WO2010084649A1

WO2010084649A1 - 照明装置、表示装置及びテレビ受信装置

Info

Publication number: WO2010084649A1
Application number: PCT/JP2009/067612
Authority: WO
Inventors: 香織山本
Original assignee: シャープ株式会社
Priority date: 2009-01-23
Filing date: 2009-10-09
Publication date: 2010-07-29
Also published as: CN102292589A; US20110285922A1; US8794780B2

Abstract

バックライト装置１２は、冷陰極管１７と、冷陰極管１７を収容しその光を出射するための開口部１４ｂを有するシャーシ１４と、冷陰極管１７と対向するよう開口部１４ｂを覆う形で配される拡散板１５とを備え、拡散板１５の冷陰極管１７側には、面内で光反射率が領域毎に異なるように構成された光反射層３０が形成される一方、拡散板１５の冷陰極管１７とは反対側には、光を散乱させる散乱構造３１が形成されている。

Description

照明装置、表示装置及びテレビ受信装置

　本発明は、照明装置、表示装置及びテレビ受信装置に関する。

　例えば、液晶テレビなどの液晶表示装置に用いる液晶パネルは、自発光しないため、別途に照明装置としてバックライト装置を必要とする。このバックライト装置は、液晶パネルの裏側（表示面とは反対側）に設置されるものが周知であり、液晶パネル側の面に開口部を有したシャーシと、ランプとしてシャーシ内に収容される多数本の蛍光管と、シャーシの開口部に配されて蛍光管が発する光を効率的に液晶パネル側へ放出させるための光学部材（拡散板等）とを備える。

　かかるバックライト装置は、蛍光管が線状の光を出射するものとされる場合には、蛍光管を多数本配列するとともに、線状の光を光学部材により面状の光に変換することで、照明光の均一化を図る構成とされている。しかし、この面状の光への変換が十分に行われない場合には、蛍光管の配列に沿った縞状のランプイメージが発生し、液晶表示装置の表示品質を劣化させてしまう。

　当該バックライト装置の照明光の均一化を実現するためには、例えば、配置するランプの数を増やして隣り合うランプ間の距離を小さくしたり、拡散板の拡散度を高くしたりすることが望ましい。しかしながら、ランプの数を増大すれば、当該バックライト装置のコストが増大するとともに、消費電力も増大してしまう。また、拡散板の拡散度を高くすると、輝度を上昇させることができず、やはりランプの数を増大させる必要が生じるといった問題も発生してしまう。そこで、消費電力を抑制しつつ輝度均一性を維持するバックライト装置として、下記特許文献１に開示のものが知られている。

　特許文献１に記載のバックライト装置は、「光源光を発する光源と、光源光を液晶ディスプレイ側に反射するライトガイドと、光源と液晶ディスプレイとの間に位置し、光源の真上に相当する部分には照射された光源光の一部を遮る遮光手段が形成されており、かつ入射した光源光を均一な拡散光とする拡散板とを具備したことを特徴とする」ものとされている。
実開平２－６９３１８号公報

（発明が解決しようとする課題）
　しかしながら、上記したものでは、遮光手段によって拡散板の面内の領域毎に光の入射効率を制御している一方で、拡散板の光出射面はほぼ平滑な面とされているため、液晶パネルへ向けて出射する照明光は、遮光手段の態様を反映した指向性を持つ傾向にある。このため、拡散板の光出射面において輝度の視野角依存性が生じ、輝度ムラとなる可能性があった。特に、拡散板の光出射面を斜め方向から視た場合、拡散板を通して遮光手段の形状が明暗のムラとなって視認されるおそれがあった。

　上記問題に対処するには、例えば拡散板上に拡散シートなどの光学シート類を積層配置することが考えられる。しかし、そうすると光学部材の使用枚数、つまり部品点数が増加するため、部品調達コストや組付工数などの点で不利となってコスト高を招く結果となる。

　本発明は上記のような事情に基づいて完成されたものであって、低コストで輝度ムラを抑制することを目的とする。

（課題を解決するための手段）
　本発明の照明装置は、光源と、前記光源を収容しその光を出射するための開口部を有するシャーシと、前記光源と対向するよう前記開口部を覆う形で配される光学部材とを備え、前記光学部材の前記光源側には、面内で光反射率が領域毎に異なるように構成された光反射層が形成される一方、前記光学部材の前記光源とは反対側には、光を散乱させる散乱構造が形成されている。

　このようにすれば、光源から発せられた光は、面内で光反射率が領域毎に異なる光反射層によりその領域毎に入射効率が制御された状態で光学部材に入射する。光学部材に入射した光が光源とは反対側に出射される際には、散乱構造により散乱されるので、出射する照明光が光反射層の態様を反映した指向性を持ち難く、すなわち輝度の視野角依存性を緩和することができる。また、散乱構造は、光学部材に形成されているので、仮に散乱構造に代えて他の光学シートを光学部材に対して積層した場合と比べると、部品点数を削減することができる。

　本発明の実施態様として、次の構成が好ましい。
（１）前記光学部材の前記光源側にも、前記散乱構造が形成されている。このようにすれば、光源から発せられた光が光学部材に入射する段階で、光学部材の光源側に形成された散乱構造によって散乱されるので、輝度の視野角依存性をより良好に緩和することができる。

（２）前記光学部材の前記光源側に形成された前記散乱構造は、少なくとも前記光反射層に対して重畳する領域に形成されるとともに、前記光反射層よりも前記光源とは反対側に配されている。このようにすれば、光反射率に応じた割合で光が光反射層を透過し得るが、そのとき光反射層から光学部材に入射する光を散乱構造により散乱させることができるので、輝度の視野角依存性を一層良好に緩和することができる。

（３）前記散乱構造は、微視的な多数の凹部または凸部からなる。このようにすれば、多数の微視的な凹部または凸部によって光を良好に散乱させることができる。なお、ここで言う「微視的」とは、外形を眺めるのみでは具体的な形状を認識するのが難しく、拡大鏡や顕微鏡を用いてようやく具体的な形状を認識できる程度を示す。

（４）前記散乱構造は、前記光学部材の表面にロール転写された凹凸パターンにより構成される。このようにすれば、散乱構造を低コストで形成することができる。

（５）前記散乱構造は、前記光学部材の表面に多数分散した状態で付着した拡散粒子により構成される。このようにすれば、拡散粒子によって光を良好に散乱させることができる。

（６）前記散乱構造をなす前記凹部または前記凸部は、前記光学部材の面内における分布密度がほぼ均一になるよう形成されている。このようにすれば、光学部材の面内における光の散乱度合いを均一化することができるから、輝度の視野角依存性の緩和により好適となる。

（７）前記散乱構造における表面粗さ（Ｒｚ）は、１２μｍ～２０μｍとされる。このようにすれば、視野角依存性を生じさせることなく光を効率的に散乱させることができる。上記数値範囲を超えた場合、例えば２０μｍ以上では光の散乱が不十分で視野角依存性を良好に緩和できなくなるおそれがあり、また１２μｍ以下では光の散乱が過度になって光の利用効率が低下するため、十分な輝度が得られなくなるおそれがある。なお、ここで言う表面粗さ（Ｒｚ）は、ＪＩＳ　Ｂ０６０１に準拠した十点平均粗さのことを言う。

（８）前記散乱構造は、前記光学部材の面内における全域にわたって形成されている。このようにすれば、視野角依存性の緩和により好適となる。

（９）前記光反射層は、前記光学部材のうち少なくとも前記光源と重畳する光源重畳領域に形成されている。このようにすれば、光学部材を通して光源の存在を視認し難くなり、輝度ムラ防止に好適となる。

（１０）前記光反射層は、前記光学部材のうち前記光源と重畳しない光源非重畳領域にも形成され、前記光源重畳領域における光反射率が前記光源非重畳領域における光反射率よりも大きくなるものとされている。このようにすれば、光学部材に向かう光量が相対的に多い光源重畳領域については光反射層の光反射率が相対的に大きいので、光が相対的に反射され易く、その反射光を上記光量が相対的に少ない光源非重畳領域に向かわせることができる。一方、光源非重畳領域では光反射層の光反射率が相対的に小さいので、光が相対的に透過し易い。これにより、光学部材の面内における光の入射効率の均一化が図られる。

（１１）前記光反射層は、前記光学部材の面内における光反射率が前記光源重畳領域から前記光源非重畳領域にかけて連続的に漸次小さくなるものとされている。また、前記光反射層は、前記光学部材の面内における光反射率が前記光源重畳領域から前記光源非重畳領域にかけて段階的に逐次小さくなるものとされている。
　このように、光反射層における光反射率を光源重畳領域から光源非重畳領域にかけてグラデーションをなすように、より具体的には連続的に漸次、或いは段階的に逐次小さくすることにより、光源非重畳領域における照明光の輝度分布をなだらかにすることができ、ひいては当該照明装置全体としてなだらかな照明輝度分布を実現することが可能となる。

（１２）前記光源は、前記シャーシ内において前記光学部材の面内の全域にわたって分散して配されている。このようにすれば、輝度ムラの防止に一層好適となる。

（１３）前記シャーシは、前記光学部材と対向する部分が少なくとも、第１端部と、前記第１端部とは反対側の端部に位置する第２端部と、前記第１端部と前記第２端部とに挟まれる中央部とに区分され、前記第１端部、前記第２端部、及び前記中央部のうち、１つ又は２つの部分は前記光源が配置されてなる光源配置領域とされる一方、残りの部分は前記光源が配置されていない光源非配置領域とされ、前記光反射層は、前記光源配置領域と重畳する部位の光反射率が、前記光源非配置領域と重畳する部位の光反射率より大きくなるよう形成されている。
　このようにすれば、シャーシの第１端部、第２端部及び中央部のうち、１つ又は２つの部分は光源が配置されてなる光源配置領域とされ、残りの部分は光源が配置されていない光源非配置領域とされているため、シャーシ全体に万遍なく光源を配置する場合に比して、光源の数を減少させることができ、当該照明装置の低コスト化及び省電力化を実現することが可能となる。

　上記のように、光源を配置しない光源非配置領域を形成した場合には、当該光源非配置領域からは光が出射されないため、シャーシの開口部から出射される照明光が当該光源非配置領域に相当する部分では暗色化してしまい、不均一なものとなるおそれがある。
　しかしながら、本発明によれば、シャーシの開口部を覆う形で配される光学部材における光反射層の光反射率を、光源配置領域と重畳する部位では相対的に大きく、光源非配置領域と重畳する部位では相対的に小さくしている。これにより、光源配置領域の光源から出射された光は、まず光学部材のうち光反射率が相対的に大きい部位に到達するため、その多くが反射される（つまり透過されない）こととなり、光源からの出射光量に対して照明光の輝度が抑制される。一方、ここで反射された光は、シャーシ内で反射させ、光源非配置領域に到達させることが可能となり得る。光学部材のうち当該光源非配置領域と重畳する部位は相対的に光反射率が小さいため、より多くの光が透過されることとなり、所定の照明光の輝度を得ることができる。

　このように、光源配置領域の光源から出射された光を、光学部材の光反射率が相対的に大きい部位でシャーシ内に反射することにより光源非配置領域へと導くとともに、当該光源非配置領域では光学部材における光反射層の光反射率を相対的に小さくしておくことにより、光源を配置しない光源非配置領域からも照明光を出射することが可能となる。その結果、当該照明装置全体に光源を配置する必要がなく、低コスト化及び省電力化を実現することができる。

（１４）前記光反射層は、前記光源配置領域と重畳する部位の光反射率が一様とされている。このようにすれば、光源配置領域の光源から出射された光は、光学部材の光反射層により均一に反射（あるいは透過）されるため、当該光源配置領域において均一な照明光を得ることが可能となる。

（１５）前記シャーシにおいて、前記光源配置領域の面積は、前記光源非配置領域の面積よりも小さい。このように、光源が配置されてなる光源配置領域の面積が、光源が配置されない光源非配置領域の面積よりも小さいものとした場合にも、本発明の構成によれば、光源の光をシャーシ内で光源非配置領域へ導くことができるため、輝度の均一性を保持しつつ、低コスト化及び省電力化においてはより大きな効果が期待できる。

（１６）前記光源配置領域は、前記シャーシの前記中央部に形成されている。このようにすれば、シャーシの中央部に光源配置領域を設けることにより、当該照明装置の中央部に十分な輝度を確保することができ、当該照明装置を備える表示装置においても表示中央部の輝度が確保されることとなるため、良好な視認性を得ることが可能となる。

（１７）前記光源配置領域は、前記シャーシの前記第１端部又は前記第２端部のいずれか一方に形成されている。また、前記光源配置領域は、前記シャーシの前記第１端部及び前記第２端部に形成されている。
　このように、当該照明装置の使用条件等に応じて、光源配置領域はシャーシの任意の部位に形成することができる。

（１８）前記光反射層は、前記光源非配置領域と重畳する部位の光反射率が、前記光源配置領域と重畳する部位と近い側において、これと遠い側よりも大きくなるように形成されている。このようにすれば、光源配置領域の光源から光源非配置領域へ反射されてきた光は、光反射層において光源配置領域と重畳する部位に近い部位では相対的に反射され易く、この反射光が光源配置領域と重畳する部位から遠い部位へも届くようになる。さらに、光反射層のうち光源配置領域と重畳する部位から遠い部位では、光反射率が相対的に小さいものとされているため、より多くの光が透過されることとなり、所定の照明光の輝度を得ることができる。したがって、光源非配置領域における照明光の輝度を略均一とすることができ、当該照明装置全体としてなだらかな照明輝度分布を実現することが可能となる。

（１９）前記光反射層は、前記光源非配置領域と重畳する部位の光反射率が、前記光源配置領域と重畳する部位に近い側から遠い側にかけて連続的に漸次小さくなるように形成されている。また、前記光反射層は、前記光源非配置領域と重畳する部位の光反射率が、前記光源配置領域と重畳する部位に近い側から遠い側にかけて段階的に逐次小さくなるように形成されている。
　このように、光反射層において、光源非配置領域と重畳する部位の光反射率を、光源配置領域と重畳する部位に近い側から遠い側にかけてグラデーションをなすように、より具体的には連続的に漸次、或いは段階的に逐次小さくすることにより、光源非配置領域における照明光の輝度分布をなだらかにすることができ、ひいては当該照明装置全体としてなだらかな照明輝度分布を実現することが可能となる。

（２０）前記光反射層は、光反射性を備えたドットパターンにより構成されている。このように、光反射層をドットパターンにより構成することにより、そのパターンの態様（数、面積等）により反射の程度を制御することができ、容易に均一な輝度を得ることが可能となる。

（２１）前記光学部材には、拡散粒子が分散して含有されている。このようにすれば、光源からの光が光学部材を透過する過程で拡散粒子によって拡散されるので、輝度の視野角依存性をより緩和することができる。

（２２）前記光反射層は、光反射率が前記光学部材よりも高くなっている。このようにすれば、光学部材への光の入射効率を適切に制御することが可能となる。

　次に、上記課題を解決するために、本発明の表示装置は、上記記載の照明装置と、前記照明装置からの光を利用して表示を行う表示パネルとを備える。
　このような表示装置によると、表示パネルに対して光を供給する照明装置が、輝度ムラの生じ難いものであるため、表示品質の優れた表示を実現することが可能となる。

　前記表示パネルとしては液晶パネルを例示することができる。このような表示装置は液晶表示装置として、種々の用途、例えばテレビやパソコンのディスプレイ等に適用でき、特に大型画面用として好適である。

（発明の効果）
　本発明によれば、低コストで輝度ムラを抑制することができる。

本発明の実施形態１に係るテレビ受信装置の概略構成を示す分解斜視図テレビ受信装置が備える液晶表示装置の概略構成を示す分解斜視図液晶表示装置の短辺方向に沿った断面構成を示す断面図液晶表示装置の長辺方向に沿った断面構成を示す断面図液晶表示装置に備わる冷陰極管とシャーシとの配置構成を示す平面図拡散板の詳細構造を示す要部拡大断面図拡散板における光反射率の分布を説明する平面図拡散板における冷陰極管と対向する面の概略構成を示す要部拡大平面図拡散板の短辺方向における光反射率の変化を示すグラフ実施形態１の変形例１に係る拡散板の詳細構造を示す要部拡大断面図実施形態１の変形例２に係る拡散板の詳細構造を示す要部拡大断面図実施形態１の変形例３に係る拡散板の詳細構造を示す要部拡大断面図実施形態１の変形例４に係る拡散板における冷陰極管と対向する面の概略構成を示す要部拡大平面図図１３の拡散板の短辺方向における光反射率の変化を示すグラフ実施形態１の変形例５に係る拡散板における冷陰極管と対向する面の概略構成を示す要部拡大平面図図１５の拡散板の短辺方向における光反射率の変化を示すグラフ本発明の実施形態２に係る液晶表示装置の概略構成を示す分解斜視図液晶表示装置の短辺方向に沿った断面構成を示す断面図液晶表示装置に備わる冷陰極管とシャーシとの配置構成を示す平面図拡散板における光反射率の分布を説明する平面図拡散板の短辺方向における光反射率の変化を示すグラフ実施形態２の変形例１に係る拡散板における光反射率の分布を説明する平面図図２２の拡散板の短辺方向における光反射率の変化を示すグラフ実施形態２の変形例２に係る拡散板における光反射率の分布を説明する平面図図２４の拡散板の短辺方向における光反射率の変化を示すグラフ実施形態２の変形例３に係る拡散板における光反射率の分布を説明する平面図図２６の拡散板の短辺方向における光反射率の変化を示すグラフ実施形態２の変形例４に係るバックライト装置に備わる冷陰極管とシャーシとの配置構成を示す平面図図２８の拡散板における光反射率の分布を説明する平面図図２９の拡散板の短辺方向における光反射率の変化を示すグラフ実施形態２の変形例５に係るバックライト装置に備わる冷陰極管とシャーシとの配置構成を示す平面図図３１の拡散板における光反射率の分布を説明する平面図図３２の拡散板の短辺方向における光反射率の変化を示すグラフ

　１０…液晶表示装置（表示装置）、１１…液晶パネル（表示パネル）、１２…バックライト装置（照明装置）、１４…シャーシ、１４ｂ…開口部、１４Ａ…第１端部、１４Ｂ…第２端部、１４Ｃ…中央部、１５…拡散板（光学部材）、１７…冷陰極管（光源）、３０…光反射層、３１…散乱構造、３１ａ，３１ｃ…凸部、３１ｂ…拡散粒子（凸部）、３２…第２の散乱構造（散乱構造）、３２ａ…凸部、ＬＡ…光源配置領域、ＬＮ…光源非配置領域、ＳＡ…光源重畳領域、ＳＮ…光源非重畳領域、ＴＶ…テレビ受信装置

　＜実施形態１＞
　本発明の実施形態１を図１から図９によって説明する。まず、液晶表示装置１０を備えたテレビ受信装置ＴＶの構成について説明する。
　図１は本実施形態のテレビ受信装置の概略構成を示す分解斜視図、図２は図１のテレビ受信装置が備える液晶表示装置の概略構成を示す分解斜視図、図３は図２の液晶表示装置の短辺方向に沿った断面構成を示す断面図、図４は図２の液晶表示装置の長辺方向に沿った断面構成を示す断面図、図５は図２の液晶表示装置に備わる冷陰極管とシャーシとの配置構成を示す平面図である。なお、図５おいては、シャーシの長辺方向をＸ軸方向とし、短辺方向をＹ軸方向としている。

　本実施形態に係るテレビ受信装置ＴＶは、図１に示すように、液晶表示装置１０と、当該液晶表示装置１０を挟むようにして収容する表裏両キャビネットＣａ，Ｃｂと、電源Ｐと、チューナーＴと、スタンドＳとを備えて構成される。液晶表示装置（表示装置）１０は、全体として横長の方形を成し、縦置き状態で収容されている。この液晶表示装置１０は、図２に示すように、表示パネルである液晶パネル１１と、外部光源であるバックライト装置（照明装置）１２とを備え、これらが枠状のベゼル１３などにより一体的に保持されるようになっている。

　次に、液晶表示装置１０を構成する液晶パネル１１及びバックライト装置１２について説明する（図２ないし図４参照）。
　液晶パネル（表示パネル）１１は、一対のガラス基板が所定のギャップを隔てた状態で貼り合わせられるとともに、両ガラス基板間に液晶が封入された構成とされる。一方のガラス基板には、互いに直交するソース配線とゲート配線とに接続されたスイッチング素子（例えばＴＦＴ）と、そのスイッチング素子に接続された画素電極、さらには配向膜等が設けられている。また、他方のガラス基板には、Ｒ（赤色），Ｇ（緑色），Ｂ（青色）等の各着色部が所定配列で配置されたカラーフィルタや対向電極、さらには配向膜等が設けられている。なお、両基板の外側には偏光板１１ａ，１１ｂが配されている（図３及び図４参照）。

　バックライト装置１２は、図２に示すように、光出射面側（液晶パネル１１側）に開口部１４ｂを有した略箱型をなすシャーシ１４と、シャーシ１４の開口部１４ｂを覆うようにして配される拡散板（光学部材、光拡散部材）１５と、シャーシ１４の長辺に沿って配され拡散板１５の長辺縁部をシャーシ１４との間で挟んで保持するフレーム１６とを備える。さらに、シャーシ１４内には、冷陰極管（光源）１７と、冷陰極管１７をシャーシ１４に取り付けるためのランプクリップ１８と、冷陰極管１７の各端部において電気的接続の中継を担う中継コネクタ１９と、冷陰極管１７群の端部及び中継コネクタ１９群を一括して覆うホルダ２０とを備える。なお、当該バックライト装置１２においては、冷陰極管１７よりも拡散板１５側が光出射側となっている。

　シャーシ１４は、金属製とされ、図３及び図４に示すように、矩形状の底板１４ａと、その各辺から立ち上がり略Ｕ字状に折り返された折返し外縁部２１（短辺方向の折返し外縁部２１ａ及び長辺方向の折返し外縁部２１ｂ）とからなる浅い略箱型に板金成形されている。シャーシ１４の底板１４ａには、その長辺方向の両端部に、中継コネクタ１９を取り付けるための取付孔２２が複数穿設されている。さらに、シャーシ１４の折返し外縁部２１ｂの上面には、図３に示すように、固定孔１４ｃが穿設されており、例えばネジ等によりベゼル１３、フレーム１６、及びシャーシ１４等を一体化することが可能とされている。

　シャーシ１４の底板１４ａの内面側（冷陰極管１７と対向する面側）には反射シート２３が配設されている。反射シート２３は、合成樹脂製とされ、その表面が光反射性に優れた白色とされており、シャーシ１４の底板１４ａの内面に沿ってそのほぼ全域を覆うように敷かれている。当該反射シート２３の長辺縁部は、図３に示すように、シャーシ１４の折返し外縁部２１ｂを覆うように立ち上がり、シャーシ１４と拡散板１５とに挟まれた状態とされている。この反射シート２３により、冷陰極管１７から出射された光を拡散板１５側に反射させることが可能となっている。

　冷陰極管１７は、細長い管状をなしており、図５に示すように、多数本（図５では１２本）が互いに平行に並んだ状態でシャーシ１４内に収容されている。より詳しくは、冷陰極管１７は、その長さ方向（軸方向）をシャーシ１４の長辺方向と一致させた状態で、シャーシ１４の短辺方向に沿って所定の配列ピッチでもって並列配置され、シャーシ１４の底板１４ａ全体（全域）にわたって万遍なく分散して配置されている。なお、各冷陰極管１７の配列ピッチは、ほぼ等しくされている。冷陰極管１７は、ランプクリップ１８（図３及び図４では図示せず）に把持されることで、シャーシ１４の底板１４ａ（反射シート２３）との間に僅かな間隙が設けられた状態で支持されている（図４参照）。

　冷陰極管１７の端部及び中継コネクタ１９を覆うホルダ２０は、白色を呈する合成樹脂製とされ、図２に示すように、シャーシ１４の短辺方向に沿って延びる細長い略箱型をなしている。当該ホルダ２０は、図４に示すように、その表面側に拡散板１５ないし液晶パネル１１を段違いに載置可能な階段状面を有するとともに、シャーシ１４の短辺方向の折返し外縁部２１ａと一部重畳した状態で配されており、折返し外縁部２１ａとともに当該バックライト装置１２の側壁を形成している。ホルダ２０のうちシャーシ１４の折返し外縁部２１ａと対向する面からは挿入ピン２４が突出しており、当該挿入ピン２４がシャーシ１４の折返し外縁部２１ａの上面に形成された挿入孔２５に挿入されることで、当該ホルダ２０はシャーシ１４に取り付けられるものとされている。

　シャーシ１４の底板１４ａの外面側（冷陰極管１７が配された側とは反対側）には、図３及び図４に示すように、冷陰極管１７の端部と重畳する位置にインバータ基板（光源駆動基板）２８が取り付けられており、当該インバータ基板２８から冷陰極管１７へ駆動電力が供給されている。冷陰極管１７の各端部には駆動電力を受容する端子（図示せず）が備えられ、当該端子とインバータ基板２８から延びるハーネス２８ａ（図４参照）とが電気的に接続されることで高圧の駆動電力の供給が可能とされている。かかる電気的接続は冷陰極管１７の端部が嵌め込まれた中継コネクタ１９内で形成され、当該中継コネクタ１９を被覆するようにホルダ２０が取り付けられている。

　一方、シャーシ１４の開口部１４ｂ側には、拡散板１５が配設されている。拡散板１５は、冷陰極管１７から出射された線状の光を面状に変換して液晶パネル１１へ照明するためのものである。拡散板１５の短辺縁部は上記したようにホルダ２０の第１面２０ａ上に載置されており、上下方向の拘束力を受けないものとされている。一方、拡散板１５の長辺縁部は、図３に示すように、シャーシ１４（反射シート２３）とフレーム１６とに挟持されている。このように配置されることで、拡散板１５は、シャーシ１４の開口部１４ｂを覆うものとなっている。

　なお、本実施形態で用いた冷陰極管１７は管径が４．０ｍｍ、冷陰極管１７と反射シート２３との間の距離が０．８ｍｍ、隣り合う冷陰極管１７間の距離が１６．４ｍｍ、冷陰極管１７と拡散板１５との距離が２．７ｍｍとされている。このようにバックライト装置１２では各構成部材間で薄型化が図られており、特に冷陰極管１７と拡散板１５との距離、冷陰極管１７と反射シート２３との距離を小さくしている。そして、このようなバックライト装置１２の薄型化により、液晶表示装置１０の厚さ（つまり液晶パネル１１の表面からバックライト装置１２の裏面に至る厚さ）が１６ｍｍ、テレビ受信装置ＴＶの厚さ（つまり表側キャビネットＣａの表面から裏側キャビネットＣｂの裏面に至る厚さ）が３４ｍｍとされ、薄型のテレビ受信装置が実現されている。

　ここで、拡散板１５の構成について図６から図９を用いて詳細に説明する。
　図６は拡散板の詳細構造を示す要部拡大断面図、図７は図６の拡散板における光反射率の分布を説明する平面図、図８は図６の拡散板における冷陰極管と対向する面の概略構成を示す要部拡大平面図、図９は図６の拡散板の短辺方向における光反射率の変化を示すグラフである。なお、図６から図９においては、拡散板の長辺方向をＸ軸方向とし、これらの短辺方向をＹ軸方向としている。また、図９において、横軸はＹ軸方向（短辺方向）を示しており、Ｙ軸方向のＡ点からＡ′点までの光反射率をプロットしたグラフとなっている。

　拡散板１５は、ほぼ透明な（透光性を有する）合成樹脂製（例えばポリスチレン製）の基材中に、光を拡散させる拡散粒子が所定量分散配合されてなり、全体にわたって光透過率及び光反射率がほぼ均一とされる。なお、拡散板１５の具体的な光透過率及び光反射率は、例えば光透過率が８７．５％程度、光反射率が１２．５％程度とされるのが好ましい。拡散板１５は、全体としてシャーシ１４の底板１４ａと同等の大きさで且つ平面視矩形の板状をなしており、冷陰極管１７と対向する面（以下、第１面１５ａという）と、当該第１面１５ａとは反対側に位置して、液晶パネル１１と対向する面（以下、第２面１５ｂという）とを有する。このうち、第１面１５ａが冷陰極管１７側からの光が入射される光入射面とされるのに対し、第２面１５ｂが液晶パネル１１へ向けて光（照明光）を出射する光出射面とされる。この拡散板１５は、入射した光を面内に導光する機能を有している。詳しくは、第１面１５ａから入射し、内部を伝播する光のうち第２面１５ｂに対する入射角が臨界角を超えるものについては、第２面１５ｂにて全反射し、その後第１面１５ａ及び第２面１５ｂの間で全反射を繰り返しながら面方向（Ｘ軸方向及びＹ軸方向）に導光されるようになっている。なお、導光される過程で光が拡散粒子に当たると、そこで拡散が生じるため、第２面１５ｂからの出射が可能となる。

　そして、拡散板１５のうち光入射面を構成する第１面１５ａ上には、図６に示すように、白色を呈するドットパターンをなす光反射層３０が形成されている。光反射層３０は、平面視丸形をなす複数のドット３０ａをジグザグ状（千鳥状、互い違い状）に配置することで構成されている。光反射層３０を構成するドットパターンは、例えば金属酸化物が含有されたペーストを拡散板１５の表面に印刷することにより形成される。当該印刷手段としては、スクリーン印刷、インクジェット印刷等が好適である。光反射層３０は、それ自身の光反射率が例えば７５％程度とされ、拡散板１５自身の面内の光反射率が１２．５％程度とされるのに比して、大きい光反射率を有するものとされている。ここで、本実施形態では、各材料の光反射率は、コニカミノルタ社製ＣＭ－３７００ｄのＬＡＶ（測定径φ２５．４ｍｍ）にて測定された測定径内の平均光反射率を用いている。なお、光反射層３０自身の光反射率は、ガラス基板の一面全体に亘って当該光反射層３０を形成し、その形成面を上記測定手段に基づいて測定した値としている。

　拡散板１５は、長辺方向（Ｘ軸方向）及び短辺方向（Ｙ軸方向）を有しており、光反射層３０のドットパターンを変化させることにより、拡散板１５の冷陰極管１７と対向する第１面１５ａの光反射率が、図７から図９に示すように短辺方向に沿って変化するものとされている。すなわち、拡散板１５は、全体として、第１面１５ａにおいて、冷陰極管１７と重畳する部位（以下、光源重畳領域ＳＡと称する）の光反射率が、冷陰極管１７と重畳しない部位（以下、光源非重畳領域ＳＮと称する）の光反射率より大きい構成とされている。

　より詳細には、拡散板１５の光源重畳領域ＳＡにおいては、光反射率が５０％で概ね一様とされ、当該拡散板１５内で最大値を示す。一方、拡散板１５の光源非重畳領域ＳＮにおいては、光反射率は、光源重畳領域ＳＡに近い側から遠ざかるに従って連続的に漸次小さくなり、光源重畳領域ＳＡから最も遠ざかった部位、すなわち隣り合う冷陰極管１７の間の中央部位で最小値の３０％とされている。なお、拡散板１５の光源非重畳領域ＳＮのうち、隣り合う冷陰極管１７の間の中央部位であってＹ軸方向のＢ点からＢ′点までの領域では、光反射率が３０％で概ね一様とされる。

　上述のような拡散板１５の光反射率の分布は、光反射層３０の各ドット３０ａの面積（径寸法）により決定される。つまり、光反射層３０自身の光反射率は、拡散板１５自身の光反射率に比べて大きいものとされているため、当該光反射層３０のドット３０ａの面積を相対的に大きくすれば光反射率を相対的に大きくすることができ、光反射層３０のドット３０ａの面積を相対的に小さくすれば光反射率を相対的に小さくすることができる。具体的には、拡散板１５は、光源重畳領域ＳＡでは、光反射層３０のドット３０ａの面積が大きく、且つ同一とされている。一方、光源非重畳領域ＳＮ（Ｙ軸方向のＢ点からＢ′点までの領域を除く）では、光反射層３０は、各ドット３０ａの面積を光源重畳領域ＳＡからの距離に反比例して連続的に小さくなる構成とされている。なお、光反射率の調整手段として、光反射層３０の各ドットの面積は同一とし、そのドット同士の間隔を変更するものとしても良い。

　続いて、拡散板１５の第２面１５ｂの構成について説明する。拡散板１５のうち光出射面を構成する第２面１５ｂ上には、図６に示すように、拡散板１５から出射される光を散乱させる散乱構造３１が設けられている。散乱構造３１は、拡散板１５の第２面１５ｂにおいてその面内の全域にわたって形成されている。散乱構造３１は、拡散板１５の第２面１５ｂに一体形成された多数の微視的な凸部３１ａにより構成されている。この凸部３１ａは、表面の断面形状が略円弧状をなしており、第２面１５ｂの面内に多数分散して配されている。各凸部３１ａの個々の形状及び大きさ、並びに第２面１５ｂの面内における配置については全て不規則なものとされる。なお、本実施形態では、散乱構造３１を「凸部」の集合として説明しているが、隣り合う凸部３１ａ間の谷となる空間を「凹部」と捉えれば、散乱構造３１は多数の微視的な「凹部」により構成されているとも言える。散乱構造３１をなす多数の凸部３１ａは、拡散板１５の製造工程において形成されており、具体的には樹脂成形された拡散板１５が製造過程で通過するロールの一部について所定の凹凸パターンを備えた転写ロール（図示せず）とし、その転写ロールを拡散板１５が通過する際に上記凹凸パターンが拡散板１５の第２面１５ｂに転写されることで形成される。従って、転写ロールの凹凸パターンを調整することで、拡散板１５の第２面１５ｂにおける散乱構造３１の表面粗さや分布密度などを容易に制御することが可能とされる。これにより、低コストで且つ容易に散乱構造３１を拡散板１５に形成することができる。この散乱構造３１は、拡散板１５の第２面１５ｂにおいてその面内の分布密度がほぼ均一なものとされる。この散乱構造３１における表面粗さ（Ｒｚ）は、１２μｍ～２０μｍとするのが好ましい。この表面粗さ（Ｒｚ）は、ＪＩＳ　Ｂ０６０１に準拠した十点平均粗さのことを言う。なお、ここで言う「微視的」とは、外形を眺めるのみでは具体的な形状を認識するのが難しく、拡大鏡や顕微鏡を用いてようやく具体的な形状を認識できる程度を示す。

　本実施形態は以上のような構造であり、続いてその作用及び効果について説明する。液晶表示装置１０を使用するにあたって各冷陰極管１７を点灯させると、各冷陰極管１７から発せられた光は、拡散板１５の第１面１５ａに対して直接的に、または反射シート２３にて反射されてから間接的に入射し、拡散板１５を透過した後、その第２面１５ｂから液晶パネル１１へ向けて出射される。以下、拡散板１５の各構成部位の作用及び効果について詳細に説明する。

　冷陰極管１７から発せられた光が入射される拡散板１５の第１面１５ａには、図６に示すように、面内で光反射率が領域毎に異なる光反射層３０が形成されていることで、各領域毎に光の入射効率が適切に制御可能とされている。詳しくは、第１面１５ａのうち冷陰極管１７と重畳する光源重畳領域ＳＡでは、冷陰極管１７からの直接光が多く、光源非重畳領域ＳＮよりも光量が相対的に多くなっている。そこで、光源重畳領域ＳＡにおける光反射層３０の光反射率を相対的に大きくすることで（図７から図９参照）、第１面１５ａへの光の入射を抑制（規制）することができるとともに多くの光がシャーシ１４内に反射されて戻される。この光源重畳領域ＳＡにおける光反射層３０は、光反射率が一様となるよう形成されているので、光源重畳領域ＳＡに向かう光を均一に反射（あるいは透過）させることができ、光源重畳領域ＳＡにおける輝度を均一化することができる。一方、第１面１５ａのうち冷陰極管１７と重畳しない光源非重畳領域ＳＮでは、冷陰極管１７からの直接光が少なく、光源重畳領域ＳＡよりも光量が相対的に少なくなっている。そこで、光源非重畳領域ＳＮにおける光反射層３０の光反射率を相対的に小さくすることで（図７から図９参照）、第１面１５ａへの光の入射を促すことができる。このとき、光源非重畳領域ＳＮには、光源重畳領域ＳＡの光反射層３０によってシャーシ１４内に反射された光が反射シート２３などにより導かれていて光量が補われているので、光源非重畳領域ＳＮに入射する光量を十分に確保することができる。以上により、拡散板１５の第１面１５ａの面内における光の入射効率を均一化することができる。

　拡散板１５内に入射した光は、内部を透過してから第２面１５ｂより液晶パネル１１側へ向けて出射される。この過程では、拡散板１５内を透過して第２面１５ｂに至った光のうち、第２面１５ｂに対して臨界角を超えるものについては、第２面１５ｂにて全反射し、その後第１面１５ａ及び第２面１５ｂの間で全反射を繰り返しながら面方向に沿って導光される。この導光過程において、光が拡散粒子に当たると、そこで拡散が生じるため、第２面１５ｂに対する臨界角を超えない光が生み出され、第２面１５ｂから出射されることになる。

　ところで、拡散板１５に入射した光は、既述した通り光反射層３０によってその面内の領域毎の入射効率が制御されているため、光反射層３０の態様を反映した指向性を持ち得るものとされている。ここで、拡散板１５の光出射面である第２面１５ｂが、仮に平滑面であった場合には、光反射層３０の態様を反映した指向性を持った状態の光がそのまま第２面１５ｂから出射されることになるため、輝度の視野角依存性が生じるおそれがある。特に、第２面１５ｂを斜め方向から視た場合、拡散板１５を通して光反射層３０の形状が明暗のムラとなって視認されるおそれがあった。

　その点、本実施形態によれば、拡散板１５の光出射面である第２面１５ｂには、光を散乱させる散乱構造３１が設けられているので、その散乱構造３１により第２面１５ｂから出射する光を散乱させることができ、出射光（照明光）の指向性をほぼ無くすことができる。詳しくは、拡散板１５内の光が第２面１５ｂに達すると、そこに形成された散乱構造３１をなす多数の微視的な凸部３１ａの表面にて散乱させられつつ外部へ出射される。この凸部３１ａは、形状、大きさ及び第２面１５ｂにおける配置が全て不規則になっているので、光の出射方向を無秩序なものとすることができる。これにより、拡散板１５内の光が光反射層３０の態様を反映した指向性を持ったまま第２面１５ｂから出射されるのを回避することができ、もって輝度の視野角依存性を緩和することができる。しかも、散乱構造３１をなす凸部３１ａの分布密度は、第２面１５ｂの面内においてほぼ均一なものとされているから、第２面１５ｂにおける出射光の散乱度合いが面内で均一化されており、もって輝度の視野角依存性の緩和により好適となる。さらには、この散乱構造３１における表面粗さ（Ｒｚ）は、１２μｍ～２０μｍの範囲とされているから、視野角依存性を生じさせることなく、光を効率的に散乱させることができる。ここで、仮に上記表面粗さを２０μｍ以上とすると、光の散乱が不十分となって視野角依存性を良好に緩和できなくなるおそれがあり、また１２μｍ以下では光の散乱が過度になるため、液晶パネル１１を照明するのに不要な成分の光が多く生じる可能性があって光の利用効率が低下し、結果十分な輝度が得られなくなるおそれがある。

＜実施例＞
　以下、上記実施形態に係る拡散板１５を用いた実施例と、上記実施形態とは異なる構成の拡散板を用いた比較例とで輝度ムラがどの程度視認されるかを実験し、その結果を下記の表１に示す。当該比較実験では、拡散板の裏側に１本の冷陰極管を配置し点灯させた状態で拡散板を表側から目視しており、表１における「正面視」は、冷陰極管を直上位置にて正面から目視した場合を示し、「斜視」は、冷陰極管を直上位置からずれた位置にて斜め４５度の方向から目視した場合を示している。また、表１において「◎」は、輝度ムラが全く視認されない場合を、「○」は、輝度ムラが概ね視認されない場合を、「△」は、輝度ムラがやや視認される場合を、「×」は、輝度ムラが視認される場合を示す。
　比較例１では、上記実施形態に係る拡散板１５から散乱構造３１を除去した構成の拡散板を用いている。比較例２では、比較例１に係る拡散板の上に、それよりも薄肉で内部に拡散粒子を所定量分散配合してなる拡散シート（図示せず）を１枚積層して配置した構成としている。なお、比較例２に係る拡散シートは、全体の光透過率が６０％で一様とされる。

　上記した表１からも明らかなように、本実施形態に係る拡散板１５を用いることで、輝度ムラを良好に防止することができる。また、比較例２のように拡散板に加えて拡散シートを積層配置すれば、輝度ムラについては本実施形態には及ばないもののある程度は軽減することができる反面、使用する光学部材の枚数及び種類が増加することになる。このため、拡散シートの製造コストや管理コストなどの部品調達コスト、並びにバックライト装置の組付工程における組付工数が増加するため、コスト高となる。その点、本実施形態に係る拡散板１５を用いるようにすれば、拡散シートを積層することなく、極めて高い輝度ムラ防止効果を得ることができるので、低コストでの対策が可能となる。

　以上説明したように本実施形態に係るバックライト装置１２は、冷陰極管１７と、冷陰極管１７を収容しその光を出射するための開口部１４ｂを有するシャーシ１４と、冷陰極管１７と対向するよう開口部１４ｂを覆う形で配される拡散板１５とを備え、拡散板１５の冷陰極管１７側には、面内で光反射率が領域毎に異なるように構成された光反射層３０が形成される一方、拡散板１５の冷陰極管１７とは反対側には、光を散乱させる散乱構造３１が形成されている。

　このようにすれば、冷陰極管１７から発せられた光は、面内で光反射率が領域毎に異なる光反射層３０によりその領域毎に入射効率が制御された状態で拡散板１５に入射する。拡散板１５に入射した光が冷陰極管１７とは反対側に出射される際には、散乱構造３１により散乱されるので、出射する照明光が光反射層３０の態様を反映した指向性を持ち難く、すなわち輝度の視野角依存性を緩和することができる。また、散乱構造３１は、拡散板１５に形成されているので、仮に散乱構造３１に代えて他の光学シート（拡散シートなど）を拡散板１５に対して積層した場合と比べると、部品点数を削減することができる。

　また、散乱構造３１は、微視的な多数の凸部３１ａからなる。このようにすれば、多数の微視的な凸部３１ａによって光を良好に散乱させることができる。なお、ここで言う「微視的」とは、外形を眺めるのみでは具体的な形状を認識するのが難しく、拡大鏡や顕微鏡を用いてようやく具体的な形状を認識できる程度を示す。

　また、散乱構造３１は、拡散板１５の表面にロール転写された凹凸パターンにより構成される。このようにすれば、散乱構造３１を低コストで形成することができる。

　また、散乱構造３１をなす凸部３１ａは、拡散板１５の面内における分布密度がほぼ均一になるよう形成されている。このようにすれば、拡散板１５の面内における光の散乱度合いを均一化することができるから、輝度の視野角依存性の緩和により好適となる。

　また、散乱構造３１における表面粗さ（Ｒｚ）は、１２μｍ～１２μｍとされる。このようにすれば、視野角依存性を生じさせることなく光を効率的に散乱させることができる。上記数値範囲を超えた場合、例えば２０μｍ以上では光の散乱が不十分で視野角依存性を良好に緩和できなくなるおそれがあり、また１２μｍ以下では光の散乱が過度になって光の利用効率が低下するため、十分な輝度が得られなくなるおそれがある。なお、ここで言う表面粗さ（Ｒｚ）は、ＪＩＳ　Ｂ０６０１に準拠した十点平均粗さのことを言う。

　また、散乱構造３１は、拡散板１５の面内における全域にわたって形成されている。このようにすれば、視野角依存性の緩和により好適となる。

　また、光反射層３０は、拡散板１５のうち少なくとも冷陰極管１７と重畳する光源重畳領域ＳＡに形成されている。このようにすれば、拡散板１５を通して冷陰極管１７の存在を視認し難くなり、輝度ムラ防止に好適となる。

　また、光反射層３０は、拡散板１５のうち冷陰極管１７と重畳しない光源非重畳領域ＳＮにも形成され、光源重畳領域ＳＡにおける光反射率が光源非重畳領域ＳＮにおける光反射率よりも大きくなるものとされている。このようにすれば、拡散板１５に向かう光量が相対的に多い光源重畳領域ＳＡについては光反射層３０の光反射率が相対的に大きいので、光が相対的に反射され易く、その反射光を上記光量が相対的に少ない光源非重畳領域ＳＮに向かわせることができる。一方、光源非重畳領域ＳＮでは光反射層３０の光反射率が相対的に小さいので、光が相対的に透過し易い。これにより、拡散板１５の面内における光の入射効率の均一化が図られる。

　また、光反射層３０は、拡散板１５の面内における光反射率が光源重畳領域ＳＡから光源非重畳領域ＳＮにかけて連続的に漸次小さくなるものとされている。このように、光反射層３０における光反射率を光源重畳領域ＳＡから光源非重畳領域ＳＮにかけてグラデーションをなすように、より具体的には連続的に漸次小さくすることにより、光源非重畳領域ＳＮにおける照明光の輝度分布をなだらかにすることができ、ひいては当該バックライト装置１２全体としてなだらかな照明輝度分布を実現することが可能となる。

　また、冷陰極管１７は、シャーシ１４内において拡散板１５の面内の全域にわたって分散して配されている。このようにすれば、輝度ムラの防止に一層好適となる。

　また、光反射層３０は、光反射性を備えたドットパターンにより構成されている。このように、光反射層３０をドットパターンにより構成することにより、そのパターンの態様（数、面積等）により反射の程度を制御することができ、容易に均一な輝度を得ることが可能となる。

　また、拡散板１５には、拡散粒子が分散して含有されている。このようにすれば、冷陰極管１７からの光が拡散板１５を透過する過程で拡散粒子によって拡散されるので、輝度の視野角依存性をより緩和することができる。

　また、光反射層３０は、光反射率が拡散板１５よりも高くなっている。このようにすれば、拡散板１５への光の入射効率を適切に制御することが可能となる。

　以上、本発明の実施形態１を示したが、本発明は上記実施の形態に限られるものではなく、例えば以下のような変形例を含むこともできる。なお、以下の各変形例において、上記実施形態と同様の部材には、上記実施形態と同符号を付して図示及び説明を省略するものもある。

［実施形態１の変形例１］
　実施形態１のバックライト装置１２の変形例１について図１０を用いて説明する。ここでは、拡散板１５‐１の第１面１５ａ‐１にも散乱構造３２‐１を設けたものを示す。なお、図１０は本変形例に係る拡散板の詳細構造を示す要部拡大断面図である。

　拡散板１５‐１のうち冷陰極管１７と対向するとともに光入射面を構成する第１面１５ａ‐１には、光出射面を構成する第２面１５ｂに形成した散乱構造３１と同様の第２の散乱構造３２‐１が設けられている。第２の散乱構造３２は、多数の微視的な凸部３２ａを第１面１５ａ‐１の面内に多数分散配置してなり、その形状、大きさ及び面内の配置が不規則なものとされている。第２の散乱構造３２は、第１面１５ａ‐１の面内における全域にわたって形成されており、従って光反射層３０‐１に対して平面視重畳する関係にある。そして、光反射層３０‐１は、第２の散乱構造３２上に形成されており、言い換えると第２の散乱構造３２が光反射層３０‐１よりも冷陰極管１７とは反対側、つまり光出射側に配されていることになる。従って、冷陰極管１７から発せられた光のうち、光反射層３０‐１をなすドット３０ａ‐１の間から第１面１５ａ‐１に達したものは、そこで第２の散乱構造３２によって散乱させられつつ拡散板１５‐１内に入射される。一方、冷陰極管１７から発せられた光のうち、光反射層３０‐１に透過した後に第１面１５ａ‐１に達したものも、やはり第２の散乱構造３２によって散乱させられつつ拡散板１５‐１内に入射される。以上のように光反射層３０‐１によりその態様を反映した指向性を持ち得る光を、第２の散乱構造３２により散乱させた状態で拡散板１５‐１内に入射させることができるので、入射の段階で上記指向性を緩和することができる。その上で、第２面１５ｂから光が出射する際に散乱構造３１によって再度散乱がなれるので、輝度の視野角依存性を一層良好に緩和することができる。

　以上説明したようにこの変形例１によれば、拡散板１５‐１の冷陰極管１７側にも、散乱構造３２が形成されている。このようにすれば、冷陰極管１７から発せられた光が拡散板１５‐１に入射する段階で、拡散板１５‐１の冷陰極管１７側に形成された散乱構造３２によって散乱されるので、輝度の視野角依存性をより良好に緩和することができる。

　また、拡散板１５‐１の冷陰極管１７側に形成された散乱構造３２は、少なくとも光反射層３０‐１に対して重畳する領域に形成されるとともに、光反射層３０‐１よりも冷陰極管１７とは反対側に配されている。このようにすれば、光反射率に応じた割合で光が光反射層３０‐１を透過し得るが、そのとき光反射層３０‐１から拡散板１５‐１に入射する光を散乱構造３２により散乱させることができるので、輝度の視野角依存性を一層良好に緩和することができる。

［実施形態１の変形例２］
　実施形態１のバックライト装置１２の変形例２について図１１を用いて説明する。ここでは、拡散板１５‐２の散乱構造３１‐２の形態を変更したものを示す。なお、図１１は本変形例に係る拡散板の詳細構造を示す要部拡大断面図である。

　散乱構造３１‐２は、拡散板１５‐２の第２面１５ｂ‐２に多数分散した状態で付着した拡散粒子３１ｂにより構成されている。拡散粒子は、無機材料（例えばシリカビーズ）からなり、第２面１５ｂ‐２の面内に概ね均一な分布密度でもって分散配置されている。また、拡散粒子３１ｂは、接着剤層により第２面１５ｂ‐２に対して接着されている。このように拡散粒子３１ｂによって散乱構造３１‐２を構成した場合であっても、第２面１５ｂ‐２から出射する光を良好に散乱させることができる。

　以上説明したようにこの変形例２によれば、散乱構造３１‐２は、拡散板１５‐２の表面に多数分散した状態で付着した拡散粒子３１ｂにより構成される。このようにすれば、拡散粒子３１ｂによって光を良好に散乱させることができる。

［実施形態１の変形例３］
　実施形態１のバックライト装置１２の変形例３について図１２を用いて説明する。ここでは、拡散板１５‐３の散乱構造３１‐３の形態を変更したものを示す。なお、図１２は、拡散板の詳細構造を示す要部拡大断面図である。

　散乱構造３１‐３を構成する凸部３１ｃは、断面形状が略三角形状とされている。このような形状の凸部３１ｃを用いた場合であっても、第２面１５ｂ‐３から出射する光を良好に散乱させることができる。

［実施形態１の変形例４］
　実施形態１のバックライト装置１２の変形例４について図１３または図１４を用いて説明する。ここでは、拡散板１５‐４の第１面１５ａ‐４における光反射層３０‐４の形成態様を変更したものを示す。なお、図１３は本変形例に係る拡散板における冷陰極管１７と対向する面の概略構成を示す要部拡大平面図、図１４は拡散板の短辺方向における光反射率の変化を示すグラフである。

　光反射層３０‐４は、図１３に示すように、拡散板１５‐４の第１面１５ａ‐４の面内における光反射率が光源重畳領域ＳＡから光源非重畳領域ＳＮにかけて段階的に逐次小さくなるよう形成されている。すなわち、光反射層３０‐４を構成する各ドット３０ａ‐４の面積（光反射率）は、光源重畳領域ＳＡで最も大きく、当該光源重畳領域ＳＡから遠ざかる方向に向けて段階的に小さくなっている。詳しくは、光源重畳領域ＳＡにおいては、光反射率が最大値で且つ概ね一様とされるのに対し、光源非重畳領域ＳＮにおいては、光反射率が光源重畳領域ＳＡに近い側から遠ざかるに従って段階的に逐次小さくなり、光源重畳領域ＳＡから最も遠ざかった部位、すなわち隣り合う冷陰極管１７の間の中央部位で最小値とされる。つまり、光反射層３０‐４における光源非重畳領域ＳＮでは、当該拡散板１５‐４の短辺方向（Ｙ軸方向）に沿って、光反射率がストライプ状に変化している。

　より詳細には、光反射層３０‐４の光源非重畳領域ＳＮにおける光反射率は、図１３及び図１４に示すように、Ｙ軸方向のＢ‐１点（Ｂ′‐１点）からＣ‐１点（Ｃ′‐１点）までの第１領域３３、Ｙ軸方向のＣ‐１点（Ｃ′‐１点）からＤ‐１点（Ｄ′‐１点）までの第２領域３４、Ｙ軸方向のＤ‐１点からＤ′‐１点までの第３領域３５の順で段階的に光反射率が減少している。第１領域３３は、光源重畳領域ＳＡに隣接していて最も近く、光源非重畳領域ＳＮにおいて光反射率が最大となっている。第３領域３５は、隣り合う冷陰極管１７の間の中央部位であって光源重畳領域ＳＡから最も遠ざかっており、光反射層３０‐４全域の中で光反射率が最小となっている。第２領域３４は、第１領域３３と第３領域３５との中間に位置し、その光反射率は第１領域３３よりは小さいものの第３領域３５よりは大きくなっている。

　このように拡散板１５‐４の光反射率は、光源重畳領域ＳＡ→光源非重畳領域ＳＮの第１領域３３→第２領域３４→第３領域３５の順で、つまり光源重畳領域ＳＡに近い側から遠い側に向けて段階的に逐次小さくなっているから、拡散板１５‐４から出射する照明光の輝度分布をなだらかにすることが可能となる。さらに、このように光反射率が異なる複数の領域ＳＡ，３３，３４，３５を形成する手段によれば、当該拡散板１５‐４の製造方法が簡便なものとなり、コスト削減に寄与することが可能となる。

　以上説明したようにこの変形例４によれば、光反射層３０‐４は、拡散板１５‐４の面内における光反射率が光源重畳領域ＳＡから光源非重畳領域ＳＮにかけて連続的に漸次小さくなるものとされている。また、光反射層３０‐４は、拡散板１５‐４の面内における光反射率が光源重畳領域ＳＡから光源非重畳領域ＳＮにかけて段階的に逐次小さくなるものとされている。このように、光反射層３０‐４における光反射率を光源重畳領域ＳＡから光源非重畳領域ＳＮにかけてグラデーションをなすように、より具体的には段階的に逐次小さくすることにより、光源非重畳領域ＳＮにおける照明光の輝度分布をなだらかにすることができ、ひいては当該バックライト装置１２全体としてなだらかな照明輝度分布を実現することが可能となる。

［実施形態１の変形例５］
　実施形態１のバックライト装置１２の変形例５について図１５または図１６を用いて説明する。ここでは、拡散板１５‐５の第１面１５ａ‐５における光反射層３０‐５の形成態様を変更したものを示す。図１５は本変形例に係る拡散板における冷陰極管と対向する面の概略構成を示す要部拡大平面図、図１６は拡散板の短辺方向における光反射率の変化を示すグラフである。

　光反射層３０‐５は、図１５及び図１６に示すように、拡散板１５‐５の第１面１５ａ‐５の面内における光反射率が光源重畳領域ＳＡから光源非重畳領域ＳＮにかけて連続的に漸次小さくなるよう形成されている。すなわち、光反射層３０‐５を構成する各ドット３０ａ‐５の面積（光反射率）は、光源重畳領域ＳＡから遠ざかる方向に向けて連続的に小さくなっている。詳しくは、光源重畳領域ＳＡにおけるＹ軸方向の中央、つまり冷陰極管１７の中心ＬＣ上に配されたドット３０ａ‐５が最大の面積を有しており、そのドット３０ａ‐５から光源非重畳領域ＳＮにおけるＹ軸の中央に行くに従って各ドット３０ａ‐５の面積が連続的に小さくなるよう変化し、光源非重畳領域ＳＮにおけるＹ軸方向の中央に配されたドット３０ａ‐５が最小の面積とされる。つまり、各ドット３０ａ‐５の面積は、冷陰極管１７の中心ＬＣからの距離に反比例している。

　このような構成の拡散板１５‐５によれば、拡散板１５‐５全体として照明光の輝度分布をなだらかにすることができ、ひいては当該バックライト装置１２全体としてなだらかな照明輝度分布を実現することが可能となる。

　以上説明したようにこの変形例５によれば、光反射層３０‐５は、拡散板１５‐５の面内における光反射率が光源重畳領域ＳＡから光源非重畳領域ＳＮにかけて連続的に漸次小さくなるものとされている。このように、光反射層３０‐５における光反射率を光源重畳領域ＳＡから光源非重畳領域ＳＮにかけてグラデーションをなすように、より具体的には連続的に漸次小さくすることにより、光源非重畳領域ＳＮにおける照明光の輝度分布をなだらかにすることができ、ひいては当該バックライト装置１２全体としてなだらかな照明輝度分布を実現することが可能となる。

　＜実施形態２＞
　本発明の実施形態２を図１７から図２１によって説明する。この実施形態２では、冷陰極管１７の配列状態並びに光反射層３００の形態などを変更したものを示し、その他は前記実施形態１と同様である。前記実施形態１と同一部分には、同一符号を付して重複する説明を省略する。

　図１７は液晶表示装置の概略構成を示す分解斜視図、図１８は図１７の液晶表示装置の短辺方向に沿った断面構成を示す断面図、図１９は図１７の液晶表示装置に備わるシャーシの概略構成を示す平面図、図２０は図１７の液晶表示装置が備える拡散板における光反射率の分布を説明する平面図、図２１は図２０の拡散板の短辺方向における光反射率の変化を示すグラフである。なお、図２０においては、拡散板の長辺方向をＸ軸方向とし、これらの短辺方向をＹ軸方向としている。また、図２１において、横軸はＹ軸方向（短辺方向）を示しており、Ｙ軸方向のＹ１側の端部（Ｙ１端）から中央、及び中央からＹ２側の端部（Ｙ２端）までの光反射率をプロットしたグラフとなっている。

　冷陰極管１７は、細長い管状をなしており、その長さ方向（軸方向）をシャーシ１４の長辺方向と一致させた状態で、多数本が互いに平行に並んだ状態でシャーシ１４内に偏在した形で収容されている。より具体的には、図１７から図１９に示すように、シャーシ１４の底板１４ａ（拡散板１５０と対向する部位）を、その短辺方向に第１端部１４Ａと、当該第１端部１４Ａとは反対側の端部に位置する第２端部１４Ｂと、これらに挟まれる中央部１４Ｃとに等分に区分した場合に、冷陰極管１７は底板１４ａの中央部１４Ｃに配置され、ここに光源配置領域ＬＡを形成している。一方、底板１４ａの第１端部１４Ａ及び第２端部１４Ｂには冷陰極管１７が配置されておらず、ここに光源非配置領域ＬＮが形成されている。すなわち、冷陰極管１７は、シャーシ１４の底板１４ａの短辺方向の中央部に偏在した形で光源配置領域ＬＡを形成しており、当該光源配置領域ＬＡの面積は光源非配置領域ＬＮの面積よりも小さい（約半分）ものとされている。なお、本実施形態では、第１端部１４Ａと第２端部１４Ｂと中央部１４Ｃとの面積をそれぞれ等しいもの（等分に区分するもの）としたが、これらの区分の比率は変更可能であり、それに伴い光源配置領域ＬＡ及び光源非配置領域ＬＮの面積（両者の面積比）も変更することが可能である。なお、冷陰極管１７を把持するランプクリップ１８は、シャーシ１４の底板１４ａの光源配置領域ＬＡ内にのみ配置されている。また、冷陰極管１７に駆動電力を供給するインバータ基板２８は、シャーシ１４の底板１４ａの外面側において光源配置領域ＬＡと重畳する位置に配されている。

　一方、シャーシ１４の底板１４ａの光源非配置領域ＬＮ、すなわち底板１４ａの第１端部１４Ａ及び第２端部１４Ｂには、底板１４ａの長辺方向に沿ってそれぞれ山型反射部（反射部）４０が延設されている。山型反射部４０は、合成樹脂製とされ、その表面が光反射性に優れた白色とされており、冷陰極管１７と対向し、かつ底板１４ａに向けて傾斜する２つの傾斜面（指向面）４０ａを有する。山型反射部４０は、その長手方向が光源配置領域ＬＡに配置された冷陰極管１７の軸線方向に沿った形とされており、冷陰極管１７から出射された光を１つの傾斜面４０ａによって拡散板１５０側へ指向するものとされている。

　拡散板１５０は、長辺方向（Ｘ軸方向）及び短辺方向（Ｙ軸方向）を有しており、光反射層３００のドットパターンを変化させることにより、拡散板１５０の冷陰極管１７と対向する第１面１５０ａの光反射率が、図２０及び図２１に示すように短辺方向に沿って変化するものとされている。すなわち、拡散板１５０は、全体として、第１面１５０ａにおいて、光源配置領域ＬＡと重畳する部位（以下、光源重畳面ＤＡと称する）の光反射率が、光源非配置領域ＬＮと重畳する部位（以下、光源非重畳面ＤＮと称する）の光反射率より大きい構成とされている。より詳細には、拡散板１５０の光源重畳面ＤＡにおいては、光反射率が５０％で一様とされ、当該拡散板１５０内で最大値を示す。一方、拡散板１５０の光源非重畳面ＤＮにおいては、光反射率は、光源重畳面ＤＡに近い側から遠い側に向けて連続的に漸次小さくなり、光源非重畳面ＤＮの短辺方向（Ｙ軸方向）の両端部（図２１中、Ｙ１端及びＹ２端）で最小値の３０％とされている。

　上述のような拡散板１５０の光反射率の分布は、光反射層３００の各ドットの面積により決定される。つまり、光反射層３００自身の光反射率は、拡散板１５０自身の光反射率に比べて大きいものとされているため、当該光反射層３００のドットの面積を相対的に大きくすれば光反射率を相対的に大きくすることができ、光反射層３００のドットの面積を相対的に小さくすれば光反射率を相対的に小さくすることができる。具体的には、拡散板１５０は、光源重畳面ＤＡでは光反射層３００のドットの面積が相対的に大きく、かつ同一とされており、当該光源重畳面ＤＡと光源非重畳面ＤＮとの境界から光源非重畳面ＤＮの短辺方向の両端部に向けて光反射層３００のドットの面積が連続的に小さくなる構成とされている。なお、光反射率の調整手段として、光反射層３００の各ドットの面積は同一とし、そのドット同士の間隔を変更するものとしても良い。

　以上説明したように、本実施形態によれば、バックライト装置１２に備わるシャーシ１４は、拡散板１５０と対向する底板１４ａが、第１端部１４Ａと、第２端部１４Ｂと、これらに挟まれる中央部１４Ｃとに区分され、中央部１４Ｃは冷陰極管１７が配置された光源配置領域ＬＡとされる一方、第１端部１４Ａ及び第２端部１４Ｂは冷陰極管１７が配置されない光源非配置領域ＬＮとされている。これにより、シャーシ全体に万遍なく冷陰極管を配置する場合に比して、冷陰極管１７の数を減少させることができ、当該バックライト装置１２の低コスト化及び省電力化を実現することが可能となる。

　さらに、冷陰極管１７と対向して配置される拡散板１５０は、その対向面において、光源配置領域ＬＡと重畳する部位である光源重畳面ＤＡの光反射率が、光源非配置領域ＬＮと重畳する部位である光源非重畳面ＤＮの光反射率より大きいものとされているため、当該バックライト装置１２の照明光の不均一を抑制することが可能とされている。

　上記のように、冷陰極管１７を配置しない光源非配置領域ＬＮを形成した場合には、当該光源非配置領域ＬＮからは光が出射されないため、バックライト装置１２から照射される照明光が、当該光源非配置領域ＬＮに相当する部分では暗色化してしまい、不均一なものとなるおそれがある。しかしながら、本実施形態の構成によれば、光源配置領域ＬＡから出射された光は、まず拡散板１５０の光源重畳面ＤＡ、すなわち相対的に光反射率が大きい部位に到達するため、その多くが反射される（つまり透過されない）こととなり、冷陰極管１７からの出射光量に対して照明光の輝度が抑制される。一方、光源重畳面ＤＡで反射された光は、シャーシ１４内で例えば反射シート２３等によりさらに反射され、拡散板１５０の光源非重畳面ＤＮへと到達し得る。ここで、光源非重畳面ＤＮの光反射率は相対的に小さいものとされているため、より多くの光が透過されることとなり、所定の照明光の輝度を得ることができる。その結果、当該バックライト装置１２全体として、照明輝度の均一性を実現することが可能となる。

　このように、光源配置領域ＬＡの冷陰極管１７から出射された光を、拡散板１５０の光反射率が相対的に大きい部位（光源重畳面ＤＡ）でシャーシ１４内に反射することにより光源非配置領域ＬＮへと導くとともに、当該光源非配置領域ＬＮに対応する光源非重畳面ＤＮの光反射率を相対的に小さくしておくことにより、冷陰極管１７を配置しない光源非配置領域ＬＮからも照明光を出射することが可能となる。その結果、当該バックライト装置１２の照明輝度の均一性を保持すべくシャーシ１４全体に冷陰極管１７を配置する必要がなく、低コスト化及び省電力化を実現することができる。

　特に、本実施形態のように薄型化されたバックライト装置１２においては、輝度ムラの抑止に対して本実施形態の構成が有効である。薄型化されたバックライト装置１２においては、冷陰極管１７と拡散板１５０と間の距離が小さくなるため、ランプイメージが視認されるおそれがある。このランプイメージの発生を抑止するため、従来は冷陰極管を密に（すなわち多数）配列する構成とされていたため、コストアップに繋がるものとされていた。しかしながら、本実施形態の構成によれば、光源非配置領域ＬＮにおいてはランプイメージが発生しないことは言うまでもない。さらに、光源配置領域ＬＡにおいても、冷陰極管１７から出射された線状光が、拡散板１５０の光反射率が相対的に大きい部位（光源重畳面ＤＡ）で相対的に多く反射されるため、線状光のまま拡散板１５０を透過し難く、ランプイメージが発生し難いものとされている。その結果、薄型化されたバックライト装置１２においても、冷陰極管１７の配置本数を増やすことなく、あるいは冷陰極管１７の配置本数を減少させた場合にも、ランプイメージの発生が抑止され、低コストを実現でき、かつ輝度ムラのない照明を実現することが可能となる。

　また、本実施形態では、拡散板１５０は、冷陰極管１７と対向する第１面１５０ａの光反射率が、光源配置領域ＬＡと重畳する部位（光源重畳面ＤＡ）内で一様とされている。このような構成によれば、光源配置領域ＬＡの冷陰極管１７から出射された光は、拡散板１５０により均一に反射（あるいは透過）されるため、当該光源配置領域ＬＡにおいて容易に均一な照明光を得ることが可能となる。

　また、本実施形態では、シャーシ１４の底板１４ａにおいて、光源配置領域ＬＡの面積が光源非配置領域ＬＮの面積より小さいものとされている。このように光源配置領域ＬＡの面積が相対的に小さいものとされた場合にも、本実施形態の構成のように拡散板１５０の面内の光反射率に変化を設けることで、冷陰極管１７から出射された光をシャーシ１４内で光源非配置領域ＬＮへ導くことができる。その結果、照明輝度の均一性を保持しつつ、低コスト化及び省電力化においてより大きな効果が期待できる。

　また、本実施形態では、光源配置領域ＬＡは、シャーシ１４の底板１４ａの中央部１４Ｃに形成されている。このような構成によれば、バックライト装置１２の中央部に十分な輝度を確保することができ、当該バックライト装置１２を備えるテレビ受信装置ＴＶにおいても表示中央部の輝度が確保されることとなるため、良好な視認性を得ることが可能となる。

　また、本実施形態では、拡散板１５０は、光源非配置領域ＬＮと重畳する部位の冷陰極管１７と対向する面（光源非重畳面ＤＮ）の光反射率が、光源配置領域ＬＡと重畳する部位（光源重畳面ＤＡ）と近い側において、これと遠い側よりも大きいものとされている。このような構成によれば、拡散板１５０の光源非重畳面ＤＮに到達した光は、光源重畳面ＤＡに近い部位では相対的に反射され易く、この反射光が光源重畳面ＤＡから遠い部位へも届くようになる。さらに、光源重畳面ＤＡから遠い部位では、その光反射率が相対的に小さいものとされているため、より多くの光が透過されることとなり、所定の照明光の輝度を得ることができる。したがって、光源非重畳面ＤＮ（光源非配置領域ＬＮ）における照明光の輝度を略均一とすることができ、バックライト装置１２全体としてなだらかな照明輝度分布を実現することが可能となる。

　特に、本実施形態では、拡散板１５０の光源非重畳面ＤＮの光反射率が、光源重畳面ＤＡに近い側から遠い側にかけて連続的に漸次小さくなるものとされている。このように、光源非重畳面ＤＮの光反射率を、光源重畳面ＤＡに近い側から多い側にかけて連続的に漸次、言い換えればグラデーションをなすように小さくすることにより、光源非重畳面ＤＮ（光源非配置領域ＬＮ）における照明光の輝度分布をより一層なだらかにすることができ、ひいてはバックライト装置１２全体としてより一層なだらかな照明輝度分布を実現することが可能となる。

　以上、本発明の実施形態２を示したが、本発明は上記実施の形態に限られるものではなく、例えば以下のような変形例を含むこともできる。なお、以下の各変形例において、上記実施形態と同様の部材には、上記実施形態と同符号を付して図示及び説明を省略するものもある。

［実施形態２の変形例１］
　実施形態２のバックライト装置１２の変形例１について図２２または図２３を用いて説明する。ここでは、拡散板１５０‐１の第１面１５０ａ‐１における光反射層３００‐１の形成態様を変更したものを示す。図２２は本変形例に係る拡散板における光反射率の分布を説明する平面図、図２３は拡散板の短辺方向における光反射率の変化を示すグラフである。

　拡散板１５０‐１は、図２２及び図２３に示すように、光源重畳面ＤＡ‐１（光源配置領域ＬＡと重畳する部位のうち冷陰極管１７と対向する面）が最も大きい光反射率を有するものとされる一方、光源非重畳面ＤＮ‐１（光源非配置領域ＬＮと重畳する部位のうち冷陰極管１７と対向する面）では、光反射率が光源重畳面ＤＡ‐１に近い側から遠い側に向けて段階的に逐次小さくなる構成とされている。つまり、拡散板１５０‐１の光源非重畳面ＤＮ‐１では、当該拡散板１５０‐１の短辺方向（Ｙ軸方向）に沿って、光反射率がストライプ状に変化して構成されている。より詳細には、図２２に示すように、拡散板１５０‐１の中央部に位置する光源重畳面ＤＡ‐１に、相対的に光反射率の大きい第１領域４１が形成され、その両脇に位置する光源非重畳面ＤＮ‐１のうち第１領域４１に隣接する部位に、当該第１領域４１よりも相対的に光反射率が小さい第２領域４２，４２が形成されている。さらに、光源非重畳面ＤＮ‐１内において、第２領域４２の両端側に当該第２領域４２よりも相対的に光反射率が小さい第３領域４３が一対形成され、第３領域４３の両端側に当該第３領域４３よりも相対的に光反射率が小さい第４領域４４が一対形成され、第４領域４４の両端側に当該第４領域４４よりも相対的に光反射率が小さい第５領域４５が形成されている。

　本例では、拡散板１５０‐１の光反射率は、図２３に示すように、第１領域が５０％、第２領域が４５％、第３領域が４０％、第４領域が３５％、第５領域が３０％とされ、等比で変化するものとされている。なお、第１領域から第４領域においては、光反射層３００‐１のドットの面積を変化させることにより上記の光反射率が決定されており、第５領域は光反射層３００‐１が形成されていない、すなわち拡散板１５０‐１自身の光反射率を示すものとされている。

　このように、拡散板１５０‐１の光源非重畳面ＤＮ‐１において、光反射率が異なる複数の領域４２，４３，４４，４５が形成され、第２領域４２→第３領域４３→第４領域４４→第５領域４５の順に光反射率を小さくすることで、光源重畳面ＤＡ‐１に近い側から遠い側にむけて光反射率を段階的に逐次小さくすることができる。
　このような構成によれば、光源非重畳面ＤＮ‐１（光源非配置領域ＬＮ）における照明光の輝度分布をなだらかにすることができ、ひいては当該バックライト装置１２全体としてなだらかな照明輝度分布を実現することが可能となる。さらに、このように光反射率が異なる複数の領域４２，４３，４４，４５を形成する手段によれば、当該拡散板１５０‐１の製造方法が簡便なものとなり、コスト削減に寄与することが可能となる。

［実施形態２の変形例２］
　実施形態２のバックライト装置１２の変形例２について図２４または図２５を用いて説明する。ここでは、拡散板１５０‐２の第１面１５０ａ‐２における光反射層３００‐２の形成態様を変更したものを示す。図２４は本変形例に係る拡散板における光反射率の分布を説明する平面図、図２５は拡散板の短辺方向における光反射率の変化を示すグラフである。

　拡散板１５０‐２は、図２４及び図２５に示すように、その短辺方向（Ｙ軸方向）において、中央側よりも端部側において光反射率が小さくなる構成とされている。つまり、拡散板１５０‐２全体として、その中央部に位置する光源重畳面ＤＡ‐２（光源配置領域ＬＡと重畳する部位のうち冷陰極管１７と対向する面）の光反射率が、端部に位置する光源非重畳面ＤＮ‐２（光源非配置領域ＬＮと重畳する部位のうち冷陰極管１７と対向する面）の光反射率より相対的に大きいものとされている。さらに、光源重畳面ＤＡ‐２内及び光源非重畳面ＤＮ‐２内においても、当該拡散板１５０‐２の中央部側から端部側に向けて光反射率が小さくなるものとされている。

　本例では、拡散板１５０‐２の光反射率は、図２５に示すように、中央において５０％とされ、Ｙ１端及びＹ２端において３０％とされ、中央から両端にかけて５０％から３０％の間で連続的に変化した構成となっている。

　このような構成によれば、拡散板１５０‐２全体として照明光の輝度分布をなだらかにすることができ、ひいては当該バックライト装置１２全体としてなだらかな照明輝度分布を実現することが可能となる。特にこのような構成は、当該バックライト装置１２を備えるテレビ受信装置ＴＶにおいて、その表示中央部近傍の輝度を大きいものとする場合に好適に選択される。

［実施形態２の変形例３］
　実施形態２のバックライト装置１２の変形例３について図２６または図２７を用いて説明する。ここでは、拡散板１５０‐３の第１面１５０ａ‐３における光反射層３００‐３の形成態様を変更したものを示す。図２６は本変形例に係る拡散板における光反射率の分布を説明する平面図、図２７は拡散板の短辺方向における光反射率の変化を示すグラフである。

　拡散板１５０‐３は、図２６及び図２７に示すように、光源重畳面ＤＡ‐３（光源配置領域ＬＡと重畳する部位のうち冷陰極管１７と対向する面）が相対的に大きい光反射率を有し、光源非重畳面ＤＮ‐３（光源非配置領域ＬＮと重畳する部位のうち冷陰極管１７と対向する面）が相対的に小さい光反射率を有する。さらに、光源重畳面ＤＡ‐３内及び光源非重畳面ＤＮ‐３内では、光反射率は一様とされている。本例では、拡散板１５０‐３の光反射率は、図２７に示すように中央に位置する光源重畳面ＤＡでは５０％とされ、端部に位置する光源非重畳面ＤＮでは３０％とされている。

　上述のような拡散板１５０‐３の光反射率の分布は、以下のように光反射層３００‐３を形成することで得ることができる。光源重畳面ＤＡ‐３では、光反射層３００‐３のドットの面積を相対的に大きくし、かつ当該光源重畳面ＤＡ‐３内で同一とする。一方、光源非重畳面ＤＮ‐３では、光反射層３００‐３のドットの面積を相対的に小さくし、かつ当該光源非重畳面ＤＮ‐３内で同一とするというものである。

　また、異なる光反射層３００‐３の態様として、以下のようにしても良い。光源重畳面ＤＡ‐３には、ドットの面積が同一の光反射層３００‐３を形成する。一方、光源非重畳面ＤＮ‐３には、光反射層３００‐３を形成しないことで全体に拡散板１５０‐３の表面が露出することとなり、相対的に小さく、かつ一様の光反射率が得られる。

　このような構成によれば、拡散板１５０‐３の中央部にのみ光反射層３００‐３を形成するものとされるため、拡散板１５０‐３の製造方法が簡便なものとなるため、コスト削減に寄与することが可能となる。

［実施形態２の変形例４］
　実施形態２のバックライト装置１２の変形例４について図２８から図３０を用いて説明する。ここでは、冷陰極管１７の配置及び拡散板１５０‐４の光反射率の分布を変更したものを示す。図２８は本変形例に係るシャーシの概略構成を示す平面図、図２９は拡散板における光反射率の分布を説明する平面図、図３０は拡散板の短辺方向における光反射率の変化を示すグラフである。

　シャーシ１４内に偏在した形で収容される冷陰極管１７は、次のような配列とされる。すなわち、図２８に示すように、シャーシ１４の底板１４ａ（拡散板１５０‐４と対向する部位）を、その短辺方向に第１端部１４Ａと、当該第１端部１４Ａとは反対側の端部に位置する第２端部１４Ｂと、これらに挟まれる中央部１４Ｃとに等分に区分した場合に、冷陰極管１７は底板１４ａの第１端部１４Ａ及び第２端部１４Ｂに同一数配置され、ここに光源配置領域ＬＡ‐４を形成している。一方、底板１４ａの中央部１４Ｃには冷陰極管１７が配置されておらず、ここに光源非配置領域ＬＮ‐４が形成されている。すなわち、冷陰極管１７は、シャーシ１４の底板１４ａの短辺方向の両端部に偏在した形で光源配置領域ＬＡ‐４を形成している。

　拡散板１５０‐４における冷陰極管１７と対向する第１面１５０ａ‐４の光反射率は、図２９及び図３０に示すように、短辺方向に沿って変化するものとされている。すなわち、拡散板１５０‐４は、全体として、第１面１５０ａ‐４において、光源配置領域ＬＡ‐４と重畳する部位（以下、光源重畳面ＤＡ‐４と称する）の光反射率が、光源非配置領域ＬＮ‐４と重畳する部位（以下、光源非重畳面ＤＮ‐４と称する）の光反射率より大きい構成とされている。より詳細には、拡散板１５０‐４の光源重畳面ＤＡ‐４においては、光反射率が５０％で一様とされ、当該拡散板１５０‐４内で最大値を示す。一方、拡散板１５０‐４の光源非重畳面ＤＮ‐４においては、光反射率は、光源重畳面ＤＡ‐４に近い側から遠い側に向けて連続的に漸次小さくなり、光源非重畳面ＤＮ‐４の短辺方向（Ｙ軸方向）の中央部（図３０中、中央）で最小値の３０％とされている。

　以上説明したように、本実施形態によれば、光源配置領域ＬＡ‐４は、底板１４ａの第１端部１４Ａ及び第２端部１４Ｂに形成され、加えて、拡散板１５０‐４において光源配置領域ＬＡ‐４と重畳する部位（光源重畳面ＤＡ‐４）の光反射率が、光源非配置領域ＬＮ‐４と重畳する部位（光源非重畳面ＤＮ‐４）の光反射率より大きいものとされている。
　このような構成によれば、シャーシ１４の両端部に形成された光源配置領域ＬＡ‐４から出射された光は、まず拡散板１５０‐４の光源重畳面ＤＡ‐４、すなわち相対的に光反射率が大きい部位に到達するため、その多くが反射されて光源非配置領域ＬＮ‐４へ導かれることとなる。したがって、光源非配置領域ＬＮ‐４には、その両端側から光が導かれることとなり、この領域に光が供給されない状態が生じ難い。加えて、光源非配置領域ＬＮ‐４と対向する光源非重畳面ＤＮ‐４の光反射率は相対的に小さいものとされているため、より多くの光が透過される。その結果、光源非配置領域ＬＮ‐４の暗色化を確実に抑止することが可能となる。

［実施形態２の変形例５］
　実施形態２のバックライト装置１２の変形例５について図３１から図３３を用いて説明する。ここでは、冷陰極管１７の配置及び拡散板１５０‐５の光反射率の分布を変更したものを示す。図３１は本変形例に係るシャーシの概略構成を示す平面図、図３２は拡散板における光反射率の分布を説明する平面図、図３３は拡散板の短辺方向における光反射率の変化を示すグラフである。

　シャーシ１４内に偏在した形で収容される冷陰極管１７は、次のような配列とされる。すなわち、図３１に示すように、シャーシ１４の底板１４ａ（拡散板１５０‐５と対向する部位）を、その短辺方向に第１端部１４Ａと、当該第１端部１４Ａとは反対側の端部に位置する第２端部１４Ｂと、これらに挟まれる中央部１４Ｃとに等分に区分した場合に、冷陰極管１７は底板１４ａの第２端部１４Ｂに配置され、ここに光源配置領域ＬＡ‐５を形成している。一方、底板１４ａの第１端部１４Ａ及び中央部１４Ｃには冷陰極管１７が配置されておらず、ここに光源非配置領域ＬＮ‐５が形成されている。すなわち、冷陰極管１７は、シャーシ１４の底板１４ａの短辺方向の一端部（Ｙ１側の端部）に偏在した形で光源配置領域ＬＡ‐５を形成している。

　拡散板１５０‐５における冷陰極管１７と対向する第１面１５０ａ‐５の光反射率は、図３２及び図３３に示すように、短辺方向に沿って変化するものとされている。すなわち、拡散板１５０‐５は、全体として、冷陰極管１７と対向する面において、光源配置領域ＬＡ‐５と重畳する部位（以下、光源重畳面ＤＡ‐５と称する）の光反射率が、光源非配置領域ＬＮ‐５と重畳する部位（以下、光源非重畳面ＤＮ‐５と称する）の光反射率より大きい構成とされている。より詳細には、拡散板１５０‐５の光源重畳面ＤＡ‐５（拡散板１５０‐５の短辺方向の一方の端部、図３３中のＹ１端側）においては、光反射率が５０％で一様とされ、当該拡散板１５０‐５内で最大値を示す。一方、拡散板１５０‐５の光源非重畳面ＤＮ‐５においては、光反射率は、光源重畳面ＤＡ‐５に近い側から遠い側に向けて連続的に漸次小さくなり、拡散板１５０‐５の短辺方向の他方の端部（図３３中のＹ２端）で最小値の３０％とされている。

　以上説明したように、本実施形態によれば、光源配置領域ＬＡ‐５は、底板１４ａの第２端部１４Ｂに形成され、加えて、拡散板１５０‐５において光源配置領域ＬＡ‐５と重畳する部位（光源重畳面ＤＡ‐５）の光反射率が、光源非配置領域ＬＮ‐５と重畳する部位（光源非重畳面ＤＮ‐５）の光反射率より大きいものとされている。
　このような構成によれば、光源配置領域ＬＡ‐５から出射された光は、まず拡散板１５０‐５において相対的に光反射率が大きい光源重畳面ＤＡ‐５に到達し、ここでその多くが反射される。この反射光はシャーシ１４内で例えば反射シート２３等によりさらに反射され、拡散板１５０‐５の光源非重畳面ＤＮ‐５へと到達し得る。ここで、光源非重畳面ＤＮ‐５の光反射率は相対的に小さいものとされているため、より多くの光が透過されることとなり、所定の照明光の輝度を得ることができる。その結果、当該バックライト装置１２全体として、照明輝度の均一性を実現することが可能となる。なお、当該構成は、例えばバックライト装置１２の一方の端部においてのみ高輝度が要求される場合に特に有効である。

　＜他の実施形態＞
　本発明は上記記述及び図面によって説明した実施形態に限定されるものではなく、例えば次のような実施形態も本発明の技術的範囲に含まれる。
　（１）上記した各実施形態では、散乱構造が拡散板の面内の全域にわたって形成されたものを示したが、拡散板の面内において部分的に形成されたものも本発明に含まれる。例えば、本来的に視野角依存性が殆ど生じないような領域や表示に寄与しないような領域について部分的に散乱構造を除去しても構わない。勿論、それ以外にも散乱構造の形成範囲は適宜に変更可能である。

　（２）上記した各実施形態では、拡散板の面内における散乱構造をなす凸部（凹部）の分布密度が全域にわたってほぼ均一としたものを示したが、凸部（凹部）の分布密度に偏りを持たせるようにしても構わない。例えば、拡散板の第２面における出射光量の面内分布に偏りがあった場合には、相対的に出射光量が多い領域については凸部（凹部）の分布密度を相対的に高めるとともに、相対的に出射光量が少ない領域については凸部（凹部）の分布密度を相対的に低くするようにすることができる。これにより、出射光量が多い領域では光の散乱度合いが高まって輝度が抑制され、出射光量が少ない領域では光の散乱度合いが低くなって輝度の向上が図られ、もって輝度の均一化を図ることができる。

　（３）上記した各実施形態以外にも、散乱構造における表面粗さの数値範囲は、適宜に変更可能である。すなわち、散乱構造における表面粗さは、他の部材の性能（冷陰極管の輝度など）や配置（冷陰極管と拡散板との間の距離、冷陰極管とシャーシとの間の距離、隣り合う冷陰極管間の距離など）に応じて最適な数値範囲に変更することができる。

　（４）上記した各実施形態以外にも、散乱構造の具体的な形成方法は適宜に変更可能である。例えば、拡散板を樹脂成形する際に使用する成形金型の表面に凹凸パターンを形成しておき、その凹凸パターンを樹脂成形時に拡散板に転写することで、散乱構造を形成することもできる。

　（５）上記（４）以外にも、例えば拡散板の表面にブラスト処理を施すことで、散乱構造を形成することも可能である。

　（６）上記（４），（５）以外にも、例えば拡散板の表面に研磨剤を擦り付けることで散乱構造を形成したり、また薬剤によって拡散板の表面を化学的に腐食させて散乱構造を形成することも可能である。

　（７）上記した各実施形態では、拡散板の表面に直接散乱構造を形成したものを示したが、例えば拡散板とは別体の薄膜状のシートの表面に散乱構造を形成しておき、そのシートを拡散板に貼り合わせることで、散乱構造を拡散板に一体的に設けるようにしても構わない。

　（８）上記した実施形態１の変形例１では、拡散板の第１面に形成した第２の散乱構造が拡散板の面内の全域にわたって配されたものを示したが、例えば光反射層と重畳しない領域のみに第２の散乱構造を形成してもよい。それ以外にも、光反射層と重畳する領域のみに第２の散乱構造を形成してもよい。さらには、光反射層と重畳する領域と、光反射層と重畳しない領域とに跨って第２の散乱構造を形成しつつも、拡散板の面内において部分的に配するようにしてもよい。

　（９）上記した各実施形態では、光反射層を構成するドットパターンの各ドットを丸形状としたが、各ドットの形状はこれに限られるものではなく、四角型、多角形型等任意の形状を選択することができる。

　（１０）上記した各実施形態では、光反射層を拡散板の表面に印刷することで形成するものとしたが、例えばメタル蒸着等の他の形成手段を用いたものも本発明に含まれる。

　（１１）上記した各実施形態では、拡散板の表面に光反射層を形成することで、当該拡散板の面内の光反射率を調整するものとしたが、例えば以下のようにして拡散板自身の光反射率を調整しても良い。拡散板は一般に透光性基板に光散乱粒子が分散された構成を有している。そこで、拡散板自身の光反射率は、透光性基板に対する光散乱粒子の配合率（重量％）により決定することができる。つまり、光散乱粒子の配合率を相対的に大きくすることで光反射率を相対的に大きくすることができ、光散乱粒子の配合率を相対的に小さくすることで光反射率を相対的に小さくすることができるのである。

　（１２）上記した各実施形態では、光反射層を構成するドットの面積を変化させることで導光板の光反射率の設計・制御を行うものとしたが、光反射率の制御手段としては、例えば同一の面積を有するドットの配置間隔を変化させたり、光反射率が異なるドットを形成したりする手段等を用いた場合も本発明に含まれる。

　（１３）上記した実施形態２では、光源配置領域をシャーシの底板の中央部、又は端部に形成する構成を例示したが、例えば光源配置領域を底板の中央部と一端部とに形成する等、冷陰極管の光量やバックライト装置の使用条件などに応じて、光源配置領域の形成部分が適宜設計変更されたものも本発明に含まれる。

　（１４）上記した各実施形態では、液晶パネルと拡散板との間に所定のクリアランスが存在するものを図示したが、このクリアランスを殆どなくす設計することも勿論可能である。

　（１５）上記した各実施形態では、シャーシ内に並列配置された冷陰極管の配列ピッチがほぼ等しくなる、いわゆる等ピッチ配列のものを例示したが、冷陰極管の配列ピッチを変化させた、いわゆる不等ピッチ配列のものにも本発明は適用可能である。具体的には、液晶表示装置における画面中央側ほど配列ピッチを狭くし、画面の両端側ほど配列ピッチを広くするような配列を採用することができる。

　（１６）上記した各実施形態では、光源として蛍光管の一種である冷陰極管を用いた場合を例示したが、熱陰極管など他の種類の蛍光管を用いたものも本発明に含まれる。また、蛍光管以外の種類の放電管（水銀ランプなど）を用いたものも本発明に含まれる。

　（１７）上記した各実施形態では、光源として線状光源の一種である冷陰極管（蛍光管）を用いた場合を示したが、ＬＥＤ（発光ダイオード）などの点状光源を用いるようにしたものも本発明に含まれる。また、有機ＥＬなどの面状光源を用いたものも本発明に含まれる。

　（１８）上記した各実施形態では、液晶表示装置のスイッチング素子としてＴＦＴを用いたが、ＴＦＴ以外のスイッチング素子（例えば薄膜ダイオード（ＴＦＤ））を用いた液晶表示装置にも適用可能であり、カラー表示する液晶表示装置以外にも、白黒表示する液晶表示装置にも適用可能である。

　（１９）上記した各実施形態では、表示パネルとして液晶パネルを用いた液晶表示装置を例示したが、他の種類の表示パネルを用いた表示装置にも本発明は適用可能である。

　（２０）上記した各実施形態では、チューナーを備えたテレビ受信装置を例示したが、チューナーを備えない表示装置にも本発明は適用可能である。

Claims

　光源と、前記光源を収容しその光を出射するための開口部を有するシャーシと、前記光源と対向するよう前記開口部を覆う形で配される光学部材とを備え、
　前記光学部材の前記光源側には、面内で光反射率が領域毎に異なるように構成された光反射層が形成される一方、前記光学部材の前記光源とは反対側には、光を散乱させる散乱構造が形成されている照明装置。
　前記光学部材の前記光源側にも、前記散乱構造が形成されている請求の範囲第１項記載の照明装置。
　前記光学部材の前記光源側に形成された前記散乱構造は、少なくとも前記光反射層に対して重畳する領域に形成されるとともに、前記光反射層よりも前記光源とは反対側に配されている請求の範囲第２項記載の照明装置。
　前記散乱構造は、微視的な多数の凹部または凸部からなる請求の範囲第１項から請求の範囲第３項のいずれか１項に記載の照明装置。
　前記散乱構造は、前記光学部材の表面にロール転写された凹凸パターンにより構成される請求の範囲第４項記載の照明装置。
　前記散乱構造は、前記光学部材の表面に多数分散した状態で付着した拡散粒子により構成される請求の範囲第４項記載の照明装置。
　前記散乱構造をなす前記凹部または前記凸部は、前記光学部材の面内における分布密度がほぼ均一になるよう形成されている請求の範囲第４項から請求の範囲第６項のいずれか１項に記載の照明装置。
　前記散乱構造における表面粗さ（Ｒｚ）は、１２μｍ～２０μｍとされる請求の範囲第１項から請求の範囲第７項のいずれか１項に記載の照明装置。
　前記散乱構造は、前記光学部材の面内における全域にわたって形成されている請求の範囲第１項から請求の範囲第８項のいずれか１項に記載の照明装置。
　前記光反射層は、前記光学部材のうち少なくとも前記光源と重畳する光源重畳領域に形成されている請求の範囲第１項から請求の範囲第９項のいずれか１項に記載の照明装置。
　前記光反射層は、前記光学部材のうち前記光源と重畳しない光源非重畳領域にも形成され、前記光源重畳領域における光反射率が前記光源非重畳領域における光反射率よりも大きくなるものとされている請求の範囲第１０項記載の照明装置。
　前記光反射層は、前記光学部材の面内における光反射率が前記光源重畳領域から前記光源非重畳領域にかけて連続的に漸次小さくなるものとされている請求の範囲第１１項記載の照明装置。
　前記光反射層は、前記光学部材の面内における光反射率が前記光源重畳領域から前記光源非重畳領域にかけて段階的に逐次小さくなるものとされている請求の範囲第１１項記載の照明装置。
　前記光源は、前記シャーシ内において前記光学部材の面内の全域にわたって分散して配されている請求の範囲第１項から請求の範囲第１３項のいずれか１項に記載の照明装置。
　前記シャーシは、前記光学部材と対向する部分が少なくとも、第１端部と、前記第１端部とは反対側の端部に位置する第２端部と、前記第１端部と前記第２端部とに挟まれる中央部とに区分され、
　前記第１端部、前記第２端部、及び前記中央部のうち、１つ又は２つの部分は前記光源が配置されてなる光源配置領域とされる一方、残りの部分は前記光源が配置されていない光源非配置領域とされ、
　前記光反射層は、前記光源配置領域と重畳する部位の光反射率が、前記光源非配置領域と重畳する部位の光反射率より大きくなるよう形成されている請求の範囲第１項から請求の範囲第９項のいずれか１項に記載の照明装置。
　前記光反射層は、前記光源配置領域と重畳する部位の光反射率が一様とされている請求の範囲第１５項記載の照明装置。
　前記シャーシにおいて、前記光源配置領域の面積は、前記光源非配置領域の面積よりも小さい請求の範囲第１５項または請求の範囲第１６項記載の照明装置。
　前記光源配置領域は、前記シャーシの前記中央部に形成されている請求の範囲第１５項から請求の範囲第１７項のいずれか１項に記載の照明装置。
　前記光源配置領域は、前記シャーシの前記第１端部又は前記第２端部のいずれか一方に形成されている請求の範囲第１５項から請求の範囲第１８項のいずれか１項に記載の照明装置。
　前記光源配置領域は、前記シャーシの前記第１端部及び前記第２端部に形成されている請求の範囲第１５項から請求の範囲第１７項のいずれか１項に記載の照明装置。
　前記光反射層は、前記光源非配置領域と重畳する部位の光反射率が、前記光源配置領域と重畳する部位と近い側において、これと遠い側よりも大きくなるように形成されている請求の範囲第１５項から請求の範囲第２０項のいずれか１項に記載の照明装置。
　前記光反射層は、前記光源非配置領域と重畳する部位の光反射率が、前記光源配置領域と重畳する部位に近い側から遠い側にかけて連続的に漸次小さくなるように形成されている請求の範囲第１５項から請求の範囲第２１項のいずれか１項に記載の照明装置。
　前記光反射層は、前記光源非配置領域と重畳する部位の光反射率が、前記光源配置領域と重畳する部位に近い側から遠い側にかけて段階的に逐次小さくなるように形成されている請求の範囲第１５項から請求の範囲第２１項のいずれか１項に記載の照明装置。
　前記光反射層は、光反射性を備えたドットパターンにより構成されている請求の範囲第１項から請求の範囲第２３項のいずれか１項に記載の照明装置。
　前記光学部材には、拡散粒子が分散して含有されている請求の範囲第１項から請求の範囲第２４項のいずれか１項に記載の照明装置。
　前記光反射層は、光反射率が前記光学部材よりも高くなっている請求の範囲第２５項記載の照明装置。
　請求の範囲第１項から請求の範囲第２６項のいずれか１項に記載の照明装置と、前記照明装置からの光を利用して表示を行う表示パネルとを備える表示装置。
　前記表示パネルは、一対の基板間に液晶を封入してなる液晶パネルとされる請求の範囲第２７項記載の表示装置。
　請求の範囲第２７項または請求の範囲第２８項に記載された表示装置を備えるテレビ受信装置。