WO2013081098A1 - 掘削工具 - Google Patents

掘削工具 Download PDF

Info

Publication number
WO2013081098A1
WO2013081098A1 PCT/JP2012/081049 JP2012081049W WO2013081098A1 WO 2013081098 A1 WO2013081098 A1 WO 2013081098A1 JP 2012081049 W JP2012081049 W JP 2012081049W WO 2013081098 A1 WO2013081098 A1 WO 2013081098A1
Authority
WO
WIPO (PCT)
Prior art keywords
excavation
tip
embedded
hole
central axis
Prior art date
Application number
PCT/JP2012/081049
Other languages
English (en)
French (fr)
Inventor
米雄 日和佐
久田 仁也
中村 和由
Original Assignee
三菱マテリアル株式会社
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by 三菱マテリアル株式会社 filed Critical 三菱マテリアル株式会社
Priority to RU2014121927/03A priority Critical patent/RU2565307C1/ru
Priority to US14/356,443 priority patent/US9551190B2/en
Priority to KR1020167012854A priority patent/KR101691341B1/ko
Priority to CN201280058380.3A priority patent/CN103958814B/zh
Priority to KR1020147013893A priority patent/KR20140093690A/ko
Priority to CA2854884A priority patent/CA2854884C/en
Priority to AU2012343451A priority patent/AU2012343451B2/en
Priority to EP12853335.3A priority patent/EP2787163B1/en
Publication of WO2013081098A1 publication Critical patent/WO2013081098A1/ja
Priority to HK15100186.7A priority patent/HK1199749A1/xx
Priority to AU2016204850A priority patent/AU2016204850B2/en

Links

Images

Classifications

    • EFIXED CONSTRUCTIONS
    • E21EARTH DRILLING; MINING
    • E21BEARTH DRILLING, e.g. DEEP DRILLING; OBTAINING OIL, GAS, WATER, SOLUBLE OR MELTABLE MATERIALS OR A SLURRY OF MINERALS FROM WELLS
    • E21B10/00Drill bits
    • E21B10/46Drill bits characterised by wear resisting parts, e.g. diamond inserts
    • E21B10/54Drill bits characterised by wear resisting parts, e.g. diamond inserts the bit being of the rotary drag type, e.g. fork-type bits
    • EFIXED CONSTRUCTIONS
    • E21EARTH DRILLING; MINING
    • E21BEARTH DRILLING, e.g. DEEP DRILLING; OBTAINING OIL, GAS, WATER, SOLUBLE OR MELTABLE MATERIALS OR A SLURRY OF MINERALS FROM WELLS
    • E21B10/00Drill bits
    • E21B10/42Rotary drag type drill bits with teeth, blades or like cutting elements, e.g. fork-type bits, fish tail bits
    • E21B10/43Rotary drag type drill bits with teeth, blades or like cutting elements, e.g. fork-type bits, fish tail bits characterised by the arrangement of teeth or other cutting elements
    • EFIXED CONSTRUCTIONS
    • E21EARTH DRILLING; MINING
    • E21BEARTH DRILLING, e.g. DEEP DRILLING; OBTAINING OIL, GAS, WATER, SOLUBLE OR MELTABLE MATERIALS OR A SLURRY OF MINERALS FROM WELLS
    • E21B10/00Drill bits
    • E21B10/36Percussion drill bits
    • E21B10/38Percussion drill bits characterised by conduits or nozzles for drilling fluids
    • EFIXED CONSTRUCTIONS
    • E21EARTH DRILLING; MINING
    • E21BEARTH DRILLING, e.g. DEEP DRILLING; OBTAINING OIL, GAS, WATER, SOLUBLE OR MELTABLE MATERIALS OR A SLURRY OF MINERALS FROM WELLS
    • E21B10/00Drill bits
    • E21B10/62Drill bits characterised by parts, e.g. cutting elements, which are detachable or adjustable
    • E21B10/627Drill bits characterised by parts, e.g. cutting elements, which are detachable or adjustable with plural detachable cutting elements
    • E21B10/633Drill bits characterised by parts, e.g. cutting elements, which are detachable or adjustable with plural detachable cutting elements independently detachable

Abstract

 本発明の掘削工具は、軸線O回りに回転されるとともに軸線O方向先端側に前進させられる工具本体1の先端部に埋め込み穴8が穿設され、この埋め込み穴8に、外形円柱状の埋め込み部6と刃先部7とが一体に形成された掘削チップ5Aが、埋め込み部6を埋め込み穴8に挿入させるとともに刃先部7を埋め込み穴8から突出させて、埋め込み部6の中心軸C回りに掘削時に回転自在かつ中心軸C方向先端側に抜け止めされて取り付けられている。

Description

掘削工具
 本発明は、軸線回りに回転されるとともに該軸線方向先端側に前進させられる工具本体の先端部に埋め込み穴が穿設され、この埋め込み穴に硬質材料よりなる掘削チップがその先端の刃先部を突出させて埋め込まれた掘削工具に関するものである。
 本願は、2011年11月30日に日本に出願された特願2011-262526号と、2012年11月15日に日本に出願された特願2012-251357号とに基づき優先権を主張し、その内容をここに援用する。
 このような掘削工具としては、例えば特許文献1、2に記載されているように、先端部に超硬合金等の焼結合金製の掘削チップが複数取り付けられた鋼材等からなる工具本体が、掘削ロッドの先端部や該掘削ロッド先端部にデバイスを介して取り付けられて、上記掘削ロッドを介して掘削装置から伝達される工具本体の軸線回りの回転力および軸線方向先端側に向けての推力や、これら回転力や推力に加えて上記デバイスを介してダウンザホールハンマから与えられる上記軸線方向先端側に向けての打撃力とにより、地盤や岩盤に掘削穴を形成するものが知られている。
 ところで、従来このような掘削工具においては、工具本体先端部に穿設された埋め込み穴に、円柱状の埋め込み部とその先端側に球面状、円錐状、砲弾状等の刃先部とが一体に形成された上記焼結合金製の掘削チップが、その刃先部を埋め込み穴から突出させるとともに、埋め込み部が埋め込み穴に焼き嵌め等の締まり嵌めで強固に固定されることにより植設されて取り付けられた構成とされている。
 そして、このような地盤や岩盤の掘削に用いられる掘削工具では、こうして埋め込み穴から突出させられた掘削チップの刃先部が、地盤や岩盤に接触、貫入させられて掘削に使用されるのに伴い摩耗や摩滅が進行し、摩耗した刃先部ではその曲面の曲率半径が大きくなるので刃先の鋭さが損なわれて掘削効率が低下してゆく。さらに、掘削穴の径が許容される径以下となるまで掘削チップの摩耗が進行すると、掘削工具としての工具寿命を迎える。
 ところが、このような掘削チップの刃先部の摩耗や摩滅は一様ではない。例えば、工具本体の先端部に植設された複数の掘削チップのうちでも、特に先端部外周側のゲージ部に植設された掘削チップは、外周側に向けられる面で摩耗や摩滅が著しくなって片減りした摩耗形態となるため、掘削性能が損なわれやすくて掘削効率低下の要因となるとともに、このようなゲージ部の掘削チップの摩耗は掘削穴径の縮小に結びついて工具寿命に大きな影響を及ぼすことになる。
 そして、このような掘削チップの刃先部の偏摩耗は、地盤や岩盤が硬く刃先部が激しく摩耗する条件下では一層顕著となり、工具寿命が短縮されて掘削に要するコストが増大する。また、掘削性能を回復するために掘削チップの刃先部を再研磨するにもコストや時間を要することになる。さらに、掘削穴が所望の深さに達する前に掘削工具が工具寿命を迎えると、工具本体の交換に時間や労力、コストを要することになる。また、万一、刃先部の摩耗や摩滅が進行して掘削性能が損なわれたまま掘削を続けると、工具本体に摩耗や損傷が生じたり、掘削装置に大きな負荷を与えることにもなる。
日本国特開2010-180551号公報 日本国特開2011-042991号公報
 本発明は、このような背景の下になされたもので、掘削チップの掘削性能および掘削効率を長期に亙って維持して、工具寿命の向上と掘削穴の単位深さ当りの掘削コストの低減を図ることが可能な掘削工具を提供することを目的としている。
 本発明の一態様の掘削工具は、以下のいずれかの構成を備える。
 (1)軸線を中心とした工具本体と、
 上記工具本体の先端部に穿設された埋め込み穴に取り付けられる掘削チップとを備え、
 上記工具本体は、上記軸線回りに回転されるとともに上記軸線方向先端側に前進させられ、
 上記掘削チップは、中心軸を中心とした外形円柱状の埋め込み部と上記中心軸方向先端側の刃先部とが一体に形成され、
 上記埋め込み部が上記埋め込み穴に挿入されるとともに、上記刃先部は上記該埋め込み穴から突出させられており、
 少なくとも1つの上記掘削チップは、掘削時に上記埋め込み部の上記中心軸回りに回転自在とされるとともに、上記中心軸方向先端側に抜け止めされて上記埋め込み穴に取り付けられた回転掘削チップとされている。
 (2)上記(1)において、上記工具本体には複数の上記掘削チップが取り付けられており、このうち一部の掘削チップが上記回転掘削チップとされているとともに、残りの上記掘削チップは上記工具本体に固定されて取り付けられている。
 (3)上記(1)または(2)において、上記工具本体には複数の上記掘削チップが取り付けられており、このうち上記工具本体の先端面外周部に取り付けられる少なくとも1つの掘削チップが上記回転掘削チップとされるとともに、残りの掘削チップは上記工具本体に固定されて取り付けられている。
 (4)上記(1)から(3)のいずれか1つにおいて、上記回転掘削チップの上記埋め込み部外周面と、上記回転掘削チップが取り付けられる上記埋め込み穴の内周面とのうち、一方には上記中心軸回りに周回する凹溝が設けられるとともに、他方には上記凹溝に収容される凸部が設けられている。
 (5)上記(4)において、上記凹溝と凸部とのうちの一方は、該凹溝と凸部とのうちの一方が設けられる上記埋め込み部外周面または上記埋め込み穴内周面に取り付けられて固定される中間部材によって形成されている。
 (6)上記(1)から(3)のいずれか1つにおいて、上記回転掘削チップの上記埋め込み部外周面には、上記中心軸回りに周回する凹溝が形成されるとともに、上記回転掘削チップが取り付けられる上記埋め込み穴の内周面には、上記中心軸方向に上記凹溝と対向する位置に、上記中心軸回りに周回する凹部または該凹溝の接線方向に延びる凹穴の開口部が形成されており、上記凹溝と上記凹部または上記凹穴の開口部とにまたがって係止部材が収容されている。
 (7)上記(1)~(6)のうちいずれか1つにおいて、上記回転掘削チップの上記埋め込み部は、該埋め込み部の外径d(mm)に対して、締め代0.5×d/1000(mm)~1.5×d/1000(mm)の範囲の締まり嵌めによって上記埋め込み穴に取り付けられている。
 (8)上記(1)~(7)のうちいずれか1つにおいて、少なくとも上記回転掘削チップの表面には、表面硬化層が形成されている。
 (9)上記(1)~(8)のうちいずれか1つにおいて、上記工具本体の少なくとも上記回転掘削チップが取り付けられる上記埋め込み穴周辺には、表面硬化層が形成されている。
 (10)上記(1)~(9)のうちいずれか1つにおいて、上記回転掘削チップの上記埋め込み部外周面と、上記回転掘削チップが取り付けられる上記埋め込み穴の内周面との間には、潤滑剤が介装されている。
 このように構成された掘削工具においては、上記回転掘削チップが、工具本体の埋め込み穴に挿入されるその外形円柱状の埋め込み部の中心軸回りに掘削時に回転自在とされているので、掘削時に工具本体が回転させられるのに伴い地盤や岩盤からの接触抵抗を受けて、回転掘削チップは中心軸回りに従動回転させられる。このため、回転掘削チップの刃先部も中心軸回りの周方向に均等に摩耗することになり、この刃先部の形状を部分的に片減りさせることなく保持するとともに刃先部を構成する曲面の曲率半径が大きくなるのを防いで、掘削性能や掘削効率が著しく低下するのを抑えることができる。
 その一方で、回転掘削チップは中心軸方向先端側に向けては抜け止めされているので、不用意に掘削チップが脱落するようなこともない。なお、回転掘削チップが抜け止めされた状態とは、例えば工具本体の先端部を下向きにして工具本体を保持した状態で、回転掘削チップが自重によって埋め込み穴から脱落することのない状態であればよい。
 ここで、上記工具本体に複数の掘削チップが取り付けられている場合においては、全ての掘削チップが、このように掘削時に中心軸回りに回転させられる回転掘削チップとされていてもよい。また、複数の掘削チップのうち、一部の掘削チップが上記回転掘削チップとされるとともに、残りの掘削チップは上記工具本体に固定されて取り付けられていてもよく、上記回転掘削チップによって掘削性能や掘削効率が維持されることにより、工具寿命の延長を図ることができる。
 特に、こうして上記工具本体に複数の掘削チップが取り付けられている場合において、このうち上記工具本体の先端面外周部に取り付けられる少なくとも1つの掘削チップが上記回転掘削チップとされていれば、残りの掘削チップは上記工具本体に固定されて取り付けられていても、この先端外周部すなわちゲージ部における少なくとも1つの回転掘削チップによって掘削性能や掘削効率が維持される。これにより、掘削穴径が縮小するのを効果的に抑制して工具寿命の確実な向上を図ることができる。
 また、回転掘削チップを、掘削時に上記中心軸回りに回転自在とするとともに、上記中心軸方向先端側に抜け止めして上記埋め込み穴に取り付けるには、第1に、この掘削チップの上記埋め込み部外周面と、この掘削チップが取り付けられる上記埋め込み穴の内周面とのうち、一方には上記中心軸回りに周回する凹溝を設けるとともに、他方には上記凹溝に収容される凸部を設ければよい。
 ここで、これら凹溝と凸部とが、回転掘削チップの埋め込み部外周面と工具本体の埋め込み穴内周面とに直接的に形成される場合には、これら回転掘削チップと工具本体のヤング率の違いを用いることにより工具本体を弾性変形させて埋め込み穴を拡径しつつ回転掘削チップの埋め込み部をプレス圧入すればよい。あるいは、両者の熱膨張率の違いを用いることにより工具本体を加熱して埋め込み穴を熱膨張させたところに回転掘削チップの埋め込み部を挿入してもよい。
 また、このように凹溝と凸部とを回転掘削チップの埋め込み部外周面と工具本体の埋め込み穴内周面に直接形成することなく、これら凹溝と凸部とのうちの一方を、該凹溝と凸部とのうちの一方が設けられる上記埋め込み部外周面または上記埋め込み穴内周面に取り付けられて固定される中間部材によって形成してもよい。この場合に、中間部材は、この中間部材に形成される凹溝と凸部とのうちの一方が設けられる上記埋め込み部外周面または上記埋め込み穴内周面に対して、やはり上述のようなプレス圧入や熱膨張率の違いによる焼き嵌め、冷やし嵌めのような締まり嵌めによって固定すればよい。
 第2には、このように凹溝に凸部を収容するのではなく、上記回転掘削チップの上記埋め込み部外周面には、上記中心軸回りに周回する凹溝を形成するとともに、この回転掘削チップが取り付けられる上記埋め込み穴の内周面には、上記中心軸方向に上記凹溝と対向する位置に、上記中心軸回りに周回する凹部または該凹溝の接線方向に延びる凹穴の開口部を形成し、上記凹溝と上記凹部または上記凹穴の開口部とにまたがって係止部材を収容するようにしてもよい。
 ここで、埋め込み穴の内周面に凹溝と同様の中心軸回りに周回する凹部が形成されているときには、例えば埋め込み部外周面の上記凹溝にC形リングを係止部材として縮径させて収容しておいて埋め込み穴に挿入し、この凹溝が凹部の位置に一致したところで弾性変形により拡径させて凹溝と凹部にまたがって収容させるようにすればよい。あるいは、凹溝と凹部が一致して形成される環状穴に多数の球状部材を係止部材として外部から挿入して凹溝と凹部にまたがって収容させるようにしてもよい。また、埋め込み穴の内周面に凹溝の接線方向に延びる凹穴の開口部が形成されているときには、この凹穴にピンを係止部材として挿入して凹溝にまたがるように収容すればよい。
 さらに、回転掘削チップの埋め込み部は、該埋め込み部の外径d(mm)に対して、締め代0.5×d/1000(mm)~1.5×d/1000(mm)の範囲の締まり嵌めによって上記埋め込み穴に取り付けられていてもよい。このような範囲の締め代の締まり嵌めであれば、非掘削時には回転掘削チップは回転自在ではなくても、掘削時には工具本体の回転による地盤や岩盤からの接触抵抗によって埋め込み穴との摩擦に抗して回転掘削チップを自在に従動回転させることができ、また回転掘削チップが埋め込み穴から脱落しないように抜け止めすることができる。
 なお、少なくとも回転掘削チップの表面には、表面硬化層が形成されていてもよい。例えば、回転掘削チップの埋め込み部の表面に例えばDLC、PVD、CVD等の皮膜処理を施すことによって表面硬化層を形成することにより、埋め込み部の強度向上や埋め込み穴内での回転摺動性の向上を図ることができる。また、回転掘削チップの刃先部の表面にこのような皮膜処理によって表面硬化層を形成したり、刃先部の表面に多結晶ダイヤモンドよりなる表面硬化層を形成したりすることにより、刃先部の耐摩耗性を向上させて一層の工具寿命の延長を図ることができる。なお、このような表面硬化層は、工具本体に固定された掘削チップの表面にも形成されていてもよい。
 また、このような表面硬化層は、工具本体の少なくとも回転掘削チップが取り付けられる埋め込み穴周辺に形成されていてもよい。これにより、掘削時の回転掘削チップの回転による埋め込み穴の摩耗を防ぐことができ、特に上記凹溝や凸部が工具本体の埋め込み穴内周面に直接形成されている場合に効果的である。なお、このような埋め込み穴周辺の表面硬化層は、上述のようなDLC、PVD、CVD等の皮膜処理によるもののほかに、例えば高周波焼き入れ、浸炭焼き入れ、レーザー焼き入れ、窒化処理等によるものであってもよい。
 さらに、回転掘削チップの埋め込み部外周面と、回転掘削チップが取り付けられる埋め込み穴の内周面との間には、潤滑剤が介装されていてもよい。潤滑剤の介装によって回転掘削チップの回転を円滑にすることができ、埋め込み部や埋め込み穴の摩耗を一層低減することができる。
 さらにまた、回転掘削チップの埋め込み部の後端面と、回転掘削チップが取り付けられる埋め込み穴の穴底面との間には、緩衝材が介装されていてもよい。例えば銅板のような回転掘削チップや工具本体よりも硬度の低い緩衝材を介装することにより、掘削時の負荷が回転掘削チップから工具本体に直接作用するのを防いで、工具本体の損傷を防止することができる。
 また、回転掘削チップの埋め込み部の後端面は上記中心軸を中心とした凸円錐面状部を備え、回転掘削チップが取り付けられる埋め込み穴の穴底面は上記凸円錐面状部に対向する凹円錐面状部を備えていてもよい。これら凹凸円錐面状部が摺接、あるいは上記緩衝材を介して対向することにより、掘削時に回転掘削チップを確実に上記中心軸回りに回転させることができる。なお、このような凹凸円錐面状部や緩衝剤は、工具本体に固定された掘削チップの埋め込み部や埋め込み穴に備えられていてもよい。
 以上説明したように、本発明によれば、埋め込み部の中心軸回りに掘削時に回転自在とされるとともに中心軸方向先端側に抜け止めされて取り付けられる掘削チップにおいて、その脱落を招くことなく、刃先部の均等な摩耗を促すことができる。このため、地盤や岩盤が硬く刃先部が激しく摩耗する条件下でも片減りなどの偏摩耗を防いで刃先部の再研磨を不要とし、掘削チップによる掘削性能および掘削効率を長期に亙って維持して、工具寿命の延長を図るとともに掘削穴単位深さ当りの掘削コストを低減することができる。
本発明の第1ないし第4の実施形態の斜視図である。 本発明の第1の実施形態を示す軸線方向先端側から見た正面図である。 本発明の第1の実施形態を示す図2AにおけるZOZ断面図である。 本発明の第2の実施形態を示す軸線方向先端側から見た正面図である。 本発明の第2の実施形態を示す図3AにおけるZOZ断面図である。 本発明の第3の実施形態を示す軸線方向先端側から見た正面図である。 本発明の第3の実施形態を示す図4AにおけるZOZ断面図である。 本発明の第4の実施形態を示す軸線方向先端側から見た正面図である。 本発明の第4の実施形態を示す図5AにおけるZOZ断面図である。 図1ないし図5Bに示す実施形態における回転掘削チップと埋め込み穴の第1例を示す中心軸に沿った断面図である。 図1ないし図5Bに示す実施形態における回転掘削チップと埋め込み穴の第2例を示す中心軸に沿った断面図である。 図1ないし図5Bに示す実施形態における回転掘削チップと埋め込み穴の第3例を示す中心軸に沿った断面図である。 図1ないし図5Bに示す実施形態における回転掘削チップと埋め込み穴の第4例を示す中心軸に沿った断面図である。 図1ないし図5Bに示す実施形態における回転掘削チップと埋め込み穴の第5例を示す中心軸に沿った断面図である。 図1ないし図5Bに示す実施形態における回転掘削チップと埋め込み穴の第6例を示す中心軸に沿った断面図である。 図1ないし図5Bに示す実施形態における回転掘削チップと埋め込み穴の第7例を示す中心軸に沿った断面図である。 図1ないし図5Bに示す実施形態における回転掘削チップと埋め込み穴の第8例を示す中心軸に沿った断面図である。 図1ないし図5Bに示す実施形態における回転掘削チップと埋め込み穴の図9AにおけるZZ断面図である。 図1ないし図5Bに示す実施形態における回転掘削チップと埋め込み穴の第9例を示す中心軸に沿った断面図である。 図1ないし図5Bに示す実施形態における回転掘削チップと埋め込み穴の図9CにおけるZZ断面図である。 図1ないし図5Bに示す実施形態における回転掘削チップと埋め込み穴の第10例を示す中心軸に沿った断面図である。 図1ないし図5Bに示す実施形態における回転掘削チップと埋め込み穴の図9EにおけるZZ断面図である。 図1ないし図5Bに示す実施形態における回転掘削チップと埋め込み穴の第11例を示す中心軸に沿った断面図である。 図1ないし図5Bに示す実施形態における回転掘削チップと埋め込み穴の第12例を示す中心軸に沿った断面図である。 図1ないし図5Bに示す実施形態における回転掘削チップと埋め込み穴の第13例を示す中心軸に沿った断面図である。 図1ないし図5Bに示す実施形態における回転掘削チップと埋め込み穴の第14例を示す中心軸に沿った断面図である。 図1ないし図5Bに示す実施形態における回転掘削チップと埋め込み穴の第15例を示す中心軸に沿った断面図である。 図1ないし図5Bに示す実施形態における回転掘削チップと埋め込み穴の第16例を示す中心軸に沿った断面図である。
 図1ないし図5Bは、それぞれ本発明の第1ないし第4の実施形態を示すものである。これらの実施形態において、工具本体1は鋼材等により形成されて、図1に示すように先端部(図1において左側部分。図2Aないし図5Bの各B図では下側部分)が大径で、後端側(図1において右側。図2Aないし図5Bの各B図では上側)に向かうに従い外径が段階的に小さくなる軸線Oを中心とした概略多段円柱状をなしている。
 工具本体1の後端部はシャンク部2とされている。このシャンク部2が図示されないダウンザホールハンマに取り付けられることにより、工具本体1はダウンザホールハンマから軸線O方向先端側への打撃力を受ける。また、ダウンザホールハンマの後端には図示されない掘削ロッドを介して掘削装置が連結され、工具本体1はこの掘削装置から軸線O回りの回転力と軸線O方向先端側への推力を受ける。
 工具本体1の先端部3は、本実施形態ではその先端面内周部3Aが軸線Oに垂直で軸線Oを中心とした円形面とされるとともに、先端面外周部3Bは外周側に向かうに従い後端側に向かうように傾斜したテーパ面状のゲージ部とされている。また、この先端面外周部3Bの後端側に連なる先端部3の外周面は、後端側に向かうに従い内周側に向かうように僅かに傾斜したテーパ面とされた後、凹曲面状をなして外周側に張り出してから段差を介して上記シャンク部2に連なるようにされている。
 この先端部3の外周面には、掘削時に生成される繰り粉を排出するために、軸線Oに平行に延びる複数条(本実施形態では8条)の外周排出溝4Aが周方向に等間隔に形成されている。これらの外周排出溝4Aは、軸線Oに直交する断面が凹円弧等の凹曲線状をなすものであって、軸線Oからその溝底までの半径は、上記先端面内周部3Aがなす円の半径よりも僅かに大きくされている。
 これら8つの外周排出溝4Aのうち、軸線Oを挟んで互いに反対側に位置する2つの外周排出溝(図2Aないし図5Bの各A図において上下に位置する外周排出溝)4Aの先端からは、内周側に向けて上記先端面内周部3Aに延び、先端面内周部3Aがなす上記円の半径程度の位置に至る先端排出溝4Bが形成されている。また、工具本体1には、その後端から先端側に向けて圧縮空気のブロー穴1Aが軸線Oに沿って形成されていて、このブロー穴1Aは先端部3において2つに分岐して上記先端排出溝4Bの内周端に開口させられている。
 この工具本体1の先端部3の上記先端面内周部3Aと上記先端面外周部3Bには、掘削チップ5が植設されている。この掘削チップ5は、工具本体1よりも硬質な超硬合金等の焼結合金により形成され、図6Aないし図12Bに示すように中心軸Cを中心とした概略円柱状をなす後端側(図6Aないし図8B、図9A、図9C、図9E、および図10Aないし図12Bにおいて下側)の埋め込み部6と、先端側(図6Aないし図8B、図9A、図9C、図9Eおよび図10Aないし図12Bにおいて上側)の刃先部7とが一体に成形されたものである。
 図6Aないし図12Bに示す掘削チップ5では、刃先部7は中心軸C上に中心を有して埋め込み部6先端の半径よりも僅かに大きい半径の半球状とされている。ただし、刃先部7は先端が球面状に丸められた中心軸Cを中心とする円錐状とされていてもよく、また中心軸Cを中心とした砲弾状とされていてもよい。
 このような掘削チップ5は、工具本体1に形成された概略円柱状に凹む埋め込み穴8に上記埋め込み部6が埋め込まれるように挿入させられて植設され、刃先部7を突出させるように取り付けられている。そして、第1ないし第4の実施形態では、工具本体1の先端部に複数の掘削チップ5が取り付けられており、このうち図2Aないし図5Bに網掛けをして示した少なくとも一部の掘削チップ5は、掘削時に上記中心軸C回りに回転自在とされるとともに中心軸C方向先端側に向けて抜け止めされて埋め込み穴8に取り付けられた回転掘削チップ5Aとされている。
 第1ないし第4の実施形態では、いずれも工具本体1の先端部3の上記先端面内周部3Aと先端面外周部3Bとにそれぞれ複数ずつの掘削チップ5が取り付けられている。このうち先端面外周部3Bには、周方向に隣接する上記外周排出溝4Aの間にそれぞれ1つずつの掘削チップ5が周方向に略等間隔となるように合計8つ取り付けられている。
 先端面外周部3Bに植設された掘削チップ5は、中心軸Cが工具本体1の先端側に向かうに従い外周側に向けて延びてこの先端面外周部3Bに略垂直となるように植設されている。軸線O方向先端側から見たときの先端面外周部3Bに植設された掘削チップ5の刃先部7の軸線Oからの最大外径(軸線O方向先端視において軸線Oを中心として先端面外周部3Bに植設された掘削チップ5の刃先部に外接する円の直径)は、工具本体1の先端部3の最大外径(先端面外周部3Bとその後端側に連なる先端部3の外周面との交差稜線の直径)よりも僅かに大きくなるようにされている。
 また、先端面内周部3A内の外周側には、4つの掘削チップ5が取り付けられている。これら先端面内周部3A内の外周側の掘削チップ5は、軸線O方向先端視において先端面内周部3Aがなす円に内接するように取り付けられ、また上記外周排出溝4Aのうち先端排出溝4Bに連通する上記2つの外周排出溝4Aの周方向両側に隣接する外周排出溝4Aの内側に位置するようにして周方向に等間隔に取り付けられている。
 さらに、これら先端面内周部3Aの外周側の掘削チップ5より内周側にも、複数(4つ)の掘削チップ5が取り付けられている。これら内周側の掘削チップ5は、先端排出溝4Bやブロー穴1Aを避けるように取り付けられ、また互いの軸線O回りの回転軌跡が、先端面内周部3Aの上記外周側の掘削チップ5とともに軸線Oの極近傍を除いて先端面内周部3Aがなす円の略全域を占めるように径方向にずらされて取り付けられている。なお、先端面内周部3Aに取り付けられた掘削チップ5は、中心軸Cが軸線Oに平行とされ、軸線O方向の刃先部7の突き出し量も揃えられている。
 第1ないし第4の実施形態のうち、図2A及び図2Bに示す第1の実施形態では、先端部3の先端面内周部3Aと先端面外周部3Bとに取り付けられた全ての掘削チップ5が、回転掘削チップ5Aとされている。また、図3A及び図3Bに示す第2の実施形態では、先端面外周部3Bに取り付けられた掘削チップ5と、先端面内周部3Aに取り付けられた掘削チップ5のうち上記外周側の掘削チップ5とが、回転掘削チップ5Aとされている。
 さらに、図4A及び図4Bに示す第3の実施形態では、先端面外周部3Bに取り付けられた全ての掘削チップ5が回転掘削チップ5Aとされ、図5A及び図5Bに示す第4の実施形態では、先端面外周部3Bに取り付けられた掘削チップ5のうち周方向に1つおきの合計4つの掘削チップ5だけが回転掘削チップ5Aとされている。なお、第2ないし第4の実施形態において、回転掘削チップ5A以外の掘削チップ5は、掘削時でも中心軸C回りの回転が許容されることなく非回転とされ、中心軸C方向先端側に抜け止めされて工具本体1に強固に固定されている。
 ここで、このように回転掘削チップ5A以外の掘削チップ5を、中心軸C回りの回転を許容することなく拘束して工具本体1に固定するには、この掘削チップ5の埋め込み部6の外径と工具本体1の埋め込み穴8の内径との間に比較的大きな締め代を設定しておき、埋め込み部6を埋め込み穴8にプレス圧入したり、あるいは工具本体1を加熱して埋め込み穴8を拡径させたところに埋め込み部6を挿入して焼き嵌めしたりするなどして、締まり嵌めにより掘削チップ5を固定すればよい。
 これに対して、上記回転掘削チップ5Aを上述のように掘削時に中心軸C回りに回転自在とするとともに中心軸C方向先端側に抜け止めして埋め込み穴8に取り付ける場合の取付手段の第1ないし第16例について、図6Aないし図12Bを用いて説明する。このうち、図6Aないし図6Cおよび図10Aないし図12Bは、回転掘削チップ5Aを直接埋め込み穴8に取り付ける場合を示しており、また図7Aないし図8Bは中間部材を介して回転掘削チップ5Aを埋め込み穴8に取り付ける場合を示しており、さらに図9Aないし図9Fは係止部材を用いて回転掘削チップ5Aを埋め込み穴8に取り付ける場合を示している。
 図6Aに示す第1例では、回転掘削チップ5Aの埋め込み部6の後端部が、埋め込み部6の先端部よりも僅かに一段大きな半径の円柱状とされて、この埋め込み部6の後端部が先端部に対して中心軸Cに対する径方向外周側に突出した凸部6Aとされている。また、工具本体1の埋め込み穴8は、その開口部側の先端部の内径が埋め込み部6先端部の外径よりも僅かに大きくされるとともに、埋め込み部6後端部の凸部6Aの外径よりは僅かに小さくされている。
 これに対して、埋め込み穴8の穴底側の後端部の内径は、埋め込み穴8先端部よりも一段大きくされるとともに埋め込み部6後端部の凸部6Aの外径よりも僅かに大きくされていて、この埋め込み穴8後端部が、上記中心軸C回りに周回するように形成されて上記凸部6Aを収容する凹溝8Aとされている。なお、凸部6Aの中心軸C方向の長さは凹溝8Aの中心軸C方向の長さより僅かに短くされている。
 また、図6Bに示す第2例では、回転掘削チップ5Aの埋め込み部6の中心軸C方向略中央に、この中心軸Cに対する径方向外周側に僅かに突出して該中心軸C回りに周回する環状の凸部6Bが形成されており、この凸部6Bの中心軸Cに沿った断面は例えば凸円弧等の凸曲線状とされている。これに対して、工具本体1の埋め込み穴8にも、中心軸C方向に凸部6Bに対応した位置に、断面が凹円弧等の凹曲線状をなして凸部6Bを収容可能な凹溝8Bが中心軸C回りに周回するように形成されている。
 凸部6Bの外径は、凹溝8Bを除いた埋め込み穴8の内径よりも大きくされ、凹溝8Bの内径よりは僅かに小さくされている。また、凸部6Bの断面がなす凸円弧等の凸曲線の半径も凹溝8Bの断面がなす凹円弧等の凹曲線の半径よりも僅かに小さくされている。さらに、凸部6B以外の部分の埋め込み部6の外径は、凹溝8B以外の部分の埋め込み穴8の内径よりも僅かに小さくされている。
 一方、図6Cに示す第3例は、図6Bに示した第2例とは逆に、回転掘削チップ5Aの埋め込み部6の中心軸C方向略中央に、この中心軸Cに対する径方向内周側に僅かに凹んで該中心軸C回りに周回する環状の凹溝6Cが形成されており、この凹溝6Cの中心軸Cに沿った断面は例えば凹円弧等の凹曲線状とされている。これに対して、工具本体1の埋め込み穴8には、中心軸C方向に凹溝6Cに対応した位置に、断面が凸円弧等の凸曲線状をなして凹溝6Cに収容可能な凸部8Cが中心軸C回りに周回するように形成されており、凸部8Cの内径は凹溝6Cの外径よりも大きくされるとともに凹溝6C以外の部分の埋め込み部6の外径よりは小さくされている。
 これら第1ないし第3例において、回転掘削チップ5Aの埋め込み部6のうち凸部6A、6Bや凹溝6C以外の部分の外径は、埋め込み穴8のうち凹溝8A、8Bや凸部8C以外の部分の内径よりも僅かに小さくされ、埋め込み部6の外周面が埋め込み穴8の内周面に摺接可能な隙間をもって嵌め入れられて挿入された隙間嵌めとされている。そして、凸部6A、6B、8Cが凹溝8A、8B、6Cに収容されて係止されることにより、回転掘削チップ5Aは、中心軸C方向先端側に抜け止めされた状態で、掘削時および非掘削時にも中心軸C回りの回転が許容されるようになされている。
 このような回転掘削チップ5Aの埋め込み部6を工具本体1の埋め込み穴8に挿入するには、例えば鋼材よりなる工具本体1と超硬合金のような硬質の焼結合金である回転掘削チップ5Aとのヤング率の違いを利用して、埋め込み部6を埋め込み穴8にプレス圧入することにより埋め込み穴8周辺の工具本体1を弾性変形させて凸部6A、6B、8Cを凹溝8A、8B、6Cに収容すればよい。あるいは、工具本体1の先端部3を加熱して熱膨張により埋め込み穴8を拡径させたところに回転掘削チップ5Aの埋め込み部6を挿入した後、工具本体1が冷却されて埋め込み穴8が収縮することによって凸部6A、6B、8Cが凹溝8A、8B、6Cに収容されるようにしてもよい。
 次に、図7A及び図7Bに示す第4、第5例では中間部材10を工具本体1の埋め込み穴8内周に取り付けることにより、また図8A及び図8Bに示す第6、第7例では逆に中間部材10を回転掘削チップ5Aの埋め込み部6外周に取り付けることにより、凹溝または凸部を形成してそれぞれ回転掘削チップ5Aを抜け止めするとともに掘削時に回転自在としている。
 このうち、図7Aに示す第4例では、回転掘削チップ5Aの埋め込み部6は、第1例と同じく後端部が先端部よりも僅かに一段大きな半径の多段円柱状とされて先端部に対して中心軸Cに対する径方向外周側に突出した凸部6Aとされる。一方、工具本体1の埋め込み穴8は、中心軸C方向全体に亙ってこの凸部6Aを収容可能な一定の内径とされている。
 この第4例における中間部材10は円筒状の部材であって、工具本体1と同じく鋼材により形成されている。この中間部材10の外径は、埋め込み穴8への取り付け前は埋め込み穴8の内径よりも僅かに大きくされている。また、この中間部材10の内径は、埋め込み穴8への取り付け後には、回転掘削チップ5Aの埋め込み部6のうち凸部6Aとされる後端部の外径より小さく、これよりも先端側の埋め込み部6の外径よりは大きな内径となるようにされている。
 このような第4例の中間部材10は、埋め込み部6に回転掘削チップ5Aの埋め込み部6を挿入した後に、埋め込み穴8の内周と埋め込み部6の先端部外周との間にプレス圧入によって押し込まれたり、工具本体1を加熱して熱膨張させることにより拡径した埋め込み穴8に挿入されたりして、締まり嵌めにより埋め込み穴8内周面に固定される。従って、こうして固定された中間部材10よりも後端側の埋め込み穴8内には、埋め込み部6の凸部6Aが収容される凹溝8Aが形成されることになる。
 また、図7Bに示す第5例では、回転掘削チップ5Aは、第3例と同じく埋め込み部6の中心軸C方向略中央に中心軸C回りに周回する環状の凹溝6Cが形成されたものとされ、埋め込み穴8は回転掘削チップ5Aの埋め込み部6の外径よりも一回り大きな一定の内径を有するものとされている。そして、これら埋め込み部6と埋め込み穴8との間には、円筒状の中間部材10が締まり嵌めによって挿入されて介装されている。
 この中間部材10の内周面には、中心軸C方向に埋め込み部6の凹溝6Cと対応する位置に、第3例の凸部8Cと同様に凸部10Aが中心軸C回りに周回するように形成されている。この凸部10Aは、埋め込み部6の凹溝6C以外の部分の外径よりも小さな内径を有して凹溝6Cに収容可能とされ、凸部10A以外の部分の中間部材10の内径は凹溝6C以外の部分の埋め込み部6の外径よりも僅かに大きくされている。
 このような第5例の中間部材10は、プレス圧入や熱膨張による焼き嵌めによって埋め込み穴8に締まり嵌めされて固定される。次に、こうして固定された中間部材10に回転掘削チップ5Aの埋め込み部6がプレス圧入されたり、中間部材10ごと工具本体1が熱膨張させられて中間部材10の内周部が拡径したところに回転掘削チップ5Aの埋め込み部6が挿入されたりして、凹溝6Cに凸部10Aが収容され、それ以外の部分は隙間嵌めされて、回転掘削チップ5Aが掘削時に回転自在とされるとともに抜け止めされて取り付けられる。あるいは逆に、内周部に回転掘削チップ5Aの埋め込み部6が隙間嵌めされた中間部材10を回転掘削チップ5Aごと埋め込み穴8に締まり嵌めすることにより中間部材10を縮径させて取り付けてもよい。
 さらに、図8A及び図8Bに示す第6、第7例では、回転掘削チップ5A自体には、埋め込み部6に凸部6A、6Bや凹溝6Cは形成されておらず、回転が拘束された他の掘削チップ5と同様に、埋め込み部6が中心軸Cを中心とした一定外径の円柱状のままとされている。そして、この埋め込み部6の外周に、取り付け前には埋め込み部6の外径より僅かに小さな内径とされた円筒状の中間部材10が、埋め込み部6が中間部材10の内周部にプレス圧入されたり、熱膨張により拡径させられた中間部材10内周部に埋め込み部6が挿入されたりして、締まり嵌めによって取り付けられて固定されている。
 ここで、図8Aに示す第6例では、中間部材10の中心軸C方向の長さは埋め込み穴8の深さと略等しくされ、ただしその外径は埋め込み部6の後端部側が先端部側よりも一段大径とされて、この一段大径とされた後端部側が凸部10Bとされている。また、工具本体1の埋め込み穴8には、第1例と同様に、その穴底側の後端部の内径が開口部側の先端部の内径より一段僅かに大きくされることによって、この後端部に凹溝8Aが形成されており、この凹溝8Aに、回転掘削チップ5Aに取り付けられた中間部材10の上記凸部10Bが収容される。さらに、この凹溝8Aよりも開口部側の埋め込み穴8の先端部の内径は上記凸部10Bの外径より小さく、また中間部材10の先端部の外径よりは僅かに大きくされている。
 また、図8Bに示す第7例でも、中間部材10の中心軸C方向の長さは埋め込み穴8の深さと略等しくされ、その外周部の中心軸C方向略中央部に、断面凸曲線状をなして径方向外周側に僅かに突出する凸部10Cが中心軸C回りに周回する環状に形成されている。一方、埋め込み穴8の中心軸C方向において凸部10Cに対応する位置には、第2例と同様に断面凹曲面状をなす凹溝8Bが中心軸C回りに周回するように形成されていて、この凹溝8Bに上記凸部10Cが収容される。
 さらにまた、係止部材を用いて回転掘削チップ5Aを取り付ける図9Aないし図9Fに示した第8ないし第10例では、埋め込み部6の外周面に中心軸C回りに周回する凹溝6Dが形成されるとともに、このうち第8、第10例では、埋め込み穴8内周面の中心軸C方向に凹溝6Dと対向する位置に、同じく中心軸C回りに周回する凹溝8Dが形成されている。また、第9例では、埋め込み穴8内周面のやはり凹溝6Dと対応する位置に、中心軸Cに直交する断面において周回する凹溝6Dの接線方向に延びるように工具本体1に穿設された凹穴8Eの埋め込み穴8内周面への開口部が形成されている。なお、これら第8ないし第10例では埋め込み部6は埋め込み穴8に隙間嵌めされている。
 図9A及び図9Bに示す第8例では、凹溝6Dは中心軸Cに沿った断面が例えばU字状とされ、凹溝8Dは凹溝6Dの溝幅と等しい直径の断面半円状とされている。このような凹溝6D、8Dには、係止部材としてバネ鋼等の弾性変形可能な材料よりなるC形リング11Aが収容されている。このC形リング11Aの断面は、凹溝8Dの断面がなす半円に密着可能な大きさの円形とされている。
 このようなC形リング11Aは、弾性変形させられることにより縮径して凹溝6D内に収容される。そして、こうしてC形リング11Aが収容された状態で埋め込み部6が埋め込み穴8に挿入され、凹溝6Dと凹溝8Dが一致したところでC形リング11Aが弾力によって両凹溝6D、8Dにまたがるように拡径することにより、回転掘削チップ5Aが中心軸C回りに回転自在とされるとともに、中心軸C方向先端側に係止されて抜け止めされる。
 また、図9C及び図9Dに示す第9例では、回転掘削チップ5Aの凹溝6Dは断面半円状とされるとともに、上記凹穴8Eはこの凹溝6Dの断面がなす半円の直径と等しい大きさの内径とされている。なお、この第9例では、図9Dに示すように工具本体1に1つの埋め込み穴8に対して2つの凹穴8Eが中心軸Cを挟んで互いに反対側に平行に、中心軸Cに直交する1つの平面上に延びるように形成されている。
 これらの凹穴8Eは、その中心線が上記平面上において埋め込み穴8の内周面に接する方向に延びてこの内周面に開口させられていて、これにより凹穴8Eは凹溝6Dの接線方向に延びて、その接点において埋め込み穴8内周面への開口部が凹溝6Dと一致して断面円形をなす。そして、この凹穴8Eには、係止部材として円柱軸状のピン11Bが嵌挿されて抜け止めされており、このピン11Bが上記開口部から凹溝6D内にまたがって収容されることにより、回転掘削チップ5Aは中心軸C回りの回転が許容されつつ、中心軸C方向先端側には係止されて抜け止めされる。
 さらに、図9E及び図9Fに示す第10例でも、回転掘削チップ5Aの凹溝6Dは断面半円状とされるとともに、埋め込み穴8内周面の凹溝8Dも凹溝6Dと等しい半径の断面半円状とされている。また、工具本体1には、これら凹溝6D、8Dと等しい半径の内径を有する凹穴8Fが、1つの埋め込み穴8に対して1つずつ凹溝8Dに向けて穿設されて連通させられている。
 そして、凹溝6D、8Dが一致して形成される断面円形の環状穴には、この凹穴8Fを通して多数のボール11Cが送り込まれて、凹溝6D、8D間にまたがる係止部材として収容される。抗してボール11Cが収容された後、凹穴8Fに図示されないピンが挿入されることでボール11Cは上記環状穴から抜け止めされる。従って、このボール11Cの転動により回転掘削チップ5Aは中心軸C回りに回転自在とされ、かつ中心軸C方向先端側に抜け止めされて係止される。
 このように構成された掘削工具においては、こうして回転掘削チップ5Aとされた掘削チップ5が、その中心軸C回りに回転自在とされており、掘削時に工具本体1がその軸線O回りに回転させられるのに伴い、この回転掘削チップ5Aも地盤や岩盤からの接触抵抗により中心軸C回りに従動回転させられることになる。従って、この回転掘削チップ5Aにおいては、その刃先部7に掘削によって生じる摩耗も周方向に均等になるので、刃先部7が部分的に片減りするのを防ぐことができるとともに、刃先部7を構成する曲面の曲率半径が大きくなるのも防いで、掘削性能や掘削効率の著しい低下を抑えることができる。
 例えば一例として、工具本体に全ての掘削チップが非回転に固定された従来の掘削工具であって、工具本体の軸線O方向先端側から見たときの先端面外周部に植設された掘削チップの刃先部の軸線Oからの最大外径が152mmである掘削工具において、所定の条件で掘削を行ったところ、先端面外周部に植設された掘削チップは刃先部が片減りして内周側にそれぞれ2mm縮径し、最大外径が148mmになったところで寿命となり、このときの掘削チップの摩耗量は2.9gであった。
 ところが、この先端面外周部に植設された掘削チップを回転掘削チップ5Aとした本発明に係る掘削工具では、この回転掘削チップ5Aが同じ摩耗量2.9gで摩耗しても、刃先部7が周方向に均等に摩耗するため、縮径量は0.64mmとなって刃先部の最大外径は150.7mmとなり、従来の掘削工具の3倍以上に工具寿命が延長されていることが分かった。
 このため、上記構成の掘削工具によれば、地盤や岩盤が硬く刃先部が激しく摩耗する条件下でも刃先部7の再研磨を不要として、工具寿命の延長を図るとともに掘削穴単位深さ当りの掘削コストを低減することができる。その一方で、こうして回転自在掘削チップ5Aが中心軸C回りに回転自在とされていても、この中心軸C方向の先端側に向けて回転掘削チップ5Aは抜け止めされて埋め込み穴8に保持されているので、工具本体1に非回転に植設された他の掘削チップ5ともども、掘削チップ5が脱落することによって掘削性能や掘削効率が低下するようなこともない。
 なお、工具本体1に複数の掘削チップ5が植設されている場合には、図2A及び図2Bに示した第1の実施形態のようにその全てが回転自在掘削チップ5Aとされていてもよい。ただし、このような回転掘削チップ5Aは、刃先部7の摩耗は均等にしてその寿命を延長することができる一方で、工具本体1への取付剛性などは非回転に固定された掘削チップ5と比べて確保することが難しいため、工具本体1から回転掘削チップ5Aに与えられる軸線O方向先端側への打撃力や推力、あるいは軸線O回りの回転力を地盤や岩盤に伝播することが困難となるおそれがある。
 そこで、このような場合には、図3Aないし図5Bに示した第2ないし第4の実施形態のように、複数の掘削チップ5のうち一部が回転掘削チップ5Aとされて、残りの掘削チップ5は工具本体1に対して非回転に固定されて取り付けられていてもよい。この非回転に固定された掘削チップ5によって打撃力や推力、回転力を地盤や岩盤に直接的に伝播して掘削穴を形成することができるとともに、回転掘削チップ5Aによって工具寿命の延長を図ることができる。
 ただし、このように複数の掘削チップ5のうち一部を回転掘削チップ5Aとし、残りを非回転とする場合には、工具本体1の先端部3の先端面内周部3Aに植設される掘削チップ5を回転掘削チップ5Aとし、残りの先端面外周部3Bに植設される掘削チップ5を非回転としてもよいが、先端面内周部3Aの掘削チップ5は専ら地盤や岩盤を破砕して掘削穴を形成する掘削チップ5であって、そのような掘削チップ5が回転掘削チップ5Aとされていると、上述した打撃力や推力、回転力を十分に地盤や岩盤に伝播して効率的な破砕を行うことが困難となるおそれが生じる。
 従って、こうして一部の掘削チップ5を回転掘削チップ5Aとする場合には、上記第2ないし第4の実施形態のように、工具本体1の先端面内周部3Aに該工具本体1に固定されて非回転とされた掘削チップ5が残されるようにして、先端面外周部3Bに少なくとも1つの回転掘削チップ5Aが配設されるようにするのが望ましい。このように先端面内周部3Aに残された非回転の掘削チップ5によって地盤や岩盤を効率的に破砕して掘削穴を形成することができる一方、先端面外周部3Bに配設された回転掘削チップ5Aの摩耗が均等となることによってこの掘削穴を長期に亙って確実に所定の内径にまで拡径し、工具寿命を延長することができる。
 なお、これら第1ないし第4の実施形態では、この順に、図2Aないし図5Bに網掛けで示したように回転掘削チップ5Aの数が先端面内周部3Aから先端面外周部3Bに向けて少なくなっており、工具寿命の延長を重視する掘削工具から地盤や岩盤の効率的な破砕を重視する掘削工具へと変遷している。また、図3A及び図3Bに示す第2の実施形態のように工具本体1の先端面内周部3Aに非回転の掘削チップ5と回転掘削チップ5Aとが配設される場合には、回転掘削チップ5Aはこの先端面内周部3Aの外周側に配設されるのが望ましい。さらに、回転掘削チップ5Aは軸線Oとは同軸に配設されないことが望ましい。
 また、上記各実施形態では、このように回転掘削チップ5Aをその中心軸C回り回転自在、かつ中心軸C方向先端側には抜け止めして取り付けるため、第1には、図6Aないし図6Cに示した第1ないし第3例のように、この回転掘削チップ5Aの埋め込み部6の外周面と工具本体1の埋め込み穴8の内周面とに、中心軸C回りに周回する凹溝8A、8B、6Cとこの凹溝8A、8B、6Cに収容される凸部6A、6B、8Cとを直接形成したり、または図7Aないし図8Bに示した第4ないし第7例のように、埋め込み部6の外周面や埋め込み穴8の内周面に取り付けられる中間部材10に凹溝や凸部を形成したりしている。
 このうち、第1ないし第3例では、掘削チップ5の埋め込み部6と工具本体1の埋め込み穴8との双方に凹溝8A、8B、6Cまたは凸部6A、6B、8Cを形成しなければならないが、部品数が少なくて済むという効果がある。また、これに対して第4ないし第7例では、中間部材10の分だけ部品数は増えるものの、掘削チップ5の埋め込み部6または工具本体1の埋め込み穴8加工が容易となるという効果が得られる。
 一方、同様に回転掘削チップ5Aを中心軸C回り回転自在、かつ中心軸C方向先端側に抜け止めして取り付けるため、第2に、図9Aないし図9Fに示した第8ないし第10例では、埋め込み部6に凹溝6Dを形成するとともに、埋め込み穴8の内周面にも中心軸C回りに周回する凹溝8Dや凹穴8E、8Fの開口部を形成して、これら凹溝6Dと凹溝8Dや凹穴8Eとにまたがる係止部材を用いて回転掘削チップ5Aを取り付けるようにしている。
 このような係止部材として、C形リング11Aやピン11B、ボール11Cを用いる第8ないし第10例では、埋め込み部6や埋め込み穴8の加工が煩雑で部品数も増えるものの、プレス圧入や加熱による熱膨張によらずに回転掘削チップ5Aを取り付けることができ、工具本体1や回転掘削チップ5Aに歪み等が生じたりするのを防ぐことができる。また、これら第8ないし第10例では、回転掘削チップ5Aの刃先部7に摩耗が生じたときに、この回転掘削チップ5Aを交換するのも比較的容易である。
 なお、第1ないし第7例において、凹溝8A、8B、6Cは中心軸C回りに周回するように形成されなければならないが、この凹溝8A、8B、6Cに収容される凸部6A、6B、8Cは、同様に中心軸C回りに周回するように形成されていてもよく、また中心軸C回りの周方向に間隔をあけて点在するように形成されていてもよい。さらに、工具本体1の先端面内周部3Aの回転掘削チップ5Aは比較的取付剛性の高い第1ないし第3例によって取り付けるとともに、先端面外周部3Bの回転掘削チップ5Aは第4ないし第10例によって取り付けるなど、1つの工具本体1において複数の回転掘削チップ5Aが異なる取付手段によって取り付けられていてもよい。
 一方、これら第1ないし第10例の取付手段では、回転掘削チップ5Aが掘削時はもとより、掘削が行われていない非掘削時でも中心軸C回りに回転自在に取り付けられているが、図10Aないし図12Bに示す第11ないし第16例の取付手段のように、回転掘削チップ5Aの埋め込み部6を、非回転とされる掘削チップ5を工具本体1の埋め込み穴8に締まり嵌めによって取り付ける場合の締め代よりも小さい、埋め込み部6の外径d(mm)に対して、締め代0.5×d/1000(mm)~1.5×d/1000(mm)の範囲、望ましくは締め代1.0×d/1000(mm)の締まり嵌めによって埋め込み穴8に嵌め入れて取り付けてもよい。
 ここで、図10Aに示す第11例では、回転掘削チップ5Aの埋め込み部6は中心軸Cを中心とした一定の上記外径d(mm)の円柱状とされるとともに、埋め込み穴8も中心軸Cを中心とするように一定の内径(mm)の円柱状に凹む穴とされている。そして、回転掘削チップ5Aを嵌め入れて取り付ける前の埋め込み部6の外径は埋め込み穴8の内径よりも大きくされ、上記締め代はこの回転掘削チップ5Aの取り付け前の埋め込み部6の外径と埋め込み穴8の内径との差とされる。
 このように、非回転とされる掘削チップ5よりも小さな範囲の締め代の締まり嵌めであれば、非掘削時には回転掘削チップ5Aは回転自在とされてはいなくても、掘削時には工具本体1の回転に伴う地盤や岩盤からの接触抵抗により、埋め込み穴8の内周面との摩擦に抗して埋め込み部6の外周面を摺接させて回転掘削チップ5Aを中心軸C回りに自在に従動回転させることができる。また、例えば軸線Oを鉛直方向に沿わせて先端部3を下向きに工具本体1を保持した状態では、回転掘削チップ5Aが埋め込み穴8から脱落しないようにして、回転掘削チップ5Aを中心軸C方向先端側に抜け止めすることができる。
 次に、図10Bに示す第12例では、図6Aに示した第1例と同じように回転掘削チップ5Aの埋め込み部6の後端部が先端部よりも外径が僅かに大径とされた凸部6Aとされるとともに、埋め込み穴8の後端部も先端部より内径が僅かに大径とされた凹溝8Aとされている。そして、上記凸部6Aが、この凸部6Aにおける外径d(mm)に対して、凹溝8Aにおける内径(mm)との締め代0.5×d/1000(mm)~1.5×d/1000(mm)の範囲の締まり嵌めによって取り付けられているとともに、これより先端側の埋め込み部6先端部も、この先端部における外径d(mm)に対して、埋め込み穴8の先端部の内径(mm)との締め代0.5×d/1000(mm)~1.5×d/1000(mm)の範囲の締まり嵌めによって嵌め入れられている。
 このような第12例の取付手段でも、回転掘削チップ5Aは、非掘削時は回転自在ではなくても掘削時には回転自在とすることができる。また、埋め込み部6と埋め込み穴8との摩擦に加えて、凸部6Aと凹溝8Aとの嵌合によっても回転掘削チップ5Aを抜け止めすることができる。ただし、この第12例では、埋め込み部6A先端部が埋め込み穴8先端部に上述のような締め代で締まり嵌めされていれば、凸部6Aと凹溝8Aとは隙間嵌めされていてもよく、すなわち凸部6Aと凹溝8Aとは専ら回転掘削チップ5Aの抜け止めに用いられていてもよい。また、逆に、凸部6Aが凹溝8Aに上述のような締め代で締まり嵌めされていて、埋め込み部6A先端部は埋め込み穴8先端部に隙間嵌めされていてもよい。さらに、このような締まり嵌めによる取付手段は、他の第2ないし第10の取付手段に適用することも可能である。
 一方、上記第1ないし第12例の取付手段では、回転掘削チップ5Aの埋め込み部6の後端面が埋め込み穴8の穴底面に直接に摺動可能に当接させられて、工具本体1に与えられた軸線O方向先端側への打撃力や推力が回転掘削チップ5Aの刃先部7に伝播するようにされているが、図11Aないし図12Bに示す第13ないし第16例の取付手段のように、回転掘削チップ5Aの埋め込み部6の後端面6Eと埋め込み穴8の穴底面8Gとの間に、緩衝材12を介装するようにしてもよい。
 ここで、図11A及び図11Bに示す第13および第14例を初め、第1ないし第12例の取付手段でも、回転掘削チップ5Aの埋め込み部6の後端面6Eと埋め込み穴8の穴底面8Gとは中心軸Cに垂直な平面状とされており、第13および第14例では緩衝材12は穴底面8Gに嵌め入れ可能な円板状とされている。また、緩衝材12は、超硬合金等よりなる回転掘削チップ5Aよりは勿論、埋め込み穴8が形成された工具本体1を構成する鋼材などよりも軟質の、例えば銅板などにより形成されている。
 このような第13および第14例の取付手段では、掘削時に工具本体1から回転掘削チップ5Aに伝播して地盤や岩盤を掘削する打撃力や推力の反力としての負荷が、回転掘削チップ5Aから中心軸C方向後端側に向けて工具本体1に直接作用するのを避けることができる。従って、このような負荷によって工具本体1の損傷が生じるのを防いで、工具寿命を一層延長することができる。なお、図11Aに示す第13例は図10Aに示した第11例の取付手段に、図11Bに示す第14例は図10Bに示した第12例の取付手段に、緩衝材12を介装したものである。
 また、第1ないし第14例では上述のように、回転掘削チップ5Aの埋め込み部6の後端面6Eと埋め込み穴8の穴底面8Gとは中心軸Cに垂直な平面状とされているが、図12A及び図12Bに示す第15および第16例の取付手段のように、埋め込み部6の後端面6Eには中心軸Cを中心とした凸円錐面状部6Fが形成されるとともに、埋め込み穴8の穴底面8Gにはこの凸円錐面状部6Fに対向する凹円錐面状部8Hが形成されていてもよい。なお、図12Aに示す第15例は図11Aに示した第13例において、図12Bに示す第16例は図11Bに示した第14例において、それぞれ後端面6Eに凸円錐面状部6Fを形成するとともに穴底面8Gには凹円錐面状部8Hを形成したものであり、後端面6Eと穴底面8Gとの間には緩衝材12が介装されている。
 ここで、これら第15および第16例において、埋め込み穴8の穴底面8Gは、全体が中心軸Cを中心とする凹円錐面状部8Hとされ、この凹円錐面状部8Hが中心軸Cに沿った断面においてなすV字の交差角は鈍角とされている。また、回転掘削チップ5Aの埋め込み部6の後端面6Eは中心軸Cを中心とした凸円錐台状とされて、その錐面をなす部分が凸円錐面状部6Fとされており、この凸円錐面状部6Fを延長した凸円錐面が中心軸Cに沿った断面においてなすV字の交差角は、凹円錐面状部8Hがなす交差角と等しい鈍角とされている。なお、緩衝材12は、埋め込み部6の後端面6Eに倣って一定の厚さの断面円錐台面状とされた皿形とされている。また、凸円錐面状部6Fと埋め込み部6の外周面との間には面取りが施されている。
 このような第15および第16例の取付手段では、掘削時に回転掘削チップ5Aに上記反力としての負荷が作用して回転掘削チップ5Aが中心軸C方向後端側に押し付けられると、凸円錐面状部6Fが凹円錐面状部8Hに向けて押圧されながら回転掘削チップ5Aが回転させられることになる。このため、埋め込み部6の中心軸Cを埋め込み穴8と中心と確実に一致させつつ回転掘削チップ5Aを回転させることができ、第15および第16例のように締まり嵌めによって埋め込み部6が埋め込み穴8に取り付けられていても、埋め込み穴8に偏摩耗が生じたりするのを防ぐことができる。
 なお、これら第15および第16例では、回転掘削チップ5Aの埋め込み部6の後端面6Eと埋め込み穴8の穴底面8Gとの間には緩衝材12が介装されているが、緩衝材12を介装することなく、凸円錐面状部6Fが凹円錐面状部8Hに摺動可能に直接当接させられていてもよい。また、このような第15および第16例の取付手段は、第1ないし第12例の取付手段にも適用可能であり、さらに第13ないし第16例の緩衝材12や凹凸円錐面状部6F、8Hは、非回転とされて工具本体1に固定される掘削チップ5にも適用可能である。
 さらに、図示は略するが少なくとも回転掘削チップ5Aの表面には、表面硬化層が形成されていてもよい。このような表面硬化層は、回転掘削チップ5Aの埋め込み部6と刃先部7のうちいずれか一方に形成されていてもよく、また埋め込み部6と刃先部7の双方に形成されていてもよい。例えば、回転掘削チップ5Aが上述のように超硬合金によって形成されている場合には、その埋め込み部6の表面にDLC、PVD、CVD等の皮膜処理を施すことによって表面硬化層を形成することにより、埋め込み部6の強度の向上や埋め込み穴8内での回転摺動性の向上を図ることができる。
 また、回転掘削チップ5Aの刃先部7の表面にこのような皮膜処理によって表面硬化層を形成したり、あるいは刃先部7の表面に多結晶ダイヤモンドよりなる表面硬化層を形成したりした場合には、刃先部7の耐摩耗性を向上させて一層の工具寿命の延長を図ることができる。なお、特にこのような刃先部7の表面硬化層は、回転掘削チップ5A以外の工具本体1に非回転に固定された掘削チップ5の表面に形成されていてもよい。
 一方、このような表面硬化層は、工具本体1の表面に形成されていてもよい。特に、工具本体1の回転掘削チップ5Aが取り付けられる埋め込み穴8の周辺に表面硬化層を形成したときには、掘削時の回転掘削チップ5Aの回転による埋め込み穴8の摩耗を防ぐことができるので、第1ないし第3例のように凹溝8A、8Bや凸部8Cが工具本体1の埋め込み穴8内周面に直接形成されて回転掘削チップ5Aと摺接する場合や、第11ないし第16例のように回転掘削チップ5Aの埋め込み部6が締まり嵌めによって埋め込み穴8と摺接する場合に、効果的である。なお、工具本体1が上述のように鋼材によって形成されている場合には、その表面に形成する表面硬化層は、上記DLC、PVD、CVD等の皮膜処理によるもののほかに、例えば高周波焼き入れ、浸炭焼き入れ、レーザー焼き入れ、窒化処理等によるものであってもよい。
 さらにまた、このような埋め込み穴8の摩耗や回転掘削チップ5Aの埋め込み部6の摩耗を抑制するとともに、回転掘削チップ5Aの掘削時の回転を円滑にするためには、特に埋め込み部6と埋め込み穴8が隙間嵌めとされた第1ないし第10例において、これら埋め込み部6の外周面と埋め込み穴8の内周面との間に、固形潤滑剤等の潤滑剤を介装するようにしてもよい。
 また、上記実施形態では、工具本体1後端側のシャンク部2がダウンザホールハンマから軸線O方向先端側に向けての打撃力を受ける掘削工具について説明したが、トンネル、鉱山において使用される削岩機に取り付けられる、いわゆるトップハンマー工具に本発明を適用することも可能である。さらに、このような打撃力を受けることなく、掘削ロッドからの推力と回転力により工具本体1が軸線O方向先端側に前進させられる掘削工具に本発明を適用することも勿論可能である。
 以上、本発明の実施形態について説明したが、各実施形態における各構成およびそれらの組み合わせ等は一例であり、本発明の趣旨から逸脱しない範囲内で、構成の付加、省略、置換、およびその他の変更が可能である。また、本発明は、実施形態によって限定されることはなく、特許請求の範囲によってのみ限定される。
 以上説明したように、本発明の掘削工具によれば、掘削チップによる掘削性能および掘削効率を長期に亙って維持して、工具寿命の向上と掘削穴の単位深さ当りの掘削コストの低減を図ることが可能となる。従って、産業上の利用が可能である。
 1 工具本体
 3 工具本体1の先端部
 3A 先端面内周部
 3B 先端面外周部
 5 掘削チップ
 5A 回転掘削チップ
 6 埋め込み部
 6A、6B、8C、10A、10B、10C 凸部
 6C、6D、8A、8B、8D 凹溝
 6E 埋め込み部6の後端面
 6F 凸円錐面状部
 7 刃先部
 8 埋め込み穴
 8E、8F 凹穴
 8G 埋め込み穴8の穴底面
 8H 凹円錐面状部
 10 中間部材
 11A C形リング(係止部材)
 11B ピン(係止部材)
 11C ボール(係止部材)
 12 緩衝材
 O 工具本体1の軸線
 C 掘削チップ5の中心軸

Claims (10)

  1.  軸線を中心とした工具本体と、
     上記工具本体の先端部に穿設された埋め込み穴に取り付けられる掘削チップとを備え、
     上記工具本体は、上記軸線回りに回転されるとともに上記軸線方向先端側に前進させられ、
     上記掘削チップは、中心軸を中心とした外形円柱状の埋め込み部と上記中心軸方向先端側の刃先部とが一体に形成され、
     上記埋め込み部が上記埋め込み穴に挿入されるとともに、上記刃先部は上記該埋め込み穴から突出させられており、
     少なくとも1つの上記掘削チップは、掘削時に上記埋め込み部の上記中心軸回りに回転自在とされるとともに、上記中心軸方向先端側に抜け止めされて上記埋め込み穴に取り付けられた回転掘削チップとされていることを特徴とする掘削工具。
  2.  上記工具本体には複数の上記掘削チップが取り付けられており、このうち一部の掘削チップが上記回転掘削チップとされているとともに、残りの上記掘削チップは上記工具本体に固定されて取り付けられていることを特徴とする請求項1に記載の掘削工具。
  3.  上記工具本体には複数の上記掘削チップが取り付けられており、このうち上記工具本体の先端面外周部に取り付けられる少なくとも1つの掘削チップが上記回転掘削チップとされるとともに、残りの掘削チップは上記工具本体に固定されて取り付けられていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の掘削工具。
  4.  上記回転掘削チップの上記埋め込み部外周面と、上記回転掘削チップが取り付けられる上記埋め込み穴の内周面とのうち、一方には上記中心軸回りに周回する凹溝が設けられるとともに、他方には上記凹溝に収容される凸部が設けられていることを特徴する請求項1から請求項3のうちいずれか一項に記載の掘削工具。
  5.  上記凹溝と凸部とのうちの一方は、該凹溝と凸部とのうちの一方が設けられる上記埋め込み部外周面または上記埋め込み穴内周面に取り付けられて固定される中間部材によって形成されていることを特徴とする請求項4に記載の掘削工具。
  6.  上記回転掘削チップの上記埋め込み部外周面には、上記中心軸回りに周回する凹溝が形成されるとともに、上記回転掘削チップが取り付けられる上記埋め込み穴の内周面には、上記中心軸方向に上記凹溝と対向する位置に、上記中心軸回りに周回する凹部または該凹溝の接線方向に延びる凹穴の開口部が形成されており、上記凹溝と上記凹部または上記凹穴の開口部とにまたがって係止部材が収容されていることを特徴とする請求項1から請求項3のうちいずれか一項に記載の掘削工具。
  7.  上記回転掘削チップの上記埋め込み部は、該埋め込み部の外径d(mm)に対して、締め代0.5×d/1000(mm)~1.5×d/1000(mm)の範囲の締まり嵌めによって上記埋め込み穴に取り付けられていることを特徴とする請求項1から請求項6のうちいずれか一項に記載の掘削工具。
  8.  少なくとも上記回転掘削チップの表面には、表面硬化層が形成されていることを特徴とする請求項1から請求項7のうちいずれか一項に記載の掘削工具。
  9.  上記工具本体の少なくとも上記回転掘削チップが取り付けられる上記埋め込み穴周辺には、表面硬化層が形成されていることを特徴とする請求項1から請求項8のうちいずれか一項に記載の掘削工具。
  10.  上記回転掘削チップの上記埋め込み部外周面と、上記回転掘削チップが取り付けられる上記埋め込み穴の内周面との間には、潤滑剤が介装されていることを特徴とする請求項1から請求項9のうちいずれか一項に記載の掘削工具。
PCT/JP2012/081049 2011-11-30 2012-11-30 掘削工具 WO2013081098A1 (ja)

Priority Applications (10)

Application Number Priority Date Filing Date Title
RU2014121927/03A RU2565307C1 (ru) 2011-11-30 2012-11-30 Породоразрушающий инструмент
US14/356,443 US9551190B2 (en) 2011-11-30 2012-11-30 Excavation tool
KR1020167012854A KR101691341B1 (ko) 2011-11-30 2012-11-30 굴삭 공구
CN201280058380.3A CN103958814B (zh) 2011-11-30 2012-11-30 挖掘工具
KR1020147013893A KR20140093690A (ko) 2011-11-30 2012-11-30 굴삭 공구
CA2854884A CA2854884C (en) 2011-11-30 2012-11-30 Excavation tool
AU2012343451A AU2012343451B2 (en) 2011-11-30 2012-11-30 Excavation tool
EP12853335.3A EP2787163B1 (en) 2011-11-30 2012-11-30 Excavation tool
HK15100186.7A HK1199749A1 (en) 2011-11-30 2015-01-08 Excavation tool
AU2016204850A AU2016204850B2 (en) 2011-11-30 2016-07-11 Excavation tool

Applications Claiming Priority (4)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2011-262526 2011-11-30
JP2011262526 2011-11-30
JP2012251357A JP6127463B2 (ja) 2011-11-30 2012-11-15 掘削工具
JP2012-251357 2012-11-15

Publications (1)

Publication Number Publication Date
WO2013081098A1 true WO2013081098A1 (ja) 2013-06-06

Family

ID=48535546

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
PCT/JP2012/081049 WO2013081098A1 (ja) 2011-11-30 2012-11-30 掘削工具

Country Status (10)

Country Link
US (1) US9551190B2 (ja)
EP (1) EP2787163B1 (ja)
JP (1) JP6127463B2 (ja)
KR (2) KR20140093690A (ja)
CN (2) CN106320992A (ja)
AU (2) AU2012343451B2 (ja)
CA (1) CA2854884C (ja)
HK (1) HK1199749A1 (ja)
RU (1) RU2565307C1 (ja)
WO (1) WO2013081098A1 (ja)

Families Citing this family (12)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US9476257B2 (en) 2014-05-07 2016-10-25 Baker Hughes Incorporated Formation-engaging assemblies and earth-boring tools including such assemblies
US9359826B2 (en) 2014-05-07 2016-06-07 Baker Hughes Incorporated Formation-engaging structures having retention features, earth-boring tools including such structures, and related methods
US10502001B2 (en) 2014-05-07 2019-12-10 Baker Hughes, A Ge Company, Llc Earth-boring tools carrying formation-engaging structures
US20150330153A1 (en) * 2014-05-13 2015-11-19 Baker Hughes Incorporated Earth-boring tools including bearing element assemblies, and related methods
JP3211131U (ja) * 2014-06-29 2017-06-29 伸▲よし▼ 杉谷 掘削用ビット
GB2547337A (en) 2014-10-06 2017-08-16 Halliburton Energy Services Inc Securing mechanism for a drilling element on a downhole drilling tool
CN104389524A (zh) * 2014-11-20 2015-03-04 西南石油大学 一种倒锥齿根镶齿钻头及其加工方法
KR101696782B1 (ko) * 2016-06-17 2017-01-16 한국생산기술연구원 회전 가능한 게이지 버튼을 갖는 드릴 비트
GB201622019D0 (en) * 2016-12-22 2017-02-08 Element Six (Uk) Ltd Degradation tool
RU2658960C1 (ru) * 2017-10-17 2018-06-26 Николай Митрофанович Панин Промывочный узел бурового долота (варианты)
GB201800250D0 (en) * 2018-01-08 2018-02-21 Element Six Gmbh Drill bit with wearshield
KR102551513B1 (ko) * 2022-07-14 2023-07-05 정창식 천공기용 해머비트

Citations (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002250193A (ja) * 2001-02-26 2002-09-06 Koken Boring Mach Co Ltd 衝撃掘削用ビット
JP2002349173A (ja) * 2001-03-23 2002-12-04 Japan National Oil Corp 石油掘削用トリコンビットのインサートチップおよびその製造方法ならびに石油掘削用トリコンビット
JP2005273439A (ja) * 2004-02-26 2005-10-06 Kubota Corp 掘削用のビット
JP2007162220A (ja) * 2005-12-09 2007-06-28 Mitsubishi Materials Corp 掘削ロッド、掘削ビット及び掘削工具
JP2008144561A (ja) * 2006-12-07 2008-06-26 Toyomitsu:Kk アースオーガーヘッド
JP2010180551A (ja) 2009-02-03 2010-08-19 Mitsubishi Materials Corp 掘削工具
JP2011042991A (ja) 2009-08-21 2011-03-03 Mitsubishi Materials Corp 掘削工具

Family Cites Families (28)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US3618683A (en) 1968-12-16 1971-11-09 Ingersoll Rand Co Button bit
US3749190A (en) * 1971-05-06 1973-07-31 Ingersoll Rand Co Retaining carbide in rock drill bits
US4216832A (en) * 1976-06-24 1980-08-12 Kennametal Inc. Furrowing tool
FR2390618B1 (fr) * 1977-05-12 1985-11-29 Lamouric Pol Dispositif pour le maintien a rotation d'un outil dans un porte-outil
US4538690A (en) * 1983-02-22 1985-09-03 Nl Industries, Inc. PDC cutter and bit
DE3334815C1 (de) 1983-09-26 1984-10-18 Siku GmbH Metall- und Kunststoffwarenfabrik, Rickenbach Werkzeug
US4725099A (en) 1985-07-18 1988-02-16 Gte Products Corporation Rotatable cutting bit
US4821819A (en) * 1987-08-11 1989-04-18 Kennametal Inc. Annular shim for construction bit having multiple perforations for stress relief
US4981328A (en) * 1989-08-22 1991-01-01 Kennametal Inc. Rotatable tool having a carbide insert with bumps
ZA93584B (en) 1992-05-27 1993-09-01 De Beers Ind Diamond Abrasive tools.
US5678645A (en) 1995-11-13 1997-10-21 Baker Hughes Incorporated Mechanically locked cutters and nozzles
JPH09242456A (ja) 1996-03-07 1997-09-16 Koken Boring Mach Co Ltd ビットのチップ取付構造
US5873423A (en) 1997-07-31 1999-02-23 Briese Industrial Technologies, Inc. Frustum cutting bit arrangement
JPH11229777A (ja) 1998-02-16 1999-08-24 Ohbayashi Corp 自由断面掘削機用掘削ビット
US6113195A (en) * 1998-10-08 2000-09-05 Sandvik Ab Rotatable cutting bit and bit washer therefor
US6375272B1 (en) 2000-03-24 2002-04-23 Kennametal Inc. Rotatable cutting tool insert
US20020066600A1 (en) * 2000-12-01 2002-06-06 Dvorachek Harold A. Rotary tools or bits
US6758530B2 (en) 2001-09-18 2004-07-06 The Sollami Company Hardened tip for cutting tools
US6709065B2 (en) 2002-01-30 2004-03-23 Sandvik Ab Rotary cutting bit with material-deflecting ledge
US20040026983A1 (en) * 2002-08-07 2004-02-12 Mcalvain Bruce William Monolithic point-attack bit
AU2005203762B2 (en) 2005-08-22 2010-12-02 Sandvik Intellectual Property Ab Rotary cutting pick
RU2008137529A (ru) 2006-02-23 2010-03-27 Бейкер Хьюз Инкорпорейтед (Us) Вставка для закрепления вспомогательного режущего элемента долота роторного бурения
JP2007277946A (ja) 2006-04-07 2007-10-25 Mitsubishi Materials Corp 掘削工具
US8011456B2 (en) * 2007-07-18 2011-09-06 Baker Hughes Incorporated Rotationally indexable cutting elements and drill bits therefor
RU2387787C1 (ru) * 2009-02-27 2010-04-27 Николай Митрофанович Панин Буровое шарошечное долото
RU2451151C1 (ru) 2010-12-06 2012-05-20 Федеральное Государственное Автономное Образовательное Учреждение Высшего Профессионального Образования "Сибирский Федеральный Университет" Буровое шарошечное долото
BR112013027545A2 (pt) * 2011-04-26 2017-01-10 Smith International elemento de corte, e método para formar uma broca de perfuração
JP5769150B2 (ja) 2011-10-04 2015-08-26 大成建設株式会社 掘削機

Patent Citations (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002250193A (ja) * 2001-02-26 2002-09-06 Koken Boring Mach Co Ltd 衝撃掘削用ビット
JP2002349173A (ja) * 2001-03-23 2002-12-04 Japan National Oil Corp 石油掘削用トリコンビットのインサートチップおよびその製造方法ならびに石油掘削用トリコンビット
JP2005273439A (ja) * 2004-02-26 2005-10-06 Kubota Corp 掘削用のビット
JP2007162220A (ja) * 2005-12-09 2007-06-28 Mitsubishi Materials Corp 掘削ロッド、掘削ビット及び掘削工具
JP2008144561A (ja) * 2006-12-07 2008-06-26 Toyomitsu:Kk アースオーガーヘッド
JP2010180551A (ja) 2009-02-03 2010-08-19 Mitsubishi Materials Corp 掘削工具
JP2011042991A (ja) 2009-08-21 2011-03-03 Mitsubishi Materials Corp 掘削工具

Non-Patent Citations (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Title
See also references of EP2787163A4

Also Published As

Publication number Publication date
KR101691341B1 (ko) 2016-12-29
CN106320992A (zh) 2017-01-11
AU2016204850B2 (en) 2017-11-16
AU2012343451A1 (en) 2014-05-29
EP2787163A1 (en) 2014-10-08
AU2016204850A1 (en) 2016-07-28
CN103958814A (zh) 2014-07-30
US20140311808A1 (en) 2014-10-23
JP2013136937A (ja) 2013-07-11
CA2854884A1 (en) 2013-06-06
CA2854884C (en) 2017-03-28
US9551190B2 (en) 2017-01-24
EP2787163B1 (en) 2019-06-12
HK1199749A1 (en) 2015-07-17
CN103958814B (zh) 2016-10-12
KR20140093690A (ko) 2014-07-28
KR20160060780A (ko) 2016-05-30
EP2787163A4 (en) 2015-12-02
AU2012343451B2 (en) 2016-04-28
JP6127463B2 (ja) 2017-05-17
RU2565307C1 (ru) 2015-10-20

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6127463B2 (ja) 掘削工具
EP1956187B1 (en) Tool holder block and sleeve retained therein by interference fit
JP4829344B2 (ja) 切削工具とこの切削工具をアセンブリする方法
US9028008B1 (en) Cutting tool assembly including retainer sleeve with compression band
US20090160238A1 (en) Retention for Holder Shank
EP2514918B1 (en) Cutting bit and bit holder
JP6469866B2 (ja) ピックアセンブリ、ピックアセンブリを含んでなる加工処理アセンブリ、ピックアセンブリの作製方法およびピックアセンブリの使用方法
US20110241409A1 (en) Rotatable Cutting Tool With Head Portion Having Elongated Projections
US20120019044A1 (en) Holder Block for Both Radial and Conical Tool Picks
US20110193399A1 (en) Full sleeve retainer for step-shank of tool
GB2428709A (en) Retainer sleeve for a rotary bit
WO2017057716A1 (ja) 掘削工具
JPH11200752A (ja) 掘削工具

Legal Events

Date Code Title Description
121 Ep: the epo has been informed by wipo that ep was designated in this application

Ref document number: 12853335

Country of ref document: EP

Kind code of ref document: A1

WWE Wipo information: entry into national phase

Ref document number: 14356443

Country of ref document: US

ENP Entry into the national phase

Ref document number: 2854884

Country of ref document: CA

ENP Entry into the national phase

Ref document number: 20147013893

Country of ref document: KR

Kind code of ref document: A

ENP Entry into the national phase

Ref document number: 2012343451

Country of ref document: AU

Date of ref document: 20121130

Kind code of ref document: A

NENP Non-entry into the national phase

Ref country code: DE

ENP Entry into the national phase

Ref document number: 2014121927

Country of ref document: RU

Kind code of ref document: A