WO2011080981A1 - 照光式キーシート - Google Patents
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Abstract
Description
すなわち、第1に、可撓性のベースシートに複数の押圧操作部を備える照光式キーシートについて、ベースシートに、スリットとそのスリットにより区画された複数の照光領域を有する導光シートを備え、該導光シートの操作面側の前記スリットの少なくとも開口縁を被覆してそのスリットから操作面側への光漏れを防止する目隠し層と、該導光シートに固着して該スリットを覆う補強部と、をベースシートに設けてなることを特徴とする照光式キーシートを提供する。
さらに、ベースシートは、導光シートの操作面側の前記スリットの開口縁を被覆して該スリットから操作面側への光漏れを防止する目隠し層と、導光シートに固着して該スリットを覆う補強部と、を設けて構成されている。
さらに導光シートに固着して該スリットを覆う補強部を設けているため、押圧操作の際にスリット周辺に集中する押圧力を補強部に分散することができ、スリット周辺が無理な変形を起こし難くすることができる。よってスリットにおける導光シートの端面とその端面に固着する目隠し層との剥離を起こり難くしてベースシートの耐久性を高めることができ、高耐久な照光式キーシートを実現することができる。
ベースシートに端面被覆部を設ければ、スリットの端面即ち導光シートの端面からの光漏れを少なくすることができ、一の照光領域から他の照光領域への光の漏出を確実に抑えることができる。
さらにベースシートにおける導光シートの裏面側に遮光印刷層を設けることができる。照光式キーシートを照光するために内部光源から発せられた光は、全てが導光シートに入射するのではなく、その一部は照光式キーシートと回路基板の間に放射される。こうした光は電子機器の内部で乱反射した後に、導光シートの裏面側から入射して導光シートの厚み方向に透過する。そしてその光は照光している照光領域に隣接する照光不要な照光領域を照光させたり、押圧操作部とは異なるベースシートの一部分を照光したりするおそれがある。しかし、導光シートの裏面側に遮光印刷層を設ければ、乱反射した光を導光シートの裏面側から入射し難くすることができ、導光シートの厚み方向に透過した光による照光不要な照光領域の照光や光漏れを起き難くすることができるのである。
ここで、導光シートの裏面に対して直接遮光印刷層を設ける場合は、導光シートの裏面と遮光印刷層との界面を平滑面にすることが好ましい。平滑面に当たった光は反射率が高いため、導光シートの内部を伝わる光を導光シートから漏れ難くすることができ、遮光印刷層へ入射する光を少なくして導光シートの導光効率を高めることができるからである。
また、導光シートは表面が傷付くとその箇所で光が散乱して光漏れを起こすおそれがあるが、表面シートで導光シートを覆うため、導光シートを傷付け難くすることができ、導光シートの傷付きに起因する導光効率の低下を起こり難くすることができる。
さらに軟質樹脂フィルムを用いれば、キーシートの押圧操作による繰り返し変形に対しても、破損や切れ難くすることができるのでベースシートの耐久性を高めることができる。
また、導光シートに表面シートと熱圧着が可能な樹脂フィルムを用いることができる。導光シートに表面シートと熱圧着が可能な樹脂フィルムを用いれば、表面シートと導光シートを容易に圧着して一体化することができる。さらに表面シートに対して予め目隠し層や表示層を印刷形成することができ、導光シートに表面シートとの圧着と同時に目隠し層や表示層を形成することができる。なお、目隠し層をホットメルト接着が可能な樹脂で形成すれば、導光シートに対して表面シートを圧着するために別途接着層を設ける必要がなく、簡単かつ低コストでベースシートを製造することができる。
なお、スリットの端面に対して、略半面に目隠し層を伸長すれば光の放射を半減することができ、略全面に目隠し層を伸長すれば光の放射を略無くすことができる。
これは、補強部が導光シートの裏面側に固着する裏面被覆部そのものである場合の他、補強部がこうした裏面被覆部とそれ以外の部分からなる場合もあり得ることを意味する。
このようにすれば、導光シートの裏面側から裏面被覆部が複数の照光領域を繋いでいるため、導光シートを一体化することができ、ベースシートを簡単に製造することができる。そして裏面被覆部は、導光シートの裏面側からスリットを覆うように一体化している。そのためスリット周辺の無理な伸び変形を起こり難くして、スリットにおける導光シートの端面と、その端面に固着する目隠し層あるいは端面被覆部の剥離を起こり難くして、ベースシートの耐久性を高めることができる。
以上のとおり、補強部としては、表面シートで構成される補強部や、裏面被覆部で構成される補強部、さらに、表面シートと裏面被覆部とで構成される補強部が存在する。
スリット内で表面シートと裏面被覆部とが固着する態様については、表面シートと裏面被覆部とが直接的に固着する態様の他、表面シートと裏面被覆部とが目隠し層や遮光印刷層の何れか一方、またはそれらの双方を介して固着する場合など、表面シートと裏面被覆部とが間接的に固着する態様も含まれる。
また、裏面被覆部を樹脂フィルムで形成すれば、裏面被覆部を破損し難くすることができ、高耐久な裏面被覆部とすることができる。そして裏面被覆部に対してホットメルト接着が可能な遮光印刷層を印刷形成しておけば、導光シートと裏面被覆部とを熱圧着するために別途接着層を設ける必要がなく、簡単かつ低コストでベースシートを製造することができる。また樹脂フィルムでなる裏面被覆部に遮光印刷層を形成してこの裏面被覆部をスリット内に入り込ませ、遮光印刷層の一部を端面被覆部とすれば、目隠し層と遮光印刷層の一部とで、導光シートのスリット内における端面の略全面を覆うことができ、スリットの端面から光漏れし難くすることができる。よって一の照光領域から他の照光領域への光の漏出を確実に抑えることができる。またさらに表面シートと裏面被覆部とで導光シートを表裏面から挟む構成にできるため、ベースシートの耐久性を高めることができる。
また、スリットの形状を維持できることから、目隠し層をスリットの端面にまで伸長すれば、目隠し層をスリットの端面から剥がれ難くすることができる。よって、ベースシートの耐久性を高めながら、スリットの端面から光漏れし難くすることができる。よって一の照光領域から他の照光領域への光の漏出を確実に抑えることができる。
さらに、補強フレームは照光領域を区画するスリットの位置にのみ設ければ、押圧操作部の投影位置には無く、押圧荷重の上昇を少なくすることができ、良好な押圧操作感を維持することができる。
そして、補強フレームを遮光性の材質とすれば、スリットの端面から光漏れし難くすることができ、一の照光領域から他の照光領域への光の漏出を確実に抑えることができる。
さらに、補強フレームを金属など反射率の高い材質とすれば、スリットを通じて一の照光領域から漏出する光を補強フレームで反射させて一の照光領域内に戻すことができる。そのため、スリットからの光の漏出による輝度の低下を抑制して、照光の輝度を向上させることができる。
こうした補強フレームは、導光シートと厚み方向で重なる位置に配置されるため、照光式キーシートが厚くなること防ぐことができ、補強フレームを有しながら薄型の照光式キーシートを実現することができる。
このように中実の貫入突起を端面被覆部として有する裏面被覆部を軟質樹脂で形成すれば、押圧操作の際に、導光シートやスリット形状の変形に追従することができ、貫入突起と導光シートとの間の隙間を形成し難くすることができる。よってスリットの端面から光漏れし難くしながら、ベースシートの耐久性を高めることができる。さらに中実の貫入突起を端面被覆部として有する裏面被覆部を遮光性の樹脂で形成すれば、遮光性の裏面被覆部によって、電子機器内で乱反射した光を導光シートの裏面側から入射し難くすることができ、導光シートの厚み方向に透過した光による照光不要な照光領域の照光や光漏れを起き難くすることができる。そして遮光性の貫入突起によって、一の照光領域から他の照光領域への光の漏出を確実に抑えることができる。
そしてこの導光シートはスリットとそのスリットにより区画された複数の照光領域を有している。導光シートにスリットを有するため、このスリットによって光の伝達を止めることができる。したがって、複数の照光領域をスリットで区画すれば、一の照光領域から他の照光領域への光を漏出し難くすることができる。よって各々の照光領域へ別々の光源から光を導入して照光させることとすれば、各々の照光領域を独立して照光制御することができる。
さらに、ベースシートは、導光シートの操作面側の前記スリットの開口縁を被覆して該スリットから操作面側への光漏れを防止する目隠し層を設けて構成されている。即ち、この目隠し層は、導光シートの操作面側におけるスリットの少なくとも開口縁を被覆している。スリットの開口全体でも良いが、少なくともその開口縁を被覆するため、スリットの開口から光を操作面側へ漏れ難くすることができる。スリットの開口から漏れる光は、もともとスリットの端面である導光シートの端面を通じて漏れた光がスリットの開口に達っしたものであるため、スリットの端面に連なる部分であるスリットの開口縁を覆うことが最も光漏れ防止に効果的だからである。
なお、スリットの端面に対して、略半面に目隠し層を伸長すれば光の放射を半減することができ、略全面に目隠し層を伸長すれば光の放射を略無くすことができる。
また、導光シートは表面が傷付くとその箇所で光が散乱して光漏れを起こすおそれがあるが、表面シートで導光シートを覆うため、導光シートを傷付け難くすることができ、導光シートの傷付きに起因する導光効率の低下を起こり難くすることができる。
さらに表面シートを備える照光式キーシートでは、表面シートと目隠し層を同一部材とすることができる。このようにすれば、部材点数を増やさずに表面シートを備えることができ、簡単かつ低コストでベースシートを製造することができる。
さらに軟質樹脂フィルムを用いれば、キーシートの押圧操作による繰り返し変形に対しても、破損や切れ難くすることができるのでベースシートの耐久性を高めることができる。
また、導光シートに表面シートと熱圧着が可能な樹脂フィルムを用いることができる。導光シートに表面シートと熱圧着が可能な樹脂フィルムを用いれば、表面シートと導光シートを容易に圧着して一体化することができる。さらに、表面シートに対して予め目隠し層や表示層を印刷形成することができ、導光シートに表面シートとの圧着と同時に目隠し層や表示層を形成することができる。なお、目隠し層をホットメルト接着が可能な樹脂で形成すれば、導光シートに対して表面シートを圧着するために別途接着層を設ける必要がなく、簡単かつ低コストでベースシートを製造することができる。
さらに裏面被覆部が、スリット内を埋める中実の貫入突起を端面被覆部として有するものとすることができる。このようにすれば、貫入突起によって導光シートにおけるスリット内の端面を覆うことができ、スリットの端面から光漏れし難くすることができる。そして、貫入突起は隣り合う照光領域同士のスリット内を埋めているため、貫入突起が確実に光を減衰して、一の照光領域から他の照光領域への光の漏出を抑えることができる。
導光シートの裏面に対して直接遮光印刷層を設ける場合は、導光シートと遮光印刷層との界面を平滑面にすることが好ましい。平滑面に当たった光は反射率が高いため、導光シートの内部を伝わる光を導光シートから漏れ難くすることができ、遮光印刷層へ入射する光を少なくして導光シートの導光効率を高めることができるからである。
さらに、前述した表面シートと架橋部とを組み合わせれば、導光シートの耐久性を高めることができ、高耐久なベースシートを実現することができる。
透明樹脂層を設けた照光式キーシートについては、透明樹脂層の裏面にさらに遮光印刷層を設けることができる。このようにすれば、電子機器内で乱反射した光を導光シートの裏面側から入射し難くすることができ、導光シートの厚み方向に透過した光による照光不要な照光領域の照光や光漏れを起き難くすることができる。そして、導光シートと遮光印刷層との間に透明樹脂層を介するので、導光シートを伝わる光の大部分は導光シートと透明樹脂層との界面で反射し、遮光印刷層へ入射する光を低減することができる。よって導光シートの裏面側に遮光印刷層を設けても導光する光の減衰を少なくすることができ、照光領域を比較的均一に明るく照光することができる。
さらに導光シートに光を散乱する拡散層を設け、この拡散層で反射した光によって照光領域を照光させれば、照光むらを低減することができる。
さらに、スリットにおける操作面側の少なくとも開口縁を目隠し層で覆ってスリットの端面から放射された光を操作面側に漏れ難くしているため、照光領域どうしの境界から光を漏れ難くすることができる。またさらにスリットを覆う補強部を設けているため、押圧操作の際にスリット周辺に集中する押圧力を補強部に分散することができ、スリット周辺が無理な変形を起こし難くすることができる。よってスリットにおける導光シートの端面とその端面に固着する目隠し層との剥離を起こり難くしてベースシートの耐久性を高めることができ、繰り返される押圧操作でもスリットの端面から光漏れを起こすようなことがなく、高耐久な照光式キーシートを実現することができる。
第1実施形態の照光式キーシート11を図1、図2に示す。図1は照光式キーシート11の平面図であり、図2は照光式キーシート11のSA-SA線断面図である。本実施形態の照光式キーシート11は、キートップ10とベースシート12とを備えている。そしてベースシート12は、表面シート13、目隠し層14、導光シート15、拡散層16、透明樹脂層17、遮光印刷層18、裏面被覆部19を備えている。
表示層1は、例えば、表示要素の背景を遮光性にして表示要素を透光性とし、表示要素が照光する構成に形成したり、表示要素の背景を透光性として表示要素を遮光性にし、表示要素の周囲が照光する構成に形成することができる。
接着層2の材質は、キートップ10をベースシート12に接着する接着剤を用いることができるが、ベースシート12を透過した光が表示層1を照光するように、透光性の接着剤を用いる必要がある。例えば、紫外線硬化型接着剤、透光性ホットメルト接着剤などが挙げられる。また、接着層2は、導光シート15より低屈折率の樹脂を用いることが好ましい。そのようにすれば、接着層2と導光シート15との界面において、導光シート15内を導光する光を導光シート15内に反射することができ、導光効率を高めることができる。後述の拡散層16でキートップ10側に拡散反射された光については、界面に鈍角に入射するため、ほとんど反射することがない。
なお、本実施形態では、表示層1をキートップ10の裏面に設けているが、キートップ10の天面に設けたり、後述する表面シート13に設けることもできる。
また、この導光シート15においてキートップ10を備える側の面、即ち操作面側には表面シート13が設けられている。表面シート13と接する表面は、平坦な平滑面4とされている。ここで、「平坦」とは起伏が無く平らなことをいい、「平滑」とはシボや艶消しなどのように視認できる微視的な凹凸が無く滑らかなことをいう。このような平滑面4は、鏡面加工した表面、あるいは鏡面加工したロールや金型の転写面によって形成される。導光シート15と表面シート13との接触面を平滑面4とすれば、導光シート15と表面シート13との接触面で、導光シート15内を導光する光を効率よく反射させることができ、導光シート15における光の入射位置から離れている位置まで光を伝え易くすることができる。よって導光シート15の導光効率を高めることができ、照光領域を比較的均一に明るく照光することができる。
導光シート15には、透明な樹脂フィルムを利用することができ、透明性の高い熱可塑性樹脂フィルムを用いることが好ましい。例えば、ポリオレフィン系樹脂、ビニル系樹脂、アクリル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリエーテル系樹脂、アセテート系樹脂、スチレン系熱可塑性エラストマー、オレフィン系熱可塑性エラストマー、ウレタン系熱可塑性エラストマー、エステル系熱可塑性エラストマー、塩化ビニル系熱可塑性エラストマー、アミド系熱可塑性エラストマー、フッ素系熱可塑性エラストマー、アクリル系熱可塑性エラストマーなどの樹脂フィルムが挙げられる。なかでも可視光領域に波長の吸収領域がなく高透明性のポリカーボネート樹脂、アクリル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ウレタン系熱可塑性エラストマー、アクリル系熱可塑性エラストマーの樹脂フィルムを用いることが好ましい。
表面シート13の厚さは、20μm~200μmとすることができる。厚さが20μmより薄いと、強度が弱くて破れ易くなり、目隠し層14や導光シート15を保護し難くなるおそれがある。厚さが200μmより厚いと、変形応力が大きくて押圧荷重が高くなったり、ベースシート12が厚くなってしまう。これらより本実施形態の厚さは50μmである。
目隠し層14は、スリット15aの少なくとも開口縁15bを覆うものとしているが、開口全部を覆い、かつその幅方向の長さを、導光シート15の厚さの3倍以上で形成することが好ましい。こうすることでスリット15の開口からの光漏れを充分に防ぐことができる。例えば、厚さが100μmの導光シート15であれば、スリット15aの開口全部を覆い、その広がりが300μm以上に形成する。導光シート15が薄肉の場合には、導光シート15の厚みの3倍の長さがそれほど長くならないため、位置ズレを考慮すると、できるだけ長く形成することが好ましい。
目隠し層14の材質については、遮光性が可能なものを使用できる。そして表面シート13へ目隠し層14を設けてから導光シート15と一体にする場合には、表面シート13への印刷形成が可能なものを用いる。また、導光シート15と固着するため、導光シート15に対して接着性を有するホットメルト接着剤を用いることもできる。
なお、本実施形態では目隠し層14を表面シート13の裏面に設けているが、表面シート13の操作面側に設けることもできる。但し、スリット15aの端面から放射された光が表面シート13に入射して表面シート13内を伝わるおそれがあるため、本実施形態の構成が好ましい。
拡散層16に用いる樹脂の材質は、導光シート15に印刷形成が可能な樹脂を用いることができる。例えば、樹脂としては、ポリオレフィン系樹脂、ビニル系樹脂、アクリル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリエーテル系樹脂、アセテート系樹脂、エポキシ系樹脂、シリコーン系樹脂、アルキド樹脂などが挙げられる。これらの樹脂の中でも、インキ化が容易なビニル系樹脂、アクリル系樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、エポキシ系樹脂、シリコーン系樹脂、アルキド樹脂を用いることが好ましい。そして、高屈折率の充填材、光反射率の高い充填材には、例えば、酸化チタンが挙げられる。この充填材は、配合量を調整して輝度を調整することができる。例えば、光の入射位置に近い拡散層16は配合量を少なくして、光の入射位置から遠い拡散層16は配合量を増やし、各拡散層16を均一な輝度にすることができる。また、拡散層16の厚みで輝度を調整しても良い。拡散層16を導光シート15の裏面に印刷形成する際に、そのインキに含まれる溶剤で導光シート15の固着面を粗面5にすることが好ましい。例えば、ポリカーボネート樹脂フィルムでなる導光シート15に対しては、芳香族系、ケトン系、エステル系などの溶剤を含むインキを用いれば、導光シート15の固着面を粗面5とすることができる。このように粗面5とすれば、平滑面4に比べて導光シート15を伝わる光をキートップ10方向へ反射し易くすることができる。
このような透明樹脂層17の厚さは5μm~200μmとすることができる。厚さが5μmより薄いと、導光シートと透明樹脂層の間の界面が平滑面となるように透明樹脂層を設けても、遮光印刷層を塗布したときに、透明樹脂層の厚みが薄いため、透明樹脂層を介して導光シートを浸食してしまい、平滑な反射面を形成できないおそれがある。また、透明樹脂層を通じて拡散層の裏面側や拡散層の側面から入射する光も、表示層側へ拡散されるため、確実に拡散層を覆う透明樹脂層を設ければ輝度を向上させることができる。さらに厚さが5μmより薄いと、拡散層16を確実に覆うことができないおそれがあり、拡散層16からキートップ10側へ反射する光が減少するおそれがある。厚さが200μmより厚いと、変形応力が大きくて押圧荷重が高くなったり、ベースシート12が厚くなってしまう。さらに好ましい厚みは5μm~30μmである。これらより本実施形態の厚さは10μmである。
なお、本実施形態では透明樹脂層17を導光シート15の裏面にのみ設けているが、導光シート15の操作面にも設けることができる。また、後述する非浸食性塗液を塗布した遮光印刷層であれば、透明樹脂層17を省いて後述の遮光印刷層18を導光シート15の裏面に設けることができる。
このような遮光印刷層18の厚さは5μm~50μmとすることができる。厚さが5μmより薄いと、光を遮断する効果が低下するおそれがある。厚さが50μmより厚いと、遮光効果は変わらずにベースシート12が厚くなってしまう。これらより本実施形態の厚さは5μmである。
遮光印刷層18の材質は、透明樹脂層17を溶かしたり膨潤させることのない透明樹脂層17に対する非浸食性塗液を用いることが好ましい。このような材質については、透明樹脂層17の説明した考え方と同様の観点から選択すれば良く、具体的には、無溶剤の紫外線硬化型、EB硬化型などの活性エネルギー線硬化型樹脂や硬化型樹脂、水系やアルコール系などの非浸食性の溶剤を含有する硬化型樹脂などであり、例えば、紫外線硬化型ウレタンアクリレート系インキ、無溶剤の熱硬化型ウレタン系インキなどが挙げられる。しかし紫外線硬化型インキは、紫外線を受けて硬化するため、遮光印刷層に含まれている染料や顔料が紫外線を吸収してしまい、充分な硬化反応が起きないおそれがある。そのため、熱硬化型のウレタン系インキやEB硬化型ウレタン系インキが好ましい。このような非浸食性塗液を用いることで、透明樹脂層17と遮光印刷層18の界面を平滑面4として形成することができる。このような平滑面4は、ベースシート12の断面を観察したときに、観察している断面とは反対側の断面から入射した光を明るく反射する様子が観察できる。一方、遮光印刷層18が浸食性塗液で形成され粗面を形成している場合には、艶消しがかったように全体が暗く拡散反射する様子が観察できる。
なお、遮光印刷層18は、塗装による遮光塗装層、蒸着による遮光蒸着層など、他の方法で形成した遮光性の層と置き換えることができる。
先ず、導光シート15より大きな1枚の樹脂フィルムを準備する。そしてこの樹脂フィルムの片面(裏面)に拡散層16を印刷形成した後に、この拡散層16を覆うようにして透明樹脂層17を印刷形成する。さらに透明樹脂層17に遮光印刷層18を印刷形成した後に、レーザーカットや抜き型を用い、樹脂フィルムを透明樹脂層17や遮光印刷層18と共に抜き加工して、スリット15aを設け、拡散層16、透明樹脂層17、遮光印刷層18を順次積層し、6つの照光領域を含む導光シート15が形成された樹脂フィルムを得た。このとき、導光シート15となる領域はスリット15aにより照光領域が分断されているが、樹脂フィルムにおけるベースシート12の外周より外側の部分で6つの照光領域が連結されている。
次に、射出成形して得たキートップ10の裏面に表示層1を印刷形成し、さらにホットメルト接着剤でなる接着層2を順次印刷形成する。
最後に、キートップ10の接着層2をベースシート12の操作面側に対向させて、熱圧着で固着し、照光式キーシート11を得ることができる。
照光式キーシート11によれば、導光シート15は照光領域がスリット15aにより6つに区画されているため、一の照光領域から他の照光領域への光を漏出し難くすることができる。よって図1で示すように、照光式キーシート11の外周位置に各々の照光領域に対し個別の内部光源(LED)3から光を導入して照光すれば、各々の照光領域を独立して照光制御することができる。
さらに、スリット15aにおける操作面側の開口を目隠し層14で覆ってスリット15aの端面から放射された光を操作面側に漏れ難くしているため、照光領域どうしの境界から光を漏れ難くすることができる。また従来技術のように、スリットに遮光性の樹脂で充填してその端面を隠し遮光しているのと異なり、繰り返される押圧操作でスリット15aの端面が露出して光漏れを起こすようなことがなく、光漏れに対して高い耐久性を発揮することができる。
また、表面シート13が導光シート15における操作面側の全面を覆っているため、導光シート15を傷付け難くすることができ、導光シート15の傷付きに起因する導光効率の低下を起こり難くすることができる。
また、導光シート15に表面シート13と熱圧着が可能な樹脂フィルムを用いているため、表面シート13と導光シート15を容易に圧着して一体化することができる。さらに、表面シート13に対して予め目隠し層14を印刷形成することができ、導光シート15に表面シート13との圧着と同時に目隠し層14を形成することができる。なお、目隠し層14をホットメルト接着が可能な樹脂で形成すれば、導光シート15に対して表面シート13を圧着するために別途接着層を設ける必要がなく、簡単かつ低コストでベースシート12を製造することができる。
さらに軟質樹脂フィルムを用いれば、押圧操作による繰り返し変形に対しても、破損や切れ難くすることができるのでベースシート12の耐久性を高めることができる。
また、導光シート15と裏面被覆部19との間に遮光印刷層18を設けるため、遮光印刷層18を傷付け難くすることができ、遮光印刷層18の破損箇所に発生する光漏れを起こし難くすることができる。
透明樹脂層17の裏面にさらに遮光印刷層18を設けるため、電子機器内で乱反射した光を導光シート15の裏面側から入射し難くすることができ、導光シート15の厚み方向に透過した光による照光不要な照光領域の照光や光漏れを起き難くすることができる。そして、導光シート15と遮光印刷層18との間に透明樹脂層17を介するので、導光シート15を伝わる光の大部分は導光シート15と透明樹脂層17との界面で反射し、遮光印刷層18へ入射する光を低減することができる。よって導光シート15の裏面側に遮光印刷層18を設けても導光する光の減衰を少なくすることができ、照光領域を比較的均一に明るく照光することができる。
表面シート13を導光シート15より屈折率の低い樹脂で形成すれば、導光シート15の内部に伝わる光を、導光シート15と表面シート13との界面で効率よく全反射させることができ、導光シート15の導光効率を高めることができる。よって照光領域を明るく照光することができる。
第2実施形態の照光式キーシート21を図3に示す。図3は照光式キーシート21の断面図である。本実施形態の照光式キーシート21は第1実施形態の照光式キーシート11と異なり、ベースシート22は裏面被覆部19を遮光性として遮光印刷層を備えていない。その他の構成は、照光式キーシート11と同じである。
第3実施形態の照光式キーシート31を図4に示す。図4は照光式キーシート31の断面図である。本実施形態の照光式キーシート31は第1実施形態の照光式キーシート11と異なり、ベースシート32は透明樹脂層と遮光印刷層と裏面被覆部が無く、押し子体39を備えている。その他の構成は、照光式キーシート11と同じである。
第4実施形態の照光式キーシート41を図5、図6に示す。図5は照光式キーシート41の平面図であり、図6は照光式キーシート41のSB-SB線断面図である。本実施形態の照光式キーシート41が第1実施形態の照光式キーシート11と異なるのは、ベースシート42における表面シート43と目隠し層44の構成、および裏面被覆部が無く押し子体39を備えている点である。その他の構成は、照光式キーシート11と同じである。
また、表面シート43が導光シート15を繋いで覆っているため、スリット周辺は無理な変形を起こし難くすることができる。よってスリットにおける導光シート15の端面15aと、その端面15aに固着する目隠し層44との剥離を起こり難くしてベースシート42の耐久性を高めることができる。
第4実施形態の照光式キーシート41では、表面シート43がスリット15a内に大きく入り込み目隠し層44がその端面の略全面に固着しているが、変形例1では表面シート43と目隠し層44がスリット15aの端面に追従してスリット15a内に浅く入り込み、スリット15aの端面の略半面に目隠し層44が固着している。そのため、目隠し層44は、導光シート15の端面を覆う端面被覆部にもなっている。
このようにしても、照光領域どうしの境界から操作面側への光漏れを起き難くすることができる。そしてスリット15aの端面の略半面に目隠し層44が固着しているため、スリット15aの端面からの光の放射を半減することができ、一の照光領域から他の照光領域への光を漏出し難くすることができる。
第4実施形態の照光式キーシート41では、表面シート43がスリット15a内に大きく入り込み目隠し層44がその端面の略全面に固着しているが、変形例2では表面シート43と目隠し層44がスリット15a内に入り込まず、スリット15aの端面に目隠し層44が略固着していない。
このようにしても、照光領域どうしの境界から操作面側への光漏れを起き難くすることができる。
第5実施形態の照光式キーシート51を図9に示す。図9は照光式キーシート51の断面図である。本実施形態の照光式キーシート51が第4実施形態の照光式キーシート41と異なるのは、遮光印刷層58の構成、および裏面被覆部59を備えている点である。その他の構成は、照光式キーシート41と同じである。
遮光印刷層58の材質には、ホットメルト接着剤を用いることが好ましい。
裏面被覆部59の材質は、柔軟で可撓性のある軟質樹脂フィルムを用いることが好ましい。例えば、ポリアミド樹脂フィルム、ポリウレタン樹脂フィルムなどが挙げられる。
また、導光シート15を両面から覆うため、導光シート15の傷付きに起因する導光効率の低下を確実に抑制することができる。
さらに、導光シート15と裏面被覆部59との間に遮光印刷層58を設けているため、遮光印刷層58を傷付け難くすることができ、遮光印刷層58の破損箇所に発生する光漏れを起こし難くすることができる。そして、ホットメルト接着でなる遮光印刷層58を印刷形成したため、導光シート15に対して熱圧着で固着することができ、別途接着層を設ける必要がなく、簡単かつ低コストでベースシート52を製造することができる。
また、表面シート43と裏面被覆部59とを樹脂フィルムで形成するため、表面シート43と裏面被覆部59とが同程度の強度を有することができる。また、表面シート42と裏面被覆部59を同じ樹脂フィルムで形成すれば、両面から均一に導光シート15と一体化できるため、導光シート15と線膨張率が離れた樹脂フィルムを用いても、ベースシート52が温度変化により反ってしまったりすることがなく、広範な用途に用いることができる照光式キーシートを得ることができる。
第6実施形態の照光式キーシート61を図10に示す。図10は照光式キーシート61の断面図である。本実施形態の照光式キーシート61が第4実施形態の照光式キーシート41と異なるのは、ベースシート42の裏面側に「裏面被覆部」としての補強フレーム69を備えてベースシート62を構成している点である。その他の構成は、照光式キーシート41と同じである。
補強フレーム69の材質は、剛性の高いものを用いる。例えば、硬質樹脂、金属薄板などが挙げられる。硬質樹脂としては、ポリカーボネート樹脂、ポリメチルメタクリレート樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリアクリル系共重合樹脂、ポリオレフィン系樹脂、アクリロニトリルブタジエンスチレン樹脂、ポリエステル系樹脂、エポキシ系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂などを含むポリアミド樹脂、シリコーン系樹脂、メラミン樹脂などのアミノ樹脂、アリル樹脂、フラン樹脂、フェノール系樹脂、フッ素樹脂、ポリアリレート樹脂、ポリアリルスルホン樹脂、ポリエーテルスルホン樹脂、ポリフェニレンエーテル樹脂、ポリフェニレンスルフィド樹脂、ポリスルホン樹脂などが挙げられる。金属薄板としては、スレテンレス、銅、真鍮などが挙げられる。
なお、補強フレーム69は、照光領域を区分するスリット15aの全ての裏面側を覆う必要はなく、ベースシート42の耐久性を高め、歪みを規制する効果を奏する範囲でスリット15aの一部を覆うものであっても良い。またキートップ10群の外周に形成したように、スリット15a以外の部分にも形成することができる。
また、スリット15aの形状を維持できることから、スリット15aの端面に固着する目隠し層44をスリット15aの端面から剥がれ難くすることができ、ベースシート62の耐久性をより高めることができる。また、スリット15aの端面から光漏れし難くすることができ、一の照光領域から他の照光領域への光の漏出を確実に抑えることができる。
さらに、補強フレーム69は照光領域を区画するスリット15aの位置に設けられているため、キートップ10の投影位置には無く、押圧荷重の上昇を少なくすることができ、良好な押圧操作感を維持することができる。
第6実施形態の変形例1としての照光式キーシート61’を図11に示す。前記補強フレームは、スリット内に配置することができ、例えば、照光式キーシート61’は、スリット15a内に補強フレーム69’を備えている。
照光式キーシート61’の製造は次のように行うことができる。
導光シート15より大きな樹脂フィルムに、拡散層16、透明樹脂層17、遮光印刷層18をこの順に印刷形成する。そして、紫外線硬化型樹脂で押し子体39を形成した後、レーザーカットや抜き型を用いてスリット15aを設け、6つの照光領域が形成された樹脂フィルムを得る。一方、軟質樹脂フィルムでなる表面シート13に目隠し層14を印刷形成する。また、格子形状に型抜きした補強フレーム69’を用意しておく。それから、前記表面シート13に前記樹脂フィルムと補強フレーム69’を対向し、熱圧着して一体化して複層シートを得る。これをベースシートの大きさに抜き加工して、ベースシート62’を得る。最後に、他の実施形態と同様にキートップ10をベースシート62’に固着して照光式キーシート61’を得る。
また、補強フレーム69’を遮光性の材質とすれば、スリット15aの端面から光漏れし難くすることができ、一の照光領域から他の照光領域への光の漏出を確実に抑えることができる。
さらに、補強フレーム69’を金属など反射率の高い材質とすれば、スリット15aを通じて一の照光領域から漏出する光を補強フレーム69が反射して一の照光領域内に戻すことができる。このことから、スリット15aからの光の漏出による輝度の低下を抑制して、照光の輝度を向上させることができる。
こうした補強フレーム69’は、導光シート15と厚み方向で重なる位置に配置されるため、照光式キーシート61’が厚くなること防ぐことができ、補強フレーム69’を有しながら薄型の照光式キーシート61’を実現することができる。
第7実施形態の照光式キーシート71を図12に示す。図12は照光式キーシート71の断面図である。本実施形態の照光式キーシート71が第4実施形態の照光式キーシート41と異なるのは、ベースシート72における導光シート75の構成、および、拡散層、透明樹脂層、遮光印刷層を備えずに樹脂シート79を備える点である。その他の構成は、照光式キーシート41と同じである。
なお、変形例として拡散面に透明樹脂層を積層することができる。この場合、導光シート75と透明樹脂層との屈折率の差は0.1以上とすることが好ましい。屈折率が0.1より小さいと、反射の臨界角が小さくなり、凹凸面での光の反射効率が低くなって明るく照光させることができないおそれがある。
導光シート75の裏面に空隙75cを設けるため、導光シート75の裏面では導光シート75内を導光する光を効率よく反射させることができ、導光シート75における光の入射位置から離れている位置まで光を伝え易くすることができる。よって導光シート75の導光効率を高めることができ、照光領域を比較的均一に明るく照光することができる。
第8実施形態の照光式キーシート81を図13に示す。図13は照光式キーシート81の断面図である。本実施形態の照光式キーシート81が第2実施形態の照光式キーシート21と異なるのは、ベースシート82において表面シートを備えていない点である。その他の構成は、照光式キーシート21と同じである。
第9実施形態の照光式キーシート91を図14に示す。図14は照光式キーシート91の断面図である。本実施形態の照光式キーシート91が第8実施形態の照光式キーシート81と異なるのは、ベースシート92における目隠し層94の構成である。その他の構成は、照光式キーシート81と同じである。
本実施形態における目隠し層94は、導光シート15におけるスリット15aの開口全体を覆わずに、スリット15aの開口縁15bを覆っている。そのため、目隠し層94の間に裏面被覆部19の貫入突起19aが視認できる。
照光式キーシート31では、ベースシート32の外周位置から導光シート15の側面に対してLEDの光を入射する例を示したが、変形例1の照光式キーシート111ではベースシート112における6つの導光シート15ごとにその裏面に対して受光部115を設けている。
このような受光部115を備えれば、周囲を他の導光シートで囲まれている導光シートに対しても、LEDからの光を導入することができ、ベースシートの外周に面してない照光領域を構成することができる。
照光式キーシート31では、ベースシート32における6つの導光シート15がスリット15aによって完全に分割される例を示したが、変形例2の照光式キーシート121では、ベースシート122における6区画の導光シート125にスリット125aを渡って隣接する導光シート125どうしを繋ぐ架橋部125eが設けられている。
このようにすれば、6つの照光領域を形成する導光シート125を一体化することができ、導光シート125を取扱い易くしてベースシート122を簡単に製造することができる。また架橋部125eによってスリット125a間の寸法を正確に維持し易くすることができ、寸法安定性に優れるベースシート122を製造することができる。
照光式キーシート31では、キートップ10の裏面に表示層1を設ける例を示したが、変形例3では、表示層1を省いて導光シートに設けた拡散層を表示要素に形成することができる。
導光効率の高い実施形態やその変形例を変形例3のようにすれば、表示要素が明るく光る新たなデザインを実現することができる。
各実施形態では、射出成形で作製したキートップを用いた例を示したが、硬化型樹脂を用いてベースシートに直接キートップを形成してもよい。キートップには透光性の樹脂を用いることができ、キートップの裏面側に表示部を設ける場合には透明度の高い樹脂を用いることが好ましい。キートップの材質は、透明性を除けば、第1実施形態の裏面被覆部19の材質と同様の樹脂材料を用いることができ、特に紫外線硬化型の液状樹脂を用いることが好ましい。また、キートップに用いる樹脂はゴム弾性を有していてもよく、具体的には、JIS K6253のゴム硬さがA50~D70の材料を用いることができる。ゴム硬さがD70より硬いと、薄型のキートップを形成したときに、硬質である反面、押圧操作で割れやすくなってしまい、耐久性が低くなるおそれがある。一方、硬さがA50より柔らかいと、押圧操作の際にキートップが撓み易くなることからクリック感が正確に伝わり難くなり、押圧操作性が低下するおそれがある。
拡散層を表示要素、遮光印刷層を表示要素の背景して形成しても良い。このようにすれば、別途キートップに表示部を設ける必要がない。また、拡散層が表示要素であることから、導光シート内を導光する光を直接表示要素として反射することができる。そのため拡散層で反射した光で表示部を照らす構成と比較して照光のロスが少なく、表示要素を明るく照光することができる。
キートップを省略して平坦な照光式キーシートとしても良い。例えば、第1実施形態から第3実施形態の照光式キーシートはベースシートが表面は平坦な表面シートで形成されている。このような構成であれば、キートップを省略しても、平坦な照光式キーシートとすることができる。また、目隠し部と遮光印刷層を同色とすれば、照光領域の区画が外観に現れることを防ぐことができ、デザイン性を高めることができる。また、このような構成において、前述の変形例5のような表示部を形成することが好ましい。
例えば、第6実施形態の照光式キーシート61は裏面被覆部としての補強フレーム69を備えるが、例えば補強フレームのさらに裏面側に対して、第1実施形態の裏面被覆部19ように液状樹脂で覆い、補強フレームと樹脂層による裏面被覆部を形成しても良い。また、前述の液状樹脂を、第5実施形態の裏面被覆部59のような樹脂フィルムに変更して、補強フレームと樹脂フィルムによる裏面被覆部とすることもできる。このようにすれば、各実施形態の特徴的な効果を同時に発揮させることができる。
また、第6実施形態の変形例1の照光式キーシート61’についても同様にすることができる。例えば、第1実施形態のような裏面被覆部を設けることで、スリット15aと補強フレーム69’の隙間を埋めることができる。こうした構成であれば、金属フレームと導光シートの端面の間に空気層がある場合と比較して、補強フレームの反射効率を高めることができ、さらに輝度を高めることができる。
2 接着層
3 LED(内部光源)
4 平滑面
5 粗面
10 キートップ(押圧操作部)
11 照光式キーシート(第1実施形態)
12 ベースシート
13 表面シート
14 目隠し層
15 導光シート
15a スリット
15b 開口縁(スリットの開口縁)
16 拡散層
17 透明樹脂層
18 遮光印刷層
19 裏面被覆部
19a 貫入突起(端面被覆部)
19b 押し子
21 照光式キーシート(第2実施形態)
22 ベースシート
31 照光式キーシート(第3実施形態)
32 ベースシート
39 押し子体
41 照光式キーシート(第4実施形態)
42 ベースシート
43 表面シート
44 目隠し層
51 照光式キーシート(第5実施形態)
52 ベースシート
58 遮光印刷層
58a 端面被覆部
59 裏面被覆部
61 照光式キーシート(第6実施形態)
62 ベースシート
69 補強フレーム(裏面被覆部)
61’ 照光式キーシート(第6実施形態の変形例)
62’ ベースシート
69’ 補強フレーム
71 照光式キーシート(第7実施形態)
72 ベースシート
75 導光シート
75a スリット
75b 開口縁
75c 空隙
75d 接着層
75e 拡散面
79 樹脂シート
81 照光式キーシート(第8実施形態)
82 ベースシート
91 照光式キーシート(第9実施形態)
92 ベースシート
94 目隠し層
111 照光式キーシート(各実施形態の変形例1)
112 ベースシート
115 受光部
115a 当接面
115b 収容凹部
115c 傾斜面
121 照光式キーシート(各実施形態の変形例2)
122 ベースシート
125 導光シート
125a スリット
125e 架橋部
Claims (18)
- 可撓性のベースシートに複数の押圧操作部を備える照光式キーシートにおいて、
ベースシートに、スリットとそのスリットにより区画された複数の照光領域を有する導光シートを備え、
該導光シートの操作面側の前記スリットの少なくとも開口縁を被覆してそのスリットから操作面側への光漏れを防止する目隠し層と、該導光シートに固着して該スリットを覆う補強部と、をベースシートに設けてなることを特徴とする照光式キーシート。 - ベースシートに、前記スリットを構成する導光シートの端面の少なくとも一部を覆う端面被覆部と、導光シートの操作面側とは反対の裏面側にその導光シートへの入光を遮る遮光印刷層と、を設ける請求項1記載の照光式キーシート。
- 補強部が導光シートの操作面側に固着する表面シートを含み、目隠し層が該表面シートに形成される請求項1または請求項2記載の照光式キーシート。
- 目隠し層が、前記スリットを構成する導光シートの端面の一部にまで伸長する請求項1~請求項3何れか1項記載の照光式キーシート。
- 補強部が導光シートの裏面側に固着する裏面被覆部を含む請求項1~請求項4何れか1項記載の照光式キーシート。
- 補強部が、導光シートの操作面側に固着する樹脂フィルムからなる表面シートと、導光シートの裏面側に固着する樹脂フィルムからなる裏面被覆部と、を含み、該表面シートと該裏面被覆部とがスリット内で固着する請求項1~請求項5何れか1項記載の照光式キーシート。
- 裏面被覆部が、導光シートの複数の照光領域に固着し、照光領域における裏面側の全面にまで伸長する請求項5または請求項6記載の照光式キーシート。
- 裏面被覆部が、ベースシートの歪みを抑制する補強フレームである請求項5記載の照光式キーシート。
- 裏面被覆部が、スリット内を埋める中実の貫入突起を端面被覆部として有する請求項5~請求項8何れか1項記載の照光式キーシート。
- 端面被覆部でスリットを構成する導光シートの端面の全面を覆う請求項2~請求項9何れか1項記載の照光式キーシート。
- 可撓性のベースシートに複数の押圧操作部を備える照光式キーシートにおいて、
ベースシートに、スリットとそのスリットにより区画された複数の照光領域を有する導光シートを備え、
導光シートの押圧操作部側である操作面側の前記スリットの少なくとも開口縁を被覆して該スリットから操作面側への光漏れを防止する目隠し層をベースシートに設けてなることを特徴とする照光式キーシート。 - ベースシートに、導光シートの操作面側にスリットを覆って複数の照光領域に固着する表面シートを有する請求項11記載の照光式キーシート。
- ベースシートに、前記スリットを構成する導光シートの端面の少なくとも一部を覆う端面被覆部を設ける請求項11または請求項12記載の照光式キーシート。
- ベースシートに、導光シートの操作面側とは反対の裏面側にその導光シートへの入光を遮る遮光印刷層を設ける請求項11~請求項13何れか1項記載の照光式キーシート。
- 導光シートに、スリット間を渡って導光シートどうしを繋ぐ架橋部を設ける請求項1~請求項14何れか1項記載の照光式キーシート。
- 導光シートの裏面に透明樹脂層を設け、導光シートと透明樹脂層との接触面が平滑面である請求項1~請求項15何れか1項記載の照光式キーシート。
- 透明樹脂層が導光シートより屈折率の低い樹脂でなる請求項16記載の照光式キーシート。
- 補強フィルムをスリット内に設ける請求項8記載の照光式キーシート。
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