WO2009090762A1

WO2009090762A1 - 薄膜形成装置

Info

Publication number: WO2009090762A1
Application number: PCT/JP2008/056528
Authority: WO
Inventors: Michihiro Watanabe; Atsushi Sakamoto; Tadayuki Saito; Junichi Tajima
Original assignee: Sat Co., Ltd.
Priority date: 2008-01-16
Filing date: 2008-03-26
Publication date: 2009-07-23
Also published as: JP2009165951A; CN101909767A; KR20100102124A

Abstract

本発明は、減圧下でインクジェットヘッドから基板上に材料溶液を吐出塗布して薄膜を形成する際に、膜厚の均一性を実現すると共に、吐出塗布の機能を損なうことなく各構成を簡潔に実装した薄膜形成装置を提供することを目的とするものである。本発明は、一定間隔で形成された複数のノズルから材料溶液を吐出して基板に塗布する複数のインクジェットヘッドと、前記インクジェットヘッドにノズル面と液面との水頭差を利用して材料溶液を供給する塗布溶液収納容器と、前記基板を載置し水平に移動させる基板搬送テーブルと、前記インクジェットヘッド及び塗布溶液収納容器及び基板搬送テーブルを収容する減圧手段を備えた減圧室とからなり、前記インクジェットヘッドに直接接続された前記塗布溶液収納容器を同じ減圧環境下に置くことを特徴とする薄膜形成装置の構成とした。

Description

明細書薄膜形成装置技術分野 _

本発明は、インクジエツトへッドを用いて基板上に薄膜を吐出塗布形成する薄膜形成装置に関するものである。背景技術

各種の半導体や表不素子等は、様々な薄膜で構成されており、近年、飛躍的な伸びを示してレ、る液 m お

日日衣示素子の中で、最も重要な薄膜と考えられているものとしては、配向膜などが挙げられる

薄型化大化、且つ低消費力という大きな長所を有する液晶表示装置は、携帯電話パソナルンピュ ―タ又は薄型テレビジョン等において主流に用いられ、大きな発展を遂げている

液晶表示素子は、電極が形成された 2枚の基板の間に液晶組成物を挟持し、 2 つの電極間に電圧を印加することによって、液晶の分子配列に捩れを起こし、ノくックライトからの光を直進させた、遮つたりするスィツチング現象を利用して、偏光板、及びカラーフィルタとの組合せで画像を表示する

配向膜は、液晶分子の配列に変化を生じるさせるためのトガとして機能する

。尚、液晶分子を一方向に配列するために、液晶分子の分子軸と配向膜とが成すプレチルト角を予め与えておく必要力 ^sある

具体的には、基板に配向膜を塗布した後、特定の布で特定の方向に軽く摩擦するラビング処理を施すことにより、配向膜のに液晶分子の配列が捩れる際の起点となる核が形成される。

両基板の電極間に電圧を印加すれば、一定方向の液晶の分子配列が実現する。意図した表示を実現するためには、配向膜の役割は極めて重要であり、薄膜の基本特性である膜厚や組成の均一性が強く望まれている。

また、液晶の分子配列の状況は、画面の明るさや視野角の広さ等の表示性能と深い関係にあり、これらの特性改善のために、横電界方式配向（ I P S ) や垂直配向（V A ) が提案され、それに応じた配向膜材料が開発されている。この配向膜材料を基板に塗布し、大面積で薄く均一に成膜することが重要な課題となっている。

従来の液晶表示素子の配向膜形成は、特許文献 1 (特開昭 5 4 — 2 1 8 6 2号広報）に記載のオフセット印刷（フレキソ印刷）による方法が一般的である。ァ二口ックスローラ上に展開された配向膜材料をドクタローラで均一な厚さにし、版胴上に設けた印刷版に転写した後、基板表面に転写し、乾燥工程及び焼成工程を経ることで、配向膜が形成される。

液晶表示素子は、年々基板が大型化しており、従来の印刷方法では印刷版が設けられた版胴をクリーンルーム内で交換することが非常に困難で、さらに材料損失も大きいため、特許文献 2 (特開 2 0 0 3 - 8 0 1 3 0号広報）に記載されているように、配向膜材料をノズルから噴射して基板表面に塗布し、展開、乾燥及び焼成の.プロセスを経て配向膜を形成するインクジェット方式の配向膜形成方法も提案されている。

図 1 0は、従来の薄膜形成装置の概要を示す図である。薄膜形成装置 l b は、基板 3 を固定する基板搬送テーブル 4 を有し、基板搬送テーブル 4 の上方に、複数のインクジエツトへッド 9 をへッドブラケット 2 a に配置したへッド 2 が門型フレーム 2 e に支えられて設けられる。

各インクジエツトへッド 9 の下面には複数のノズル 9 a が存在し、塗布溶液収納容器 2 c から塗布溶液供給配管 2 d を介して供給した材料溶液 9 d を吐出する。尚、各ノズル 9 a の液滴吐出方向は、基板 3 の表面に対して垂直である。テーブル移動用ァクチユエータ 6 a で基板搬送テーブル 4 を水平に移動させ、基板搬送テーブル 4上の基板 3 の移動量とインクジエツトへッド 9 からの吐出量を調整しながら塗布動作が行われる。

基板搬送テーブル 4 は、ステージコントローラ 1 0 f により高精度な位置決めが行われる。位置検出器 6 b で基板搬送テーブル 4 の位置を取得し、ステージコントローラ 1 0 f にフィードバックすることにより、正確な位置となるように制御される。所定の方向に所定の速度で搬送される基板 3 の表面に、各インクジエツトへッド 9 から吐出され、球状のドットとして着弾した材料溶液 9 d を、展開、乾燥、及び焼成することで配向膜が形成される。

尚、塗布動作における基板 3 の進行については、インクジエツトへッド 9 の位置を固定し基板搬送テーブル 4 を水平移動させる直接移動の方法と、基板搬送テ一ブル 4 の位置を固定しインクジエツトへッド 9 を水平移動させる間接移動の方法とがある。

オフセット印刷による液晶表示素子の配向膜形成における問題点解決のために提案されたインクジエツトへッドを用いた非接触方式の形成方法においては、配向膜材料の使用効率や版換えに関する課題は解決されている。

しかしながら、配向膜の膜厚の均一性確保という点では、大きな課題がある。従来のインクジェット方式の配向膜形成方法は、常圧（大気圧）下で行われており、インクジエッド方式に使われる液滴が極微量であるため、吐出後の液滴の飛行軌跡が周囲雰囲気の気流の影響を受けやすく、基板への着弾位置のばらつきに直結する。

インクジエツトへッドと基板とのギャップをできるだけ狭くして、吐出時の運動エネルギーが減衰しないようにすることで、着弾位置の精度確保を維持できるが、大型化した基板に対してはギャップに裕度がなくなり、基板上に形成される配向膜の膜厚変動の大きな要因となる。

着弾位置精度は、インクジエツトへッドと基板の相対移動速度が変動した場合や、ノズルの噴射タイミングがずれた場合にも起こるが、インクジェット方式による配向膜形成方法は基板上に一液滴で形成されるドットを拡散展開して大面積の薄膜を得る方法であるため、ドットの位置ずれは膜厚変動の大きな要因となるまた、インクジェットヘッドは、半導体と同様の微細なプロセスで製造されており、デバイスの主要な部分を占める流路を材料溶液が円滑に通るためには、材料溶液の流体特性として粘度の制約がある。さらに、ノズルから 1 個の液滴を嘖射するためには、材料溶液自体の表面張力の制約がある。

尚、現在、産業用として用いられているインクジェットヘッドに関しては、粘度が 5〜： L 5 m P a · s 程度、表面張カが 2 5〜 4 5 m Nノm程度でぁる。配向膜材料の場合は、主成分であるポリイミドは非常に安定した高分子材料であり、溶解し難いので、溶剤として γ —ブチルラクトン、 Ν —メチルピロリドン、又はプチルセ口ソルブ等を大量に用いて、低粘度にして噴射塗布を行う。溶剤を添加した材料溶液が基板上に着弾すると、溶剤の蒸発と液体としての拡散展開が同時に起こり、最終的に半乾燥状態になったところで物質の移動は止まるが、相対的に比重が大きいポリイミドの分子は拡散して端部に行くため、端部の膜厚が非常に大きくなるコ一ヒースティン現象が生じる。

薄膜形成を目的としたプロセスにおいて、塗布領域の周縁部での膜厚の異常な増大は、液晶表示素子の製造では致命的なトラブルとなるため、端部の盛り上がりは避けなければならない重要な課題である。

インクジエツトによる薄膜形成方法において、均一性が高い膜厚分布を得る手段として、大気圧よりも低い減圧環境下でインクジエツト塗布を行うことが有効である。ただし、薄膜形成装置で安定した吐出塗布を行うためには、インクジェットへッドのノズル面と塗布溶液収納容器の液面の水頭差に注意する必要がある図 1 1 は、インクジェットヘッドのノズル面と塗布溶液収納容器の液面レベルとの水頭差について示した図である。

インクジエツト塗布装置に多用される剪断型のインクジヱットへッド 9 は、ノズル 9 a の直前までピエゾ素子による変形吐出機構が接近しているため、インクジエツトへッド 9 のノズル 9 a 面は、塗布溶液収納容器 2 c 内の材料溶液 9 d の液面よりも高くする。

尚、材料溶液 9 d の液面がインクジエツトヘッド 9 のノズル 9 a 面よりも高いと、材料溶液 9 d がノズル 9 a 面で拘束されることがなく、染みだしてしまう。また、材料溶液 9 d の液面が必要以上に下がってしまうと、ピエゾ素子のポンプ作用が及ばなくなり、吐出塗布されなくなる。

水頭差を確保する際に、インクジエツトへッドの移動や基板搬送テーブルの移動を妨げないように配慮すると、供給配管系が冗長になりやすく、減圧下で薄膜形成装置を実装する際には大きな課題となる。そこで、本発明は、減圧下でインクジエツトへッドから基板上に材料溶液を吐出塗布して薄膜を形成する際に、膜厚の均一性を実現すると共に、吐出塗布の機能を損なうことなく各構成を簡潔に実装した薄膜形成装置を提供することを目的とするものである。

液滴となってインクジエツトへッドを飛び出した材料溶液は、基板に着弾した後、基板表面に拡散展開するが、材料溶液が持つ運動エネルギーと基板面に対する摩擦抵抗とのバランスが取れたところで拡散展開は止まる。

拡散過程において、材料溶液の表面から溶剤等の揮発分が蒸発し続ける尚、蒸発挙動が最も盛んに行われるのは、液滴の先端部の自由表面である。

この領域の蒸発が加速されると、液滴の中心部から端部に向かって材料溶液を供給するために、マランゴ二流と呼ばれる流れが生じる。この流れの繰り返しにより、端部に濃度の高い領域が生じ、結果として膜厚が非常に大きくなる図 1 2 は、インクジェットへッドから吐出した液滴が基板上に展開し、最終的な液滴断面形状に及ぼす減圧度の影響について示した図である。

図 1 2 の上段のように、材料溶液の流動と溶剤の蒸発乾燥が同時に起こる。材料溶液の基板上での拡散展開は、液滴の持つ運動エネルギーと基板の表面状態により決まるが、溶剤の蒸発は減圧の程度により沸点が変わるので、全体の流れが制御される。

大中における成膜挙動 1 3 と減圧下における成膜挙動 1 3 a を比較すると、図 1 2 の下段のように、最終的な表面形状は減圧度合いによって大きく変わる。材料溶液の拡散と溶剤等の揮発分の蒸発を、減圧手段を用いて制御することにより、インクジエツト吐出による液滴の槃がりで薄膜を形成する際に、コ一ヒ一スティン現象や膜厚むら等が解消され、平坦度に優れた均一な膜厚を実現することがでさる。

また、塗布溶液収納容器からィンクジエツトへッドへの材料溶液の供給は重力を考慮した水頭差を利用する。

塗布溶液収納容器の液面、及びインクジエツトへッドのノズル面は大気開放された状態で、水頭差に相当する重力とインクジエツトへッドの管路を含む配管抵抗を平衡させ、吐出休止時には材料溶液がノズルから出ないようにし、吐出動作時にはィンクジェットへッドのァクチユエータに呼応して材料溶液を滞ることなく供給する。

図 1 3 は、吐出前段階におけるノズル先端での溶液メニスカスの形状に影響を及ぼす水頭差の状態について示した図でめる。

水頭差適正 1 4であればメ二ス力ス 9 e の形状は最適であり、水頭差過剰 1 4 a だと材料溶液 9 dが後退したメ二スカス 9 e となり、水頭差不足 1 4 b だとノズノレ 9 a 力、ら液垂れ 9 f を生じる

そのため、インクジ工ッ卜へ K 9 のノズノレ 9 a 吐出口での材料溶液 9 d のメニスカス 9 e形状が最適となるよ Ό に、水頭差を設定する必要がある。尚、大気圧中では、インクジエツトへッ K 9 のノズル 9 a 面に対して、材料溶液 9 d の液面を 1 0 O m m程度低くする。

減圧下では、ィンクジエツト 'ノ Kに直結する塗布溶液収納容器が減圧室の外部に設置されると、減圧室内外で圧力差を生じ、これを水頭差でカバ—することは困難であるので、塗布溶液収納容器は減圧室内部に入れ Ό (。J、 h ' . A i溶液収納容器に材料溶液を補充する塗布溶液補充用タンク等まで含める必要はなレ、次に、ィンクジットの噴射塗布動作を円滑に行うためには、減圧環下でどのノズノレからも液滴が吐出できることが要求される。また、インクジェソ卜の安定吐出のためには、インクジヱットへッドゃ配管供給系の目詰まり等がないことが必要である

インクジェッ卜へッドを含む材料溶液の供給系において、外部からの空気の流人による泡混入や、内部からの気泡発生は、圧力遮断を引き起こし、安定した吐出ができなくなる。尚、外部からの気泡混入は、シ一ル等の対応で防止可能でめな。

内部からの気泡発生については、材料溶液の中に含まれている溶剤が、減圧環境下で沸点が降下することにより、蒸発しやすくなり、気泡発生が加速されたり

、材料溶液に最初から内在していた水分、保管時に吸収された水分、又は配管系やインクジェッ卜へッドの流路壁面に結露した水分などが、減圧により蒸発する可能性もある

図 1 4 は液晶配向膜の溶剤成分と水の蒸気圧を示すグラフである。配向膜を形成するのに用いられる溶剤成分としては、 N M P、ブチルセ口ソルブ、 γ —ブチルラクトンなどがある。

蒸気圧線図 1 5 は、液体の温度と蒸気圧の関係を示す A n t i o n e の式から求めたものであり、減圧沸騰の影響は、材料溶液に含まれる溶剤よりも、材料溶液等に内在する水分の影響の方が著しい。

4 7 k P a の減圧度では水の平衡温度は約 8 0 °C、 7 . 4 k P a では約 4 0 °C まで低下しており、標準的な室温である 2 5 °Cにおいて減圧して水分が気化する下限は 3 . 1 6 9 k P a である。

インクジヱットへッドの流路内部の表面状態にも依るが、大気圧と下限値の範囲内で減圧して動作を行えば、安定吐出を実現することができる。

次に、大気環境下でインクジヱットへッドを構成する全ノズルが滞りなく吐出するためには、材料溶液を押す空気の力と水頭差に相当する材料溶液の重量の和と、ノズルから材料溶液を出さないように押し留める力と材料溶液の移動に伴う管路抵抗の和との差圧を適正にする必要があり、インクジェットヘッド、塗布溶液配管系及び塗布環境条件が決まると、水頭差を最適化することが安定吐出の要件となる。

減圧環境下においても、材料溶液を出そうとする力と押し留めようとする力の差を適正に維持すれば、安定吐出が可能である。インクジェット吐出動作を安定して持続させるためには、需要である材料溶液の吐出と、供給である材料溶液の補給とのバランスを常に保つ必要がある。

材料溶液の使用に伴う液面の低下状況を検知し、減少量に見合う材料溶液を供給する。液面を計測する装置としては、光学式のもの、フロート等を用いる機械式のもの、音波を用いるもの等がある。

減圧室に塗布溶液収納容器が入っている状況においては、塗布溶液収納容器を保持している設置移動ステージを上下に移動できる機構を取り付ける。

次に、インクジエツトヘッドのノズル面と基板のギャップは通常 1 m m以下であるので、マイナスの水頭差を確保するために、塗布溶液収納容器は基板を保持している基板搬送テーブルの面より下に設置する必要がある。

広い領域を塗布する場合には、インクジエツトへッドと基板のうち少なくとも一方を移動させながら行う必要があるが、塗布材料収納容器を基板搬送テーブルの可動範囲内には設置できないため、塗布溶液供給配管を長く取らなければならない。

そのため、塗布材料収納容器をインクジエツトへッドの上部近傍に配置すれば、塗布溶液供給配管も短くでき、整然とした薄膜形成装置を構成することができる。

それと共に、電空レギユレータを用いた微差圧調整機構を導入し、水頭差の影響に関してマイナスであったものをプラス側にシフトさせる。その結果、材料溶液供給上の問題を解決した上に、インクジエツトへッドと塗布材料収納容器を近接でき、効率的な実装が可能となる。発明の開示

本発明は、上記の課題を解決するために、一定間隔で形成された複数のノズルから材料溶液を吐出して基板に塗布する複数のインクジエツトへッドと、前記ィンクジエツトへッドにノズル面と液面との水頭差を利用して材料溶液を供給する塗布溶液収納容器と、前記基板を載置し水平に移動させる基板搬送テーブルと、前記インクジエツトへッドの吐出を制御するインクジエツトへッドコント口一ラ及び前記基板搬送テーブルを移動させると共に位置を検出してフィードバック制御するステージコントローラを有するシステム制御装置と、前記インクジエツトヘッド及び塗布溶液収納容器及び基板搬送テーブルを収容する減圧手段を備えた減圧室とからなり、前記インクジ- ットへッドに直接接続された前記塗布溶液収納容器を同じ減圧環境下に置くことを特徴とする薄膜形成装置と、

減圧室内の圧力が大気圧（ 1 0 1 . 3 k P a ) から水の飽和蒸気圧である 3 . 1 k P a の範囲であることを特徴とする薄膜形成装置と、

塗布溶液収納容器の液面レベルを検知し、前記塗布溶液収納容器を昇降させることにより、インクジヱットへッドのノズル面と塗布溶液収納容器の液面の水頭差を一定に維持する水頭差調整機構を設けたことを特徴とする薄膜形成装置と、塗布溶液収納容器をインクジエツトへッドより高い位置に設置し、電空レギュレータでインクジエツトへッドと塗布溶液収納容器の間にマイナスの微差圧を生じさせる微差圧調整機構を設けたことを特徴とする薄膜形成装置とした。図面の簡単な説明

図 1 は本発明である薄膜形成装置の概要を示す図であり、図 2 は本発明である薄膜形成装置で配向膜を形成した液晶表示素子の断面構造を示す図であり、図 3 は本発明である薄膜形成装置で 1 パス布を行う場合に擬似的な長尺ラインを構成したへッのレイァゥトを示す平面図及び正面図であり、図 4 は本発明である薄膜形成装置の塗布動作における制御構造を示す図であり、図 5 は本発明である薄膜形成装置の減圧室における制御構造を示す図であり、図 6 は本発明である膜形成装置で塗布溶液収納容器の液面レベノレとインクジェットへッドのノズノレ面との水頭差を最適に保つ機構を示す図であり、図 7 は本発明である薄膜形成装置で塗布溶液収納容器をインクジエツトへッドよりも上方に配置し、配管系統を効率化した構成を示す図であり、図 8 は本発明である薄膜形成装置に設置した電空レギュレータの制御構造を示す図であり、図 9 は本発明である薄膜形成装置の電空レギュレ一タの出力圧力を一定値に収束させる制御を実現させるブロック図であり、図 1 0 は従来の薄膜形成装置の概要を示す図であり、図 1 1 はインクジェッ卜へッ Kのノズル面と塗布溶液収納容器の液面レベルとの水頭差について示した図であり、図 1 2 はインクジエツトへッドから吐出した液滴が基板上に展開し

、最終的な液滴断面形状に及ぼす減圧度の影響につレヽて示した図であり、図 1 3 は吐出前段階におけるノズル先端での溶液メニスカスの形状に影響を及ぼす水頭差の状態について示した図であり、図 1 4 は液晶配向膜の溶剤成分と水の蒸気圧を示すクラフである。発明を実施するための最良の形態

以下に、添付図面に基づいて、本発明である薄膜形成装置について詳細に説明する。尚、液晶表示素子の最も重要な機能薄膜である配向膜を例とし、材料溶液として配向膜溶液を使用する場合で説明する。

図 1 は、本発明である薄膜形成装置の概要を示す図である。薄膜形成装置 1 は

、ヘッド 2 、塗布溶液収納容器 2 C 基板搬送テーブル 4 、及び減圧室 7等からなる。

へッド 2 は、へッドブラケット 2 a に複数のインクジヱットへッド 9 を配置したもので、門型フレーム 2 e により中空に保持され、ヘッド昇降用ァクチユエ一タ 2 b で上下移動させることができる。

各インクジェットヘッド 9 には、材料溶液 9 dの液滴を吐出するために、複数のノズル 9 a が一定間隔で直線状に下方に向けて形成され、また、材料溶液 9 d を供給するために、塗布溶液収納容器 2 c から延びて分岐した塗布溶液供給配管 2 dが接続される。

基板搬送テーブル 4 は、材料溶液 9 d を塗布する基板 3 を載せ、基板 3 を水平移動させるための台である。尚、基板 3 は、大気圧中.での処理であれば真空吸着法を用いることができるが、減圧環境下であるため、基板吸着用の静電チャック

4 a により基板搬送テーブル 4 に固定する。

また、基板 3 の搬入又は搬出時に基板搬送テーブル 4 を上方に持ち上げることができるように、リフトピン機構 5 a を備えたステージ 5 の上に基板搬送テープル 4 を載せることもできる

基板搬送テーブル 4 は、テ一ブル移動用ァクチユエータ 6 a でガイドレール 6 に沿って前後に移動させることができる。位置検出器 6 b で基板搬送テーブル 4 の位置を測定して、移動量を適正に制御することも可能である。

テーブル移動用ァクチュェ —タ 6 a は、通常、サーボモータが用いられ、ボールネジを介してステージ 5 に接続されるが、低発塵が要求される場合には、リニァモータを用いることもでさる。

へッド 2 、塗布溶液収納容器 2 c及び基板搬送テーブル 4 は、密閉された減圧室 7内において、ベ一スフレーム 7 a 上に配設される。ヘッド 2 は、門型フレーム 2 e をベースフレーム 7 a に固定することで支え、基板搬送テーブル 4 は、ガィドレーノレ 6 をべ—スフレ一ム 7 a を敷いて設置する。

尚、へッド 2 の各インクジエツトへッド 9 は、圧力を利用して材料溶液 9 d を供給するので、各インクジ工ットへッド 9 と直接接続される塗布溶液収納容器 2 c は、同じ圧力環境下に置 < 必要力 Sある。

また、減圧室 7 の外には減圧室 7 を減圧するための真空排気ポンプ 7 b と、揮発性有機化合物（V O C ) を除去するための揮発性溶剤吸着処理装置 7 c が設置される。

図 2 は、本発明である薄膜形成装置で配向膜を形成した液晶表示素子の断面構造を示す図である。

液晶パネル 8 は、薄膜形成装置 1 で配向膜 8 a を塗布した基板 3 を用いて製造した液晶表示素子である。前面モジュールと液晶層と後面モジュールとからなり、後方のバックライトから光を照射すると、画像を映し出すことができる。前面モジュールの基板 3 に塗布した配向膜 8 a と後面モジュールの基板 3 に塗布した配向膜 8 a を向かい合わせて、間に液晶分子を充填して液晶層を作り、対向電極と画素電極に電圧を印加することで液晶分子の配列の向きを変え、偏光板と組み合わせることにより、透過する光の O N Z O F Fを行う。また、カラーフィルタを介して光の色を変える。

図 3 は、本発明である薄膜形成装置で 1 パス塗布を行う場合に擬似的な長尺ラインを構成したへッドのレイァゥトを示す平面図及び正面図である。尚、上段がへッド 2 の平面図で、下段がへッド 2 の正面図である。

インクジェットヘッド 9 は、ピエゾ素子をべ一スにしており、材料溶液供給口 9 b から各ノズル 9 a に材料溶液 9 d を流す流路が形成される。流路に電圧を印加すると圧電効果により流路形状が伸縮しポンプとして機能するので、液滴をノズルから吐出させることができる。

1 列分の塗布を行うためにインクジエツトへッド 9 を長手方向に並べたインクジエツトへッド列にするが、インクジヱットへッド列は 2列用意し、各列を平行にして、 1 列目のインクジエツトへッド 9 と 2列目のインクジエツトへッド 9 とが互い違いとなるように配置する。

尚、 1 列目のインクジエツトへッド 9 と 2列目右方にあるインクジエツトへッド 9 とは、 1 列目の右端のノズル 9 a と 2列目の左端のノズル 9 a の位置を合わせ、 1 列目のインクジエツトへッド 9 と 2列目左方にあるインクジヱットへッド 9 とは、 1 列目の左端のノズル 9 a と 2列目の右端のノズル 9 a の位置を合わせる。

1 列ではインクジエツ卜へッド 9 間の非ノズル領域をカバーすることができないが、 2列互い違いにして補うことで等間隔のノズルピッチを実現することができ、時間差をおいて 2列のインクジエツトへッド列を擬似的に 1 本のライン状のへッド 2 として機能させることができる。

各インクジエツ卜へッド 9 の材料溶液供給口 9 b には塗布溶液供給配管 2 d が接続され、ノズル 9 a から材料溶液 9 dが吐出されると、塗布溶液収納容器 2 c からインクジエツトへッド 9 内に材料溶液 9 dが供給される。

各インクジエツトへッド 9 は、へッドコントローラ接続ケーブル 9 c によりシステム制御装置 1 0 に接続され、ノズル 9 a からの材料溶液 9 d の吐出が制御される。

図 4 は、本発明である薄膜形成装置の塗布動作における制御構造を示す図である。システム制御装置 1 0 は、インクジェットヘッドコントローラ 1 0 a 、制御用コンピュータ 1 0 e 、ステージコントローラ 1 0 f 、及び減圧制御 1 0 g等からなる。

インクジェットヘッドコントローラ 1 0 a は、ヘッド駆動部 1 0 b 、メモリ部 1 0 c 、及び制御部 1 0 d等からなり、各インクジェットヘッド 9 の動作を制御する。

制御用コンピュータ 1 0 e は、塗布動作の制御アルゴリズムが組まれたプログラムを実行する装置であり、まず吐出塗布ピッチと塗布パターン情報（塗布開始位置、塗布終了位置、塗布パターン形状等）が設定される。

塗布パターン形状は、ビットマップ等のデータで作成される。各ドットをインクジエツトへッド 9 のノズル 9 a に対応させたりすることで、吐出が制御できる。尚、設定されたビットマップデータはメモリ部 1 0 c に送られる。

制御用コンピュータ 1 0 e から制御部 1 0 d に塗布開始信号が送られると、制御部 1 0 d は、ステージコントローラ 1 0 f からエンコーダパルスを受ける度に、それをトリガ信号としてへッド駆動部 1 0 b及びメモリ部 1 0 c に動作指示を出す。

メモリ部 1 0 c は、ビットマップデータから 1 回の塗布動作で必要な塗布バタ —ン形状のデータをヘッド駆動部 1 0 b に送る。即ち、インクジェットヘッド列が 2列ある場合は、 2列分のデータを送る。へッド駆動部 1 0 b は、塗布パターン形状のデータを基に、各インクジエツトへッド 9 にへッド駆動信号を送る。インクジエツトへッド列が 2列ある場合は、 1 列目のへッド駆動信号を送った後、時間を置いて 2列目のへッド駆動信号を送る。

各インクジエツトへッド 9 において、塗布パターン形状に応じてノズル 9 a から基板 3 に対して材料溶液 9 dが吐出される。基板 3 は移動することから、 1 列目が吐出された後、 2列目が 1 列目の空きを埋めるように吐出され、 1 列分が均等に塗布される。

また、制御用コンピュータ 1 0 e は、塗布開始と同時に、又は位置決めフィードバック制御する際に、ステージコントローラ 1 0 f に対し、基板 3 の移動を制御するための指令データ（移動開始信号、塗布開始位置、塗布終了位置等）を送る。

ステージコントローラ 1 0 f は、テーブル移動用ァクチユエタ 6 a を動作させて所定の速度で基板搬送テーブル 4 を移動させると共に、塗布開始位置から塗布終了位置まで定期的にエンコーダパルスを制御部 1 0 d に送る

基板搬送テーブル 4が移動すると、定期的に位置検出器 6 b で基板搬送テープル 4 の位置を取得して、基板搬送テーブル 4 の速度を算出し、ステ —ジ 3 ン卜口ーラ 1 0 f を介して制御用コンピュータ 1 0 e に送 α。

制御用コンピュータ 1 0 e は、基板搬送テーブル 4 の移動速度が適正であるか判断し、速すぎたり遅すぎたりした場合には、ステ一ジコント D ―ラ 1 0 f に移動速度を調整するように促すことで、フィードバック制御する

インクジエツトへッド 9 の吐出を管理するインクジエツトへク Κコントローラ

1 0 a と、基板搬送テーブル 4 の移動を管理するステージコン卜 Ρ —ラ 1 0 f の関係を、適切に制御することにより、基板 3 に均一な薄膜を塗布形成することが可能となる。

また、制御用コンピュータ 1 0 e は、減圧室 7 内の減圧制御 1 0 g も行う。塗布動作を減圧環境下で行うことにより、液滴が基板 3 に着弾した後の拡散展開中の蒸発を制御し、膜厚分布を均一にすることができ

図 5 は、本発明である薄膜形成装置の減圧室における制御構造を示す図である。薄膜形成装置 1 を収容した減圧室 7 内を大気圧より低い圧力にして塗布動作を行う。

減圧室 7 には真空シール 7 dが施され、減圧室 7 の減圧度を測定し圧力変動を検知する真空ゲージ 7 e が設置される。その他、圧力調整用の弁や大気開放用の弁も設けられ、フィルタを介して窒素を取り込むことができる。

減圧室 7 内を減圧するために真空排気ポンプ 7 b を接続するが、低真空度で圧カレベルを一定に保っために、減圧室 7 と真空排気ポンプ 7 b の間に可変圧力調整弁 7 i を設け、微小な圧力変動に対する制御を行う。

減圧室 7 の圧力が上がり、それを真空ゲージ 7 e が検知すると、圧力検知信号がシーケンサ 7 f に入力される。シーケンサ 7 f は、通信手段 7 g を介して、サーボアンプ 7 h に指令を出し、可変圧力調整弁 7 i の開閉を制御するサーボモ一タ 7 j を操作し、可変圧力調整弁 7 i を開く。

減圧室 7 の圧力が設定値に達すると、シーケンサ 7 f の指令により、サ一ボアンプ 7 hが可変圧力調整弁 7 i を閉じると共に、リーク弁 7 k を開放して、減圧室 7 内の圧力を設定値に保つ。

着弾した材料溶液 9 dの拡散展開と材料溶液 9 d 中の溶剤の蒸発が形成される薄膜の膜厚に与える影響が最適となる減圧度が決まれば、常に減圧室 7 を最適圧力に設定することができる。

本発明のインクジエツト塗布においては、塗布溶液収納容器 2 c と各インクジットへッド 9 を塗布溶液供給配管 2 d で連結し、塗布溶液収納容器 2 c の液面レベルとインクジエツトへッド 9 のノズル 9 a 面との水頭差により重力を利用して自然供給する。

剪断型のインクジエツトへッド 9 を用い、大気圧下でインクジエツト塗布を行う場合、塗布溶液収納容器 2 c の液面レベルがインクジヱットへッド 9 のノズル 9 a 面より約 1 0 O m m低く設定すると良好な吐出が行われる。

尚、塗布溶液収納容器 2 c の液面の方を適度に低くすることで、インクジエツトへッド 9 のメニスカス 9 e を適正にすることができる。液面が高くなると液漏れが生じやすくなり、液面が低すぎると吐出不能になりやすくなる。

また、インクジェットヘッド 9が減圧室 7内で、塗布溶液収納容器 2 c が減圧室 7外にあると、 1 O m以上の非常に大きい水頭差を確保する必要が生じ、装置を構成することが困難となるため、塗布溶液収納容器 2 c も減圧室 7 内に設置する。

大気圧下で材料溶液 9 d の供給が良好でも、減圧環境下に置くと、沸点が降下するため、内在する水分が気化しやすくなり、気化した又は内在する気体は圧力に反比例して体積を増大させるので、塗布溶液供給配管 2 d 内に材料溶液 9 d の不連続部分が発生して、安定した吐出が不可能となる。

そこで、減圧室 7 の減圧度を、薄膜形成装置 1 が設置されるクリーンルーム等の常温（ 2 5 °C ) での水の飽和蒸気圧（ 3 . l k P a ) 以上、大気圧（ 1 0 1 . 3 k P a ) 以下の範囲で設定することにより、内在する水分が気化し気泡が発生するのを防止することができる。尚、温度条件が異なれば、それに応じて下限（水の飽和蒸気圧）も変動させる。

図 6 は、本発明である薄膜形成装置で塗布溶液収納容器の液面レベルとインクジエツトへッドのノズル面との水頭差を最適に保つ機構を示す図である。

インクジエツト吐出は圧力伝達が重要であるが、インクジエツトへッド 9 は、減圧環境下に置かれるので、水頭差による自然供給を行うためには、塗布溶液収納容器 2 c も減圧室 7 内に置いて、同じ環境下で行う必要がある。

水頭差の許容範囲は上下約 1 0 m mの幅があるが、材料溶液 9 d は消費されるので、液面は徐々に下がる。そこで、薄膜形成装置 1 に水頭差調整機構 1 1 を設ける。

減圧室 7 内に、移動ステージ 1 1 b を垂直方向に移動させることができる収納容器昇降用ァクチユエータ 1 1 a を設置し、移動ステージ 1 1 b に塗布溶液収納容器 2 c を載置する。

また、塗布溶液収納容器 2 c を挟むように液面監視センサ 1 1 c を取り付ける。液面レベルの低下を検知すると、収納容器昇降用ァクチユエ一タ 1 1 a により塗布溶液収納容器 2 c を上昇させて、常に一定の水頭差を維持する。

材料溶液 9 d の不足を補うために、減圧室 7 の外に補充用タンク 1 1 d を設け、塗布動作の中断時等に、補充用ポンプ 1 1 e で塗布溶液収納容器 2 c に材料溶液 9 d を送るようにすることもできる。図 7 は、本発明である薄膜形成装置で塗布溶液収納容器をインクジエツトへッドよりも上方に配置し、配管系統を効率化した構成を示す図である。

水頭差の設定値は、インクジヱットへッド 9 のノズル 9 a 面における静止状態での材料溶液 9 d に掛かる力の釣合いから求められ、塗布溶液収納容器 2 c の液面はノズル 9 a 面によりも最適設定値だけ低くする必要がある。

しかし、インクジェットヘッド 9 と基板 3 の塗布ギャップは、通常約 0 . 5 m mであるため、塗布溶液収納容器 2 c を基板搬送テーブル 4上に置くことはできないし、インクジエツトへッド 9 よりも高い位置に置くこともできない。

そのため、基板搬送テーブル 4 の可動範囲外であるかなり離れた位置に塗布溶液収納容器 2 c を設置すると、塗布溶液供給配管 2 dが非常に長くなり、配管抵抗も増大してしまう。

そこで、薄膜形成装 1 a では、 '塗布溶液供給配管 2 d を短くと配置し、塗布溶液収納容器 2 c をインクジェクトへッド 9 よりも高レ、位置 ΗΧ置できるように微差圧調整機構 1 2 を設けて信頼性を確保する。

微差圧調整機構 1 2 は、電空レギュレ一タ 1 2 a を用いて、塗布溶液収納容器

2 c が咼ぃ位置にあつても、インクジェットヘッド 9 と塗布溶液収納容器 2 c の間にマイナスの微差圧を生じさせる

図 8 は、本発明である薄膜形成装 1 き Πι

置 ΒΧ置した電空レギュレ一タの制御構造を示す図である。電空レギユレ —タ 1 2 a は、排気弁 1 2 b と給気弁 1 2 c を有し

、設定圧力により両者を使い分ける、とで、昇圧にも降圧にも対応することがでさる。

例えば、制御回路 1 2 i に昇圧の入力信号が入ると、給気用電 fe弁 1 2 d は開さ、排気用電磁弁 1 2 e は閉じて、給気の一部が給気用電磁弁 1 2 d を通してパィロット室 1 2 f に送られる。パイロッド室 1 2 f の圧力が上昇し、ダイャフラム 1 2 g の上面に作用すると、ダイャフラム 1 2 g と連動する給気弁 1 2 c 力 S開さ、給：^による加圧が出力圧力となる。

一方、制御回路 1 2 i に減圧の入力信号が入ると、給気用電磁弁 1 2 d は閉じ、排気用電磁弁 1 2 e は開いて、パイロット室 1 2 f から排気が行われる。パイロット室 1 2 f の圧力が下がることで、ダイヤフラム 1 2 g と連動する排気弁 1 2 b が開き、排気による減圧が出力圧力となる。

図 9 は、本発明である薄膜形成装置の電空レギュレータの出力圧力を一定値に収束させる制御を実現させるブロック図である。

電空レギユレータ 1 2 a で一連の動作を行ったら、圧力検出センサ 1 2 h でパイロット室 1 2 f の内部圧力を検出し、制御回路 1 2 i にフィードバックすることにより、入力信号に比例した出力圧力になるまで繰り返し動作を実行する。尚、電空レギユレ一タ 1 2 a は、直列又は並列に多段的に設置することにより、精度を向上させたりすることも可能である。産業上の利用可能性

本発明である薄膜形成装置は、インクジエツト吐出を減圧環境下で行うため、吐出された液滴が基板面に沿って溶剤の蒸発を伴いながら拡散展開した際に、端部での盛り上がりも少なくなり、スムーズに隣接する液滴と合流させることができる。その結果、膜厚のばらつきが小さい平滑な表面形状を有する薄膜を形成することができる。

また、塗布溶液収納容器を減圧室内に設置することにより、インクシエツ卜へッドのノズル面との相対的な水頭差は、大気圧中と同様な取极いをすることができ、薄膜形成装置の小型化を実現することができる。

また、減圧雰囲気の減圧度の下限を制限することにより、ィンクシエツトへッドの配管内部や送液配管中の気泡の発生を抑えることができ、安定吐出の信頼性を向上させることができる。

また、インクジエツトへッドのノズル面と塗布溶液収納容器の液面との水頭差は、許容幅の範囲内であれば安定して液滴の吐出が可能であるが、環境温度、環境湿度、又は振動等の影響も考慮に入れて、材料溶液が消費されて液面が下がつたら、材料溶液を補充して最適な水頭差を維持することにより、インクジェット吐出を安定して行うことができる。

また、最適な水頭差を確保するために塗布溶液収納容器とィンクシエツトへッドを繋ぐ配管系が冗長化してしまうのを、インクジヱットへッドの直上に塗布溶液収納容器を取り付け、微差圧調整機構を設けて水頭差を調整することで解消することができるれにより、薄膜形成衣 IH.の小型化及び簡素化が実現でさ、配管長が短くなつたことで信頼性も向上させることができる。

また、材料溶液には、溶剤を添加することで揮発性有機化合物（ V O C ) 等が含まれているが、薄膜形成装置は減圧で完全に仕切られており、真空ポンプで排した後、 V O Cの吸着除去装置で除去するので、に Tして十分に配慮することができる o

更に、本発明は、液晶を始めとする各種の表示素子を構成する機能薄膜の製造や、半導体装置の各種薄膜の製造に適用可能であり、従来のスパッタ法ゃ C V D 法等に比べて、塗布材料の利用効率やスループクトに優れている上に、極めて安価に提供することができる。

Claims

請求の範囲

1 . 一定間隔で形成された複数のノズルから材料溶液を吐出して基板に塗布する複数のインクジエツトへッドと、前記インクジエツトへッドにノズル面と液面との水頭差を利用して材料溶液を供給する塗布溶液収納容器と、前記基板を載置し水平に移動させる基板搬送テーブルと、前記インクジエツトへッドの吐出を制御するインクジエツトへッドコントローラ及び前記基板搬送テ一ブルを移動させると共に位置を検出してフィードバック制御するステージコントローラを有するシステム制御装置と、前記インクジヱットへッド及び塗布溶液収納容器及び基板搬送テーブルを収容する減圧手段を備えた減圧室とからなり、前記インクジュットへッドに直接接続された前記塗布溶液収納容器を同じ減圧環境下に置くことを特徴とする薄膜形成装置。

2 . 減圧室内の圧力が大気圧（ 1 0 1 . 3 k P a ) から水の飽和蒸気圧である 3 . 1 k P a の範囲であることを特徴とする請求の範囲第項 1 に記載の薄膜形成装置。

3 . 塗布溶液収納容器の液面レベルを検知し、前記塗布溶液収納容器を昇降させることにより、インクジヱットへッドのノズル面と塗布溶液収納容器の液面の水頭差を一定に維持する水頭差調整機構を設けたことを特徴とする請求の範囲第項 1 又は請求の範囲第項 2 に記載の薄膜形成装置。

4 . 塗布溶液収納容器をインクジェットヘッドより高い位置に設置し、電空レギユレータでインクジヱットへッドと塗布溶液収納容器の間にマイナスの微差圧を生じさせる微差圧調整機構を設けたことを特徴とする請求の範囲第項 1 乃至請求の範囲第項 3 のいずれかに記載の薄膜形成装置。