WO2013018404A1 - 挿入部形状表示装置 - Google Patents
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Definitions
- the direction of the arrow D1 is positive.
- the Y G axis is perpendicular to the vertical direction and perpendicular to the X G axis direction.
- Y G axis is parallel to the arrow E1, E2 in FIG. 2, the direction of arrow E1 positive.
- the Z G axis is the vertical direction, and the vertical upward direction is positive.
- the global coordinate system C G include, but are not rotate with respect to the vertical direction and the magnetic north direction, moving parallel with the movement of the insertion portion 210.
- the acceleration vector a t obsi measured by each acceleration sensor 112-i at time t that is, the X Bi axis direction component, the Y Bi axis direction component, and the Z Bi axis direction component in the local coordinate system C Bi of acceleration are expressed by the following equations: It will be expressed by (3).
- step S111 the control unit 132 determines whether or not the variable p is greater than zero. When p is 0 or less, the process proceeds to step S114. On the other hand, when p is larger than 0, the process proceeds to step S112. In step S112, the image generation unit 146, a display vector with the starting point P Gi_s and the end point P Gi_e calculated by equation (22) in step S108 (e.g. arrow symbol), each sensor unit of the insertion portion shape 430 110-i For example, the display vector 440-i is displayed as shown in FIG. In step S113, the control unit 132 sets the variable p to (p-1). Thereafter, the process proceeds to step S114.
Abstract
挿入部形状表示装置(100)は、変形する挿入部(210)と、挿入部(210)の複数の計測点の加速度と姿勢に関する姿勢情報とを取得する姿勢取得部(110)とを有する。挿入部形状表示装置(100)は、形状算出部(136)と、移動判定部(133)と、移動期間特定部(134)と、姿勢推定部(143)と、画像生成部(146)とを含む。形状算出部(136)は、姿勢情報に基づいて、各計測点の姿勢と他の計測点に対する相対的位置とを算出する。移動期間特定部(134)は、移動判定部(133)の判定結果に基づいて計測点が移動している移動期間を特定する。姿勢推定部(143)は、移動期間における各計測点の姿勢を推定する。移動ベクトル算出部(144)は、移動期間における計測点の移動ベクトルを算出する。画像生成部(146)は、相対的位置と移動ベクトルとを表す表示画像を生成する。
Description
本発明は、挿入部形状表示装置に関する。
一般に、慣性センサ等を用いて物体の姿勢や移動を検出する方法が知られている。このような方法によれば、変形する物体にセンサを複数配置することにより、静止状態でその物体の形状を推定することが可能である。
例えば、日本国特開2007-151862号公報には、加速度センサが配置された内視鏡に係る技術が開示されている。この内視鏡では、加速度センサの出力に基づいて、加速度センサが配置された部分の姿勢が検出される。また、加速度センサの出力を積分することにより、加速度センサが配置された部分の変位量が検出される。
また、日本国特開2011-059020号公報には、三次元姿勢推定装置に係る技術が開示されている。この三次元姿勢推定装置は、加速度センサと、三次元姿勢角度を推定する姿勢角度推定部とを有している。日本国特開2011-059020号公報には、姿勢角度推定部によって推定された姿勢角度に基づいて、加速度センサが検出した加速度から重力加速度成分を除去することで、移動による加速度を精度よく計測する技術が開示されている。
日本国特開2011-059020号公報のように、姿勢に応じて重力加速度成分を除去した加速度を用いても、特許文献1のように加速度を積分して、加速度センサが配置された部分の位置及び姿勢を算出すると、加速度センサの出力に含まれる誤差が累積する。このため、求まる物体の形状について誤差が大きくなる。したがって、上記のようにして求まった物体の形状を表示すると、表示される形状は、当然誤差が大きなものとなる。
そこで本発明は、累積誤差の影響を低減した、変形する挿入部の形状を検出してそれを表示する挿入部形状表示装置を提供することを目的とする。
前記目的を果たすため、本発明の挿入部形状表示装置の一態様は、変形する挿入部と、前記挿入部に固定された複数の計測点の各々に配置され、各々の該計測点に加わる加速度と静止状態における各々の該計測点の姿勢に関する姿勢情報とを取得する複数の姿勢取得部と、前記挿入部における各々の前記計測点の位置と各々の前記姿勢情報とに基づいて、各々の該計測点の姿勢と他の前記計測点に対する相対的位置とを算出する形状算出部と、前記加速度に基づいて前記計測点が移動しているか否かの判定を行う移動判定部と、前記判定に基づいて前記計測点が移動している移動期間を特定する移動期間特定部と、前記移動期間の前後の静止状態における各々の前記計測点の前記姿勢に基づいて、該移動期間における各々の該計測点の姿勢である移動期間姿勢を推定する姿勢推定部と、各々の前記移動期間姿勢によって補正した各々の前記加速度に基づいて、前記移動期間における各々の前記計測点の移動ベクトルを算出する移動ベクトル算出部と、各々の前記相対的位置と各々の前記移動ベクトルとを表す表示画像を生成する画像生成部と、前記表示画像を表示する表示部と、を具備することを特徴とする。
本発明によれば、累積誤差の影響を低減した、変形する物体の形状を検出してそれを表示する挿入部形状表示装置を提供できる。
本発明の一実施形態について図面を参照して説明する。本実施形態に係る挿入部形状表示装置の構成の概要を図1に示す。本実施形態では、挿入部形状表示装置を内視鏡の挿入部の形状を表示させるために適用する場合を例として示す。図1に示すように、挿入部形状表示装置100は、一般的な内視鏡200を用いて構成されている。
内視鏡200は、体腔内に挿入される細長形状をした挿入部210と、挿入部210の基端側に設けられる操作部220とを備える。挿入部210は、最先端に設けられる先端硬性部212と、先端硬性部212の基端側に設けられる湾曲部214と、湾曲部214の基端側に設けられる細長い可撓管部216とを備える。
先端硬性部212には、被写体の撮像を行うためのCCD等の撮像素子232が設けられている。撮像素子232には、撮像用信号線234の一端が接続されている。撮像用信号線234は、挿入部210の内部を通って、その他端は操作部220から内視鏡200の外部に延出されている。この撮像用信号線234の他端は、画像処理ユニットであるビデオプロセッサ236に接続されている。
また、先端硬性部212には、被写体に照明を照射するための照射窓242が設けられている。照射窓242には、ライトガイド244の一端が接続されている。ライトガイド244は、挿入部210の内部を通って、その他端は操作部220から内視鏡200の外部に延出されている。このライトガイド244の他端は、光源ユニット246に接続されている。
また、可撓管部216の内部には、図示しない4本の湾曲操作ワイヤが通っている。この4本の湾曲操作ワイヤの一端は、挿入部210の湾曲部214の先端部に接続されている。湾曲操作ワイヤの他端は、操作部220に設けられた湾曲操作部である図示しない湾曲操作ノブに接続されている。湾曲操作ノブの操作により、湾曲操作ワイヤが長手方向に移動する。湾曲操作ワイヤの移動により、湾曲部214が上下左右の4方向に湾曲する。
挿入部210には、その長軸に沿って、複数のセンサユニット110が設けられている。本実施形態では、センサユニット110の数は、N+1個であるものとする。最も挿入部210の基端側に設けられた0番目から最先端のN番目まで、順にセンサユニット110-0乃至センサユニット110-Nと称することにする。
各センサユニット110-i(i=0,1,2,…,N)は、互いに長手方向に一定の間隔lだけ離れた計測点に配置されている。間隔lは、例えば50mmである。本実施形態では、各センサユニット110-iは一定の間隔lで並んでいるものとするが、これに限らず、予め設定した互いに異なる間隔を有して並んでいてもよい。ここで、例えば最も基端側のセンサユニット110-0は可撓管部216の基端部に配置され、最も先端側のセンサユニット110-Nは湾曲部214の先端部に配置されている。
それぞれのセンサユニット110は、加速度を計測する加速度センサ112と、地磁気を計測する地磁気センサ114とを備える。ここで、センサユニット110-iが備えるセンサを、加速度センサ112-i及び地磁気センサ114-iと称することにする。
各センサユニット110-iの加速度センサ112-i及び地磁気センサ114-iには、I2C等のシリアルバス122が接続されている。シリアルバス122は、挿入部210の内部を通って操作部220から内視鏡200の外部に延出されている。シリアルバス122の基端は、シリアルコンバータ124に接続されている。シリアルコンバータ124は、各センサユニット110-iからシリアルバス122を介して入力される計測データのシリアル信号を、例えばUSB信号に変換する。
シリアルコンバータ124には、USBケーブル126の一端が接続されている。USBケーブル126の他端は、制御部130に接続されている。制御部130には、各センサユニット110-iで計測されたデータのUSB信号がシリアルコンバータ124から入力される。制御部130は、例えばパーソナルコンピュータであってもよいし、専用の計算機であってもよい。また、制御部130には、例えばディスプレイである表示部150が接続されている。
制御部130は、コントロール部132と、移動判定部133と、移動期間特定部134と、形状算出部136と、移動状態推定部142と、画像生成部146と、メモリ148とを有する。コントロール部132は、制御部130の各部の動作を制御する。移動判定部133は、各センサユニット110-iの加速度センサ112-iから入力された加速度に基づいて、センサユニット110が移動状態にあるか否かを判定する。移動判定部133によってセンサユニット110が移動状態にあると判定されたら、移動期間特定部134は、センサユニット110が移動状態にある移動期間を特定する。
形状算出部136は、静止状態における挿入部210の形状を算出するため、静止形状算出処理を実行する。形状算出部136は、静止姿勢算出部137と、座標算出部138とを有する。静止姿勢算出部137は、加速度センサ112及び地磁気センサ114の出力に基づいて、各センサユニット110の姿勢を算出する。座標算出部138は、静止姿勢算出部137が算出した各センサユニット110の姿勢に基づいて、各センサユニット110が位置する座標、すなわち、各センサユニット110の他の各センサユニット110に対する相対的位置を算出する。
移動状態推定部142は、移動状態における挿入部210の状態を算出するため、移動状態算出処理を実行する。移動状態推定部142は、姿勢推定部143と、移動ベクトル算出部144とを有する。姿勢推定部143は、静止状態の各センサユニットの姿勢に基づいて、移動期間特定部134が特定した移動期間の各時刻における各センサユニット110の姿勢を算出する。移動ベクトル算出部144は、姿勢推定部143が算出した各センサユニット110の姿勢に基づいて、各加速度センサ112の出力である加速度を補正する。移動ベクトル算出部144は、この補正した加速度に基づいて、移動状態における各センサユニット110の移動ベクトルを算出する。
画像生成部146は、形状算出部136が算出した各センサユニット110の位置座標と、移動状態推定部142が算出した移動状態における各センサユニット110の移動ベクトルとに基づいて、それらを表現する画像を作成する。画像生成部146は、作成した画像を表示部150に表示させる。メモリ148は、各センサユニット110の出力や、各部の計算結果を記憶する。また、メモリ148には、処理に必要な各種プログラム等が記憶されている。表示部150は、画像生成部146の指示に基づいて、画像を表示する。
このように、例えば挿入部210は、変形する挿入部として機能する。例えばセンサユニット110は、計測点に加わる加速度と静止状態における各々の計測点の姿勢に関する姿勢情報とを取得する姿勢取得部として機能する。例えば形状算出部136は、挿入部における各々の計測点の位置と各々の姿勢情報とに基づいて、各々の計測点の姿勢と他の計測点に対する相対的位置とを算出する形状算出部として機能する。例えば移動判定部133は、加速度に基づいて、計測点が移動しているか否かを判定する移動判定部として機能する。例えば移動期間特定部134は、前記判定に基づいて、計測点が移動している移動期間を特定する移動期間特定部として機能する。例えば姿勢推定部143は、移動期間の前後の静止状態における各々の計測点の姿勢に基づいて、移動期間における各々の計測点の姿勢である移動期間姿勢を推定する姿勢推定部として機能する。例えば移動ベクトル算出部144は、各々の移動期間姿勢によって補正した各々の加速度に基づいて、移動期間における各々の計測点の移動ベクトルを算出する移動ベクトル算出部として機能する。例えば画像生成部146は、各々の相対的位置と各々の移動ベクトルとを表す表示画像を生成する画像生成部として機能する。例えば表示部150は、表示画像を表示する表示部として機能する。
ここで、本実施形態で用いる座標系について、図2を参照して説明する。図2には、内視鏡200の挿入部210が示されている。本実施形態では、最も基端側のセンサユニット110-0の中心を原点とし、XG軸、YG軸、ZG軸を有する右手系の直交デカルト座標系であるグローバル座標系CGが定義されている。グローバル座標系CGの各座標軸は、図3において実線で示されている。ここで、XG軸は、重力が作用する鉛直方向に垂直な所定の方向である。本実施形態では、XG軸を図2中の矢印D1,D2に平行とし、矢印D1の方向を正とする。これに限定されないが、本実施形態ではグローバル座標系CGのXG軸正方向を磁北方向とする。YG軸は、鉛直方向に垂直、かつ、XG軸方向に垂直とする。本実施形態では、YG軸は図2中の矢印E1,E2に平行とし、矢印E1の方向を正とする。ZG軸は、鉛直方向とし、鉛直上方向を正とする。このグローバル座標系CGは、鉛直方向及び磁北方向に対して回転はしないが、挿入部210の移動に伴って平行移動する。
また、図2に示すように、各センサユニット110-iには、センサユニット110-iの中心を原点とし、XBi軸、YBi軸、ZBi軸を有する右手系の直交デカルト座標系であるローカル座標系CBiが定義されている。各ローカル座標系CBiの各座標軸は、図2において破線で示されている。ここで、XBi軸は、内視鏡200に定義された左右方向と一致し、基端側から先端側をみた際の内視鏡200の右方向を正とする軸である。YBi軸は、内視鏡200の長手方向と一致し、先端方向を正とする軸である。ZBi軸は、内視鏡200に定義された上下方向と一致し、内視鏡200の上方向を正とする軸である。
各ローカル座標系CBiは、グローバル座標系CGに対して原点が平行移動している。さらに、各ローカル座標系CBiは、グローバル座標系CGに対して、XG軸回りにαi、YG軸回りにβi、ZG軸回りにγiそれぞれ回転している。ここで、αiをピッチ角、βiをロール角、γiをヨー角と称する。また、ピッチ角αi、ロール角βi、ヨー角γiの3つをまとめて姿勢角と称する。姿勢角αi,βi,γiは、それぞれXG軸、YG軸、ZG軸の負の方向から見て時計回りを正とする。
各加速度センサ112-iは、ローカル座標系CBiの原点における加速度のXBi軸方向成分、YBi軸方向成分、及びZBi軸方向成分を計測する。また、各地磁気センサ114-iは、ローカル座標系CBiの原点における地磁気のXBi軸方向成分、YBi軸方向成分、ZBi軸方向成分を計測する。各加速度センサ112-i及び地磁気センサ114-iに基づいて姿勢角αi,βi,γiの値を算出することで、センサユニット110-iの姿勢は検出される。
次に本実施形態に係る挿入部形状表示装置100の動作を説明する。制御部130による処理のフローチャートを図3に示す。ステップS101において、制御部130のコントロール部132は、各センサユニット110-iからデータを取得する。このデータには、各加速度センサ112-iの出力と、地磁気センサ114-iの出力とが含まれる。図3に示す本処理は、挿入部形状表示装置100の動作が終了するまで繰り返されるループ処理である。したがって、コントロール部132は、定期的に各センサユニット110-iからデータを取得する。取得されたデータは、メモリ148に記憶される。
ステップS102において、制御部130の移動判定部133は、何れかの加速度センサ112の出力について、前回取得した値と今回取得した値との差が、所定の閾値よりも大きいか否かを判定する。全ての加速度センサ112の出力に係る差が所定の閾値以下であるとき、挿入部210は静止していると考えられる。この状態を静止状態と称することにする。また、何れかの加速度センサ112の出力に係る差が所定の閾値より大きいとき、挿入部210は移動していると考えられる。この状態を移動状態と称することにする。この判定において、全ての加速度センサ112の出力に係る差が所定の閾値以下であるとき、すなわち静止状態のとき、処理はステップS103に移る。
本実施形態の説明では、例として図4に示すような状況を考える。この図は、加速度センサ112の出力の代表値を模式的に示す。この図に示すように、時刻t1までの期間において、加速度センサ112の出力が所定の閾値以下、すなわち、静止状態であるとする。時刻t1から時刻t4までの期間において、加速度センサ112の出力が所定の閾値より大きい移動状態であるとする。時刻t4以降において、加速度センサ112の出力が所定の閾値以下、すなわち、静止状態であるとする。例えば時刻t<t1のときや時刻t>t4のとき、処理はステップS103に移る。
ステップS103において、制御部130の形状算出部136は、静止形状算出処理を実行する。静止形状算出処理を図5に示すフローチャートを参照して説明する。ステップS201において形状算出部136内の静止姿勢算出部137は、各加速度センサ112-iの出力に基づいて、ピッチ角αi及びロール角βiを算出する。ピッチ角αi及びロール角βiの算出方法を説明する。
挿入部210が静止している静止状態では、加速度は重力加速度のみが鉛直方向の下方向に作用している。したがって、静止状態では、グローバル座標系CGにおける加速度ベクトルaGthのXG軸方向成分、YG軸方向成分、ZG軸方向成分は、次式(2)で表すことができる。
時刻tにおける各加速度センサ112-iで計測される加速度ベクトルat
obsi、すなわち、加速度のローカル座標系CBiにおけるXBi軸方向成分、YBi軸方向成分、ZBi軸方向成分を、次式(3)で表すことにする。
このとき、ローカル座標系CBiはグローバル座標系CGをヨー角γi、ピッチ角αi、ロール角βiの順に回転させた座標系であるので、ローカル座標系CBiで観測される加速度ベクトルat
obsiは、次式(4)で表される。
このようにして各ローカル座標系CBiの各時刻tにおけるピッチ角αt
iが求まる。
このようにして各ローカル座標系CBiの各時刻tにおけるロール角βt
iが求まる。
以上のようにして、各時刻tについて各加速度センサ112-iによる計測データに基づいて、各センサユニット110-iの、すなわち各ローカル座標系CBiの、ピッチ角αt
i及びロール角βt
iが算出される。
図5に戻って説明を続ける。ステップS202において、静止姿勢算出部137は、地磁気センサ114の出力に基づいてヨー角γt
iを算出する。ヨー角γt
iの算出方法について説明する。地磁気センサ114-iで計測される時刻tにおける地磁気ベクトルmt
obsi、すなわち、各地磁気のローカル座標系CBiにおけるXBi軸方向成分、YBi軸方向成分、ZBi軸方向成分を、次式(8)で表すことにする。
ここで、式(8)で表される各地磁気センサ114-iの出力について、式(6)及び(7)のように求まった各ピッチ角αt
i及び各ロール角βt
iを用いて、グローバル座標系CGのXG軸回り及びYG軸回りに回転させて補正した地磁気mt
thを次式(9)によって算出する。
上記式(9)及び(10)に示す地磁気を表す式において、地磁気センサ114-iで計測される地磁気ベクトルのXBi軸方向成分、YBi軸方向成分、ZBi軸方向成分は、ピッチ角αt
iとロール角βt
iとが補正されているので、ヨー角γt
iのみがグローバル座標系CGに対して回転していることになる。したがって、磁北に対してセンサユニット110-iがなす角θt
base_i、すなわちヨー角γt
iは、式(10)を用いて、次式(11)で表すことができる。
なお、本実施形態では、グローバル座標系CGのXG軸方向が磁北方向と一致するように設定しているので磁北に対してセンサユニット110-iがなす角θt
base_iがヨー角γt
iと一致するが、グローバル座標系CGのXG軸方向が磁北方向と一致しない場合は、そのずれを補正する必要がある。この補正はなす角θt
base_iにそのずれを加減することで容易に行える。
以上のようにして、形状算出部136の静止姿勢算出部137は、各加速度センサ112-i及び各地磁気センサ114-iの出力に基づいて、各時刻tにおける各センサユニット110-iのピッチ角αt
i、ロール角βt
i、ヨー角γt
iを求めることができる。
図5に戻って説明を続ける。ステップS203において、形状算出部136内の座標算出部138は、各センサユニット110-iの座標を算出する。各センサユニット110-iの座標の算出方法について説明する。内視鏡200の挿入部210の形状の模式図を図6に示す。この図に示すように、挿入部210は、複数のリンク310が連なって形成されており、各リンクの接続部分にセンサユニット110が配置されていると考える。ここで、リンク310-iの基端側にはセンサユニット110-(i-1)が配置され、リンク310-iの先端側にはセンサユニット110-iが配置されているものとする。また、各リンク310の長さは、センサユニット110間の間隔lとする。
このとき、センサユニット110-(i-1)が配置されたリンク310-iの基端がグローバル座標系CGの原点に位置すると仮定したとき、センサユニット110-iが配置されたリンク310-iの先端の座標lt
iは次式(13)を用いて、次式(14)で表される。
すなわち、グローバル座標系CGの原点である基端側から順に、各センサユニット110-iの座標St
iを決定することができる。
以上のようにして、形状算出部136は、各加速度センサ112-i及び各地磁気センサ114-iの出力に基づいて、グローバル座標系CGに対する各センサユニット110-iの位置及び姿勢を求めることができる。すなわち、形状算出部136は、内視鏡200の挿入部210の形状を求めることができる。その後、形状算出部136は、静止形状算出処理を終了し、各センサユニット110-iの位置及び姿勢を戻り値として処理はステップS103に戻る。算出された各センサユニット110-iの位置及び姿勢は、コントロール部132を介してメモリ148に記憶される。ステップS103の静止形状算出処理を終えたら、処理はステップS110に移る。
ステップS102の判定において、加速度の差分が閾値より大きいとき、すなわち移動状態にあるとき、処理はステップS104に移る。ステップS104において、移動判定部133は、加速度の差分が閾値より大きいか否かを判定する。加速度の差分が閾値より大きい間、すなわち挿入部210が移動状態にある間、移動判定部133は、ステップS104の判定を繰り返す。ステップS104の判定で、加速度の差分が閾値以下となったら、すなわち挿入部210が静止状態になったら、処理はステップS105に移る。ステップS105において、移動期間特定部134は、移動状態にある期間を移動期間として特定する。
ステップS106において、形状算出部136は、移動期間特定部134によって特定された移動期間直前及び直後の2つの静止状態について、静止形状算出処理を実行する。すなわち、移動期間直前及び直後の2つの静止状態のそれぞれについて、式(1)乃至(16)を参照して説明した静止形状算出処理によって、グローバル座標系CGにおける各センサユニット110-iの位置及び姿勢を算出する。ここで、各時刻における各センサユニット110-iから取得されたデータは、メモリ148に記憶されているので、これを読み出して用いることができる。また、移動期間直前の各センサユニット110-iの位置及び姿勢は、既にステップS103で算出され、メモリ148に記憶されているので、これを用いてもよい。また、静止形状算出処理によって算出された各センサユニット110-iの位置及び姿勢は、メモリ148に記憶される。
ステップS107において、制御部130の移動状態推定部142は、移動状態推定処理を実行する。この移動状態推定処理は、移動状態の各時刻tにおける各センサユニット110-iの位置及び姿勢を推定し、移動状態における移動方向及び移動量を表す移動ベクトルを算出する処理である。この移動状態推定処理を図7に示すフローチャートを参照して説明する。
ステップS301において、移動状態推定部142内の姿勢推定部143は、移動状態の各時刻tにおける各センサユニット110-iの姿勢を推定する。この姿勢の推定は、移動開始時である時刻t1の姿勢と、移動終了時である時刻t4の姿勢とに基づく。例えば、時刻t1と時刻t4との間の各時刻tにおける姿勢を、線形補完によって求める。すなわち、移動状態における各センサユニット110-iの姿勢は次式(17)で求まる。
なお、線形補完は一例であり、補完方法はこれに限定されない。
ステップS302において、移動状態推定部142内の移動ベクトル算出部144は、各加速度センサ112-iの出力を、グローバル座標系CGにおける加速度に変換する。この変換は、式(17)によって得られた移動状態の各時刻における各センサユニット110の姿勢に基づく。すなわち、グローバル座標系CGにおける加速度at
Giは、次式(18)により求まる。
式(18)で表されるグローバル座標系CGにおける加速度at
Giから、重力加速度を減ずることで、各センサユニット110-iの運動加速度が求まる。すなわち、各センサユニット110-iの運動加速度at
Gi_mは、次式(19)で得られる。
ステップS303において、移動ベクトル算出部144は、各センサユニット110-iの運動加速度at
Gi_mを2回積分することによって、移動ベクトルを求める。すなわち、移動状態にある各センサユニット110-iの移動ベクトルdGiは、次式(20)で得られる。
以上のようにして、移動状態推定部142は、移動状態にある間の各センサユニット110-iの移動ベクトルdGiを求めることができる。移動状態推定部142は、移動状態推定処理を終了し、各センサユニット110-iの移動ベクトルdGiを戻り値として処理はステップS107に戻る。移動状態推定処理によって算出された各センサユニット110-iの移動ベクトルdGiは、コントロール部132を介してメモリ148に記憶される。
図3に戻って説明を続ける。ステップS108において、画像生成部146は、表示部150に表示する移動ベクトルを表す矢印である表示ベクトルに係る画像上の座標を算出する。まず、表示ベクトルの大きさを、式(20)で得られる移動ベクトルdGiに適当な正の係数を掛けることで決定する。すなわち、ベクトルrを次式(21)で算出する。
ここで、Mは適当な正の整数である。また、signは、変数が0以上であれば1.0とし、0より小さければ-1.0とする関数である。また、sqrtは、変数の平方根を取る関数である。この平方根を求めるのは、表示ベクトルの大きさを調整するためである。適宜大きさを調整できれば、用いる式は式(22)に限らない。また、式(22)におけるU=[Ui_X Ui_Y Ui_Z]も表示ベクトルの大きさを調整するために加算されている。
また、U=[Ui_X Ui_Y Ui_Z]を、
dGi_X>dGi_Y、かつ、dGi_X>dGi_Zの場合は、U=[1 0 0]T、
dGi_Y>dGi_X、かつ、dGi_Y>dGi_Zの場合は、U=[0 1 0]T、
dGi_Z>dGi_X、かつ、dGi_Z>dGi_Yの場合は、U=[0 0 1]T、
とすることで、移動量が一番大きい方向を強調する表示ベクトルとすることもできる。
dGi_X>dGi_Y、かつ、dGi_X>dGi_Zの場合は、U=[1 0 0]T、
dGi_Y>dGi_X、かつ、dGi_Y>dGi_Zの場合は、U=[0 1 0]T、
dGi_Z>dGi_X、かつ、dGi_Z>dGi_Yの場合は、U=[0 0 1]T、
とすることで、移動量が一番大きい方向を強調する表示ベクトルとすることもできる。
ステップS109において、コントロール部132は、変数pを所定値Pに設定する。ここで変数pは、表示ベクトルを表示する期間を特定するためのカウンタとして機能し、所定値Pは、表示ベクトルを表示する期間に比例する値である。その後、処理はステップS110に移る。
ステップS110において、画像生成部146は、静止状態の挿入部210の形状をメモリ148から読み出して、それを表示部150に表示させる。この説明の例では、画像生成部146は、時刻t<t1では、ステップS103で算出された挿入部210の形状を表示部150に表示させる。画像生成部146は、時刻t4の直後には、ステップS106で算出された移動期間直後の挿入部210の形状を表示させ、その後、時刻t>t4では、ステップS103で算出された挿入部210の形状を表示部150に表示させる。例えば図8に示すように、表示領域410に座標系420を設定し描画する。次に、この座標系420に各センサユニット110-iの位置をセンサ表示符号432-iで示し、それらをリンク表示符号434-iで結んで、挿入部形状430を描画する。
ステップS111において、コントロール部132は、変数pが0よりも大きいか否か判定する。pが0以下のとき、処理はステップS114に移る。一方、pが0よりも大きいとき、処理はステップS112に移る。ステップS112において、画像生成部146は、ステップS108で式(22)によって算出した始点PGi_s及び終点PGi_eを有する表示ベクトル(例えば矢印の記号)を、挿入部形状430の各センサユニット110-iの位置に表示ベクトル440-iとして、例えば図8に示すように表示する。ステップS113においてコントロール部132は、変数pを(p-1)に設定する。その後、処理はステップS114に移る。
ステップS114において、コントロール部132は、挿入部形状表示装置100の動作が終了したか否かを判定する。動作が終了していないとき、処理はステップS101に戻る。一方、動作が終了しているとき、処理は終了する。
以上の処理により、表示部150には、座標系420上に、挿入部210が静止状態にあるときは、ステップS110によって挿入部210の形状が挿入部形状430として表示される。一方、移動状態から静止状態に移った後の所定の時間、すなわち、カウンタとしての変数pがPから0になるまでは、同様に座標系420上に挿入部210の形状が挿入部形状430として表示されるとともに、ステップS112によって移動状態における各表示ベクトル440-iが重畳表示される。
本実施形態によれば、挿入部210の形状とともに、その移動状態が矢印で表示部150に表示される。したがって、ユーザは、この表示を見ることで挿入部210の形状並びに移動方向及び移動量を画像で確認することができる。このような表示は、ユーザによる挿入部210の操作を支援する。
本実施形態によれば、静止状態では各加速度センサ112-i及び各地磁気センサ114-iに基づいてその都度、挿入部210の形状が表示される。また、移動状態では、その都度当該移動状態における移動ベクトルが、重力加速度を補正した運動加速度に基づいて算出される。そして、一連の移動状態ごとに、その移動状態における移動ベクトルが表示される。したがって、加速度の積分を続けることによって挿入部210の形状と位置と移動量とが算出される場合と比較して、積分を続けることによる誤差の累積が低減され得る。
もちろん図8に示す図は、挿入部210の形状とその移動ベクトルとを示す画像の概要を表す一例であり、挿入部210の形状とその移動ベクトルとを表示する画像であれば、どのような画像が用いられてもよい。例えば挿入部210の形状は内視鏡の形状を模した表示としてもよい。また、例えば表示ベクトル440-iの代わりにアニメーションを用いて挿入部210を表す図が移動するようにして、移動ベクトルが表現されてもよい。この場合、ステップS108の処理を適宜変更し、必要な情報を算出するようにすればよい。
また、本実施形態では、各センサユニット110-iの間は直線のリンク310-iで結ばれていると仮定して、挿入部210の形状の算出が行われているが、各センサユニット110-i間を曲線とするような補正が適宜行われてもよい。また、本実施形態では、挿入部形状表示装置が内視鏡に適応される例を示したが、内視鏡内に通して用いられるカテーテルやその他処置具など、変形して挿入される挿入部を有する種々の装置に適用され得る。
なお、移動状態における運動加速度の推定において、加速度センサの出力にローパスフィルタをかけることで、運動加速度の影響を低減して重力加速度を推定することもできる。その場合、線形補完による姿勢の推定を行わずに移動ベクトルを算出することもできる。
なお、本発明は上記実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、上記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせにより、種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除しても、発明が解決しようとする課題の欄で述べられた課題が解決でき、かつ、発明の効果が得られる場合には、この構成要素が削除された構成も発明として抽出され得る。
Claims (7)
- 変形する挿入部(210)と、
前記挿入部(210)に固定された複数の計測点の各々に配置され、各々の該計測点に加わる加速度と静止状態における各々の該計測点の姿勢に関する姿勢情報とを取得する複数の姿勢取得部(110)と、
前記挿入部(210)における各々の前記計測点の位置と各々の前記姿勢情報とに基づいて、各々の該計測点の姿勢と他の前記計測点に対する相対的位置とを算出する形状算出部(136)と、
前記加速度に基づいて前記計測点が移動しているか否かの判定を行う移動判定部(133)と、
前記判定に基づいて前記計測点が移動している移動期間を特定する移動期間特定部(134)と、
前記移動期間の前後の静止状態における各々の前記計測点の前記姿勢に基づいて、該移動期間における各々の該計測点の姿勢である移動期間姿勢を推定する姿勢推定部(143)と、
各々の前記移動期間姿勢によって補正した各々の前記加速度に基づいて、前記移動期間における各々の前記計測点の移動ベクトルを算出する移動ベクトル算出部(144)と、
各々の前記相対的位置と各々の前記移動ベクトルとを表す表示画像を生成する画像生成部(146)と、
前記表示画像を表示する表示部(150)と、
を具備することを特徴とする挿入部形状表示装置(100)。 - 前記画像生成部(146)は、前記移動期間の終了後の前記相対的位置を表す図に前記移動ベクトルを表す記号を重畳した前記表示画像を生成することを特徴とする請求項1に記載の挿入部形状表示装置(100)。
- 前記姿勢情報は、前記加速度を含むことを特徴とする請求項1又は2に記載の挿入部形状表示装置(100)。
- 前記挿入部(210)は細長形状をしており、
前記計測点は、前記挿入部(210)の長軸に沿って複数配置されている、
ことを特徴とする請求項1又は2に記載の挿入部形状表示装置(100)。 - 前記移動ベクトル算出部(144)は、
前記加速度に含まれる重力加速度を前記移動期間姿勢に基づいて補正して、グローバル座標系における前記計測点の移動に伴う加速度であるグローバル座標系加速度を算出し、
前記グローバル座標系加速度を2回積分することで前記移動ベクトルを算出する、
ことを特徴とする請求項1又は2に記載の挿入部形状表示装置(100)。 - 前記画像生成部(146)は、前記表示画像における各々の前記計測点に該当する位置に各々の前記移動ベクトルを表す前記記号を重畳した前記表示画像を生成することを特徴する請求項1又は2に記載の挿入部形状表示装置(100)。
- 前記姿勢取得部(110)は、
直交する3軸方向の加速度を計測する加速度センサ(112)と、
地磁気を計測する地磁気センサ(114)と、
からなることを特徴する請求項1又は2に記載の挿入部形状表示装置(100)。
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