以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、実施の形態を説明するための全図において、同一の部材には原則として同一の符号を付し、その繰り返しの説明は省略する。
以下の本実施の形態の説明においては、検体検査システムが複数検体の検査を遂行している状況において、複数検体の中から特定の検体(以下、特定検体と呼ぶ)を指定する優先処理要求を受け付けて、複数の処理状況を勘案しながら要求を遂行する検体検査方法について説明する。
特に、本実施の形態では、複数検体のそれぞれには優先度が割り振られており、検体検査システムでは、優先度に基づいて検査を遂行するものとし、また、診療室やレントゲン検査部門から要求をネットワーク経由で受け付けるものとして説明する。
図1は、本発明の一実施の形態に係る検体検査方法を実施する検体検査システムの構成要素とメッセージフローを示す図である。
図1において、検体検査システムは、検体検査装置群119と、検体検査装置管理サーバ101と、ローカル端末107と、検体アクセスシステム108とで構成される。
検体検査装置管理サーバ101と検体アクセスシステム108は、特定の検体に対する優先処理要求である特定検体優先処理要求110と、特定検体優先処理要求110に対する結果である結果111をメッセージ形式で送受信する。
また、検体検査装置群119と検体検査装置管理サーバ101は、検体の処理進捗である処理進捗117と、特定検体に対する優先処理の方針である特定検体優先処理方針118をメッセージ形式で送受信する。
さらに、検体検査装置管理サーバ101とローカル端末107は、特定検体優先処理要求110と処理進捗117に対する優先処理の方針を決定するための優先処理方針決定表114と、オペレータに対して介在を要求する介在要求115と、優先処理方針の補足である優先処理方針補足116をメッセージ形式で送受信する。
図2は、本発明の一実施の形態に係る検体検査方法を実施する検体検査システムのネットワーク構成を示す図である。
図2において、検体検査システムは、検体検査装置群119と、検体検査装置管理サーバ101と、ローカル端末107と、検体アクセスシステム108とをネットワーク経由で接続する。また、検体アクセスシステム108は、検体検査の登録依頼などを行うリモート端末206と、臨床検査の登録・結果などを管理する臨床検査部門サーバ208と、レントゲン検査部門のサーバである他部門サーバ207とをネットワーク209で接続して構成される。
また、検体検査装置群119は、試験管に格納された検体のストックと、試験管の栓を開ける開栓と、検体を複数の子検体に分ける分注などを行う前処理装置201と、検体の取り込みおよび送り出し、搬送を行う搬送路205と、子検体の分析を行う分析装置(202、203、204)をネットワーク211で接続して構成される。
臨床検査部門サーバ208と、検体検査装置管理サーバ101と、ローカル端末107は、ネットワーク210で接続して構成される。また、検体検査装置管理サーバ101と、前処理装置201と、分析装置(202、203、204)は、ネットワーク211で接続して構成される。
本実施の形態では、診察室のドクタがリモート端末206から特定検体に対する優先処理要求を依頼するものとする。また、レントゲン部門の検査技師が他部門サーバ207に接続される図に示していない端末から特定検体に対する優先処理要求を依頼するものとする。さらに、他部門サーバ207に格納されるプログラムが特定検体に対する優先処理要求を依頼するものとする。なお、リモート端末206と他部門サーバ207が連動することで、優先処理要求を依頼してもよい。
図5は、本発明の一実施の形態に係る検体検査方法を実施する検体検査システムの検体検査装置管理サーバのソフトウェア構成を示す図である。
図5において、検体検査装置管理サーバ101は、ネットワーク210を経由した通信を行う通信部505と、特定検体に対する要求を管理する要求管理部502と、特定検体に対する優先処理方針を管理する優先処理方針管理部501と、オペレータによる介在を管理する介在管理部504と、検体検査の処理状況などを管理する検体検査システム管理部506と、ネットワーク211を経由した通信を行う通信部507と、要求レベル-決定表対応表508、優先処理方針決定表格納表509を格納する方針管理DB503と、検体登録表511、検体別処理状況管理表512、優先度別処理状況管理表513を格納する検査管理メモリ510とから構成される。
図14は、本発明の一実施の形態に係る検体検査方法を実施する検体検査システムのローカル端末のソフトウェア構成を示す図である。
図14において、ローカル端末107は、ネットワーク210を経由した通信を行う通信部1401と、優先処理方針決定表を予め登録する優先処理方針決定表事前登録部1402と、優先処理方針の決定への介在を依頼する介在依頼部1403と、GUI部1404から構成される。
図3は、本発明の一実施の形態に係る検体検査方法を実施する検体検査システムの前処理装置の構成を示す図である。
図3において、前処理装置201は、制御部307と、前処理部(308、309、310、311)とから構成される。また、制御部307は、ネットワーク211を経由した通信を行う通信部302と、検体検査の進捗を管理する検査進捗管理部305と、優先制御の方針を受け付ける優先処理方針受付部303と、前処理部(308、309、310、311)、搬送路205を制御する検査制御ロジック部304と、保護条件格納表322などを備える検査管理メモリ306とから構成される。
前処理部(308、309、310、311)は、それぞれ、処理対象である検体を搬送路205へ送り出す送り出し部(314、316、318、320)と、搬送路205から検体を取り込む取り込み部(315、317、319、321)とから構成される。
ここで、前処理部308は、検体を並べて格納するためのストッカである。このため前処理部308には、並べられた検体の中から送り出すべき検体を送り出し部314へ配置するための機能と、取り込み部315の検体を並べて配置する機能とを備えるアーム313を備える。
前処理装置201の検査制御ロジック部304は、検体ID、優先度、検査項目IDに基づいて前処理部(308、309、310、311)と搬送路205を制御することで、検体に対する分注、搬送などの前処理を施す。
また、検査進捗管理部305は、前処理の進捗状況を前処理部(308、309、310、311)と搬送路205から収集して検査管理メモリ306に格納する。また、検査進捗管理部305は、所定のタイミングで検査管理メモリ306に格納された前処理の進捗状況を読み込み、通信部302とネットワーク211を経由して、検体検査装置管理サーバ101へ送信する。
図13は、本発明の一実施の形態に係る検体検査方法を実施する検体検査システムの分析装置の構成を示す図である。
図13において、分析装置(202、203、204)は、それぞれ、制御部(1304、1305、1306)と、分析部(1325、1326、1327)をネットワーク(1322、1323、1324)経由で接続して構成される。
制御部(1304、1305、1306)は、ネットワーク211を経由した通信を行う通信部(1307、1308、1309)と、検体検査の進捗を管理する検査進捗管理部(1310、1311、1312)と、優先処理方針を受け付ける優先処理方針受付部(1316、1317、1318)と、分析部(1325、1326、1327)を制御する検査制御ロジック部(1319、1320、1321)と、保護条件格納表(1334、1335、1336)などを備える検査管理メモリ(1313、1314、1315)とから構成される。
分析部(1325、1326、1327)は、それぞれ、処理対象である検体を搬送路205へ送り出す送り出し部(1328、1329、1330)と、搬送路205から検体を取り込む取り込み部(1331、1332、1333)とから構成される。
分析装置(202、203、204)の検査制御ロジック部(1319、1320、1321)は、それぞれ、検体検査装置管理サーバ101から送信される検体IDと子検体IDと優先度と検査項目IDに基づいて、分析部(1325、1326、1327)を制御することで子検体を分析する。
また、検査進捗管理部(1310、1311、1312)は、それぞれ、分析の進捗状況を分析部(1325、1326、1327)から収集して検査管理メモリ(1313、1314、1315)に格納する。
また、検査進捗管理部(1310、1311、1312)は、所定のタイミングで検査管理メモリ(1313、1314、1315)に格納された分析の進捗状況を読み込み、通信部(1307、1308、1309)とネットワーク211を経由して、検体検査装置管理サーバ101へ送信する。
図7は、本発明の一実施の形態に係る検体検査方法を実施する検体検査システムの臨床検査部門サーバが保持する検体登録表の構造の一例を示す図である。
図7において、検体登録表は、患者ID701と、検体ID702と、優先度703と、指定終了時刻704と、検査項目ID705とから構成される。検体登録表は、例えば、リモート端末206からネットワーク209を経由して臨床検査部門サーバ208へ転送することで構成される。検体ID702は、血液と尿などの検査対象に割り当てられるIDである。血液と尿などのうちのいずれか一つを検査対象としてもよいし、複数を検査対象としてもよい。
本実施の形態では、指定終了時刻704は、入院患者の検体、または、外来採血用の検体といった検体種別に基づいて定められるものとする。例えば、患者ID701から上記検体種別を判定することができる。検体種別の判定は、ドクタなどによる判定であってもよいし、ソフトウェアプログラムによる判定であってもよい。また、指定終了時刻704を定めるために、上記判定において検査項目ID705なども勘案して判定するようにしてもよい。
図6は、本発明の一実施の形態に係る検体検査方法を実施する検体検査システムの検体検査装置管理サーバの検査管理メモリに格納するデータのデータ構造の一例を示す図であり、図6(a)は、検体登録表511のデータ構造である検体登録表データ構造、図6(b)は、検体別処理状況管理表512のデータ構造である検体別処理状況管理表データ構造、図6(c)は、優先度別処理状況管理表513のデータ構造である優先度別処理状況管理表データ構造を示している。
まず、図6(a)の検体登録表データ構造は、検体ID601と、子検体ID602と、優先度603と、指定終了時刻604とで構成される。
次に、図6(b)の検体別処理状況管理表データ構造は、検体ID605と、子検体ID606と、開始時刻607と、完了フラグ608とで構成される。
次に、図6(c)の優先度別処理状況管理表データ構造は、優先度1(609)と、優先度2(610)と、優先度3(611)と、優先度4(612)と、優先度5(613)と、優先度6(614)とから構成される。
以下、検査管理メモリ510に格納される検体登録表511と、検体別処理状況管理表512の作成手順に関して、一例を示す。
まず、臨床検査部門サーバ208が、ネットワーク210を経由して検体検査装置管理サーバ101へ、図7の検体登録表に示す検体IDと優先度と指定終了時刻と検査項目IDを送信する。
検体検査装置管理サーバ101は、検体ID、優先度、指定終了時刻、検査項目IDを受信し、検体ID、優先度、指定終了時刻を、それぞれ、検体登録表511の検体ID601、優先度603、指定終了時刻604に格納する。
次に、検体検査装置管理サーバ101がネットワーク211を経由して、前処理装置201へ、検体ID、優先度、検査項目IDを送信する。前処理装置201は、検体ID、優先度、検査項目IDに基づいて検体を子検体に分注する処理を施した後、検体IDと子検体IDのセットと開始時刻を検体検査装置管理サーバ101へ送信する。
検体検査装置管理サーバ101は、検体IDと子検体IDのセットと開始時刻を受信し、まず、子検体IDを検体登録表511の子検体ID602に格納する。
次に、検体ID、子検体ID、開始時刻を、それぞれ、検体別処理状況管理表512の検体ID605、子検体ID606、開始時刻607に格納する。
図8は、本発明の一実施の形態に係る検体検査方法を実施する検体検査システムの検体検査装置管理サーバの方針管理DBに格納するデータのデータ構造を示す図であり、図8(a)は、方針管理DB503に格納する要求レベル-決定表対応表508のデータ構造である要求レベル-決定表対応表データ構造、図8(b)は、優先処理方針決定表格納表509のデータ構造である優先処理方針決定表格納表データ構造を示している。
まず、図8(a)の要求レベル-決定表対応表データ構造は、優先処理要求レベル識別コード802と、優先処理方針決定表識別コード801とで構成される。
図8(b)の優先処理方針決定表格納表データ構造は、決定表識別コード806と、NONE805と、NO DELAY804と、DELAY803とから構成される。
図25は、本発明の一実施の形態に係る検体検査方法を実施する検体検査システムの検査管理メモリがそれぞれ備える保護条件格納表のデータ構造を示す図である。
図25において、検査管理メモリ(1313、1314、1315、306)がそれぞれ備える保護条件格納表(1334、1335、1336、322)には、各優先度(2501、2502、2503、2504、2505、2506)毎に保護フラグが格納される。
図15は、本発明の一実施の形態に係る検体検査方法を実施する検体検査システムの検体検査装置管理サーバ-検体アクセスシステム間のメッセージ構造を示す図であり、図15(a)は、特定検体優先処理要求110のメッセージ構造である特定検体優先処理要求メッセージ構造、図15(b)は、結果111のメッセージ構造である結果メッセージ構造を示している。
図15(a)の特定検体優先処理要求メッセージ構造は、メッセージ識別コード1501と、優先処理要求レベル識別コード1502と、特定検体ID1506とで構成される。
本実施の形態では、優先処理要求レベル識別コード1502は、要求者の属性と要求レベルで構成される。要求者とは、特定検体に対する優先処理を要求する診療担当のドクタである。または、レントゲン部門の検査担当者である。さらに、要求者は、必ずしも人である必要はなく、レントゲン部門に設置された他部門サーバ207であってもよい。要求レベルとは、前記要求者が想定する優先処理に対する要求のレベルを示し、具体的には、「一刻も早く」、「早めに」といった指標で指定される。
次に、図15(b)の結果メッセージ構造は、メッセージ識別コード1503と、結果識別コード1504と、付帯情報1505とで構成される。
図16は、本発明の一実施の形態に係る検体検査方法を実施する検体検査システムの検体検査装置管理サーバ-ローカル端末間のメッセージ構造を示す図であり、図16(a)は、介在要求115のメッセージ構造である介在要求メッセージ構造、図16(b)は、優先処理方針補足116のメッセージ構造である優先処理方針補足メッセージ構造を示している。
まず、図16(a)の介在要求メッセージ構造は、メッセージ識別コード1601と、特定検体ID1602と、子検体ID1603と、優先処理方針決定表データ1604、処理状況データ1605とで構成される。
次に、図16(b)の優先処理方針補足メッセージ構造は、メッセージ識別コード1601と、特定検体ID1607と、子検体ID1608と、保護条件1609とで構成される。
ここで、保護条件1609は、検体検査装置管理サーバ101による特定検体優先処理要求110の受付けに伴う処理と並行して進められる検体検査に対する保護の条件を示す。保護条件1609は、優先度と保護フラグをセットとして指定される。検体の保護を必要とする場合には、保護フラグに1が指定される。
また、検体の保護を必要としない場合には、保護フラグに0が指定される。例えば、優先度2の検体検査を保護する場合には、2と1が指定される。なお、保護条件は、指定されなくてもよい。
図17は、本発明の一実施の形態に係る検体検査方法を実施する検体検査システムの検体検査装置管理サーバ-検体検査装置群間のメッセージ構造を示す図であり、図17(a)は、処理進捗117のメッセージ構造である処理進捗メッセージ構造、図17(b)は、特定検体優先処理方針118のメッセージ構造である優先処理方針メッセージ構造を示している。
まず、図17(a)の処理進捗メッセージ構造は、メッセージ識別コード1701と、検体ID1702と、子検体ID1703と、処理進捗1704とで構成される。
次に、図17(b)の優先処理方針メッセージ構造は、メッセージ識別コード1705と、特定検体ID1706と、子検体ID1707と、保護条件1708とで構成される。なお、保護条件1708は、保護条件1609と同義である。
図18は、本発明の一実施の形態に係る検体検査方法におけるオペレータが特定検体優先処理方針決定表を登録する際のローカル端末の処理フローを示す図である。
まず、GUI部1404は、オペレータから特定検体優先処理方針決定表に関する登録要求を受け付けて、優先処理方針決定表事前登録部1402へ優先処理方針決定表登録要求を通知する。優先処理方針決定表事前登録部1402は、通信部1401を経由して図には示していない優先処理方針定表登録要求を検体検査装置管理サーバ101へ送信する(ステップ1801)。
次に、優先処理方針決定表事前登録部1402は、通信部1401を経由して、検体検査装置管理サーバ101から図には示していない応答を受信する(ステップ1802)。
次に、優先処理方針決定表事前登録部1402は、応答を判定する(ステップ1803)。ステップ1803において、優先処理方針決定表事前登録部1402が、応答を登録許可通知と判定した場合には、応答に添付される優先処理要求レベル識別コードを全て読み込む(ステップ1804)。
次に、優先処理方針決定表事前登録部1402は、優先処理要求レベル識別コードをGUI部1404経由で画面に表示し、GUI部1404を経由して優先処理方針決定表管理データを受け付ける(ステップ1805)。ここで、優先処理方針決定表管理データとは、登録対象である特定検体優先処理方針決定表に対応する優先処理要求レベル識別コードと優先処理方針決定表識別コードのセットである。
次に、優先処理方針決定表事前登録部1402は、優先処理要求レベル識別コードと優先処理方針決定表識別コードのセットに対応する特定検体優先処理方針決定表をGUI部1404経由で受け付ける(ステップ1806)。次に、決定表管理データと特定検体優先処理方針決定表を優先処理方針決定表114に添付して検体検査装置管理サーバ101へ送信し(ステップ1807)、本処理フローを終了する。
また、ステップ1803において、優先処理方針決定表事前登録部1402が、応答を全決定表登録通知と判定した場合には、GUI部1404を経由して全ての決定表が登録されていることを通知して(ステップ1808)、本処理フローを終了する。
図9は、本発明の一実施の形態に係る検体検査方法を実施する検体検査システムにおいて、オペレータがローカル端末に特定検体優先処理方針決定表を登録する際の画面イメージを示す図である。
本実施の形態では、ドクタと他部門サーバ207に対して特定検体優先処理方針決定を登録する。また、ドクタに対しては、要求レベルを2つ想定し、それぞれ、「一刻も早く」と「早めに」に対して特定検体優先処理方針決定表を登録する。また、他部門サーバに対しては、要求レベルを1つ想定し、「一刻も早く」に対して特定検体優先処理方針決定表を登録する。これらの想定に基づいて、オペレータは、図9(a)に示すドクタ/一刻も早くと、図9(b)に示すドクタ/早めにと、図9(c)に示す他部門サーバ/一刻も早くを作成する。
処理状況(901、903、905)は、優先度(902、904、906)毎に集計した検体検査の処理状況である。
本実施の形態では、処理状況をDELAY、NO DELAY、NONEの3段階で集計するものとする。介在領域(908、913、911、916)は、特定検体に対する優先処理要求に対して、オペレータによる介在で解決することを示す。拒絶領域912は、特定検体に対する優先処理要求に対して、拒絶することで解決することを示す。
受け入れ領域(907、910、917)は、特定検体に対する優先処理要求に対して、受け入れることで解決することを示す。また、受け入れ領域(907、910、917)に属する保護領域(909、914、915、918)は、特定検体に対する優先処理要求と並行して進められる検体の検査を保護しながら受け入れることで解決することを示す。
図10は、本発明の一実施の形態に係る検体検査方法におけるオペレータが特定検体優先処理方針決定表を登録する際の検体検査装置管理サーバの処理フローを示す図である。
まず、優先処理方針管理部501は、通信部505を経由して、ローカル端末107から特定検体優先処理方針決定表の登録に関する要求を受け付ける(ステップ1001)。
次に、優先処理方針管理部501は、方針管理DB503の要求レベル-決定表対応表508を参照することで、全ての特定検体優先処理方針決定表が登録されているか否かを判定する(ステップ1002)。
次に、優先処理方針管理部501は、ステップ1002において、全ての特定検体優先処理方針決定表が登録されてはいないと判定した場合には、方針管理DB503の要求レベル-決定表対応表508から登録されていない特定検体優先処理方針決定表に対応する優先処理要求レベル識別コード802を読み込んで、通信部505を経由してローカル端末107へ送信する(ステップ1003)。
次に、優先処理方針管理部501は、ローカル端末107から決定表管理データと特定検体優先処理方針決定表を受信する(ステップ1004)。次に、優先処理方針管理部501は、前記決定表管理データと前記特定検体優先処理方針決定表を、それぞれ、要求レベル-決定表対応表508と優先処理方針決定表格納表509に格納して(ステップ1005)、本処理フローを終了する。
また、優先処理方針管理部501は、ステップ1002において、全ての特定検体優先処理方針決定表が登録されていると判定した場合には、ローカル端末107に全ての特定検体優先処理方針決定表を登録済みである通知を送信する(ステップ1008)。
図19は、本発明の一実施の形態に係る検体検査方法における検体アクセスシステムが、検体検査装置管理サーバへ特定検体優先処理要求を送信する処理フローを示す図である。
図19に示す処理フローは、リモート端末206と他部門サーバ207のどちらか一方、または、両者で実行される。
本実施の形態では、リモート端末206で本処理フローを実行する場合について示す。
まず、リモート端末206は、臨床検査部門サーバ208が保持する検体登録表をネットワーク209経由で取得して画面に表示した後、ドクタから要求者の属性と、要求レベルを受け付けて特定検体優先処理要求を作成する(ステップ1901)。
本実施の形態では、要求者の属性としては、ドクタの所属(例えば、診療部門など)を指定するものとするが、氏名、氏名コードなどを指定してもよい。
次に、リモート端末206は、特定検体優先処理要求110をネットワーク209と臨床検査部門サーバ208とネットワーク210を経由して、検体検査装置管理サーバ101へ送信する(ステップ1902)。次に、リモート端末209は、結果111を受信して(ステップ1903)画面に表示し、本処理フローを終了する。
図11は、本発明の一実施の形態に係る検体検査方法における特定検体優先処理要求を検体検査装置管理サーバが受け付ける際の処理フローを示す図である。
まず、通信部505は、ネットワーク210を経由してメッセージを受信し、メッセージに添付されたメッセージ識別コードを参照することで、メッセージが特定検体優先処理要求110であることを認識して、要求管理部502に特定検体優先処理要求110を通知する(ステップ1101)。
次に、要求管理部502は、特定検体優先処理要求110に添付された優先処理要求レベル識別コード1502と、要求レベル-決定表対応表508の優先処理要求レベル識別コード802に格納された内容を比較することで対応する特定検体優先処理方針決定表の有無を判定する(ステップ1102)。
ステップ1102において、要求管理部502が、対応する特定検体優先処理方針決定表が有ると判定した場合には、要求管理部502は、特定検体優先処理要求110に添付されている特定検体ID1506を読み込み、特定検体ID1506と、特定検体優先処理方針決定表の識別コードである優先処理方針決定表識別コード801とを優先処理方針管理部501に通知する。
優先処理方針管理部501は、前記優先処理方針決定表識別コード801に対応する特定検体優先処理方針決定表を優先処理方針決定表格納表509から読み込む(ステップ1103)。
次に、優先処理方針管理部501は、検体登録表511と検体別処理状況管理表512を参照することで優先度別処理状況管理表513を作成し、検査の処理状況を把握する(ステップ1104)。本実施の形態では、処理状況として、検体に割り当てられた優先度毎に、NONE、NOT DELAY、DELAYを把握するものとする。
次に、優先処理方針管理部501は、前記処理状況と、ステップ1103で選択済みの特定検体優先処理方針決定表に基づいて、受け入れ判定を実行する(ステップ1105)。
ステップ1105において、優先処理方針管理部501は、受け入れ判定の結果がACCEPTである場合には、特定検体優先処理方針決定表から保護条件を取得する(ステップ1106)。本実施の形態では、ステップ1106において、特定検体ID1506に対応する子検体ID602の優先度を6に設定するものとするが、他の優先度に設定してもよい。
次に、優先処理方針管理部501は、特定検体ID1506をキーとして検体登録表511から対応する子検体ID602を検索した後、検体IDと、子検体IDと、保護条件とに基づいて優先処理方針を作成し、検体検査システム管理部506と通信部507とネットワーク211を経由して特定検体優先処理方針118を検体検査装置群119へ送信する(ステップ1108)。
次に、優先処理方針管理部501は、検体検査装置群119から結果を受信し、ネットワーク210と臨床検査部門サーバ208経由で結果を送信して(ステップ1109)、本処理フローを終了する。
また、ステップ1102において、要求管理部502が、対応する特定検体優先処理方針決定表が無いと判定した場合には、ネットワーク210と臨床検査部門サーバ208経由で拒絶通知を送信して(ステップ1112)、本処理フローを終了する。
また、ステップ1105において、要求受け入れ判定をREJECTと判定した場合には、ネットワーク210と臨床検査部門サーバ208経由で拒絶通知を送信して(ステップ1111)、本処理フローを終了する。
また、ステップ1105において、要求受け入れ判定をMEDIATEと判定した場合には、優先処理方針管理部501は、介在管理部504へ介在通知を送信する。介在管理部504は、オペレータによる介在が入ることをネットワーク210と臨床検査部門サーバ208経由で通知する(ステップ1109)。
次に、介在管理部504は、オペレータによる介在を受け付けて優先処理方針管理部501へ介在完了通知を送信し(ステップ1110)、ステップ1108を実行する。
図22は、図11に示すステップ1102における要求管理部の処理フローを示す図である。
まず、要求管理部502は、特定検体優先処理要求110に添付された優先処理要求レベル識別コード1502を読み込む(ステップ2201)。
次に、要求管理部502は、要求レベル-決定表対応表508を読み込む(ステップ2202)。次に、要求管理部502は、要求レベル-決定表対応表508の優先処理要求レベル識別コード802の中に、優先処理要求レベル識別コード1502が有るか否かを判定する(ステップ2203)。
ステップ2203において、要求管理部502は、優先処理要求レベル識別コード1502が有ると判定した場合には、優先処理方針決定表識別コード801を参照して優先処理要求レベル識別コード1502と一致するコードが有るか否かを判定する(ステップ2204)。
ステップ2204において、要求管理部502は、一致するコードが有ると判定した場合には、ステップ1103を実行する。また、ステップ2204において、要求管理部502は、一致するコードが無いと判定した場合には、ステップ1112を実行する。
ステップ2203において、要求管理部502は、優先処理要求レベル識別コード1502が無いと判定した場合には、ステップ1112を実行する。
図23は、図11に示すステップ1104における優先処理方針管理部の処理フローを示す図である。
まず、優先処理方針管理部501は、ループ変数Nに1を格納する(ステップ2301)。
次に、優先処理方針管理部501は、検体登録表511の検体ID601と、子検体ID602と、優先度603とを参照することで、優先度Nとして登録されている検体IDと子検体IDを抽出する(ステップ2302)。
次に、優先処理方針管理部501は、検体登録表511の検体ID601と指定終了時刻604と、検体別処理状況管理表512の開始時刻とを参照することで、検体ID毎に開始時刻と指定終了時刻を抽出する(ステップ2303)。
次に、優先処理方針管理部501は、検体別処理状況管理表512の完了フラグ608を参照することで、検体IDと子検体ID毎の処理状況を確認する(ステップ2304)。
次に、優先処理方針管理部501は、検体検査装置管理サーバ101に内蔵された図には示していないタイマから現在の時刻を読み込む(ステップ2305)。次に、優先処理方針管理部501は、検体ID毎に処理完了数の理論値と実績値を算出する(ステップ2306)。本実施の形態では、優先処理方針管理部501は、検体ID毎に開始時刻と指定終了時刻の差分と、経過時間の比率を算出して比率に基づいて理論値を算出するものとする。具体的には、(検体IDに対応する子検体IDの数)×経過時間/(指定終了時刻-開始時刻)で算出する。
また、本実施の形態では、優先処理方針管理部501は、検体ID毎に完了フラグの数を算出することで実績値を算出するものとする。
次に、優先処理方針管理部501は、検体ID毎に理論値と実績値を比較することで優先度Nに関する処理状況を判定して優先度別処理状況管理表513の対応する欄に、状況を格納する(ステップ2307)。
ここで、優先度Nに関する処理状況を判定においては、実績値>=理論値となる検体IDの数が、所定の割合を占める場合にはNOT DELAYを優先度別処理状況管理表513の対応する欄に格納するものとする。
また、実績値<理論値となる検体IDの数が所定の割合を占める場合にはDELAYを優先度別処理状況管理表513の対応する欄に格納するものとする。さらに、優先度Nに属する検体IDが存在しない場合には、NONEを優先度別処理状況管理表513の対応する欄に格納するものとする。
次に、優先処理方針管理部501は、Nが6よりも小さいか否かを判定する(ステップ2308)。ステップ2308において、Nが6よりも小さい場合には、優先処理方針管理部501は、Nをインクリメントして(ステップ2309)ステップ2302を実行する。また、Nが6以上の場合には、優先処理方針管理部501は、本処理フローを終了する。
図24は、図11に示すステップ1105における優先処理方針管理部の処理フローを示す図である。
まず、優先処理方針管理部501は、優先度別処理状況管理表513と、図11に示すステップ1103において読み込み済みの優先処理方針決定表とを対応付ける(ステップ2401)。
次に、優先処理方針管理部501は、要求拒絶に属する優先度の有無を判定する(ステップ2402)。ステップ2402において、要求拒絶に属する優先度が有ると判定した場合、優先処理方針管理部501は、図11に示すステップ1111を実行する。
また、ステップ2402において、要求拒絶に属する優先度が無いと判定した場合、優先処理方針管理部501は、要求介在に属する優先度の有無を判定する(ステップ2403)。
ステップ2403において、要求介在に属する優先度が有ると判定した場合、優先処理方針管理部501は、図11に示すステップ1109を実行する。また、ステップ2403において、要求介在に属する優先度が無いと判定した場合、優先処理方針管理部501は、図11に示すステップ1106を実行する。
図20は、図11に示すステップ1110における介在管理部の処理フローを示す図である。
まず、介在管理部504は、特定検体IDと、特定検体に関連する子検体IDと、優先処理方針決定表と、処理状況とに基づいて介在要求を作成してローカル端末107に送信する(ステップ2001)。
次に、介在管理部504は、T秒の間待つ(ステップ2002)。次に、介在管理部504は、優先処理方針補足116を受信したか否かを判定する(ステップ2003)。
ステップ2003において、優先処理方針補足116を受信した場合、介在管理部504は、優先処理方針補足116に添付された特定検体ID1605と、子検体ID1606と、保護条件1607とを、優先処理方針管理部501に送信して本処理フローを終了する。
また、ステップ2003において、優先処理方針補足116を受信してない場合、介在管理部504は、予め定められた時間を経過したか否かを判定する(ステップ2004)。
また、ステップ2004において、予め定められた時間を経過しないと判定した場合には、ステップ2002に戻る。
また、ステップ2004において、予め定められた時間を経過したと判定した場合には、予め定められた保護条件をデフォルト設定した後(ステップ2005)、特定検体IDと、子検体IDと、保護条件とを優先処理方針管理部501に送信して本処理フローを終了する。
図21は、本発明の一実施の形態に係る検体検査方法における介在要求を受信した際のローカル端末の処理フローを示す図である。
まず、通信部1401は、受信したメッセージのメッセージ識別コードを参照し、介在要求に対応するコードであれば介在依頼部1403へメッセージを添付して通知する(ステップ2101)。
介在依頼部1403は、GUI部1404を使用して優先処理方針補足を受け付ける画面を表示する(ステップ2102)。次に、介在依頼部1403は、T秒の間待つ(ステップ2103)。
次に、介在依頼部1403は、優先処理方針補足を受け付けたか否かを判定する(ステップ2104)。ステップ2104において、優先処理方針補足を受け付けた場合には、介在依頼部1403は、優先処理方針補足116を作成して検体検査装置管理サーバ101へ送信し(ステップ2106)、本処理フローを終了する。
また、ステップ2104において、優先処理方針補足を受け付けてない場合には、介在依頼部1403は、所定の時間を経過したか否かを判定する(ステップ2105)。ステップ2105において、所定の時間を経過したと判定した場合には、介在依頼部1403は、本処理フローを終了する。
また、ステップ2105において、所定の時間を経過してないと判定した場合には、介在依頼部1403は、ステップ2103を実行する。
図12は、本発明の一実施の形態に係る検体検査方法における前処理装置と分析装置が優先処理方針を受け付ける際の処理フローを示す図である。
ここでは、分析装置202を例として示す。
まず、通信部1307は、受信したメッセージのメッセージ識別コードを参照し、特定検体優先処理方針118を示すコードを確認した場合には(ステップ1201)、優先処理方針受付部1316へ送信する。
次に、優先処理方針受付部1316は、特定検体優先処理方針118に添付される特定検体ID1706と、子検体ID1707と、検査管理メモリ1313とを参照し、特定検体ID1706と子検体ID1707に対応する検体を処理済みであるか否かを判定する(ステップ1202)。
ステップ1202において、処理済みであると判定した場合には、優先処理方針受付部303は、処理済みであることを検体検査装置管理サーバ101に通知して(ステップ1205)、本処理フローを終了する。
また、ステップ1202において、未処理であると判定した場合には、優先処理方針受付部1316は、特定検体優先処理方針118に添付された保護条件1708を読み込む(ステップ1203)。次に、保護条件1708と保護条件格納表1334に格納された保護条件群に基づいて優先処理を実行して(ステップ1204)、本処理フローを終了する。
図4は、図12に示すステップ1204における分析装置の処理フローを示す図である。
まず、優先処理方針受付部1316は、保護条件格納表1334に格納された保護条件群を全て読み込み、保護条件群と保護条件1708を合成することで、合成済み保護条件を生成する(ステップ401)。本実施の形態では、論理和による合成を行うものとするが、論理積や排他的論理和による合成を行ってもよい。合成の後、保護条件1708を保護条件格納表1334に格納する。
次に、優先処理方針受付部1316は、合成済み保護条件を検査制御ロジック部1319に送信する。検査制御ロジック部1319は、合成済み保護条件を参照し、保護フラグが0である優先度を抽出し、優先度に属する子検体を送り出し部1328から送り出す(ステップ402)。
次に、検査制御ロジック部1319は、特定検体IDに関連する子検体を検出した場合にのみ取り込み部1331から子検体を引き込む(ステップ403)。
以上のように、本実施の形態では、検体検査装置管理サーバ101が、ローカル端末107から優先処理方針決定表114を受け付けて記憶し、検体検査装置管理サーバ101が検体アクセスシステム108から特定検体優先処理要求110を受け付けた際に、特定検体優先処理要求110に添付される優先処理要求レベル識別コードに基づいて前記特定検体優先処理方針決定表を選択し、優先処理方針決定表114と優先度毎の検体検査の処理状況とに基づいて特定検体優先処理方針を決定し、前記特定検体優先処理方針を前記前処理装置と前記分析装置とに配布することで、優先度の割り当てられた検体の処理をむやみに遅らせてしまうことなく、特定の検体に対する優先処理要求を受け付けて実行できる。
また、特定検体優先処理要求を受け入れ可否と、介在可否という形式で優先処理方針決定表114を作成できるので、オペレータにとって簡単な形式で優先処理の方針を定義できる。
また、検体アクセスシステム108がローカル端末107と他部門サーバ207をネットワークで接続することで構成されており、検体検査装置管理サーバ101がローカル端末107から、ローカル端末107と他部門サーバ207毎に定義された特定検体優先処理方針決定表を受け付けるので、要求者と要求レベルに応じて優先処理方針を決定することができる。
以上、本発明者によってなされた発明を実施の形態に基づき具体的に説明したが、本発明は前記実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能であることはいうまでもない。
例えば、本実施の形態では、検体検査装置管理サーバ101内の各管理部を分けて説明したが、これら全てを1つの処理部として構成し、この処理部により、各管理部の処理を行うようにしてもよい。
また、本実施の形態では、前処理装置201や分析装置202、203、204からなる検体検査装置群119と、検体検査装置管理サーバ101を分けて説明したが、検体検査装置群119内に、検体検査装置管理サーバ101の機能を持つ処理部を設けて、検体検査システムとして構成するようにしてもよい。図26に、検体検査装置管理サーバ101とローカル端末107を前処理装置201内に組込む構成の例を示す。臨床検査部門サーバ208と、ローカル端末107と、検体検査装置管理サーバ101と、分析装置(202、203、204)をネットワーク212を経由して接続する。また、制御部213と、検体検査装置管理サーバ101を経由して接続する。図26に示す構成であっても、データ構造及び処理フローは、本実施形態にて説明したデータ構造及び処理フローと同様に実現できる。また、図26に示すローカル端末107と検体検査装置管理サーバ101を同一のパソコン、ワークステーションなどに組込んで実現してもよい。