WO2007043441A1 - 燃料電池カソード用合金触媒 - Google Patents

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Abstract

 燃料電池に用いる酸素還元反応用合金触媒であり、少なくとも、Pd,Co,Auを含有し、かつ、Pdが20原子%≦Pd<70原子%、Coが30原子%≦Co<70原子%、Auが0原子%<Au≦30原子%であることを特徴とする合金触媒。

Description

明 細 書
燃料電池力ソード用合金触媒
技術分野
[0001] 本発明は、固体高分子型燃料電池の力ソード用合金触媒及びその製造方法に関 する。
背景技術
[0002] 燃料電池は水素、エタノールなどを電気化学的に反応させて電気エネルギーを直 接得る装置であり、高効率かつ低公害性な発電システムとして近年注目されている。 この燃料電池は、使用される電解質などの違いにより数種類に分類され、溶融炭酸 塩型 (MCFC)、リン酸型 (PAFC)、固体酸化物型(SOFC)、固体高分子型(PEFC )等がある。これらの中で、 PEFCは他の方式に比べて低温での駆動が可能で、かつ 小型、軽量、簡便性などの利点を有するので、自動車用や家庭用定置型コジエネレ ーシヨンシステム、及び、携帯電話やノート PCなどの電子端末機器用小型電源等へ の実用化に向けた検討が試されている。
PEFCで用いる燃料源には色々なものがあり、水素やアルコールなどが燃料源とし て挙げられる。比較的安価で取り扱いの容易なメタノールを燃料に用いる直接メタノ ール型 PEFCは DMFCと呼ばれ、小型化や軽量ィヒが容易であり、携帯電話やノート PC等の携帯機器用電源として注目されている。
これらの PEFCの力ソード(空気極)では、以下のような酸素還元反応(ORR)がお きている。
力ソード(空気極):0 + 4H+ + 4e" → 2H O
2 2
この反応に使用される触媒として実用化されているのは、白金 (Pt)をカーボン粒子 に担持させたものである。しかし、白金はコストが高ぐ埋蔵資源量が少ないので、例 えば燃料電池車を世界規模で普及させるだけの白金量が地球上に存在しな 、と 、う 致命的な問題がある。
[0003] 上記問題を解決するために、白金に匹敵する力、またはそれよりも高い活性を有す る非白金触媒を見出すことに関心が寄せられており開発が活発に行われている。そ れらのうち、 Pt以外の貴金属触媒の中でパラジウム (Pd)は、 ORR活性が高ぐより 安価に入手することができることから、 Pdおよび Pd合金が白金の代替物として提案さ れてきた。特に、ノラジウム—コバルト系合金は、高い ORR活性を示すことが示され TV、o (O.Savaaogoら: Electrochemistry Communications 6, 2004年, pl05— pl09) (J. L. Fernandez ¾: Journal of American Chemical Society 127, 2005年, p357- 365)0丄. F ernandezら: Journal of American Chemical Society 127, 2005牛, pl3100- pl3101)。 しかし、本発明者等のその後の検討により、従来報告されている Pd— Co系合金は 、初期性能は高いものの、経時的な性能低下が生じるため、耐久性の面で改善が必 要であることが判明した。
[0004] 非特許文献 1: O.Savadogoら: Electrochemistry Communications 6, 2004年, pl05— pi 09
非特許文献 2 : J丄. Fernandezら: Journal of American Chemical Society 127, 2005年, P357-365
非特許文献 3 : J丄. Fernandezら: Journal of American Chemical Society 127, 2005年, pl3100-pl3101
発明の開示
発明が解決しょうとする課題
[0005] 本発明は、上記した従来技術に鑑みてなされたものであり、その主な目的は、 ORR 活性及び耐久性の両面に優れた性能を有する固体高分子型燃料電池用力ソード〖こ 用いることの出来る Pd基合金触媒及びその製造方法を提供することである。
課題を解決するための手段
[0006] 本発明によれば、固体高分子型燃料電池における酸素還元反応のための合金触 媒であって、少なくとも Pd、 Coおよび Auからなり、その 3元素の組成比力 20原子% ≤Pd< 70原子%、 30原子%≤Co< 70原子%、および 0原子%<Au≤30原子% である該合金触媒を提供する。
本発明の合金では、 Coは、 Pd単独に対して活性を増大させる活性ィ匕金属であり、 一方、 Auは燃料電池での使用のために主に合金の安定性を向上させる金属である 最も適切には、 Pd、 Coおよび Auの量が図 10に示す境界曲線上にある力、または 境界曲線と PdCo軸との間に囲まれた内部にある合金触媒を提供する。
別の態様では、本発明は、担持体と本発明の合金触媒を含む、燃料電池用のカソ ードを提供する。
また、別の態様では、本発明は、プロトン電解質膜、アノード、および本発明の合金 触媒を含む力ソードの三者を含む燃料電池用の膜 Z電極接合体を提供する。
本発明はまた、プロトン電解質膜、アノード、および本発明の合金触媒を含むカソ ードを含んで成る少なくとも 1つの膜 Z電極接合体を含む燃料電池も提供する。 さらに、本発明は少なくとも Pd, Co及び Auを含有する合金触媒を炭素粉末担体上 に担持した触媒の製造方法として次の二通りの方法を提供する。
第一の製造方法は、次の工程力 なる。すなわち、 Pd溶液に炭素粉末を分散させ た後、還元剤を滴下して得られる炭素粉末上に Pdを担持して 、る Pd担持体を製造 する工程(1)と、次いで、該 Pd担持体を、 Co溶液に分散させた後、溶媒を除去して 得られた PdCo担持体、或いは、該 Pd担持体を、 Co溶液に分散させた後、更に還元 剤又は pH調整剤を滴下した後、濾過をして得られた PdCo担持体を、水素ガス又は 水素ガス含有不活性ガス雰囲気下で第一回目の焼成を行い、引き続き、不活性ガス 雰囲気下で第二回目の焼成を行って、 PdCo合金を炭素粉末上に担持している Pd Co合金担持体を製造する工程(2)と、次いで、該 PdCo合金担持体を、 Au溶液に 分散させた後、溶媒を除去して得られた PdCoAu担持体、或いは、該 PdCo合金担 持体を、 Au溶液に分散させた後、更に還元剤を滴下した後、濾過をして得られた Pd CoAu担持体を、不活性ガス雰囲気下で第三回目の焼成を行って、 PdCoAu合金 を炭素粉末上に担持して ヽる PdCoAu合金担持体を製造する工程 (3)を含んで成 る。
第二の製造方法は、ミセル内部に少なくとも Pd水溶液、 Co水溶液、 Au水溶液を含 む逆ミセル溶液 (A)に、ミセル内部に少なくとも還元剤を、必要に応じて pH調整剤を 含有する逆ミセル溶液 (B)を混合して反応させた後、炭素粉末に担持させ、次いで 焼成を行うことで、 PdCoAu合金が炭素粉末上に担持してなる PdCoAu合金担持体 を製造する方法において、該還元剤の添加量が、(A)のミセル内部の全金属イオン に対して 10当量〜 150当量であり、逆ミセル溶液 (A)及び (B)の混合後のミセル内 部の pHが、 9〜 13となるように、該 pH調整剤の添加量を調整することを特徴とする 製造方法を提供する。
発明の効果
[0008] 本発明で特定された組成範囲の PdCoAu合金触媒を固体高分子型燃料電池用力 ソード触媒として用いると、低コストで埋蔵資源量の制約を受けることがなぐかつ酸 素還元性能及び耐久性の面で優れた性能発現を提供することができる。
また、本発明で特定された製造方法により、炭素粉末担体上に合金微粒子を高分 散担持することができ、実用に適した燃料電池用触媒を提供することができる。 発明を実施するための最良の形態
[0009] ノラジウムを含む合金の薄膜をスクリーニングすることによって、本発明者等は、組 成 PdCoの二成分系合金を ORR活性の点力も最適化することができ、最適二成分系 合金組成中に Auを含めることによって、 Pd単独より優れた ORR活性を有し、安定性 が改善されている合金が提供されることを見出した。
本発明の合金は、プロトン電解質膜 (PEM)を用いた固体高分子型燃料電池の力 ソードに使用することを目的に開発された。ここで、 PEMは高分子固体電解質膜、特 にフッ素系高分子固体電解質膜を指す。
合金は、少なくとも Pd、 Coおよび Au力もなり、その 3元素の組成比が、 20原子% ≤Pd< 70原子%、 30原子%≤Co< 70原子%、および 0原子%<Au≤30原子% の範囲にある場合に触媒として特に効果的である。
最も好ましくは、組成 PdCoAuの触媒は、添付図面の図 10に表す三成分図に示 す境界曲線上にある力、または図 10の境界曲線と PdCo軸との間で囲まれた内部に あることが望ましい。
Auが 30原子%を超えると、安定性はさらに向上する力 ORR活性は低下する。触 媒活性と燃料電池安定性の両方の観点から、より好まし ヽ Auの量は最大で 20原子 %である。
[0010] DMFCの場合、力ソード触媒として Ptを用いると、メタノールクロスオーバーは OR R触媒活性を低下させる。他方、 Pdおよび Pd合金触媒の ORR活性はメタノールクロ スオーバーによって影響を受け難い。したがって、 DMFCに使用する場合、本発明 の触媒は Pt触媒よりも、コストの点だけでなく電池の実用性能の点でも優れて 、る。 本発明による Pd、 Coおよび Auを含む合金触媒は必要に応じて他の金属をさらに 含むことができる。その含有の態様としては、 PdCoAu合金に他の元素を合金化させ てもよいし、又は PdCoAu合金以外の物質を混在させてもよい。前者の場合、金属 又は非金属のいずれでもよいが、 PdCoAu合金あるいは Pd, Co, Auのいずれかと 合金化できるものに限る。但し、 Ptを選択した場合は、本発明の目的から外れないよ うに、できるだけ少量とする。合金化できる元素としては、 Ti、 Fe、 Ni、 Nb、 Mo、 Ta、及 び Wが好ましぐ中でも Ti、 Fe、及び Niが好ましい。又、他の元素の数は、合金化で きる範囲ならば特に制限はない。他の元素の添加量の上限は、 PdCoAu合金の触 媒としての性能を阻害しないといった観点から、合金中のモル比率が 25%以下とし、 下限は、添加する元素の効果を発揮できる最小限の量とすればよい。他方、 PdCoA u合金以外の物質を混在させる場合、混在させることの出来る物質としては、例えば、 金属、合金、ぺロブスカイト型、ブロンズ型、パイロクロア型などの金属酸化物、金属 窒化物、金属硫化物、配位高分子型錯体、大環状金属錯体などが挙げられる。但し 、 Ptを選択した場合は、本発明の目的力も外れないように、できるだけ少量とする。そ の混在割合は、 PdCoAu合金の触媒としての性能が十分に発現できるためには、好 ましくは、本発明の PdCoAu合金力 全触媒の 70質量%以上になるのが良ぐ更に 好ましくは、全触媒の 80質量%以上になるのが良い。
本発明の PdCoAu合金は、いかなる形態であってもよいが、 PdCoAu合金を触媒 として有効に働力せるといった観点から、粒子状であることが好ましい。又、粒子サイ ズは、同様な理由から高比表面積となり得るものが良いので、平均粒子径の上限値 は、好ましくは 1 μ m以下、より好ましくは lOOnm以下、更に好ましくは 10nm以下で ある。平均粒子径の下限値は特に制限されるものではないが、物理的安定性の見地 力も lnm程度以上とすれば良い。ここで述べている「平均粒子径」とは、触媒担体を 除いた実質的な触媒有効成分を透過型顕微鏡 (TEM)により観察し、任意に選んだ 100個の粒子径の算術平均値である。
合金触媒の担体として炭素粉末を使用することによって触媒の表面積が著しく増大 し、かつ燃料電池の動作条件下で炭素が十分な導電性と化学安定性を有するので 、燃料電池用の合金触媒の担体としては通常、炭素粉末が使用される。炭素担体上 に PdCoAu合金を高分散担持させる方法としては、例えば、成分金属の化合物の混 合物の還元による化学的手法や、スパッタリング、真空蒸着や化学蒸着法によって 合金粒子を炭素担体上に形成させる物理的手法を用いることができる。
次に、 PdCoAu合金と担体である炭素粉末との比率について説明する。
PdCoAu合金に対して、炭素粉末が多すぎると、合金の触媒としての性能が十分 に発現できない恐れがあり、逆に炭素粉末が少なすぎると、電子伝導の役割を十分 に発現できない恐れがあるので、適度な比率が必要である。よって、 PdCoAuZCの 全質量に対して、 PdCoAu合金が 5質量%〜80質量%になるのが好ましい。
本発明により得られた合金担持体の組成、構造決定は、粉末 X線回折法 (XRD)、 蛍光 X線分析法 (XRF)、 X線光電子分光分析法 (XPS)、誘導結合高周波プラズマ 発光分光分析法 (ICP発光法)等を用いて決定することができる。
本発明に用いる炭素粉末は、導電性担体として用いられる限り特に限定はないが、 例えば、カーボンブラック、アセチレンブラック、ファーネスブラック、グラフアイト、活性 炭等が挙げられる。粒子サイズは、上限は、好ましくは 1 μ m以下、より好ましくは 100 nm以下であり、下限は、好ましくは 10nm以上、より好ましくは 30nm以上である。そ して、炭素粒子の比表面積は、好ましくは 20m2/g〜1400m2/g、より好ましくは 4 00m2Zg〜: L000m2Zg、最も好ましくは 600m2Zg〜900m2Zgである。特に本発 明の触媒を燃料電池用電極の触媒に用いる場合は、カーボンブラックが、電池性能 が向上するといつた観点から好ましぐ中でもケッチェンブラック(登録商標、ケッチェ ン ·ブラック 'インターナショナル株式会社製)を用いるのが好ま 、。
尚、本発明では、上記の炭素粒子以外にも、フラーレン、カーボンナノチューブ、力 一ボンナノフォーン (へリンクボーン型やプレートレット型等)等を用いることができる。 本発明の燃料電池としては、本発明の触媒を力ソード電極に有する必要がある力 その構造は従来公知のものと同様でよい。又、アノード電極および固体高分子型電 解質も、従来公知のものと同様でよい。例えば、アノード電極に使用する触媒として は、白金、白金 ルテニウム合金などを使用することができ、固体高分子型電解質と しては、ァシプレックス、ナフイオンなどの商標名で市販されているものを使用すること ができる。
本発明の触媒を用いて電極を形成するには、本発明の触媒にバインダーを添加し て固体高分子型電解質の力ソード側に触媒層を形成し、アノード側にも同様に公知 の触媒をバインダーに添加して触媒層とすればよい。必要に応じて、拡散層ゃ集電 体をホットプレスなどにより一体ィ匕して、電極接合体とする。
別の態様として、本発明の PdCoAu合金を、プロトン電解質膜 (PEM)の表面上に 直接堆積させてもよい。
本発明は、炭素粉末の担体上に PdCoAu合金の微粒子が担持された触媒の好ま しい製造方法として、次の二つの方法を提供する。これら二つの製造方法を便宜上 それぞれ製法 Aおよび製法 Bと呼ぶこととし、これらの触媒製造方法について、以下 に詳しく説明する。
く製法 A>
製法 Aは、 Pd担持体を製造する工程(1)と、 PdCo合金担持体を製造する工程 (2) と、 PdCoAu合金担持体を製造する工程 (3)からなることを特徴とする。
先ず、 Pd担持体 (以下、 PdZCとする)を製造する工程(1)について詳細を説明す る。
上記工程 (1)は、 Pd溶液に炭素粉末を分散させた後、還元剤を滴下して炭素粉末 上に Pdを担持するものを製造する工程である。
製法 Aに用いる Pd溶液とは、 Pdイオンまたは Pdを含有する錯体イオンが溶媒に溶 解した状態のものを示し、例えば、 Pd源としては、塩化パラジウム、硝酸パラジウム、 ジニトロジァミンパラジウムなどを用い、溶媒には、 Pd源を溶解できるものならば特に 制限はないが、 Pd源に金属塩を用いる場合には、水、アルコールなどの極性溶媒が 好ましい。 Pd溶液中の Pd源の質量%は、均一な溶液が作製できる範囲かつ、後に 分散させる炭素粉末が高分散できる範囲であれば、特に制限はないが、好ましくは、 0. 1質量%〜2質量%である。又、均一な Pd溶液を作製するために、必要があれば 、酸、アルカリなどの添加物を加えてもよい。
Pd溶液に炭素粉末を分散させる工程は、限定されないが、より微分散をさせること を目的として、ペイントシェーカー、ボールミル、ホモジナイザー等の混合攪拌機、超 音波ホモジナイザー等を使用できる。好ましくは超音波ホモジナイザーによる分散で あり、その際には、 10分以上分散を行うことが好ましい。また、炭素粉末を予め乳鉢 等によって十分に粉砕し溶解しやすくしておくことも有効な手段である。
Pd溶液に滴下する還元剤は、 Pd金属へ還元させ析出できるものであれば、限定 はされないが、例えば、 NaBH、 LiAlH、ヒドラジン、 KOH、 NaOH、エタノールな
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どが挙げられる。
還元剤を Pd溶液に滴下する工程に関しては、 Pdができるだけ微粒子かつ高分散 で炭素粉末へ担持できるようにするために、できるだけ長時間をかけてゆっくりと滴下 した方が好ましい。例えば、溶液内の pH変化速度を規定するなどして、条件を調整 する。
上記方法に従って作製された PdZCは、吸引濾過などにより取り出し、精製水、ァ ルコール、アセトンなどで十分に洗浄した後、乾燥する。乾燥工程としては、例えば、 真空乾燥、上限 80°C程度の加熱乾燥などが挙げられる。このようにして、 PdZCの 製造が完了する。
製造条件によっては必要のない副生成物が混在する触媒担持体が製造される場 合がある。その際には、得られた触媒を酸やアルカリで洗浄し、副生成物を溶解させ ることにより除去できる。酸やアルカリは、 PdZCが安定に存在できるものであれば制 限はないが、例えば、シユウ酸水溶液等が挙げられる。
次に、 PdCo合金担持体 (以下、 PdCoZCとする)を製造する工程 (2)につ 、て詳 細を説明する。
上記工程 (2)は、 Co溶液に該 Pd担持体を分散させた後、溶媒を除去して得られた PdCo担持体、或いは、該 Pd担持体を、 Co溶液に分散させた後、更に還元剤又は p H調整剤を滴下した後、濾過をして得られた PdCo担持体を、水素ガス又は水素ガス 含有不活性ガス雰囲気下で第一回目の焼成を行い、引き続き、不活性ガス雰囲気 下で第二回目の焼成を行って、 PdCoZCを得ることを特徴とする。
Co溶液とは、 Coイオンまたは Coを含有する錯体イオンが溶媒に溶解した状態のも のを示し、例えば、 Co源としては、塩化物塩、臭化物塩及びヨウ化物塩といったコバ ルトのハロゲン化塩、硝酸塩、硫酸塩、アンモニア塩、過塩素酸塩、テトラフルォロボ レート塩といったコバルトの無機塩、酢酸塩、シユウ酸塩、ァセチルアセトン塩、カル ボ-ル塩、炭酸塩といったコバルトの有機塩を用いた。溶媒は、 Co源を溶解できるも のならば特に制限はないが、 Co源に金属塩を用いる場合には、水、アルコールなど の極性溶媒が好ましい。 Co溶液中の Co源の質量%は、均一な溶液が作製できる範 囲かつ、後に分散させる PdZCが高分散できる範囲であれば、特に制限はないが、 好ましくは、 0. 1質量%〜2質量%である。又、均一な Co溶液を作製するために、必 要があれば、酸、アルカリなどの添加物をカ卩えてもよい。
Co溶液に PdZCを分散させる工程は、先述した Pd溶液に炭素粉末を分散させる 工程と同様な操作である。
次いで、上記分散液に対し、溶媒を除去し乾固体とする力、或いは、還元剤又は p H調整剤を滴下した後、濾過をして PdCo担持体を得る。上記のいずれの方法を取 るかは、仕込んだ Coを全て PdZC上へ担持できる工程であれば、どちらを用いても よい。例えば、製造条件により、 Coの還元や pH調整等が難しぐ仕込んだ Coを全て 担持できない場合は、溶媒を除去し乾固体とする方法が好ましい。 Pd粒子上へのよ り均一な付着を目指すには、液相中での付着が好ましいため、還元剤又は pH調整 剤を滴下した後、濾過をする方法が好ましい。
溶媒を除去し乾固体とする場合は、その方法には限定はないが、仕込んだ Coが均 一に PdZC上へ付着した状態で固体ィ匕できるように、できるだけ短時間で溶媒を除 去することが好ましい。溶媒を除去し乾固体とする方法としては、例えば、ロータリー エバポレーターによる真空下で除去する方法、ホットプレート上へ噴霧して除去する 方法等が挙げられる。除去の際の温度は、 100°C以下、より好ましくは 60°C以下とす るのが副反応が生じにく 、ので好まし!/、。
還元剤や pH調整剤を滴下した後、濾過をして PdCo担持体を得る場合は、仕込ん だ Coが全て沈殿し、 PdZC上へ付着できれば、その方法には限定はない。 Coの沈 殿法としては、還元剤により還元されて金属単体として沈殿させてもよいし、 pH調整 剤により pHを調整することにより、例えば水酸ィ匕物などの化合物として沈殿させても よい。又、還元剤や pH調整剤の選択は、例えば、 NaBH、 LiAlH、ヒドラジン、 KO H、 NaOHなどが挙げられる。更に、滴下する工程に関しては、 Co金属や Co化合物 ができるだけ高分散で PdZCへ担持できるようにするために、できるだけ長時間をか けてゆっくりと滴下した方が好ましい。例えば、 pH調整剤を用いる場合には、溶液内 の pH変化速度を規定するなどして、条件を調整する。上記方法に従って作製した P dCo担持体は、吸引濾過などにより取り出し、精製水、アルコール、アセトンなどで十 分に洗浄した後、乾燥する。乾燥工程は、例えば、真空乾燥、上限 80°C程度の加熱 乾燥などが挙げられる。
第一回目の焼成は、水素ガス又は水素ガス含有不活性ガス雰囲気下で行う。本焼 成工程の役目は、水素ガスにより、 Coの金属化や酸化防止を促進することであると 考えられるため、水素ガスの濃度は、先述した Coの沈殿方法により適宜調整する。 例えば、還元剤により還元させて金属単体として沈殿させた場合には、水素ガスの濃 度は比較的低濃度とし、 pH調整剤で pHを調整することにより、例えば水酸化物など の化合物として沈殿させた場合には、水素ガスの濃度は比較的高濃度とする。いず れにせよ水素ガスの効果発現のためには、水素ガスの濃度の下限は、好ましくは 10 体積%以上であり、その上限は、 100体積%でもよいが、焼成温度が非常に高温の 場合は、安全性を考えて、 80体積%以下が好ましい。又、用いる不活性ガスは、窒 素ガス又はアルゴンガスのどちらでもよいが、焼成温度が非常に高温の場合は、水 素ガスと窒素ガスは反応する恐れがあるので、アルゴンガスの方が好まし!/、。
焼成温度は制限されないが、下限は、先に述べた、本焼成工程の役目である Coの 金属化や酸ィ匕防止が可能である温度以上にすることが望ましぐ好ましくは 150°C以 上、より好ましくは 200°C以上である。上限の温度は、あまり高温にすると、水素ガス による Pdとの反応性、又は水素ガスと Pdが混在することによる担体の炭素粒子への 腐食などの悪影響が考えられるので、好ましくは 500°C以下、より好ましくは 350°C以 下である。
焼成時間も制限はないが、上記記載の焼成による効果を十分とするために、好まし くは 30分以上、 3時間以下である。
第二回目の焼成は、不活性ガス雰囲気下で行う。本焼成工程の役目は、 Pdと Co の合金化を促進することであると考えられる。用いる不活性ガスは、窒素ガス又はァ ルゴンガスのどちらでもよ 、。
焼成温度は制限されないが、下限は、先に述べた、本焼成工程の役目である Pdと Coの合金化を促進することが可能である温度以上にすることが望ましぐ好ましくは 4 00°C以上、より好ましくは 500°C以上である。上限の温度は、あまり高温にすると、シ ンタリングによる粒子サイズの増大により、比表面積が小さくなる恐れがあるため、好 ましくは 900°C以下、より好ましくは 750°C以下である。
焼成時間も制限はないが、上記記載の焼成による効果を十分とするために、好まし くは 1時間以上、 8時間以下である。
以上の工程により、 PdCoZCの製造が完了する。
製造条件によっては必要のない副生成物が混在する触媒担持体が製造される場 合がある。その際には、先述した PdZCの洗浄と同様な工程を施せばよい。
[0017] 次に、 PdCoAu合金担持体(以下、 PdCoAuZCとする)を製造する工程 (3)につ いて詳細を説明する。
上記工程 (3)は、該 PdCo合金担持体を、 Au溶液に分散させた後、溶媒を除去し て得られた PdCoAu担持体、或いは、該 PdCo合金担持体を Au溶液に分散させた 後、更に還元剤を滴下した後、濾過をして得られた PdCoAu担持体を、不活性ガス 雰囲気下で第三回目の焼成を行って、 PdCoAu合金が炭素粉末上に担持してなる PdCoAu合金担持体を製造するものである。
製法 Aに用いる Au溶液とは、 Auイオンまたは Auを含有する錯体イオンが溶媒に 溶解した状態のものを示し、例えば、 Au源としては、塩化金などを用い、溶媒には、 Au源を溶解できるものならば特に制限はないが、 Au源に金属塩を用いる場合には 、水、アルコールなどの極性溶媒が好ましい。 Au溶液中の Au源の質量%、均一な 溶液が作製できる範囲かつ、後に分散させる PdCoZCが高分散できる範囲であれ ば、特に制限はないが、好ましくは、 0. 1質量%〜2質量%である。又、均一な Au溶 液を作製するために、必要があれば、酸、アルカリなどの添加物をカ卩えてもよい。
Au溶液に PdCoZCを分散させる工程は、先述した Pd溶液に炭素粉末を分散させ る工程と同様な操作である。
[0018] 次いで、上記分散液に対し、溶媒を除去し乾固体とするか、又は還元剤を滴下した 後、濾過をして PdCoAu担持体を得るかのいずれかの工程を行うが、その選択は、 仕込んだ Auを全て PdCoZC上へ担持できる工程であれば、どちらを用いてもよ!、。 例えば、製造条件により、 Auの還元が難しぐ仕込んだ Auが全て担持させられない 場合は、溶媒を除去し乾固体とする方法が好ましい。 PdCo合金粒子上へのより均一 な付着を目指すには、液相中での付着が好ましいため、還元剤を滴下した後、濾過 をする方法が好ましい。
溶媒を除去し乾固体とする場合は、その方法は、先述した PdCoZC作製工程内の 溶媒を除去し乾固体とする方法と同様である。
還元剤を滴下した後、濾過をして PdCoAu担持体を得る場合は、仕込んだ Coが全 て還元剤により還元されて金属単体として沈殿し、 PdCoZC上へ付着できれば、そ の方法には限定はない。又、還元剤の選択は、例えば、 NaBH、 LiAlH、ヒドラジ
4 4 ン、 KOH、 NaOH、エタノールなどが挙げられる。更に、滴下する工程に関しては、 Au金属ができるだけ高分散で PdCoZC上へ担持できるようにするために、できるだ け長時間をかけてゆっくりと滴下した方が好ましい。例えば、溶液内の pH変化速度を 規定するなどして、条件を調整する。上記方法に従って作製した PdCoAu担持体は 、吸引濾過などにより取り出し、精製水、アルコール、アセトンなどで十分に洗浄した 後、乾燥する。乾燥工程は、例えば、真空乾燥、上限 80°C程度の加熱乾燥などが挙 げられる。
第三回目の焼成は、不活性ガス雰囲気下で行う。本焼成工程の役目は、 PdCo合 金と Auの合金化を促進することであると考えられる。用いる不活性ガスは、窒素ガス 又はアルゴンガスのどちらでもよ!/、。
焼成温度は制限されないが、下限は、先に述べた、本焼成工程の役目である PdC o合金と Auの合金化を促進することが可能である温度以上にすることが望ましぐ好 ましくは 400°C以上、より好ましくは 500°C以上である。上限の温度は、あまり高温に すると、シンタリングによる粒子サイズの増大から、比表面積が小さくなる恐れがある ため、好ましくは 900°C以下、より好ましくは 750°C以下である。
焼成時間も制限はないが、上記記載の焼成による効果を十分とするために、好まし くは 1時間以上、 8時間以下である。 以上の工程により、 PdCoAuZCの製造が完了する。
製造条件によっては必要のない副生成物が混在する触媒担持体が製造される場 合がある。その際には、先述した PdZcの洗浄と同様な工程を施せばよい。
尚、 Pd、 Co及び Auの仕込みモル比率については、目的とする合金組成比によつ て適宜決められる。製法 Aは、仕込みモル比率と作製後の実測モル比率は、ほとん ど差はなく相関が取れているため、目的とする合金組成比どおりに各金属を仕込め ばよいが、厳密に組成比を決定したい場合は、予め予備実験をし目処を立て、目的 とする合金組成比になるような Pd、 Co及び Auの仕込みモル比率を設定することが できる。
先述のように、本発明に PdCoAu合金は、 PdCoAu合金に他の元素を合金化させ てもよ 、し、又は PdCoAu合金以外の物質を混在させてもよ!、。
前者の場合、他の元素を添加させる工程は、製法 Aの工程(1)〜(3)のいずれの 工程の後、又はいずれの工程内でもよいが、作製した合金力 PdCoAu合金の触媒 としての性能を阻害しないようにする。他の元素の仕込みモル比率は、上記記載のよ うに、製法 Aの製造方法は、仕込みモル比率と作製後の実測モル比率は、ほとんど 差はなく相関が取れているため、目的とする組成比どおりに各原料を仕込めばよい 力 厳密に組成比を決定したい場合は、予め予備実験をし目処を立て、目的の組成 比になるような各原料の仕込みモル比率を設定することができる。
後者の場合、 PdCoAu合金以外の物質を添加させる工程は、 PdCoAuZCを作製 後、目的の物質を混在させるか、又は、 PdCoAu合金の製造に邪魔にならなければ 、 PdCoAuZC作製工程内のどこかに目的の物質を添加し、吸着させてもよい。 尚、混在量に関しては、いずれの場合も、先述した通りである。
<製法 B>
本発明の触媒のもう一つの製造方法 (製法 B)は、ミセル内部に少なくとも Pd水溶液 、 Co水溶液、 Au水溶液を含む逆ミセル溶液 (A)に、ミセル内部に少なくとも還元剤 を、必要に応じて pH調整剤を含有する逆ミセル溶液 (B)を混合して反応させた後、 導電性担体である炭素粉末に担持させ、次いで焼成を行うことで、 PdCoAu合金が 炭素粉末上に担持してなる PdCoAu合金担持体を製造する方法にお ヽて、該還元 剤の添カ卩量力 逆ミセル溶液 (A)のミセル内部の全金属イオンに対して 10当量〜 1 50当量であり、逆ミセル溶液 (A)及び(B)の混合後のミセル内部の pH力 9〜13と なるように、該 pH調整剤の添加量を調整することを特徴とする。
製法 Bで使用する「逆ミセル溶液」とは、有機溶媒に界面活性剤を混合することによ り、界面活性剤が集合して形成されるミセルを含有し、かつ該ミセル内部に金属ィォ ン水溶液などを含有する溶液である。界面活性剤分子が、有機溶媒相内で、疎水性 基を外側すなわち有機溶媒相側に向け、親水性基を内側に向けて配列し、疎水性 基と親水性基の配列が水性溶媒相の場合と逆であるため、逆ミセル溶液と称する。こ のような逆ミセル溶液は、界面活性剤を有機溶媒に溶解した溶液に水溶液を加えて 攪拌させることにより調整できる。親水性基が集合した部分には水などの極性溶媒を 保持する能力がある。該水溶液は、ナノサイズの極めて小さな水滴となって有機溶媒 中に安定して分散できる力 注入した水と界面活性剤のモル比によって、そのサイズ をコントロールできる。
製法 Bは、上記のような逆ミセル溶液のミセル内部である水溶液中で、 Pd、 Co、 Au などの各金属又は各金属化合物を、還元剤を用いた反応により析出させる方法を用 いる。
先ず、製法 Bにおける逆ミセル溶液 (A)及び (B)に共通である逆ミセル溶液を構成 する有機溶剤と界面活性剤について説明する。
逆ミセル溶液を形成する有機溶媒としては、様々な物質が使用可能であり、特に制 限はないが、シクロへキサン、メチルシクロへキサン、シクロヘプタン、ヘプタノール、 ォクタノール、ドデシルアルコール、セチルアルコール、イソオクタン、 n—ヘプタン、 n 一へキサン、 n—デカン、ベンゼン、トルエン、キシレン等が挙げられ、逆ミセル溶液 の作製のしゃすさ力も n—ヘプタン、 n—へキサン、高沸点である n—デカンが好まし い。又、これらの有機溶媒は、 1種を単独で使用しても、 2種以上を併用してもよい。 逆ミセル溶液を形成する界面活性剤としては、安定な逆ミセル溶液を形成できるも のであれば、特に制限はないが、ァ-オン性のものでは例えば、ビス(ェチルへキシ ル)スルホコハク酸ナトリウム(AOT)、カチオン性のものでは例えば、シユウ酸セチル トリメチルアンモ -ゥム(CTAB)、非イオン性のものでは例えば、ペンタエチレンダリ コールドデシルエーテル(PEGDB)が挙げられる。又、これらの界面活性剤は、 1種 を単独で使用しても、 2種以上を併用してもよい。
尚、有機溶剤に対する界面活性剤の添加量は、有機溶剤 100質量部に対して、 1 0〜300質量部であり、好ましくは 20〜: L00質量部である。 10質量部を下回ると逆ミ セルの形成が困難になる恐れがあり、一方 300質量部を超えるとロッド状ミセルを形 成し、所望のサイズを保持できな 、恐れがあるためである。
次に、逆ミセル溶液 (A)について説明する。
逆ミセル溶液 (A)は、ミセル内部に少なくとも Pd水溶液、 Co水溶液、 Au水溶液を 含む。
製法 Bに用いる Pd水溶液とは、 Pdイオンまたは Pdを含有する錯体イオンが水溶媒 に溶解した状態のものを示し、例えば、 Pd源としては、へキサクロ口パラジウム酸アン モ-ゥム、テトラクロ口パラジウム酸アンモ-ゥム、塩化パラジウム、硝酸パラジウム、ジ ニトロジァミンパラジウムなどを用いる。 Pd水溶液中の Pd源の質量%は、均一な溶液 が作製できる範囲であれば特に制限はないが、金属換算で、好ましくは、 0. 01質量 %〜10質量%、更に好ましくは 0. 05質量%〜2質量%である。又、均一な Pd溶液 を作製するために、必要があれば、酸、アルカリなどの添加物をカ卩えてもよい。
製法 Bに用いる Co水溶液とは、 Coイオンまたは Coを含有する錯体イオンが水溶媒 に溶解した状態のものを示し、例えば、 Co源としては、塩化物塩、臭化物塩、ヨウィ匕 物塩といったコバルトのハロゲン化塩、硝酸塩、硫酸塩、アンモニア塩、過塩素酸塩 、テトラフルォロボレート塩といったコバルトの無機塩、酢酸塩、シユウ酸塩、ァセチル アセトン塩、カルボ-ル塩、炭酸塩といったコバルトの有機塩を用いる。 Co水溶液中 の Co源の質量%は、均一な溶液が作製できる範囲であれば特に制限はないが、金 属換算で、好ましくは、 0. 01質量%〜10質量%、更に好ましくは 0. 01質量%〜2 質量%である。又、均一な Co溶液を作製するために、必要があれば、酸、アルカリな どの添カ卩物をカ卩えてもょ 、。
製法 Bに用いる Au水溶液とは、 Auイオンまたは Auを含有する錯体イオンが水溶 媒に溶解した状態のものを示し、例えば、 Au源としては、塩化金、塩化金酸などを用 いる。 Au水溶液中の Au源の質量%は、均一な溶液が作製できる範囲であれば特に 制限はないが、金属換算で、好ましくは、 0. 01質量%〜10質量%、更に好ましくは 0. 01質量%〜1質量%である。又、均一な Au溶液を作製するために、必要があれ ば、酸、アルカリなどの添加物を加えてもよい。
逆ミセル溶液 (A)における界面活性剤に対する水のモル比は、逆ミセルの安定な 形成ができるといった観点から、好ましくは 3〜30、更に好ましくは、 5〜25である。 次に、逆ミセル溶液 (A)の作製工程を説明する。
有機溶剤に界面活性剤を溶解させた溶液と、少なくとも Pd、 Co、 Au源を溶解させ た水溶液とを別々に作製する。次いで両溶液を混合、分散させることで、逆ミセル溶 液を作製する。分散させる工程は、限定されないが、より均一な逆ミセル溶液を作製 することを目的として、ペイントシェーカー、ボールミル、ホモジナイザー等の混合攪 拌機、超音波ホモジナイザー等を使用できる。好ましくは超音波ホモジナイザーによ る分散であり、その際には、分散時間は 20分以上行うことが好ましぐ分散時の温度 は特に制限はないが、高温下により有機溶剤が気化する恐れがあるため、氷浴中な どで冷却しながら行ってもよ!、。
又、水溶液内の金属の酸ィ匕防止という観点から、分散時には、窒素ガスなどの不活 性ガスをパブリングしながら行うことが好ましぐ更には、溶媒には脱酸素させたものを 用いることが効果的である。特に、合金組成において卑金属である Coがリッチな場合 を作製する際には、 Coは酸化されやすいため、上記記載の処理はより効果的である 逆ミセル溶液 (A)を作製後、上記記載と同様な理由で、更に、窒素ガスなどの不活 性ガスをパブリングして、溶存酸素を十分に除去しておく方が好ま 、。
次に、逆ミセル溶液 (B)について説明する。
逆ミセル溶液 (B)は、ミセル内部に少なくとも還元剤を、必要に応じて pH調整剤を 含有する。
製法 Bにおける還元剤としては、 NaBH、 LiAlH、ヒドラジン、チォ硫酸ナトリウム、
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クェン酸、クェン酸ナトリウム、 L—ァスコルビン酸、ホルムアルデヒド、メタノール、エタ ノール、エチレンなどが挙げられる。還元剤の役割は、逆ミセル溶液 (A)のミセル内 部の Pd及び Au源全てと、同じくミセル内部の Co源の一部を金属に還元させることで あり、安定した金属粒子の析出により目的の合金組成を完成させやすいという観点か ら、上記記載の還元剤のうち、好ましくは、 NaBH、ヒドラジンである。ちなみに、 Co
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は卑金属であるため、他の貴金属に比べて還元されにくぐそのため一部は金属へ 還元できるが、残りは、後述する pHの適切な調整により、水酸ィ匕コバルトとして析出 されると思われる。
製法 Bにお 、て、上記記載の還元剤の添加量は、逆ミセル溶液 (A)のミセル内部 の全金属イオンに対して 10当量〜 150当量である。本発明において、ミセル内部の 全金属イオンの酸化数の合計に対して、還元剤内の還元を行う原子の価数の合計 が同数である時に、該還元剤の添加量は 1当量と定義する。例えば、 Pd (IV)イオン 1モルを、還元剤 NaBH 5モルで還元する場合を考える。 Pdイオンは 4価であるので
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、その酸ィ匕数の合計は 1モル X 4価 =4と概算できる。一方、 NaBHの還元を行う原
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子は 4個の水素イオンであり、その価数は 1価であるので、価数の合計は 5モル X 1価 X 4 = 20と概算できる。従って、還元剤 NaBHの添加量は、 20/4 = 5より 5当量と
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なる。
反応させる金属源内に、卑金属である Co源を含むため、例えば、反応中に Co源が 不要な酸ィ匕を受けた場合は、その Co源の酸ィ匕体を還元するといつた余分な反応に 還元剤が消費されるといったロスが生じる。よって、還元剤の添加量の下限は、好ま しくは 20当量、更に好ましくは 30当量である。上限に関しては、あまり過剰な還元剤 を添加すると、ミセル内部の溶媒である水に溶解できなくなる恐れがあるので、好まし くは 130当量、更に好ましくは 100当量である。特に、合金組成において Coがリッチ な場合を作製する際には、上記理由により、還元剤の添加量は、本発明の範囲量内 にお 、てできるだけ大き 、量に設定した方が好ま 、。
製法 Bは、逆ミセル溶液 (A)及び (B)の混合後のミセル内部の pH力 9〜13となる ように、該 pH調整剤の添加量を調整することを特徴とする。 pH調整剤としては、 Na OH、 KOHなどのアルカリ、 HC1などの酸などが挙げられ、事前に逆ミセル内部の水 相を構成する逆ミセル溶液 (A)及び (B)と同一組成の水溶液を混合し、目的とする p Hになるように pH調整剤量を調整しておくことにより達成される。この pH調整は、先 述したように、仕込んだ Co源のうち金属へ還元できな力つた残りを水酸ィ匕コバルトと して析出させるために行う。よって、 pHの範囲は、 9〜13ではある力 好ましくは 9. 5 〜12. 5、より好ましくは 10〜12である。
[0025] pH調整剤の添加量は、予め予備実験を行うことで設定することができる。必要な金 属塩等を添加した逆ミセル溶液 (A)のミセル内部溶液のみの作製と、必要な還元剤 及び pH調整剤等を添加した逆ミセル溶液 (B)のミセル内部溶液のみの作製を行!、 、両液を混合した後で、 pH測定を行う。測定は、 pH試験紙又は pHメーターにより行 うことができる。この pH値が目的の範囲内になるように pH調整剤を適宜変動させ、設 定量を決めることができる。次いで、上記予備実験より定めた添加量で実際の反応を 行 、、逆ミセル溶液 (A)及び (B)の混合後、反応液の pHを pH試験紙又は pHメータ 一を用いて測定することにより、目的の範囲内であることを確認する。
逆ミセル溶液 (B)における界面活性剤に対する水のモル比は、逆ミセルの安定な 形成ができるという観点から、好ましくは 3〜30、更に好ましくは、 5〜25である。 次に、逆ミセル溶液 (B)の作製工程を説明する。
有機溶剤に界面活性剤を溶解させた溶液と、少なくとも還元剤を、必要に応じて p H調整剤を溶解させた水溶液とを別々に作製する。次いで両溶液を混合、分散させ ることで、逆ミセル溶液を作製する。分散させる工程は、先述した逆ミセル溶液 (A)で の工程と同様である。
又、逆ミセル溶液 (A)と反応させる際の水溶液内の金属の酸ィ匕防止という観点から 、分散時には、窒素ガスなどの不活性ガスをパブリングしながら行うことが好ましぐ更 には、溶媒には脱酸素させたものを用いることが効果的である。特に、合金組成にお いて卑金属である Coがリッチな場合を作製する際には、 Coは酸化されやすいため、 上記記載の処理はより効果的である。
逆ミセル溶液 (B)を作製後、上記記載と同様な理由で、更に、窒素ガスなどの不活 性ガスをパブリングして、溶存酸素を十分に除去しておく方が好ま 、。
[0026] 次に、逆ミセル溶液 (A)及び (B)における、逆ミセル数について説明する。
溶液内の逆ミセル数は、界面活性剤に対する水のモル比を固定した際において、 有機溶媒量に対する水の添加量の増減により変化させることができる。例えば水の 添加量を増加させれば逆ミセル数は増加する。本発明における逆ミセル溶液を用い た反応は、逆ミセル溶液 (A)の逆ミセルと、逆ミセル溶液 (B)の逆ミセルとが衝突する ことで、逆ミセル溶液 (A)の逆ミセル内部の各種金属源力 逆ミセル溶液 (B)の逆ミ セル内部の還元剤により還元される力、 pH調整により例えば水酸化物になる反応で ある。よって、逆ミセル溶液 (A)の逆ミセル数に対する逆ミセル溶液 (B)の逆ミセル数 の割合は、小さい場合は、逆ミセル溶液 (B)の逆ミセル 1個が、多くの逆ミセル溶液( A)の逆ミセルに衝突を繰り返すことで反応が進行し、その際には、逆ミセル溶液 (B) の逆ミセル内部の還元剤の濃度は衝突を重ねるごとに減少し、全ての逆ミセル溶液 ( A)の逆ミセル内部の金属源に反応が行き届かない恐れがあり、逆に大きい場合は、 逆ミセル溶液 (B)の逆ミセル 1個における還元剤濃度は最初力 低ぐ衝突頻度の向 上が課題になる恐れがある。以上より、ミセル溶液 (A)の逆ミセル数に対する逆ミセ ル溶液 (B)の逆ミセル数の割合は、好ましくは 0. 5〜5であり、更に好ましくは 1〜3で ある。
次に、逆ミセル溶液 (A)に逆ミセル溶液 (B)を混合して反応させる工程にっ 、て説 明する。
この工程における反応の詳細は、上記記載の通りであり、逆ミセル間の衝突により 反応を進行させる。その際には、逆ミセル溶液 (A)のミセル内部の各種金属源を完 全に反応させることにより析出させ、かつ逆ミセル間が凝集することによって沈殿しな V、ように、逆ミセルの分散状態を保持することが必要である。
両溶液の混合は、超音波ホモジナイザーによる分散とマグネティックスターラー等 による攪拌を両立させて行う。超音波ホモジナイザーによる分散により、逆ミセル間の 衝突により反応を進行させると同時に逆ミセル間が凝集することを防止でき、逆ミセル の分散状態を保持することができる。又、マグネティックスターラー等による攪拌は、 反応液内の温度を均一に保持するために行う。
上記工程の反応液温度は、その温度が低い場合、逆ミセル間の衝突頻度が減少し て、反応が未完成になる恐れや、卑金属である Co源の Co金属への還元反応能力が 落ちて、未反応の Co源が残存する恐れがある。そのため、この反応温度の下限は、 室温以上であることが必要で、好ましくは 40°C以上である。上限に関しては、用いる 有機溶媒の沸点以下を目安とし、有機溶媒の蒸発を防止する必要があり、好ましくは 100°C以下である。
又、上記工程の反応時間は、反応種や溶媒の量により適宜調整する必要があるが
、下限は 20分以上が好ましぐ上限は 3時間以下が好ましい。
更に、反応液内の金属の酸ィ匕防止という観点から、反応時には、窒素ガスなどの不 活性ガスをパブリングしながら行うことが好ましい。
[0028] 製法 Bの製造方法によれば、ミセル内部の還元剤の添加量を大過剰にし、かつ適 切な pH調整を行い、更に反応時に室温以上、好ましくは 40°C以上の温度設定を施 すという各条件が揃うことにより、卑金属である Coを金属又は水酸ィ匕物として完全に 析出できる。特に、合金組成において Coがリッチな場合には、上記記載の条件を施 すことによる効果がより顕著になる。
次に、導電性担体である炭素粉末に担持させる工程について説明する。 先述のような逆ミセル溶液間による反応が終了した後、以下の 2段階により炭素粉 末に担持させる。最初の段階では、逆ミセル溶液間による反応の条件のままの状態、 即ち、超音波ホモジナイザーによる分散とマグネティックスターラー等による攪拌を両 立させた状態で、反応温度も保持したままの状態において、炭素粉末を投入する。こ の状態で約 5〜30分程度保持し、次いで、マグネティックスターラー等による攪拌だ けで、室温下で、約 2〜3時間程度保持する。これにより、担持を完成させる。前者の 作業は、炭素粉末の担持が行われる前に、逆ミセル間が凝集することを防止する役 害 IJがある。
炭素粉末の担持工程が終了後、目的物を反応液内力 取り出し、乾燥させる。取り 出しには、吸引ろ過等を用い、アセトン、水等を用いて十分に洗浄する。洗浄後、自 然乾燥、真空乾燥、エバポレーターを用いた乾燥等により十分に乾燥させる。
[0029] 次に、製法 Bの焼成工程について説明する。
焼成は、水素ガス又は水素ガス含有不活性ガス雰囲気下で行う。本焼成工程の役 目は、水素ガスにより、 Coの金属化や酸化防止を促進させることと、高温処理により 合金化を促進させることであると考えられる。よって、水素ガスの濃度は、合金組成に おける卑金属である Coの比率による。 Co比率が低い場合は、水素ガスの濃度は比 較的低濃度とし、逆に Co比率が高い場合は、水素ガスの濃度は比較的高濃度とす る。いずれの場合も、水素ガスの効果発現のためには、水素ガスの濃度の下限は、 好ましくは 5体積%以上であり、その上限は、 100体積%でもよいが、焼成温度が非 常に高温の場合は、安全性を考えて、 80体積%以下が好ましい。又、用いる不活性 ガスは、窒素ガス、アルゴンガスのどちらでもよいが、焼成温度が非常に高温の場合 は、水素ガスと窒素ガスが反応する恐れがあると考えられるので、アルゴンガスの方 が好ましい。
焼成温度は制限されないが、下限は、先述の本焼成工程の役目である合金化を促 進させることが可能な温度以上にすることが望ましぐ好ましくは 500°C以上、より好ま しくは 600°C以上である。上限の温度は、あまり高温にすると、シンタリングによる粒 子サイズの増大から、比表面積が小さくなる恐れがあるので、好ましくは 1000°C以下 、より好ましくは 900°C以下である。
焼成時間も制限はないが、上記記載の焼成による効果を十分とするために、好まし くは 30分以上、 3時間以下である。
[0030] 以上の工程により、 PdCoAu合金担持体 (PdCoAuZC)の製造が完了する。
製造条件によっては必要のない副生成物が混在する触媒担持体が製造される場 合がある。その際には、得られた担持体を酸やアルカリで洗浄し、副生成物を溶解さ せることにより除去できる。酸やアルカリは、 PdCoAuZCが安定に存在できるもので あれば制限はないが、例えば、シユウ酸水溶液等が挙げられる。
尚、製法 Bの製造工程における Pd、 Co及び Auの仕込みモル比率については、目 的とする合金組成比によって適宜決められる。本発明の製造方法は、仕込みモル比 率と作製後の実測モル比率は、ほとんど差はなく相関が取れているため、目的とする 合金組成比通りに各金属を仕込めばよいが、厳密に組成比を決定したい場合は、予 め予備実験をし目処を立て、目的とする合金組成比になるような Pd、 Co及び Auの 仕込みモル比率を設定することができる。
[0031] 次に、 PdCoAu合金に他の元素を合金化させる工程について説明する。
製法 Bの逆ミセル溶液 (A)のミセル内部に、更に追加する元素源を加えて作製する 。他の元素源としては、ハロゲンィ匕塩、硝酸塩、硫酸塩、アンモニア塩、過塩素酸塩 、テトラフルォロボレート塩といった無機塩、酢酸塩、シユウ酸塩、ァセチルアセトン塩 、カルボニル塩、炭酸塩、アルコキシド塩といった有機塩などを適宜用いる。
一方、逆ミセル溶液 (B)のミセル内部は、添加する他の元素が還元剤の還元反応 により析出するの力 それとも pH調整により水酸ィ匕物などの化合物として析出するの かによつて、還元剤及び pH調整剤の量を適宜微調整する。前者の場合には、他の 元素に必要な還元剤量分を増加する必要がある。後者の場合には、その化合物が 安定に存在できる pH値になるように、 pH調整剤の添加量を増減させる必要がある。 以下、先述したような作製工程と同様な工程を施すことにより、 PdCoAu合金に他 の元素を合金化させた担持体を作製できるが、逆ミセル溶液間の完全な反応を行う ために、必要に応じては、界面活性剤に対する水のモル比の微調整を行うことや、必 要な水のうち一部を、又は追加する元素源を逆ミセル溶液のミセル内部に予め加え ておくのではなぐ逆ミセル溶液間の反応中に、後添加するなどの工夫は、適宜行う 次に、 PdCoAu合金以外の物質を混在させる工程について説明する。
PdCoAuZCを作製後、目的の物質を混在させる力 又は、目的の物質を、予め担 体である炭素粉末に担持しておき、本発明の製造工程内における炭素粉末の投入 の代わりに、上記担持体の投入を行ってもよい。
[0032] 本発明およびその有効性を、以下の参考例、実施例及び比較例で具体的に説明 する。
参考例 1及び参考例 2は二成分系合金の調製および試験に関するものであり、実 施例 1〜実施例 13は本発明による三成分系合金の調製および試験に関するもので ある。参考例 1、参考例 2及び実施例 1〜実施例 5では、窒化ケィ素ウェハ基板上に 組成傾斜のついた合金薄膜を真空蒸着法で形成し、合金状の 100個の電極を用い てスクリーニング的に性能評価を行った。実施例 6〜実施例 9ではカーボンプレート 上に合金薄膜をスパッタリング法で形成して電極を作製し、実施例 10〜実施例 13で は炭素粉末担体上に合金微粒子を担持させた触媒担持体の粉末をカーボンロッド に固着させて電極を作製した。これら実施例 6〜実施例 13では作製した電極を作用 電極とする半電池セルを用いて性能評価を行った。
[0033] 先ず、参考例 1、参考例 2および実施例 1〜実施例 5の実験の詳細を述べる。 W02 005Z035820の技術を用いて蒸着薄膜合金の試料を作製し、 Guerinらの J. Com b. Chem. 2004年、 6、 149〜 158頁(Combinatorial Electrochemical Scree ning of Fuel Cell Electrocatalysts)に開示の技術を用いて評価を行った。ス クリーニング用試料には、 10個 X 10個(100個)の金電極を形成した窒化ケィ素ゥェ ハ基板上に合金薄膜を蒸着形成した合金状のチップを用いた。電気化学的評価で は、合金上の 100個の電極の電流を一度に記録することによって行った。その詳細 は、前述の文献に説明されている通りである。
実施例 1〜実施例 5で述べる ORR試験は、固体高分子型燃料電池の力ソード触媒 として使用された場合の、 PCoAu合金触媒の有効性を示す。定常状態での ORR電 流測定の際、いったん印加電位を 0. 7力ら 0. 9へ増加させ、次いで、 50mV間隔で 各電位に 90秒間保持することを繰り返しながら電位を 0. 7V (vsSHE)まで降下させ た。実験中、電解質中に酸素ガスをパブリングした。電解質には 0. 5Mの HCIO
4水 溶液を用い、温度は室温(20°C)とした。サイクリックボルタンメトリー(CV)実験では、 電位が 0. 4〜1. 2V(vsSHE)の範囲を 50mVs_1の速度で電位掃引させた。この C V実験は溶存酸素の存在しない 0. 5Mの HCIO水溶液中で 20°Cで行った。
4
試料の組成は EDSを用いて測定し、原子%で表記した。三つの三成分系試料に ついて作製した組成範囲はそれぞれ:(l) Pdの原子0 /0 (7. 6-73. 1)、 Coの原子 % (5. 1〜65. 0)および Auの原子0 /0 (16. 5〜47. 2); (2) Pdの原子0 /0 (12. 9〜8 9. 9)、じ0の原子%(0. 2〜70. 4)および Auの原子0 /0 (6. 7〜50. 9) ;並びに(3) Pdの原子0 /0 (2. 5〜98. 1)、 Coの原子0 /0 (0〜93. 5)および Auの原子0 /0 (0〜63. 0)であった。二つの二成分系試料について作製した組成範囲はそれぞれ:(4) Pdの 原子0 /0 (9. 4〜95. 5)および Auの原子0 /0 (4. 5〜90. 6);並びに(5) Pdの原子0 /0 ( 31. 8〜99. 7)および Coの原子0 /0 (0. 3〜68. 2)であった。スクリーニング試験した 組成のすべてを、 PdCoAu三成分系および二成分系相空間でスクリーニングした試 料について、図 4に原子百分率でプロットする。三成分系の結果力 判断して AuCo 二成分系は活性が低かったので、 AuCo二成分系については組成スクリーニングの 実験は行わな力つた。さらに、 100個の同一の Pd電極力もなる合金を用いて、 Pd単 独の活性を測定した。合計で 600個の薄膜試料を調製し、 PdCoAu合金の酸素還 元活性にっ ヽてスクリーニングした。
[0034] 参考例 1
PdCo二成分系について、酸素還元反応における定常状態電流を、電位 0. 7と 0. 8V (vsSHE)で測定した。図 1は 0. 7V (vsSHE) (図 la)と 0. 8V (vsSHE) (図 lb) での酸素還元反応における定常状態電流を示す。このデータは、 50 : 50の原子百 分率比を有する PdCoの組成において、酸素還元活性に最大値が明らかに存在す ることを示している。この最適組成は印加電位の値に依らず一定であった。両方の場 合で、最適組成の活性は 100%Pdの場合より著しく大きぐ 0. 7Vで略 4倍、 0. 8V で略 7倍であった。
[0035] 参考例 2
0. 7V(vsSHE)での PdCo二成分系の酸素還元比活性を、試料表面の Pd原子に 吸着された COの酸ィ匕に要した電荷量力も計算した表面積を用いて評価した。
CO酸ィ匕に要した電荷量は以下のようにして測定した。先ず、電解質を通して 20分 間 COガスをパブリングさせて試料の表面を COで飽和させ、同時に、 0. 1V(VSSHE )の電位を合金に印加した後に、続いて、 5分間アルゴンガスをパブリングさせ、同時 に、同じ印加電位を維持して、溶解しているが吸着されていない COを溶液から除去 した。次いで、合金を、 0. 0V力 1. 2V (vsSHE)の範囲で、 50mVs_1の掃引速度 で 4サイクル、電位掃引を行った。第 1サイクルと第 4サイクルについてサイクリックボ ルタモグラムを用いて、 0. 5から 1. 2Vのアノード電荷を計算した。吸着された一酸 化炭素 (CO (ads) )単分子層の酸化に伴う電荷量は、表面酸化物層と吸着された一 酸ィ匕炭素の酸ィ匕の同時生成に伴う電荷 (Q )
co+o (第 1サイクル)から、表面酸化物層 の生成に伴う電荷 (Q ) (第 4サイクル)を減じて計算した。
o
Q
CO Q -Q [1]
co+o o
一酸化炭素の酸化電荷量は、これらを定数 410 Ccm—2で除して表面積値に変 換した。この定数は、多結晶白金電極の真の表面積を決定するために使用される値 である。これは、被覆率が 100%、表面 Pt原子当たり ICO (ads)、各 CO (ads)の CO への酸ィ匕に 2e—の電荷を要する、 t 、うことを前提として 、る。
2
図 2 (a)は得られた表面積推定値を示す。 Pdが 80原子%未満を有する組成につい ては試料の表面積が大きく増大しており、この面積の増大は Pdが 50原子%の時に 最大に達して 、る。この面積増大は二成分系合金からの Coの溶解に起因すると考 えられる。
図 2 (b)は、図 1 (a)のデータを表面積推定値で除することによって得られた酸素還 元反応における PdCo二成分系の比活性電流を示して 、る。二成分系につ 、ての比 活性は、 Pdが 70〜80原子%の時に最大を有している。表面積補正を行った上でな お最大値があるということは、 Pdに Coをカ卩えると、 Pd単独よりも優れた ORR活性を発 現させる効果があるという証拠である。
[0036] 参考例 3
酸素還元スクリーニング実験前後のサイクリックボルタモグラムにおける、試料表面 の酸ィ匕物の還元ピーク電流の差は、試料安定性の予備的目安として用いられる。ピ ーク電流の変化が最適な PdCo組成について極めて著しいことが図 3から明らかであ る。これは、これらの PdCo材料の活性の増大が、安定性を犠牲にして得られている ことを示唆している。
[0037] 実施例 1
PdCoAu合金のうちの 1つについて定常状態での ORR電流を測定した。電位 (a) 0. 70V、 (b) 0. 75Vおよび(c) 0. 80V (vsSHE)における定常状態での酸素還元 電流を図 5 (a)、 5 (b)および 5 (c)にそれぞれ示す。この図から、最も高い活性の領 域は Pdが 40〜60原子%の組成範囲であることが明らかである。図 5 (a)の矢印は、 合金に Auの量を増大させてカ卩えることによってもたらされる活性の低下方向を示して いる。
[0038] 実施例 2
実施例 1のデータを元に比活性電流の組成依存性を求めた。参考例 2で説明した 方法と同様の方法により、 COストリツビング実験力 測定した表面積を用いて比活性 電流を計算した。その結果を図 6に示す。電流が最大となる組成は、図 6においても 図 5とほぼ同じ組成領域であることが分かる。これは、 Co成分の溶解等によってもた らされた表面積の増加によるものではなぐ材料固有の活性の増加に起因することを 意味している。 [0039] 実施例 3
PdCoAu三成分系合金の 3つすべてに加えて、 PdCoおよび PdAu二成分系合金 並びに Pd単独の合金について、定常状態における ORR電流を測定した。電位 (a) 0 . 70V、 (b) 0. 75Vおよび(c) 0. 80V (vsSHE)での定常状態の酸素還元電流を図 7に示す。図 7から、最も活性の高い領域は、二成分系軸に沿って Pdが 40〜60原子 %の組成範囲であり、また合金に Auを増量してカ卩えると活性が低下することが分か る。しかし、 PdAu二成分系においては Pdが 90原子%以下 (Auが 10原子%以上) の時に活性が極めて低 、ことを考えれば、 3成分系にお 、て Auの含有量が 20原子 %の時まで高!ヽ活性が維持されて ヽることは驚くべき結果である。
[0040] 実施例 4
実施例 3のデータを元に比活性電流の組成依存性を求めた。参考例 2で説明した 方法と同様の方法により、 COストリツビング実験力 測定した表面積を用いて比活性 電流を計算した。結果を図 8に示す。 ORR活性は、図 7と同様に PdCo二成分系軸 に沿った、 Pdが 40〜60原子%の組成範囲で最大値をとることが分かる。合金に Au を増量して加えると活性が低下するが、 Pd— Co二成分系の高い活性が、三成分系 においても Auが 20原子%になるまで維持されていることが分かる。
[0041] 実施例 5
酸素還元スクリーニング実験前後でのサイクリックボルタモグラムにおける、試料表 面の酸ィ匕物の還元ピーク電流の差を、試料安定性の予備的目安として取り、図 9に プロットした。図 9 (a)では、二成分系および三成分系合金からのデータを一緒にプロ ットしている。表面酸化物還元ピーク電流の変化は、二成分系合金系(二成分系に ついては図 3にも示す)の方が三成分系よりもかなり大きい。図 9 (b)では、三成分系 合金だけでの同じデータをプロットしている。 2つのプロットについての電流スケール を比較することによって、三成分系合金のすべてにっ 、て表面酸ィ匕物の還元ピーク 電流の変化が著しく小さくなつていることが明らかである。 ORR実験の前後で測定し た表面酸ィ匕物還元のピーク電流間の差が試料の安定性を示すと思われることを考え ると、三成分系の特定の組成領域においては、比活性が高ぐかつ安定性 (耐食性 を含む)が良好であると言える。 次に、実施例 6〜実施例 9ではカーボンプレート上に合金薄膜をスパッタリング法で 形成した作用電極を用いて性能評価を行った。実施例 6〜実施例 9では、電解質と して 0. 5Mの硫酸水溶液を用いた。実施例 8では温度を 80°Cとし、それ以外では温 度を室温(25°C)とした。
[0042] 実施例 6
同時スパッタリングによって基板上に Pd -Co- Au三成分系合金膜を作製した。 基板は 100mm (L) xlOmm (W) x3mm (t)のサイズのグラッシ一カーボンプレート であった。図 11 (a)に示すように、合金膜を、 20 X 10mmの領域上(図中の符号 3で 示す領域)に形成させ、カーボンの影響を排除するためにクリップ留め領域(図中の 符号 1で示す領域)を除!ヽて他の領域 (図中の符号 2で示す領域)をテフロン (Teflo n) (登録商標)でコーティングした。 Pd、 Coおよび Auのターゲット材(直径が 3インチ )を真空チャンバ一中にセットした。基板は、ターゲットから約 15cm離れた回転可能 なテーブル上に保持し、真空チャンバ一内を 4xlO_4Pa未満の真空度まで排気した 。次いで、圧力が 0. 5Paになるようにアルゴンガスをチャンバ一中に導入し、各ター ゲットに DC電力を印加した。回転テーブルとターゲットとの間のシャッターが開いて いる間に、基板上に三成分系合金膜が形成された。比較例として Pd膜を同様の方 法で作製した。 Pd、 Coおよび Auの堆積速度はそれぞれ約 0. 085、 0. 032および 0 . 098 (nmZ分 Zワット)であった。合金薄膜を形成する場合は、所望の合金組成に なるように各ターゲット材に印加する DC電力を決定した。膜の厚さは全て 200nmと した。各三成分系合金膜の組成を表 1に示す。表(1)は、実施例 6の PdCoAu三成 分系合金の目標組成と実測組成を示す。 3つの三成分系合金膜の CoZPd原子比 は 1. 125となるようにした。合金 Aと合金 Bが実施例であり、合金 Cは比較例である。 (合金 Aと合金 Bの組成は図 10に示した領域内である力 合金 Cはその領域外である o )
[0043] [表 1] 膜の組成 (原子%)
目標値 実測値
Pd Co Au Pd Co Au 合金 A 42 48 10 40.9 47.6 1 1.5
合金 B 38 42 20 35.8 41 7 22.5
合金 G 33 37 30 31.2 37.3 31.5
膜組成の測定は、開口径が 3mm径である試料ホルダーを有するモデル ZSX— 10 Oe (Rigaku)の蛍光 X線分光計を用いて行った。 Pd— L β 1、 Au— L aおよび Co— K aの強度を、膜試料、ならびに Pd、 Auおよび Coの標準試験片それぞれについて 測定し、次いで合金膜をファンダメンタルパラメータ一法で組成決定した。ここで、組 成決定には ZSX ver. 3. 13ソフトウェア(Rigaku)を使用した。
ORR活性は、電気化学半電池セルとポテンシォスタツト Zガルバノスタツト(Solart ron Model 1287)を用いて測定した。測定装置を図 12に示す。 AgZAgClおよ び Pt黒をそれぞれ基準電極および対極として使用した。測定前に、酸素ガスを 30分 以上パブリングし、 ORR電流の測定中は電解質水溶液を撹拌しながら、その表面上 に酸素ガスをフローさせた。
定常状態での ORR電流は以下の方式で測定した。前処理として、測定の前に 50 回、 0. 05V〜1. OV (vsRHE)の間で電位サイクルをかけて膜を電気化学的に研磨 した。この前処理の後、 1. 0V力 0. IV (VSRHE)まで 50mV毎に階段状に電位を 降下させた。各電位に 60秒間電位保持した。電位を変化させた直後は、電流が過渡 的変化を示したので、各ステップの最後の 40秒間での電流の平均値を定常状態で の ORR電流とした。図 13および図 14は定常状態での ORR電流の電位依存性を示 す。図 14は図 13の拡大図である。
図 14に示すように、合金 Aおよび合金 Bの ORR開始電位はパラジウム膜のそれより 貴な電位であった。これは、三成分系合金 Aおよび Bが、パラジウムより小さい過電圧 を有していることを示している。合金 Bの開始電位は、合金 Aのそれより卑ではあった 力 飽和領域(0. 5V (vsRHE)未満)における ORR電流はパラジウムのそれより大き かった。一方、これらと比較して、合金 Cは大きな過電圧を有するだけでなぐノ ジ ゥムより ORR電流も小さかった。
[0045] 実施例 7
Pd— Co— Au三成分系合金膜 Dを、図 11 (b)に示すように、グラッシ一カーボン基 板がテフロン (登録商標)でコーティングされて 、な 、こと以外は、実施例 6と実質的 に同じ方法で作製した。 Pd、 Coおよび Auの DCスパッタリング電力は、膜組成の Pd が 0. 4原子%、 Coが 0. 45原子%、 Auが 0. 15原子%となるように決定した。スパッ タリング後、合金膜を 600°Cで 6時間ァニールした。白金およびパラジウムの膜を、比 較例として作製した。すべての膜の厚さを 200nmとした。
ORR活性は実施例 6と同様にして評価した。 1N硫酸水溶液を電解質として使用し 、温度は 25°Cとした。測定の前に酸素ガスを 30分以上パブリングし、測定中は電解 質水溶液を撹拌せずに、その表面上に酸素ガスをフローさせた。測定は以下の方法 で実施した。前処理として、測定の前に、 50回、 0. 05V〜1. OV(vsRHE)の電位で 電位サイクルを行い、膜を電気化学的に研磨した。前処理後、作用電極の電位を、 1 . OV(vsRHE)力 始めて 0. 6V(vsRHE)まで lmVZ秒の掃引速度で電位掃引し た。続いて、窒素ガスを 30分以上パブリングしたした後に、窒素ガスを溶液の表面上 にフローさせながら、作用電極の電位を同じ方法で掃引した。最後に、各電位にお いて、前者の測定電流 (酸素飽和状態での測定電流)から、後者 (窒素飽和状態下 で測定した電流)を減じた。図 15にその結果を示す。
図 15に示すように、合金 Dの ORR開始電位はパラジウムのそれより貴であった。ピ ーク電流は白金のそれより大き力つた。さら〖こ、合金 Dの ORR電流 Z電位の勾配は 白金のそれより急峻である。
[0046] 実施例 8
Pd— Co— Au三成分系合金膜 Eを実施例 7と同じ方法で作製した。合金 Fおよび ノ ラジウム膜を比較例として作製した。合金 Eおよび合金 Fの組成は、それぞれ Pdが 0. 4原子%、Coが 0. 45原子%、Auが 0. 15原子%および Pdが 0. 5原子%、 Coが 0. 5原子%である。実施例 7と同様、合金 Eおよび合金 Fの膜を 600°Cで 5時間ァ- ールした。
これら 3つの電極について耐久性試験を以下の方法で実施した。 実施例 6と同じ半電池セルおよびポテンシォスタツト Zガルバノスタツトを用いた。測 定前に 30分以上酸素ガスをバブリングした。 ORR電流測定中電解質水溶液を撹拌 しながら、その表面上に酸素ガスをフローさせた。測定は、最初に試料電極 (作用電 極)を溶液中に 10分間浸漬させた。次いで、セル内の硫酸電解質水溶液を約 4ml抜 き取った。続いて、 lOOmVZ秒の掃引速度で、 50回、 0. 05V〜1. OV(vsRHE)の 間で電位サイクルをかけた後、硫酸電解質水溶液を約 4ml抜き取り、同様の操作を 1 50サイクルまで実施した。抜き取ったそれぞれの溶液を ICP法で分析し、溶解してい る金属イオン濃度を測定した。図 16にその結果を示す。溶出率は、(ICPで測定した Pdの溶解量) / (Pdの総量)と定義する。
図 16に示すように、合金 Fおよび Pd膜の溶出率はそれぞれ 40%および 20%を超 えた力 合金 Eのパラジウム溶出率は 3%未満であった。
実施例 9
Ptおよび Pd Co Au (合金 G)の膜を、実施例 6と同じスパッタリング方法で
0. 42 0. 48 0. 1
グラッシ一カーボンプレート上に形成させた。定常状態での ORR電流は実施例 6と 同じ方法で測定した。次いで、メタノールを半電池セルの硫酸電解質水溶液中に滴 下させて撹拌した。続いて、定常状態での ORR電流を測定した。 Pt膜および合金 G の膜を用いた結果をそれぞれ図 17 (a)および図 17 (b)に示す。 ORR電流に対する メタノールの影響は、三成分系合金の場合は抑制されている力 Ptの場合はメタノー ル濃度に比例して減少した。つまり、これらの触媒を直接メタノール燃料電池に使用 した場合、合金 Gの方力 タノールクロスオーバーの影響を受け難 、ことがわかる。 次に、実施例 10〜実施例 13において、炭素粉末担体上に合金微粒子を担持させ た触媒担持体の粉末をカーボンロッドに固着させて電極を作製し、これを作用電極と して性能評価を行った。
これらの実施例及び比較例において用いる測定法は以下のとおりである。
粉末 X線回折法 (XRD)は、 RINT- 2500 (理学電機 (株)製)を用い、測定条件は 、線源を CuK o;線、走査軸を 2 Θ Ζ Θ ステップ間隔を 0. 01° 、スキャンスピードを 0. 5° Zmin、加速電圧を 40kV、加速電流を 200mAとして行い、測定の際に使用 したスリットは、発散スリットが 1° 、散乱スリットが 1° 、受光スリットが 0. 15mmであり 、検出器の前にグラフアイトモノクロメーターを装着した。
蛍光 X線分析法 (XRF)は、測定試料を 5πιπιΦの Al— ringを用いて錠剤成型をし て測定に供し、 XRF全元素定性及び半定量分析を行い、 XRF分析の分析径は 3m πιΦとし、 ZSX— lOOe (理学電機 (株)製)を使用した。
誘導結合高周波プラズマ発光分光分析法 (ICP発光分析法)は、焼成炉を用いた 空気中、 500°C、 5〜6時間の焼成によりカーボンを COガス化し除去した後、残渣
2
物を王水に加熱溶解させたものを、 IRIS Intrepid -II (Thermo Electron社製) を用いて、各金属元素を検量線法により定量することにより行った。
電気化学試験は、ポテンシォガルバノスタツト: Solartronl255WB又は 1280Z ( V、ずれも英国ソーラトロン社製)を用いて行った。測定条件等の詳細は実施例及び 比較例に記載する。
実施例 10
5質量%の塩化パラジウム (II)塩酸水溶液 (アルドリッチ社製)を 0. 1質量%に希釈 したもの 179. 8gに、炭素微粒子であるケッチェンブラック (登録商標) EC (ケッチェ ン 'ブラック 'インターナショナル株式会社製、表面積 800m2Zg、一次粒径 39. 5nm )を 1. Og加え、約 10分間超音波ホモジナイザー分散を行った。
上記分散して得られた分散液に、ヒドラジン ·一水和物 (和光純薬工業 (株)製)を 0 . 05質量%に希釈し、この希釈液を約 2時間程度かけて滴下し、分散液の pHが 7〖こ なるようにした。滴下後、室温で約 1時間攪拌した後、吸引ろ過により取り出し、精製 水で洗浄した後、エタノールで洗浄した。得られた粉末を、空気中、 80°Cで約 8時間 乾燥することにより、 Pd担持体 (PdZC)を得た。触媒の同定は、 XRDにより行った。 続いて、 Co (NO ) · 6Η 0 (和光純薬工業 (株)製) 0. 332gを精製水 100mlに溶
3 2 2
解させ、上記より得られた PdZcを加え、約 10分間超音波ホモジナイザー分散を行 つた。上記分散液を、エバポレーターを用いて、約 60°Cで加熱しながら溶媒である 精製水を除去した後、 10%水素含有アルゴン気流下、 300°Cで 2時間の焼成を行つ て、次いで窒素気流下、 600°Cで 5時間の焼成を行うことで、 PdCo合金担持体 (Pd CoZC)を得た。
続いて、塩化金 (III)酸塩酸水溶液 (金含有量 17質量%) (アルドリッチ社製) 0. 43 lgを精製水 100mlに溶解させ、上記より得られた PdCoZCを加え、約 10分間超音 波ホモジナイザー分散を行った。上記分散液を、エバポレーターを用い、約 60°Cで 加熱しながら溶媒である精製水を除去した後、窒素気流下、 600°Cで 5時間の焼成 を行うことで、 PdCoAu合金担持体(PdCoAuZC)を得た。
XRDより、 Pd、 Co及び Au金属単体は存在せず、合金化していることが確認でき、 特に、 Pd (111)ピークは、合金化により、回折ピークが広角度へシフトしている。又、 各元素のモル比 Pd:Co:Au=0. 38 :0. 45 :0. 17は、 XRF測定より算出した。
[0049] 上記によって得られた PdCoAuZCの電気化学特性を下記の方法によって評価し た。まず、触媒担持体の粉末 10mgに 50質量%エタノール水溶液を加え 10gに調製 し、超音波を印加して分散させ、 0. 1%触媒懸濁液を得た。この触媒懸濁液を 15 1 採取し、鏡面研磨したグラッシ一カーボン電極 (直径 6mm)上に滴下し、乾燥機にお いて 50°Cで乾燥させた。次に導電性榭脂溶液 (ァシプレックス、旭化成ケミカルズ登 録商標、含有量 0. 15%エタノール溶液)を 10 1滴下し、窒素雰囲気中、 120°Cで 2時間乾燥することによって固定ィ匕し、 PdCoAuZC試験電極を作製した。
次に、得られた PdCoAuZC試験電極について、以下の方法により 0. 5M硫酸水 溶液中、 80°Cで 3電極式の電気化学セルを用いて、電気化学試験を行った。以下、 電位は、 0. 5M硫酸中での水素電極 (RHE)に対する電位で示す。
硫酸水溶液中に酸素ガスを約 30分間パブリングさせることにより、セル内の雰囲気 を酸素飽和とした後、電位走査(電位走査範囲: 0. 05〜: L 0V、走査速度 lOOmV Zs)を 150回行った。上記操作は、強酸性、 80°C、酸素飽和下で、電位サイクルを 1 50回施すといった過酷な条件であり、上記操作後の触媒の活性は、その耐久性を反 映させたものといえる。次に電位を 1. 0Vで 15秒保持後、 1. 0V力も 0. 30Vまで電 位を 0. 05V間隔に変化させて酸素還元電流値を測定した (電位ごとのホールド時間 は 60秒間とし、各電位ごとの電流値はホールド時間内における 20秒以降の 40秒間 の平均値とする)。
酸素還元電流値が 0. 01mA (電極上のパラジウム lgあたりの酸素還元電流値が 8 . 7AZgに相当)を超える電位は、 0. 645Vであった。
[0050] 実施例 11 実施例 10にお 、て、 5質量%の塩化パラジウム (Π)塩酸水溶液 (アルドリッチ社製) を 0. 1質量%に希釈したものを 217. 7g、Co (NO ) · 6Η 0 (和光純薬工業 (株)製
3 2 2
)を 0. 226g、塩化金 (III)酸塩酸水溶液 (金含有量 17質量%) (アルドリッチ社製)を 0. 372gにすること以外は、実施例 10と同様な操作を施すことによって、 PdCoAu合 金担持体 (PdCoAuZC)を得た。
XRDより、 Pd、 Co及び Au金属単体は存在せず、合金化していることが確認でき、 特に、 Pd (111)ピークは、合金化により、回折ピークが広角度へシフトしている。又、 各元素のモル比 Pd: Co :Au=0. 51 : 0. 33 : 0. 16は、 XRF測定より算出した。 上記によって得られた PdCoAuZCの電気化学特性を実施例 1と同様の方法によ つて評価したところ、酸素還元電流値が 0. 01mA (電極上のパラジウム lgあたりの酸 素還元電流値が 8. 7AZgに相当)を超える電位は、 0. 757Vであった。
比較例 11— 1として、 PdCoAu合金担持体(PdCoAuZC) (Pd: Co :Au=0. 36 : 0. 47 : 0. 17)を以下のように作製し触媒活性を評価した。
先ず、実施例 10と同様の方法により Pd担持体 (PdZC)を得た。触媒の同定は、 X RDにより行った。続いて、 Co (NO ) · 6Η 0 (和光純薬工業 (株)製) 0. 332g及び
3 2 2
塩化金 (III)酸塩酸水溶液 (金含有量 17質量%) (アルドリッチ社製) 0. 431gを精製 水 100mlに溶解させ、上記より得られた PdZCをカ卩え、約 10分間超音波ホモジナイ ザ一分散を行った。
上記分散して得られた分散液を、エバポレーターを用い、約 60°Cで加熱しながら 溶媒である精製水を除去した後、 10%水素含有アルゴン気流下、 300°Cで 2時間の 焼成を行い、次いで窒素気流下、 600°Cで 5時間の焼成を行うことにより、 PdCoAu 合金担持体 (PdCoAuZC)を得た。
XRDより、 Pd、 Co及び Au金属単体は存在せず、合金化していることが確認でき、 特に、 Pd (111)ピークは、合金化により、回折ピークが広角度へシフトしている。又、 各元素のモル比 Pd: Co :Au=0. 36 : 0. 47 : 0. 17は、 XRF測定より算出した。 上記によって得られた PdCoAuZCの電気化学特性を実施例 10と同様の方法に よって評価したところ、酸素還元電流値が 0. 01mA (電極上のパラジウム lgあたりの 酸素還元電流値が 8. 7AZgに相当)を超える電位は、 0. 511Vであった。 [0052] 比較例11 2として、?(10)八11合金担持体(?(10)八117じ)(?(1: 0) :八11=0. 38 : 0. 42 : 0. 20)を以下のように作製し触媒活性を評価した。
(NH ) [PdCl ] (和光純薬工業 (株)製) 0. 2888及び0) ^0 ) - 6H 0 (和光純
4 4 3 2 2 薬工業 (株)製) 0. 332gを 100mlの精製水に溶解させ、炭素微粒子であるケッチェ ンブラック (登録商標) EC (ケッチェン'ブラック ·インターナショナル株式会社製、表 面積 800m2Zg、一次粒径 39. 5nm)を 1. 0g加え、約 10分間超音波ホモジナイザ 一分散を行った。上記分散液を、エバポレーターを用いて、約 60°Cで加熱しながら 溶媒である精製水を除去した後、 10%水素含有アルゴン気流下、 300°Cで 2時間の 焼成を行い、次いで窒素気流下、 600°Cで 5時間の焼成を行うことで、 PdCo合金担 持体 (PdCoZC)を得た。
続いて、塩化金 (III)酸塩酸水溶液 (金含有量 17質量%) (アルドリッチ社製) 0. 43 lgを精製水 100mlに溶解させ、上記より得られた PdCoZCを加え、約 10分間超音 波ホモジナイザー分散を行った。上記分散で得られた分散液を、エバポレーターを 用い、約 60°Cで加熱しながら溶媒である精製水を除去した後、窒素気流下、 600°C で 5時間の焼成を行うことにより、 PdCoAu合金担持体 (PdCoAuZC)を得た。
XRDより、 Pd、 Co及び Au金属単体は存在せず、合金化していることが確認でき、 特に、 Pd (111)ピークは、合金化により、回折ピークが広角度へシフトしている。又、 各元素のモル比 Pd: Co :Au=0. 38 : 0. 42 : 0. 20は、 XRF測定より算出した。 上記によって得られた PdCoAuZCの電気化学特性を実施例 10と同様の方法に よって評価したところ、酸素還元電流値が 0. 01mA (電極上のパラジウム lgあたりの 酸素還元電流値が 8. 7AZgに相当)を超える電位は、 0. 548Vであった。
[0053] 比較例 11— 3として、 (10)八11合金担持体(?(1じ0八117じ)(?(1: 0) :八11=0. 46
: 0. 34 : 0. 20)を以下のように作製し触媒活性を評価した。
先ず、実施例 10と同様の方法により Pd担持体 (PdZC)を得た。触媒の同定は、 X RDにより行った。
続いて、塩化金 (III)酸塩酸水溶液 (金含有量 17質量%) (アルドリッチ社製) 0. 43 lgを精製水 100mlに溶解させ、上記より得られた PdZCを加え、約 10分間超音波 ホモジナイザー分散を行った。上記分散液を、エバポレーターを用い、約 60°Cでカロ 熱しながら溶媒である精製水を除去した後、窒素気流下、 600°Cで 5時間の焼成を 行うことにより、 PdAu合金担持体 (PdAuZC)を得た。
続いて、 Co (NO ) ·6Η 0 (和光純薬工業 (株)製) 0. 332gを精製水 100mlに溶
3 2 2
解させ、上記より得られた PdAuZCを加え、約 10分間超音波ホモジナイザー分散を 行った。上記分散液を、エバポレーターを用いて、約 60°Cで加熱しながら溶媒であ る精製水を除去した後、 10%水素含有アルゴン気流下、 300°Cで 2時間の焼成を行 い、次いで窒素気流下、 600°Cで 5時間の焼成を行うことにより、 PdCoAu合金担持 体(PdCoAuZC)を得た。
XRDより、 Pd、 Co及び Au金属単体は存在せず、合金化していることが確認でき、 特に、 Pd (111)ピークは、合金化により、回折ピークが広角度へシフトしている。又、 各元素のモル比 Pd:Co:Au=0. 46 :0. 34:0. 20は、 XRF測定より算出した。 上記によって得られた PdCoAuZCの電気化学特性を実施例 10と同様の方法に よって評価したところ、酸素還元電流値が 0. 01mA (電極上のパラジウム lgあたりの 酸素還元電流値が 8. 7AZgに相当)を超える電位は、 0. 575Vであった。
比較例 11— 4として、 Pd担持体 (PdZC)を実施例 10と同様の方法によって評価 したところ、酸素還元電流値が 0. 01mA (電極上のパラジウム lgあたりの酸素還元 電流値が 8. 7AZgに相当)を超える電位は、 0. 590Vであった。
以上、実施例 10、実施例 11及び比較例 11— 1〜: L 1—4をまとめると表 2のようにな り、本発明による触媒及び製造方法が、固体高分子型燃料電池用力ソード触媒とし て優れて 、ることは明確である。
表(2)は、実施例 10、実施例 11、比較例 11 1、比較例 11 2、比較例 11 3お よび比較例 11—4の合金触媒組成と ORR開始電位の一覧表である。
[表 2] 触媒 Pd:Co:Au 酸素還元電流値が 0.01m
A (電極上のパラジウム lg あたりの酸素還元電流値が 8.7AZgに相当)を超える 実施例 10 PdCoAu/C 0.38:0.45:0.17 0.645V 実施例 11 PdCoAu/C 0.51:0.33:0.16 0.757V 比較例 11-1 PdCoAu/C 0.36:0.47:0.17 0.511V 比較例 11-2 PdCoAu/C 0.38:0.42:0.20 0.548V 比較例 11-3 PdCoAu/C 0.46:0.34:0.20 0.575V 比較例 11-4 Pd/C Pdのみ 0.590V
[0055] 実施例 12
PdCoAu合金担持体(PdCoAuZC) (Pd:Co:Au=0.37:0.48:0.15)を以下 のように作製し触媒活性を評価した。
<逆ミセル溶液 (A)の作製 >
ビス (ェチルへキシル)スルホコハク酸ナトリウム (AOT) (和光純薬工業 (株)製) 61 .7gを、ヘプタン (和光純薬工業 (株)製) 213mlに溶解させた。 (NH ) [PdCl ] (和
4 2 6 光純薬工業 (株)製) 0. 103g、 Co (NO ) ·6Η 0(和光純薬工業 (株)製) 0.0943
3 2 2
g、 HAuCl ·ηΗ O (アルドリッチ社製)を 30質量%水溶液に調製したもの 0.122gを
4 2
24.9gの精製水に溶解させた。上記 2種の溶液を混合し、氷浴中、窒素パブリング をしながら、約 20分間超音波ホモジナイザー分散とマグネティックスターラーによる 攪拌を両立させた状態を施し、逆ミセル溶液を作製した。作製後、更に約 30分間の 窒素パブリングを施し、溶存酸素を十分に除去した。
[0056] <逆ミセル溶液(B)の作製 >
ビス (ェチルへキシル)スルホコハク酸ナトリウム (AOT) (和光純薬工業 (株)製) 61 .7gを、ヘプタン (和光純薬工業 (株)製) 213mlに溶解させた。 NaBH (和光純薬
4
工業 (株)製)を 1.74g、 NaOH (和光純薬工業 (株)製)を ImolZlの水溶液に調製 したものを 3g調製し、これらを 22. lgの精製水に溶解させた。上記 2種の溶液を混合 し、氷浴中、窒素パブリングをしながら、約 20分間超音波ホモジナイザー分散とマグ ネテイツタスターラーによる攪拌を両立させた状態を施し、逆ミセル溶液を作製した。 作製後、更に約 30分間の窒素パブリングを施し、溶存酸素を十分に除去した。
< PdCoAu/Cの作製 >
逆ミセル溶液 (A)に逆ミセル溶液 (B)を混合し、 60°C下、窒素パブリングをしながら 、約 30分間超音波ホモジナイザー分散とマグネティックスターラーによる攪拌を両立 させた状態を施して、反応させた。次いで、炭素微粒子であるケッチェンブラック (登 録商標) EC (ケッチェン ·ブラック ·インターナショナル株式会社製、表面積 800m2Z g、一次粒径 39. 5nm) 0. 284gを加え、上記記載と同条件で約 10分間超音波ホモ ジナイザー分散とマグネティックスターラーによる攪拌を両立させた状態を施した。更 に、室温下でマグネティックスターラーによる攪拌を約 1. 5時間行った後、吸引ろ過 により取り出した。精製水とアセトンで十分に洗浄した後、デシケーター中で乾燥させ た。
次に、 10%水素含有アルゴン気流下、 900°Cで 1時間の焼成を行うことで、 PdCo Au合金担持体 (PdCoAu,C)を得た。
XRDより、 Pd、 Co及び Au金属単体は存在せず、合金化していることが確認でき、 PdCoAu三元合金は単相であることが分かった。特に、 Pd(l l l)ピークは 2 Θ =41 . 24° で、合金化により回折ピークが広角度へシフトしている(図 18を参照)。
又、各元素のモル比 Pd: Co :Au=0. 37 : 0. 48 : 0. 15は、 ICP発光測定より算出 した。
上記によって得られた PdCoAuZCの電気化学特性を下記の方法によって評価し た。まず、触媒担持体の粉末 10mgに 50質量%エタノール水溶液を加え 10gに調製 し、超音波を印加して分散させ、 0. 1%触媒懸濁液を得た。この触媒懸濁液を 15 1 採取し、鏡面研磨したグラッシ一カーボン電極 (直径 6mm)上に滴下し、乾燥機にお いて 50°Cで乾燥させた。次に導電性榭脂溶液 (ァシプレックス、旭化成ケミカルズ登 録商標、含有量 0. 15%エタノール溶液)を 10 1滴下し、窒素雰囲気中、 120°Cで 2時間乾燥することで固定ィ匕し、 PdCoAuZC試験電極を作製した。
次に、得られた PdCoAuZC試験電極について、以下の方法により 0. 5M硫酸水 溶液中、 25°Cで 3電極式の電気化学セルを用いて、電気化学試験を行った。以下、 電位は、 0. 5M硫酸中での水素電極 (RHE)に対する電位で示す。
まず、硫酸水溶液中に窒素ガスを 30分パブリングさせることにより溶存酸素を除き、 電位走査(電位走査範囲: 0. 05〜: L 0V、走査速度 200mVZs)を 100回行なって 試験電極表面を洗浄した。つぎに電位を 1. 0Vで 15秒保持後、 1. 0Vカゝら 0. 3Vま で電位を 5mVZsの速度で掃引し、電流値を測定した。次に、酸素ガスを 30分パブ リングさせることで、セル内の雰囲気を酸素飽和とした後、同様の電位走査により酸 素還元電流値を測定した。結果を図 19に示す。
電極上のパラジウム lgあたりの酸素還元電流値と窒素雰囲気での電流値の差が 5 A/gを超える電位は、 0. 818Vであった。
[0058] 比較例 12— 1
比較例として Pd担持体 (PdZC)を以下のように作製し触媒活性を評価した。
5質量%塩化パラジウム (Π)塩酸水溶液 (アルドリッチ社製)を 0. 1質量%に希釈し たもの 179. 8gに、炭素微粒子であるケッチェンブラック (登録商標) EC (ケッチェン' ブラック ·インターナショナル株式会社製、表面積 800m2Zg、一次粒径 39. 5nm) l . 15gを加え、約 10分間超音波ホモジナイザー分散を行った。上記分散液に、ヒドラ ジン ·一水和物 (和光純薬工業 (株)製)を 0. 05質量%に希釈したものを約 2時間程 度かけて滴下し、分散液の pHが 7になるようにした。滴下後、室温で約 1時間攪拌し た後、吸引ろ過より取り出し、精製水、エタノールで洗浄した。得られた粉末を、空気 中、 80°Cで約 8時間乾燥することで、 Pd担持体 (PdZC)を得た。触媒の同定は、 X RDにより行った。
上記によって得られた PdZCの電気化学特性を実施例 12と同様の方法によって 評価した。結果を同様に図 19に示す。電極上のパラジウム lgあたりの酸素還元電流 値と窒素雰囲気での電流値の差が 5AZgを超える電位は、 0. 79 IVであった。
[0059] 比較例 12— 2
実施例 12の PdCoAu/Cの作製において、 NaBHの量を 0. 174gにすること以
4
外は、実施例 12と同様な操作を施した。
ICP発光測定より、各元素のモル比を測定したところ、 Pd:Co:Au=0. 47:0. 40 :0. 13となり、 Co量は仕込み量より少なぐ目的の組成をもつ合金を得ることはでき なかった。
実施例 13
PdCoAuTi合金担持体(PdCoAuTi/C) (Pd: Co :Au:Ti=0. 29 : 0. 38 : 0. 1 2 : 0. 21)を以下のように作製し触媒活性を評価した。
<逆ミセル溶液 (A)の作製 >
ビス (ェチルへキシル)スルホコハク酸ナトリウム (AOT) (和光純薬工業 (株)製)の 量を 46. 3gにすること以外は実施例 12と同様の操作を施すことで溶液を作製した。 <逆ミセル溶液 (B)の作製 >
実施例 12と同様の操作を施すことで溶液を作製した。
< PdCoAuTi/Cの作製 >
逆ミセル溶液 (A)に逆ミセル溶液 (B)を混合し、次 、で Ti (OC H ) (和光純薬ェ
3 7 4
業 (株)製) 0. 0408gをカ卩え、更に精製水 8. 35gを加えた。 50°C下、窒素パブリング をしながら、約 30分間超音波ホモジナイザー分散とマグネティックスターラーによる 攪拌を両立させた状態を施して反応させた。以下、実施例 1と同様の操作を施すこと で、 PdCoAuTi合金担持体(PdCoAuTiZC)を得た。
XRDより、 Pd、 Co、 Au及び Ti金属単体は存在せず、合金化していることが確認で き、 PdCoAuTi四元合金は単相であることが分かった。特に、 Pd (111)ピークは 2 Θ =41. 14° で、合金化により回折ピークが広角度へシフトしている(図 20を参照)。 又、各元素のモル比13(1: 0) :八11:1 =0. 29 : 0. 38 : 0. 12 : 0. 21は、 ICP発光測 定より算出した。
上記によって得られた PdCoAuTiZCの電気化学特性を下記の方法によって評価 した。まず、触媒担持体の粉末 10mgに精製水を加え 10gに調製し、超音波を印加 して分散させ、 0. 1%触媒懸濁液を得た。この触媒懸濁液を 5 1採取し、鏡面研磨 したグラッシ一カーボン電極(直径 6mm)上に滴下し、乾燥機にぉ ヽて 50°Cで乾燥 させ、この操作を合計 3回繰り返し、触媒懸濁液を 15 1採取して電極にのせた。次 に導電性榭脂溶液 (ァシプレックス、旭化成ケミカルズ登録商標、含有量 0. 15%ェ タノール溶液)を 5 1滴下し、 50°Cで数時間乾燥することで固定ィ匕し、 PdCoAuTi ,C試験電極を作製した。 次に、得られた PdCoAuTiZC試験電極について、以下の方法により 0. 5M硫酸 水溶液中、 60°Cで、 3電極式の電気化学セルを用いて、回転電極法による電気化学 試験を行った。以下、電位は、 0. 5M硫酸中での水素電極 (RHE)に対する電位で 示す。
まず、硫酸水溶液中に窒素ガスを 30分パブリングさせることにより溶存酸素を除き、 電位走査(電位走査範囲: 0. 05〜: L 0V、走査速度 200mVZs)を 100回行なって 試験電極表面を洗浄した。つぎに、回転数 2000rZmにし、電位を 1. 0Vで 15秒保 持後、 1. 0Vから 0. 3Vまで電位を 5mVZsの速度で掃引し、電流値を測定した。次 に、酸素ガスを 30分パブリングさせることで、セル内の雰囲気を酸素飽和とした後、 同じく回転数 2000rZmにし、同様の電位走査により酸素還元電流値を測定した。 結果を図 21に示す。
電極上のパラジウム lgあたりの酸素還元電流値と窒素雰囲気での電流値の差が 1 OA/gを超える電位は、 0. 806Vであった。
実施例 14
PdCoAuNi合金担持体(PdCoAuNi/C) (Pd: Co :Au:Ni=0. 33 : 0. 38 : 0. 1 3 : 0. 16)を以下のように作製し触媒活性を評価した。
<逆ミセル溶液 (A)の作製 >
ビス (ェチルへキシル)スルホコハク酸ナトリウム (AOT) (和光純薬工業 (株)製) 46 . 3gを、ヘプタン (和光純薬工業 (株)製) 213mlに溶解させた。 (NH ) [PdCl ] (和
4 2 6 光純薬工業 (株)製)を 0. 103g、 Co (NO ) · 6Η Ο (和光純薬工業 (株)製)を 0. 0
3 2 2
943g、 HAuCl ·ηΗ Ο (アルドリッチ社製)を 30質量%水溶液に調製したものを 0·
4 2
122g、NiCl · 2Η 0 (和光純薬工業 (株)製)を 0. 034g調製し、これらを 24. 9gの
2 2
精製水に溶解させた。上記 2種の溶液を混合し、氷浴中、窒素パブリングをしながら 、約 20分間超音波ホモジナイザー分散とマグネティックスターラーによる攪拌を両立 させた状態を施し、逆ミセル溶液を作製した。作製後、更に約 30分間の窒素パブリン グを施し、溶存酸素を十分に除去した。
<逆ミセル溶液 (B)の作製 >
ビス (ェチルへキシル)スルホコハク酸ナトリウム (AOT) (和光純薬工業 (株)製) 61 . 7gを、ヘプタン (和光純薬工業 (株)製) 213mlに溶解させた。 NaBH (和光純薬
4
工業 (株)製) 1. 74g、 NaOH (和光純薬工業 (株)製)を ImolZlの水溶液に調製し たもの lgを 24. Ogの精製水に溶解させた。上記 2種の溶液を混合し、氷浴中、窒素 パブリングをしながら、約 20分間超音波ホモジナイザー分散とマグネティックスターラ 一による攪拌を両立させた状態を施し、逆ミセル溶液を作製した。作製後、更に約 30 分間の窒素パブリングを施し、溶存酸素を十分に除去した。
< PdCoAuNi/Cの作製 >
逆ミセル溶液 (A)に逆ミセル溶液 (B)を混合し、さらに蒸留水 12mlをカ卩え、 60°C 下、窒素パブリングをしながら、約 30分間超音波ホモジナイザー分散とマグネテイツ クスターラーによる攪拌を両立させた状態を施し反応させた。次いで、炭素微粒子で あるケッチェンブラック (登録商標) EC (ケッチェン'ブラック 'インターナショナル株式 会社製、表面積 800m2Zg、一次粒径 39. 5nm) 0. 284gを上記記載と同条件で約 10分間超音波ホモジナイザー分散とマグネティックスターラーによる攪拌を両立させ た状態を施した。更に、室温下でマグネティックスターラーによる攪拌を約 1. 0時間 行った後、吸引ろ過により取り出した。精製水とアセトンで十分に洗浄した後、デシケ 一ター中で乾燥させた。
次に、 10%水素含有アルゴン気流下、 900°Cで 1時間の焼成を行うことで、 PdCo AuNi合金担持体(PdCoAuNiZC)を得た。
XRDより、 Pd、 Co、 Au及び Ni金属単体は存在せず、合金化していることが確認で き、 PdCoAuNi四元合金は単相であることが分かった。特に、 Pd (111)ピークは 2 Θ =41. 73° で、合金化により回折ピークが高角度へシフトしている(図 22を参照)。 上記によって得られた PdCoAuNiZCの電気化学特性を下記の方法によって評価 した。まず、触媒担持体の粉末 10mgに精製水を加え 10gに調製し、超音波を印加 して分散させ、 0. 1%触媒懸濁液を得た。この触媒懸濁液を 5 1採取し、鏡面研磨 したグラッシ一カーボン電極(直径 6mm)上に滴下し、乾燥機にぉ ヽて 50°Cで乾燥 させ、この操作を合計 3回繰り返し、触媒懸濁液を 15 1採取して電極にのせた。次 に導電性榭脂溶液 (ァシプレックス、旭化成ケミカルズ登録商標、含有量 0. 15%ェ タノール溶液)を 5 1滴下し、 50°Cで数時間乾燥することで固定ィ匕し、 PdCoAuNi ,c試験電極を作製した。
次に、得られた PdCoAuNiZC試験電極について、以下の方法により 0. 5M硫酸 水溶液中、 60°Cで、 3電極式の電気化学セルを用いて、回転電極法による電気化学 試験を行った。以下、電位は、 0. 5M硫酸中での水素電極 (RHE)に対する電位で 示す。
まず、硫酸水溶液中に窒素ガスを 30分パブリングさせることにより溶存酸素を除き、 電位走査(電位走査範囲: 0. 05〜: L 0V、走査速度 200mVZs)を 100回行なって 試験電極表面を洗浄した。つぎに、回転数 2000rZmにし、電位を 1. 0Vで 15秒保 持後、 1. 0Vから 0. 3Vまで電位を 5mVZsの速度で掃引し、電流値を測定した。次 に、酸素ガスを 30分パブリングさせることで、セル内の雰囲気を酸素飽和とした後、 同じく回転数 2000rZmにし、同様の電位走査により酸素還元電流値を測定した。 結果を図 23に示す。
電極上のパラジウム lgあたりの酸素還元電流値と窒素雰囲気での電流値の差が 1 OA/gを超える電位は、 0. 808Vであった。
実施例 15
PdCoAuFe合金担持体(PdCoAuFe/C) (Pd: Co :Au:Fe = 0. 33 : 0. 38 : 0. 13 : 0. 16)を以下のように作製し触媒活性を評価した。
<逆ミセル溶液 (A)の作製 >
ビス (ェチルへキシル)スルホコハク酸ナトリウム (AOT) (和光純薬工業 (株)製) 46 . 3gを、ヘプタン (和光純薬工業 (株)製) 213mlに溶解させた。 (NH ) [PdCl ] (和
4 2 6 光純薬工業 (株)製) 0. 103g、 Co (NO ) · 6Η 0 (和光純薬工業 (株)製) 0. 0943
3 2 2
g、 HAuCl ·ηΗ 0 (アルドリッチ社製)を 30質量%水溶液に調製したもの 0· 122g、
4 2
Fe (NO ) · 9Η 0 (和光純薬工業 (株)製) 0. 058gを 24. 9gの精製水に溶解させ
3 3 2
た。上記 2種の溶液を混合し、氷浴中、窒素パブリングをしながら、約 20分間超音波 ホモジナイザー分散とマグネティックスターラーによる攪拌を両立させた状態を施し、 逆ミセル溶液を作製した。作製後、更に約 30分間の窒素パブリングを施し、溶存酸 素を十分に除去した。
<逆ミセル溶液 (B)の作製 > 実施例 14と同様の操作を施すことで溶液を作製した。
< PdCoAuFe/Cの作製 >
逆ミセル溶液 (A)に逆ミセル溶液 (B)を混合し、さらに蒸留水 12mlをカ卩え、 60°C 下、窒素パブリングをしながら、約 30分間超音波ホモジナイザー分散とマグネテイツ クスターラーによる攪拌を両立させた状態を施して反応させた。次いで、炭素微粒子 であるケッチェンブラック (登録商標) EC (ケッチェン'ブラック 'インターナショナル株 式会社製、表面積 800m2Zg、一次粒径 39. 5nm) 0. 284gを上記記載と同条件で 約 10分間超音波ホモジナイザー分散とマグネティックスターラーによる攪拌を両立さ せた状態を施した。更に、室温下でマグネティックスターラーによる攪拌を約 1. 0時 間行った後、吸引ろ過により取り出した。精製水とアセトンで十分に洗浄した後、デシ ケーター中で乾燥させた。 次に、 10%水素含有アルゴン気流下、 900°Cで 1時間の焼成を行うことにより、 Pd CoAuFe合金担持体(PdCoAuFeZC)を得た。
XRDより、 Pd、 Co、 Au及び Fe金属単体は存在せず、合金化していることが確認 できる。特に、 Pd(l l l)ピークは 2 Θ =41. 06° で、合金化により回折ピークが高角 度へシフトして 、る(図 24を参照)。
上記によって得られた PdCoAuFeZCの電気化学特性を下記の方法によって評 価した。まず、触媒担持体の粉末 10mgに精製水を加え 10gに調整し、超音波を印 カロして分散させ、 0. 1%触媒懸濁液を得た。この触媒懸濁液を 5 1採取し、鏡面研 磨したグラッシ一カーボン電極(直径 6mm)上に滴下し、乾燥機にぉ 、て 50°Cで乾 燥させ、この操作を合計 3回繰り返し、触媒懸濁液を 15 1採取して電極にのせた。 次に導電性榭脂溶液 (ァシプレックス、旭化成ケミカルズ登録商標、含有量 0. 15% エタノール溶液)を 5 1滴下し、 50°Cで数時間乾燥することで固定ィ匕し、 PdCoAuF e,C試験電極を作製した。
次に、得られた PdCoAuFeZC試験電極について、以下の方法により 0. 5M硫酸 水溶液中、 60°Cで、 3電極式の電気化学セルを用いて、回転電極法による電気化学 試験を行った。以下、電位は、 0. 5M硫酸中での水素電極 (RHE)に対する電位で 示す。 まず、硫酸水溶液中に窒素ガスを 30分パブリングさせることにより溶存酸素を除き、 電位走査(電位走査範囲: 0. 05〜: L OV、走査速度 200mVZs)を 100回行なって 試験電極表面を洗浄した。つぎに、回転数 2000rZmにし、電位を 1. 0Vで 15秒保 持後、 1. 0Vから 0. 3Vまで電位を 5mVZsの速度で掃引し、電流値を測定した。次 に、酸素ガスを 30分パブリングさせることで、セル内の雰囲気を酸素飽和とした後、 同じく回転数 2000rZmにし、同様の電位走査により酸素還元電流値を測定した。 結果を図 25に示す。
電極上のパラジウム lgあたりの酸素還元電流値と窒素雰囲気での電流値の差が 1 OA/gを超える電位は、 0. 770Vであった。
産業上の利用可能性
[0065] 本発明は、白金を使用しないことで、低コストで埋蔵資源量の制約を受けることがな く、かつ酸素還元性能及び耐久性の面で優れた性能を有する固体高分子型燃料電 池用力ソード触媒を提供するものであり、自動車用燃料電池、家庭用燃料電池、携 帯機器用燃料電池に使用することが可能である。
図面の簡単な説明
[0066] [図 1]参考例 1のデータに基づいて、 PdCo二成分系について、 0. 50Mの HCIO (a
4 q)中の電位(la) 0. 70Vおよび(lb) 0. 80V (vsSHE)における定常状態での酸素 還元電流のプロットを示す図。
[図 2] (a): CO酸化に要する電荷量から推定された PdCo二成分系につ 、ての電気 化学的表面積のデータのプロットした図。(b):参考例 2のデータに基づいた、 0. 50 Mの HCIO (aq)中における 0. 70V(vsSHE)での酸素還元の比活性電流密度の
4
データをプロットした図。
[図 3]参考例 3のデータに基づいて、 0. 50Mの HCIO (aq)中における酸素還元スク
4
リー-ング実験の前後に測定したサイクリックボルタモグラム力も観測した、 PdCo二 成分系につ ヽての表面酸ィ匕物還元ピーク電流の変化(ΔΐρΖ μ Α)を示す図。
[図 4]スクリーニング実験に用いられた蒸着膜の二成分系および三成分系組成の全 てを示した図。
[図 5]実施例 1における PdCoAu三成分系合金について、 0. 5Mの HCIO (aq)中の 電位(a) 0. 70V, (b) 0. 75Vおよび(c) 0. 80V (vsSHE)における定常状態での酸 素還元電流をプロットした図。
[図 6]実施例 2における PdCoAu三成分系合金について、 0. 5Mの HCIO (aq)中の
4 電位(5a) 0. 70V、 (5b) 0. 75V, (5c) 0. 80V (vsSHE)における定常状態での酸 素還元に対する比活性電流密度をプロットした図。
[図 7]実施例 3における二成分系および三成分系相空間全体について、 0. 5Mの H CIO (aq)中の電位(a) 0. 70V、 (b) 0. 75Vおよび(c) 0. 80V (vsSHE)における
4
定常状態での酸素還元電流をプロットした図。
[図 8]実施例 4における二成分系および三成分系相空間全体について、 0. 5Mの H CIO (aq)中の電位(a) 0. 70V、 (b) 0. 75および(c) 0. 80V (vsSHE)における定
4
常状態での酸素還元に対する比活性電流密度をプロットした図。
[図 9]実施例 5における 0. 5Mの HCIO (aq)中において、酸素還元スクリーニング前
4
(9a)および酸素還元スクリーニング後(9b)に測定したサイクリックボルタモグラムか ら得た表面酸ィ匕物還元ピーク電流の変化をプロットした図。
[図 10]図 9のデータを基にした、本発明の PdCoAu三成分系相図における好ましい 組成領域を示す図。
[図 11]実施例 6〜9で使用した作用電極の概略図を示す図。ここでは、スパッタリング 法によりグラッシ一カーボン基板の表面上に合金薄膜が形成されている。
[図 12]実施例 6〜9で使用した測定セルおよび装置を示す図。
[図 13]実施例 6における PdCoAu三成分系合金および Pdについて、定常状態 ORR 電流(I (mA) )対電極電位 (E (V/RHE) )をプロットした図。
[図 14]図 13の拡大図。
[図 15]実施例 7における PdCoAu三成分系合金、 Pdおよび Ptについて、 ORR電流 (I (mA) )の電極電位 (E (V/RHE) )依存性を示す図。
[図 16]実施例 8における PdCoAu合金および Pdについて、 Pdの溶出率対 CVサイク ル数を示す図。
[図 17] (a)および (b):実施例 9における Ptおよび PdCoAu合金について、定常状態 での ORR電流(I (mA) )の電極電位 (E (V/RHE) )依存性を、電解質溶液中のメタ ノール濃度をパラメータとして示す図。
[図 18]実施例 12の粉末 X線回折データ。図中、縦実線は Pd金属単体の Pd (111)ピ ーク値を、縦破線は Au金属単体の Au (111)ピーク値を示す。
[図 19]実施例 12および比較例 12— 1における電極上のパラジウム lgあたりの酸素 還元電流値 (I (A) /g)の電極電位 (E (V) vsRHE)依存性を示す図。
[図 20]実施例 13の粉末 X線回折データ。図中、縦実線は Pd金属単体の Pd (111)ピ ーク値を、縦破線は Au金属単体の Au (111)ピーク値を示す。
[図 21]実施例 13における電極上のパラジウム lgあたりの酸素還元電流値 (1 (A) Zg
)の電極電位 (E (V) vsRHE)依存性を示す図。
[図 22]実施例 14の粉末 ·Χ線回析データ。図中、縦実線は Pd金属単体の Pd (111) ピーク値を、縦破線は Au金属単体の Au (111)ピーク値を示す。
[図 23]実施例 14における電極上のパラジウム lgあたりの酸素還元電流値 (1 (A) Zg )の電極電位 (E (V) vsRHE)依存性を示す。
[図 24]実施例 15の粉末 X線回折データ。図中、縦実線は Pd金属単体の Pd (111)ピ ーク値を、縦破線は Au金属単体の Au (111)ピーク値を示す。
[図 25]実施例 15における電極上のパラジウム lgあたりの酸素還元電流値 (1 (A) Zg )の電極電位 (E (V) vsRHE)依存性を示す。
符号の説明
1 非被覆領域
2 テフロン被覆領域
3 膜形成領域
4 ポテンシォスタツト Zガルバノスタツト
5, 6 温度調整浴
7 電気化学半電池セル
8 作用電極
9 対極
10 基準電極
12 電解質 , 14 ガス入口 気泡管 塩橋 液絡 ゴム检 飽和 KC1溶液

Claims

請求の範囲
[1] 固体高分子型燃料電池における酸素還元反応のための合金触媒であって、少なく とも、 Pd, Co, Auを含有し、かつ、 Pdが 20原子%≤Pdく 70原子%、 Coが 30原子 %≤Coく 70原子%、 Au力 SO原子%<Au≤30原子%を含んで成る、上記合金触 媒。
[2] Pd、 Coおよび Auの量力 図 10に示す境界曲線上にある力 または境界曲線と Pd
Co軸とに囲まれた内部にある組成を有する、請求項 1に記載の合金触媒。
[3] 炭素を含有する担体上に、請求項 1または 2に記載の合金触媒を担持して成る固 体高分子型燃料電池用力ソード触媒。
[4] プロトン電解質膜、アノード触媒層および請求項 3に記載の力ソード触媒を含有す る力ソード触媒層を含んで成る固体高分子型燃料電池用の膜 Z電極接合体。
[5] 請求項 4に記載の膜 Z電極接合体を含んで成る固体高分子型燃料電池。
[6] Pd溶液に炭素粉末を分散させた後、還元剤を滴下して得られる、炭素粉末上に P dを担持している Pd担持体を製造する工程(1)と、次いで、該 Pd担持体を、 Co溶液 に分散させた後、溶媒を除去して得られた PdCo担持体、或いは、該 Pd担持体を、 C o溶液に分散させた後、更に還元剤又は pH調整剤を滴下し、それから濾過をして得 られた PdCo担持体を、水素ガス又は水素ガス含有不活性ガス雰囲気下で第一回目 の焼成を行い、引き続き、不活性ガス雰囲気下で第二回目の焼成を行って、 PdCo 合金を炭素粉末上に担持している PdCo合金担持体を製造する工程 (2)と、次いで 、該 PdCo合金担持体を、 Au溶液に分散させた後、溶媒を除去して得られた PdCo Au担持体、或いは、該 PdCo合金担持体を、 Au溶液に分散させた後、更に還元剤 を滴下し、それから濾過をして得られた PdCoAu担持体を、不活性ガス雰囲気下で 第三回目の焼成を行って、 PdCoAu合金を炭素粉末上に担持している PdCoAu合 金担持体を製造する工程 (3)を含んで成る、請求項 3に記載の固体高分子型燃料 電池用力ソード触媒の製造方法。
[7] ミセル内部に少なくとも Pd水溶液、 Co水溶液、 Au水溶液を含む有機溶媒中の逆ミ セル溶液 (A)と、ミセル内部に少なくとも逆ミセル溶液 (A)中の全金属イオンに対し て 10当量〜 150当量の還元剤を含有する有機溶媒中の逆ミセル溶液 (B)とを逆ミセ ル溶液 (A)及び (B)の混合後の逆ミセル内部の pH力 9〜 13の状態となるように、 該有機溶媒を含んだまま混合撹拌して、 Pd、 Au金属単体及び、 Coの水酸化物を析 出させ、引き続き、反応系内に炭素粉末を添加撹拌して、得られた Pd、 Au金属単体 及び、 Coの水酸化物を担持した炭素粉末の担持体を得て、その後、反応系内から ろ別した該炭素粉末の担持体を、焼成することを含んで成る、請求項 3に記載の固 体高分子型燃料電池用力ソード触媒の製造方法。
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