WO2012114722A1 - ドラム式洗濯機 - Google Patents

Abstract

本発明のドラム式洗濯機は、水槽（５１）と、洗剤供給装置（５６）と、洗剤供給装置（５６）に洗濯水を給水する第１の給水弁（５４）と、水槽（５１）と洗剤供給装置（５６）とを接続し、逆流防止部（６０ａ）を備えた給水連結管（６０）と、水槽（５１）と洗剤供給装置（５６）とを接続した水槽空気抜き管（７４）と、少なくとも洗い、すすぎ、脱水のステップを制御する制御装置（４９）と、を備える。洗剤供給装置（５６）は、第１の給水弁（５４）からの洗濯水を導く第１の給水通路（８３）と、水槽空気抜き管（７４）と接続する水槽空気抜き接続部（９１）と、を有し、第１の給水通路（８３）と水槽空気抜き接続部（９１）とを連通させる。

Description

ドラム式洗濯機

　本発明は、ドラム式洗濯機の洗剤供給装置に関する。

　従来、給水時の洗濯水の圧力の高低によって洗剤泡の発生が増大することを防止するために、供給される洗濯水の圧力を一定にするドラム式洗濯機の洗剤供給装置が提案されている（例えば、特許文献１参照）。

　以下、特許文献１に示される従来のドラム式洗濯機の洗剤供給装置の構成について、図６および図７を用いて説明する。

　図６は、従来のドラム式洗濯機の構成を示す分解斜視図である。

　図６に示すように、従来のドラム式洗濯機は、洗濯水を収容するために本体１０の内部に設置された有底円筒状の水槽１１と、水槽１１の内部に回転自在に設けられた有底円筒状の回転ドラムである洗濯槽１２とを備える。洗濯槽１２の壁面には、複数個の脱水孔１２Ａが形成されている。水槽１１の下部には、洗い、すすぎおよび脱水ステップを行うために洗濯槽１２を正方向または逆方向に回転する駆動モータ１３が設けられている。

　水槽１１の上部には、水槽１１の内部に洗濯水を供給する給水装置２０と、給水ステップで洗剤を供給する洗剤供給装置１５と、洗剤供給装置１５を通過した水を水槽１１の内部に案内する連結管２４とが設けられている。

　給水装置２０は、外部の給水ホース（図示せず）に連結されて給水を制御する複数個の給水バルブ２１（２１ａ～２１ｄ）と、給水バルブ２１と洗剤供給装置１５との間を連結する複数個の給水管２３（２３ａ～２３ｄ）などで構成されている。

　洗剤供給装置１５は、前面に開口を有する開口部３４が形成された箱状のハウジング３０と、ハウジング３０の開口部３４を通して、ハウジング３０の内部に着脱自在に結合される洗剤ケース３５とを有する。洗剤供給装置１５は、本体１０の外部で洗剤ケース３５を引き出しのように操作するために、本体１０の上側前面部に設けられている。

　図７は、同ドラム式洗濯機の洗剤供給装置の洗剤ケース内の流路構成を示した平面図である。なお、図７は、洗剤供給装置１５を上から見た図である。

　図７に示すように、洗剤供給装置１５の洗剤ケース３５は、少なくともすすぎ剤投入部給水流路４５と、すすぎ剤投入部給水部４３と、すすぎ剤投入部３５ｃと、漂白剤投入部３５ｄとで構成される。

　すすぎ剤投入部給水流路４５には、圧力調節孔４５ａが形成されている。すすぎ剤投入部給水流路４５を通して高い圧力の洗濯水が流れる場合は、圧力調節孔４５ａを通して多量の洗濯水が漂白剤投入部３５ｄに落下する。また、低い圧力の洗濯水が流れる場合は、圧力調節孔４５ａを通して比較的少量の洗濯水が漂白剤投入部３５ｄに落下する。

　したがって、すすぎ剤投入部給水部４３に到達する洗濯水の圧力は、すすぎ剤投入部給水流路４５を通過しながら所定範囲内に調節される。そのため、すすぎ剤投入部３５ｃに噴射される洗濯水の圧力も、所定範囲内に調節される。これにより、高い圧力の洗濯水の供給によって発生した洗剤泡の洗剤ケース３５内での充満を防止する。その結果、洗剤を含む洗濯水を円滑に給水して、所定の流路以外からの水漏れなどの発生を防止している。

　そのため、従来の洗剤供給装置１５は、例えば給水バルブ２１ｃを開いて給水管２３ｃを介して洗濯機の外部から所定以上の圧力で、多量の洗濯水が、洗剤供給装置１５内に給水された場合、有効に機能する。しかし、何らか他の条件で洗剤ケース３５内に洗剤泡が充満した（例えば、水槽１１内で発生した洗剤泡が洗剤供給装置１５内に逆流した）場合には、洗剤供給装置１５から水槽１１への給水流路が塞がれ、給水時に洗濯水が所定の流路以外から流れ出る、という課題がある。

　特に、近年、洗濯槽１２の回転による洗濯物の攪拌に加えて、洗浄効果の向上および洗濯水の有効活用のため、洗濯水をポンプで循環させて洗濯物にかける循環水流の方式が主流となっている。そして、循環水流の方式は、洗濯水に多くの空気を取り込みながら循環させるため、水槽１１内に多量の洗剤泡が発生する。このため、洗剤泡により水槽１１内の圧力が増大し、発生した洗剤泡が洗剤ケース３５内に逆流する。その結果、洗剤供給装置１５から水槽１１への給水流路が塞がれ、給水時に洗濯水が所定の流路以外から流れ出る。

特開２００６－６２６号公報

　本発明のドラム式洗濯機は、回転ドラムを回転自在に支持する水槽と、水槽に洗剤を含む洗濯水を供給する洗剤供給装置と、洗剤供給装置に洗濯水を給水する第１の給水弁と、水槽と洗剤供給装置とを接続し、逆流防止部を備えた給水連結管と、水槽と洗剤供給装置とを接続した水槽空気抜き管と、少なくとも洗い、すすぎ、脱水のステップを制御する制御装置と、を備え、洗剤供給装置は、第１の給水弁からの洗濯水を導く第１の給水通路と、水槽空気抜き管と接続する水槽空気抜き接続部と、を有し、第１の給水通路と水槽空気抜き接続部とを連通させる。

　これにより、水槽内に洗剤泡が発生した場合でも、水槽空気抜き管から水槽内の空気を抜くことができるので、水槽内の圧力の上昇を防ぐことができる。その結果、給水時あるいは洗剤供給時に供給する洗濯水が所定の通路以外から流れでたり、洗剤供給装置からあふれ出るという不具合の発生を防止できる。

図１は、本発明の実施の形態におけるドラム式洗濯機の縦断面図である。 図２は、同ドラム式洗濯機の洗剤供給装置の分解斜視図である。 図３は、同ドラム式洗濯機の洗剤供給装置の分解平面図である。 図４は、同ドラム式洗濯機の制御回路を説明するブロック図である。 図５は、同ドラム式洗濯機のステップ動作を説明する関連図である。 図６は、従来のドラム式洗濯機の構成を示す分解斜視図である。 図７は、同ドラム式洗濯機の洗剤供給装置の流路構成を示した平面図である。

　以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、本実施の形態によって本発明が限定されるものではない。

　（実施の形態）
　図１は、本発明の実施の形態におけるドラム式洗濯機の縦断面図である。

　図１に示すように、本実施の形態のドラム式洗濯機は、少なくとも水槽５１と、洗剤供給装置５６と、水槽５１と洗剤供給装置５６とを接続する給水連結管６０と、第１の給水弁である予洗い用給水弁５４と、水槽空気抜き管７４と、制御装置４９とを備える。

　水槽５１は、本体５０の内部に揺動自在に設けられ、洗濯水を収容する。水槽５１の内部には、壁面に複数個の通水孔５２が形成された回転ドラム５３が回転自在に設けられている。そして、水槽５１の背面側の下部に取り付けられたモータ５７によって、水平方向に設定された回転軸５３Ａを中心に、回転ドラム５３は正方向または逆方向に回転駆動される。

　本体５０の前面には、回転ドラム５３の開口部に対向して、回転ドラム５３内の衣類などの洗濯物を出し入れする開閉自在な蓋体６２が設けられている。

　蓋体６２の上部には、制御装置４９が設けられている。本体５０の前面上部に設けられた操作パネル１００の入力設定部４８ａを介して、制御方法が入力されると、入力された情報が操作パネル１００の表示部４８ｂに表示される。

　水槽５１の上部には、予洗い用給水弁５４と、第２の給水弁である本洗い用給水弁５５と、第１の給水管５９ａと、第２の給水管５９ｂと、洗剤供給装置５６と、給水連結管６０と、水槽空気抜き管７４とが設けられている。

　予洗い用給水弁５４の一端および本洗い用給水弁５５の一端は、ドラム式洗濯機の機外で給水ホース５８と連結される。予洗い用給水弁５４の他端および本洗い用給水弁５５の他端は、第１の給水管５９ａと第２の給水管５９ｂを介して、洗剤供給装置５６と連結される。

　洗剤供給装置５６の内部には、例えば洗剤や柔軟剤、仕上げ剤などを収容する洗剤ケース６１が、本体５０から引き出し可能に収納されている。そして、洗剤供給装置５６の下部ケース７７（図２で後述する）は、通過した洗濯水を水槽５１の内部に案内する給水連結管６０に接続されている。

　給水連結管６０には、水槽５１からの洗剤泡や空気、洗濯水が逆流して洗剤供給装置５６側に浸入しないように逆流防止部として逆止弁６０ａが設けられている。なお、本実施の形態では、逆流防止部として、逆止弁６０ａを例に説明するが、これに限らない。逆流防止部として、例えば一般的なＵ字トラップで構成し、Ｕ字部分に水を常に溜めて、水槽５１からの洗剤泡や空気、洗濯水が逆流して洗剤供給装置５６側に浸入しないような構成としてもよい。これにより、水槽５１からの洗剤泡や空気、洗濯水が逆流して洗剤供給装置５６側に浸入することを防止できる。

　また、洗剤供給装置５６の後方上部には、可撓性ホースで構成した水槽空気抜き管７４が洗剤供給装置５６の上部ケース７６（図２で後述する）と接続して設けられている。水槽空気抜き管７４は、例えば洗いステップ時の洗剤泡の発生により加圧される水槽５１内の空気を抜く。これにより、水槽空気抜き管７４から水槽５１内の空気を抜いて、水槽５１内の洗剤泡の発生による、水槽５１内の圧力の上昇を防ぐことができる。その結果、給水時あるいは洗剤供給時に供給する洗濯水が所定の通路以外から流れでたり、洗剤供給装置５６からあふれ出るという不具合の発生を防止できる。

　水槽５１内の底部には、例えばシーズヒータ等からなる加熱ヒータ６３が水平方向に設けられ、水槽５１内の洗濯水を加熱する。加熱ヒータ６３の下方には、洗濯水の排水用の排水筒６４が設けられている。

　また、水槽５１の底部には、排水管６５と、フィルター６６と、排水ポンプ（ＤＰ：Ｄｒａｉｎ　Ｐｕｍｐ）６７と、循環ポンプ（ＷＰ：Ｗａｔｅｒ　Ｐｕｍｐ）７０とが設けられている。

　排水筒６４は、水槽５１の下部に設けられた排水管６５に接続され、糸屑や異物を除去するフィルター６６を通過して排水ポンプ６７から排水吐出管６８と連通する。そして、排水ポンプ６７を駆動することにより、水槽５１内の洗濯水をドラム式洗濯機の機外へ排出する。

　フィルター６６は、吸引管６９を介して循環ポンプ７０に連通されている。循環ポンプ７０は、循環水吐出管７１を介して、蓋体６２の下方近傍に設けられた吐出口７２に連通されている。そして、制御装置４９が循環ポンプ７０を駆動することによって、回転ドラム５３内部の洗濯水は、排水筒６４より吸引され、吐出口７２から回転ドラム５３内の洗濯物に散布させる循環水７３を構成する。これにより、洗濯物の洗浄効果を向上させている。

　以下に、本実施の形態の洗剤供給装置５６について、図２および図３を用いて図１を参照しながら説明する。

　図２は、本発明の実施の形態におけるドラム式洗濯機の洗剤供給装置の分解斜視図である。図３は、同ドラム式洗濯機の洗剤供給装置の分解平面図である。

　図２に示すように、洗剤供給装置５６は、例えば洗剤や柔軟剤、仕上げ剤等を収容する引き出し可能な洗剤ケース６１と、例えばポリプロピレン樹脂等で形成された注水蓋体７５と、上部ケース７６と、下部ケース７７とで構成されている。

　上部ケース７６は、下部ケース７７の上面に設けられ、注水蓋体７５と加熱により熱溶着されている。これにより、上部ケース７６と注水蓋体７５とが水密的に密閉され、上部ケース７６と注水蓋体７５との間に通水空間部７９が構成される。

　ここで、本実施の形態のドラム式洗濯機は、洗いステップを、予洗いステップと本洗いステップとの２つのステップで制御し、洗浄性能の向上を図っている。つまり、予洗いステップと本洗いステップとのステップごとに、給水を行って、洗剤ケース６１内に投入されている洗剤を洗濯水に溶解する。このとき、洗剤ケース６１内に投入されている洗剤が、本洗いステップの前の予洗いステップで全て洗濯水に溶解してしまうと、本洗いステップでは洗剤を含まない洗濯水で洗濯物が洗浄されることになる。それを防止するために、洗剤ケース６１は、予洗いステップ専用の洗剤を収容する予洗い用洗剤収納部８１と、本洗いステップ専用の洗剤を収容する本洗い用洗剤収納部８０と、連通口８２とを備えている。本洗い用洗剤収納部８０の後方には、連通口８２と連通する排出口８０ａが形成され、予洗い用洗剤収納部８１の後方には、連通口８２と連通する排出口８１ａが形成されている。

　また、図２および図３に示すように、上部ケース７６には、多数の注水口７８を有する通水路８９と、第１の給水通路である予洗い洗剤用給水通路８３と、第２の給水通路である本洗い洗剤用給水通路８４と、洗剤ケース６１の連通口８２と連通するための開口である水供給路９２とが形成されている。

　予洗い洗剤用給水通路８３は、第１の給水弁である予洗い用給水弁５４と第１の給水管５９ａに接続された予洗い給水吐出筒９３と連通する。本洗い洗剤用給水通路８４は、第２の給水弁である本洗い用給水弁５５と第２の給水管５９ｂに接続された本洗い給水吐出筒９４と連通する。

　以上のように構成された洗剤供給装置５６について、洗剤供給装置５６内を流れる洗濯水の具体的な流れについて、図２を参照しながら図３を用いて、以下に説明する。

　上部ケース７６に接続された第１の給水管５９ａと第２の給水管５９ｂとから給水される洗濯水の一部は、水供給路９２から洗剤ケース６１の連通口８２を通流して、下部ケース７７に接続された給水連結管６０を介して水槽５１に供給される。

　また、残りの洗濯水は、通水空間部７９から通水路８９の注水口７８を介して下方の洗剤ケース６１の本洗い用洗剤収納部８０や予洗い用洗剤収納部８１へと供給される。このとき、洗剤ケース６１に投入されている洗剤は、洗濯水に溶解されつつ押し流され、排出口８０ａ、８１ａを介して連通口８２から下部ケース７７に接続された給水連結管６０を通過して水槽５１に供給される。

　つまり、給水においては、水供給路９２からの洗濯水の流れと、注水口７８を通って洗剤が溶け込んだ洗濯水の流れとの２つの流れによって、洗濯水が給水連結管６０を通って水槽５１に供給される。また、予洗いステップ用の給水においては、さらに水槽空気抜き管７４からも洗濯水が水槽５１に供給される。

　具体的には、図３に示すように、まず、予洗いステップの開始時、制御装置４９は予洗い用給水弁５４を開いて、予洗い給水吐出筒９３から上部ケース７６内の通水空間部７９へ洗濯水を吐出させる。予洗い洗剤用給水通路８３から給水された洗濯水は、矢印Ａに示すように予洗い洗剤用給水通路８３を前方に流れ、矢印Ｅに示すように迂回路８５で左右にＵターンして分流する。そして、洗濯水は、多数の注水口７８が形成された通水路８９を構成する左通路８６、右通路８７に流れ込みながら注水口７８から下方の洗剤ケース６１の予洗い用洗剤収納部８１（図２参照）内に幅広く落下する。落下した洗濯水は、洗剤ケース６１の予洗い用洗剤収納部８１に予め投入しておいた予洗い用洗剤を溶解しながら排出口８１ａから連通口８２（図２参照）へと押し流して下部ケース７７（図２参照）に接続された給水連結管６０を通過して水槽５１に供給される。

　このとき、左通路８６に流れ込んだ洗濯水の一部は、矢印Ｃに示すように、上部ケース７６に接続された水槽空気抜き管７４の水槽空気抜き接続部９１まで到達する。そして、洗濯水は、水槽空気抜き管７４内に流入して、水槽５１内に供給される。

　予洗いステップ終了後、制御装置４９は、本洗いステップの開始時に本洗い用給水弁５５を開いて、本洗い給水吐出筒９４から上部ケース７６の本洗い洗剤用給水通路８４に洗濯水を吐出させる。本洗い洗剤用給水通路８４から給水された洗濯水は、矢印Ｂに示すように通路を前方に流れ、矢印Ｄに示すように、迂回路８８で左右にＵターンして分流する。そして、洗濯水は、多数の注水口７８が形成された通水路８９を構成する左通路９０、右通路９５に流れ込みながら注水口７８から下方の洗剤ケース６１の本洗い用洗剤収納部８０（図２参照）に幅広く落下する。落下した洗濯水は、洗剤ケース６１の本洗い用洗剤収納部８０に予め投入しておいた本洗い用洗剤を溶解しながら排出口８０ａから連通口８２（図２参照）へと押し流して下部ケース７７（図２参照）に接続された給水連結管６０を通過して水槽５１に供給される。

　以上で説明したように、給水ホース５８から供給された洗濯水は、洗剤ケース６１を介して、給水連結管６０や水槽空気抜き管７４から水槽５１に供給される。

　以下に、本実施の形態の制御装置４９の構成について、図４を用いて説明する。

　図４は、同ドラム式洗濯機の制御回路を説明するブロック図である。

　図４に示すように、制御装置４９は、少なくとも入力設定部４８ａと、表示部４８ｂと、例えばマイクロプロセッサー等で構成された制御部４７と、パワースイッチング部４６とから構成される。

　まず、制御装置４９の制御部４７は、操作パネル１００（図１参照）の入力設定部４８ａを介して、ドラム式洗濯機の制御方法が入力されると、入力された情報を操作パネル１００の表示部４８ｂに表示する。そして、制御装置４９の制御部４７は、入力モード設定や制御プログラムに従い、パワースイッチング部４６を介してモータ５７、予洗い用給水弁５４、本洗い用給水弁５５、加熱ヒータ６３、排水ポンプ６７、循環ポンプ７０の負荷を自動制御する。これにより、制御装置４９は、洗い、すすぎ、脱水等の一連のステップを制御する。

　また、制御装置４９は、洗いステップの予洗いステップと本洗いステップにおいて、循環ポンプ７０を常時あるいは所定時間駆動するように制御する。これにより、予洗いステップと本洗いステップにおいて、水槽５１内の洗濯水を循環させて、循環水７３を洗濯物に散布することができる。その結果、洗剤を含んだ洗濯水を洗濯物に浸透させて、洗濯物の洗浄効果を高めることができる。

　以上のように構成したドラム式洗濯機について、図５を用いて図１から図３を参照しながらその動作、作用を説明する。

　図５は、同ドラム式洗濯機のステップ動作を説明する関連図である。

　図５に示すように、まず、ドラム式洗濯機の運転を開始すると、予洗いステップ（Ｓ１０１）における給水が開始される。このとき、予洗い用給水弁５４を開くことによって給水ホース５８から給水された洗濯水は、予洗い洗剤用給水通路８３を通過し、洗剤ケース６１の予洗い用洗剤収納部８１内に収容された、予洗いステップ用洗剤を溶解して給水連結管６０を介して、水槽５１内に供給される（Ｓ１０３）。そして、予洗いステップ（Ｓ１０１）における洗いが開始されて、回転ドラム５３を正方向または逆方向に回動する攪拌（Ｓ１０４）、ならびに循環ポンプ７０の駆動を行う（Ｓ１０５）。これにより、洗いステップを進行させながら循環ポンプ７０による洗濯水の循環水流によって衣類等の洗濯物に洗濯水である、図１に示す循環水７３を散布することができる。その結果、循環水７３の散布により、洗剤を含んだ洗濯水を洗濯物に浸透させて、洗濯物の洗浄効果を高めることができる。

　このとき、循環水流により、水槽５１内に洗剤泡が多量に発生し、水槽５１の内部の圧力が高まることがある。

　そして、水槽５１の圧力が高まった状態で、次ステップの本洗いステップ（Ｓ１０２）における給水を開始して本洗い用給水弁５５を開いて、第２の給水管５９ｂから上部ケース７６の本洗い洗剤用給水通路８４に洗濯水を供給する（Ｓ１０７）。しかし、本洗い洗剤用給水通路８４から給水された洗濯水、および洗剤ケース６１の本洗い用洗剤収納部８０内に収容された本洗い用洗剤は、以下で示す理由により、給水連結管６０へ円滑に流れず、洗剤ケース６１の前方から溢れ出ようとする。これは、水槽５１内の圧力が給水連結管６０の逆止弁６０ａを押圧するために、逆止弁６０ａが開かないためである。

　そこで、上述したように、本実施の形態では、水槽空気抜き管７４を備えて、水槽空気抜き管７４を介して水槽５１の空気を外部に逃がすことにより、発生した洗剤泡によって上昇した水槽５１内の圧力を低下させる。これにより、給水時または洗剤供給時に供給する洗濯水が、所定の通路（通水空間部７９、予洗い洗剤用給水通路８３、本洗い洗剤用給水通路８４、迂回路８５、迂回路８８）以外から流れでたり、洗剤供給装置５６からあふれでることが防止される。その結果、洗剤供給装置５６に接続された給水連結管６０から洗濯水を円滑に水槽５１内へ供給できる。

　しかし、洗剤泡の発生が多量になれば、給水連結管６０および水槽空気抜き管７４内に洗剤泡が浸入する場合がある。このとき、給水連結管６０には、内部に洗濯水や洗剤泡が逆流して洗剤供給装置５６側に浸入しないように逆止弁６０ａを設けているが、水槽空気抜き管７４には逆流防止部は設けていない。

　そこで、予洗いステップ中（Ｓ１０１）、予洗い用洗剤を水槽５１内に供給完了した後も予洗い用給水弁５４を連続または所定時間の間、動作を継続させる（Ｓ１０６）。このとき、図３の矢印Ｃのように、左通路８６から水槽空気抜き管７４に向かって洗濯水が流れ、水槽空気抜き接続部９１および水槽空気抜き管７４内に浸入した洗剤泡を希釈ならびに消泡する。これにより、洗剤供給装置５６内への洗剤泡の浸入や洗剤泡の発生を防止する。その結果、水槽空気抜き管７４を介して、水槽５１内の空気を流通させて水槽５１内部の圧力上昇を防止する。

　これにより、次ステップの本洗いステップ（Ｓ１０２）の給水動作（Ｓ１０７）において、給水された洗濯水および本洗い用洗剤液が、所定の通路以外から流れでたり、洗剤ケース６１の外にあふれることはない。

　さらに、本洗いステップ（Ｓ１０２）においては、本洗い用給水弁５５を開くことにより、給水ホース５８から給水された洗濯水は、本洗い洗剤用給水通路８４を通過し、洗剤ケース６１の本洗い用洗剤収納部８０内に収容された、本洗いステップ用洗剤を溶解して給水連結管６０を介して、水槽５１内に供給される（Ｓ１０７）。

　そして、回転ドラム５３を回転する攪拌（Ｓ１１２）、ならびに循環ポンプ７０を駆動する(Ｓ１０９)。これにより、洗いステップを進行させながら循環ポンプ７０の動作による循環水流によって衣類等の洗濯物に洗濯水である循環水７３を散布することができる。その結果、洗濯水を万遍なく洗濯物に飛散させて洗濯物の洗浄効果を高めることができる。このとき、循環水流の動作中（Ｓ１０９）にも、予洗い用給水弁５４を連続または所定時間の間、動作を継続させる（Ｓ１０８）。これにより、水槽空気抜き管７４内の洗剤泡を希釈ならびに消泡し、水槽空気抜き管７４内への洗剤泡の堆積を防止する。その結果、次ステップのすすぎステップ（Ｓ１１１）において、すすぎ水の給水動作（Ｓ１１０）がされた場合にも、給水されたすすぎ水が洗剤ケース６１の外にあふれることはない。

　また、脱水ステップにおいては、排水ポンプ６７によって水槽５１内の洗濯水を排水する。そして、モータ５７によって、回転ドラム５３を高速回転して水槽５１内の洗濯物を脱水する。

　以上のように、本実施の形態では、水槽５１内で発生した洗剤泡が給水連結管６０から洗剤供給装置５６内に流入することを逆流防止部６０ａで防止するとともに、予洗い用給水弁５４を制御して、水槽空気抜き管７４内の洗剤泡を常時、消泡および堆積することを防止する。これにより、水槽５１内に洗剤泡が発生した場合でも、水槽空気抜き管７４で水槽５１内の空気を抜くことにより、水槽５１内の圧力の上昇を制御できる。その結果、給水時あるいは洗剤供給時に供給する洗濯水が所定の通路以外から流れでたり、洗剤供給装置５６からあふれ出ることを防止できる。

　なお、本実施の形態においては、洗いステップは、予洗いステップと本洗いステップとを有する構成を例に説明したがこれに限らない。例えば、洗濯物の汚れがひどい場合のみに予洗いステップを実行してもよい。これにより、洗濯時間の低減など洗濯効率がより向上する。

　また、本実施の形態では、洗いステップの開始前に、洗剤ケース６１の予洗い用洗剤収納部８１と本洗い用洗剤収納部８０との２つの洗剤収納部に洗剤を投入する構成を例に説明したがこれに限らない。例えば、予洗いステップと本洗いステップの各ステップごとに洗剤を自動投入する構成としてもよい。これにより、洗剤収容部を１つにして洗剤収容部を小型化ができる。

　本発明のドラム式洗濯機によれば、予洗い用の給水弁を制御して水槽空気抜き管内の洗剤泡の消泡と堆積を防止できるので、洗剤泡などが発生しやすい機器やドラム式洗濯機以外の洗濯機等の用途に有用である。

　４８ａ　　入力設定部
　４８ｂ　　表示部
　４９　　制御装置
　５１　　水槽
　５２　　通水孔
　５３　　回転ドラム
　５４　　予洗い用給水弁（第１の給水弁）
　５５　　本洗い用給水弁（第２の給水弁）
　５６　　洗剤供給装置
　５７　　モータ
　５９ａ　　第１の給水管
　５９ｂ　　第２の給水管
　６０　　給水連結管
　６０ａ　　逆止弁（逆流防止部）
　６１　　洗剤ケース
　６２　　蓋体
　６３　　加熱ヒータ
　６６　　フィルター
　６７　　排水ポンプ
　６８　　排水吐出管
　６９　　吸引管
　７０　　循環ポンプ
　７１　　循環水吐出管
　７２　　吐出口
　７３　　循環水
　７４　　水槽空気抜き管
　７９　　通水空間部
　８０　　本洗い用洗剤収納部
　８１　　予洗い用洗剤収納部
　８２　　連通口
　８３　　予洗い洗剤用給水通路（第１の給水通路）
　８４　　本洗い洗剤用給水通路（第２の給水通路）
　９１　　水槽空気抜き接続部
　９２　　水供給路
　１００　　操作パネル

Claims (4)

1. 回転ドラムを回転自在に支持する水槽と、
   前記水槽に洗剤を含む洗濯水を供給する洗剤供給装置と、
   前記洗剤供給装置に前記洗濯水を給水する第１の給水弁と、
   前記水槽と前記洗剤供給装置とを接続し、逆流防止部を備えた給水連結管と、
   前記水槽と前記洗剤供給装置とを接続した水槽空気抜き管と、
   少なくとも洗い、すすぎ、脱水のステップを制御する制御装置と、を備え、
   前記洗剤供給装置は、
   前記第１の給水弁からの前記洗濯水を導く第１の給水通路と、前記水槽空気抜き管と接続する水槽空気抜き接続部と、を有し、
   前記第１の給水通路と前記水槽空気抜き接続部とを連通させたドラム式洗濯機。
2. 前記洗いステップは、予洗いステップと本洗いステップとを有し、
   前記制御装置は、前記予洗いステップにおいて、前記第１の給水弁を動作させ、給水を開始し、前記第１の給水通路から洗剤を前記水槽に供給した後も、給水を続けるように制御する請求項１に記載のドラム式洗濯機。
3. 前記洗剤供給装置に前記洗濯水を供給する第２の給水弁を備え、
   前記洗剤供給装置は、前記第２の給水弁と接続する第２の給水通路を有し、
   前記洗いステップは、予洗いステップと本洗いステップとを有し、
   前記制御装置は、前記本洗いステップにおいて、前記第２の給水弁を動作させ、給水を開始し、前記第２の給水通路から洗剤を前記水槽に供給した後、前記第１の給水弁を動作させ、給水を開始するように制御する請求項１または請求項２のいずれか１項に記載のドラム式洗濯機。
4. 前記洗剤供給装置は、予洗い用洗剤収納部と本洗い用洗剤収納部とを有し、
   前記予洗いステップにおいては前記予洗い用洗剤収納部を介して、前記本洗いステップにおいては前記本洗い用洗剤収納部を介して、それぞれ前記洗剤を投入する請求項３に記載のドラム式洗濯機。

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