WO2013122111A1 - 球面モータの制御方法 - Google Patents

球面モータの制御方法 Download PDF

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永吉 笠島
矢野 智昭
芦田 極
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独立行政法人産業技術総合研究所
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Abstract

 球面モータ(10)の制御方法では、ステータ(14)のコイル(18)の各々に単位電流を供給したときにロータ(12)又はステータ(14)に作用するトルクベクトルについて、ロータ(12)の座標系におけるコイル(18)の位置をパラメータとして対応付けたトルクマップを予め作成して記憶しておき、ステータ(14)の座標系において測定されたロータ(12)の姿勢から目標姿勢にロータ(12)を駆動するためにロータ(12)に作用させるべきトルクベクトルから、測定されたロータ(12)の姿勢と予め作成したトルクマップとに基づいて、ステータ(14)のコイル(18)の各々に供給する電流値を求め、求められた電流値をステータ(14)の各コイル(18)に供給する。

Description

球面モータの制御方法
 本発明は、回転中心が一致する多自由度の回転運動を1台で実現する球面モータの制御方法に関する。
 一般的な回転モータは1自由度の回転運動しかすることができず、多自由度の回転が必要な場合には、複数の回転モータを組み合わせることによって実現されていたが、近年、回転中心が一致する多自由度の回転運動を1台で実現する球面モータが開発されてきた。
 特許文献1には、本件発明者の発明に係る3次元モータが記載されている。特許文献1に記載の3次元モータは、互いに直交する3方向の軸の周りにそれぞれ回転磁界を発生させる巻線を設け、それによって任意の方向の合成回転磁界の発生を可能としたステータと、そのステータ内に任意の方向に回転可能に支持され、ステータの回転磁界により回転するロータとを備えたものである。この3次元モータは、ロータに永久磁石を用いれば3次元同期モータ、ロータに誘導電流が流れる素材を用いれば3次元誘導モータ、ロータに凸極の磁性体を用いれば3次元リラクタンスモータが構成できる。
 特許文献2には、本件発明者の発明に係る球面ステッピングモータが記載されている。特許文献2に記載の球面ステッピングモータは、ロータに内接する多面体を構成する多角形とステータに内接する多面体を構成する多角形の角数が互いに素の関係にあって、内接する多面体の頂点および各面の中心に永久磁石を配置したロータと、内接する多面体の頂点および各面の中心にコイルを配置したステータとからなることを特徴としている。この球面ステッピングモータでは、ロータの永久磁石とステータのコイルの組み合わせとして、ロータ側にコイルを配置しステータ側にコイルを配置する構成、ロータ側に磁性体を配置しステータ側にコイルを配置する構成、ロータ側に永久磁石を配置しステータ側に永久磁石と電磁石のハイブリッド構成を配置する構成、またはロータ側に永久磁石とコイルのハイブリッド構成を配置しステータ側に永久磁石とコイルのハイブリッド構成を配置する構成が採用可能となっている。
 特許文献3には、本件発明者の発明に係る球面ステッピングモータおよび球面ACサーボモータが記載されている。特許文献3に記載の球面ステッピングモータは、ロータに内接する多面体を構成する多角形とステータに内接する多面体を構成する多角形の角数が互いに素の関係にあって、内接する多面体の頂点、辺の中心および各面の中心に永久磁石を配置したロータと、内接する多面体の頂点および各面の中心にコイルを配置したステータとからなることを特徴とする。ロータの永久磁石をハルバッハ配列としてコイルに正弦波電流を流すことにより球面ACサーボモータを構成できる。
 非特許文献1には、球面同期モータが記載されており、その構成は特許文献1に記載の3次元モータと同じである。
 非特許文献2には、球面リラクタンスモータが記載されている。この球面リラクタンスモータは、ステータの上下2段に円周上に配置した合計20個のコイルで回転磁界を作成し、ロータの上下2段に円周上に配置した凸極とのリラクタンスの変化を利用して回転力を発生するものである。
 非特許文献3には、球面ステッピングモータが記載されている。この球面ステッピングモータは、ステータの底面中心に1個、その周りに5個、さらに外側に10個の合計16個のコイルをそれぞれ底面中心を中心とする円周上に配置し、ロータの底面中心を中心とする円周上にそれぞれ4個、8個、12個の合計24個の永久磁石を配置し、ロータを動かしたい近傍のコイルに電流を流すことによりロータの磁石を引きつけてロータを回転させるものである。
 非特許文献4には、非特許文献3に記載の球面ステッピングモータと異なる構成を有する球面ステッピングモータが記載されている。この球面ステッピングモータは、球形のロータとステータを有し、ロータおよびステータを経度と緯度で分割し、ロータは各々の区画にN極とS極が表面を向いた永久磁石を交互に配置し、ステータは各々の区画にコイルが配置されている。また、ロータは4段12極の48極の永久磁石を、ステータには1段あたり16個で6段96個のコイルが配置されている。
 非特許文献5には、非特許文献3に記載の球面ステッピングモータと異なる構成を有する球面ステッピングモータが記載されている。この球面ステッピングモータは、球形のロータとステータを有し、ロータは、内接する正十二面体と正二十面体の頂点に対応する位置にN極が表面を向いた永久磁石を32個、ステータは平面格子をステータの内旧に投影した格子点上にコイルを84個配置されている。ロータを動かしたい近傍のコイルに電流を流すことによりロータの磁石を引きつけてロータを回転させるものである。
特許第1946377号公報 特許第4831682号公報 特開第2009-077463号公報
J.Wang,; K.Mitchell,; G.W.Jewell;D.Howe,: Multi-Degree-of Freedom Spherical permanent MagnetMotors,Proc.ICRA2001 pp.1798-1805,2001 K.M.Lee, H.Son, J.Joni: ConceptDevelopment and Design of a Spherical Wheel Motor (SWM).IEEE Transactions onProceedings of the 2005 IEEE Int. Conf. Robotics and Automation, pp3663-3668,2005 David Stein,; Gregory S.Chirikjian,: Experiments in the Communication and Motion Planning of aSpherical Stepper Motor. ASME paper DET00/MECH-14115, pp.1-7, 2000 K.Kahlen,; R.W.De Doncker:Current regulators for multiple-phase permanent magnet spherical machines.Proc. 2000 IEEE Industrial Application, pp.2011-2015, 2000 Seiji Ikeshita, Akio Gofuku,Tetsushi Kamegawa, Takakazu Nagai,; Development of a spherical motor driven byelectro-magnets, Journal of Mechanical Science and Technology, Vol. 24, No. 1,pp.43-46, 2010
 特許文献1、非特許文献1および非特許文献2に記載の球面モータは、上平面および下平面内の円周上に均等に配置されたコイルのそれぞれの組み合わせに多相正弦波電流が流されており、その位相と振幅を変化させることによりロータの回転軸の方向を変えることができるようになっている。しかし、このような制御方法では回転軸の方向の変動範囲はプラスマイナス15度程度に制限される。また、ロータを任意の位置から別の位置に最短経路で動かしたり、ロータを任意の位置で静止させたりする制御などができない。
 特許文献2および特許文献3に記載の球面モータは、ステータを構成する任意の平面内にあるコイルの組に対して多相正弦波電流を流すことによりロータを選択した平面に垂直な軸回りに回転することができる。しかし、このような制御方法では、ステータを構成する平面に垂直な軸以外の軸回りにロータを回転させたり、ロータを任意の位置から別の位置に最短経路で動かしたり、ロータを任意の位置で静止させたりする制御などができない。
 非特許文献3および非特許文献5に記載の球面モータの制御方法は、ロータを動かす方向に力を発生するコイルと永久磁石の組み合わせを見つけ、そのコイルに一定値の電流を流すことを繰り返してロータを任意の位置から別の位置に動かす方式である。このような制御方法では、ほとんどのコイルに電流を流さないため、ロータの出力が小さくなる。
 非特許文献4に記載の球面モータは、ステータ上のコイル1個に流す電流Iおよびコイルと永久磁石間の距離dをパラメータとして永久磁石に働く力F(I,d)を予め計算して表にしておき、ロータの現在姿勢においてロータに加えたいトルクベクトルTに関する方程式を実時間で解いて全てのコイルに流す電流を求める制御方法をとっている。
 このような方法では永久磁石間の相互作用によって力の重ね合わせが成立しなくなり、制御が困難になる。また、コイルの個数がL、永久磁石の個数がPの場合には、トルクベクトルに関する方程式の計算項の数がL×P個になり、計算量が非常に多くなる。また、非特許文献4の実験結果では特定の軸回り以外の制御では極端に性能が劣化している。
 よって、本発明の目的は、上記の問題点を解決するために、ロータ又はステータの少なくとも一方にコイルが配置されている球面モータにおいて、ロータを任意の位置から別の位置に最短経路で動かしたり、ロータを任意の位置で静止させたりすることを可能にする制御方法を提供することにある。
 上記目的に鑑み、本発明は、第1の態様として、永久磁石又はコイルを異なる位置に配置したロータと該ロータと所定の空隙を介してコイルを異なる位置に配置したステータとを有する球面モータの制御方法であって、前記ステータの前記コイルの各々に単位電流を供給したときに前記ロータ又は前記ステータに作用するトルクベクトルを、前記ロータの座標系における該コイルの位置をパラメータとして対応付けたトルクマップを予め作成して記憶するステップと、前記ステータの座標系における前記ロータの姿勢を測定するステップと、前記ステータの座標系において測定された前記ロータの姿勢から目標姿勢に前記ロータを駆動するために前記ロータに作用させるべきトルクベクトルから、測定された前記ロータの姿勢と前記トルクマップとに基づいて、前記ステータの前記コイルの各々に供給する電流値を求めるステップと、求められた電流値を前記ステータの前記コイルに供給して、前記ロータにトルクを作用させるステップとを含む球面モータの制御方法を提供する。
 また、本発明は、第2の態様として、コイルを異なる位置に配置したロータと該ロータと所定の空隙を介して永久磁石又はコイルを異なる位置に配置したステータとを有する球面モータの制御方法であって、前記ロータの前記コイルの各々に単位電流を供給したときに前記ロータ又は前記ステータに作用するトルクベクトルを、前記ステータの座標系における該コイルの位置をパラメータとして対応付けたトルクマップを予め作成して記憶するステップと、前記ステータの座標系における前記ロータの姿勢を測定するステップと、前記ステータの座標系において測定された前記ロータの姿勢から目標姿勢に前記ロータを駆動するために前記ロータに作用させるべきトルクベクトルから、測定された前記ロータの姿勢と前記トルクマップとに基づいて、前記ロータの前記コイルの各々に供給する電流値を求めるステップと、求められた電流値を前記ロータの前記コイルに供給して、前記ロータにトルクを作用させるステップとを含む球面モータの制御方法を提供する。
 いずれの態様の上記球面モータの制御方法でも、対となるロータ及びステータについて、対の一方のステータの個々のコイルと対の他方のロータの個々の永久磁石、若しくは、対の一方のステータの個々の永久磁石と対の他方のロータの個々のコイルとの間に作用する力を考えるのではなく、複数の永久磁石を有した対の一方のロータ又はステータを一つの物体と考えて、対の他方のステータ又はロータの個々のコイルに単位電流を供給したときにロータに作用するトルクベクトルを、対の一方(永久磁石が配置されている側)のロータ又はステータの座標系における該コイルの位置をパラメータとして対応付けたトルクマップを予め作成し、利用している。このトルクマップにおける各トルクベクトルは、対の一方の側(永久磁石が配置されている側)のロータ又はステータの座標系において所定位置に配置された対の他方の側のステータ又はロータの一つのコイルに単位電流を供給したときに、当該他方の側のステータ又はロータの当該コイルと一方の側(永久磁石が配置されている側)の全ての永久磁石との間の相互作用の結果として、ロータ全体に作用するトルクベクトルであり、一方側のロータ又はステータの全ての永久磁石と他方側のステータ又はロータのコイルとの相互作用の影響がすでに含まれている。したがって、ロータに作用させるトルクベクトル及びそのためにコイルに供給する電流値を求めるにあたって、対の一方側のロータ又はステータの個々の永久磁石と対の他方側のステータ又はロータの個々のコイルとの間の全ての組み合わせについて相互作用を考える必要はなくなり、計算量が大幅に低減される。すなわち、非特許文献4に記載のような球面モータの制御方法では、例えば球面モータにL個のコイルとP個の永久磁石を用いている場合、上述したようにトルクベクトルに関する方程式について計算項がL×P個になるのに対して、上記第1の態様及び第2の態様の球面モータの制御方法では、トルクベクトルに関する方程式について計算項がL個でよくなり、計算量が大幅に低減される。また、従来の球面モータの制御方法では、対の一方側のロータ又はステータの個々の永久磁石と対の他方側のステータ又はロータの個々のコイルとの全ての組み合わせの間で作用する力から、ロータに作用させるトルクベクトルを求めるときに、永久磁石とコイルの配置によっては力の重ね合わせが成立しなくなることがあるため、計算結果と実際の値とが一致しないことがある。しかしながら、上記第1の態様及び第2の態様の球面モータの制御方法では、永久磁石を配置された一方の側のロータ又はステータを一体として考えるので、他方の側のステータ又はロータの個々のコイルにより一方の側のロータ又はステータに作用するトルクベクトルについて重ね合わせが成立し、計算結果と実際の値との不一致の問題は生じない。なお、上記第1の態様及び第2の態様の球面モータの制御方法は、永久磁石に代えてコイルを用いている場合も含んでいるが、この場合も上記説明において永久磁石を単にコイルに置き換えばよいので、ここでは説明を簡単にするために、永久磁石が配置されている場合についてのみ説明している。
 上記球面モータの制御方法は、測定された前記ロータの姿勢と前記ロータの目標姿勢とから、前記ロータを前記目標姿勢に移動させるための前記ロータの回転方向及び前記回転角度を求め、前記ロータを前記目標姿勢に位置決めするステップをさらに含んでもよい。
 この場合、前記コイルの各々により前記ロータに作用するトルクベクトルが電流値に比例するものとして、前記トルクマップを用いて、測定された前記ロータの姿勢のときに前記コイルの各々により前記ロータに作用するトルクベクトルの合成ベクトルの向きが、前記ロータを前記目標姿勢に移動させるために前記ロータに作用させるべきトルクベクトルの向きと一致するように、前記コイルの各々に供給する電流値を定めることが好ましい。
 また、前記ロータを前記目標姿勢に位置決めするステップでは、測定された前記ロータの姿勢と前記目標姿勢とに基づいて、前記ロータの回転方向及び前記回転角度のフィードバック制御を行うことが好ましい。
 また、前記ロータを前記目標姿勢に位置決めするステップでは、測定された前記ロータの姿勢と前記目標姿勢とに基づいて、前記ロータに作用させるトルクを制御してもよい。
 第1の態様において、前記ロータにコイルが配置されているときには、前記ロータの前記コイルに予め定められた電流を供給し、第2の態様において、前記ステータにコイルが配置されているときには、前記ステータの前記コイルに予め定められた電流を供給することが好ましい。
 上記球面モータの制御方法において、前記トルクマップは、例えば実験又は数値シミュレーション解析に基づいて作成することができる。
 本発明の球面モータの制御方法によれば、一対のロータとステータとを有した球面モータについて、永久磁石を配置された一方の側のロータ又はステータを一体として考えてトルクマップを作成し、作成したトルクマップを利用して球面モータのロータに作用させるトルクベクトルを求め、求められたトルクベクトルに基づいて他方の側のステータ又はロータのコイルに供給する電流値を定める。したがって、球面モータのロータに作用させるトルクベクトル及びコイルに供給する電流値を求める際の計算量が大幅に低減される。また、永久磁石を配置された対の一方のロータ又はステータに対の他方のステータ又はロータのコイルにより作用するトルクベクトルについて、重ね合わせが常に成立するので、計算結果と実際の値とが一致するようになる。
図1は、ロータ座標系とロータにおける永久磁石の配置を示す説明図である。 図2は、ステータ座標系とステータにおけるコイルの配置を示す説明図である。 図3は、コイルに供給される電流による発生トルクを示す説明図である。 図4は、トルクマップの作成方法を模式的に示す概念図である。 図5A及び図5Bは、ロータ座標系におけるコイルの位置からトルクマップを用いて求められたロータ座標系におけるトルクベクトルを示す図である。 図6は、ロータ座標系からステータ座標系への変換により求められたステータ座標系におけるトルクベクトルを示す図である。 図7は、線形独立なトルクベクトルを合成することにより設定トルクを求める原理を説明する説明図である。 図8A及び図8Bは、内接する正六面体の頂点の位置に永久磁石が配置されたロータ(図8A)と内接する正八面体の頂点にコイルが配置されたステータ(図8B)とによって構成された第1の実施形態の球面モータの模式図である。 図9は、図8に示される球面モータのロータから求められたトルクマップである。 図10Aは、球面モータの制御の流れを示すフローチャートであり、図10Bは、センサーフィードバック位置決め制御の流れを示すフローチャートである。 図11Aは、Z軸周りに0~360°の回転角だけロータを回転させるための回転トルクを発生させる電流値を示すグラフであり、図11Bは、Z軸からX軸方向に10度だけ傾けた軸周りにロータを回転させるための回転トルクを発生させる電流値を示すグラフである。 図12A及び図12Bは、内接する正六面体の頂点の位置に永久磁石が配置されたステータ(図12B)と内接する正八面体の頂点にコイルが配置されたロータ(図12A)とによって構成された第2の実施形態の球面モータの模式図である。 図13A及び図13Bは、内接する正六面体の頂点の位置にコイルが配置されたロータ(図13A)と内接する正八面体の頂点にコイルが配置されたステータ(図13B)とによって構成された第3の実施形態の球面モータの模式図である。
 以下、図面を参照して、本発明による球面モータの制御方法を説明する。
 球面モータは、対となるロータとステータとを有しており、ロータ及びステータの少なくとも一方にコイルが配置され且つロータ及びステータの他方にコイル又は永久磁石が配置され、回転中心が一致する多自由度の回転運動ができるようになっている。例えばロータに内接する多面体を構成する多角形とステータに内接する多面体を構成する多角形の角数が互いに素であり(お互いを割った値が整数にならない)、かつロータに内接する多面体の頂点に極性が交互に反転するようにコイル又は永久磁石を配置すると共にステータに内接する多面体の頂点に永久磁石又はコイルを配置すればよい。しかしながら、本発明の対象となる球面モータは、回転中心が一致する多自由度の回転運動ができるようになっていれば、上記の構成に限定されるものではない。
 本発明の球面モータの制御方法では、コイルに供給する電流値を制御することにより、ロータに作用させるトルクを制御する。具体的には、以下のような手順を実施する。
(1)制御対象となるコイルがステータに配置されている場合には、ロータ座標系上の様々な座標位置にコイルの一つを配置して、これに単位電流を供給したときにロータ又はステータに作用するトルクベクトルを求めて、求められたトルクベクトルとロータ座標系上の当該コイルの座標位置とを、ロータ座標系上のコイルの座標位置をパラメータとして、対応付けたトルクマップを作成して記憶装置に記憶する。また、制御対象となるコイルがロータに配置されている場合には、ステータ座標系上の様々な位置にコイルの一つを配置して、これに単位電流を供給したときにロータ又はステータに作用するトルクベクトルを求めて、求められたトルクベクトルとステータ座標系上の当該コイルの座標位置とを、ステータ座標系上のコイルの座標位置をパラメータとして、対応付けたトルクマップを作成して記憶装置に記憶する。
 ここで、「トルクベクトル」とは、ステータ及びロータの一方のコイルに電流を供給したときにステータ及びロータの永久磁石又はコイルとの相互作用によりロータ又はステータに作用するトルクの大きさ及び向きを成分とするベクトルを意味する。
 なお、トルクマップは、実験により実測して作成してもよく、シミュレーションにより作成してもよい。
(2)姿勢検出センサによってステータに対するロータの現在姿勢を測定し、測定されたステータに対するロータの現在姿勢とステータに対するロータの目標姿勢とから、ロータの駆動に必要なトルクベクトルを計算により求める。
(3)トルクマップとロータの現在姿勢とを参照して、必要なトルクベクトルを発生させるためにコイルに供給する電流の値を計算により求める。例えば、コイルの各々によりロータに作用するトルクベクトルがコイルに供給される電流値に比例するものとして、ロータの現在姿勢とトルクマップとを用いて、ロータが現在姿勢のときにコイルの各々によりロータに作用するトルクベクトルを重ね合わせた合成ベクトルの向きがロータを目標姿勢に移動させるためにロータに作用させるべきトルクベクトルの向きと一致させるように、各コイルに供給する電流値を定めればよい。詳細な計算方法は後述する。なお、ステータに作用するトルクベクトルについてトルクマップを作成している場には、逆向きのトルクベクトルがロータに作用するものとして扱えばよい。
(4)求められた電流値をコイルに供給して、ロータにトルクを作用させ、目標姿勢へ向けて駆動する。
 トルクマップは、複数の永久磁石又はコイルを有したロータ又はステータを一つの物体とみなして、この物体とコイルとの間に相互作用するトルクをこの物体とコイルとの相対位置をパラメータとして対応付けたものである。したがって、例えばロータに永久磁石を配置し且つステータにコイルを配置している場合に、トルクマップを用いれば、複数の永久磁石を有したロータ全体とステータの各コイルとの相互作用を考えればよくなり、ロータの各永久磁石とステータの各コイルとの相互作用を考える必要がなくなる。したがって、コイルに電流を供給したときにロータに作用するトルクベクトルについて重ね合わせが成立するようになると共に、コイルに供給する電流値を求める際の計算の量が低減される。また、球面モータの全てのコイルに電流を同時に流してロータを駆動することができるため、球面モータの出力トルクを大きくすることができ、高出力トルクを必要とする分野に球面モータを適用することが可能となる。
 上記の手順においては、測定されたロータの現在姿勢とロータの目標姿勢とから、ロータを目標姿勢に移動するためのロータの回転方向及び回転角度を求め、ロータを目標姿勢に位置決めすることができる。この場合、測定されたロータの現在姿勢と目標姿勢とに基づいて、ロータに作用させるトルクを制御したり、測定されたロータの現在姿勢と目標姿勢とに基づいて、ロータの回転方向及び回転角度のフィードバック制御を行うことが好ましい。
 ロータの現在姿勢と目標姿勢とから、ロータを目標姿勢に移動させるためのロータの回転方向及び回転角度を求めてロータの位置決めを行うようにすれば、任意の姿勢から別の姿勢にロータを最短距離で移動させることができる。また、フィードバック制御を行うようにすれば、ロータの現在姿勢と目標姿勢との差分が大きいときには大きなトルクをロータに作用させて目標姿勢近傍に素早く到達させ、ロータの目標姿勢と目標姿勢との差分が小さくなるとロータに作用させるトルクを小さくして精密な位置決めを行うことができ、高精度位置決め制御を必要とする分野に球面モータを適用することが可能となる。
 次に、図1から図7を参照して、本発明の球面モータの制御方法において使用するトルクマップ、トルク制御、姿勢制御について説明する。以下では、説明を簡単にするために、ロータにコイル2が配置され、これらのコイル2の各々に供給する電流値を制御する場合のみについて説明するが、ステータにコイル2が配置され、これらのコイル2の各々に供給する電流値を制御する場合も原理は同様である。また、以下の説明において、特に断らない限り、大文字英字は、ベクトル列又は行列を表し、小文字英字は、ベクトル列又は行列の成分を表すと共に、上付き添え字のR、Sはそれぞれロータ座標系、ステータ座標系でのベクトル列の表現であることを表すものとする。
 まず、図1から図3を参照して、本発明の球面モータの制御方法において使用するトルクマップについて説明する。
 ロータ及びステータに固定した座標系の正規直交基底をそれぞれR=<R、R、R>及びS=<S、S、S>とする。また、図1に示されているように、永久磁石1が、ロータに固定された状態で、ロータと共に回転するロータ座標系の予め定められた位置に配置されており、図2に示されているように、コイル2が、ステータに固定された状態で、固定されたステータ座標系上の予め定められた位置A に配置されているものとする。
 ここで、ロータの基底ベクトルRt(r i1,r i2,r i3)がステータ座標系から見て以下のように観測されるものとする。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000001
 すると、ロータの姿勢は以下の基底の取り替えS→Rの行列K(以下、基底変換行列と記載する。)で表すことができる。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000002
 このとき、任意のベクトルVについて、ステータ座標系とロータ座標系での列ベクトル表現の間には、以下の関係が成立する。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000003
 また、Kは直交行列であるため、次のように逆行列は転置行列と一致する。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000004
 ロータ座標系において任意の位置に配置されたステータのコイル2の一つに単位電流を供給したとき、ロータに発生するトルクベクトル3を図3に示されているようにロータ座標系で観察することができる。
 そこで、ロータ座標系上の様々な位置Xにステータのコイル2の各々を配置させてこれに単位電流を供給したときにロータに作用するトルクベクトルM(X)を実験(実測)又はシミュレーションで予め求めて、図4に示されているようなトルクマップを作成し、記憶装置に記憶しておく。
 上記説明では、ロータ上に永久磁石1が、ステータ上にコイル2が配置されているとして説明しているが、ロータ上にコイル2が、ステータ上に永久磁石1が配置されている場合には、上記説明でステータをロータに、ロータをステータに読み替えてトルクマップを作成すればよい。また、永久磁石1に代えてコイルを使用している場合でも、永久磁石1に代えて配置されたコイルに供給する電流値を一定にしていれば、同様にトルクマップを作成することができる。
(トルク制御)
 次に、図5A及び図5Bを参照して、トルク制御を行って、ステータ座標系で任意に設定したトルクTを発生させる方法について説明する。
1)イメージセンサなどの姿勢検出センサ(図示せず)によって測定されたステータ座標系におけるロータの現在姿勢情報(すなわち基底変換行列K)を得る。
2)図5Aに示されているように、既知であるステータ座標系におけるコイル2の位置A と測定されたステータ座標系におけるロータの現在姿勢情報とから、以下の式によりロータ座標系におけるコイル2の現在位置A を求める。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000005
3)図5Bに示されているように、以下の式(6)のように、トルクマップを参照して、ロータ座標系における位置A にあるコイル2に単位電流を供給したときにロータ座標系上においてロータに作用するトルクベクトルC (図5B中で参照番号3で示されている)を求める。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000006
4)図6に示されているように、以下の式(7)を用いて、3)で求めたロータ座標系上におけるトルクベクトルC をステータ座標系上におけるトルクベクトルC (図6中で参照番号3で示されている)に座標変換し、ロータ座標系における位置A にあるコイル2に単位電流を供給したときにロータに作用するトルクベクトルのステータ座標系における方向を求める。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000007
5)図7に示されているように、以下の式(8)に従って、ステータ座標系において定められた設定トルクT(図7中で参照番号4で示されている)をコイル2のトルクベクトル方向に分解する。コイル2が多数ある場合には、分解の仕方は多数存在する。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000008
6)ここで、線形独立なトルクベクトルC を最低三つ選べば、方程式(8)を解いて各コイル2に供給する電流値Iを求めることができる。このような電流値Iを各コイル2に供給すれば、コイル2に電流を供給したときにロータに作用するトルクベクトルの向きと設定トルクTの向きとが一致するようになる。
 なお、ロータから見たステータの姿勢はステータから見たロータの姿勢を反転したものとなり、この場合の基底変換行列はKで表されるから、ロータに永久磁石1が配置され且つステータにコイル2が配置されている場合など、ステータのコイル2に供給する電流値を制御する場合には、上記説明において、ロータの現在姿勢情報からステータ座標系におけるコイル2の現在位置を求め、ステータ座標系におけるロータの現在姿勢情報を表す基底変換行列としてKを用いれば、同様にしてトルク制御を行うことができる。
(姿勢制御)
 次に、ロータの姿勢制御を行い、ステータ座標系で任意に設定した目標姿勢にロータを位置決めする方法について説明する。
1)ロータの目標姿勢座標系の正規直交基底F=<F,F,F>とすると、現在の姿勢のロータ座標系から見た目標姿勢座標系の基底ベクトルF は、ステータ座標系から見た目標姿勢座標系の基底ベクトルF と基底変換行列Kを用いて以下の式(9)で表すことができる。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000009
2)ここで、行列Gを次のように定義する。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000010
 
 行列Gは、ステータ座標系から見た目標姿勢座標系の基底ベクトルF と基底変換行列Kとから算出することができる。また、KF は現在の姿勢におけるロータ座標系から見た目標姿勢座標系の基底ベクトルであるため、基底の取り替えR→Fの行列である。
 このとき、ロータ座標系から見た目標姿勢までの回転方向ベクトルNと回転角度φ(差分)は次のように表すことができる。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000011
 
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000012
 
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000013
 
 したがって、目標姿勢に補正するにはNの方向に差分角度φに応じたトルクを発生させればよい。
8)回転方向ベクトルNに差分角度φの大きさに対応したゲインT(φ)を乗じ、以下の式(14)により求められる目標姿勢に移動させるためのトルクベクトルTを与える。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000014
 
 ゲインT(φ)の決め方はPID制御など多数存在する。例えば、測定されたロータの現在姿勢と目標姿勢とに基づいて、ロータの回転方向及び回転角度のフィードバック制御を行い、ロータの現在姿勢と目標姿勢との差分が大きいときには大きなトルクをロータに作用させて、ロータの目標姿勢と目標姿勢との差分が小さくなるとロータに作用させるトルクを小さくして精密な位置決めを行ってもよい。
9)以下の式に従って、トルクベクトルTを座標変換してステータ座標系から見たトルクベクトルTを求める。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000015
 
 このようにして求めたトルクベクトルTを設定トルクとすれば、前述のトルク制御における方程式(8)を解いて各コイルに必要な電流値Iを求めることができる。
 なお、ロータに永久磁石が配置され且つステータにコイルが配置されている場合など、ステータのコイルに供給する電流値を制御する場合でも、上記と同様にしてステータ座標系から見たトルクベクトルTを求めればよい。
 次に、本発明の第1の実施形態を図8から図11を用いて説明する。
 本実施形態は、図8A及び図8Bに示されているように、略球状の構成要素Rをロータ12(図8A参照)とし、構成要素Rの周囲に配置され且つベース(図示せず)に固定された構成要素Sをステータ14(図8B参照)として、構成要素R(すなわちロータ12)に内接する正六面体の頂点8カ所に極性が交互に反転するように永久磁石16を配置すると共に構成要素S(すなわちステータ14)に内接する正八面体の頂点6カ所にコイル18を配置した球面モータ10について、構成要素Rすなわちロータ12を現在姿勢から目標姿勢に位置決めする制御方法である。
 構成要素Rの姿勢検出センサとして、マウスセンサ(図示せず)を2台を用い、それぞれのマウスセンサが検出した構成要素Rの速度ベクトルから構成要素Rの姿勢の変化量を求める。次に、構成要素Rの姿勢の基準姿勢からの変化量を積算することにより構成要素S(すなわちステータ14)の座標系における構成要素R(すなわちロータ12)の現在姿勢情報を得る。
 図9に、予め作成されたトルクマップの例として、構成要素Rの座標系上の様々な位置(図9中の丸)に配置されているコイル18に単位電流を供給したときに構成要素Rに作用するトルクベクトルのマップ(上半球)が示されている。本実施形態では、各トルクベクトルはシミュレーションによって求めているが、実験を行って実測することによって求めてもよい。
 図10A及び図10Bに制御のフローチャートを示す。球面モータ10は、図10A及び図10Bに示されているフローチャートに従って、構成要素Rすなわちロータ12の動作を制御され、目標姿勢へ駆動される。
 まず、構成要素Sに対する構成要素Rの目標姿勢(すなわち、構成要素S座標系における構成要素Rの目標姿勢)Fを設定する(ステップS100)。次に、測定された構成要素Rの現在姿勢に基づいて基底変換行列Kを求め、基底変換行列Kと構成要素Rの現在姿勢とから、式(9)及び式(10)を用いて、現在の構成要素Rの座標系から見た目標姿勢Fを求める(ステップS102)。構成要素Rの目標姿勢Fが、現在位置と一致していれば制御を終了し、現在姿勢と一致していなければステップS106へ進み、構成要素Rを目標姿勢に駆動するために必要となるトルクを生じさせるために構成要素Sの各コイルに供給すべき電流値を求める(ステップS104)。
 ステップS106では、式(5)を用いて、構成要素Rの現在姿勢情報、基底変換行列K、構成要素S座標系における構成要素Sの各コイル18の位置A から、構成要素R座標系における各コイル18の位置A を求め、予め作成したトルクマップすなわち式(6)を用いて、求められた各コイル18の位置A から、構成要素R座標系における位置A に配置されているコイル18に単位電流を供給したときに構成要素R座標系上において構成要素Rに作用するトルクベクトルC を求める。また、式(10)~(13)を用いて、ステップS102で求めたFから、構成要素R座標系から見た目標姿勢Fまでの回転方向ベクトルN及び回転角φ(差分)を求める。そして、式(14)及び(15)を用いて、回転方向ベクトルN及び回転角φから構成要素S座標系から見た、構成要素Rを目標姿勢に駆動するためのTを求め、式(7)及び(8)を用いて、求められたTとC とから、各コイル18に供給する電流値Iを求める。
 次に、ステップS108で求められた、構成要素Rを目標姿勢に駆動するために必要なトルクベクトルT又はTと構成要素Sの各コイル18に供給する電流値Iを表示し(ステップS108)、電流値Iを各コイル18に供給する(ステップS110)。
 フィードバック制御を行う場合には、図10Bに示されているように、姿勢検出センサによって測定された構成要素Rすなわちロータ12の現在姿勢から、基底変換行列Kを再度求めて(ステップS112)、構成要素Rすなわちロータ12の現在姿勢を表示し(ステップS114)、再度ステップS102からステップS110までを繰り返せばよい。
 図11Aは、本実施形態において、構成要素R(すなわちロータ12)の現在姿勢の座標系を構成要素S(すなわちステータ14)の座標系と一致している状態から構成要素Rの座標系のZ軸周りに0~360度回転させる場合(すなわち、構成要素Rの座標系のZ軸周りにロータ12を0~360度回転した場合)に、各姿勢においてZ軸周りに回転トルクを発生させるために各コイル18に供給すべき電流値(計算値)を示している。また、図11Bは、本実施形態において、構成要素R(すなわちロータ12)の現在姿勢の座標系を構成要素S(すなわちステータ14)の座標系と一致している状態から構成要素Rの座標系のZ軸から10度傾けた軸周りに回転させる場合(すなわち、構成要素Rの座標系のZ軸から10度傾けた軸周りに構成要素Rを回転させる場合)に、各姿勢において当該軸周りに回転トルクを発生させるために各コイル18に供給すべき電流値(計算値)を示している。
 第2の実施形態では、図12A及び図12Bに示されているように、第1の実施形態の構成と逆に、第1の実施形態の構成要素Rをベース22に固定してステータ24(図12B参照)とすると共に第1の実施形態の構成要素Sをロータ26(図12A参照)としており、構成要素R(すなわちステータ24)に内接する正六面体の頂点8カ所に極性が交互に反転するように永久磁石28を配置すると共に構成要素S(すなわちロータ26)に内接する正八面体の頂点6カ所にコイル30を配置した球面モータ20について、構成要素Sすなわちロータ26を現在姿勢から目標姿勢に位置決めする制御を行う。
 構成要素Rから見た構成要素Sの姿勢は、構成要素Sから見た構成要素Rの姿勢を反転させたものとなる(例えば、構成要素Rから見た構成要素Sの姿勢がX軸周りに20度回転させた位置であるとき、構成要素Sから見た構成要素Rの姿勢は、X軸周りに-20度回転させた位置となる)。また、基底変換行列の表現では、構成要素Rから見た構成要素Sの目標姿勢(すなわち基底変換行列)をKとすると、式(4)から分かるように、構成要素Sから見た構成要素Rの姿勢は転置行列Kで表される。第2の実施形態では、構成要素Sがロータ26であり、構成要素Sの目標姿勢を考える必要があることを考え併せると、第1の実施形態におけるKに代えてKを用いれば、第1の実施形態と全く同じ制御方法で目標姿勢に構成要素Sすなわちロータ26を位置決めすることができることが分かる。
 第3の実施形態の球面モータ40は、図13A及び図13Bに示されているように、構成要素Rをロータ42(図13A参照)とし、構成要素Sをステータ44(図13B参照)としている点で第1の実施形態の球面モータ10と共通しているが、図8A及び図8Bに示されている第1の実施形態における永久磁石16に代えて同様の極性となるようにコイル48を配置している点で第1の実施形態の球面モータ10と異なっている。すなわち、本実施形態では、略球状の構成要素Rをロータ42とし、構成要素Rの周囲に配置され且つベースに固定された構成要素Sをステータ44として、構成要素R(すなわちロータ42)に内接する正六面体の頂点8カ所に極性が交互に反転するようにコイル46を配置すると共に構成要素S(すなわちステータ44)に内接する正八面体の頂点6カ所にコイル48を配置した球面モータ40について、その構成要素Sすなわちロータ44を現在姿勢から目標姿勢に位置決めする制御を行う。
 このような球面モータ40の場合には、構成要素R(すなわちロータ42)の全てのコイル46に特定の電流を供給した状態で、構成要素R座標系上の様々な座標位置に構成要素Sのコイル48の各々を配置させてこれに単位電流を供給したときに構成要素Rに作用するトルクベクトルを求めることにより、トルクマップを予め作成しておけばよい。構成要素Rの全てのコイル46に特定の電流を供給した状態では、コイル46は永久磁石と同様に扱うことができるので、第1の実施形態と全く同じ制御方法で、目標姿勢に構成要素Rを位置決めすることができる。
 本実施形態では、構成要素Rの全てのコイル46に供給する電流を停止、反転、若しくは変化させることができる。構成要素Rのコイル46に供給する電流を全て停止すると、コギング力をほぼゼロにすることができる。また、コイル46に供給する電流を反転若しくは変化させる場合は、その状態に対応したトルクマップを予め作成しておき、それに切り替えればよい。なお、第3の実施形態の球面モータ40(構成要素Rのコイル46が構成要素Rに内接する正六面体の頂点に配置されている)のような構成であれば、トルクマップをZ軸周りに90度回転させれば、電流を逆転させたときのトルクマップを得ることができる。
 ロータ42とステータ44の両方にコイル46,48を配置する場合、ロータ42のコイル42に供給する電流も変化させることができるので、第3の実施形態は、第1の実施形態の場合よりも制御の自由度が増加する利点を有する。
 本発明の球面モータの制御方法を用いれば、赤外線反射望遠鏡のレンズの球面駆動、半導体露光装置のウエハを搭載するステージの球面駆動、レーザ加工装置のステージの球面駆動、電子部品実装機のピックアンドプレイス装置の球面駆動、ウエハ検査装置のウエハ操作ステージの球面駆動、ロボットの関節の球面駆動、パワーアシストスーツの関節の球面駆動、内視鏡の移動およびレンズの球面駆動、プロッタ・プリンタの描画ヘッドの球面駆動、カメラの手ぶれ防止と焦点合わせの球面駆動、カメラによる対象物追尾の球面駆動、顕微鏡の焦点合わせとステージの球面駆動、走査型表示装置のミラーの球面駆動、光メモリ用レンズの走査と焦点合わせの球面駆動、非接触座標計測装置のミラーの球面駆動、触覚提示装置の触覚提示部の球面駆動、微細作業装置の球面駆動、微細な対象物の球面駆動、自走式微細加工装置の球面駆動、自動車・航空機・船舶用各種機器用装置の球面駆動、宇宙船の姿勢制御用リアクションホイールの球面駆動、ジャイロの球面駆動、歯ブラシ、ひげそりをはじめとする家電製品の球面駆動、アミューズメント機器の球面駆動などにおいて、球面モータを採用することが可能となり、使用するモータの個数が大幅に減少し、これらシステムの小型・軽量化、制御の簡単化・高速化さらには省エネルギー化を実現することができる。
 10  球面モータ
 12  ロータ
 14  ステータ
 16  永久磁石
 18  コイル
 20  球面モータ
 22  ベース
 24  ステータ
 26  ロータ
 28  永久磁石
 30  コイル
 40  球面モータ
 42  ロータ
 44  ステータ
 46  コイル
 48  コイル

Claims (13)

  1.  永久磁石又はコイルを異なる位置に配置したロータと該ロータと所定の空隙を介してコイルを異なる位置に配置したステータとを有する球面モータの制御方法であって、
     前記ステータの前記コイルの各々に単位電流を供給したときに前記ロータ又は前記ステータに作用するトルクベクトルについて、前記ロータの座標系における該コイルの位置をパラメータとして対応付けたトルクマップを予め作成して記憶するステップと、
     前記ステータの座標系における前記ロータの姿勢を測定するステップと、
     前記ステータの座標系において測定された前記ロータの姿勢から目標姿勢に前記ロータを駆動するために前記ロータに作用させるべきトルクベクトルから、測定された前記ロータの姿勢と前記トルクマップとに基づいて、前記ステータの前記コイルの各々に供給する電流値を求めるステップと、
     求められた電流値を前記ステータの前記コイルに供給して、前記ロータにトルクを作用させるステップと、
     を含むことを特徴とする球面モータの制御方法。
  2.  コイルを異なる位置に配置したロータと該ロータと所定の空隙を介して永久磁石又はコイルを異なる位置に配置したステータとを有する球面モータの制御方法であって、
     前記ロータの前記コイルの各々に単位電流を供給したときに前記ロータ又は前記ステータに作用するトルクベクトルについて、前記ステータの座標系における該コイルの位置をパラメータとして対応付けたトルクマップを予め作成して記憶するステップと、
     前記ステータの座標系における前記ロータの姿勢を測定するステップと、
     前記ステータの座標系において測定された前記ロータの姿勢から目標姿勢に前記ロータを駆動するために前記ロータに作用させるべきトルクベクトルから、測定された前記ロータの姿勢と前記トルクマップとに基づいて、前記ロータの前記コイルの各々に供給する電流値を求めるステップと、
     求められた電流値を前記ロータの前記コイルに供給して、前記ロータにトルクを作用させるステップと、
     を含むことを特徴とする球面モータの制御方法。
  3.  測定された前記ロータの姿勢と前記ロータの目標姿勢とから、前記ロータを前記目標姿勢に移動させるための前記ロータの回転方向及び前記回転角度を求め、前記ロータを前記目標姿勢に位置決めするステップをさらに含む、請求項1に記載の球面モータの制御方法。
  4.  測定された前記ロータの姿勢と前記ロータの目標姿勢とから、前記ロータを前記目標姿勢に移動させるための前記ロータの回転方向及び前記回転角度を求め、前記ロータを前記目標姿勢に位置決めするステップをさらに含む、請求項2に記載の球面モータの制御方法。
  5.  前記コイルの各々により前記ロータに作用するトルクベクトルが電流値に比例するものとして、前記トルクマップを用いて、測定された前記ロータの姿勢のときに前記コイルの各々により前記ロータに作用するトルクベクトルの合成ベクトルの向きが、前記ロータを前記目標姿勢に移動させるために前記ロータに作用させるべきトルクベクトルの向きと一致するように、前記コイルの各々に供給する電流値を定める、請求項3に記載の球面モータの制御方法。
  6.  前記コイルの各々により前記ロータに作用するトルクベクトルが電流値に比例するものとして、前記トルクマップを用いて、測定された前記ロータの姿勢のときに前記コイルの各々により前記ロータに作用するトルクベクトルの合成ベクトルの向きが、前記ロータを前記目標姿勢に移動させるために前記ロータに作用させるべきトルクベクトルの向きと一致するように、前記コイルの各々に供給する電流値を定める、請求項4に記載の球面モータの制御方法。
  7.  前記ロータを前記目標姿勢に位置決めするステップでは、測定された前記ロータの姿勢と前記目標姿勢とに基づいて、前記ロータの回転方向及び前記回転角度のフィードバック制御を行う、請求項3に記載の球面モータの制御方法。
  8.  前記ロータを前記目標姿勢に位置決めするステップでは、測定された前記ロータの姿勢と前記目標姿勢とに基づいて、前記ロータの回転方向及び前記回転角度のフィードバック制御を行う、請求項4に記載の球面モータの制御方法。
  9.  前記ロータを前記目標姿勢に位置決めするステップでは、測定された前記ロータの姿勢と前記目標姿勢とに基づいて、前記ロータの回転方向及び前記回転角度のフィードバック制御を行う、請求項5に記載の球面モータの制御方法。
  10.  前記ロータを前記目標姿勢に位置決めするステップでは、測定された前記ロータの姿勢と前記目標姿勢とに基づいて、前記ロータの回転方向及び前記回転角度のフィードバック制御を行う、請求項6に記載の球面モータの制御方法。
  11.  前記ロータを前記目標姿勢に位置決めするステップでは、測定された前記ロータの姿勢と前記目標姿勢とに基づいて、前記ロータに作用させるトルクを制御する、請求項3から請求項10の何れか一項に記載の球面モータの制御方法。
  12.  前記ロータにコイルが配置されているときに、前記ロータの前記コイルに予め定められた電流を供給するステップをさらに含む、請求項1に記載の球面モータの制御方法。
  13.  前記ステータにコイルが配置されているときに、前記ステータの前記コイルに予め定められた電流を供給するステップをさらに含む、請求項2に記載の球面モータの制御方法。
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