WO2010100718A1

WO2010100718A1 - 留め具供給装置およびその留め具

Info

Publication number: WO2010100718A1
Application number: PCT/JP2009/053889
Authority: WO
Inventors: 奥井敬之
Original assignee: オクイ株式会社
Priority date: 2009-03-02
Filing date: 2009-03-02
Publication date: 2010-09-10

Abstract

　靴下などの対象物にきわめて容易かつ迅速に留め具を取り付けることのできる留め具供給装置（２０）およびその留め具（１）を提供する。留め具供給装置（２０）は、上下一対の挟持板（２、２）と折り曲げ部（３）とを有し、挟持板（２）には、水平面（１２）を有する突起部（１１）がそれぞれ上下に突設されてなる留め具（１）を供給する。留め具供給装置（２０）は、留め具（１）を前方に向けて通過させることのできる留め具通路（６９）を有するとともに、留め具通路（６９）の前端に送出口（７０）が設けられた供給本体（２４）と、留め具通路（６９）内にある留め具（１）を、先端部（５）を開閉させながら送出口（７０）へと送出する押圧部（７４）と、留め具通路（６９）に連通して設けられ、多数個の留め具（１）を、上下一列の積層状態で、かつそれぞれ略水平を保った状態で、遊嵌収容する収容室（５９）を有する直立部（２３）と、を備えている。

Description

留め具供給装置およびその留め具

　本発明は、靴下などの対象物に留め具を取り付けるための留め具供給装置およびその留め具に関する。

　靴下などの販売に際して、左右一組の靴下が分離しないよう一時的に結合するための留め具が知られている。従来、この種の留め具としては、アルミ等金属製の薄い小片によって側面視Ｖ字形に形成し、これを押圧変形させて用いられるものが一般的である。

　上記金属製の留め具では、取り外したときに誤って踏みつけて怪我をしたり、乱雑に取り外すと靴下を傷付けてしまうといった問題がある。これに対して、合成樹脂材を用いて形成し、安全性を高め、靴下への損傷度合いも軽減できるようにした留め具が提案されている（例えば特許文献１）。
特開２００９－１１５５２号公報

　しかしながら、上記特許文献１に記載されるものを含めた従来の留め具によれば、靴下などの対象物への取り付けについては、殆どが内職的に手作業でおこなわれているという実態があり、膨大な手間と時間がかかっていた。

　そこで本発明は、上記問題に鑑みてなされたものであり、靴下などの対象物にきわめて容易かつ迅速に留め具を取り付けることのできる留め具供給装置およびその留め具を提供することを目的としている。

　上記の課題を解決するために、請求項１に記載の留め具供給装置は、上下一対の挟持板と、該挟持板を連結する折り曲げ部と、を有し、該挟持板の先端部が、弾性的に接触または接近して設けられるとともに、該挟持板には、水平面を有する突起部がそれぞれ上下に突設されてなる留め具を供給する留め具供給装置であって、該留め具を前方に向けて通過させることのできる留め具通路を有し、該留め具通路の前端に送出口が設けられた供給本体と、該留め具通路内にある該留め具を、該先端部を開閉させながら該送出口へと送出する押圧部と、該留め具通路に連通して設けられ、多数個の該留め具を、上下一列の積層状態で、かつ互いの該突起部の当接によってそれぞれ略水平を保った状態で、遊嵌収容する収容室を有する直立部と、を備えたことを要旨とする。

　また、請求項２に記載の留め具供給装置は、請求項１に記載の構成において、振動式の整列搬送フィーダに接続されてなることを要旨とする。

　また、請求項３に記載の留め具供給装置は、請求項２に記載の構成において、該整列搬送フィーダが、該留め具を、該突起部が係合された寝姿勢で搬送する案内レールと、該案内レールから連続し、該留め具を、該耳部が掛架された懸吊姿勢で搬送する懸吊レールと、を有するガイドトラックを備え、該直立部が、該懸吊レールから連続するシューターを介して、該ガイドトラックに接続されていることを要旨とする。

　また、請求項４に記載の留め具供給装置は、請求項１に記載の構成において、握り部と、該握り部から露出して配設され、該押圧部に連結されるトリガーと、を備え、該トリガーを操作揺動させることで、該押圧部が、該留め具通路内で進退されるようになされたことを要旨とする。

　また、請求項５に記載の留め具供給装置は、請求項４に記載の構成において、該直立部の立設面に、該収容室に連通する開口が設けられるとともに、該開口を着脱自在に覆い、該開口に臨むスライド溝が形成されたカバー体と、該スライド溝に係合して摺動するスライダーと、を備え、該収容室内で積層状態にある該留め具が、該スライダーによって該留め具通路に向けて付勢されていることを要旨とする。

　また、請求項６に記載の留め具は、上下一対の挟持板と、該挟持板を連結する折り曲げ部と、を備え、該挟持板の先端部が、弾性的に接触または接近して設けられるとともに、該先端部の両側に耳部がそれぞれ突設され、該耳部には、先端縁に向けて離間するテーパ状のガイド部が形成された留め具であって、該挟持板に、水平面を有する突起部がそれぞれ上下に突設されてなり、互いの該突起部の当接によって略水平を保った状態で、上下一列に複数個を積層できるようになされたことを要旨とする。

　また、請求項７に記載の留め具ケースは、請求項４乃至５の何れかに記載される構成の留め具供給装置に装填される該留め具を、取り出し自在に収蔵するための留め具ケースであって、上部開放箱状で、該留め具の該先端部がそれぞれ上方に位置するようにして、該留め具を収蔵するケース本体と、該ケース本体内に多数設けられ、該留め具供給装置の該収容室に収容できる該留め具の数に対応して、該留め具を整列し、かつ個別に植立して配置するための仕切り部と、を備えるとともに、多数の挟着片を有する櫛形状のホルダーが付設されており、該ホルダーの該挟着片に、該ケース本体内の該留め具を１個ずつ挟着させることにより、該留め具供給装置に装填するのと同数の該留め具を、一時に取り出して該留め具供給装置に供給補充できるようになされたことを要旨とする。

　本発明によれば、上下一対の挟持板と、該挟持板を連結する折り曲げ部と、を有し、該挟持板の先端部が、弾性的に接触または接近して設けられるとともに、該挟持板には、水平面を有する突起部がそれぞれ上下に突設されてなる留め具を供給する留め具供給装置であって、該留め具を前方に向けて通過させることのできる留め具通路を有するとともに、該留め具通路の前端に送出口が設けられた供給本体と、該留め具通路内にある該留め具を、該先端部を開閉させながら該送出口へと送出する押圧部と、該留め具通路に連通して設けられ、多数個の該留め具を、上下一列の積層状態で、かつ互いの該突起部の当接によってそれぞれ略水平を保った状態で、遊嵌収容する収容室を有する直立部と、を備えた留め具供給装置であるため、靴下などの対象物にきわめて容易かつ迅速に留め具を取り付けることが可能となる。

実施形態に係る留め具を示す斜視図である。実施形態に係る留め具を示す平面図である。実施形態に係る留め具を示す側面図である。実施形態に係る留め具供給装置を示す全体平面図である。実施形態に係る留め具供給装置を示す全体正面図である。実施形態に係る留め具供給装置を示す全体側面図である。実施形態に係る留め具の搬送状況を示す斜視図である。実施形態に係る留め具の搬送状況を示す斜視図である。実施形態に係る留め具供給装置を示す要部断面図である。他の実施形態に係る留め具供給装置を示す斜視図である。他の実施形態に係る留め具供給装置を示す斜視図である。他の実施形態に係る留め具供給装置を示す断面図である。実施形態に係る留め具ケースを示す斜視図である。実施形態に係る留め具ケースを示す拡大平面図である。実施形態に係る留め具ケースの使用状況を示す図である。実施形態に係る留め具の装填状況を示す図である。

　本発明に係る留め具の一実施形態について、図１Ａ～図１Ｃを参照して説明する。図１Ａ～図１Ｃは、実施形態の留め具１を示している。

　留め具１は、板状体により、折り曲げ形状にて上下左右対称に一体成形したもので、図１Ａ～図１Ｃに示すように、上下一対の挟持板２、２と、これら挟持板２、２を連結する折り曲げ部３とを備えて構成されている。挟持板２、２の各先端部５、５は互いに、弾性的に接触または接近するとともに、先端部５両側には耳部６、６がそれぞれ突設されている。そして、拡開を容易におこなえるように、耳部６を含む先端部５の対向面には、先端縁に向けて離間するテーパ状のガイド部７、７が形成されている。また、折り曲げ部３は、左右側面に所定の係合部８、８を突出するように一部膨らんで成形されている。

　留め具１は、合成樹脂や金属等の任意の素材を用いて形成されるが、ここでは留め具１を、紙４５％とポリプロピレン４０％とを含んだ組成からなる材質としている。このような材質であれば、使用済みの留め具１を可燃ゴミとして処分できるため好ましいものとなる。

　図１Ａ～図１Ｃに示すように、挟持板２、２の傾斜面１０、１０には、折り曲げ部３の上下端から連成され、かつ水平面１２、１２を有する突起部１１、１１がそれぞれ同位置に設けられている。この突起部１１は、複数の留め具１、１、・・・を、各留め具１が略水平を保った状態で、上下一列に積層できるようにするためのものである。

　上記した留め具１の形態は一例であり、他の構成を採用してもよい。例えば、先端部５を一定厚に形成し、これを上下に折り曲げてガイド部７を構成するようにしてもよい。ガイド部７は先端部５全体に亘って形成されている必要はなく、少なくとも耳部６の突端近傍に形成されていれば足りる。突起部１１の形状も任意である。ただし、積層時にバランスをとり易いものが好ましい。突起部１１は、各挟持板２、２の上下それぞれに複数箇所設けるようにしても差し支えない。

　本発明に係る留め具の挟持対象となる対象物としては、留め具で挟持し得るものであれば特に限定されない。代表的には一組の靴下であるが、この他にも、シャツ、下着、ストッキング、レッグウォーマー、手袋などの衣料アイテム、あるいはタオル、テーブルクロス、シーツ、枕カバーなどの繊維アイテムに好適に用いることができる。対象物は、書類等の紙類や合成樹脂シートその他のあらゆるシート状物であってもよい。

　以下、本発明の好ましい実施形態についてさらに説明する。

　図２～図７に基づき、実施例としての留め具供給装置２０について説明する。図２～図７は留め具供給装置２０を示す図であり、図２は全体平面図、図３は全体正面図、図４は全体側面図、図５～図６は留め具１の搬送状況を示す斜視図、図７は要部断面図である。

　図２～図４に示すように、留め具供給装置２０は、振動式の整列搬送フィーダ２１と、この整列搬送フィーダ２１にシューター２２を介して接続される直立部２３および供給本体２４と、を主として備えて構成されている。

　整列搬送フィーダ２１は、上記した如くの留め具１を、所定姿勢に整列させた上で、直立部２３および供給本体２４へと搬送するものである。整列搬送フィーダ２１は、図２～図４に示すように、ベース２１ａ上に固設された略円筒形でわん型容器状のボウル２７と、ボウル２７の上方外周に同心円状に周設されるガイドトラック２８とによって構成されている。

　ボウル２７の内壁面には、図２に示すように、数段の螺旋状トラック３１が底面３０から上方に向かって固着されている。ボウル２７には、図示しない振動機構が格納されている。上記振動機構の例としては、ボウル２７の中心軸まわりの往復回転と上下方向の運動との合成運動によるねじり振動を発現するようなものが挙げられる。このようなねじり振動を与えることで、ボウル底面３０に投入した留め具１を、螺旋状トラック３１に沿う矢印Ａの方向（図２）に搬送できる。

　なお、整列搬送フィーダ２１は、例えば１００Ｖないし２００Ｖの電動式であり、ＯＮ／ＯＦＦスイッチやモータの他に、上記振動の強さをコントロール可能な制御手段が適宜付設されている。

　ガイドトラック２８は、図２に示すように、第１トラック３３、第２トラック３４、第３トラック３５、第４トラック３６が順に連設された平面視略円弧状をなし、第１トラック３３から第４トラック３６にかけ、全体として滑らかな下り勾配が付されて構成されている。図２に示すように、ガイドトラック２８外周の適宜位置には、ボウル底面３０と下部で連通する外周樋３８が配設されている。この外周樋３８に落下した留め具１は、ボウル２７内部（底面３０）に返還されて循環使用される。

　第１トラック３３は、図２に示すように、螺旋状トラック３１の上端終縁からクランクして連続する導出路４０によって構成されている。導出路４０の下流側外方に、第２トラック３４の幅狭路４３に通ずる拡幅部４１が形成されるとともに、拡幅部４１および幅狭路４３の外周には、肉厚の規制壁４４が設けられている。
　幅狭路４３は、留め具１の最大左右幅に略相当する幅員を有しており、幅狭路４３の内側には、ボウル底面３０と下部で連通するポケット４５が開口して形成されている。このポケット４５に落下した留め具１についても、ボウル２７内部（底面３０）に返還されて循環使用される。

　第１トラック３３の導出路４０は、最上段の螺旋状トラック３１よりも、半径が大きく形成され、かつ外径方向に向かって下向きに数度傾斜して形成されている。したがって、螺旋状トラック３１を昇ってきた留め具１を、ある程度ばらけさせ、規制壁４４に沿って列状に安定搬送することができる。そして、導出路４０において、仮に留め具１が多列になった場合でも、上記した幅狭路４３およびポケット４５によって、確実に一列をなして搬送されるようになる。あわせて、幅狭路４３では、不適切な姿勢の留め具１も、ポケット４５へと落下し得る。

　第３トラック３５は、図２に示すように、幅狭路４３から連続する案内レール４７を備えている。案内レール４７は、留め具１の突起部１１の各左右幅よりもわずかに大きく穿設されている。この案内レール４７に突起部１１が係合することで、第３トラック３５に導かれた留め具１が、図５に示す如くの寝姿勢で搬送される（留め具１は、図５に示したものと前後逆向きでもよい）。また、第３トラック３５は、外径方向に向かって下向きに数度傾斜して形成されており、案内レール４７に係合しない不適切な姿勢の留め具１が、外周樋３８へと落下するようになっている。

　第４トラック３６は、図２に示すように、案内レール４７から連続し、かつ案内レール４７よりも幅広で留め具１の各後半部側を落とし込むことのできる懸吊レール４９を備えている。懸吊レール４９の内側、外側の両サイドには、肩面５０、５０が形成されている。この肩面５０、５０に留め具１の耳部６、６が掛架されることで、第４トラック３６に導かれた留め具１がもれなく、図６に示す如くの懸吊姿勢で搬送されることとなる。
　第３トラック３５から第４トラック３６にかけては、肉厚の規制壁５１が適宜延設されており、この間での留め具１の姿勢変化を安定的にサポートしている。

　上記第４トラック３６は、シューター２２によって直立部２３に接続されている。シューター２２は、図２～図４に示す湾屈部５３を備えており、湾屈部５３には、第４トラックの肩面５０から連続し、側面視略四分の一円孤状をなす肩面５４が形成されている。湾屈部５３から所定間隔を隔ててカバー部５６が上部に固設されており、第４トラック３６を懸吊姿勢で通過した留め具１の耳部６が、引き続き肩面５４に係合しながら直立部２３へと搬送されるようになっている（図７参照）。
　なお、第４トラック３６の下流側には、図２～図４および図６に示すように、カバー部５６に連続する補助カバー部５６ａが適宜延設されている。

　直立部２３は、図２～図４および図７に示すように、やや縦長の箱状体をなし、上下方向に収容室５９を備えている。収容室５９は、搬送された留め具１を、上下一列の積層状態で、かつ互いの突起部１１の当接によってそれぞれ水平を保った状態で遊嵌収容する。収容室５９には、各留め具１の左右係合部８に摺接して、各留め具１の自重落下をガイドする係合溝６０が形成されている。

　直立部２３の前面６２には、切欠開口６３が形成されている。これにより収容室５９が前方に向けて開放されるとともに、図７に示すように、各留め具１の先端部５および耳部６以外の部分のみが、収容室５９に収容されるようになっている。
　直立部２３の前面６２を、図７に示す如く、耳部６のちょうど付け根辺りに位置させ、耳部６が摺接するような構成とすることで、各留め具１の略水平の姿勢が保たれ易くなり、自重落下がより一層スムーズにおこなわれ得る。

　直立部２３は、供給本体２４の上部に一体に立設されており、供給本体２４は、直立部２３に連続する起立部６５を備えている。起立部６５内には、図７に示すように、直立部２３の収容室５９に連通し、かつ留め具１を先端部５および耳部６も含めて全体的に収容し得る鉛直空間６７が設けられている。図７中、６６は留め具１の耳部６が嵌合する耳部ガイドである。

　供給本体２４には、図７に示すように、上記鉛直空間６７に連通する留め具通路６９が形成されている。直立部２３および起立部６５を介して自重落下してきた留め具１は、順に１個ずつ前方に向けて、この留め具通路６９を通過する。供給本体２４の前端には、図７に示すように、留め具１を送出するための送出口７０が形成されている。送出口７０には、留め具１の挟持対象となる対象物を差し込むことのできる差込部７１が形成されている。

　留め具通路６９の前方両サイドには、図３および図７に示すように、所定の拡開部７２、７２が固設されている。拡開部７２は、その断面が、前端開放の略横Ｖ字状をなしており、留め具１の耳部６近傍の上下ガイド部７、７が拡開部７２に沿うように移動することで、留め具１の先端部５、５が拡開し、ガイド部７、７が拡開部７２の前端を通過すると、弾性によって留め具１の先端部５、５が閉じて、対象物を挟持することができるようになされている。送出口７０の差込部７１は、この拡開部７２に対応した凹状に形成されている。
　拡開部７２に板ばねを採用し、拡開部７２、７２の前端側を弾力的に形成するようにしてもよい。

　また、留め具通路６９の後方には、図７に示すように、押圧部７４が配設されている。押圧部７４は、その先端が留め具１の折り曲げ部３を後方から押圧することにより、留め具通路６９内の留め具１を、拡開部７２を介して、先端部５、５を開閉させながら送出口７０へと送出するものである。押圧部７４は、細長の棒状体からなり、その後方が所望の駆動手段７５に連結されている。押圧部７４は、例えば、図示しないエアーコンプレッサーに連結し、フレキシブルホース７５ａ（図２および図４参照）を介して提供される高圧空気を用いて、押圧部７４の先端側を供給本体２４内のスライド溝７６に沿って前後に進退させる。この実施形態では、上記エアーコンプレッサーは、図示しないフットスイッチに連動している。フットスイッチを用いた構成は、両手を使った作業を可能とする点で、非常に好ましいものである。

　上記の如く構成される留め具供給装置２０の使用に際しては、まず整列搬送フィーダ２１の電源を入れて振動機構を始動し、ボウル２７内に適当数量（例えば１０００～３０００個）の留め具１をランダムに投入する。すると、上記説明したように、多数の留め具１が、ガイドトラック２８を介し、所定姿勢をなして自動的に整列され、直立部２３に向けて順次搬送される。
　直立部２３および起立部６５内で、各留め具１は、略水平姿勢を保ちつつ、上下一列の積層状態をなしており、最下部の１個の留め具１は、留め具通路６９内に落下位置する。

　その後、供給本体２４前端の差込部７１に対象物の縁辺を差し込むとともに、フットスイッチを踏むと、押圧部７４が留め具通路６９を前進して、留め具通路６９内にある留め具１を送出口７０へと送り出し、送り出された留め具１で対象物を挟持することができる。留め具１を送り出した押圧部７４は、再び後方の元の場所に戻り、これにより起立部６５内の次の留め具１が留め具通路６９内へと落下位置する。

　上記操作を繰り返すことで、留め具供給装置２０から留め具１を順次送り出して対象物を挟持することができる。直立部２３に、積層状態にある留め具１の位置を感知するセンサーを付設し、収容室５９内の留め具１が所定数量よりも少なくなった場合に、整列搬送フィーダ２１の電源が入るような構成としてもよい。
　対象物を挟持している留め具１は、先端部５、５を手で広げる、あるいは後方（折り曲げ部３側）に引き抜く等の一定以上の外力を加えることで、対象物から容易に取り外すことができる。

　以上説明した留め具供給装置２０によれば、対象物にきわめて容易かつ迅速に留め具１を取り付けることができる。留め具供給装置２０は、一つの留め具１を約０．５～２．０秒で供給することが可能であり、例えば靴下の場合、１セット（つま先部と足首部への取り付け）あたり４．０～５．０秒という短時間で作業完了できる。

　図８～図１０に基づき、他の実施例としての留め具供給装置８０について説明する。図８～図１０は留め具供給装置８０を示す図であり、図８～図９は斜視図、図１０は断面図である。

　図８～図１０に示すように、留め具供給装置８０は、片手で把持することができる程度の大きさをなす握り部８１ａを有する小型ピストル形状の供給本体８１と、この供給本体８１の上部に立設される直立部８２と、を備えて構成されている。供給本体８１の前端には、留め具供給装置８０に装填されている留め具１を送出するための送出口８４が形成され、送出口８４に差込部８５が設けられている。

　供給本体８１は、図１０に示すように、上記した如くの留め具１を１個ずつ前方に向けて通過させることのできる留め具通路８７を備え、留め具通路８７の前端に送出口８４が設けられている。留め具通路８７への留め具１の供給は、直立部８２を介しておこなわれる。

　送出口８４および差込部８５自体は、前実施例のものと同様の構造をなす。すなわち、留め具通路８７の前方両サイドに、所定の拡開部８８、８８が固設され、留め具１の上下左右の耳部６がそれぞれ拡開部８８に沿うように移動することで、留め具１の先端部５、５が拡開する。そして、耳部６が拡開部８８の前端を通過すると、弾性によって留め具１の先端部５、５が閉じて、対象物を挟持することができる。

　留め具通路８７の後方には、図１０に示すように、トリガー９０に連結される押圧部９２が配設されている。トリガー９０は、枢軸９１を介して供給本体８１に軸着されるとともに、押圧部９２の適宜位置に、トリガー９０の上端が、回動自在に連結されている。さらにトリガー９０の上半部側が、コイルばね９３を用いて後方に付勢されており、握り部８１ａから露出するトリガー９０の下端を操作揺動させることで、押圧部９２をスライド溝９４に沿って前後に進退できるようになっている。

　直立部８２は、図１０に示すように、多数個（本実施例では３０個）の留め具１を上下一列の積層状態で略鉛直に遊嵌収容する収容室９６を有している。収容室９６は、上端に留め具挿入口９７が形成されるとともに、下端が留め具通路８７に連通して設けられている。
　また、収容室９６には、各留め具１の左右の係合部８および耳部６に摺接する、係合溝９８および耳部ガイド９９が、それぞれ形成されている。

　図９に示すように、直立部８２前面には、収容室９６に連通する縦長の開口１０１が設けられている。開口１０１は、直立部８２下方に適宜枢着されるカバー体１０３によって、着脱自在に覆われる。カバー体１０３には、開口１０１に臨むスライド溝１０４が上下方向に形成され（図８参照）、さらに、このスライド溝１０４に係合して摺動するスライダー１０６が、コイルばね１０５を介して付設されている（図１０参照）。スライダー１０６は、スライダー本体１０７と操作レバー１０８とからなり、操作レバー１０８がカバー体１０３前方に露出する。
　スライダー本体１０７は、収容室９６内で積層状態にある留め具１を、上方から留め具通路８７に向けて付勢するが、直立部８２前面の開口１０１によって、スライダー１０６の摺動が阻害されないようになされている。

　上記収容室９６のような構成であれば、収容室９６内の留め具１を留め具通路８７へと安定して自重落下させ得るものであるが、このようなスライダー１０６を設けることで、各留め具１の略水平の姿勢を保ちながら留め具通路８７への落下を、より確実に促すことが可能となっている。

　留め具供給装置８０の使用にあたっては、図９に示すように、カバー体１０３を開き、所定姿勢とした留め具１を、留め具挿入口９７から順次装填する。すると、図１０に示す如く、収容室９６内に多数の留め具１を上下一列の積層状態で装填することができる。
　そして、スライダー１０６の操作レバー１０８を上方に手で引き上げながら、カバー体１０３を閉じる。操作レバー１０８を手から離すと、スライダー本体１０７が収容室９６内で下方に付勢され、積層された留め具１を上方から適度の力で押し付ける。最下部の１個の留め具１は、留め具通路８７内に落下位置する。

　その後、留め具供給装置８０の差込部８５に対象物の縁辺を差し込むとともに、握り部８１ａを片手で把持し、トリガー９０を指で握り部８１ａに近づけるように操作揺動させると、押圧部９２が留め具通路８７を前進して、留め具通路８７内にある留め具１を送出口８４へと送り出し、対象物を挟持することができる。留め具１を送り出した押圧部９２は、トリガー９０の操作解除に伴って、再び後方の元の場所に付勢される。これにより収容室９６内の次の留め具１が留め具通路８７内へと落下する。
　上記したトリガー９０の操作揺動・解除を繰り返せば、留め具供給装置８０から留め具１を順次送り出して対象物を挟持することができる。

　以上説明した留め具供給装置８０によれば、小型で携帯性に優れ、操作も容易であるため、対象物への留め具１の取り付け作業を、場所を選ぶことなく誰でも簡単かつ迅速におこなえるようになる。

　この実施例では、実施例１の整列搬送フィーダ２１と、実施例２の留め具供給装置８０とを組み合わせている。より具体的には、実施例１の留め具供給装置２０における直立部２３および供給本体２４を除去しておき、実施例２の留め具供給装置８０への留め具１の供給補充に際して、留め具挿入口９７がそのシューター２２の下端に臨むようにセットして用いる。つまり、整列搬送フィーダ２１を介して所定姿勢となされた多数の留め具１を、次々と留め具供給装置８０の収容室９６内に落下させて装填するのである。

　本実施例によれば、留め具１を自動整列して収容室９６内に装填できるため、留め具供給装置８０への留め具１の供給補充が容易となる。また、１台の整列搬送フィーダ２１に対して複数の留め具供給装置８０を入れ替わり用いることができるため、生産性が格段に向上する。

　図１１Ａ～図１３に基づき、留め具ケース１１０について説明する。図１１Ａ～図１１Ｂは留め具ケース１１０の斜視図および拡大平面図である。図１２は留め具ケース１１０の使用状況、図１３は留め具１の装填状況をそれぞれ示している。

　この留め具ケース１１０は、実施例２で述べた如くの留め具供給装置８０の付属物として好適に用いられ得るものである。図１１Ａに示すように、留め具ケース１１０は、上部開放箱状のケース本体１１１を備えてなる。

　ケース本体１１１内には、それぞれ平面視連続十字をなす壁状仕切り部１１２が、所定間隔で多数配設されている。仕切り部１１２の突出部は、図１１Ｂに示す如く、各留め具１のそれぞれ四隅に配置されるようになされており、これによって、各留め具１が互いに接触することなく個別に植立して収蔵されている。留め具１は、先端部５、５が上方に位置するようにして収蔵される。

　本実施形態では、留め具供給装置８０の収容室９６に収容できる留め具１数に対応して縦方向（留め具１を積層する方向）に３０個、さらに横方向にも３０個で合計９００個の留め具１を、整列状態で収蔵できるようになっている。留め具ケース１１０には、適宜の蓋体や梱包箱が被装され得ることは言うまでもない。

　上記の如く構成される留め具ケース１１０の使用態様等についてさらに説明する。留め具供給装置８０に留め具１を装填するために、まず、留め具ケース１１０から留め具１を取り出す。この留め具１の取り出しは、留め具ケース１１０に付設されたホルダー１１５（図１２参照）を用いておこなう。ホルダー１１５は、ケース本体１１１の縦方向長さよりも僅かに長い平板状のホルダー本体１１６と、ホルダー本体１１６から所定間隔で垂下する多数（本実施形態では３０個）の挟着片１１７とによって、櫛形状に形成されている。

　このホルダー１１５を、図１２に示すように、留め具ケース１１０に収蔵される留め具１の所望の列に下降させ、各挟着片１１７に留め具１を１個ずつ挟着させる。これにより、留め具供給装置８０に装填するのと同数の留め具１を一時に取り出すことができるようになっている。挟着片１１７は、留め具１の先端部５、５の間に挿入し易く、しっかりと挟持され得る程度の厚みと幅を有する平板状のものが好ましい。

　次に、ホルダー１１５の挟着片１１７に挟着させた留め具１を、留め具供給装置８０の収容室９６に装填する。この装填作業は、図１３に示すように、カバー体１０３を開いておこなう。そして、ホルダー１１５を所定位置に立て、留め具１を留め具挿入口９７から順次嵌め入れるようにしながら、ホルダー本体１１６を直立部８２前面で下方に移動させる。さらに、ホルダー１１５を前方に引き抜くと、各挟着片１１７から各留め具１が脱落し、収容室９６内に所定数の留め具１を上下一列の積層状態で一気に装填することができる。これを実現するためには、挟着片１１７の幅（Ｗ_１）、収容室９６の開口１０１の幅（Ｗ_２）、留め具１の耳部６、６を含む先端部５の幅（Ｗ_３）に関して、Ｗ_１＜Ｗ_２＜Ｗ_３の関係が成立していることが好ましい。

　以上説明した留め具ケース１１０によれば、所定数の留め具１を一時に取り出して、留め具供給装置８０の収容室９６内に一気に装填できるため、留め具供給装置８０への留め具１の供給補充をきわめて簡易におこなえるようになる。

　上記実施形態の記述は、本発明をこれに限定するものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の設計変更等が可能であることは言うまでもない。

　なお、本発明の留め具供給装置や留め具、あるいはさらに留め具ケースをそれぞれ一又は複数個ずつセットにして、「留め具供給システム」として製造販売等するようにしてもよい。

　本発明は、靴下などの対象物にきわめて容易かつ迅速に留め具を取り付けることのできる留め具供給装置およびその留め具を提供するものであり、産業上の利用可能性を有する。

Claims

上下一対の挟持板と、該挟持板を連結する折り曲げ部と、を有し、該挟持板の先端部が、弾性的に接触または接近して設けられるとともに、該挟持板には、水平面を有する突起部がそれぞれ上下に突設されてなる留め具を供給する留め具供給装置であって、
該留め具を前方に向けて通過させることのできる留め具通路を有し、該留め具通路の前端に送出口が設けられた供給本体と、
該留め具通路内にある該留め具を、該先端部を開閉させながら該送出口へと送出する押圧部と、
該留め具通路に連通して設けられ、多数個の該留め具を、上下一列の積層状態で、かつ互いの該突起部の当接によってそれぞれ略水平を保った状態で、遊嵌収容する収容室を有する直立部と、を備えた留め具供給装置。
振動式の整列搬送フィーダに接続されてなる請求項１に記載の留め具供給装置。
該整列搬送フィーダが、
該留め具を、該突起部が係合された寝姿勢で搬送する案内レールと、
該案内レールから連続し、該留め具を、該耳部が掛架された懸吊姿勢で搬送する懸吊レールと、を有するガイドトラックを備え、
該直立部が、該懸吊レールから連続するシューターを介して、該ガイドトラックに接続されている請求項２に記載の留め具供給装置。
握り部と、
該握り部から露出して配設され、該押圧部に連結されるトリガーと、を備え、
該トリガーを操作揺動させることで、該押圧部が、該留め具通路内で進退されるようになされた請求項１に記載の留め具供給装置。
該直立部の立設面に、該収容室に連通する開口が設けられるとともに、
該開口を着脱自在に覆い、該開口に臨むスライド溝が形成されたカバー体と、
該スライド溝に係合して摺動するスライダーと、を備え、
該収容室内で積層状態にある該留め具が、該スライダーによって該留め具通路に向けて付勢されている請求項４に記載の留め具供給装置。
上下一対の挟持板と、
該挟持板を連結する折り曲げ部と、を備え、
該挟持板の先端部が、弾性的に接触または接近して設けられるとともに、該先端部の両側に耳部がそれぞれ突設され、該耳部には、先端縁に向けて離間するテーパ状のガイド部が形成された留め具であって、
該挟持板に、水平面を有する突起部がそれぞれ上下に突設されてなり、
互いの該突起部の当接によって略水平を保った状態で、上下一列に複数個を積層できるようになされた留め具。
請求項４乃至５の何れかに記載の留め具供給装置に装填される該留め具を、取り出し自在に収蔵するための留め具ケースであって、
上部開放箱状で、該留め具の該先端部がそれぞれ上方に位置するようにして、該留め具を収蔵するケース本体と、
該ケース本体内に多数設けられ、該留め具供給装置の該収容室に収容できる該留め具の数に対応して、該留め具を整列し、かつ個別に植立して配置するための仕切り部と、を備えるとともに、
多数の挟着片を有する櫛形状のホルダーが付設されており、
該ホルダーの該挟着片に、該ケース本体内の該留め具を１個ずつ挟着させることにより、該留め具供給装置に装填するのと同数の該留め具を、一時に取り出して該留め具供給装置に供給補充できるようになされた留め具ケース。