明 細 書
LED駆動装置、照明装置および表示装置
技術分野
[0001] 本発明は、 LED (Light Emitting Diode)駆動装置と、 LEDを光源として用いる照明 装置および投影型表示装置とに関する。
背景技術
[0002] 投影型表示装置として、 R (赤)、 G (緑)、 B (青)を時分割表示してカラー画像を形 成するフィールドシーケンシャル方式の表示装置がある。代表的な DLP (Digital Ligh t Processing)方式のプロジェクタでは、光源として高圧水銀ランプなどを用い、光源 力、らの白色光をカラーホイールによって色分離し、色分離された光を DMD (Digital Micromirror Device)のような反射型デバイスによって変調し、投影光学系を経てスク リーンに投影してカラー画像を形成している。
[0003] このような反射型デバイスを用いた表示装置では、明るさを表現する場合に低輝度 での量子化ノイズが問題になる。これを解決するために、従来の高圧水銀ランプなど のランプを用いた表示装置では、カラーホイールのセグメントに輝度を 10%程度まで 落とす ND (Neutral Density)フィルタを設けて、低輝度での見かけ上のビット数を上 げることによって量子化ノイズを減らすことが実施されている。
[0004] フィールドシーケンシャル方式の表示装置としては、白色ランプ光源とカラーホイ一 ルを用いる代わりに、光源として RGB各色の LEDを用い、これらを時分割でそれぞ れ発光させて反射型デバイスに入射させて変調し、投影光学系を経てスクリーンに 投影してカラー画像を形成するものもある。この場合、各 LEDの発光オン/オフはパ ノレス発光状態になっている。
[0005] 一方、直視型表示装置として、液晶がある力 こちらは蛍光管から固体照明 (LED) に切り替わりつつある。この LEDを複数個用い、液晶の映像に合わせ、 LEDの輝度 をブロック毎に変化させる技術 (エリアアクティブ)を利用して、視覚上のダイナミックレ ンジを変え、性能向上を果たしている。
特許文献 1 :特開 2001— 313423号公報
特許文献 2:特開 2002— 203988号公報
特許文献 3:特開 2004— 274872号公報
特許文献 4 :特開 2005— 142137号公報
発明の開示
発明が解決しょうとする課題
[0006] このような LED光源の表示装置においても、上述したような低輝度での量子化ノィ ズの問題が生じる。この場合、カラーホイールは用いられていないので、従来のラン プ光源の表示装置の場合のように NDフィルタを設けるといったような対策をすること はできない。
[0007] NDフィルタと同様の効果を出すためには、 LEDの発光量を減らせばよい。 LEDの 発光量を減らす 1つの方法は、ノ ルス調光を行うことである。し力、しながら、フィーノレド シーケンシャルの表示装置においては、 LEDはすでにパルス発光状態になっている ため、パルス調光を行うことはできない。
[0008] LEDの発光量を減らす他の方法は、 LEDに流す電流量を減らすことである。電流 量を変化させることによる調光において問題となるのは、電力を絞る場合である。この 場合、検出電流を電圧変換して帰還させる力 電流が小さくなると帰還電圧も低くな り、制御が難しくなるという問題がある。
[0009] 特許文献 1にはスイッチング回路ベースでの発光ダイオード駆動装置が記載されて いる力 電流検出方法は抵抗 1個での制御であり、微小電流の対応はできていない
。また、比較器のオフセットも問題になる回路構成である。
[0010] 特許文献 2に記載されている発光素子駆動回路は、尖頭値検出で効率を上げた構 成になってはいる力 S、大電流から微小電流の定電流調整には不向きである。
[0011] 特許文献 3にもスイッチング回路ベースでの発光ダイオード駆動装置が記載されて いる力 電流検出方法は抵抗 1個での制御であり、微小電流の対応はできていない
。また、比較器のオフセットも問題になる回路構成である。
[0012] 特許文献 4に記載の発光ダイオード駆動装置は、調光方式力 Sスイッチングであり、 フィールドシーケンシャルモデルには使用できない。また、スイッチングさせる事で、ノ ィズの影響が発生しやすくなる。
[0013] 上述したことを鑑み、本発明は、投射型表示装置においては、 NDフィルタと同様 の効果が得られるまで LEDの明るさを安定して絞ることができ、直視型表示装置に おいては、エリアアクティブの駆動として、ノ ルス調光では無ぐ電流調光による制御 が可能な LED駆動装置を提供する。本発明は、さらに、このような LED光源を用い、 ノイズの発生を抑えた照明装置および表示装置も提供する。
課題を解決するための手段
[0014] 本発明の LED駆動装置は、タイミング信号に応じて第 1の駆動電圧と第 2の駆動電 圧とを切り替える駆動電圧切替手段と、前記第 1の駆動電圧又は前記第 2の駆動電 圧を印加され、 LEDに流れる電流を決定するフィードバック回路とを備え、前記フィ ードバック回路は、前記タイミング信号に応じて LEDに流れる電流を制御する電流制 御手段を備えることを特徴とする。
[0015] 前記電流制御手段は、前記タイミング信号に応じて LEDに流れる電流を決定する 対向を切り替える抵抗切替手段であってもよ!/、。
[0016] 本発明の照明装置は、このような LED駆動装置と、このような LED駆動装置によつ て駆動される LEDとを備える。
[0017] 本発明の表示装置は、このような LED駆動装置と、このような LED駆動装置によつ て駆動される緑色 LEDと、赤色 LEDと、青色 LEDと、前記緑色 LED、赤色 LED及 び青色 LEDを切り替えて発光させる制御手段と、前記制御手段によって前記緑色 L ED、赤色 LED及び青色 RGBの発光と同期して制御され、前記緑色 LED、赤色 LE D及び青色 RGBによって発光された光を変調する反射型デバイスと、前記反射型デ ノ イスによって反射された光を投影する投影光学系とを備えることを特徴とする。
[0018] また、直視型表示装置では、このような LED駆動装置と、このような LED駆動装置 によって駆動される緑色 LEDと、赤色 LEDと、青色 LEDを ON/OFFのパルス調光 では無ぐ駆動電流を変えて電流調光させる事で、エリアアクティブを可能にし、広ダ イナミックレンジのバックライトを備える事を特徴とする。
発明の効果
[0019] 本発明によれば、 NDフィルタと同様の効果が得られるまで LEDの明るさを安定し て絞ることができる LED駆動装置が実現する。
図面の簡単な説明
[0020] [図 1]カラーホイールを用いる DLPシステムの構成を示す図である。
[図 2]LED光源を用いる DLPシステムの構成を示す図である。
[図 3]カラーホイールを用いる DLPシステムと LED光源の DLPシステムとにおける各 色の発光のタイミングを比較する図である。
[図 4]従来の LED駆動回路を示す回路図である。
[図 5]本発明の LED駆動回路を示す回路図 (投射型表示装置用)である。
[図 6]本発明の LED駆動装置を適用した液晶 TVのバックライトの状態を示す図であ
[図 7]図 4に示す従来の LED駆動装置における代表特性を示すグラフである。
[図 8]図 5に示す本発明の LED駆動装置における代表特性を示すグラフである。
[図 9]LEDの明るさと LEDに流す電流の関係を示すグラフである。
[図 10]本発明の LED駆動回路を示す回路図 (反射型表示装置用)である。
[図 11]本発明の LED駆動装置を適用する LED表示装置の概念図である。
符号の説明
[0021] 1 光源
2 ライトパイプ
3、 12 カラーホイ一ノレ
4、 13 制御部
5、 14 反射型デバイス
6、 15 投射レンズ
7、 16 投射スクリーン
11 LED光源
Q1001—Q1010, Q2001 卜ランジスタ
R1001—R1015, R2001 抵抗
発明を実施するための最良の形態
[0022] 図 1は、従来の光源として高圧水銀ランプを使用するフィールドシーケンシャル方 式の DLPシステムの構成を示すブロック図である。光源 1は、高圧水銀ランプである
。このシステムは、 R (赤)、 G (緑)、 B (青)及び ND (グレイ)のセグメントを有するカラ 一ホイール 3を備える。 NDのセグメントは濃い緑であってもよい。光源 1から放射され た光は、ライトパイプ 2によってカラーホイール 3に導かれ、カラーホイール 3の各セグ メントを通過し、時分割で R、 G、 B及び NDの光が生成される。このようにして生成さ れた R、 G、 B及び NDの光は、制御部 4によってカラーホイール 3の回転と同期して 制御される DMDなどの反射型デバイス 5によって反射され、投射レンズ 6を経て投射 スクリーン 7に投射され、映像が映し出される。
[0023] 図 2は、光源として LEDを使用するフィールドシーケンシャル方式の DLPシステム の構成を示すブロック図である。光源 1は、 RGB各色の LEDである。光源 1から放射 された光は、制御部 13によって LED1の RGB各色の発光と同期して制御される DM Dなどの反射型デバイス 14にライトパイプ 12によって導かれて反射され、投射レンズ 15を経て投射スクリーン 16に投射され、映像が映し出される。
[0024] 図 2の LED光源の DLPシステムにおいて図 1のカラーホイールを用いる DLPシス テムにおける NDと同様の効果を得るためには、 LEDに流す電流量を減らして、 LE Dの発光量を減らせばよい。図 3は、カラーホイールを用いる DLPシステムと LED光 源の DLPシステムとにおける各色の発光のタイミングを比較する図である。カラーホ ィールの NDのセグメントを濃い緑にするのに対応して、 LED光源のシステムでは、 G (緑)の LEDの発光量を減らして NDの光を発生する。
[0025] 図 4は、従来の LED駆動装置を示す回路図である。この LED駆動装置は、 LEDに 流す電流を 2段階で変化させることによって LEDの発光量を 2段階に変えることがで きる。したがって、緑色 LEDにおいて、通常の緑色光としての通常発光と、 NDとして 使用する場合の ND発光とで切り替えるのに使用することができる。
[0026] R1001〜R1015は抵抗、 Q1001〜Q1010は卜ランジスタである。図 4の右上に示 す LED— VCCは LEDの大電力駆動用の電源であり、 LED— GNDはそのグランド である。右下に示すのは、マイコンと DACに接続されるコネクタである。 VCC + 3. 3 Vは制御回路用の 3. 3Vの電源である。 LED ONは DACによって供給される LED を通常発光させるためのタイミングパルスであり、この信号がハイになると LEDは通常 発光する。 ND1は DACによって供給される LEDを ND発光させるためのタイミング
パルスであり、この信号がハイになると LEDは ND発光する。 GNDはこの回路の基 準グランドである。 DAC INは、基本的に 256の諧調で GNDレベルから VCCレべ ルまでの範囲で設定 (調整)される固定値であり、この電位を変える事で LEDに流す 電流を変えることができる。
[0027] 点線で囲まれた部分はレギユレータ部である。図 4に示す LED駆動装置は、シリー ズレギユレータ構成を使用している力 スイッチングレギユレータ構成でもフィードバッ クのところの考え方は同じである。
[0028] LED用の駆動電圧 LED ONは、 DACによって供給される LED— ONと NDが入 力されるトランジスタ Q1009および Q1010力、ら成る and回路を経て、トランジスタ Q1 008でスィッチされる。トランジスタ Q1003は、スィッチされた駆動電圧をレギユレ一 シヨンしている。
[0029] 図 4に示す LED駆動装置では、トランジスタ Q1002および Q1004が差動回路を構 成している。トランジスタ Q1001および Q1005は、この差動回路に信号を入力する ためのインタフェース回路を構成する。 LEDを流れる電流は、抵抗 R1001、 R1002 で構成される抵抗網に流れる。 LEDに流れる電流がこの抵抗網に流れる事でこの抵 抗網の GNDと LEDの力ソード間に電圧が発生する。この発生した電圧はトランジス タ Q1001を経由してトランジスタ Q1002に戻る。トランジスタ Q1004のベースに印加 される電圧とトランジスタ Q1002のベース電圧が同じになる様に、トランジスタ Q100 2および Q1004の差動回路はトランジスタ Q1003のベース電流を制御する。これに より、抵抗 R1001および R1002で構成される抵抗網に印加される電位は固定され、 固定値である抵抗網に流れる電流を一意的に決めることができるようになる。したが つて、 LEDに流れる電流が一定になる。
[0030] しかしながら、このような電流一電圧変換を伴うフィードバック経路で電流をコント口 ールするシステムでは、微小電流の制御が難しい。 Q1005のベース電位をゼロにし ても、喑電流(漏れ電流)が発生するため、 Q 1001のベース電圧はゼロにならない。 この場合、 NDフィルタのように光量を 10%程度まで絞ることが困難になる。
[0031] 図 5は、本発明による LED駆動装置を示す回路図である。 R1001—R1015, R20 01は抵抗、 Q1001—Q1010, Q2001は卜ランジスタである。図 5の右上に示す LE
D—VCCは LEDの大電力駆動用の電源であり、 LED— GNDはそのグランドである 。右下に示すのは、マイコンと DACに接続されるコネクタである。 VCC + 3. 3Vは制 御回路用の 3. 3Vの電源である。 LED ONは DACによって供給される LEDを通常 発光させるためのタイミングパルスであり、この信号がハイになると LEDは通常発光 する。 ND1は DACによって供給される LEDを ND発光させるためのタイミングパルス であり、この信号がハイになると LEDは ND発光する。 GNDはこの回路の基準グラン ドである。 DAC INは、基本的に 256の諧調で GNDレベルから VCCレベルまでの 範囲で設定 (調整)される固定値であり、この電位を変える事で LEDに流す電流を変 えること力 Sできる。
[0032] 点線で囲まれた部分はレギユレータ部である。図 5に示す LED駆動装置も、シリー ズレギユレータ構成を使用している力 スイッチングレギユレータ構成でもフィードバッ クのところの考え方は同じである。
[0033] LED用の駆動電圧 LED ONは、 DACによって供給される LED— ONと NDが入 力されるトランジスタ Q1009および Q1010力、ら成る and回路を経て、トランジスタ Q1 008でスィッチされる。トランジスタ Q1003は、スィッチされた駆動電圧をレギユレ一 シヨンしている。
[0034] 図 5に示す LED駆動装置では、トランジスタ Q1002および Q1004が差動回路を構 成している。トランジスタ Q1001および Q1005は、この差動回路に信号を入力する ためのインタフェース回路を構成する。 LEDを流れる電流は、抵抗 R1001、 R1002 、 R2001で構成される抵抗網に流れる。 LEDに流れる電流がこの抵抗網に流れる 事でこの抵抗網の GNDと LEDの力ソード間に電圧が発生する。この発生した電圧は トランジスタ Q1001を経由してトランジスタ Q1002に戻る。トランジスタ Q1004のべ 一スに印加される電圧とトランジスタ Q1002のベース電圧が同じになる様に、トランジ スタ Q1002および Q1004の差動回路はトランジスタ Q1003のベース電流を制御す る。これにより、前記抵抗網に印加される電位は固定され、固定値である抵抗網に流 れる電流を一意的に決めることができるようになる。したがって、 LEDに流れる電流が 一定になる。
[0035] しかしながら、上述したように、このような電流—電圧変換を伴うフィードバック経路
で電流をコントロールするシステムでは、微小電流の制御が難しい。 Q1005のべ一 ス電位をゼロにしても、喑電流(漏れ電流)が発生するため、 Q1001のベース電圧は ゼロにならない。
[0036] 図 5に記載の本発明の LED駆動装置では、以下に説明するようにトランジスタ Q20 01によってフィードバック経路の電流値を LEDの駆動電流に応じて切り替えることに より、通常発光以外では駆動電流が減るように構成し、従来の図 4に示すようなフィー ドバック構成では得られな力、つた微小電流の制御を可能にした。
[0037] トランジスタ Q2001のゲートは、 LED ONで制御される。 LEDの ND発光時、すな わち、 LED ONがハイの場合、トランジスタ Q2001が動作し、回路としては抵抗 R2 001がグランドと等価になる。したがってこの場合、 LEDに流れる電流は、抵抗 R100 1および R1002の 2つの抵抗で構成される合成抵抗値によって決定される。
[0038] LEDの ND発光時、すなわち、 LED ONがローの場合、 Q2001は動作せず、 Q2 001が無い状態と等価になる。したがってこの場合、 LEDに流れる電流は、 R1001 、 R1002、 R2001の 3つの抵抗で構成される合成抵抗値によって決定される。
[0039] このように、本発明の LED駆動装置では、 DAC電圧の切り替えで電流を制御する と共に、フィードバック経路で電流値を切り替えることにより、微小電流の制御が可能 になり、表示装置に用いた場合、従来のカラーホイールを用いたシステムの NDフィ ルタと同様の効果を得ることが可能になり、量子化ノイズを抑えた映像表現が可能に なる。
[0040] 上記実施の形態では、光源として LEDを使用するフィールドシーケンシャル方式の DLPシステムを例にとり、本発明の LED駆動装置を用いて緑色 LEDを通常発光と N D発光とに駆動する場合について説明したが、本発明はこれに限定されず、他の用 途にも適用可能である。例えば、本発明を、 LEDを光源とする照明装置として実施し 、光量を調節できるようにすることあできる。
[0041] 本発明の LED駆動装置を、液晶バックライト(LED駆動)のエリアアクティブ回路に 適用することもできる。現在、液晶のバックライトには CCFL (Cold-Cathode fluoresce nt lamp :冷陰極蛍光灯)と LEDを用いた光源があり、 LEDについては液晶ディスプ レイの色域拡大に伴って、 RGBの LEDを使用するものも登場してきている。液晶ディ
スプレイの弱点の中に黒浮があり、黒の階調表現の甘さが指摘されている。これを改 善する手段の一つにバックライトをいくつかのブロックに分け、その分けたブロックごと の光源の発光量を映像信号に同期させ制御させる方法に、エリアアクティブによる制 御がある。本発明の LED駆動装置におけるエリアアクティブ回路は、発光させる光量 をリニアに変えることが可能であり、発光量のダイナミックレンジを広くすることが可能 である。
[0042] 図 6は、本発明の LED駆動装置を適用した液晶 TVのバックライトの状態を示す図 である。バックライトに仕込まれている LEDは各ブロックごとに分けられ、表示する映 像の輝度情報に合わせて、その明るさを変えることで、液晶 TVの弱点の一つである 黒浮を改善している。
[0043] 図 7は、図 4に示す従来の LED駆動装置における代表特性である。横軸が電流を 制御する電圧で、縦軸が LEDに流れる電流を表している。図 8は、図 5に示す本発 明の LED駆動装置における代表特性である。図 7と同様に横軸が電流を制御する電 圧で、縦軸が LEDに流れる電流を表している。図 8に示すように、本発明の LED駆 動回路は、 2つのモードによる特性を有しており、これらのモード(図 5中の ND端子) を切り替えることによって、広い範囲において、 LEDに流れる電流を制御している。こ のこと力、ら、図 9に示すように LEDの明るさと LEDに流す電流の関係は確定され、本 発明の LED駆動装置で飛躍的なダイナミックレンジが可能になる。したがって、本発 明の LED駆動装置を適用した液晶 TVのバックライトにおいて、上述したような黒浮 の改善の効果が得られる。
[0044] 図 4に示す従来の LED駆動装置では、直視型表示装置のバックライトに用いる場 合、 Q1010を実装しない回路で形成される。この LED駆動装置は、 LEDに流す電 流を 2段階で変化させることによって LEDの発光量を 2段階に変えることができる仕 様で設計してある。したがって、 DACの制御範囲を 2段階で切り替えて使用すること ができる。
[0045] R1001〜R1015は抵抗、 Q1001〜Q1010は卜ランジスタである。図 4の右上に示 す LED— VCCは LEDの大電力駆動用の電源であり、 LED— GNDはそのグランド である。右下に示すのは、マイコンと DACに接続されるコネクタである。 VCC + 3. 3
Vは制御回路用の 3. 3Vの電源である。 LED ONはバックライトを点灯させる時に ハイになる信号である。 GNDはこの回路の基準グランドである。 DAC INは、映像 信号の入力で基本的に GNDレベルから VCCレベルまでの範囲で変化する値であり 、この信号によって、 LEDに流す電流を変えることができる。
[0046] 点線で囲まれた部分はレギユレータ部である。図 4に示す LED駆動装置は、シリー ズレギユレータ構成を使用している力 スイッチングレギユレータ構成でもフィードバッ クのところの考え方は同じである。
[0047] LED用の駆動電圧 LED ONは、トランジスタ Q1009(Q1010は実装しない)で、ト ランジスタ Q1008をスィッチする。トランジスタ Q1003は、スィッチされた駆動電圧を レギュレーションして!/、る。
[0048] 図 4に示す LED駆動装置では、トランジスタ Q1002および Q1004が差動回路を構 成している。トランジスタ Q1001および Q1005は、この差動回路に信号を入力する ためのインタフェース回路を構成する。 LEDを流れる電流は、抵抗 R1001、 R1002 で構成される抵抗網に流れる。 LEDに流れる電流がこの抵抗網に流れる事でこの抵 抗網の GNDと LEDの力ソード間に電圧が発生する。この発生した電圧はトランジス タ Q1001を経由してトランジスタ Q1002に戻る。トランジスタ Q1004のベースに印加 される電圧とトランジスタ Q1002のベース電圧が同じになる様に、トランジスタ Q100 2および Q1004の差動回路はトランジスタ Q1003のベース電流を制御する。これに より、抵抗 R1001および R1002で構成される抵抗網に印加される電位は DACINの 変化に応じて変化し、 LEDに流れる電流は映像にダイレクトに応じて変わる。
[0049] しかしながら、このような電流一電圧変換を伴うフィードバック経路で電流をコント口 ールするシステムでは、微小電流の制御が難しい。 Q1005のベース電位をゼロにし ても、喑電流(漏れ電流)が発生するため、 Q 1001のベース電圧はゼロにならない。 この場合、光量を絞ることが困難になる。
[0050] 図 10は、本発明による LED駆動装置を示す回路図である。 R1001—R1015, R2 001は抵抗、 Q1001—Q1010, Q2001は卜ランジスタである。図 10の右上に示す L ED— VCCは LEDの大電力駆動用の電源であり、 LED— GNDはそのグランドであ る。右下に示すのは、マイコンと DACに接続されるコネクタである。 VCC + 3. 3Vは
制御回路用の 3. 3Vの電源である。
[0051] LED ONはバックライトを点灯させる時にハイになる信号である。 GNDはこの回路 の基準グランドである。 DAC INは、映像信号の入力で基本的に GNDレベル力も V CCレベルまでの範囲で変化する値であり、この信号によって、 LEDに流す電流を変 えること力 Sできる。
[0052] 点線で囲まれた部分はレギユレータ部である。図 10に示す LED駆動装置も、シリ 一ズレギユレータ構成を使用している力 スイッチングレギユレータ構成でもフィード ノベックのところの考え方は同じである。
[0053] LED用の駆動電圧 LED ONは、トランジスタ Q1009(Q1010は実装しない)で、ト ランジスタ Q1008をスィッチする。トランジスタ Q1003は、スィッチされた駆動電圧を レギュレーションして!/、る。
[0054] 図 10に示す LED駆動装置では、トランジスタ Q1002および Q1004が差動回路を 構成している。トランジスタ Q1001および Q1005は、この差動回路に信号を入力す るためのインタフェース回路を構成する。 LEDを流れる電流は、抵抗 R1001、 R100 2、 R2001で構成される抵抗網に流れる。 LEDに流れる電流がこの抵抗網に流れる 事でこの抵抗網の GNDと LEDの力ソード間に電圧が発生する。この発生した電圧は トランジスタ Q1001を経由してトランジスタ Q1002に戻る。トランジスタ Q1004のべ 一スに印加される電圧とトランジスタ Q1002のベース電圧が同じになる様に、トランジ スタ Q1002および Q1004の差動回路はトランジスタ Q1003のベース電流を制御す る。これにより、抵抗 R1001および R1002で構成される抵抗網に印加される電位は DACINの変化に応じて変化し、 LEDに流れる電流は映像にダイレクトに応じて変わ
[0055] しかしながら、上述したように、このような電流—電圧変換を伴うフィードバック経路 で電流をコントロールするシステムでは、微小電流の制御が難しい。 Q1005のべ一 ス電位をゼロにしても、喑電流(漏れ電流)が発生するため、 Q1001のベース電圧は ゼロにならない。
[0056] 図 10に記載の本発明の LED駆動装置では、以下に説明するようにトランジスタ Q2 001によってフィードバック経路の電流値を LEDの駆動電流に応じて切り替えること
により、通常発光以外では駆動電流が減るように構成し、従来の図 4に示すようなフィ ードバック構成では得られなかった微小電流の制御を可能にした。
[0057] トランジスタ Q2001のゲートは、 NDの反転信号で制御される。 LEDを NDで発光さ せない時、トランジスタ Q2001が動作し、回路としては抵抗 R2001がグランドと等価 になる。したがってこの場合、 LEDに流れる電流は、抵抗 R1001および R1002の 2 つの抵抗で構成される合成抵抗値によって決定される。
[0058] LEDの ND発光時、すなわち、 Q2001のゲート電圧がローの場合、 Q2001は動 作せず、 Q2001が無い状態と等価になる。したがってこの場合、 LEDに流れる電流 は、 R1001、 R1002、 R2001の 3つの抵抗で構成される合成抵抗値によって決定さ れる。
[0059] このように、本発明の LED駆動装置では、 DACINに印加される映像によって、駆 動電流を制御すると共に、フィードバック経路で電流値を切り替えることにより、微小 電流の制御を可能にしている。直視型表示装置に用いた場合、従来のパルス発光 での調光と同様の効果を得ることが可能になり、スイッチングノイズを抑える事が可能 になる。
[0060] 上記実施の形態では、光源として LEDを使用したバックライト方式の液晶システム を例にとり、 2例目を説明したが、本発明はこれに限定されず、他の用途にも適用可 能である。例えば、本発明を、 LEDを光源とする照明装置として実施し、光量を調節 でさるようにすることあでさる。
[0061] 本発明の LED駆動装置は、 LEDを表示装置として使用する場合の駆動装置にも 適用可能である。従来、電光掲示板などに使用されるディスプレイには LEDが使用 されてきており、簡単な文字等を表現しているのが主流である。パチンコ店等の電光 掲示板には一部アニメーション等も登場はしている力 その映像の品位は、残念なが ら液晶ディスプレイのレベルには至ってレヽなレ、。
[0062] 本発明の LED駆動装置を使用すれば、駆動する LEDの駆動電流をダイナミックに 変更ができるため、従来の RGBそれぞれの ON/OFFによる組み合わせだけでなく 、多彩な色まで表現が可能になる。
[0063] 図 8を参照して説明したように、図 5/図 10に示す本発明の LED駆動装置は、 2つ
のモードによる特性を有しており、これらのモードを切り替えることによって、広い範囲 において、 LEDに流れる電流を制御している。したがって、図 9に示すように LEDの 明るさと LEDに流す電流の関係は確定され、本発明の LED駆動装置で飛躍的なダ イナミックレンジが可能になる。これにより、 RGBに分解された映像信号に必要な輝 度の変化に見合う制御が可能になり、多くの色を RGB個別の明るさを変えることで、 表現でさるようになる。
[0064] 図 11は、本発明の LED駆動装置を適用する LED表示装置の概念図である。 RG Bで 1パッケージとした LEDを複数個有し、各 LEDを本発明の LED駆動装置で駆動 することにより、きめ細かい輝度のレベルを表現することが可能になる。
産業上の利用可能性
[0065] 本発明は LED駆動装置に利用可能である。