WO2011096563A1 - パルス電磁波を用いた計測装置及び計測方法 - Google Patents

パルス電磁波を用いた計測装置及び計測方法 Download PDF

Info

Publication number
WO2011096563A1
WO2011096563A1 PCT/JP2011/052529 JP2011052529W WO2011096563A1 WO 2011096563 A1 WO2011096563 A1 WO 2011096563A1 JP 2011052529 W JP2011052529 W JP 2011052529W WO 2011096563 A1 WO2011096563 A1 WO 2011096563A1
Authority
WO
WIPO (PCT)
Prior art keywords
electromagnetic wave
detection
pulse
substance
semiconductor
Prior art date
Application number
PCT/JP2011/052529
Other languages
English (en)
French (fr)
Inventor
利彦 紀和
塚田 啓二
Original Assignee
国立大学法人 岡山大学
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by 国立大学法人 岡山大学 filed Critical 国立大学法人 岡山大学
Priority to US13/577,604 priority Critical patent/US8710440B2/en
Priority to JP2011552854A priority patent/JP5807957B2/ja
Publication of WO2011096563A1 publication Critical patent/WO2011096563A1/ja

Links

Images

Classifications

    • GPHYSICS
    • G01MEASURING; TESTING
    • G01TMEASUREMENT OF NUCLEAR OR X-RADIATION
    • G01T1/00Measuring X-radiation, gamma radiation, corpuscular radiation, or cosmic radiation
    • G01T1/16Measuring radiation intensity
    • G01T1/24Measuring radiation intensity with semiconductor detectors
    • GPHYSICS
    • G01MEASURING; TESTING
    • G01NINVESTIGATING OR ANALYSING MATERIALS BY DETERMINING THEIR CHEMICAL OR PHYSICAL PROPERTIES
    • G01N21/00Investigating or analysing materials by the use of optical means, i.e. using sub-millimetre waves, infrared, visible or ultraviolet light
    • G01N21/17Systems in which incident light is modified in accordance with the properties of the material investigated
    • G01N21/25Colour; Spectral properties, i.e. comparison of effect of material on the light at two or more different wavelengths or wavelength bands
    • G01N21/31Investigating relative effect of material at wavelengths characteristic of specific elements or molecules, e.g. atomic absorption spectrometry
    • G01N21/35Investigating relative effect of material at wavelengths characteristic of specific elements or molecules, e.g. atomic absorption spectrometry using infrared light
    • G01N21/3581Investigating relative effect of material at wavelengths characteristic of specific elements or molecules, e.g. atomic absorption spectrometry using infrared light using far infrared light; using Terahertz radiation
    • G01N21/3586Investigating relative effect of material at wavelengths characteristic of specific elements or molecules, e.g. atomic absorption spectrometry using infrared light using far infrared light; using Terahertz radiation by Terahertz time domain spectroscopy [THz-TDS]
    • GPHYSICS
    • G01MEASURING; TESTING
    • G01NINVESTIGATING OR ANALYSING MATERIALS BY DETERMINING THEIR CHEMICAL OR PHYSICAL PROPERTIES
    • G01N21/00Investigating or analysing materials by the use of optical means, i.e. using sub-millimetre waves, infrared, visible or ultraviolet light
    • G01N21/17Systems in which incident light is modified in accordance with the properties of the material investigated
    • G01N21/25Colour; Spectral properties, i.e. comparison of effect of material on the light at two or more different wavelengths or wavelength bands
    • G01N21/31Investigating relative effect of material at wavelengths characteristic of specific elements or molecules, e.g. atomic absorption spectrometry
    • G01N21/35Investigating relative effect of material at wavelengths characteristic of specific elements or molecules, e.g. atomic absorption spectrometry using infrared light
    • G01N21/3581Investigating relative effect of material at wavelengths characteristic of specific elements or molecules, e.g. atomic absorption spectrometry using infrared light using far infrared light; using Terahertz radiation
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61BDIAGNOSIS; SURGERY; IDENTIFICATION
    • A61B5/00Measuring for diagnostic purposes; Identification of persons
    • A61B5/05Detecting, measuring or recording for diagnosis by means of electric currents or magnetic fields; Measuring using microwaves or radio waves 

Abstract

【課題】被検出物質を高感度・高精度に検出可能であるテラヘルツ光を用いた計測装置及び計測方法を提供する。 【解決手段】物質検出プレートと、物質検出プレートにパルスレーザー光を照射することで、照射位置における被検出物質の量に依存する振幅強度を持ったパルス電磁波を発生させる手段と、パルス電磁波の振幅強度を検出する検出手段と、を備え、前記振幅強度より、被検出物質を含む溶液の状態の変化を計測するパルス電磁波を用いた計測装置であって、パルスレーザー光を2分割する第1ビームスプリッタと、被検出物質を含む溶液が導入可能である検出領域部と、参照溶液が導入可能である参照領域部と、を備え、2分割されたパルスレーザー光を検出領域部に対応する半導体に照射するとともに、参照領域に対応する半導体に各々照射し、検出領域部及び参照領域部に対応する半導体から発生する各々のパルス電磁波を集光して、ひとつの検出手段により検出する。

Description

パルス電磁波を用いた計測装置及び計測方法
 本発明は、パルス電磁波を用いた計測装置及び計測方法に関するものである。特にパルス電磁波の電場強度の時間変化を検出することで計測を行う計測装置及び計測方法に関する。
 周波数が10GHzから10THz、あるいは、さらにその周波数領域を含む広い周波数領域(テラヘルツ帯域と呼ぶ)の成分を持つ電磁波は、総称してテラヘルツ光とよばれている。特に、パルス状のテラヘルツ光(テラヘルツパルス光と呼ぶ)を用いた時間領域での分光装置やイメージング装置が提案されている。
 これらの装置では、テラヘルツパルス光を半導体や誘電体等の各種被測定試料に照射して、被測定試料を透過させるかもしくは被測定試料で反射させた後、そのパルス光の電場強度の時間変化を検出し、フーリエ変換により各周波数の電場強度と位相情報を得る。その結果、例えばフーリエ分光装置では得られない若しくは得ることが難しかった各種被測定試料の物性データを非破壊で得ることが可能となっている。
 前記テラヘルツパルス光を用いて試料に関する情報を得るためには、これら試料からの時系列波形に加えて、参照用の時系列波形が必要となる。参照用波形としては、透過型の場合には試料を取り除いたときに検出される波形が用いられ、反射型の場合には反射率が100%とみなせる鏡を試料の代わりに配設して、そのときに検出される波形を用いる。そして、参照用波形もフーリエ変換し、各波長に対する電場の振幅強度と位相情報を得る。
 また、特許文献1には、試料を平行平板に限定したテラヘルツパルス光を用いた測定方法が記載されている。当該測定方法は、前記反射光の時系列波形に含まれる試料入射面での反射パルス光を参照信号とし、反射光の時系列波形から前記反射パルス光を除いた差分信号を試料信号とし測定を行う方法である。
特開2004-198250号公報 特許第4183735号公報
 しかしながら、従来のテラヘルツパルス光を用いた装置では、検出感度や検出精度が十分とは言えず、例えば、特許文献2に記載のパルス電磁波を用いた計測装置等においては、創薬分野への適用に際して検出感度や検出精度をさらに向上することが望まれている。
 そこで、本発明は、被検出物質を高感度・高精度に検出可能であるパルス電磁波を用いた計測装置及び計測方法を提供することを目的とする。
 本発明の解決しようとする課題は以上の如くであり、次にこの課題を解決するための手段を説明する。
 即ち、請求項1においては、
 半導体と当該半導体上に作製される絶縁体とを有する物質検出プレートと、
 前記物質検出プレートにパルスレーザー光を前記半導体側から照射することで、照射位置における被検出物質の量に依存する振幅強度を持ったパルス電磁波を発生させる手段と、
 前記パルス電磁波の振幅強度を検出する検出手段と、を備え、
 前記振幅強度より、前記被検出物質を含む溶液の状態の変化を計測するパルス電磁波を用いた計測装置であって、
 前記パルスレーザー光を2分割する第1ビームスプリッタと、
 前記絶縁体上に配置され、被検出物質を含む溶液が導入可能である検出領域部と、
 前記絶縁体上の前記検出領域近傍に配置され、参照溶液が導入可能である参照領域部と、を備え、
 前記パルスレーザー光を、前記第1ビームスプリッタにより2分割し、分割された一方のパルスレーザー光を前記検出領域部に対応する前記半導体に照射するとともに、分割された他方のパルスレーザー光を前記参照領域に対応する前記半導体に照射し、前記検出領域及び前記参照領域に対応する前記半導体から発生する各々のパルス電磁波を集光手段により集光して、ひとつの前記検出手段により検出するパルス電磁波を用いた計測装置であ
る。
 請求項2においては、
 前記パルスレーザー光をプローブ光とポンプ光とに2分割する第2ビームスプリッタと、
 前記プローブ光の光路に配置され、前記検出手段にて前記振幅強度が検出される時間を遅延可能である時間遅延手段と、をさらに備え、
 前記ポンプ光は、前記第1ビームスプリッタにより2分割され、分割された一方の前記ポンプ光を前記検出領域部に対応する前記半導体に照射するとともに、分割された他方の前記ポンプ光を前記参照領域部に対応する前記半導体に照射し、前記検出領域部及び前記参照領域部に対応する前記半導体から発生する各々のパルス電磁波を集光手段により集光して、ひとつの前記検出手段に入射し、
 前記プローブ光は、前記時間遅延手段を通過し、前記ポンプ光により発生した前記各々のパルス電磁波の入射と同期させて前記検出手段に照射し、
 当該プローブ光の照射時に前記検出手段に入射した前記ポンプ光による前記各々のパルス電磁波の振幅強度を検出するパルス電磁波を用いた計測装置である。
 請求項3においては、
 前記時間遅延手段は、前記検出手段にて前記振幅強度が検出される時間を周期的に時間
遅延可能であるパルス電磁波を用いた計測装置である。
 請求項4においては、
 前記パルスレーザー光をプローブ光とポンプ光とに2分割する第2ビームスプリッタと、
 前記第1ビームスプリッタと前記半導体との間における前記ポンプ光の光路に配置され、前記ポンプ光のパルスタイミングを任意に調整可能であるパルスタイミング調整手段と、をさらに備え、
 前記ポンプ光は、前記第1ビームスプリッタにより2分割され、分割された一方の前記ポンプ光を前記検出領域部に対応する前記半導体に照射するとともに、分割された他方の前記ポンプ光を前記参照領域部に対応する前記半導体に照射し、かつ前記一方又は他方のポンプ光のうちどちらか一方を前記パルスタイミング調整手段を通過させ、前記検出領域部及び前記参照領域部に対応する前記半導体から発生する各々のパルス電磁波を集光手段により集光して、ひとつの前記検出手段に入射し、
 前記パルスタイミング調整手段は、前記検出手段にて検出される前記各々のパルス電磁波の振幅強度の検出タイミングが一致するように、前記両方のポンプ光のうち一方のポンプ光のパルスタイミングが予め調整され、
 前記プローブ光は、前記ポンプ光により発生した前記各々のパルス電磁波の入射と同期させて前記検出手段に照射し、
 当該プローブ光の照射時に前記検出手段に入射した前記ポンプ光による前記各々のパルス電磁波の振幅強度を検出するパルス電磁波を用いた計測装置である。
 請求項5においては、
 半導体と当該半導体上に作製される絶縁体とを有する物質検出プレートと、
 前記物質検出プレートにパルスレーザー光を前記半導体側から照射することで、照射位置における被検出物質の量に依存する振幅強度を持ったパルス電磁波を発生させる手段と、
 前記パルス電磁波の振幅強度を検出する検出手段と、を用いて、
 前記振幅強度より、前記被検出物質を含む溶液の状態の変化を計測するパルス電磁波を用いた計測方法であって、
 前記パルスレーザー光をプローブ光とポンプ光とに2分割する分割工程と、
 前記ポンプ光を2分割し、分割された一方の前記ポンプ光を前記被検出物質を含む溶液が導入可能である検出領域部に対応する前記半導体に照射するとともに、分割された他方の前記ポンプ光を参照溶液が導入可能である参照領域部に対応する前記半導体に照射し、前記検出領域部及び前記参照領域部に対応する前記半導体から発生する各々のパルス電磁波を集光して、ひとつの前記検出手段に入射する入射工程と、
 前記プローブ光を、所定の周期にて時間遅延させながら、前記ポンプ光により発生した前記各々のパルス電磁波の入射と同期させて前記検出手段に照射する工程と、
 前記プローブ光の照射時に前記検出手段に入射した前記ポンプ光による前記各々のパルス電磁波の振幅強度を検出することで、前記検出領域部及び前記参照領域部のそれぞれにおける遅延時間の異なる複数の前記パルス電磁波の振幅強度を取得して、前記検出領域及び前記参照領域のそれぞれにおける前記パルス電磁波の時系列波形を生成する時系列波形生成工程と、
 前記時系列波形生成工程で生成された前記検出領域及び前記参照領域のそれぞれにおける前記パルス電磁波の時系列波形から各々の波形ピーク位置における振幅強度を取得する振幅強度取得工程と、
 前記検出領域の波形ピーク位置と前記参照領域の波形ピーク位置における各振幅強度の差分を行う差分工程と、を有するパルス電磁波を用いた計測方法である。
 請求項6においては、
 半導体と当該半導体上に作製される絶縁体とを有する物質検出プレートと、
 前記物質検出プレートにパルスレーザー光を前記半導体側から照射することで、照射位置における被検出物質の量に依存する振幅強度を持ったパルス電磁波を発生させる手段と、
 前記パルス電磁波の振幅強度を検出する検出手段と、を用いて、
 前記振幅強度より、前記被検出物質を含む溶液の状態の変化を計測するパルス電磁波を用いた計測方法であって、
 前記パルスレーザー光をプローブ光とポンプ光とに2分割する分割工程と、
 前記ポンプ光を2分割し、分割された一方の前記ポンプ光を前記被検出物質を含む溶液が導入可能である検出領域部に対応する前記半導体に照射するとともに、分割された他方の前記ポンプ光を参照溶液が導入可能である参照領域部に対応する前記半導体に照射し、前記検出領域部及び前記参照領域部に対応する前記半導体から発生する各々のパルス電磁波を集光して、ひとつの前記検出手段に入射する入射工程と、
 前記検出手段にて検出される前記各々のパルス電磁波の振幅強度の検出タイミングが一致するように前記両方のポンプ光のうち一方のポンプ光のパルスタイミングを予め調整するパルスタイミング調整工程と、
 前記プローブ光を、前記ポンプ光により発生した前記各々のパルス電磁波の入射と同期させて前記検出手段に照射する工程と、
 当該プローブ光の照射時に前記検出手段に入射した前記ポンプ光による前記各々のパルス電磁波の振幅強度を検出する工程と、を有するパルス電磁波を用いた計測方法である。
 本発明によれば、計測装置の検出感度や検出精度を向上することができる。
本発明に係るパルス電磁波を用いた計測装置の概略図である。 本発明に係る物質検出プレートのエネルギーバンド分布の模式図である。 本発明に係る物質検出プレートの概略図である。 流路形成部及び流路を示す斜視図である。 同じく断面図である。 溶液濃度分布計測装置の測定エリアを示す模式図であり、(a)は図5のX矢視図、(b)は(a)のY-Y断面矢視図である。 検出領域部と参照領域部を有する物質検出プレートを示す図である。 パルス電磁波を用いた計測方法のフローを示す図である。 時系列波形の生成方法の説明図である。 検出領域部及び参照領域部から発生したパルス電磁波の各振幅強度波形を示す図である。 差分工程におけるノイズキャンセルを説明するための説明図であり、(a)は差分前を示すグラフ、(b)は差分後を示すグラフである。 レーザー光の分離方法の例を示す模式図であり、(a)は平板内での内部反射により分離する方法を示す模式図、(b)はハーフミラーと鏡により分離する方法を示す模式図、(c)はガルバノミラーによるレーザースキャンを示す模式図である。 本発明の第2実施例に係るパルス電磁波を用いた計測装置の概略図である。 検出領域部と参照領域部を有する物質検出プレートを示す図である。 本発明に係るパルス電磁波を用いた計測装置(パルスタイミング調整手段と時間遅延手段を併用した場合)の概略図である。 実施例2に係るパルス電磁波を用いた計測方法のフローを示す図である。 実施例2に係るパルス電磁波を用いた計測方法を説明する説明図である。
 1、50  計測装置
 2  パルスレーザー光源
 4  検出・変換装置
 5  物質検出プレート
 9  パルスレーザー光
 10 パルス電磁波
 12 流路(検出領域部)
 13 参照領域部
 14 第2ビームスプリッタ
 15 時間遅延手段
 17 第1ビームスプリッタ
 18、40 集光手段
 22 絶縁体
 23 半導体
 以下、本発明の最良の実施形態を図面を参照して説明する。なお、各図において共通する部分には、同一の符号を付し、重複した説明を省略する。
 図1に、本発明のパルス電磁波を用いた計測装置の第1実施例を示す。
 溶液濃度分布計測装置1(以下、計測装置1という)は、パルス電磁波10を用いた計測装置であり、半導体23と当該半導体23上に作製される絶縁体22と当該絶縁体22上に作製される物質感応膜21とを有する物質検出プレート5(センシングプレート)と、前記絶縁体22(物質感応膜21)上に配置され、被検出物質を含む溶液が導入可能な検出領域部である被検出物質を含む溶液を流すための流路12と、前記絶縁体22(物質感応膜21)上の前記流路12近傍に配置され、参照溶液が導入可能である参照領域部13(図7参照)と、溶液の電位を安定させる手段(後述する参照電極26)と、前記物質検出プレート5にパルスレーザー光9を前記絶縁体22の反対側である前記半導体23側から前記流路12に対応する位置に照射することで、照射位置における被検出物質の量に依存する振幅強度を持ったパルス電磁波10を発生させる手段(パルスレーザー光源2)と、前記パルスレーザー光源2から照射されたパルスレーザー光9をプローブ光L1とポンプ光L2とに2分割する第2ビームスプリッタ14と、前記パルスレーザー光9を2次元的に走査して照射する手段(走査台7、パルスレーザー光源2)と、前記パルス電磁波10の振幅強度を計測する手段(検出・変換装置4)と、前記プローブ光L1の光路に配置され、前記検出・変換装置4にて前記振幅強度が検出される時間を周期的に遅延可能である時間遅延手段15と、前記振幅強度より、被検出物質を定性的もしくは定量的に計測して前記流路12内の溶液中の物質の反応分布もしくは濃度分布を得る手段(制御・解析装置8)等を備える。また、本実施例においては、後述する物質感応膜21が、前記流路形成部6内の流路12の内壁面の一部(本実施例では、流路12内壁面の底部)を構成している。以下、本発明に係る原理、及び、装置構成の詳細について説明する。
 なお、前記制御・解析装置8は、特に溶液中の物質の反応分布もしくは濃度分布を得る手段に限定するものではなく、前記被検出物質を含む溶液の特性及びその変化、並びに、溶液の状態の変化を計測する手段である。
 また、本実施例においては前記流路12の内壁面において、物質検出プレート5側に位置する部分を便宜上底部とする。
 はじめにレーザーパルス照射による電磁波の発生原理を説明する。半導体中の電場Eが存在する場所に、バンドギャップよりも大きなエネルギーをもつレーザー光を照射すると、光励起による電子・正孔対が生成し、その電子・正孔対が電場Eによって加速されるために電流が発生する。レーザー光が連続光の場合は、定常的な電流が流れるが、レーザー光がパルス光の場合には、励起された電子・正孔対はある一定の時間で緩和し、電流も流れなくなるため、光パルスの幅と緩和時間に依存して、パルス状の電流が流れる。古典電磁気学のMaxwellの方程式から導出される下記(1)式によれば、半導体に流れる電流に時間変化が発生した場合、該半導体より電磁波が放射される。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000001
 上記(1)式において、Eemissionは、電磁波の電界ベクトル、Jは、光電流密度ベクトル、nは、光励起された電子・正孔対の密度、eは、素電荷量、vは、光が照射された位置における半導体中の電場Elocalによって加速された電子・正孔対のドリフト速度、μは、電荷の移動度である。
 (1)式からわかるように、発生する電磁波の振幅強度は、光が照射された位置における半導体中の電場Elocalに比例する。
 次に、溶液中の被検出物質が半導体23上に作製される物質検出プレート5の表面に存在した場合に、パルスレーザー光9の照射によって前記半導体23から発生する前記パルス電磁波10の振幅強度が変化する理由を説明する。
 まず、特定の被検出物質に感応する物質感応膜に、被検出物質を含む溶液が接すると、溶液の水素イオン濃度が変化する。すなわち、物質感応膜に接する溶液のpHが変化する。
 例えば、ウレアーゼ(酵素)を含む物質感応膜では、触媒作用により、尿素が加水分解され、アンモニアが発生し、pHが上昇することが知られている。
 図2は、物質検出プレートのエネルギーバンド分布の模式図であり、横軸は、位置を示しており、縦軸はエネルギーを示している。また、図中のECは伝導帯であり、EVは価電子帯である。絶縁体22と半導体23の境界には、空乏層が形成される。空乏層とは、キャリアが存在しない領域であり、該空乏層には局所電界Eが形成されている。したがって、外部から電圧を印加しなくても、空乏層には定常的に電界が存在していることになる。この空乏層に光を照射し、電子・正孔対を生成すると、(1)式にしたがって、電磁波が発生する。
 ここで、局所電界Eの向き及び大きさは、絶縁体22と半導体23の境界の状態や、半導体23の特性によって変わることがある。しかしながら、電磁波発生の原理において特に重要な点は、局所電界Eが形成されていることである。
 そして、図2に示すごとく、溶液中の水素イオン濃度(溶液のpH)が変化すると、物質感応膜21に吸着する水素イオンと水酸基イオンの密度が変化し、物質感応膜21の表面の電荷が変化することで、絶縁体22と半導体23の境界に形成される空乏層の局所電界Eも変化し、局所電荷Eに比例する前記パルス電磁波の振幅強度も変化することになる。
 以上のように、半導体23にパルスレーザー光9を照射することにより発生する電磁波の振幅強度を直接計測することで、被検出物質ごとに信号を読み出す電極を作製することなく被検出物質を検出することができる。
 以上の原理を用い、図1に示す第1実施例に係る計測装置1の装置構成によって、被検出物質の検出が行われる。
 図1は、本実施例の溶液濃度分布計測装置の概略図である。この図に示すように、本実施例の計測装置1は、照射装置(光学系)、検出・変換装置4、及び制御・解析装置8を備える。
 図1において照射装置(光学系)は、パルスレーザー光源2、第2ビームスプリッタ14、時間遅延手段15、光チョッパー16、ポンプ光分割集光手段(第1ビームスプリッタ17(図7参照)、集光手段18)及び、走査台7から主に構成される。照射装置(光学系)は、物質検出プレート5の所定の位置に配置された検出領域部である流路12及び参照領域部13に所定の波長を有するパルスレーザー光9(ポンプ光L2)を照射する機能を有する。
 なお、パルスレーザー光9の方向を変更するために使用した鏡等の構成は、本実施形態に限定するものではなく、各構成部品の配置を考慮して、例えば更に鏡の数を増やす等適宜構成を変更してもかまわない。
 さらに、照射装置は、パルスレーザー光9を照射して2次元的に走査する手段を有する。つまり、走査する手段は、前記走査台7において、図示しない駆動装置を用いて前記物質検出プレート5及び流路形成部6を走査台7(XY自動ステージ)上で往復移動させつつ、パルスレーザー光9を前記物質検出プレート5に向けて照射する機能を有している。
 また、このパルスレーザー光9の分割光であるポンプ光L2は、図4に示すごとく、流路12の底部を構成する物質感応膜21の位置に対応する半導体23に対して照射されるもの(流路形成部6の一側面部に位置する流路12に対して照射されるもの)であり、前記走査台7にて物質検出プレート5、及び、該物質検出プレート5上に密着して積層された流路形成部6の全体を動かすことによって、ポンプ光L2が照射される位置に、流路12の底部の物質感応膜21に対応する半導体23を移動して、半導体23のレーザー光照射面が走査されるようにし、ポンプ光L2を照射すると半導体23のレーザー光照射位置から、連続的に、パルス電磁波10を発生させることとしている。
 なお、走査する構成はこの第1実施例の構成に限定されず、図示しない揺動または回転するミラー等により、パルスレーザー光9を物質検出プレート5の上で2次元的に走査したり、パルスレーザー光源2を揺動したりして照射してもよい。
 また、図1に示すごとく、本実施例では、パルスレーザー光9とパルス電磁波10の経路によってなす面を略水平面、即ち、図1は上面視の構成であり、この構成を側面から見た場合に、前記パルスレーザー光9とパルス電磁波10が略水平面をなすような配置構成としているが、各装置の形状及び固定方法によって適宜設定することが望ましく、前記略水平面を構成する必要はない。また、本実施例では、流路形成部6が有する流路12の一側(本実施例では流路12の底部側)に対応する半導体23にパルスレーザー光9を分割したポンプ光L2を照射する構成としている。
 前記パルスレーザー光9の分割光であるポンプ光L2の物質検出プレート5への入射角は、パルスレーザー光9の有する波長が、物質検出プレート5の半導体23へ最も吸収される角度とすることが好ましい。ただし、各装置の形状及び固定方法によっては、この角度に限定する必要はなく、特に限定されるものではない。
 前記パルスレーザー光源2は、パルスレーザー光9を発生可能なモード同期チタンサファイアレーザー、又はフェムト秒ファイバーレーザであるのがよい。
 また、このパルスレーザー光9の波長は、300ナノメートル(300nm=0.3μm)以上、2ミクロン(2μm)以下の範囲に含まれるものであり、時間平均のエネルギーが0.1mW以上、10W以下であり、パルス幅が1フェムト秒(1fs=0.001ps)以上、10ピコ秒(10ps)以下であるのがよい。
 すなわち、電磁波の励起に際しては、光源として時間の幅の小さなパルスレーザー光9を用いることにより、半導体23及び溶液に大きな影響を及ぼさない状態で、電磁波の励起ができる。また、特にパルスレーザー光9としてフェムト秒レーザー光を使用することで、高い時間分解能による時間分解計測が可能となり、物質の反応をリアルタイムで観測可能となる。なお、半導体23及び溶液に熱的影響を及ぼさない最大光パルス幅は、約10ピコ秒と見積ることができる。また、フェムト秒レーザーを使用することで、微小量の溶液であっても、レーザーによる加熱の影響を最小限に抑えることができ、試料の熱破壊を抑制できるという効果がある。
 第2ビームスプリッタ14は、入射するパルスレーザー光9をプローブ光L1とポンプ光L2とに分割する手段であり、本実施例においては、直進するプローブ光L1に対してポンプ光L2を垂直方向に分割可能であるハーフミラーを用いている。
 時間遅延手段15は、前記プローブ光L1の光路に配置され、前記検出・変換装置4にて前記振幅強度が検出される時間を周期的に遅延可能である手段である。時間遅延手段15は、図示しない駆動手段により周期的に所定方向に移動可能である可動鏡15aと、当該可動鏡15aを保持するステージ15bとを備える。時間遅延手段15は、当該時間遅延手段15に入射されるプローブ光L1を、当該プローブ光L1の入射方向に対して、平行かつ反対方向に反射することができる。こうして、時間遅延手段15は、駆動手段により可動鏡15aをプローブ光L1の入射方向に対して平行かつ周期的に往復移動することによりプローブ光L1の光路長を調節し、光学的に時間遅延することが可能である。また、駆動手段は、制御・解析装置8により制御される。
 すなわち、時間遅延手段15は、前記プローブ光L1の光路長を調整するための可動鏡15aを周期的に移動させることで所定時間間隔の時間遅延量を付与したプローブ光L1を前記検出・変換装置4(検出・変換装置4が有する後述する検出素子19)に入射することができる。
 光チョッパー16は、ポンプ光L2の光路に配置され、当該ポンプ光L2を所定の周波数にてチョッピングすることが可能である。
 ポンプ光分割集光手段は、図7に示すように、入射したポンプ光L2を2つの平行なポンプ光L2に分割する第1ビームスプリッタ17と、当該2つの平行なポンプ光L2により発生する2つのパルス電磁波10a、10bを集光する集光手段18である軸外し放物面鏡とから構成される。このポンプ光分割集光手段は、前記パルスレーザー光9であるポンプ光L2を、前記第1ビームスプリッタ17(第1実施例においては、ビームスプリッタ用平板)により2分割して2つの平行光とし、分割された一方のポンプ光L2を検出領域部である流路12に対応する前記半導体23に照射するとともに、分割された他方のポンプ光L2を参照領域部13に対応する前記半導体23に照射することができる。
 なお、前記第1ビームスプリッタ17の例としては、図12に示すレーザー光の分離方法のように、(a)第1実施例の如く、ビームスプリッタ用平板である第1ビームスプリッタ17を用いて平板内での内部反射により分離する方法、(b)後述する第2実施例の如く、ハーフミラー36と鏡37により分離する方法、(c)ガルバノミラー38によるレーザースキャン等が挙げられる。
 図1において検出・変換装置4は、検出手段である検出素子19と、変換手段と、から構成される。検出・変換装置4は、半導体23におけるパルスレーザー光9(ポンプ光L2)の照射位置から放射され、集光手段18である軸外し放物面鏡により集光されたパルス電磁波10a、10bを検出して、パルス電磁波10の電場振幅の時間波形に対応した時間的に変化する電圧信号に変換するものである。
 検出素子19は、例えば光伝導アンテナ等であり、物質検出プレート5におけるポンプ光L2照射位置からのパルス電磁波10a、10bが入射可能に配置され、当該パルス電磁波10の入射と同期させて、プローブ光L1を検出素子19の所定位置に照射すると、当該照射時に入射したパルス電磁波10a、10bの電界強度(振幅強度)に比例した電流が発生する。
 変換手段は、検出素子19に接続される電流アンプ27と、当該電流アンプ27に接続されるロックインアンプ28とを備える。また、ロックインアンプ28は光チョッパー16と接続されている。この変換手段では、上記検出素子19にて発生した電流を測定することにより、プローブ光L1が検出素子19に照射した時に入射したパルス電磁波10a、10bの振幅強度を検出することが可能である。また、前記パルス電磁波10a、10bに含まれる周波数の成分は、10ギガヘルツから100テラヘルツまでの範囲に含まれることとし、これにより、一般的な構成の検出・変換装置4の利用が可能となる。また、本発明に係る溶液濃度分布計測装置を構成する上で、利用するパルス電磁波10としては、ギガヘルツ領域よりもテラヘルツ領域が好ましい。テラヘルツ領域を利用する場合は、ギガヘルツ領域を利用する場合とは異なり、ミラーやレンズ等を使用した光学的な手法により、電磁波を検出器に容易に導くことが可能となる。一方、テラヘルツ領域よりも高周波領域は、いわゆる光になるが、光を利用する場合は、周囲の光と信号の光を区別する手段を備える必要があり、装置が複雑になるため光のようなテラヘルツ領域よりも高周波の電磁波よりもテラヘルツ領域の電磁波を利用することが好ましい。
 制御・解析装置8は、前記検出・変換装置4の変換手段にて変換した電圧信号から、被検出物質の有無の検出(定性的な測定)、被検出物質の定量的な測定、被検出物質の反応分布及び濃度分布、並びに、パルス電磁波10の振幅強度(電圧値)の時系列波形を用いた所定の解析といった解析処理や所定の演算を行う装置である。また、本実施例では、制御・解析装置8は、本明細書中に説明する制御や解析の実行を可能とするコンピュータであり、図示せぬ制御信号線を介して、照射装置(光学系)、走査台7、検出・変換装置4、及び、パルスレーザー光源2の制御も併せて行うものである。
 図3は、前記物質検出プレート5の概要図である。物質検出プレート5は、検出領域部である流路12及び参照領域部13の底部を形成する物質感応膜21と絶縁体22と半導体23と透明基板24とを具備する。すなわち、物質検出プレート5は、絶縁体22と、該絶縁体22の一端面(図3においては左端面)に当接するように形成され、所定の厚さを有する半導体23と、該半導体23の一端面(図3においては左端面)に当接するように形成される透明基板24、前記絶縁体22の他端面(図3においては右端面)に当接するように形成される物質感応膜21と、を有する。また、物質検出プレート5及び流路形成部6で測定プレート20を構成している。
 なお、物質感応膜21は、溶液のpHのみを計測する場合は、必要としない。
 また、前記物質感応膜21として、酵素を固定化した膜を備えることにより、この酵素と反応する被検出物質が溶液中に存在する場合には、酵素と被検出物質の反応によりpHが変化し、当該物質感応膜21の存在する位置から発生するパルス電磁波10の振幅強度が変化する。この振幅強度の変化を捉えることによって、被検出物質を検出できることになる。このように、物質感応膜21を酵素にて構成することにより、物質検出プレート5にて酵素反応による分布の検出を行うことが可能となる。具体的には、物質感応膜21は光架橋剤に酵素を添加して、流路12の底部に塗布することにより構成する。または、酵素を含有したシートを流路12の底部に貼り付ける。
 また、前記物質感応膜21として、抗原を固定化した膜を備えることにより、この抗原と反応する被検出物質(抗体)が溶液中に存在する場合には、抗原と被検出物質(抗体)の反応により物質感応膜21表面の電荷が変化し、当該物質感応膜21の存在する位置から発生するパルス電磁波10の振幅強度が変化する。この変化した振幅強度の(周波数に対する)値によって、被検出物質(抗体)を検出できることになる。このように、物質感応膜21を抗原にて構成することにより、これに対応する抗体の検出を行うことが可能となり、計測装置1を、いわゆる生物センサとして利用可能となる。
 また、流路12の底部にある物質感応膜21の大きさ(前記半導体23に対する投影面積)は、前記パルスレーザー光9の照射範囲に対応して設計される。即ち、パルスレーザー光9の照射範囲よりも広くなるように、物質感応膜21の大きさが設計される(本実施形態においては、物質感応膜21の大きさは15mm×15mm程度。図6で示す物質感応膜21の大きさが測定エリアとなる)。また、本実施形態の物質感応膜21上に設ける流路12の大きさとしては、流路幅3mm程度、流路高さ2mm程度であり、流路長は18mm程度(物質感応膜21上の流路長)である。具体的には、前記流路12の内壁面を構成する物質感応膜21の面積が、前記流路12の内壁面の表面積の4分の1以上であることが好ましく、表面積の4分の1未満となる場合、反応分布を検出する面積が不足してしまう場合があるからである。また、前記流路12の流路幅が流路長の5分の1以下であることが好ましく、流路長の5分の1より大きい場合、熱容量が大きくなり、急激な加熱・冷却が困難になり、マイクロ流路を用いて反応を行う有用性がなくなるからである。
 また、図3に示すごとく、前記半導体23には絶縁体22の膜が形成され、該絶縁体22上に、かつ、流路12及び参照領域部13の底部にあたる部分に前記物質感応膜21が配置される。本実施形態では、絶縁体22としては酸化シリコン,窒化シリコン等が用いられる。前記絶縁体22の厚さを約270ナノメートル、半導体23の厚さを約150ナノメートルとしたが、半導体23の厚さは、パルス電磁波10の大きな振幅強度を得るために、パルスレーザー光9の波長と半導体23の種類によって決定される光侵入長と同等の大きさとするのが望ましい。尚、光侵入長は、半導体23についての光吸収係数の逆数である。例えば、パルスレーザー光9の波長が790ナノメートルであり、半導体23の種類が高抵抗のシリコンである場合、半導体23の厚さは約2ミクロン程度とすることで、効率よくパルス電磁波10を発生させることができる。
 また、図3に示すごとく、前記透明基板24は、半導体23と絶縁体22と物質感応膜21を作製するときに必要である。さらに、透明基板24は、物質検出プレート5の機械強度を保つためにも必要である。本実施形態では、透明基板24としてサファイアが用いられている。また、図3及び図4に示すように、前記透明基板24上に半導体23が配置され、その半導体23上に前記絶縁体22が配置され、その絶縁体22上に前記物質感応膜21が配置される。
 また、図4に示すごとく、前記パルスレーザー光9は、前記物質検出プレート5の前記物質感応膜21が作製される面の反対側から照射されるものである。換言すれば、パルスレーザー光9(ポンプ光L2)は、流路12に対応する前記半導体23、すなわち、図4中における流路12直下の半導体23表面(図4では半導体23下面)に照射されるものである。このために、物質検出プレート5に設けられる半導体として、前記パルスレーザー光9を透過する絶縁体基板(透明基板24)上に、半導体膜(半導体23)を作製したものが使用される。
 また、図3に示すごとく、リード線25が半導体23と電気的に接触されており、必要に応じて半導体23に電圧を印加することができるようになっている。これにより、半導体23内の空乏層の幅を制御することができる。
 また、前記絶縁体22の上に窒化シリコンなどの保護膜を作製することによれば、溶液中のイオンが絶縁体22の中へ浸透し、検出信号が不安定になることを防ぐことができる。
 参照領域部13は、図7に示すように、前記絶縁体22上に設けられた物質感応膜21上の前記検出領域部となる流路12近傍に配置され、参照溶液が導入可能である。
 また、図4及び図5に示すごとく、前記物質検出プレート5には、前記物質感応膜21上に、プレート状の流路形成部6が一体的に積層される。この流路形成部6には、内部に側面視クランク状の検出領域部となる流路12及び参照領域部13を有しており、該流路12及び参照領域部13は断面視四角状である(図7参照)。流路12の内壁面の一部である底部は物質感応膜21の表面により形成されている。また、物質感応膜21と流路形成部6との界面Sは、流路12及び参照領域部13の底部を形成している物質感応膜21部分を除き、密着してシールされており、また、流路形成部6と絶縁体22との界面も同様にシールされており、流路12及び参照領域部13内から界面Sに溶液が侵入しないように処理されている。すなわち、溶液が流路12(参照溶液が参照領域部13)を流れる、もしくは流路12(参照領域部13)内に貯留される場合に、溶液は、流路12の底部(参照溶液は、参照領域部13の底部)である物質感応膜21の表面に接触するように構成している。
 なお、流路12の形状としては特にクランク状に限定するものではなく、溶液反応の種類等により適宜変更してもかまわない。例えば、流路形状としては直線状、蛇行状、Y字状等などがあげられる。
 また、流路12の近傍に加熱もしくは冷却手段を設けて流路形成部6を構成することも可能である。
 また、図4に示すごとく、被検出物質を含む溶液は、溶液流入口32より注入され、検査後に不要となった溶液は、溶液排出口33より排出される。
 また、溶液の電位を安定させる手段である参照電極26は、図6に示すように、溶液流入口32に接続される溶液供給管の中途部の所定位置に介装される。この参照電極26は、塩化カリウム飽和溶液の封入されたガラス管に銀・塩化銀電極が入っている構造であり、飽和塩化カリウム溶液に浸された銀・塩化銀電極である。そして、参照電極26と前述したリード線25の間には電圧源が設置されており、電圧を印加することが可能であり、前記被検出物質を含む溶液の電位を安定させる手段として機能するものである。
 なお、上記参照電極26は、計測装置1の構成上予備的に設けたものであり、参照領域部13を適用する場合は不要であり、計測装置1においては参照電極26及びリード線25を設けない構成とすることも可能である。
 そして、制御・解析装置8は、前記パルスレーザー光源2により、前記物質検出プレート5の半導体23における、前記絶縁体22とは反対側であって、かつ、前記物質感応膜21に対応する位置に、パルスレーザー光9を照射させる。このパルスレーザー光9の照射によって生じるパルス電磁波10が検出・変換装置4によって検出され、制御・解析装置8では、その検出結果を取り込んで、パルス電磁波10の振幅強度から、物質感応膜21での反応の有無や、反応の度合いが検出される。
 そして、制御・解析装置8は、物質感応膜21についてのパルス電磁波10の検出を継続しつつ、前記走査台7を制御して、測定プレート20を移動させ、流路12内の物質感応膜21に対応する半導体23にパルスレーザー光9の照射を行う。このように、溶液濃度分布計測装置1においては、前記パルスレーザー光9を2次元的に走査して照射する手段(走査台7、パルスレーザー光源2)を備え、前記パルスレーザー光9を2次元的に走査して照射する手段(走査台7、パルスレーザー光源2)によって、前記パルスレーザー光9を連続的に前記物質感応膜21(半導体23)に対して照射し、前記照射によって発生されるパルス電磁波10の振幅強度を、連続して、計測することが可能である。
 なお、本実施例における計測装置1は、前記パルスレーザー光9を2次元的に走査して照射する手段(走査台7、パルスレーザー光源2)を備えているが、計測を行う際に必ず走査を行う必要はなく、計測環境に応じて走査の要不要を判断し適宜使用すればよい。
 そして、制御・解析装置8は、前記パルス電磁波10の振幅強度より、被検出物質を定性的もしくは定量的に計測して前記流路12内の溶液中の物質の反応分布もしくは濃度分布を得る手段として機能するものであり、各物質感応膜21での反応の有無(電磁波振幅強度の変化の有無)や、反応の度合い(電磁波振幅強度の変化の量)を検出し、これらに基づいて溶液中の反応分布もしくは濃度分布を検出して被検出物質の解析を行うものである。
 次に、以上のように構成された計測装置1に適用するパルス電磁波を用いた計測方法を説明する。
 本実施形態に係るパルス電磁波を用いた計測方法は、図8に示すフローに従って進行するものであり、分割工程S10と、入射工程S20と、プローブ光照射工程S30と、時系列波形生成工程S40と、振幅強度取得工程S50と、差分工程S60と、を有する。
 先ず、図1に示すごとく、物質検出プレート5を、走査台7上の規定の位置に設置し、前記制御・解析装置8の制御によって、パルスレーザー光9の照射位置と、流路12及び参照領域部13の底部である前記物質感応膜21の所定位置(スタート位置)が一致するように、走査台7上において、物質検出プレート5(測定プレート20)を移動する。そうして、パルスレーザー光源2からパルスレーザー光9が照射される。
 分割工程S10は、前記パルスレーザー光9をプローブ光L1とポンプ光L2とに2分割する工程である。
 すなわち、分割工程S10では、図1において、パルスレーザー光源2から出力されたパルスレーザー光9を、第2ビームスプリッタ14(本実施形態においては、ハーフミラー)によって二つのパルスレーザー光9であるプローブ光L1とポンプ光L2に分割する。
 入射工程S20は、前記ポンプ光L2を2分割し、分割された一方の前記ポンプ光L2を前記被検出物質を含む溶液が導入可能である検出領域部である流路12に対応する前記半導体23に照射するとともに、分割された他方の前記ポンプ光L2を参照溶液が導入可能である参照領域部13に対応する前記半導体23に照射し、前記流路12及び前記参照領域部13に対応する前記半導体23から発生する各々のパルス電磁波10a、10bを集光して、ひとつの前記検出手段である検出素子19に入射する工程である。
 すなわち、入射工程S20では、ビームスプリッタ14により分けられたパルスレーザー光9の一方であるポンプ光L2を鏡29、光チョッパー16及び鏡30を通過させて、当該光チョッパー16を通過したポンプ光L2は、図7に示すように、前記第1ビームスプリッタ17により2分割され、分割された一方の前記ポンプ光L2は前記検出領域部である流路12に対応する前記半導体23に照射されるとともに、分割された他方のポンプ光L2は前記参照領域部13に対応する前記半導体23に照射される。そうして、双方のポンプ光L2の照射位置である前記流路12及び前記参照領域部13に対応する前記半導体23から発生する各々のパルス電磁波10a、10bを集光手段18である軸外し放物面鏡により、検出素子19の一端へ集光し、検出素子19によりポンプ光L2の照射により発生したパルス電磁波10a、10bの振幅強度が検出される。
 プローブ光照射工程S30は、前記プローブ光L1を、前記時間遅延手段15を通過させ、前記ポンプ光L2により発生した前記各々のパルス電磁波10a、10bの入射と同期させて前記検出素子19に照射する工程である。
 すなわち、プローブ光照射工程S30では、ビームスプリッタ14により分割された一方のパルスレーザー光9であるプローブ光L1が時間遅延手段15、鏡31、鏡34、及びレンズ35を介して検出素子19の他端に照射される。この際、プローブ光L1は前記流路12及び前記参照領域部13に対応する前記半導体23から発生する各々のパルス電磁波10a、10bが前記検出素子19に入射するのに同期して照射される。
 時系列波形生成工程S40は、前記プローブ光L1と同期した前記流路12及び前記参照領域部13にそれぞれ対応する遅延時間の異なる複数の前記パルス電磁波10の振幅強度を取得して、前記流路12及び前記参照領域部13のそれぞれに対応する前記パルス電磁波10の時系列波形を生成する工程である。
 すなわち、時系列波形生成工程S40では、第2ビームスプリッタ14により分けられたプローブ光L1が検出素子19に至る光路の途中にて時間遅延手段15を通過した際に、当該時間遅延手段15内においては、所定方向(本実施例ではプローブ光L1と平行方向)に可動自在に配置された可動鏡15aによりプローブ光L1が入射及び反射される。また、制御・解析装置8が当該可動鏡15aを所定方向に所定の周波数にて周期的に往復可動させることでプローブ光L1が検出素子19に到達する時間を光学的に時間遅延する。こうして、制御・解析装置8は、時間遅延手段15によりプローブ光L1が検出素子19へ到達する時間を周期的に変化させながら、検出素子19にプローブ光L1が入射する時間を遅延することで、プローブ光L1入射時のパルス電磁波10の振幅強度を所定の時系列で取得することが可能となる(図9(a)参照)。
 具体的には、制御・解析装置8では、検出されるパルス電磁波10の振幅強度に基づいて振幅強度の時系列波形の生成が行われるが、その工程としては、まず、検出素子19に物質検出プレート5におけるポンプ光L2照射位置から発生したパルス電磁波10a、10bが検出素子19に集光され、当該パルス電磁波10a、10bの入射と同期させて、プローブ光L1を検出素子19の所定位置に照射すると、当該照射時に入射したパルス電磁波10の電界強度(振幅強度)に比例した電流が発生する。当該電流は、電流アンプ27により電圧に変換後、ロックインアンプ28にて、光チョッパー16のチョッピングと同期してロックイン検出が行われる。そして、当該ロックイン検出の値はコンピュータ8に入力される。つまり、プローブ光L1が検出素子19に照射した時に入射したパルス電磁波10a、10bの各振幅強度を検出することが可能である。
 前記検出素子19に入射するパルス電磁波10(例えば、テラヘルツ波)の波形が図9(b)に示すようなものであった場合、プローブ光L1が検出素子19へ到達するまでの時間である時間遅延Δτを、時間遅延手段15の可動鏡15aを周期的に移動させて変更し、遅延時間の異なる複数のプローブ光L1を検出素子19に入射させる。すなわち、図9(a)に示すように、プローブ光L1の入射する時間を遅延させ、各時間遅延(Δτ=t1、t2、t3、t4、t5、t6)におけるパルス電磁波10a、10bの各振幅強度を取得する。その結果、図図9(b)の○印で示すような離散信号列が得られる。図9(b)の横軸は、時間遅延Δτを示す。この遅延時間の異なる複数のプローブ光L1に応じてパルス電磁波10を検出することで、図10に示すようにパルス電磁波10a、10bの各時系列波形を取得することができる。図10に示す各波形においては、左側が検出領域部(流路12)に帰属する波形w1であり、右側が参照領域部13に帰属する波形w2である。
 振幅強度取得工程S50は、前記時系列波形生成工程S40で生成された前記流路12及び前記参照領域部13のそれぞれに対応する時系列波形から各々の波形ピーク位置における振幅強度を取得する工程である。
 すなわち、振幅強度取得工程S50では、取得した前記流路12及び前記参照領域部13のそれぞれに対応する時系列波形w1、w2(図10参照)からコンピュータ8により所定の演算処理が行われて前記流路12及び前記参照領域部13のそれぞれにおける振幅強度のピーク位置が求められる。
 差分工程S60は、前記流路12の波形ピーク位置(図10の左側に位置する検出領域部(流路12)に帰属する波形w1のピーク位置)と前記参照領域部13の波形ピーク位置(図10の右側に位置する参照領域部13に帰属する波形w2のピーク位置)における各振幅強度の差分を行う工程である。
 すなわち、差分工程S60では、流路12に導入された被検出物質を含む溶液に対応した振幅強度と、参照領域部13に導入された参照溶液に対応した振幅強度とを差分する。
こうして、前記被検出物質を含む溶液の特性(溶液の状態の変化)を計測する。以下に、具体的な被検出物質の計測例を示す。
 次に、上述した計測装置1に上記パルス電磁波を用いた計測方法を適用した場合と適用しない場合とによる検出結果の違いを示す。
 図11に示すアンモニア濃度変化は、尿素溶液を流路12に貯留し、ウレアーゼ(酵素)を含む物質感応膜21の触媒作用により、尿素が加水分解され、アンモニアが発生し、溶液中の尿素濃度が減少する変化を示したものである。
 図11における(a)は計測装置1において本実施形態に係るパルス電磁波10を用いた計測方法を適用しない場合の尿素濃度変化、(b)は計測装置1においてに本実施形態に係るパルス電磁波10を用いた計測方法を適用した場合の尿素濃度変化である。
 図11の(a)と(b)を比較すると、本実施形態に係るパルス電磁波10を用いた計測方法を適用しない場合(図11(a))は、溶液の揺れ等によるノイズがのっているために尿素濃度変化と振幅強度との関係にばらつきが生じている。一方、本実施形態に係るパルス電磁波10を用いた計測方法を適用した場合(図11(b))は、前記差分工程S60により溶液由来のノイズがキャンセルされるため、尿素濃度変化と振幅強度との関係がほぼ比例的に変化(濃度減少に伴って振幅強度が減少)していることがわかる。このように、本実施形態に係る計測装置1に上記パルス電磁波を用いた計測方法を適用することにより、溶液に由来するノイズをキャンセルして、飛躍的に検出感度及び検出精度を向上することができる。
 また,振幅強度の時間変化を計測することで、被検出物質と感応膜間で起こる化学反応、結合反応の反応速度および結合定数を解析することができる。たとえば,感応膜に抗体タンパク質を用い、被検出物質に抗原を用いて計測したとき、振幅強度を縦軸、時間を横軸として、グラフを作製したとき、反応開始から反応終了までにかかる時間とグラフの傾きより、結合定数を求めることができる。
 さらに、以上の一連の解析においては、測定プレート20を一度セットした後は、走査台7にて測定プレート20を移動させて、連続的にパルスレーザー光9を照射することで、流路12内の底部全域の被検出物質についての解析を実施することができ、作業性がよく、短時間で、効率良く多くの解析データを得ることが可能となる。また、被検出物質と物質感応膜21との反応を直接検出することができるので、ラベルフリーの物質検出が可能となる。
 本実施形態に係るパルス電磁波10を用いた計測装置1は、前記パルスレーザー光9を、前記第1ビームスプリッタ18により2分割し、分割された一方のパルスレーザー光であるポンプ光L2を前記検出領域部に対応する前記半導体23に照射するとともに、分割された他方のパルスレーザー光9であるプローブ光L1を前記参照領域部13に対応する前記半導体23に照射し、前記検出領域部及び前記参照領域部に対応する前記半導体23から発生する各々のパルス電磁波10a、10bを集光手段18により集光して、ひとつの前記検出素子19により検出することを特徴とするものである。発明者の当初の検討においては、物質検出プレート5に検出領域部と参照領域部とを設け、物質検出プレート5の位置を動かして検出領域部と参照領域部とのそれぞれに対して交互にレーザー光を照射し発生するパルス電磁波10a、10bの検出を行うという構成を検討した。しかしながら、このような構成にした場合は、レーザー、電磁波の光学系を動かす必要がないが、被検出物質を含む溶液が撹拌されてしまうため、溶液の動的な測定ができず正確な反応の時間変化を検出できない。そのため、発明者は、物質検出プレート5の位置を動かさずに、検出領域用のパルスレーザーと参照領域用のパルスレーザーの2台を準備する構成も検討したが、このような構成では、レーザー、電磁波の光学系を独立に2系統準備する必要があり、コスト、装置のサイズ、制御性等の性能低下が懸念される。そこで、本発明の如く、ひとつのパルスレーザー光9を分割して検出領域部と参照領域部とに同時に照射し、照射位置からそれぞれ発生するパルス電磁波10a、10bを放物面鏡によりひとつの検出手段に集光することを見出した。また、検出領域部と参照領域部とをひとつの検出手段により検出する際に、位置の違いを検出時間(遅延時間)の違いとして捉え、パルス電磁波10a、10bに帰属する波形を分離計測する(図10参照)ことで、本発明に係る装置構成による計測が可能になったのである。こうして、本実施形態におけるパルス電磁波を用いた計測装置及び計測方法によれば、計測装置の検出感度や検出精度を向上することができる。
 なお、本発明は、上記実施例に限定されるものではなく、本発明の趣旨に基づいて種々の変形が可能であり、これらを本発明の範囲から排除するものではない。
 図13に、本発明のパルス電磁波を用いた計測装置の第2実施例を示す。
 なお、第2実施例に係るパルス電磁波を用いた計測装置が用いる本発明に係る原理は、上述した原理と同じであり、第2実施例に係るパルス電磁波を用いた計測装置において、第1実施例で説明した計測装置1と共通の部材や共通の機能を有する部分については、同じ符号で示し、その詳細な説明を省略する。
 溶液濃度分布計測装置50(以下、計測装置50という)は、パルス電磁波10を用いた計測装置であり、半導体23と当該半導体23上に作製される絶縁体22と当該絶縁体22上に作製される物質感応膜21とを有する物質検出プレート5(センシングプレート)と、前記絶縁体22(物質感応膜21)上に配置され、被検出物質を含む溶液が導入可能な検出領域部である被検出物質を含む溶液を流すための流路12(図14参照)と、前記絶縁体22(物質感応膜21)上の前記流路12近傍に配置され、参照溶液が導入可能である参照領域部13(図14参照)と、溶液の電位を安定させる手段(後述する参照電極26)と、前記物質検出プレート5にパルスレーザー光9を前記絶縁体22の反対側である前記半導体23側から前記流路12に対応する位置に照射することで、照射位置における被検出物質の量に依存する振幅強度を持ったパルス電磁波10を発生させる手段(パルスレーザー光源2)と、前記パルスレーザー光源2から照射されたパルスレーザー光9をプローブ光L1とポンプ光L2とに2分割する第2ビームスプリッタ14と、前記パルスレーザー光9を2次元的に走査して照射する手段(走査台7、パルスレーザー光源2)と、前記パルス電磁波10の振幅強度を計測する手段(検出・変換装置4)と、前記第1ビームスプリッタ17と前記物質検出プレート5が有する半導体23との間における前記ポンプ光L2の光路に配置され、前記ポンプ光L2のパルスタイミングを任意に調整可能であるパルスタイミング調整手段であるパルスタイミング調整器39と、前記振幅強度より、被検出物質を定性的もしくは定量的に計測して前記流路12内の溶液中の物質の反応分布もしくは濃度分布を得る手段(制御・解析装置8)等を備える。また、本実施例においては、後述する物質感応膜21が、前記流路形成部6内の流路12の内壁面の一部(本実施例では、流路12内壁面の底部)を構成している。以下、装置構成の詳細について説明する。
 なお、前記制御・解析装置8は、特に溶液中の物質の反応分布もしくは濃度分布を得る手段に限定するものではなく、前記被検出物質を含む溶液の特性及びその変化、並びに、溶液の状態の変化を計測する手段である。また、本実施形態における溶液濃度分布計測装置(計測装置1及び計測装置50)により計測可能である「溶液の状態の変化」とは、例えば、溶液のイオン濃度の変化、試料溶液中の抗原抗体反応の進行状態変化(試料溶液としては、例えば、血液、体液、その他の抗原を含む溶液等)、溶液中における種々の化学反応状態の変化、等が挙げられるとともに、これらの時間経過毎の変化を含むものである。
 また、本実施例においては前記流路12の内壁面において、物質検出プレート5側に位置する部分を便宜上底部とする。
 前述した原理を用い、図13に示す第2実施例に係る計測装置50の装置構成によって、被検出物質の検出が行われる。
 図13は、本実施例の溶液濃度分布計測装置の概略図である。この図に示すように、本実施例の計測装置50は、照射装置(光学系)、検出・変換装置4、及び制御・解析装置8を備える。
 図13において照射装置(光学系)は、パルスレーザー光源2、第2ビームスプリッタ14、光チョッパー16、ポンプ光分割集光手段(第1ビームスプリッタ17(図14参照)、集光手段40)、パルスタイミング調整器39、及び、走査台7から主に構成される。照射装置(光学系)は、物質検出プレート5の所定の位置に配置された検出領域部である流路12及び参照領域部13に所定の波長を有するパルスレーザー光9(ポンプ光L2)を照射する機能を有する。
 なお、パルスレーザー光9の方向を変更するために使用した鏡等の構成は、本実施形態に限定するものではなく、各構成部品の配置を考慮して、例えば更に鏡の数を増やす等適宜構成を変更してもかまわない。
 なお、照射装置(光学系)は、図15に示すように、プローブ光L1の光路に時間遅延手段15を有した構成とすることも可能である。時間遅延手段15を設けた場合、時間遅延手段15は定期的な計測装置の校正時に使用することができる。第2実施例においては、時間遅延手段15を有しない計測装置50の構成を示す。
 さらに、照射装置は、パルスレーザー光9を照射して2次元的に走査する手段を有する。つまり、走査する手段は、前記走査台7において、図示しない駆動装置を用いて前記物質検出プレート5及び流路形成部6を走査台7(XY自動ステージ)上で往復移動させつつ、パルスレーザー光9を前記物質検出プレート5に向けて照射する機能を有している。
 また、このパルスレーザー光9の分割光であるポンプ光L2は、図4に示すごとく、流路12の底部を構成する物質感応膜21の位置に対応する半導体23に対して照射されるもの(流路形成部6の一側面部に位置する流路12に対して照射されるもの)であり、前記走査台7にて物質検出プレート5、及び、該物質検出プレート5上に密着して積層された流路形成部6の全体を動かすことによって、ポンプ光L2が照射される位置に、流路12の底部の物質感応膜21に対応する半導体23を移動して、半導体23のレーザー光照射面が走査されるようにし、ポンプ光L2を照射すると半導体23のレーザー光照射位置から、連続的に、パルス電磁波10を発生させることとしている。 
 なお、走査する構成はこの第2実施例の構成に限定されず、図示しない揺動または回転するミラー等により、パルスレーザー光9を物質検出プレート5の上で2次元的に走査したり、パルスレーザー光源2を揺動したりして照射してもよい。
 また、図13に示すごとく、本実施例では、パルスレーザー光9とパルス電磁波10の経路によってなす面を略水平面、即ち、図13は上面視の構成であり、この構成を側面から見た場合に、前記パルスレーザー光9とパルス電磁波10が略水平面をなすような配置構成としているが、各装置の形状及び固定方法によって適宜設定することが望ましく、前記略水平面を構成する必要はない。また、本実施例では、流路形成部6が有する流路12の一側(本実施例では流路12の底部側)に対応する半導体23にパルスレーザー光9を分割したポンプ光L2を照射する構成としている。
 前記パルスレーザー光9の分割光であるポンプ光L2の物質検出プレート5への入射角は、パルスレーザー光9の有する波長が、物質検出プレート5の半導体23へ最も吸収される角度とすることが好ましい。ただし、各装置の形状及び固定方法によっては、この角度に限定する必要はなく、特に限定されるものではない。 
 第2ビームスプリッタ14は、入射するパルスレーザー光9をプローブ光L1とポンプ光L2とに分割する手段であり、本実施例においては、直進するプローブ光L1に対してポンプ光L2を垂直方向に分割可能であるハーフミラーを用いている。 
 光チョッパー16は、ポンプ光L2の光路(本実施例においては、鏡29と第1ビームスプリッタ17との間の光路)に配置され、当該ポンプ光L2を所定の周波数にてチョッピングすることが可能である。 
 ポンプ光分割集光手段は、図14に示すように、入射したポンプ光L2を2つの平行なポンプ光L2に分割する第1ビームスプリッタ17と、当該2つの平行なポンプ光L2により発生する2つのパルス電磁波10a、10bを集光する集光手段40である軸外し放物面鏡とから構成される。本実施例に係る第1ビームスプリッタ17は、図12(b)で示した平行平板ミラー型のビームスプリッタであり、直進するポンプ光L2を分割して2つの平行なポンプ光L2にすることが可能である。このポンプ光分割集光手段は、前記パルスレーザー光9であるポンプ光L2を、前記第1ビームスプリッタ17により2分割して2つの平行光とし、分割された一方のポンプ光L2を検出領域部である流路12に対応する前記半導体23に照射するとともに、分割された他方のポンプ光L2を参照領域部13に対応する前記半導体23に照射することができる。
 また、前記第1ビームスプリッタ17により分割された2つの平行光であるポンプ光L2が前記半導体23に照射するまでの2つのポンプ光L2の光路のうち、一方のポンプ光L2の光路(図13では、2つのポンプ光L2のうち上側に示すポンプ光L2の光路)にパルスタイミング調整器39が配置されている。
 なお、パルスタイミング調整器39を配置するポンプ光L2の光路は、ビームスプリッター17により2つに分割された平行光であるポンプ光L2のうち、どちらか一方のポンプ光L2の光路上に配置すればよい。
 図13において検出・変換装置4は、検出手段である検出素子19と、後述する変換手段と、から構成される。検出・変換装置4は、半導体23におけるパルスレーザー光9(ポンプ光L2)の照射位置から放射され、集光手段40である軸外し放物面鏡により集光されたパルス電磁波10a、10bを検出して、パルス電磁波10の電場振幅の時間波形に対応した時間的に変化する電圧信号に変換するものである。 
 検出素子19は、例えば光伝導アンテナ等が適用可能であり、物質検出プレート5におけるポンプ光L2照射位置からのパルス電磁波10a、10bが入射可能に配置され、当該パルス電磁波10の入射と同期させて、プローブ光L1を検出素子19の所定位置に照射すると、当該照射時に入射したパルス電磁波10a、10bの電界強度(振幅強度)に比例した電流が発生する。
 変換手段は、検出素子19に接続される電流アンプ27と、当該電流アンプ27に接続されるロックインアンプ28とを備える。また、ロックインアンプ28は光チョッパー16と接続されている。この変換手段では、上記検出素子19にて発生した電流を測定することにより、プローブ光L1が検出素子19に照射した時に入射したパルス電磁波10a、10bの振幅強度を検出することが可能である。また、前記パルス電磁波10a、10bに含まれる周波数の成分は、10ギガヘルツから100テラヘルツまでの範囲に含まれることとし、これにより、一般的な構成の検出・変換装置4の利用が可能となる。
 制御・解析装置8は、前記検出・変換装置4の変換手段にて変換した電圧信号から、被検出物質の有無の検出(定性的な測定)、被検出物質の定量的な測定、被検出物質の反応分布及び濃度分布、並びに、パルス電磁波10の振幅強度(電圧値)の時系列波形を用いた所定の解析といった解析処理や所定の演算を行う装置である。また、本実施例では、制御・解析装置8は、本明細書中に説明する制御や解析の実行を可能とするコンピュータであり、図示せぬ制御信号線を介して、照射装置(光学系)、走査台7、検出・変換装置4、及び、パルスレーザー光源2の制御も併せて行うものである。 
 そして、制御・解析装置8は、前記パルスレーザー光源2により、前記物質検出プレート5の半導体23における、前記絶縁体22とは反対側であって、かつ、前記物質感応膜21に対応する位置に、パルスレーザー光9を照射させる。このパルスレーザー光9の照射によって生じるパルス電磁波10が検出・変換装置4によって検出され、制御・解析装置8では、その検出結果を取り込んで、パルス電磁波10の振幅強度から、物質感応膜21での反応の有無や、反応の度合いが検出される。 
 そして、制御・解析装置8は、物質感応膜21についてのパルス電磁波10の検出を継続しつつ、前記走査台7を制御して、測定プレート20を移動させ、流路12内の物質感応膜21に対応する半導体23にパルスレーザー光9の照射を行う。このように、計測装置50においては、前記パルスレーザー光9を2次元的に走査して照射する手段(走査台7、パルスレーザー光源2)を備え、前記パルスレーザー光9を2次元的に走査して照射する手段(走査台7、パルスレーザー光源2)によって、前記パルスレーザー光9を連続的に前記物質感応膜21(半導体23)に対して照射し、前記照射によって発生されるパルス電磁波10の振幅強度を、連続して、計測することが可能である。
 なお、本実施例における計測装置50は、前記パルスレーザー光9を2次元的に走査して照射する手段(走査台7、パルスレーザー光源2)を備えているが、計測を行う際に必ず走査を行う必要はなく、計測環境に応じて走査の要不要を判断し、前記照射する手段(走査台7、パルスレーザー光源2)を適宜使用すればよい。
 そして、制御・解析装置8は、前記パルス電磁波10の振幅強度より、被検出物質を定性的もしくは定量的に計測して前記流路12内の溶液中の物質の反応分布もしくは濃度分布を得る手段として機能するものであり、各物質感応膜21での反応の有無(電磁波振幅強度の変化の有無)や、反応の度合い(電磁波振幅強度の変化の量)を検出し、これらに基づいて溶液中の反応分布もしくは濃度分布を検出して被検出物質の解析を行うものである。
 次に、以上のように構成された第2実施例に係る計測装置50に適用するパルス電磁波を用いた計測方法を説明する。
 本実施例に係るパルス電磁波を用いた計測方法は、図16に示すように、分割工程S100と、入射工程S200と、パルスタイミング調整工程S300と、プローブ光照射工程S400と、振幅強度検出工程S500と、を有する。
 先ず、図13に示すごとく、物質検出プレート5を、走査台7上の規定の位置に設置し、前記制御・解析装置8の制御によって、パルスレーザー光9の照射位置と、流路12及び参照領域部13の底部である前記物質感応膜21の所定位置(スタート位置)が一致するように、走査台7上において、物質検出プレート5(測定プレート20)を移動する。そうして、パルスレーザー光源2からパルスレーザー光9が照射される。
 分割工程S100は、前記パルスレーザー光9をプローブ光L1とポンプ光L2とに2分割する工程である。
 すなわち、分割工程S100では、図13において、パルスレーザー光源2から出力されたパルスレーザー光9を、第2ビームスプリッタ14(本実施形態においては、ハーフミラー)によって二つのパルスレーザー光9であるプローブ光L1とポンプ光L2に分割する。
 入射工程S200は、前記ポンプ光L2を2分割し、分割された一方の前記ポンプ光L2を、パルスタイミング調整器39により所定のパルスタイミングに調整し、前記被検出物質を含む溶液が導入可能である検出領域部である流路12に対応する前記半導体23に照射するとともに、分割された他方の前記ポンプ光L2を参照溶液が導入可能である参照領域部13に対応する前記半導体23に照射し、前記流路12及び前記参照領域部13に対応する前記半導体23から発生する各々のパルス電磁波10a、10bを集光して、ひとつの前記検出手段である検出素子19に入射する工程である。
 すなわち、入射工程S200では、ビームスプリッタ14により分けられたパルスレーザー光9の一方であるポンプ光L2を鏡29、光チョッパー16を通過させる。また、入射工程S200では、当該光チョッパー16を通過したポンプ光L2が、図13、図14に示すように、前記第1ビームスプリッタ17により2分割され、分割された一方の前記ポンプ光L2を、パルスタイミング調整器39を通過させることで所定のパルスタイミングに調整して、前記検出領域部である流路12に対応する前記半導体23に照射するとともに、分割された他方のポンプ光L2を前記参照領域部13に対応する前記半導体23に照射する。そうして、双方のポンプ光L2の照射位置である前記流路12及び前記参照領域部13に対応する前記半導体23から発生する各々のパルス電磁波10a、10bを集光手段40である軸外し放物面鏡により、検出素子19の一端へ集光して、ひとつの検出素子19に入射する。
 なお、本実施例では、パルスタイミング調整器39に、検出領域部である流路12に対応する半導体23に照射されるポンプ光L2を通過させる構成としているが、特に限定するものではない。例えば、パルスタイミング調整器39に、参照領域部13に対応する半導体23に照射されるポンプ光L2を通過させる構成としてもかまわない。つまり、パルスタイミング調整器39に、ビームスプリッタ17により分割された2つのポンプ光L2のうちどちらか一方のポンプ光L2を通過させる構成とすればよい。
 パルスタイミング調整工程S300は、前記検出素子19にて検出される前記各々のパルス電磁波10a、10bの振幅強度の検出タイミングが一致するように前記両方のポンプ光L2のうち一方のポンプ光L2のパルスタイミングを予め調整する工程である。
 すなわち、パルスタイミング調整工程S300では、第1ビームスプリッタ17と半導体23との間におけるポンプ光L2の光路に配置されたパルスタイミング調整器39により、前記検出素子19にて検出される前記各々のパルス電磁波10a、10bの振幅強度の検出タイミングが一致するように、前記両方のポンプ光L2のうち一方のポンプ光L2(本実施例では、流路12に対応する半導体23に照射されるポンプ光L2)のパルスタイミングが予め調整される。
 具体的には、計測装置50においては、第1ビームスプリッタ17により2つの平行光に分けられたうちの一方のポンプ光L2が物質検出プレート5の半導体23に至る光路の途中にてパルスタイミング調整器39を通過した際に、当該パルスタイミング調整器39内において、所定方向(本実施例ではプローブ光L2と直交する方向)に調整自在に配置された調整鏡39aにポンプ光L2が入射され、当該入射したポンプ光L2は調整鏡39aにより反射される。計測装置50においては、当該計測装置50を用いて計測を行うに際し、パルスタイミング調整器39が有する調整鏡39を所定の位置に固定することで、一方のプローブ光L1の光路長を調整することができる。通常、一方のプローブ光L1に対応する前記半導体23から発生するパルス電磁波10aと、他方のプローブ光L2に対応するパルス電磁波10bのそれぞれが前記検出素子19に入射する時間タイミングは異なるが、パルスタイミング調整器39の調整鏡39aを移動して予め光路長の調整を行うことで、パルス電磁波10aが検出素子19に到達する時間(光学的な時間タイミング)と、パルス電磁波10bが検出素子19に到達する時間(光学的な時間タイミング)とを一致させることができる。本実施例のごとく、検出タイミングが一致するようにパルスタイミングを調整することで、2つのパルス電磁波10a、10bの各振幅強度が、同じ検出タイミングで検出素子19により検出されることになり、2つのパルス電磁波10a、10bの各振幅強度を重ね合わせた状態の振幅強度を取得することが可能である。
 なお、パルスタイミング調整工程S300は、入射工程S200の後工程として必ずしも実行する必要はない。例えば、パルスタイミング調整工程S300は、計測装置50を用いて計測を行う前の計測準備段階や計測装置50による計測結果を計測者や制御・解析装置8がモニターしている時など、他の工程に関係なく、必要に応じて適宜実行してもかまわない。
 プローブ光照射工程S400は、前記プローブ光L1を、ポンプ光L2により発生した前記各々のパルス電磁波10a、10bの入射と同期させて前記検出素子19に照射する工程である。
 すなわち、プローブ光照射工程S400では、ビームスプリッタ14により分割された一方のパルスレーザー光9であるプローブ光L1が鏡31、鏡34、及びレンズ35を介して検出素子19の他端に照射される。この際、プローブ光L1は、前記流路12及び前記参照領域部13に対応する前記半導体23から発生する各々のパルス電磁波10a、10bが前記検出素子19に入射するのに同期して照射される。 
 振幅強度検出工程S500は、プローブ光照射工程S400における検出素子19へのプローブ光L1の照射時に前記検出素子19に入射した前記ポンプ光L2による前記各々のパルス電磁波10a、10bの振幅強度を検出する工程である。
 具体的には、制御・解析装置8では、パルス電磁波10a、10bの振幅強度が検出されるが、その工程としては、まず、検出素子19に物質検出プレート5におけるポンプ光L2照射位置から発生したパルス電磁波10a、10bが検出素子19に集光され、当該パルス電磁波10a、10bの入射と同期させて、プローブ光L1を検出素子19の所定位置に照射すると、当該照射時に入射したパルス電磁波10の電界強度(振幅強度)に比例した電流が発生する。当該電流は、電流アンプ27により電圧に変換後、ロックインアンプ28にて、光チョッパー16のチョッピングと同期してロックイン検出が行われる。そして、当該ロックイン検出の値はコンピュータ8に入力される。つまり、プローブ光L1が検出素子19に照射した時に入射したパルス電磁波10a、10bの各振幅強度を検出することが可能である。特に本実施例では、パルスタイミング調整工程S300においてパルス電磁波10a、10bの各振幅強度の検出タイミングが一致するようにしているので、パルス電磁波10a、10bの各振幅強度は重ね合わせた状態で検出される。こうして、制御・解析装置8は、図17に示すようにパルス電磁波10a、10bのそれぞれを重ね合わせた状態の時系列波形を取得することができる。図17において、縦軸はテラヘルツ波振幅であり、横軸は時間である。図17に示す各波形においては、左側破線の波形が検出領域部(流路12)に帰属する波形w3であり、右側点線の波形が参照領域部13に帰属する波形w4であり、太線で示す波形が波形w3と波形w4を重ね合わせ波形w5である。図17に示すように、パルスタイミング調整器39により一方のポンプ光L2のパルスタイミングを調整し、一方のポンプ光L2によるパルス電磁波10aが検出素子19に検出される検出タイミングと、他方のポンプ光L2よるパルス電磁波10aが検出素子19に検出される検出タイミングとを一致するようにすることで、パルス電磁波10a、10bの各振幅強度を同じ検出タイミングで取得可能である。図17においては、波形w3と波形w4とを重ね合わせることで、流路12に帰属する波形w3から参照領域部13に帰属する波形w4がキャンセルされる。ここで、パルスタイミング調整器39で調整される検出タイミングとは、図17に示すように、波形w3から波形w4がキャンセルするために用いるタイミングである。こうして、振幅強度検出工程S500では、パルス電磁波10aの振幅強度と、パルス電磁波10bの振幅強度とを検出素子19により同時に検出することで、一方のポンプ光L2の照射により発生したパルス電磁波10aの振幅強度と、他方のポンプ光L2の照射により発生したパルス電磁波10bの振幅強度とを重ね合わせた状態、すなわち、パルス電磁波10aの振幅強度からパルス電磁波10bの振幅強度を差分して、パルス電磁波10aの振幅強度からパルス電磁波10bの振幅強度がキャンセルされた部分が検出される。 以上のようにして、計測装置50は前記被検出物質を含む溶液の特性(溶液の状態の変化)を計測する。
 本実施例2に係る計測装置50に上記パルス電磁波10を用いた計測方法を適用しない場合は、例えば、溶液の揺れ等によるノイズが除去されることなく、振幅強度が計測される。一方、本実施例2に係る計測装置50に上記パルス電磁波10を用いた計測方法を適用する場合は、溶液由来のノイズをキャンセルすることが可能となる。このように、本実施例2に係る計測装置50に上記パルス電磁波を用いた計測方法を適用することにより、溶液に由来するノイズをキャンセルして、飛躍的に検出感度及び検出精度を向上することができる。 
 以上のごとく、本発明によれば、計測装置の検出感度や検出精度を向上することができる。
 本発明によれば、生体物質間の相互作用反応(抗原-抗体、酵素反応、アレルギー反応等)を高スループットで検出する装置を実現することができる。また、利用分野として、臨床検査、テーラーメイド医療、医学研究、医薬品開発、環境汚染物質評価、食品安全管理、農薬検査などの分野において、幅広く利用することができる。

Claims (6)

  1.  半導体と当該半導体上に作製される絶縁体とを有する物質検出プレートと、
     前記物質検出プレートにパルスレーザー光を前記半導体側から照射することで、照射位置における被検出物質の量に依存する振幅強度を持ったパルス電磁波を発生させる手段と、
     前記パルス電磁波の振幅強度を検出する検出手段と、を備え、
     前記振幅強度より、前記被検出物質を含む溶液の状態の変化を計測するパルス電磁波を用いた計測装置であって、
     前記パルスレーザー光を2分割する第1ビームスプリッタと、
     前記絶縁体上に配置され、被検出物質を含む溶液が導入可能である検出領域部と、
     前記絶縁体上の前記検出領域近傍に配置され、参照溶液が導入可能である参照領域部と、を備え、
     前記パルスレーザー光を、前記第1ビームスプリッタにより2分割し、分割された一方のパルスレーザー光を前記検出領域部に対応する前記半導体に照射するとともに、分割された他方のパルスレーザー光を前記参照領域に対応する前記半導体に照射し、前記検出領域及び前記参照領域に対応する前記半導体から発生する各々のパルス電磁波を集光手段により集光して、ひとつの前記検出手段により検出することを特徴とするパルス電磁波を用いた計測装置。
  2.  前記パルスレーザー光をプローブ光とポンプ光とに2分割する第2ビームスプリッタと、
     前記プローブ光の光路に配置され、前記検出手段にて前記振幅強度が検出される時間を遅延可能である時間遅延手段と、をさらに備え、
     前記ポンプ光は、前記第1ビームスプリッタにより2分割され、分割された一方の前記ポンプ光を前記検出領域部に対応する前記半導体に照射するとともに、分割された他方の前記ポンプ光を前記参照領域部に対応する前記半導体に照射し、前記検出領域部及び前記参照領域部に対応する前記半導体から発生する各々のパルス電磁波を集光手段により集光して、ひとつの前記検出手段に入射し、
     前記プローブ光は、前記時間遅延手段を通過し、前記ポンプ光により発生した前記各々のパルス電磁波の入射と同期させて前記検出手段に照射し、
     当該プローブ光の照射時に前記検出手段に入射した前記ポンプ光による前記各々のパルス電磁波の振幅強度を検出することを特徴とする請求項1に記載のパルス電磁波を用いた計測装置。
  3.  前記時間遅延手段は、前記検出手段にて前記振幅強度が検出される時間を周期的に時間遅延可能であることを特徴とする請求項2に記載のパルス電磁波を用いた計測装置。
  4.  前記パルスレーザー光をプローブ光とポンプ光とに2分割する第2ビームスプリッタと、
     前記第1ビームスプリッタと前記半導体との間における前記ポンプ光の光路に配置され、前記ポンプ光のパルスタイミングを任意に調整可能であるパルスタイミング調整手段と、をさらに備え、
     前記ポンプ光は、前記第1ビームスプリッタにより2分割され、分割された一方の前記ポンプ光を前記検出領域部に対応する前記半導体に照射するとともに、分割された他方の前記ポンプ光を前記参照領域部に対応する前記半導体に照射し、かつ前記一方又は他方のポンプ光のうちどちらか一方を前記パルスタイミング調整手段を通過させ、前記検出領域部及び前記参照領域部に対応する前記半導体から発生する各々のパルス電磁波を集光手段により集光して、ひとつの前記検出手段に入射し、
     前記パルスタイミング調整手段は、前記検出手段にて検出される前記各々のパルス電磁波の振幅強度の検出タイミングが一致するように、前記両方のポンプ光のうち一方のポンプ光のパルスタイミングが予め調整され、
     前記プローブ光は、前記ポンプ光により発生した前記各々のパルス電磁波の入射と同期させて前記検出手段に照射し、
     当該プローブ光の照射時に前記検出手段に入射した前記ポンプ光による前記各々のパルス電磁波の振幅強度を検出することを特徴とする請求項1に記載のパルス電磁波を用いた計測装置。
  5.  半導体と当該半導体上に作製される絶縁体とを有する物質検出プレートと、
     前記物質検出プレートにパルスレーザー光を前記半導体側から照射することで、照射位置における被検出物質の量に依存する振幅強度を持ったパルス電磁波を発生させる手段と、
     前記パルス電磁波の振幅強度を検出する検出手段と、を用いて、
     前記振幅強度より、前記被検出物質を含む溶液の状態の変化を計測するパルス電磁波を用いた計測方法であって、
     前記パルスレーザー光をプローブ光とポンプ光とに2分割する分割工程と、
     前記ポンプ光を2分割し、分割された一方の前記ポンプ光を前記被検出物質を含む溶液が導入可能である検出領域部に対応する前記半導体に照射するとともに、分割された他方の前記ポンプ光を参照溶液が導入可能である参照領域部に対応する前記半導体に照射し、前記検出領域部及び前記参照領域部に対応する前記半導体から発生する各々のパルス電磁波を集光して、ひとつの前記検出手段に入射する入射工程と、
     前記プローブ光を、所定の周期にて時間遅延させながら、前記ポンプ光により発生した前記各々のパルス電磁波の入射と同期させて前記検出手段に照射する工程と、
     前記プローブ光の照射時に前記検出手段に入射した前記ポンプ光による前記各々のパルス電磁波の振幅強度を検出することで、前記検出領域部及び前記参照領域部のそれぞれにおける遅延時間の異なる複数の前記パルス電磁波の振幅強度を取得して、前記検出領域及び前記参照領域のそれぞれにおける前記パルス電磁波の時系列波形を生成する時系列波形生成工程と、
     前記時系列波形生成工程で生成された前記検出領域及び前記参照領域のそれぞれにおける前記パルス電磁波の時系列波形から各々の波形ピーク位置における振幅強度を取得する振幅強度取得工程と、
     前記検出領域の波形ピーク位置と前記参照領域の波形ピーク位置における各振幅強度の差分を行う差分工程と、を有することを特徴とするパルス電磁波を用いた計測方法。
  6.  半導体と当該半導体上に作製される絶縁体とを有する物質検出プレートと、
     前記物質検出プレートにパルスレーザー光を前記半導体側から照射することで、照射位置における被検出物質の量に依存する振幅強度を持ったパルス電磁波を発生させる手段と、
     前記パルス電磁波の振幅強度を検出する検出手段と、を用いて、
     前記振幅強度より、前記被検出物質を含む溶液の状態の変化を計測するパルス電磁波を用いた計測方法であって、
     前記パルスレーザー光をプローブ光とポンプ光とに2分割する分割工程と、
     前記ポンプ光を2分割し、分割された一方の前記ポンプ光を前記被検出物質を含む溶液が導入可能である検出領域部に対応する前記半導体に照射するとともに、分割された他方の前記ポンプ光を参照溶液が導入可能である参照領域部に対応する前記半導体に照射し、前記検出領域部及び前記参照領域部に対応する前記半導体から発生する各々のパルス電磁波を集光して、ひとつの前記検出手段に入射する入射工程と、
     前記検出手段にて検出される前記各々のパルス電磁波の振幅強度の検出タイミングが一致するように前記両方のポンプ光のうち一方のポンプ光のパルスタイミングを予め調整するパルスタイミング調整工程と、
     前記プローブ光を、前記ポンプ光により発生した前記各々のパルス電磁波の入射と同期させて前記検出手段に照射する工程と、
     当該プローブ光の照射時に前記検出手段に入射した前記ポンプ光による前記各々のパルス電磁波の振幅強度を検出する工程と、を有することを特徴とするパルス電磁波を用いた計測方法。
PCT/JP2011/052529 2010-02-08 2011-02-07 パルス電磁波を用いた計測装置及び計測方法 WO2011096563A1 (ja)

Priority Applications (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
US13/577,604 US8710440B2 (en) 2010-02-08 2011-02-07 Measuring device and measuring method that use pulsed electromagnetic wave
JP2011552854A JP5807957B2 (ja) 2010-02-08 2011-02-07 パルス電磁波を用いた計測装置及び計測方法

Applications Claiming Priority (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2010-025991 2010-02-08
JP2010025991 2010-02-08

Publications (1)

Publication Number Publication Date
WO2011096563A1 true WO2011096563A1 (ja) 2011-08-11

Family

ID=44355555

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
PCT/JP2011/052529 WO2011096563A1 (ja) 2010-02-08 2011-02-07 パルス電磁波を用いた計測装置及び計測方法

Country Status (3)

Country Link
US (1) US8710440B2 (ja)
JP (1) JP5807957B2 (ja)
WO (1) WO2011096563A1 (ja)

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2013170899A (ja) * 2012-02-20 2013-09-02 Canon Inc 測定装置及び測定方法、トモグラフィー装置
WO2013161860A1 (ja) * 2012-04-24 2013-10-31 国立大学法人岡山大学 半導体非破壊検査装置及び半導体非破壊検査方法
JP2014167443A (ja) * 2013-02-28 2014-09-11 Dainippon Screen Mfg Co Ltd 検査装置および検査方法
JP6266719B1 (ja) * 2016-08-31 2018-01-24 フェムトディプロイメンツ株式会社 テラヘルツ時間領域分光装置
CN109187419A (zh) * 2018-08-28 2019-01-11 清华大学深圳研究生院 支柱绝缘子孔泡检测方法及装置、终端、存储介质
CN113899923A (zh) * 2021-10-18 2022-01-07 中国人民解放军军事科学院国防工程研究院工程防护研究所 一种hemp辐射场与注入能量同步加载试验环境模拟系统及方法

Families Citing this family (11)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US9697982B2 (en) * 2015-04-06 2017-07-04 Euclid Techlabs, Llc Apparatus for GHz rate high duty cycle pulsing and manipulation of low and medium energy DC electron beams
CN108291842B (zh) 2015-11-18 2020-09-18 基础科学研究院 光波的波形测量装置和方法
US10319556B2 (en) 2015-12-03 2019-06-11 Euclid Techlabs, Llc Ultra broad band continuously tunable electron beam pulser
KR102597603B1 (ko) * 2018-12-10 2023-11-02 삼성전자주식회사 검사 장치 및 이를 포함하는 반도체 구조 제조 장치
JP7320975B2 (ja) * 2019-04-16 2023-08-04 Jswアクティナシステム株式会社 レーザ照射装置、レーザ照射方法、及び半導体装置の製造方法
US10804001B1 (en) 2019-04-24 2020-10-13 Euclid Technlabs, LLC Broad band tunable energy electron beam pulser
US10515733B1 (en) 2019-04-24 2019-12-24 Euclid Techlabs, Llc Broad band tunable energy electron beam pulser
US11614401B2 (en) * 2019-06-25 2023-03-28 Institut National De La Recherche Scientifique Method and apparatus for terahertz detection of charged molecules and microbes
KR102279510B1 (ko) * 2020-06-17 2021-07-19 가톨릭대학교 산학협력단 바이러스 진단 장치
CN111983234A (zh) * 2020-07-20 2020-11-24 西北工业大学 一种基于太赫兹波快速检测大肠杆菌的方法
DE102020006525A1 (de) * 2020-10-25 2022-04-28 Udo Riss Schnelldiagnostik mit Phasenkopplung von Antigenen

Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007064700A (ja) * 2005-08-30 2007-03-15 Canon Inc センシング装置
JP2007078621A (ja) * 2005-09-16 2007-03-29 Canon Inc センシング装置
JP2008170353A (ja) * 2007-01-12 2008-07-24 Okayama Univ 物質検出装置、物質検出、物質検出プレート、及び、測定セル
JP2008277565A (ja) * 2007-04-27 2008-11-13 Matsushita Electric Ind Co Ltd テラヘルツ波発生装置
JP4183735B1 (ja) * 2007-10-15 2008-11-19 国立大学法人 岡山大学 物質分布計測装置

Family Cites Families (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH07100753B2 (ja) 1990-11-19 1995-11-01 昭島化学工業株式会社 熱安定化された塩素含有樹脂組成物
JP2004198250A (ja) 2002-12-18 2004-07-15 Tochigi Nikon Corp 時間分解反射測定方法およびテラヘルツ時間分解反射測定装置
GB2411093B (en) * 2004-02-13 2007-10-24 Teraview Ltd Terahertz imaging system
WO2007079342A2 (en) * 2005-12-27 2007-07-12 Rensselaer Polytechnic Institute Method of analyzing a remotely-located object utilizing an optical technique to detect terahertz radiation

Patent Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007064700A (ja) * 2005-08-30 2007-03-15 Canon Inc センシング装置
JP2007078621A (ja) * 2005-09-16 2007-03-29 Canon Inc センシング装置
JP2008170353A (ja) * 2007-01-12 2008-07-24 Okayama Univ 物質検出装置、物質検出、物質検出プレート、及び、測定セル
JP2008277565A (ja) * 2007-04-27 2008-11-13 Matsushita Electric Ind Co Ltd テラヘルツ波発生装置
JP4183735B1 (ja) * 2007-10-15 2008-11-19 国立大学法人 岡山大学 物質分布計測装置

Cited By (12)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2013170899A (ja) * 2012-02-20 2013-09-02 Canon Inc 測定装置及び測定方法、トモグラフィー装置
WO2013161860A1 (ja) * 2012-04-24 2013-10-31 国立大学法人岡山大学 半導体非破壊検査装置及び半導体非破壊検査方法
JPWO2013161860A1 (ja) * 2012-04-24 2015-12-24 国立大学法人 岡山大学 半導体非破壊検査装置及び半導体非破壊検査方法
JP2014167443A (ja) * 2013-02-28 2014-09-11 Dainippon Screen Mfg Co Ltd 検査装置および検査方法
JP6266719B1 (ja) * 2016-08-31 2018-01-24 フェムトディプロイメンツ株式会社 テラヘルツ時間領域分光装置
JP2018036121A (ja) * 2016-08-31 2018-03-08 フェムトディプロイメンツ株式会社 テラヘルツ時間領域分光装置
WO2018042938A1 (ja) * 2016-08-31 2018-03-08 フェムトディプロイメンツ株式会社 テラヘルツ時間領域分光装置
US10352849B2 (en) 2016-08-31 2019-07-16 Femto Deployments Inc. Terahertz time domain spectroscopic apparatus
CN109187419A (zh) * 2018-08-28 2019-01-11 清华大学深圳研究生院 支柱绝缘子孔泡检测方法及装置、终端、存储介质
CN109187419B (zh) * 2018-08-28 2021-04-06 清华大学深圳研究生院 支柱绝缘子孔泡检测方法及装置、终端、存储介质
CN113899923A (zh) * 2021-10-18 2022-01-07 中国人民解放军军事科学院国防工程研究院工程防护研究所 一种hemp辐射场与注入能量同步加载试验环境模拟系统及方法
CN113899923B (zh) * 2021-10-18 2024-02-23 中国人民解放军军事科学院国防工程研究院工程防护研究所 一种hemp辐射场与注入能量同步加载试验环境模拟系统及方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP5807957B2 (ja) 2015-11-10
US20120305774A1 (en) 2012-12-06
US8710440B2 (en) 2014-04-29
JPWO2011096563A1 (ja) 2013-06-13

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5807957B2 (ja) パルス電磁波を用いた計測装置及び計測方法
JP3897703B2 (ja) センサ装置およびそれを用いた検査方法
US8514403B2 (en) Sample analysis method
JP4183735B1 (ja) 物質分布計測装置
JP2005016963A (ja) 化学センサ、化学センサ装置
JP5916023B2 (ja) 半導体非破壊検査装置及び半導体非破壊検査方法
JP4726212B2 (ja) センシング装置
Zhao et al. Nanoparticle-based photoacoustic analysis for highly sensitive lateral flow assays
US20120183440A1 (en) Fret measurement method and device
Kiwa et al. A terahertz chemical microscope to visualize chemical concentrations in microfluidic chips
Ojaghi et al. High-sensitivity interpretation of lateral flow immunoassays using thermophotonic lock-in imaging
JP5828899B2 (ja) 測定用デバイス、および、それを用いた被測定物の特性測定方法
US20190302007A1 (en) Non-contact photoacoustic spectrophotometry insensitive to light scattering
JP2001141567A (ja) 赤外分光装置
JP4534027B1 (ja) 電磁波波面整形素子及びそれを備えた電磁波イメージング装置、並びに電磁波イメージング方法
JP2011085412A (ja) テラヘルツ合焦方法、テラヘルツ合焦装置及びテラヘルツ合焦プログラム
JP4054718B2 (ja) センサ装置
JP2017532555A (ja) 光散乱促進剤としてナノ粒子を用いる分析対象物の検出
JP4360687B2 (ja) 物質検出装置及び物質検出方法
EP3850335B1 (en) Particle analysis method and apparatus for a spectrometry-based particle analysis
Ivanov et al. Possibility to create a coronavirus sensor using an optically excited electrical signal
CN114041050A (zh) 热物性值测定装置和热物性值测定方法
JP4173628B2 (ja) 表面プラズモン共鳴測定装置
Sakae et al. Differential Measurement of a Compact LSPR Biosensor System by Two Filter-Free Wavelength Sensors for Improved Molecular Selectivity
Kamiya et al. Immune assay using a micro-flow channels detected by a terahertz chemical microscopy

Legal Events

Date Code Title Description
121 Ep: the epo has been informed by wipo that ep was designated in this application

Ref document number: 11739910

Country of ref document: EP

Kind code of ref document: A1

WWE Wipo information: entry into national phase

Ref document number: 13577604

Country of ref document: US

Ref document number: 2011552854

Country of ref document: JP

NENP Non-entry into the national phase

Ref country code: DE

122 Ep: pct application non-entry in european phase

Ref document number: 11739910

Country of ref document: EP

Kind code of ref document: A1