WO2008072407A1

WO2008072407A1 - 椅子

Info

Publication number: WO2008072407A1
Application number: PCT/JP2007/068916
Authority: WO
Inventors: Kido Inoue
Original assignee: Kido Inoue
Priority date: 2006-11-22
Filing date: 2007-09-20
Publication date: 2008-06-19

Abstract

脚部(10)と、座部(20)と、背もたれ部(30)とを備えてなる椅子(C)であって、前記座部(20)を受ける座受け面(15)が、12度ないし16度の下り勾配とされ、背もたれ部(30)の位置が、腰椎の3番、4番または5番に対応する位置とされてなるものである。座部(20)の硬さは、硬、中および軟の三種類とされて、それらが簡易に取替可能とされている。

Description

明細書椅子技術分野

本発明は椅子に関する。さらに詳しくは、自然に背筋が伸びて正しい姿勢となる椅子に関する。背景技術

生活の洋式化から、会社などの仕事場ばかりでなく、日常生活においても椅子に座る機会が増えてきている。

現在、用いられている椅子の多くは、安定性、機能性および意匠性に重点が置かれる反面、椅子に長時間座ることから生ずる病的体癖、疲労感などの悪影響については、まったく配慮がなされていない。例えば、椅子に座ったときの腰の疲労は、立っているときの 1 . 5倍程度となるが、その疲労を解消できるような工夫はなされていない。

パソコンの急速な普及により、長時間のデスクワークが多くなつてきている現在、腰の疲労や病的体癖を解消できる椅子が熱望されている。

本発明はかかる従来技術の課題に鑑みなされたものであって、腰の疲労や病的体癖を解消できる椅子を提供することを目的としている。発明の開示

本発明の椅子は、脚部と、座部と、背もたれ部とを備えてなる椅子であって、前記座部を受ける座受け面が、所定角度の下り勾配とされ、背もたれ部の位置が、腰椎の 3番、 4番または 5番に対応する位置とされてなることを特徴とする。

本発明の椅子においては、前記所定角度が、 1 2度ないし 1 6度とされてなるのが好ましい。また、本発明の椅子においては、座部が硬さの異なるものが複数備えられ、その各々が簡易に交換可能とされてなるのが好ましい。その場合、座部が硬さは、例えば、硬、中、軟の 3種類とされる。

さらに、本発明の椅子においては、座部が、座部本体と該座部本体をカバーするカバ一とからなり、前記座部本体は、尻が乗る箇所が狭く、膝の内側に位置する箇所が広くされた台形鏡餅状とされてなるのが好ましい。

さらに、本発明の椅子においては、座部本体の頂部平面は、幅方向に長軸を有する楕円状とされてなるのが好ましい。

さらに、本発明の椅子においては、頂部平面から下底に向けた面は、緩傾斜面とされてなるのが好ましい。

さらに、本発明の椅子においては、頂部平面から上底に向けた面および両側に向けた面は、急傾斜面とされてなるのが好ましい。

さらに、本発明の椅子においては、座部本体が、骨材部と、該骨材部表面を覆うように設けられた表皮部とからなるのが好ましい。

さらに、本発明の椅子においては、背もたれ部の位置が調節可能とされてなるのが好ましい。

さらに、本発明の椅子においては、背もたれ部が、座る人の背中に沿うよう湾曲させられてなるのが好ましい。

本発明の椅子によれば、座受け面が適度の下り勾配とされているので、自律神経の働きにより背筋が伸びて姿勢がよくなる。そのため、人間が本来持っている治癒能力を発揮させて、長時間座ることからくる腰の疲労や病的体癖を解消できるという優れた効果が得られる。

また、本発明の椅子によれば、背もたれが、腰椎の 3番、 4番または 5番に対応する位置とされているので、反り返ると腰椎に刺激を与えることができ、それにより脊椎の矯正ができるとともに、腹式呼吸が実現されて精神安定、血行促進、脳の活性化などが図られるという優れた効果も得られる。図面の簡単な説明

図 1は本発明の実施形態 1 に係る椅子の正面図である。

図 2は同平面図である。

図 3は同右側面図である。

図 4は同実施形態に用いられる座具本体の一例の平面図である。図 5は同正面図である。

図 6は同側面図である。

図 7は図 4の V I I — V I I線断面図である。

図 8は同 V I I I —V I I I線断面図である。

図 9は同 I X _ I X線断面図である。

図 1 0は本発明の実施形態 1に適用可能な座具本体の他の例の断面図である。

図 1 1は本発明の実施形態 2に係る椅子の側面図である。発明を実施するための最良の形態

以下、添付図面を参照しながら本発明を実施形態に基づいて説明するが、本発明はかかる実施形態のみに限定されるものではない。実施形態 1

本発明の実施形態 1に係る椅子を図 1 一 3に示す。

椅子 Cは、図 1 _ 3に示すように、脚部 1 0と、座部 2 0と、背もたれ部 3 0とを主要部として備えてなるものとされる。ここで、座部 2 0は取替自在とされている。

脚部 1 0は、対称に配置された一対の前脚（前脚対） 1 1 と、対称に配置された一対の後脚（後脚対） 1 6とを備えてなるものとされる。

ここで、図 2に示すように、前脚対 1 1の間隔は、座部 2 0の形状に合わせて後脚対 1 6の間隔より広くされている。

前脚対 1 1の頂部は、図 1 に示すように、前部結合片 1 2により結合されている。この前部結合片 1 2の後脚対 1 6 に対応する箇所には、図 3に示すように、後脚対 1 6に結合される側部結合片 1 3 が配設されている。また、後脚対 1 6の側部結合片 1 3が結合される箇所には、図 2に示すように、後部結合片 1 7が配設されているしかして、前脚対 1 1の頂面および側部結合片 1 3の上面に配設される板材により座部 2 0を受ける座部受け部 1 4が形成される。この座部受け部 1 4上面により形成される面（座部受け面） 1 5は、図 3に示すように、所定角度の下り勾配とされている。

この下り勾配の角度は、 1 2度〜 1 6度とされている。座部受け面 1 5をこのように傾斜させるのは、大腿部の裏側を圧迫しないため、および足先までの血流をよくするためである。

後脚対 1 6の上部は、図 3に示すように、延伸されて背もたれ部 3 0を支持する背もたれ支持部 1 8 とされている。背もたれ支持部 1 8の高さは、背もたれ部 3 0が腰椎の 3番、 4番、 5番の位置となるよう調整されている。なお、背もたれ部 3 0の位置は前記位置とされるのが好ましいが、腰椎の 3番、 4番、 5番のいずれかの位置となるようにされていればよい。

背もたれ部 3 0は、図 2に示すように、座る人の背に沿うよう湾曲させられている。背もたれ部 3 0は、背もたれ支持部 1 8に差し渡されて支持される芯材 3 1 と、芯材 3 1の表面に配設された適度の弾力性を有する背もたれ本体 3 2とを備えてなるものとされる。背もたれ本体 3 2の最前面は、図 3に示すように、ほぼ座部 2 0 の後端に位置するよう芯材 3 1からの突出量が調整されている。座部 2 0は、図 4— 6に示すように、座部本体 2 1 と、座部本体 2 1をカバーするカバー（明瞭には図示はされていない）とから構成されている。この座部 2 0は、図示はされていないが、取替が自在になし得るよう、例えば、蝶ナットとポルトにより座部受け部に取り付けられている。なお、取替自在とする機構は、前記に限定されるものではなく、公知の各種機構とすることができ、特に限定はない。

カバーは、布やビニールなど従来より座布団の表皮に用いられているものを好適に用いることができる。

座部本体 2 1の形状は、図 4〜図 9に示すように、尻が乗る箇所が狭く、膝の内側に位置する箇所が広くされ、角が丸みを帯びた台形鏡餅状とされている。以下、狭い辺を上底といい、広い辺を下底. ということにする。ここで、上底の長さは 3 5 c π！〜 4 0 c m程度とされ、下底の長さは 4 0 c n！〜 4 5 c m程度とされている。

鏡餅の頂部平面 2 1 aに相当する箇所は、図 4に点線で示すように、座部 2 0では尻が乗る箇所に位置させられ、またその形状は長軸が上底に平行な楕円形とされている。頂部平面 2 1 aの高さは、 6 c m〜 8 c m程度されている。楕円の長軸の位置は、上底からほぼ 1 3のところに位置させられ、その長さは、その位置における台形の幅の 6割〜 7割程度とされている。また、楕円の短径の長さは、台形の高さの 2割〜 3割程度とされている。

頂部平面 2 1 aの後側、つまり上底側は急傾斜の凸曲面とされ、頂部平面 2 l aの前側、つまり下底側は緩傾斜の凸曲面とされ、両側は急傾斜の凸曲面とされている。

頂部平面 2 1 aの前側の緩傾斜の凸曲面の幅、つまり前後方向の長さは、台形の高さの 3割〜 4割程度とされている。緩傾斜の角度は、頂部平面 2 1 aに尻が乗った状態で太腿内側が座部表面と接触しないように調整されている。なお、頂部平面 l aの前側は、緩傾斜の凸曲面の前端部は急傾斜の凸曲面とされている。

座部本体 2 1の材質は、例えば合成樹脂（例えば発泡ウレタン）とされ、その硬さは、硬、中、軟の三種類とされている。このように硬さを異なるものを用意するのは、人それぞれが体格、体重、肉付が異なっているので、それに対応できるようにするためである。また、同一人であっても、座部 2 0の硬さ程度を変えることにより、気分転換を図ることができることも考慮するためである。例えば

、硬い座部 2 0に座れば、緊張感が走って能率が上がり、中程度の硬さの座部 2 0に座れぱ、思考をしながら仕事をすることができ、軟らかい座部 2 0に座れば、ゆったりとした気分で仕事ができる。

ここで、「硬」とは、ショァ硬さが 9 0 - 9 5度の範囲にあるものをいい、座部 2 0に通常の成人（体重 6 0 k g ) が尻を乗せた場合の沈下量が、 2 7 m m程度のものをいい、「中」とは、ショァ硬さが 8 0 - 8 5度の範囲にあるものをいい、座部 2 0に通常の成人（体重 6 0 k g ) が尻を乗せた場合の沈下量が、 3 0 m m程度のものをいい、「軟」とは、ショァ硬さが 7 0 - 7 5度の範囲にあるものをいい、座部 2 0に通常の成人（体重 6 0 k g ) が尻を乗せた場合の沈下量が、 3 4 m m程度のものをいう。

座部本体 2 1は一体物とされてもよいが、図 1 0に示すように、機械的強度を維持する骨材部（芯材） 2 2と、骨材部 2 2表面を覆うように設けられ表皮部 2 3とから構成するようにされてもよい。その場合、座部本体 2 1の硬さ程度は、表皮部 2 3により調整される。

骨材部 2 2の材質は、例えば、硬質合成樹脂や木材とされる。しかして、この実施形態 1の椅子 Cによれば、次のような効果が得られる。

効果 1 ：座受け面 1 5が適度の下り勾配とされているので、自律神経の働きにより背筋が伸びて姿勢がよくなる。そのため、人間が本来持っている治癒能力を発揮させて、長時間座ることからくる腰の疲労や病的体癖を解消できる。

効果 2 ：背もたれ部 3 0が、腰椎の 3番、 4番、 5番に対応する位置とされているので、反り返ると腰椎に刺激を与えることができ、それにより脊椎の矯正ができるとともに、腹式呼吸が実現されて精神安定、血行促進、脳の活性化などが図られる。

効果 3 ：大腿部の裏側を圧迫しないので、大腿部の血流が阻害されず、血流阻害による脚のむくみや足の指先の冷えも生じない。効果 4 ：座部 2 0が硬、中、軟に取替自在とされているので、そのときの気分に応じた座部とすることができる。

実施形態 2

本発明の実施形態 2に係る椅子 C 1を図 1 1に示す。実施形態 2 は、実施形態 1 を改変してなるものであって、キャスター付のオフイス椅子状としてなるものとされる。なお、実施形態 1 と同一の符号は、同一または類似の構成要素を示す。

より具体的には、椅子 C 1の脚部 5 0は、図 1 1に示すように、支柱 5 1 と、支柱 5 1の下端部に放射状に配設された所要本数、例えば 5本の脚部材 5 2とを有するものとされる。

支柱 5 1には、座部 2 0を支持する座部受け部 6 0から下方に突出されている支持軸 6 2が昇降自在かつ回転自在に装着されている。なお、座部受け部 6 0を昇降自在として座部の高さを調整する昇降機構および回転機構は、公知の各種構成とすることができ特に限定はない。

また、脚部材 5 2の先端部下面にはキャスター 5 2 aが配設されている。

座部受け部 6 0は、座部受け部本体 6 1 と、前記支持軸 6 2と、座部受け部本体 6 1後部に配設されたエル字状の背もたれ支持部材 6 3とを有するものとされる。

支持部材 6 3の垂直片 6 3 aの上端部位置は、背もたれ部 3 0が腰椎の 3番、 4番、 5番の位置となるよう調整されている。垂直片 6 3 a上端部への背もたれ部 3 0の取り付けは、例えば、背もたれ部 3 0の芯材 3 1中央部をポルト止めすることによりなされる。なお、垂直片 6 3 a上端部に背もたれ部 3 0の取り付け位置を複数も設け、背もたれ部 3 0の位置を座る人の座高に合わせて調整できるようにしてもよい。

このように、この実施形態 2においては、脚部材 5 2にキャス一 5 2 aが配設されているので、移動が自在であるという実施形態 1 では得られない効果も得られる。また、座部 2 0の高さが調整できるようにされているので、座部 2 0を座る人の座高に合わせた位置とすることができるという実施形態 1では得られない効果も得られる。

以上、本発明を実施形態に基づいて説明してきたが、本発明はかかる実施形態のみに限定されるものではなく、種々改変が可能である。例えば、脚、背もたれ支持部を鋼管により構成することもできる。産業上の利用可能性

本発明は、椅子に適用できる。

Claims

請求の範囲

1 . 脚部と、座部と、背もたれ部とを備えてなる椅子であって、前記座部を受ける座受け面が、所定角度の下り勾配とされ、背もたれ部の位置が、腰椎の 3番、 4番または 5番に対応する位置とされてなる

ことを特徴とする椅子。

2 . 所定角度が、 1 2度ないし 1 6度とされてなることを特徴とする請求項 1記載の椅子。

3 . 座部が硬さの異なるものが複数備えられ、その各々が簡易に交換可能とされてなることを特徴とする請求項 1記載の椅子。

4 . 座部が硬さが、硬、中、軟の 3種類とされてなることを特徴とする請求項 3記載の椅子。

5 . 座部が、座部本体と該座部本体をカバ一するカバーとからなり、

前記座部本体は、尻が乗る箇所が狭く、膝の内側に位置する箇所が広くされた台形鏡餅状とされてなることを特徴する請求項 4記載の椅子。

6 . 座部本体の頂部平面は、幅方向に長軸を有する楕円状とされてなることを特徴とする請求項 5記載の椅子。

7 . 頂部平面から下底に向けた面は、緩傾斜面とされてなることを特徴とする請求項 6記載の椅子。

8 . 頂部平面から上底に向けた面および両側に向けた面は、急傾斜面とされてなることを特徴とする請求項 6記載の椅子。

9 . 座部本体が、骨材部と、該骨材部表面を覆うように設けられた表皮部とからなることを特徴とする請求項 5記載の座具。

1 0 . 背もたれ部の位置が調節可能とされてなることを特徴とする請求項 1記載の椅子。

1 1 . 背もたれ部が、座る人の背中に沿うよう湾曲させられてなることを特徴とする請求項 1記載の椅子。