WO2010067762A1

WO2010067762A1 - 観察装置と内視鏡装置

Info

Publication number: WO2010067762A1
Application number: PCT/JP2009/070414
Authority: WO
Inventors: 康弘田渕
Original assignee: オリンパスメディカルシステムズ株式会社
Priority date: 2008-12-12
Filing date: 2009-12-04
Publication date: 2010-06-17

Abstract

　管腔内に挿入される挿入部５の先端部に配設された観察レンズ５ｂと、観察レンズ５ｂを覆う透明な帯状のカバー部材２１と、観察レンズ５ｂに装着前のカバー部材２１の未使用部分２１ａを収容する収容位置Ｓ１と、観察レンズ５ｂを覆う部分２１ｂが配置された使用位置Ｓ２と、カバー部材２１の使用済み部分２１ｃを観察レンズ５ｂから退避させる退避位置Ｓ３との間でカバー部材２１を移動させるカバー部材移動手段２２と、を具備する。

Description

観察装置と内視鏡装置

　本発明は、例えば内視鏡の観察部で体内の処置部分を観察しながら体内の処置を進める手技などに用いる場合に好適な観察装置と内視鏡装置に関する。

　一般に、内視鏡的に内視鏡の観察部で体内の処置部分を観察しながら体内の処置を進める手技などが従来から広く行われている。この種の装置で、内視鏡の先端部の観察部の汚れを拭き取る手段として次のような装置が提案されている。特許文献１では、内視鏡の先端部の観察部のレンズカバーに洗浄液を流すことにより、レンズカバーの表面の汚れを送水によって洗い流す構成が示されている。また、特許文献２には、内視鏡の先端部の観察部の対物レンズに圧接されるワイパーを設け、このワイパーを動かすことにより、対物レンズの表面の汚れを拭き取る構成が示されている。

特開平１１－４７０８０号公報特開２００３－１９９７０３号公報

　上記特許文献１及び特許文献２に示すような内視鏡の先端部の観察部の汚れを拭き取る手段として使用されている送水やワイパーなどは、レンズ部分が汚れた後にその汚れを拭き取る手段である。しかしながら、汚れが付着した状態で長時間保持された場合には、これらの方法では固まった汚れを拭き取れない場合がある。そのため、観察部の視界を良好に保つことができなくなる可能性がある。

　本発明は上記事情に着目してなされたもので、その目的は、挿入部の先端部に配設された観察部が汚れないようにし、視界を良好に保つことが可能なシステムを作ることができる観察装置と内視鏡装置を提供することにある。

　上記目的を達成するため、本発明は、管腔内に挿入される挿入部の先端部に配設された観察部と、前記観察部を覆う透明な帯状のカバー部材と、前記観察部に装着前の前記カバー部材の未使用部分を収容する収容位置と、前記観察部を覆う使用位置と、前記カバー部材の使用済み部分を前記観察部から退避させる退避位置との間で前記カバー部材を移動させるカバー部材移動手段と、を具備する観察装置を提供する。　
　そして、この観察装置では、観察部による観察中に観察部を覆う使用位置に延出された帯状のカバー部材が汚れ、観察部による観察が行い難くなった場合には、カバー部材移動手段を駆動する。このとき、収容位置からカバー部材の未使用部分を使用位置側に導出する操作と、使用位置からカバー部材の使用済み部分を退避位置側に退避させる操作とを行う。カバー部材が汚れる毎に、前記使用位置に前記カバー部材の未使用部分を導出する操作を順次に繰り返し、行うことにより、観察部が汚れないようにし、視界を良好に保つことができる。

　この観察装置では、前記カバー部材移動手段は、前記収容位置から前記カバー部材の未使用部分を前記使用位置側に導出するカバー部材導出部と、前記使用位置から前記カバー部材の使用済み部分を前記退避位置側に退避させるカバー部材退避部と、前記カバー部材導出部と前記使用位置と前記カバー部材退避部との間で前記カバー部材の移動を操作するカバー操作部とを有することが好ましい。　
　これにより、前記カバー部材移動手段の動作時には、カバー操作部によってカバー部材を操作する。このとき、カバー部材導出部によって前記収容位置から前記カバー部材の未使用部分を前記使用位置側に導出する。また同時に、カバー部材退避部によって前記使用位置から前記カバー部材の使用済み部分を前記退避位置側に退避させる。

　またこの観察装置では、前記カバー操作部は、前記カバー部材を牽引する牽引部材と、前記牽引部材を巻き取る巻き取り部材と、前記巻き取り部材を回転駆動する回転レバーとを有することが好ましい。　
　これにより、カバー操作部の操作時には、回転レバーによって巻き取り部材を回転駆動する。このとき、巻き取り部材の回転によりカバー部材の牽引部材が牽引されることにより、カバー部材導出部によって前記収容位置から前記カバー部材の未使用部分を前記使用位置側に導出する。また同時に、カバー部材退避部によって前記使用位置から前記カバー部材の使用済み部分を前記退避位置側に退避させる。

　また観察装置では、前記カバー部材は、前記使用位置で前記観察部の前端部分が挿入された状態で係合される係合溝部を有し、前記カバー部材のスライド操作時に前記カバー部材の前記係合溝部と前記観察部の前端部分との係合部によって前記カバー部材が前記観察部の前端部分から外れることを防止する脱落防止部を構成することが好ましい。　
　これにより、前記カバー部材のスライド操作時に脱落防止部の前記カバー部材の前記係合溝部と前記観察部の前端部分との係合部によって前記カバー部材が前記観察部の前端部分から外れることを防止する。

　また本発明は、内視鏡と、前記内視鏡を外装するシースと、前記内視鏡の挿入部の先端部の観察レンズを覆う透明な帯状のカバー部材と、前記観察部に装着前の前記カバー部材の未使用部分を前記内視鏡と前記シースとの間隙に配設された収容位置と、前記観察部を覆う使用位置と、前記カバー部材の使用済み部分を前記観察部から退避させる退避位置との間で前記カバー部材を移動させるカバー部材移動手段と、を具備する内視鏡装置を提供する。　
　この内視鏡装置では、内視鏡の観察レンズによる観察中に観察レンズを覆う帯状のカバー部材が汚れ、観察レンズによる観察が行い難くなった場合には、カバー部材移動手段を駆動する。このとき、収容位置からカバー部材の未使用部分を使用位置側に導出する操作と、使用位置からカバー部材の使用済み部分を退避位置側に退避させる操作とを行う。カバー部材が汚れる毎に、前記使用位置に前記カバー部材の未使用部分を導出する操作を順次に繰り返し、行うことにより、観察レンズが汚れないようにし、視界を良好に保つことができる。

　本発明によれば、挿入部の先端部に配設された観察部が汚れた後、取り除くのではなく、観察部が汚れないようにし、視界を良好に保つことが可能なシステムを作ることができる。

本発明の第１の実施の形態の血管採取装置全体の概略構成を示す斜視図。第１の実施の形態の血管採取装置の先端部付近を示す斜視図。第１の実施の形態の血管採取装置のレンズカバーの装着状態を示す説明するための説明図。第１の実施の形態の血管採取装置のレンズカバーの要部の斜視図。第１の実施の形態の血管採取装置の変形例を示す要部の斜視図。本発明の第２の実施の形態の硬性鏡全体の斜視図。本発明の第３の実施の形態の軟性鏡全体の斜視図。

　本発明の第１の実施形態を、図１乃至図４を参照して説明する。図１は内視鏡的血管採取手術に使用する本実施形態の観察装置の一例である血管採取装置１全体の概略構成を示す。血管採取装置１は、内視鏡用シース２と、内視鏡としての硬性鏡４とを有する。硬性鏡４は、金属管などで形成された細長い直管状の挿入部５と、挿入部５の基端部に連結された手元側の操作部６とを有する。手元側操作部６には、図示しない接眼部あるいは撮像光学系、図示しない照明光学系のライトガイド接続部などが配設されている。挿入部５の先端部には、観察窓（観察部）５ａ、図示しない照明窓などが配設されている。

　内視鏡用シース２は、合成樹脂材料等からなる真っ直ぐな円筒状のシース本体７を有する。シース本体７の内部には、ほぼ軸心位置に硬性鏡４の挿入部５が挿脱可能に挿入される状態で装着されるようになっている。

　さらに、内視鏡用シース２の先端部には、例えば血管などを切断するＶカッター８と、例えば血管などを保持するベインキーパー９とが配設されている。ここで、シース本体７の先端部には、周壁の一部（図１中では上部）にＶカッター８を収容するカッター収容溝１０が形成されている。このカッター収容溝１０には、Ｖカッター８がシース本体７の軸線方向にスライド可能に装着されている。

　Ｖカッター８の先端部には、先端側が開いたＶ溝１１が形成されている。さらに、Ｖカッター８の基端部側は図示しないＶカッター操作ロッドの先端部に連結されている。Ｖカッター操作ロッドの基端部は、シース本体７の内部を通してシース本体７の基端部側に延出されている。

　図２に示すように、ベインキーパー９は、ほぼＵ字状のベインキーパー本体１４を有する。ベインキーパー１４は、シース本体７の軸線方向と平行に並設された２本の操作ロッド１２，１３の先端部間を連結する。２本の操作ロッド１２，１３の基端部は、シース本体７の内部を通してシース本体７の基端部側に延出されている。

　シース本体７の基端部には、把持部を構成する円筒状の操作部カバー１５が設けられている。操作部カバー１５には、図１中で上面側にＶカッターレバー１６が、図１中で下面側にベインキーパーレバー１７がそれぞれ配設されている。Ｖカッターレバー１６には、Ｖカッター８のＶカッター操作ロッドの基端部側が固定されている。同様に、ベインキーパーレバー１７には、ベインキーパー９の２本の操作ロッド１２，１３の基端部側が固定されている。

　ここで、操作部カバー１５には、図１中で上面側にシース本体７の軸線方向に延設された直線状の第１のレバーガイド溝１８が、図１中で下面側にシース本体７の軸線方向に延設された直線状の第２のレバーガイド溝１９がそれぞれ形成されている。Ｖカッターレバー１６は、第１のレバーガイド溝１８に沿ってシース本体７の軸線方向にスライド可能に装着されている。そして、Ｖカッターレバー１６のスライド操作にともない、Ｖカッター操作ロッドを介してＶカッター８がシース本体７の軸線方向にスライド操作される。これにより、Ｖカッター８がカッター収容溝１０から突没操作されるようになっている。

　また、ベインキーパーレバー１７は、第２のレバーガイド溝１９に沿ってシース本体７の軸線方向にスライド可能に装着されている。そして、ベインキーパーレバー１７のスライド操作にともない、２本の操作ロッド１２，１３を介してベインキーパー９のベインキーパー本体１４がシース本体７の軸線方向にスライド操作される。これにより、ベインキーパー９がシース本体７の先端部から突没操作されるようになっている。

　本実施形態の血管採取装置１の内視鏡用シース２には、レンズカバー汚れ除去装置２０が装着されている。レンズカバー汚れ除去装置２０は、硬性鏡４の観察窓５ａに配設された観察レンズ５ｂを覆う透明な帯状のカバー部材２１と、前記カバー部材２１を移動させるカバー部材移動手段２２とを有する。カバー部材２１は、例えば透明なソフトシリコン、熱可塑性エラストマー（例えば、セプトンコンパウンド：クラレプラスチック（株）の商品名）、あるいはクリアフィルム（ポリプロピレンや、ポリエステルなどで生体適合性がとれているもの）などの材料で形成されている。さらに、カバー部材２１の帯の長さは、硬性鏡４の観察レンズ５ｂの径よりも十分に長い長さに設定されている。そして、１つのカバー部材２１の帯の中に、未使用部分２１ａと、硬性鏡４の観察レンズ５ｂを覆う使用位置Ｓ２に配置された部分２１ｂと、使用済み部分２１ｃとが連続形成される。

　カバー部材移動手段２２は、カバー部材２１のスライド操作用の回転レバー（カバー操作部）２３を有する。回転レバー２３は、操作部カバー１５に装着されている。回転レバー２３の軸心部は、操作部カバー１５の外側に突出された回転軸２４の外端部に固定されている。回転軸２４の内端部側は操作部カバー１５の内部側に挿入され、回転自在に軸支されている。

　図３に示すように、回転軸２４には、操作部カバー１５の内部に配置されたプーリ２５が固定されている。このプーリ２５には、カバー部材２１を牽引操作する操作ワイヤ（牽引部材）２６が巻き付けられている。操作ワイヤ２６の両端部は、カバー部材２１の両端部にそれぞれ固定されている。そして、回転レバー２３の回転操作にともない回転軸２４と一緒にプーリ２５が回転駆動される。このとき、プーリ２５の回転にともない、カバー部材２１の一端部と操作ワイヤ２６との連結部側が引っ張り操作され、カバー部材２１の他端部と操作ワイヤ２６との連結部側が繰り出し操作される。

　また、図２に示すように、内視鏡用シース２と硬性鏡４の挿入部５との間の隙間には、観察レンズ５ｂに装着前のカバー部材２１の未使用部分２１ａを収容する収容位置Ｓ１と、カバー部材２１の使用済み部分２１ｃを観察レンズ５ｂから退避させる退避位置Ｓ３とがそれぞれ形成されている。ここで、例えば回転レバー２３が図１中に矢印で示すように反時計回り方向に回転操作されたとき、操作ワイヤ２６が繰り出し操作される側に収容位置Ｓ１が配置され、操作ワイヤ２６が引っ張り操作される側に退避位置Ｓ３が配置されている。そして、操作ワイヤ２６が繰り出し操作される側に、収容位置Ｓ１からカバー部材２１の未使用部分２１ａを使用位置Ｓ２側に導出するカバー部材導出部２７が形成される。また、操作ワイヤ２６が引っ張り操作される側に、使用位置Ｓ２からカバー部材２１の使用済み部分２１ｃを退避位置Ｓ３側に退避させるカバー部材退避部２８が形成されている。カバー部材導出部２７とカバー部材退避部２８とは、回転レバー２３によって同時に操作される。これにより、観察レンズ５ｂに装着前のカバー部材２１の未使用部分２１ａを収容する収容位置Ｓ１と、観察レンズ５ｂを覆う部分２１ｂが配置された使用位置Ｓ２と、カバー部材２１の使用済み部分２１ｃを観察レンズ５ｂから退避させる退避位置Ｓ３との間でカバー部材２１を移動させるカバー部材移動手段２２が構成されている。

　さらに、図４に示すように、カバー部材２１の内面側には、レンズガイド溝２９がカバー部材２１の長手方向に延出される状態で形成されている。このレンズガイド溝２９の幅は、硬性鏡４の観察レンズ５ｂの径と同じ長さに設定されている。これにより、カバー部材２１のレンズガイド溝２９に、硬性鏡４の観察レンズ５ｂが挿入される状態で係合されている。

　次に、上記構成の作用について説明する。本実施形態の血管採取装置１では、内視鏡用シース２のシース本体７の内部に硬性鏡４の挿入部５が挿入される状態で装着される。この硬性鏡４の装着時には、図１中で硬性鏡４の挿入部５の上側にＶカッター８、下側にベインキーパー９がそれぞれ配置された状態で保持される。このとき、内視鏡用シース２には、レンズカバー汚れ除去装置２０が装着されている。

　次に、前述のように構成された血管採取装置１を用いて患者の体内の採取対象血管を採取する。この作業時には、体内の処置部の周囲の状況が硬性鏡４の観察窓５ａに配設された観察レンズ５ｂを通して観察される。このとき、観察レンズ５ｂの外面側は、レンズカバー汚れ除去装置２０の透明な帯状のカバー部材２１によって覆われている。この状態で、手元側の操作部６のベインキーパーレバー１７によって、ベインキーパー９が操作される。このとき、ベインキーパーレバー１７のスライド操作にともない、２本の操作ロッド１２，１３を介してベインキーパー９のベインキーパー本体１４がシース本体７の軸線方向にスライド操作される。これにより、ベインキーパー９がシース本体７の先端部から突没操作される。同様に、Ｖカッターレバー１６のスライド操作にともない、Ｖカッター操作ロッドを介してＶカッター８がシース本体７の軸線方向にスライド操作される。これにより、Ｖカッター８がカッター収容溝１０から突没操作される。以上のようにして、患者の体内の採取対象血管を採取する作業が行われる。

　また、採取対象血管を採取する作業中に、硬性鏡４の観察窓５ａの観察レンズ５ｂの外面のカバー部材２１に血液、粘膜や、皮下脂肪等の付着物Ｍが付着し、硬性鏡４による視野が妨げられることがある。このような場合、カバー部材２１のカバー部材移動手段２２が駆動される。このとき、操作部カバー１５の回転レバー２３が回転操作される。

　回転レバー２３の回転時には、回転軸２４と一緒にプーリ２５が回転駆動される。このとき、プーリ２５の回転にともない、カバー部材２１の一端部と操作ワイヤ２６との連結部側が引っ張り操作され、カバー部材２１の他端部と操作ワイヤ２６との連結部側が繰り出し操作される。これにより、収容位置Ｓ１からカバー部材２１の未使用部分２１ａを使用位置Ｓ２側に導出する操作と、使用位置Ｓ２からカバー部材２１の使用済み部分２１ｃを退避位置Ｓ３側に退避させる操作とが同時に行われる。その結果、図２中に矢印で示すように、付着物Ｍが付着して汚れたカバー部材２１の使用済み部分２１ｃが、退避位置Ｓ３側に退避される。これと同時に、収容位置Ｓ１内のカバー部材２１の未使用部分２１ａが、観察レンズ５ｂの外面の使用位置Ｓ２側に導出される。

　そして、カバー部材２１が汚れる毎に、上記回転レバー２３の回転操作が行われる。これにより、付着物Ｍが付着して汚れたカバー部材２１の使用済み部分２１ｃを退避位置Ｓ３側に退避させる操作と、前記使用位置Ｓ２に前記カバー部材２１の未使用部分２１ａを導出する操作とが、順次に繰り返し行われる。これにより、硬性鏡４の観察レンズ５ｂが汚れないようにし、硬性鏡４の視界を良好に保つことができる。

　そこで、上記構成のものにあっては次の効果を奏する。すなわち、本実施形態の血管採取装置１では、硬性鏡４の観察レンズ５ｂを覆う透明な帯状のカバー部材２１の未使用部分２１ａを収容する収容位置Ｓ１と、観察レンズ５ｂを覆う使用位置Ｓ２と、カバー部材２１の使用済み部分２１ｃを観察レンズ５ｂから退避させる退避位置Ｓ３との間でカバー部材２１を移動させるカバー部材移動手段２２を設けている。採取対象血管を採取する作業中などには、硬性鏡４の観察窓５ａの観察レンズ５ｂの外面のカバー部材２１に血液、粘膜や、皮下脂肪等の付着物Ｍが付着し、硬性鏡４による視野が妨げられる場合がある。この場合、操作部カバー１５の回転レバー２３を回転操作することにより、付着物Ｍが付着して汚れたカバー部材２１の使用済み部分２１ｃを退避位置Ｓ３側に退避させ、前記使用位置Ｓ２に前記カバー部材２１の未使用部分２１ａを導出する操作を行うことができる。これにより、硬性鏡４の観察窓５ａに配設された観察レンズ５ｂが汚れないようにし、硬性鏡４の視界を良好に保つことができる。

　また、本実施形態では、操作部カバー１５に対し、回転レバー２３と回転軸２４を引き抜くことで、カバー部材２１の取り外しが可能になる。そのため、カバー部材移動手段２２の保守・点検作業を容易に行うことができる。

　また、図４に示すカバー部材２１の内面側のレンズガイド溝２９には、硬性鏡４の観察レンズ５ｂが挿入される状態で係合される。カバー部材２１のレンズガイド溝２９と硬性鏡４の観察レンズ５ｂとの係合部によって、カバー部材２１の移動操作中にカバー部材２１の内面側が硬性鏡４の観察レンズ５ｂから外れにくくすることができる。さらに、カバー部材２１のレンズガイド溝２９と硬性鏡４の観察レンズ５ｂとの係合部によって、カバー部材２１のレンズガイド溝２９と硬性鏡４の観察レンズ５ｂとの間に汚れが入りにくくすることもできる。そのため、硬性鏡４の観察レンズ５ｂに汚れが付着することを一層、効果的に防止することができる。

　また、図５は本発明の第１の実施形態の血管採取装置１の変形例を示すものである。本実施形態は、第１の実施形態（図１乃至図４参照）の血管採取装置１のレンズカバー汚れ除去装置２０の構成を次の通り変更したものである。

　すなわち、第１の実施形態の血管採取装置１では、硬性鏡４の観察レンズ５ｂの外面のカバー部材２１を観察レンズ５ｂの一側部側から他側部側に横送りする構成であるが、本変形例のレンズカバー汚れ除去装置２０は、図５中に矢印で示すように硬性鏡４の観察レンズ５ｂの外面に対して観察レンズ５ｂの上部側から下部側に縦送りする構成のカバー部材３１に変更したものである。本変形例では、内視鏡用シース２と硬性鏡４の挿入部５との間の隙間には、硬性鏡４の挿入部５の上側にカバー部材３１の未使用部分３１ａを収容する収容位置Ｓ１が配設され、硬性鏡４の挿入部５の下側にカバー部材３１の使用済み部分３１ｃを退避させる退避位置Ｓ３が配設されている。

　そして、本変形例では、操作部カバー１５の回転レバー２３を回転操作した際に、付着物Ｍが付着して汚れたカバー部材３１の使用済み部分３１ｃを、観察レンズ５ｂの下部側の退避位置Ｓ３側に退避させる。また同時に、観察レンズ５ｂの上部側の収容位置Ｓ１から観察レンズ５ｂの前面の使用位置Ｓ２にカバー部材３１の未使用部分３１ａを、導出する操作を行う。そのため、上記構成の本変形例のレンズカバー汚れ除去装置２０であっても、第１の実施形態の血管採取装置１と同様に、硬性鏡４の観察窓５ａに配設された観察レンズ５ｂが汚れないようにし、硬性鏡４の視界を良好に保つことができる。

　さらに、本変形例では、カバー部材３１が縦送りされる構成である。これにより、Ｖカッター８やベインキーパー９の操作ロッド１２，１３がシース本体７の軸線方向にスライド操作される際のガイドとして、レンズカバー汚れ除去装置２０を兼用することができる。

　また、図６は本発明の第２の実施形態を示すものである。本実施形態は第１の実施形態（図１乃至図４参照）の血管採取装置１に変えて、硬性鏡４１の内視鏡用シース４２に第１の実施形態のカバー部材移動手段２２と同様の構成のカバー部材移動手段４３を装着したものである。

　硬性鏡４１は、金属管などで形成された細長い直管状の挿入部４５と、挿入部４５の基端部に連結された手元側端部４６とを有する。手元側端部４６には図示しない接眼部あるいは撮像光学系、図示しない照明光学系のライトガイド接続部などが配設されている。挿入部４５の先端部には、観察窓（観察部）４５ａ、図示しない照明窓などが配設されている。

　内視鏡用シース４２は、合成樹脂材料等からなる真っ直ぐな円筒状のシース本体４７を有する。シース本体４７の基端部には、把持部を構成する円筒状の操作部カバー４８が設けられている。シース本体４７の内部には、ほぼ軸心位置に硬性鏡４１の挿入部４５が、操作部カバー４８側から挿脱可能に挿入される状態で装着されるようになっている。

　さらに、内視鏡用シース４２には、カバー汚れ除去装置４４が装着されている。このレンズカバー汚れ除去装置４４は、硬性鏡４１の観察窓４５ａに配設された観察レンズ４５ｂを覆う透明な帯状のカバー部材４９と、前記カバー部材４９を移動させるカバー部材移動手段４３とを有する。カバー部材移動手段４３は、第１の実施形態のレンズカバー汚れ除去装置２０のカバー部材移動手段２２と同一構成になっている。そのため、第１の実施形態のカバー部材移動手段２２と同一部分には同一の符号を付してここではその説明を省略する。

　本実施形態のカバー部材移動手段４３の回転レバー２３は、操作部カバー４８に配設されている。さらに、カバー部材移動手段４３の操作ワイヤ２６の両端部はカバー部材４９の両端部にそれぞれ固定されている。そして、回転レバー２３の回転操作にともない、回転軸２４と一緒にプーリ２５が回転駆動される。このとき、プーリ２５の回転にともない、カバー部材４９の一端部と操作ワイヤ２６との連結部側が引っ張り操作され、カバー部材４９の他端部と操作ワイヤ２６との連結部側が繰り出し操作される。

　また、内視鏡用シース４２と硬性鏡４１の挿入部４５との間の隙間には、観察レンズ４５ｂに装着前のカバー部材４９の未使用部分４９ａを収容する収容位置Ｓ１と、カバー部材４９の使用済み部分４９ｃを観察レンズ４５ｂから退避させる退避位置Ｓ３とがそれぞれ形成されている。そして、操作ワイヤ２６が繰り出し操作される側に、収容位置Ｓ１からカバー部材４９の未使用部分４９ａを使用位置Ｓ２側に導出するカバー部材導出部５１が形成される。また、操作ワイヤ２６が引っ張り操作される側に、使用位置Ｓ２からカバー部材４９の使用済み部分４９ｃを退避位置Ｓ３側に退避させるカバー部材退避部５２が形成されている。前記カバー部材導出部５１と前記カバー部材退避部５２とは、回転レバー２３によって同時に操作される。これにより、観察レンズ４５ｂに装着前のカバー部材４９の未使用部分４９ａを収容する収容位置Ｓ１と、観察レンズ４５ｂを覆う部分４９ｂが配置された使用位置Ｓ２と、カバー部材４９の使用済み部分４９ｃを観察レンズ５ｂから退避させる退避位置Ｓ３との間でカバー部材４９を移動させるカバー部材移動手段４３が構成されている。

　そして、本実施形態のカバー部材移動手段４３の作用・効果は、第１の実施形態のカバー部材移動手段２２と同一である。本実施形態でも硬性鏡４１の観察窓４５ａの観察レンズ４５ｂの外面のカバー部材４９に血液、粘膜や、皮下脂肪等の付着物Ｍが付着し、硬性鏡４１による視野が妨げられる場合がある。この場合には、操作部カバー４８の回転レバー２３を回転操作することにより、付着物Ｍが付着して汚れたカバー部材４９の使用済み部分４９ｃを退避位置Ｓ３側に退避させ、前記使用位置Ｓ２に前記カバー部材４９の未使用部分４９ａを導出する操作を行う。これにより、第１の実施形態と同様に硬性鏡４１の観察窓４５ａに配設された観察レンズ４５ｂが汚れないようにし、硬性鏡４１の視界を良好に保つことができる。

　また、図７は本発明の第３の実施形態を示すものである。本実施形態は第１の実施形態（図１乃至図４参照）の血管採取装置１に変えて、軟性の内視鏡６１に第１の実施形態のカバー部材移動手段２２と同様の構成のカバー部材移動手段６２を装着したものである。

　軟性の内視鏡６１は、可撓性を有する挿入部６３と、挿入部６３の基端部に連結された手元側の操作部６４とを有する。内視鏡６１の挿入部６３は、細長い可撓管部６５と、可撓管部６５の先端に連結された湾曲部６６と、挿入部６３の最先端に配置された先端硬性部６７とを有する。先端硬性部６７には、観察窓（観察部）６７ａ、図示しない照明窓などが配設されている。

　操作部６４には、湾曲部６６を湾曲操作する図示しない操作ノブ、処置具挿通用の処置具挿通部６８、図示しない送気送水ボタン、吸引ボタンなどが配設されている。さらに、光学内視鏡の場合には、操作部６４の末端部に接眼部６９が配設され、電子内視鏡の場合には、撮像用の各種のスイッチ類などが配設されている。また、操作部６４の側部には、ユニバーサルコード７０の一端部が連結されている。ユニバーサルコード７０の他端部には、光源装置に着脱可能に接続されるコネクタが連結されている。

　さらに、本実施形態の内視鏡６１には、カバー汚れ除去装置７１が装着されている。このレンズカバー汚れ除去装置７１は、内視鏡６１の観察窓６７ａに配設された観察レンズ６７ｂを覆う透明な帯状のカバー部材７２と、前記カバー部材７２を移動させるカバー部材移動手段６２とを有する。カバー部材移動手段６２は、第１の実施形態のレンズカバー汚れ除去装置２０のカバー部材移動手段２２と同一構成になっている。そのため、第１の実施形態のカバー部材移動手段２２と同一部分には同一の符号を付してここではその説明を省略する。

　本実施形態のカバー部材移動手段６２の回転レバー２３は、操作部６４に配設されている。さらに、カバー部材移動手段６２の操作ワイヤ２６の両端部は、カバー部材７２の両端部にそれぞれ固定されている。そして、回転レバー２３の回転操作にともない、回転軸２４と一緒にプーリ２５が回転駆動される。このとき、プーリ２５の回転にともない、カバー部材７２の一端部と操作ワイヤ２６との連結部側が引っ張り操作され、カバー部材７２の他端部と操作ワイヤ２６との連結部側が繰り出し操作される。

　また、内視鏡６１の先端硬性部６７には、観察レンズ６７ｂの両側にスリット状のカバー部材出し入れ部７４ａ，７４ｂがそれぞれ配設されている。一方のカバー部材出し入れ部７４ａには、観察レンズ６７ｂに装着前のカバー部材７２の未使用部分７２ａを収容する収容部が形成されている。他方のカバー部材出し入れ部７４ｂには、カバー部材７２の使用済み部分７２ｃ（図示せず）を観察レンズ６７ｂから退避させる退避部が形成されている。操作ワイヤ２６の両端部は、回転レバー２３によって同時に操作される。これにより、観察レンズ６７ｂに装着前のカバー部材７２の未使用部分７２ａを収容する収容部と、観察レンズ６７ｂを覆う部分７２ｂが配置された使用位置Ｓ２と、カバー部材７２の使用済み部分７２ｃを観察レンズ６７ｂから退避させる退避部との間でカバー部材７２を移動させるカバー部材移動手段６２が構成されている。

　そして、本実施形態のカバー部材移動手段６２の作用・効果は、第１の実施形態のカバー部材移動手段２２と同一である。本実施形態でも内視鏡６１の観察窓６７ａの観察レンズ６７ｂの外面のカバー部材７２に血液、粘膜や、皮下脂肪等の付着物Ｍが付着し、内視鏡６１による視野が妨げられる場合がある。この場合には、操作部６４の回転レバー２３を回転操作することにより、付着物Ｍが付着して汚れたカバー部材７２の使用済み部分７２ｃを退避部側のカバー部材出し入れ部７４ｂに退避させ、収容部側のカバー部材出し入れ部７４ａから前記カバー部材７２の未使用部分７２ａを前記観察レンズ６７ｂの外面の使用位置Ｓ２に導出する操作を行う。これにより、第１の実施形態と同様に内視鏡６１の観察窓６７ａに配設された観察レンズ６７ｂが汚れないようにし、内視鏡６１の視界を良好に保つことができる。

　さらに、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々変形実施できることは勿論である。　
　次に、本出願の他の特徴的な技術事項を下記の通り付記する。　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　記　
　（付記項１）　保護部材により収容される未使用位置にある使用予定カバーと、それを通じて観察可能な使用位置にある使用中カバーと、使用予定カバーを使用位置に位置させる導出機構と、使用済みカバー退避位置に位置させる退避機構と、導出及び退避機構を操作する操作部と、を有する観察装置。

　（付記項２）　内視鏡と、内視鏡を外装するシースと、内視鏡とシースの間隙から延びて内視鏡先端部の観察レンズを被覆するレンズカバーと、当該レンズカバーをスライドさせる牽引機構と、を具備する内視鏡装置。

　挿入部の先端部に配設された観察部が汚れた後、取り除くのではなく、観察部が汚れないようにし、視界を良好に保つことが可能なシステムを製造し、使用する技術分野で有効である。

　４…硬性鏡、５ａ…観察窓（観察部）、５ｂ…観察レンズ、２１…カバー部材、２２…カバー部材移動手段、２３…回転レバー（カバー操作部）、２６…操作ワイヤ（牽引部材）、２７…カバー部材導出部、２８…カバー部材退避部。

Claims

　管腔内に挿入される挿入部の先端部に配設された観察部と、
　前記観察部を覆う透明な帯状のカバー部材と、
　前記観察部に装着前の前記カバー部材の未使用部分を収容する収容位置と、前記観察部を覆う使用位置と、前記カバー部材の使用済み部分を前記観察部から退避させる退避位置との間で前記カバー部材を移動させるカバー部材移動手段と、
　を具備する観察装置。
　前記カバー部材移動手段は、前記収容位置から前記カバー部材の未使用部分を前記使用位置側に導出するカバー部材導出部と、前記使用位置から前記カバー部材の使用済み部分を前記退避位置側に退避させるカバー部材退避部と、前記カバー部材導出部と前記使用位置と前記カバー部材退避部との間で前記カバー部材の移動を操作するカバー操作部とを有する請求項１に記載の観察装置。
　前記カバー操作部は、前記カバー部材を牽引する牽引部材と、前記牽引部材を巻き取る巻き取り部材と、前記巻き取り部材を回転駆動する回転レバーとを有する請求項２に記載の観察装置。
　前記カバー部材は、前記使用位置で前記観察部の前端部分が挿入された状態で係合される係合溝部を有し、前記カバー部材のスライド操作時に前記カバー部材の前記係合溝部と前記観察部の前端部分との係合部によって前記カバー部材が前記観察部の前端部分から外れることを防止する脱落防止部を構成する請求項１に記載の観察装置。
　内視鏡と、
　前記内視鏡を外装するシースと、
　前記内視鏡の挿入部の先端部の観察レンズを覆う透明な帯状のカバー部材と、
　前記観察部に装着前の前記カバー部材の未使用部分を前記内視鏡と前記シースとの間隙に配設された収容位置と、前記観察部を覆う使用位置と、前記カバー部材の使用済み部分を前記観察部から退避させる退避位置との間で前記カバー部材を移動させるカバー部材移動手段と、
　を具備する内視鏡装置。