WO2009119100A1 - メタルハライドランプ、およびそれを用いた照明装置 - Google Patents

メタルハライドランプ、およびそれを用いた照明装置 Download PDF

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Abstract

 傾斜点灯時のアーク暴れによる照射面のちらつきを防止し、光束維持率が早期に低下したり、外囲器にクラックが生じたりするのを抑える。 外管(2)内に設けられ、かつ発光物質としてCeおよびPrのうちの少なくとも一種を含み、外囲器(11)が透光性セラミックの発光管(3)と、発光管(3)の外側に発光管(3)の放電空間(13)のうち、一対の電極(12)間の領域を囲むように配置されたスリーブ(4)とを有する。一対の電極(12)間の距離をL[mm]、発光管(3)の一対の電極(12)間に相当する部分の最大内径をD[mm]として、関係式0.7<L/D<3を満たす。発光管(3)の一対の電極(12)間に相当する部分の平均外径をr[mm]、スリーブ(4)の一対の電極(12)間に相当する部分の平均内径をR[mm]、ランプの定格電力をP[W]として、関係式R/r≦-0.0019P+2.625(ただし、R/r>1)を満たす。

Description

メタルハライドランプ、およびそれを用いた照明装置
 本発明は、メタルハライドランプ、およびそれを用いた照明装置に関するものである。
 近時、例えば屋外照明や高天井照明等に使用されているメタルハライドランプに対して、省エネルギーの観点から、発光効率の向上が強く求められている。
 そこで、発光効率を高めるため、発光物質に、蒸気圧は低いが発光効率の高いセリウム、プラセオジムのハロゲン化物を用いたメタルハライドランプが検討されている。係るメタルハライドランプとして、発光管の外囲器を構成する材料に高い管壁負荷での使用にも耐え得る、つまり高温での使用にも耐え得ることができる例えばアルミナからなる透光性セラミックを用い、かつこの発光管内にヨウ化セリウム(CeI3)とヨウ化ナトリウム(NaI)とを封入し、管壁負荷が高く設定されたメタルハライドランプが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
 特許文献1には、発光管の管壁負荷を高く設定することにより、ヨウ化セリウムおよびヨウ化ナトリウムの蒸気圧を高めて、高い発光効率を得ることができる、と記載されている。なお、この特許文献1に記載の発光管は、太径であって、発光管内の一対の電極間距離をL、発光管の一対の電極間に相当する部分の最大内径をDとした場合に、L/D<3の関係を満たすものである。
 一方、セリウム、プラセオジムのハロゲン化物を用いるものではないが、発光効率を向上させるために、発光管を囲繞するシュラウド(スリーブ)を設け、発光管の最大外径とシュラウドの内径との寸法比率を規定し、発光管を昇温させ、発光物質の蒸気圧を上昇させることも提案されている(例えば、特許文献2参照)。
 特許文献2には、シュラウドが発光管の熱放射を遮蔽し、発光管の放熱を抑制し保温することにより、発光物質の蒸気圧を高めて、発光効率を高めることができると記載されている。
特開2003-086130号公報 特開2003-100253号公報
 特許文献1に記載のメタルハライドランプのように、発光物質としてセリウムやプラセオジムを用いると、これらは蒸気圧が低い金属であるために、高い発光効率を得るためには発光管の管壁負荷を十分に上げるなどして、一定の蒸気圧を確保することができるように発光管の動作温度を上昇させる必要がある。
 ここで、「発光管の動作温度」とは、ランプ点灯時の発光管内部の温度のことを示している。
 しかしながら、本発明者らの検討によると、発光管の動作温度を上げるべく発光管の寸法を小さくすることにより管壁負荷を上げていくと、ランプを、口金が最も上方に位置するように垂直に立てて点灯させる垂直点灯から斜めに傾ける傾斜点灯させた場合、アークが暴れることによって照射面に「ちらつき」が生じるという今までには見られなかった新規な問題が起こった。特に、発光物質としてセリウムやプラセオジムを用いていることによってもともとアークが細くなるが、管壁負荷を上げたためにその細りが増し、発光管内において、径方向の中心部と、径方向外側である管壁付近の周辺部との間の温度差が大きくなる。そのために、封入ガスの対流が活発となり、この対流による影響を受けてアークが暴れやすくなったと考えられる。とりわけ、発光物質に含まれるセリウムやプラセオジムの封入モル比率が多くなると前記問題がますます顕著になった。なお、ここでの発光物質は、セリウムまたはプラセオジムのハロゲン化物と、ナトリウムのハロゲン化物を組み合わせたものである。
 一方、発光物質にセリウムやプラセオジムを使用しないで、ディスプロシウム(Dy)とナトリウム、またはツリウム(Tm)とナトリウムの各ハロゲン化物を組み合わせた場合には、封入モル比率に関わらずアークは暴れることなく照射面のちらつきは確認されなかった。このことから、上記の照射面における「ちらつき」は、発光物質にセリウムやプラセオジムを用いた場合に発生する問題であることが分かる。
 また、管壁負荷を上げずに発光管の動作温度を上げるため、特許文献2に記載されるような発光管を囲繞するスリーブを設けた構成にすることもできる。ただし、ランプの定格電力に関係なく、単に、発光管との寸法比率を規定したスリーブを用いるだけでは、発光管内の動作温度を適正にすることができない場合があり、このため、前記「ちらつき」の問題が発生する。
 このような「ちらつき」が発生したランプでは、「ちらつき」以外にも光束維持率が著しく低下し、定格寿命時間(例えば18000時間)に対してわずか3000時間の点灯経過時間で寿命に至るという問題も生じる。ここで「寿命に至る」とは、3000時間の点灯経過時のランプにおける光束維持率が80[%]未満のことをいう。また、ここでの「光束維持率」は、点灯経過時間が100時間でのランプの光束を100として、点灯経過時間が3000時間でのランプにおける光束の比率を示すものである。
 これは、上述したアーク暴れによってアーク曲がりの発生が瞬時に何度も繰り返され、しかもその曲がり方が発光管内に配置された一対の電極間で不均一で、かつ大きいために、発光管の温度が局所的に異常に上昇するためであることがわかった。つまり、非常に細く、かつ高温なアークが発光管の外囲器を構成するセラミック、例えばアルミナの結晶構造を変化させてその成分の蒸発を促し、その結果、飛散したアルミナ粒子がスリーブの内面に付着し、光束維持率の低下を招いたと考えられる。
 さらに、上記「ちらつき」が発生したランプでは、特にランプを傾斜点灯させた場合において発光管の外囲器(セラミック)にクラックが生じるという問題が起こる。これは、上述したようにアーク暴れによってアーク曲がりの発生が瞬時に何度も繰り返され、しかもその曲がり方が一対の電極間で不均一で、かつ大きいために、発光管の温度分布において局所的に異常に高温な部分が発生するとともに、その温度分布の不均一性が増し、これらに起因して外囲器に加わる熱応力が増大してクラックが生じたと考えられる。
 本発明は、このような問題を解決するためになされたものであり、発光物質としてセリウムおよびプラセオジムのうちの少なくとも一種を含む場合において、特に傾斜点灯した場合のアーク暴れによる照射面のちらつきを防止することができるとともに、光束維持率が発光管の外囲器の構成材料の飛散によって早期に低下したり、発光管の外囲器にクラックが生じたりするのを抑えることができるメタルハライドランプおよびそれを用いた照明装置を提供することを目的とする。
 本発明者らは、前記問題を解決するべく鋭意検討した結果、本来、セラミックメタルハライドランプでは発光効率を向上させるべく高い管壁負荷での動作を前提とするものであり、とりわけ発光物質として蒸気圧の低いセリウムやプラセオジムを用いる場合、発光管の管壁負荷を一層高く設定されるものであるが、それに反して、当該管壁負荷を高めることなく、セリウムやプラセオジムの高い発光効率を得ることができる程度に発光管の動作温度を高められることを見出し、併せて前記種々の問題も解決することができることを見出した。ここで、「それに反して、当該管壁負荷を高めることなく」とは、従来の発光管よりも管壁負荷を低く設定できることを意味している。
 すなわち、本発明に係るメタルハライドランプは、外管と、この外管内に設けられ、透光性セラミックからなる外囲器および当該外囲器の内部に配置された一対の電極を有する発光管と、前記外管内における前記発光管の外側であって、かつ前記発光管の放電空間のうち、少なくとも前記一対の電極間の領域を囲むように配置されたスリーブとを備え、前記外囲器の内部に、セリウム(Ce)およびプラセオジム(Pr)のうちの少なくとも一種を含む発光物質が封入され、前記一対の電極間の距離をL[mm]、前記発光管の前記一対の電極間に相当する部分の最大内径をD[mm]としたとき、関係式0.7<L/D<3を満たし、前記発光管の前記一対の電極間に相当する部分の外径の平均値をr[mm]、前記スリーブの前記一対の電極間に相当する部分の内径の平均値をR[mm]とし、かつランプの定格電力をP[W]としたとき、関係式R/r≦-0.0019P+2.625(ただし、R/r>1)を満たすことを特徴とする。
 なお、本発明で言う「発光管の放電空間のうち、少なくとも一対の電極間の領域」とは、発光管の放電空間のうち、一対の電極の互いに対向する先端のうち、一方の先端を通過しかつ当該電極間方向に直交する第1の平面と、他方の先端を通過しかつ第1の平面と平行な第2の平面との間の領域を示す。また、発光管またはスリーブにおける「一対の電極間に相当する部分」とは、発光管またはスリーブの前記第1および第2の平面で区切られた部分を示す。
 本発明では、発光管の一対の電極間に相当する部分の外径の平均値rと、スリーブの一対の電極間に相当する部分の内径の平均値Rとの比率「R/r」のことを、スリーブの内径と発光管の外径との寸法比率、または単に寸法比率という。
 また、本発明では、対象の発光管を、発光管の最大内径Dと電極間距離Lとの比率L/Dを用いて、「0.7<L/D<3」の範囲内としている。
 また、本発明に係る照明装置は、ランプソケットが取り付けられた筐体と、前記ランプソケットに装着された前記メタルハライドランプと、このメタルハライドランプを点灯させるための安定器とを備えていることを特徴とする。
 本発明に係るメタルハライドランプは、発光管を囲むように配置されたスリーブによって、発光管の放熱を抑制して、発光管を保温することができる。しかも、ランプの定格電力に応じて、スリーブの内径と発光管の外径との寸法比率(R/r)が設定されるので、スリーブによる発光管の保温効果を効果的に高めることができる。また、スリーブが、発光管を外側から保温するので、発光管内の管壁付近の温度が低下するのを抑制することができ、発光管内における径方向の中心部と、管壁付近の周辺部との間の温度差を緩和することができる。このようにして発光管内の温度差を緩和することで、封入ガスの対流が活発化するのを抑制できるので、ランプを傾斜点灯させた場合にアーク暴れが発生するのを抑えることができる。
 以上より、本発明に係るメタルハライドランプ、およびそれを用いた照明装置は、特に傾斜点灯した場合のアーク暴れによる照射面のちらつきを防止することができるとともに、光束維持率が発光管の外囲器の構成材料の飛散によって早期に低下したり、発光管の外囲器にクラックが生じたりするのを抑えることができる。
本発明の第1の実施形態であるメタルハライドランプの一部切欠正面図 同じくメタルハライドランプに用いられている発光管の正面断面図 定格電力250[W]のメタルハライドランプにおいて、点灯経過時間に伴う光束維持率の変化を示す図 定格電力250[W]のメタルハライドランプにおいて、R/rに対する全光束の変化を示す図 定格電力250[W]のメタルハライドランプにおいて、R/rに対する平均演色評価指数Raの変化を示す図 定格電力250[W]のメタルハライドランプにおいて、封入モル比に対する全光束の変化を示す図 定格電力250[W]のメタルハライドランプにおいて、封入モル比に対する平均演色評価指数Raの変化を示す図 定格電力400[W]のメタルハライドランプにおいて、点灯経過時間に伴う光束維持率の変化を示す図 定格電力400[W]のメタルハライドランプにおいて、R/rに対する全光束の変化を示す図 定格電力400[W]のメタルハライドランプにおいて、R/rに対する平均演色評価指数Raの変化を示す図 定格電力400[W]のメタルハライドランプにおいて、封入モル比に対する全光束の変化を示す図 定格電力400[W]のメタルハライドランプにおいて、封入モル比に対する平均演色評価指数Raの変化を示す図 定格電力180[W]のメタルハライドランプにおいて、点灯経過時間に伴う光束維持率の変化を示す図 定格電力180[W]のメタルハライドランプにおいて、R/rに対する全光束の変化を示す図 定格電力180[W]のメタルハライドランプにおいて、R/rに対する平均演色評価指数Raの変化を示す図 定格電力180[W]のメタルハライドランプにおいて、封入モル比に対する全光束の変化を示す図 定格電力180[W]のメタルハライドランプにおいて、封入モル比に対する平均演色評価指数Raの変化を示す図 定格電力Pと、寸法比率R/rとの関係を説明するための図 本発明の第2の実施形態である照明装置の一部切欠正面図
符号の説明
 1  メタルハライドランプ
 2  外管
 3  発光管
 4  スリーブ
 4a スリーブ支持部材
 5  口金
 6  フレーム
 7  円筒部
 8  半球状部
 9  本管部
 10 細管部
 11 外囲器
 12 電極
 13 放電空間
 14 電極棒
 15 電極コイル
 16 ガラスフリット
 17 電極導入体
 18 内部リード線
 19 外部リード線
 20 天井
 21 反射灯具
 22 ベース部
 23 ソケット部
 24 照明装置本体(筐体)
 25 銅鉄安定器
 30 照明装置
 40 第1のスリーブ
 41 第2のスリーブ
 51 上限線
 52 下限線
 以下、本発明の最良な実施の形態を、図面を参照して説明する。
 本発明の第1の実施形態では、定格電力180[W]、250[W]、または400[W]のメタルハライドランプを用いている。これら定格電力の異なる各メタルハライドランプは、基本的な構成が共通している。したがって、本実施形態において、簡単のため、各メタルハライドランプの共通する構成を、図1に示すメタルハライドランプ1を用いて説明する。
 図1に示すように、本発明の第1の実施形態である定格電力180[W]、250[W]、または400[W]のメタルハライドランプ(セラミックメタルハライドランプ)1は、外管2と、この外管2内に設けられた発光管3と、これら外管2と発光管3との間に介在し、発光管3を囲むように配置されたスリーブ4と、外管2の一方の端部に取り付けられたねじ込み式のE形の口金5とを備えている。
 外管2は、例えば硬質ガラスまたはホウケイ酸ガラス等からなり、中央部が膨出した、いわゆるB形の形状を有し、口金5側の端部にステム(図示せず)が封着されている。このステムには、発光管3およびスリーブ4を支持するための例えば金属線を適宜加工したフレーム6が取り付けられている。また、このステムには、口金5と電気的に接続された2本のステム線(図示せず)が封着されている。また、外管2内は、300Kでの気圧が1×101Pa以下、例えば1×10-1Paの真空状態であるか、40~80KPaが封入されている窒素雰囲気である。
 なお、外管2の形状としては、B形以外に公知の種々の形状のものを適用することができる。
 発光管3は、図2に示すように、円筒部7とこの円筒部7の両端部にそれぞれ連接されている半球状部8とからなる本管部9と、各々の半球状部8に連接された細管部10とからなる例えば多結晶アルミナ製の外囲器11を有している。
 図2に示した例において、発光管3の外囲器11を構成する各部分が一体成形されており、外囲器11に繋ぎ目はないが、例えば本管部の半球状部に細管部を焼きばめることによって各部分を一体化させた外囲器を用いてもよい。また、図2に示した例において、発光管3における本管部9が円筒部7とこの円筒部7の両端部にそれぞれ連接されている半球状部8とからなるものを例示して説明したが、これに限らず、その本管部が例えば略回転楕円体形状等のような公知の形状や通常考え得る使用可能な形状の場合であっても後述する作用効果と同様の作用効果を得ることができる。もちろん、発光管そのものの形状についても公知の形状や通常考え得る使用可能な形状について後述する作用効果と同様の作用効果を得ることができる。さらに、発光管3の外囲器11を構成する材料としては、多結晶アルミナ以外にイットリウム-アルミニウム-ガーネット(YAG)、窒化アルミ、イットリア、またはジルコニア等の透光性セラミックを用いることができる。
 また、発光管3の本管部9内には、一対の電極12が略同一軸(図2中、Zで示す)上で略対向するように配置されており、本管部9内に放電空間13が形成されている。電極12は、タングステン製の電極棒14とこの電極棒14の一方の先端部に設けられたタングステン製の電極コイル15とを有している。電極12の他方の先端部は、細管部10内に挿通され、かつ本管部9とは反対側の端部のみにおいて流し込まれたガラスフリット16によって封着された電極導入体17に電気的に接続されている。
 電極導入体17は、電極棒14が接続されている例えばモリブデンからなる内部リード線18と、例えばニオビウムからなる外部リード線19とを有している。外部リード線19の端部のうち、内部リード線18とは反対側の端部は、細管部10の外部においてそれぞれステム線に適宜導電部材(図示せず)を介して電気的に接続されている。発光管3は、外管2内において、上記したフレーム6のみならず、これらステム線および導電部材を介しても支持されている。
 なお、電極導入体17として、モリブデンからなる内部リード線18、およびニオビウムからなる外部リード線19から構成されたもの以外に、その材質や構造において既知の電極導入体を用いることができる。
 ここで、発光管3は、一対の電極12間の距離をL[mm](図2参照)、発光管3の一対の電極12間に相当する部分(図2中、Tで示す範囲)の最大内径をD[mm]とした場合、関係式0.7<L/D<3を満たす太径の形状を有している。なお、図1においても、Tで示す範囲が、図2と同様、発光管3およびスリーブ4における一対の電極12間に相当する部分である。
 また、発光管3内には、発光物質としてセリウム(Ce)およびプラセオジム(Pr)のうちの少なくとも一種が封入されている。ただし、これらの発光物質はハロゲン化物の形態、例えばヨウ化セリウム(CeI3)、臭化セリウム(CeBr3)や、ヨウ化プラセオジム(PrI3)、臭化プラセオジム(PrBr3)の形態で封入される。また、発光物質としては、これら以外に所望とする色特性等に応じてナトリウム(Na)、ディスプロシウム(Dy)、スカンジウム(Sc)、ツリウム(Tm)、カルシウム(Ca)等の種々の発光金属が封入される。さらに、発光管3内には、このような発光物質に加えて緩衝ガスとしての水銀(Hg)や、始動補助ガスとしてのアルゴンガス(Ar)やクリプトンガス(Kr)等の希ガスがそれぞれ所定量封入されている。
 ここで、後述する寸法比率R/rが、関係式-0.0019P+1.79≦R/rを満たす場合、封入された発光物質(前記水銀は除く)においてその全体の封入量に対するセリウムおよびプラセオジムの合計の封入モル比率は11.8以上であることが好ましい。その理由については後述する。
 図1に戻り、スリーブ4は、二重構造からなり、発光管3を直接的に囲む第1のスリーブ40(内側)と、この第1のスリーブ40をわずかな隙間を空けて外挿する第2のスリーブ41(外側)とを有している。これら第1および第2のスリーブ40,41は、例えば石英ガラスからなり、それぞれ両端部が開口した円筒状を有している。図1に示す例において、スリーブ4は、発光管3の本管部9全体および細管部10の半分程度を囲っている。また、このスリーブ4は、フレーム6に取り付けられた二つのスリーブ支持部材4aに挟持されるようにして支持されている。
 なお、スリーブ4としては、二重構造のスリーブに代えて、一重構造のスリーブや三重構造のスリーブ等を用いることができる。スリーブを多重構造にすることにより、スリーブによる保温効果を高めることができる。一方、一重構造のスリーブであっても、発光管の仕様に合わせて、スリーブの材質、形状および寸法を適宜選択することで、発光管に必要な保温効果を得ることはできる。しかも、一重構造にすれば、構造が単純になる分、小型化でき、かつコストの増加を抑制できるという利点を有している。
 このようなスリーブの厚みは、0.5[mm]以上9.0[mm]以内の範囲であるのが好ましい。ここで、「スリーブの厚み」とは、一重構造のスリーブの場合には、スリーブそのものの厚みのことであり、多重構造のスリーブの場合には、最も内側に位置するスリーブの内周面から、最も外側に位置するスリーブの外周面までの径方向の寸法のことをいう。
 また、図1に示す例において、スリーブ4が円筒状のものを例示して説明したが、これに限らず、公知の形状や通常考え得る使用可能な形状についても適用することができ、その場合でも後述する作用効果と同様の作用効果を得ることができる。もちろん、種々の形状のスリーブと上記した種々の形状の発光管とが組み合わせられても後述する作用効果と同様の作用効果を得ることができる。
 ここで、図1に示す例の場合、発光管3の長手方向の中心軸X(図1参照)とスリーブ4の長手方向の中心軸Y(図1参照)とは略同一軸上に位置している。ただし、「略同一軸上」とは、中心軸Xと中心軸Yとが同一軸上に完全に位置していることはもちろんのこと、製造上のばらつきによって互いにずれている場合も含むことを意味している。もっとも、発光管3とスリーブ4との位置関係は、各々の中心軸X,Yが略同一軸上に位置している場合に限らず、意図的にずらして偏心させた状態にしてもよい。
 さらに、これら発光管3とスリーブ4とは、各々の中心軸X,Yとが略同一軸上に位置しているか、意図的にずらしているかを問わず、発光管3の本管部9の一対の電極12間に相当する部分(図1および図2中、Tで示す範囲)の外径9aの平均値をr[mm](以下、「平均外径r」という)、スリーブ4の第1のスリーブ40の同じく一対の電極12間に相当する部分(図1中、Tで示す範囲)の内径40aの平均値をR[mm](以下、「平均内径R」という)、ランプの定格電力をP[W]とした場合、関係式R/r≦-0.0019P+2.625(ただし、R/r>1)を満たす。
 このとき、高い発光効率を得るためには、関係式-0.0019P+1.79≦R/rを満たすことが好ましい。
 このように、前記L/Dが、関係式0.7<L/D<3を満たす場合において、関係式-0.0019P+1.79≦R/r<-0.0019P+2.62(ただし、R/r>1)を満たすときには、スリーブ4によって発光管3を保温することができるので、発光管3における動作温度を高めることができる。これにより、メタルハライドランプ1は、発光管の動作温度を高めるため管壁負荷を高く設定した従来のメタルハライドランプと比べて、発光管3の管壁負荷を低くすることができ、かつセリウムやプラセオジムの高い発光効率を得ることができる。具体的には、従来のメタルハライドランプにおける発光管の管壁負荷が13[W/cm2]以上23[W/cm2]以下の範囲であるのに対し、発光管3の管壁負荷を9[W/cm2]以上16[W/cm2]以下の範囲内に設定することができる。
 なお、本実施形態において、「管壁負荷」とは、定格電力[W]を発光管3の総内面積(細管部10を除く)[cm2]で除した値のことをいう。
 このようにして発光管3の管壁負荷を従来よりも小さく抑えることにより、特に、メタルハライドランプ1を傾斜点灯した場合のアーク暴れによる照射面のちらつきを防止することができるとともに、光束維持率の早期低下および発光管3の外囲器11におけるクラックの発生を抑えることができる。
 なお、スリーブ4における平均内径Rを決定するのは、図1に示すように二重構造のスリーブ等の場合、最も内側に位置する第1のスリーブ40である。
 以上のような本発明の第1の実施形態に係るメタルハライドランプの構成によれば、前記L/Dが、関係式0.7<L/D<3を満たし、かつ寸法比率R/rが関係式R/r≦-0.0019P+2.625(ただし、R/r>1)を満たすように、発光管3の外径寸法およびスリーブ4の内径寸法が調整されている。これによって、一定の定格電力Pに対して、発光管3の寸法を小さくして管壁負荷を上げる必要がなくても、スリーブ4による保温効果によって発光管3の動作温度を上昇させることができる。したがって、蒸気圧の低いセリウムやプラセオジムを発光物質として用いても、それらの高い発光を得ることができ、発光効率を向上させることができる。
 しかし、前記L/Dが関係式0.7<L/D<3を満たす場合であっても、寸法比率R/rが関係式R/r<-0.0019P+1.79(ただし、R/r>1)を満たす場合、発光物質としてセリウムやプラセオジムを用いているにもかかわらず、高い発光効率が得にくくなるおそれがある。
 これは、発光管3の管壁負荷を一定とした場合に、スリーブ4の平均内径Rを小さくして、スリーブ4の平均内径Rに対して発光管3の本管部9における平均外径rを相対的に大きくすると、寸法比率R/rは小さくなり、かつスリーブ4と発光管3とが近接する。そして、スリーブ4と発光管3とが近接しすぎる場合には、ある範囲からスリーブ4による発光管3の保温効果が高止まりし、スリーブ4の近接だけでは発光管3の動作温度が上がらなくなり、発光効率のさらなる向上も望めなくなる。セリウムやプラセオジムの高い発光を得ることができる程度に発光管3の動作温度(動作圧力)を高めるためには、スリーブの近接だけでなくある程度管壁負荷の増大も必要となる。一方、本管部9の平均外径rを大きくした場合にも、寸法比率R/rが小さくなる。しかも、発光管3の管壁負荷が低くなり、セリウムやプラセオジムの高い発光効率を得ることができる程度に発光管3の動作温度を高めることができないために、発光効率が低下すると考えられる。したがって、確実に高い発光効率を得るためには、関係式-0.0019P+1.79≦R/rを満たすことが好ましい。
 また、上述したように、本実施形態では、管壁負荷を上げているわけではないので、アークが極度に細るのを抑えることができ、アーク暴れを抑制することができる。したがって、アーク暴れによる照射面のちらつきを防止することができる。
 しかも、このようにアーク暴れを抑制することで、発光管3の温度が局所的に異常に上昇するのを抑えることができる。その結果、その異常な温度上昇に伴う外囲器11の構成材料の飛散を抑制することができ、光束維持率が早期に低下するのを防止することができる。また、このように発光管3の温度が局所的に異常に上昇するのを抑えることができるので、発光管3の温度分布の不均一性の増大も抑えることができ、その結果、外囲器11に加わる熱応力が緩和され、外囲器11にクラックが生じるのを防止することができる。
 一方、前記L/Dが関係式0.7<L/D<3を満たす場合であっても、寸法比率R/rが関係式R/r>-0.0019P+2.625(ただし、R/r>1)を満たす場合、次の(1)~(3)に記載する問題がある。
(1)発光管3の管壁負荷が一定の場合に、スリーブ4の平均内径Rを大きくして、スリーブ4の平均内径Rに対して発光管3の本管部9における平均外径rを相対的に小さくすると、寸法比率R/rは大きくなり、かつスリーブ4と発光管3とが離間する。そして、スリーブ4と発光管3とが離間しすぎた場合には、スリーブ4による発光管3の保温効果が低下して、本管部9内における径方向の中心部と、径方向外側である管壁付近の周辺部との間の温度差を緩和することができなくなる。そのため、発光管3内の封入ガスの対流を抑制することができず、特に傾斜点灯した場合には、封入ガスの対流の影響を受けてアークが暴れ、ちらつきが生じる。一方、発光管3の寸法を小さくした場合にも、寸法比率R/rが大きくなる。しかも、管壁負荷が高くなり、上述したように発光物質としてセリウムやプラセオジムを用いているためにもともとアークが細くなるが、高い管壁負荷によってその細りが増し、アークが暴れて照射面にちらつきが発生する。このように管壁負荷が高められると、本管部9内における径方向中心部の温度がさらに高められ、スリーブ4による保温では上記温度差が緩和できず、アークが暴れて、ちらつきが生じる。
(2)また、光束維持率が早期に低下する問題もある。これは、傾斜点灯をすると、上記(1)で記載のアーク暴れによってアーク曲がりの発生が瞬時に何度も繰り返され、しかもその曲がり方が発光管3内に配置された一対の電極12間において不均一であり、かつ大きいために、発光管3の温度が局所的に異常に上昇するためであることがわかった。つまり、非常に細く、かつ高温なアークが発光管3の外囲器11を構成するセラミック、例えばアルミナの結晶構造を変化させてその成分の蒸発を促し、その結果、飛散したアルミナ粒子がスリーブ4の内面に付着し、光束維持率の低下を招くと考えられる。
(3)さらに、傾斜点灯の際には、発光管3の外囲器11にクラックが生じるおそれがある。これは、上記(2)と同様、アーク暴れによってアーク曲がりの発生が瞬時に何度も繰り返され、しかもその曲がり方が一対の電極12間において不均一であり、かつ大きいために、発光管3の温度分布において局所的に異常に高温な部分が発生するとともに、その温度分布の不均一性が増し、これらに起因して外囲器11に加わる熱応力が増大するためであると考えられる。
 ここで、特に寸法比率R/rが関係式-0.0019P+1.79≦R/r(ただし、R/r>1)を満たす場合であって、封入された発光物質(前記水銀は除く)において、その全体の封入量に対するセリウムおよびプラセオジムの合計の封入モル比率が11.8[モル%]以上であることにより、発光割合が増し、初期特性、すなわち点灯経過時間100時間における全光束[lm]および平均演色評価指数Raを向上させることができる。従来のメタルハライドランプであれば、セリウムおよびプラセオジムの合計の封入モル比率が11.8[モル%]以上となると、点灯中、アークがますます細る傾向になるために、上述したようなアーク暴れがますます大きくなり、照射面へのちらつき、光束維持率の早期低下、外囲器11のクラックといった問題が顕著になる。そこで、本発明のメタルハライドランプ1によれば、これらの問題を解決し、上記した作用効果を著しく発揮することができる。
 次に、本発明の第1の実施の形態であるメタルハライドランプ1の作用効果を確認するための実験を行った。ここでは、定格電力180[W]のメタルハライドランプ1、定格電力250[W]のメタルハライドランプ1、および定格電力400[W]のメタルハライドランプ1の実験例を示す。
 〈実験1〉
 定格電力250[W]のメタルハライドランプ1を用いた実験について説明する。
(光束維持率)
 本実験では、「L/D」を関係式0.7<L/D<3を満たす範囲内で適宜調整しながら平均内径Rを一定とし、平均外径rを種々変化させてメタルハライドランプを作製し、作製したランプを用いて光束維持率を測定・評価した。なお、ランプとして組み立てるには、スリーブは発光管を囲み且つ外管のネック部を通過させる必要があることから、10≦R<50[mm]であることが必要である。
 先ず、「R/r」を2.1(サンプルS1:図3中、実線aで示す)、2.15(サンプルS2:図3中、実線bで示す)、2.2(サンプルS3:図3中、実線cで示す)、2.25(サンプルS4:図3中、実線dで示す)に設定したものを作製した。
 これらサンプルS1~S4において、一対の電極12間の距離L[mm]、発光管3の一対の電極12間に相当する部分の最大内径D[mm]、第1のスリーブ40における一対の電極12間に相当する部分の内径40aの平均値R[mm]、本管部9における一対の電極12間に相当する部分の外径9aの平均値r[mm]、および管壁負荷[W/cm2]は、次のとおりである。
 サンプルS1:L=25、D=14.5、R=35.5、r=16.9、管壁負荷=9
 サンプルS2:L=23、D=14.1、R=35.5、r=16.5、管壁負荷=15
 サンプルS3:L=20、D=13.7、R=35.5、r=16.1、管壁負荷=20
 サンプルS4:L=18、D=13.4、R=35.5、r=15.8、管壁負荷=23
 そして、作製した各サンプルS1~S4について公知の銅鉄安定器を用いて定格電力にて45[°]傾けて傾斜点灯させ、目視による照射面へのちらつきの有無、および光束維持率[%]を調べた。光束維持率の結果は図3に示す。
 なお、「光束維持率[%]」は、点灯経過時間100時間の光束を100とした場合の、所定の点灯経過時間における光束の割合を示す。ただし、点灯方法としては、5.5時間点灯、0.5時間消灯を1サイクルとしてこれを繰り返した。また、本発明者らの経験によると、光束維持率は、点灯経過時間が3000時間以降は大きく低下しないことがわかっている。したがって、点灯経過時間3000時間を基準としてその光束維持率が良好、具体的には80[%]以上であれば、定格寿命時間(18000時間)を満足すると判断できる。よって、ここでの実験では点灯経過時間3000時間の光束維持率が80[%]以上を「良好」、点灯経過時間3000時間の光束維持率が80[%]未満を「不良」として良否判定を行った。以下の実験2もこれと同じ条件である。
 また、実験1で用いたメタルハライドランプ1においていずれのサンプルS1~S4も、発光物質としてセリウム、ナトリウム、ツリウムの各ヨウ化物を用い、その組成比(モル比)が13.3:80.5:6.2であり、これらヨウ化物の総封入量が13[mg]である。水銀の封入量は50[mg]である。後述するサンプルS5~S9もこれと同じ条件である。
 サンプルS1(R/r=2.1)およびサンプルS2(R/r=2.15)はいずれも目視による照射面へのちらつきは無く、また図3から明らかなように光束維持率も良好であることが確認された。一方、サンプルS3(R/r=2.2)およびサンプルS4(R/r=2.25)はいずれも照射面へのちらつきが目視され、また図3から明らかなように光束維持率は良好でないことが確認された。サンプルS3およびサンプルS4のスリーブ4の内面を分析すると、外囲器11の構成材料であるアルミナ粒子が付着し着色していた。これが光束維持率の早期低下を招いていると考えられる。
 また、サンプルS1およびサンプルS2のいずれも、外囲器11にクラックが生じたものは無かった。一方、サンプルS3およびサンプルS4については外囲器11にクラックが発生し、不点灯に至った。
(全光束および平均演色評価指数)
 次に、同じく定格電力250[W]のメタルハライドランプ1において、「L/D」を関係式0.7<L/D<3を満たす範囲内で適宜調整しながら平均内径Rを一定とし、平均外径rを種々変化させてメタルハライドランプを作製し、これらのランプを用いて全光束および平均演色評価指数を測定・評価した。本実験においても、ランプとして組み立てるには、スリーブは発光管を囲み且つ外管のネック部を通過させる必要があることから、10≦R<50[mm]であることが必要である。
 先ず、「R/r」を1.25(サンプルS5)、1.27(サンプルS6)、1.32(サンプルS7)、1.37(サンプルS8)、1.42(サンプルS9)に設定したメタルハライドランプを作製した。
 これらサンプルS5~S9における距離L[mm]、最大内径D[mm]、平均値R[mm]、平均値r[mm]および管壁負荷[W/cm2]は、次のとおりである。
 サンプルS5:L=24、D=17.6、R=25、r=20、管壁負荷=7
 サンプルS6:L=23、D=17.3、R=25、r=19.7、管壁負荷=8
 サンプルS7:L=22、D=16.5、R=25、r=18.9、管壁負荷=9
 サンプルS8:L=21、D=15.8、R=25、r=18.2、管壁負荷=11
 サンプルS9:L=20、D=15.2、R=25、r=17.6、管壁負荷=13
 そして、作製した各サンプルS5~S9について公知の銅鉄安定器を用いて定格電力にて垂直点灯させ、点灯経過時間100時間における全光束[lm](図4)および平均演色評価指数Ra(図5)を調べた。その結果をそれぞれ図4,5に示す。
 図4,5から明らかなように、サンプルS5(R/r=1.25)およびサンプルS6(R/r=1.27)はいずれも初期の全光束および平均演色評価指数Raが良好でないことが確認された。一方、サンプルS7(R/r=1.32)、サンプルS8(R/r=1.37)およびサンプルS9(R/r=1.42)はいずれも従来のメタルハライドランプよりも初期の全光束および平均演色評価指数Raが良好であることが確認された。
 なお、従来の定格電力250[W]のメタルハライドランプの全光束は24400[lm]、平均演色評価指数Raは65である。
(封入モル比率を変えた全光束および平均演色評価指数)
 さらに、同じく定格電力250[W]のメタルハライドランプ1において、前記L/Dを関係式0.7<L/D<3を満たす範囲内とし、かつ前記R/rを1.315と一定とし、セリウムの封入モル比率を種々変化させてメタルハライドランプを作製し、これらのランプを用いて全光束および平均演色評価指を測定・評価した。 先ず、封入モル比率[モル%]を9.1(サンプルS10)、10.2(サンプルS11)、11.8(サンプルS12)、13.3(サンプルS13)、14.5(サンプルS14)に設定したものを作製した。
 これらサンプルS10~S14における距離L[mm]、最大内径D[mm]、平均値R[mm]、平均値r[mm]および管壁負荷[W/cm2]は、次のとおりである。
 サンプルS10~S14:L=21、D=17.6、R=26.3、r=20、管壁負荷=10
 そして、作製した各サンプル10~14について公知の銅鉄安定器を用いて定格電力にて垂直点灯させ、点灯経過時間100時間における全光束[lm](図6)および平均演色評価指数Ra(図7)を調べた。その結果をそれぞれ図6,7に示す。
 なお、いずれのサンプルS10~S14も、発光物質としてセリウム、ナトリウム、ツリウムの各ヨウ化物を用いており、これらヨウ化物の総封入量が13[mg]一定である。水銀の封入量は50[mg]である。
 図6,7から明らかなように、サンプルS10(封入モル比率=9.1[モル%])およびサンプルS11(封入モル比率=10.2[モル%])はいずれも初期の全光束および平均演色評価指数Raが良好でないことが確認された。一方、サンプルS12(封入モル比率=11.8[モル%])、サンプルS13(封入モル比率=13.3[モル%])およびサンプルS14(封入モル比率=14.5[モル%])はいずれも従来のメタルハライドランプよりも初期の全光束および平均演色評価指数Raが良好であることが確認された。
 なお、この実験において、セリウムに代えてプラセオジムを用いた場合、またセリウムにプラセオジムを加えた場合、いずれの場合もその封入モル比率が11.8[モル%]以上であれば、上記と同様、従来のメタルハライドランプよりも初期の全光束および平均演色評価指数Raが良好である結果が得られることを確認した。
 〈実験2〉
 次に、定格電力400[W]のメタルハライドランプ1を用いた実験について説明する。
(光束維持率)
 本実験においても、「L/D」を関係式0.7<L/D<3を満たす範囲内で適宜調整しながら平均内径Rを一定とし、平均外径rを種々変化させて、メタルハライドランプを作製し、これらのランプを用いて光束維持率を測定・評価した。なお、実験1と同様、ランプとして組み立てるには、スリーブは発光管を囲み且つ外管のネック部を通過させる必要があることから、10≦R<50[mm]であることが必要である。
 先ず、「R/r」を1.81(サンプルS15:図8中、実線eで示す)、1.86(サンプルS16:図8中、実線fで示す)、1.91(サンプルS17:図8中、実線gで示す)、1.96(サンプルS18:図8中、実線hで示す)に設定したものを作製した。
 これらサンプルS15~S18における距離L[mm]、最大内径D[mm]、平均値R[mm]、平均値r[mm]および管壁負荷[W/cm2]は、次のとおりである。
 サンプルS15:L=36、D=19.2、R=39、r=21.6、管壁負荷=9
 サンプルS16:L=32、D=18.6、R=39、r=21、管壁負荷=16
 サンプルS17:L=29、D=18、R=39、r=20.4、管壁負荷=20
 サンプルS18:L=28、D=17.5、R=39、r=19.9、管壁負荷=22
 そして、作製した各サンプルS15~S18について公知の銅鉄安定器を用いて定格電力にて45[°]傾けて傾斜点灯させ、目視による照射面へのちらつきの有無、および光束維持率[%]を調べた。光束維持率の結果は図8に示す。
 また、実験2で用いたメタルハライドランプ1においていずれのサンプルS15~S18も、発光物質としてセリウム、ナトリウム、ツリウムの各ヨウ化物を用い、その組成比(モル比)が12:82.4:5.6であり、これらヨウ化物の総封入量が25[mg]である。水銀の封入量は57[mg]である。後述するサンプルS19~S23もこれと同じ条件である。
 サンプルS15(R/r=1.81)およびサンプルS16(R/r=1.86)はいずれも目視による照射面へのちらつきは無く、また、図8から明らかなように、光束維持率も良好であることが確認された。一方、サンプルS17(R/r=1.91)およびサンプルS18(R/r=1.96)はいずれも照射面へのちらつきが目視され、また図8から明らかなように光束維持率が良好でないことが確認された。また、サンプルS17およびサンプルS18のスリーブ4の内面を分析すると、サンプルS3およびサンプルS4と同様に、外囲器11の構成材料であるアルミナ粒子が付着し着色していた。
 また、サンプルS15およびサンプルS16のいずれも、外囲器11にクラックが生じたものは無かった。一方、サンプルS17およびサンプルS18については外囲器11にクラックが発生し、不点灯に至った。
(全光束および平均演色評価指数)
 次に、同じく定格電力400[W]のメタルハライドランプ1において、「L/D」を0.7<L/D<3なる関係式を満たす範囲内で適宜調整しながら平均内径Rを一定とし、平均外径rを種々変化させてメタルハライドランプを作製し、全光束および平均演色評価指数の測定・評価を行った。本実験においても、ランプとして組み立てるには、スリーブは発光管を囲み且つ外管のネック部を通過させる必要があることから、10≦R<50[mm]であることが必要である。
 先ず、「R/r」を1.01(サンプルS19)、1.02(サンプルS20)、1.03(サンプルS21)、1.07(サンプルS22)、1.11(サンプルS23)に設定したものを作製した。
 これらサンプルS19~S23における距離L[mm]、最大内径D[mm]、平均値R[mm]、平均値r[mm]および管壁負荷[W/cm2]は、次のとおりである。
 サンプルS19:L=35、D=25.2、R=28、r=27.6、管壁負荷=7
 サンプルS20:L=34、D=25、R=28、r=27.4、管壁負荷=8
 サンプルS21:L=33、D=24.7、R=28、r=27.1、管壁負荷=9
 サンプルS22:L=31、D=23.8、R=28、r=26.2、管壁負荷=12
 サンプルS23:L=30、D=22.9、R=28、r=25.3、管壁負荷=14
 そして、作製した各サンプルS19~S23について公知の銅鉄安定器を用いて定格電力にて垂直点灯させ、点灯経過時間100時間における全光束[lm](図9)および平均演色評価指数Ra(図10)を調べた。その結果をそれぞれ図9,10に示す。
 図9,10から明らかなように、サンプルS19(R/r=1.01)およびサンプルS20(R/r=1.02)はいずれも初期の全光束および平均演色評価指数Raが良好でないことが確認された。一方、サンプルS21(R/r=1.03)、サンプルS22(R/r=1.07)およびサンプルS23(R/r=1.11)はいずれも従来のメタルハライドランプよりも初期の全光束および平均演色評価指数Raが良好であることが確認された。
 なお、従来の定格電力400[W]のメタルハライドランプの全光束は42200[lm]、平均演色評価指数Raは70である。
(封入モル比率を変えた全光束および平均演色評価指数)
 さらに、同じく定格電力400[W]のメタルハライドランプ1において、前記L/Dを0.7<L/D<3なる関係式を満たす範囲内とし、かつ前記R/rを1.03と一定とし、セリウムの封入モル比率を種々変化させてメタルハライドランプを作製し、これらのランプを用いて全光束および平均演色評価指を測定・評価した。
 先ず、封入モル比率[モル%]を9.1(サンプルS24)、10.2(サンプルS25)、11.8(サンプルS26)、13.3(サンプルS27)、14.5(サンプルS28)に設定したものを作製した。
 これらサンプルS24~S28における距離L[mm]、最大内径D[mm]、平均値R[mm]、平均値r[mm]および管壁負荷[W/cm2]は、次のとおりである。
 サンプルS24~28:L=32、D=23.7、R=27、r=26.1、管壁負荷=11
 そして、作製した各サンプルS24~S28について公知の銅鉄安定器を用いて定格電力にて垂直点灯させ、点灯経過時間100時間における全光束[lm](図11)および平均演色評価指数Ra(図12)を調べた。その結果をそれぞれ図11,12に示す。
 なお、いずれのサンプルS24~S28も、発光物質としてセリウム、ナトリウム、ツリウムの各ヨウ化物を用いており、これらヨウ化物の総封入量が25[mg]一定である。水銀の封入量は57[mg]である。
 図11,12から明らかなように、サンプルS24(封入モル比率=9.1[モル%])およびサンプルS25(封入モル比率=10.2[モル%])はいずれも初期の全光束および平均演色評価指数Raが良好でないことが確認された。一方、サンプルS26(封入モル比率=11.8[モル%])、サンプルS27(封入モル比率=13.3[モル%])およびサンプルS28(封入モル比率=14.5[モル%])はいずれも従来のメタルハライドランプと比べて初期の全光束および平均演色評価指数Raが良好であることが確認された。
 なお、この実験において、セリウムに代えてプラセオジムを用いた場合、またセリウムにプラセオジムを加えた場合、いずれの場合もその封入モル比率が11.8[モル%]以上であれば、上記と同様、従来のメタルハライドランプよりも初期の全光束および平均演色評価指数Raが良好である結果が得られることを確認した。
 〈実験3〉
(光束維持率)
 最後に、定格電力180[W]のメタルハライドランプ1を用いた実験について説明する。「L/D」を0.7<L/D<3なる関係式を満たす範囲内で適宜調整しながら平均内径Rを一定とし、平均外径rを種々変化させてメタルハライドランプを作製し、これらを用いて光束維持率を測定・評価した。なお、実験1および2と同様、ランプとして組み立てるには、スリーブは発光管を囲み且つ外管のネック部を通過させる必要があることから、10≦R<50[mm]であることが必要である。
 先ず、「R/r」を2.23(サンプルS29:図13中、実線iで示す)、2.27(サンプルS30:図13中、実線jで示す)、2.27(サンプルS31:図13中、実線kで示す)、2.30(サンプルS32:図13中、実線lで示す)、2.34(サンプルS33:図13中、実線mで示す)に設定してメタルハライドランプを作製した。
 これらサンプルS29~S33における距離L[mm]、最大内径D[mm]、平均値R[mm]、平均値r[mm]および管壁負荷[W/cm2]は、次のとおりである。
 サンプルS29:L=20、D=10.6、R=29、r=13、管壁負荷=9
 サンプルS30:L=18、D=10.4、R=29、r=12.8、管壁負荷=14
 サンプルS31:L=15、D=10.4、R=29、r=12.8、管壁負荷=16
 サンプルS32:L=13、D=10.2、R=29、r=12.6、管壁負荷=20
 サンプルS33:L=11、D=10、R=29、r=12.4、管壁負荷=23
 そして、作製した各サンプルS29~S32について公知の銅鉄安定器を用いて定格電力にて45[°]傾けて傾斜点灯させ、目視による照射面へのちらつきの有無、および光束維持率[%]を調べた。光束維持率の結果は図13に示す。
 なお、実験3の光束維持率の測定・評価では、図13に示すように、各サンプルS29~S33において、それぞれの力率を測定している。この力率は、後述する力率が異なる場合の光束維持率の変化の違いを説明するときに用いる。
 また、実験3で用いたメタルハライドランプ1においていずれのサンプルS29~S32も、発光物質としてセリウム、ナトリウム、ツリウムの各ヨウ化物を用い、その組成比(モル比)が12.5:82.2:5.3であり、これらヨウ化物の総封入量が7[mg]である。水銀の封入量は43[mg]である。後述するサンプルS34~S38もこれと同じ条件である。
 サンプルS29(R/r=2.23)、サンプルS30(R/r=2.27)およびサンプルS31(R/r=2.27)はいずれも目視による照射面へのちらつきは無く、また図13から明らかなように光束維持率も良好であることが確認された。一方、サンプルS32(R/r=2.30)およびサンプルS33(R/r=2.34)はいずれも照射面へのちらつきが目視され、また図13から明らかなように光束維持率が良好でないことが確認された。また、サンプルS32およびサンプルS33のスリーブ4の内面を分析すると、サンプルS3およびサンプルS4と同様に、外囲器11の構成材料であるアルミナ粒子が付着し着色していた。
 また、サンプルS29およびサンプルS31のいずれも、外囲器11にクラックが生じたものは無かった。一方、サンプルS32およびサンプルS33については外囲器11にクラックが発生し、不点灯に至った。
(全光束および平均演色評価指数)
 次に、同じく定格電力180[W]のメタルハライドランプ1において、「L/D」を0.7<L/D<3なる関係式を満たす範囲内で適宜調整しながら平均内径Rを一定とし、平均外径rを種々変化させてメタルハライドランプを作製し、これらのランプを用いて全光束および平均演色評価指数を測定・評価した。本実験においても、ランプとして組み立てるには、スリーブは発光管を囲み且つ外管のネック部を通過させる必要があることから、10≦R<50[mm]であることが必要である。
 先ず、「R/r」を1.38(サンプルS34)、1.41(サンプルS35)、1.45(サンプルS36)、1.49(サンプルS37)、1.54(サンプル38)に設定したものを作製した。
 これらサンプルS34~S38における距離L[mm]、最大内径D[mm]、平均値R[mm]、平均値r[mm]および管壁負荷[W/cm2]は、次のとおりである。
 サンプルS34:L=19、D=13.6、R=22、r=16、管壁負荷=7
 サンプルS35:L=18、D=13.2、R=22、r=15.6、管壁負荷=8
 サンプルS36:L=17、D=12.8、R=22、r=15.2、管壁負荷=9
 サンプルS37:L=16、D=12.4、R=22、r=14.8、管壁負荷=11
 サンプルS38:L=13、D=11.9、R=22、r=14.3、管壁負荷=14
 そして、作製した各サンプルS34~S38について公知の銅鉄安定器を用いて定格電力にて垂直点灯させ、点灯経過時間100時間における全光束[lm](図14)および平均演色評価指数Ra(図15)を調べた。その結果をそれぞれ図14,15に示す。
 図14,15から明らかなように、サンプルS34(R/r=1.38)およびサンプルS35(R/r=1.41)はいずれも初期の全光束および平均演色評価指数Raが良好でないことが確認された。一方、サンプルS36(R/r=1.45)、サンプルS37(R/r=1.49)およびサンプルS38(R/r=1.54)はいずれも従来のメタルハライドランプよりも初期の全光束および平均演色評価指数Raが良好であることが確認された。
 なお、従来の定格電力180[W]のメタルハライドランプの全光束は20900[lm]、平均演色評価指数Raは70である。
(封入モル比率を変えた全光束および平均演色評価指数)
 さらに、同じく定格電力180[W]のメタルハライドランプ1において、前記L/Dを0.7<L/D<3なる関係式を満たす範囲内とし、かつ前記R/rを1.45と一定とし、セリウムの封入モル比率を種々変化させてメタルハライドランプを作製し、これらを用いて全光束および平均演色評価指数を測定・評価した。
 先ず、封入モル比率[モル%]を9.1(サンプルS39)、10.2(サンプルS40)、11.8(サンプルS41)、13.3(サンプルS42)、14.5(サンプルS43)に設定したものを作製した。
 これらサンプルS39~S43における距離L[mm]、最大内径D[mm]、平均値R[mm]、平均値r[mm]および管壁負荷[W/cm2]は、次のとおりである。
 サンプルS39~43:L=16、D=11.4、R=20、r=13.8、管壁負荷=12
 そして、作製した各サンプルS39~S43について公知の銅鉄安定器を用いて定格電力にて垂直点灯させ、点灯経過時間100時間における全光束[lm](図16)および平均演色評価指数Ra(図17)を調べた。その結果をそれぞれ図16,17に示す。
 なお、いずれのサンプルS39~S43も、発光物質としてセリウム、ナトリウム、ツリウムの各ヨウ化物を用いており、これらヨウ化物の総封入量が7[mg]一定である。水銀の封入量は43[mg]である。
 図16,17から明らかなように、サンプルS39(封入モル比率=9.1[モル%])およびサンプルS40(封入モル比率=10.2[モル%])はいずれも初期の全光束および平均演色評価指数Raが良好でないことが確認された。一方、サンプルS41(封入モル比率=11.8[モル%])、サンプルS42(封入モル比率=13.3[モル%])およびサンプルS43(封入モル比率=14.5[モル%])はいずれも、従来のメタルハライドランプと比べて初期の全光束および平均演色評価指数Raが良好であることが確認された。
 なお、この実験において、セリウムに代えてプラセオジムを用いた場合、またセリウムにプラセオジムを加えた場合、いずれの場合もその封入モル比率が11.8[モル%]以上であれば、上記と同様、従来のメタルハライドランプよりも初期の全光束および平均演色評価指数Raが良好である結果が得られることを確認した。
 図18は、上記実験1~3の実験結果を、定格電力Pと寸法比率R/rとの関係で説明するための図である。
 図18において、横軸が定格電力P、縦軸が寸法比率R/rとされ、上記実験1~3のうち、光束維持率、全光束および平均演色評価指数(封入モル比率を変えた実験を除く)の測定に用いられた各サンプルデータがプロットされている。そして、各実験において評価結果が良好なサンプルデータにはOKを記載し、良好でなかったサンプルデータにはNGを記載している。
 また、図18に示すように、OKの各サンプルデータと、NGの各サンプルデータとの間に、上限線51および下限線52が引かれている。
 このうち、上限線51は、関係式R/r≦-0.0019P+2.625で表すことができ、光束維持率の早期低下を抑制し、ちらつきおよびクラックの発生を抑制することが可能な定格電力Pに応じた寸法比率R/rの上限ということができる。
 また、下限線52は、関係式-0.0019P+1.79≦R/rで表すことができ、全光束および平均演色評価指数を従来よりも高めることが可能な定格電力Pに応じた寸法比率R/rの下限ということができる。なお、R/r>1である。
 このようにして、定格電力Pに応じた寸法比率R/rの適正な範囲を見出すことができた。
 なお、上記第1の実施形態では、スリーブ4が発光管3の本管部9全体および細管部10の半分程度を覆っている場合について説明したが、スリーブ4は発光管3の放電空間13のうち、少なくとも一対の電極12間の領域を囲んでいればよく、例えば本管部9全体のみを、または外囲器11全体を囲んでいても上記と同様の作用効果を得ることができる。
 また、上記第1の実施形態では、定格電力180[W]、250[W]、400[W]のメタルハライドランプ1を例示して説明したが、本発明は定格電力が180[W]、250[W]、400[W]に限らない。また、特に、180[W]以上400[W]以下の範囲内のメタルハライドランプに適用した場合において、高い作用効果を得ることができる。
 400[W]以上のような高ワット領域のメタルハライドランプで発光管の大きさを小さくした場合、低ワット領域のメタルハライドランプで発光管を小さくするよりも管壁負荷の増加分が大きくなる。管壁負荷が大きくなると、上述したように、ちらつきの問題が特に発生しやすい。そのため、寿命特性確保の観点から、発光管を大きくして管壁負荷を小さくしなければならない。しかし、発光管を大きくすると、一定の蒸気圧を確保することが困難となり、所望とする高い発光効率が得られなくなるおそれがある。そこで、本発明を適用すると、管壁負荷が低い状態であるにもかかわらず、スリーブによる保温効果により、発光管3の動作温度を高めることができるので、ちらつきを防止し、かつ高効率を得ることができる。
 次に、本発明の第2の実施形態である照明装置30は、図13に示すように、例えば天井用照明等に使用されるものであり、天井20に組み込まれた傘状の反射灯具21とこの反射灯具21の底部に取り付けられた板状のベース部22と反射灯具21内の底部に設けられたソケット部23とを有する照明装置本体(筐体)24と、この照明装置本体24内のソケット部23に取り付けられた本発明の第1の実施の形態に係るメタルハライドランプ1と、ベース部22の反射灯具21から離間した位置に取り付けられた銅鉄安定器25と、を備えている。
 この照明装置においては、安定点灯時における力率(=ランプ電力[W]/(ランプ電圧[V]×ランプ電流[A])×100)は86[%]以上であることが好ましい。
 ここで、「安定点灯時」とは、照明装置に一定の電力が供給されていて、発光管内における発光物質の蒸気圧が安定している状態時をいう。また、力率は、ランプ電力をランプ電流とランプ電圧との積で割り、100をかけた数値として定義される。
 なお、反射灯具21の形状等については、その用途や使用条件等によって適宜設定されるものである。
 以上のとおり本発明の第2の実施形態である照明装置30にかかる構成によれば、上記した本発明の第1の実施形態であるメタルハライドランプ1を用いているので、高い発光効率を得ることができつつ、特に傾斜点灯した場合のアーク暴れによる照射面のちらつきを防止することができ、また光束維持率が早期に低下するおよび発光管の外囲器にクラックが発生するのを防止することができる。
 なお、本実施形態では、照明装置30が銅鉄安定器25を備えた構成を示したが、電子安定器を備えた構成であってもよい。
 特に、安定点灯時における力率を86[%]以上に規定することにより、アークへの負荷を緩和することができ、アーク暴れを一層抑制することができるので、アーク暴れによる照射面のちらつきを一層防止することができ、また光束維持率が早期に低下するのを一層防止することができる。
 力率を86[%]以上に規定することにより得られる効果について、上記実験3を用いて、図13(a)を参照しながら説明する。
 図13(a)に示すように、光束維持率の早期低下、ちらつきおよびクラックの抑制効果が良好と判断されたサンプルS29~S31における各力率は、サンプルS29が87[%]、サンプルS30が86[%]、サンプルS31が84[%]である。
 このうちサンプルS30とS31とは、上述したように、最大内径D[mm]、平均値R[mm]および平均値r[mm]が同一の値に設定され、距離L[mm]および管壁負荷[W/cm2]に加えて力率[%]が互いに異なる値に設定されている。これらサンプルS30とS31における光束維持率の推移を見ると、サンプルS30の光束維持率は、3000時間の点灯経過時で95[%]、定格寿命の18000時間の点灯経過時で90[%]である。一方、サンプルS31の光束維持率は、3000時間の点灯経過時で91[%]、18000時間の点灯経過時で85[%]である。
 また、サンプルS29における光束維持率も、18000時間の点灯経過時で91[%]もあり、90[%]を超えている。このように、照明装置の力率を86[%]以上に規定することによって、定格寿命の18000時間まで、ランプの光束維持率を90[%]以上の高い値に維持することができる。
 なお、上記実験3における各サンプルの力率は、安定点灯時、具体的には点灯経過時間100時間におけるランプ電圧、ランプ電流およびランプ電力を電力計で測定して算出されたものである。
 なお、上記第2の実施の形態では、その照明装置の用途として天井用照明を一例に挙げたが、その他の屋内照明や街路灯照明等にも用いることができ、その用途は限定されるものではない。
 上記の実施形態において、R/r<-0.0019P+2.62の関係を満たす場合には、アーク暴れによる照射面のちらつきをより防止することができるとともに、光束維持率が早期に低下する、および発光管の外囲器にクラックが発生するのをより防止することができる。
 本発明のメタルハライドランプおよびそれを用いた照明装置は、発光物質としてセリウムおよびプラセオジムのうちの少なくとも一種を含む場合において、特に傾斜点灯した場合のアーク暴れによる照射面のちらつきを防止することができる。また、本発明に係る技術は、メタルハライドランプおよびそれを用いた照明装置において、光束維持率が発光管の外囲器の構成材料の飛散によって早期に低下したり、発光管の外囲器にクラックが生じたりするのを抑えることが必要な用途にも応用することができる。

Claims (13)

  1.  外管と、
     この外管内に設けられ、透光性セラミックからなる外囲器および当該外囲器の内部に配置された一対の電極を有する発光管と、
     前記外管内における前記発光管の外側であって、かつ前記発光管の放電空間のうち、少なくとも前記一対の電極間の領域を囲むように配置されたスリーブとを備え、
     前記外囲器の内部に、セリウム(Ce)およびプラセオジム(Pr)のうちの少なくとも一種を含む発光物質が封入され、
     前記一対の電極間の距離をL[mm]、前記発光管の前記一対の電極間に相当する部分の最大内径をD[mm]としたとき、
     関係式0.7<L/D<3を満たし、
     前記発光管の前記一対の電極間に相当する部分の外径の平均値をr[mm]、前記スリーブの前記一対の電極間に相当する部分の内径の平均値をR[mm]とし、かつランプの定格電力をP[W]としたとき、
     関係式R/r≦-0.0019P+2.625(ただし、R/r>1)を満たす
     ことを特徴とするメタルハライドランプ。
  2.  関係式-0.0019P+1.79≦R/rを満たす
     ことを特徴とする請求項1記載のメタルハライドランプ。
  3.  前記発光物質が、セリウムおよびプラセオジムのうちの少なくとも一種と、セリウムおよびプラセオジムとは異なる1以上の物質とからなり、
     前記発光物質(ただし、水銀は除く)全体の封入量に対する前記セリウムおよび前記プラセオジムの合計の封入モル比率は11.8[モル%]以上である
     ことを特徴とする請求項2記載のメタルハライドランプ。
  4.  前記封入モル比率が15.0[モル%]以下である
     ことを特徴とする請求項3記載のメタルハライドランプ。
  5.  前記発光管が、放電空間を形成する本管部と当該本管部の両側に設けられた細管部とからなり、
     前記スリーブが、前記本管部の全体および前記各細管部の少なくとも一部を囲んでいる
     ことを特徴とする請求項1記載のメタルハライドランプ。
  6.  前記スリーブが、二重構造からなり、第1の円筒部と、この第1の円筒部が隙間を有して挿入された第2の円筒部とを有している
     ことを特徴とする請求項1記載のメタルハライドランプ。
  7.  前記平均値Rが、10[mm]以上50[mm]未満の範囲である
     ことを特徴とする請求項1から6に記載のメタルハライドランプ。
  8.  前記スリーブの厚みが、0.5[mm]以上9.0[mm]以内の範囲である
     ことを特徴とする請求項7記載のメタルハライドランプ。
  9.  前記外管内が、真空排気されている
     ことを特徴とする請求項2記載のメタルハライドランプ。
  10.  前記外管内に、窒素ガスが封入され、
     当該窒素ガスの温度が300Kにおいて、前記外管内の気圧が、40[KPa]以上80[KPa]以内の範囲である
     ことを特徴とする請求項1記載のメタルハライドランプ。
  11.  ランプソケットが取り付けられた筐体と、
     前記ランプソケットに装着された請求項1~請求項10のいずれか1項に記載のメタルハライドランプと、
     このメタルハライドランプを点灯させるための安定器とを備えている
     ことを特徴とする照明装置。
  12.  前記安定器が、銅鉄安定器である
     ことを特徴とする請求項11記載の照明装置。
  13.  安定点灯時の力率が86[%]以上であることを特徴とする請求項12記載の照明装置。
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