以下、この発明に基づいた各実施の形態における体脂肪測定装置について図面を参照して詳細に説明する。なお、以下に説明する各実施の形態において、個数、量などに言及する場合、特に記載がある場合を除き、本発明の範囲は必ずしもその個数、量などに限定されない。また、以下に複数の実施の形態が存在する場合、特に記載がある場合を除き、各々の実施の形態の構成を適宜組み合わせることは、当初から予定されている。各図中、同一符号は同一または相当部分を指し、重複する説明は繰返さない場合がある。
まず、本発明の各実施の形態について説明するに先立ち、身体の部位を表わす用語の定義を行なう。「胴部」は、身体の頭部、頸部および四肢を除く部位であり、いわゆる体幹に相当する。「背部」は、上記胴部のうちの背中側に位置する部分を意味し、上記胴部のうちの腹部側の部分および胸部側の部分を除く部分に相当する。「背部表面」は、上記背部の体表面全体を意味しており、被験者を背中側から観察した場合に視認可能な部分の胴部表面の全体を言う。また、「体軸」は、胴部の延在方向に沿って位置する軸、すなわち被験者の胴部の横断面に対して略垂直な方向に延びる軸を言う。
(実施の形態1)
図1(A)および図1(B)は、本発明の実施の形態1における体脂肪測定装置の測定原理を説明するための図である。ここで、図1(A)は、胴部全体の生体インピーダンスを得る場合の電極配置を示した図であり、図1(B)は、胴部のうちの背部側の表層部分の生体インピーダンスを得る場合の電極配置を示した図である。まず、これら図1(A)および図1(B)を参照して、本実施の形態における体脂肪測定装置の測定原理について説明する。なお、図1(A)および図1(B)においては、被験者をいずれも背中側から見た様子を示している。
(体脂肪測定装置の測定原理)
図1(A)に示すように、胴部全体の生体インピーダンスを得るためには、被験者の左手の表面および右手の表面にそれぞれ電極EIaA1,EIaA2が取付けられる。また、被験者の左足の表面および右足の表面にもそれぞれ電極EIbA1,EIbA2が取付けられる。そして、被験者の背部表面には、体軸方向に沿って並ぶように配置された一対の電極が、胴部の横幅方向に沿って4組取付けられる。すなわち、被験者の背部表面には、図示するように、電極EVaA1,EVbA1,EVaA2,EVbA2,EVaA3,EVbA3,EVaA4,EVbA4の合計8個の電極が取付けられる。
この状態において、両手および両足のそれぞれに取付けられた電極EIaA1,EIaA2,EIbA1,EIbA2を用いて、胴部を通る定電流IAが被験者に印加される。そして、この定電流IAが印加された状態において、背部表面に取付けられた一対の電極EVaA1,EVbA1を用いて電位差VA1が検出され、背部表面に取付けられた一対の電極EVaA2,EVbA2を用いて電位差VA2が検出され、背部表面に取付けられた一対の電極EVaA3,EVbA3を用いて電位差VA3が検出され、背部表面に取付けられた一対の電極EVaA4,EVbA4を用いて電位差VA4が検出される。
このようにして検出された電位差VA1,VA2,VA3,VA4から、胴部全体の生体インピーダンスZtが算出される。なお、その際、検出された上記4つの電位差VA1,VA2,VA3,VA4の平均値を算出することで生体インピーダンスZtを求めることとすれば、胴部の内部における脂肪分布のばらつきの影響が低減できることになる。
ここで、上記状態においては、胴部から離れた位置にある両手および両足間において定電流IAが流されているため、印加された定電流IAは、その殆どが電気抵抗の低い部分、すなわち脂肪以外の部分を通ることになる。そのため、このような定電流IAを用いて測定された電位差VA1,VA2,VA3,VA4から算出される上記生体インピーダンスZtは、胴部内部における除脂肪(内臓、筋肉および骨格)の量の影響を受けるところが大きくなる。したがって、上記生体インピーダンスZtに基づいて臍位置に対応する部分の胴部断面において除脂肪が占める面積(以下、除脂肪断面積と称する)Saが推定できることになる。
一方、図1(B)に示すように、胴部のうちの背部側の表層部分の生体インピーダンスを得るためには、被験者の背部表面に、体軸方向に沿って並ぶように配置された一対の電極が、胴部の横幅方向に沿って4組取付けられる。すなわち、被験者の背部表面には、図示するように、電極EIaB1,EIbB1,EVaB1,EVbB1,EVaB2,EVbB2,EIaB2,EIbB2の合計8個の電極が取付けられる。
この状態において、一対の電極EIaB1,EIbB1を用いて、背部を局所的に通る定電流IB1が被験者に印加され、一対の電極EIaB2,EIbB2を用いて、背部を局所的に通る定電流IB2が被験者に印加される。そして、この定電流IB1,IB2が印加された状態において、背部表面に取付けられた一対の電極EVaB1,EVbB1を用いて電位差VB1が検出され、背部表面に取付けられた一対の電極EVaB2,EVbB2を用いて電位差VB2が検出される。ここで、被験者に印加される2つの定電流IB1,IB2の電流値は、同じ値とされる。
このようにして検出された電位差VB1,VB2から、胴部のうちの背部側の表層部分の生体インピーダンスZsが算出される。なお、その際、検出された上記2つの電位差VB1,VB2の平均値を算出することで生体インピーダンスZsを求めることとすれば、胴部の背部の表層部分における脂肪分布のばらつき等の影響が低減できることになる。なお、電流が印加されていた電極を、電位差を検出するための電極とし、かつ電位差を検出していた電極を、電流を印加するための電極とするように回路を切り替えることにより、4箇所で電位差を測定することも可能になる。このようにすることにより、皮下脂肪のばらつき等の影響をより一層低減させることができる。
ここで、上記状態においては、胴部の背部において局所的に定電流IB1,IB2が印加されているため、印加された定電流IB1,IB2は、いずれもその殆どが背部の表層部分を通ることになる。そのため、このような定電流IB1,IB2を用いて測定された電位差VB1,VB2から算出される上記生体インピーダンスZsは、皮下脂肪量の影響を受けるところが大きくなる。したがって、上記生体インピーダンスZsに基づいて胴部の臍位置を含む断面における皮下脂肪断面積(以下、皮下脂肪断面積と称する)Sbが推定できることになる。
次に、このようにして得られた上記生体インピーダンスZtおよびZsを用いて内臓脂肪量を算出する演算処理の一例について説明する。
臍位置に対応する部分の胴部断面の全体の面積(以下、胴部断面積と称する)をStとすれば、内臓脂肪断面積Sxは、胴部断面積Stと、上述した除脂肪断面積Saおよび皮下脂肪断面積Sbとを用いて、以下の式(1)より算出することができる。
Sx=St-Sa-Sb ・・・式(1)
ここで、胴部断面積Stは、胴部周囲長(いわゆるウエスト長)や、胴部の横幅および縦幅を用いて算出することが可能である。たとえば、胴部の横幅および縦幅から胴部断面積Stを算出する場合には、胴部の横幅を2a、胴部の縦幅を2bとすれば、胴部の断面形状はおおよそ楕円形であるため、胴部断面積Stは、以下の式(2)で近似できる。
St=π×a×b ・・・式(2)
ただし、上記式(2)で近似される胴部断面積Stは、誤差が多く含まれている可能性が高いため、誤差を低減するための係数αをこれに乗ずることによって、より正確な胴部断面積Stを求めることが好ましい。この係数αとしては、たとえば多数のX線CTによる画像サンプルに基づいて、当該画像サンプルから得られる胴部断面積St′と、上記aおよびbとの関係から、St′=α×π×a×bを充足するαの最適値を求めることで得られる。
したがって、上記式(2)は、係数αを用いることで、以下の式(3)によってより誤差を低減した状態で近似できることになる。
St=α×π×a×b ・・・式(3)
なお、上記補正のために乗ずる係数αに関しては、被験者の性別、年齢、身長、体重等の情報(以下、これらを総称して被験者情報と称する)に応じて適宜最適化することが好ましい。すなわち、当該被験者情報に応じて上記係数αの値を変更することにより、より高精度に胴部断面積Stが近似できることになる。
また、上記のとおり、除脂肪断面積Saは、胴部全体の生体インピーダンスZtに基づいて算出することができる。ただし、この胴部全体の生体インピーダンスZtのみでは、除脂肪断面積Saを正確に算出することはできない。すなわち、除脂肪断面積Saは、胴部の大きさに比例する傾向があり、除脂肪断面積Saを算出するためには、生体インピーダンスZtから得られる値をさらに換算することが必要である。したがって、除脂肪断面積Saは、たとえば以下の式(4)で表わされることになる。
Sa=β×a×(1/Zt) ・・・式(4)
ここで、上記aは、上述のとおり胴部の横幅の半分の値であり、胴部の大きさに関係する値である。この胴部の大きさに関係する値としては、上記aに限られず、たとえば胴部の横幅および縦幅が反映されるようにa×bを使用してもよいし、胴部断面積Stを使用してもよいし、胴部周囲長を使用してもよい。
一方、上記βは、胴部全体の生体インピーダンスZtを除脂肪断面積Saに換算するための係数であり、上記係数αを求めた場合と同様に、たとえば多数のX線CTによる画像サンプルに基づいて最適値を求めることができる。すなわち、多数のX線CTによる画像サンプルから得られる除脂肪断面積Sa′と、当該X線CTの撮影対象となった被験者の胴部全体の生体インピーダンスZtと、上記aとの関係から、Sa′=β×a×(1/Zt)を充足するβの最適値を求めることで得られる。
なお、上述した係数βは、上記係数αの場合と同様に、被験者情報に応じて適宜最適化されることが好ましい。すなわち、当該被験者情報に応じて上記係数βの値を変更することにより、より高精度に除脂肪断面積Saを近似できることになる。
さらに、上記のとおり、皮下脂肪断面積Sbは、胴部のうちの背部側の表層部分の生体インピーダンスZsに基づいて算出することができる。ただし、この胴部のうちの背部側の表層部分の生体インピーダンスZsのみでは、皮下脂肪断面積Sbを正確に算出することはできない。すなわち、皮下脂肪断面積Sbは、胴部の大きさに比例する傾向があり、皮下脂肪断面積Sbを算出するためには、生体インピーダンスZsから得られる値をさらに換算することが必要である。したがって、皮下脂肪断面積Sbは、たとえば以下の式(5)で表わされることになる。
Sb=γ×a×Zs ・・・式(5)
ここで、上記aは、上述のとおり胴部の横幅の半分の値であり、胴部の大きさに関係する値である。この胴部の大きさに関係する値としては、上記aに限られず、たとえば胴部の横幅および縦幅が反映されるようにa×bを使用してもよいし、胴部断面積Stを使用してもよいし、胴部周囲長を使用してもよい。
一方、上記γは、胴部のうちの背部側の表層部分の生体インピーダンスZsを皮下脂肪断面積Sbに換算するための係数であり、上記係数αまたは係数βを求めた場合と同様に、たとえば多数のX線CTによる画像サンプルに基づいて最適値を求めることができる。すなわち、多数のX線CTによる画像サンプルから得られる皮下脂肪断面積Sb′と、当該X線CTの撮影対象となった被験者の胴部のうちの背部側の表層部分の生体インピーダンスZsと、上記aとの関係から、Sb′=γ×a×Zsを充足するγの最適値を求めることで得られる。
なお、上述した係数γは、上記係数αおよび係数βの場合と同様に、被験者情報に応じて適宜最適化されることが好ましい。すなわち、当該被験者情報に応じて上記係数γの値を変更することにより、より高精度に皮下脂肪断面積Sbを近似できることになる。
以上のように、本実施の形態における体脂肪測定装置においては、胴部断面積Stと、胴部全体の生体インピーダンスZtに基づいて算出される除脂肪断面積Saと、胴部のうちの背部側の表層部分の生体インピーダンスZsに基づいて算出される皮下脂肪断面積Sbとから、上記式(1)に基づいて内臓脂肪断面積Sxが算出され、より詳細には、上記式(1)に上記式(3)から式(5)を代入した以下の式(6)に基づいて内臓脂肪断面積Sxが算出されることになる。
Sx=α×π×a×b-β×a×(1/Zt)-γ×a×Zs ・・・式(6)
(体脂肪測定装置の機能ブロック)
図2は、本実施の形態における体脂肪測定装置の機能ブロックの構成を示す図である。次に、この図2を参照して、本実施の形態における体脂肪測定装置の機能ブロックの構成について説明する。
図2に示すように、本実施の形態における体脂肪測定装置1Aは、制御部10と、定電流生成部21と、端子切替部22と、電位差検出部23と、胴部横幅検出部24Aと、胴部縦幅検出部24Bと、被験者情報入力部25と、表示部26と、操作部27と、電源部28と、メモリ部29と、ユニット姿勢検出部30と、被験者の身体に装着される複数の電極HR,HL,BU1~BU4,BL1~BL4,FR,FLとを主として備えている。制御部10は、演算処理部11を含んでおり、当該演算処理部11は、生体インピーダンス測定部12と、体形情報測定部13と、体組成情報取得部14とを含んでいる。
制御部10は、たとえばCPU(Central Processor Unit)によって構成され、体脂肪測定装置1Aの全体を制御するための部位である。具体的には、制御部10は、上述した各機能ブロックに対して指令を出力したり、上述した各機能ブロックから各種情報の入力を受け付けたり、受け付けた各種情報に基づいて各種演算処理を行なったりする。このうちの各種演算処理については、上述した制御部10に設けられた演算処理部11によって行なわれる。
上述した複数の電極は、被験者の上肢の表面に接触配置される上肢用電極としての手用電極HR,HLと、被験者の背部表面に接触配置される背部用電極BU1~BU4,BL1~BL4と、被験者の下肢の表面に接触配置される下肢用電極としての足用電極FR,FLとを含んでいる。このうち、手用電極HR,HLは、被験者の掌に接触配置され、足用電極FR,FLは、被験者の足の裏に接触配置される。また、背部用電極BU1~BU4,BL1~BL4は、図1(A)および図1(B)に示したように、被験者の背部表面に整列した状態で接触配置される。なお、これら手用電極HR,HL、背部用電極BU1~BU4,BL1~BL4、および足用電極FR,FLは、いずれも上述した端子切替部22に電気的に接続されている。
端子切替部22は、たとえばリレー回路によって構成され、制御部10から入力される指令に基づき、上述した複数の電極のうちから選択された特定の電極と定電流生成部21とを電気的に接続するとともに、上述した複数の電極のうちから選択された特定の電極と電位差検出部23とを電気的に接続する。これにより、端子切替部22によって定電流生成部21に電気的に接続された電極が定電流印加電極として機能することになり、また端子切替部22によって電位差検出部23に電気的に接続された電極が電位差検出電極して機能することになる。すなわち、端子切替部22が制御部10から入力される指令に基づいて動作することにより、上述した複数の電極HR,HL,BU1~BU4,BL1~BL4,FR,FLのそれぞれが、図1(A)に示した各電極EIaA1,EIaA2,EIbA1,EIbA2,EVaA1,EVbA1,EVaA2,EVbA2,EVaA3,EVbA3,EVaA4,EVbA4、および図1(B)に示した電極EIaB1,EIbB1,EVaB1,EVbB1,EVaB2,EVbB2,EIaB2,EIbB2としてそれぞれ機能することになる。
定電流生成部21は、制御部10から入力される指令に基づいて定電流を生成し、生成した定電流を、端子切替部22を介して上述の定電流印加電極に供給する。定電流生成部21において生成される定電流としては、体組成情報を測定するために好適に使用される高周波電流(たとえば、50kHz,500μA)が選択される。これにより、定電流印加電極を介して定電流が被験者に印加されることになる。
電位差検出部23は、端子切替部22によって電位差検出部23に電気的に接続された電極(すなわち電位差検出電極)間における電位差を検出し、検出した電位差を制御部10に対して出力する。これにより、上述した定電流が被験者に印加された状態における電位差検出電極間の電位差が検出されることになる。
胴部横幅検出部24Aは、被験者の胴部の横幅を非接触で測定するための検出部位であり、たとえば光センサ等の測距センサにて構成される。また、胴部縦幅検出部24Bは、被験者の胴部の縦幅を非接触で測定するための検出部位であり、たとえば光センサ等の測距センサにて構成される。これら胴部横幅検出部24Aおよび胴部縦幅検出部24Bは、検出値に応じた信号を体形情報測定部13に対して出力する。なお、胴部横幅検出部24Aおよび胴部縦幅検出部24Bとしては、上述した光センサの他にも、超音波や電磁波(レーザ光、可視光等を含む各種波長帯の光、電波、磁気、電界等)を利用する各種の非接触式測距センサを利用することができる。
被験者情報入力部25は、演算処理部11で行なわれる演算処理に利用される被験者に関する情報を得るための部位であり、たとえば被験者が押下可能なキー等によって構成される。ここで、被験者情報には、上述したように被験者の性別、年齢、身長、体重等の情報のうちの少なくとも1つが含まれる。被験者情報入力部25は、被験者情報の入力を受け付け、受け付けた被験者情報を制御部10に対して出力する。なお、被験者情報入力部25は、本発明に照らした場合には必ずしも必須の構成ではなく、演算処理部11で行なう演算処理において当該被験者情報を利用することが必要であるか否かに応じてその有無が決定されるものである。
ユニット姿勢検出部30は、後述する装着ユニット100A(図3から図10参照)の姿勢を検出するための検出部位であり、たとえば加速度センサ等にて構成される。このユニット姿勢検出部30は、検出値に応じた信号を制御部10に対して出力する。
演算処理部11は、上述したように生体インピーダンス測定部12と、体形情報測定部13と、体組成情報取得部14とを含んでいる。また、体組成情報取得部14は、内臓脂肪量算出部14aと、皮下脂肪量算出部14bとを含んでいる。生体インピーダンス測定部12は、電位差検出部23から入力された信号に基づいて生体インピーダンスを算出し、これを体組成情報取得部14に出力する。体形情報測定部13は、胴部横幅検出部24Aおよび胴部縦幅検出部24Bから入力された信号に基づいて被験者の胴部の横幅および縦幅を算出し、これを体組成情報取得部14に出力する。体組成情報取得部14は、生体インピーダンス測定部12から入力された生体インピーダンスと、体形情報測定部13から入力された胴部の横幅および縦幅と、場合によってはさらにこれに加えて被験者情報入力部25から入力された被験者情報とに基づいて体組成情報を算出して取得する。より詳細には、内臓脂肪量算出部14aにおいて内臓脂肪量が算出され、皮下脂肪量算出部14bにおいて皮下脂肪量が算出される。
表示部26は、たとえばLCD(Liquid Crystal Display)等によって構成され、上述の体組成情報取得部14において算出された体組成情報を表示する。より具体的には、内臓脂肪量算出部14aにおいて算出された内臓脂肪量および皮下脂肪量算出部14bにおいて算出された皮下脂肪量が、制御部10から出力される信号に基づいて当該表示部26にて表示される。ここで、本実施の形態における体脂肪測定装置1Aにおいては、内臓脂肪量がたとえば内臓脂肪断面積で表示され、皮下脂肪量がたとえば皮下脂肪断面積で表示される。
また、表示部26は、上述のユニット姿勢検出部30によって検出された装着ユニット100Aの姿勢を表示する機能も有している。より具体的には、表示部26は、制御部10から出力される信号に基づいて、上述のユニット姿勢検出部30によって検出された装着ユニット100Aの姿勢を可視化して表示する。
操作部27は、体脂肪測定装置1Aに対して被験者が命令を入力するための部位であり、たとえば被験者が押下可能なボタン等によって構成される。なお、操作部27には、たとえば電源ボタンや測定ボタン等の各種操作ボタンを含んでいる。
電源部28は、制御部10に電力を供給するための部位であり、バッテリ等の内部電源や商用電源等の外部電源等が利用される。
メモリ部29は、たとえばRAM(Random Access Memory)やROM(Read Only Memory)等によって構成され、体脂肪測定装置1Aに関する各種のデータやプログラム等を記憶するための部位である。メモリ部29は、たとえば上述した被験者情報や算出された体組成情報、後述する体組成情報の測定処理を実行するための体組成情報測定プログラム等を記憶している。
(体脂肪測定装置1A)
図3は、本実施の形態における体脂肪測定装置の非収納状態を示す斜視図であり、図4は、収納状態を示す斜視図である。また、図5は、図3および図4に示す装着ユニットの上面図である。次に、これら図3から図5を参照して、本実施の形態における体脂肪測定装置の具体的な構造について説明する。
図3および図4に示すように、本実施の形態における体脂肪測定装置1Aは、装着ユニット100Aと、台ユニット200とを備えている。装着ユニット100Aは、後述する装着状態において被験者の胴部を取り囲むように配置することが可能な枠状の形状を有している。一方、台ユニット200は、被験者が乗ることが可能な台状の形状を有している。なお、装着ユニット100Aと台ユニット200とは、これらの内部に設けられる電気回路を電気的に接続するための接続ケーブル40によって接続されている。
図3から図5に示すように、装着ユニット100Aは、棒状の後部枠状部111、棒状の右側部枠状部112、棒状の左側部枠状部113および棒状の前部枠状部114を含む枠体110と、枠体110の後部枠状部111に取付けられた電極支持体120と、枠体110の前部枠状部114に取付けられた表示用ユニット部130とを含んでいる。
枠体110は、上面視略矩形の額縁状の外形を有しており、被験者が内部に入ること(すなわち胴部を挿入すること)を可能にする中空開口部を有している。当該中空開口部は、上述した後部枠状部111、右側部枠状部112、左側部枠状部113および前部枠状部114によって規定されている。なお、左側部枠状部113と前部枠状部114とは不連続となっており、当該不連続部分に隣接する前部枠状部114の端部に上述した表示用ユニット部130が取付けられている。
枠体110の後部枠状部111の略中央部には、内側に向けて突出するように電極支持体120が配置されている。電極支持体120は、その両端部が前方に位置するとともにその中央部が後方に位置するように曲成された湾曲板にて構成されている。電極支持体120の前面121には、上述した背部用電極BU1~BU4,BL1~BL4が露出するように設けられており、好ましくは、当該背部用電極BU1~BU4,BL1~BL4は、電極支持体120の前面121から僅かに突出している。ここで、上記電極支持体120は、後述する装着状態において背部用電極BU1~BU4,BL1~BL4の被験者の背部表面に対する接触面が前方を向くように、後部枠状部111の前面に位置決めして取付けられている。
また、図5に示すように、電極支持体120は、枠体110の後部枠状部111にたとえばボールジョイント等を含む接続部115を介して取付けられている。これにより、電極支持体120は、後部枠状部111によって揺動可能に支持されている。なお、その揺動方向としては、電極支持体120が水平面内において左右に揺動する方向にのみ揺動可能となるように制限されていることが好ましい。このように構成すれば、後述する装着状態において、電極支持体120の前面121に設けられた背部用電極BU1~BU4,BL1~BL4を確実にかつ適正な押し付け力にて被験者の背部に接触させることができる。
また、接続部115にバネ等の弾性体を具備させることにより、電極支持体120が後部枠状部111によって弾性支持されるように構成してもよい。このように構成すれば、後述する装着状態において、電極支持体120の前面121に設けられた背部用電極BU1~BU4,BL1~BL4をより確実にかつより適正な押し付け力にて被験者の背部に接触させることができる。
図3から図5に示すように、枠体110の右側部枠状部112の略中央部には、上述した手用電極HRが設けられている。手用電極HRは、枠体110の右側部枠状部112の表面に露出して位置している。また、手用電極HRが設けられた部分の枠体110の右側部枠状部112は、棒状に形成されることで右手での把持が可能な形状とされている。ここで、手用電極HRの被験者の右手の掌との接触面は、主として枠体110の外側を向くように配置されていることが好ましい。
また、枠体110の右側部枠状部112の略中央部の内部には、上述した胴部横幅検出部24Aとしての光センサが埋設されるとともに、当該光センサが埋設された部分の右側部枠状部112の内側部分には、検出用窓部24A1が設けられている。この検出用窓部24A1は、光センサから出射される光を透過する部材にて構成される。
また、枠体110の右側部枠状部112の前端部近傍の内部には、上述したユニット姿勢検出部30としての加速度センサが埋設されている。当該加速度センサは、枠体110の軸線を含む面(すなわち、枠体110によって規定される中空開口部の軸線と直交する面)が水平面と平行な状態にあるか、それとも水平面に対してどの程度傾斜しているかが検知可能となるように、当該枠体110に対して位置決めして設けられており、必要に応じて複数の加速度センサを組み合わせることで構成される。
さらに、枠体110の右側部枠状部112の所定位置には、測定ボタン27aが設けられている。当該測定ボタン27aは、好ましくは手用電極HRに隣接する位置に設けられる。これにより、測定の際に被験者が右手を移動させる必要がなくなるため、操作性に優れたものとすることができる。
枠体110の左側部枠状部113の略中央部には、上述した手用電極HLが設けられている。手用電極HLは、枠体110の左側部枠状部113の表面に露出して位置している。また、手用電極HLが設けられた部分の枠体110の左側部枠状部113は、棒状に形成されることで左手での把持が可能な形状とされている。ここで、手用電極HLの被験者の左手の掌との接触面は、主として枠体110の外側を向くように配置されていることが好ましい。
また、図5に示すように、枠体110の左側部枠状部113の略中央部の内部には、上述した胴部横幅検出部24Aとしての光センサが埋設されるとともに、当該光センサが埋設された部分の左側部枠状部113の内側部分には、検出用窓部24A2が設けられている。この検出用窓部24A2は、光センサから出射される光を透過する部材にて構成される。
図3から図5に示すように、枠体110の前部枠状部114には、上述したように表示用ユニット部130が取付けられている。当該表示用ユニット部130の上面には、表示部26が設けられている。ここで、表示部26は、測定結果や各種ガイダンス等を数字や文字あるいはグラフ等にて表示するための第1表示部26aと、装着ユニット100Aの姿勢を可視化して表示するための第2表示部26bとを含んでいる。また、当該表示部26に隣接する部分の表示用ユニット部130の上面には、被験者情報入力部25と、測定ボタン27aを除く他の操作部27とが設けられている。なお、表示用ユニット部130は、装着状態において被験者の正面に配置されることが好ましく、そのため当該表示用ユニット部130は、上述した電極支持体120の前方(すなわち枠体110の左右方向における略中央部)に配置されている。
また、図5に示すように、表示用ユニット部130の内部には、上述した胴部縦幅検出部24Bとしての光センサが埋設されるとともに、当該光センサが埋設された部分の表示用ユニット部130の後面側部分には、検出用窓部24B1が設けられている。この検出用窓部24B1は、光センサから出射される光を透過する部材にて構成される。
一方、図3および図4に示すように、台ユニット200は、箱状の台部210と、この台部210の前面、後面、右側面および左側面の所定位置からそれぞれ台部210の外側に向かって突出して位置する支持部220とを備えている。
台部210は、被験者が乗るための上面211を有しており、当該上面211の所定位置に、上述した足用電極FR,FLがそれぞれ設けられている。足用電極FR,FLは、台部210の上面に露出して位置している。ここで、当該足用電極FR,FLの被験者の右足の足の裏および左足の足の裏に接触する接触面は、いずれも上方を向くように構成されている。
支持部220は、図4に示すように、収納状態において装着ユニット100Aを支持して収容するための部位であり、枠体110の後部枠状部111、右側部枠状部112、左側部枠状部113および前部枠状部114をそれぞれ受け入れて支持することが可能な形状を有している。図示するように、収納状態においては、台ユニット200の台部210を取り囲むように装着ユニット100Aの枠体110が配置されることになる。なお、当該収納状態においては、装着ユニット100Aと台ユニット200とを接続する接続ケーブル40が台ユニット200内に収容されるように構成されていることが好ましい。このように構成するためには、台ユニット200の内部に接続ケーブル40を巻き取ることが可能なリール体を設けることとすればよい。
上述した図2に示した制御部10、定電流生成部21、端子切替部22、電位差検出部23、メモリ部29等は、装着ユニット100Aの内部に設けられていてもよいし、台部210の内部に設けられていてもよい。また、本実施の形態における体脂肪測定装置1Aにあっては、被験者情報入力部25、表示部26および操作部27が装着ユニット100Aに設けられているが、これらを台ユニット200に設けることとしてもよい。
(被験者がとるべき測定手順)
図6から図8は、本実施の形態における体脂肪測定装置を用いて測定を行なう場合に被験者がとるべき測定手順を説明するための図である。また、図9および図10は、本実施の形態における体脂肪測定装置の装着ユニットの装着状態を示す図である。次に、これら図6から図10を参照して、本実施の形態における体脂肪測定装置を用いて測定を行なう場合に被験者がとるべき測定手順および装着ユニットの装着状態について説明する。
図6に示すように、本実施の形態における体脂肪測定装置1Aを用いて体脂肪量の測定を行なう場合には、まずは、被験者300は、収納状態にある体脂肪測定装置1Aの台ユニット200上に乗る。このとき、被験者300は、右足301の足の裏が台ユニット200に設けられた足用電極FRに接触し、かつ左足302の足の裏が台ユニット200に設けられた足用電極FLに接触するようにする。
次に、図7に示すように、被験者300は、上体を屈めてしゃがんだ姿勢をとり、右手303にて装着ユニット100Aの右側部枠状部112を把持するとともに、左手304にて装着ユニット100Aの左側部枠状部113を把持する。このとき、被験者300は、右手303の掌が装着ユニット100Aに設けられた手用電極HRに接触し、かつ左手304の掌が装着ユニット100Aに設けられた手用電極HLに接触するようにする。
次に、図8に示すように、被験者300は、装着ユニット100Aを把持した状態を維持しつつ上体を起こし、起立姿勢をとる。このとき、被験者300は、踏み位置を変えずに、右足301の足の裏と足用電極FRとが接触し、かつ左足302の足の裏と足用電極FLとが接触した状態を維持する。ここで、被験者300が上体を起こすことにより、装着ユニット100Aは持ち上げられ、被験者300の胴部305は、装着ユニット100Aの中空開口部に位置し、枠体110によって囲まれた状態となる。なお、接続ケーブル40は、装着ユニット100Aが持ち上げられることにより、台ユニット200から引き出されることになる。
次に、被験者300は、装着ユニット100Aに設けられた電極支持体120の前面121が背部表面(より具体的には、背中側の腰の表面)に押し当てられることとなるように、装着ユニット100Aを把持した状態のまま装着ユニット100Aを図中矢印C方向に移動させることでその位置を調節する。
このとき、被験者300は、上記電極支持体120の背部表面への押し当ての調節を行なうとともに、装着ユニット100Aの姿勢を視認可能に表示する第2表示部26bを目視してこれを参考にしつつ、装着ユニット100Aが水平に配置されるように装着ユニット100Aの姿勢を調節する。より詳細には、被験者300は、枠体110の右側部枠状部112および左側部枠状部113を把持した右手および左手の角度や当該右手および左手を置く空間的な位置等を調節することにより、装着ユニット100Aを水平に配置させる。装着ユニット100Aの姿勢を調節した後は、被験者300は、当該水平姿勢を維持する。
以上により、図9および図10に示す如くの装着ユニット100Aの装着状態が実現され、体脂肪量の測定が開始可能となる。ここで、体脂肪量の測定を開始するためには、被験者300は、右手303の親指で測定ボタン27aを押下すればよい。なお、上記においては説明を省略したが、被験者300は、適宜のタイミングで電源ボタンを投入することが要求される。当該電源ボタンの投入のタイミングは特に限定されるものではないが、被験者300がしゃがんだ姿勢をとって装着ユニット100Aを把持する前のタイミングにおいて電源ボタンが投入されることが好ましい。
図9および図10に示すように、被験者300が装着ユニット100Aを装着した装着状態においては、被験者300の臍位置を含む胴部305の周りに胴部横幅検出部24Aとしての光センサと胴部縦幅検出部24Bとしての光センサとが位置することになる。したがって、胴部横幅検出部24Aとしての一対の光センサから出射された光は、検出用窓部24A1,24A2を介してそれぞれ被験者300の胴部305の右側面(すなわち右脇腹部表面)および胴部305の左側面(すなわち左脇腹部表面)に照射可能となり、胴部縦幅検出部24Bとしての光センサから出射された光は、検出用窓部24B1を介して被験者300の胴部305の前面(すなわち腹部の臍位置近傍)に照射可能となる。
このとき、これら光センサを用いて胴部横幅および胴部縦幅を正確に測るためには、装着ユニット100Aの水平姿勢が保たれていることが重要である。そのため、本実施の形態における体脂肪測定装置1Aにおいては、上述したユニット姿勢検出部30が装着ユニット100Aに設けられており、当該ユニット姿勢検出部30にて検出された装着ユニット100Aの姿勢を第2表示部26bにおいて視認可能に表示することとしている。すなわち、当該第2表示部23bを被験者300が視認してこれを参考に装着ユニット100Aの姿勢が水平姿勢に維持されるように誘導することを可能にしている。
ここで、図10に示すように、胴部横幅検出部24Aとしての一対の光センサにて検出された距離A1(すなわち、右側部枠状部112と被験者300の胴部305の右側面との間の距離)および距離A2(すなわち、左側部枠状部113と被験者300の胴部305の左側面との間の距離)と、予め定められている距離A(すなわち、右側部枠状部112と左側部枠状部113との間の距離)とを用いれば、被験者300の胴部305の横幅2aの算出が可能となる。また、同様に、胴部縦幅検出部24Bとしての光センサにて検出された距離B1(すなわち、表示用ユニット部130の後面と被験者300の胴部305の前面との間の距離)と、予め定められている距離B(すなわち、表示用ユニット部130の後面と電極支持体120の前面121の水平方向の中央位置との間の距離)とを用いれば、被験者300の胴部305の縦幅2bの算出が可能となる。
なお、仮に装着ユニット100Aの姿勢が水平姿勢に維持されていない場合には、装着ユニット100Aが傾くことによって上述した距離B1、距離B2および距離A1が正しく測距されずに胴部横幅および胴部縦幅の測定精度が誤差を含むものとなってしまうといった問題や、そもそも胴部横幅および胴部縦幅の測定自体が行なえない不具合を招来するが、上記構成を採用することでこの問題が解決されることになる。
図11は、本実施の形態における体脂肪測定装置の装着ユニットの姿勢を表示する第2表示部における表示例を示す図である。次に、この図11を参照して、本実施の形態における体脂肪測定装置の装着ユニットの姿勢を表示する第2表示部における表示例について説明する。
図11に示すように、本実施の形態における体脂肪測定装置1Aにおいては、被験者が直感的に装着ユニット100Aの姿勢が認識できるように画面構成が行なわれている。具体的には、第2表示部26bの表示画面中には、装着ユニット100Aの左右方向を表わす補助線L1と、装着ユニット100Aの前後方向を表わす補助線L2とが表記されており、さらにこれら補助線L1と補助線L2との交点を中心とする円にて、装着ユニット100Aの姿勢の許容範囲を示す領域Tが補助的に表記されている。そして、当該画面中においては、ユニット姿勢検出部30にて検出された検出結果を示すインジケータIがたとえば円で表わされる。
ここで、図示する表示状態においては、装着ユニット100Aの右前方部分(すなわち右側部枠状部112と前部枠状部114との接続部分)が他の部分に比べて低い状態にあることを示しており、被験者は、インジケータIが上記許容範囲を示す領域Tの内部に納まるように(すなわち、インジケータIが図中に仮想線で示すI′の位置に移動するように)装着ユニット100Aの姿勢を調整することになる。
(体脂肪測定装置の制御部の処理フロー)
図12は、本実施の形態における体脂肪測定装置の制御部の処理を示すフロー図である。次に、この図12を参照して、本実施の形態における体脂肪測定装置の制御部において実行される一連の処理について説明する。なお、図12のフローチャートに示す処理は、予めプログラムとしてメモリ部29に格納されており、演算処理部11を含む制御部10がこのプログラムを読み出して実行することにより、内臓脂肪断面積の測定処理、皮下脂肪断面積の測定処理が制御部10によって実現される。
図12に示すように、制御部10は、まず被験者情報の入力を受け付ける(ステップS1)。ここで受け付けた被験者情報は、たとえばメモリ部29に一時的に保存される。
次に、制御部10は、測定開始の指示があったか否かを判断する(ステップS2)。制御部10は、測定開始の指示があるまで待機し(ステップS2においてNO)、測定開始の指示を検知した場合に(ステップS2においてYES)、次の処理に移行する。なお、測定開始の指示は、被験者による測定ボタン27aの押下による。
次に、制御部10は、装着ユニット100Aの姿勢が許容範囲内にあるか否か(すなわち装着ユニット100Aが水平姿勢にあるか否か)を判断する(ステップS3)。具体的には、制御部10は、ユニット姿勢検出部30から入力された信号に基づいて装着ユニット100Aが上記許容範囲内にないと判断した場合には(ステップS3においてNO)、当該許容範囲内になるまで待機する。このとき、制御部10は、ガイダンスを表示部26に表示することで装着ユニット100Aの姿勢の調節を被験者に促したり、警告音を発して装着ユニット100Aの姿勢が水平姿勢にないことを報知したりする制御を行なってもよい。一方、制御部10は、ユニット姿勢検出部30から入力された信号に基づいて装着ユニット100Aが上記許容範囲内にあると判断した場合には(ステップS3においてYES)、次の処理に移行する。
次に、制御部10は、胴部の横幅および縦幅を計測する(ステップS4)。具体的には、制御部10は、胴部横幅検出部24Aおよび胴部縦幅検出部24Bから入力された信号に基づいて体形情報測定部13において被験者の胴部の横幅2aおよび縦幅2bを取得する。取得した被験者の胴部の横幅2aおよび縦幅2bは、一時的にメモリ部29に保存される。
次に、制御部10は、電極の設定を行なう(ステップS5)。具体的には、制御部10は、端子切替部22に対して電極の切替えを行なうように指令を出力し、これに基づいて端子切替部22は、複数の電極HR,HL,BU1~BU4,BL1~BL4,FR,FLのそれぞれを、図1(A)に示した各電極の如くに設定する。
次に、制御部10は、定電流印加電極間に定電流を印加する(ステップS6)。具体的には、制御部10は、定電流生成部21に対して定電流を生成するように指令を出力し、これに基づいて定電流生成部21は、図1(A)に示した定電流印加電極間に生成した定電流IAを印加する。
次に、制御部10は、電位差検出電極間の電位差を検出する(ステップS7)。具体的には、制御部10は、電位差検出部23に対して電位差を検出するように指令を出力し、これに基づいて電位差検出部23は、図1(A)に示した電位差検出電極間の電位差VA1,VA2,VA3,VA4を検出し、これを生体インピーダンス測定部12に対して出力する。
次に、制御部10は、生体インピーダンスZtを算出する(ステップS8)。具体的には、制御部10は、電位差検出部23から入力された信号に基づいて生体インピーダンス測定部12において生体インピーダンスZtを算出する。算出された生体インピーダンスZtは、メモリ部29に一時的に保存される。
次に、制御部10は、改めて電極の設定を行なう(ステップS9)。具体的には、制御部10は、端子切替部22に対して電極の切替えを行なうように指令を出力し、これに基づいて端子切替部22は、複数の電極HR,HL,BU1~BU4,BL1~BL4,FR,FLのそれぞれを、図1(B)に示した各電極のように設定する。
次に、制御部10は、定電流印加電極間に定電流を印加する(ステップS10)。具体的には、制御部10は、定電流生成部21に対して定電流を生成するように指令を出力し、これに基づいて定電流生成部21は、図1(B)に示した定電流印加電極間に生成した定電流IB1,IB2をそれぞれ印加する。
次に、制御部10は、電位差検出電極間の電位差を検出する(ステップS11)。具体的には、制御部10は、電位差検出部23に対して電位差を検出するように指令を出力し、これに基づいて電位差検出部23は、図1(B)に示した電位差検出電極間の電位差VB1,VB2を検出し、これを生体インピーダンス測定部12に対して出力する。
次に、制御部10は、生体インピーダンスZsを算出する(ステップS12)。具体的には、制御部10は、電位差検出部23から入力された信号に基づいて生体インピーダンス測定部12において生体インピーダンスZsを算出する。算出された生体インピーダンスZsは、メモリ部29に一時的に保存される。
次に、制御部10は、内臓脂肪断面積および皮下脂肪断面積をそれぞれ算出する(ステップS13)。具体的には、制御部10は、ステップS3で検出された胴部の横幅2aおよび縦幅2bと、ステップS7で算出された生体インピーダンスZtと、ステップS11で算出された生体インピーダンスZsとに基づいて、内臓脂肪量算出部14aにおいて内臓脂肪量としての内臓脂肪断面積Sxを、皮下脂肪量算出部14bにおいて皮下脂肪量としての皮下脂肪断面積Sbとをそれぞれ算出する。なお、算出した内臓脂肪断面積Sxおよび皮下脂肪断面積Sbは、メモリ部29に一時的に保存される。
そして、制御部10は、測定結果の表示を行なう(ステップS14)。具体的には、制御部10は、表示部26に対してステップS13において算出した内臓脂肪断面積Sxおよび皮下脂肪断面積Sbを表示するように指令を出力し、これに基づいて表示部26は、当該測定結果を表示する。
以上により、体脂肪測定装置1Aは、内臓脂肪断面積の測定処理および皮下脂肪断面積の測定処理を終了する。なお、生体インピーダンスZtの典型的な値は、約5Ω程度であり、生体インピーダンスZsの典型的な値は、約80Ω程度である。
(作用・効果)
以上において説明した本実施の形態における体脂肪測定装置1Aにあっては、背部用電極BU1~BU4,BL1~BL4を被験者の背部に押圧した状態で接触させるための装着ユニット100Aに、胴部横幅を検出するための胴部横幅検出部24Aおよび胴部縦幅を検出するための胴部縦幅検出部24Bが設けられている。すなわち、背部用電極BU1~BU4,BL1~BL4と胴部横幅検出部24Aおよび胴部縦幅検出部24Bとが、単一のユニットとして構成された装着ユニット100Aに一体的に設けられている。
したがって、本実施の形態における体脂肪測定装置1Aにあっては、当該装着ユニット100Aを把持して背部用電極BU1~BU4,BL1~BL4を背部表面に押圧した状態において、胴部横幅および胴部縦幅を高精度に実測することが可能になる。そのため、体脂肪量の測定の際に要求される被験者の操作が簡略化されて簡単な操作で体脂肪量の測定を高精度にかつ容易に行なうことができるばかりでなく、被験者自らが補助者等の協力を得ずとも1人で測定を行なうことができる。
また、上述した本実施の形態における体脂肪測定装置にあっては、上記装着ユニット100Aに、上記背部用電極BU1~BU4,BL1~BL4および胴部横幅検出部24Aならびに胴部縦幅検出部24Bに加えて、上肢用電極としての手用電極HR,HLが露出して設けられている。すなわち、背部用電極BU1~BU4,BL1~BL4と胴部横幅検出部24Aおよび胴部縦幅検出部24Bと手用電極HR,HLとが、単一のユニットとして構成された装着ユニット100Aに一体的に設けられている。
したがって、装着ユニット100Aを右手および左手で把持することで手用電極HR,HLを右手の掌および左手の掌のそれぞれに接触配置することができるとともに、当該装着ユニット100Aを右手および左手で把持した状態を維持しつつ当該装着ユニット100Aに設けられた背部用電極BU1~BU4,BL1~BL4を背部表面に押圧した状態で接触配置することができ、さらには、この状態で胴部横幅および胴部縦幅を高精度に実測することが可能になる。
ここで、上述した本実施の形態における体脂肪測定装置1Aの構成を採用せずに、被験者の背部表面に電極を接触配置するように構成した場合には、背部電極と被験者の背部表面の安定的な接触を維持することが困難となる。そのため通常であれば、当該接触を安定化させるために、被験者が仰臥姿勢かあるいは伏臥姿勢をとることが必要となる。この場合には、補助者等の協力を得ずに被験者自らが1人で測定を行なうことが非常に困難となり、結果的に家庭等において使用することのできない体脂肪測定装置となってしまう。
しかしながら、上述したように、本実施の形態における体脂肪測定装置1Aは、背部用電極BU1~BU4,BL1~BL4と胴部横幅検出部24Aおよび胴部縦幅検出部24Bと手用電極HR,HLとが、単一のユニットとして構成された装着ユニット100Aに一体的に設けられているため、簡単な操作で起立姿勢にある被験者の背部表面に背部用電極BU1~BU4,BL1~BL4を安定的に接触させることが可能となり、また当該安定して被験者の背部表面に背部用電極BU1~BU4,BL1~BL4が接触した状態を測定動作中において維持することができ、さらには、この状態で胴部横幅および胴部縦幅を高精度に実測することが可能になる。そのため、本実施の形態における体脂肪測定装置1Aは、体脂肪量の測定の際に要求される被験者の操作が簡略化されて簡単な操作で体脂肪量の測定を高精度にかつ容易に行なうことができるばかりでなく、被験者自らが補助者等の協力を得ずとも1人で測定を行なうことができる。
また、本実施の形態における体脂肪測定装置1Aは、被験者の背部表面に背部用電極BU1~BU4,BL1~BL4を接触配置させた状態での内臓脂肪量や皮下脂肪量等の体脂肪量の測定が可能であるため、相対的に皮下脂肪の厚みの薄い腹部に電流を局所的に印加するのではなく、相対的に皮下脂肪の厚みの厚い背部に電流を局所的に印加することが可能になり、より高精度に体脂肪量を測定することができる。
したがって、本実施の形態における体脂肪測定装置1Aは、家庭等においても容易にかつ高精度に内臓脂肪量および皮下脂肪量等の体脂肪量が測定できる体脂肪測定装置とすることができる。そのため、当該体脂肪測定装置1Aを利用することにより、日常的にこれら健康管理のための指標を得ることが可能となる。
図13は、本実施の形態における体脂肪測定装置の装着ユニットの姿勢を表示する第2表示部における他の表示例を示す図である。
上述した図11に示す表示例においては、装着ユニット100Aの前後方向に加えて左右方向についてもその姿勢が検知可能なように構成された場合を示していたが、上述した測定姿勢を採用した場合には、装着ユニット100Aの左右方向の姿勢は水平に維持され易い傾向にある。これに対し、上述した測定姿勢を採用した場合には、装着ユニット100Aの前後方向の姿勢は水平に維持され難い傾向にある。
そのため、装置構成をより簡素化する観点から考慮した場合には、装着ユニット100Aの前後方向の姿勢のみが検出されるように装置を構成し、装着ユニット100Aの姿勢を表示する第2表示部26bとしては、図13に示す如くの構成とすることも可能である。
すなわち、図13に示す表示例においては、装着ユニット100Aの前後方向の傾斜姿勢の程度を示す領域をそれぞれ第2表示部26bの前後方向に沿って並べて配置し、ユニット姿勢検出部30にて検出された検出結果に該当する領域を点灯させることにより、これをインジケータIとして表示している。
ここで、図示する表示状態においては、装着ユニット100Aの前方部分(すなわち前部枠状部114側の接続部分)が後方部分に比べて高い状態にあることを示しており、被験者は、インジケータIが上記許容範囲を示す領域の内部に納まるように装着ユニット100Aの姿勢を調整することになる。
(実施の形態2)
図14は、本発明の実施の形態2における体脂肪測定装置の装着ユニットの上面図であり、図15は、本実施の形態における体脂肪測定装置の装着ユニットの装着状態を示す図である。次に、これら図14および図15を参照して、本実施の形態における体脂肪測定装置の装着ユニットの具体的な構造および装着ユニットの装着状態について説明する。なお、本実施の形態における体脂肪測定装置の測定原理および制御部で実施される演算処理は、上述した本発明の実施の形態1における体脂肪測定装置のそれらと同様である。
図14に示すように、本実施の形態における体脂肪測定装置1Bは、上述した本発明の実施の形態1における体脂肪測定装置1Aと同様に、装着状態において被験者の胴部を取り囲むように配置することが可能な枠状の形状を有する装着ユニット100Bと、被験者が乗ることが可能な台状の形状を有する、図示しない台ユニット200(図3等参照)とを備えている。
本実施の形態における体脂肪測定装置1Bの装着ユニット100Bは、枠体110の後部枠状部111、右側部枠状部112、左側部枠状部113および前部枠状部114がそれぞれ分割して構成されており、これら後部枠状部111、右側部枠状部112、左側部枠状部113および前部枠状部114のそれぞれが、隣接する枠状部のそれぞれに対して相対的に移動可能となるように連結されている。
具体的には、右側部枠状部112が、後部枠状部111に対して図中矢印D1方向に沿って移動可能に構成されており、左側部枠状部113が、後部枠状部111に対して図中矢印D2方向に沿って移動可能に構成されており、前部枠状部114が、右側部枠状部112に対して図中矢印E1方向に移動可能に構成されている。
また、本実施の形態における体脂肪測定装置1Bにあっては、右側部枠状部112および左側部枠状部113からそれぞれ外側に向けて把手部112a,113aが設けられており、当該把手部112a,113aにそれぞれ手用電極HR,HLが露出するように設けられている。
ここで、本実施の形態における体脂肪測定装置1Bは、上述した本発明の実施の形態1における体脂肪測定装置1Aが具備していた非接触式の光センサを具備しておらず、これに代えて、胴部横幅検出部24Aとしての、上述した右側部枠状部112および左側部枠状部113の後部枠状部111に対する相対的な移動量を検出する移動量検出センサと、胴部縦幅検出部24Bとしての、上述した前部枠状部114の右側部枠状部112に対する相対的な移動量を検出する移動量検出センサとを、装着ユニット100Aの内部に具備している。当該移動量検出センサとしては、たとえばロータリーエンコーダに代表される各種エンコーダや光センサ、磁気センサ等、種々のものが使用可能である。
図15に示すように、装着ユニット100Bを装着した状態においては、被験者の胴部305が枠体110に取り囲まれた状態とされ、胴部305の腹部、背部および両側部がいずれも装着ユニット100Bに接触した状態とされる。
当該状態を実現するためには、被験者は、右手の掌および左手の掌がそれぞれ手用電極HR,HLに接触するように、把手部112a,113aをそれぞれ右手および左手で把持した状態を維持しつつ、装着ユニット100Bに設けられた電極支持体120の前面121が背部表面に押し当てられることとなるように、装着ユニット100Bの位置を調節する。
このとき、被験者は、右側部枠状部112の内側部分および左側部枠状部113の内側部分がそれぞれ胴部305の両側部(すなわち両脇腹)に接触するように右側部枠状部112および左側部枠状部113を移動させ、その後、一旦片手を外し、表示用ユニット部130の背面が胴部の前部(すなわち腹部)に接触するように前部枠状部114を移動させ、その後再度外した片手を元の位置へ戻す。
さらに、このとき、被験者は、装着ユニット100Bの姿勢を視認可能に表示する第2表示部26bを目視してこれを参考にしつつ、装着ユニット100Bが水平に配置されるように装着ユニット100Bの姿勢を調節する。以上により、図15に示す如くの装着ユニット100Bの装着状態が実現され、体脂肪量の測定が開始可能となる。
ここで、図14に示す状態における右側部枠状部112、左側部枠状部113および前部枠状部114の位置をそれぞれ原点とし、当該図14に示す原点位置から、図15に示す装着後の右側部枠状部112、左側部枠状部113および前部枠状部114の位置に達するまでのそれぞれの移動量を、上述した移動量検出センサにて測定することにより、図15に示すように、胴部の横幅2aが距離Dとして算出され、胴部の縦幅2bが距離Eとして算出されることになる。
以上において説明した本実施の形態における体脂肪測定装置1Bとすることにより、上述した本発明の実施の形態1において説明した効果と同様の効果を得ることができる。
(実施の形態3)
図16は、本発明の実施の形態3における体脂肪測定装置の斜視図である。次に、この図16を参照して、本実施の形態における体脂肪測定装置の具体的な構造について説明する。なお、本実施の形態における体脂肪測定装置の測定原理および制御部で実施される演算処理は、上述した本発明の実施の形態1における体脂肪測定装置のそれらと同様である。
図16に示すように、本実施の形態における体脂肪測定装置1Cは、上述した本発明の実施の形態1における体脂肪測定装置1Aと同様に、装着状態において被験者の胴部を取り囲むように配置することが可能な枠状の形状を有する装着ユニット100Cを備えている。しかしながら、本実施の形態における体脂肪測定装置1Cは、上述した本発明の実施の形態1における体脂肪測定装置1Aと異なり、被験者が乗ることが可能な台状の台ユニットを備えておらず、代わりに、装着ユニット100Cから引き出すことが可能に構成された引き出しユニット部としての電極パッド125A,125Bを有している。
電極パッド125A,125Bは、略平板状の形状を有しており、当該電極パッド125A,125Bの主面には、それぞれ下肢または臀部の表面に接触させるための下肢臀部用電極としての足臀部用電極FL′,FR′が露出して設けられている。電極パッド125A,125Bの上部には、接続ケーブル126A,126Bの一端が接続されており、接続ケーブル126A,126Bの他端は、電極支持体120の内部に設けられたリール体に固定されている。なお、本実施の形態における装着ユニット100Cにおいては、上記リール体を電極支持体120の内部に配置することが可能となるように、電極支持体120をブロック状の部材として構成し、これを枠体110の後部枠状部111の略中央部に取付けることとしている。
これにより、電極パッド125A,125Bは、いずれも図中に示す矢印F1,F2方向に接続線としての接続ケーブル126A,126Bが出し入れされることで装着ユニット100Cの下方に向けて引き出し可能とされている。すなわち、接続ケーブル126A,126Bの引き出し量を調節することにより、電極パッド125A,125Bを被験者の下肢または臀部の任意の位置に取付けることが可能とされている。
以上において説明した本実施の形態における体脂肪測定装置1Cとすることにより、上述した本発明の実施の形態1において説明した効果と同様の効果を得ることができる。加えて本実施の形態にける体脂肪測定装置1Cにあっては、起立姿勢での測定に加え、着座姿勢での測定も可能になるため、さらに容易に体脂肪量の測定を行なうことができる。また、本実施の形態にける体脂肪測定装置1Cにあっては、台ユニットを備えていないため、装置構成が簡略化されるとともに、装置を小型化することもできる。
なお、電極パッド125A,125Bとしては、被験者の身体に吸着固定される構成のものや粘着固定される構成のもの、あるいは何らかの巻き付け部材を用いて巻き付け固定される構成のもの等が使用でき、さらには特に固定されることなく被験者の身体と座面あるいは床面との間で挟み込んで固定されるように構成されたもの等の使用も可能である。
(実施の形態4)
図17(A)および図17(B)は、本発明の実施の形態4における体脂肪測定装置の測定原理を説明するための図である。ここで、図17(A)は、胴部全体の生体インピーダンスを得る場合の電極配置を示した図であり、図17(B)は、胴部のうちの背部側の表層部分の生体インピーダンスを得る場合の電極配置を示した図である。まず、これら図17(A)および図17(B)を参照して、本実施の形態における体脂肪測定装置の測定原理について説明する。なお、図17(A)および図17(B)においては、被験者をいずれも背中側から見た様子を示している。
本実施の形態における体脂肪測定装置の測定原理も、上述した本発明の実施の形態1において説明した測定原理と基本的には同様である。しかしながら、胴部全体の生体インピーダンスを得る際に使用する電極の配置位置が、上記本発明の実施の形態1におけるそれと若干相違している。
具体的には、図17(A)に示すように、胴部全体の生体インピーダンスを得るためには、被験者の左手の表面および右手の表面にそれぞれ電極EIaA1,EIaA2が取付けられる。また、被験者の背部表面には、体軸方向に沿って並ぶように配置された一対の電極が、胴部の横幅方向に沿って4組取付けられるとともに、当該4組の電極対が接触配置された背部表面よりもさらに臀部寄りの背部表面に、胴部の横幅方向に並ぶように4個の電極が取付けられる。すなわち、被験者の背部表面には、図示するように、電極EVaA1,EVbA1,EVaA2,EVbA2,EVaA3,EVbA3,EVaA4,EVbA4,EIbA1,EIbA2,EIbA3,EIbA4の合計12個の電極が取付けられる。
この状態において、両手および背部の臀部寄りの部分のそれぞれに取付けられた電極EIaA1,EIaA2,EIbA1,EIbA2,EIbA3,EIbA4を用いて、胴部を通る定電流IAが被験者に印加される。そして、この定電流IAが印加された状態において、背部表面に取付けられた一対の電極EVaA1,EVbA1を用いて電位差VA1が検出され、背部表面に取付けられた一対の電極EVaA2,EVbA2を用いて電位差VA2が検出され、背部表面に取付けられた一対の電極EVaA3,EVbA3を用いて電位差VA3が検出され、背部表面に取付けられた一対の電極EVaA4,EVbA4を用いて電位差VA4が検出される。
本実施の形態における体脂肪測定装置1Dにあっては、このようにして検出された電位差VA1,VA2,VA3,VA4から、胴部全体の生体インピーダンスZtが算出される。なお、胴部のうちの背部側の表層部分の生体インピーダンスZsを得るための電極配置、定電流の印加状態および電位差の検出状態は、図17(B)に示すように、いずれも上述した本発明の実施の形態1におけるそれらと同様である。
図18は、本実施の形態における体脂肪測定装置の機能ブロックの構成を示す図である。次に、この図18を参照して、本実施の形態における体脂肪測定装置の機能ブロックの構成について説明する。
図18に示すように、本実施の形態における体脂肪測定装置1Dは、上述した本発明の実施の形態1における体脂肪測定装置1Aと近似の構成を有しているが、端子切替部22に接続される複数の電極の構成において若干相違する。すなわち、本実施の形態における体脂肪測定装置1Dは、複数の電極として電極HR,HL,BU1~BU4,BL1~BL4,BA1~BA4を備えている。
上述した複数の電極は、被験者の上肢の表面に接触配置される上肢用電極としての手用電極HR,HLと、被験者の背部表面に接触配置される背部用電極BU1~BU4,BL1~BL4,BA1~BA4とを含んでいる。このうち、手用電極HR,HLは、被験者の掌に接触配置される。また、背部用電極BU1~BU4,BL1~BL4,BA1~BA4は、図17(A)および図17(B)に示したように、被験者の背部表面に整列した状態で接触配置される。なお、これら手用電極HR,HLおよび背部用電極BU1~BU4,BL1~BL4,BA1~BA4は、いずれも上述した端子切替部22に電気的に接続されている。
図19は、本実施の形態における体脂肪測定装置の斜視図である。次に、この図19を参照して、本実施の形態における体脂肪測定装置の具体的な構造について説明する。
図19に示すように、本実施の形態における体脂肪測定装置1Dは、上述した本発明の実施の形態1における体脂肪測定装置1Aと同様に、装着状態において被験者の胴部を取り囲むように配置することが可能な枠状の形状を有する装着ユニット100Dを備えている。しかしながら、本実施の形態における体脂肪測定装置1Dは、上述した本発明の実施の形態1における体脂肪測定装置1Aと異なり、被験者が乗ることが可能な台状の台ユニットは備えていない。代わりに、本実施の形態における体脂肪測定装置1Dにあっては、枠体110に取付けられた電極支持体120に背部用電極BA1~BA4がさらに追加されている。
具体的には、曲成された湾曲板からなる電極支持体120が、上記本発明の実施の形態1におけるそれよりも下方に向けてさらに延長され、当該延長された部分の電極支持体120の前面121に背部用電極BA1~BA4が設けられている。ここで、背部用電極BA1~BA4は、いずれも電極支持体120の前面121において露出するように設けられており、好ましくは、当該背部用電極BA1~BA4は、電極支持体120の前面121から僅かに突出している。これにより、背部用電極BA1~BA4は、背部用電極BU1~BU4,BL1~BL4と同様に、装着状態において被験者の背部表面に接触配置されることになる。
以上において説明した本実施の形態における体脂肪測定装置1Dとすることにより、上述した本発明の実施の形態1において説明した効果と同様の効果を得ることができる。加えて本実施の形態にける体脂肪測定装置1Dにあっては、起立姿勢での測定に加え、着座姿勢での測定も可能になるため、さらに容易に体脂肪量の測定を行なうことができる。また、本実施の形態にける体脂肪測定装置1Dにあっては、台ユニットを備えていないため、装置構成が簡略化されるとともに、装置を小型化することもできる。
(実施の形態5)
図20は、本発明の実施の形態5における体脂肪測定装置の装着ユニットの上面図である。また、図21は、本実施の形態における体脂肪測定装置に具備される水準器を示す図である。次に、これら図20および図21を参照して、本実施の形態における体脂肪測定装置の具体的な構造について説明する。なお、本実施の形態における体脂肪測定装置の測定原理および制御部で実施される演算処理は、上述した本発明の実施の形態1における体脂肪測定装置のそれらと同様である。
図20に示すように、本実施の形態における体脂肪測定装置1Eは、上述した本発明の実施の形態1における体脂肪測定装置1Aと同様に、装着状態において被験者の胴部を取り囲むように配置することが可能な枠状の形状を有する装着ユニット100Eと、被験者が乗ることが可能な台状の形状を有する、図示しない台ユニット200(図3等参照)とを備えている。
しかしながら、本実施の形態における体脂肪測定装置1Eにおいては、上述した本発明の実施の形態1における体脂肪測定装置1Aに具備されていたユニット姿勢検出部としての加速度センサと、装着ユニットの姿勢を表示する第2表示部とが、装着ユニット100Eに設けられておらず、代わりに、装着ユニット100Eに水準器32が設けられている。
ここで、水準器32は、装着ユニット100Eの姿勢を示すものであり、たとえば所定量の気泡を含む流体が容器内に封止され、当該容器の内部が視認可能となるように当該容器の上面が透明に構成されたものである。当該水準器32は、具体的には、装着ユニット100Eの枠体110の右側部枠状部112の前端部近傍に設けられている。
図21に示すように、水準器32の上面には、装着ユニット100Eの左右方向を表わす補助線L1と、装着ユニット100Eの前後方向を表わす補助線L2とが表記されており、さらにこれら補助線L1と補助線L2との交点を中心とする円にて、装着ユニット100Eの姿勢の許容範囲を示す領域Tが補助的に表記されている。そして、当該水準器32の上面には、気泡からなるインジケータIが位置することになる。
ここで、図示する状態においては、装着ユニット100Eの右前方部分(すなわち右側部枠状部112と前部枠状部114との接続部分)が他の部分に比べて低い状態にあることを示しており、被験者は、気泡からなるインジケータIが上記許容範囲を示す領域Tの内部に納まるように(すなわち、気泡かなるインジケータIが図中に仮想線で示すI′の位置に移動するように)装着ユニット100Eの姿勢を調整することになる。
以上において説明した本実施の形態における体脂肪測定装置1Eとすることにより、上述した本発明の実施の形態1において説明した効果と同様の効果を得ることができる。加えて、本実施の形態にける体脂肪測定装置1Eにあっては、装着ユニット100Eの姿勢が水平姿勢に保たれるように誘導する部品として比較的安価にかつ容易に組み込みが可能な水準器32が利用されているため、上述した本発明の実施の形態1に比べてより安価にかつ容易に体脂肪測定装置を製作することができる。
図22は、本実施の形態における体脂肪測定装置に具備される水準器の他の例を示す図である。
上述した図20および図21に示す水準器は、装着ユニット100Eの前後方向に加えて左右方向についてもその姿勢が視認できるように構成されたものであったが、上述した測定姿勢を採用した場合には、装着ユニット100Eの左右方向の姿勢は水平に維持され易い傾向にある。これに対し、上述した測定姿勢を採用した場合には、装着ユニット100Eの前後方向の姿勢は水平に維持され難い傾向にある。
そのため、装置構成をより簡素化する観点から考慮した場合には、装着ユニット100Eの前後方向の姿勢のみが視認できるように水準器32を構成することも可能である。
すなわち、図22に示す水準器32においては、液体が封止される容器が前後方向に縦長のものとされ、装着ユニット100Eの左右方向を表わす補助線Lのみが水準器32の上面に表わされている。そして、当該水準器32の上面には、気泡からなるインジケータIが位置することになる。
ここで、図示する状態においては、装着ユニット100Eの前方部分(すなわち前部枠状部114側の接続部分)が後方部分に比べて高い状態にあることを示しており、被験者は、気泡からなるインジケータIが上記許容範囲の中心を示す補助線Lに合致するように装着ユニット100Eの姿勢を調整することになる。
(実施の形態6)
図23は、本発明の実施の形態6における体脂肪測定装置の斜視図である。次に、この図23を参照して、本実施の形態における体脂肪測定装置の具体的な構造について説明する。なお、本実施の形態における体脂肪測定装置の測定原理および制御部で実施される演算処理は、上述した本発明の実施の形態1における体脂肪測定装置のそれらと同様である。
図23に示すように、本実施の形態における体脂肪測定装置1Fは、上述した本発明の実施の形態1における体脂肪測定装置1Aと同様に、装着状態において被験者の胴部を取り囲むように配置することが可能な枠状の形状を有する装着ユニット100Fと、被験者が乗ることが可能な台状の形状を有する台ユニット200とを備えている。
しかしながら、本実施の形態における体脂肪測定装置1Fにおいては、上述した本発明の実施の形態1における体脂肪測定装置1Aに具備されていたユニット姿勢検出部としての加速度センサと、装着ユニットの姿勢を表示する第2表示部とが、装着ユニット100Eに設けられておらず、代わりに、装着ユニット100Fと台ユニット200とが支柱部50によって連結されている。
具体的には、図23に示すように、台ユニット200の後部には、鉛直上方に向けて延びるように支柱部50が立設されており、装着ユニット100Fは、その後部が当該支柱部50によって支持されている。ここで、装着ユニット100Fは、その水平姿勢が維持されつつ、その鉛直方向(図中矢印G方向)における位置が可変に調節可能となるように、上記支柱部50によって移動可能に支持されている。なお、装着ユニット100Fの装着に際しては、被験者は、当該装着ユニット100Fの高さを調節してこれを胴部を囲う位置に配置すればよい。
以上において説明した本実施の形態における体脂肪測定装置1Fとすることにより、上述した本発明の実施の形態1において説明した効果と同様の効果を得ることができる。加えて、本実施の形態にける体脂肪測定装置1Fにあっては、支柱部50を設けることで比較的容易にかつ精度よく装着ユニット100Eの姿勢が常に維持されるように構成することを可能にしているため、上述した本発明の実施の形態1に比べてより精度よくかつ容易に体脂肪測定を行なうことができる。
また、本実施の形態における体脂肪測定装置1Fにあっては、装着ユニット100Fを支柱部50に対して回動可能に取付けることとしてよい。具体的には、装着ユニット100Fの支柱部50に対する取付部に回動連結部としてのヒンジ等を設け、これにより装着ユニット100Fの前部部分が上方または/および下方に向けて回動するように構成してもよい。このように構成すれば、非使用時において装着ユニット100Fを支柱部50側に向けて倒す(すなわち装着ユニット100Fを起立した姿勢にする)ことが可能になり、収納性の観点から優れたものとすることができる。また、装着ユニット100Fと同様に台ユニット200を支柱部50に対して回動可能に取付けて、非使用時において台ユニット200を支柱部50側に向けて跳ね上げることでさらなる収納性の向上を図ることとしてもよい。
なお、以上において説明した本発明の実施の形態1から6においては、装着ユニット100A~100Fの枠体110の右側部枠状部112および左側部枠状部113に手用電極HR,HLをそれぞれ設けた場合を例示して説明を行なったが、当該手用電極HR,HLは、枠体110の前部枠状部114に設けてもよいし、場合によっては、装着ユニットに設けないこととしてもよい。
また、上述した本発明の実施の形態1から6においては、装着ユニット100A~100Fの枠体110の一部を不連続とした場合を例示して説明を行なったが、これを連続した形状のものにて構成してもよい。
また、上述した本発明の実施の形態1から6においては、装着ユニット100A~100Fの枠体110を上面視略矩形の額縁状の外形を有するものにて構成した場合を例示して説明を行なったが、当該枠体110が他の形状、たとえば環状、U字状、C字状等の形状にて構成してもよい。
また、上述した本発明の実施の形態6においては、台ユニット200に支柱部50を具備した構成としているため、当該支柱部50を具備する台ユニット200に身長測定機能を具備させることとしてもよい。すなわち、支柱部50に既知の身長計に具備される如くの構成を付加して身長を計測するための身長測定部を設けることにより、台ユニット200に乗った被験者の身長を当該身長測定部にて測定可能に構成してもよい。その場合、支柱部50に設けた身長測定部にて測定された身長情報が制御部10に入力されるように構成すれば、実測した被験者の身長を被験者情報として各種の演算処理に利用することが可能になる。
(実施の形態7)
図24は、本発明の実施の形態7における体脂肪測定装置の斜視図であり、図25は、本発明の実施の形態7における体脂肪測定装置の装着ユニットの上面図であり、図26から図28は、本発明の実施の形態7における体脂肪測定装置の装着ユニットの第1測定状態から第3測定状態を示す上面図である。
次に、これら図24から図28を参照して、本実施の形態における体脂肪測定装置の装着ユニットの具体的な構造および装着ユニットの装着状態について説明する。なお、本実施の形態における体脂肪測定装置の測定原理および制御部で実施される演算処理は、上述した本発明の実施の形態1および2における体脂肪測定装置のそれらと同様である。
図24に示すように、本実施の形態における体脂肪測定装置1Gは、上述した本発明の実施の形態2における体脂肪測定装置1Bと同様に、装着状態において被験者の胴部を取り囲むように配置することが可能な環状の枠体を有する装着ユニット100Gと、被験者が乗ることが可能な台状の形状を有する台ユニット200とを備えている。
本実施の形態における体脂肪測定装置1Gの装着ユニット100Gは、枠体1000の後部枠状部1001、右側部枠状部1002、左側部枠状部1003および前部枠状部1004が連結して構成されており、これら後部枠状部1001、右側部枠状部1002、左側部枠状部1003、および前部枠状部1004が、隣接する枠状部のそれぞれに対して相対的に移動可能となるように連結されている。枠体1000には、被験者の胴部を通過させるための開口1000aが形成されている。枠体1000の内部機構を除いて、主なる外表面は、柔軟でかつ伸縮可能な部材で構成されている。
前部枠状部1004の表面部分には、表示用ユニット部130が設けられている。右側部枠状部1002の側部からは、右側部駆動レバー2000が露出している。この右側部駆動レバー2000には、手用電極HRおよび測定ボタン27aが設けられている。左側部枠状部1003の側部からは、左側部駆動レバー3000が露出している。この左側部駆動レバー3000には、手用電極HLが設けられている。
枠体1000の内周面1000iにおいて、右側部枠状部1002の中間部には、右側電極支持体9100が配設され、左側部枠状部1003の中間部には、左側電極支持体9200が配設され、後部枠状部1001の中間部には、背面電極支持体9300が配設されている。
右側電極支持体9100には、背部用電極BU1,BL1が設けられ、左側電極支持体9200には、背部用電極BU4,BL4が設けられ、背面電極支持体9300には、背部用電極BU2,BU3,BL2、BL3が設けられている。本実施の形態では、背部用電極BU1,BL1は、被験者の右横腹部に接触し、背部用電極BU4,BL4は、被験者の左横腹部に接触する。以降、背部用電極BU1,BL1を、右横腹部用電極BU1,BL1と称し、背部用電極BU4,BL4を左横腹部用電極BU4,BL4と称する。
右側電極支持体9100、左側電極支持体9200、および背面電極支持体9300は、上述した電極支持体120と同様に、その両端部が前方に位置するとともにその中央部が後方に位置するように曲成された湾曲板にて構成されていると良い。右側電極支持体9100、左側電極支持体9200、および、背面電極支持体9300に設けられる電極は、その表面が露出するように設けられており、好ましくは、各電極は、各電極支持体の前面から僅かに突出していると良い。
装着ユニット100Gは、右側部枠状部1002と左側部枠状部1003との外側への移動、および、右側部枠状部1002と左側部枠状部1003との内側への移動を連動させる横幅方向移動連動機構と、前部枠状部1004と後部枠状部1001との外側への移動、および、前部枠状部1004と後部枠状部1001との内側への移動を連動させる縦幅方向移動連動機構と有している。
また、背部用電極BU2,BU3,BL2、BL3を支持する背面電極支持体9300は、横幅方向移動連動機構による右側部枠状部1002と左側部枠状部1003との外側への移動、および、右側部枠状部1002と左側部枠状部1003との内側への移動によっても、右側部枠状部1002と左側部枠状部1003との中間位置に留まるように、横幅方向移動連動機構に固定されている。
また、右横腹部用電極BU1,BL1を支持する右側電極支持体9100、および左横腹部用電極BU4,BL4を支持する左側電極支持体9200は、縦幅方向移動連動機構による前部枠状部1004と後部枠状部1001との外側への移動、および、前部枠状部1004と後部枠状部1001と内側への移動によっても、前部枠状部1004と後部枠状部1001との中間位置に留まるように、縦幅方向移動連動機構に固定されている。
さらに、本実施の形態における装着ユニット100Gは、横幅方向移動連動機構による右側部枠状部1002と左側部枠状部1003との外側への移動に連動して、縦幅方向移動連動機構による前部枠状部1004と後部枠状部1001とが外側への移動し、横幅方向移動連動機構による右側部枠状部1002と左側部枠状部1003との内側への移動に連動して、縦幅方向移動連動機構による前部枠状部1004と後部枠状部1001とが内側への移動する縦横幅方向移動連動機構をさらに備えている。
また、本実施の形態における体脂肪測定装置1Gは、上述した本発明の実施の形態2における体脂肪測定装置1Bと同様に、非接触式の光センサを具備しておらず、これに代えて、胴部横幅検出部24Aとしての、上述した右側部枠状部1002および左側部枠状部1003の前部枠状部1004および後部枠状部1001に対する相対的な移動量を検出する移動量検出センサと、胴部縦幅検出部24Bとしての、上述した前部枠状部1004および後部枠状部1001の右側部枠状部1002および左側部枠状部1003に対する相対的な移動量を検出する移動量検出センサとを、装着ユニット100Gの内部に具備している。当該移動量検出センサとしては、たとえばロータリーエンコーダに代表される各種エンコーダや光センサ、磁気センサ等、種々のものが使用可能である。
以下、図25を参照して、装着ユニット100Gに採用される、横幅方向移動連動機構、縦幅方向移動連動機構、および縦横幅方向移動連動機構の詳細について説明する。枠体1000の内部には、右側部駆動レバー2000、左側部駆動レバー3000、右側部従動レバー4000、および、左側部従動レバー5000が収容されている。
右側部駆動レバー2000は、前後方向に延びる右側部外フレーム2100と、この右側部外フレーム2100の後端側において、右側部外フレーム2100の外側右方向に延びる右側部ハンドルフレーム2300と、この右側部ハンドルフレーム2300から前方向に延びる右側部ハンドル2400とが設けられている。また、右側部外フレーム2100の前端側においては、右側部外フレーム2100の外側右方向に延びる右側部第1ばね係合フレーム2500が設けられている。右側部ハンドル2400には、手用電極HRおよび測定ボタン27aが設けられている。
右側部外フレーム2100の右側部ハンドルフレーム2300とは反対側には、内側左方向に延びる後側部内フレーム2200が設けられ、この後側部内フレーム2200の左端側には、後方に延びる後側部第1ばね係合フレーム2600が設けられている。また、後側部内フレーム2200と右側部外フレーム2100との連結近傍には、斜め後方に延びる右側後方滑車フレーム2700が設けられ、この右側後方滑車フレーム2700の先端に右側後方滑車2800が設けられている。
左側部駆動レバー3000は、前後方向に延びる左側部外フレーム3100と、この左側部外フレーム3100の後端側において、左側部外フレーム3100の外側左方向に延びる左側部ハンドルフレーム3300と、この左側部ハンドルフレーム3300から前方向に延びる左側部ハンドル3400とが設けられている。また、左側部外フレーム3100の前端側においては、左側部外フレーム3100の外側左方向に延びる左側部第1ばね係合フレーム3500が設けられている。左側部ハンドル3400には、手用電極HLが設けられている。
左側部外フレーム3100の左側部ハンドルフレーム3300とは反対側には、内側右方向に延び、後側部内フレーム2200に対して所定の間隙を隔てて平行に配置される後側部外フレーム3200が設けられ、この後側部外フレーム3200の右端側には、後方に延びる後側部第2ばね係合フレーム3600が設けられている。また、後側部外フレーム3200と左側部外フレーム3100との連結近傍には、後方に延びる左側後方滑車フレーム3700が設けられ、この左側後方滑車フレーム3700の先端に左側後方滑車3800が設けられている。
右側部従動レバー4000は、前後方向に延び、右側部外フレーム2100に対して所定の間隙を隔てて平行に配置される右側部内フレーム4100と、この右側部内フレーム4100の後端側において、右側部内フレーム4100の外側右方向に延びる右側部第2ばね係合フレーム4300とが設けられている。また、右側部内フレーム4100の前端側においては、右側部内フレーム4100の内側左方向に延びる前側部第1フレーム4200が設けられている。また、右側部内フレーム4100と前側部第1フレーム4200との連結近傍には、右方向に延びる右側前方滑車フレーム4400が設けられ、この右側前方滑車フレーム4400の先端に右側前方滑車4500が設けられている。
左側部従動レバー5000は、前後方向に延び、左側部外フレーム3100に対して所定の間隙を隔てて平行に配置される左側部内フレーム5100と、この左側部内フレーム5100の後端側において、左側部内フレーム5100の外側左方向に延びる左側部第2ばね係合フレーム5300とが設けられている。また、左側部内フレーム5100の前端側においては、左側部内フレーム5100の内側左方向に延びる前側部第2フレーム5200が設けられている。前側部第2フレーム5200は、前側部第1フレーム4200を収容するように同軸に設けられている。また、左側部内フレーム5100と前側部第2フレーム5200との連結近傍には、左方向に延びる左側前方滑車フレーム5400が設けられ、この左側前方滑車フレーム5400の先端に左側前方滑車5500が設けられている。
右側部外フレーム2100と右側部内フレーム4100との対向する側には、それぞれ右側部外ラック2100rおよび右側部内ラック4100rが設けられている。また、この右側部外ラック2100rおよび右側部内ラック4100rとの間には、これらに係合する右側部ピニオン9120が配置されている。この右側部ピニオン9120は、右側部ベース9210Bに回転可能に固定されている。また、この右側部ベース9210Bには、右側電極支持体9100が固定されている。
右側部第1ばね係合フレーム2500と右側部第2ばね係合フレーム4300との間には、第1ばね6000が配置されている。また、後側部第2ばね係合フレーム3600と右側部第2ばね係合フレーム4300との間には、右側前方滑車4500および右側後方滑車2800に係合するように、第1ワイヤ9400が掛けられている。
左側部外フレーム3100と左側部内フレーム5100との対向する側には、それぞれ左側部外ラック3100rおよび左側部内ラック5100rが設けられている。また、この左側部外ラック3100rおよび左側部内ラック5100rとの間には、これらに係合する左側部ピニオン9220が配置されている。この左側部ピニオン9220は、左側部ベース9220Bに回転可能に固定されている。また、この左側部ベース9220Bには、左側電極支持体9200が固定されている。
左側部第1ばね係合フレーム3500と左側部第2ばね係合フレーム5300との間には、第2ばね7000が配置されている。また、後側部第1ばね係合フレーム2600と左側部第2ばね係合フレーム5300との間には、左側前方滑車5500および左側後方滑車3800に係合するように、第2ワイヤ9500が掛けられている。
後側部内フレーム2200と後側部外フレーム3200との対向する側には、それぞれ後側部内ラック2200rおよび後側部外ラック3200rが設けられている。また、後側部内ラック2200rおよび後側部外ラック3200rとの間には、これらに係合する後側部ピニオン9320が配置されている。後側部ピニオン9320は、後側部ベース9320Bに回転可能に固定されている。また、この後側部ベース9320Bには、背面電極支持体9300が固定されている。
後側部第1ばね係合フレーム2600と後側部第2ばね係合フレーム3600との間には、第3ばね8000が配置されている。
(測定手順)
次に、上記構成を備える装着ユニット100Gを用いた測定手順について、図26から図28を参照して説明する。なお、装着ユニット100Gの動作については、右側電極支持体9100、左側電極支持体9200、および、背面電極支持体9300の位置に基づいて説明する。なお、被験者がとるべき測定手順は、実施の形態1における図6から図8に示す手順、および、実施の形態2における測定手順と同じである。
(標準的な体型)
図26は標準的な体型を有する被験者に対する測定を示している。右側電極支持体9100に支持された右横腹部用電極BU1,BL1および左側電極支持体9200に支持された左横腹部用電極BU4,BL4がそれぞれ被験者の右横腹部および左横腹部に押し当てられている。また、背面電極支持体9300に支持された背部用電極BU2,BU3,BL2、BL3が、被験者の背部表面に押し当てられている。
図26に示すように、装着ユニット100Gを装着した状態においては、被験者の胴部305が枠体1000に取り囲まれた状態とされ、胴部305の右横腹部、左横腹部および、背部が、装着ユニット100Gの各電極に接触した状態とされる。
当該状態を実現するためには、被験者は、右手の掌および左手の掌がそれぞれ手用電極HR,HLに接触するように、右側部ハンドル2400および左側部ハンドル3400をそれぞれ右手および左手で把持した状態を維持しつつ、装着ユニット100Gに設けられた各電極が右横腹部、左横腹部および、背部に押し当てられることとなるように、右側部ハンドル2400および左側部ハンドル3400の位置を調節する。
このとき、被験者は、装着ユニット100Gの姿勢を視認可能に表示する第2表示部26bを目視してこれを参考にしつつ、装着ユニット100Gが水平に配置されるように装着ユニット100Gの姿勢を調節する。以上により、図26に示すように装着ユニット100Gの装着状態が実現され、体脂肪量の測定が開始可能となる。
ここで、図26に示す状態における右側電極支持体9100、左側電極支持体9200、および、背面電極支持体9300の位置をそれぞれ原点とし、図26に示す原点位置から、後述の図27または図28に示す装着後の右側電極支持体9100、左側電極支持体9200、および、背面電極支持体9300の位置に達するまでのそれぞれの移動量を、上述した移動量検出センサにて測定することにより、図26から図28中に示す、胴部の横幅2aが距離D1、D2,D3として算出され、胴部の縦幅2bが距離E1、E2,E3として算出されることになる。
(大型体型)
図27を参照して、図26に示す標準体型の被験者よりも体型が大きい被験者の場合について説明する。この体型の被験者は、被験者が、右側部ハンドル2400および左側部ハンドル3400を把持した状態で、右側部ハンドル2400および左側部ハンドル3400をそれぞれ外側(左右方向、図中A1方向)に移動させる。
これにより、後側部第1ばね係合フレーム2600と後側部第2ばね係合フレーム3600とが、第3ばね8000の付勢力に対抗して、それぞれ内側(図中A2方向)に移動する。これにより、第1ワイヤ9400が図中A3方向に引っ張られ、右側部第1ばね係合フレーム2500と右側部第2ばね係合フレーム4300とが、第1ばね6000の付勢力に対抗して、それぞれ近接する方向に移動する。同様に、第2ワイヤ9500が図中A3方向に引っ張られ、左側部第1ばね係合フレーム3500と左側部第2ばね係合フレーム5300とが、第2ばね7000の付勢力に対向して、それぞれ近接する方向に移動する。
これにより、右側電極支持体9100は右方向外側に移動し(図中A1方向)、左側電極支持体9200は左方向外側に移動する(図中A1方向)。また、前側部第1フレーム4200および前側部第2フレーム5200も前方側(図中A4方向)に移動し、後側部内フレーム2200および後側部外フレーム3200も後方側(図中A4方向)に移動する。これにより、枠体1000の開口1000aが拡大され、大型の体型の被験者の測定が可能となる。
このとき、右側部外ラック2100rと右側部内ラック4100rとが異なる方向に移動することから、右側部ピニオン9120は上下方向に移動することなく、その場に留まったまま回転する。その結果、右側部ピニオン9120、右側部ベース9210B、および右側電極支持体9100は、上下方向には移動しない。これにより、前側部第1フレーム4200が前方に移動し、後側部内フレーム2200が後方に移動した場合であっても、右側電極支持体9100は前後方向の中間位置に留まることが可能となる。
同様に、左側部外ラック3100rと左側部内ラック5100rとが異なる方向に移動することから、左側部ピニオン9220は上下方向に移動することなく、その場に留まったまま回転する。その結果、左側部ピニオン9220、左側部ベース9220B、および左側電極支持体9200は、上下方向には移動しない。これにより、前側部第2フレーム5200が前方に移動し、後側部外フレーム3200が後方に移動した場合であっても、左側電極支持体9200は前後方向の中間位置に留まることが可能となる。
同様に、後側部内ラック2200rと後側部外ラック3200rとが異なる方向に移動することから、後側部ピニオン9320は左右方向に移動することなく、その場に留まったまま回転する。その結果、後側部ピニオン9320、後側部ベース9320B、および背面電極支持体9300は、左右方向には移動しない。これにより、右側部駆動レバー2000が右方に移動し、左側部駆動レバー3000が左方に移動した場合であっても、背面電極支持体9300は左右方向の中間位置に留まることが可能となる。
このようにして、右側電極支持体9100、左側電極支持体9200、および背面電極支持体9300の位置が中間位置に維持されていることから、枠体1000の開口1000aが拡大され、大型の体型の被験者であっても、被験者の背部表面、右横腹部および左横腹部の適切な位置に、それぞれ背部用電極BU2,BU3,BL2、BL3、右横腹部用電極BU1,BL1、および、左横腹部用電極BU4,BL4を押し当てることが可能となる。
(小型体型)
図28を参照して、図26に示す標準体型の被験者よりも体型が小さい被験者の場合について説明する。この体型の被験者は、被験者が、右側部ハンドル2400および左側部ハンドル3400を把持した状態で、右側部ハンドル2400および左側部ハンドル3400をそれぞれ内側(左右方向、図中B1方向)に移動させる。
これにより、後側部第1ばね係合フレーム2600と後側部第2ばね係合フレーム3600とが、第3ばね8000の付勢力に対抗して、それぞれ外側(図中B2方向)に移動する。これにより、第1ワイヤ9400が図中B3方向に引っ張られ、右側部第1ばね係合フレーム2500と右側部第2ばね係合フレーム4300とが、第1ばね6000の付勢力に対抗して、それぞれ離間する方向に移動する。同様に、第2ワイヤ9500が図中B3方向に引っ張られ、左側部第1ばね係合フレーム3500と左側部第2ばね係合フレーム5300とが、第2ばね7000の付勢力に対向して、それぞれ離間する方向に移動する。
これにより、右側電極支持体9100は左方向内側に移動し(図中B1方向)、左側電極支持体9200は右方向内側に移動する(図中B1方向)。また、前側部第1フレーム4200および前側部第2フレーム5200も後方側(図中B4方向)に移動し、後側部内フレーム2200および後側部外フレーム3200も前方側(図中B4方向)に移動する。これにより、枠体1000の開口1000aが縮小され、小型の体型の被験者の測定が可能となる。
このとき、右側部外ラック2100rと右側部内ラック4100rとが異なる方向に移動することから、右側部ピニオン9120は上下方向に移動することなく、その場に留まったまま回転する。その結果、右側部ピニオン9120、右側部ベース9210B、および右側電極支持体9100は、上下方向には移動しない。これにより、前側部第1フレーム4200が後方に移動し、後側部内フレーム2200が前方に移動した場合であっても、右側電極支持体9100は前後方向の中間位置に留まることが可能となる。
同様に、左側部外ラック3100rと左側部内ラック5100rとが異なる方向に移動することから、左側部ピニオン9220は上下方向に移動することなく、その場に留まったまま回転する。その結果、左側部ピニオン9220、左側部ベース9220B、および左側電極支持体9200は、上下方向には移動しない。これにより、前側部第2フレーム5200が後方に移動し、後側部外フレーム3200が前方に移動した場合であっても、左側電極支持体9200は前後方向の中間位置に留まることが可能となる。
同様に、後側部内ラック2200rと後側部外ラック3200rとが異なる方向に移動することから、後側部ピニオン9320は左右方向に移動することなく、その場に留まったまま回転する。その結果、後側部ピニオン9320、後側部ベース9320B、および背面電極支持体9300は、左右方向には移動しない。これにより、右側部駆動レバー2000が左方に移動し、左側部駆動レバー3000が右方に移動した場合であっても、背面電極支持体9300は左右方向の中間位置に留まることが可能となる。
このようにして、右側電極支持体9100、左側電極支持体9200、および背面電極支持体9300の位置が中間位置に維持されていることから、枠体1000の開口1000aが縮小され、小型体型の被験者であっても、被験者の背部表面、右横腹部および左横腹部の適切な位置に、それぞれ背部用電極BU2,BU3,BL2、BL3、右横腹部用電極BU1,BL1、および、左横腹部用電極BU4,BL4を押し当てることが可能となる。
以上において説明した本実施の形態における体脂肪測定装置1Gとすることにより、上述した本発明の実施の形態1において説明した効果と同様の効果を得ることができる。
また、右側電極支持体9100、左側電極支持体9200、および背面電極支持体9300の位置が中間位置に維持されていることから、体型の大小に関わらず、被験者の背部表面、右横腹部および左横腹部の適切な位置に、それぞれ背部用電極BU2,BU3,BL2、BL3、右横腹部用電極BU1,BL1、および、左横腹部用電極BU4,BL4を押し当てることが可能となり、測定精度の信頼性を高めることができる。
また、本実施の形態におていは、第1ばね6000、第2ばね7000、および第3ばね8000により、図25に示す状態が基準状態として採用されていることから、被験者の使用時には、背部用電極BU2,BU3,BL2、BL3、右横腹部用電極BU1,BL1、および、左横腹部用電極BU4,BL4には常に各電極が被験者に押し当てられる方向に力が作用する。これにより、被験者による測定を補助し、被験者の負担を軽減することができる。
なお、本実施の形態においては、被験者による操作性の向上から、縦横幅方向移動連動機構として、右側後方滑車2800、右側前方滑車4500、第1ワイヤ9400、左側後方滑車3800、左側前方滑車5500、および第2ワイヤ9500を用いた連動機構を採用したが、これらを設けない構成の採用も可能である。
また、上述した本発明の実施の形態1,2,5,6および7においては、台ユニット200を具備した構成としているため、当該台ユニット200に体重測定機能を具備させることとしてもよい。すなわち、台ユニット200に荷重を検出する体重測定部としてのロードセル等を設けることにより、台ユニット200に乗った被験者の体重を当該体重測定部にて測定可能に構成してもよい。その場合、台ユニット200に設けた体重測定部にて測定された体重情報が制御部10に入力されるように構成すれば、実測した被験者の体重を被験者情報として各種の演算処理に利用することが可能になる。
また、上述した本発明の実施の形態1から7においては、内臓脂肪量として内臓脂肪断面積が算出されるとともに、皮下脂肪量として皮下脂肪断面積が算出されるように演算処理を構成した場合を例示して説明したが、内臓脂肪量が、内臓脂肪断面積以外の指標である内臓脂肪体積、内臓脂肪重量、内臓脂肪レベル等にて算出されるとともに、皮下脂肪量が、皮下脂肪断面積以外の指標である皮下脂肪体積、皮下脂肪重量、皮下脂肪レベル等にて算出されるように演算処理を構成してもよい。
また、上述した本発明の実施の形態1から7においては、内臓脂肪断面積および皮下脂肪断面積のいずれもが算出されて表示されるように構成した場合を例示して説明を行なったが、これらのいずれかのみが表示されるように構成してもよいし、皮下脂肪断面積のみが算出されて表示されるように構成してもよい。さらには、内臓脂肪断面積および皮下脂肪断面積以外の各種体組成情報(たとえば体脂肪量や部位別脂肪量、除脂肪量等)を算出してこれを表示するように構成してもよい。
このように、今回開示した上記各実施の形態はすべての点で例示であって、制限的なものではない。本発明の技術的範囲は請求の範囲によって画定され、また請求の範囲の記載と均等の意味および範囲内でのすべての変更を含むものである。