が目標値１２１と大きく乖離した場合にも図１６に示すような表示が可能になる。

　図１６では、現在時刻１４時において、実績蓄電量３７が目標値６５を大きく下回っているため、マーク１３１が表示されている。

　当該表示は、図１５において、次のように処理される。

　Ｓ５０１における目標との差分を確認する時刻が１４時である場合に、実績蓄電量３７の目標値６５からの不足分が閾値以上でこのままだと目標値に達しないと判断される（Ｓ５０３）。そして、目標値からの不足分が大きいことを示す情報を画面に表示する（Ｓ５０４）。次に、計算処理部２０は、目標値と予測結果情報と実績情報とから、目標値からの不足分が大きい原因を判断する（Ｓ５０５）。

　そして、計算処理部２０は、一定の期間ごとに実績消費電力３８と目標値１２１との差分を比較し、差分がもっとも大きい期間について、例えば図１６の場合は「９時～１１時の期間で予測よりも電力消費が大きかったためこのままだと目標値に達しません。」という情報を記録部２２に記録する。（Ｓ５０６）
　以上、本実施例によれば、使用者に電力の状態に関する情報を提示するとともに、目標と大きく乖離した場合の情報を合わせて提示することができるため、使用者の電力使用に関する意識を高めることができる。

　本実施例では、家電機器に監視カメラ１９を加えた場合に使用者にその情報も提供する。

　図１７では本実施例での構成図の一例を示している。図１の符号と同一の符号を付された構成については、説明を省略する。

　図１７は図１の構成図と比較して、監視カメラ１９が追加されている点が異なる。

　監視カメラ１９は通信路１４を経由して電気機器制御装置１と通信可能であり、その動作を電機器制御装置１で制御することが可能である。また、監視カメラ１９で撮影した動画像を電気機器制御装置１へ送信することが可能である。

　監視カメラ１９は通常の動画像の撮像機能に限定されない。、例えば赤外線映像の撮像機能や赤外線センサ機能であってもよい。なお、本実施例では監視カメラ１９はリビングに設置されているものとする。

　図１８は図１７の構成で実現される画面表示の一例である。画面表示１４０では図６の画面５１の表示内容に加えてリビングカメラの映像１４１が表示されている。

　リビングカメラの映像１４１は、監視カメラ１９で撮影した映像を動画像データとして電気機器制御装置１の通信部２４で受信し、計算処理部２０が、そのデータを映像として画面表示１４０上に合成している。

　また所定の条件が満たされた時刻で、リビングの状態についての情報１４２、１４３を表示することができる。情報１４２では、リビングに５名入室したことを表示している。情報１４３ではリビングから３名退出したことを表示している。このようなリビングの人の出入りを把握するために、計算処理部２０が監視カメラ１９より送られてきた情報を元に人体検知処理を行っているものとする。人体検知処理としては、動画像を元にした顔認識による個人識別処理や赤外線情報による生物検知処理がある。

　情報１４２、１４３を常時表示していると、画面表示１４０上に表示される情報が増えすぎて使用者の状況理解を妨げるおそれがある。

　このため、例えば、予測消費電力３４と実績消費電力３８の差分が閾値を越えた場合、閾値を超えた時刻を起点に一定時間さかのぼった範囲で情報１４２、１４３を表示するなどして重要な場面でのみ情報提供を行う
　例えば、図１８では、画面表示１５０にあるように、１２時の時点で実績消費電力３８が予測消費電力３４を大きく下回っている。そのため１２時を起点に６時間の範囲でリビングの状態についての情報１４２、１４３を表示する。

　使用者はこれらの情報を参照することで、１２時になる前にリビングから３名退出したことにより、実績消費電力３８が減った可能性があると推測できる
　以上、本実施例によれば、使用者に電力の状態に関する情報を提示するとともに、電力状態に影響のある監視カメラ１９で得た情報をを提示することができ、使用者の電力使用に関する理解を助けることができる。本実施例では監視カメラ１９をリビングに設置すると仮定したが、一般店舗などの人の出入りの多い所に設置することで、客の出入りと電力の相関関係を読み取ることも可能になる。

　なお、本発明は上記した実施例に限定されるものではなく、様々な変形例が含まれる。例えば、上記した実施例は本発明を分かりやすく説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。また、ある実施例の構成の一部を他の実施例の構成に置き換えることが可能であり、また、ある実施例の構成に他の実施例の構成を加えることも可能である。また、各実施例の構成の一部について、他の構成の追加・削除・置換をすることが可能である。

　また、上記の各構成、機能、処理部、処理手段等は、それらの一部又は全部を、例えば集積回路で設計する等によりハードウェアで実現してもよい。また、上記の各構成、機能等は、プロセッサがそれぞれの機能を実現するプログラムを解釈し、実行することによりソフトウェアで実現してもよい。各機能を実現するプログラム、テーブル、ファイル等の情報は、メモリや、ハードディスク、ＳＳＤ（Solid State Drive）等の記録装置、または、ＩＣカード、ＳＤカード、ＤＶＤ等の記録媒体に置くことができる。

　また、電力線や通信路は説明上必要と考えられるものを示しており、製品上必ずしも全ての電力線や通信路を示しているとは限らない。実際には殆ど全ての構成が相互に接続されていると考えてもよい。

１　電気機器制御装置
２　表示装置
３　蓄電池ユニット
４　太陽光発電ユニット
５　分電盤
６　電力計
７　電力計
８　商用系統電力
９　天気情報配信サーバ
１０　エアコン
１１　照明
１２　テレビ
１３　電磁調理器
１４　通信路
１５　電力線
１６　ルータ
１７　外部ネットワーク
１８　ヒートポンプ給湯器
２０　計算処理部
２１　通信バス
２２　記録部
２３　表示部
２４　通信部

Claims (5)

1. 　施設外で発電された電力を入力し、出力する商用系統電力部と、
   　施設に設置され、電力を発電し、出力する発電ユニットと、
   　施設に設置され、前記商用系統電力部あるいは前記発電ユニットから出力された電力を蓄電し、放電する蓄電ユニットと、
   　施設内に設置され、前記商用系統電力部あるいは前記発電ユニットで出力された電力もしくは前記蓄電ユニットで放電された電力を消費する電気機器と、
   　前記商用系統電力部、前記発電ユニット、前記蓄電ユニット及び前記電気機器と通信により接続され、電気機器の電力消費に関する制御を行う電気機器制御装置と、
   からなる電気機器制御システムであって、
   　前記電気機器制御装置は、
   　前記蓄電ユニットで蓄電される電力の実績値を記録する記録部と、
   　蓄電量について、予め設定された目標値から前記実績値が所定の閾値以上不足している場合に、前記蓄電ユニットに対して、前記商用系統電力部から出力される電力を蓄電するように制御する計算部とを備えることを特徴とする電気機器制御システム。
2. 　前記記録部は、さらに、前記商用系統電力部から出力される電力、前記発電ユニットから出力される電力、前記電気機器で消費される電力のそれぞれの実績値を記録し、
   　前記計算部は、前記記録部で記録された実績値から、前記蓄電ユニットで蓄電される蓄電量の予測値を算出し、
   　前記計算部は、蓄電量について、予め設定された目標値から前記予測値が所定の閾値以上不足している場合に、前記蓄電ユニットに対して、前記商用系統電力部から出力される電力を蓄電するように制御することを特徴とする請求項１に記載の電気機器制御システム。
3. 　さらに、前記電気機器制御装置と通信で接続された表示装置を備えるか、あるいは
   　前記電気機器制御装置が、さらに表示部を備え、
   　前記記録部は、さらに、前記商用系統電力部から出力される電力、前記発電ユニットから出力される電力、前記電気機器で消費される電力のそれぞれの実績値を記録し、
   　前記計算部は、前記記録部で記録された実績値から、前記蓄電ユニットで蓄電される蓄電量の予測値を算出し、
   　蓄電量について、前記実績値、前記予測値、予め定められた目標値、蓄電及び放電の制御状態の実績、あるいは、蓄電及び放電の制御状態の予定を前記表示装置あるいは前記表示部に表示させることを特徴とする請求項１に記載の電気機器制御システム。
4. 　さらに、前記電気機器制御装置と通信で接続された表示装置を備えるか、あるいは
   　前記電気機器制御装置が、さらに表示部を備え、
   　前記計算部は、蓄電量について、予め設定された目標値から前記実績値が所定の閾値以上不足している場合に、前記表示装置あるいは前記表示部に警告表示をさせることを特徴とする請求項１に記載の電気機器制御システム。
5. 　さらに、前記電気機器制御装置と通信で接続された表示装置を備えるか、あるいは
   　前記電気機器制御装置が、さらに表示部を備え、
   　前記記録部は、さらに、前記商用系統電力部から出力される電力、前記発電ユニットから出力される電力、前記電気機器で消費される電力のそれぞれの実績値を記録し、
   　前記計算部は、前記記録部で記録された実績値から、前記蓄電ユニットで蓄電される蓄電量の予測値を算出し、
   　前記計算部は、蓄電量について、予め設定された目標値から前記予測値が所定の閾値以上不足している場合に、前記表示装置あるいは前記表示部に警告表示をさせることを特徴とする請求項１に記載の電気機器制御システム。

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