WO2007111037A1

WO2007111037A1 - 注射針分離装置

Info

Publication number: WO2007111037A1
Application number: PCT/JP2007/051237
Authority: WO
Inventors: Tetsu Sakaida; Masaaki Okuda
Original assignee: Kokuyo Alumi Co., Ltd.
Priority date: 2006-03-27
Filing date: 2007-01-26
Publication date: 2007-10-04
Also published as: JP2007259891A

Abstract

　本発明は、装置構成の簡素化，コンパクト化を図ったり、製造コストを低減したり、注射針を強固に挟持することができる注射針分離装置に関する。注射針分離装置１は、注射針Ｈが挿入される貫通穴１６ａを備えた注射器受け１６、注射器受け１６が取り付けられる移動部材１１、移動部材１１の上下方向への移動を案内する案内部材１７からなる案内機構部１０と、互いに対峙して配置される揺動部材２１及び受け部材２２、これらの対峙方向と直交する水平な軸線中心に揺動部材２１を揺動自在に支持する支持機構２３、移動部材１１の上下方向への移動と連動させて揺動部材２１を揺動させる揺動機構３０からなり、揺動部材２１及び受け部材２２によって注射針Ｈを挟持する挟持機構部２０と、注射針Ｈを加熱する加熱機構部と、移動部材１１を上方に付勢する圧縮ばね３９と、注射器本体Ｔから抜き取られた注射針Ｈを回収する回収機構部４６とを備える。　

Description

注射針分離装置

技術分野

[0001] 本発明は、使用済みの注射器から注射針を抜き取る注射針分離装置に関する。

背景技術

[0002] 使用済みの注射器は、これを取り扱う者が誤って注射針に触れると、 2次感染を引き起こす恐れがあり、危険である。また、注射器は、筒状に形成されて一定の内容積を有する合成樹脂製の注射器本体と、注射器本体の先端部に設けられた金属製の注射針と、合成樹脂製のピストン本体及びこれの先端部に設けられた合成ゴム製のシール部材を備えたピストンとから構成されており、その廃棄に当たっては、廃棄物処理やリサイクルの観点から合成樹脂部分，合成ゴム部分及び金属部分にそれぞれ分別して廃棄することが好まし、。

[0003] このため、近年、注射器本体から注射針を抜き取って注射器本体と注射針とを分離する装置が提案されており、このような装置として、例えば、特開 2001— 25493号公報に開示された注射針処理装置がある。

[0004] この注射針処理装置は、注射針を加熱する加熱部と、加熱部の上方に配設され、注射針を加熱部側に案内する案内部と、加熱部の下方に配設され、注射針を引き抜く引抜部と、引抜部の下方に配設され、引き抜かれた注射針を回収する回収ボックスなどカゝら構成される。

[0005] 前記案内部は、上下方向に移動自在に設けられた平面視円形の移動部材と、移動部材に係合し、その上下方向への移動を案内する案内部材とを備え、移動部材は、その中心部に注射針の挿入される貫通穴が上下に貫通して形成されるとともに、貫通穴内に挿入された注射針が下方に突出するように形成されている。尚、移動部材は、ばね体によって上方に付勢されている。

[0006] 前記加熱部は、移動部材の貫通穴の下方位置に軸線が上下方向に沿って配置され、注射針の外周面から一定間隔を隔てるように巻かれたコイルと、コイルに交流電流を流す交流電源とを備え、コイルを流れる交流電流によって注射針に渦電流を発生させて発熱させる。

[0007] 前記引抜部は、コイルの下方位置に軸線が水平に配置され、軸線中心に回転自在に設けられた第 1ローラと、駆動モータ及びこれの回転力を伝達する伝達歯車などから構成され、第 1ローラを軸線中心に回転させる駆動機構と、軸線が第 1ローラの軸線と平行且つ外周面が第 1ローラの外周面と対向するように配置され、軸線中心に回転自在且つ軸線と直交する水平方向に移動自在に設けられた第 2ローラと、第 2ローラを第 1ローラ側に付勢するばね体とを備え、駆動機構により第 1ローラを注射針引抜方向に対応した回転方向に回転させるとともに、第 1ローラ及び第 2ローラにより注射針を挟持することで、注射針を下方に引き抜く。

[0008] 前記回収ボックスは、上部が開口して形成されており、注射器本体から引き抜かれた注射針が当該回収ボックス内に落下するように各ローラの下方位置に配置される。

[0009] この注射針処理装置によれば、例えば、交流電源によってコイルに交流電流を流した状態且つ駆動機構によって第 1ローラを回転させた状態で、オペレータが、使用済み注射器の注射針を移動部材の貫通穴内に挿入して注射器本体を移動部材に当接させ、当該注射器本体を移動部材とともにばね体の付勢力に抗して下方に押し下げていくと、注射針は、コイル内を通って第 1ローラ及び第 2ローラに達し、当該各口ーラにより挟持される。

[0010] 注射針は、コイルを流れる交流電流によって発生した渦電流により発熱して温度上昇し、この温度上昇によって注射器本体の注射針付根部が溶融すると、第 1ローラ及び第 2ローラの引抜作用によって注射器本体力引き抜かれる。そして、引き抜かれた注射針は回収ボックス内に落下して回収される。一方、注射針の引き抜かれた注射器本体及び移動部材は、ばね体の付勢力によって移動部材が元の位置に戻るまで上方に押し上げられる。

[0011] 特許文献 1 :特開 2001— 25493号公報

発明の開示

発明が解決しょうとする課題

[0012] し力しながら、駆動機構により第 1ローラを回転させて注射針を注射器本体から引き抜くように構成された上記従来の注射針処理装置では、当該駆動機構を設けることによって、装置構成が複雑化，大型化したり、製造コストが高くなるなどの問題があつた。

[0013] また、第 1ローラ及び第 2ローラによって注射針を挟持したのでは、第 2ローラが第 1 ローラ側に付勢されていたとしても、十分な挟持力を得ることができず、第 1ローラが空回りして注射針を引き抜き難いという問題や、移動部材を上方に付勢するばね体の付勢力によって注射針が各ローラ間力も滑り抜け、当該移動部材及び注射器本体力注射針の引抜処理が未完了の段階で上昇するという問題もある。

[0014] 本発明は、以上の実情に鑑みなされたものであって、装置構成の簡素化，コンパクト化を図ったり、製造コストを低減したり、注射針を強固に挟持することができる注射針分離装置の提供をその目的とする。

課題を解決するための手段

[0015] 上記目的を達成するための本発明は、

合成樹脂製の注射器本体から、その先端部に設けられた金属製の注射針を抜き取る注射針分離装置であって、

上下方向に移動自在に設けられ、前記注射針の外径よりも大きぐ前記注射器本体の外径よりも小さい貫通穴が上下に貫通するように形成された移動部材と、該移動部材に係合し、その上下方向への移動を案内する案内部材とを備えた案内手段と、前記移動部材の下方位置に互いに対畤して配置される揺動部材及び受け部材と、該揺動部材及び受け部材の対畤方向と直交する水平な軸線中心に前記揺動部材を揺動自在に支持する支持部材と、前記揺動部材を揺動させる揺動手段とを備え、前記揺動部材及び受け部材により前記注射針を挟持する挟持手段と、

前記注射針を加熱する加熱手段と、

前記移動部材を上方に付勢する付勢手段と、

前記揺動部材及び受け部材の下方に配設され、前記注射器本体から抜き取られた注射針を回収する回収手段とからなる注射針分離装置において、

前記移動部材は、その貫通穴内に前記注射針が上側から挿入されて、挿入された注射針が下方に突出するように構成され、

前記揺動部材は、前記受け部材との対畤部たる先端部が先鋭に形成され、前記受け部材は、前記揺動部材との対畤面が鉛直に形成され、

前記揺動手段は、前記揺動部材の後端部と移動部材との間に設けられた圧縮ばねと、軸線が上下方向に沿って配置されるとともに、前記移動部材に対して上下方向に相対移動自在に設けられ、上端部が前記移動部材を貫通して上方に突出し、下端部が前記揺動部材の後端部に接続した支持軸と、該支持軸の上端部に設けられて前記移動部材と係合する係合部材とから構成されてなり、

前記移動部材が上端位置にあるときには、前記移動部材と係合部材との係合関係により、前記揺動部材の後端部が先端部よりも上方に位置して前記揺動部材と受け部材との間に前記注射針の外径よりも大きい隙間が形成され、前記移動部材が下方に移動すると、前記揺動部材が揺動して前記注射針が前記揺動部材及び受け部材により挟持されるように構成されてなることを特徴とする注射針分離装置に係る。

[0016] この発明によれば、オペレータが、使用済み注射器の注射針を移動部材の貫通穴内に挿入して注射器本体の先端部を当該移動部材に当接させ、当該注射器本体を移動部材とともに付勢手段の付勢力に杭して下方に押し下げると、注射針が揺動部材と受け部材との間に挿入されるとともに、支持軸が圧縮ばねの付勢力により下方に移動して揺動部材が揺動する。尚、移動部材の移動は案内部材によって案内される

[0017] 揺動部材が揺動すると、その先端部が上方に、その後端部が下方に向けて旋回して、揺動部材と受け部材との間の隙間が次第に狭くなり、やがて揺動部材の先端部が注射針の外周面に当接して、当該注射針が圧縮ばねの付勢力によって揺動部材及び受け部材により挟持される。このとき、注射針は、揺動部材の先端部が先鋭に形成されていることから強固に挟持されており、オペレータが注射器本体から手を放しても、注射器本体及び注射針に作用する付勢手段の付勢力によって注射針が揺動部材と受け部材との間から滑り抜けることはない。

[0018] また、下方に移動した注射針は、加熱手段によって加熱されるようになっており、注射針が温度上昇して注射器本体の注射針付根部が溶融すると、付勢手段の付勢力によって移動部材及び注射器本体が上方に押し上げられるとともに、移動部材と係合部材との係合関係力支持軸が上方に移動して揺動部材が揺動し、その先端部が下方に、その後端部が上方に向けて旋回する。

[0019] これにより、注射針は、下方に送り出されるようにして注射器本体力抜き取られ、回収手段に回収される。そして、移動部材は付勢手段の付勢力によって元の位置まで上昇し、このようにして一連の注射針抜取処理が完了する。

[0020] 斯くして、本発明に係る注射針分離装置によれば、注射針を圧縮ばねの付勢力によって揺動部材及び受け部材により挟持し、付勢手段の付勢力によって注射器本体を上方に移動させるとともに、揺動部材の揺動によってその先端部を下方に向けて旋回させることにより、前記挟持した注射針を下方に送り出すようにして注射器本体力抜き取るように構成したので、駆動モータ及び伝達歯車など力もなる駆動機構を備えた上記従来の注射針処理装置に比べ、装置構成の簡素化，コンパクト化を図つたり、製造コストを低減することができる。

[0021] また、先端部が先鋭に形成された揺動部材及び受け部材によって注射針を挟持するようにしており、当該注射針を強固に挟持することができるので、注射針が付勢手段の付勢力によって揺動部材と受け部材との間力も滑り抜け、注射針抜取処理が未完了の段階で移動部材及び注射器本体が上昇するのを防止することができる。

[0022] また、揺動部材を揺動させて注射針を挟持して、るので、注射針の太さに関係なく当該注射針分離装置を使用することができ、また、揺動部材の揺動により注射針を下方に送り出しているので、より注射針を抜き取り易くすることができる。

[0023] 尚、前記注射針分離装置は、前記揺動部材及び受け部材の双方又は一方を、該揺動部材及び受け部材が近づく方向及び離れる方向に移動させて、該揺動部材と受け部材との間に形成される隙間の大きさを調整する調整手段を更に備えて構成されていても良ぐこのようにすれば、当該注射針分離装置をより各種の注射器に対応させることがでさる。

発明の効果

[0024] 以上のように、本発明に係る注射針分離装置によれば、装置構成の簡素化，コンノクトイ匕を図ったり、製造コストを低減したり、より確実に注射針抜取処理を行ったり、様々な太さの注射針を注射器本体力抜き取ることができる。

図面の簡単な説明 [図 1]本発明の一実施形態に係る注射針分離装置の概略構成を示した斜視図である

[図 2]図 1に示した注射針分離装置の断面図であって、図 5における矢示 A— A方向の断面図である。

[図 3]図 1に示した注射針分離装置の断面図であって、図 5における矢示 A— A方向の断面図である。

[図 4]図 1に示した注射針分離装置の断面図であって、図 5における矢示 B— B方向の断面図である。

[図 5]図 2における矢示 C C方向の断面図である。

圆 6]本実施形態の調整機構部による位置調整を説明するための説明図である。符号の説明

1 注射針分離装置

10 案内機構部

11 移動部材

16 注射器受け

17 案内軸

20 挟持機構部

21 揺動部材

22 受け部材

23 支持機構

24 一対の支持板

25 支持ブロック

26 第 1支持ピン

27 第 2支持ピン

28 第 3支持ピン

30 揺動機構

31 接続部材

32 支持軸 33 圧縮ばね

34 係合部材

35 ナット

38 ヒータ

39 圧縮ばね

40 調整機構部

41 調整ボルト

42 綱ヒノ

45 基台

46 回収機構部

47 保持部材

48 回収ボックス

50 カバー体

発明を実施するための最良の形態

[0027] 以下、本発明の具体的な実施形態について、添付図面に基づき説明する。尚、図 1は、本発明の一実施形態に係る注射針分離装置の概略構成を示した斜視図である。また、図 2及び図 3は、図 1に示した注射針分離装置の断面図であって、図 5における矢示 A— A方向の断面図であり、図 4は、図 1に示した注射針分離装置の断面図であって、図 5における矢示 B— B方向の断面図であり、図 5は、図 2における矢示 C C方向の断面図である。また、図 6は、本実施形態の調整機構部による位置調整を説明するための説明図である。

[0028] 図 1乃至図 6に示すように、本例の注射針分離装置 1は、注射器本体 (注射器)丁の注射針 Hを挟持する挟持機構部 20と、注射針 Hが挟持機構部 20によって挟持されるように案内する案内機構部 10と、挟持機構部 20によって挟持された注射針 Hを加熱するヒータ 38と、案内機構部 10の移動部材 11を上方に付勢する圧縮ばね 39と、挟持機構部 20の揺動部材 21と受け部材 22との間に形成される隙間の大きさを調整する調整機構部 40と、前記挟持機構部 20及び案内機構部 10が取り付けられ、平面視矩形状をしたブロック状の基台 45と、基台 45の下側に設けられ、注射器本体 Tから抜き取られた注射針 Hを回収する回収機構部 46と、前記挟持機構部 20,案内機構部 10,圧縮ばね 39,調整機構部 40及び基台 45の上面を覆うカバー体 50などから構成される。尚、基台 45の中央部には、上下に貫通する貫通穴 45aが形成されている。

[0029] 前記案内機構部 10は、上下方向に移動自在に設けられた移動部材 11と、移動部材 11に取り付けられた注射器受け 16と、軸線が上下方向に沿って配置され、移動部材 11に係合してその上下方向への移動を案内する案内軸 17とを備えており、移動部材 11が注射器受け 16を介して注射器本体 Tの先端部を受けるように構成されている。

[0030] 前記移動部材 11は、上部が開口した中空の円筒状に形成され、軸線が上下方向に沿って配置された円筒部 12と、円筒部 12の上部に形成された平面視矩形状のフランジ部 13と、円筒部 12の外周面の、円筒部 12の軸線を間に挟んだ両側位置であり且つフランジ部 13の隅部に設けられ、前記案内軸 17と係合する係合穴 14aが上下に貫通した 2つの案内軸係合部 14と、円筒部 12の外周面であり且つ案内軸係合部 14が形成されていないフランジ部 13の隅部に設けられ、挟持機構部 20の支持軸 32 と係合する係合穴 15aが上下に貫通した支持軸係合部 15とからなり、前記円筒部 12 の底面の中央には、貫通穴 12aが上下に貫通し、前記案内軸係合部 14及び支持軸係合部 15の各係合穴 14a, 15aには、前記案内軸 17及び支持軸 32が上下方向に相対移動自在にそれぞれ嵌挿される。

[0031] 前記注射器受け 16は、中央部が下方に突出するように形成されるとともに、上下に貫通する、基台 45の貫通穴 45aと同軸の貫通穴 16aが中央部に形成されており、移動部材 11の円筒部 12の底面にその貫通穴 12aから中央部が下方に突出するように配設される。前記貫通穴 16aの内径は、下部側にかけて小さくなるように形成されるとともに、注射針 Hの外径よりも大きぐ注射器本体 Tの外径よりも小さく形成される。尚、注射器受け 16及び移動部材 11は、当該注射器受け 16の貫通穴 16a内に注射針 Hが上側カゝら挿入されると、挿入された注射針 Hが下方に突出するように構成される

[0032] 前記案内軸 17は、その下端部が基台 45の隅部上面に固設され、上端部には、移動部材 11のフランジ部 13の上面と係合するストッパ 17aが設けられる。

[0033] 前記圧縮ばね 39は、前記案内軸 17が挿通されて基台 45と移動部材 11の案内軸係合部 14との間に設けられており、移動部材 11を上方に付勢するように構成される

[0034] 前記挟持機構部 20は、移動部材 11及び注射器受け 16の下方位置に互いに対畤して配置される揺動部材 21及び受け部材 22と、揺動部材 21及び受け部材 22の対畤方向と直交する水平な軸線中心に揺動部材 21を揺動自在に支持する支持機構 2 3と、揺動部材 21を揺動させる揺動機構 30とを備える。

[0035] 前記揺動部材 21は、細長に形成されるとともに、受け部材 22との対畤部たる長手方向の先端部が先鋭に形成され、長手方向の後端部に、揺動中心軸と直交する平面と平行であり且つ一定間隔を隔てて対向した対向部 21aと、この対向部 21a間に揺動中心軸と平行に設けられた係合ピン 21bとを備える。

[0036] 前記受け部材 22は、基台 45の上面に固設され、揺動部材 21との対畤面が鉛直に形成される。また、受け部材 22には、前記ヒータ 38が内臓されており、受け部材 22 の表面 (前記鉛直面）に当接した注射針 Hがこのヒータ 38によって加熱されるようになっている。尚、揺動部材 21と受け部材 22との間には、隙間が形成されるようになつており、この隙間は、注射器受け 16の貫通穴 16aの下方位置に形成される。

[0037] 前記支持機構 23は、揺動部材 21及び受け部材 22を間に挟むように一定間隔を隔てて且つ前記揺動中心軸と直交する平面と平行に配置された一対の支持板 24と、揺動部材 21の下方に配置されて基台 45の上面に固設され、この支持板 24を支持する支持ブロック 25と、一対の支持板 24間に揺動中心軸と平行に設けられた第 1支持ピン 26,第 2支持ピン 27及び第 3支持ピン 28とからなり、第 1支持ピン 26によって揺動部材 21の長手方向の中央部を揺動自在に支持している。

[0038] 前記第 2支持ピン 27は、前記支持ブロック 25に形成された長穴 25a内に、前記第 3 支持ピン 28は、前記受け部材 22に形成された長穴 22a内にそれぞれ嵌挿されて支持され、当該各長穴 25a, 22a内を揺動部材 21及び受け部材 22の対畤方向に移動自在となっている、即ち、一対の支持板 24及び揺動部材 21が当該対畤方向に移動自在となっている。尚、各長穴 25a, 22aは、その長手方向が揺動部材 21及び受け部材 22の対畤方向と平行となるように形成されて!、る。

[0039] 前記揺動機構 30は、上下に貫通する貫通穴 3 laを備えるとともに、揺動部材 21の対向部 21a間に挿入されて係合ピン 21bと係合する切欠き部 31bを揺動部材 21側の側面に備えるブロック状の接続部材 31と、軸線が上下方向に沿って配置され、上端部が移動部材 11の支持軸係合部 15の係合穴 15a内に嵌挿されて上方に突出し、下端部が接続部材 31の貫通穴 31a内に嵌挿されて下方に突出した支持軸 32と、支持軸 32が挿通されて接続部材 31と移動部材 11の支持軸係合部 15との間に設けられ、接続部材 31を下方に、移動部材 11を上方に付勢する圧縮ばね 33と、支持軸 32の上端部に設けられて移動部材 11のフランジ部 13の上面と係合する係合部材 3 4と、支持軸 32の下端部に形成されたねじ溝と螺合し、接続部材 31の下面が当接するナット 35とからなる。尚、接続部材 31の切欠き部 31bは、揺動部材 21の揺動及び揺動部材 21 (—対の支持板 24)の前記対畤方向への移動に伴う係合ピン 21bの水平方向への移動を許容可能に構成される。

[0040] また、この揺動機構 30は、移動部材 11が上端位置にあるときには（即ち、案内軸 1 7の上端部のストッパ 17aとフランジ部 13の上面とが係合しているときには）、フランジ部 13と係合部材 34との係合関係により支持軸 32及び接続部材 31を上方に移動させた状態として、当該接続部材 31の係合部 31bと係合ピン 21bとの係合関係により揺動部材 21の後端部を先端部よりも上方に位置させて揺動部材 21と受け部材 22との間に注射針 Hの外径よりも大きい隙間を形成する一方、移動部材 11が下方に移動すると、圧縮ばね 33の付勢力により支持軸 32及び接続部材 31を下方に移動させて当該接続部材 31の係合部 31bと係合ピン 21bとの係合関係により揺動部材 21を揺動させ、注射針 Hを揺動部材 21及び受け部材 22によって挟持するように構成されている。

[0041] 前記調整機構部 40は、受け部材 22の、揺動部材 21との対畤面側とは反対側の側面に形成されたねじ穴 22bに螺合し、外周面に環状溝 41aを備えた調整ボルト 41と、一対の支持板 24間に揺動中心軸と平行に設けられ、調整ボルト 41の環状溝 41aと係合する調整ピン 42とを備え、調整ボルト 41を出し入れすることにより、調整ピン 42 とともに一対の支持板 24及び揺動部材 21を前記対畤方向に移動させて、揺動部材 21と受け部材 22との間に形成される隙間の大きさを調整する。

[0042] 前記回収機構部 46は、基台 45の下面に固設され、上部及び 4側面の内の一つが開口した中空の保持部材 47と、前記開口した側面力水平方向に引き出し可能に保持部材 47の中空部内に収容され、上部が開口した回収ボックス 48とからなり、注射器本体 Tから抜き取られ、基台 45の貫通穴 45aを通って下方に落下した注射針 H を回収ボックス 48内に回収する。

[0043] 前記カバー体 50は、下端部が基台 45の側面に接続し、上端部が移動部材 11の円筒部 12の内周面に入り込むように形成されて内部を閉塞する。また、カバー体 50 には、係合部材 34が突出する貫通穴 50aが形成されている。

[0044] 以上のように構成された本例の注射針分離装置 1によれば、オペレータが、使用済み注射器の注射針 Hを注射器受け 16の貫通穴 16a内に挿入して注射器本体 Tの先端部を当該注射器受け 16に当接させ、当該注射器本体 Tを注射器受け 16及び移動部材 11とともに圧縮ばね 39の付勢力に抗して下方に押し下げると、注射針 Hが揺動部材 21と受け部材 22との間に挿入されるとともに、圧縮ばね 33の付勢力により支持軸 32及び接続部材 31が下方に移動して当該接続部材 31の係合部 31bと係合ピン 21bとの係合関係により揺動部材 21が揺動する（図 3参照)。尚、移動部材 11の移動は案内軸 17によって案内されている。

[0045] 揺動部材 21が揺動すると、その先端部が上方に、その後端部が下方に向けて旋回して、揺動部材 21と受け部材 22との間の隙間が次第に狭くなり、やがて揺動部材 21の先端部が注射針 Hの外周面に当接して、当該注射針 Hが圧縮ばね 33の付勢力によって揺動部材 21及び受け部材 22により挟持される（図 3参照)。このとき、注射針 Hは、揺動部材 21の先端部が先鋭に形成されていることから強固に挟持されており、オペレータが注射器本体 Tから手を放しても、注射器本体 T及び注射針 Hに作用する圧縮ばね 39の付勢力によって注射針 Hが揺動部材 21と受け部材 22との間から滑り抜けることはない。

[0046] また、注射針 Hが揺動部材 21及び受け部材 22により挟持されると、注射針 Hの外周面が受け部材 22の揺動部材 21との対畤面に当接して、この受け部材 22に内蔵されたヒータ 38によって加熱される。そして、注射針 Hが温度上昇し、注射器本体丁の注射針付根部が溶融すると、圧縮ばね 39の付勢力によって注射器受け 16,移動部材 11及び注射器本体 Tが上方に押し上げられるとともに、移動部材 11が所定位置まで上昇すると、当該移動部材 11のフランジ部 13と係合部材 34とが係合して支持軸 3 2及び接続部材 31が上方に移動し、当該接続部材 31の係合部 3 lbと係合ピン 2 lb との係合関係により揺動部材 21が揺動して、その先端部が下方に、その後端部が上方に向けて旋回する（図 2参照)。

[0047] これにより、注射針 Hは、下方に送り出されるようにして注射器本体 Tから抜き取られ、抜き取られた注射針 Hは、基台 45の貫通穴 45aを通って下方に落下し、回収ボックス 48内に回収される。そして、注射器受け 16及び移動部材 11は、圧縮ばね 39 の付勢力によって元の位置まで上昇し、このようにして一連の注射針抜取処理が完了する。

[0048] 尚、上記のような注射針抜取処理が所定回数繰り返されると、オペレータにより、回収ボックス 48が保持部材 47から引き出されて、当該回収ボックス 48内の、抜き取られた注射針 Hが適宜廃棄される。また、揺動部材 21と受け部材 22との間に形成された隙間と注射針 Hの太さが合わない場合には、調整ボルト 41を回転させることにより一対の支持板 24及び揺動部材 21を前記対畤方向に移動させて当該隙間の大きさが調整される（図 6参照)。

[0049] このように、本例の注射針分離装置 1によれば、注射針 Hを圧縮ばね 33の付勢力によって揺動部材 21及び受け部材 22により挟持し、圧縮ばね 39の付勢力によって注射器本体 Tを上方に移動させるとともに、揺動部材 21の揺動によってその先端部を下方に向けて旋回させることにより、前記挟持した注射針 Hを下方に送り出すようにして注射器本体 Tから抜き取るように構成したので、駆動モータ及び伝達歯車などからなる駆動機構を備えた上記従来の注射針処理装置に比べ、装置構成の簡素化 ,コンパクトィ匕を図ったり、製造コストを低減することができる。

[0050] また、先端部が先鋭に形成された揺動部材 21及び受け部材 22によって注射針 H を挟持するようにしており、当該注射針 Hを強固に挟持することができるので、注射針 Hが圧縮ばね 39の付勢力によって揺動部材 21と受け部材 22との間から滑り抜け、注射針抜取処理が未完了の段階で注射器受け 16,移動部材 11及び注射器本体 T が上昇するのを防止することができる。

[0051] また、揺動部材 21を揺動させて注射針 Hを挟持しているので、注射針 Hの太さに関係なく当該注射針分離装置 1を使用することができ、また、揺動部材 21の揺動により注射針 Hを下方に送り出しているので、より注射針 Hを抜き取り易くすることができる

[0052] また、調整ボルト 41により、揺動部材 21と受け部材 22との間に形成された隙間の大きさを調整することができるので、当該注射針分離装置 1をより各種の注射器に対応させることができる。

[0053] 以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明の採り得る具体的な態様は、何らこれに限定されるものではない。

[0054] 上例では、受け部材 22に内蔵したヒータ 38によって注射針 Hを加熱するように構成したが、これに限られるものではなぐ例えば、コイルに交流電流を流して注射針 H に渦電流を発生させることで、当該注射針 Hを加熱するようにしても良い。また、調整機構部 40の構成についても、揺動部材 21と受け部材 22との間の隙間を調整可能であればどのような構成でも良ぐ上例のものに限定されるものではない。また、支持軸 32と接続部材 31との連結は、支持軸 32の下端部にねじ溝（図示せず)を、接続部材 31にねじ穴（図示せず)を形成して、当該ねじ溝（図示せず）とねじ穴（図示せず)の螺合関係により支持軸 32及び接続部材 31を連結するようにしても良い。

産業上の利用可能性

[0055] 以上詳述したように、本発明は、使用済みの注射器から注射針を抜き取る注射針分離装置に好適に適用することができる。

Claims

請求の範囲

前記注射針を加熱する加熱手段と、

前記移動部材を上方に付勢する付勢手段と、

前記移動部材が上端位置にあるときには、前記移動部材と係合部材との係合関係により、前記揺動部材の後端部が先端部よりも上方に位置して前記揺動部材と受け部材との間に前記注射針の外径よりも大きい隙間が形成され、前記移動部材が下方に移動すると、前記揺動部材が揺動して前記注射針が前記揺動部材及び受け部材により挟持されるように構成されてなることを特徴とする注射針分離装置。前記揺動部材及び受け部材の双方又は一方を、該揺動部材及び受け部材が近づく方向及び離れる方向に移動させて、該揺動部材と受け部材との間に形成される隙間の大きさを調整する調整手段を更に備えてなることを特徴とする請求項 1記載の注射針分離装置。